JP2010136273A - アンテナ送信モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な通信状態を得ることができ、しかも低コスト化が図られたアンテナ送信モジュールを提供する。
【解決手段】第1のアンテナ3を含む半導体装置1を有する第1のデバイス7と、第2のアンテナ22を有する第2のデバイス23と、を備えたアンテナ送信モジュールである。第2のデバイス23には凹部が形成されており、第1のデバイス7は、第1のアンテナ3及び第2のアンテナ22を同一面上に配置させるように、凹部内に入り込んだ状態で配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、アンテナ送信モジュールに関するものである。
従来、インクによって記録を行うプリンタ等におけるインクカートリッジのインク消費量が管理されている。このような管理方法としては、記録ヘッドでのインク滴の吐出数やメンテナンスにより吸引されたインク量をソフトウェアにより積算することでインクカートリッジにおけるインク残量を算出している。
また、インクカートリッジに設けたICチップ(半導体装置)と、プリンタ側に設けた端子とを接触させることでインクカートリッジ内のインク残量を検出することができる。一方、特許文献1に開示されるアンテナコイルを用いた通信形態を利用することで非接触状態にてインクカートリッジ内のインク残量を検出することも可能である。
特開平08−175061号公報
しかしながら、通常、上述したような非接触での通信においては外付けのチップアンテナが用いられるため、コストアップの要因となってしまっていた。そこで、コストを低減しつつ、良好な通信状態を得ることができる新たな技術の提供が望まれている。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、良好な通信状態を得ることができ、しかも低コスト化が図られたアンテナ送信モジュールを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明のアンテナ送信モジュールは、第1のアンテナを含む半導体装置を有する第1のデバイスと、第2のアンテナを有する第2のデバイスと、を備え、前記第2のデバイスには凹部が形成されており、前記第1のデバイスは、前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナを同一面上に配置させるように、前記凹部内に入り込んだ状態で配置されていることを特徴とする。
本発明のアンテナ送信モジュールによれば、第1のアンテナと第2のアンテナとが同一面上にて互いが近接した状態に配置されるので、両アンテナ間で良好な通信状態を実現することができる。このように両アンテナが近接するため、微弱な磁界結合を用いて良好な通信を行うことができる。よって、不要なノイズが外部に出るのを防止するとともに、消費電力を抑えることができる。
また、上記アンテナ送信モジュールにおいては、前記第1のアンテナは、前記半導体装置の能動素子形成面と反対の裏面側に形成されており、前記第1のデバイスは前記裏面を前記第2のデバイスに対向させるように配置されるのが好ましい。
この構成によれば、第1のアンテナが半導体装置の裏面側に形成されているので、能動素子形成面に形成されている集積回路に磁界の影響が及ぶのを抑えることができる。よって、半導体装置の誤作動を防止することができる。
また、上記アンテナ送信モジュールにおいては、前記第1のアンテナが前記半導体装置に内蔵されているのが好ましい。
この構成によれば、半導体装置に第1のアンテナが内蔵される構造のため、通信信号が外付けのアンテナを迂回することが無く、高速通信に容易に対応できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。以下では、電子機器本体の一例としてのプリンタ装置について説明するとともに、本発明のアンテナ送信モジュールの一実施形態について説明する。
図1はプリンタ装置の概念を示すブロック図であり、図2は本発明の第1のデバイスとしてのインクカートリッジに搭載されるICチップ(半導体装置)を示す断面図であり、これらの図において符号1は、ウエハレベルCSP(W−CSP)構造のICチップである。また、図3は、ICチップの平面構造を示す図であり、図4は図3におけるA−A線矢視による断面構造を示す図である。
ICチップ1は、図1に示すように矩形状の半導体基板10上に、インクの残量を検出する接液電極12,12と、プリンタ本体23(第2のデバイス)側の第2のアンテナ22との間で情報の授受を行う第1のアンテナ3と、インクの情報を記憶するEEPROM4と、これら接液電極12,12、第1のアンテナ3及びEEPROM4を一括して制御するコントローラ5と、を有している。
なお、ICチップ1は、第1のアンテナ3と第2のアンテナ22とが通信を行う際に発生する電力を利用することで接液電極12,12間の抵抗や電流を測定し、これによってインクの有無を検出することができる。
半導体基板10は、シリコンからなっており、その半導体基板10の能動素子形成面10a上に、トランジスタ等の能動素子から構成される上記コントローラ5及びEEPROM4を有する集積回路(不図示)が形成されている。集積回路は、少なくとも配線パターンが形成されており、EEPROM4やコントローラ5、その他のアクティブコンポーネントを相互に接続する配線等によって構成されている。
本実施形態においては、記憶回路として、読み出し書き込み可能な記憶媒体である上記EEPROM(不揮発性メモリ)4が用いられており、コントローラ5によって、インクカートリッジ7に残っているインク情報に基づいてEEPROM4の記憶するインク情報の更新などが行われるようになっている。
一方、図2に示されるように半導体基板10における能動素子形成面10aの周縁部には、集積回路を導通させるための素子電極11,11及び電極20a,20bが形成されている。電極20a,20bは、半導体基板10の前記集積回路に直接導通して形成されたもので、矩形状の半導体基板10の周縁部に設けられている。電極20a,20bは、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、あるいは、これらを含む合金等によって形成することができるが、本実施形態では電極20a,20bをアルミニウム(Al)で形成している。
また、能動素子形成面10a上に形成された素子電極11,11は、半導体基板10を貫通する一対のスルーホール24,24を介して、該半導体基板10の裏面10b側に引き出されている。スルーホール24,24は、半導体基板10の能動素子形成面10aから裏面10b側に向かって貫通しており、例えば、フォトリソグラフィー法等の公知の手法を用いて所定の孔径に形成されている。そして、印刷法によりスルーホール24,24の内部まで導電性ペーストを埋め込んだ、いわゆるコンタクトプラグを形成することにより貫通電極9,9としている。導電性ペーストとしては、例えばCu(銅)やW(タングステン)等の電気抵抗が低いものを好適に採用できる。このように、スルーホール24,24内部に導電性ペーストを充填することで貫通電極9,9を形成することにより安定した接続を行うことが可能となる。これら貫通電極9,9は、裏面10bから、後述するパッシベーション膜14の膜厚を大きく上回る突出量を有して形成されている。
各スルーホール24,24は、各素子電極11,11の直下に形成されていることが好ましい。素子電極11の直下には、通常、能動素子が存在していないことが多いため、これによって、スルーホール24,24を形成するためだけの半導体基板10の面積を割り振る必要がなく、半導体基板10の面積を最小限の大きさに抑えることができる。このような方法を採用することにより、ICチップ1に不可欠な電極を採用することができるので、ICチップ1をカスタム設計することなく、汎用タイプを流用することができる。
そして、能動素子形成面10aの素子電極11,11は、該能動素子形成面10a上に形成されるパッシベーション膜14によって覆われて保護されている。また、裏面10b上にもパッシベーション膜14が形成されており、貫通電極9,9を除いた裏面10b全体が覆われている。裏面10b側のパッシベーション膜14にも開口部14bが形成されており、このような構成によって、貫通電極9,9の先端部が前記開口部14b,14bから外側に突出した状態となっている。本実施形態においては、開口部から突出する貫通電極9,9の先端部がインク情報を検出する検出電極として機能する上記接液電極12,12を構成している。
これら一対の接液電極12,12は、インクに接液することになるため、その表面にAuメッキ膜18が成膜された構成となっている。メッキ膜としては、強アルカリ性のインク成分による影響を受けることのない耐薬品性に優れた金属が好ましく、Auメッキ膜の他、例えば、Ptメッキ膜、Ni−pメッキ膜等を用いてもよい。
本実施形態によれば、接液電極12,12間の抵抗や電流を測定することによって、インクの有無を検出することができる。このように、貫通電極9,9を検出電極として利用することにより、裏面10b側の配線数が減り簡易な構成とすることができる。
本実施形態では、このように接液電極12,12を半導体基板10の裏面10bに設けることによって、能動素子形成面10a側にインクが浸入する虞がなくなり、能動素子に対するインクの影響を確実に阻止することができる。
上記パッシベーション膜14は電気絶縁性材料からなるものであって、例えばポリイミド樹脂、シリコーン変性ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、BCB(benzocyclobutene)及びPBO(polybenzoxazole)等により形成されている。または、酸化珪素(SiO)、窒化珪素(Si)等の無機絶縁材料によって形成することもできる。本実施形態においては、ポリイミド樹脂を用いて形成されている。
半導体基板10の能動素子形成面10aにおけるパッシベーション膜14上には、前記素子電極11を避けた位置、本実施形態では半導体基板10の中央部に、絶縁樹脂からなる誘電体層15が形成されている。この誘電体層15は、図1に示すように、その断面が略台形状となっている。誘電体層15を形成する材料としては、感光性ポリイミド樹脂、シリコーン変性ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等から構成される。能動素子形成面10a上に誘電体層15を形成することにより、能動素子(集積回路)の熱ストレスが緩和され、信頼性寿命が著しく向上することになる。
また、能動素子形成面10a側のパッシベーション膜14には、各素子電極11上に開口部14a,14aが形成されており、これら開口部14a,14a内にて素子電極11,11が外側に露出した状態となっている。このような素子電極11には、前記パッシベーション膜14の開口部14a内にて再配置配線16(導電層)が電気的に接続されている。この再配置配線16は、前記集積回路の素子電極11の再配置を行うためのもので、半導体基板10の周辺部に配置された素子電極11から半導体基板10の中央部側に延びて形成され、さらに誘電体層15上にまで引き回されて形成されたものである。
また、半導体基板10上に形成された集積回路には、素子電極11以外に、図3に示すように、該素子電極11と同様の材料を用いて形成される電極20a,20bが形成されている。なお、図3においては、素子電極11,11の図示を省略している。
そして、素子電極11の場合と同じく、この電極20a,20bに再配置配線19(導電層)が接続されている。この再配置配線19は、電極20a,20bから中央部に延びて形成されるとともに誘電体層15上にまで引き回されて形成されている。誘電体層15上まで引き回された再配置配線19は、前記再配置配線16(図2参照)とは干渉しない位置に配置され、プリンタ本体23(第2のデバイス)側の第2のアンテナ22と通信を行う第1のアンテナ3となる。このように本実施形態に係るICチップ1は、第1のアンテナ3が内蔵(オンチップアンテナ)されたものとなっている。
第1のアンテナ3は、半導体基板10の略中央部に位置し、平面型インダクタ素子(スパイラルインダクタ素子)から構成されている。具体的には、図4に示したように、誘電体層15の表面に形成された第1のアンテナ3は側面視において同一平面上に、図3の平面図に示されるように渦巻き状(スパイラル状)に形成されている。
第1のアンテナ3は、半導体基板10の電極20aから電極20bに亘って配設される再配置配線19により形成され、図4に示すように、この再配置配線19は誘電体層15の下側に配設される下層配線25と、誘電体層15の上側に配設される上層配線26とを有している。これら下層配線25と上層配線26とは、誘電体層15に形成された孔15a内にCuを埋め込んでなる接続部27を介して接続されている。これにより、上層配線26は、パッシベーション膜14上に形成された下層配線25と短絡しないように配置されている。
また、下層配線25及び上層配線26のうち、半導体基板10から相対的に離間している上層配線26によって、図3に示すようなスパイラル部28が形成されている。よって、スパイラル部28と半導体基板10との間に誘電体層15が存在することになり、スパイラル部28と半導体基板10とをより離間させることができる。
なお、図4に示すように、第1のアンテナ3(下層配線25および上層配線26)の下側に、Cuからなるスパッタ層21が存在するが、このスパッタ層21は、第2のアンテナ3を形成する際のメッキ時に用いられるものである。
このようにして誘電体層15上に第1のアンテナ3(スパイラル部28)を形成することにより、電磁波吸収体である半導体基板10とのクリアランスを取れるので、第1のアンテナ3からの漏れ電流が少なくなり伝送効率を向上させ、アンテナ特性を向上させることができる。また、誘電体層15の誘電率を上げると、狭面積で短い長さの第2のアンテナ3を形成することができるので、ICチップ1の小型化を促進できる他、製造コストの削減にも繋がる。
上記再配置配線16及び再配置配線19は、金(Au)、銅(Cu)、銀(Ag)、チタン(Ti)、タングステン(W)、チタンタングステン(TiW)、窒化チタン(TiN)、ニッケル(Ni)、ニッケルバナジウム(NiV)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、パラジウム(Pd)等の単層膜や複層膜、その合金膜を用いることができるが、本実施形態では、Cu膜で形成している。
また、半導体基板10の能動素子形成面10a側には、図2、4に示したように、再配置配線16、再配置配線19(第1のアンテナ3)、誘電体層15、パッシベーション膜14を覆ってソルダーレジストからなる耐熱性の保護層17が形成されている。この保護層17を形成するための樹脂としては、例えば、耐アルカリ性を有する樹脂として、ポリイミド樹脂、PPS、PE等が用いられる。或いは、SiN、SiO、SiON等の無機膜を用いてもよい。
このようにして構成されるICチップ1は、再配置配線16と再配置配線19とを同一面上に同層をなすよう形成できることから双方を同時に形成することができる。これにより、製造工程を削減できて製造コストが削減される。
次に、上記ICチップ1を搭載するインクカートリッジについて説明する。インクカートリッジ7は、上述したICチップ1を搭載しており、後述する、第2のアンテナ22を備えたプリンタ本体23(第2のデバイス)に装着されるものである。搭載されるICチップ1は、インクカートリッジ7内のインク情報を管理及び検出する液センサの機能を果たす。
インクカートリッジ7は、図5に示されるように、インクを収容するインクタンク6を備えたインクカートリッジ筐体8を有しており、その外面に、一対の接液電極12,12をインクが収容されたインクタンク6内に露出させるように取付けられている。一対の接液電極12,12は、インクタンク6の底面に沿うようにインクカートリッジ筐体8の壁部下方に設けられている。なお、インクカートリッジ7のインクタンク6内には、所定のインクが収容されており、該インクカートリッジ7の所定箇所からインクを導出できるようになっている。
また、このICチップ1は、裏面10b側に設けられている接液電極12,12をインクタンク6内へ露出させることから、必然的に能動素子形成面10a側がプリンタ本体23側へと向くようになっている。これにより、能動素子形成面10a上に設けられている第2のアンテナ3がプリンタ本体23側の第2のアンテナ22と対向することになるので、電磁波吸収体である半導体基板10を通さずにプリンタ本体23へと直接伝送することができるので、伝送距離が短縮されてノイズが入り込み難くなる。
また、本実施形態においては、図6に示されるようにプリンタ本体23側にザグリを入れることで凹部23aを形成している。これにより、インクカートリッジ7は、プリンタ本体23に取付けられた際、ICチップ1が凹部23a内に入り込んだ状態で配置されている。なお、本発明における凹部は、ザグリのような凹部形状のものに限定されず、上述のようにICチップ1を入り込ませた状態に配置可能な形状であれば貫通穴であってもよい。
図7(a)はプリンタ本体23にインクカートリッジ7を搭載した際の、第1のアンテナ3と第2のアンテナ22との位置関係を示す図であり、図7(b)は図7(a)における断面構成を示す図である。図7(a)に示されるように、第2のアンテナ22は、第1のアンテナ3と同様、平面型インダクタ素子(スパイラルインダクタ素子)から構成されており、渦巻き形状(スパイラル状)に形成されている。
図7(a)、(b)に示されるように、第1のアンテナ3は、第2のアンテナ22の内側に配置されている。また、本実施形態においては、プリンタ本体23にインクカートリッジ7を搭載した際、図6に示したように凹部23a内にICチップ1が入り込んだ状態で配置されることにより、第1のアンテナ3と第2のアンテナ22とが、図7(b)に示されるように同一平面上に位置している。
このように両アンテナ3,22が同一面上にて互いが近接した状態に配置されるので、両アンテナ間で良好な通信状態を実現することができる。また、両アンテナ3,22が近接するため、微弱な磁界結合を用いて良好な通信を行うことができる。よって、不要なノイズがプリンタ本体23の外部に出るのを防止することができる。また、微弱な磁界結合による通信が可能となるので、プリンタ本体23における消費電力を抑えることができる。また、本実施形態のICチップ1は、上述のように第1のアンテナ3が直接形成された構成となっているため、外付けのアンテナを用いる必要が無い。そのため、第2のアンテナ22からの通信信号が外付けのアンテナを迂回することがなくなり、ICチップ1とプリンタ本体23との間で高速通信を行うことができる。
また、ICチップ1の接液電極12,12をインクカートリッジ筐体8のインクタンク6内に露出させるようにして設けることで、接液電極12,12がインクに直接接することになりインクタンク6内のインクの残量(有無)を確実に検出することができる。これらにより、インクがインクタンク6内に残った状態でインクカートリッジ7が交換されてしまうのを防止することができ、インクの無駄を無くすことができる。
ここで、図8にICチップの別の形態を示す。上記実施形態のICチップ1においては、能動素子形成面10a側に第1のアンテナ3が形成された構成について説明したが、図8に示されるように貫通電極9を用いて裏面10b側に第1のアンテナ3を形成するようにしてもよい。この場合、図示は省略するものの、接液電極12は能動素子形成面10a側に形成される。なお、図8において、図4の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
このように半導体基板10の裏面10b側に第1のアンテナ3を形成することで、第1のアンテナ3と能動素子形成面10aに形成されている集積回路(不図示)に磁界の影響が及ぶのを抑えることができる。よって、ICチップ1の誤作動を防止することができる。
(プリンタ装置)
次に、プリンタ装置(アンテナ送信モジュール)30の主要構成について、図9を参照しつつ説明する。図9において符号31はキャリッジであり、このキャリッジ31は、キャリッジモータ32により駆動されるタイミングベルト33を介し、ガイドロッド34に案内されてプラテン35の軸方向に往復移動されるように構成されている。
また、プリンタ装置30は、上記インクカートリッジ7を着脱可能に複数備えるとともに、各インクカートリッジ7からのインクの供給を受ける記録ヘッド(不図示)と、記録用紙13を記録ヘッドに対して相対的に移送させる紙送り手段と、を備えており、印刷データに基づいて記録ヘッドを移動させながら記録用紙13にインクを吐出させることで記録を行うものである。
前記キャリッジ31が走査される走査領域には、記録用紙13が配置され、この記録用紙13はキャリッジ31の走査方向に直交するように搬送されるように構成されている。
そして、キャリッジ31における前記記録用紙13と対向する面には、記録ヘッドが設けられ、またその上部には前記記録ヘッドにインクを供給するブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各インクがそれぞれ貯留されたインクカートリッジ7B,7Y,7C,7Mが着脱可能となるように装着されている。
このプリンタ本体23は、図2に示したように、各インクカートリッジ7に設けられている第1のアンテナ3と通信を行う第2のアンテナ22を有している。また、インクカートリッジ7から吐出されるインク滴をカウントして、例えばインクの消費量からインクの残量を算出する吐出液滴カウンタ部(不図示)を備えている。
また、非印字領域外であるホームポジションには、キャッピング手段36が配置されており、このキャッピング手段36は、キャリッジ31がホームポジション側へ移動した場合、キャリッジ31の移動に伴い、キャリッジ31に搭載された記録ヘッドのノズル形成面を封止できるように構成されている。また前記キャッピング手段36は、前記キャリッジ31が印字領域側へ移動するに伴って降下し、記録ヘッドの封止状態を解くことができるように構成されている。そして、前記キャッピング手段36の下方には、キャッピング手段36の内部空間に対して負圧を与えるための吸引ポンプ37が配置されている。
前記キャッピング手段36は、プリンタ装置30の休止期間中における記録ヘッドのノズル開口の乾燥を防止する蓋体として機能する他、記録ヘッドに印刷とは関係のない駆動信号を印加してインク滴を吐出させるフラッシング動作時のインク受けとして機能し、さらに前記吸引ポンプ37からの負圧を記録ヘッドに作用させて、記録ヘッドよりインクを吸引排出させるクリーニング手段としての機能も兼ね備えている。
キャッピング手段36の印字領域側に隣接して、ゴムなどの弾性板からなるワイピング部材38が配置されていて、キャリッジ31がキャッピング手段36側に往復移動する際に、必要に応じて記録ヘッドのノズル形成面を払拭して清掃するワイピング動作がなされるように構成されている。
プリンタ装置30は、各インクカートリッジ7からのインクの供給を受けるインクジェット式記録ヘッドに対して記録用紙13を相対的に移送させるようになっており、印刷データに基づいて記録ヘッドを移動させながら、記録用紙13にインク滴を吐出させることで記録を行うように構成されている。
プリンタ本体23には、図9に示すように、複数のインクカートリッジ7が並列状態に装着される。プリンタ本体23及びインクカートリッジ7間におけるインク情報の授受は、第1のアンテナ3と第2のアンテナ22との間の無線通信により行われる。アンテナを用いることで、インクカートリッジ7とプリンタ本体23との間で非接触により情報の授受が行われる。これにより、プリンタ本体23とインクカートリッジ7との電気的接点の劣化といった問題が防止され、通信信頼性が向上する。
インクカートリッジ7は、プリンタ本体23に装着されると、ICチップ1の駆動電源として、プリンタ本体23の第2のアンテナ22から出力されるインク情報の搬送波としての電磁波から必要な電力を取り出す(所謂、電磁誘導を利用)ように構成されている。すなわち、第1のアンテナ3は、情報授受機能と電力受信機能とを兼ねている。
また、インクカートリッジ7側の第1のアンテナ3と第2のアンテナ3との通信を利用してプリンタ本体23にインクカートリッジ7が正確に装着されたか否かを判断することができ、このとき、例えばインクカートリッジ7がプリンタ本体23に正確に装着されていない場合には、その旨、表示部或いはコンピュータに表示されるようになっている。
このようなプリンタ装置30は、まず、インクカートリッジ7がプリンタ本体23にセットされると、装着されたインクカートリッジ7が使用可能か否かを検出する。このとき、第1のアンテナ3及び第2のアンテナ22間の信号の授受が行われる。そして、第2のアンテナ22からの信号によりプリンタ本体23側から電力が第1のアンテナ3を介して供給されることでICチップ1が起動し、接液電極12,12に所定の電圧が印加される。すると、インクタンク6内にインクが収容されている場合には、接液電極12,12に接しているインクを通じて接液電極12,12間に電流が流れる。このような接液電極12,12により検出された信号(電気的値)はコントローラ5へと出力される。コントローラ5は、接液電極12,12により検出された信号が、接液電極12,12間で通電するという場合にはインク有りと判定し、この判定結果に基づくインク情報(インクの有無)をEEPROM4へと格納する。そして、インクカートリッジ7が使用可能であることが判明すると、その情報がプリンタ本体23に送信され、プリンタ本体23は印字待機状態に入り、印字信号を受け次第、印字データの記録を実行する。
一方、接液電極12,12による検出信号が接液電極12,12間で通電しないという信号の場合には、コントローラ5はインク無し(インクエンド状態)と判定する。そして、この判定結果に基づくインク情報(インクの有無)をEEPROM4へと格納し、インクカートリッジ7の交換を促す信号をプリンタ本体23へと出力する。このように、接液電極12,12間の通電状態を検知することでインクタンク6内のインクの有無を確認し、インクカートリッジ7の使用可否を判定する。
プリンタ本体23を駆動して印字を実行している際、インクカートリッジ7は、これら接液電極12,12間の通電状態を所定時間毎に検出する。接液電極12,12により検出された検出信号(電気的値)はコントローラ5へと出力される。このインク情報の検出周期は適宜設定される。コントローラ5は、この判定結果に基づいてEEPROM4のインク情報を随時更新する。このようにしてインク残量(インクの有無)の管理が行われる。そして、EEPROM4に格納されたインク情報は、コントローラ5により第2のアンテナ3を介してプリンタ本体23側へ出力され、表示部或いはコンピュータからユーザーへと提供される。
一方、プリンタ本体23側では、インク滴の吐出液滴カウント数やメンテナンスにより使用されたインク量をソフトウェアにより積算して、インクの消費量を計算する。その結果が所定時間毎に第2のアンテナ22を介してインクカートリッジ7のEEPROM4へと伝送され、該EEPROM4においてインク残量(消費量)の管理が行われる。このように、プリンタ本体23の第2のアンテナ22より出力された出力信号に基づいて、EEPROM4のインクに関する情報が随時更新される。そして、EEPROM4に格納されたインク情報は、EEPROM4から第2のアンテナ3を介してプリンタ本体23側の表示部或いはコンピュータへと出力されてユーザーへ提供される。これによりユーザーは、インクの消費経過を監視したり、インク残量等を確認したりすることができる。
接液電極12,12の信号に基づいてインクエンドの判定を行ったコントローラ5は、インクカートリッジ7の交換を促す信号を第1のアンテナ3を介してプリンタ本体23側へと出力し、プリンタ本体23の表示部(不図示)或いはコンピュータを通じてユーザーへと警告する。これによりユーザーは、インクカートリッジ7を交換する適正な時期を知ることができる。そして、インクエンド状態となったインクカートリッジ7はプリンタ本体23から取り外され、新たなインクカートリッジ7と交換される。
このとき、例えば、インクカートリッジ7の接液電極12,12によってインクタンク6内がインクエンド状態であることが判明しているにも関わらず、プリンタ本体23側の吐出液滴カウンタ部によって算出されるインク残量がインク有りとされているとするならば、プリンタ本体23側の異常とみられるため、プリンタ本体23の表示部或いはコンピュータに、異常内容を示すエラーメッセージが表示される。このように、プリンタ本体23側のインク情報と、インクカートリッジ7の接液電極12,12によって検出されたインク情報とを、EEPROM4において統合管理を行うことにより、双方を比較することでプリンタ本体23及びインクカートリッジ7における異常が検出される。
以上述べたように、本実施形態に係るプリンタ装置30によれば、上述のようにインクの情報を簡易な構成で確実に検出及び管理することができる。このとき、インクカートリッジ7とプリンタ本体23との間で、本発明のアンテナ送信モジュールからなる第1のアンテナ3及び第2のアンテナ22によって良好な通信状態が得られるので、インクカートリッジ7の適正な交換時期を正確に決定することができる。よって、インクを余すことなくインクカートリッジ7を交換することができるので、インクカートリッジ7の交換サイクルが延長されインクに掛かるコストダウンを図ることができる。
プリンタ装置の概念を示すブロック図である。 ICチップを示す断面図である。 ICチップの平面構造を示す図である。 第1のアンテナの概略構成を示す断面図である。 プリンタ装置の主要部の構成を示す図である。 プリンタ本体にインクカートリッジが取付けられた状態を示す図である。 (a)、(b)は第1、第2のアンテナの位置関係を示す図である。 ICチップの別の形態を示す図である。 プリンタ装置の主要構成を示す図である。
符号の説明
1…ICチップ(半導体装置)、3…第1のアンテナ、7…インクカートリッジ(第1のデバイス)、10a…能動素子形成面、22…第2のアンテナ、23…プリンタ本体(第2のデバイス)、23a…凹部、30…プリンタ装置(アンテナ送信モジュール)

Claims (3)

  1. 第1のアンテナを含む半導体装置を有する第1のデバイスと、
    第2のアンテナを有する第2のデバイスと、を備え、
    前記第2のデバイスには凹部が形成されており、
    前記第1のデバイスは、前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナを同一面上に配置させるように、前記凹部内に入り込んだ状態で配置されていることを特徴とするアンテナ送信モジュール。
  2. 前記第1のアンテナは、前記半導体装置の能動素子形成面と反対の裏面側に形成されており、前記第1のデバイスは前記裏面を前記第2のデバイスに対向させるように配置されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ送信モジュール。
  3. 前記第1のアンテナが前記半導体装置に内蔵されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアンテナ送信モジュール。
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