JP2010136159A - データ受信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】通信路の通信状況に応じて最適な遅延オフセット時間が設定可能なデータ受信装置を得る。
【解決手段】遅延オフセット時間算出部35は、予め定めた一定期間内に集計した差分値における最大値に基づき、算出遅延オフセット時間PREΔTDOを算出する。出力タイミング決定用基準時刻生成部38及びTSパケット出力タイミング調整部39は、TSパケットTP2内のタイムスタンプ値、遅延オフセット時間ΔTDO及び受信機基準時刻RBTに基づくタイミングで、受信バッファ32内のTSパケットTP2から実情報を含む出力パケットデータRTPを出力する。切替可能タイミング検出部36は、映像データ,音声データ等の実情報の連続性・不連続性に関する判断基準に基づき、遅延オフセット時間指定部37による遅延オフセット時間ΔTDOの切換可能タイミングを決定する。
【選択図】図3
【解決手段】遅延オフセット時間算出部35は、予め定めた一定期間内に集計した差分値における最大値に基づき、算出遅延オフセット時間PREΔTDOを算出する。出力タイミング決定用基準時刻生成部38及びTSパケット出力タイミング調整部39は、TSパケットTP2内のタイムスタンプ値、遅延オフセット時間ΔTDO及び受信機基準時刻RBTに基づくタイミングで、受信バッファ32内のTSパケットTP2から実情報を含む出力パケットデータRTPを出力する。切替可能タイミング検出部36は、映像データ,音声データ等の実情報の連続性・不連続性に関する判断基準に基づき、遅延オフセット時間指定部37による遅延オフセット時間ΔTDOの切換可能タイミングを決定する。
【選択図】図3
Description
この発明は、例えば、MPEG(Motion Picture Experts Group)2システムにおけるトランスポートストリーム(TS)のような映像・音声データを受信するデータ受信装置に関するものである。
映像・音声ストリームを、転送ジッタのあるネットワーク、たとえば無線ネットワークを介して伝送するシステムがある。これらのシステムでは、受信機側にデータバッファをもち、パケットデータに付加されている(ローカル)タイムスタンプで示す時刻と、受信機内の基準時刻とを基準に、受信機側のデータ出力するタイミングを決定する。受信機内の基準時刻は、送信機側と同期化する必要があるが、送信機側と受信機側のクロックを同期化させて、通信データの出力タイミングを調整する手法は、例えば、特許文献1で提案されている。
一方、受信機内のバッファでデータが蓄積される最大時間は、通信路で発生するジッタの最大時間よりも大きくなくてはならない。なぜなら、ジッタの最大時間よりも小さいと、アンダーフローが発生し、再生される映像や音声の品質が劣化されるからである。通信路で発生するジッタは、通信速度の変化や、通信エラーによる再送頻度など、通信路の通信状態によって変化する。
受信機内のバッファ内でデータが蓄積される最大時間として設定される時間(遅延オフセット時間)を大きくすると、アンダーフローの危険性は小さくなるが、送信側からデータを送信してから受信側でデータを出力・再生するまでの時間が長くなる。一方、遅延オフセット時間を小さくすると、送信側からデータを送信してから受信側でデータを出力・再生するまでの時間は短くなるが、アンダーフローの危険性は高くなる。一般的な映像・音声データの伝送システムでは、アンダーフローによる再生品質の劣化を避けるために、遅延オフセット時間は、過去に観測されたジッタの最大値とする場合が多く、固定値(固定時間)となっていた。
前述のように、特許文献1で開示される受信装置およびデータ受信方法では、予め決められた固定の遅延オフセット時間を設定することを前提としていた。したがって、通信路の通信状況が想定よりも良かった場合においては、遅延オフセット時間を短くすることができず、逆に通信路の通信状況が想定よりも悪かった場合においては、アンダーフローを起こしてしまう危険性があるという問題点があった。このため、受信装置およびデータ受信システムが許容可能なアンダーフロー発生率以下で、最小の遅延時間を遅延オフセット時間とする対応がせいぜいであり、最適な遅延オフセット時間を設定することができないという問題があった。
この発明は上記問題点を解決するためになされたもので、通信路の通信状況に応じて最適な遅延オフセット時間が設定可能なデータ受信装置を得ることを目的とする。
この発明に係る請求項1記載のデータ受信装置は、所定の送信装置から所定の通信手段を介して、パケットデータを受信するデータ受信装置であって、前記パケットデータは、前記所定の送信装置の送信時の時刻を示す送信時刻情報と映像データを少なくとも含む実情報とを有し、前記パケットデータを順次受信する通信部と、前記パケットデータをFIFO(First In First Out)方式で記憶する受信バッファと、受信機基準時刻を生成する受信機基準時刻生成部と、前記パケットデータ内の前記送信時刻情報と、前記パケットデータ受信時における前記受信機基準時刻との差分値とに基づき、算出遅延オフセット時間を随時算出する遅延オフセット時間算出部と、前記パケットデータに含まれている前記実情報の連続性・不連続性に関する判断基準に基づき、遅延オフセット時間の切換可能タイミングを決定する切替可能タイミング検出部と、前記切替可能タイミング検出部が指示する前記切換可能タイミングで、前記算出遅延オフセット時間を新たな遅延オフセット時間として指定する遅延オフセット時間指定部と、前記受信バッファに記憶されているパケットデータ内の前記送信時刻情報、前記受信機基準時刻及び前記遅延オフセット時間に基づくタイミングで、前記受信バッファに記憶された前記パケットデータ内の少なくとも前記実情報を含む出力パケットデータを出力するパケットデータ出力制御部とを備える。
請求項1記載のデータ受信装置における遅延オフセット時間算出部は、パケットデータ内の送信時刻情報と、受信機基準時刻との差分値とに基づき、算出遅延オフセット時間を随時算出するため、所定の送信装置との間の通信状況に適した算出遅延オフセット時間を常に得ることができる。
その結果、パケットデータ出力制御部は、送信時刻情報、受信機基準時刻及び遅延オフセット時間に基づくタイミングで、受信バッファに記憶されたパケットデータを常時適切に出力することができる効果を奏する。
また、遅延オフセット時間指定部は、切替可能タイミング検出部が指示する切換可能タイミングで、算出遅延オフセット時間を新たな遅延オフセット時間として指定している。上記切換可能タイミングはパケットデータに含まれている実情報の連続性・不連続性に関する判断基準に基づいて得られるタイミングであるため、パケットデータ内の実情報を再生した場合等に利用者に大きな違和感を感じさせることもない。
図1はこの発明の実施の形態であるデータ受信装置である受信機3を含む通信システムのシステム構成の概略を示す説明図である。
同図に示すように、本データ通信システムは、送信機2(所定の送信装置)と受信機3とが、通信ネットワーク1(所定の通信手段)を通じて通信可能なように接続されており、送信機2が送信するローカルタイムスタンプ付きTSパケットを受信機3が受信することにより、データ通信が行われる。
図2は、図1で示した通信システムにおける送信機2の内部構成を示すブロック図である。
同図に示すように、TSパケット入力部21は、送信機2の外部の信号源から映像データ及び音声データ等の実情報を含むTSパケットTP1を入力し、このTSパケットTP1をローカルタイムスタンプ付加部23に付与する。
送信機基準時刻生成部22は、送信機2の基準時刻である送信機基準時刻TBTを生成してローカルタイムスタンプ付加部23に出力する。
ローカルタイムスタンプ付加部23は、TSパケットTP1に、送信機基準時刻TBTを付加してローカルタイムスタンプ付きTSパケットTP23を送信バッファ24に出力する。
送信バッファ24は、ローカルタイムスタンプ付きTSパケットTP23を、通信ネットワーク1に送信するまで、順次バッファリングする(一時的に記憶する)。
送信機基準時刻リクエスト応答部25は、受信機3からの通信部26を介して得られる送信機基準時刻リクエストパケットQP1に応答して所定の応答処理を行う。なお、送信機基準時刻リクエスト応答部25の応答内容については後に詳述する。
通信部26は、送信バッファ24に一時記憶されたローカルタイムスタンプ付きTSパケットTP23を、TSパケットTP2として通信ネットワーク1に出力する。また、通信部26は、通信ネットワーク1を介して送信機基準時刻リクエストパケットQP1を受信したり、送信機基準時刻リクエスト応答部25から得られる送信機基準時刻レスポンスパケットQP2を送信することも行う。
図3は、図1で示した通信システムにおける受信機3の内部構成を示すブロック図である。
同図に示すように、通信部31は、通信ネットワーク1(図3では図示せず)経由で、送信機2から出力されたTSパケットTP2(ローカルタイムスタンプ付きTSパケットTP23)を受信し、受信バッファ32、遅延オフセット時間算出部35及び切替可能タイミング検出部36に出力する。
また、通信部31は通信ネットワーク1経由で送信機基準時刻レスポンスパケットQP2を受信し、端末間同期制御部34に出力する。さらに、通信部31は端末間同期制御部34より得られる送信機基準時刻リクエストパケットQP1を通信ネットワーク1経由で送信機2に出力する。
受信バッファ32は、TSパケットTP2を順次バッファリングする。受信機基準時刻生成部33は、受信機3の基準時刻である受信機基準時刻RBTを生成して、遅延オフセット時間算出部35及び出力タイミング決定用基準時刻生成部38に出力する。
端末間同期制御部34は、受信機基準時刻生成部33により生成される受信機基準時刻RBTが、送信機2の送信機基準時刻TBTに同期するように、受信機基準時刻生成部33を制御する。
遅延オフセット時間算出部35は、通信部31から得られるTSパケットTP2と受信機基準時刻生成部33からの受信機基準時刻RBTとに基づき、最適な遅延オフセット時間を算出遅延オフセット時間PREΔTDOとして随時算出して遅延オフセット時間指定部37に出力する。
切替可能タイミング検出部36は、TSパケットTP2に含まれる映像、音声データの連続点や不連続点を検出し、遅延オフセット時間の切替可能タイミングを指示するタイミング制御信号TCSを遅延オフセット時間指定部37に通知する。
遅延オフセット時間指定部37は、遅延オフセット時間算出部35で算出された算出遅延オフセット時間PREΔTDOを取得し、切替可能タイミング検出部36からのタイミング制御信号TCSの指示する切替可能タイミングにしたがって、取得した算出遅延オフセット時間PREΔTDOを遅延オフセット時間ΔTDOとして決定し、出力タイミング決定用基準時刻生成部38に出力する。
出力タイミング決定用基準時刻生成部38は、受信機基準時刻生成部33から出力された受信機基準時刻RBTに、オフセット時間指定部37から出力された遅延オフセット時間ΔTDOを差し引いた時刻である、出力タイミング決定用基準時刻OBTを生成してTSパケット出力タイミング調整部39に出力する。
TSパケット出力タイミング調整部39は、受信バッファ32にFIFO形式で順次バッファリングされている先頭のTSパケットTP2内のローカルタイムスタンプ値(送信時刻情報)と、出力タイミング決定用基準時刻OBTとを比較し、該先頭のTSパケットTP2の出力タイミングを決定する。そして、TSパケット出力タイミング調整部39は、出力タイミングを満足するTSパケットTP2を受信バッファ32から読み出し、TSパケットTP2内の映像データ、音声データ等の実情報を含むパケット部分を実TSパケットRTPとしてTSパケット出力部40に出力する。
これら出力タイミング決定用基準時刻生成部38及びTSパケット出力タイミング調整部39は、TSパケットTP2内のタイムスタンプ値、遅延オフセット時間ΔTDO及び受信機基準時刻RBTに基づくタイミングで、TSパケットTP2から少なくとも実情報を含む出力パケットデータRTPを出力するパケットデータ出力制御部として機能する。
TSパケット出力部40は、受信機3の外部の再生装置に、TSパケット出力タイミング調整部39より得た実TSパケットRTPを出力する。
次に、図2で示した送信機2の動作について説明する。まず、TSパケット入力部21に、送信機2の外部の信号源から映像・音声データとして、188バイト/パケットのTSパケットが入力される。一方、送信機基準時刻生成部22は、生成する送信機基準時刻TBTをローカルタイムスタンプ付加部23に出力している。
ローカルタイムスタンプ付加部23には、TSパケット入力部21にTSパケットTP1が入力された直後に、TSパケット入力部21よりTSパケットTP1が付与される。
図4はローカルタイムスタンプ付きTSパケットの構成を示す説明図である。ローカルタイムスタンプ付加部23は、図4に示すように、TSパケットTP1に送信機基準時刻TBTを規定したローカルタイムスタンプLT1を付加したローカルタイムスタンプ付きTSパケットTP23を生成し、送信バッファ24に出力する。その結果、ローカルタイムスタンプ付加部23から出力されるローカルタイムスタンプ付きTSパケットTP23は送信バッファ24内にFIFO(First In First Out)形式で順次蓄積される。
ローカルタイムスタンプLT1の値は、対応するTSパケットTP1の送信時の送信機基準時刻TBTを示す送信時刻情報となる。このローカルタイムスタンプLT1のビット長およびカウント周波数は、特に指定する物ではない。TSパケットを伝送する場合には、一般的には4バイト(32ビット)のビット長で、27MHzのカウント周波数でカウントする送信機基準時刻TBTを規定するローカルタイムスタンプLT1が使用される場合が多い。本実施の形態でも、4バイト(32ビット)のビット長で、27MHzのカウント周波数でカウントする送信機基準時刻TBTを規定するローカルタイムスタンプ値を使用するものとして説明を行う。
送信バッファ24は、FIFOバッファである。この送信バッファ24に順次蓄積されたローカルタイムスタンプ付きTSパケットTP23の出力先は通信部26である。通信部26は、通信ネットワーク1経由で、受信機3と通信を行う。通信部26は、送信バッファ24にローカルタイムスタンプ付きTSパケットTP23が蓄積されているかぎり、ローカルタイムスタンプ付きTSパケットTP23をTSパケットTP2として通信ネットワーク1を介して受信機3に送信する。
図5は送信機基準時刻リクエストパケットの内部構成を示す説明図である。同図に示すように、送信機基準時刻リクエストパケットQP1は通信パケットヘッダTH1及びリクエスト時受信機基準時刻QRTからなるパケットである。
送信機基準時刻リクエスト応答部25は、図5に示すような、受信機3から送信されてきた送信機基準時刻リクエストパケットQP1を通信部26を介して受信する。
図6は送信機基準時刻レスポンスパケットの内部構成を示す説明図である。同図に示すように、送信機基準時刻レスポンスパケットQP2は、通信パケットヘッダTH2、リクエスト時受信機基準時刻QRT及びレスポンス時送信機基準時刻RTTからなるパケットである。
送信機基準時刻リクエスト応答部25は、送信機基準時刻リクエストパケットQP1を受信すると、送信機基準時刻生成部22で生成する送信機基準時刻TBTをレスポンス時送信機基準時刻RTTとして付加した送信機基準時刻レスポンスパケットQP2を生成する。
そして、送信機基準時刻リクエスト応答部25は、送信機基準時刻レスポンスパケットQP2を通信部26から通信ネットワーク1を介して受信機3に送信する。
続いて、図3で示した受信機3の動作について説明する。通信部31は、通信ネットワーク1(図3では図示せず)経由で、送信機2から送信されたTSパケットTP2(ローカルタイムスタンプ付きTSパケットTP23)を受信する。
さらに、通信部31は、端末間同期制御部34から通知される送信機基準時刻リクエストパケットQP1を通信ネットワーク1を介して送信機2に送信するとともに、送信機2から通信ネットワーク1を介して送信機基準時刻レスポンスパケットQP2受信する。
通信部31は、TSパケットTP2を受信すると、速やかに受信バッファ32、切換可能タイミング検出部36、および遅延オフセット時間算出部35にTSパケットTP2を出力する。
一方、通信部31は、送信機基準時刻レスポンスパケットQP2を受信すると、この送信機基準時刻レスポンスパケットQP2を端末間同期制御部34に出力する。
受信バッファ32はFIFOバッファであり、通信部31から入力されたTSパケットTP2を順次蓄積する。蓄積したTSパケットTP2の出力先は、TSパケット出力タイミング調整部39である。
一方、受信機基準時刻生成部33は、受信機3にてTSパケットTP2を受信バッファ32から出力するタイミングを決定するための出力タイミング決定用基準時刻OBTの元となる、受信機基準時刻RBTを生成する。
この受信機基準時刻RBTは、送信機2の送信機基準時刻生成部22において生成される送信機基準時刻TBTと同期していることが望ましい。もし、送信機基準時刻TBTと受信機基準時刻RBTが同期していなく、ずれている場合、送信機2と受信機3の間で、長時間TSパケットの伝送をしていると、受信バッファ32において、通信ネットワーク1の通信状況にかかわらずアンダーフローやオーバーフローが発生する可能性が高くなるからである。
送信機基準時刻TBTと受信機基準時刻RBTを同期させる手法としては、例えば、上述した特許文献1で提案されている手法等が考えられる。
また、送信機2と受信機3との間で、時刻情報を通信することにより、同期を図る手法もある。以下、送信機2と受信機3の間で、定期的に時刻情報を通信することにより、同期を図る手法について、説明する。
図7は、受信機基準時刻RBTを送信機基準時刻TBTに同期させるために、受信機3側の端末間同期制御部34と送信機2側の送信機基準時刻リクエスト応答部25との間で行われる通信内容を模式的に示した説明図である。
同図に示すように、端末間同期制御部34は、時刻T101において、当該時刻T101をリクエスト時受信機基準時刻QRTとして含む送信機基準時刻リクエストパケットQP11を生成し、通信部31経由で、送信機2に送信する。
送信機基準時刻リクエストパケットQP11は、図5に示す送信機基準時刻リクエストパケットQP1と同様な内部構成を呈しており、通信パケットヘッダTH1後のデータペイロード部分に、時刻T101を示すリクエスト時受信機基準時刻QRTとして格納される。すなわち、送信機基準時刻リクエストパケットQP11におけるリクエスト時受信機基準時刻QRTは、端末間同期制御部34が送信機基準時刻リクエストパケットQP11を生成した瞬間の受信機基準時刻RBT(=T101)である。
送信機2は、時刻T102において、送信機基準時刻リクエストパケットQP11を通信部26を介して受信して送信機基準時刻リクエスト応答部25に出力する。
送信機基準時刻リクエスト応答部25は、受信した送信機基準時刻リクエストパケットQP11に格納されているリクエスト時受信機基準時刻QRTに加え、送信機基準時刻生成部22から入手した送信機基準時刻TBTをレスポンス時送信機基準時刻RTTを追加して送信機基準時刻レスポンスパケットQP21を生成する。
送信機基準時刻レスポンスパケットQP21は、図6で示した送信機基準時刻レスポンスパケットQP2と同様な内部構成を呈している。すなわち、図6に示すように、送信機基準時刻レスポンスパケットQP21は、送信機基準時刻リクエスト応答部25によって生成される瞬間の送信機基準時刻TBTであるレスポンス時送信機基準時刻RTTが、リクエスト時受信機基準時刻QRTに加えて、通信パケットヘッダTH2の後のデータペイロード部分に格納されているデータパケットである。
そして、送信機基準時刻リクエスト応答部25は、この送信機基準時刻レスポンスパケットQP21を通信部26経由で、時刻T103に受信機3に送信する。通常、時刻T103は時刻T102とほぼ同時刻となる。
受信機3は、時刻T104において、送信機基準時刻レスポンスパケットQP21を受信し、この送信機基準時刻レスポンスパケットQP21を端末間同期制御部34に出力する。
端末間同期制御部34は、受信した送信機基準時刻レスポンスパケットQP21から、レスポンス時送信機基準時刻RTTを抽出し、現在(時刻T104)における受信機基準時刻RBTと比較し、レスポンス時間を算出する。このレスポンス時間は、送信機基準時刻リクエストパケットQP11の送信から、送信機基準時刻レスポンスパケットQP21の受信までのレスポンス時間であり、時刻T101から時刻T104までの時間(T104−T101)に相当する。
次に、通信ネットワーク1上の通信状況が、輻輳などにより悪化しており、レスポンス時間が長くなってしまった場合について、説明する。
図7に示すように、端末間同期制御部34は、時刻T111において、送信機基準時刻リクエストパケットQP12(送信機基準時刻リクエストパケットQP1と同様な内部構造)を生成し、通信部31経由で、送信機2に送信する。
送信機2は、時刻T112において、送信機基準時刻リクエストパケットQP12を受信する。この後、送信機基準時刻リクエスト応答部25にて、前述したように、送信機基準時刻レスポンスパケットQP22(送信機基準時刻レスポンスパケットQP2と同様な内部構成)を生成し、理想的には時刻T112において、通信部26経由で、受信機3への送信を要求する。
しかしながら、通信ネットワーク1の通信状況が良好ではなく、輻輳などにより、実際に通信部25から送信機基準時刻レスポンスパケットQP22を送信できたのは、時刻T112から比較的長い時間が経過後の時刻T113であった場合を考える。そして、受信機3で送信機基準時刻レスポンスパケットQP22の受信を完了し、端末間同期制御部34で、端末間同期制御部34でレスポンス時間を算出する時の時刻は時刻T114であったとする。
上述した時刻T111〜T114間の送信機基準時刻リクエストパケットQP12,送信機基準時刻レスポンスパケットQP22の送受信の場合、送信機基準時刻レスポンスパケットQP22に格納されているレスポンス時送信機基準時刻RTTは、時刻T112に対応する送信機基準時刻TBTであり、現在(時刻T114)からは、離れた時刻データとなってしまっている。すなわち、時刻T114(T113)と時刻T111の間に大きな時間差(T114−T111)が生じいる。
このように大きな時間差が生じた原因としては、以下の2つの場合が想定されるが、いずれかであるかの判断することは難しい。
(1)端末間同期制御部34では、受信機3からの送信機基準時刻リクエストパケットQP12の送信時にパケット送信が遅れた(時刻T112と時刻T111との間で比較的大きな時間差が生じた)。
(2) 送信機2からの送信機基準時刻レスポンスパケットQP22の送信時にパケット送信が遅れた(上述の例のように、時刻T113と時刻T112との間で比較的大きな時間差が生じた)。
上述のような場合、送信機基準時刻レスポンスパケットQP22に格納されているレスポンス時送信機基準時刻RTTを、受信時点(時刻T114)における送信機2における送信機基準時刻TBTと推定するのは精度良い判断とは言えない。なぜならば、上記時間差(T114−T111)に大きな時間差が生じた原因が上記(1),(2)のいずれであるかを判断できず、上記(2)のような原因がある場合、レスポンス時送信機基準時刻RTTに関する誤差が無視できないからである。
上述のような通信状況の悪化に対応するために、レスポンス時間が、あらかじめ設定したレスポンス限界時間RLT以内であるか否かで、受信した送信機基準時刻レスポンスパケットQP2(QP21,QP22)内のレスポンス時送信機基準時刻RTTの有効性を決定する。
すなわち、レスポンス時間{(T104−T101),(T114−T111)}が、あらかじめ設定したレスポンス限界時間RLTであるならば、受信した送信機基準時刻レスポンスパケットQP2内のレスポンス時送信機基準時刻RTTを、受信機基準時刻RBTの目標値とする。
なお、目標値とするというのは、端末間同期制御部34の制御下で受信機基準時刻生成部33が生成する受信機基準時刻RBTを、送信機基準時刻生成部22が生成する送信機基準時刻TBTに近づけるようにすることである。例えば、レスポンス時送信機基準時刻RTTに比べ、受信機基準時刻RBTの方が遅れている場合、受信機基準時刻RBTの生成クロックを高め、逆に受信機基準時刻RBTの方が進んでいる場合は、受信機基準時刻RBTの生成クロックを低くすることにより、受信機基準時刻RBTを送信機基準時刻TBTに同期させることができる。
一方、レスポンス時間が、レスポンス限界時間RLT以上であるならば、その送信機基準時刻レスポンスパケットQP2内のレスポンス時送信機基準時刻RTTは採用することなく破棄する。
したがって、図7で示した例では、時刻T101〜T104間の送信機基準時刻リクエストパケットQP11,送信機基準時刻レスポンスパケットQP21の授受においては、(T104−T101)<RLTであるため、送信機基準時刻レスポンスパケットQP21内のレスポンス時送信機基準時刻RTTが受信機基準時刻RBTの目標値として採用される。
一方、時刻T111〜T114間の送信機基準時刻リクエストパケットQP12,送信機基準時刻レスポンスパケットQP22の授受においては、(T114−T111)>RLTであるため、送信機基準時刻レスポンスパケットQP22内のレスポンス時送信機基準時刻RTTは破棄される。
あらかじめ設定するレスポンス限界時間RLTは、通信ネットワーク1のスループットや通信エラーの変化の仕方、伝送データのビットレート、伝送データの特性(許容する基準時刻ジッタ値)、送信機2の送信バッファ24の送信バッファ量と受信機3の受信バッファ32の受信バッファ量との関係、ターゲットとする再生品質などにより、決定される値であり、製品仕様に属するため、ここでは具体的な算出方法については述べない。
遅延オフセット時間算出部35は、通信部31から、受信したTSパケットTP2内のローカルタイムスタンプLT1部分を取得し、そのローカルタイムスタンプの指示する時刻(ローカルタイム)と受信機基準時刻生成部33で生成している受信機基準時刻RBTを比較して、差分値をとる。
次々に受信するTSパケットTP2において、この差分値データを蓄積していく。一定期間、差分値データを蓄積し、分析を行うと、差分値の最大値、平均値、および平均偏差などの統計量が算出できる。これら統計量から、実際に通信ネットワーク1を経由した送信機2から受信機3へのTSパケットTP2の伝送において発生する伝送遅延時間の最大値と推測される遅延オフセット時間を算出遅延オフセット時間PREΔTDOとして算出する。
遅延オフセット時間算出部35は、前述した一定期間の差分データの蓄積、分析、および遅延オフセット時間の算出を繰り返し行い、算出する毎に算出遅延オフセット時間PREΔTDOを遅延オフセット時間管理部37に通知する。
図8は、受信したTSパケットTP2のローカルタイムスタンプデータが指示するローカルタイムと、遅延オフセット時間算出部35の該TSパケットTP2受信時における受信機基準時刻RBTとの差分値の経時変化を示すグラフである。
図8において、縦軸が差分値ΔDであり、横軸がTSパケットTP2を受信した時間である。また各々の差分値は図8上では×印で示している。以下、図8を参照して、TSパケットTP2の経時変化について説明する。
時刻T201〜T202までは、差分値ΔDは、差分値D202近傍で比較的が低くなっており、この期間は、通信ネットワーク1上の通信状況が比較的良かったことを示している。
一方、時刻T203では、差分値ΔDが急に大きくなっており、差分値D201(>>D202)に達しており、前回、TSパケットTP2を受信した時刻T202から、時刻T203までの時間も比較的長くなっている。その結果、時刻T203で受信したTSパケットTP2の伝送が、通信ネットワーク1上の通信状況の悪化により、正常に完了できなかったことを示している。
そして、時刻T203後、時刻T204にかけて、通信状況が良化し、差分値ΔDが差分値D202に向けて小さくなっていき、時刻T204から時刻T205にかけては、差分値ΔDは差分値D202近傍で安定していることを示している。
図9は、時刻T201から時刻T205にかけて、受信バッファ32のデータ残量の経時変化を示したグラフである。なお、図9で示す時刻T201〜T205は、図8で示す時刻T201〜T205に対応している。以下、図9を参照して、受信バッファ32のデータ残量ΔMの経時変化について説明する。
図9で示す例では、送信機2,受信機3間で通信されるTSパケットはCBR(Constant BitRate:固定ビットレート)ストリームであることを前提としている。時刻T201から時刻T202までは、通信ネットワーク1上の通信状況が良好であるため、一定レートで受信バッファ32にデータ入力があるため、データ残量ΔMはデータ残量M201付近で安定して推移する。
時刻T202を過ぎると、時刻T203までは、データ入力が無くなるため、データ残量ΔMが一気に減少していく。時刻T203にデータ残量ΔMがデータ残量M202(<<M201)まで減少した後、通信状況が回復し、データ入力が再開されるため、データ残量ΔMがデータ残量M201に向けて増加していく。時刻T204後は、通信状況が良好であるため、データ残量ΔMはデータ残量M201付近で安定して推移する。
図9で示す例では、時刻T203で、データ残量ΔMがデータ残量M201まで減少したが、もしデータ残量ΔMが“0”になってしまった場合は、受信バッファ32はアンダーフロー状態となってしまう。仮に、受信バッファ32がアンダーフローになると、その後に受信するTSパケットTP2のローカルタイムスタンプが示す時刻(ローカルタイムスタンプ値)に遅延オフセット時間ΔTDOを加えて時刻は、既に受信機基準時刻RBTを過ぎていることになり、意図したタイミングで該TSパケットを出力できなくなってしまい、TSパケット出力部40から出力されるTSパケットの品質が劣化してしまうことになる。
次に、遅延オフセット時間算出部35による算出遅延オフセット時間PREΔTDOの算出方法について述べる。図8において、時刻T201から時刻T205に受信したTSパケットTP2の中では、時刻T203の時に受信したTSパケットTP2におけるローカルタイムスタンプ値と受信機基準時刻RBTとの差分値ΔDが、差分値D201と最も大きくなる。この差分値D201を算出遅延オフセット時間PREΔTDOとして、使用することもできる。
しかし、この時刻T202から時刻T203で発生した通信状況の悪化が、通信ネットワーク1上で頻繁に発生しやすい事象かどうか判定することは一概には難しい。このため、一定期間内に集計した差分値ΔDのうち最大値を示す最大差分値(ΔDmax)を基準として算出遅延オフセット時間PREΔTDOを算出する方法が考えられる。すなわち、最大差分値ΔDmaxを基準として、受信バッファ32にて、アンダーフローを起こさないように安全性を考慮して固定時間Taを追加したり(PREΔTDO=ΔDmax+Ta…式(1))、一定掛率Ka(≧1)で遅延オフセット時間を増加させたり(PREΔTDO=ΔDmax・Ka…式(2))して、算出遅延オフセット時間PREΔTDOを求める方法が考えられる。
このように、遅延オフセット時間算出部35は、上述した式(1),式(2)を利用し、予め定めた一定期間内に集計した差分値ΔDにおける最大差分値ΔDmaxに基づき、算出遅延オフセット時間PREΔTDOを算出することにより、送信機2,受信機3間の通信状況を的確に反映した算出遅延オフセット時間PREΔTDOを得ることができる。
また、算出遅延オフセット時間PREΔTDOは、一定期間内に集計した差分値ΔDから得られる、差分値ΔDの平均及び標準偏差などの統計量を算出遅延オフセット時間PREΔTDOの算出基準としてもよい。すなわち、一定期間内に集計した差分値ΔDから、差分値ΔDの平均及び標準偏差の少なくとも一つを判断統計量として求め、該判断統計量に基づき算出遅延オフセット時間PREΔTDOを算出することもできる。
統計学的には、設定した算出遅延オフセット時間PREΔTDOを超える場合の確率も求められるため、受信バッファ32でアンダーフローが発生する確率(発生する平均周期)が求められ、結果的には、TSパケット出力部40から出力されるTSストリームの品質が算出できる。もし、TSパケット出力部40から出力されるTSストリームの品質が外部で規定されているなら、逆算して、規定品質を満たすように算出遅延オフセット時間PREΔTDOを算出することも可能である。
このように、遅延オフセット時間算出部35は、差分値ΔDの平均及び標準偏差などの統計量(判断統計量)に基づき、算出遅延オフセット時間PREΔTDOを算出することにより、送信機2,受信機3間の通信状況を的確に反映した算出遅延オフセット時間PREΔTDOを得ることができる。
切換可能タイミング検出部36は、通信部31で受信したTSパケットTP2に含まれる再生映像および再生音声の連続点や不連続点を検出し、遅延オフセット時間の切替可能タイミングを求め、当該タイミングを指示するタイミング制御信号TCSを遅延オフセット時間指定部37に通知する。
遅延オフセット時間ΔTDOを切り換えると、短時間ではあるがシーンが飛んだり、同じシーンが続くようになり、送信機2に入力されたオリジナルのTSストリームとは、同一ではないTSストリームになる。しかしながら、動きがない映像の時や、音声が低いもしくは音声がない時であれば、TSストリームを再生した映像や音声を視聴者に大きな違和感を感じさせないことができる。
遅延オフセット時間ΔTDOが切換可能な条件について説明する。映像に関しては、再生映像において、一定期間映像に変化がない場合(第1の判断基準)と、シーンが変化した場合(第2の判断基準)が、切換可能ポイントとなる。音声については、一定期間音声のレベルが視聴者が聞き取れないレベル以下か無音が続いた場合(第3の判断基準)が、切換可能ポイントとなる。これら、映像に関する2つの条件と、音声に関する1つの条件の組み合わせによって、切替可能タイミング検出部36は切換可能タイミングを決定する。例えば、一定期間映像に変化がない場合だけで切換可能ポイントとして、切換可能タイミングを決定してもよいし、映像シーンが変化した場合でかつ、一定期間音声のレベルが一定レベル以下か無音が続いた場合に、切換可能タイミングを決定してもよい。
このように、切替可能タイミング検出部36は、映像データ,音声データ等の実情報の連続性・不連続性に関する上記第1〜第3の判断基準のうち、少なくとも一つの判断基準を満足した場合に、切換可能タイミングとして決定することにより、遅延オフセット時間ΔTDOの切換時におけるTSストリームを再生した映像や音声を視聴者に大きな違和感を感じさせないようにすることができる。
なお、TSパケットから、一定期間映像の無変化点を検出する方法、およびシーン変化点を検出する方法については、従来より広く提案されているため、ここでは詳しく述べない。
遅延オフセット時間指定部37は、遅延オフセット時間算出部35から通知された最新の算出遅延オフセット時間PREΔTDOを、切換可能タイミング検出部36からのタイミング制御信号TCSが指示する切換可能タイミングで、出力タイミング決定用基準時刻生成部38に通知する。
遅延オフセット時間ΔTDOの切換頻度を抑えるために、切換可能タイミング検出部36から切換可能タイミングを指示するタイミング制御信号TCSが通知された場合でも、前回、出力タイミング決定用基準時刻生成部38に通知した遅延オフセット時間ΔTDOと、遅延オフセット時間算出部35から通知された最新の算出遅延オフセット時間PREΔTDOとの差が一定値以下の場合は、以下のように対応しても良い。すなわち、上記場合、遅延オフセット時間指定部37は、最新の算出遅延オフセット時間PREΔTDOを遅延オフセット時間ΔTDOとして出力タイミング決定用基準時刻生成部38に通知せず、前回、通知した遅延オフセット時間ΔTDOをそのまま継続するようにしても良い。
また、遅延オフセット時間ΔTDOが切り替えられた場合には、出力タイミング決定用基準時刻生成部38は、新たな遅延オフセット時間ΔTDOを反映した出力タイミング決定用基準時刻OBTをTSパケット出力タイミング調整部39に出力するとともに、遅延オフセット時間ΔTDOが切り換えられたことを示す切換事実情報をTSパケット出力タイミング調整部39に通知する。
すなわち、出力タイミング決定用基準時刻生成部38は、受信機基準時刻生成部33から通知される受信機基準時刻RBTに、遅延オフセット時間指定部37から通知される遅延オフセット時間ΔTDOを減算して、出力タイミング決定用基準時刻OBTを生成し、TSパケット出力タイミング調整部39に通知する。そして、出力タイミング決定用基準時刻生成部38は、上記切換事実情報を併せてTSパケット出力タイミング調整部39に出力する。
TSパケット出力タイミング調整部39は、FIFOである受信バッファ32の出力部の先頭に存在するTSパケットTP2(ローカルタイムスタンプ付きTSパケット)のローカルタイムスタンプが示す時刻(ローカルタイムスタンプ値)と、出力タイミング決定用基準時刻生成部38から通知される出力タイミング決定用基準時刻OBTとを比較する。そして、TSパケット出力タイミング調整部39は、当該ローカルタイムスタンプ値が出力タイミング決定用基準時刻OBTを経過していたら、そのTSパケットTP2からローカルタイムスタンプ部分を削除し、TSパケット部分(実情報を含む部分)だけを実TSパケットRTPとしてTSパケット出力部40に出力する。
また、TSパケット出力タイミング調整部39は、遅延オフセット時間ΔTDOが短くなった場合の対応として、受信バッファ32の出力部の先頭に存在するTSパケットTP2内のローカルタイムスタンプ値が、出力タイミング決定用基準時刻OBTとが同時刻になった時だけ、上述したように実TSパケットRTPを出力するようにしても良い。この場合、TSパケット出力タイミング調整部39は、ローカルタイムスタンプ値が出力タイミング決定用基準時刻OBTを既に経過している場合、TSパケットTP2全体を破棄することになる。
例えば、遅延オフセット時間指定部37からの遅延オフセット時間ΔTDOが短くなる方向で更新された場合、受信バッファ32内のTSパケットTP2を一部間引いて実TSパケットRTPとして出力することができる。したがって、デコーダ等の実TSパケットRTPの利用装置側の処理負担を軽減することが期待できる。
また、TSパケット出力タイミング調整部39は、遅延オフセット時間指定部37が遅延オフセット時間ΔTDOを改めたことを、出力タイミング決定用基準時刻生成部38からの切換事実情報から認識した場合は、その直後に出力する実TSパケットRTPにおけるアダプテーションフィールド内に存在する不連続指標(discontinuity indicator)フラグをセットするようにしても良い。不連続指示フラグをセットすることによって、このTSパケット(実TSパケットRTP)で、遅延オフセット時間ΔTDOの変更に伴いローカルタイムスタンプ値の連続性が途切れている事をデコーダ等の実TSパケットRTPを利用する装置に明確に通知する事ができ、意図通りの再生が可能になる。
なお、ローカルタイムスタンプ値の連続性が途切れているとは、上述したように、TSパケットTP2の一部が間引かれて実TSパケットRTPとして出力された場合、実TSパケットRTPの出力タイミングが一時的に早く(遅く)なる場合を意味する。
このように、本実施の形態におけるTSパケット出力タイミング調整部39は、遅延オフセット時間ΔTDOの変更直後に、出力パケットデータである実TSパケットRTP内に不連続であることを示す不連続指示情報(不連続指示フラグをセットする)を含める不連続指示設定処理を行っている。その結果、実TSパケットRTP内の不連続指示情報を参照することにより、デコーダ等の実TSパケットRTPの利用装置が実TSパケットRTPの不連続性を明確に認識することができる。
そして、TSパケット出力部40は、TSパケット出力タイミング調整部39から入力されたTSパケットを受信機3の外部に出力する。
このように、本実施の形態のデータ受信装置における遅延オフセット時間算出部35は、TSパケットTP2内のローカルタイムスタンプLT1で指示される時刻(送信時刻情報)と、受信機基準時刻RBTとの差分値とに基づき、算出遅延オフセット時間PREΔTDOを随時算出するため、送信機2との間の通信状況に適した算出遅延オフセット時間PREΔTDOを常に得ることができる。
その結果、出力タイミング決定用基準時刻生成部39は、上記送信時刻情報で指示された時刻と出力タイミング決定用基準時刻OBT(受信機基準時刻RBT−遅延オフセット時間ΔTDO)との比較結果に基づくタイミングで、受信バッファ32に記憶されたTSパケットTP2から実TSパケットRTPを適切に出力することができる効果を奏する。
また、遅延オフセット時間指定部35は、切替可能タイミング検出部36からのタイミング制御信号TCSで指示される切換可能タイミングで、算出遅延オフセット時間PREΔTDOを新たな遅延オフセット時間ΔTDOとして指定している。上記切換可能タイミングはTSパケットTP2に含まれている映像データ、音声データ等の実情報の連続性・不連続性に関する判断基準に基づいて得られるタイミングであるため、TSパケットTP2内の映像データ,音声データを再生した場合に視聴者に大きな違和感を感じさせることはない。
1 通信ネットワーク、2 送信機、3 受信機、21 TSパケット入力部、22 送信機基準時刻TBT生成部、23 ローカルタイムスタンプ付加部、24 送信バッファ24、25 送信機基準時刻リクエスト応答部、26,31 通信部、32 受信バッファ、33 受信機基準時刻生成部、34 端末間同期制御部、35 遅延オフセット時間算出部、36 切替可能タイミング検出部、37 遅延オフセット時間指定部、38 出力タイミング決定用基準時刻生成部、39 TSパケット出力タイミング調整部、40 TSパケット出力部。
Claims (6)
- 所定の送信装置から所定の通信手段を介して、パケットデータを受信するデータ受信装置であって、前記パケットデータは、前記所定の送信装置の送信時の時刻を示す送信時刻情報と映像データを少なくとも含む実情報とを有し、
前記パケットデータを順次受信する通信部と、
前記パケットデータをFIFO(First In First Out)方式で記憶する受信バッファと、
受信機基準時刻を生成する受信機基準時刻生成部と、
前記パケットデータ内の前記送信時刻情報と、前記パケットデータ受信時における前記受信機基準時刻との差分値とに基づき、算出遅延オフセット時間を随時算出する遅延オフセット時間算出部と、
前記パケットデータに含まれている前記実情報の連続性・不連続性に関する判断基準に基づき、遅延オフセット時間の切換可能タイミングを決定する切替可能タイミング検出部と、
前記切替可能タイミング検出部が指示する前記切換可能タイミングで、前記算出遅延オフセット時間を新たな遅延オフセット時間として指定する遅延オフセット時間指定部と、
前記受信バッファに記憶されているパケットデータ内の前記送信時刻情報、前記受信機基準時刻及び前記遅延オフセット時間に基づくタイミングで、前記受信バッファに記憶された前記パケットデータ内の少なくとも前記実情報を含む出力パケットデータを出力するパケットデータ出力制御部とを備える、
データ受信装置。 - 請求項1記載のデータ受信装置であって、
前記遅延オフセット時間算出部は、予め定めた一定期間毎に、前記パケットデータ内の前記送信時刻情報と受信機基準時刻との差分値を集計し、集計した差分値の最大値を最大差分値として求め、当該最大差分値を基準として、前記算出遅延オフセット時間を算出する、
データ受信装置。 - 請求項1記載のデータ受信装置であって、
前記遅延オフセット時間算出部は、予め定めた一定期間毎に、前記パケットデータ内の前記送信時刻情報と受信機基準時刻との差分値を集計し、集積した差分値の平均及び標準偏差の少なくとも一つを判断統計量として求め、該判断統計量に基づき前記算出遅延オフセット時間を算出する、
データ受信装置。 - 請求項1ないし請求項3のうち、いずれか1項に記載のデータ受信装置であって、
前記実情報は音声データをさらに含み、
前記切替可能タイミング検出部は、
前記映像データの再生映像において、予め定めた一定期間、同じ映像が続いたと判定した第1の判断基準、前記映像データの再生映像において、シーンが変化したと判定した第2の判断基準、及び、前記音声データの再生音声において、予め定めた一定期間、聴感上感知できない音量以下であると判定した第3の判断基準のうち、少なくとも一つの判断基準を満足した場合、前記切換可能タイミングとして決定する、
データ受信装置。 - 請求項1ないし請求項4のうち、いずれか1項に記載のデータ受信装置であって、
前記パケットデータ出力制御部は、前記遅延オフセット時間の変更直後に、前記出力パケットデータ内に不連続であることを示す不連続指示情報を含める不連続指示設定処理を行う、
データ受信装置。 - 請求項1ないし請求項5のうち、いずれか1項に記載のデータ受信装置であって、
前記第1のデータパケットは、MPEG2システムにおけるトランスポートストリーム(TS)パケットを含み、
前記不連続指示設定処理は、前記遅延オフセット時間の変更直後に、TSパケットのアダプテーションフィールド部に存在する不連続指標フラグを有効にする処理を含む、
データ受信装置。
Priority Applications (1)
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JP2008310762A JP2010136159A (ja) | 2008-12-05 | 2008-12-05 | データ受信装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018019393A (ja) * | 2016-07-15 | 2018-02-01 | 株式会社Cri・ミドルウェア | 再生制御システム、情報処理装置およびプログラム |
WO2022097756A1 (ja) * | 2020-11-09 | 2022-05-12 | 株式会社 東芝 | フレーム同期装置 |
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