JP2010130687A - ソースノード、リレーノード及びデスティネーションノードを含むリレーネットワークにおいてパケットを送信する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】方法は、ソースノードと、リレー(中継)ノードと、デスティネーション(宛先)ノードとを含むリレーネットワークにおいてLビットパケットを送信する。
【解決手段】ソースノードはパケットをβLビットの第1のフラグメント及び(1−β)Lビットの第2のフラグメントに区分化する。第1のフラグメントはフェーズ1の間にソースノードからリレーノードに第1のデータレートで送信される。第2のフラグメントはフェーズ2の間にソースノードからデスティネーションノードに第2のデータレートで送信され、この間、第1のフラグメントはリレーノードからデスティネーションノードに第3のデータレートで再送される。
【選択図】図1A
【解決手段】ソースノードはパケットをβLビットの第1のフラグメント及び(1−β)Lビットの第2のフラグメントに区分化する。第1のフラグメントはフェーズ1の間にソースノードからリレーノードに第1のデータレートで送信される。第2のフラグメントはフェーズ2の間にソースノードからデスティネーションノードに第2のデータレートで送信され、この間、第1のフラグメントはリレーノードからデスティネーションノードに第3のデータレートで再送される。
【選択図】図1A
Description
本発明は、包括的にはワイヤレスリレーネットワークに関し、より詳細にはリレーネットワークにおいてパケットを送信することに関する。
リレー(中継)ネットワーク
セルラネットワーク及びアドホックネットワークのようなワイヤレス(無線)ネットワークにおいて、リレー(中継)ノードはネットワークの範囲及び容量を増大させることができる。リレーノードはソースノードとデスティネーション(宛先)ノードとの間に複数のパスを提供してネットワークのダイバーシティを増大させる。これによって、シャドーイングに起因する大規模なフェージングを低減することができる。
セルラネットワーク及びアドホックネットワークのようなワイヤレス(無線)ネットワークにおいて、リレー(中継)ノードはネットワークの範囲及び容量を増大させることができる。リレーノードはソースノードとデスティネーション(宛先)ノードとの間に複数のパスを提供してネットワークのダイバーシティを増大させる。これによって、シャドーイングに起因する大規模なフェージングを低減することができる。
本明細書の目的のために、単純なリレーネットワークは、1つのソースノードと、1つのリレーノードと、1つのデスティネーションノードとを含む。このリレーネットワークは後述のように、一般的にリレーネットワークの設計限界及び性能限界に対する基本的な洞察を与えることができる。このタイプのネットワークはまた、セルラネットワークの設計に実際に適用することができ、ここでリレーノードは基地局の範囲を拡張することができ、容量を向上させることができる。単純なリレーネットワークはまた、より大きなリレーネットワークの構成要素としての役割を果たすこともできる。
パケットの中継に関していくつかの異なるプロトコルが既知である。増幅転送(AF)プロトコルはリレーノードにおいて単純な電力増幅回路を用いて利得を達成することができる。復号転送(DF)プロトコルでは、リレーノードはパケットを復号して雑音効果をなくし、次いでそのパケットを再符号化して再送する。圧縮転送(CF)はデータを転送する前に圧縮する。このような中継プロトコルは達成可能なデータレートを増大させることができることが既知である。
分割合成中継(SCR)プロトコル
分割合成中継(SCR)プロトコルでは、パケットは2つのフラグメントに分割され、2フェーズでデスティネーションノードに送信され、ここでそれらのフラグメントが合成される。1つの方法は、模倣符号化器(cribbing encoder)を有するメモリなしの多重アクセスチャネルを使用する。この方法はエネルギー消費を全く考慮していない。別の方法はエネルギー消費を考慮している。しかしながら、SCRのフェーズ1及びフェーズ2の継続時間は等しくなるように固定されており、リンク品質とは無関係である。別の方法は、時変チャネルにおいて部分チャネル状態情報が分かっている遅延制限容量との関連で種々の協調技法の送信電力とレートとの間のトレードオフを分析する。上記方法のいずれも総エネルギー消費を考慮していない。
分割合成中継(SCR)プロトコルでは、パケットは2つのフラグメントに分割され、2フェーズでデスティネーションノードに送信され、ここでそれらのフラグメントが合成される。1つの方法は、模倣符号化器(cribbing encoder)を有するメモリなしの多重アクセスチャネルを使用する。この方法はエネルギー消費を全く考慮していない。別の方法はエネルギー消費を考慮している。しかしながら、SCRのフェーズ1及びフェーズ2の継続時間は等しくなるように固定されており、リンク品質とは無関係である。別の方法は、時変チャネルにおいて部分チャネル状態情報が分かっている遅延制限容量との関連で種々の協調技法の送信電力とレートとの間のトレードオフを分析する。上記方法のいずれも総エネルギー消費を考慮していない。
スレピアン−ウォルフ協調(Slepian-Wolf Cooperation)
スレピアン−ウォルフ協調は、従来技術のリレーネットワークにおいて使用されている。しかしながら、スレピアン−ウォルフ協調ではソースノード及びリレーノードによる同時送信は許可されていない。
スレピアン−ウォルフ協調は、従来技術のリレーネットワークにおいて使用されている。しかしながら、スレピアン−ウォルフ協調ではソースノード及びリレーノードによる同時送信は許可されていない。
以下の参考文献、すなわち非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6、及び非特許文献7は上記で要約されている従来技術のSCR及びスレピアン−ウォルフ協調を教示しており、これらの参考文献は参照によりすべて本明細書に援用される。
Willems他著「The discrete memoryless multiple-access channel with cribbing encoders」(IEEE Trans. Inform. Theory, vol. 31, pp. 313-327, May 1985)
Nabar他著「Fading relay channels: performance limits and space-time signal design」(IEEE J. Select. Areas Commun., vol. 22, pp. 1099-1108, Aug. 2004)
Yang他著「Resource allocation for cooperative relaying」(42nd Annual Conf. on Inform. Sci. and Sys., pp. 848-853, Mar. 2008)
Gunduz他著「Opportunistic cooperation by dynamic resource allocation」(IEEE Trans. Wireless Commun., vol. 6, pp. 1446-1454, Apr. 2007)
Li他著「Slepian-Wolf cooperation: a practical and efficient compress-and-forward relay scheme」(Proc. 43rd Annual Allerton Conf. on Commun., Contr. and Computing, Sept. 2005)
Slepian他著「Noiseless coding of correlated information sources」(IEEE Trans. Inform. Theory, vol. 19, pp. 471-480, July 1973)
Van der Meulen他著「A survey of multi-way channels in information theory: 1961 - 1976」(IEEE Trans. Inform. Theory, vol. 23, pp. 1-37, Jan. 1977)
従来のプロトコルのいずれも送信電力及び送信データレートがネットワーク内の全体的なエネルギー消費にどのように影響を及ぼすかを考慮していない。その効果が分かっていれば、エネルギー消費を最適化することができる。
本発明の実施の形態によるワイヤレス通信ネットワークでは、リレーノードは範囲及び容量を増大させると共に、エネルギー消費を低減することができる。本発明の実施の形態は、所与のデータレートでの総エネルギー消費を最小限に抑える。より具体的には、リレーネットワークは、多くの一般的なパラメータ設定に対して従来の復号転送プロトコルよりも良好に機能する分割合成中継(SCR)プロトコルを使用する。
本発明の実施の形態によるSCRでは、ソースノードはパケットを2つのフラグメントに分割(区分化)する。第1のフェーズにおいて、ソースノードは第1のフラグメントをリレーノードに送信する。第2のフェーズにおいて、ソースノードは第2のフラグメントをデスティネーションノードに直接送信し、その間同時に、リレーノードは第1のフラグメントをデスティネーションノードに送信する。
本発明の実施の形態による方法は、各フラグメント内のデータ量を最適化する。本方法はまた、各フェーズの時間量、及び所定のデータレートに対する対応する送信電力、すなわち、各フェーズの待ち時間又は遅延も最適化する。SCRプロトコルは、フラグメントのスレピアン−ウォルフ符号化を使用してエネルギー消費をさらに低減することもできる。
このようなデータ、時間、エネルギー及びデータレートの最適化は従来技術において既知でない。本発明の実施の形態によるSCRプロトコルでは、ソースノードは第2のフェーズにおいてリレーノードによって送信されているデータのフラグメントを知っている。これによって総エネルギー消費をさらに16%低減することができる。
所与の送信データレート制約に対して分割合成中継(SCR)を使用するリレーネットワークにおいて電力消費を最適化する方法が提供される。本方法は、最適なSCRのための電力及びレート割当て並びに対応するパケット分割比を得るための基本的な最適化の枠組みを提供する。本方法は、エネルギー消費をさらに低減するためのスレピアン−ウォルフ符号化に対する拡張も提供する。一般的に、エネルギー消費量を従来のSCRと比較して16%低減することができる。
ネットワークモデル
図1Aは本発明の一実施の形態によるワイヤレスリレーネットワークを示す。この実施の形態では、スレピアン−ウォルフ符号化は使用されない。ネットワークは最低限、ソースノード(s)110と、リレーノード(r)120と、デスティネーションノード(d)130とを含む。すべてのノードは送受信用の単一のアンテナ121を有する。また、各ノードは、送信用の1つの無線周波数(RF)チェーン(xmt)及び受信用の1つの無線周波数(RF)チェーン(rcv)しか必要としない。すべてのノードは半二重モードにおいて動作し、その間単一のアンテナをRFチェーンの間で切り換える。リレーノードのためのすべてのノードの基本送受信機構造が示される。
図1Aは本発明の一実施の形態によるワイヤレスリレーネットワークを示す。この実施の形態では、スレピアン−ウォルフ符号化は使用されない。ネットワークは最低限、ソースノード(s)110と、リレーノード(r)120と、デスティネーションノード(d)130とを含む。すべてのノードは送受信用の単一のアンテナ121を有する。また、各ノードは、送信用の1つの無線周波数(RF)チェーン(xmt)及び受信用の1つの無線周波数(RF)チェーン(rcv)しか必要としない。すべてのノードは半二重モードにおいて動作し、その間単一のアンテナをRFチェーンの間で切り換える。リレーノードのためのすべてのノードの基本送受信機構造が示される。
ネットワークは分割合成中継(SCR)プロトコルを使用する。SCRでは、ソースノード110はLビットのパケット101を2つのフラグメントに区分化する。パケット分割比はβである。フェーズ1において、ソースノードはβLビットの第1のフラグメント111をリレーノードに第1のデータレートを使用して送信する。リレーノードは復号転送(DF)モードにおいて動作する。
フェーズ2において、ソースノードは第2のフラグメント(1−β)L112をデスティネーションノードに第2のデータレートで送信し、その間同時に、リレーノードは第1のフラグメントをデスティネーションノードに第3のデータレートで再送する。これらのフラグメントが同じチャネル及び周波数帯域を使用して同時に送信される場合であっても、第1のデータレート及び第2のデータレートが同じである必要はない。
デスティネーションノードは2つのパケット内の2つのフラグメントを合成してソースノードによって送信された元のパケットを復元する。第1のデータレート、第2のデータレート及び第3のデータレートは、送信中のエネルギー消費が最小限に抑えられるように最適化される。
図1Bは、スレピアン−ウォルフ符号化を用いる場合及び用いない場合のSCRプロトコルのフェーズ1及びフェーズ2を示す。図1Bでは、ソースノードからデスティネーションノードへ送信されるべき総ビット数はLである。パケット分割比はβである。パラメータυ=0である場合、これは基本SCRプロトコルであり、υ>0はスレピアン−ウォルフ符号化を用いるSCRに対応する。後者の場合、第1のフラグメントβL111の或る一部分(fraction)υがソースノードによって第2のフラグメント112と共に再送される。
ソースノードによってフェーズ1及びフェーズ2に使用される電力はそれぞれP0及びPsであり、リレーノードによってフェーズ2に使用される電力はPrである。フェーズ1及びフェーズ2の遅延はそれぞれτSCR−1及びτSCR−2である。
ノード間のチャネルは準静的加法性白色ガウス雑音(AWGN)チャネルとしてモデル化される。本方法を、フェージングし且つ/又は周波数選択的であるチャネルに簡単に拡張することができる。ノードは、それらの電力利得を時折更新してチャネル状態情報(CSI)のあり得る変化を反映することができる。ソースノードsとリレーノードrとの間のチャネル電力利得は|hsr|2である。リレーノードrとデスティネーションノードdとの間のチャネル電力利得は|hrd|2である。デスティネーションノードはフラグメントを最適に合成するためにhsd及びhrdを使用する。
ソースノードが第1の(フラグメント)パケットを送信する場合、パケットをリレーノードのみにアドレス指定することができる。したがって、第2の(フラグメント)パケットはいくらかの遅延の後に送信される。本発明では、ブロードキャスト効果、すなわち、デスティネーションノードがソースノードからリレーノードへの送信を受信すると共に、ソフト情報を記憶してエネルギー蓄積を可能にする事例を意識的に無視する。しかしながら、多くの実際的事例において、デスティネーションノードは受信SINRが低いことに起因してパケットに同期することが可能でない場合がある。さらに、デスティネーションノードにおいて信号を受信するのに必要とされるエネルギーは、ソースノードによる第1のフラグメントパケットの送信を「オーバーヒアリング」しているデスティネーションノードによって節約される総送信エネルギーよりも大きい可能性がある。
リレーノードは単一の送受信機チェーンを有するため、リレーノードは半二重モードにおいて動作しており、所与の一時点において信号を受信するか又は送信することしかできない。リレーノードは第1のフラグメントを正確に復号した後に転送することができる。復号パケットの第1のフラグメントとのチェックサムが不正確である場合、このパケットは廃棄される。
受信機は多重パケット受信(MPR)を可能にする高度な信号処理能力を有する。以下の論考の目的のために、送信データレートがガウスチャネルの情報理論的限界を満足する場合にパケットのコンテンツの受信が成功するものと仮定する。たとえば、有限の変調アルファベットを与えられる場合に容量を満たすことのような、「受信成功」の他の基準を使用することができる。
たとえば、ソースノードがパケットを直接デスティネーションノードに送信するとき、ソースノードからデスティネーションノードまでの送信データレートRsd−DTがRsd−DT≦C(|hsd|2Ps)を満足する場合且つその場合に限り、パケットの受信が成功する。ここで、
であり、式中、Wはネットワークにおいて利用可能な帯域幅であり、Psはソースノードにおける送信電力であり、σ2は受信機雑音電力であり、logは2を底とする対数を示す。
ソースノード及びリレーノードが多重パケット受信(mpr)を使用してパケットを同時にデスティネーションノードに送信するとき、パケットのソースノードからデスティネーションノードまでの送信データレートRsd−mpr、及びパケットのリレーノードからデスティネーションノードまでの送信データレートRrd−mprが多重アクセスチャネルの情報理論的限界を満足する場合且つその場合に限り、双方のパケットの受信が成功する。
式中、Ps及びPrはそれぞれフェーズ2の間のソースノード及びリレーノードの送信電力である。
分割合成中継
同時に送信を行っている2つのノードの多重アクセス容量領域が、2つのノード間でチャネルのタイムシェアリングのみが使用される場合よりも大きいことはよく理解されている。多重アクセス容量領域は式(2)〜(4)において表されている。
同時に送信を行っている2つのノードの多重アクセス容量領域が、2つのノード間でチャネルのタイムシェアリングのみが使用される場合よりも大きいことはよく理解されている。多重アクセス容量領域は式(2)〜(4)において表されている。
図2は、これをグラフで示している。図2において、垂直軸はソースノードにおける送信データレートであり、水平軸はリレーノードにおける送信データレートである。図2はタイムシェアリング(領域I)、多重アクセスチャネル(領域I及びII)、及びスレピアン−ウォルフチャネル(領域I、II及びIII)の容量を示している。
最初に、パケットはソースノードのみに存在する。したがって、ソースノード及びリレーノードの多重アクセス容量は、ソースノードが第1のフラグメントをリレーノードに送信した後にのみ使用することができる。
フェーズ1
ソースノードはパケット101の第1のフラグメント111をリレーノードに送信する。フラグメントはβLビットを含み、ここでβはパケット分割係数であり、0<β<1である。リレーノードはこのβLビットを復号する。
ソースノードはパケット101の第1のフラグメント111をリレーノードに送信する。フラグメントはβLビットを含み、ここでβはパケット分割係数であり、0<β<1である。リレーノードはこのβLビットを復号する。
フェーズ2
ソースノードは第2のフラグメント112をデスティネーションノードに送信する。第2のフラグメントは(1−β)Lビットを有する。スレピアン−ウォルフ符号化が使用される場合、フェーズ2の間に第1のフラグメントの或る一部分がソースノードによって再送される。同時に、リレーノードは第1のフラグメントをデスティネーションノードに再送する。MPRを使用可能なデスティネーションノードはソースノード及びリレーノードから受信されるフラグメントを復号して合成する。
ソースノードは第2のフラグメント112をデスティネーションノードに送信する。第2のフラグメントは(1−β)Lビットを有する。スレピアン−ウォルフ符号化が使用される場合、フェーズ2の間に第1のフラグメントの或る一部分がソースノードによって再送される。同時に、リレーノードは第1のフラグメントをデスティネーションノードに再送する。MPRを使用可能なデスティネーションノードはソースノード及びリレーノードから受信されるフラグメントを復号して合成する。
図1B及び図4に見られるように、ソースノードはSCRプロトコルのフェーズ1の間に送信電力P0を使用する。したがって、フェーズ1の遅延151は以下の通りである。
式中、
である。
ソースノードにおけるエネルギー消費は以下の通りである。
SCRプロトコルのフェーズ2の間、ソースノード及びリレーノードはそれぞれ送信電力Ps及びPrを使用する。図4を参照されたい。フェーズ2の遅延152は以下の通りである。
式中、Rsd−mpr及びRrd−mprは式(2)〜(4)を使用して選択され、フェーズ2の間の総エネルギー消費は以下の通りである。
SCRの総遅延はτSCR=τSCR−1+τSCR−2であり、総エネルギー消費はESCR=ESCR−1+ESCR−2である。これは、全体的な送信データレートが
であることを意味する。
本発明のSCRプロトコルの挙動を分析する。SCRのフェーズ2の間のエネルギー消費を最小限に抑えるために、ソースノードからデスティネーションノードへの送信の送信遅延と、リレーノードからデスティネーションノードへの送信の送信遅延とは等しいべきである。
である場合、SCRのエネルギー消費は最適である(最小限に抑えられる)。
最適な性能のために、ソースノード及びリレーノードの送信データレートは図2内の点Aと点Bとの間の線分内で選択される。
ソースノード及びリレーノードの送信データレートが、式(4)の等号が満足されるように設定される場合に、SCRのフェーズ2の間のエネルギー消費は最適となる(最小限に抑えられる)。
上記、及び式(2)〜(3)において与えられる最大データレートRsd−mpr及びRrd−mprを与えられると、パケット分割比β、並びにそれぞれのデータレートRsd−mpr及びRrd−mprの限界を求めることができる。
最適なSCRに関して、パケット分割係数は
の範囲内にあり、ソースノード及びリレーノードにおけるフェーズ2における最適な送信データレートはそれぞれ以下の通りである。
最適なSCR
本発明の最適なSCRのために、以下の最適化から|hsr|2、|hrd|2、|hsd|2及び目標となる全体的な送信データレートRの関数としての電力P0、Ps及びPrを選択する。
本発明の最適なSCRのために、以下の最適化から|hsr|2、|hrd|2、|hsd|2及び目標となる全体的な送信データレートRの関数としての電力P0、Ps及びPrを選択する。
ただし、P0、Ps、Pr>0且つ
を条件とする。
従来の最適化技法を使用してこの最適化を実施することができる。最適な電力割当てが求められた後、上記の容量の定式化を使用して送信データレートを計算することができる。図2内の点Aに対応するフェーズ2における最適な送信データレートは以下のように書き換えることができる。
スレピアン−ウォルフ符号化
多重アクセスチャネルを使用してSCRプロトコルのフェーズ2をモデル化する。フェーズ1では、ソースノードは第1のフラグメントをリレーノードに送信する。ソースノード及びリレーノードがフェーズ2において送信するデータは相関し得る。これは、情報理論におけるスレピアン−ウォルフ問題の分類内に入る。スレピアン−ウォルフによる分散ソース符号化(DSC)は、2つ以上の物理的に別個のソースノードの出力の符号化を指す。具体的には、SCRのフェーズ2の容量領域が以下のようになる。
多重アクセスチャネルを使用してSCRプロトコルのフェーズ2をモデル化する。フェーズ1では、ソースノードは第1のフラグメントをリレーノードに送信する。ソースノード及びリレーノードがフェーズ2において送信するデータは相関し得る。これは、情報理論におけるスレピアン−ウォルフ問題の分類内に入る。スレピアン−ウォルフによる分散ソース符号化(DSC)は、2つ以上の物理的に別個のソースノードの出力の符号化を指す。具体的には、SCRのフェーズ2の容量領域が以下のようになる。
式中、Ruv−swは、スレピアン−ウォルフ(uv−sw)符号化を使用するそれぞれのノードu及びvの間の送信データレートを示し、I(.,.)は相互情報量であり、Xuはノードuからの送信信号であり、Y=Xs+Xr+Nはデスティネーションノードにおける受信信号であり、ただしNは雑音である。
分散|hrd|2Prで分散しているゼロ平均ガウスとしてXrを選択し、Xs=Ws+υXrであり、ここでWsは分散|hsd|2Ps−υ2|hrd|2Prで分散しているゼロ平均ガウスであり、υはこの情報の量を指定する制御パラメータである。ソースノードはまた、ソースノードがリレーノードに送信したβLビットの情報の中から直接デスティネーションノードに送信を行う。
式(16)〜(17)における相互情報量を拡張することによって以下のデータレートが得られる。
スレピアン−ウォルフチャネルの容量領域を図2に示す。多重アクセスチャネルと比較して、スレピアン−ウォルフチャネルは図2内の領域IIIの分だけ達成可能な領域を増大させる。フェーズ2においてリレーノードはソースノードのコンテンツに関する情報を一切有しないため、リレーノードはソースノードの送信を増大させる一助とはなり得ない。したがって、ソースノードの最大送信データレートは多重アクセスチャネルの最大送信データレートと同じままである。
しかしながら、パラメータυを最適に選択することによって、ソースノードは異なる量の電力を割り当ててリレーノードが送信するデータを支援することができる。結果として、リレーノードは、多重アクセスチャネルにおいて使用される送信電力と同じ送信電力を使用する場合であっても、より高いデータレートで送信することができる。
電力プロファイル及び電力分割比の点から見ると、スレピアン−ウォルフ符号化を用いるSCRプロトコルは最適化問題に追加の変数υを導入する。それにもかかわらず、所与のυに関して、上述の最適なSCRに関して導き出されるすべてのものは有効である。
スレピアン−ウォルフ符号化を用いる最適なSCRのために、以下の最適化から|hsr|2、|hrd|2、|hsd|2及び目標となる全体的な送信データレートRの関数としてのP0、Ps、Pr及びυを選択する。
ただし、P0、Ps、Pr>0且つ
を条件とする。
対応する最適なデータレートは以下の通りである。
最適なSCRの結果
図3は、最適なSCRプロトコルが、送信データレートとは無関係に直接送信(DT)中継及び復号転送(DF)中継の双方と比較してより良好な性能を達成することを示している。図3は、ビット/秒(bps)単位の送信データレートをジュール単位の総エネルギーの関数として示している。
図3は、最適なSCRプロトコルが、送信データレートとは無関係に直接送信(DT)中継及び復号転送(DF)中継の双方と比較してより良好な性能を達成することを示している。図3は、ビット/秒(bps)単位の送信データレートをジュール単位の総エネルギーの関数として示している。
図4は、対応する最適な電力割当てを本発明のSCRの送信データレートの関数として示している。円(○)、バツ印(×)、及び三角形(△)はそれぞれ、フェーズ1、フェーズ2、中継の間のソースノードにおける送信電力を示す。高い送信データレートにおいて、2つのフェーズにおけるソースノードの最適な送信電力はほぼ等しい。
低い送信データレートにおいて、最適なSCRはフェーズ2の間のソースノードの送信電力を低減することによって全体的なエネルギーの節約を達成する。しかしながら、実際には、受信機感度の制約によって、送信電力が特定の閾値を上回ることが必要とされる。また、フェーズ2におけるPsが小さいことは、分割比βが1に近いことを暗に意味する。この事例では、チャネル符号化を(1−β)Lビットに有効に適用することが非現実的になる。したがって、低データレート用途には従来のDF中継を使用する。
図5は、bps単位の送信データレートをパラメータυの関数として示している。図5内の等高線501は、エネルギー節約のパーセンテージが等しいところを示している。図5は、パラメータυがSCRプロトコルの全体的なエネルギー消費にどのように影響を及ぼすかを示している。考慮される具体的な事例に関して、スレピアン−ウォルフを用いるSCRは、パラメータυが約0.25である場合に総エネルギー消費を16%超程度低減することができる。すなわち、フェーズ1においてリレーノードに送信されるフラグメントβL111の約25%が、フェーズ2においてソースノードによって第2のフラグメント(1−β)L112と共にデスティネーションノードに直接再送される。
本発明を特定の好ましい実施の形態を参照して記載してきたが、本発明の精神及び範囲内でさまざまな他の適合及び変更を行うことができることは理解されたい。したがって、添付の特許請求の範囲の目的は、本発明の真の精神及び範囲内に入るすべてのこのような変形及び変更を包含することである。
Claims (16)
- リレーネットワークのソースノードにおいて、Lビットを有するパケットを、βを分割比とし、βLビットを有する第1のフラグメントと、(1−β)Lビットを有する第2のフラグメントとに区分化すること、
第1のフェーズの間に前記第1のフラグメントを前記リレーネットワークの前記ソースノードからリレーノードに第1のデータレートで送信すること、
第2のフェーズの間に前記第2のフラグメントを前記リレーネットワーク内の前記ソースノードからデスティネーションノードに第2のデータレートで送信すること、
前記第2のフェーズの間に前記第1のフラグメントを前記リレーノードから前記デスティネーションノードに第3のデータレートで再送すること、
及び
前記リレーネットワーク内の総エネルギー消費が最小限に抑えられるよう、前記第1のデータレート、前記第2のデータレート及び前記第3のデータレートを最適化すること
を含む、ソースノード、リレーノード及びデスティネーションノードを含むリレーネットワークにおいてパケットを送信する方法。 - 前記デスティネーションノードにおいて前記第1のフラグメント及び前記第2のフラグメントを合成することをさらに含む
請求項1記載の方法。 - 前記第2のフェーズの間に前記第1のフラグメントの一部分を前記ソースノードから前記デスティネーションノードに前記第2のデータレートで再送することをさらに含む
請求項1記載の方法。 - 前記第1のフラグメントの前記一部分を再送することは、スレピアン−ウォルフ符号化を使用する
請求項3記載の方法。 - P0は前記第1のフェーズの間に前記ソースノードによって使用される電力であり、
Psは前記第2のフェーズの間に前記ソースノードによって使用される電力であり、
Prは前記第2のフェーズの間に前記リレーノードによって使用される前記電力である 請求項1記載の方法。 - P0は前記第1のフェーズの間に前記ソースノードによって使用される電力であり、
Psは前記第2のフェーズの間に前記ソースノードによって使用される電力であり、
Prは前記第2のフェーズの間に前記リレーノードによって使用される電力であり、
前記ソースノードsと前記リレーノードrとの間の電力利得は|hsr|2であり、
前記リレーノードrと前記デスティネーションノードdとの間の電力利得は|hrd|2であり、
前記合成することは、hsd及びhrdに従う
請求項2記載の方法。 - 前記第2のフェーズの間の送信遅延及び再送遅延は等しい
請求項1記載の方法。 - 前記第1のセグメント及び前記第2のセグメントは、それぞれ前記第2のフェーズの間に同時に送信及び再送される
請求項1記載の方法。 - 前記第2のデータレートと前記第3のデータレートとは異なる
請求項1記載の方法。 - すべてのノードは、単一のアンテナ及び1つの送受信機無線周波数チェーンを有する
請求項1記載の方法。 - 各ノードは、同じ周波数帯域を使用する
請求項1記載の方法。
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