JP2010126100A - 操舵機構の設計方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本設計方法は、互いに噛み合うラック軸10のラック歯9およびピニオン軸7のピニオン歯8を有するラックアンドピニオン式の操舵機構11における、ラック歯9およびピニオン歯8の設計諸元を、所定の性能諸元を満足する値に設定するための方法である。本設計方法は、設計諸元に仮値を設定する工程と、設計諸元を変数として性能諸元を演算する演算式を用い、変数に仮値を代入して性能諸元値を得る工程と、得られた性能諸元値の合否を判定する工程と、を有している。性能諸元は、ラック歯8およびピニオン歯9のかみあいに伴ってラック軸10をその軸線37の周りに揺動させる揺動トルクを含んでいる。
【選択図】図2
Description
また、操舵機構においては、振動および異音の発生を抑制することや、操舵フィーリングを向上することのために、ピニオン歯およびラック歯の設計諸元を最適化するための手法の確立が要請されている。
そこで、本発明の目的は、振動および異音の発生を抑制するとともに操舵フィーリングの向上に寄与し設計諸元の最適化が可能な操舵機構の設計方法を提供することである。
[車両用操舵装置について]
図1は、車両用操舵装置の概略構成の模式図である。図1を参照して、車両用操舵装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結しているステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3に第1の自在継手4を介して連結された中間シャフト5と、中間シャフト5に第2の自在継手6を介して連結されたピニオン軸7と、ピニオン軸7に設けられたピニオン歯8に噛み合うラック歯9を有して車両の左右方向に延びる転舵軸としてのラック軸10とを有している。
ステアリングシャフト3は、操舵部材2に連なる入力軸17と、ピニオン軸7に連なる出力軸18とに分割されている。これら入力軸17および出力軸18はトーションバー19を介して同一の軸線上で互いに連結されている。入力軸17に操舵トルクが入力されたときに、トーションバー19が弾性ねじり変形し、これにより、入力軸17および出力軸18が相対回転するようになっている。
サポートヨークハウジング30は、筒状をなしており、ピニオン軸7の軸方向A1に直交する方向であり且つラック軸10の軸方向に直交する方向に延びている。
図1および図2を参照して、ピニオン軸7の中心軸線36およびラック軸10の中心軸線37は、互いに食い違って配置されている。両中心軸線36,37に対して直交する方向(サポートヨークハウジング30の延びる方向に相当する。図1参照。)に沿って見るときに、ピニオン軸7の中心軸線36およびラック軸10の中心軸線37は、互いに斜めに交差して見えるようになっている。
[操舵機構の設計方法について]
本実施形態の操舵機構の設計方法(以下、単に設計方法ともいう。)では、ラック歯9およびピニオン歯8の設計諸元(例えば、モジュール、ねじれ角、転位係数等)を、所定の性能諸元を満足する値に設定するようにしている。
従って、本実施形態の設計方法を用いて設計諸元値を定めたときには、この設計諸元値で製作された操舵機構11においては、揺動トルクを小さくできる。その結果、操舵機構11における振動および異音の発生を抑制できる。また、操舵機構11の操舵フィーリングを向上させることができる。
設計方法は、第1の設計諸元に予め定められた所定値を設定する工程(ステップS1)と、第2の設計諸元に予め定められた範囲を設定する工程(ステップS2)と、第3の設計諸元に仮値を設定する工程(ステップS3)と、所定の幾何学的条件が満足されることを判定する工程(ステップS4)と、仮値および演算式を用いて性能諸元値としての揺動トルクを得る工程(ステップS5)と、得られた性能諸元値としての揺動トルクの合否を判定する工程(ステップS6)と、合格と判定された仮値が所定の強度条件を満足するか否かを判定する工程(ステップS7)とを有している。
ここで、比ストロークは、ストロークレシオとも呼ばれており、ピニオン軸7の1回転当たりのラック軸10の軸方向移動量である。また、軸角は、ピニオン軸7の中心軸線36とラック軸10の中心軸線37との両方に直交する方向から見たときに、ピニオン軸7の中心軸線36と、ラック軸10の中心軸線37と直交する線(図4(b)のZ軸に相当)とがなす角(図4(b)のΣ参照)である。
また、残りの設計諸元、すなわち、歯先円半径ra 、歯先高さha 、およびラック半径Rr は、揺動トルク以外の性能諸元に影響を及ぼすこともあるので、揺動トルクを算出するときには定数として用いられる。
また、ステップS3では、特定の設計諸元に仮値が設定されると、ステップS1およびステップS2で設定された設計諸元の値および範囲が維持されるように、他の設計諸元の仮値が計算される。例えば、ラック歯9のねじれ角βr の仮値を設定すると、比ストロークSRの値を維持するように、後述する演算式(50)を用いて、モジュールmの仮値を算出できる。
具体的には、所定の幾何学的条件を判定するための指標値を演算する演算式を用いる。この演算式は、設計諸元を変数として含む。この変数に、仮値が代入される。これにより、上述の指標値が算出される。算出された指標値が所定の条件を満たす場合に、仮値が所定の幾何学的条件を満たす、と判定される。
第1の幾何学的条件は、仮値により規定されるピニオン歯8およびラック歯9が、干渉することなく噛み合わせ可能であることである。例えば、ラック歯9とピニオン歯8の噛合状態において、所定の噛合位置を超えたラック歯9の歯先がピニオン歯8の歯元をえぐるように干渉する現象、いわゆる、アンダーカットやトロコイド干渉と呼ばれる現象が生じるか否かを判定する。この現象の発生の指標値としてのトロコイド干渉クリアランスは、公知の演算式(例えば、上述の特許文献1参照。)を用いて求めることができる。求めたトロコイド干渉クリアランスの値が、0.3mm以上確保される場合に、第1の幾何学的条件が満足されると、判定する。
関数Tを用いた演算式については、後で詳しく説明するが、後述する式(44)の各変数に、モジュールm、上記圧力角α、上記歯数z、上記ねじれ角βp 、上記ねじれ角βr 、上記転位係数ξ、および上記最短距離aが含まれている。これらの各設計諸元(モジュールm等)に、仮値を代入することにより、揺動トルクTが得られる。
例えば、ステップS5で求められた揺動トルクTの複数の値、例えば、揺動トルクTの第1の値、…揺動トルクTの第Nの値を、互いに比較し、その中の最小値を求める。これとともに、この最小値をステップS5で算出するときに用いられた仮値が求められる。
揺動トルクTの最小値が、閾値以下の場合(ステップS6でYES)には、最小値が得られた仮値を合格であると判定する。一方、揺動トルクTの最小値が上限値を超えて大きい場合(ステップS6でNO)には、ステップS3で設計諸元に仮値を設定し直す。
具体的には、所定の強度条件を判定するための指標値を演算する演算式を用いる。この演算式は、設計諸元を変数として含む。この変数に、仮値が代入される。これにより、上述の指標値が算出される。算出された指標値が所定の条件を満たす場合に、仮値が所定の強度条件を満たす、と判定される。
所定の強度条件が満たされていない場合、すなわち、第1および第2の強度条件の少なくとも一方が満たされていない場合(ステップS7でNO)には、ステップS3で設計諸元に仮値を設定し直す。
これにより、揺動トルクTの値が小さくなるような設計諸元値を求めることができる。例えば、上述の合否を判定するステップS6の工程では、得られた性能諸元値としての揺動トルクTの値が、予め定める条件を満たすときに、得られた性能諸元値を合格と判定する。上述の予め定める条件としては、上記最小値や、揺動トルクTの値が相対的に小さな値であることや、揺動トルクTの値が所定値よりも小さいことを例示できる。これらの条件が満たされる場合の設計諸元値に基づいて製作される操舵機構11においては、揺動トルクTを小さくできるので、振動および異音の発生を抑制できて、また、操舵フィーリングの向上を図ることができる。
また、本実施形態のステップS6の工程では、仮値を判定するのに、複数の仮値の中から、上記揺動トルクTを最小とする仮値を求めるようにしている。この場合、設計諸元値として設定された複数の仮値の中において、設計諸元を最適化することができる。ひいては、合格と判定された仮値が設計諸元値として用いられて製作される操舵機構において、振動および異音の発生を確実に抑制できて、また、操舵フィーリングを確実に向上することができる。
例えば、上述の実施形態では、所定の幾何学的条件の判定と、揺動トルクの所定の条件の判定と、所定の強度条件の判定とが、この順で行われていたが、この順序は特に限定されない。また、少なくとも揺動トルクの所定の条件の判定がなされればよい。
また、揺動トルクの所定の条件は、揺動トルクの最小値を求めることと、この最小値が閾値以下であることとの両方を含んでいたが、これには限定されず、例えば、揺動トルクが予め定める所定値よりも小さい場合に、合格としてもよいし、揺動トルクが最小値である場合に、合格としてもよい。
また、上述の実施形態では、いわゆるコラムアシスト式の電動パワーステアリング装置に本発明が適用された例について説明したが、これに限らず、いわゆるピニオンアシスト式の電動パワーステアリング装置や、いわゆるラックアシスト式の電動パワーステアリング装置に、本発明を適用してもよい。
[揺動トルクの式の導出]
(1.はじめに)以下では、揺動トルクの演算式と、その導出過程とを説明する。
また、[揺動トルクの式の導出]の欄では、ピニオン軸7を単にピニオンともいう。ラック軸10を単にラックともいう。また、ピニオン軸の中心軸線36を、ピニオン軸線ともいう。また、ラック軸10の中心軸線37を、ラック軸線ともいう。
(2.ラックおよびピニオンのかみあい解析)
(2.1 座標系の定義)
図4は、ピニオン座標系およびラック座標系の説明図であり、図4(a) にピニオンおよびラックの要部の斜視図を、図4(b) にピニオンおよびラックの要部の平面図(ラック軸線およびピニオン軸線にともに直交する方向に沿って見た図)を、図4(c) のピニオンおよびラックの要部の側面図(ラック軸線に沿って見た図)を示す。
ピニオン座標系Sp(o−x,y,z)は、互いに食い違ったラック軸線とピニオン軸線とを最短距離で結ぶ線を含むピニオン軸直角面(ピニオン軸線とは直交する平面)をxy面とし、両軸線を最短距離で結ぶ線をx軸とする。x軸は、ラックに向かう方向を正とする。さらに、右手系に従い、ピニオン軸直角面上にy軸を定義する。また、xy面とピニオン軸線の交点を原点o、ピニオン軸線をz軸とする。
ピニオン座標系およびラック座標系の関係は、x(X)軸周りに軸角Σ(−Σ)回転し、それぞれの原点はx(X)軸上で両軸線の最短距離aで離れていることになる。
(2.2 座標系の変換)
上述のピニオン座標系とラック座標系の位置関係は、両座標系のx(X)軸が同一であり、x(X)軸周りにΣ(−Σ)回転させ、x(X)軸上で± a移動させればよい。
一方、ラック座標系Srを用いて、空間上の任意の点の位置ベクトルを表すときに、当該任意の点の位置ベクトルは、下記の式(2) で表される。
また、両座標系の位置関係を用いて、式(1) 、式(2) に示された2つのベクトルは、下記式(3) により互いに変換できる。
(3.1 ラックにかかる荷重および摩擦の定義)
ラックおよびピニオンのかみあいに伴って生じるラックの揺動トルクTを導出するため、ラックにかかる力について検討する。
ラックには、ピニオンとのかみあいによる歯面法線荷重が作用し、また、ピニオンとラックとの歯面間の相対すべり摩擦荷重が作用する。これに加えて、ラックには、ステアリング装置に特有な力、すなわち、ラックおよびピニオンの両歯面で常に接触を保つためのラック支持装置によるラック半径方向荷重、ラック支持装置とラックとの間のすべり摩擦荷重、さらに、車輪からの外力が作用する。
図6に示すように、各法線荷重PR 、PL は、歯面に垂直方向に働くため、それらの方向ベクトルepR、epLをラック座標系で表し、歯直角圧力角αn を用いると、方向ベクトルepR、epLは、下記の式(4) で与えられる。
(3.2.1 歯すじ方向の相対すべり速度の導出)
ラックおよびピニオンの軸角Σが0でないとき(Σ≠0 )には、ラック歯9とピニオン歯8のねじれ角が互いに異なるため、ラックおよびピニオンのかみあいから、歯たけ方向だけでなく、歯すじ方向にも相対すべりが生じる。以下では、この歯すじ方向の相対すべり速度を導出する。
インボリュート歯形を持つ歯車の歯たけ方向では、かみあう両歯のかみあい長さが互いに異なり、滑りながら転がっているため、両かみあい歯面上で相対すべりが生じている。 歯車歯面同士がかみあうとき、歯面相対すべり率により実際の歯たけ方向の歯面すべり摩擦を把握できる。歯面上の任意のかみあい点K(x,y,z)における歯たけ方向のすべり速度vαは下記の式(15)で与えられる。なお、式(15)中、uは歯面相対すべり率である。
式(14)および式(18)より、両歯面でかみあうときに、歯面間で生じる総合相対すべり速度vS のベクトルは、ラック座標系において下記の式(19)で与えられる。
また、その単位方向ベクトルeS は、下記の式(20)で与えられる。
式(4) および式(20)から、すべり摩擦を含めたピニオン右歯面から受ける荷重の単位方向ベクトルは、下記の式(21)で与えられる。
上述のように、式(22)はかみあい線単位長さ当たりの荷重なので、各かみあい線の荷重を微小長さdlR を用いて、同時かみあい歯の荷重の和から、ピニオン右歯面から受ける荷重全体は下記の式(23)で与えられる。
前節で導出した式(23)および式(26)により、歯面すべり摩擦を含めたピニオン両歯面から受ける荷重が得られたので、本節では、ラックにおける力のつりあい式を導出し、ピニオン両歯面から受けるかみあい線単位長さ当たりの荷重PR 、PL を求める。
ラックにかかる力は、式(23)および式(26)から求められた歯面荷重に加えて、ラックの軸方向にラックに作用する外力(ラック軸方向外力)Fr 、ラック軸支持装置28のサポートヨーク41からのラジアル荷重W、およびサポートヨーク41との摩擦によるスラスト荷重μ2 Wがある。それらの力のつりあいを考えると、下記の式(27)が得られる。
PL <0 のとき、式(29)においてPL =0とし、PR は下記の式(33)となる。同様に、PR <0 のとき、式(29)においてPR =0とし、PL は下記の式(34)となる。
ラック軸線周りのモーメントから、揺動トルクを導出する。ラック軸直角面(XZ平面)に働く荷重成分を検討するので、先に求めたピニオン両歯面から受ける荷重fR 、fL を下記の式(35)で表す。
式(37)においてX=0のとき、下記の[数36]の(i) または (ii) とする。
同様にピニオン左歯面から受ける荷重によるラック軸線周りのモーメントTL も求められ、図9に示すように、かみあい線上の点(ZL ,XL )とすると、そのときの荷重成分は下記の式(40)となる。
式(41)においてX=0のとき、下記の[数41]の(i) または (ii) とする。
式(39)と式(43)をまとめると、図9に示したラック軸線周りのモーメント、つまり揺動トルクTは下記の式(44)で与えられる。
以上により、操舵機構のラックの揺動トルクの演算式(44)を導出した。
(3.6 揺動トルクと設計諸元との対応)
次に、式(44)が、具体的な設計諸元(上述のステップS3で説明した設計諸元)を用いて表されることを、説明する。
各噛み合い点座標は、ピニオンの回転により変化し、各歯で線上に存在しているので、下記の式(51)で与えられる。
s :かみあい範囲内のみ存在する変数
θ:ピニオン回転角度
k :隣接歯に関する係数
である。
kは、その噛み合い状態のときに、同時に噛み合う歯数に応じて必要な係数である。例えば、ピニオンの第1,第2および第3の歯からなる3歯が同時にラック歯に噛み合うならば、k=−1,0,1の何れかに設定される。第1の歯に関する噛み合い点座標を求めるときには、k=−1とする。第2の歯に関する噛み合い点座標を求めるときには、k=0とする。第3の歯に関する噛み合い点座標を求めるときには、k=1とする。
また、式(51)において、噛み合い範囲を求めるときに、ピニオンの歯先円半径ra と 、ラックの歯先高さha と、ラックのラック半径Rr とを用いる。
また、式(39)および式(44)には、ピニオン軸の回転角度も含まれている。ピニオン軸の回転角度に、適宜異なる仮値を代入し、これにより回転角度に応じた揺動トルクを求めることができる。
なお、車両への搭載条件や強度条件において、実施例および比較例の間で違いが生じないように、例えば、軸角、芯間距離、比ストローク、およびラック半径は、実施例および比較例の間で互いにほぼ等しくされている。
(試験) 実施例の設計諸元値を用いて、上述の演算式を用いて揺動トルクの値を算出した。
具体的には、製作したピニオン軸7とラック軸10とを、噛み合い試験機に取り付けて、ピニオン軸7を一定速度の低負荷状態で往復回転させる。このとき、ラック軸10が、軸方向直線移動するとともに、当該ラック軸10の中心軸線周りに微小角度で揺動する。このときのラック軸10の揺動角度を測定する。このとき、ピニオン軸7およびラック軸10は、噛み合い試験機に取り付けられ、これにより、実際のステアリング装置の操舵機構に用いられているときと同様に、ラック軸支持装置の付勢を受けることによりバックラッシが無くされた状態とされている。
(結果) 実施例および比較例の比較結果を、図10および図11に示す。
図10は、実施例と比較例におけるピニオン軸の回転角度θと、ラック軸の揺動トルクTの計算結果との関係のグラフであり、縦軸に揺動トルクT(Nm)を示し、横軸にピニオン軸の回転角度θ(rad)を示し、実施例を実線G1で示し、比較例を破線G2で示す。
また、実施例の揺動トルクの変動幅は、比較例の揺動トルクの変動幅と比べて、小さくなっている。例えば、比較例の揺動トルクの変動幅を100%としたときに、実施例の揺動トルクの変動幅は、約82%になっている。
図11を参照して、実施例の揺動角の最大値は、比較例の揺動角の最大値と比べて、小さくなっている。また、実施例の揺動角の変動幅は、比較例の揺動角の変動幅と比べて、小さくなっている。
Claims (3)
- 互いに噛み合うラック軸のラック歯およびピニオンのピニオン歯を有するラックアンドピニオン式の操舵機構における、上記ラック歯および上記ピニオン歯の設計諸元を、所定の性能諸元を満足する値に設定するための、操舵機構の設計方法であって、
上記設計諸元に仮値を設定する工程と、
上記設計諸元を変数として上記性能諸元を演算する演算式を用い、上記変数に上記仮値を代入して性能諸元値を得る工程と、
得られた性能諸元値の合否を判定する工程と、を備え、
上記性能諸元は、上記ラック歯および上記ピニオン歯のかみあいに伴って上記ラック軸を当該ラック軸の軸線周りに揺動させる揺動トルクを含むことを特徴とする操舵機構の設計方法。 - 請求項1において、上記設計諸元は、上記ピニオン歯のモジュールmと、上記ピニオン歯の圧力角αと、上記ピニオンの歯数zと、上記ピニオン歯のねじれ角βp と、上記ラック歯のねじれ角βr と、上記ピニオン歯の転位係数ξと、ラック軸およびピニオンの中心軸線間の最短距離aとを含み、
上記性能諸元としての上記揺動トルクTは、上記モジュールm、上記圧力角α、上記歯数z、上記ねじれ角βp 、上記ねじれ角βr 、上記転位係数ξ、および上記最短距離aを含む関数Tを用いた下記の演算式、T=T(m,α,z,βp ,βr ,ξ,a)、により求められることを特徴とする操舵機構の設計方法。 - 請求項2において、上記性能諸元値の合否を判定する工程では、設計諸元値として設定された複数の仮値の中から、上記揺動トルクTを最小とする仮値を求め、当該仮値を合格であると判定することを特徴とする操舵機構の設計方法。
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