以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。便宜上、特に断りがない限り実質的に同一の作用効果を奏する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。また、実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。
遊技機、例えば、パチンコ機には、遊技者が押下し易い位置に「チャンスボタン」と呼ばれる物理的スイッチが設けられているものがある。かかるチャンスボタンを押下すると、演出表示が切り替わったり、イベントが発生したりするので、遊技者は、単調となりがちな遊技に積極的に参加することができる。しかし、このような物理的スイッチを採用した従来の遊技機では、そのスイッチの位置が固定されているため、その位置によっては多少の不便を伴うこととなっていた。
本発明の実施形態では、このような課題に鑑み、遊技機に外力が加わった場合に、その外力がどのような行為による外力かを判別し、その行為に応じた適切な処理を遂行可能な遊技機を提案するものである。以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。ここでは、理解を容易にするため、まず、外力を判別する振動検出装置およびそれを設置する遊技機について説明し、振動検出装置による演出表示については後ほど詳述する。
(第1の実施形態:パチンコ機100)
図1から図3は、遊技機の一例としてパチンコ機100の構成を示している。特に、図1はパチンコ機100の正面図を、図2はパチンコ機100の枠部材110を開放したときの斜視図を、図3はパチンコ機100の背面を表す斜視図を示している。
パチンコ機100の遊技盤101の外周部分には、遊技領域103の周囲を囲む態様で、遊技盤101から遊技者側に突出する形状の枠部材(ガラス枠)110が配置される。枠部材110は、遊技領域103の前方に位置するように中央部にガラス板126を支持し、上側と下側には複数のライト112を備えた演出ライト(ランプユニット)111が設置される。ここでは、演出ライト111内のモータ(図示省略)の駆動によって各ライト112の光の照射方向が上下方向に変更自在になっており、各ライト112はパチンコ機100の正面にいる遊技者を照射し、その照射位置が遊技者の頭上から腹部に沿って移動するようになっている。各ライト112は、演出ライト111内の別のモータにより光の照射方向が回転自在にもなっており、照射位置がパチンコ機100を基準に円をなしてパチンコ機100の周囲を照射することも可能である。
枠部材110の下方位置には、後述する発射部239の駆動を制御するための操作ハンドル113が配置され、発射部239の駆動によって発射された遊技球がレール102a、102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下する。遊技領域103には、遊技球を不特定の方向に向けて落下させるための図示しない複数の釘に加え、遊技球の落下方向を変化させる風車や入球口、役物が配置されている。
遊技領域103の中央部分には図柄表示手段としての例えば液晶表示器(LCD)104が配置される。液晶表示器104の下方には遊技球を受入れ可能な第1始動口105が配置され、第1始動口105の下方には一対の可動片を有する第2始動口120が配置される。第2始動口120は一対の可動片が閉状態のときに遊技球を受入れ不能であり、開状態のときに第1始動口105よりも多くの遊技球を受入れ可能である。
液晶表示器104の左側には、遊技球の通過を検出し、第2始動口120を一定時間だけ開放させる普通図柄の抽選を行うための入賞ゲート106が配置される。普通図柄の抽選結果は普通図柄表示器121を通じて報知される。入賞ゲート106の下方位置等には、遊技球が入球したときに所定数(例えば10個)の賞球払い出しの権利を獲得する普通入賞口107が配置される。遊技領域103の最下部にはどの入球口にも入球しなかった遊技球を回収する回収口108が配置される。
特別図柄表示器118は、第1始動口105または第2始動口120に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するためのものである。つまり、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が複数設けられており、この特別図柄表示器118に大当たりの抽選結果に対応する特別図柄を表示することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。例えば、大当たりに当選した場合には「7」が表示され、ハズレであった場合には「−」が表示される。このようにして表示される「7」や「−」が特別図柄となるが、この特別図柄はすぐに表示されるわけではなく、所定時間変動表示された後に、停止表示されるようにしている。
液晶表示器104は、第1始動口105または第2始動口120に遊技球が入球したときに複数の装飾図柄の変動表示を開始し、所定時間経過後に当該装飾図柄の変動を停止させる。液晶表示器104は、大当たりに当選した場合、特別図柄表示器118に連動して特定図柄(例えば「777」)を揃える。大当たり遊技(例えば長当たり遊技)が開始されると、遊技領域103の下方に位置する大入賞口ユニット109における開閉扉109aが一定時間、開放する動作を所定回数(例えば15回)繰り返し、入球した遊技球に対応する賞球が払い出される。
枠部材110の下側には、上述した操作ハンドル113の他、図示しない貸し玉装置から貸し出される遊技球が供給される受け皿ユニット119が設置される。操作ハンドル113は、遊技盤101から遊技者側へ突出し、遊技者が操作ハンドル113を手で握れるようになっている。
図4は、本実施形態にかかる操作ハンドルを説明するための外観斜視図である。図4に示すように操作ハンドル113は、枠部材110に取着される基端側の固定部142と、先端側のキャップ部144と、固定部142とキャップ部144との間に介装される発射指示部材(操作レバー)114とを含んで構成される。
発射指示部材114は、操作ハンドル113の外周部に、遊技者から見て右回りに回転操作可能に設けられている。発射指示部材114の中央には基端側へ突出する主軸が取着され、かかる主軸は固定部142内に設けられた軸孔に挿通されると共にその端部にプーリ(図示せず)が取着されている。プーリには、上記発射部239(図2参照)と繋がるワイヤが掛止されており、発射指示部材114を一方へ回動することにより主軸が回動し、これに伴いワイヤを介して発射部239を作動させる。したがって、発射部239は発射指示部材114の回動角度に応じた打球力で遊技球を発射することが可能となっている。換言すれば、遊技者が発射指示部材114の回動角度を調整することにより、発射部239から発射される遊技球の打球力を調整することができることになる。
また、発射指示部材114は、遊技者が発射指示部材114の外表面に接触している(アースに落ちている)か否かを検出するタッチセンサ140(図5参照)としても機能する。
本実施形態において特徴的な、遊技者による「押圧」または「叩打」を検出する振動検出装置150は、例えば、ケースに封入された状態で、操作ハンドル113の内部に固定される。かかる位置に配置することで、振動検出装置150は、図5に示すように、遊技者の操作ハンドル113への押圧(握る行為や歪ませる行為等)を直接かつ確実に検出することが可能となる。ここでは、遊技者の押圧の対象として操作ハンドル113を挙げているがジョイスティックやその他専用の握り装置や押下装置を通じて押圧を検出してもよい。かかる振動検出装置150の詳細な構成は後ほど説明する。
液晶表示器104の上側および側方には、演出用の役物(以下、「演出役物」という)115、116が配置される。演出役物115は例えばソレノイドによって駆動され、演出役物116はモータによって駆動される。同様の演出役物115、116を異なる種類の駆動源によって駆動することにより、演出役物115、116それぞれに独自の動きを生じさせることができ、演出効果が高められている。
図2に示すように、枠部材110は、その一端側(正面からみて左端側)が連結部材122によって回動可能に外枠123と連結され、外枠123に対して開閉可能となっており、他端側には枠部材110と外枠123とを固定するためのロック機構124が設けられる。かかるロック機構124による固定は専用のカギによって解除可能となっている。枠部材110の裏側は、ガラス板固定フック125が設けられており、ガラス板126が着脱可能となっている。枠部材110の裏側上部には左右にわたって板状に形成された鉄板127が設けられており、枠部材110の強度を補強している。
パチンコ機100の外枠123の内周面には遊技盤保持枠128が当接して設けられ、その遊技盤保持枠128には遊技盤101を保持するための遊技盤固定フック128aおよび遊技盤保持爪128bが設けられる。枠部材110が閉じた状態において、外枠123および枠部材110は、遊技盤101を囲繞し当接しているため、ドライバ、針金等が不正に外枠123と枠部材110との間に挿入されることが防止される。外枠123は例えばアルミニウム等の金属材料によって形成され、遊技盤保持枠128は木材等によって形成される。なお、外枠123および遊技盤保持枠128の材料は、上記に限られず、金属、木材、プラスチック等を単一または組み合わせて用いることができる。
外枠123には、演出効果音、または不正を知らしめる音声を出力するスピーカ237が組み込まれている。スピーカ237は、高音・中音・低音の領域を出力できる機能を有し、通常演出時は高音・中音・低音をバランス良く出力するが、特別演出時、または不正等があった場合には周りに良く聞こえるように高音領域を高く出力するように制御される。さらに、外枠123には外部端子接続用の基板、払出制御基板、電源基板が取り付けられており、これらは外部からの不正な操作を防止するために、図3のように、それぞれ、外端ケース(図示省略)、払出制御基板ケース131、電源基板カバー132によって覆われる。
遊技盤101の裏面には、当該パチンコ機100を制御する基板ユニット200が設けられる(図示省略)。かかる基板ユニット200は基板ケース(図示省略)によって被われることで、外部からの不正な操作を防止している。さらに基板ケースは保護ケース135に覆われており、セキュリティを高めている。
図6はパチンコ機100の機能構成を示した機能ブロック図である。上述した基板ユニット200は、主制御基板201、副制御基板202、賞球制御基板203、ランプ制御基板206を含んで構成される。
主制御基板201は、パチンコ機100の遊技に関する基本動作を制御し、ROM201bに記憶されたプログラムに基づき、遊技内容の進行に伴う基本処理を実行するCPU201aと、CPU201aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM201c等を備える。主制御基板201は、第1始動口105、もしくは第2始動口120への遊技球の入球を契機として、大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に基づいてROM201bに記憶されている演出に係わるコマンドの選択を行う。
主制御基板201の入力側には、第1始動口105に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出部221と、第2始動口120に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出部225と、入賞ゲート106を遊技球が通過したことを検出するゲート検出部222と、普通入賞口107に入球した遊技球を検出する普通入賞口検出部223と、大入賞口ユニット109に入球した遊技球を検出する大入賞口検出部224とが接続されている。
また、本実施形態において、主制御基板201の入力側には、振動検出装置150が接続される。主制御基板201は、主として、振動検出装置150からの第2検出信号に応じて不正対応処理を遂行する不正対応遂行手段として機能する。また、主制御基板201は、振動検出装置150からの第1検出信号に応じて、液晶表示器104等の演出実行手段を制御する演出制御手段としても機能することもできる。
主制御基板201の出力側には大入賞口開閉部231が接続されている。ここでは上記大入賞口開閉部231を、開閉扉109aを開閉させる大入賞口開閉ソレノイド(駆動装置)と、第2始動口120を開閉させる第2始動口開閉ソレノイドとによって構成している。
大入賞口開閉部231は、主制御基板201によって制御され、大当たり遊技(長当たり遊技、短当たり遊技)時に大入賞口開閉ソレノイドに通電して開閉扉109aを開放させ、また上記普通図柄の当選によって第2始動口開閉ソレノイドに通電して第2始動口120を開閉する。
副制御基板202の入力側には主制御基板201の他に上記の振動検出装置150が接続されている。この副制御基板202は、主に遊技中における演出を制御し、主制御基板201より送信されるコマンドに基づいて演出の抽選および演出処理を実行するCPU202aと、プログラムおよび演出パターンを記憶するROM202bと、CPU202aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM202c等を備えている。
また、副制御基板202は、主として、振動検出装置150からの第1検出信号に応じ、液晶表示器104等の演出実行手段を制御する演出制御手段として機能する。また、副制御基板202は、振動検出装置150からの第2検出信号に応じて不正対応遂行手段として機能させることもできる。このように、本実施形態の例では、主制御基板201が不正対応遂行手段として機能し、副制御基板202が演出制御手段として機能するように構成される。しかし、本発明はかかる例に限定されず、例えば、主制御基板201が演出制御手段として機能し、副制御基板202が不正対応遂行手段として機能するように構成することもできる。また、主制御基板201および副制御基板202以外にも制御基板を設け、これらの制御基板の少なくともいずれかが、演出制御手段または不正対応遂行手段として機能するように構成する例も、本発明の技術的範囲に含まれる。
副制御基板202は、主制御基板201より送信される演出に係るコマンドを受信すると、このコマンドに基づいて抽選を行い、演出背景パターン、リーチ演出パターン、登場キャラクター等の演出を確定すると共に、当該確定した演出の制御を行う。副制御基板202の出力側には、液晶表示器104、スピーカ237等の演出実行手段が接続され、抽選によって決定された内容の通りに演出実行手段を制御し、例えば、液晶表示器104において装飾図柄の演出表示を展開する。副制御基板202には液晶表示器104に表示させる画像データを書き込むVRAM202dも備えられている。
通常時には、CPU202aがROM202bに記憶されたプログラムを読み込んで、背景画像表示処理、図柄画像表示および変動処理、キャラクター画像表示処理など各種画像処理を実行し、必要な画像データをROM202bから読み出してVRAM202dに書き込む。背景画像、図柄画像、キャラクター画像は表示画面上において液晶表示器104に重畳表示される。すなわち、図柄画像やキャラクター画像は背景画像よりも手前に見えるように表示される。このとき、同一位置に背景画像と図柄画像が重なる場合、Zバッファ法等、周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先してVRAM202dに記憶させる。
副制御基板202の出力側には、スピーカ237が接続され、副制御基板202において確定した通りに音声を出力する。副制御基板202の出力側にはまた、ランプ236、演出ライト111、および演出役物作動装置235を制御するランプ制御基板206が接続されている。演出役物作動装置235は、演出役物115、116等の、演出用の役物を作動させるモータやソレノイド等によって構成されている。ランプ制御基板206は、副制御基板202より送信されたコマンドに基づき、プログラムを作動させて演出処理を実行するCPU206aと、各種演出パターンデータを記憶するROM206bと、CPU206aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM206c等を備えている。
ランプ制御基板206は、遊技盤101や台枠等に設けられている各種ランプ236に対する点灯制御等を行う他、演出ライト111における複数のライト112に対する点灯制御等を行い、各ライト112からの光の照射方向を変更するためにモータに対する駆動制御等を行う。ランプ制御基板206はまた、副制御基板202より送信されたコマンドに基づき、演出役物115を動作させるソレノイドに対する駆動制御等を行い、演出役物116を動作させるモータに対する駆動制御等を行う。
主制御基板201には、さらに賞球制御基板203が双方向送信可能に接続されている。賞球制御基板203は、ROM203bに記憶されたプログラムを作動させて賞球制御の処理を実行するCPU203aと、CPU203aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM203c等を備え、ROM203bに記憶されたプログラムに基づき、賞球制御を行う。
賞球制御基板203は接続される払出部238に対して入球時の賞球数を払い出す制御を行う。また発射部239に対する遊技球の発射の操作を検出し、遊技球の発射を制御する。払出部238は遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータ等からなる。
賞球制御基板203は、この払出部238に対して、各入球口(第1始動口105、第2始動口120、普通入賞口107、大入賞口ユニット109)に入球した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御を行う。発射部239は、遊技者による遊技操作を検出するタッチセンサ140と、遊技球を発射させる図示しないソレノイド等を備え、遊技のための遊技球を発射する。賞球制御基板203は発射部239のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を送り出す。
(振動検出装置150)
ここで、本実施形態に係る当該パチンコ機100において特徴的な振動検出装置150の構成およびその動作を説明し、かかる振動検出装置150が当該パチンコ機100においてどのように機能するかを解説する。
図7に振動検出装置150における検出手段としての振動センサ170の構成を示す。振動検出装置150に用いられる圧電素子160は、ユニモルフ圧電素子であり、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛等の圧電セラミック160aの両面に電極160b、160cが形成された構造を有し、本実施形態においては、圧電セラミック160aは直径が約9mm、厚さが約0.1mmの円板状であり、電極160b、160cは直径が約8mmの円形に形成される。上記圧電素子160は一方の面(電極160c側)が黄銅、ステンレス等の金属板162に接着されており、圧電素子160と金属板162によって振動を検出する振動センサ170が構成される。なお、本実施形態において、金属板162は直径が約12mmの円形に形成され厚さが約0.1mmである。
図8を用いて振動センサ170の機能を説明する。振動センサ170は、金属板162が図8(a)に示す方向に屈曲し圧電素子160が径方向に伸びたときと、金属板162が図8(b)に示す方向に屈曲し圧電素子160が径方向に縮んだときとで発生する電圧の印加方向が逆になるため、振動センサ170が外力の振動を受けることによって金属板162の屈曲が図8(a)の状態と図8(b)の状態とを交互に繰り返し、その振動に応じた周波数の交流電圧を発生する。そのため、振動センサ170で発生する電圧を計測することで、振動センサ170がどのように振動しているかが判別できる。かかる振動センサ170は、その屈曲の変化量を電圧信号とするため、変化がなくなるとそのときの歪みに拘わらず出力は0に収束する。
図9は、振動検出装置150の機能ブロックを、図10は、振動検出装置150の組み立て図を示している。振動センサ170は、図10に示すように、金属板162側がガラスエポキシ基板等の回路基板164に接着される。かかる回路基板164には、図9に示すように、振動センサ170において発生した電圧信号からノイズ成分をカットするためのフィルタ回路172、このフィルタ回路172を通過した電圧信号を増幅させる増幅回路174、増幅回路174によって増幅された電圧信号の電圧を計測する計測部180および計測部180からの計測結果を出力する出力コネクタ178が設けられる。
このように同一の回路基板164に振動センサ170、フィルタ回路172、増幅回路174および計測部180を一体的に設けることによって、振動検出装置150をコンパクトに形成することが可能となる。なお、振動センサ170の表面側の電極160bと金属板162とにそれぞれリード線(図示省略)が付けられ、このリード線はフィルタ回路172に入力されるように連結される。振動センサ170の接着にはエポキシ系の接着剤のように接着後の硬度が高いものを使用することにより、接着剤の弾力によって振動が吸収されてしまうことを抑えることができる。
フィルタ回路172は、例えばコンデンサおよび抵抗によって構成され、計測に必要のない周波数成分(ノイズ)をカットし、計測に必要な周波数成分のみを濾波するためのものである。本実施形態においてはハイパスフィルタとローパスフィルタとの組合せ、またはバンドパスフィルタからなり、これによって振動センサ170で発生した電圧信号から計測に必要ない成分をカットすることができる。
増幅回路174は、例えばオペアンプおよび抵抗を用いて構成される。また、増幅回路174の電圧増幅率は、適宜変更可能であり、振動センサ170の取付対象や取付位置により振動センサ170で発生する電圧が高い場合には電圧増幅率がそれほど大きくない倍率、例えば3〜5倍程度とし、振動センサ170で発生する電圧が低い場合には電圧増幅率を例えば20倍程度と大きくすることができる。
計測部180は、入力されるアナログの電圧信号をデジタルの電圧信号に変換するA/D変換器182、A/D変換器182によって変換された電圧信号から計測対象となる周波数帯域の電圧信号を濾波する複数のフィルタ手段184であるデジタルフィルタ、およびデジタルフィルタを濾波した電圧信号の最大値を所定閾値と比較し比較結果を出力する複数の検出信号出力手段186とからなる。検出信号出力手段186は、入力された電圧信号から複数種類の周波数帯域成分を抽出し、それぞれ抽出された周波数帯域成分の電圧信号が所定閾値を超えているか否かを判定する。この計測部180は、例えば複数のフィルタ手段184および検出信号出力手段186の機能を実現するプログラムを記憶するROM、ROMに記憶されたプログラムに基づいて演算処理を実行するCPU、CPUの演算処理におけるデータのワークエリアとして機能するRAMおよびA/D変換機能を備えたワンチップマイコン等によって構成される。
例えば、複数想定される周波数帯域のうち2種類の周波数帯域について計測を行う場合、計測部180に入力されA/D変換された電圧信号に対して、本発明の第1フィルタ手段としての第1のデジタルフィルタ184aによって濾波される第1周波数帯域成分の電圧信号を、検出信号出力手段186の1つである第1検出信号出力手段186aによって監視し、第1のデジタルフィルタ184aより通過周波数帯域が高い本発明の第2フィルタ手段としての第2のデジタルフィルタ184bによって濾波される第2周波数帯域成分の電圧信号を、他の検出信号出力手段186である第2検出信号出力手段186bによって監視する。なお、上述したワンチップマイコン等によって行われる処理が、本実施形態の第1のデジタルフィルタ184a、第2のデジタルフィルタ184b、第1検出信号出力手段186a、および第2検出信号出力手段186bに相当する。
そして、第1検出信号出力手段186aは、第1のデジタルフィルタ184aから出力される電圧信号が所定の第1条件を満たすと、即ち、電圧信号の最大値が所定閾値を超過すると、後述する演出表示に影響を与えるべく当該パチンコ機100の任意の部位に押圧(継続的な歪み)が加えられたことを表す第1検出信号を出力する。また、第2検出信号出力手段186bは、第2のデジタルフィルタ184bから出力される電圧信号が所定の第2条件を満たすと、即ち、電圧信号の最大値が所定閾値を超過すると、パチンコ機100の任意の部位に対して叩打(衝撃)が加えられたことを表す第2検出信号を出力する。こうして、電圧信号の周波数帯域成分の最大値が一度でも所定閾値を超過した場合に「押圧」または「叩打」と判断することができる。
このように、圧電素子等を用いた振動センサ170に外力が加わった場合、その外力の種類(加わり方)によって振動センサ170の振動が異なり、それに伴って発生する電圧信号の周波数特性も異なることとなる。例えば、上述した「押圧」のように徐々に外力を加えた場合には比較的低い周波数をもった電圧信号が発生し、「叩打」のように外力を瞬間的に加えた場合には比較的高い周波数をもった電圧信号が発生する。
そこで、振動センサ170から出力された電圧信号の複数の周波数帯域成分をそれぞれ抽出することで、電圧信号がどの周波数帯域に偏っているかを確認でき、その偏った周波数帯域に対応した外力の種類を特定することが可能となる。例えば、低い第1周波数帯域成分に偏っていれば「押圧」が与えられたと判別でき、高い第2周波数帯域成分に偏っていれば「叩打」が与えられたと判別できる。このように、本実施形態では、パチンコ機100の任意の部位に対して加えられる様々な外力のうち、「押圧」と「叩打」といった異なる事象を1つの検出手段で検出することができるので、コストおよび負荷の軽減を図ることができ、振動センサ170の設置による他の部材の配置制限も最小限で済む。
ここで、第1検出信号出力手段186aおよび第2検出信号出力手段186bで用いられる所定の第1条件および第2条件は、それぞれの周波数帯域成分の電圧信号の最大値が所定閾値を超過することとしたが、それぞれの周波数帯域成分の電圧信号の積算値が所定閾値を超過することとしてもよい。かかる積算値は、各周波数帯域成分の所定時間中の積分値、2乗積分値、2乗平均等、電圧信号の総量を示す。また、所定の第1条件に関しては、第1周波数帯域成分の電圧信号の継続時間が所定閾値を超過することとしてもよい。即ち、第1周波数帯域成分の電圧信号が所定閾値を超える時間が、予め設定された所定時間以上継続することを、上記所定の第1条件としてもよい。これにより、「押圧(歪み)」の誤検出を防止できる。
本実施形態では、電圧信号の周波数帯域成分の最大値が一度でも所定閾値を超過したときに「押圧」または「叩打」と判断できる場合には、最大値を用い、電圧信号の周波数帯域成分の振動量で判断するのが妥当な場合には積算値を用い、「押圧」において電圧信号の継続性で判断するのが妥当な場合には継続時間を用いる。かかる構成により、それぞれ外力の種類に応じた条件により、その行為を確実に把握し、適切な処理を施すことが可能となる。
また、第1検出信号出力手段186aや第2検出信号出力手段186bは、第1検出信号や第2検出信号をディスクリート信号で送信し、その値を所定フォーマットの2進数またはPWM(Pulse Width Modulation)で表す。また、第1検出信号や第2検出信号のレベルを複数段階で示すこともできる。第1検出信号や第2検出信号のレベルを複数段階で示す場合、第1検出信号や第2検出信号をその複数段階毎に設けられた複数の出力線を通じて主制御基板201や副制御基板202に出力してもよいし、1つの出力線に重畳して出力してもよい。これにより、第1または第2検出信号は、パチンコ機100に加えられた圧力の強さ、例えば、「押圧」や「叩打」の強さを表すことができるようになる。
また、本実施形態において、第1のデジタルフィルタ184a、第2のデジタルフィルタ184b、第1検出信号出力手段186a、および第2検出信号出力手段186bは、振動検出装置150内に一体的に設置され、主制御基板201や副制御基板202は、振動検出装置150から出力された第1または第2検出信号を利用するように構成されているが、本実施形態は、かかる場合に限られず、例えば、主制御基板201や副制御基板202にそれぞれフィルタ手段および検出信号出力手段を設置するよう構成することもできる。
なお、閾値以上の電圧信号が観測されない場合においても、計測部180からは常に所定の信号を出力することとしているため、振動検出装置150からの出力線を断線する等の不正が行われた場合には、振動検出装置150の出力先において、一切の信号が受信できないことをもって断線等を検知することができる。
図11および図12は、それぞれ振動検出装置150に外力を加えたときに振動センサ170において発生する電圧の時間変化を示すものである。図11は、瞬間的に高周波数で外力を加えた場合の所謂「叩打」の波形を示し、図12は、じわじわと歪ませるように低周波数で外力を加えた場合の所謂「押圧」の波形を示している。ここで、叩打の場合には比較的高い周波数である10Hz〜所定周波数(例えば1kHz)の周波数帯域をもった電圧信号、特に20Hz〜40Hzの周波数帯域をもった電圧信号が発生する。また、押圧の場合には比較的低い周波数である0.1Hz〜10Hzの周波数帯域をもった電圧信号、特に1Hz〜5Hzの周波数帯域をもった電圧信号が発生する。
そこで、例えば、押圧と叩打といった外力が加えられたことを把握する場合には、第1のデジタルフィルタ184aが濾波する周波数帯域を0.1Hz〜10Hzとし、第2のデジタルフィルタ184bが濾波する周波数帯域を10Hz〜所定周波数と設定するとよい。また、さらに高精度で押圧と叩打とを判別したい場合には、第1のデジタルフィルタ184aが濾波する周波数帯域を1Hz〜5Hzとし、第2のデジタルフィルタ184bが濾波する周波数帯域を20Hz〜40Hzと設定すればよい。
なお、上述したように検出信号出力手段186を別体に設ける場合、第1のデジタルフィルタ184aおよび第2のデジタルフィルタ184bを濾波した電圧信号をそのまま(またはD/A変換して)別々に出力し、出力先である例えば主制御基板201や副制御基板202に設けられた検出信号出力手段(第1検出信号出力手段186a、第2検出信号出力手段186b)によって閾値を超えたか否かを判定してもよい。この場合、ノイズ等の何らかの電圧が常に出力されているため、上記のように断線等の検知のため常に一定の信号を出力することは必ずしも必要ではない。
また、ここでは計測部180に複数のフィルタ手段184を設ける例を示したが、他の例として、振動センサ170によって発生した電圧信号を直接分岐させ、一方に対して第1のデジタルフィルタ(ローパスフィルタ)184aを、他方に対して第2のデジタルフィルタ(バンドパスフィルタ)184bを通過させ2種類の周波数帯域成分の電圧信号を別々に得て、それぞれに対してその検出信号出力手段(第1検出信号出力手段186a、第2検出信号出力手段186b)を設け閾値を超えたか判定しても構わない。
図10に示すように、振動センサ170、フィルタ回路172、増幅回路174および計測部180が固定された回路基板164は、例えば、プラスチック等を凹状に形成した箱部191と、箱部191に嵌合する蓋部195とからなるケース190で覆われる。
回路基板164の対角線上の隅部にはそれぞれ貫通孔164a、164bが設けられており、箱部191および蓋部195にも回路基板164の貫通孔164a、164bに対応した部分に貫通孔191a、191b、195a、195bが設けられる。箱部191側の貫通孔191a、191bは箱部191の底面から上側に突設する柱状部192a、192bの中央に穿設され、蓋部195側の貫通孔195a、195bは蓋部195の裏側から下側に突設する柱状部196a、196bの中央に穿設される。
これにより回路基板164がケース190に覆われた場合には、回路基板164は箱部191の柱状部192a、192bと蓋部195の柱状部196a、196bとによって挟持される。また、貫通孔195a、164a、191aが貫通し、貫通孔195b、164b、191bが貫通するため、2本のネジによって対角線上で固定することができる。なお、箱部191には回路基板164に設けられた出力コネクタ178に相当する位置に貫通孔197が設けられる。
このように振動センサ170をケース190で覆うことにより、振動センサ170がケース190によって外部から遮断されるため、外部の空気が振動センサ170に対して影響を及ぼすことがない。なお、ケース190を用いない場合には、空気による影響を受けないようにするために、振動センサ170を覆うようにエポキシ樹脂等によってポッティングすることが好ましい。なお、ポッティングしたものをケース190で覆ってもよく、この場合空気による影響をさらに減少させることができる。
ケース190に覆われた振動検出装置150の対象物への取り付けは、ケース190と対象物、例えばパチンコ機100の操作ハンドル113の内部取付板(図示省略)とを接着することによって為されても構わないが、ケース190および回路基板164に設けられた貫通孔によって対象物(内部取付板)に直接ネジ留めすることが好ましい。回路基板164が箱部191および蓋部195に挟持されることで対象物の振動や歪みはケース190を介して回路基板164に伝導することとなるが、ネジ留めすることによって対象物の歪みや振動がネジから回路基板164に直接伝導し、接着剤等の弾性による検出精度の劣化を伴うこともないので、加えられた外力を正確に捉え高精度で外力の種類を区別することができる。
また、ここでは2種類の周波数帯域について計測を行う場合を示したが、これに限られず、3種類以上の周波数帯域について計測することもできる。この場合、例えばフィルタ手段184および検出信号出力手段186の数を増加させる。
また、圧電素子160としてユニモルフ圧電素子を例に挙げて説明したが、これに限られず、バイモルフ圧電素子を用いることも可能である。かかるバイモルフ圧電素子は、金属板の両面に圧電素子をそれぞれ接着した構造であり、ユニモルフ圧電素子と同様に振動等による外力の変化に応じて電圧を出力する。
ユニモルフ圧電素子またはバイモルフ圧電素子は、いずれも小型で周波数帯域も広く、低ノイズである。かかる圧電素子を用いることで、様々な周波数帯域の振動を検知することが可能となる。
次に、上述した振動検出装置150をパチンコ機100に適用した場合の機能、動作について説明する。
本実施形態において、振動検出装置150は、パチンコ機100に対する遊技者の押圧と、遊技者がパチンコ機100を強く叩く所謂「ドツキ」等の不正行為とを同時に検出することができる。ここで、押圧等の低周波帯域の外力が加わった場合には振動センサ170において0.1Hz〜10Hzの周波数帯域をもった電圧信号、特に1Hz〜5Hzの電圧信号が特徴的に生じる。また、ドツキによる叩打等の高周波数帯域の外力が加わった場合には振動センサ170において10Hz〜所定周波数の周波数帯域をもった電圧信号、特に20Hz〜40Hzの電圧信号が特徴的に発生する。なお、遊技を行っている際に生じる遊技球の振動、発射部239の振動、可変入賞装置(開閉扉109a)の振動、演出役物115、116の振動によって振動センサ170から発生する電圧の周波数は、いずれも数kHzにおいて特徴的に現れるので、上記所定周波数としてかかる周波数以下の周波数、例えば1kHzを選択することで、第1検出信号や第2検出信号への影響を回避できる。以下、振動検出装置150の構成を詳細に述べる。
フィルタ回路172は、0.1Hz以上の周波数をもった電圧を濾波するハイパスフィルタと50Hz以下の周波数をもった電圧を濾波するローパスフィルタとによって構成される。これにより振動センサ170で出力された電圧から歪み等を検知するための周波数帯域(0.1Hz〜10Hz)および衝撃等を検知するための周波数帯域(10Hz〜所定周波数(本実施形態では例えば50Hzとする))を含んだ0.1Hzから50Hzの周波数帯域のみを濾波することができ、遊技球等の振動によって生ずる電圧を含むその他のノイズ成分をカットすることができる。また、増幅回路174は入力電圧を約3倍に増幅する回路となっている。これによりフィルタ回路172でノイズが除去された電圧が増幅され計測部180に入力される。
計測部180において、入力された0.1Hzから50Hzの周波数帯域の電圧は、A/D変換器182によって、まずアナログの電圧からデジタルの電圧信号にA/D変換される。次いで、10Hz以下の周波数をもった電圧信号のみを濾波する第1のデジタルフィルタ184aであるデジタルローパスフィルタを通過した第1検出信号(0.1Hz〜10Hzの周波数帯域)および10Hz〜50Hzの周波数をもった電圧信号のみを濾波する第2のデジタルフィルタ184bであるデジタルバンドパスフィルタを通過した第2検出信号(10Hz〜50Hzの周波数帯域)がそれぞれ第1検出信号出力手段186aおよび第2検出信号出力手段186bによって比較処理される。なお、第1のデジタルフィルタ184aとして1Hz〜5Hzの周波数帯域の電圧信号を濾波するデジタルバンドパスフィルタ、第2のデジタルフィルタ184bとして20Hz〜40Hzの周波数帯域の電圧信号を濾波するデジタルバンドパスフィルタを用いれば、より高精度に波形解析の処理が行える。
第1のデジタルフィルタ184aに濾波された電圧信号は第1検出信号出力手段186aによって予め設定されている歪み用閾値以上であるか比較され、歪み用閾値以上のときに、演出表示に影響を与えるべく、パチンコ機100の任意の部位に対して遊技者から押圧が加えられたことを表す第1検出信号が副制御基板202に出力される。また、第2のデジタルフィルタ184bに濾波された電圧信号は第2検出信号出力手段186bによって予め設定されている衝撃用閾値以上であるか比較され、衝撃用閾値以上のときに、パチンコ機100の任意の部位に対して遊技者から瞬間的な叩打が加えられたことを表す第2検出信号が主制御基板201に出力される。
なお、押圧等によって発生する電圧は、不正行為に起因する叩打等によって発生する電圧より小さいため、例えば衝撃用閾値は500mV、歪み用閾値は100mVのように歪み用閾値のほうが小さく設定される。また、正常時には計測部180から一定のパルス信号である正常検知信号が出力されているため、振動検出装置150からの出力線を断線する等の不正が行われた場合には、主制御基板201において正常検知信号が受信できないことによって断線等を検知することができる。
ここで、振動検出装置150の動作例を示す。例えば、遊技者が演出実行手段の制御処理による指示に従って、パチンコ機100の操作ハンドル113を意図的(正当)に握ったり、受け皿ユニット119を意図的に押す等の押圧行為を行うと、振動検出装置150が固設された操作ハンドル113の内部取付板にその振動が伝導する。これによって、振動検出装置150内の振動センサ170から、押圧に対して特徴的に生ずる周波数である0.1Hz〜10Hzの周波数帯域を含んだ電圧信号が発生する。電圧信号はフィルタ回路172によって、0.1Hz〜50Hz以外の周波数がカットされた後、増幅回路174によって約3倍に増幅されて計測部180に入力される。ここでの電圧値は例えば、0.1Hz〜10Hzにおいて100mV以上であり、10Hz〜50Hzにおいて500mV以下であるとする。
計測部180に入力されたアナログの電圧信号は、A/D変換器182によってデジタルの電圧信号に変換され、デジタルローパスフィルタ(第1のデジタルフィルタ184a)によって10Hz以下の周波数帯域である0.1Hz〜10Hzの周波数帯域の電圧信号(第1検出信号)が抜き出される。また、デジタルバンドパスフィルタ(第2のデジタルフィルタ184b)によって10Hz〜50Hzの電圧信号(第2検出信号)が抜き出される。
第1検出信号は第1検出信号出力手段186aによって電圧値が100mV以上であるか判定される。また、第2検出信号は第2検出信号出力手段186bによって電圧値が500mV以上であるかが判定される。
ここでは、操作ハンドル113を握ることによって振動が生じているので、第2検出信号出力手段186bによって500mV以上の電圧値は計測されないが、第1検出信号出力手段186aによって100mV以上の電圧が計測されるため、直接または主制御基板201を経由して、副制御基板202に押圧による第1検出信号が送信される。
また、遊技者が、パチンコ機100に対して「ドツキ」行為を遂行すると、振動検出装置150が固設された操作ハンドル113の内部取付板に衝撃が生じる。これによって、振動検出装置150内の振動センサ170から、叩打に対して特徴的に生ずる周波数である10Hz〜50Hzの周波数帯域を含んだ電圧信号が発生し、フィルタ回路172および増幅回路174を通じて計測部180に入力される。
ここでは、「ドツキ」による衝撃が生じているので、第1検出信号出力手段186aによって100mV以上の電圧値は計測されないが、第2検出信号出力手段186bによって500mV以上の電圧が計測されるため、主制御基板201に対して叩打による第2検出信号が送信される。
本実施形態では、上述したように振動検出装置150に加わった外力から、その周波数帯域成分に応じて「押圧」による第1検出信号と、「叩打」による第2検出信号とを並行して抽出、利用する。特に、本実施形態においては、演出制御手段が、第1検出信号出力手段186aから出力された第1検出信号に応じて演出実行手段(例えば、液晶表示器104、スピーカ237、ランプ236、演出ライト111、演出役物作動装置235)を制御し、不正対応遂行手段が、第2検出信号出力手段186bから出力された第2検出信号に応じて不正対応処理を遂行する。
(パチンコ機100の動作)
続いて、パチンコ機100のプログラムを通じた全体のプログラムの流れを説明する。
(主制御基板201のROMに格納された主なプログラム)
図13は、遊技の進行を制御する主制御基板201のROM201bに格納された主なプログラムの一例を示し、図14は、演出を制御する副制御基板202、ランプ制御基板206の各ROMに格納された主なプログラムの一例を示している。なお、図13、図14に示すプログラムは、本実施形態における制御のうち、特徴的な制御を行うプログラムを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のプログラムが多数設けられている。
図13に示すように、主制御基板201のROM201bには、遊技球が入賞ゲート106を通過したことを契機に機能するプログラムとして、普通図柄処理プログラム250が格納されている。また、ROM201bには、普通図柄処理プログラム250のサブプログラムとして機能する入賞ゲート通過時処理プログラム251、普通図柄変動時処理プログラム252、第2始動口制御プログラム253が格納されている。さらに、ROM201bには、上記入賞ゲート通過時処理プログラム251のサブプログラムとして機能する当たり乱数抽選プログラム251aと、普通図柄変動時処理プログラム252のサブプログラムとして機能する当たり乱数判定プログラム252a、変動時間設定プログラム252b、普通図柄変動表示プログラム252c、開放時間設定プログラム252dが格納されている。
また、ROM201bには、遊技球が第1始動口105または第2始動口120に入球したことを契機に機能するプログラムとして、特別図柄処理プログラム260が格納されている。また、ROM201bには、特別図柄処理プログラム260のサブプログラムとして機能する始動口入球時処理プログラム261、特別図柄変動時処理プログラム262、第2検出信号処理プログラム263が格納されている。さらに、ROM201bには、上記始動口入球時処理プログラム261のサブプログラムとして機能する特別図柄保留数カウントプログラム261a、大当たり乱数抽選プログラム261b、図柄乱数抽選プログラム261c、リーチ乱数抽選プログラム261dが格納されている。また、ROM201bには、上記特別図柄変動時処理プログラム262のサブプログラムとして機能する大当たり判定処理プログラム262a、変動パターン選択処理プログラム262b、変動乱数抽選プログラム262c、特別図柄変動表示プログラム262d、変動停止中処理プログラム262e、変動回数計数プログラム262f、フラグ消去プログラム262gが格納されている。
また、ROM201bには、後述する特別遊技中に機能するプログラムとして、特別遊技処理プログラム270が格納されている。また、ROM201bには、特別遊技処理プログラム270のサブプログラムとして機能する大入賞口処理プログラム271と、さらにこの大入賞口処理プログラム271のサブプログラムとして機能する大当たり遊技処理プログラム271a、フラグ付加プログラム271b、フラグ消去プログラム271c、時短継続期間設定プログラム271d、小当たり遊技処理プログラム271e、フラグ消去プログラム271fが格納されている。
また、ROM201bには、待機処理プログラム280が格納されている。待機処理は、第1始動口105に遊技球が入球しないため、液晶表示器104上での装飾図柄の変動表示が所定時間以上行われない状態(即ち、待機状態)で実行される処理であるが、詳細は後述する。
そして、ROM201bには、上記各プログラムによって確定されたコマンドを、副制御基板202や賞球制御基板203、または外部接続装置(不図示)に送信する出力処理プログラム290が格納されている。なお、外部接続装置とは、例えば、パチンコ機100に隣接して設けられ、当該パチンコ機100に遊技球を貸し出すための貸球装置や、パチンコ機100の上方に設けられ、当該パチンコ機100における大当たりの回数等を表示する表示装置、あるいは各パチンコ機100の進行状況等を把握するためのホールコンピュータ等である。
また、CPU201aが大当たり乱数抽選プログラム261b、図柄乱数抽選プログラム261c、大当たり判定処理プログラム262aを読み出して行う処理が、本発明の大当たり抽選手段に相当する。また、CPU201aが第2検出信号処理プログラム263を読み出して行う処理が、本発明の不正対応遂行手段に相当する。
(他の基板のROMに格納された主なプログラム)
副制御基板202のROM202bには、主制御基板201から送信された後述する演出実行コマンドを受信したときに機能するプログラムとして、演出実行コマンド受信時処理プログラム320が格納されている。また、ROM202bには、演出実行コマンド受信時処理プログラム320のサブプログラムとして機能する演出乱数抽選プログラム321、演出乱数判定処理プログラム322が格納されている。
また、ROM202bには、主制御基板201から送信された後述する特別遊技コマンドを受信したときに機能するプログラムとして、特別遊技コマンド受信時処理プログラム330が格納されている。また、ROM202bには、上記特別遊技コマンド受信時処理プログラム330のサブプログラムとして機能する長当たり用コマンド受信時処理プログラム331、および短当たり用コマンド受信時処理プログラム332が格納されている。
さらに、ROM202bには、演出実行手段を通じて演出を制御する装飾図柄変動表示プログラム341が格納されている。また、ROM202bには、装飾図柄変動表示プログラム341のサブプログラムとして機能する演出実行手段制御プログラム341aが格納されている。
また、CPU202aが装飾図柄変動表示プログラム341を読み出して行う処理が、本発明の演出制御手段に相当する。
また、ROM202bには、スピーカを制御するスピーカ制御プログラム342が格納されている。
また、ROM202bには、パチンコ機100が待機状態にあるときに機能するプログラムとして、待機演出制御プログラム343が格納されている。
さらに、ROM202bには、副制御基板202において確定した演出用のコマンドを、上記ランプ制御基板206に送信する演出用コマンド送信プログラム350が格納されている。
また、ランプ制御基板206のROM206bには、副制御基板202から送信された演出用コマンドを受信したときに機能するプログラムとして、演出ライト制御プログラム360、演出役物作動制御プログラム361が格納されている。
(主制御基板のRAMの主な記憶領域)
主制御基板201のRAM201cは、主に図15に示す記憶領域を有している。なお、以下に列挙する記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
RAM201cには、普通図柄保留数(G)記憶領域400、普通図柄保留記憶領域401、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域402a、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域402b、第1特別図柄保留記憶領域403a、第2特別図柄保留記憶領域403b、高確率遊技状態の残り変動回数(X)記憶領域406、時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域407、ラウンド遊技回数(R)記憶領域408、大入賞口入球数(C)記憶領域409、遊技状態記憶領域410が設けられている。そして、遊技状態記憶領域410は、補助遊技開始フラグ記憶領域410a、時短遊技フラグ記憶領域410b、高確率遊技フラグ記憶領域410c、長当たり遊技開始フラグ記憶領域410d、短当たり遊技開始フラグ記憶領域410e、小当たり遊技開始フラグ記憶領域410fを備えている。
(遊技状態の説明)
次に、遊技が進行する際の遊技状態について説明する。本実施形態においては、「低確率遊技状態」「高確率遊技状態」「時短遊技状態」「非時短遊技状態」「長当たり遊技状態」「短当たり遊技状態」「小当たり遊技状態」のいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。ただし、遊技の進行中において、遊技状態が「低確率遊技状態」または「高確率遊技状態」である場合には、同時に、必ず「時短遊技状態」または「非時短遊技状態」となっている。つまり、「低確率遊技状態」であって、かつ「時短遊技状態」である場合と、「低確率遊技状態」であって、かつ「非時短遊技状態」である場合とが存在することとなる。なお、遊技を開始したときの遊技状態、すなわちパチンコ機100の初期の遊技状態は、「低確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」に設定されており、この遊技状態を本実施形態においては「通常遊技状態」と称することとする。
また、例えば、パチンコ機100の電源を投入した後や、「遊技の進行状態」において始動口105、120に遊技球が入球しない状態が所定時間以上続いたときには、そのパチンコ機100で遊技者が遊技していないので、パチンコ機100の遊技状態(動作モード)は、「遊技の進行状態」から「待機状態(待機モード)」に移行する。この「待機状態」は、遊技者が誰もパチンコ機100で遊技していない客待ち状態に相当する。かかる「待機状態」中に、遊技者が遊技を開始して、始動口105、120に遊技球が入球し、装飾図柄の変動表示が開始されれば、「待機状態」から「遊技の進行状態」に移行する。
本実施形態において「低確率遊技状態」というのは、第1始動口105または第2始動口120に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たりの当選確率が例えば2/601に設定された遊技状態をいう。ここでいう大当たりの当選とは、後述する「長当たり遊技」または「短当たり遊技」を実行する権利を獲得することである。
これに対して「高確率遊技状態」というのは、上記大当たりの当選確率が、「低確率遊技状態」より高い、例えば20/601に設定された遊技状態をいう。したがって、「高確率遊技状態」では、「低確率遊技状態」よりも、「長当たり遊技」または「短当たり遊技」を実行する権利の獲得が容易となる。
本実施形態において「非時短遊技状態」というのは、入賞ゲート106を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の抽選において、その抽選に要する時間が例えば29秒と長く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動口120の開放制御時間が0.2秒と短く設定された遊技状態をいう。つまり、入賞ゲート106を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われるが、その抽選結果は、当該抽選が開始されてから29秒後に確定する。そして、抽選結果が当たりであった場合には、その後、第2始動口120が約0.2秒間、後述する第2の態様に制御される。
これに対して「時短遊技状態」というのは、上記普通図柄の抽選に要する時間が3秒と、「非時短遊技状態」よりも短く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動口120の開放制御時間が3.5秒と、「非時短遊技状態」よりも長く設定された遊技状態をいう。
なお、本実施形態においては、普通図柄の抽選において当たりに当選する確率を90%に設定しており、この当選確率は「非時短遊技状態」および「時短遊技状態」のいずれの遊技状態であっても変わらない。したがって、「時短遊技状態」においては、「非時短遊技状態」よりも、入賞ゲート106を遊技球が通過する限りにおいて、第2始動口120が第2の態様に制御されやすくなる。これにより、「時短遊技状態」では、遊技者が遊技球を費消せずに遊技を進行することが可能となる。
ただし、「時短遊技状態」において、普通図柄の抽選における当たりの当選確率を「非時短遊技状態」よりも高くすることで、「時短遊技状態」を設けた上記の目的を達成するようにしても構わない。
本実施形態において「長当たり遊技状態」というのは、第1始動口105または第2始動口120に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、長当たり遊技を実行する権利を獲得した場合に実行される遊技状態をいう。
「長当たり遊技状態」においては、大入賞口ユニット109が開放されるラウンド遊技を計15回行う。各ラウンド遊技における大入賞口ユニット109の総開放時間は最大30秒に設定されており、この間に大入賞口ユニット109に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。つまり、「長当たり遊技状態」は、大入賞口ユニット109に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できることから、多量の賞球を獲得可能な遊技状態である。
本実施形態において「短当たり遊技状態」というのは、第1始動口105もしくは第2始動口120に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、短当たり遊技を実行する権利を獲得した場合に実行される遊技状態をいう。
「短当たり遊技状態」においては、大入賞口ユニット109が開放されるラウンド遊技を計2回行う。ただし、各ラウンド遊技においては大入賞口ユニット109が1回のみ開放し、その開放時間が0.1秒に設定されている。この間に大入賞口ユニット109に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となるが、上記のとおり大入賞口ユニット109の開放時間が極めて短いため、遊技球が入球することはほとんどなく、また、遊技球が入球したとしても、1回のラウンド遊技で1個〜2個程度しか遊技球が入球することはない。なお、この「短当たり遊技状態」においても、大入賞口ユニット109に遊技球が入球した場合には、所定の賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
本実施形態において「小当たり遊技状態」というのは、第1始動口105もしくは第2始動口120に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、小当たり遊技を実行する権利を獲得した場合に実行される遊技状態をいう。
「小当たり遊技状態」においても、上記「短当たり遊技状態」と同様、大入賞口ユニット109が2回開放される。このときの大入賞口ユニット109の開放時間、開閉タイミング、開閉態様は、上記「短当たり遊技状態」と同じか、または、遊技者が「小当たり遊技状態」と「短当たり遊技状態」との判別を不能もしくは困難な程度に近似している。ただし、大入賞口ユニット109に遊技球が入球した場合には、「短当たり遊技状態」と同様に所定の賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
なお、小当たり遊技における大入賞口ユニット109の開放パターンは、必ずしも短当たり遊技における大入賞口ユニット109の開放パターンに近似させなければならないわけではない。本実施形態においては、小当たり遊技と短当たり遊技とで、大入賞口ユニット109の開放パターンを全く異にするものであってもよいし、短当たり遊技を設けずに小当たり遊技のみを設けるようにしても構わない。
また、本実施形態においては、上記「長当たり遊技」と「短当たり遊技」とを「大当たり遊技」と称し、この「大当たり遊技」と上記「小当たり遊技」とを総称して「特別遊技」という。
また、本実施形態において「待機状態」は、上述のように、例えば、パチンコ機100に電源投入した起動後や、「遊技の進行状態」において、始動口105、120に遊技球が入球しないため、液晶表示器104上で装飾図柄が変動しない状態が所定時間以上続いた場合に実行される客待ち状態である。この「待機状態」では、遊技者による遊技は行われていないので、パチンコ機100の液晶表示器104には、遊技時に表示される遊技用の演出画像とは異なる待機演出画像として、デモンストレーション画像が表示される。このデモンストレーション画像は、一般的には、パチンコ機100の宣伝のための実演を表す画像であり、例えば、パチンコ機100の説明や遊技内容、パチンコ機100を提供するメーカの宣伝広告、所定のウェブサイトにアクセスするためのQRコードなどを表す各種の動画、静止画である。しかし、待機演出画像は、かかるデモンストレーション画像の例に限定されず、例えば、後述するプレミアム画像、パチンコ機100の過去の遊技履歴を表す画像など、パチンコ機100に関する任意の情報を表示する画像であってよい。
そして、主制御基板201においては、RAM201cの遊技状態記憶領域410にフラグを記憶することによって、現在の遊技状態が上記のいずれの遊技状態であるのかを把握するようにしている。
また、通常遊技状態から上記のいずれかの遊技状態に変更するのは、上記大当たりの抽選の結果、「大当たり」に当選した場合である。本実施形態においては複数種類の「大当たり」が設けられており、当選した「大当たり」の種類に応じて、以後の遊技状態が変更する。ただし、一度「大当たり」に当選して上記のいずれかの遊技状態に変更された場合には、大当たりの抽選すなわち特別図柄の変動表示が所定回数行われたところで通常遊技状態に復帰する。以下に、本実施形態において設けられた「大当たり」について説明する。
(大当たりの種類の説明)
本実施形態においては、「高確率時短付き長当たり」、「通常時短付き長当たり」、「高確率時短付き短当たり」、「通常時短付き短当たり」、「高確率時短無し短当たり」、「通常時短無し短当たり」の6種類の大当たりが設けられている。
「高確率時短付き長当たり」というのは、3つの遊技利益が付与されるものである。この「高確率時短付き長当たり」に当選すると、1つ目の遊技利益として、上記「長当たり遊技状態」となり、遊技者は多量の賞球を獲得することが可能となる。そして、この「長当たり遊技状態」が終了すると、2つ目の遊技利益として、「高確率遊技状態」にて遊技が進行するとともに、3つ目の遊技利益として、「時短遊技状態」にて遊技が進行する。これにより、遊技者は、多量の賞球を獲得した上に、当該賞球の獲得後、遊技球の費消を低減しながら、再度大当たりの当選を早期に実現することができる。なお、本実施形態においては、「高確率遊技状態」および「時短遊技状態」は、特別図柄の変動表示が最大10000回行われるまで継続する。したがって、確率から考えれば、再度大当たりに当選するまで「高確率遊技状態」および「時短遊技状態」が継続することとなる。
「通常時短付き長当たり」というのは、2つの遊技利益が付与されるものである。この「通常時短付き長当たり」に当選すると、1つ目の遊技利益として、上記「長当たり遊技状態」となり、遊技者は多量の賞球を獲得することが可能となる。また、「長当たり遊技状態」が終了すると、2つ目の遊技利益として、「時短遊技状態」にて遊技が進行する。ただし、「長当たり遊技状態」の終了後、「高確率遊技状態」ではなく「低確率遊技状態」にて遊技が進行する点で、上記「高確率時短付き長当たり」と相異する。なお、詳しくは後述するが、「通常時短付き長当たり」に当選して「時短遊技状態」となった場合には、特別図柄の変動表示が所定回数行われたところで、当該「時短遊技状態」が終了する。
このように、本実施形態においては、多量の賞球を獲得することが可能な「長当たり遊技状態」の終了後に、大当たりの当選確率が高い「高確率遊技状態」にて遊技が進行する長当たりと、大当たりの当選確率が低確率である「低確率遊技状態」にて遊技が進行する長当たりとが設けられている。
「高確率時短付き短当たり」というのは、遊技状態が上記「短当たり遊技状態」に移行するとともに、この「短当たり遊技状態」の終了後に、「高確率遊技状態」および「時短遊技状態」にて遊技が進行するものである。この「高確率時短付き短当たり」に当選した場合には、多量の賞球を即座に獲得することはできないが、以後の遊技状態が「高確率遊技状態」となるため、以後の遊技において多量の賞球を獲得する可能性が高くなる。また、「高確率時短付き短当たり」に当選すると、当該短当たり遊技の終了後に、「時短遊技状態」となるため、再度大当たりに当選するまでの遊技球の費消を低減することが可能となる。なお、この「高確率時短付き短当たり」に当選した場合にも、上記「高確率遊技状態」および「時短遊技状態」は、特別図柄の変動表示が最大10000回行われるまで継続する。
「通常時短付き短当たり」というのは、遊技状態が上記「短当たり遊技状態」に移行するとともに、この「短当たり遊技状態」の終了後に、「時短遊技状態」にて遊技が進行するものである。なお、上記「高確率時短付き短当たり」と同様に、以後の遊技状態が「時短遊技状態」となるため、特別図柄の変動表示が所定回数行われるまでは、遊技球の費消を低減することが可能となる。なお、「低確率遊技状態」において、「通常時短付き短当たり」に当選した場合には、以後、「時短遊技状態」にて遊技を進行することができるというメリットを享受することとなるが、「高確率遊技状態」において、当該「通常時短付き短当たり」に当選してしまうと、以後、「低確率遊技状態」に転落してしまうというデメリットがある。
なお、本実施形態においては、「通常時短付き短当たり」も「高確率時短付き短当たり」も、大入賞口ユニット109の開閉動作、および、「時短遊技状態」へ移行後の第2始動口120の開閉動作を同じにしている。また、後で説明するように、「通常時短付き短当たり」と「高確率時短付き短当たり」とで、演出内容も同じにしている。したがって、遊技者にとっては、「短当たり遊技状態」の終了後に、「高確率遊技状態」となっているのか「低確率遊技状態」となっているのかを判別するのが非常に困難となっている。このように、「通常時短付き短当たり」を設けることによって、遊技状態が「高確率遊技状態」となっているのか「低確率遊技状態」となっているのかについて、遊技者に疑念を抱かせて、遊技の興趣を高めることが可能となる。
「高確率時短無し短当たり」というのは、上記「高確率時短付き短当たり」と同様に、「短当たり遊技状態」が終了した後、「高確率遊技状態」へ移行するものである。ただし、この「高確率時短無し短当たり」は、短当たり遊技の終了後に「時短遊技状態」とならない点で、上記「高確率時短付き短当たり」と相異する。この「高確率時短無し短当たり」に当選した場合にも、多量の賞球を即座に獲得することはできない。しかも、以後、「時短遊技状態」にもならないため、「高確率時短付き短当たり」よりも遊技球の費消が多くなる。ただし、以後の遊技状態が「高確率遊技状態」となるため、以後の遊技において、長当たりに当選することによる多量の賞球獲得の可能性は高い。なお、この「高確率時短無し短当たり」に当選した場合にも、上記「高確率遊技状態」は、特別図柄の変動表示が最大10000回行われるまで継続する。
「通常時短無し短当たり」というのは、「短当たり遊技状態」が終了した後、「低確率遊技状態」にて遊技が進行するものである。つまり、この「通常時短無し短当たり」に当選しても、「高確率遊技状態」および「時短遊技状態」のいずれにも移行することがない。しかも、短当たり遊技によっては、多量の賞球を獲得することが不可能であるため、遊技者にとっては、大当たり当選による遊技利益がほとんど付与されていないこととなる。このような「通常時短無し短当たり」を設けた理由は、主に、遊技状態を、賞球を払い出すことなく「高確率遊技状態」から「低確率遊技状態」に復帰させることにある。また、「低確率遊技状態」において「通常時短無し短当たり」に当選しても遊技状態は何ら変化しない。したがって、遊技者に「高確率時短無し短当たり」と「通常時短無し短当たり」との区別がつかないようにすれば、短当たり遊技の終了後に、「高確率遊技状態」となっているのか「低確率遊技状態」となっているのかについて、遊技者に疑念を抱かせて、遊技の興趣を高めることができる。
なお、本実施形態においては、「大当たり」とは別に「小当たり」が設けられており、「小当たり」に当選した場合には、以後の遊技状態が「小当たり遊技状態」となる。ただし、「小当たり」に当選しても、「小当たり遊技状態」の終了後に、「高確率遊技状態」や「時短遊技状態」等の遊技状態が変更することはない。例えば、「高確率遊技状態」において「小当たり」に当選した場合には、「小当たり遊技状態」の終了後も「高確率遊技状態」が継続する。このように、「時短遊技状態」「非時短遊技状態」「低確率遊技状態」「高確率遊技状態」については、小当たりの当選前後で変更することはない。
次に、パチンコ機100における遊技の進行について、各制御手段の制御を示すフローチャートを用いて説明する。
図16は、主制御基板201において実行される主なサブルーチンを示しており、CPU201aは、図示の全てのサブルーチンを0.004秒ごとに繰り返し行っている。なお、ここでは、入賞ゲート通過処理(S11)→普通図柄変動処理(S12)→第2始動口処理(S13)→始動口入球処理(S14)→第2検出信号処理(S15)→特別図柄変動処理(S16)→大入賞口処理(S17)→賞球処理(S18)→待機処理(S19)→出力処理(S20)、という順にサブルーチンが実行されるものとしているが、これは説明の都合によるものである。実際は、検出SWからの信号に基づいてなされる処理(入賞ゲート通過処理、始動口入球処理、第2検出信号処理)→変動処理(普通図柄変動処理、特別図柄変動処理、待機処理)→演出役物を作動させる処理(第2始動口処理、大入賞口処理)→賞球処理→出力処理、の順にサブルーチンが実行される方が望ましい。
(入賞ゲート通過処理S11)
主制御基板201のCPU201aは、まず、ROM201bから入賞ゲート通過時処理プログラム251を読み出して、図17に示す入賞ゲート通過処理を行う。
(ステップS101)
入賞ゲート通過時処理プログラム251は、ゲート検出SWが信号を検出したか、すなわち、遊技球が入賞ゲート106を通過したか否かを判断する。ゲート検出SWが信号を検出していない場合、すなわち、遊技球が入賞ゲート106を通過していない場合には、入賞ゲート通過処理を終了して、次のサブルーチンを実行する。
(ステップS102)
上記ステップS101において、ゲート検出SWがONしていると判断した場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域400に記憶された普通図柄の保留数(G)が4未満であるか否かを判断する。その結果、普通図柄の保留数(G)が4であった場合には、入賞ゲート通過処理を終了して、次のサブルーチンが実行される。
(ステップS103)
上記ステップS102において、保留数(G)が4未満であった場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域400に、記憶されている現在の保留数(G)に「1」を加算して記憶する。
(ステップS104)
次に、CPU201aは、入賞ゲート通過時処理プログラム251のサブプログラムである当たり乱数抽選プログラム251aを読み出して、予め用意された乱数(例えば、0〜250)から1の乱数を取得する。この当たり乱数抽選プログラム251aによって取得された乱数は、普通図柄保留記憶領域401に記憶される。これにより、入賞ゲート通過処理が終了する。
(普通図柄変動処理S12)
上記のようにして入賞ゲート通過処理が終了すると、CPU201aは、ROM201bから普通図柄変動時処理プログラム252を読み出して、図18に示す普通図柄変動処理を行う。
(ステップS201)
普通図柄変動時処理プログラム252は、RAM201cの補助遊技開始フラグ記憶領域410aにフラグがONされているか否かを判断する。ここでいう「補助遊技」とは、第2始動口120が第2の態様に制御されていることを意味するものであり、補助遊技開始フラグ記憶領域410aにフラグがONされる場合というのは、第2始動口120が第2の態様に制御されている場合である。したがって、このステップS201では、第2始動口120が第2の態様に制御されている最中であるか否かを判断することとなる。そして、補助遊技開始フラグ記憶領域410aにフラグがONされている場合、すなわち、第2始動口120が第2の態様に制御されている場合には、普通図柄変動処理を終了して、次のサブルーチンを実行する。
(ステップS202)
上記ステップS201において、補助遊技開始フラグ記憶領域410aにフラグがONされていない場合、すなわち、第2始動口120が第1の態様に制御されている場合には、普通図柄の変動表示中であるか否かを判断する。
(ステップS203)
ステップS201およびステップS202の双方において「NO」と判断される場合というのは、第2始動口120が第1の態様に維持されており、また、普通図柄の変動表示も行われていない場合である。
この場合には、普通図柄保留記憶領域401に記憶された乱数に基づいて、普通図柄の変動表示を開始することができる。ただし、普通図柄保留記憶領域401に乱数が記憶されていない場合、すなわち、保留数(G)が「0」の場合には普通図柄の変動表示は行われないため、ここでは保留数(G)が「1」以上であるか否かを判断する。その結果、保留数(G)が「0」であった場合には、普通図柄変動処理を終了して、次のサブルーチンが実行される。
(ステップS204)
上記ステップS203において、保留数(G)が「1」以上であると判断した場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域400に記憶されている値(G)から「1」を減算した新たな保留数(G)を記憶する。
(ステップS205)
次に、CPU201aは、普通図柄変動時処理プログラム252のサブプログラムである当たり乱数判定プログラム252aを読み出して、普通図柄保留記憶領域401に記憶された当たり乱数の判定を行う。なお、複数の当たり乱数が記憶されている場合には、当該当たり乱数が記憶された順に読み出されるようにしている。
そして、ROM201bには、この当たり乱数の判定を行うテーブルが設けられており、当たり乱数判定プログラム252aは、読み出した乱数を上記のテーブルに照らし合わせて当たりか否かの判定を行う。例えば、上記テーブルによれば、「0」〜「250」の当たり乱数のうち、「0」〜「224」までの乱数が当たりと判定され、その他の乱数はハズレと判定される。つまり、本実施形態においては、普通図柄の当選確率が90%程度に設定されている。
(ステップS206)(ステップS207)(ステップS208)
上記ステップS205における当たり乱数の判定の結果、当たりと判定された場合(ステップS206の「YES」)には当たり図柄がセットされ、ハズレと判定された場合(ステップS206の「NO」)にはハズレ図柄がセットされる。
ここでいう当たり図柄とは、上記普通図柄表示器121において最終的にLEDが点灯する図柄のことであり、ハズレ図柄とは最終的にLEDが点灯せずに消灯する図柄のことである。また、当たり図柄のセットとは、普通図柄表示器121においてLEDを点灯させるコマンドを所定の記憶領域に記憶させることであり、ハズレ図柄のセットとは、普通図柄表示器121においてLEDを消灯させるコマンドを所定の記憶領域に記憶させることである。
(ステップS209)
次に、普通図柄変動時処理プログラム252は、時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグがONされているか否かを判断する。時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグがONされている場合というのは、遊技状態が時短遊技状態にあるときであり、上記フラグがONされていない場合というのは、遊技状態が非時短遊技状態にあるときである。
(ステップS210)(ステップS211)
上記ステップS209において、時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグがONされていると判断した場合には、CPU201aが変動時間設定プログラム252bを読み出して、変動時間を3秒にセットする。これに対して、時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグがONされていないと判断した場合には、CPU201aが変動時間設定プログラム252bを読み出して、変動時間を29秒にセットする。このステップS210またはステップS211の処理によって、普通図柄の変動表示の時間が決定されることとなる。
(ステップS212)
上記のようにして変動時間がセットされたら、CPU201aは普通図柄変動表示プログラム252cを読み出して、普通図柄表示器121において普通図柄の変動表示を開始する。普通図柄の変動表示というのは、普通図柄表示器121においてLEDを所定の間隔で点滅させ、あたかも現在抽選中であるかのような印象を遊技者に与えるものである。この普通図柄の変動表示は、上記ステップS210またはステップS211において設定された時間だけ継続して行われることとなる。
(ステップS213)
また、普通図柄変動時処理プログラム252は、上記ステップS212において普通図柄の変動表示を開始するとともに、時間の計測を開始する。これにより、普通図柄変動処理が終了する。
(ステップS214)
一方、上記ステップS202において普通図柄の変動表示中であると判断した場合、すなわち、CPU201aが普通図柄変動処理を開始したときに、普通図柄の変動表示が既に行われている場合には、設定された変動時間を経過したか否かを判断する。つまり、本実施形態においては、0.004秒おきに主制御基板201における全てのルーチン処理が行われる。上記ステップS202において「YES」と判断される場合というのは、当該ルーチン処理よりも前に行われたルーチン処理によって、ステップS201〜ステップS213の処理が行われた場合である。したがって、このステップS214においては、それ以前に行われたルーチン処理によって設定された変動時間(3秒または29秒)を経過したか否かを判断することとなる。その結果、設定された変動時間を経過していないと判断した場合には、そのまま変動表示を継続して行う必要があるため、普通図柄変動処理を終了して次のサブルーチンを実行する。
(ステップS215)
一方、上記ステップS214において、設定された変動時間を経過したと判断した場合には、CPU201aが普通図柄変動表示プログラム252cを読み出して、普通図柄表示器121における普通図柄の変動を停止する。このとき、普通図柄表示器121には、それ以前のルーチン処理によって設定された普通図柄(当たり図柄またはハズレ図柄)が停止表示する。これにより、普通図柄の抽選の結果が遊技者に報知されることとなる。
(ステップS216)
上記ステップS215において普通図柄の変動を停止したら、それ以前のルーチン処理によって設定された変動時間をリセットする。
(ステップS217)(ステップS218)
そして、設定されていた普通図柄が当たり図柄であった場合には、ステップS218において、補助遊技開始フラグ記憶領域410aにフラグをONして、普通図柄変動処理を終了する。これにより、次に実行されるサブルーチンである第2始動口処理において、補助遊技が開始されることとなる。一方、設定されていた普通図柄がハズレ図柄であった場合には、そのまま普通図柄変動処理を終了する。
(第2始動口処理S13)
上記のようにして普通図柄変動処理が終了すると、CPU201aは、ROM201bから第2始動口制御プログラム253を読み出して、図19に示す第2始動口処理を行う。
(ステップS301)
第2始動口制御プログラム253は、まず、補助遊技開始フラグ記憶領域410aにフラグがONされているか否かを判断する。補助遊技開始フラグ記憶領域410aにフラグがONされている場合としては、次の2つの場合がある。1つは、当該ルーチン処理の開始時には補助遊技が開始されていないが当該ルーチン処理によって補助遊技を開始する場合である。つまり、当該第2始動口処理が行われる直前になされた普通図柄変動処理のステップS218において、補助遊技開始フラグがONされた場合である。この場合には、補助遊技開始フラグがONされているものの、まだ補助遊技は開始されていない。他の1つは、当該ルーチン処理の開始時に既に補助遊技が実行されている場合である。
そして、補助遊技開始フラグ記憶領域410aにフラグがONされていないと判断した場合には、第2始動口処理を終了して、次のサブルーチンを実行する。
(ステップS302)
上記ステップS301において、補助遊技開始フラグ記憶領域410aにフラグがONされていると判断した場合には、第2始動口制御プログラム253が、補助遊技中であるか否かを判断する。すでに補助遊技が実行されている場合には、後述するステップS308の処理が行われる。
(ステップS303)
上記ステップS302において、補助遊技がまだ実行されていないと判断した場合、すなわち、上記したように、当該ルーチン処理の開始時には補助遊技が開始されていないが当該ルーチン処理によって補助遊技を開始する場合には、CPU201aが第2始動口制御プログラム253を読み出して、時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグがONされているか否かを判断する。
(ステップS304)(ステップS305)
上記ステップS303において時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグがONされていると判断した場合、すなわち、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、CPU201aが開放時間設定プログラム252dを読み出して、開放時間を3.5秒にセットする。一方、時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグがONされていないと判断した場合には、開放時間を0.2秒にセットする。
ここで、開放時間というのは、第2始動口120の一対の可動片を第2の態様に制御する時間のことである。したがって、ここでは、第2始動口120を第2の態様に所定時間制御するためのコマンドが読み出されてセットされることとなる。
(ステップS306)
上記ステップS304またはステップS305において開放時間をセットしたら、CPU201aが、第2始動口制御プログラム253を読み出して、第2始動口120の開閉ソレノイドに通電を開始する。これにより、第1の態様として閉じた第2始動口120が、開放して第2の態様に制御されることとなる。
(ステップS307)
また、第2始動口制御プログラム253は、第2始動口120の開閉ソレノイドに通電を開始するのと同時に、時間の計測を開始する。
(ステップS308)
次に、上記ステップS304またはステップS305において設定された開放時間を経過したか否かを判断する。なお、ステップS302において「NO」と判断され、当該ルーチン処理においてステップS303〜ステップS307の処理が行われた場合には、必ずステップS308で「NO」と判断され、次のサブルーチンが実行されることとなる。
これに対して、上記ステップS302において、補助遊技中であると判断された場合には、当該ルーチン処理以前のルーチン処理において設定された開放時間を経過したと判断される場合がある。ただし、当該ルーチン処理の開始時において、すでに補助遊技が実行されていたとしても、設定された開放時間を経過していなければ(ステップS308の「NO」)、当該第2始動口処理を終了して、次のサブルーチンが実行される。
(ステップS309)
上記ステップS308において、第2始動口制御プログラム253が、設定された開放時間を経過したと判断した場合には、第2始動口120の開閉ソレノイドの通電を停止する。これにより、第2始動口120は第1の態様に復帰し、再び遊技球の入球が不可能または困難となり、実行されていた補助遊技が終了することとなる。
(ステップS310)
上記のように第2始動口120の開閉ソレノイドの通電を停止したら、第2始動口制御プログラム253は、設定された開放時間をリセットする。
(ステップS311)
最後に、第2始動口制御プログラム253は、補助遊技開始フラグ記憶領域410aにおけるフラグをOFFして第2始動口処理を終了し、次のサブルーチンを実行することとなる。
(始動口入球処理S14)
上記のようにして第2始動口処理が終了すると、CPU201aは、ROM201bから始動口入球時処理プログラム261を読み出して、図20に示す始動口入球処理を行う。
(ステップS401)
始動口入球時処理プログラム261は、第1始動口検出SWが信号を検出したか、すなわち、遊技球が第1始動口105に入球したか否かを判断する。第1始動口検出SWが信号を検出していない場合、すなわち、遊技球が第1始動口105に入球していない場合には、始動口入球処理を終了して、次のサブルーチンを実行する。
(ステップS402)
始動口入球時処理プログラム261は、上記ステップS401において遊技球が第1始動口105に入球したことが検出されると、計測中の変動停止時間をリセットする。変動停止時間は、特別図柄および装飾図柄の変動が停止してからの経過時間である。この変動停止時間は、保留球がなく、かつ、始動口105、120に遊技球が入球しないため、当該特別図柄および装飾図柄が変動しない状態が継続している時間を表す。かかる変動停止時間は、後述する変動停止中処理にて、保留がない状態(U1=0、U2=0)で、前回最後に変動した特別図柄(および装飾図柄)の変動が停止した時点(図27のS813)、または大当たり遊技または小当たり遊技の終了時点(図31のS1041、図32のS1120)から、計測開始された時間である。
(ステップS403)
上記ステップS402において、変動停止時間がリセットされると、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域402aに記憶された第1保留(U1)が4未満であるか否かを判断する。その結果、第1保留(U1)が上限留保個数の「4」であった場合には、当該第1始動口に関する処理を終了する。
(ステップS404)
上記ステップS403において、第1保留(U1)が4未満であった場合には、CPU201aが特別図柄保留数カウントプログラム261aを読み出して、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域402aに、記憶されている現在の第1保留(U1)に「1」を加算して記憶する。
(ステップS405)
さらに、CPU201aは、大当たり乱数抽選プログラム261bを読み出して、大当たり乱数を取得するとともに、この取得した大当たり乱数を第1特別図柄保留記憶領域403aに記憶する。なお、大当たり乱数とは、大当たり、小当たり、ハズレのいずれかを決定するものであり、上記大当たり乱数抽選プログラム261bは、「0」〜「600」の601個の乱数から一つの大当たり乱数を無作為に抽出する。続いて、CPU201aは、図柄乱数抽選プログラム261cを読み出して、図柄乱数を取得するとともに、この取得した図柄乱数を第1特別図柄保留記憶領域403aに記憶する。なお、図柄乱数とは、大当たりや小当たりの種類を決定するものであり、図柄乱数抽選プログラム261cは、「0」〜「250」の251個の乱数から一つの図柄乱数を無作為に抽出する。さらに、CPU201aは、リーチ乱数抽選プログラム261dを読み出して、リーチ乱数を取得するとともに、この取得したリーチ乱数を第1特別図柄保留記憶領域403aに記憶する。なお、リーチ乱数とは、リーチ有り演出をするか否かを決定するものであり、リーチ乱数抽選プログラム261dは、「0」〜「250」の251個の乱数から一つのリーチ乱数を無作為に抽出する。
上記のように取得された各乱数は、第1特別図柄保留記憶領域403aに記憶されることとなる。この第1特別図柄保留記憶領域403aと第2特別図柄保留記憶領域403bの概念図を図21に示す。図21(a)からも明らかなように、第1特別図柄保留記憶領域403aは、第1記憶部403a−1〜第4記憶部403a−4までの4つの記憶部を有している。
また、図21(b)は、後述する第2特別図柄保留記憶領域403bの概念図であるが、この第2特別図柄保留記憶領域403bも、第5記憶部403b−5〜第8記憶部403b−8までの4つの記憶部を有している。
これら第1記憶部403a−1〜第8記憶部403b−8には、図21(c)に示すように、取得された大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数の3つの乱数を記憶する領域が設けられている。
そして、当該ステップS405において取得された各乱数は、第1記憶部403a−1から順に記憶していく。例えば、第1記憶部403a−1〜第4記憶部403a−4のいずれにも乱数が記憶されていない場合には、第1記憶部403a−1に取得した乱数を記憶する。また、例えば、第1記憶部403a−1〜第3記憶部403a−3の3つの記憶部に、すでに乱数が記憶されている場合には、第4記憶部403a−4に取得した乱数を記憶する。
(ステップS406)
以上のようにして第1始動口105に係る入球処理が終了したら、あるいは、上記ステップS401、ステップS403において「NO」と判断されたら、図20に示すように、今度は始動口入球時処理プログラム261が、第2始動口120に遊技球が入球したか否かを判断する。そして、第2始動口検出SWが信号を検出していない場合、すなわち、遊技球が第2始動口120に入球していない場合には、当該始動口入球処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
(ステップS407)
始動口入球時処理プログラム261は、上記ステップS406で遊技球が第1始動口105に入球したことが検出されると、上述した変動停止時間をリセットする。
(ステップS408)
上記ステップS407において、変動停止時間がリセットされると、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域402bに記憶された第2保留(U2)が4未満であるか否かを判断する。その結果、第2保留(U2)が上限留保個数の「4」であった場合には、当該始動口入球処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
(ステップS409)
上記ステップS408において、第2保留(U2)が4未満であると判断した場合には、CPU201aが特別図柄保留数カウントプログラム261aを読み出して、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域402bに記憶されている現在の第2保留(U2)の値に「1」を加算して記憶する。
(ステップS410)
さらに、CPU201aは、上記と同様に、大当たり乱数抽選プログラム261b、図柄乱数抽選プログラム261c、およびリーチ乱数抽選プログラム261dを読み出して、各乱数を取得するとともに、この取得した各乱数を第2特別図柄保留記憶領域403bに記憶する。
ここでは、第1始動口105の入球処理と第2始動口120の入球処理とが独立して行われ、第1保留(U1)と第2保留(U2)とがそれぞれ独立して加算されているが、両保留を一体的に構成することもできる。例えば、第1始動口105および第2始動口120のいずれかを通過した遊技球が合わせて加算、記憶され、その上限保留個数を「4」とすることも可能である。
(第2検出信号処理S15)
上記のようにして始動口入球処理が終了すると、CPU201aは、ROM201bから第2検出信号処理プログラム263を読み出して、図22に示す不正対応処理を行う。
(ステップS451)
第2検出信号処理プログラム263は、振動検出装置150からの入力信号があるか否かを判断する。
(ステップS452)
上記ステップS451において振動検出装置150からの入力信号があると判断した場合には、その入力信号が正常検知信号であるか否かを判断し、正常検知信号であれば第2検出信号処理を終了して、次のサブルーチンを実行する。
(ステップS453)
上記ステップS452において入力信号が正常検知信号ではないと判断した場合には、その入力信号が第2検出信号であるか否かを判断する。
(ステップS454)
上記ステップS453において入力信号が第2検出信号であると判断した場合、不正対応処理が遂行される。不正対応処理によれば、主制御基板201から副制御基板202へ叩打報知コマンドが送られ警報音の出力とともに「叩打が為された」という趣旨の表示および音声報知を行ったり、ランプ制御基板206による演出ライト111の点滅等による報知を行ったりすることができる。これにより、遊技場係員にパチンコ機100に対して過度の叩打が加えられたことを報知し、遊技場係員がそのパチンコ機100に赴いて必要な処置を行うようにすることができる。
また、主制御基板201から賞球制御基板203へ不正対応コマンドが送られると、発射停止処理が行われて遊技球の発射ができなくなるとともに、払出停止処理が行われて遊技球の払出が行われなくなる。主制御基板201は、叩打報知コマンドを送信した後は、基本動作を停止して振動検出装置150からの信号が入力されないようにしてもよい。この場合、遊技場係員による復旧処理によって復旧する構成にしておけば、不正がさらに予防される。
なお、不正対応処理によってパチンコ機100の一部または全部の機能を停止する処理を行う場合には、主制御基板201に第2検出信号が入力される直前の遊技状態が記憶される構成にすることが好ましい。これにより、遊技場係員の確認によって不正行為でないと判断され遊技が復旧される際には、遊技状態を元に戻すことが可能となる。
(ステップS455)
上記ステップS453において入力信号が第2検出信号ではないと判断した場合、振動検出装置150からの信号入力がなかった場合(S451の「NO」)同様、エラー検出信号処理を行う。エラー検出信号処理は、例えば、管理装置(例えばホールコンピュータ)にエラーメッセージを送信する処理である。これによって、遊技場係員による断線、振動検出装置150の故障、誤作動等の確認が可能となる。なお、振動検出装置150からの信号が入力されない場合と、不明な信号が入力された場合とで同じエラー検出処理を行う構成を示したが、それぞれ別のエラー処理としてもよい。
なお、かかるフローチャートでは、第2検出信号が出力された場合に、不正対応処理(ステップS454)によってパチンコ機100による報知を行う例を示したが、これを行わずにパチンコホールの管理装置のみに対して報知を行うようにしてもよい。
(特別図柄変動処理S16)
上記のようにして始動口入球処理が終了すると、CPU201aは、ROM201bから特別図柄変動時処理プログラム262を読み出して、図23に示す特別図柄変動処理を行う。
(ステップS501)
特別図柄変動時処理プログラム262は、まず、ROM201bの長当たり遊技開始フラグ記憶領域410d、短当たり遊技開始フラグ記憶領域410e、小当たり遊技開始フラグ記憶領域401fのいずれかにフラグがONされているか、すなわち特別遊技中であるかを判断する。その結果、特別遊技中であると判断した場合には、特別図柄変動処理を終了して、次のサブルーチンを実行する。
(ステップS502)
また、特別遊技中でない場合には、特別図柄変動時処理プログラム262が、特別図柄の変動表示中であるか否かを判断する。
(ステップS503)(ステップS504)
さらに、特別図柄の変動表示中ではない場合には、特別図柄変動時処理プログラム262が、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域402bに記憶された第2保留(U2)が「1」以上であるかを判断する(ステップS503)。
その結果、第2保留(U2)が「1」以上であると判断された場合(ステップS503の「YES」)には、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域402bに記憶されている値(U2)から「1」を減算した新たな第2保留(U2)を記憶する(ステップS504)。
(ステップS505)
一方、上記ステップS503において、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域402bに記憶された第2保留(U2)が「0」であると判断された場合には、特別図柄変動時処理プログラム262が、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域402aに記憶された第1保留(U1)が「1」以上であるかを判断する。
その結果、第1保留(U1)が「0」であると判断された場合には、そのまま当該特別図柄変動処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
(ステップS506)
上記ステップS505において、第1保留(U1)が「1」以上であると判断された場合(ステップS505の「YES」)には、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域402aに記憶されている値(U1)から「1」を減算した新たな第1保留(U1)を記憶する。
(ステップS507)
続いて特別図柄変動時処理プログラム262は、第1特別図柄保留記憶領域403aまたは第2特別図柄保留記憶領域403bのうち保留数を減算した記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。具体的には、第1記憶部403a−1〜第4記憶部403a−4に記憶された各データまたは第5記憶部403b−5〜第8記憶部403b−8に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。
例えば、第2保留(U2)が「1」以上記憶されている場合(ステップS503の「YES」)には、第8記憶部403b−8に記憶されているデータを第7記憶部403b−7にシフトさせ、第7記憶部403b−7に記憶されているデータを第6記憶部403b−6にシフトさせ、第6記憶部403b−6に記憶されているデータを第5記憶部403b−5にシフトさせる。このとき、第5記憶部403b−5に記憶されているデータは、所定の処理領域に書き込まれるとともに、第2特別図柄保留記憶領域403bからは消去される。ただし、この場合には、第1特別図柄保留記憶領域403aに記憶されたデータはシフト処理されることなく、そのままの記憶状態に維持される。
また、第2保留(U2)が記憶されておらず(ステップS503の「NO」)、第1保留(U1)が「1」以上記憶されている場合(ステップS505の「YES」)には、第4記憶部403a−4に記憶されているデータを第3記憶部403a−3にシフトさせ、第3記憶部403a−3に記憶されているデータを第2記憶部403a−2にシフトさせ、第2記憶部403a−2に記憶されているデータを第1記憶部403a−1にシフトさせる。このとき、第1記憶部403a−1に記憶されているデータは、所定の処理領域に書き込まれるとともに、第1特別図柄保留記憶領域403aからは消去される。ただし、この場合には、第2特別図柄保留記憶領域403bに記憶されたデータはシフト処理されることなく、そのままの記憶状態に維持される。
上記ステップS503〜ステップS507からも明らかなように、本実施形態においては、第1保留(U1)と第2保留(U2)との双方が記憶されている場合、第2保留(U2)に基づく特別図柄の変動表示が優先して行われることとなる。
(大当たり判定処理S600)
次に、CPU201aは、ROM201bから大当たり判定処理プログラム262aを読み出して、上記ステップS505において所定の処理領域に書き込まれたデータに基づいて、大当たり判定処理を実行する。
(ステップS601)
図24に示すように、大当たり判定処理プログラム262aは、高確率遊技フラグ記憶領域410cにフラグがONされているか否かを判断する。高確率遊技フラグ記憶領域410cにフラグがONされている場合というのは、現在の遊技状態が高確率遊技状態である場合である。
(ステップS602)(ステップS603)
上記ステップS601において、現在の遊技状態が高確率遊技状態であると判断した場合には、ステップS602において、「高確率時乱数判定テーブル」を選択する。一方、上記ステップS601において、現在の遊技状態が高確率遊技状態ではない(低確率遊技状態)と判断した場合には、ステップS603において、「低確率時乱数判定テーブル」を選択する。
(ステップS604)
そして、CPU201aは、大当たり判定処理プログラム262aを読み出して、上記ステップS505において処理領域に書き込まれた大当たり乱数を、上記ステップS602またはステップS603で選択された「高確率時乱数判定テーブル」または「低確率時乱数判定テーブル」に基づいて判定する。
ここで、大当たり判定処理プログラム262aが行う大当たり乱数の判定について図25を用いて説明する。
図25(a−1)、図25(a−2)は、大当たりの当選確率、小当たりの当選確率および大当たり乱数の一例を示している。図25(a−1)は、第1始動口105に遊技球が入球したことによって取得された大当たり乱数の判定を行う際のテーブル(以下、「第1高確テーブル」、「第1低確テーブル」という)であり、図25(a−2)は、第2始動口120に遊技球が入球したことによって取得された大当たり乱数の判定を行う際のテーブル(以下、「第2高確テーブル」、「第2低確テーブル」という)である。この図に示すとおり、大当たり乱数は0〜600までの601個の乱数から一つ取得される。そして、低確率遊技状態においては第1低確テーブルまたは第2低確テーブルに基づいて大当たり乱数の判定が行われるが、これらの低確率時乱数判定テーブルによれば、7および317の2つの乱数が大当たりと判定される。一方、高確率遊技状態においては第1高確テーブルまたは第2高確テーブルに基づいて大当たり乱数の判定が行われる。これらの高確率時乱数判定テーブルによれば、7,37,67,97,127,157,187,217,247,277,317,337,367,397,427,457,487,517,547,577の20個の乱数が大当たりと判定される。
このように、特別図柄保留記憶領域403に記憶された乱数が同一であったとしても、「高確率時乱数判定テーブル」を用いた場合と、「低確率時乱数判定テーブル」を用いた場合とで、異なる判定結果が得られることとなる。
また、本実施形態においては、「小当たり」の当選についても、大当たり乱数によって決定される。この「小当たり」というのは、上記「小当たり遊技」を実行する権利を獲得するものである。本実施形態においては、第1低確テーブルまたは第1高確テーブルに基づいて大当たり乱数の判定を行った場合、50,100,150,200,250,300の6個の乱数が小当たりと判定される。これに対して、第2低確テーブルまたは第2高確テーブルに基づいて大当たり乱数の判定を行った場合、100,200,300の3個の乱数が小当たりと判定される。
このように、本実施形態においては、第1始動口105に遊技球が入球した場合と、第2始動口120に遊技球が入球した場合とで、大当たりの当選確率を同じにしつつ、小当たりの当選確率を異なるように設定している。
(ステップS605)(ステップS606)
そして、上記ステップS604における大当たり乱数の判定の結果、大当たりと判定した場合には、大当たり判定処理プログラム262aが、さらに処理領域に書き込まれた図柄乱数を判定して、大当たりの種類を決定する。
大当たり判定処理プログラム262aが行う図柄乱数の判定について図25を用いて説明する。図25(b−1)、図25(b−2)は、大当たりに当選した場合に付与される遊技利益の種類、すなわち大当たりの種類とその当選確率、および図柄乱数の一例を示し、図25(b−1)は、第1始動口105に遊技球が入球して取得された第1保留(U1)を判定する際のテーブルの一例、図25(b−2)は、第2始動口120に遊技球が入球して取得された第2保留(U2)を判定する際のテーブルの一例である。また、図25(b−3)は、上記大当たり乱数の判定の結果、小当たりに当選したと判定された場合に用いられるテーブルの一例であり、第1保留(U1)および第2保留(U2)の双方ともに、同じテーブルが用いられる。
上記ステップS604において、第1保留(U1)について、上記大当たり乱数が大当たりに当選していると判定された場合には、大当たり判定処理プログラム262aが、図25(b−1)に示すテーブルに基づいて図柄乱数を判定し、6種類の大当たりの中からいずれか一つの大当たりを決定する。
一方、第2保留(U2)について、上記大当たり乱数が大当たりに当選していると判定された場合には、大当たり判定処理プログラム262aが、図25(b−2)に示すテーブルに基づいて図柄乱数を判定し、図示の2種類の大当たりの中からいずれかの大当たりを決定する。
なお、第2保留(U2)について、「高確率時短付き長当たり」または「通常時短付き長当たり」のいずれかのみに当選するようにしたのは、次の理由からである。すなわち、非時短遊技状態においては、第2始動口120にほとんど遊技球が入球しない。言い換えれば、非時短遊技状態においては、大当たりの抽選のほとんどが、第1始動口105に遊技球が入球したことを契機として行われる。したがって、非時短遊技状態において、6種類の大当たりのうちのいずれかが当選するようにすることで、遊技の興趣を高めるようにしている。
これに対して、第2始動口120に遊技球が入球した場合も、6種類の大当たりが当選するようにしてしまうと、時短遊技状態を設けたことによって、遊技者の遊技に対する意欲をかえって減退させてしまうおそれがある。
例えば、「高確率時短付き短当たり」に当選して時短遊技状態となった場合に、さらに「通常時短付き短当たり」や「通常時短無し短当たり」に当選してしまうと、「高確率時短付き短当たり」に当選したことによる遊技利益を享受することができず、遊技に対する遊技者の意欲が一気に減退してしまう。
また、例えば、「高確率時短付き短当たり」に当選して時短遊技状態となった場合に、再度いずれかの「短当たり」に頻繁に当選することとなれば、遊技者は多量の賞球を獲得するという遊技の最大の目的を達成することがなかなかできず、遊技に対する意欲が一気に減退しかねない。このような事態が、時短遊技状態においては頻繁に発生することとなる。
そこで、上記の事態が頻繁に発生することがないよう、第2保留(U2)については、「高確率時短付き長当たり」または「通常時短付き長当たり」のいずれかのみに当選するようにしたのである。
(ステップS607)
上記のようにして大当たりの種類を決定したら、大当たり判定処理プログラム262aが当該大当たりの種類に対応する大当たり図柄(特別図柄)をセットする。大当たり図柄のセットとは、図25(b−1)に示される特別図柄をセットすることであり、例えば、「高確率時短付き長当たり」に当選した場合には、特別図柄「1」がセットされる。
(ステップS608)
また、上記ステップS605で大当たりではないと判断した場合には、大当たり乱数の判定の結果が小当たりであるか否かを判断する。
(ステップS609)
上記ステップS608において、大当たり乱数の判定の結果、小当たりに当選している場合には、CPU201aが大当たり判定処理プログラム262aを読み出して、図25(b−3)に示す図柄乱数判定テーブルに基づいて図柄乱数の判定を行う。本実施形態においては、小当たり1、小当たり2、小当たり3からなる3種類の小当たりが設けられており、図柄乱数の判定によっていずれかの小当たりが決定される。
(ステップS610)
上記のようにして小当たりの種類を決定したら、大当たり判定処理プログラム262aが当該小当たりの種類に対応する小当たり図柄(特別図柄)を、上記と同様にセットする。なお、小当たり図柄は、図25(b−3)に示した図柄となる。これら小当たり1〜3のいずれに当選しても、その後に実行される小当たり遊技の内容は全く同じである。
(ステップS611)
また、上記ステップS608において、小当たりにも当選しておらず、いわゆるハズレであった場合には、CPU201aが大当たり判定処理プログラム262aを読み出してハズレ図柄をセットする。
(変動パターン選択処理S700)
上記のようにして大当たり判定処理が終了したら、次にCPU201aは、変動パターン選択処理プログラム262bを読み出して、変動パターンを決定する。
(ステップS701)
図26に示すように、変動パターン選択処理プログラム262bは、上記ステップS600における大当たり判定処理の結果が大当たりであるか否かを判断する。
(ステップS702)
そして、大当たり判定処理の結果が大当たりであった場合には、大当たり用テーブルを選択してセットする。
(ステップS703)(ステップS704)
また、上記大当たり判定処理の結果が大当たりでないと判断した場合には、さらに大当たり判定処理の結果が小当たりであるか否かを判断する。大当たり判定処理の結果が小当たりであった場合(ステップS703の「YES」)には、小当たり用テーブルを選択してセットする(ステップS704)。
(ステップS705)
そして、大当たり判定処理の結果が、大当たりでも小当たりでもなく、ハズレであった場合には、変動パターン選択処理プログラム262bがリーチ乱数判定テーブルに基づいて、処理領域に書き込まれたリーチ乱数の判定を行う。リーチ乱数の判定について、図25(c)を用いて説明する。図25(c)は、リーチ演出の有無とその出現確率、およびリーチ乱数の一例を示している。
すでに説明したとおり、リーチ乱数は、0〜250の乱数の中から無作為に1つ取得される。本実施形態においては、大当たり乱数がハズレであると判定された場合にのみ、リーチ乱数判定テーブルに基づいてリーチ乱数の判定を行う。リーチ乱数判定テーブルは、図25(c)に示すように、0〜24の乱数がリーチ有り演出と判定され、その他の乱数がリーチ無し演出と判定される。したがって、ハズレ時には、リーチ無し演出が実行される確率が高くなる一方で、遊技者に期待感を与えるいわゆるガセリーチ演出が10%程度の確率で実行されることとなる。一方、大当たり時および小当たり時には、必ずリーチ有り演出が実行されるため、本実施形態においては、リーチ乱数が取得されるものの、当該リーチ乱数の判定は行わないこととしている。
ここで、リーチ乱数によって決定されるリーチ有り演出、リーチ無し演出というのは、液晶表示器104において行われる演出表示(装飾図柄演出)の態様を示すものである。つまり、特別図柄の変動表示中には、「1」〜「9」の数字が縦方向に連続して記された数列からなる図柄が、3列表示されており、後述する特別図柄の変動表示が開始されるのと同時に、これら図柄がスクロールを開始する。
そして、リーチ有り演出においては、スクロールの開始後、所定時間経過後に当該スクロールが停止して各図柄を停止表示する際に、まず、いずれか2つの図柄(数列)が先に停止する。このとき、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が停止表示するとともに、最後の1列がスクロール速度を徐々に遅くして、一直線上に同一の数字が3つ揃うのではないかという期待感を遊技者に与える。このようなリーチ有り演出のなかには、最後の1列のスクロールが停止する前に、さまざまなキャラクターが登場したり、ストーリーが展開したりするいわゆるスーパーリーチ演出が含まれている。
一方、リーチ無し演出は、上記のように遊技者に期待感を与えるような演出がなされることなく、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が揃わない状態で図柄が停止表示するものである。
このように、リーチ乱数は、大当たり乱数の判定の結果がハズレであった場合に、液晶表示器104においてリーチ有り演出を行うか、リーチ無し演出を行うかを決定するためのもので、所定の確率でリーチ有り演出が出現するようにして、遊技者に対して適度に期待感を与えるようにしている。なお、長当たりに当選した場合には、上記のようなリーチ有り演出が必ず行われ、最終的に横または斜めにわたる一直線上に、同一の数字が揃った状態で装飾図柄が停止表示する。これに対して、短当たりまたは小当たりに当選した場合やハズレの場合のリーチ有り演出は、上記一直線上に、同一の数字が揃わない状態で装飾図柄が停止表示する。かかるリーチ有り演出を含む演出表示については後ほどさらに詳細に説明する。
(ステップS706)(ステップS707)(ステップS708)
上記のようにして行われるリーチ乱数の判定の結果、リーチ有り演出と判定した場合、すなわち、リーチ乱数が「0」〜「24」であった場合には、リーチ用テーブルを選択してセットし、リーチ無し演出と判定した場合、すなわち、リーチ乱数が「25」〜「250」であった場合には、ハズレ用テーブルを選択してセットする。
(ステップS709)
次に、CPU201aは、変動乱数抽選プログラム262cを読み出して、上記リーチ乱数と同様に、「0」〜「250」から1の乱数を無作為に抽出する。
(ステップS710)
そして、変動パターン選択処理プログラム262bは、上記ステップS709で抽出した変動乱数を、上記大当たり用テーブル、小当たり用テーブル、リーチ用テーブル、ハズレ用テーブルに基づいて判定する。各テーブルは、特別図柄の変動時間と、特別図柄の変動中に行われる演出の内容を決定するものである。例えば、大当たり用テーブルは、「0」〜「9」の変動乱数を、長当たり変動時間1分のリーチ有り演出Aと判定し、「10」〜「19」の変動乱数を、長当たり変動時間1分30秒のリーチ有り演出Bと判定し、「20」〜「29」の変動乱数を、長当たり変動時間2分のリーチ有り演出Cと判定する。なお、大当たり用テーブル、小当たり用テーブル、リーチ用テーブルに基づいて変動乱数を判定した場合、必ずリーチ有り演出と判定される。したがって、上述した各テーブルに基づいて、「大当たり」「小当たり」「ハズレ」の大当たりの判定結果、変動時間、リーチ演出の有無が導出されることとなる。
(ステップS711)
上記のようにして変動パターンが決定したら、変動パターン選択処理プログラム262bが上記決定のとおりにコマンドをセットし、変動パターン選択処理を終了する。
(ステップS508)
次に、特別図柄変動時処理プログラム262は、図23に示すように、上記ステップS600およびステップS700で決定された、大当たりの判定結果および変動パターンに係る情報を副制御基板202に送信するために、演出実行コマンドをセットする。この演出実行コマンドには、上述したように、少なくとも「大当たり」「小当たり」「ハズレ」の大当たりの判定結果に係る情報と、特別図柄の変動時間および演出の態様(リーチ有り演出かリーチ無し演出か)とに係る情報を有している。
(ステップS509)
そして、CPU201aは、特別図柄変動表示プログラム262dを読み出して、特別図柄表示器118において特別図柄の変動表示を開始する。
(ステップS510)
上記のようにして特別図柄の変動表示を開始したら、特別図柄変動時処理プログラム262が、変動時間の計測を開始する。
(ステップS511)
一方、上記ステップS502において「YES」と判断する場合というのは、当該特別図柄変動処理以前のルーチン処理(特別図柄変動処理)において、上記ステップS509およびステップS510の処理が行われ、特別図柄の変動表示が行われている場合である。したがって、この場合には、ステップS711においてセットされた変動時間が経過したか否かを判断する。その結果、セットされた時間を経過していないと判断した場合には、特別図柄変動処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
(ステップS512)
当該特別図柄変動処理以前のルーチン処理(特別図柄変動処理)のステップS510でセットされた時間を経過したと判断した場合には、CPU201aが特別図柄変動表示プログラム262dを読み出して、当該特別図柄変動処理以前のルーチン処理(特別図柄変動処理)のステップS600でセットされた特別図柄を、特別図柄表示器118に停止表示する。これにより、遊技者に大当たりの抽選結果が報知されることとなる。
(ステップS513)
そして、特別図柄変動時処理プログラム262は、セットされている変動時間をリセットする。
(変動停止中処理S800)
上記のようにして特別図柄を停止表示することにより、大当たりの抽選結果が確定する。したがって、主制御基板201においては、大当たりの抽選結果に応じて、以後の遊技状態等を設定すべく、図27に示す変動停止中処理が行われる。
(ステップS801)
CPU201aは変動停止中処理プログラム262eを読み出して、セットされている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判断する。
(ステップS802)
上記ステップS801において、セットされている特別図柄は大当たり図柄ではないと判断した場合には、変動停止中処理プログラム262eが、時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグがONされているか否かを判断する。時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグがONされている場合というのは、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合である。
(ステップS803)
現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、CPU201aが変動回数計数プログラム262fを読み出して、時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域407に記憶されている(J)から「1」を減算した演算値を、新たな残り変動回数(J)として記憶する。
(ステップS804)(ステップS805)
そして、上記残り変動回数(J)が「0」になるということは、時短遊技状態における特別図柄の変動表示が所定回数行われたことを意味する。したがって、残り変動回数(J)=0の場合には、CPU201aがフラグ消去プログラム262gを読み出して、時短遊技フラグ記憶領域410bに記憶されているフラグをOFFする。なお、現在の遊技状態が時短遊技状態でない場合には、上記ステップS803〜ステップS805の処理は行われない。
(ステップS806)
変動停止中処理プログラム262eは、高確率遊技フラグ記憶領域410cにフラグがONされているか否かを判断する。高確率遊技フラグ記憶領域410cにフラグがONされている場合というのは、現在の遊技状態が高確率遊技状態である場合である。
(ステップS807)
現在の遊技状態が高確率遊技状態である場合には、CPU201aが変動回数計数プログラム262fを読み出して、高確率遊技状態の残り変動回数(X)記憶領域406に記憶されている残り変動回数(X)から「1」を減算した演算値を、新たな残り変動回数(X)として記憶する。
(ステップS808)(ステップS809)
そして、上記残り変動回数(X)が「0」になるということは、高確率遊技状態における特別図柄の変動表示が所定回数行われたことを意味する。したがって、残り変動回数(X)=0の場合には、CPU201aがフラグ消去プログラム262gを読み出して、高確率遊技フラグ記憶領域410cに記憶されているフラグをOFFする。なお、現在の遊技状態が高確率遊技状態でない場合には、上記ステップS807〜ステップS809の処理は行われない。
(ステップS810)(ステップS811)
また、変動停止中処理プログラム262eは、セットされている特別図柄が小当たり図柄であるか否かを判断し、小当たり図柄であった場合には、小当たり遊技開始フラグ記憶領域410fにフラグをONする。
(ステップS812)(ステップS813)
また、変動停止中処理プログラム262eは、上記S810にて、セットされている特別図柄が小当たり図柄でないと判断した場合には、保留が有るか否かを判定する(ステップS812)。即ち、変動停止中処理プログラム262eは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域402aに記憶された第1保留(U1)が1以上であるか否か、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域402bに記憶された第2保留(U2)が1以上であるか否かを判断する。その結果、第1保留(U1)または第2保留(U2)の少なくともいずれかが、保留有りを表す1以上であった場合(ステップS813の「YES」)には、変動停止中処理を終了する。一方、保留がない、即ち、第1保留(U1)および第2保留(U2)が0であった場合(ステップS812の「NO」)には、変動停止中処理プログラム262eは、上述した変動停止時間の計測を開始する(ステップS813)。このステップS813により、保留が無い状態で最後の特別図柄の変動が停止した時点からの経過時間(つまり、変動停止時間)が計測される。なお、特別図柄の変動の停止は、液晶表示器104での装飾図柄の変動の停止と略同一タイミングである。また、本ステップS813で計測開始された変動停止時間は、始動口105、120に遊技球が入球した時点でリセットし(上述した図20のステップS402、S407)、変動停止中処理を終了する。
(ステップS814)(ステップS815)(ステップS816)
一方、上記ステップS801において、セットされている特別図柄が大当たり図柄であると判断した場合には、変動停止中処理プログラム262eは、上記大当たり図柄が長当たりの大当たり図柄であるかを判断する。つまり、セットされている特別図柄が、「高確率時短付き長当たり」または「通常時短付き長当たり」に係る図柄であるかを判断する。その結果、上記大当たり図柄が長当たりの大当たり図柄であると判断した場合には、変動停止中処理プログラム262eが、長当たり遊技開始フラグ記憶領域410dにフラグをONする(ステップS815)。これに対して、上記大当たり図柄が短当たりの大当たり図柄であると判断した場合には、変動停止中処理プログラム262eが、短当たり遊技開始フラグ記憶領域410eにフラグをONする(ステップS816)。
これにより、変動停止中処理および特別図柄変動処理が終了し、CPU201aは次のサブルーチンを実行することとなる。
(大入賞口処理S17)
上記のようにして特別図柄変動処理が終了すると、CPU201aは、ROM101bから大入賞口処理プログラム271を読み出して、図28に示す大入賞口処理を行う。
(ステップS901)
大入賞口処理プログラム271は、長当たり遊技開始フラグ記憶領域410dまたは短当たり遊技開始フラグ記憶領域410eにフラグがONされているか否かを判断する。その結果、上記いずれかの記憶領域にフラグがONされている場合には、図29〜図31に示す大当たり遊技処理(ステップS1000)を行う。
(ステップS902)
一方、上記ステップS901において、上記いずれの記憶領域にもフラグがONされていない場合には、大入賞口処理プログラム271が、小当たり遊技開始フラグ記憶領域410fにフラグがONされているか否かを判断する。その結果、小当たり遊技開始フラグ記憶領域410fにフラグがONされている場合には、図32に示す小当たり遊技処理を行う(ステップS1100)。これに対して、小当たり遊技開始フラグ記憶領域410fにフラグが記憶されていない場合には、大入賞口処理を終了し、CPU201aが次のサブルーチンを実行する。
(大当たり遊技処理S1000)
上記ステップS901において、長当たり遊技開始フラグ記憶領域410dまたは短当たり遊技開始フラグ記憶領域410eにフラグがONされていると判断した場合には、CPU201aが大当たり遊技処理プログラム271aを読み出して、図29に示す大当たり遊技処理を開始する。なお、本実施形態においては、長当たり遊技および短当たり遊技の制御において、CPU201aがROM201bから同一のプログラム(大当たり遊技処理プログラム271a)を読み出して実行する。
(ステップS1001)
大当たり遊技は、オープニングコマンドを送信することによって開始となる。このオープニングコマンドは、主制御基板201における大当たり遊技処理の開始情報を、副制御基板202に送信するためのものである。したがって、大当たり遊技処理プログラム271aは、このオープニングコマンドが既に送信されているか否かを判断する。
(ステップS1002)
上記ステップS1001において、オープニングコマンドはまだ送信されていないと判断した場合(ステップS1001の「NO」)には、大当たり遊技処理プログラム271aが、オープニングコマンドをセットする。このとき、長当たり遊技開始フラグ記憶領域410dにフラグがONされている場合、すなわち、当該大当たり遊技処理が長当たり遊技に係る場合には、長当たり用オープニングコマンドをセットする。一方、短当たり遊技開始フラグ記憶領域401eにフラグがONされている場合、すなわち、当該大当たり遊技処理が短当たり遊技に係る場合には、短当たり用オープニングコマンドをセットする。
(ステップS1003)
上記のようにしてオープニングコマンドをセットしたら、大当たり遊技処理プログラム271aが、オープニング時間の計測を開始するとともに、RAM201cの所定の記憶領域に、オープニング時間を5秒と設定する。このようにして、オープニング時間の計測を開始したら、大当たり遊技処理を終了する。なお、副制御基板202が長当たり用オープニングコマンドを受信すると、副制御基板202において長当たり遊技開始にあたってのオープニング演出が実行されるとともに、液晶表示器104に、長当たり遊技特有の背景画像が表示される。一方、短当たり用オープニングコマンドを受信すると、副制御基板202において短当たり遊技開始にあたってのオープニング演出が実行されるとともに、液晶表示器104に、短当たり遊技特有の背景画像が表示される。
また、詳しい説明は省略するが、長当たり遊技特有の背景画像は、長当たり遊技が終了するまで継続的に表示され、短当たり遊技特有の背景画像は、短当たり遊技が終了した後、特別図柄の変動表示が所定回数行われるまで継続的に表示される。
(ステップS1004)
上記ステップS1001において、既にオープニングコマンドが送信されていると判断した場合には、大当たり遊技処理プログラム271aが、現在オープニング中であるか否かを判断する。
(ステップS1005)
上記ステップS1004において、現在オープニング中であると判断した場合には、予め設定されたオープニング時間を経過したか否かを判断する。その結果、設定時間を経過していない場合には、当該大当たり遊技処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
(ステップS1006)
上記ステップS1005において、設定時間を経過していると判断した場合には、大当たり遊技処理プログラム271aが、大入賞口入球数(C)記憶領域409をクリアする。
(ステップS1007)
次に、大当たり遊技処理プログラム271aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域408に、記憶されている現在のラウンド遊技回数(R)に「1」を加算して記憶する。なお、現在オープニング中であり(ステップS1004の「YES」)、かつ、設定されたオープニング時間を経過したと判断した場合(ステップS1005の「YES」)には、ラウンド遊技回数(R)記憶領域408には何も記憶されていない。つまり、まだラウンド遊技が1回も行われていないので、ラウンド遊技回数(R)記憶領域408には「1」を記憶することとなる。
(ステップS1008)
また、大当たり遊技処理プログラム271aは、主制御基板201におけるラウンド遊技の開始情報を副制御基板202に送信すべく、ラウンド開始コマンドをセットする。なお、長当たり遊技状態において副制御基板202がラウンド開始コマンドを受信すると、例えば「第5ラウンド」といった具合に演出用の表示が行われる。一方で、短当たり遊技状態において副制御基板202がラウンド開始コマンドを受信しても、演出用の制御は何もなされない。
(ステップS1009)(ステップS1010)(ステップS1011)
また、大当たり遊技処理プログラム271aは、長当たり遊技開始フラグ記憶領域410dにフラグがONされているか否かを判断する(ステップS1009)。そして、長当たり遊技開始フラグ記憶領域410dにフラグがONされている場合には、大入賞口ユニット109の開閉ソレノイドの通電を開始して開閉扉109aを開放するとともに、RAM201cの所定の記憶領域に、大入賞口ユニット109の開閉ソレノイドの通電時間を30秒と設定する(ステップS1010)。一方、上記長当たり遊技開始フラグ記憶領域410dにフラグがONされていない場合というのは、短当たり遊技開始フラグ記憶領域410eにフラグがONされており、短当たり遊技を実行する場合である。したがって、この場合には、大入賞口ユニット109の開閉ソレノイドの通電を開始して開閉扉109aを開放するとともに、RAM201cの所定の記憶領域に、大入賞口ユニット109の開閉ソレノイドの通電時間を0.1秒と設定する(ステップS1011)。
(ステップS1012)
上記のようにして大入賞口ユニット109の開閉ソレノイドの通電を開始したら、大当たり遊技処理プログラム271aは、大入賞口ユニット109の開放時間の計測を開始し、当該大当たり遊技処理を終了する。
(ステップS1013)
一方、上記ステップS1004において、オープニング中ではないと判断した場合には、大当たり遊技処理プログラム271aが、現在インターバル中であるか否かを判断する。詳しくは後述するが、ここでいうインターバルとは、ラウンド遊技とラウンド遊技との間に設定された休止時間のことであり、本実施形態においては2秒に設定している。したがって、インターバル中と判断された場合には、上記ステップS1005において、2秒というインターバル時間を経過したか否かを判断し、設定時間(2秒)を経過していなければ、当該大当たり遊技処理を終了して次のサブルーチンを実行する。
これに対して、上記設定時間を経過している場合には、次のラウンド遊技を開始するための処理として、ステップS1006〜ステップS1012の処理を実行する。
(ステップS1014)(ステップS1015)
上記ステップS1013において、インターバル中ではないと判断した場合には、大当たり遊技処理プログラム271aが、現在エンディング中であるか否かを判断する。ここでいうエンディングとは、予め設定された回数のラウンド遊技を終了した後の処理をいうものである。したがって、現在エンディング中であると判断した場合には、ステップS1015において、設定されたエンディング時間を経過したか否かを判断する。そして、設定時間を経過していないと判断した場合(ステップS1015の「NO」)には、そのまま当該大当たり遊技処理を終了し、設定時間を経過したと判断した場合(ステップS1015の「YES」)には、後述する図31に示す処理が引き続きなされる。
また、上記ステップS1014において、エンディング中ではないと判断する場合というのは、オープニング中、インターバル中、エンディング中のいずれでもない場合、すなわち、大当たり遊技における大入賞口ユニット109の開放中ということになる。このように、ステップS1014で「NO」と判断された場合、すなわち大入賞口ユニット109の開放中と判断された場合には、大当たり遊技処理プログラム271aが、引き続き図30に示す処理を実行する。
(ステップS1016)(ステップS1017)
図30に示すように、大入賞口検出SWがONしている場合には、大当たり遊技処理プログラム271aが、大入賞口入球数(C)記憶領域409に記憶された入球数(C)に「1」を加算して、新たに入球数(C)を記憶する(ステップS1017)。
(ステップS1018)(ステップS1019)(ステップS1020)
次に、大当たり遊技処理プログラム271aは、設定された開放時間、言い換えれば、大入賞口ユニット109の開閉ソレノイドの通電時間(長当たり遊技=30秒、短当たり遊技=0.1秒)を経過したか否かを判断する(ステップS1018)。その結果、設定時間を経過したと判断した場合には、大当たり遊技処理プログラム271aが、大入賞口ユニット109の開閉ソレノイドの通電を停止する(ステップS1020)。
また、設定された開放時間内であっても、大入賞口ユニット109に所定個数(9個)の遊技球が入球した場合(ステップS1019の「YES」)には、上記と同様に、大入賞口ユニット109の開閉ソレノイドの通電を停止する。
なお、設定時間が経過しておらず(ステップS1018の「NO」)、また、入球数(C)が所定個数に達していない場合(ステップS1019の「NO」)には、そのまま当該大当たり遊技処理を終了する。
(ステップS1021)
大入賞口ユニット109の開閉ソレノイドの通電を停止したら、大当たり遊技処理プログラム271aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域408に記憶されたラウンド遊技回数(R)が最大であるか否かを判断する。なお、本実施形態においては、長当たり遊技は「15」に、短当たり遊技は「2」に、最大ラウンド遊技回数が設定されている。
(ステップS1022)
上記ステップS1021において、ラウンド遊技回数(R)が最大に達したと判断した場合には、大当たり遊技処理プログラム271aが、入球数(C)およびラウンド遊技回数(R)をリセットする。
(ステップS1023)(ステップS1024)
また、大当たり遊技処理プログラム271aは、大当たり遊技終了の情報を副制御基板202に送信するためにエンディングコマンドをセットする(ステップS1023)。このとき、具体的には図示しないが、オープニングコマンドのセットと同様、長当たり遊技開始フラグがONになっている場合には、長当たり用エンディングコマンドがセットされ、短当たり遊技開始フラグがONになっている場合には、短当たり用エンディングコマンドがセットされる。また、これと同時に、RAM201cの所定の記憶領域に、エンディングに要する時間すなわちエンディング時間(例えば5秒)を記憶するとともに、エンディング時間の計測を開始する(ステップS1024)。以上のようにして大当たり遊技処理が終了したら、次のサブルーチンを実行する。
(ステップS1025)(ステップS1026)
一方、ラウンド遊技回数(R)が最大に達していない場合(ステップS1021の「NO」)には、次回のラウンド遊技を実行すべく、大当たり遊技処理プログラム271aがインターバル時間をセットする。本実施形態においては、ラウンド遊技が終了してから次のラウンド遊技が開始するまでのインターバルを2秒としているため、RAM201cの所定の記憶領域に2秒と記憶し(ステップS1025)、インターバル時間の計測を開始する(ステップS1026)。
また、図29において、上記ステップS1014でエンディング中であると判断され、かつ、ステップS1015で当該エンディング時間を経過したと判断された場合には、当該長当たり遊技または短当たり遊技の終了後の遊技状態を設定すべく、図31に示す処理が実行される。
(ステップS1027)
CPU201aは、フラグ消去プログラム271cを読み出して、長当たり遊技開始フラグ記憶領域410dまたは短当たり遊技開始フラグ記憶領域410eにONされているフラグをOFFする。
(ステップS1028)
次に、大当たり遊技処理プログラム271aは、上記ステップS607でセットされ、当該大当たり遊技を開始する契機となった特別図柄が、高確率の大当たり図柄であるか否かを判断する。つまり、セットされている特別図柄が、「高確率時短付き長当たり」「高確率時短付き短当たり」「高確率時短無し短当たり」のいずれかに係る図柄(「1」「3」「5」)であるかを判断する。
(ステップS1029)
上記ステップS1028において、セットされている特別図柄が、高確率の大当たりに係る図柄であった場合には、CPU201aがフラグ付加プログラム271bを読み出して、高確率遊技フラグ記憶領域410cにフラグをONする。なお、現在の遊技状態が高確率遊技状態である場合には、すでにフラグがONされているため、そのままフラグをONしたままにする。
(ステップS1030)
また、大当たり遊技処理プログラム271aは、高確率遊技状態の残り変動回数(X)記憶領域406に、以後、大当たり乱数の判定を何回まで「高確率時乱数判定テーブル」で行うのかを記憶する。本実施形態においては、残り変動回数(X)に「10000」が記憶される。
(ステップS1031)
これに対して、上記ステップS1028において、セットされている大当たり図柄が通常の大当たり図柄であると判断した場合、つまり、セットされている特別図柄が、「通常時短付き長当たり」「通常時短付き短当たり」「通常時短無し短当たり」のいずれかに係る図柄(「2」「4」「6」)であると判断した場合には、CPU201aがフラグ消去プログラム271cを読み出して、高確率遊技フラグ記憶領域410cのフラグをOFFする。なお、現在の遊技状態が低確率遊技状態である場合には、もともとフラグがOFFになっているため、そのままフラグをOFFしたままにする。
(ステップS1032)
また、大当たり遊技処理プログラム271aは、高確率遊技状態の残り変動回数(X)記憶領域406にデータが記憶されている場合には、当該データをリセットする。
(ステップS1033)
また、大当たり遊技処理プログラム271aは、上記大当たり図柄が時短付きの大当たり図柄であるかをさらに判断する。つまり、セットされている特別図柄が、「高確率時短付き長当たり」「通常時短付き長当たり」「高確率時短付き短当たり」「通常時短付き短当たり」のいずれかに係る図柄(「1」「2」「3」「4」)であるかを判断する。
(ステップS1034)
上記ステップS1033において、上記大当たり図柄が時短付きの大当たり図柄であると判断した場合には、CPU201aがフラグ付加プログラム271bを読み出して、時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグをONする。
(ステップS1035)(ステップS1036)
そして、上記大当たり図柄が高確率の大当たり図柄である場合(ステップS1035の「YES」)、すなわち、「高確率時短付き長当たり」または「高確率時短付き短当たり」に係る図柄(「1」「3」)である場合には、CPU201aが時短継続期間設定プログラム271dを読み出して、時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域407に「10000」を記憶する(ステップS1036)。
(ステップS1037)
一方、上記大当たり図柄が高確率の大当たり図柄ではなく、低確率の大当たり図柄である場合(ステップS1035の「NO」)、すなわち、「低確率時短付き長当たり」または「低確率時短付き短当たり」に係る図柄(「2」「4」)である場合には、CPU201aが時短継続期間設定プログラム271dを読み出して、時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域407に「100」を記憶する(ステップS1037)。これにより、大当たり遊技処理が終了となる。
(ステップS1038)
一方、上記ステップS1033において、上記大当たり図柄が時短無しの大当たり図柄であると判断された場合、つまり、セットされている特別図柄が、「高確率時短無し短当たり」または「通常時短無し短当たり」に係る図柄(「5」「6」)であると判断された場合には、CPU201aがフラグ消去プログラム271cを読み出して、時短遊技フラグ記憶領域410bにおいてフラグをOFFする。
(ステップS1039)
また、時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域407に数値(J)が記憶されている場合には、当該数値(J)をクリアする。なお、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、もともとフラグがOFFされているため、そのままフラグをOFFしたままにする。
(ステップS1040)(ステップS1041)
さらに、大当たり遊技処理プログラム271aは、上記ステップS812およびステップS813と同様に、保留が有るか否かを判定する(ステップS1040)。即ち、大当たり遊技処理プログラム271aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域402aに記憶された第1保留(U1)が1以上であるか否か、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域402bに記憶された第2保留(U2)が1以上であるか否かを判断する。その結果、第1保留(U1)または第2保留(U2)の少なくともいずれかが、保留有りを表す1以上であった場合(ステップS1040の「YES」)には、大当たり遊技処理を終了する。一方、保留がない、即ち、第1保留(U1)および第2保留(U2)が0であった場合(ステップS1040の「NO」)には、大当たり遊技処理プログラム271aは、上述した変動停止時間の計測を開始する(ステップS1041)。以上のようにして、大当たり遊技処理が終了したら次のサブルーチンが実行される。
(小当たり遊技処理S1100)
上記ステップS902において、小当たり遊技開始フラグ記憶領域410fにフラグがONされていると判断した場合には、CPU201aが小当たり遊技処理プログラム271eを読み出して、図32に示す小当たり遊技処理を開始する。
(ステップS1101)
小当たり遊技は、オープニングコマンドを送信することによって開始となる。このオープニングコマンドは、主制御基板201における小当たり遊技処理の開始情報を、副制御基板202に送信するためのものである。したがって、小当たり遊技処理プログラム271eは、このオープニングコマンドが既に送信されているか否かを判断する。
(ステップS1102)
上記ステップS1101において、オープニングコマンドはまだ送信されていないと判断した場合には、小当たり遊技処理プログラム271eが、副制御基板202に送信するオープニングコマンドをセットする。このとき、小当たり遊技処理プログラム271eは、上記大当たり遊技処理プログラム271aと同様に、短当たり用オープニングコマンドをセットする。つまり、小当たり遊技の開始時と、短当たり遊技の開始時とで、同一のコマンドをセットする。このように、小当たり遊技処理プログラム271eが、短当たり用オープニングコマンドをセットするのは、副制御基板202がコマンドを受信した際に、小当たり遊技が開始したのか、短当たり遊技が開始したのかを判別不能にするためである。これにより、副制御基板202においては、小当たり遊技と短当たり遊技とで、同一の演出を確実に制御することが可能となる。
(ステップS1103)
上記のようにしてコマンドをセットしたら、小当たり遊技処理プログラム271eは、オープニング時間の計測を開始して、当該小当たり遊技処理を終了する。
(ステップS1104)
上記ステップS1101において、既にオープニングコマンドが送信されていると判断した場合には、小当たり遊技処理プログラム271eが、現在オープニング中であるか否かを判断する。
(ステップS1105)
上記ステップS1104において、現在オープニング中であると判断した場合には、予め設定されたオープニング時間を経過したか否かを判断する。その結果、設定時間を経過していないと判断した場合には、当該小当たり遊技処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
(ステップS1106)(ステップS1107)
上記ステップS1105において、設定時間を経過していると判断した場合には、大入賞口ユニット109の開閉ソレノイドを通電制御するためのコマンドをセットする。このコマンドは、大入賞口ユニット109の開閉ソレノイドに対して、0.1秒間の通電を2秒のインターバルをもって2回行う命令である。つまり、上記大当たり遊技処理と異なり、小当たり遊技処理においては、大入賞口ユニット109の開閉ソレノイドに対する制御、すなわち大入賞口ユニット109の開閉動作が一連の動作として行われることとなり、当該連続動作がオープニング時間を経過したところで開始となる。
また、小当たり遊技処理プログラム271eは、大入賞口作動時間の計測を開始して(ステップS1107)、当該小当たり遊技処理を終了する。
(ステップS1108)
一方、上記ステップS1104において、オープニング中ではないと判断した場合には、小当たり遊技処理プログラム271eが、現在エンディング中であるか否かを判断する。ここでいうエンディングとは、予め設定された大入賞口ユニット109の開閉制御を終了した後の処理をいうものである。
(ステップS1109)(ステップS1110)
上記ステップS1108において、エンディング中ではないと判断した場合というのは、オープニング中、エンディング中のいずれでもない場合、すなわち、小当たり遊技において大入賞口ユニット109が連続作動中ということになる。したがって、ここでは、小当たり遊技処理プログラム271eが、大入賞口検出SWがONしているか否かを判断し(ステップS1109)、当該検出SWがONしている場合には、大入賞口入球数(C)記憶領域409に記憶された入球数(C)に「1」を加算して、新たに入球数(C)を記憶する(ステップS1110)。
(ステップS1111)(ステップS1112)(ステップS1113)
次に、小当たり遊技処理プログラム271eは、設定された作動時間を経過したか否かを判断する(ステップS1111)。ここでいう作動時間とは、1回目の大入賞口ユニット109の開閉ソレノイドの通電時間(0.1秒)+インターバル時間(2秒)+2回目の大入賞口ユニット109の開閉ソレノイドの通電時間(0.1秒)の合計2.2秒である。この作動時間を経過すると、大入賞口開閉ソレノイド制御が終了となる(ステップS1113)。
また、設定された開放時間内であっても、大入賞口ユニット109に所定個数(例えば9個)の遊技球が入球した場合(ステップS1112の「YES」)には、小当たり遊技処理プログラム271eが大入賞口開閉ソレノイド制御を終了する。
なお、作動時間が経過しておらず、また、入球数(C)が所定個数に達していない場合には、そのまま当該小当たり遊技処理を終了する(ステップS1112のNO)。
(ステップS1114)
上記ステップS1113において、大入賞口開閉ソレノイド制御が終了したら、小当たり遊技処理プログラム271eが、大入賞口入球数(C)記憶領域409に記憶された入球数(C)をリセットする。
(ステップS1115)(ステップS1116)
また、小当たり遊技処理プログラム271eは、小当たり遊技終了の情報を副制御基板202に送信するためにエンディングコマンドをセットする(ステップS1115)。このときセットされるエンディングコマンドは、短当たり遊技状態においてセットされる短当たり用エンディングコマンドと同じである。つまり、オープニングコマンドと同様、エンディングコマンドについても、短当たり遊技と小当たり遊技とで同じコマンドがセットされる。また、これと同時に、RAM201cの所定の記憶領域に、エンディングに要する時間(例えば5秒)を記憶するとともに、エンディング時間の計測を開始する(ステップS1116)。
(ステップS1117)
上記ステップS1108において、エンディング中と判断された場合には、当該ルーチン処理以前のルーチン処理において設定されたエンディング時間を経過したか否かを判断する。その結果、エンディング時間を経過していないと判断した場合には、ここで小当たり遊技処理が終了となる。
なお、当該ルーチン処理において、ステップS1109〜ステップS1116の処理が行われた場合には、必ずステップS1117で「NO」と判断される。
(ステップS1118)
次に、CPU201aは、フラグ消去プログラム271fを読み出して、小当たり遊技開始フラグ記憶領域410fにONされているフラグをOFFする。
(ステップS1119)(ステップS1120)
さらに、小当たり遊技処理プログラム271eは、上記ステップS1040およびステップS1041と同様に、保留が有るか否かを判定する(ステップS1119)。即ち、小当たり遊技処理プログラム271eは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域402aに記憶された第1保留(U1)が1以上であるか否か、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域402bに記憶された第2保留(U2)が1以上であるか否かを判断する。その結果、第1保留(U1)または第2保留(U2)の少なくともいずれかが、保留有りを表す1以上であった場合(ステップS1119の「YES」)には、小当たり遊技処理を終了する。一方、保留がない、即ち、第1保留(U1)および第2保留(U2)が0であった場合(ステップS1119の「NO」)には、小当たり遊技処理プログラム271eは、上述した変動停止時間の計測を開始する(ステップS1120)。以上のようにして、小当たり遊技処理が終了したら次のサブルーチンが実行される。
上記のようにして大入賞口処理が終了すると、CPU201aは、ROM201bから賞球処理プログラムを読み出して、各検出SWの検出信号に応じて所定の賞球を払い出す処理S18を行う(図16参照)。本実施形態においては、当該賞球処理については詳細な説明は省略する。
(待機処理S19)
上記のようにして賞球処理が終了すると、CPU201aは、ROM201bから待機処理プログラム280を読み出して、図33に示す待機処理を実行する。
(ステップS1151)
図33に示すように、まず、待機処理プログラム280は、変動停止時間が、予め設定された所定時間(例えば1分)以上であるか否かを判断する。上述したように、変動停止時間は、保留が無い状態で最後の特別図柄および装飾図柄の変動が停止した時点、または、保留が無い状態で大当たり遊技、小当たり遊技が終了した時点から計時開始(図27のステップS813等)された経過時間であり、始動口105、120への遊技球の入球を契機として、計時中の変動停止時間がリセットされる(図20のステップS402、S407)。変動停止時間が、所定時間以上であれば、当該所定時間以上に渡り始動口105、120への入球が無く、パチンコ機100は遊技者が遊技していない待機状態(非遊技状態)であるといえる。
(ステップS1152)
そこで、上記ステップS1151で変動停止時間が所定時間以上と判断されると、待機処理プログラム280は、待機状態に移行することを表す待機コマンドをセットする。つまり、主制御基板201の待機処理プログラム280は、液晶表示器104等の演出実行手段において、待機演出を実行させるべく、待機コマンドをセットする。なお、待機演出は、パチンコ機100が待機状態であるときに実行される演出であり、待機コマンドは、主制御基板201から副制御基板202に待機演出を指示するためのコマンドである。
一方、上記ステップS1151において、変動停止時間は所定時間を経過していないと判断した場合には、当該待機処理を終了し、次のルーチン処理を実行することとなる。
以上図33を参照して説明したように、主制御基板201のCPU201aは、待機処理プログラム280に基づき動作する。これにより、通常の遊技進行状態において、前回の装飾図柄の変動停止後に所定時間以上に渡って始動口105、120に入球しないときや、保留が無い状態で大当たり遊技又は小当たり遊技が終了したときには、遊技の進行状態から待機状態に移行する。この待機状態へ移行するときは、CPU201aは、待機コマンドを設定して、遊技機の動作状態を、遊技の進行状態から待機状態に切り換える。また、待機状態において始動口105、120への入球があったときには、主制御基板201から副制御基板202に送信される演出実行コマンドによって、待機状態から遊技の進行状態に切り換えられる。このように、主制御基板201のCPU201aは、遊技の進行状態では常時、タイマー等を用いて、前回の装飾図柄の変動が停止してからの経過時間、または、保留がない状態で大当たり遊技若しくは小当たり遊技が終了してからの経過時間である変動停止時間を計時しており、当該変動停止時間が、予め設定された所定時間(例えば1分)以上となったときには、待機コマンドを設定して、遊技の進行状態から待機状態に切り換える。この待機状態では、後述する副制御基板202により待機演出画像が液晶表示器104に表示されることとなる。
(出力処理S20)
そして、上記の待機処理S19が終了したら、最後にCPU201aが出力処理プログラム290を読み出して、出力処理を実行する。
(ステップS1201)〜(ステップS1208)
出力処理プログラム290は、図34に示すように、各コマンドを副制御基板202に送信する。ステップS1201において送信される演出実行コマンドは、特別図柄変動処理においてセットされたコマンドである(図23のステップS508参照)。
ステップS1202〜ステップS1204において送信される各コマンドは、それぞれ長当たり遊技処理中にセットされたコマンドであり、ステップS1205〜ステップS1207において送信されるコマンドは、いずれも大当たり遊技処理中にセットされたコマンドである(図29参照)。
ただし、ステップS1205で送信される短当たり用オープニングコマンド、およびステップS1207で送信される短当たり用エンディングコマンドは、小当たり遊技処理中にもセットされる(図32のステップS1102、ステップS1115参照)。
また、ステップS1208で送信される待機コマンドは、上記図33の待機処理においてセットされたコマンドである(図33のステップS1152参照)。
(ステップS1209)
そして、上記各サブルーチン処理において確定した内容は、コマンドとして外部装置へ送信される。外部装置としては、例えば、パチンコ機100の上方に設置された表示装置があげられる。この表示装置には、大当たりの総抽選回数や、大当たりの当選回数、または高確率大当たりの当選回数等のさまざまな情報を遊技者に報知するものであり、こうした情報を遊技者に報知すべく、出力処理プログラム290は、必要な情報をコマンドとして外部装置に送信する。
以上のようにして、主制御基板201においては、CPU201aが各メインプログラムやサブプログラムを読み出して、上記した全ての処理を0.004秒ごとに実行している。
次に、図35を参照して、主制御基板201から各コマンドが送信された際の、副制御基板202における処理について説明する。主制御基板201から送信された各コマンドは、副制御基板202のRAM202cに記憶される。副制御基板202のCPU202aは、RAM202cにコマンドが記憶されたか否かを、例えば0.004秒おきにチェックするとともに、記憶されている各コマンドに基づいて演出を制御する。図35は、副制御基板202において実行される主なサブルーチンを示しており、CPU202aは、待機コマンド受信処理(S1250)→演出実行コマンド受信処理(S1300)→特別遊技コマンド受信処理(S1400)→装飾図柄変動表示(S1700)→スピーカ制御(S1800)→演出用コマンド送信処理(S1900)を繰り返し行っている。
(待機コマンド受信処理S1250)
まず、副制御基板202のCPU202aは、ROM202bから待機演出制御プログラム343を読み出して、待機コマンド受信処理を実行する。図36は、図35の待機コマンド受信処理を詳細に示すフローチャートである。
(ステップS1251)
図36に示すように、まず、待機演出制御プログラム343は、主制御基板201から受信した待機コマンドがRAM202cに記憶されているか否かを判断する。
(ステップS1252)
上記ステップS1251において待機コマンドが記憶されていると判断した場合には、待機演出制御プログラム343は、液晶表示器104を制御し、待機演出画像として従来一般的なデモンストレーション画像を表示させる。このデモンストレーション画像は、図37(a)および図38(a)に示すように、パチンコ機100の宣伝のための実演を表す画像であり、例えば、パチンコ機100の説明や遊技内容、パチンコ機100を提供するメーカの宣伝広告などを表すものが一般的であるが、待機演出画像は、かかる例に限定されず、パチンコ機100に関する任意の情報を表示する画像であればよく、動画又は静止画を問わない。
(ステップS1253)
一方、上記ステップS1251において待機コマンドがRAM202cに記憶されていないと判断した場合には、待機演出制御プログラム343は、現在、液晶表示器104において待機演出画像(例えばデモンストレーション画像)が表示されている最中であるか否かを判断する。その結果、待機演出画像が表示されていないと判断した場合には、そのまま当該待機コマンド受信処理を終了し、次のルーチン処理を実行することとなる。
(ステップS1254)
これに対して、上記ステップS1253において、待機演出画像の表示中であると判断した場合には、待機演出制御プログラム343は、副制御基板202が上述した振動検出装置150の第1検出信号出力手段186aから第1検出信号を受信したか否かに基づいて、パチンコ機100に対する遊技者の押圧の有無を判定する。第1検出信号は、遊技者がパチンコ機100の任意の部位(例えば、操作ハンドル113、ガラス板126、受け皿ユニット119、枠部材110など)を押圧したとき、本実施形態では遊技者が操作ハンドル113を握ることにより押圧したときには、上記振動検出装置150により当該押圧が検出され、第1検出信号出力手段186aから副制御基板202に第1検出信号が出力される。第1検出信号は、パチンコ機100に対する遊技者の押圧の発生と、当該押圧の強さを表す信号である。このステップS1254での判定の結果、第1検出信号を受信しておらず、押圧が検出されない場合には、上記ステップS1252のデモンストレーション画像の表示制御を継続しながら、全ての待機コマンド受信処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
(ステップS1255)
一方、S1254にて第1検出信号を受信して遊技者による押圧を検出した場合には、待機演出制御プログラム343は、さらに、その押圧の強さが、演出誘引行為として正当な所定範囲の強さであるか否かを判定する。具合的には、待機演出制御プログラム343は、第1検出信号を検出すると、その第1検出信号が表す押圧の大きさが、予め設定された所定閾値(演出誘引行為として適切な上限値)以下であるか否かを判定する。
(ステップS1256)
上記ステップS1255での判定の結果、第1検出信号が表す押圧の大きさが所定閾値以下であると判定した場合には、押圧の強さが適正範囲にあり、正当な演出誘引行為であるため、待機演出制御プログラム343は、液晶表示器104に表示される演出画像を、上記ステップS1252にて表示制御を開始したデモンストレーション画像から、他の演出画像に切り換えるように、液晶表示器104を制御する。
ここで、押圧の検出に応じて演出画像の表示を切り換える例について、図37および図38を参照して説明する。例えば、図37に示すように、液晶表示器104に表示される演出画像を、現在表示中のデモンストレーション画像(図37(a))から、遊技の進行状態で表示される装飾図柄を含む画像(図37(b))に切り換えてもよい。この図37(b)の装飾図柄を含む画像は、前回の変動表示により停止したときの装飾図柄の組合せ(図示の例では「768」)であるようにすれば、遊技者は、前回に大当たり抽選にハズレたときの装飾図柄を、確認できる。このように、押圧の検出に応じて、液晶表示器104に表示される演出画像をデモンストレーション画像から図37(b)に示す装飾図柄に切り換えることによって、ユーザに遊技を行っていることの実感を与えることができ、遊技性が向上する。
また、図38に示すように、液晶表示器104に表示される演出画像を、上記S1252にて表示制御を開始したデモンストレーション画像(図38(a))から、プレミアム画像(図38(b))に切り換えてもよい。プレミアム画像は、例えば、遊技の進行状態では出現率が低い貴重な画像であってもよいし、あるいは、遊技の進行状態では全く出現しない待機状態での専用の画像であってもよい。かかるプレミアム画像を表示することでは、遊技の興趣を高めて、遊技者の心理状態を高揚させ、遊技意欲、期待感を持続させることができる。
また、図示はしないが、液晶表示器104に表示される演出画像を、上記デモンストレーション画像(図38(a))から、パチンコ機100の過去の遊技履歴情報(例えば、当日の大当たり回数、確率変動大当たり回数、前回の大当たりからの遊技回数、総遊技回数など)を表す画像に切り換えてもよい。このような遊技履歴情報を表す画像を表示することにより、遊技者は、遊技するパチンコ機100を選択するときに、デモンストレーション画像を表示中のパチンコ機100の所定箇所を押圧する(例えば、操作ハンドル113を握って操作ハンドル113に押圧力を加える)だけで、そのパチンコ機100の過去の大当たり回数や確変回数等の履歴情報を液晶表示器104に表示させて、かかる情報を確認することができるので、遊技台を選択する上で便利である。なお、パチンコ機100に操作ハンドル113以外の操作具(例えば、ジョイスティック、押圧ボタンなど)を設けて、操作具に対して押圧するようにしてもよい。
また、図示はしないが、液晶表示器104に表示される演出画像を、上記デモンストレーション画像(図38(a))のような待機演出画像から、他の待機演出画像(他のデモンストレーション画像)に切り換えるようにしてもよい。このとき、当該他の待機演出画像は、正当な押圧を表す第1検出信号を検出したときの専用の画像などであってもよい。このように、表示中の待機演出画像を他の待機演出画像(他のデモンストレーション画像)に切り換えることで、遊技開始後に始動口105、120に入球しないときであっても、ユーザが感じる倦怠感や憤り感を緩和でき、趣向性を向上できる。
以上のように、本実施形態では、第1検出信号の検出(遊技者による押圧の検出)に応じて、表示中の待機演出画像(デモンストレーション画像)を、他の演出画像に切り換える。これにより、待機状態においても、当該押圧の検出を契機として、従来では始動口105、120へ入球しなければ行われなかった演出表示が、既存のデモンストレーション表示に代えて実行されることとなる。かかる構成により、遊技開始後に始動口105、120に遊技球が入球するまでの間であっても、遊技の単調さにアクセントを与えて、遊技性を向上でき、遊技者の遊技意欲を持続させることができる。
なお、第1検出信号の検出に応じて、待機状態で表示されていた待機演出画像を他の演出画像に切り換えるものであれば、切り換え後の画像は、任意の演出画像であってよい。また、ここでは、液晶表示器104の演出画像を切り換える例を説明したが、押圧検出に応じて実行する演出は、かかる例に限定されず、パチンコ機100の具備する任意の演出実行手段(液晶表示器104等の各種の表示手段、音声出力手段など)が実行可能な任意の演出を含む。例えば、「演出」は、パチンコ機100が備える他の表示手段上での演出表示や、他の出力手段による演出(例えば、ランプ236、演出ライト111等の明滅、スピーカ237等の音声出力手段からの音声演出など)、パチンコ機100の遊技盤101上に配置された物体の物理的な駆動による演出(例えば、演出役物115、116等の作動や、入賞口109、始動口120の開放など)などを含む。このように、正当な押圧の検出に応じて、パチンコ機100により提供される「演出」を、一般的な待機演出画像(デモンストレーション画像)から、予め設定された所定の演出に切り換えることによっても、遊技の単調さにアクセントを与えて、遊技性を向上でき、遊技者の遊技意欲を持続させることができる。
(ステップS1257)
一方、上記S1255での判定の結果、第1検出信号が表す押圧の大きさが所定閾値を超過している(即ち、正当な所定範囲外である)と判定した場合には、遊技者による押圧が過度に強く、ドライバや針金等でパチンコ機100に強い圧力を加える行為(例えば、ハリガネゴト)等の不正行為に該当する恐れがある。このため、待機演出制御プログラム343は、当該不正行為に対応するための不正対応処理を実行する。ここでの不正対応処理は、遊技者の押圧による不正行為を報知する処理であり、例えば、図38(a)に示すようなデモンストレーション画像に代えて、図38(c)に示すような警告画像(遊技者に対して台を強く押さないように促す所定の画像)を表示するための表示制御処理である。しかし、本発明の不正対応処理は、かかる例に限定されず、例えば、不正行為の発生を示す警告音を発する報知処理や、ホールコンピュータに不正を通知する通知処理などであってもよい。また、かかる不正行為を適切に検出する観点からは、振動検出装置150を、パチンコ機100の操作ハンドル113以外の任意の箇所(例えば、枠部材110の裏側上部に配設された鉄板127などの枠部材110の変形を検知しやすい箇所)に設置してもよい。この場合でも、振動検出装置150は、遊技者の正当な押圧行為(演出誘引行為)を検出可能である。
(演出実行コマンド受信処理S1300)
上記のようにして待機コマンド受信処理が終了すると、CPU202aは、ROM202bから演出実行コマンド受信時処理プログラム320を読み出して、図39に示す演出実行コマンド受信処理を実行する。
(ステップS1301)
演出実行コマンド受信時処理プログラム320は、RAM202cに演出実行コマンドが記憶されているか否かを判断する。その結果、演出実行コマンドが記憶されていない場合には、当該演出実行コマンド受信処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
(ステップS1302)
上記ステップS1301において演出実行コマンドが記憶されていると判断した場合には、ROM202bに格納された複数の演出テーブルの中から、演出実行コマンドに基づいて1の演出テーブルを選択する。
演出実行コマンドは、これから変動表示が開始される特別図柄の内容、すなわち、大当たり、小当たり、ハズレのいずれに係る特別図柄の変動表示が開始されるのかという情報を有している。また、この特別図柄の変動表示の際に行われる演出が、リーチ有り演出であるのかリーチ無し演出であるのか、さらにはその演出の時間に係る情報を有している。
そして、ROM202bには、長当たり演出テーブル、短当たりおよび小当たり演出テーブル、ハズレリーチ有り演出テーブル、ハズレリーチ無し演出テーブルが格納されている。これら各テーブルには、主制御基板201で決定される複数の変動時間にそれぞれ対応するさらに複数の演出パターンが設けられている。例えば、ハズレリーチ無し演出テーブルには、4秒用、8秒用、12秒用のテーブルが設けられており、さらに、4秒用、8秒用、12秒用のテーブルそれぞれに、占有時間は等しいがプロセスの異なる演出パターンが複数準備されている。同様に、長当たり演出テーブルには、1分、1分30秒、2分のテーブルが設けられ、テーブルそれぞれに複数の演出パターンが準備されている。かかる複数の演出パターンは、登場する人物、特別図柄の停止方法、再始動の有無等が相異し、一般的に変動時間が長いほど特別遊技への移行確率が高くなる傾向にある。
演出実行コマンド受信時処理プログラム320は、上記複数のテーブルの中から、受信した演出実行コマンドが有している情報に基づいて1の演出テーブルを選択する。例えば、受信した演出実行コマンドが、「長当たり」「変動時間1分30秒」という情報を有している場合には、1分30秒用の長当たり演出テーブルを選択する。
例えば、上述した「長当たり」「変動時間1分30秒」という演出実行コマンドに対して、1分30秒用の長当たり演出テーブルから、チャンスボタン演出を含む演出パターンが選択された場合を想定する。かかる演出パターンでは、所謂「チャンスボタン」同様、遊技者による受け皿ユニット119の押圧、または操作ハンドル113の押圧もしくは握りを促す案内表示が特別図柄の変動開始から第1所定時間後、例えば、30秒後に為され、押圧が為されるまで最大第2所定時間後、例えば、35秒後まで表示が継続される。この間に遊技者からの押圧があると、パチンコ機100の操作ハンドル113の内部取付板に設けられた振動検出装置150から第1検出信号が出力され、チャンスボタン同様、演出実行手段が制御される。かかる演出パターンの詳細は後述する。
(ステップS1303)(ステップS1304)
次に、CPU202aは演出乱数抽選プログラム321を読み出して、「0」〜「250」の乱数の中から1の乱数を無作為に抽出する(ステップS1303)。
そして、CPU202aは演出乱数判定処理プログラム322を読み出して、上記取得した乱数を、上記ステップS1302で決定した演出テーブルに基づいて判定する。演出テーブルにおいては、乱数と演出パターンとが対応付けられており、乱数に応じて多数の演出パターンの中から1の演出パターンを決定する(ステップS1304)。ここでは、液晶表示器104における装飾図柄パターン、演出役物作動装置235の動作パターン、演出ライト111の照射パターン、スピーカ237から出力する音声パターンがそれぞれ決定される。ここで準備される演出パターンは、占有時間すべてに渡って演出が画一的に決定されているとしてもよいが、占有時間中の所定期間以外の演出のみ決定し、所定期間の演出は後段で決定してもよい。例えば、演出パターンがチャンスボタン演出を含む場合、遊技者の叩打後に所定期間実行される演出を、その叩打に応じて、その時点で決定することもできる。
これにより、演出実行コマンド受信処理が終了となり、CPU202aは、次のサブルーチンを実行する。
(特別遊技コマンド受信処理S1400)
上記のようにして演出実行コマンド受信処理が終了すると、CPU202aは、ROM202bから特別遊技コマンド受信時処理プログラム330を読み出して、図40に示す特別遊技コマンド受信処理を行う。
(ステップS1401)
特別遊技コマンド受信時処理プログラム330は、RAM202cに長当たり用コマンド(オープニングコマンド、ラウンド開始コマンド、エンディングコマンド)が記憶されているか否かを判断する。その結果、長当たり用コマンドが記憶されている場合には、図41に示す長当たり用コマンド受信処理を行う(ステップS1500)。
(ステップS1402)
一方、上記ステップS1401において、特別遊技コマンド受信時処理プログラム330が、RAM202cに長当たり用コマンドが記憶されていないと判断した場合には、さらに短当たり用コマンド(オープニングコマンド、ラウンド開始コマンド、エンディングコマンド)が記憶されているか否かを判断する。その結果、短当たり用コマンドが記憶されている場合には、図42に示す短当たり用コマンド受信処理を行う(ステップS1600)。なお、RAM202cに、短当たり用コマンドも記憶されていないと判断した場合には、CPU202aが当該特別遊技コマンド受信処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
(長当たり用コマンド受信処理S1500)
上記ステップS1401において、RAM202cに長当たり用コマンドが記憶されていると判断した場合には、CPU202aが長当たり用コマンド受信時処理プログラム331を読み出して、図41に示す長当たり用コマンド受信処理を開始する。
(ステップS1501)
長当たり用コマンド受信時処理プログラム331は、RAM202cに記憶されているコマンドが、長当たり用オープニングコマンドであるか否かを判断する。
(ステップS1502)
RAM202cに長当たり用オープニングコマンドが記憶されている場合には、長当たり用コマンド受信時処理プログラム331が、まず、液晶表示器104における画像表示を制御し、スピーカ237から音声を出力する。そして、長当たり遊技中に行われる演出に係るコマンド(長当たり遊技中演出コマンド)をセットする。ここでセットされる「長当たり遊技中演出コマンド」は、演出役物作動装置235を作動するためのコマンド、演出ライト111を点灯するためのコマンドである。これら各コマンドに基づいて行われる演出は、長当たり遊技の開始から終了まで継続的に行われるものである。
(ステップS1503)
また、長当たり用コマンド受信時処理プログラム331は、長当たり遊技の開始時に、液晶表示器104やスピーカ237において、例えば「長当たり遊技開始」というメッセージを表示したり、音声で報知したりする。かかる処理が完了したら、CPU202aは、当該ルーチン処理における長当たり用コマンド受信処理を終了し、次のサブルーチン処理を実行する。
(ステップS1504)
これに対して、上記ステップS1501において、RAM202cに記憶されているコマンドが、長当たり用オープニングコマンドではないと判断した場合には、長当たり用コマンド受信時処理プログラム331が、上記RAM202cに記憶されているコマンドが、ラウンド開始コマンドであるか否かを判断する。
(ステップS1505)
RAM202cに記憶されているコマンドが、ラウンド開始コマンドであると判断した場合には、長当たり用コマンド受信時処理プログラム331が、液晶表示器104において、例えば「第5ラウンド」というメッセージを重畳表示させる。
(ステップS1506)
一方、RAM202cに記憶されているコマンドが、ラウンド開始コマンドでない場合というのは、長当たり用エンディングコマンドがRAM202cに記憶されている場合である。したがって、この場合には、長当たり用コマンド受信時処理プログラム331が、液晶表示器104において長当たり遊技の開始から継続的に行われていた演出を終了させ、エンディング演出を実行する。また、ランプ制御基板206に対して長当たり用エンディング演出コマンドをセットする。
(短当たり用コマンド受信処理S1600)
上記ステップS1402において、RAM202cに短当たり用コマンドが記憶されていると判断した場合には、CPU202aが短当たり用コマンド受信時処理プログラム332を読み出して、図42に示す短当たり用コマンド受信処理を開始する。
なお、本実施形態においては、短当たり遊技時と小当たり遊技時との双方の場合において、同一の短当たり用コマンドが送信される。したがって、副制御基板202においては、短当たり遊技が実行されているのか、小当たり遊技が実行されているのかを区別することなく、以下の処理が実行されることとなる。
(ステップS1601)
短当たり用コマンド受信時処理プログラム332は、RAM202cに記憶されているコマンドが、短当たり用オープニングコマンドであるか否かを判断する。
(ステップS1602)
RAM202cに短当たり用オープニングコマンドが記憶されている場合には、短当たり用コマンド受信時処理プログラム332が、液晶表示器104における画像表示を制御し、スピーカ237から音声を出力する。そして、短当たり遊技中または小当たり遊技中に行われる演出に係るコマンド(短当たり・小当たり遊技中演出コマンド)をセットする。ここでセットされる「短当たり・小当たり遊技中演出コマンド」は、演出役物作動装置235を作動するためのコマンド、演出ライト111を点灯するためのコマンドである。これら各コマンドに基づいて行われる演出は、短当たり遊技または小当たり遊技の開始から終了まで継続的に行われるものである。
なお、上記長当たり遊技においては、大入賞口ユニット109に遊技球が所定個数入球したところでラウンド遊技が終了するため、長当たり遊技に要する時間は、遊技球の入球状況によって毎回異なる。一方、短当たり遊技および小当たり遊技においては、大入賞口ユニット109の開放時間が極めて短いため、所定個数の遊技球が大入賞口ユニット109に入球したことによって大入賞口ユニット109が閉成することはない。言い換えれば、短当たり遊技における大入賞口ユニット109の開放時間、すなわち短当たり遊技に要する時間は、毎回必ず同じになる。したがって、当該ステップS1602においては、例えば30秒等、設定した時間で演出が終了する。ただし、高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるかを遊技者に判別できないようにした、いわゆる潜伏確変演出モードに移行する場合には、短当たり遊技の終了後も引き続き同一の背景画像を液晶表示器104に表示することが望ましい。
(ステップS1603)
上記ステップS1601において、RAM202cに記憶されているコマンドが、短当たり用オープニングコマンドではないと判断した場合には、短当たり用コマンド受信時処理プログラム332が、上記RAM202cに記憶されているコマンドが、ラウンド開始コマンドであるか否かを判断する。
本実施形態においては、主制御基板201から副制御基板202に短当たり用ラウンド開始コマンドが送信されても、副制御基板202は何ら制御を行うことはない。したがって、当該ステップS1603において、RAM202cに記憶されたコマンドが、短当たり用ラウンド開始コマンドであると判断した場合には、CPU202aがそのまま短当たり用コマンド受信処理を終了し、次のルーチン処理を実行する。
(ステップS1604)
RAM202cに記憶されているコマンドが、ラウンド開始コマンドでないと判断する場合というのは、短当たり用エンディングコマンドがRAM202cに記憶されている場合である。したがって、この場合には、短当たり用コマンド受信時処理プログラム332が、液晶表示器104において短当たり遊技または小当たり遊技の開始から継続的に行われていた演出をそのまま継続する。また、ランプ制御基板206に対して短当たり・小当たり用エンディング演出コマンドをセットする。当該短当たり・小当たり用エンディング演出コマンドに基づいてランプ制御基板206で実行される演出は、例えば、演出ライト111の点灯による演出等である。
(装飾図柄変動表示S1700)
上記のようにして特別遊技コマンド受信処理が終了すると、CPU202aは、ROM202bから装飾図柄変動表示プログラム341を読み出して、液晶表示器104を含む演出実行手段における演出を制御する。具体的には、副制御基板202の演出実行コマンド受信処理において演出パターンが決定された場合に、CPU202aが装飾図柄変動表示プログラム341を読み出して、特別図柄の変動表示中に行われる図43に示すような装飾図柄の変動表示を開始する。つまり、装飾図柄変動表示プログラム341が、ROM202bに格納された上記演出パターンに対応する装飾図柄データを、VRAM202dに書き込んで液晶表示器104に表示制御する。これにより、液晶表示器104には、所定時間にわたって装飾図柄の変動表示が行われることとなる。また、装飾図柄変動表示プログラム341は、装飾図柄の変動表示に連動してその他の演出実行手段であるスピーカ237、ランプ236、演出ライト111、演出役物作動装置235を変化させる。ここでは、「長当たり」「変動時間1分30秒」という演出実行コマンドに対して、演出実行コマンド受信時処理プログラム320が、チャンスボタン演出を含む演出パターンを選択した例を挙げている。また、ここでは理解を容易にするため、演出実行手段として液晶表示器104を代表的に挙げて説明する。
(ステップS1701)
装飾図柄変動表示プログラム341は、まず、副制御基板202の演出実行コマンド受信処理において演出パターンが決定されているか否か判断する。その結果、演出パターンが決定されていなければ、装飾図柄変動表示を終了して、次のサブルーチンを実行する。
(ステップS1702)
上記ステップS1701において、演出パターンが決定されていると判断された場合、装飾図柄が変動表示中であるか否か、すなわち演出パターンが既に開始されているか否かを判断する。
(ステップS1703)
上記ステップS1702において装飾図柄の変動表示が開始されていないと判断された場合、演出実行コマンド受信時処理プログラム320が選択した演出パターンの変動時間を設定し、液晶表示器104における装飾図柄の変動表示を開始する。装飾図柄の変動表示というのは、装飾図柄をあらゆる態様に変化させることで大当たりの期待感を向上させる演出である。
(ステップS1704)
また、装飾図柄変動表示プログラム341は、上記ステップS1703において装飾図柄の変動表示を開始するとともに、時間の計測を開始する。
(ステップS1705)
一方、上記ステップS1702において装飾図柄の変動表示中であると判断した場合、すなわち、CPU202aが装飾図柄変動表示を開始したときに、装飾図柄の変動表示が既に行われている場合には、設定された変動時間を経過したか否かを判断する。本実施形態においては、0.004秒おきに副制御基板202における全てのルーチン処理が行われる。上記ステップS1702において「YES」と判断される場合というのは、当該ルーチン処理よりも前に行われたルーチン処理によって、ステップS1702〜ステップS1709の処理が行われた場合である。したがって、このステップS1705においては、それ以前に行われたルーチン処理によって設定された変動時間、例えば1分30秒を経過したか否かを判断することとなる。その結果、設定された変動時間を経過していないと判断した場合には、そのまま変動表示を継続して行う必要があるため、ステップS1706以降の処理を行う。
(ステップS1706)
上記ステップS1705においてまだ変動時間が経過していないと判断した場合、チャンスボタンに相当するパチンコ機100への押圧を受け付ける押圧有効時間が経過したか否かを判断する。当該演出パターンでは、後述するように、遊技者による押圧を促す案内表示が装飾図柄の変動開始から所定時間後、例えば、30秒後に為され、押圧を受け付けるまで最大で押圧有効時間、例えば、5秒間表示が継続される。したがって、かかる例では、装飾図柄の変動開始より30秒後から35秒後まで案内表示を継続する。ただし、後述するように、遊技者による押圧を受け付けると押圧有効時間に拘わらず案内表示を削除する。
(ステップS1707)
上記ステップS1706においてまだ押圧有効時間が経過していないと判断した場合、所定時間、すなわち、チャンスボタンに相当するパチンコ機100への押圧の受け付け開始時間が到来したか否かを判断する。ここでは所定時間を30秒としている。かかる所定時間に達するまで、装飾図柄変動表示プログラム341は、並行して他の演出パターンを遂行している。
(1:演出実行手段制御S2000)
次に、CPU202aは、ROM202bから演出実行手段制御プログラム341aを読み出して、図44に示すように、演出実行手段を制御する。
(ステップS2001)
上記ステップS1707において所定時間が経過していると判断した場合、遊技者による押圧を促す案内表示がすでに表示されているか否か判断する。
(ステップS2002)
上記ステップS2001において案内表示が表示されていないと判断された場合、液晶表示器104を通じて当該パチンコ機100の任意の部位、例えば、受け皿ユニット119、操作ハンドル113、枠部材110、ガラス板126等の押圧を促す画像である案内表示を表示する。図45は、案内表示の表示例を示している。ここでは、特別図柄が変動している前面に何かを包んだ風呂敷が表示され、その上部には「台を押せ」の文字が表示されている。かかる案内表示によって、遊技者はチャンスボタンと同様の演出を実行できることを把握でき、パチンコ機100の押しやすい場所を選んで押圧する。また、押圧を促す指示を行うため液晶表示器104への案内表示を例に挙げているが、かかる場合に限られず、スピーカ237による案内音声等いずれの演出実行手段を用いることもできる。
この案内表示は、ステップS1706の押圧有効時間に達するまで液晶表示器104に継続的に表示される。押圧有効時間は、案内表示の表示時間と共に押圧の有効時間も示し、かかる押圧有効時間内(所定時間内)における遊技者の押圧に対してのみ以降の演出実行手段の制御を実行することとなる。このように、遊技者の押圧を有効とする時間(押圧有効時間)を制限することで、その他の時間における押圧による誤動作を回避でき、また、押圧に対する演出制御手段の負荷を削減することができる。さらに、所定時間の制限を設けることで、遊技者の演出実行手段への注意力を持続させることができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。かかる押圧有効時間はランプ236等の点滅を通じて報知してもよい。
(ステップS2003)
上記ステップS2002によって案内表示が為されると、遊技者による押圧を受け付け得る状態となる。演出実行手段制御プログラム341aは、遊技者の押圧を第1検出信号出力手段186aからの第1検出信号を通じて把握することができる。
(ステップS2004)
上記ステップ2003において第1検出信号出力手段186aから第1検出信号を受け付けると、押圧有効時間の経過有無に拘わらず、ステップS2002で表示した案内表示を停止(削除)し、演出実行手段、ここでは液晶表示器104の演出表示を制御する。以下、液晶表示器104の演出表示の制御に関して詳細に説明する。
演出実行手段制御プログラム341aでは、第1検出信号を受信すると、第1検出信号に応じた演出を展開する。演出として、例えば、遊技者にとって有利な遊技状態であることまたは有利な遊技状態に移行することの期待度を示してもよい。ここで期待度は、特別遊技となる可能性または所謂スーパーリーチとなる可能性が高いことを示す。また、高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるかを遊技者に判別できないようにした、いわゆる潜伏確変演出モードの場合に、その遊技状態が高確率遊技状態であることの可能性が高いことを示してもよい。かかる構成により、遊技の単調さにアクセントを与えることができ、パチンコ機100の持つ従来の遊技性を踏襲しつつ、プロセスの面で演出効果を高めることが可能となる。
図46は演出実行手段の制御処理における期待度を示す画像を示している。かかる画像は、図45の案内表示中にパチンコ機100を押圧した場合の直後の画像であり、押圧を促す画像、例えば風呂敷の画像に対応した風呂敷の中には貨幣が入っていたといった態様で遊技者に報知する。風呂敷の中といった想定では、様々なアイテムを表示することができ、そのアイテムが示す意味や色によって期待度を変化させることができる。
このように、パチンコ機100の任意の部位に対する遊技者の積極的な押圧動作を取り入れることで、遊技者に、あたかもその遊技状態が自己の行為に起因して生じたように思わせることができる。かかる構成により、演出実行手段への注意力および期待感を持続させることができ、遊技意欲を向上させることが可能となる。
(2:演出実行手段制御)
また、演出実行手段の制御の他の例として、図47に示すように、操作ハンドル113の押圧、ここでは特に操作ハンドル113の握りを利用することもできる。図47および以下のフローチャートにおける、図44を用いて既に説明した処理と実質的な動作が等しい処理は同一の符号を付して重複説明を省略し、図44と異なる処理を主として説明する。
ここでは、上記のステップS2002において、図48に示すような特別図柄が変動している前面に握る動作を示す手を表示し、その上部には「ハンドルを握れ」の文字を表示する。かかる操作ハンドル113の押圧を促す案内表示に応じ、遊技者が操作ハンドル113を握ってその握り(押圧)に基づく第1検出信号を受信すると、ステップS2005において、その第1検出信号が操作ハンドル113を握ったたときの信号であるか否かを判定し、操作ハンドル113を握ったときの信号であれば、握り(押圧)を促す画像に対応した態様で演出表示を行う。このとき、握り(押圧)を促す画像に対応した態様として、液晶表示器104に、図49に示すような物体の圧壊、ここではアルミ缶の圧潰を模した演出表示を行う。
このようにパチンコ機100前面の操作ハンドル113の握り(押圧)と、物体の圧壊を模した演出表示とが対応付けられることで、遊技者は、自己の押圧により物体を壊したかのような演出効果を得ることができ、遊技の興趣を高め、心理状態の高揚を盛り上げることが可能となる。また、物体の圧壊に限らず、遊技者のガラス板126への押圧によって液晶表示器104上に表示された扉が開く演出等、様々な演出表示を遂行することもできる。
また、上記ステップS2005において、第1検出信号が、操作ハンドル113以外の例えば受け皿ユニット119を押圧したときの信号であった場合(ステップS2005の「NO」)、その第1検出信号を無視することができる。
(3:演出実行手段制御)
また、上述したように、本実施形態で特徴的な振動検出装置150は、遊技者の押圧の有無のみならず、その押圧の大きさも検出することができる。したがって、演出実行手段の制御において、図50に示すように、第1検出信号に示された圧力の大きさに応じて演出を行うこともできる。また、当該演出実行手段制御のように遊技者の叩打動作によってさらに演出を変化させる制御においては、上記ステップS1304において占有時間すべてに渡って演出を決定せず、所定期間分の演出を当該制御処理中に選択、決定する。かかる演出の決定処理は、以下に示す演出変化制御を伴うすべての演出実行手段制御においても同様に実行される。
例えば、図48に示した操作ハンドル113の握り(押圧)を促す演出表示に対する遊技者の握り(押圧)の大きさを第1検出信号に含めた場合、第1検出信号に示された圧力の大きさに応じて、物体の圧壊の程度を変化させることができる。まず、ステップS2003において第1検出信号を検出すると、その第1検出信号に示される握りの大きさが所定閾値(大)以上であるか否かが判断され(ステップS2010)、所定閾値(大)以上であると判断されると演出実行手段制御プログラム341aは、上記ステップS1304で決めていない所定時間分の演出パターンとしてアルミ缶の圧潰(圧壊)の態様が大きい演出を選択し、液晶表示器104に対して、図51(a)のようにかかる演出表示を行う(ステップS2011)。所定閾値(大)に達していないと判断されると(ステップS2010の「NO」)、続いて第1検出信号に示される握りの大きさが所定閾値(中)以上であるか否かが判断され(ステップS2012)、所定閾値(中)以上であると判断されると演出実行手段制御プログラム341aは、液晶表示器104に対して、図51(b)のようにアルミ缶の圧潰の態様が中くらいの演出を選択し、その演出表示を行う(ステップS2013)。そして、所定閾値(中)に達していないと判断されると(ステップS2012の「NO」)、液晶表示器104に対して、図51(c)のようにアルミ缶が全く圧潰されていない演出を選択し、その演出表示を行う(ステップS2014)。
このように、パチンコ機100の操作ハンドル113の握りと、物体の圧壊を模した演出表示とが対応付けられることで、遊技者は、自己の握りにより物体を壊したかのような演出効果を得ることができる。また、本実施形態では、その握りの大きさに応じて物体の圧壊の程度を変化させることができるので、例えば、圧壊の程度と、遊技者にとって有利な遊技状態であることの期待度が高い演出とが対応している場合、遊技の興趣を高め、心理状態の高揚を盛り上げることが可能となる。
しかし、単純に握り等押圧の強さと期待度を対応付けてしまうと、実際の大当たりの当選率と整合がつかなくなる可能性がある。そこで、実際の期待度を踏まえて、真に期待度が大きい演出パターンでは、押圧の強さに対応付けて期待度を示し、実際は期待度が低い場合には強く押圧してもその強さを低めに評価し、期待度が低いことを示すとしてもよい。
また、ここでは、押圧の大きさに応じて期待度と関連付けられた演出表示が変化するように構成されているがかかる場合に限られず、押圧の大きさによって期待度に関連付けられた登場人物を変化させる等様々な演出表示を採用することもできる。例えば、押圧が弱いと女の子が、押圧が強いとボディビルダーが出現するような演出表示を行うことも可能である。
(4:演出実行手段制御)
また、演出実行手段制御プログラム341aでは、図52に示すように、第1検出信号に示された圧力の大きさに応じて期待度を示す代わりに、または加えて、圧力の大きさに基づいて予め準備された複数の演出モードから1の演出モードを決定し、演出モードに従って演出実行手段を制御してもよい。
図50同様、図52では、ステップS2003において第1検出信号を検出すると、その第1検出信号に示される押圧の大きさが所定閾値(大)以上であるか否かが判断され(ステップS2010)、所定閾値(大)以上であると判断されると演出実行手段制御プログラム341aは、RAM201cの所定の記憶領域にフラグを記憶することにより演出モードを設定する。例えば、当該処理によって所定の演出モードが設定されると、主制御基板201から演出実行コマンドを受信して詳細な演出内容(液晶表示器104に表示される画像や音声等)を決定する際に、当該設定されている演出モードに対応付けられたテーブルが選択される。こうして選択されたテーブルには、装飾図柄の表示態様や背景画像等が同分類として区分けされた複数の演出が用意されている。そして、ステップS2010において、所定閾値(大)以上であると判断された場合には、第1演出モードに設定する(ステップS2015)。かかる第1演出モードは、例えば、朝の風景が背景画像として表示され、この背景画像の上に、赤色の数字が記された図柄(装飾図柄)が重畳表示されるモードである。また、所定閾値(大)に達していないと判断されると(ステップS2010の「NO」)、続いて第1検出信号に示される握り(押圧)の大きさが所定閾値(中)以上であるか否かが判断され(ステップS2012)、所定閾値(中)以上であると判断されると演出実行手段制御プログラム341aは、演出モードを、第1演出モードと異なる第2演出モードに設定する(ステップS2016)。第2演出モードでは、例えば、昼下がりの風景が背景画像として表示され、この背景画像の上に、緑色の数字が記された図柄(装飾図柄)が重畳表示されるモードである。そして、所定閾値(中)に達していないと判断されると(ステップS2012の「NO」)、演出モードを、第1演出モードおよび第2演出モードと異なる第3演出モードに設定する(ステップS2017)。この第3演出モードは、例えば、夜の風景が背景画像として表示され、この背景画像の上に、白色の数字が記された図柄(装飾図柄)が重畳表示されるモードである。
ここでは、遊技者による正当な押圧を検出すると、その押圧の大きさに基づいて複数の演出モードから1を決定する。したがって、遊技者は、自己の押圧の強さを通じて所望する演出モードを容易に選択することができる。また、演出モードの選択に、押圧の強さといった曖昧さを取り入れることで、成功率を意図的に100%から下げることも可能である。
(5:演出実行手段制御)
また、演出実行手段の制御の一例として、図53に示すように、遊技者に押圧を促し、第1検出信号に示された圧力の大きさとその大きさの目標範囲との位置関係に応じて演出実行手段を制御することもできる。ここでは、上記のステップS2002において、液晶表示器104に、遊技者の押圧を促す図45に示した案内表示した後、ステップS2003において第1検出信号を検出すると、その第1検出信号に示される押圧の大きさが目標範囲内であるか否かを判定する(ステップS2018)。ここで、第1検出信号の大きさが目標範囲内であれば、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、所謂「潜伏確率変動モード」であるか否か)であることまたは有利な遊技状態に移行することの期待度を示す演出を選択し、その演出表示を行い(ステップS2019)、目標範囲内に入らなければ、目標範囲内に入っていない旨、遊技者に報知する(S2020)。
このように、遊技者の積極的な押圧動作を取り入れることで、遊技者に、あたかもその遊技状態が自己の行為に起因して生じたように思わせることができる。かかる構成により、遊技の単調さにアクセントを与えることができ、パチンコ機100の持つ従来の遊技性を踏襲しつつ、プロセスの面で演出効果を高めることが可能となる。
(6:演出実行手段制御)
さらに、演出実行手段制御プログラム341aでは、演出実行手段の制御の一例として、図54に示すように、ステップS2001において案内表示が表示されていないと判断された場合、まず、現在の遊技状態または将来の遊技状態に基づき押圧の大きさの目標範囲を決定し(ステップS2021)、その後、ステップS2002において、その決定された目標範囲を示し、かつ当該パチンコ機100の任意の部位の押圧を促す画像を表示する。そして、図53同様、遊技者の押圧により第1検出信号を受信すると(ステップS2003)、第1検出信号に示された圧力の大きさと目標範囲との位置関係に応じた演出を選択し、その演出表示を行う(ステップS2019)。
本実施形態では、まず、現在の遊技状態または将来の遊技状態に基づいて、所定の大きさおよび所定の範囲で目標範囲を決定、遊技者への使命(ミッション)として報知し、遊技者による正当な押圧を検出すると、その押圧の大きさが報知した目標範囲に入ったか否かに応じて演出を展開する。このように、遊技者の積極的な押圧動作を取り入れることで、遊技者に、あたかもその遊技状態が使命に対する自己の達成度に起因して生じたように思わせることができる。また、目標範囲自体が変化するので、遊技者は押圧の使命ごとに異なる強さで押圧しなければならなくなる。かかる構成により、遊技の単調さにアクセントを与えることができ、パチンコ機100の持つ従来の遊技性を踏襲しつつ、プロセスの面で演出効果を高めることが可能となる。
このとき、図55に示すように、圧力測定装置を模した画像において目標範囲と遊技者の押圧による圧力の大きさとの対応関係(位置関係)を視覚的に表示してもよい。かかる構成により、遊技者は、自己の押圧の大きさと目標範囲との対応関係を把握することができ、目標範囲に入っていれば満足感を、入っていなければ次回の要領を認識することができる。
また、遊技状態が良い場合、例えば、高確率遊技状態であった場合に、低確率遊技状態に比べて目標範囲を広くしたり、場合によっては、押圧によってとりうる全ての範囲にしたりすることによって遊技状態とのバランスをとることも可能である。
また、ここでは、演出実行手段として液晶表示器104を挙げて説明しているが、「強く押せ」や「弱めに押せ」といったスピーカ237を通じた音声案内によって目標範囲を報知することもでき、さらに、ランプ236の点灯個数によって目標範囲(目標強さ)を示し、その点灯によって押圧の大きさを示すこともできる。
(7:演出実行手段制御)
また、演出実行手段制御プログラム341aでは、演出実行手段の制御の一例として、図56に示すように、ステップS2003において第1検出信号を検出すると、その第1検出信号に示される押圧の大きさが所定閾値(大)以上であるか否かを判断する(ステップS2010)前に、その押圧の大きさが押圧として想定される範囲の上限である所定閾値を超過しているか否か判定し(ステップS2022)、超過していれば、押圧の圧力が大きいことを示す注意的演出を選択し、その演出表示を行う(ステップS2023)。上限である所定閾値を超過していなければ、図50同様の処理に従って押圧の大きさに応じた演出を遂行する。
上述したように、演出実行手段制御プログラム341aでは、遊技者による正当な押圧を検出すると、その押圧の大きさに応じた演出実行手段の制御処理を遂行するができる。しかし、その押圧の大きさが想定される上限値(所定閾値)を超過している場合にまで通常の対応をするのは好ましくない。ここでは、遊技者が想定以上の強さでパチンコ機100を押圧している場合、その旨を示す、例えば、「強すぎだよ」といった演出表示を行って、遊技者に注意を喚起する。また、装飾図柄変動表示プログラム341では、押圧の圧力が大きいことに加えて、または単独で、押圧の圧力の抑制を望む、例えば、「もう少し弱く押して」といった演出表示を行ってもよい。かかる構成により、遊技者は、自己の押圧が大きいことだけでなく、その大きさを抑制すべきことを把握することができ、パチンコ機100に対する無用な押圧を防止することが可能となる。
(8:演出実行手段制御)
さらに、本実施形態において、演出実行手段制御プログラム341aでは、図57に示すように、第1検出信号に示された圧力の大きさに基づいて演出役物115、116を作動させることもできる。
まず、ステップS2003において第1検出信号を検出すると、その第1検出信号に示される握り(押圧)の大きさが所定閾値(大)以上であるか否かが判断され(ステップS2010)、所定閾値(大)以上であると判断されると演出実行手段制御プログラム341aは、大きな握りに対する演出役物115、116の演出に対応した演出用コマンドをセットする(ステップS2024)。所定閾値(大)に達していないと判断されると(ステップS2010の「NO」)、続いて第1検出信号に示される握りの大きさが所定閾値(中)以上であるか否かが判断され(ステップS2012)、所定閾値(中)以上であると判断されると演出実行手段制御プログラム341aは、中くらいの握りに対する演出役物115、116の演出に対応した演出用コマンドをセットする(ステップS2025)。そして、所定閾値(中)に達していないと判断されると(ステップS2012の「NO」)、小さな握りに対する演出役物115、116の演出に対応した演出用コマンドをセットする(ステップS2026)。
後述するランプ制御基板206における演出役物作動制御プログラム361は、セットされた演出用コマンドを用いて演出役物作動装置235を作動制御する。したがって、遊技者は、自己の押圧の強さを通じてパチンコ機100に設けられた演出役物115、116を自発的に作動させることが可能となる。また、演出役物115、116の作動に、押圧の強さといった曖昧さを取り入れることで、演出役物115、116がどのような態様で作動するか予測不能となる。かかる構成により、遊技の単調さにアクセントを与えることができ、パチンコ機100の持つ従来の遊技性を踏襲しつつ、プロセスの面で演出効果を高めることが可能となる。
また、演出役物作動制御プログラム361では、第1検出信号に示された圧力の大きさに基づいて演出役物115、116の作動量を変化させることができる。ここでは、遊技者の積極的な押圧動作を通じて演出役物115、116の作動量を変化させ、例えば、押圧の大きさに比例して作動量を大きくすることで、遊技者に、演出役物115、116の作動と合わせて移行する遊技状態が、あたかも自己の押圧の大きさに起因して生じたように思わせることができる。また、遊技者による押圧の大きさによって、意外な態様で演出役物115、116を作動させることで遊技者に違和感を与え、その期待度の高さを伝達することも可能となる。かかる構成により、演出実行手段特に演出役物115、116への注意力および期待感を持続させることができ、遊技意欲を向上させることが可能となる。
また、演出役物作動装置235に属する演出役物が複数独立して存在する場合、演出役物作動制御プログラム361では、第1検出信号に示された圧力の大きさに基づいて、複数の演出役物のうちの1または複数の演出役物を選択して作動させることもできる。ここでは、遊技者の積極的な押圧動作を通じて作動する演出役物を変化させることで、遊技者に、演出役物の作動と合わせて移行する遊技状態が、あたかも自己の押圧の大きさに起因して生じたように思わせることができる。また、遊技者による押圧の大きさによって、意外な位置にある演出役物を作動させることで遊技者に違和感を与え、その期待度の高さを伝達することも可能となる。かかる構成により、演出実行手段への注意力および期待感を持続させることができ、遊技意欲を向上させることが可能となる。
(ステップS1708)(ステップS1709)
一方、上記ステップS1706において押圧有効時間が経過したと判断された場合、案内表示がまだ表示されているか否か判断して(ステップS1708)、表示されていれば、案内表示を停止(削除)する(ステップS1709)。
(ステップS1710)
また、上記ステップS1705において変動時間が経過したと判断された場合、装飾図柄変動表示プログラム341は、セットされている変動時間をリセットする。
(ステップS1711)
こうして演出パターンの変動時間が終了すると、CPU201aが特別図柄変動表示プログラム262dを読み出してステップS600でセットされた特別図柄と共に、装飾図柄変動表示プログラム341は、最終的な装飾図柄を液晶表示器104に停止表示する。これにより、遊技者に大当たりの抽選結果が報知されることとなる。
(スピーカ制御S1800)
上記のようにして演出実行手段制御が終了すると、CPU202aは、ROM202bからスピーカ制御プログラム342を読み出して、スピーカ237における音声を出力制御する。
(演出用コマンド送信処理S1900)
上記のようにして、各演出用のコマンドがセットされたら、CPU202aが演出用コマンド送信プログラム350を読み出して、セットされたコマンドをランプ制御基板206に送信する。これにより、副制御基板202におけるルーチン処理が終了する。
また、ランプ制御基板206においては、CPU206aが、受信した演出用コマンドに基づいて演出ライト制御プログラム360を読み出して、演出ライト111を制御する。
また、CPU206aは、受信した演出用コマンドに基づいて演出役物作動制御プログラム361を読み出して、演出役物作動装置235を作動制御する。
(第2の実施形態:スロットマシン)
第1の実施形態では、遊技機としてパチンコ機100を挙げて説明した。しかし、上述した振動検出装置150を用いた演出実行手段の制御や不正対応処理は、パチンコ機100に拘わらず、様々な遊技機に適用することが可能である。第2の実施形態では、遊技機としてのスロットマシン1001に上記の振動検出装置150の構成を適用した場合の動作を説明する。
図58および図59は、遊技機の一例としてスロットマシン1001の構成を示している。スロットマシン1001は、正面にフロントマスクが形成された前扉1003が、略矩形状の箱体である筐体1002の開口に対し回動可能な連結部材により開閉可能に取り付けられている。フロントマスクは、上から上パネル部1100、中パネル部1200、下パネル部1300に概ね分けられ、これらは化粧板として視覚効果を高めてデザインされた硬質プラスチックにより一体的に形成されている。また、下パネル部1300の下方には、メダルを貯留するための受け皿1004aが形成された受け皿部材1004が設けられている。
上パネル部1100には、高輝度の発光ダイオード(LED)によって構成される上部ランプやコーナランプ等の視覚効果ランプ(フィーバーランプ)が内蔵され、リーチや大当たり等の際に点灯または点滅して遊技者の視覚に訴える演出を行っている。また、上パネル部1100の左右位置には、それぞれスピーカが内蔵され、効果音や楽音等によるゲームの演出を行っている。更に、左右のスピーカに挟まれる中央位置には、図柄表示手段としての液晶表示器1005が内蔵されている。
液晶表示器1005は、ゲームの進行に応じて適宜選択される動画像を表示して当該ゲームにストーリー性を与えたり、また、ボーナスゲーム等の大当たりの際には、よりダイナミックな画像が表示されて、遊技者に高配当の期待感を引き起こしたりする等の演出表示を行う。
中段の中パネル部1200には、長方形の透明な表示窓1008aが形成されたアクリル製の中パネル1008が取り付けられる。そして、この表示窓1008aを通して、筐体1002内に設けられる3個のリール1010a、1010b、1010cを遊技者が目視できるように構成される。中パネル1008の下方には、前方に若干突出した卓状部が形成され、メダル投入口を有するメダル投入部1011と、ベットボタン1012と、スタートレバー1013と、3個のストップボタン1014a、1014b、1014c等が配設されている。
遊技者がメダル投入部1011よりメダルを投入することで、スロットマシン1001内部にメダルを最大枚数まで内部貯留(クレジット)することができる。ベットボタン1012は、ゲームに賭けるメダルの枚数を提示するための押圧式のボタンスイッチである。スタートレバー1013は、リール1010a、1010b、1010cを一斉に回転させる指示をするためのレバースイッチであり、傾倒操作するとオン作動する。ストップボタン1014a、1014b、1014cは、各リール1010a、1010b、1010cの回転停止を個別に指示するための押圧式のボタンスイッチであり、各リールの配列に対応してそれぞれ並設されている。
フロントマスクの下パネル部1300を構成する下パネル1015には、スロットマシン1001のモデルタイプ等を遊技者へ認識させるための、例えば登場キャラクターの絵柄(図示略)などが印刷されて表示されている。前扉1003の最下部に設けられた受け皿部材1004には、入賞配当等によりメダルを払い出すメダル払出口1016と、ゲームの進行に応じて演出効果音を発生させるスピーカが放音部1017a、1017bに対応する位置に内蔵される。
図59を参照すると、筐体1002の内部においては、その上部位置に、スロットマシン1001の全体動作を統括制御する制御手段である主制御基板1021が取り付けられている。主制御基板1021は、CPU、ROM、RAM、その他周辺機器と通信する際の整合機能を有するインタフェース回路等の電子部品を実装するマイコンベースの制御回路基板であり、透明な基板ケースに収容されて筐体1002内に離脱不能に固定されている。
筐体1002内のほぼ中央には、3個のリール1010a、1010b、1010cを軸方向に並設してユニット化したリールユニット1010が、前扉1003側に形成される上述の表示窓1008aに対向してフレーム1022に固定されている。なお、リールユニット1010の上部には図示しない回胴装置基板が取り付けられている。回胴装置基板は、主制御基板1021からのパルスデータに基づいて電流増幅した駆動パルス信号を各リール1010a、1010b、1010cのステッピングモータに出力することで、それぞれのリールの回転および停止の駆動制御を行っている。
リールユニット1010の下方のスペースには、入賞配当などの際にメダルを放出するメダル払出装置1023が設置されている。メダル払出装置1023は、メダル投入部1011に投入されたメダルをホッパ部1023aに貯留し、主制御基板1021からメダルの払い出しを指令する払出指令信号を受けると、ホッパ部1023aに貯留したメダルを、放出スリット1023bを介して外部に放出する。放出スリット1023bには払出センサ1063が設けられ、放出されるメダルを1枚ずつ検出して主制御基板1021へ出力する。これにより、主制御基板1021は、放出されたメダルをカウントしながら払出指令信号に基づく所要の払出枚数(指令払出量)だけ払い出す制御を行うことが可能となる。
メダル払出装置1023の側方には、ホッパ部1023aから溢れ落ちたメダルを収容するためのオーバーフロータンク1024と、スロットマシン1001に内蔵される各機器へ所要の電力を配電する主電源装置1025とが設置されている。
更に、主制御基板1021に隣接する側板には、当該スロットマシン1001における例えば大当たり等の遊技状態およびメダルの投入・払い出し等の稼働状態を示す信号を外部の管理装置(例えばホールコンピュータ)へ送信するための外部集中端子板1026が取り付けられている。
前扉1003は、比較的硬質のプラスチックで一体成形されたフロントマスクをメインフレームとし、裏面側で上端部および左右の両端部に、それぞれ長尺状の板金部材である横フレーム1311と縦フレーム1312、1313がネジ止め固定されている。前扉1003の裏面側上部には、上述した上部ランプおよびコーナランプ等の光源である発光ダイオード(LED)を実装するLED基板、スピーカおよび液晶表示器1005等を組み込んだ上部パネルアセンブリ1032が取り付けられている。また、上部パネルアセンブリ1032を駆動して、主にゲームの演出に係る制御を行うための副制御基板1033が取り付けられている。
副制御基板1033の下方には、透明な表示窓1008aが形成された中パネル1008を前面に設け、リール1010a、1010b、1010cの外周面を照射する冷陰極蛍光管1034と、中パネル1008の絵柄を照明表示する複数のランプ1035と、スタートレバー1013やストップボタン1014a、1014b、1014c等のスイッチの出力を主制御基板1021へ中継する中央表示基板1036等を組み付けてユニット化したランプハウスユニット1037が取り付けられている。
ランプハウスユニット1037の下方には、メダルセレクタ1038が取り付けられている。このメダルセレクタ1038は、前面のメダル投入部1011に投入されたメダルの正否の判定と、投入された正規のメダルの枚数を計数するために設けられている。すなわち、メダルセレクタ1038は、投入されたメダルが正規のものであると判定するとメダル貯留ガイド1039側にメダルを通過させるとともに、光センサであるメダルセンサがメダルを検出して、主制御基板1021へその投入信号を出力する。そのため、メダルセレクタが不正操作されると、不当なメダルの払出が行われてしまう虞がある。メダル貯留ガイド1039は、メダルセレクタ1038が通過させた正規のメダルを筐体1002側のメダル払出装置1023のホッパ部1023aに案内して貯留させる。
メダルセレクタ1038の下方には、下パネル1015等をユニット化した下パネルユニット1040が取り付けられている。また、前扉1003のメダル払出口1016に連通し、メダルセレクタ1038が不適と判定し排除したメダルや異物を前面の受け皿1004aへ案内するキャンセルシュート1041と、同じくメダル払出口1016に連通し、メダル払出装置1023が放出するメダルを案内して受け皿1004aへ払い出す払出シュート1042とが、下パネルユニット1040の背面側に設けられている。また、下パネルユニット1040の下方には、前面の放音部1017a、1017bに対向するスピーカ1044a、1044bが取り付けられている。
本実施形態における振動検出装置150は、ケース190に封入された状態で、前扉1003の裏面側に設けられた横フレーム1311の中央部にネジ留めされる。このように広範囲にわたって設けられる硬質の板状部材に対して振動検出装置150を固定することによりスロットマシン1001に生ずる振動が振動検出装置150に伝わりやすくなる。振動検出装置150の出力側には副制御基板1033および主制御基板1021が接続され、振動検出装置150からの第1検出信号および第2検出信号に応じて演出実行手段の制御および不正対応処理を行う。
本実施形態においては、振動検出装置150によって、スロットマシン1001を押圧することで演出実行手段の制御に意図的に影響を与え得る正当圧力と、遊技者がスロットマシン1001を叩打して誤動作を誘引する行為(不正行為)とを同時に検出するものである。ここで、押圧等の低周波帯域の外力が加わった場合には振動センサ170において0.1Hz〜10Hzの周波数帯域をもった電圧信号、特に1Hz〜5Hzの電圧信号が特徴的に生じる。また、不正行為による叩打等の高周波数帯域の外力が加わった場合には振動センサ170において10Hz〜50Hzの周波数帯域をもった電圧信号、特に20Hz〜40Hzの電圧信号が特徴的に発生する。なお、遊技を行っている際に生じるリールの振動等によって振動センサ170から発生する電圧信号の周波数は、いずれも数kHzにおいて特徴的に現れるので、第1検出信号や第2検出信号に影響を及ぼさない。
フィルタ回路172および増幅回路174の構成は第1の実施形態と同様であるため省略する。計測部180においては、衝撃用閾値が800mV、歪み用閾値が200mVとなっており、パチンコ機100に対する設定より大きくなっている。これは、スロットマシン1001ではリールを停止させるためにスロットボタン1014を押止する等、叩打に類似する行為は日常的に行われるものであり、これによって生じる振動を検知してしまうと通常の遊技に対して支障が生じるため衝撃用閾値が大きく設定してある。また、前扉1003をこじ開ける際に生じる電圧信号が、パチンコ機100の枠部材110を歪ませる際に生じる電圧信号より大きいため歪み用閾値が大きく設定されている。計測部180に関し、これ以外の構成は第1の実施形態と同様であるため省略する。
振動検出装置150の動作例を示す。遊技者によってスロットマシン1001が押圧により歪むと、振動検出装置150が固設された横フレーム1311にその振動が伝導される。これによって、振動検出装置150内の振動センサ170から、押圧に対して特徴的に生ずる周波数である0.1Hz〜10Hzの周波数帯域を含んだ電圧信号が発生する。かかる電圧信号はフィルタ回路172によって、0.1Hz〜50Hz以外の周波数がカットされた後、増幅回路174によって約3倍に増幅されて計測部180に入力される。ここでの電圧値は例えば、0.1Hz〜10Hzにおいて200mV以上であり、10Hz〜50Hzにおいて800mV以下であるとする。
ここでは、スロットマシン1001を押圧することによって振動が生じているので、第1検出信号出力手段186aによって200mV以上の電圧が計測されるため、副制御基板1033に対して第1検出信号が送信される。
また、遊技者が、スロットマシン1001の前扉1003を叩くと、振動検出装置150が固設された横フレーム1311に衝撃が生じる。これによって、振動検出装置150内の振動センサ170から、叩打に対して特徴的に生ずる周波数である10Hz〜50Hzの周波数帯域を含んだ電圧信号が発生する。かかる電圧信号はフィルタ回路172によって、0.1Hz〜50Hz以外の周波数がカットされた後、増幅回路174によって約3倍に増幅されて計測部180に入力される。
計測部180に入力された電圧信号は、A/D変換器182によってデジタルの電圧信号に変換され、第2のデジタルフィルタ184bであるデジタルバンドパスフィルタによって10Hz〜50Hzの電圧信号(第2検出信号)が抽出される。
第2検出信号は第2検出信号出力手段186bによって電圧値が800mV以上であるかが判定される。ここで、スロットマシン1001への叩打があると、第2検出信号出力手段186bによって800mV以上の電圧が計測されるため、主制御基板1021に対して第2検出信号が送信される。
主制御基板1021による不正対応処理および副制御基板202による演出実行手段の制御については第1の実施形態と同様となる。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各実施の形態は、その目的および構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用することができる。
100 …パチンコ機、104、1005 …液晶表示器、110 …枠部材、111 …演出ライト、113 …操作ハンドル、115、116 …演出役物、119 …受け皿ユニット、126 …ガラス板、127 …鉄板、150 …振動検出装置、170 …振動センサ、172 …フィルタ回路、174 …増幅回路、180 …計測部、182 …A/D変換器、184 …フィルタ手段、184a …第1のデジタルフィルタ、184b …第2のデジタルフィルタ、186 …検出信号出力手段、186a …第1検出信号出力手段、186b …第2検出信号出力手段、201、1021 …主制御基板、202、1033 …副制御基板、203 …賞球制御基板、206 …ランプ制御基板、235 …演出役物作動装置、237 …スピーカ、1001 …スロットマシン