JP2010124210A - アンテナ装置、及び、無線装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】制御用ラインを設けることなく、使用周波数帯に合わせて複数のアンテナ長を実現可能な無線装置を提供する。
【解決手段】基板102には、複数の導体パターン108〜110が接続される。共振周波数調整回路107は、導体パターン108〜110のうちの少なくとも1つを用いて構成されるアンテナのアンテナ長を、導体パターンに流れる信号の周波数に応じたアンテナ長に制御する。
【選択図】図1
【解決手段】基板102には、複数の導体パターン108〜110が接続される。共振周波数調整回路107は、導体パターン108〜110のうちの少なくとも1つを用いて構成されるアンテナのアンテナ長を、導体パターンに流れる信号の周波数に応じたアンテナ長に制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、アンテナ装置及び無線装置に関し、更に詳しくは、複数の周波数帯の信号を用いた無線通信に対応したアンテナ装置及び無線装置に関する。
近年、携帯電話機は、多機能化や筐体の薄型化、小型化の要求が一層強まっていている。また、多周波化対応の要求も高まっている。複数の周波数帯に対応した携帯電話機では、各周波数帯に対応した複数のアンテナが必要である。複数のアンテナを有する携帯電話機では、アンテナ実装スペースの確保と、アンテナ素子間の結合による特性劣化が問題となる。
図15に、2つの周波数帯に対応するアンテナを有する携帯電話機を示す。基板202は、筐体201の内部に配置される。基板202は、整合回路204a、204b、無線回路205、及び、制御回路206を有する。整合回路204aは、第1周波数帯対応アンテナ220に接続される。整合回路204bは、第2周波数帯対応アンテナ221に接続される。第1周波数帯対応アンテナ220は、例えば、800MHz帯に対応したアンテナである。第2周波数帯対応アンテナ221は、例えば、2GHz帯に対応したアンテナである。
図16に、アンテナのインピーダンスを示し、図17に、周波数とリターンロスとの関係を示す。上記携帯電話機にて、800MHz帯で共振するようにアンテナを調整したとき、第1周波数帯対応アンテナ220の単体インピーダンスをスミスチャート上に示すと、図16に示すようになる。また、リターンロスは、図17に示すようになる。第1周波数帯対応アンテナ220を800MHzで共振するように調整すると、そのおよそ2倍の周波数でも共振が起こる。これは、第1周波数帯対応アンテナ220が、800MHz帯と、その2倍の共振周波数でアンテナとして機能することを意味している。
2GHzの周波数帯では、第1周波数帯対応アンテナ220と第2周波数帯対応アンテナ221とがアンテナとして動作するため、結合によるアンテナ特性劣化が問題となる。第1周波数帯対応アンテナ220と第2周波数帯対応アンテナ221との結合を回避するためには、アンテナ間の距離を離せばよい。しかし、携帯電話機は小型化が進んでいることから両者間の距離を離すことは実装エリア確保の点で難しい。また、筐体201の両端に2つのアンテナを配置すると、ストリップラインの損失が大きくなるという問題もある。
第1周波数帯対応アンテナ220と第2周波数帯対応アンテナ221との結合への対策として、アンテナ終端のインピーダンスを調整する方法も考えられる。しかし、アンテナ終端のインピーダンスの調整で、2つの周波数帯での影響を完全に回避することは困難である。また、周波数帯が3つ、4つと増えると、終端条件の最適化は困難になる。従って、多周波化対応時のアンテナ間の結合による劣化は避けられず、特性が劣化した状態で使用せざるを得ない。
ここで、アンテナ装置の共振周波数を変更する技術として、特許文献1に記載の技術がある。特許文献1では、給電導体の所要位置に導体パターンを断続するスイッチを設け、そのスイッチにより給電導体の導体パターンを断続して、アンテナ装置の共振周波数を変化させている。すなわち、スイッチを制御することで給電導体の長さを可変とし、アンテナの共振周波数を変化させている。
特開2007−215093号公報
特許文献1の構成では、得たい共振周波数に応じて、スイッチを操作してアンテナ長を変化させ、共振周波数を制御する必要がある。従って、操作が面倒である。また、特許文献1の構成では、スイッチから、スイッチの開閉を制御する制御部までの間に、スイッチの制御ラインが必要であり、実装面積の上で不利である。
本発明は、制御用ラインを設けることなく、使用周波数帯に合わせて複数のアンテナ長を実現可能なアンテナ装置及び無線装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の無線装置は、複数の周波数帯で無線通信を行う無線装置であって、N個(Nは2以上の整数)の導体パターンと、前記N個の導体パターンのうちの少なくとも1つを用いて構成されるアンテナのアンテナ長を前記導体パターンを流れる信号の周波数に応じたアンテナ長に制御する共振周波数調整回路とを有するアンテナ装置を備えることを特徴とする。
本発明のアンテナ装置は、複数の周波数帯で無線通信を行う無線装置に用いられるアンテナ装置であって、N個(Nは2以上の整数)の導体パターンと、前記N個の導体パターンのうちの少なくとも1つを用いて構成されるアンテナのアンテナ長を、前記導体パターンを流れる信号の周波数に応じたアンテナ長に制御する共振周波数調整回路とを備えることを特徴とする。
本発明の無線装置は、複数の周波数帯で無線通信を行う無線装置であって、N個(Nは2以上の整数)の導体パターンと、前記N個の導体パターンのうちの少なくとも1つを用いて構成されるアンテナのアンテナ長を、通信に用いる周波数帯に応じたアンテナ長に制御する共振周波数調整回路とを有し、前記N個の導体パターンのうちの給電端から見て最も遠い導体パターンの先端がグランドに接続されているアンテナ装置を備えることを特徴とする。
本発明のアンテナ装置は、複数の周波数帯で無線通信を行う無線装置に用いられるアンテナ装置であって、N個(Nは2以上の整数)の導体パターンと、前記N個の導体パターンのうちの少なくとも1つを用いて構成されるアンテナのアンテナ長を、通信に用いる周波数帯に応じたアンテナ長に制御する共振周波数調整回路とを備え、前記N個の導体パターンのうちの給電端から見て最も遠い導体パターンの先端がグランドに接続されていることを特徴とする。
本発明の無線装置及びアンテナ装置は、制御用ラインを設けることなく、使用周波数帯に合わせたアンテナ長を実現することができる。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態の無線装置を示している。無線装置は、複数の周波数帯で無線通信を行う。以下では、無線装置は、3種類の周波数帯に対応した携帯電話機であるとする。携帯電話機は、筐体101の内部に、基板102を有する。基板102は、整合回路104、無線回路105、制御回路106、及び、共振周波数調整回路107を有する。整合回路104は、アンテナからの反射損失を低減する。無線回路105は、無線信号の生成などを行う。制御回路106は、携帯電話機の各部を制御する。
フレキシブル基板103と共振周波数調整回路107とは、アンテナ装置を構成する。フレキシブル基板103は、複数(N個:Nは2以上の整数)の導体パターン(108〜110)を有する。図2に、フレキシブル基板103に形成された導体パターンを示す。導体パターン108〜110は、それぞれ、フレキシブル基板103の一端側に端子108a〜110aを有し、他端側に端子108b〜110bを有する。フレキシブル基板103は、筒状に巻かれて基板102に接続される。フレキシブル基板103上の端子108a〜110a及び108b〜110bは、それぞれ、基板102の表面及び裏面の端子に接続される。
図3に、フレキシブル基板103と共振周波数調整回路107とを示す。共振周波数調整回路107は、複数の導体パターン(108〜110)のうちの少なくとも1つを用いて構成されるアンテナのアンテナ長を、導体パターンを流れる信号の周波数に応じたアンテナ長に制御する。共振周波数調整回路107は、2つのフィルタ111、112を有する。フィルタ111、112は、隣接する2つの導体パターンに接続される。より詳細には、フィルタ111は、導体パターン108の端子108bと、導体パターン109の端子109aとに接続される。フィルタ112は、導体パターン109の端子109bと、導体パターン110の端子110aとに接続される。導体パターン108の端子108aは、整合回路104に接続され、導体パターン110の端子110bは、オープンになっている。
フィルタ111、112は、所定周波数よりも高い周波数の信号を遮断する。フィルタ111、112は、例えば、コイルとコンデンサとを組み合わせて構成される。フィルタ111におけるコイルのインダクタンスをL1/2、コンデンサの容量をC1/2とし、フィルタ111の遮断周波数をfaとすると、以下の式が成り立つ。
また、フィルタ112におけるコイルのインダクタンスをL2/2、コンデンサの容量をC2/2とし、フィルタ112の遮断周波数をfbとすると、以下の式が成り立つ。
フィルタ111は、遮断周波数fa以下の周波数は通過し、faよりも高い周波数は遮断する。フィルタ112は、遮断周波数fb以下の周波数は通過し、fbよりも高い周波数は遮断する。共振周波数調整回路107内のフィルタの遮断周波数は、給電側に近いフィルタほど、遮断周波数が高い。すなわち、フィルタ111の遮断周波数faと、フィルタ112の遮断周波数fbとの関係は、fb<faである。また、携帯電話機が対応する第1〜第3の周波数帯の周波数をそれぞれF1、F2、F3(F1<F2<F3)すると、フィルタ111の遮断周波数faとフィルタ112の遮断周波数fbとは、下記関係式を満たす。
F1<fb<F2<fa<F3
F1<fb<F2<fa<F3
上記関係式は、通信に用いる周波数帯が3つある場合の関係式であるが、これを一般化して考える。アンテナパターンとなる導体パターンがN個あるとき、フィルタは、隣接する2つの導体パターンの間に配置されるので、フィルタの個数はN−1個になる。N−1個のフィルタを、給電端に近い側から順に、第1〜第N−1のフィルタとする。また、無線装置が通信に用いる複数の周波数帯の周波数を、F1〜FN(F1<F2<・・・<FN)とする。第1〜第N−1のフィルタの遮断周波数をf1〜fN−1とすると、通信に用いる周波数帯の周波数F1〜FNと、フィルタの遮断周波数f1〜fN−1とは、下記関係式を満たす。
F1<fN−1<F2<fN−2<F3<・・・<FN−1<f1<FN
F1<fN−1<F2<fN−2<F3<・・・<FN−1<f1<FN
図4に、第3の周波数帯を使用しているときのアンテナの等価回路を示す。無線回路105は、整合回路104を介して、導体パターン108に第3の周波数帯の信号を出力する。第3の周波数帯の周波数F3は、フィルタ111の遮断周波数faよりも高いので、信号はフィルタ111で遮断され、導体パターン109及び110は、導体パターン108から高周波的に切断される。つまり、フレキシブル基板103上に形成された3つの導体パターンのうち、アンテナ素子として機能するのは導体パターン108のみであり、導体パターン109、110は、アンテナ素子として機能しない。従って、第3の周波数帯では、アンテナの有効長は、導体パターン108の長さとなる。
図5に、第2の周波数帯を使用しているときのアンテナの等価回路を示す。無線回路105は、整合回路104を介して、導体パターン108に第2の周波数帯の信号を出力する。第2の周波数帯の周波数F2は、フィルタ111の遮断周波数よりも低いので、信号は、フィルタ111を通過する。しかし、第2の周波数帯の周波数F2は、フィルタ112の遮断周波数よりも高いので、信号は、フィルタ112で遮断される。このため、導体パターン110は、導体パターン108及び109から高周波的に切断され、導体パターン110は、アンテナ素子として機能しない。第2の周波数帯では、図5に示すように、導体パターン108及び109がアンテナ素子として機能し、アンテナの有効長は、導体パターン108、109の長さとなる。
図6に、第1の周波数帯を使用しているときのアンテナの等価回路を示す。無線回路105が第1の周波数帯の信号を出力するとき、第1の周波数帯の周波数F1は、フィルタ111、112の遮断周波数fa、fbよりも低いので、信号は、フィルタ111、112を通過する。従って、フレキシブル基板103上に形成された3つの導体パターン108〜110の全てが、アンテナ素子として機能する。第1の周波数帯では、図6に示すように、アンテナの有効長は、導体パターン108〜110の有効長となる。
本実施形態では、アンテナ装置は、導体パターン108〜110のうちの少なくとも1つを用いて構成されるアンテナのアンテナ長を、導体パターンを流れる信号の周波数に応じたアンテナ長に制御する共振周波数調整回路107を有する。共振周波数調整回路107は、無線回路105が出力する信号の周波数、つまり、通信に用いる信号の周波数に応じて、導体パターン108と導体パターン109との間、及び、導体パターン109と導体パターン110との間の接続を制御する。このようにすることで、アンテナの長さを、導体パターン108〜110の3つの導体パターンの長さ、導体パターン108及び109の2つの導体パターンの長さ、又は、導体パターン108の長さの3通りに制御でき、通信に用いる周波数帯に応じたアンテナ長を実現できる。また、本実施形態では、共振周波数調整回路107が、信号周波数に応じて、自発的に、アンテナ長を制御するため、アンテナ長を制御するための制御ラインは不要である。
より詳細には、共振周波数調整回路107は、第1の導体パターン108と第2の導体パターン109との接続点に配置されたフィルタ111と、第2の導体パターン109と第3の導体パターン110との接続点に配置されたフィルタ112とを有する。フィルタ111、112が、所定周波数よりも高い周波数の信号を遮断することで、アンテナとして機能する導体パターンの長さが変化し、3つの周波数帯に対応した3つのアンテナ長を実現できる。その際、共振周波数調整回路107は、信号周波数と、フィルタ111、112の遮断周波数との関係に応じて、アンテナ長を自動的に変化させる。従って、本実施形態では、別途、制御回路106から共振周波数調整回路107にアンテナ長を変化させるための制御信号を送る必要はなく、制御用のラインを設けることなく、3つの周波数帯に対応したアンテナが実現できる。
本実施形態では、アンテナパターンをN個の導体パターンで形成し、N個の導体パターンの間のそれぞれにフィルタ(遮断手段)を配置することで、N種類のアンテナ長を実現できる。本実施形態では、各フィルタの遮断周波数を適切に設定することで、信号周波数に応じて、任意のアンテナ長を実現でき、使用する周波数帯が増えたときでも、アンテナ実装エリアを増大させることなく、各周波数帯に対応できる。また、本実施形態では、信号を遮断するフィルタの先にある導体パターン(アンテナパターン)は、共振するような長さにはならず、放射素子としては動作しない。このため、複数のアンテナを設ける場合に問題となるアンテナ間の結合問題が発生せず、アンテナ間の結合による劣化を回避することができる。
本実施形態では、フレキシブル基板103に複数の導体パターン108〜110を形成し、フレキシブル基板103を筒状に丸めて、基板102に取り付けている。フレキシブル基板103を丸めて基板102に取り付けることで、限られたアンテナ実装スペースの中に、所望のアンテナ特性を有するアンテナを実現することができる。つまり、アンテナ空間を最大限に利用し、各周波数帯で、良好なアンテナ特性を得ることができる。
図7は、本発明の第2実施形態の無線装置におけるフレキシブル基板及び共振周波数調整回路を示している。本実施形態では、共振周波数調整回路107aは、フィルタに代えて、共振回路113、114を有している。共振回路113は、コイル115、116と、コンデンサ117とで構成される。共振回路114は、コイル118、119と、コンデンサ120とで構成される。共振回路113、114のインピーダンスは、それぞれ、所定の周波数以下の周波数の信号に対してはショートとなり、所定周波数よりも高い周波数の信号に対してはオープンとなるように設定される。
図8(a)及び(b)に、共振回路113、114のインピーダンスを示す。共振回路113、114のインピーダンスをスミスチャートに示すと、図8(a)及び(b)に示すようになる。共振回路113のコイル115、116のインダクタンスと、コンデンサ117の容量は、共振回路113のインピーダンスが、図8(a)に示すインピーダンスとなるように選定される。また、共振回路114のコイル118、119のインダクタンスと、コンデンサ120の容量は、共振回路114のインピーダンスが、図8(b)に示すインピーダンスとなるように選定される。
共振回路113は、第1の周波数帯の信号(周波数F1)及び第2の周波数帯の信号(周波数F2)に対してショートとなり、第3の周波数帯の信号(周波数F3)に対してオープンとなる。共振回路114は、第1の周波数帯の信号(周波数F1)に対してショートとなり、第2の周波数帯の信号(周波数F2)及び第3の周波数帯の信号(周波数F3)に対してオープンとなる。これをまとめると、下記表のようになる。
上記を一般化すると、N−1個の共振回路を給電端に近い側から順に第1〜第N−1の共振回路として、i番目(i:1〜N−1)の共振回路は、F(N−i)以下の周波数の信号に対してショートとなり、F(N+1−i)以上の周波数の信号に対してオープンとなる。
共振回路113、114のインピーダンスの周波数特性を上記設定とすることで、導体パターンを流れる信号の周波数がF1のとき、信号は、ショート状態の共振回路113、114を通過する。従って、3つの導体パターン108〜110が、アンテナ素子として機能する。導体パターンを流れる信号の周波数がF2のときは、信号は、共振回路113を通過するが、周波数F2の信号に対してオープン状態の共振回路114を通過できない。従って、3つの導体パターン108〜110のうち、導体パターン110が高周波的に切り離され、導体パターン108及び109がアンテナ素子として機能する。導体パターンを流れる信号の周波数がF3のとき、信号は、周波数F3の信号に対してオープン状態の共振回路113、114を通過でない。従って、導体パターン109及び110は、導体パターン108から高周波的に切り離され、導体パターン108がアンテナ素子として機能する。
本実施形態では、共振周波数調整回路107aは、第1の導体パターン108と第2の導体パターン109との接続点に配置された共振回路113と、第2の導体パターン109と第3の導体パターン110との接続点に配置された共振回路114とを有する。共振回路113、114のインピーダンスを、所望の周波数帯の信号に対してショート又はオープンとなるように設定することで、各周波数帯にて、アンテナとして機能する導体パターンの長さが変化し、3つの周波数帯に対応した3つのアンテナ長を実現できる。その際、共振周波数調整回路107aは、信号周波数と、共振回路113、114のインピーダンスの周波数特性との関係に応じて、アンテナ長を自動的に変化させる。従って、本実施形態では、別途、制御回路106から共振周波数調整回路107aにアンテナ長を変化させるための制御信号を送る必要はなく、制御用のラインを設けることなく、3つの周波数帯に対応したアンテナが実現できる。その他の効果は、第1実施形態と同様である。
図9は、本発明の第3実施形態の無線装置を示している。本実施形態は、共振周波数調整回路107bが、スイッチ121と、終端インピーダンス調整回路122、123とを有する点で、第1実施形態と相違する。本実施形態では、給電端側から見て最も遠い導体パターンの先端である第3の導体パターン110の端子110bが、スイッチ121と、終端インピーダンス調整回路122又は123とを介して基板102のグランドに接続されている。終端インピーダンス調整回路(インピーダンス素子)122、123のインピーダンスは、相互に異なる。なお、フィルタ111、112に代えて、共振回路113、114を用いてもよい。
フィルタ111、112が、信号を遮断しているとき、導体パターン110の端子110bをグランドに接続すると、アンテナ装置は、給電素子と無給電素子とで構成されることになる。本実施形態では、アンテナ装置を給電素子と無給電素子とで構成することで、アンテナ特性の広帯域化を図る。また、本実施形態では、無給電アンテナとなった導体パターンを、スイッチ121を介して終端インピーダンス調整回路122又は123に接続し、導体パターンの先端を終端インピーダンス調整回路122又は123を通してグランドに接続することで、無給電素子による特性劣化を回避する。
図10に、第3の周波数帯の信号を使用しているときのアンテナ装置の等価回路を示す。第3の周波数帯の信号(周波数F3)を使用しているときは、フィルタ111及び112は信号を遮断するため、導体パターン108と導体パターン109、及び、導体パターン109と導体パターン110は、それぞれ高周波的に切り離された状態となる。このとき、アンテナ装置は、導体パターン108で構成される給電アンテナと、導体パターン110で構成される無給電アンテナとを含む構成となる。
制御回路106は、スイッチ121に制御信号を送り、終端インピーダンス調整回路122又は123を、導体パターン110の端子110bに接続させる。制御回路106は、無線通信に用いる信号周波数に応じて、終端インピーダンス調整回路122又は123を選択する。或いは、制御回路106は、受信信号レベルを測定し、測定した受信信号レベルに基づいて終端インピーダンス調整回路122又は123の何れを選択するかを決定してもよい。
図11に、受信信号レベルに基づいて終端インピーダンス調整回路を選択する際の動作手順を示す。初めに、制御回路106は、スイッチ121に、終端インピーダンス調整回路122側を選択する旨の制御信号を送る(ステップS1)。制御回路106は、無給電素子である導体パターン110が終端インピーダンス調整回路122に接続された状態で通信を行い、受信レベルRSSI1(RSSI:Receive Signal Strength Indication)を測定する(ステップS2)。
次に、制御回路106は、スイッチ121に、終端インピーダンス調整回路123側を選択する旨の制御信号を送る(ステップS3)。制御回路106は、無給電素子である導体パターン110が終端インピーダンス調整回路123に接続された状態で通信を行い、受信レベルRSSI2を測定する(ステップS4)。
制御回路106は、ステップS2で測定したRSSI1と、ステップS4で測定したRSSI2とを比較する(ステップS5)。制御回路106は、RSSI1がRSSI2以上であると判断すると、スイッチ121に、終端インピーダンス調整回路122側を選択させる(ステップS6)。制御回路106は、RSSI1がRSSI2よりも低いときは、スイッチ121に、終端インピーダンス調整回路123側を選択させる(ステップS7)。その後、無線装置は、終端インピーダンス調整回路122又は123が選択された状態で、通信を継続する。
本実施形態では、アンテナパターンの先端部アンテナパターンとなる導体パターン110の先端部(端子110b)を、基板102のグランドに接続する。このようにすることで、フィルタ111又は112が高周波的に先端側の導体パターンを切り離した際に、アンテナを、給電素子と無給電子素子とで構成することができ、アンテナ特性の広帯域化を図ることができる。また、本実施形態では、スイッチ121を用い、終端インピーダンス調整回路122又は123の何れかを介して、端子110bを、グランドに接続する。スイッチ121を用い、良好な受信特性が得られる終端インピーダンス調整回路を選択することで、無給電素子による特性劣化を回避できる。その他の効果は、第1実施形態と同様である。
図12は、本発明の第4実施形態の無線装置を示している。本実施形態は、共振周波数調整回路107cが、フィルタ111、112(図9)に代えて、ダイオード124、125を有する点で、第3実施形態と相違する。本実施形態の共振周波数調整回路107cは、制御回路106からの制御信号に従って、複数の導体パターンのうちの少なくとも1つを用いて構成されるアンテナのアンテナ長を、無線通信に用いる信号の周波数に応じたアンテナ長に制御する。
共振周波数調整回路107cは、導体パターン108の端子108bと、導体パターン109の端子109aとに接続されたダイオード124と、導体パターン109の端子109bと、導体パターン110の端子110aとに接続されたダイオード125とを有する。ダイオード124、125は、外部(制御回路106)からの制御信号に基づいてON/OFFする。ダイオード124、125は、高周波的に、隣接する2つの導体パターン間の接続/切断を制御するスイッチ素子に相当する。
制御回路106は、無線通信に使用する信号の周波数帯に応じて、ダイオード124、125のON/OFFを制御する。制御回路106が、ダイオード124、125のON/OFFを制御することで、3つの導体パターン108〜110のうち、給電端に接続される導体パターンの数が変化する。これにより、無線通信に用いる信号の周波数帯に応じたアンテナ長が実現できる。
制御回路106は、通信に用いる信号が第3の周波数帯の信号であるときは、ダイオード124をOFFにし、導体パターン108を給電素子とする。また、制御回路106は、ダイオード125をOFFにし、導体パターン110を無給電素子とする。制御回路106は、第3の周波数帯の通信に際して、ダイオード124をOFF、ダイオード125をONに制御してもよい。その場合、導体パターン109及び110の2つの導体パターンが無給電素子を構成することになるので、無給電素子の共振周波数が変化し、更に広い帯域で良好な特性を確保することができる。
制御回路106は、通信に用いる信号が第2の周波数帯の信号であるときは、ダイオード124をONにし、ダイオード125をOFFに制御する。この状態では、導体パターン108及び109が給電素子となり、導体パターン110が無給電素子となる。制御回路106は、通信に用いる信号が第1の周波数帯の信号であるときは、ダイオード124及び125の双方をONにする。この状態では、導体パターン108〜110の全てが給電素子となる。
本実施形態では、アンテナ装置は、複数の導体パターンのうちの少なくとも1つを用いて構成されるアンテナのアンテナ長を、通信に用いる周波数帯に応じたアンテナ長に制御する共振周波数調整回路107cを有する。また、複数の導体パターンのうちの給電端から見て最も遠い導体パターンの先端がグランドに接続されている。このような構成とすることで、共振周波数調整回路107cを用いてアンテナ長を制御した際に、給電端子に接続されない導体パターンを、無給電素子として活用することができ、アンテナ特性の広帯域化が可能になる。その他、終端インピーダンス調整回路122、123を切り替えて使用することで得られる効果は、第3実施形態における効果と同様である。
なお、上記各実施形態では、主に、無線装置が通信に用いる周波数帯が3つある例について説明したが、用いる周波数帯の数は、3つには限定されない。また、導体パターン108〜110がフレキシブル基板103上に形成される例について説明したが、導体パターンは、フレキシブル基板上に形成されている必要はない。例えば、導体パターンを、基板102上に形成してもよく、或いは、チップ素子に形成してもよい。また、成形したアンテナに、複数の導体パターンを形成する構成も可能である。
第3及び第4実施形態では、導体パターンの先端を終端インピーダンス調整回路122又は123を接続する例について説明したが、終端インピーダンスの調整に用いるインピーダンス素子は、これらには限定されない。図13に、第4実施形態の変形例の無線装置を示す。この例では、共振周波数調整回路107dは、終端インピーダンス調整用の共振回路126を有し、導体パターン110の端子110bは、終端インピーダンス調整用共振回路126を介して、グランドに接続されている。終端インピーダンス調整用共振回路126は、コイルとコンデンサとを組み合わせて構成されている。このような構成でも、第4実施形態と同様な効果を得ることができる。
図14に、第4実施形態の別の変形例を示す。第4実施形態(図12)では、制御回路106からの制御信号に基づいてON/OFFするダイオードを用いたが、この部分にスイッチを用いる構成も可能である。スイッチ127及び128は、それぞれ、制御回路106からの制御信号に基づいて、導体パターン108と導体パターン109との間の接続、及び、導体パターン109と導体パターン110との間の接続を制御する。このような構成でも、第4実施形態と同様な効果を得ることができる。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明のアンテナ装置及び無線装置は、上記実施形態にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
101:筐体
102:基板
103:フレキシブル基板
104:整合回路
105:無線回路
106:制御回路
107:共振周波数調整回路
108〜110:導体パターン(アンテナパターン)
111、112:フィルタ
113、114:共振回路
115、116、118、119:コイル
117、120:コンデンサ
121:スイッチ
122、123:終端インピーダンス調整回路
124、125:ダイオード
126:終端インピーダンス調整用共振回路
127、128:スイッチ
102:基板
103:フレキシブル基板
104:整合回路
105:無線回路
106:制御回路
107:共振周波数調整回路
108〜110:導体パターン(アンテナパターン)
111、112:フィルタ
113、114:共振回路
115、116、118、119:コイル
117、120:コンデンサ
121:スイッチ
122、123:終端インピーダンス調整回路
124、125:ダイオード
126:終端インピーダンス調整用共振回路
127、128:スイッチ
Claims (20)
- 複数の周波数帯で無線通信を行う無線装置であって、
N個(Nは2以上の整数)の導体パターンと、前記N個の導体パターンのうちの少なくとも1つを用いて構成されるアンテナのアンテナ長を前記導体パターンを流れる信号の周波数に応じたアンテナ長に制御する共振周波数調整回路とを有するアンテナ装置を備える無線装置。 - 給電端から見て最も遠い導体パターンの先端がグランドに接続されている、請求項1に記載の無線装置。
- 前記アンテナ装置がインピーダンス素子を有し、前記給電端から見て最も遠い導体パターンの先端が前記インピーダンス素子を介してグランドに接続される、請求項2に記載の無線装置。
- 前記アンテナ装置が、前記インピーダンス素子を複数有し、前記給電端から見て最も遠い導体パターンの先端が、スイッチを介して、前記複数のインピーダンス素子のうちの何れかを介してグランドに接続される、請求項3に記載の無線装置。
- 受信信号レベルを測定し、該測定した受信信号レベルに基づいて、前記複数のインピーダンス素子の中から、前記給電端から見て最も遠い導体パターンの先端に接続するインピーダンス素子を選択する制御部を更に有する、請求項4に記載の無線装置。
- 前記インピーダンス素子が、コイルとコンデンサとを組み合わせた終端インピーダンス調整用の共振回路である、請求項3に記載の無線装置。
- 前記共振周波数調整回路は、それぞれが、隣接する2つの導体パターンに接続され、所定の遮断周波数よりも高い周波数の信号を遮断するN−1個のフィルタ回路を含む、請求項1乃至6の何れか一に記載の無線装置。
- 前記N−1個のフィルタ回路を給電端に近い側から順に第1〜第N−1のフィルタ回路とし、前記複数の周波数帯の周波数をF1〜FN(F1<F2<・・・<FN)とし、前記第1〜第N−1のフィルタ回路の遮断周波数をf1〜fN−1としたとき、
F1<fN−1<F2<fN−2<F3<・・・<FN−1<f1<FN
を満たす、請求項7に記載の無線装置。 - 前記共振周波数調整回路は、それぞれが、隣接する2つの導体パターンに接続され、所定の周波数よりも低い周波数の信号に対してはショートとなり、所定周波数以上の周波数の信号に対してはオープンとなるN−1個の共振回路を含む、請求項1乃至6の何れか一に記載の無線装置。
- 前記N−1個の共振回路を給電端に近い側から順に第1〜第N−1の共振回路とし、前記複数の周波数帯の周波数をF1〜FN(F1<F2<・・・<FN)としたとき、i番目(i:1〜N−1)の共振回路は、F(N−i)以下の周波数の信号に対してショートとなり、F(N+1−i)以上の周波数の信号に対してオープンとなる、請求項9に記載の無線装置。
- 複数の周波数帯で無線通信を行う無線装置に用いられるアンテナ装置であって、
N個(Nは2以上の整数)の導体パターンと、
前記N個の導体パターンのうちの少なくとも1つを用いて構成されるアンテナのアンテナ長を、前記導体パターンを流れる信号の周波数に応じたアンテナ長に制御する共振周波数調整回路とを備えるアンテナ装置。 - 複数の周波数帯で無線通信を行う無線装置であって、
N個(Nは2以上の整数)の導体パターンと、前記N個の導体パターンのうちの少なくとも1つを用いて構成されるアンテナのアンテナ長を、通信に用いる周波数帯に応じたアンテナ長に制御する共振周波数調整回路とを有し、前記N個の導体パターンのうちの給電端から見て最も遠い導体パターンの先端がグランドに接続されているアンテナ装置を備える無線装置。 - 前記アンテナ装置がインピーダンス素子を有し、前記給電端から見て最も遠い導体パターンの先端が前記インピーダンス素子を介してグランドに接続される、請求項12に記載の無線装置。
- 前記アンテナ装置が、前記インピーダンス素子を複数有し、前記給電端から見て最も遠い導体パターンの先端が、スイッチを介して、前記複数のインピーダンス素子のうちの何れかを介してグランドに接続される、請求項13に記載の無線装置。
- 受信信号レベルを測定し、該測定した受信信号レベルに基づいて、前記複数のインピーダンス素子の中から、前記給電端から見て最も遠い導体パターンの先端に接続するインピーダンス素子を選択する制御部を更に有する、請求項14に記載の無線装置。
- 前記インピーダンス素子が、コイルとコンデンサとを組み合わせた終端インピーダンス調整用の共振回路である、請求項13に記載の無線装置。
- 前記共振周波数調整回路は、それぞれが、隣接する2つの導体パターンに接続され、外部からの制御信号に基づいて、前記隣接する2つの導体パターン間の接続/切断を制御するN−1個のスイッチを含む、請求項12乃至16の何れか一に記載の無線装置。
- 前記共振周波数調整回路は、それぞれが、隣接する2つの導体パターンに接続され、所定の遮断周波数よりも高い周波数の信号を遮断するN−1個のフィルタ回路を含む、請求項12乃至16の何れか一に記載の無線装置。
- 前記共振周波数調整回路は、それぞれが、隣接する2つの導体パターンに接続され、所定の周波数よりも低い周波数の信号に対してはショートとなり、所定周波数以上の周波数の信号に対してはオープンとなるN−1個の共振回路を含む、請求項12乃至16の何れか一に記載の無線装置。
- 複数の周波数帯で無線通信を行う無線装置に用いられるアンテナ装置であって、
N個(Nは2以上の整数)の導体パターンと、
前記N個の導体パターンのうちの少なくとも1つを用いて構成されるアンテナのアンテナ長を、通信に用いる周波数帯に応じたアンテナ長に制御する共振周波数調整回路とを備え、
前記N個の導体パターンのうちの給電端から見て最も遠い導体パターンの先端がグランドに接続されているアンテナ装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008295669A JP2010124210A (ja) | 2008-11-19 | 2008-11-19 | アンテナ装置、及び、無線装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2014128811A1 (ja) * | 2013-02-21 | 2014-08-28 | パナソニック株式会社 | 電子機器 |
JP2014230260A (ja) * | 2013-05-27 | 2014-12-08 | 富士通コンポーネント株式会社 | アンテナ装置 |
JP2020511909A (ja) * | 2017-03-16 | 2020-04-16 | シャレット、キースCHARETTE, Keith | 小型化無線ルータ |
-
2008
- 2008-11-19 JP JP2008295669A patent/JP2010124210A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2014128811A1 (ja) * | 2013-02-21 | 2014-08-28 | パナソニック株式会社 | 電子機器 |
JPWO2014128811A1 (ja) * | 2013-02-21 | 2017-02-02 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 電子機器 |
JP2014230260A (ja) * | 2013-05-27 | 2014-12-08 | 富士通コンポーネント株式会社 | アンテナ装置 |
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