JP2010117690A - テラヘルツ波発生装置及び発生方法 - Google Patents

テラヘルツ波発生装置及び発生方法 Download PDF

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恭介 齊藤
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Abstract

【課題】光非線形性結晶を用いた差周波混合過程において、テラヘルツ波の閉じ込めが可能な導波路構造を備え、高効率でコヒーレントなテラヘルツ波発生装置及び発生方法を提供する。
【解決手段】ポンプ光2Aを発生するポンプ光源2と、信号光3Aを発生する信号光源3と、ポンプ光2と信号光3を同じ光路上で合成するための入射光学部5と、入射光学部5で合波されたポンプ光2D及び信号光3Dが入射されるテラヘルツ波発生用結晶7と、を備え、テラヘルツ波発生用結晶7は、スラブ型の導波路又はリブ型の導波路構造を有しており、合波されたポンプ光2D及び信号光3Dが導波路の光軸方向に入射され、導波路7におけるポンプ光2と信号光3との差周波数混合によって導波路7の光軸上にテラヘルツ波8を発生する。
【選択図】図1

Description

本発明は、テラヘルツ波発生装置及び発生方法に関する。
テラヘルツ波(THz波とも呼ぶ)は電波と光の中間に存在する電磁波であり、周波数としては0.1THz〜10THz、波長にして3mmから30μmの程度の帯域に相当する。狭線幅のTHz波を発生する方法として、バルクの半導体及び絶縁体からなる非線形な光学結晶(光非線形性結晶と呼ぶ)のフォノンポラリトン励起が挙げられ、半導体のGaPや強誘電体のLiNbOなどを用いた高効率で広帯域なTHz光源の開発が行われている。これらのTHz光源を用いて生体分子のTHz分光やTHzイメージングへの応用が進展している。
例えば、非特許文献1には、バルクの光非線形性結晶を用いた狭線幅のコヒーレントなTHz光源が報告されている。
図22は、バルクの光非線形性結晶100に対する入射光と発生するTHz波との関係を模式的に説明する図である。
図22に示すように、例えばGaPからなるバルクの光非線形性結晶100には、励起光102となるポンプ光103と信号光104とが入射され、光非線形性結晶100からTHz波106を発生させている。発生するTHz波106の周波数は、ポンプ光103と信号光104との差の周波数である。THz波106を発生させる位相整合条件としては、2つの励起光102,104の間に適切な角度をつける所謂ノンコリニア位相整合が採用されている。このようなバルクの光非線形性結晶100を用いたTHz波発生装置においては、THz波106の伝搬方向は、励起光102,104の伝搬方向と10度以上ずれており、励起光102,104との重なりが小さくなり変換効率が低かった。
バルクの光非線形性結晶100を用いてTHz波106を発生する場合、高効率化のために励起光102,104のビーム径を小さくする方法がある。しかしながら、ビーム径がTHz波106の波長と同程度となるとTHz波106自身の回折効果に基づくビーム広がりのために励起光102,104とTHz波106との間の強度分布の重なりが小さくなる。このため、非線形光学相互作用が減少し、THz波106の変換効率の向上は見込めない。
特許文献1には、バルクの光非線形性結晶を用いないで、光非線形性結晶を矩形導波路構造としたTHz波光源が開示されている。
図23は、特許文献1に開示された矩形導波路構造を有しているTHz波光源110の斜視図である。図23に示すように、光非線形性結晶112は、光軸方向の断面は一辺がaの長さの正方形であり、光軸方向の長さはLの矩形導波路構造を有している。励起光となるポンプ光102と信号光104とは、光軸方向の断面に垂直入射し、出射するTHz波108も同じ光軸上にある。励起光102,104及びTHz波106は何れも光軸方向を向いている、所謂コリニアの位相整合が行われている。つまり、ポンプ光102と信号光104とを入射させる入射光学系及び光非線形性結晶112が、ほぼ同一の光路で相互作用してTHz波106が取り出されるように配置されている。
特開2006−91802号公報 T. Tanabe 他4名, "Frequency -tunable high-power teraherz wave generation from GaP", J. Appl. Phys., Vol.93, pp.4610-4615, 2003 J. Nishizawa 他5名,"THz generation from GaP rod-type waveguides", IEEE Photon. Technol. Lett., Vol.19, No.3, pp.143-145, 2007
特許文献1に記載の光非線形性結晶112を矩形導波路構造としたTHz波光源110によれば、矩形導波路の断面寸法aを300μm以下とし、コリニアな光学配置とすることで、矩形導波路内のTHz波閉じ込めが可能となった。これによって、従来のバルクの光非線形性結晶100を用いたTHz波光源よりも高い効率でTHz波を発生することができるようになった。
しかしながら、光非線形性結晶112からなる矩形導波路構造は、その断面寸法aを300μm以下とし、光軸方向を1〜10mm程度するための製作が容易ではなく、集積化が困難である。このため、製作が容易で、変換効率が大きく、さらに集積化し易いTHz波光源が望まれている。
本発明の一目的は、上記課題に鑑み、光非線形性結晶を用いた差周波混の混合過程において、テラヘルツ波の閉じ込めが可能な導波路構造を備え、高効率でコヒーレントなテラヘルツ波発生装置を提供することである。
本発明の第2の目的は、テラヘルツ波を発生する方法を提供することである。
上記第1の目的を達成するため、本発明のテラヘルツ波発生装置は、ポンプ光を発生するポンプ光源と、信号光を発生する信号光源と、ポンプ光と信号光とを同じ光路上で合成するための入射光学部と、入射光学部で合波されたポンプ光及び信号光が入射されるテラヘルツ波発生用結晶と、を備え、テラヘルツ波発生用結晶は、スラブ型の導波路又はリブ型の導波路構造を有しており、合波されたポンプ光及び信号光が導波路の光軸方向に入射され、導波路におけるポンプ光と信号光との差周波数混合によって導波路の光軸上にテラヘルツ波を発生する。
上記構成において、好ましくは、テラヘルツ波発生用結晶がGaPからなり、スラブ型導波路の厚さは、TEモード及びTMモードの基本モードとなるように設定されている。
スラブ型導波路の光軸方向は、好ましくは、[110]方向に平行であり、スラブ型導波路に入射されるポンプ光及び信号光の直線偏光は、[−111]方向に平行である。
スラブ型導波路の光軸方向は、好ましくは、[110]方向に平行であり、スラブ型導波路に入射されるポンプ光及び信号光の直線偏光は、[1−11]方向に平行である。
上記構成において、好ましくは、テラヘルツ波発生用結晶がGaPからなり、リブ型導波路の光軸方向が、[110]方向に平行であり、ポンプ光の直線偏光は、[001]方向に平行であり、信号光の直線偏光は、[−110]方向に平行である。
リブ型導波路は、好ましくは、光軸方向の断面が溝部とリブ部からなる凸形状を有しており、リブ部の幅は200μmから1mmであり、リブ部の高さは100μmよりも大きい。
上記構成において、スラブ型又はリブ型の導波路は、好ましくは、光軸方向の長さが、1mmから10mmである。
信号光源が、好ましくは、ヤグレーザであり、ポンプ光源がヤグレーザの第3次高調波で励起される光パラメトリック発振器である。
入射光学部は、好ましくは、1/2波長板と偏光ビームスプリッタを備えている。
上記第2の目的を達成するため、本発明のテラヘルツ波発生方法は、ポンプ光源からポンプ光となるレーザ光を発生し、信号光源から信号光となるレーザ光を発生し、ポンプ光と該信号光とを同じ光路となるように合波し、合波したポンプ光及び信号光を、スラブ型の導波路又はリブ型の導波路構造を有しているテラヘルツ波発生用結晶の光軸方向に入射し、導波路におけるポンプ光と信号光との差周波数混合によって、導波路の光軸上にテラヘルツ波を発生することを特徴とする。
上記構成において、スラブ型導波路を、好ましくはGaPで形成し、スラブ型導波路の厚さを、スラブ型導波路のTEモード及びTMモードの基本モードとなるように設定する。
スラブ型導波路の光軸方向を、[110]方向に平行とし、スラブ型導波路に入射される前記ポンプ光及び信号光を、[1−11]方向に平行な直線偏光とし、スラブ型導波路の光軸方向の長さを変えることによって、楕円偏光又は円偏光を有するテラヘルツ波を発生することができる。
スラブ型導波路の光軸方向を、好ましくは、[110]に平行とし、スラブ型導波路に入射される前記ポンプ光及び信号光を、[−111]方向に平行な直線偏光とし、右回りの楕円偏光又は円偏光を有するテラヘルツ波を発生することができる。
前記スラブ型導波路の光軸方向を、好ましくは、[110]方向に平行とし、スラブ型導波路に入射されるポンプ光及び信号光を、[1−11]方向に平行な直線偏光とし、左回りの楕円偏光又は円偏光を有するテラヘルツ波を発生することができる。
上記構成において、リブ型導波路をGaPで形成し、リブ型導波路の光軸方向を[110]方向に平行とし、ポンプ光の直線偏光を[001]方向に平行とし、信号光の直線偏光を[−110]方向に平行としてもよい。
ポンプ光及び信号光の偏光を、1/2波長板と偏光ビームスプリッタとによって調整してもよい。
テラヘルツ波発生用結晶へ入射されるポンプ光及び信号光のビーム面積を変えることによって前記テラヘルツ波の出力を調整してもよい。
本発明のテラヘルツ波発生装置によれば、テラヘルツ波発生用結晶がスラブ型又はリブ型の導波路構造を有しており、コリニアな光学配置によって位相整合されたテラヘルツ波を効率良く発生させることができ、高出力のテラヘルツ波の発生が可能となる。
本発明のテラヘルツ波発生方法によれば、ポンプ光及び信号光のスラブ型の導波路又はリブ型の導波路構造への入射方法によってコリニアな光学配置とし、位相整合されたテラヘルツ波を効率良く発生させることができる。スラブ型の導波路構造を用いた場合には、外部素子を用いないで左回り又は右回りの楕円偏光のテラヘルツ波を発生させることができる。さらに、リブ型の導波路構造を用いた場合には、その厚さ及び幅方向の2次元のテラヘルツ波の閉じ込めによって回折効果を低減することができる。さらに、励起光となるポンプ光及び信号光のビーム径を調整することで変換効率の向上を図ることができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。各図において同一又は対応する部材には同一符号を用いる。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明のテラヘルツ波発生装置1の構成を模式的に示す図である。
テラヘルツ波発生装置1は、ポンプ光源2と、信号光源3と、ポンプ光源2及び信号光源3をコリニアなビームに合成するための入射光学部5と、入射光学部5から出射光6が入射される光非線形性結晶を用いたTHz波発生部7と、から構成されている。光非線形性結晶7はテラヘルツ波発生用結晶とも呼ばれており、例えばGaPからなり、スラブ型導波路やリブ型導波路の構造を有している。最初に、光非線形性結晶7が、スラブ型導波路である場合について説明する。
ポンプ光源2はレーザ光源である。ポンプ光源2は例えば、波長が1064nmのヤグレーザ(Nd:YAGレーザ)を図示しない第3次高調波発生器に入射し、発生した波長355nmで励起される光パラメトリック発振器(OPO)2からのレーザ光2A(以下、ポンプ光と呼ぶ)を用いることができる。この場合、ポンプ光2Aの波長は1059nmから1063nmの間で調整が可能である。
信号光源3はレーザ光源であり、波長が1064nmのレーザ光3A(以下、信号光と呼ぶ)を発生させるNd:YAGレーザを使用することができる。ポンプ光源3と信号光源3とから発生されるレーザ光の周波数差は、THz波発生部7から発生するTHz波8の周波数となるように選定される。
入射光学部5は、ポンプ光2Aが入射する第1の1/2波長板11と、第1の1/2波長板11からの光が入射される第1の偏光ビームスプリッタ12と、信号光3Aが入射する第2の1/2波長板13と、第2の1/2波長板13からの光が入射される第2の偏光ビームスプリッタ14と、第1の偏光ビームスプリッタ12を透過したポンプ光2Aが入射されると共に、第2の偏光ビームスプリッタ14を透過した信号光3Aが第1の鏡16を介して入射される無偏光ビームスプリッタ17と、無偏光ビームスプリッタ17とTHz波発生部7との間に配設される第3の1/2波長板18と第2の鏡19と、から構成されている。
ポンプ光2Aは、第1の1/2波長板11によって偏光面が直交する2つのレーザ光に分離され、第1の偏光ビームスプリッタ12によって偏光方向が分離され、透過光が無偏光ビームスプリッタ17で反射され、さらに、第3の1/2波長板18と第2の鏡19とを順に通過してTHz波発生部7へ入射する。第1の1/2波長板11を回転させることによって、ポンプ光源2から無偏光ビームスプリッタ17へ入射されるポンプ光2Bを任意の強度割合に調整することができる。
信号光3Aは、第2の1/2波長板13によって偏光面が直交する2つのレーザ光に分離され、偏光面が直交する2つのレーザ光は、第2の偏光ビームスプリッタ14によって偏光方向が分離され、第1の鏡16で反射され、無偏光ビームスプリッタ17を透過し、さらに、第3の1/2波長板18と第2の鏡19とを順に通過してTHz波発生部7へ入射する。第2の1/2波長板13を回転させることによって、信号光3Aから無偏光ビームスプリッタ17へ入射される信号光3Bを任意の強度割合に調整することができる。
無偏光ビームスプリッタ17を透過したポンプ光2C及び信号光3Cは、さらに、第3の1/2波長板18を回転させることによって偏光面を回転することができる。
ここで、第1,第2の偏光ビームスプリッタ12,14及び無偏光ビームスプリッタ17は、所謂キュービックポラライザを用いることができる。
図1に示すように、入射光学部5から光非線形性結晶7に入射するポンプ光2D及び信号光3Dからなる出射光6は同一の光路上にある。出射光6は光非線形性結晶7の励起光である。後述するように、光非線形性結晶7内でポンプ光2D、信号光3D及びTHz波8が、コリニアすなわちほぼ同一の光路で相互作用してTHz波8が取り出されるように入射光学部5及び光非線形性結晶7が配置されている。
図2は、スラブ型導波路構造を有している光非線形性結晶7に入射するポンプ光2D、信号光3D及び発生するTHz波8において、(A)が光路の配置関係を示す図であり、(B)が偏光を示す図である。
図2(A)に示すように、スラブ型導波路を有している光非線形性結晶7は、薄板形状であり、[001]方向に垂直な四角の面を有しており、光軸方向の長さがLである。光軸方向の断面は[−110]方向に平行であり、長方形の面である。この面の厚さがtで、幅がwである。ポンプ光2D及び信号光3Dの偏光は、共に光非線形性結晶7の[−111]方向に平行な直線偏光である。ポンプ光2D、信号光3D及び発生するTHz波8の光軸方向は、[110]方向に平行となっている。
なお、結晶の中のある方向を与える方向指数は〔hkl〕、等価な方向を示す方向指数は<hkl>、面指数は(hkl)と記載するのが通常である。ある面が結晶軸と原点に関し負の側で交わるとき、その指数は負号を指数の上につけるが、本明細書(特許請求の範囲を含む)においては便宜上その指数の前に負号の「−」を付けた。方位を表記する場合も同様である。
励起光となるポンプ光2D及び信号光3Dがスラブ型導波路構造を有している光非線形性結晶7に入射すると、光非線形性結晶7内で発生するTHz波8Aの偏光状態は励起光2D,3Dと同様に[−111]方向に平行な直線偏光である。
図2(B)で示すように、光非線形性結晶7内で発生したTHz波8Aは、光非線形性結晶7がスラブ型導波路構造を有しているので、TEモード8CとTMモード8Dとなって、光非線形性結晶7内を伝播する。TEモード8CとTMモード8Dとの間の位相差は、光非線形性結晶7の長さLに対応するスラブ型導波路の伝播長さに応じて増加する。これにより、光非線形性結晶7から出射されるTHz波8は円又は楕円偏光状態となる。
ここで、TEモード8Cは、光軸の進行方向に磁界成分を持ち、電界成分を持たない波である。一方、TMモード8Dは、光軸の進行方向に電界成分を持ち、磁界成分を持たない波である。
ポンプ光2D、信号光3Dが光非線形性結晶7に入射し、ポンプ光2Dと信号光3Dとの差周波数混合で発生したTHz波8は、テラヘルツ波発生装置1の外部又は内部に配置したTHz波検知部20で検出することができる。図1には、THz波発生部7から発生したTHz波8を検出するTHz波検知部20も併せて示している。このTHz波検知部20は、一例としてTHz波8を集光するレンズ21とボロメータ等のTHz波検知器22とから構成することができる。ここで、THz波8とTHz波検知部20との間の光路上に、ポンプ光2C及び信号光3Dを除去するためのGeフィルタ等のフィルタを設けてもよい。
テラヘルツ波発生装置1によれば、ポンプ光2A及び信号光3Aをコリニアなビームに合成して、光非線形性結晶7に入射させ、光非線形性結晶7内でポンプ光2D、信号光3D及びTHz波をほぼ同一の光路で相互作用をさせ、さらに、位相整合を行うことで、効率よく高出力のTHz波8が取り出される。
スラブ型導波路の位相整合条件:
次に、光非線形性結晶7がスラブ型導波路の構造を有している場合のTHz波発生における位相整合条件について、さらに詳細に説明する。
図3はスラブ型導波路7中の伝播モードのモード分散関係の計算結果を示す図である。図3の横軸はTHz波8の周波数(THz)であり、縦軸はスラブ型導波路7を伝播するTHz波8C,8Dの実効屈折率である。
図3の実線で示すモード分散曲線は、それぞれTEモード8CとTMモード8Dであり、点線は位相整合に必要なTHz波8の実効屈折率(nTHz)を示している。この場合、位相整合条件は、モード分散曲線と実効屈折率との交点の周波数で満足される。スラブ型導波路7の厚さは、TEモード及びTMモードの基本モードとなるように設定すればよい。ここで、光非線形性結晶7の光軸方向の幅は、スラブ型導波路7に必要な長さとすればよく、THz波の波長程度が必要であり、矩形導波路とならないようにしておけばよい。具体的には、光非線形性結晶7をスラブ型導波路に製作する際の容易さや取り扱いが容易な寸法とすればよい。
図4は、スラブ型導波路7中の伝播モードのモード分散関係と共にTE波とTM波の実効屈折率の差Δn(Δn=neff,TE−neff,TM)を示す図である。図4の横軸はポンプ光2Aと信号光3Aとの差周波数(THz)であり、左縦軸はスラブ型導波路7を伝播するTHz波の実効屈折率であり、右縦軸はTE波とTM波の実効屈折率の差Δn(Δn=neff,TE−neff,TM)である。
図4から明らかなように、差周波数が1.4THz程度まではTE波とTM波の実効屈折率の差Δnが正であり、TMモードの位相速度VTMはTEモードの位相速度VTEよりも大きい(VTM>VTE)ことが分かる。
発生するTHz波の偏光について:
次に、スラブ型導波路7のTEモード8CとTMモード8Dとの間の位相差の違いによって発生する楕円偏光について説明する。
図5は、スラブ型導波路7の長さLと、TEモード8CとTMモード8Dとの間の位相差との関係を示す図であり、図6は、励起光6とスラブ型導波路7内のTEモード8C及びTMモード8Dとの関係を模式的に示す図である。図5の横軸はスラブ型導波路7の長さL(mm)であり、縦軸はスラブ型導波路7を伝播するTEモード8CとTMモード8Dとの間の位相差(ラジアン)である。
図5から明らかなように、TEモード8CとTMモード8Dとの間の位相差(Φ)は、スラブ型導波路7の長さLと共に増大し、位相差(Φ)はLが5mm,10mm,15mm、20mmでそれぞれ1/4πラジアン,1/2πラジアン,3/4πラジアン,πラジアンとなる。この場合、光非線形性結晶7で発生したTHz波8において、TMモード8Dの位相速度VTMはTEモード8Cの位相速度VTEよりも大きい(VTM>VTE)ので、右回りの楕円又は円偏光となる。さらに、スラブ型導波路7の長さLを増大させると、位相差(Φ)はπラジアン以上となるので、光非線形性結晶7で発生したTHz波8は、左回りの楕円又は円偏光となる。
光非線形性結晶7で発生するTHz波8の左回りの楕円又は円偏光は、光非線形性結晶7へのポンプ光2D及び信号光3Dの偏光方向を[1−11]方向に平行な直線偏光とすることでも発生させることができる。
図7は、差周波数1THzにおける、スラブ型導波路7の長さLと、TEモード8CとTMモード8Dとの間の位相差との関係を示す図であり、図8は、励起光6とスラブ型導波路7内のTEモード8C及びTMモード8Dとの関係を模式的に示す図である。図7の横軸及び縦軸は図5と同じであるので、説明は省略する。
図7から明らかなように、ポンプ光2D及び信号光3Dの偏光方向を[1−11]方向に平行な直線偏光とすることで、スラブ型導波路7の長さLと共に増大し、位相差(Φ)はLが5mm,10mm,15mm、20mmでそれぞれ5/4πラジアン,3/2πラジアン,7/4πラジアン,2πラジアンとなり、光非線形性結晶7で発生したTHz波8は、左回りの楕円又は円偏光となる。
以上説明したように、スラブ型導波路構造を有している光非線形結晶7から発生するTHz波8の偏光状態は、水晶波長板又はプリズム等の外部素子を使用しないで楕円偏光又は円偏光とすることができる。従来のテラヘルツ波発生装置からのTHz波の偏光は、励起光及び光非線形性結晶の誘電テンソルで決定され、主として直線偏光となる。このため、直線偏光を円偏光とするために外部素子を用いていた。外部素子は、THz波に対する反射及び吸収による電力損失が大きく、THz帯の分光に適用する際には、信号対雑音比(S/N比と呼ぶ)低下の原因となっていた。これに対して、本発明のテラヘルツ波発生装置1によれば、S/N比の良好な楕円偏光又は円偏光のTHz波8を発生することができる。
これにより、スラブ型導波路7を有しているテラヘルツ波発生装置1は、偏光依存導波路モードが発現し、互いに直交する偏光成分であるTEモード及びTMモードは異なる伝搬速度を有している。TEモード及びTMモードの位相差による合成波、つまり光非線形性結晶7から出射するTHz波8の偏光状態を、直線偏光から楕円偏光又は円偏光に変換することができる。適切なTHz周波数及び導波路寸法とすることにより、楕円偏光及び円偏光の様々な偏光状態の制御が可能となる。
(スラブ型導波路によるTHz波発生例)
スラブ型導波路7によるTHz波発生例について説明する。
(001)面を有しているGaP基板7を両面研磨し、厚さを290μmとした。このGaP基板7を[110]及び[−110]方向に劈開して、光軸方向の長さ(L)が5mm,10mm,15mmのスラブ型導波路7を製作した。
信号光源3は波長が1064nmのレーザ光を発生させるQ−スイッチNd:YAGレーザを使用した。Nd:YAGレーザ3の出力は約5.4kWとした。ポンプ光源2としては、β−BaB(BBO)を用いた光パラメトリック発振器を用いた。光パラメトリック発振器2の励起光の波長は、信号光源3の第3次高調波を用いた。このポンプ光2Aの波長は0.3THzと1.6THzの周波数の差に相当する1058〜1063nm領域に調整し、パルス出力は約10kWである。ポンプ光2D及び信号光3Dは、スラブ型導波路7の入力表面上に例えば300μmの直径となるように焦点を合わせた。
THz波8の発生は同一線上の位相整合条件で行なった。発生したTHz波8はポリエチレンからなるレンズ21で集光し、液体ヘリウムで冷却したSiボロメータ22で検出した。
図9は、光軸方向の長さ(L)が10mmのスラブ型導波路7を用いたテラヘルツ波発生装置1からのTHz波出力特性を示す図である。図の横軸は励起光6の周波数差(THz)であり、縦軸はピーク出力電力(任意目盛り)であり、各励起光6の周波数差におけるTHz波8の出力、TEモード出力及びTMモード出力を示している。THz波8の出力からTEモード出力及びTMモード出力を分離するために、THz波8と検知部20との間にはワイヤグリッド型偏光子を挿入した。
図9から明らかなように、テラヘルツ波発生装置1から0.7〜1.5THzの出力が得られ、1THz前後の周波数において最も出力が大きいことが分かる。この出力が大きい周波数は、図3で示したコリニア配置における位相整合周波数と良く一致していることが分かる。
図10は、スラブ型導波路7を用いたテラヘルツ波発生装置1からの1THzにおけるTHz波8の偏光特性を示す図である。図10は、極座標図であり、光軸の垂直面の各角度のTHz波強度を示している。図2に示す[001]方向が90度であり、励起光6の偏光方向は[−111]方向である。
図10から明らかなように、テラヘルツ波発生装置1から発生するTHz波8の偏光特性は、右回りの楕円偏光特性を示すことが分かった。光軸方向の長さ(L)を5mm(四角印),10mm(丸印),15mm(三角印)と増大するにつれて、より顕著な楕円偏光となる。
図11は、スラブ型導波路7を用いたテラヘルツ波発生装置1からの1THzにおけるTHz波8の右回りと左回りの偏光特性を示す図である。図11は、図10と同じ極座標図である。光非線形性結晶の軸方向の長さ(L)は10mmである。
図11から明らかなように、発生するTHz波8の楕円偏光の回転方向は、励起光6の偏光方向を[−111]方向に平行な直線偏光から[1−11]方向に平行な直線偏光とすることで、右回り(四角印参照)から左回り(丸印参照)にすることができる。
(比較例)
GaPからなるスラブ型導波路7をバルクのGaPに代え、ノンコリニアの位相整合でTHz波を発生させた。
図12は、比較例のバルクのGaPからなるテラヘルツ波発生装置から発生させた1THz波の偏光特性を示す図である。図12は、図10と同じ極座標図であり、光非線形性結晶であるGaPの軸方向の長さ(L)は、5mm(四角印),10mm(丸印),15mm(三角印)である。
図12から明らかなように、バルクのGaPからなるテラヘルツ波発生装置から発生するTHz波の偏光特性は、光軸方向の長さ(L)を5mm,10mm,15mmと変化させても、何れも直線偏光であることが分かる。
(第2の実施形態)
次に、光非線形性結晶7がリブ型導波の構造を有しているテラヘルツ波発生装置30について説明する。
図13は、第2の実施形態に係るテラヘルツ波発生装置30の構成を模式的に示す図であり、図14は、リブ型導波路構造を有している光非線形性結晶37に入射するポンプ光2F、信号光3D及び発生するTHz波8の配置関係を示す図である。
テラヘルツ波発生装置30が、図1に示したテラヘルツ波発生装置1と異なるのは、スラブ型導波路構造の光非線形性結晶7をリブ型導波路構造とした点と、入射光学部5の無偏光ビームスプリッタ17を偏光ビームスプリッタ32とした点にある。この偏光ビームスプリッタ32は、第1及び第2の偏光ビームスプリッタ12,14と区別するために第3の偏光ビームスプリッタと呼ぶ。他の構成は、テラヘルツ波発生装置1と同じであるので、説明は省略する。なお、リブ型導波路37はリッジ型導波路と呼ばれることもある。
入射光学部5の第3の偏光ビームスプリッタ32によって、光非線形性結晶37へ入射されるポンプ光2F及び信号光3Dからなる励起光36が、互いに直交する直線偏光したレーザ光とされる。
図14に示すように、リブ型導波路を有している光非線形性結晶37は、その表面37Aに一対の平行な細長い溝37B,37Bが形成されており、これらの溝37B,37Bによってリブ部37Cが形成されている。光非線形性結晶37としては、GaPを用いることができる。
図14に示すように、リブ型導波路37の光軸は[110]方向であり、光軸の垂直方向は[001]方向である。リブ型導波路37は、例えば300μm〜350μmの厚みに両面研磨した(001)面を有しているGaP基板を[110]及び[−110]方向に劈開し、このGaP基板をフォトリソグラフィとプラズマエッチングとの工程を用いて製作することができる。
GaPからなるリブ型導波路37中にTEモードのTHz波8を発生させるために、ポンプ光2Fの直線偏光はリブ型導波路37の[001]方向に平行に設定し、信号光3Dの直線偏光はリブ型導波路37の[−110]方向に平行に設定する。つまり、図14に示すように、リブ型導波路37に入射するポンプ光2F及び信号光3Dは、互いに直交する偏光状態となっている。
リブ幅Wが1mm,500μm,300μm及び200μmのリブ型導波路37を設計した。リブ型導波路37内のTHz波8二次元閉じ込めを実現するために100μmより高いリブが必要である。
リブ型導波路の位相整合条件:
次に、リブ型導波路37の位相整合条件について説明する。
リブ型導波路37の位相整合条件は下記(1)式で示される。
ここで、n(i=p,s,又はeff,THz)は、それぞれリブ型導波路37を伝播するポンプ光、信号光及びリブ型導波路37を伝播するTHz波の実効屈折率に相当し、λ(i=p,s,又はTHz)はそれぞれリブ型導波路37内のポンプ光、信号光及びTHz波の管内波長である。
リブ型導波路37のTEモードの基本モードにおける実効屈折率であるneff,THzを解析的に導出することは困難である。そこで、neff,THzを実効屈折率法で評価した。
図15は、リブ型導波路37のTEモードを実効屈折率法で解析するための手法を示す模式図である。図15に示すように、実効屈折率法に基づいてリブ型導波路37をリブ部(コア部とも呼ばれる)領域(I)とクラッド部領域(II)とに分割し、さらに、矢印で示すように3層対称のスラブ型導波路に置換する。
ここで、リブ部領域の幅をWとし、高さをtIとし、クラッド部領域(II)の高さをtIIとする。リブ部領域(I)の実効屈折率をNIとし、クラッド部領域(II)の実効屈折率をNIIとする。
リブ部領域(I)とクラッド部領域(II)で導波路の厚み方向に沿って、THz波の閉じ込めを考慮し、TEモードに対するリブ部領域(I)の実効屈折率NIと、クラッド部領域(II)の実効屈折率NIIを下記(2)式に基づいて計算した。
ここで、tj(j=I又はII)はそれぞれリブ部領域(I)及びクラッド部領域(II)の厚みであり、tI=350μm、tII=150μmであり、nTHzはTHz波の周波数でのバルクGaP材料の屈折率である。この値は、例えば1THzでnTHz=3.34である。Nj(j=I又はII)は、それぞれ、リブ部領域(I)及びクラッド部領域(II)の実効屈折率である。
リブ型導波路37はリブ幅Wの横方向に沿った対称板導波路として扱えるので、TMモードに対するTHz波の実効屈折率neff,THzは、下記(3)式から決定される。
図16は、リブ型導波路37中の伝播モードのモード分散関係の計算結果を示す図である。図16の横軸はTHz波の周波数(THz)であり、縦軸はリブ型導波路37を伝播するTHz波の実効屈折率(neff,THz)である。
図16の実線で示すモード分散曲線は、種々のリブ幅(200μmから1mm)に対するneffTHzの周波数依存性を示している。図14の点線は(1)式から計算された位相整合に必要な屈折率を示している。一定の周波数において、リブ幅を減らすことによって、THz波の横方向封入のために実効屈折率は減少する。この場合、位相整合条件は、モード分散曲線(neffTHz)と位相整合に必要な屈折率との交点の周波数で満足される。
従って、位相整合条件を満足するTHz波の周波数は、リブ幅を狭くするとより高い周波数へ変化することが分かる。例えば、0.8THzで1mm幅の導波路のneffTHz=3.305は200μmの幅に対して3.260に変化する。基礎ピ−クの高周波数側への移行はTHz波のTHz波のモード分散の変化による。
上記の計算から、例えば、リブ幅Wは200μmから1mmとすることができる。リブ高tはリブ型導波路37内のTHz波8の二次元閉じ込めを実現するために100μmより高くする必要である。リブ型導波路37の長さLは1mmから10mm程度であり、代表的な値は5mmである。
ここで、光非線形性結晶37の光軸方向の幅は、TEモードが生じる長さとすればよい。具体的には、光非線形性結晶をリブ型導波路37に製作する際の容易さや取り扱いが容易な寸法とすればよく、リブ幅や上記tI,tIIよりも長くてもよい。
光非線形性結晶37がリブ型導波路の構造を有しているテラヘルツ波発生装置30によれば、リブ型導波路37における厚さ及び幅方向の2次元方向のTHz波の閉じ込めにより、回折効果を低減し、効率よく高出力のTHz波8を取り出すことができる。このため、励起光36とリブ型導波路37内のTHz波との強度分布の重なりを維持することができ、励起光36のビーム径を減少させても変換効率向上が可能となる。
(リブ型導波路を用いたTHz波発生例)
光非線形性結晶37として、半絶縁性の厚さが350μmのGaPGaP基板を用い、リブ型導波路37をエッチングで形成した。エッチングには、誘導結合型プラズマ(ICP)反応性イオンエッチング(ICP−RIEと呼ぶ)を用いた。またRIE工程のマスクとしては、フォトレジスト(化薬マイクロケム製、XP KMPR−1025)を用いた。フォトレジストは、スピンコータによってGaP基板上に40μmの厚さで被覆し、紫外線露光(i線)を用いてパタ−ン化した。ICP−RIEの反応ガスとして塩素(Cl)とアルゴン(Ar)の混合ガスを使用し、2μm/分の速いエッチング速度で、リブ高さ(tI)が200μmのリブ型導波路37を作製した。リブ型導波路37を加工した試料は[110]結晶方向に沿って10mm×10mmの正方形に劈開した。
なお、リブ型導波路37以外のポンプ光2及び信号光3やTHz波8の検出等は、スラブ型導波路7によるTHz波8の発生例と同一である。
ポンプ光2F及び信号光3Dの偏光はGaPリブ型導波路37中にTEモードのTHz波8を発生させるためにリブ型導波路37の[001]及び[−110]結晶方向に平行に設定された。
図17は、種々のリブ幅WのGaPからなるリブ型導波路37を有しているテラヘルツ波発生装置30から発生するTHz波8の出力特性を示す図である。図17の横軸は発生したTHz波8の周波数(THz)であり、縦軸はピーク出力電力(mW)である。リブ幅は、1mm,500μm,300μm及び200μmと変化させている。
図17から明らかなように、リブ幅が1mmのリブ型導波路37の出力ピーク周波数は、約0.75及び1.17THzであった。0.75THzの出力は、リブ型導波路37の最低次伝播モード(基本モードとも呼ぶ)から発生し、1.17THzの出力は高次モードによる。
ここで、基本波モードの0.75THzの出力は、高次モードの1.17THzの出力より大きかった。これはリブ型導波路37中で、ガウシャンビームを有している入力赤外光とTHz波8の基本モードとの間に強い干渉があることを示す。リブ幅を1mmから200μmへ狭くするほど発生するTHz波8の基本モードの周波数が高くなっていく。リブ幅が200μmのリブ型導波路37中の基本モードの周波数は約1.32THzに移行し、その出力は1mm幅のリブ型導波路37からのものよりも3倍大きいことが分かる。
図18は、リブ幅Wと発生するTHz波8の基本モード周波数の関係を示す図である。図18の横軸はリブ幅(μm)であり、縦軸は発生したTHz波8の基本モード周波数(THz)である。図16において、黒丸印(●)は実測値であり、実線が図16で示した計算から得た基本モード周波数である。
図18から明らかなように、リブ幅を狭くするほど実測したTHz波8の基本波モードの周波数が高くなり、計算値とよく一致していることが判明した。
THz波8の出力向上は励起光36の入射ビーム面積を減らすことでも達成される。
図19は、励起光36の入射ビーム面積Sの関数として、リブ幅が200μm及び300μmのリブ型導波路37から発生させたTHz波8の出力を示す図である。図19の横軸は入射ビーム面積S(cm)でありであり、縦軸は発生したTHz波8のピーク出力電力(mW)である。図19において、三角印(▲)及び丸印(●)は、それぞれ、リブ幅が200μm及び300μmのデータである。比較のために比較例の10mm長さのバルクGaP結晶から得られるTHz波の出力も示しており、四角(□)及び丸印(○)は、それぞれ、1.1THz及び1.3THzのデータである。ポンプ光2と信号光3のピーク出力は、それぞれ、8.3kW、4.5kWである。
図19から明らかなように、リブ幅が200μmのリブ型導波路37から発生した1.32THzのTHz波8の出力は、S=4.4×10−5cm(ビーム直径が75μm)〜3.14×10−4cm(ビーム直径が200μm)の範囲では、S−0.35に比例した。
リブ幅が300μmのリブ型導波路37から発生した1.10THzのTHz波8の出力は、S=1.22×10−4cm(ビーム直径が125μm)〜7.06×10−4cm(ビーム直径が300μm)の範囲ではS−0.35に比例した。S=4.4×10−5cm(ビーム直径が75μm)〜3.14×10−4cm(ビーム直径が200μm)の範囲では、S−0.12に比例した。リブ幅が200μm及び300μmのリブ型導波路37によって発生するTHz波8の出力は、バルクGaP結晶からのTHz波出力よりも5〜6倍大きく、入力ビームの面積Sが3.8×10−4cmより小さくても増加した。
一方、比較例では、200μm及び300μm幅のリブ型導波路37によって発生するTHz波周波数に対応する周波数である1.32THz及び1.10THzを励起光とし、非同一線上の位相整合条件下で、THz波を発生させた。THz波の出力増加は、励起光の入射ビーム面積Sが3.8×10−4cm(ビーム直径が約200μm)よりも小さい時に飽和し、入射ビーム面積Sを減少させてもTHz波の出力が増大しなかった。
リブ型導波路37からのTHz波出力は、リブ型導波路37内で発生するTHz波を水平方向と垂直方向とに閉じ込めるので、全測定領域にわたって向上した。
上記結果から、リブ型導波路37を用いたテラヘルツ波発生装置30によれば、比較例の場合よりも出力が大きくコヒーレントなTHz波8を発生することができる。これは、リブ型導波路37内のTHz波の閉じ込めによってTHz波自身の回折が減少し、励起光36との広い重複を維持できることに起因する。
図20は、リブ幅が300μm及び200μmのリブ型導波路37から発生させたTHz波8と厚さが160μm及び290μmのスラブ型導波路7との変換効率を示す図である。図20の横軸は発生したTHz波8の周波数(THz)であり、縦軸は発生したTHz波8の変換効率(W−1)である。比較のために、比較例の10mm長さのバルクGaP結晶から得られるTHz波の変換効率も示している。ポンプ光2Aと信号光3Aのピーク出力は、それぞれ、8.3kW、4.5kWである。
図20から明らかなように、幅が200μmのリブ型導波路37で得られる周波数が1.32THzのTHz波8の変換効率は、1.9×10−10(W−1)であり、幅が300μmのリブ型導波で得られる周波数が1.10THzのTHz波8の変換効率は、1.4×10−10(W−1)であり、これは比較例の場合よりも7及び8倍大きい値である。
厚さが160μmのスラブ型導波路7で得られる周波数が1.35THzのTHz波8の変換効率は、約7×10−11−1であり、厚さが290μmのスラブ型導波路7で得られる周波数が0.77THzのTHz波8の変換効率は、約3×10−11−1であり、これは比較例の場合よりも3〜4倍大きい値である。
上記結果から、リブ型導波路37及びスラブ型導波路7から出力されるTHz波8の変換効率は、何れも比較例のバルク結晶からのTHz波出力に比べて大きいことが分かる。特に、リブ型導波路37から出力されるTHz波8の変換効率は、比較例のバルク結晶からのTHz波出力に比べて約1桁増大し、リブ型導波路37中のTHz波の二次元閉じ込めによってTHz波8の変換効率を向上させることが可能となった。
(励起光源の変形例)
ポンプ光2A及び信号光3Aは、半導体レーザを用いることができる。このような半導体レーザはInGaAsP系半導体レーザを用いることができる。InGaAsP系半導体レーザの組成を選ぶことによって、波長900nmから1600nmの範囲の連続波出力を得ることができる。典型的な波長として、ポンプ光源2としては中心波長955nm、信号光源3としては中心波長975nmの半導体レーザを使用する。
図21は、ポンプ光2A及び信号光3Aに用いることができる半導体レーザ40の構成を示す図である。
図21に示すように、半導体レーザ40は、InGaAsP系半導体レーザからなるマスタオシレータ41とパワー増幅器42とから構成されている。マスタオシレータ41の発振波長は、半導体レーザ40の外部に設けたグレーティング43と共振器用鏡44,45によって、中心波長に対して所定の波長範囲、例えば±10nm変化させることができる。パワー増幅器42は、マスタオシレータ41と同じ組成のレーザダイオードであるがマスタオシレータ41の出力を入射して増幅する。パワー増幅器42はテーパ導波路などを有しているレーザダイオードであり、単一波長の大出力を得ることができる。線幅10MHz以下であり、連続出力0.5Wを超える大きな出力が得られる。
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることはいうまでもない。
本発明の第1の実施形態に係るテラヘルツ波発生装置の構成を模式的に示す図である。 スラブ型導波路構造を有している光非線形性結晶に入射するポンプ光、信号光及び発生するTHz波において、(A)は光路の配置関係を示す図、(B)は偏光を示す図である。 スラブ型導波路中の伝播モードのモード分散関係の計算結果を示す図である。 スラブ型導波路中の伝播モードのモード分散関係と共にTE波とTM波の実効屈折率の差Δn(Δn=neff,TE−neff,TM)を示す図である。 差周波数1THzにおける、スラブ型導波路の長さLと、TEモードとTMモードとの間の位相差との関係を示す図である。 励起光とスラブ型導波路内のTEモード及びTMモードとの関係を模式的に示す図である。 差周波数1THzにおける、スラブ型導波路の長さLと、TEモードとTMモードとの間の位相差との関係を示す図である。 励起光とスラブ型導波路内のTEモード及びTMモードとの関係を模式的に示す図である。 光軸方向の長さ(L)が10mmのスラブ型導波路を用いたテラヘルツ波発生装置からのTHz波出力特性を示す図である。 スラブ型導波路を用いたテラヘルツ波発生装置からの1THzにおけるTHz波の偏光特性を示す図である。 スラブ型導波路を用いたテラヘルツ波発生装置からの1THzにおけるTHz波の右回りと左回りの偏光特性を示す図である。 比較例のバルクのGaPからなるテラヘルツ波発生装置から発生させた1THz波の偏光特性を示す図である。 第2の実施形態に係るテラヘルツ波発生装置30の構成を模式的に示す図である。 リブ型導波路構造を有している光非線形性結晶に入射するポンプ光、信号光及び発生するTHz波の配置関係を示す図である。 リブ型導波路のTEモードを実効屈折率法で解析するための手法を示す模式図である。 リブ型導波路中の伝播モードのモード分散関係の計算結果を示す図である。 種々のリブ幅WのGaPからなるリブ型導波路を有しているテラヘルツ波発生装置から発生するTHz波の出力特性を示す図である。 リブ幅Wと発生するTHz波の基本モード周波数の関係を示す図である。 励起光の入射ビーム面積Sの関数として、リブ幅が300μm及び200μmのリブ型導波路から発生させたTHz波の出力を示す図である。 リブ幅が300μm及び200μmのリブ型導波路から発生させたTHz波と厚さが160μm及び290μmのスラブ型導波路との変換効率を示す図である。 ポンプ光及び信号光に用いることができる半導体レーザの構成を示す図である。 バルクの光非線形性結晶に対する入射光と発生するTHz波との関係を模式的に説明する図である。 特許文献1に開示された矩形導波路構造を有しているTHz波光源の斜視図である。
符号の説明
1,30:テラヘルツ波発生装置
2:ポンプ光源
2A:ポンプ光
3:信号光源
3A:信号光
5:入射光学部
6,36:入射光学部からの出射光
7:THz波発生部
8:THz波
11:第1の1/2波長板
12:第1の偏光ビームスプリッタ
13:第2の1/2波長板
14:第2の偏光ビームスプリッタ
16:第1の鏡
17:無偏光ビームスプリッタ
18:第3の1/2波長板
19:第2の鏡
20:THz波検知部
21:レンズ
22:THz波検知器
32:第3の偏光ビームスプリッタ
37:リブ型導波路
40:半導体レーザ
41:マスタオシレータ
42:パワー増幅器
43:グレーティング
44,45:共振器用鏡

Claims (17)

  1. ポンプ光を発生するポンプ光源と、
    信号光を発生する信号光源と、
    上記ポンプ光と上記信号光とを同じ光路上で合成するための入射光学部と、
    該入射光学部で合波された上記ポンプ光及び信号光が入射するテラヘルツ波発生用結晶と、
    を備え、
    上記テラヘルツ波発生用結晶は、スラブ型の導波路又はリブ型の導波路を有しており、
    上記合波された上記ポンプ光及び信号光が上記導波路の光軸方向に入射され、該導波路における上記ポンプ光と上記信号光との差周波数混合によって上記導波路の光軸上にテラヘルツ波を発生することを特徴とする、テラヘルツ波発生装置。
  2. 前記テラヘルツ波発生用結晶がGaPからなり、
    前記スラブ型導波路の厚さが、TEモード及びTMモードの基本モードとなるように設定されていることを特徴とする、請求項1に記載のテラヘルツ波発生装置。
  3. 前記スラブ型導波路の光軸方向が[110]方向に平行であり、
    前記スラブ型導波路に入射される前記ポンプ光及び信号光の直線偏光は、[−111]方向に平行であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のテラヘルツ波発生装置。
  4. 前記スラブ型導波路の光軸方向が[110]方向に平行であり、
    前記スラブ型導波路に入射される前記ポンプ光及び信号光の直線偏光は、[1−11]方向に平行であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のテラヘルツ波発生装置。
  5. 前記テラヘルツ波発生用結晶がGaPからなり、
    前記リブ型導波路の光軸方向が、[110]方向に平行であり、
    前記ポンプ光の直線偏光は[001]方向に平行であり、
    前記信号光の直線偏光は[−110]方向に平行であることを特徴とする、請求項1に記載のテラヘルツ波発生装置。
  6. 前記リブ型導波路は、前記光軸方向の断面が溝部とリブ部とからなる凸形状を有しており、該リブ部の幅は200μmから1mmで、リブ部の高さは100μmよりも大きいことを特徴とする、請求項5に記載のテラヘルツ波発生装置。
  7. 前記スラブ型の導波路又はリブ型の導波路は、前記光軸方向の長さが、1mmから10mmであることを特徴とする、請求項1〜6の何れかに記載のテラヘルツ波発生装置。
  8. 前記信号光源がヤグレーザであり、前記ポンプ光源が該ヤグレーザの第3次高調波で励起される光パラメトリック発振器であることを特徴とする、請求項1に記載のテラヘルツ波発生装置。
  9. 前記入射光学部は、1/2波長板と偏光ビームスプリッタを備えていることを特徴とする、請求項1に記載のテラヘルツ波発生装置。
  10. ポンプ光源からポンプ光となるレーザ光を発生し、
    信号光源から信号光となるレーザ光を発生し、
    該ポンプ光と該信号光とを同じ光路となるように合波し、
    合波した上記ポンプ光及び信号光を、スラブ型の導波路又はリブ型の導波路構造を有しているテラヘルツ波発生用結晶の光軸方向に入射させ、
    上記導波路における上記ポンプ光と上記信号光との差周波数混合によって、上記導波路の光軸上にテラヘルツ波を発生させることを特徴とする、テラヘルツ波発生方法。
  11. 前記スラブ型導波路をGaPで形成し、
    前記スラブ型導波路の厚さを、該スラブ型導波路のTEモード及びTMモードの基本モードとなるように設定することを特徴とする、請求項10に記載のテラヘルツ波発生方法。
  12. 前記スラブ型導波路の光軸方向を[110]方向に平行とし、
    前記スラブ型導波路に入射される前記ポンプ光及び信号光を、[1−11]方向に平行な直線偏光とし、
    前記スラブ型導波路の光軸方向の長さを変えることによって、楕円偏光又は円偏光を有する前記テラヘルツ波を発生させることを特徴とする、請求項10又は11に記載のテラヘルツ波発生装置。
  13. 前記スラブ型導波路の光軸方向を[110]に平行とし、
    前記スラブ型導波路に入射される前記ポンプ光及び信号光を、[−111]方向に平行な直線偏光とし、
    右回りの楕円偏光又は円偏光を有する前記テラヘルツ波を発生させることを特徴とする、請求項10又は11に記載のテラヘルツ波発生方法。
  14. 前記スラブ型導波路の光軸方向を[110]方向に平行とし、
    前記スラブ型導波路に入射される前記ポンプ光及び信号光を、[1−11]方向に平行な直線偏光とし、
    左回りの楕円偏光又は円偏光を有する前記テラヘルツ波を発生させることを特徴とする、請求項10又は11に記載のテラヘルツ波発生方法。
  15. 前記リブ型導波路をGaPで形成し、
    前記リブ型導波路の光軸方向を[110]方向に平行とし、
    前記ポンプ光の直線偏光を[001]方向に平行とし、
    前記信号光の直線偏光を[−110]方向に平行とすることを特徴とする、請求項10に記載のテラヘルツ波発生方法。
  16. 前記ポンプ光及び前記信号光の偏光を、1/2波長板と偏光ビームスプリッタとによって調整することを特徴とする、請求項10〜15の何れかに記載のテラヘルツ波発生方法。
  17. 前記テラヘルツ波発生用結晶へ入射される前記ポンプ光及び前記信号光のビーム面積を変えることによって前記テラヘルツ波の出力を調整することを特徴とする、請求項10〜15の何れかに記載のテラヘルツ波発生方法。
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