JP2010115726A - 研磨終点検知用の光の波長選択に用いられるダイヤグラムの作成方法、光の波長選択方法、研磨終点検出方法、研磨終点検出装置、および研磨装置 - Google Patents

研磨終点検知用の光の波長選択に用いられるダイヤグラムの作成方法、光の波長選択方法、研磨終点検出方法、研磨終点検出装置、および研磨装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光学式研磨終点検知に最適な光の波長を効率よく選択する方法を提供する。
【解決手段】本発明は、光学式研磨終点検知における光の波長選択に用いられるダイヤグラムの作成方法を提供する。この方法は、膜を有する基板の表面を研磨パッドで研磨し、研磨中に、基板の表面に光を照射し、かつ基板から戻る反射光を受光し、反射光の相対反射率を波長ごとに算出し、研磨時間と共に変化する相対反射率の極大点および極小点を示す反射光の波長を求め、極大点および極小点を示す波長が求められたときの時点を特定し、光の波長および研磨時間を表す座標軸を持つ座標系上に、求められた波長および対応する時点により特定される座標をプロットする工程を有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、透明絶縁膜を有する基板の光学式研磨終点検知に使用される光の波長を選択する方法および装置に関する。また、本発明は、選択された波長の光を用いて研磨終点を検知する方法および装置に関する。
半導体デバイスの製造工程では、シリコンウェハ上に種々の材料が膜状に繰り返し形成され、積層構造を形成する。この積層構造を形成するためには、最上層の表面を平坦にする技術が重要となっている。このような平坦化の一手段として、化学機械研磨(CMP)を行う研磨装置が用いられている。
この種の研磨装置は、一般に、研磨パッドを支持する研磨テーブルと、基板(膜が形成されたウェハ)を保持するトップリングと、研磨液を研磨パッド上に供給するノズルとを備えている。基板を研磨するときは、ノズルから研磨液を研磨パッド上に供給しながら、トップリングにより基板を研磨パッドに押し付け、さらにトップリングと研磨テーブルとを相対運動させることにより、基板を研磨して基板上の膜を平坦にする。研磨装置は、通常、研磨終点検知装置を備えている。この研磨終点検知装置は、膜が所定の厚さにまで除去されたときに研磨終点に達したと判断する。
研磨終点検知装置の一つの例として、基板の表面に光を照射し、反射してくる光に含まれる情報に基づいて研磨終点を判断する、いわゆる光学式研磨終点検知装置が挙げられる。光学式研磨終点検知装置は、投光部、受光部、および分光器を一般に備えている。分光器は、基板からの反射光を波長に従って分解し、波長ごとの反射強度を測定する。この光学式研磨終点検知装置は、光透過性のある膜が形成された基板を研磨する場合にしばしば用いられている。例えば、特許文献1に示す方法では、基板から戻ってくる反射光の強度(反射強度)にノイズ成分を除去するための所定の処理が施されて特性値が生成され、この特性値の時間的変化の特徴点(極大点または極小点)から研磨終点が検知される。
反射強度から生成される特性値は、図1に示すように、研磨時間とともに周期的に変化し、極大点と極小点が交互に現れる。これは、光同士の干渉による現象である。つまり、基板に照射された光は、媒質と膜との界面と、膜とこの膜の下地層との界面で反射し、これらの界面で反射した光が互いに干渉する。この光の干渉の仕方は、膜の厚さ(すなわち光路長)に応じて変化する。このため、基板から戻ってくる反射光の強度(すなわち反射強度)は、膜の厚さに従って周期的に変化する。
上述した光学式研磨終点検出装置は、図1に示すように、研磨開始後に現れる特性値の変化の特徴点(極大点または極小点)の数をカウントし、特徴点の数が所定の数に達した時点を検知する。そして、この検知された時点から所定時間経過した時点で、研磨が停止される。
特性値は、反射強度または相対反射率を基にして得られる指数である。相対反射率は、ある所定の光の強度(基準値)と反射光の強度との比である。例えば、相対反射率は、研磨対象基板の研磨中の各波長での反射強度、及びある研磨条件の下で取得された各波長での基準反射強度のそれぞれから、反射対象物がない状態で測定された背景強度を減算し、得られた2つの反射強度のうち前者を後者で除算することで求められる。具体的には、相対反射率は次の式から求められる。
相対反射率R(λ)={E(λ)−D(λ)}/{B(λ)−D(λ)}・・・(1)
ここで、λは波長であり、E(λ)は研磨対象となる基板の反射強度であり、B(λ)は基準反射強度であり、D(λ)は基板が存在しない状態で取得された背景強度(ダークレベル)である。基準反射強度B(λ)としては、例えば、研磨パッド上に純水を供給しながらシリコン基板を水研磨しているときに、このシリコン基板から戻ってくる光の強度を用いることができる。
そして、複数の波長λk(k=1,…,K)における相対反射率を用いて、次の式から特性値S(λ1,λ2,…,λK)が求められる。
X(λk)=∫R(λ)・Wk(λ)dλ ・・・(2)
S(λ1,λ2,…,λK)=X(λ1)/{X(λ1)+X(λ2)+…
+X(λK)}=X(λ1)/ΣX(λk)・・・(3)
ここで、Wk(λ)は波長λkに中心を持つ(すなわち波長λkで最大値を示す)重み関数を表す。図2に重み関数の例を示す。図2に示す重み関数の最大値および幅は、適宜変更することができる。式(2)において、積分区間は、光学式研磨終点検出装置の分光器が測定可能な最小波長から最大波長までである。例えば、分光器の測定可能な波長が400nm以上、800nm以下であれば、式(2)の積分区間は〔400,800〕となる。特性値の算出に使用される光の波長λの数は、好ましくは、2つまたは3つである。
式(3)では相対反射率を相対反射率で除算するため、基板と投光部、受光部との距離の微小な変化やスラリの混入等で受光量が変動しても、その影響を抑えることができる。したがって、特性値に関するより一層安定した時間変化の波形を得ることができる。なお、同様のやり方に従って、相対反射率に代えて反射強度から特性値を求めることもできる。
正確な研磨終点を検知するためには、目標膜厚に近づいたとき、または目標膜厚に達したときに特性値の極大点または極小点が現れるような波長を選択する必要がある。しかしながら、実際には試行錯誤により最適な波長を見つけるのが実情であり、波長選択のために長い時間が必要であった。
特開2004−154928号公報
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたもので、光学式研磨終点検知に最適な光の波長を効率よく選択することができるダイヤグラムの作成方法を提供することを目的とする。また、本発明は、光学式研磨終点検知に最適な光の波長を効率よく選択する方法を提供することを目的とする。さらに本発明は、選択された波長の光を用いて研磨終点を検知する方法および装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明の一態様は、光学式研磨終点検知における光の波長選択に用いられるダイヤグラムの作成方法であって、膜を有する基板の表面を研磨パッドで研磨し、前記研磨中に、前記基板の表面に光を照射し、かつ前記基板から戻る反射光を受光し、前記反射光の相対反射率を波長ごとに算出し、研磨時間と共に変化する前記相対反射率の極大点および極小点を示す前記反射光の波長を求め、前記極大点および極小点を示す前記波長が求められたときの時点を特定し、光の波長および研磨時間を表す座標軸を持つ座標系上に、前記求められた波長および対応する前記時点により特定される座標をプロットすることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記極大点および極小点を示す前記反射光の波長を求める工程は、前記相対反射率の平均値を波長ごとに算出し、各時点での前記相対反射率を前記平均値で割って前記相対反射率を修正し、前記修正された相対反射率の極大点および極小点を示す前記反射光の波長を求める工程であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記極大点および極小点を示す前記反射光の波長を求める工程は、前記相対反射率の平均値を波長ごとに算出し、各時点での前記相対反射率から前記平均値を引き算して前記相対反射率を修正し、前記修正された相対反射率の極大点および極小点を示す前記反射光の波長を求める工程であることを特徴とする。
本発明の他の態様は、光学式研磨終点検知に用いられる光の波長の選択方法であって、膜を有する基板の表面を研磨パッドで研磨し、前記研磨中に、前記基板の表面に光を照射し、かつ前記基板から戻る反射光を受光し、前記反射光の相対反射率を波長ごとに算出し、研磨時間と共に変化する前記相対反射率の極大点および極小点を示す前記反射光の波長を求め、前記波長が求められたときの時点を特定し、光の波長および研磨時間を表す座標軸を持つ座標系上に、前記求められた波長および対応する前記時点により特定される座標をプロットしてダイヤグラムを作成し、前記ダイヤグラム上の所定の時間範囲内に存在する座標を探索し、前記探索された座標を構成する波長の中から複数の波長を選択することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記探索された座標を構成する波長の中から複数の波長を選択する工程は、前記探索された座標を構成する波長を用いて、複数の波長からなる組み合わせを複数生成し、各組み合わせにおける前記複数の波長での相対反射率から、膜の厚さの変化に伴って周期的に変化する特性値を計算し、波長評価式を用いて前記複数の組み合わせの評点を算出し、前記評点が最も高い組み合わせを構成する複数の波長を選択する工程であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記波長評価式は、前記特性値の極大点または極小点が現れる時点と、前記特性値が研磨時間に伴って描くグラフの振幅とを評価要素として含むことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、選択された前記複数の波長を微調整する工程をさらに備えたことを特徴とする。
本発明の他の態様は、研磨終点検知方法であって、膜を有する基板の表面を研磨パッドで研磨し、前記研磨中に、前記基板の表面に光を照射し、かつ前記基板から戻る反射光を受光し、上述の波長選択方法に従って選択された複数の波長における前記反射光の相対反射率を算出し、前記算出された相対反射率から、膜の厚さの変化に伴って周期的に変化する特性値を計算し、研磨中に現れる前記特性値の極大点または極小点を検出することにより前記基板の研磨終点を検知することを特徴とする。
本発明の他の態様は、研磨終点検知装置であって、研磨中に、膜を有する基板の表面に光を照射する投光部と、前記基板から戻る反射光を受光する受光部と、前記反射光の波長ごとの反射強度を測定する分光器と、前記分光器により測定された反射強度から、膜の厚さの変化に伴って周期的に変化する特性値を計算し、該特性値を監視する監視装置とを備え、前記監視装置は、上述の波長選択方法に従って選択された複数の波長における前記反射強度から相対反射率を算出し、前記算出された相対反射率から、膜の厚さの変化に伴って周期的に変化する特性値を計算し、研磨中に現れる前記特性値の極大点または極小点を検出することにより前記基板の研磨終点を検知することを特徴とする。
本発明の他の態様は、研磨パッドを支持し、該研磨パッドを回転させる研磨テーブルと、膜を有する基板を保持し、該基板を前記研磨パッドに押し付けるトップリングと、前記基板の研磨終点を検知する研磨終点検知装置とを備え、前記研磨終点検知装置は、研磨中に、膜を有する基板の表面に光を照射する投光部と、前記基板から戻る反射光を受光する受光部と、前記反射光の波長ごとの反射強度を測定する分光器と、前記分光器により測定された反射強度から、膜の厚さの変化に伴って周期的に変化する特性値を計算し、該特性値を監視する監視装置とを有し、前記監視装置は、上述の波長選択方法に従って選択された複数の波長における前記反射強度から相対反射率を算出し、前記算出された相対反射率から、膜の厚さの変化に伴って周期的に変化する特性値を計算し、研磨中に現れる前記特性値の極大点または極小点を検出することにより前記基板の研磨終点を検知することを特徴とする研磨装置である。
本発明に従って作成されたダイヤグラムは、研磨時間に従って分布する極大点および極小点と光の波長との関係を示している。したがって、既知の目標研磨終点検知時間またはその近傍の時間に現れる極大点および極小点を探索することにより、その対応する光の波長を簡単に選択することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。図3(a)は、本発明の一実施形態に係る研磨終点検知方法を説明するための模式図であり、図3(b)は基板と研磨テーブルとの位置関係を示す平面図である。図3(a)に示すように、研磨対象となる基板Wは、下地層(例えば、シリコン層やタングステン膜)と、その上に形成された膜(例えば、光透過性を有するSiOなどの絶縁膜)を有している。投光部11および受光部12は、基板Wの表面に対向して配置される。基板Wの研磨中は、図3(b)に示すように、研磨テーブル20および基板Wが回転し、研磨テーブル20上の研磨パッド(図示せず)と基板Wとの相対運動により基板Wの表面が研磨される。
投光部11は、基板Wの表面に対してほぼ垂直に光を照射し、受光部12は基板Wから戻ってくる光を受光する。投光部11および受光部12は、研磨テーブル20が一回転するたびに基板Wを横切って移動する。このとき、投光部11は、基板Wの中心部を含む複数の測定点に光を投光し、受光部12は反射光を受光する。受光部12には分光器13が接続されており、分光器13は、反射光の強さ(すなわち反射強度)を波長ごとに測定する。より具体的には、分光器13は、反射光を波長に従って分解し、波長ごとの反射強度を表すスペクトルデータを生成する。
図4は、シリコンウェハ上に形成された均一な厚み600nmの酸化膜(SiO)を研磨したときのスペクトルデータを示す。なお、図4に示すグラフにおいて、横軸は光の波長を表し、縦軸は反射強度から上述の式(1)により算出された相対反射率を表す。図4に示すように、膜厚の減少(すなわち研磨時間の増加)に伴い、相対反射率の極大点および極小点の位置が変化する。一般に、膜厚が減少するとともに、極大点は短波長側に移動し、かつ極大点間の間隔が大きくなる。
分光器13には、監視装置15が接続されている。この監視装置15としては、汎用または専用のコンピュータを使用することができる。監視装置15は、研磨中に、スペクトルデータから相対反射率および特性値を計算し、特性値の時間変化を監視し、そして、特性値の極大点または極小点に基づいて研磨終点を検知する(図1参照)。相対反射率および特性値の計算は、上述した式(1)、式(2)、および式(3)を用いて行われる。
図3(a)において、膜の屈折率をn、膜に接触している媒質の屈折率をn’、下地層の屈折率をn”とする。膜の屈折率nが媒質の屈折率n’よりも大きく、下地層の屈折率n”が膜の屈折率nよりも大きい場合(n’<n<n”)は、媒質と膜との界面および膜と下地層との界面で反射する光の位相は、入射光に対してπだけずれる。基板から戻る反射光は、媒質と膜との界面で反射した光と、膜と下地層との界面で反射した光とが干渉した光であるので、反射光の強さは、2つの光の位相差によって変化する。したがって、膜の厚さの変化(すなわち光路長の変化)に応じて、上述した特性値は周期的に変化する(図1参照)。
膜の厚さ、すなわち研磨時間に従って変化する特性値の極大点および極小点(すなわち特徴点)は、特性値の極大値および極小値を示す点として定義される。この極大点および極小点は、媒質と膜との界面で反射した光と、膜と下地層との界面で反射した光とが互いに強め合う点および弱め合う点である。したがって、極大点が現れるときの膜の厚さ、および極小点が現れるときの膜の厚さは、次の式(4)および式(5)で表される。
極大点:2nx=mλ ・・・(4)
極小点:2nx=(m−1/2)λ・・・(5)
ここで、xは膜の厚さ、λは光の波長、mは自然数である。なお、mは干渉により強め合う光同士の位相差(膜内の光路上の波の個数)を示している。
上述したように、相対反射率の極大点および極小点を示す波長は、膜厚(研磨時間)の変化にしたがって変化する。そこで、監視装置15により、研磨対象基板と同一構造(同一配線パターン、同一膜)を持つサンプル基板の研磨中に反射強度のスペクトルデータを取得し、極大点および極小点を示す反射光の波長を求め、その波長が求められたときの研磨時点を特定する。そして、監視装置15は、求められた波長および対応する研磨時点を監視装置15に内蔵されている記憶装置(図示せず)に記憶する。さらに、監視装置15は、縦軸を波長、横軸を研磨時間とする座標系上に、記憶された波長および対応する研磨時点からなる座標をプロットし、図5(a)に示すようなダイヤグラムを作成する。以下、このダイヤグラムを極大点および極小点の分布図または単に分布図という。なお、分布図の作成は、監視装置15で取得したスペクトルデータを別のコンピュータに取り込み、このコンピュータにより実施してもよい。
図5(a)に示す分布図において、記号○は極大点の座標を表し、記号×は極小点の座標を表す。図5(a)から分かるように、研磨時間と共に極大点および極小点を示す座標の位置が右下がり傾向を示している。したがって、図5(a)に示す分布図は、視覚的に膜厚の減少が捉えやすいダイヤグラムといえる。図5(b)は、研磨時間と共に変化する相対反射率を示すグラフである。図5(a)および図5(b)から分かるように、図5(b)に示す各波長での相対反射率の極大点および極小点は、図5(a)上の極大点および極小点に概ね対応する時点で現れる。式(4)および式(5)の膜厚xを研磨時間に置き換えると、図5(a)の極大点を結ぶ直線および極小点を結ぶ直線は、それぞれ式(4)および式(5)で表すことができる。
上述した図4のスペクトルデータは均一な厚さの膜が下地層上に形成された基板を研磨したときに得られたものである。次に、段差のある下地層の上に膜が形成されている基板を研磨して得られたスペクトルデータについて説明する。図6は、段差のある下地層の上に膜が形成されている基板の一部を示す断面図である。この例では、下地層は光が透過しない程度に十分厚いタングステン膜であり、その表面に形成されている段差は約100nmである。下地層の上には、膜厚600nm〜700nmの酸化膜(SiO)が形成されている。
このような構造を有する基板を研磨して得られるスペクトルデータを図7(a)に示す。図7(a)から分かるように、下地層に起因して、光の波長が長いほど相対反射率が大きくなり、さらに相対反射率の極大点および極小点が明確に現れない。図7(b)は、図5(a)と同様のやり方に従って、極大点および極小点を示す波長および研磨時間からなる座標を座標系上にプロットして得られたダイヤグラムである。図7(b)に示すように、極大点および極小点を示す座標は、右下がりの傾向を示さずに、ほぼ水平に推移する。
そこで、下地層の影響を除去するために、監視装置15は、相対反射率の平均値を波長ごとに計算し、各時点での相対反射率を、その波長に対応する平均値で除算して、正規化されたスペクトルデータ(正規化相対反射率)を生成する。相対反射率の平均値は、研磨開始から研磨終点までの総研磨時間を通じた相対反射率の平均値であり、各波長に対して求められる。図8は正規化相対反射率のスペクトルデータを示している。図8から分かるように、正規化相対反射率を示す各グラフは、明確な極大点および極小点を示している。
図9(a)は、正規化相対反射率に基づいて作成された分布図であり、図5(a)と同様のやり方に従って、極大点および極小点を示す波長および研磨時間からなる座標を座標系上にプロットして得られた分布図である。図9(a)に示すように、正規化相対反射率上の極大点および極小点を示す座標の位置は、図5(a)と同様に、右下がりの傾向を示している。したがって、図9(a)に示す分布図は、研磨時間の経過に従って膜厚が減少する様子を視覚的に提供することができる。
正規化相対反射率は、相対反射率を、対応する波長での相対反射率の平均値で除算することにより求められる。したがって、時間軸に沿って見たときの正規化相対反射率上の極大点および極小点の位置(時点)は、相対反射率上の極大点および極小点の位置(時点)に一致する。図9(b)は、研磨時間と共に変化する相対反射率を示すグラフである。図9(a)および図9(b)から分かるように、図9(a)に示す正規化相対反射率の極大点および極小点は、図9(b)上の極大点および極小点に概ね対応する時点で現れる。
なお、各時点で算出された波長ごとの相対反射率から、各波長における相対反射率の平均値を減算しても、上述した正規化相対反射率の場合と同様のスペクトルデータと、同様の極大点および極小点の分布図が得られる。図10(a)は各時点での相対反射率から、相対反射率の平均値を減算することによって得られたスペクトルデータを示す図であり、図10(b)は図10(a)に示すスペクトルデータを用いて作成された極大点および極小点の分布図である。図10(a)および図10(b)から分かるように、この場合も、図9(a)および図9(b)と同様のスペクトルデータおよび分布図が得られる。
図11(a)は図7(a)に対応する相対反射率の等高線図であり、図11(b)は図8に対応する正規化相対反射率の等高線図である。図11(b)から、研磨時間が増加するに従って、正規化相対反射率は全体として右下がり傾向にあることが分かる。
ここで、極大点および極小点の分布図を用いて2つの波長を選択する方法について、図12を参照して説明する。図12において、符号tIは、研磨終点検知の目標時間(以下、検知目標時間という)を示している。選択すべき波長は、この検知目標時間tIを中心とした所定の時間範囲内で極大点または極小点が現れるような波長である。なお、検知目標時間tIは、研磨対象となる基板と同一構造のサンプル基板を研磨し、研磨後の膜厚を(好ましくは、研磨前の膜厚も合わせて)測定し、目標膜厚に達したときの時間を求めることにより決定することができる。
次に、検知目標時間tIに対して検知時間下限tLと検知時間上限tUとが設定される。これらの検知時間下限tLおよび検知時間上限tUは、研磨終点検知プロセスにおいて特性値の極大点または極小点の検知が許容される時間範囲Δtを定義する。また、検知時間下限tLおよび検知時間上限tUは、相対反射率の極大点および極小点の探索範囲も定義する。すなわち、この時間範囲Δt内に存在する全ての極大点および極小点が探索され、これら極大点および極小点に対応する波長が候補として選択される。次に、選択された波長から、波長の組み合わせが生成される。生成される波長の組み合わせの数は、候補として選択された波長の数に依存する。
最終的に選択すべき波長が2つである場合、候補として選択された複数の波長を用いて2波長の組み合わせが生成される。例えば、図12に示す例では、波長の候補として、λP1,λP2,λV1,λV2が選択されるので、生成される2波長の組み合わせとしては、〔λP1,λV1〕、〔λP1,λV2〕、〔λP2,λV1〕、〔λP2,λV2〕などが挙げられる。
上述した極大点および極小点の分布図は、研磨時間に従って分布する極大点および極小点と光の波長との関係を示すダイヤグラムである。したがって、既知の検知目標時間を中心とする所定の時間範囲内に現れる極大点および極小点を探索することにより、その極大点および極小点に対応する光の波長を簡単に選択することができる。このような波長の選択は、作業員が行ってもよく、または監視装置15や別のコンピュータが行ってもよい。なお、この例は2つの波長を選択する方法についての説明であるが、3つ以上の波長を選択する場合も同様の方法を用いることができる。
図13は、配線パターンが形成された基板を研磨したときに測定されたスペクトルデータを基に作成された極大点および極小点の分布図である。図13に示すように、パターン基板を研磨した場合、極大点および極小点は研磨時間と共に複雑に推移する。しかしながら、この場合も、図13の点線で囲んだ領域内では、比較的規則正しく極大点および極小点が推移する。このような領域では、S/N比のよい(すなわち振幅が大きく滑らかな正弦波状の波形を描く)特性値が得られることが多い。
図14は、図13に示す分布図に基づいて選択された波長の組を用いて計算された特性値の変化を示す図である。この例では、2つの波長[745nm,775nm]の組み合わせと、2つの波長[455nm,475nm]の組み合わせが選択され、これらの組み合わせから求められた2つの特性値が図14に示されている。図13および図14から分かるように、図13の点線で囲んだ領域に対応する特性値は、振幅が大きく、かつ滑らかな正弦波を描く。したがって、図13に示す分布図を基に、研磨終点検知の目標時間に応じた最適な波長を選択することができる。
次に、ソフトウエア(コンピュータプログラム)を用いて、上述した極大点および極小点の分布図に基づいて特性値のパラメータとしての光の波長を決定する方法の一例について図15を参照して説明する。
ステップ1では、研磨対象である基板と同一構造(同一配線パターン、同一膜)を持つサンプル基板を研磨し、研磨中に測定されたスペクトルデータを監視装置15に読み込む。サンプル基板の研磨は、研磨対象の基板と同一研磨条件(研磨テーブル20の同一回転速度、同種のスラリ)で行われる。なお、サンプル基板は、研磨終点検知の目標時間をやや過ぎた時点まで研磨することが好ましい。
ステップ2では、膜厚監視のための測定点が指定される。図3(b)に示すように、反射強度の測定は、研磨テーブル20が一回転するたびに複数の測定点で行われる。そこで、このステップでは、予め設定されている複数の測定点のうちどの測定点を用いるかが指定される。例えば、サンプル基板の中心に関して対称な5つの測定点が指定される。この測定点の指定は、図示しない入力装置を介して監視装置15に測定点の数を入力することで行われる。監視装置15は、指定された測定点での測定値の平均値を計算する。この平均値は、研磨テーブル20が一回転するたびに得られる複数の反射強度(または相対反射率)の平均値である。さらに、このステップ2では、時系列データとしての平均値を、移動平均の手法を用いて平滑化する。移動平均の時間(平均化される時系列データの数)は監視装置15に予め入力され、監視装置15は、指定された時間内に取得された時系列データの平均を計算する。
ステップ3では、サンプル基板の研磨中に得られたスペクトルデータを用いて、上述した極大点および極小点の分布図が監視装置15によって作成される。なお、スペクトルデータを構成する各波長の相対反射率は、ステップ2で定義された平滑化条件に基づいて平均化されたものである。得られた分布図は、監視装置15の表示部または別の表示装置に表示される。なお、所望の分布図が得られない場合には、ステップ2の諸条件(例えば、測定点の数や移動平均の時間)を変更してステップ2を再度実行してもよい。
ステップ4では、特性値の計算に使用される光の波長の数を指定する。例えば、2つの波長を用いて特性値を計算することを選択する場合は、その波長の数である「2」を監視装置15に入力する。なお、この波長の数は、式(3)のKに相当する。
ステップ5では、特性値の極大点または極小点を検知するための諸条件を指定する。具体的には、スペクトルデータのうち、波長選択に使用しないデータ領域を指定する。これは、研磨初期においては、特性値がきれいな正弦波を描かないことが多いからである。さらに、このステップ5では、特性値の極大点または極小点の検出許容範囲を定める上述した検知目標時間tI、検知時間下限tL、検知時間上限tU(図12参照)を指定する。この検出時間下限tLおよび検出時間上限tUは、上述したように、相対反射率の極大点および極小点の探索範囲の指定にも使用される。
ステップ6では、監視装置15によって波長探索が実行される。このステップでは、ステップ3で作成された極大点および極小点の分布図と、ステップ5で指定された検知目標時間tI、検知時間下限tL、検知時間上限tUとに基づいて、波長の候補が探索され、さらに、波長の組み合わせ(例えば、2波長の組み合わせ、または3波長の組み合わせ)が生成される。これらの波長の探索および波長の組み合わせの生成は、図12を参照して説明したやり方に従って行われる。なお、分布図上の極大点および極小点が、相対反射率を時間軸に沿って見たときの極大点および極小点と厳密に一致しない場合がある。このことを考慮して、図12に示す方法に従って探索された波長の近傍の波長も用いて、波長の組み合わせの生成を行ってもよい。監視装置15は、ステップ2で指定された測定点および平滑化条件に基づいて、生成された波長の組み合わせから、対応する特性値を算出し、この特性値が上記許容時間範囲内に極大点または極小点を示すか否かを判断する。
ステップ7では、監視装置15に予め記憶されている波長評価式に基づいて、選択された波長の各組み合わせについての評点が算出される。この評点は、正確な研磨終点検知を行う観点から、選択された波長の各組み合わせを評価するための指標である。波長評価式は、評価要素として、例えば、特性値の極大点または極小点が現れる時間と目標検知時間との時差、特性値の振幅、特性値の振幅の安定性、特性値の周期の安定性、特性値が描く波形の平滑性などを含んでいる。この波長評価式により算出された評点が高いほど、より正確な研磨終点検知が期待されることを意味している。
具体的には、波長評価式は、次の式で表される。
評価式J=Σwi・Ji
=w1・J1+w2・J2+w3・J3+w4・J4+w5・J5・・・(6)
ここで、
w1,J1:特性値の極大点または極小点が現れる時間に関する重み係数と評点、
w2,J2:特性値の振幅に関する重み係数と評点、
w3,J3:特性値の振幅の安定性に関する重み係数と評点、
w4,J4:特性値の周期の安定性に関する重み係数と評点、
w5,J5:特性値が描く波形の平滑性に関する重み係数と評点である。
上述した重み係数w1,w2,w3,w4,w5は予め定められた数値である。評点J1,J2,J3,J4,J5は、得られた特性値によって変動する変数である。例えば、J1は、特性値の極大点または極小点が現れる時間をtとすると、次の式で表される。
t≦tIの場合、J1=(t−tL)/(tI−tL) ・・・(7)
t>tIの場合、J1=(tU−t)/(tU−tI) ・・・(8)
ステップ8では、算出された評点が高い順に、波長の組み合わせと、対応する特性値の描くグラフを表示部に表示する。図16は、評点が高い順に表示された波長の組み合わせと、対応する特性値の描くグラフを示す図である。
ステップ9では、ステップ8で表示された複数の波長の組み合わせから評点を参照し、評点の最も高い波長の組み合わせが候補として指定される。なお、以降のステップで問題が発見された場合には、別の波長の組み合わせが候補として指定される。この場合にも、原則として評点が高い順に従って次の波長の組み合わせが指定される。
このステップ9で指定された波長の組み合わせを、最終的に選択すべき波長の組み合わせに決定することができるが、より正確な研磨終点検知を行うために、次に説明する特性値の微調整および特性値の再現性の検討を行うことが好ましい。
すなわち、ステップ10として、特性値の微調整のための諸条件を指定する。この特性値の微調整は、ステップ9で指定された波長、およびステップ2の平滑化条件を微調整することで行われる。
ステップ11では、ステップ10で微調整された波長および平滑化条件に基づき、監視装置15によって特性値を計算し、得られた特性値の時間変化を表示する。表示されたグラフが良好な結果を示していれば、次のステップに進み、そうでなければ、ステップ9またはステップ10に戻る。
サンプル基板以外に、研磨対象となる基板と同種の基板に関するスペクトルデータがある場合は、そのデータを監視装置15に読み込む(ステップ12)。そして、監視装置15は、ステップ10で微調整された波長での相対反射率を用いて特性値を算出し、研磨時間と共に変化する特性値のグラフを表示部に表示する(ステップ13)。特性値の再現性が良好であれば、その波長を最終的に決定する(ステップ14)。再現性が良好でなければ、ステップ9またはステップ10に戻る。なお、上述した波長決定までのプロセスは、前述の分布図作成と同様に、サンプル基板の研磨中に取得されたスペクトルデータを用いて別のコンピュータが行ってもよい。
次に、上記研磨終点検知装置を組み込んだ研磨装置について説明する。図17は、研磨装置を模式的に示す断面図である。図17に示すように、研磨装置は、研磨パッド22を支持する研磨テーブル20と、基板Wを保持して研磨パッド22に押圧するトップリング24と、研磨パッド22に研磨液(スラリ)を供給する研磨液供給ノズル25とを備えている。研磨テーブル20は、その下方に配置されるモータ(図示せず)に連結されており、軸心周りに回転可能になっている。研磨パッド22は、研磨テーブル20の上面に固定されている。
研磨パッド22の上面22aは、基板Wが摺接される研磨面を構成している。トップリング24は、トップリングシャフト28を介してモータ及び昇降シリンダ(図示せず)に連結されている。これにより、トップリング24は昇降可能かつトップリングシャフト28周りに回転可能となっている。このトップリング24の下面には、基板Wが真空吸着等によって保持される。
トップリング24の下面に保持された基板Wはトップリング24によって回転させられつつ、回転している研磨テーブル20上の研磨パッド22にトップリング24によって押圧される。このとき、研磨液供給ノズル25から研磨パッド22の研磨面22aに研磨液が供給され、基板Wの表面と研磨パッド22との間に研磨液が存在した状態で基板Wの表面が研磨される。本実施形態においては、基板Wの表面と研磨パッド22とを摺接させる相対運動機構は、研磨テーブル20およびトップリング24によって構成される。
研磨テーブル20には、その上面で開口する孔30が形成されている。また、研磨パッド22には、この孔30に対応する位置に通孔31が形成されており、孔30と通孔31とは連通している。通孔31は、研磨面22aで開口しており、通孔31の径は約3〜6mmである。孔30は液体供給路33およびロータリージョイント32を介して液体供給源35に連結されている。研磨中は、液体供給源35からは、透明な液体として水(好ましくは純水)が孔30に供給され、基板Wの下面と通孔31とによって形成される空間を満たし、液体排出路34を通じて排出される。研磨液は水と共に排出され、これにより光の光路が確保される。液体供給路33には、研磨テーブル20の回転に連動して作動するバルブ(図示せず)が設けられている。このバルブは、通孔31の上に基板Wが位置しないときは水の流れを止める、または水の流量を少なくするように動作する。
研磨装置は、上述した研磨終点検知装置を有している。この研磨終点検知装置は、光を基板Wの被研磨面に照射する投光部11と、基板Wから戻ってくる光を受光する受光部としての光ファイバー12と、光ファイバー12によって受光された光を波長に従って分解してスペクトルデータを取得する分光器13と、分光器13によって得られたスペクトルデータから特性値を算出し、この特性値の時間変化を監視する監視装置15とを備えている。この監視装置15は、図1に示すように、特性値の極大点または極小点から研磨終点を検知する。
投光部11は、光源40と、光源40に接続された光ファイバー41とを備えている。光ファイバー41は、光源40の光を基板Wの表面まで導く光伝送部である。光ファイバー41は、光源40から孔30および通孔31を通って基板Wの被研磨面の近傍位置まで延びている。光ファイバー41および光ファイバー12の各先端は、トップリング24に保持された基板Wの中心に対向して配置され、研磨テーブル20が回転するたびに基板Wの中心を含む領域に光が照射されるようになっている。なお、研磨パッド22の交換作業が容易に行えるように、光ファイバー41の先端が研磨テーブル20の上面より突き出ず、孔30に納まる位置に、光ファイバ41を設置してもよい。
光源40としては、発光ダイオード(LED)、ハロゲンランプ、キセノンランプなどを用いることができる。光ファイバー41と光ファイバー12は互いに並列に配置されている。光ファイバー41および光ファイバー12の各先端は、基板Wの表面に対して垂直に配置されており、光ファイバー41は基板Wの表面に垂直に光を照射するようになっている。
基板Wの研磨中は、投光部11から光が基板Wに照射され、受光部としての光ファイバー12によって基板Wからの反射光が受光される。光が照射される間、孔30には水が供給され、これにより、光ファイバー41および光ファイバー12の各先端と、基板Wの表面との間の空間は水で満たされる。分光器13は、波長ごとに反射光の強さを測定し、スペクトルデータを生成する。そして、監視装置15は、上述した波長選択方法に従って予め選択された波長での相対反射率(または反射強度)から特性値を算出し、研磨時間と共に変化する特性値を監視し、そして、特性値の極大点または極大点から研磨終点を検知する。
図18は、図17に示す研磨装置の他の変形例を示す断面図である。図17に示す例では、液体供給路、液体排出路、液体供給源は設けられていない。これに代えて、研磨パッド22には透明窓50が形成されている。投光部11の光ファイバー41は、この透明窓50を通じて研磨パッド22上の基板Wの表面に光を照射し、受光部としての光ファイバー12は、透明窓50を通じて基板Wからの反射光を受光する。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうることである。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲とすべきである。
研磨時間と共に特性値が変化する様子を示すグラフである。 重み関数の例を示す図である。 図3(a)は、本発明の一実施形態に係る研磨終点検知方法を説明するための模式図であり、図3(b)は基板と研磨テーブルとの位置関係を示す平面図である。 シリコンウェハ上に形成された均一な厚み600nmの酸化膜(SiO)を研磨したときのスペクトルデータを示す図である。 極大点および極小点の分布図を示すダイヤグラムである。 段差のある下地層の上に膜が形成されている基板の一部を示す断面図である。 図7(a)は図6に示す構造を有する基板を研磨して得られるスペクトルデータを示す図であり、図7(b)は、図7(a)に対応する極大点および極小点の分布図を示すダイヤグラムである。 正規化相対反射率のスペクトルデータを示す図である。 図9(a)は正規化相対反射率に基づいて作成された極大点および極小点の分布図であり、図9(b)は、研磨時間と共に変化する相対反射率を示すグラフである。 図10(a)は各時点での相対反射率から、相対反射率の平均値を減算することによって得られたスペクトルデータを示す図であり、図10(b)は図10(a)に示すスペクトルデータを用いて作成された極大点および極小点の分布図である。 図11(a)は図7(a)に対応する相対反射率の等高線図であり、図11(b)は図8に対応する正規化相対反射率の等高線図である。 極大点および極小点の分布図を用いて2つの波長を選択する方法を説明するためのダイヤグラムである。 配線パターンが形成された基板を研磨したときに測定されたスペクトルデータを基に作成された極大点および極小点の分布図である。 図13に示す分布図に基づいて選択された波長の組を用いて計算された特性値の変化を示す図である。 ソフトウエア(コンピュータプログラム)を用いて、極大点および極小点の分布図に基づいて特性値のパラメータとしての光の波長を決定する方法の一例を示すフローチャートである。 評点が高い順に表示された波長の組と、対応する特性値の描くグラフを示す図である。 研磨装置を模式的に示す断面図である。 図17に示す研磨装置の他の変形例を示す断面図である。
符号の説明
11 投光部
12 受光部
13 分光器
15 監視装置
20 研磨テーブル
22 研磨パッド
24 トップリング
25 研磨液供給ノズル
28 トップリングシャフト
30 孔
31 通孔
32 ロータリージョイント
33 液体供給路
34 液体排出路
35 液体供給源
40 光源
41 光ファイバー
50 透明窓

Claims (12)

  1. 光学式研磨終点検知における光の波長選択に用いられるダイヤグラムの作成方法であって、
    膜を有する基板の表面を研磨パッドで研磨し、
    前記研磨中に、前記基板の表面に光を照射し、かつ前記基板から戻る反射光を受光し、
    前記反射光の相対反射率を波長ごとに算出し、
    研磨時間と共に変化する前記相対反射率の極大点および極小点を示す前記反射光の波長を求め、
    前記極大点および極小点を示す前記波長が求められたときの時点を特定し、
    光の波長および研磨時間を表す座標軸を持つ座標系上に、前記求められた波長および対応する前記時点により特定される座標をプロットすることを特徴とするダイヤグラムの作成方法。
  2. 前記極大点および極小点を示す前記反射光の波長を求める工程は、
    前記相対反射率の平均値を波長ごとに算出し、
    各時点での前記相対反射率を前記平均値で割って前記相対反射率を修正し、
    前記修正された相対反射率の極大点および極小点を示す前記反射光の波長を求める工程であることを特徴とする請求項1に記載のダイヤグラムの作成方法。
  3. 前記極大点および極小点を示す前記反射光の波長を求める工程は、
    前記相対反射率の平均値を波長ごとに算出し、
    各時点での前記相対反射率から前記平均値を引き算して前記相対反射率を修正し、
    前記修正された相対反射率の極大点および極小点を示す前記反射光の波長を求める工程であることを特徴とする請求項1に記載のダイヤグラムの作成方法。
  4. 光学式研磨終点検知に用いられる光の波長の選択方法であって、
    膜を有する基板の表面を研磨パッドで研磨し、
    前記研磨中に、前記基板の表面に光を照射し、かつ前記基板から戻る反射光を受光し、
    前記反射光の相対反射率を波長ごとに算出し、
    研磨時間と共に変化する前記相対反射率の極大点および極小点を示す前記反射光の波長を求め、
    前記波長が求められたときの時点を特定し、
    光の波長および研磨時間を表す座標軸を持つ座標系上に、前記求められた波長および対応する前記時点により特定される座標をプロットしてダイヤグラムを作成し、
    前記ダイヤグラム上の所定の時間範囲内に存在する座標を探索し、
    前記探索された座標を構成する波長の中から複数の波長を選択することを特徴とする波長選択方法。
  5. 前記探索された座標を構成する波長の中から複数の波長を選択する工程は、
    前記探索された座標を構成する波長を用いて、複数の波長からなる組み合わせを複数生成し、
    各組み合わせにおける前記複数の波長での相対反射率から、膜の厚さの変化に伴って周期的に変化する特性値を計算し、
    波長評価式を用いて前記複数の組み合わせの評点を算出し、
    前記評点が最も高い組み合わせを構成する複数の波長を選択する工程であることを特徴とする請求項4に記載の波長選択方法。
  6. 前記波長評価式は、前記特性値の極大点または極小点が現れる時点と、前記特性値が研磨時間に伴って描くグラフの振幅とを評価要素として含むことを特徴とする請求項5に記載の波長選択方法。
  7. 選択された前記複数の波長を微調整する工程をさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載の波長選択方法。
  8. 前記極大点および極小点を示す前記反射光の波長を求める工程は、
    前記極大点および極小点を示す前記相対反射率の平均値を波長ごとに算出し、
    各時点での前記相対反射率を前記平均値で割って前記相対反射率を修正し、
    前記修正された相対反射率の極大点および極小点を示す前記反射光の波長を求める工程であることを特徴とする請求項4に記載の波長選択方法。
  9. 前記極大点および極小点を示す前記反射光の波長を求める工程は、
    前記極大点および極小点を示す前記相対反射率の平均値を波長ごとに算出し、
    各時点での前記相対反射率から前記平均値を引き算して前記相対反射率を修正し、
    前記修正された相対反射率の極大点および極小点を示す前記反射光の波長を求める工程であることを特徴とする請求項4に記載の波長選択方法。
  10. 研磨終点検知方法であって、
    膜を有する基板の表面を研磨パッドで研磨し、
    前記研磨中に、前記基板の表面に光を照射し、かつ前記基板から戻る反射光を受光し、
    請求項4に記載の波長選択方法に従って選択された複数の波長における前記反射光の相対反射率を算出し、
    前記算出された相対反射率から、膜の厚さの変化に伴って周期的に変化する特性値を計算し、
    研磨中に現れる前記特性値の極大点または極小点を検出することにより前記基板の研磨終点を検知することを特徴とする研磨終点検知方法。
  11. 研磨終点検知装置であって、
    研磨中に、膜を有する基板の表面に光を照射する投光部と、
    前記基板から戻る反射光を受光する受光部と、
    前記反射光の波長ごとの反射強度を測定する分光器と、
    前記分光器により測定された反射強度から、膜の厚さの変化に伴って周期的に変化する特性値を計算し、該特性値を監視する監視装置とを備え、
    前記監視装置は、
    請求項4に記載の波長選択方法に従って選択された複数の波長における前記反射強度から相対反射率を算出し、
    前記算出された相対反射率から、膜の厚さの変化に伴って周期的に変化する特性値を計算し、
    研磨中に現れる前記特性値の極大点または極小点を検出することにより前記基板の研磨終点を検知することを特徴とする研磨終点検知装置。
  12. 研磨パッドを支持し、該研磨パッドを回転させる研磨テーブルと、
    膜を有する基板を保持し、該基板を前記研磨パッドに押し付けるトップリングと、
    前記基板の研磨終点を検知する研磨終点検知装置とを備え、
    前記研磨終点検知装置は、
    研磨中に、膜を有する基板の表面に光を照射する投光部と、
    前記基板から戻る反射光を受光する受光部と、
    前記反射光の波長ごとの反射強度を測定する分光器と、
    前記分光器により測定された反射強度から、膜の厚さの変化に伴って周期的に変化する特性値を計算し、該特性値を監視する監視装置とを有し、
    前記監視装置は、
    請求項4に記載の波長選択方法に従って選択された複数の波長における前記反射強度から相対反射率を算出し、
    前記算出された相対反射率から、膜の厚さの変化に伴って周期的に変化する特性値を計算し、
    研磨中に現れる前記特性値の極大点または極小点を検出することにより前記基板の研磨終点を検知することを特徴とする研磨装置。
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