JP2010110094A - リニアモータおよびそれを備えた携帯機器 - Google Patents

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英明 宮本
Yoshikane Shishida
佳謙 宍田
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Abstract

【課題】薄型化を図ることが可能なリニアモータを提供する。
【解決手段】このリニアモータ100は、互いに離間して配列された扁平形状の渦巻状の電流線14を(一対の平面コイル14aおよび平面コイル14b)有する固定部10と、電流線14と対向する磁極面(表面20b)を有し、電流線14の表面(配列方向)に沿って電流線14上を移動可能に設けられた可動部20と、可動部20の往復移動の際に、可動部20を移動方向に付勢する板バネ30と、を備える。そして、板バネ30は、電流線14の配列の両端部において、可動部20の側面20aと対面して配置され、可動部20の両側から可動部20を挟持している。こうした板バネ30の幅H2は、可動部20の厚さH1の0.5倍〜1倍の範囲である。
【選択図】図2

Description

本発明は、リニアモータおよびそれを備えた携帯機器に関する。
従来、コイルからの電磁力により振動する可動部を備えた振動モータとしてのアクチュエータが知られている(たとえば、特許文献1および特許文献2参照)。
上記特許文献1に開示された振動モータは、円板状のマグネットからなる可動部と、可動部を取り囲むように配置されたコイルとを備え、コイルからの電磁力により可動部が上下方向(可動部の厚み方向)に直線移動する。
また、上記特許文献2に開示された振動装置では、永久磁石と、永久磁石に対向するように配置された振動子と、振動子に連結されるとともに筒状に形成された可動コイルとを備える。そして、可動コイルは、振動子の移動方向に延びる棒状のガイドレールに対して直交する方向にコイルの巻き面が配置されるとともに、ガイドレールに沿った方向に振動子とともに振動するように構成されている。
特開2006−68688号公報 特開2004−174309号公報
上記特許文献1の振動モータでは、円板状の可動部が上下方向に移動するように構成されているので、その上下方向に可動部の移動空間を設ける必要があり、構造的に振動モータの薄型化を図ることが困難であるという問題点がある。
上記特許文献2の振動装置では、可動コイルの移動方向(ガイドレールに沿った方向)に対して直交する方向に筒状の可動コイルの巻き面が配置されることになる。このため、可動コイルの巻き面の高さ方向の長さが大きくなるので、装置全体の薄型化を図ることが困難であるという問題がある。
この発明は、薄型化を図ることが可能な振動モータ(リニアモータ)を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面によるリニアモータは、渦巻状の電流線を有する基板と、渦巻状の電流線と対向する磁極面を有し、渦巻状の電流線の表面に沿って渦巻状の電流線上を移動可能に設けられた可動部と、可動部を往復移動させる移動手段と、渦巻状の電流線の両端部に設けられ、可動部の往復移動の際に、可動部を移動方向に付勢する板バネ部と、を備え、板バネ部が可動部と接触する部分において、板バネ部の可動部の磁極方向の寸法が、可動部の磁極方向の寸法の0.5倍〜1倍の範囲であることを特徴とする。
この発明の第2の局面による携帯機器は、上記第1の局面によるリニアモータを備えることを特徴とする。
この発明の第1の局面によるリニアモータでは、上記の構成により、薄型化を図ること
を可能にしながら、所定の振動量に達するまでの応答時間(起動時間)を短くすることができる。
この発明の第2の局面による携帯機器では、上記のリニアモータを備えることにより、携帯機器の薄型化および振動の応答時間の短縮を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態によるリニアモータの構造を示した平面図である。図2および図3は、図1に示した第1実施形態によるリニアモータの構造を説明するための図である。
本発明の第1実施形態によるリニアモータ100(リニア駆動型振動モータ)は、図1に示すように、収納部10aが設けられた固定部10と、収納部10aに配置された可動部20および板バネ30とを備えている。なお、可動部20は本発明の「可動部」の一例である。
固定部10は、図2に示すように、枠体11と、プリント基板12、13とを含み、被振動体50上に設けられている。枠体11は、平面的に見て、実質的に矩形形状に形成されているとともに、固定部10の収納部10aを構成する矩形形状の開口部を有している。枠体11の下面側(矢印Z2方向側)には、収納部10aを下側から塞ぐようにプリント基板12が配置され、枠体11の上面側(矢印Z1方向側)には、収納部10aを上側から塞ぐようにプリント基板13が配置されている。プリント基板12、13は、平面的に見て、実質的に矩形形状(長方形形状)に形成された平板状に構成され、枠体11とは実質的に同じ外形寸法を有している。ここで、枠体11の外形寸法は14mm(図1に示すX方向)×14mm(図1に示すY方向)であり、その開口部の寸法は13.5mm(X方向)×10.5mm(Y方向)である。なお、プリント基板13は本発明の「基板」およびX方向は本発明の「移動方向」の一例である。
プリント基板13の下面には、図2および図3に示すように、電流線14により構成され、電磁石として機能する一対の平面コイル14a、14bが形成されている。平面コイル14a、14bは、可動部20の移動方向である矢印X1方向および矢印X2方向に隣接するように配列されている。平面コイル14aは、図3に示すように、下面側(矢印Z2方向側)から見て、電流線14が内側から外側に向かって反時計回りに渦巻状に巻回されることにより形成されている。平面コイル14bは、下面側から見て、電流線14が内側から外側に向かって時計回りに渦巻状に巻回されることにより形成されている。すなわち、平面コイル14a、14bは、巻き方向が互いに反対方向となっている。また、平面コイル14a、14bは、平面コイル14aの電流線14の外側端部と平面コイル14bの電流線14の外側端部とが直列に接続されており、駆動電流が供給された際に、互いに逆方向の磁界を形成する。また、平面コイル14aの電流線14の内側端部および平面コイル14bの電流線14の内側端部は、それぞれ、後述する制御部15に接続されている。なお、電流線14は本発明の「電流線」の一例である。
プリント基板13の上面上には、図1および図2に示すように、リニアモータ100を制御するための制御ICからなる制御部15が設けられている。制御部15は、平面コイル14a、14bに交流電流(駆動電流)を供給する機能を有しており、矢印A方向(図3参照)の駆動電流と矢印A方向とは反対方向の駆動電流とを、所定の周波数で交互に供給する。なお、制御部15は本発明の「移動手段」の一例である。
こうした制御部15を、プリント基板13の上面上に設けたことで、電流線14の配線長が短くなり、制御部15から電流線14に流す電流を増加させることができる。このため、電流線14により発生する電磁力が増大し、その結果、可動部20の駆動力を増大させることができるとともに、可動部20の応答時間を短縮することができる。
可動部20は、図2に示すように、平面的に見て円形形状に形成された平板状の永久磁石(フェライトやネオジウムなどの強磁性材料からなる磁石)により構成されている。こうした永久磁石には、たとえば、直径が10mmで、厚さH1が1.4mmのものが採用される。そして、可動部20は、永久磁石の厚さ方向に着磁され、可動部20のプリント基板13側(矢印Z1方向側)の表面20bはN極、可動部20のプリント基板12側(矢印Z2方向側)の表面20cはS極に着磁されている。可動部20は、プリント基板12の上面上に載置されているとともに、平面的に見て、収納部10aの略中央に位置するように一対の板バネ30により側面20aが支持されている。そして、可動部20は、一対の板バネ30に支持された状態で、収納部10aの内部でプリント基板12、13に対して矢印X1方向および矢印X2方向に直線移動する。なお、板バネ30は本発明の「板バネ部」および可動部20の厚さH1は本発明の「可動部の磁極方向の寸法」の一例である。
一対の板バネ30は、図1および図2に示すように、それぞれ、収納部10a内において可動部20の矢印X1方向側および矢印X2方向側に配置されている。こうした板バネ30には、たとえば、PET(PolyEthylene Terephthalate)などの非磁性材料からなり、長さが10mmで、幅H2が1.2mmで、厚さが0.35mmのものが採用される。そして、一対の板バネ30の一方端部は、収納部10aの互いに対角に位置する角部で枠体11に取り付けられている。また、一対の板バネ30は、それぞれ、枠体11への取り付け部を支持点として撓み変形可能に構成されており、可動部20を互いに他方の板バネ30側に付勢する機能を有している。つまり、可動部20は、収納部10a内において一対の板バネ30の付勢力により往復移動可能に保持されている。なお、板バネ30の幅H2は本発明の「板バネ部の可動部の磁極方向の寸法」の一例である。
図4および図5は、リニアモータ100の動作を説明するための断面図である。
まず、図3に示すように、制御部15から平面コイル14a、14bに矢印A方向の駆動電流が所定の期間供給される。このとき、図4に示すように、渦巻状の平面コイル14aの中央部近傍には、アンペールの右ねじの法則に従って、下側がS極で上側がN極になるような磁界が形成される。その一方、渦巻状の平面コイル14bの中央部近傍には、アンペールの右ねじの法則に従って、下側がN極で上側がS極になるような磁界が形成される。これにより、可動部20は、平面コイル14aから引力を受けるとともに、平面コイル14bから斥力を受けるので、枠体11の内壁11a側(矢印X1方向)に移動される。この結果、可動部20の移動方向の板バネ30(左側の板バネ)が可動部20によって押され、可動部20の運動エネルギーがこの板バネ30の位置エネルギーに変換される。
制御部15から平面コイル14a、14bに矢印A方向(図3参照)とは反対方向の駆動電流が所定の期間供給されると、図5に示すように、渦巻状の平面コイル14aの中央部近傍には、アンペールの右ねじの法則に従って、下側がN極で上側がS極になるような磁界が形成される。その一方、渦巻状の平面コイル14bの中央部近傍には、アンペールの右ねじの法則に従って、下側がS極で上側がN極になるような磁界が形成される。これにより、可動部20は、電流線14aから斥力を受けるとともに、電流線14bから引力を受けるので、枠体11の内壁11b側(矢印X2方向)に移動される。この結果、可動
部20の移動方向の板バネ30(右側の板バネ)が可動部20によって押され、可動部20の運動エネルギーがこの板バネ30の位置エネルギーに変換される。
制御部15から平面コイル14a、14bに矢印A方向の駆動電流と矢印A方向とは反対方向の駆動電流とが交互に供給されることにより、上記のように、可動部20は、矢印X1方向および矢印X2方向に交互に移動される。すなわち、駆動電流が流れる方向を切り替えることにより、可動部20を往復移動させている。こうした往復移動の際、可動部20の運動エネルギーがすべて板バネ30の位置エネルギーに変化されたタイミングで駆動電流の流れる方向(電磁力の方向)を切り替えて、板バネ30の位置エネルギーと電磁力(引力および斥力)の方向を一致させ、エネルギー損失が少ない共振状態で往復移動させている。この結果、リニアモータ100は所定の振動量で振動する。なお、「振動量」とは、リニアモータが取り付けられた物体(たとえば、携帯電話)の加速度、または加速度を重力加速度(9.8m/s)で割った値である。
ここで、リニアモータ100について、可動部20の磁極方向の寸法(可動部20の厚さ)と、板バネ30が可動部20と接触する部分の寸法(板バネ30の可動部20の磁極方向の寸法)との関係について説明する。図6は、板バネが可動部と接触する部分の寸法を変化させたリニアモータの構造を説明するための断面図である。図6(A)は、第1実施形態に対応した実施例のリニアモータであり、板バネ30は、長さが10mmで、幅H2が1.2mmで、厚さが0.35mmである。これに対して、図6(B)は、板バネ30aとして、幅H4が1.6mmのものを採用した比較例1のリニアモータである。また、図6(C)は、板バネ30bとして、幅H6が0.4mmのものを採用した比較例2のリニアモータである。なお、可動部20を構成する永久磁石は、すべて同じ寸法であり、直径が10mmで、厚さH1が1.4mmである。
図6に示すように、各形態の一対の板バネは、可動部20の側面20aと対面して配置され、可動部20の両側面で可動部20を挟持している。可動部20の薄型化を図るには、一般に可動部20を構成する永久磁石の厚みを薄くする必要がある。しかしながら、永久磁石を薄くすると磁石自体の磁力が減少するので、可動部が平面コイル14a、14bに生じる磁界との間で駆動するだけの推力を生じさせることが困難となる。このため、可動部20を構成する永久磁石の薄型化には一定の限界があった。一方、板バネは、PETなどの非磁性材料で構成されるため、限界まで薄型化した永久磁石の厚みよりも容易に小さく加工することができる。
こうした状況を踏まえると、図6(B)に示すように、板バネ30aの幅H4が可動部20の厚さH1よりも大きい比較例1の場合(幅H4/厚さH1=1.1倍)には、リニアモータ全体の厚みH5は板バネ30aの厚さが支配的となり、可動部20を限界まで薄型化してもその効果を享受することができない。したがって、リニアモータの薄型化には、板バネの幅を可動部(永久磁石)の厚さよりも小さくすることが好ましい。
一方、図6(C)に示すように、板バネ30bの幅H6が可動部20の厚さH1よりも小さい比較例2の場合(幅H6/厚さH1=0.3倍)には、リニアモータ全体の厚さH3は可動部20の厚さH1が支配的となり、可動部20の薄型化の効果をそのまま反映させることができる。しかしながら、板バネ30bの幅H6が可動部20の厚さH1の半分(0.5倍)よりも小さくなると板バネ30bを枠体11に設置する位置によっては、図6(C)に示すように、矢印で示される可動部20の重心Gの移動線上から板バネ30b(板バネ30bの可動部20の側面20aを支持する面)がずれることになる。これにより、可動部20の移動の際、可動部20にはその移動方向(前方部分)の板バネ30bが支点となって回転しようとする力(可動部20の後方部分が持ち上がる力)が作用する。このため、このような状態での可動部20の往復移動では、回転しようとする力の分だけ
可動部20の運動エネルギーが損失するので、可動部20の移動方向への推力が低下し、所定の振動量に達するまでの応答時間の増加につながる。したがって、板バネの幅は可動部の厚さの半分以上(0.5倍以上)とすることが好ましい。
これに対して、図6(A)に示すように、板バネ30の幅H2が可動部20の厚さH1よりも小さく、且つ、板バネ30の幅H2が可動部20の厚さH1の半分以上である実施例の場合(幅H2/厚さH1=0.9倍)には、まず比較例2と同様、リニアモータ全体の厚さH3は可動部20の厚さH1が支配的となり、可動部20の薄型化の効果をそのまま反映させることができる。これに加え、矢印で示される可動部20の重心Gの移動線上に板バネ30(板バネ30の可動部20の側面20aを支持する面)が位置しているので、可動部20には比較例2のような回転しようとする力は作用せず、可動部20の運動エネルギーはそのまま板バネ30の位置エネルギーに変換される。したがって、実施例では、可動部20の移動方向への推力の低下を生じることがなく、動作時により大きな振動を与えることができるので、所定の振動量に達するまでの応答時間の短縮を図ることができる。
特に、実施例のように、板バネ30の幅を可動部20の厚さの0.5倍〜1倍の範囲であれば、製造バラつきなどでプリント基板12(図2参照)上に板バネ30が設置されたとしても、可動部20の重心Gの移動線上に板バネ30(板バネ30の可動部20の側面20aを支持する面)が位置することになるので、上述のリニアモータ100を再現よく安定して提供することができる。
本発明の第1実施形態によるリニアモータ100では、以下の効果を享受することができる。
(1)横振動型(X方向への振動)のリニアモータ100を構成することにより、縦振動型(Z方向への振動)のリニアモータに比べて、薄型化が図りやすい。すなわち、本実施形態では、プリント基板13に扁平状の電流線14(平面コイル14aおよび平面コイル14b)を配置するとともに、電流線14と対向する磁極面を有し、平面コイル14aおよび平面コイル14bの配列方向に沿って直線移動するように振動する可動部20を設けた。これによって、従来のように可動部20の上下方向(Z方向)への移動空間を設ける必要がなくなり、Z方向の厚みを小さくするための設計の自由度を確保できる。また、電流線14を可動部20の移動方向に沿って扁平状になるように渦巻状に形成した。これによって、コイルの巻き面が可動部の移動方向に対して直交する方向に配置される場合に比べて、コイルの巻き面による高さ方向(上下方向)への領域を設ける必要はなくなり、Z方向の厚みを小さくすることができる。これらの結果、薄型化を図ることが可能なリニアモータを提供することができる。
(2)板バネ30の幅H2を可動部20の厚さH1の0.5倍〜1倍の範囲としたことで、可動部20の重心Gの移動線上に板バネ30(板バネ30の可動部20の側面20aを支持する面)が確実に位置するようになるので、可動部20に板バネ30を支点として回転しようとする力(可動部20の後方部分が持ち上がる力)が抑制され、可動部20の運動エネルギーを振動へ変換する効率が向上する。したがって、動作時により大きな振動を与えることができるので、可動部20の応答時間(可動部20が所定の振動量に達するまでの時間)を短縮することができる。
(3)電流線14に電流が印加された際に、平面コイル14aと平面コイル14bとでは互いに逆方向の磁界が形成されるように構成したことで、平面コイル14aと可動部20との間、および、平面コイル14bと可動部20との間に、容易に引力および斥力を加えることができる。
(4)可動部20が円板形状であり、可動部20は枠体11の内側面と対向する凸状の曲面を有するので、外力を受けて位置ずれした場合であっても、可動部20と枠体11の内側面との接触部分は線接触となり、矩形形状の可動部(直方体形状からなる薄板可動部)を採用した場合のように平面同士の面接触とはならない。そのため、接触時の摩擦抵抗が矩形形状の可動部を採用した場合に比べて小さく、消費電力の増加を抑制することができる。
(5)板バネ30を用いたことで、コイルバネ(細長い金属線を螺旋状に巻いたもの)を用いる場合に比べて、バネ自体を永久磁石(可動部20)の厚さよりも容易に小さく形成することが可能になり、リニアモータ100の薄型化を低コストで実現することができる。
(6)電流線14(平面コイル14aおよび平面コイル14b)の表面に対向するように可動部20の磁極面を配置したことで、可動部20を構成する永久磁石から発生する磁力線(磁力線が生じる磁極面)と、電流線14に電流を流すことにより発生する磁束線(磁束線が生じるコイル面)とが平行になる。これに対して、上記特許文献2に記載の構成では、永久磁石からの磁力線と電流線14(平面コイル14aおよび平面コイル14b)からの磁束線とは直交する。したがって、リニアモータ100における構成は、上記特許文献2に記載の構成に比べて、磁力線と磁束線とが重なる量が大きいので、その分、可動部20を移動させる際の駆動力を大きくすることができる。
(第2実施形態)
図7および図8は、それぞれ、リニアモータ100を用いた携帯機器の一例を説明するための図である。なお、図8は、図7のリニアモータ100を含む部分の一断面である。
リニアモータ100は、図7および図8に示すように、携帯電話300などに用いることが可能である。携帯電話300は、リニアモータ100と、CPU310(図8参照)と、表示部320とを備えている。リニアモータ100は、携帯電話300の表示部320が配置された側とは反対側の面に配置されている。表示部320は、タッチパネル方式のパネルにより構成され、表示部320に表示されたボタン部320aを押圧することにより携帯電話300を操作するように構成されている。そして、リニアモータ100は、表示部320に表示されたボタン部320aが押圧されたことを検知した場合や、電話を着信した際にマナーモードに設定されている場合などに振動するようにCPU310で制御される。なお、携帯電話300は、本発明の「携帯機器」の一例である。
本発明のリニアモータ100を備える携帯電話300では、以下の効果を得ることができる。
(7)上記のリニアモータ100を搭載することによって、リニアモータ100が薄型化される分、携帯電話の薄型化を図ることが可能になる。
(8)上記のリニアモータ100を搭載することによって、携帯電話300の薄型化が可能で、携帯電話300が所定の振動量に達するまでの応答時間(起動時間)を短くすることができる。
(9)上記のリニアモータ100を搭載することによって、携帯電話300の薄型化が可能で、リニアモータ100の消費電力の増加が抑制される分、携帯電話300の消費電力を低減することができる。
(第3実施形態)
図10は、本発明の第3実施形態によるリニアモータの構造を示した斜視図である。図11〜図14は、図10に示した第3実施形態によるリニアモータの構造を説明するための図である。
本発明の第3実施形態によるリニアモータ200は、図10および図11に示すように、収納部110aが設けられた枠体110と、収納部110aに配置された可動部120と、可動部120を支持する一対の板バネ130とを備えている。なお、可動部120は本発明の「可動部」および板バネ130は本発明の「板バネ部」の一例である。
枠体110は、平面的に見て、矢印X1およびX2方向に延びる第1側壁部110bと矢印Y1およびY2方向に延びる第2側壁部110dとにより実質的に矩形形状(正方形形状)に形成されているとともに、枠体110の収納部110aは、上下方向(矢印Z1およびZ2方向)に貫通する矩形形状の開口部からなる。また、枠体110には、収納部110aの上方向側(矢印Z1方向側)の開口部を塞ぐようにプリント基板140が配置されているとともに、下方向側(矢印Z2方向側)の開口部を塞ぐように底板150が配置されている。また、枠体110、プリント基板140、及び底板150は、ガラスエポキシ樹脂により形成されている。なお、プリント基板140は、本発明の「基板」の一例である。
可動部120は、図11に示すように、平面的に見て角部が面取りされた矩形形状(長方形状)に形成されているとともに、平板状の永久磁石(フェライトやネオジウムなどの強磁性材料からなる磁石)により構成されている。可動部120は、矢印X1およびX2方向に沿って約8mmの長さを有するとともに、矢印Y1およびY2方向に沿って約10mmの長さを有する。また、可動部120は、平面的に見て、枠体110の収納部110aの略中央に位置するように一対の板バネ130により側面が支持されている。また、図12に示すように、可動部120は、収納部110aの高さよりも低い高さ(小さい厚み)を有している。
可動部120は、図12に示すように、第1磁石121および第2磁石122からなる2つの永久磁石により構成されている。具体的には、可動部120の中心線C3−C3近傍(図11参照)を境界として矢印X1方向側に第1磁石121が配置されるとともに、矢印Z2方向側に第2磁石122が配置されるように構成されている。第1磁石121のプリント基板140に対向する側には、厚み方向にN極に着磁されたN極面121aが設けられている。また、第2磁石122のプリント基板140に対向する側には、厚み方向にS極に着磁されたS極面122aが設けられている。なお、N極面121aおよびS極面122aは、本発明の「磁極面」の一例である。
第1磁石121の底板150に対向する側には、厚み方向にS極に着磁されたS極面121bが設けられている。同様に、第2磁石122の底板150に対向する側には、厚み方向にN極に着磁されたN極面122bが設けられている。
また、第1磁石121と第2磁石122とは、プリント基板140側の表面において、N極面121aとS極面122aとが隣接するとともに、底板150側の表面において、S極面121bとN極面122bとが隣接するように配置されている。そして、第1磁石121と第2磁石122とは、それぞれ、互いに隣接するN極面121aおよびS極面122a間による引力と、S極面121bおよびN極面122b間による引力とにより密着した状態で保持されているとともに、接着剤などにより互いに固定されている。
以上により、可動部120は、一対の板バネ130に支持された状態で、収納部110
aの内部においてプリント基板140に対して平行な矢印X1およびX2方向に直線移動する。ここで、平行とは、互いに平行な状態だけでなく、可動部120が直線移動する際の妨げにならない程度に平行な状態からずれた状態(所定の角度傾斜した状態)を含んでいる。また、このとき、第1側壁部110b(図11参照)は、可動部120が矢印X1およびX2方向に移動する際のガイドとしての機能を有する。
一対の板バネ130は、図10および図11に示すように、それぞれ、枠体110の第2側壁部110dの内側面に配置されている。具体的には、一対の板バネ130は、それぞれ、枠体110に固定される固定部130aと、撓み部130bと、可動部120の支持部130cとにより構成されている。固定部130aは、矢印Y1およびY2方向に沿って延びるように形成されているとともに、枠体110の第2側壁部110dに接着剤などにより固定されている。また、撓み部130bは、固定部130aとの境界部分から支持部130cまでの間に複数回(2回)折り曲げられることによって、一対の板バネ130の支持部130cの軌跡が中心線C4−C4上を矢印X1およびX2方向に沿って直線的に移動するように撓み可能に構成されており、可動部120を互いに他方側の板バネ130に付勢する機能を有している。また、各板バネ130の支持部130cは、それぞれ、枠部110の収納部110aの中心線C4−C4上近傍において可動部120を挟むようにして支持するように構成されている。なお、板バネ130と可動部120は、第1実施形態と同程度の寸法のものが採用され、板バネ130の幅と可動部120の厚さの関係は、第1実施形態と同じ0.5倍〜1倍の範囲に設定されている。
第1磁石121および第2磁石122における底板150に対向する側の表面には、鉄板などからなるヨーク160aが設けられている。また、プリント基板140の可動部120と対向する側とは反対側の表面にも、同様に、鉄板などからなるヨーク160bが設けられている。ヨーク160aおよび160bは、装置本体から外部へ磁気が漏れるのを抑制するための磁気シールドとしての機能を有する。
プリント基板140の内部には、図12〜図14に示すように、2層配線構造からなる扁平形状の平面コイル141および142が配置されている。平面コイル141および142は、それぞれ、平面的に見て、矩形形状の輪郭を有するとともに、内側から外側に向かってXY面(矢印X1(X2)方向と矢印Y1(Y2)方向とにより形成される面)方向に広がるように渦巻状に形成されている。なお、平面コイル141および142は、それぞれ、本発明の「電流線」の一例である。
平面コイル141および142は、1本の電流線143により互いに電気的に直列接続されている。具体的には、平面コイル141を構成する第1層目電流線143aは、図13に示すように、外側から内側に向かって反時計回りに渦巻状に巻回されている。平面コイル141の第1層目電流線143aの外側の端部は、プリント基板140上に設けられた電極パッド170aに接続されている。
平面コイル142を構成する第2層目電流線143bは、図14に示すように。内側から外側に向かって反時計回りに渦巻状に巻回されている。平面コイル142の第2層目電流線143bの外側の端部は、プリント基板140上に設けられた電極パッド170bに接続されている。そして、平面コイル141を構成する第1層目電流線143aの内側の端部と、平面コイル142を構成する第2層目電流線143bの内側の端部とが、それぞれの中心部分近傍においてプリント基板140に設けられたコンタクトホールを介して互いに接続されている。なお、ヨーク160bには、プリント基板140上の電極パッド170aおよび170bに対応する位置にそれぞれ開口部160cおよび160dが設けられており、ヨーク160bと、電極パッド170aおよび170bとは接触していない。
図13に示すように、平面コイル141は、それぞれ、矢印Y1およびY2方向に延びる第1部分141aおよび141bと、矢印X1およびX2方向に延びる第2部分141cおよび141dとを有している。第2部分141cおよび141dを構成する電流線143aの幅W2が、平面コイル141の第1部分141aおよび141bを構成する電流線143aの幅W1よりも小さくなるように形成されている。これにより、第2部分141cおよび141dを構成する電流線143aのピッチ(隣接する電流線143aの中心間の距離)L4が、第1部分141aおよび141bを構成する電流線143aのピッチL3よりも小さくなる。その結果、第1部分141aおよび141bに流れる電流により発生する磁場の磁束の大きさが、第2部分141cおよび141dに流れる電流により発生する磁場の磁束の大きさよりも大きくなる。
また、平面的に見て、第2部分141cおよび141dの少なくとも一部は、それぞれ、枠体110の第1側壁部110bに重なるように配置されている。つまり、平面コイル141の配置領域は、平面的に見て、可動部120よりも大きく、可動部120全体を覆っている。
図14に示すように、平面コイル142も、平面コイル141と同様の構成であり、矢印Y1およびY2方向に延びるとともに幅W1を有する第1部分142aおよび142bと、矢印X1およびX2方向に延びるとともに幅W2を有する第2部分142cおよび142dとを有している。また、平面的に見て、第2部分142cおよび142dの一部は、それぞれ、枠体110の第1側壁部110bに重なるように配置されている。
以上により、平面コイル141および142に駆動電流が供給された際には、第1部分141a(142a)と第1部分141b(142b)とにおいて電流方向は相反する方向となる。そして、第1部分141a(142a)、および、第1部分141b(142b)による電磁力が、可動部120を移動させるための駆動力となる。
次に、図13〜図16を参照して、本発明の第3実施形態によるリニアモータ200の動作を説明する。
まず、電極パッド170aおよび170bを介して、電流線143に駆動電流が供給される。これにより、図15に示すように、可動部120のN極面121aおよびS極面122a間において発生する矢印Z1およびZ2方向の磁界(図15の破線矢印を参照)と直交する方向(図12および図14の矢印Y1およびY2方向)の電流が平面コイル141の第1部分141aおよび141bと、平面コイル142の第1部分142aおよび142bに流れる。そして、平面コイル141(142)の第1部分141a(142a)を流れる電流が寄与するローレンツ力が第1磁石121のN極面121aに矢印X2方向に働く。同時に、平面コイル141(142)の第1部分141b(142b)を流れる電流が寄与するローレンツ力が第2磁石122のS極面122aに矢印X2方向に働く。以上により、可動部120が矢印X2方向に直線移動される。
そして、所定時間後、図16に示すように、図15に示す状態とは反対方向の駆動電流を供給することによって、上記と同様の作用により、可動部120が矢印X1方向に直線移動される。このようにして、所定の周波数で駆動電流の方向を切り替えることによって、可動部120は、矢印X1方向と矢印X2方向とに交互に直線移動されて共振運動される。この際、第1磁石121のS極面121bと第2磁石のN極面122bとの間に発生する磁束は、ヨーク160aに吸収されてヨーク160a内を選択的に通過するので、底板150を貫いて外側にまで及ぶようには発生しない。また、第1磁石121のN極面121aと第2磁石122のS極面122aとの間に発生する磁束は、プリント基板140を貫いた場合にヨーク160bに吸収されてヨーク160b内を選択的に通過するので、
ヨーク160bの外側にまで及ぶようには発生しない。
また、このとき、可動部120には、平面コイル141(142)において互いに対向する第2部分141c(142c)および141d(142d)から発生する電磁力により、それぞれ、矢印Y1およびY2方向に沿った中心に向かう方向の力、または、中心から矢印Y1およびY2方向に沿った外側に引っ張る方向の力が加えられている。
本発明の第3実施形態によるリニアモータ200では、上記(2)の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(10)横振動型(Y方向への振動)のリニアモータ200を構成することにより、縦振動型(Z方向への振動)のリニアモータに比べて、薄型化が図りやすい。すなわち、本実施形態では、平面コイル141および142の表面に沿った方向(矢印X1およびX2方向)に沿って移動可能な可動部120を設けた。これによって、上記特許文献1のように上下方向(Z方向)に厚みが大きいコイルを用いて上下方向に可動部を直線移動させる場合に比べて、可動部の移動範囲(移動空間)を設ける必要がないので、その方向の厚みを小さくするための設計の自由度を確保することができる。また、平面コイル141および142を可動部120の移動方向に沿って扁平状になるように渦巻状に形成した。これによって、上記特許文献2のようにコイルの巻き面が可動部の移動方向に対して直交する方向に配置される場合に比べて、コイルの巻き面による高さ方向(上下方向)への領域を設ける必要はなくなり、上下方向の厚みを小さくすることができる。これらの結果、薄型化を実現しやすいリニアモータ200を提供できる。
(11)可動部120を往復移動させる際、一対板バネ130が可動部120を支持した状態で移動するので、可動部120と板バネ130とが互いに離れて、再度接触することにより発生する騒音が確実に防止される。この結果、リニアモータ200の動作時の静音化を図ることができる。
(12)平面コイル141(142)に対向する側の表面に互いに異なる極性のN極面121aおよびS極面122aを含む可動部120を備え、N極面121aおよびS極面122aにそれぞれ対応する位置に、互いに電流の流れる方向が反対である平面コイル141(142)の第1部分141aおよび141b(142aおよび142b)を配置した。これにより、平面コイル141(142)に電流が流れた際に発生する電磁力によりN極面121aおよびS極面122aに加わる力が同じ方向になるので、その方向に可動部120を移動させることができる。すなわち、1つの渦巻状の平面コイルによりリニアモータを構成することができるので、その分、装置を小型化(小面積化)することが可能になる。なお、コイルに対向する側の永久磁石の極性が1種類のみからなる場合では、可動部を一方方向および他方方向に移動させるために両側にそれぞれコイルを配置する必要があるため、装置の小型化(小面積化)には一定の限界がある。
(13)平面コイル141(142)の表面に対向するように、可動部120のN磁極面121aおよびS磁極面122aが配置されるように構成した。これにより、可動部120側から発生する磁力線(磁力線が生じる磁極面)と、平面コイル141(142)に電流を流すことにより発生する磁束線(磁束線が生じるコイル面)とが平行になる。これに対して、上記特許文献2に記載の構成では、磁石からの磁力線とコイルからの磁束線とは直交する。したがって、上記特許文献2に記載の構成に比べてリニアモータ200における構成は、磁力線と磁束線とが重なる量が大きいので、その分、可動部120を移動させる際の駆動力を大きくすることができる。
(14)可動部120の平面コイル141(142)と対向する面とは反対側の面にお
いて、N極面121aに対応する位置にS極面121bを設けるとともに、S極面122aに対応する位置にN極面122bを設けた。これによって、可動部120のN極面121a、S極面122a、S極面121bおよびN極面122bは、互いに、可動部120の移動方向(矢印X1およびX2方向)および厚み方向(矢印Z1およびZ2方向)において異なる磁極が隣接するように配置される。したがって、それぞれの磁極面の間において発生する磁束の長さが小さくなるので、その分、リニアモータ200の外部に磁束が漏れるのを抑制することができる。その結果、リニアモータ200を種々の装置内に配置した場合に、リニアモータ200からの磁束漏れに起因して装置の動作不良が発生するのを抑制することができる。
(15)可動部120のS極面121bおよびN極面122bの表面に磁気シールドとしての機能を有するヨーク160aを設けることによって、S極面121bおよびN極面122b間に発生する磁束がリニアモータ200の底板150側から外部に漏れるのを確実に抑制することができる。また、プリント基板140の表面にもヨーク160bを配置することによって、N極面121aおよびS極面122a間において、平面コイル141および142を貫きつつ、ヨーク160b内を通過するようにして磁束が発生する。したがって、N極面121aおよびS極面122a間に発生する磁束がプリント基板140側から外部に漏れるのを確実に抑制することができる。以上により、リニアモータ200からの外部への磁束漏れを容易に抑制することができる。
(16)可動部120を両側から支持する一対の板バネ130を、可動部120との支持部130cが可動部120の移動方向(矢印X1およびX2方向)に沿って撓むように折り曲げられた形状に設けることによって、板バネ130は、支持部130cの軌跡が矢印X1およびX2方向に沿って直線的に移動する。これによって、支持部130cが矢印X1およびX2方向に沿って直線的に移動しながら可動部120を支持するので、可動部120が移動する際に支持部130cと可動部120との接触部分にずれが発生するのを抑制することができる。その結果、可動部120が移動しながら回転するのを抑制することができるので、リニアモータ200を安定して動作させることができる。
(17)可動部120を角部が面取りされた矩形形状にすることによって、面取りしない場合に比べて、可動部20が移動する際に、枠部110の第1側壁部110bとの間に引っかかりが生じるのを抑制することができる。したがって、こうした引っかかりに起因して可動部120が回転するのをより確実に抑制することができる。
(18)平面コイル141(142)に、可動部120が移動する方向と交差する方向(矢印Y1およびY2方向)に延びる第1部分141a、141b(142a、142b)と、可動部120が移動する方向(矢印X1およびX2方向)に延びる第2部分141c、141d(142c、142d)とを設けた。そして、第2部分141c、141d(142c、142d)の隣接する電流線143a(143b)のピッチL2が、第1部分141a、141b(142a、142b)の隣接する電流線143a(143b)のピッチL1よりも小さくなるように構成した。
これにより、第2部分141c、141d(142c、142d)のピッチL2が小さくなった分、第1部分141a、141b(142a、142b)の矢印Y1方向および矢印Y2方向の長さが長くなるので、可動部120を移動するための電磁力を増大させることができるとともに、可動部120の応答時間を短縮することができる。
(19)第2部分141c、141d(142c、142d)の電流線143a(143b)の幅W2を小さくすることにより、第2部分141c、141d(142c、142d)の隣接する電流線143a(143b)間のピッチL2が、第1部分141a、1
41b(142a、142b)の隣接する電流線143a(143b)間のピッチL1よりも小さくなるように構成した。これによって、第1部分141a、141b(142a、142b)の電流線143a(143b)の幅W1が大きい分、電流線143a(143b)の抵抗を小さくすることができるので、電流線143a(143b)を流れる電流量を大きくすることができる。その結果、可動部120の駆動力を増大させることができる。
(20)平面的に見て、平面コイル141(142)の第2部分141c(142c)および141d(142d)の一部を第1側壁部110bに重なるように配置した。これによって、可動部120に矢印Y1およびY2方向の力が作用する領域を小さくすることができるので、可動部120が矢印X1およびX2方向に直線移動する際に、矢印Y1およびY2方向の力に起因して直線状の移動経路からずれるのを抑制することができる。その結果、リニアモータ200を安定して動作させることができる。また、第2部分141c、141d(142c、142d)の一部が枠体110の第1側壁部110bに重なる分、可動部120を移動させるための電磁力の発生に寄与する第1部分141a、141b(142a、142b)の長さをより大きくすることができるので、可動部120の駆動力を増大させることができる。
(21)N極面121aと対向する平面コイル141(142)の第1部分141a(142a)に流れる電流の方向と、S極面122aと対向する平面141(142)の第1部分141b(142b)に流れる電流の方向とは、略反対の方向である。これにより、N極面121aと対向する平面コイル141(142)の第1部分141a(142a)と、S極面122aと対向する平面コイル141(142)の第1部分141b(142b)とには、同じ方向の力が働くので、容易に可動部120を駆動することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
上記第1実施形態では、一対の平面コイル(平面コイル14aおよび平面コイル14b)により可動部20を往復移動させる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、3つ以上の平面コイルを並べた状態で可動部20を往復移動させるようにしてもよい。
上記第1実施形態では、プリント基板13の下面に電流線14を配置する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、プリント基板13の下面および上面の両面に電流線を積層配置するようにしてもよい。この場合には、電流線から発生する磁界を増強することができるので、可動部20の駆動力が向上し、可動部20の応答時間をさらに短縮することができる。
上記第1実施形態では、プリント基板13側に電流線14を配置する例を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、プリント基板12側にも電流線を配置するようにしてもよい。この場合には、可動部20がその両磁極面側から駆動されるので、可動部20の駆動力が向上し、可動部20の応答時間をさらに短縮することができる。
上記第1実施形態では、制御部15から電流線14(平面コイル14a、14b)に駆動電流(交流電流)を供給する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、外部(携帯電話側)から直接電流線14に駆動電流を供給するようにしてもよい。この場合には、制御部15が不要となり、部品点数が削除されるので、リニアモータの低コスト化
を図ることができる。
上記第1実施形態では、可動部20を支持する板バネ30として、PETなどの非磁性材料を採用した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、SUS(Stainless Used Steel)などの磁性材料を採用してもよい。この場合、可動部20を構成する永久磁石と磁性材料との間に作用する磁気により可動部20の位置ずれ(可動部20の後方部分が持ち上がる現象など)を抑制することができる。
上記第1実施形態では、可動部20を支持する板バネ30として一定の幅H2を有するバネを採用した例を示したが、本発明はこれに限らず、板バネ30の幅H2は一定でなくてもよい。たとえば、板バネ30が可動部20の側面20aと接触する部分において、板バネ30の幅H2が可動部20の厚さH1の0.5倍〜1倍の範囲であればよく、これ以外の部分は、板バネの幅が可動部20の厚さの0.5倍未満であってもよい。また、上記した0.5倍〜1倍の範囲であれば、板バネ30が可動部20の側面20aと接触する部分の幅は他の部分の幅よりも細くてもよい。
上記第1実施形態では、可動部20を一対の板バネ30により支持する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、片側を2つの板バネ(計4つの板バネ)により支持するようにしてもよい。このように構成すれば、可動部20の移動に伴って力の作用点が変動する一対の板バネ30とは異なり、4つの板バネでは、バネに対する力の作用点が変動しないので、バネの弾性係数を一定として容易に反力の計算を行うことができる。
上記第1実施形態では、可動部20の一例として、平面的に見て、円形形状の可動部を用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図9に示すように、平面的に見て、円形形状の両端を切り落とした形状(円板から2つの互いに平行な弦に沿って2つの部分を切り落とした形状)の可動部520を用いてもよい。この場合には、上述の各効果に加え、円形形状の可動部を用いた場合に比べて、切り落とした部分だけ可動部520の移動量(移動範囲)が拡がるので、その分、可動部520がさらに加速されるようになり、リニアモータの振動量が増加する。
上記第1実施形態において、プリント基板12の可動部20と対向する側(上面側)の表面に対して、プリント基板12を構成する一般的なエポキシ樹脂よりも摩擦係数の小さい低摩擦層を形成してもよい。こうした低摩擦層を構成する材料としては、炭素系材料であるダイヤモンドライクカーボン(DLC)やフラーレンなど、フッ素樹脂であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)など、ポリオレフィン樹脂であるポリエチレン、ポリプロピレンなど、チタン系材料であるチタン、窒化チタン、酸化チタンなど、が挙げられる。このような構成とした場合には、可動部20と固定部10(プリント基板12)との間の摩擦抵抗がさらに低減されるために、可動部20の応答時間をさらに短縮することができる。
上記第1実施形態において、可動部20はその表面全体を覆うように磁性流体を配置した構成であってもよい。この場合、磁性流体の潤滑作用によって、可動部20とプリント基板12および枠体11との間の摩擦を低減することができるので、可動部20をスムースに移動させることができる。その結果、可動部の応答時間をさらに短縮することができる。また、可動部20と板バネ30との間に磁性流体が介在することで、可動部20を往復移動する際に、磁性流体が可動部20の緩衝部材として機能し、リニアモータ100の動作時の清音化を図ることができる。なお、磁性流体としては、たとえば、ナノメートルオーダーの鉄などの強磁性材料と、油などの溶媒とを混合することにより形成される。
上記第3実施形態では、角部が面取りされた矩形形状の可動部を採用した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、平面的に見て、円形形状の両端が切り落とされたような形状の可動部を採用してもよい。この場合には、円形形状の可動部を用いる場合に比べて、切り落とした部分の範囲だけ可動部の移動量(移動範囲)が広がるので、その分、可動部を加速させる範囲を広げることができる。したがって、リニアモータの振動量を増加させることができる。
上記第3実施形態では、可動部120を、N極面121a、S極面122a、S極面121b、及びN極面122bにより構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、可動部120をN極面121aおよびS極面122aのみから構成し、S極面121bおよびN極面122bは設けないようにしてもよい。つまり、平面コイル141および142に対向する面に沿って、互いに異なる磁性に着磁された磁極面が設けられていればよい。
上記第3実施形態では、可動部120を第1磁石121と第2磁石122とを隣接させるように設ける例を示したが、本発明はこれに限らず、第1磁石121と第2磁石122との間に、たとえば、タングステンなどの錘を配置してもよい。この場合、錘を配置した分、可動部120をより安定して動作させることができる。また、このとき、可動部120の容積を変えずに錘を配置することにより、錘を配置していない場合に比べて同じ容積のまま可動部120の重量を増加させることができる。これにより、可動部120の振動量を容易に増加させることがきでる。
上記第3実施形態では、ヨーク160aを、可動部120のS極面121bおよびN極面122bの表面上に設ける例を示したが、本発明はこれに限らず、ヨーク160aを、S極面121bおよびN極面122bの表面から側面の部分にまで延びるように配置してもよい。この場合、可動部120の側面方向(図12の矢印X1およびX2方向)の磁束漏れを確実に抑制することができる。
上記第3実施形態では、弾性部材の一例として2つの板バネ130により可動部120を移動可能に支持する例を示したが、本発明はこれに限らず、コイルバネまたはゴム部材などの板バネ以外の弾性部材であってもよい。また、3つ以上の板バネにより可動部を支持してもよい。
上記第3実施形態では、一対の板バネ139の支持部130cにより可動部120を挟むように支持する例を示したが、本発明はこれに限らず、板バネ130の支持部130cと可動部120との接触部分を接着してもよい。なお、可動部が円形に近い形状であるほど接着した方が好ましい。
上記第3実施形態では、可動部120を直接板バネ130により支持する例を示したが、本発明はこれに限らず、たとえば、可動部120の表面に磁性流体を配置した状態で板バネ130により支持してもよい。この場合、磁性流体を配置した分、可動部120と第1側壁部110bとの間の摩擦力、および、可動部120と底板150との間の摩擦力がそれぞれ低減されるので、可動部120の応答時間を短縮することができる。また、可動部120と板バネ130との間に磁性流体が介在することで、可動部120を往復移動する際に、磁性流体が可動部120の緩衝部材として機能し、リニアモータ200の動作時の清音化を図ることができる。
上記第2実施形態では、第1実施形態のリニアモータ100を採用した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第3実施形態のリニアモータ200を採用してもよい。この場合にも同様の効果を享受することができる。
本発明の第1実施形態によるリニアモータの構造を示した平面図である。 図1の600−600線に沿った断面図である。 図1に示した第1実施形態によるリニアモータの構造を説明するための平面図である。 本発明の第1実施形態によるリニアモータの動作を説明するための断面図である。 本発明の第1実施形態によるリニアモータの動作を説明するための断面図である。 (A)〜(C)板バネが可動部と接触する部分の寸法を変化させたリニアモータの構造を説明するための断面図である。 本発明の第2実施形態による携帯機器の構造を示した平面図である。 本発明の第2実施形態による携帯機器の構造を示した断面図である。 本発明の第1実施形態の変形例を説明するための平面図である。 本発明の第3実施形態によるリニアモータの構造を示した斜視図である。 本発明の第3実施形態によるリニアモータの平面図である。 本発明の第3実施形態によるリニアモータの断面図である。 本発明の第3実施形態によるリニアモータの平面コイルの第1層を示した平面図である。 本発明の第3実施形態によるリニアモータの平面コイルの第2層を示した平面図である。 本発明の第3実施形態によるリニアモータの動作を説明するための断面図である。 本発明の第3実施形態によるリニアモータの動作を説明するための断面図である。
符号の説明
10 固定部
10a 収納部
11 枠体
11a、11b 内壁
12、13 プリント基板
14 電流線
14a、14b 平面コイル
20 可動部
20a 側面
20b、20c 表面
30 板バネ
50 被振動体
100 リニアモータ
H1 可動部の厚さ
H2 板バネの幅

Claims (5)

  1. 渦巻状の電流線を有する基板と、
    前記渦巻状の電流線と対向する磁極面を有し、前記渦巻状の電流線の表面に沿って前記渦巻状の電流線上を移動可能に設けられた可動部と、
    前記可動部を往復移動させる移動手段と、
    前記渦巻状の電流線の両端部に設けられ、前記可動部の往復移動の際に、前記可動部を移動方向に付勢する板バネ部と、
    を備え、
    前記板バネ部が前記可動部と接触する部分において、前記板バネ部の前記可動部の磁極方向の寸法が、前記可動部の磁極方向の寸法の0.5倍〜1倍の範囲であることを特徴とするリニアモータ。
  2. 前記渦巻状の電流線は、渦巻状の1つのコイルを含み、
    前記可動部は、前記渦巻状の1つのコイルにより形成される磁界に基づいて移動するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のリニアモータ。
  3. 前記渦巻状の電流線は、前記可動部の移動方向に沿って互いに離間して配列された一対の平面コイルを含み、
    前記一対の平面コイルは電流が印加された際に、互いに逆方向の磁界を形成するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のリニアモータ。
  4. 前記可動部はその表面に配置された磁性流体を有し、
    前記板バネ部は前記磁性流体を介して前記可動部を支持していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のリニアモータ。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のリニアモータを備えた、携帯機器。
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