JP2010108346A - データ処理装置 - Google Patents

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Takuro Yokoyama
琢郎 横山
Takayuki Takezawa
隆之 武澤
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Abstract

【課題】曖昧な記載を排除したドキュメントを利用できるようにする。
【解決手段】ドキュメントDB311aは、外部機器の仕様を規定するドキュメントデータとして、外部機器の仕様を定義する条件が表形式に列記されたデータを格納し、リンクDB321aは、キーワードによってリンク付けされたリンクデータとして、ドキュメントデータに列記された条件に関連するキーワード同士が階層化されて対応付けられ、かつ、最下位層のキーワードに対応して数値データが設定されたデータを格納し、キーワード検索部321は、ドキュメントDBに格納されたドキュメントデータに列記された条件に対し、リンクDBに格納されたリンクデータによってリンク付けされたキーワードを、下位層に向けて順に検索することにより、外部機器の制御データとして、最下位層のキーワードに対応する数値データを特定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、システム仕様書となるドキュメントに記載されたデータから所望のデータを得るデータ処理装置に関する。
列車運行管理システムその他のシステムでは、システムの発注・受注時に、発注者と受注者との間で、「システム仕様書」が作成される。このシステム仕様書は、システムを構成する機器(設備)の状態を規定するためのドキュメントである(例えば、特許文献1参照)。
システム仕様書は、発注者、受注者、設計者、及び製作者(コーディング)間の重要なインタフェース文書となる。そのため、システム仕様書は、機器の状態に関する様々な説明が日本語の文章によって記載され、また、日本語の文章での記載が困難な場合には、読み手の理解を助けるために、図や表が用いられる場合もあった。以下、日本語の文章によって記載された形式のシステム仕様書を、特に「日本語表記型のシステム仕様書」と称する。
図12(a)〜(c)に、日本語表記型のシステム仕様書の記載例を示す。図12(a)〜(c)は、それぞれ、日本語表記型のシステム仕様書の説明図であり、列車運行管理システムのシステム仕様書となるドキュメント101、102、103の記載例を示している。
図12(a)は、設備の画面表現として、「信号機の表示色」の定義に関する説明(具体的には、「信号機の色を赤ブリンクさせるための条件」として、「線路閉鎖時に反位制御出力中、または、停止現示中に反位制御出力中」という説明)が記載されたドキュメント101を示している。また、図12(b)は、「線路閉鎖」の定義に関する説明が記載されたドキュメント102を示している。図12(c)は、「停止現示」の定義に関する説明が記載されたドキュメント103を示している。
これらのドキュメントは、列車運行管理システムでは、各設備を制御する制御プログラムを作成する場合に用いられている。また、例えば、テスト装置によって、設備全体の運行表示画面の妥当性や運行表示画面に表示された設備の健全性を確認する場合などに用いられる(例えば、特許文献2参照)。なお、テスト対象のデータ項目に漏れがなくかつ重複がないチェックリストを作成する技術も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2000−250744号公報(図5、図7) 特開2008−1268号公報(図1) 特開2001−273170号公報(図1〜図10)
しかしながら、システム仕様書は、以下に説明するように、説明が曖昧に記載されている場合や記載漏れがある場合があった。
例えば、システム仕様書は、日本語の文章での記載が困難な場合であっても、日本語の文章でのみ記載していることが多かった。しかも、日本語は、一つの文章で複数の解釈がなされることがあった。そのため、システム仕様書は、説明が曖昧に記載されている場合があった。
また、例えば、システム仕様書では、日本語の文章によって、「XXの状態でなかった場合ZZとする」と記載されていることが多い。設計者や製作者は、「XXの状態」が不成立になる条件が明確でなければ、制御プログラムを製作できない。そのため、システム仕様書は、不成立になる条件が記載されていることが好ましい。しかしながら、システム仕様書は、「XXの状態」が成立する場合の説明のみが日本語の文章で記載されていて、「XXの状態」が不成立となる場合の説明については記載されていないことが多い。したがって、この点でも、システム仕様書は、説明が曖昧に記載されている場合があった。
また、機器の状態を規定する各条件は成立条件及び不成立条件が不明確な場合が多く、また、全ての条件を日本語の文章で漏れなく記載することは困難であった。
例えば、システム仕様書では、日本語の文章によって、「XXの状態のときYYとする」と記載されていることが多い。「XXの状態」が1つの条件だけで成立する場合は、条件が一意に定まる。そのため、この文章は、明確な記載になっている。しかしながら、「XXの状態」が複数の条件によって成立する場合は、各条件は成立条件及び不成立条件が不明確な場合が多く、また、全ての条件を日本語の文章で漏れなく記載することは困難であった。
このように、システム仕様書は、説明が曖昧に記載されている場合や記載漏れがある場合があった。
前記した通り、従来用いられていたシステム仕様書は、説明が曖昧に記載されている場合や記載漏れがある場合があった。しかも、従来用いられていたシステム仕様書は、説明が曖昧に記載されていても、説明が記載されているだけで、あたかも全ての説明が読み手に明確に理解されるかのように錯誤される場合があった。
そのため、従来用いられていたシステム仕様書は、読み手に曖昧な理解を誘発する場合があるという課題があった。また、例えば、発注者と受注者が仕様を確認したり要件を分析する場合に、仕様の記載漏れや記載の妥当性の判断が困難であるという課題があった。また、例えば、設計者と製作者が制御プログラムを作成する場合に、仕様毎の各条件の成立条件及び不成立条件のチェックが困難であるという課題があった。
さらに、機器(設備)は、従来用いられているシステム仕様書に記載された仕様では適正に動作できない場合があるという課題があった。
本発明は、前記した課題を解決し、システム仕様書として、機器の状態を規定する条件を明確かつ漏れなく記載できるドキュメントを用い、そのドキュメントに記載されたデータから所望のデータを得るデータ処理装置を提供することを主な目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は、システム仕様書となるドキュメントに記載されたデータから所望のデータを得るデータ処理装置であって、
外部機器の状態を規定するドキュメントに記載されたデータをドキュメントデータとし、このドキュメントデータを格納するドキュメントデータベースと、
キーワードによってリンク付けされたデータをリンクデータとし、このリンクデータを格納するリンクデータベースと、
ドキュメントデータに列記された条件に関連するキーワードを検索するキーワード検索部とを有し、
前記ドキュメントデータベースは、
ドキュメントデータとして、前記外部機器の状態を定義する条件が表形式に列記(すなわち、網羅的に記載)されたデータを格納しており、
前記リンクデータベースは、
リンクデータとして、関連するキーワード同士が階層化されて対応付けられたデータを格納しており、
前記キーワード検索部は、
前記リンクデータベースに格納されたリンクデータによってリンク付けされたキーワードを階層毎に変更しながら、前記ドキュメントデータベースに格納されたドキュメントデータの中から、キーワードに該当する条件が記載されたドキュメントデータを順次検索することにより、リンクデータの最下層に位置するキーワードに該当する条件が記載された前記ドキュメントデータを検索する
ことを特徴とする。
その他の手段は、後記する。
本発明によれば、システム仕様書として、機器の状態を規定する条件を明確かつ漏れなく記載できるドキュメントを用い、そのドキュメントに記載されたデータから所望のデータを得るデータ処理装置を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
本実施形態に係るデータ処理装置は、システム仕様書として、外部機器の状態を定義する条件が表形式に列記(すなわち、網羅的に記載)されたドキュメント(以下、「表形式のドキュメント」または単に「ドキュメントデータ」と称する)を用い、このドキュメントに記載されたデータ(以下、「表形式のドキュメント」と称する)から所望のデータを得る。なお、ここでは、データ処理装置以外の機器を「外部機器」または「設備」と称する。
以下、まず、本実施形態に係るデータ処理装置の構成を説明し、次に、本実施形態で用いる表形式のドキュメントについて説明し、最後に、本実施形態のデータ処理装置の動作を説明する。
<データ処理装置の構成>
以下、図1〜図3を参照して、本実施形態に係るデータ処理装置の構成につき説明する。なお、図1〜図3は、それぞれ、本実施形態のデータ処理装置の内部ブロック図である。図1は、データ処理装置300の主要な構成要素を示している。図2は、データ処理装置300を、列車運行管理システムのテスト装置300aとして構成した場合の構成例を示している。図3は、データ処理装置300を、列車運行管理システムの制御装置300bとして構成した場合の構成例を示している。
(データ処理装置の主要な構成)
図1に示すように、データ処理装置300は、例えば、データを入力する入力部301、演算処理を行う演算部302、演算処理を行う際にデータを格納する手段として用いられる格納部303、及びデータを出力する出力部304を備えるコンピュータとして構成される。なお、格納部303は、RAM(Random Access Memory)やHDD(Hard disk drive)装置などにより構成される。演算処理機能は、CPU(Central Processing Unit)によって構成される演算部302が、RAMやHDD上のプログラムを実行することで、実現される。特に、後記するドキュメントDB作成部311、リンクDB作成部312、キーワード検索部321、テスト項目作成部331、及びテストデータ作成部332などの機能手段は、演算部302がHDD上のプログラムを実行することで、実現される。
入力部301は、例えばCD−ROMやDVD、可搬型メモリなどの各種の記憶媒体からデータを読み出すための図示せぬリーダ(ただし、ライタ機能を有する場合もある)を備えている。データ処理装置300は、表形式のドキュメントデータが格納された記憶媒体がリーダにセットされた場合に、記憶媒体からドキュメントデータを読み取る。また、入力部301は、他の機器と通信接続するための入出力インタフェースを備えている。データ処理装置300は、表形式のドキュメントデータや後記するリンクデータが格納された外部機器と入出力インタフェースによって通信接続された場合に、外部機器からこれらのデータを取得する。
演算部302は、内部に、キーワード検索部321が構築されている。キーワード検索部321は、ドキュメントデータに列記された条件に関連するキーワードを検索する機能手段である。
格納部303は、内部に、ドキュメントデータベース(以下、「ドキュメントDB」と称する)311a、及びリンクデータベース(以下、「リンクDB」と称する)321aが構築されている。
ドキュメントDB311aは、表形式のドキュメントデータを格納するデータベースである。
リンクDB321aは、キーワードによってリンク付けされたデータ(以下、「リンクデータ」と称する)を格納するデータベースである。リンクDB321aに格納されるリンクデータは、図7を用いて後記するように、設備単位(ただし、機能単位、または処理単位でもよい)で、関連するキーワード同士が階層化されて対応付けされている。さらに、リンクデータは、最下位層に位置するキーワード(以下、「最下位層のキーワード」と称する)に対応して数値データが設定されている。
なお、リンクDB321aは、少なくとも表形式のドキュメントデータに列記された条件に関連するキーワードに関しては、ドキュメントデータの作成時に参照されたリンクデータと一致するデータを格納することが好ましい。そのために、図1に示す例では、データ処理装置300は、入力部301の図示せぬ入出力インタフェースを介して、ドキュメントデータの作成時に参照されたリンクデータを格納しているリンクDB53aを有する端末装置50と通信接続して、その端末装置50からドキュメントデータの作成時に参照されたリンクデータを取得している。また、図2に示す例では、データ処理装置300(テスト装置300a)は、入力部301の図示せぬリーダを介して、表形式のドキュメントデータが格納された記憶媒体からドキュメントデータを読み取り、さらに、キーワード検索部321によって、読み取られたドキュメントデータを対象にして設備単位(ただし、機能単位、または処理単位でもよい)で関連するキーワードを検索することによって、ドキュメントデータの作成時に参照されたリンクデータを取得している。
前記したキーワード検索部321は、各条件に付与された固有のIDまたはキーワードに基づいて、リンクDB321aに格納されたリンクデータによってリンク付けされたキーワードを階層毎に変更しながら、ドキュメントDB311aに格納されたドキュメントデータの中から、キーワードに該当する条件が記載されたドキュメントデータを順次検索する。以下、このような検索処理を「階層キーワード検索」と称する。これにより、キーワード検索部321は、リンクデータの最下層のキーワードに該当する条件が記載されたドキュメントデータを特定できる。なお、リンクデータは、最下層のキーワードに対応して数値データが設定されている。そのため、キーワード検索部321は、外部機器を制御する信号ビットの値として、最下位層のキーワードに対応する数値データの値を特定できる。なお、キーワード検索部321は、階層キーワード検索を行ったときに、検索経路を表すトレースデータを作成する。このトレースデータについては、図6を用いて後記する。
データ処理装置300は、機能毎に分類すると、例えば、入力処理部310と、検索処理部320と、機能処理部330とに分類できる。
入力処理部310は、記憶媒体や外部機器から表形式のドキュメントデータを取得してドキュメントDB311aに格納する機能手段である。検索処理部320は、ドキュメントDB311aに格納されたドキュメントデータとリンクDB321aに格納されたリンクデータを用いて、任意のキーワードが記載されたドキュメントデータを検索する機能手段である。機能処理部330は、データ処理装置300に付与された固有の機能を実行する機能手段である。なお、ドキュメントDB311aは、入力処理部310に分類される。また、キーワード検索部321及びリンクDB321aは、検索処理部320に分類される。
データ処理装置300は、様々なシステムの装置として構成することができる。例えば、データ処理装置300は、列車運行管理システムにおいて、運行表示画面の妥当性を確認するために、運行表示画面の全点試験を行うテスト装置として構成することができる。また、データ処理装置300は、列車運行管理システムにおいて、設備の動作を制御する制御装置として構成することもできる。
(列車運行管理システムのテスト装置としての構成例)
図2に、データ処理装置300を、列車運行管理システムのテスト装置300aとして構成した場合の構成例を示す。図2に示す例では、テスト装置300aは、キーワード検索部321、ドキュメントDB311a、及びリンクDB321aに加え、ドキュメントDB作成部311、リンクDB作成部312、テスト項目作成部331、テストデータ作成部332、及びシミュレートデータベース(以下、「シミュレートDB」と称する)332aを備えている。
ドキュメントDB作成部311は、ドキュメントDB311aに格納するドキュメントデータ311b(図10参照)を作成する機能手段である。ドキュメントDB作成部311は、記憶媒体からドキュメント201、202、203、204、205、…などの入力ドキュメントデータ200を読み取り、入力ドキュメントデータ200の中から所定の項目のデータ(例えば、ドキュメント名称と表名称とIDと状態と条件などのデータ)を抽出し、抽出したデータに基づいてドキュメントデータ311bを作成する。なお、ドキュメントデータ311bの詳細については、図10を参照して後記する。
リンクDB作成部312は、リンクDB321aに格納するリンクデータ312b(図11参照)を作成する機能手段である。リンクDB作成部312は、階層キーワード検索により検索された経路上の各ドキュメントをリンク付けることによりリンクデータ321bを作成する。なお、リンクデータ321bの詳細については、図11を参照して後記する。
テスト項目作成部331は、条件毎に付与された固有のIDをテスト項目として、条件チェック用のテスト項目データを作成する機能手段である。テスト項目作成部331は、キーワード検索部321によって抽出されたドキュメントデータに対して、チェックすべき条件の有無を検証して、チェックマークを記入するためのチェック欄を付与したテスト項目データ401を作成して、ディスプレイやプリンタに出力する。
テストデータ作成部332は、テスト対象となる外部機器(設備)の動作テストに用いるテストデータを作成する機能手段である。テストデータ作成部332は、シミュレートDB332aからテスト対象となる外部機器のシミュレートデータを読み出し、シミュレートデータが表す外部機器の各動作工程と、キーワード検索部321によって任意のキーワードが検索されたときに作成されるトレースデータとを対応付けることにより、テストデータを作成する。
シミュレートDB332aは、図示せぬシミュレータによって作成された外部機器(設備)のシミュレートデータを格納するデータベースである。
(列車運行管理システムの制御装置としての構成例)
図3に、データ処理装置300を、列車運行管理システムの制御装置300bとして構成した場合の構成例を示す。図3に示す例では、制御装置300bは、制御信号出力部334、及び制御データベース(以下、適宜「制御DB」と称する)334aを備えている。
制御信号出力部334は、制御対象となる外部機器(設備)に対して、制御信号を出力する機能手段である。制御信号出力部334は、制御DB334aから制御対象となる外部機器の制御プログラム及びデータを読み出し、外部機器の動作タイミングに合わせて、キーワード検索部321によって特定された数値データの値を、信号ビット(制御信号)の値として外部機器に出力する。
制御DB334aは、制御対象となる外部機器の制御プログラム及びデータを格納するデータベースである。
このように構成された制御装置300bは、制御対象となる外部機器(設備)の動作を制御できる。
<本実施形態で用いる表形式のドキュメント>
以下、図4〜図8を参照して、本実施形態で用いる表形式のドキュメントにつき説明する。なお、図4及び図5(a)〜(d)は、それぞれ、本実施形態で用いるドキュメントの説明図である。図6〜図8は、それぞれ、本実施形態で用いるリンクデータの説明図である。
なお、ここでは、図2に示すテスト装置300aによって列車運行管理システムで用いられるシステム仕様書を例にして、表形式のドキュメントを説明する。列車運行管理システムでは、「信号機」、「てこ」、「軌道回路」などが、運行表示画面に表示される設備となる。表形式のドキュメントは、これらの設備単位(ただし、機能単位、または処理単位でもよい)で作成される。
また、ここでは、表形式のドキュメントは、表計算用のソフトウェアのデータシート上に外部機器の状態を定義する条件を列記することによって、作成されているものとして説明する。
(表形式のドキュメントデータ)
図4は、図12(a)に示す日本語表記型のドキュメント101を、表形式のドキュメント201として構成した場合の例を示している。なお、表形式のドキュメントは、定義するドキュメントの名称、状態名称、状態を満たすための条件、及び、条件毎に付与する固有のIDが記載されていることが好ましい。
図4及び図12(a)は、ともに、信号機(設備)の画面表現として、「信号機の表示色」の定義に関する説明が記載されたドキュメントを示している。
図12(a)に示すドキュメント101には、定義するドキュメントの名称として、「信号機の表示色定義」という説明が記載されている。また、ドキュメント101には、「信号機の色を赤ブリンクさせるための条件」として、「線路閉鎖時に反位制御出力中、または、停止現示中に反位制御出力中」という説明が記載されている。ここでは、信号機を赤ブリンクさせるための条件として2つの条件が定義されている。しかしながら、この2つの条件は、図12(b)及び(c)に示すように、他のシステム仕様書(ドキュメント102及び103)で定義されることが多い。そのため、該当する状態となる条件を認識するためには、その記載箇所を検索しなければならなかった。また、ドキュメント101に記載された「信号機の色を赤ブリンクさせるための条件」は、複数項目の論理演算結果より導かれる条件となっている。従来用いられていた日本語表記型のシステム仕様書では、成立条件のみが記載され、不成立条件は記載されないことが多かった。
これに対して、図4に示すドキュメント201には、定義するドキュメントの名称として、「信号機表示色定義」という説明が記載されている。また、ドキュメント201には、「状態」として[赤ブリンク]が記載されており、その「状態」を決定するための「条件」として、[線路閉鎖中]に[反位制御出力中]という条件、及び、[停止現示中]に[反位制御出力中]という条件が記載されている。さらに、ドキュメント201には、各条件に対応して固有のID(例えば、前者の条件に対して「AA01」というIDと後者の条件に対して「AA02」というID)が付与されている。なお、ここでは、ドキュメント201に記載された「条件」が成立する場合の画面表現を「状態」と称している。
このドキュメント201は、信号機を[赤ブリンク]の状態にするためにはOR条件からなる2つの条件が存在し、[それ以外]の条件では全て[なし]の状態になることを意味している。この[赤ブリンク]の状態となる「条件」には、[線路閉鎖中]及び[停止現示中]という状態定義語が記載されている。これらは、それぞれ、後記するように、図5(a)及び(c)に示すドキュメント202及び204によって定義されている。さらに、ドキュメント202及び204には、[反位]及び[定位]という状態定義語が記載されている。これらは、それぞれ、後記するように、図5(b)及び(d)に示すドキュメント203及び205によって定義されている。なお、ドキュメント203及び205は、それぞれ、後記するように、[反位]の状態となる「条件」として、数値「0」が設定されている。したがって、信号機の表示が[赤ブリンク]の状態になる条件は、[線路閉鎖てこ]の状態が「0」になった場合(図5(b)参照)か、または、[停止現示てこ]の状態が「0」になった場合(図5(d)参照)のいずれかであることが容易に認識できる。
なお、表形式のドキュメントの“[”及び“]”で囲まれた各用語は、システム上の定義語を表している。以下、“[”及び“]”で囲まれた各用語を、「状態定義語」と称する。この状態定義語は、他のドキュメント内でも共通の意味を持つ定義語として用いられる。この状態定義語は、制御プログラムを作成する際には変数に相当する部分になる。なお、表形式のドキュメントは、状態定義語を用いて状態や条件を記述しているが、これは、制御プログラムの作成の容易化を図るとともに、システム仕様書内で同じ状態や条件を表現する用語を統一させることを目的としている。
図5(a)及び(b)は、図12(b)に示す日本語表記型のドキュメント102を、表形式のドキュメント202及び203として構成した場合の例を示している。また、図5(c)及び(d)は、図12(c)に示す日本語表記型のドキュメント103を、表形式のドキュメント204及び205として構成した場合の例を示している。なお、ドキュメント202及び203は、それぞれ、「線路閉鎖てこ」の状態を定義するドキュメントである。また、ドキュメント204及び205は、それぞれ、「停止現示てこ」の状態を定義するドキュメントである。
図5(a)に示すドキュメント202には、「状態」として[線路閉鎖中]と[線路閉鎖なし]が示されており、[線路閉鎖中]という「状態」を決定するための「条件」として、[線路閉鎖てこ]が[反位]という条件が記載され、さらに、[線路閉鎖なし]という「状態」を決定するための「条件」として、[線路閉鎖てこ]が[定位]という条件が記載されている。さらに、ドキュメント202には、各条件に対応する固有のIDとして、前者の条件に対して「BA01」というIDと後者の条件に対して「BA02」というIDが付与されている。
また、図5(b)に示すドキュメント203には、「状態」として[反位]と[定位]が示されており、[反位]という「状態」を決定するための「条件」として、数値[0]という条件が記載され、さらに、[定位]という「状態」を決定するための「条件」として、数値[1]という条件が記載されている。さらに、ドキュメント203には、各条件に対応する固有のIDとして、前者の条件に対して「ZB01」というIDと後者の条件に対して「ZB02」というID)が付与されている。
また、図5(c)に示すドキュメント204には、「状態」として[停止現示中]と[停止現示なし]が示されており、[停止現示中]という「状態」を決定するための「条件」として、[停止現示てこ]が[反位]という条件が記載され、さらに、[停止現示なし]という「状態」を決定するための「条件」として、[停止現示てこ]が[定位]という条件が記載されている。さらに、ドキュメント204には、各条件に対応する固有のIDとして、前者の条件に対して「BC01」というIDと後者の条件に対して「BC02」というIDが付与されている。
また、図5(d)に示すドキュメント205には、「状態」として[反位]と[定位]が示されており、[反位]という「状態」を決定するための「条件」として、数値[0]という条件が記載され、さらに、[定位]という「状態」を決定するための「条件」として、数値[1]という条件が記載されている。さらに、ドキュメント205には、各条件に対応する固有のIDとして、前者の条件に対して「ZD01」というIDと後者の条件に対して「ZD02」というID)が付与されている。
なお、本実施形態では、最下層のドキュメント(ここでは、図5(b)に示されたドキュメント203及び図5(d)に示されたドキュメント205)に記載された表の「条件」には、必ず、数値が設定される。この数値は、外部機器(ここでは、テスト対象となる設備)を制御するための信号ビット(制御信号)となる。
なお、「状態」を決定するための「条件」は、他の表形式のドキュメントに記載された表によって定義付けされる。したがって、「状態」を決定するための「条件」は、設備単位(ただし、機能単位、または処理単位でもよい)で、階層的な条件を積み上げることによって定義付けされる。例えば、図4に示すドキュメント201に記載された[線路閉鎖中]に[反位制御出力中]という条件は、図5(a)に示すドキュメント202及び図5(b)に示すドキュメント203に記載された表によって定義付けされる。また、例えば、図4に示すドキュメント201に記載された[停止現示中]に[反位制御出力中]という条件は、図5(c)に示すドキュメント204及び図5(d)に示すドキュメント205に記載された表によって定義付けされる。
これら表形式のドキュメントに記載されたデータ(すなわち、表形式のドキュメントデータ)は、データ処理装置300のドキュメントDB321a(図1〜図3参照)に格納される。
(リンクデータ及びトレースデータ)
前記した状態定義語は、他のドキュメント内でも共通の意味を持つ定義語として用いられるため、他のドキュメントに記載された「状態」または「条件」とリンク付けされる可能性が高い。したがって、データ処理装置300のキーワード検索部321(図1〜図3参照)は、この状態定義語を「キーワード」にして、階層キーワード検索(すなわち、キーワードを階層毎にリンク付けされたキーワードに変更しながら、ドキュメントDB321aに格納されたドキュメントデータの中から、キーワードに該当する条件が記載されたドキュメントデータを順次検索する処理)ができる。この関連するキーワード同士が階層化されて対応付けられたデータが「リンクデータ」となる。
図6にリンクデータの一例を示す。図6は、キーワード検索部321(図1〜図3参照)が[赤ブリンク]という状態定義語をキーワードにして、階層キーワード検索を行った場合の検索例を示している。なお、リンクデータは、上位層のキーワードと下位層のキーワードを結ぶ線として示されている。図6では、最下位層のキーワードをハッチングして示している。この最下位層のキーワードには、対応する数値データが設定されている。
図6に示す例では、階層キーワード検索は、以下のようにして行われている。
すなわち、キーワード検索部321は、まず、ドキュメントDB311aに格納されたドキュメントデータの中からキーワードとして[赤ブリンク]という状態定義語が記載されたドキュメントを検索する。その結果、キーワード検索部321は、図4に示すドキュメント201を抽出する(S1)。このドキュメント201には、[赤ブリンク]という「状態」に対して、「AA01」というIDと「AA02」というIDが付された2つの「条件」が記載されている。そして、ID「AA01」に対応する「条件」の中には、[赤ブリンク]というキーワードにリンク付けされたキーワードとして[線路閉鎖中]という状態定義語が記載されている。また、ID「AA02」に対応する「条件」の中には、[赤ブリンク]というキーワードにリンク付けされたキーワードとして[停止現示中]という状態定義語が記載されている。したがって、キーワード検索部321は、次に、ドキュメントDB311aに格納されたドキュメントデータの中から、キーワードとして[線路閉鎖中]という状態定義語が記載されたドキュメントと[停止現示中]という状態定義語が記載されたドキュメントを検索する(S2)。その結果、キーワード検索部321は、図5(a)に示すドキュメント202及び図5(c)に示すドキュメント204を抽出する。
ドキュメント202には、[線路閉鎖中]という「状態」に対して、「BA01」というIDが付された「条件」が記載されている。そのID「BA01」に対応する「条件」の中には、[線路閉鎖中]というキーワードにリンク付けされたキーワードとして[線路閉鎖てこ]及び[反位]という状態定義語が記載されている。また、ドキュメント204には、[停止現示中]という「状態」に対して、「BC01」というIDが付された「条件」が記載されている。そのID「BC01」に対応する「条件」の中には、[停止現示中]というキーワードにリンク付けされたキーワードとして[停止現示てこ]及び[反位]という状態定義語が記載されている。したがって、キーワード検索部321は、次に、ドキュメントDB311aに格納されたドキュメントデータの中から、キーワードとして[線路閉鎖てこ]及び[反位]という状態定義語が記載されたドキュメントと[停止現示てこ]及び[反位]という状態定義語が記載されたドキュメントを検索する(S3)。その結果、キーワード検索部321は、図5(b)に示すドキュメント203及び図5(d)に示すドキュメント205を抽出する。
ドキュメント203には、[反位]という「状態」に対して、「ZB01」というIDが付された「条件」が記載されている。そのID「ZB01」に対応する「条件」の中には、数値[0]が記載されている。また、ドキュメント205には、[反位]という「状態」に対して、「ZD01」というIDが付された「条件」が記載されている。そのID「ZD01」に対応する「条件」の中には、数値[0]が記載されている。これらID「ZB01」に対応する「条件」の中に記載された数値[0]及びID「ZD01」に対応する「条件」の中に記載された数値[0]が、設備(ここでは、「線路閉鎖てこ」及び「停止現示てこ」)を制御するための信号ビット(制御信号)となる。
以上により、階層キーワード検索が行われる。キーワード検索部321は、これにより外部機器(設備)を制御するための信号ビットを特定できる。
なお、キーワード検索部321は、階層キーワード検索を行ったときに、検索経路を表すトレースデータを作成する。図6に示す例では、キーワード検索部321は、ID「AA01」、ID「BA01」、及びID「ZB01」の順で各IDが付された「条件」を抽出するとともに、ID「AA02」、ID「BC01」、及びID「ZD01」の順で各IDが付された「条件」を抽出している。したがって、「AA01:BA01:ZB01」という検索経路と「AA02:BC01:ZD01」という検索経路が、トレースデータとなる。なお、トレースデータ「AA01:BA01:ZB01」及びトレースデータ「AA02:BC01:ZD01」は、それぞれ、対応する信号ビットの値が「0」となる。
なお、図6に示す例では、リンクデータは、最上位層のデータに対して、その下に、2層の下位層のデータが配置された構造となっている。しかしながら、リンクデータの層構造は、これに限らない。図7(a)及び(b)に、リンクデータの層構造の一例を示す。なお、図7に示す符号「i」は、リンクデータの階層を示している。例えば、図7(a)に示す例では、リンクデータは、最上位層のデータに対して、その下に、2〜3層の下位層のデータが配置された構造となっている。なお、図7(a)に示すように、リンクデータは、1つのキーワードに対して、3以上の下位層のデータが配置された構造となる場合もある。図7(b)に示す例では、リンクデータは、最上位層のデータに対して、その下に、1層の下位層のデータが配置された構造となっている。
このようなリンクデータは、図8に示すように、例えば、端末装置50のリンクDB53aに予め格納しておき、ドキュメントデータの作成時に、端末装置50によって適宜検索できる。以下、端末装置50を、「キーワード検索装置50」と称する。なお、図8に示す例では、キーワード検索装置50は、データを入力する入力部51、演算処理を行う演算部52、演算処理を行う際にデータを格納する手段として用いられる格納部53、及びデータを出力する出力部54を備えるコンピュータとして構成される。演算部52は、内部に、本実施形態のデータ処理装置300のキーワード検索部321と同様のキーワード検索部52aが構築されている。格納部52は、内部に、リンクDB53aが構築されている。
<データ処理装置の動作>
以下、図9〜図11を参照して、本実施形態に係るデータ処理装置300の動作につき説明する。なお、図9は、本実施形態のデータ処理装置の動作を示すフローチャート図である。また、図10は、ドキュメントDBに格納されるドキュメントデータの説明図である。図11は、リンクDBに格納されるリンクデータの説明図である。
なお、ここでは、図2に示すテスト装置300aによって、表形式のドキュメントデータから、条件チェック用のテスト項目データと、テスト対象となる外部機器(設備)の動作テストに用いるテストデータを作成する場合を例にして説明する。
ドキュメント201、202、203、204、205、…などのドキュメントデータは、例えば表計算用のソフトウェアのデータとして作成され、図示せぬ記憶媒体に格納されている。この記憶媒体は、テスト装置300aの入力部301(具体的には、図示せぬリーダ)にセットされる。
記憶媒体が入力部301にセットされると、これに応答して、テスト装置300aのドキュメントDB作成部311は、図9に示すように、入力ドキュメントデータ200として、ドキュメント201、202、203、204、205、…などのドキュメントデータを読み取る。これにより、入力ドキュメントデータ200が、テスト装置300aに入力される(S105)。
ドキュメントDB作成部311は、入力ドキュメントデータ200を読み取ると、これに応答して、入力ドキュメントデータ200の中から所定の項目のデータ(例えば、ドキュメント名称と表名称とIDと状態と条件などのデータ)を抽出し、抽出したデータに基づいてドキュメントデータ311b(図10参照)を作成して(S110)、ドキュメントDB311aに格納する。なお、図10に示す例では、入力ドキュメントデータ200のドキュメント201〜205に対応するドキュメント201a〜205aが、ドキュメントデータ311bとしてドキュメントDB311aに格納されていることを示している。
ドキュメントDB311aがドキュメントデータ311bを格納すると、これに応答して、キーワード検索部321は、ドキュメントDB311aからドキュメントデータ311bを読み出し、各条件に付された固有のIDまたは任意のキーワードに基づいて、階層キーワード検索を行い(S115)、トレースデータ(図6参照)を作成して(S120)、図示せぬ格納領域に格納する。
トレースデータが図示せぬ格納領域に格納に格納されると、これに応答して、リンクDB作成部312は、S115の階層キーワード検索により検索された経路上の各ドキュメントをリンク付けることによりリンクデータ321b(図11参照)を作成して(S125)、リンクDB321aに格納する。
リンクDB321aがリンクデータ321bを格納すると、これに応答して、キーワード検索部321は、ドキュメントDB311aからドキュメントデータ311bを読み出し、テスト対象となる設備のIDまたはキーワードに基づいて、階層キーワード検索を行い、所望のデータとして最下層のドキュメントデータを抽出する。テスト項目作成部331は、この検索によって抽出されたドキュメントデータに対して、チェックすべき条件の有無を検証して、チェックマークを記入するためのチェック欄を付与したテスト項目データ401を作成して(S130)、出力部304を介して図示せぬディスプレイやプリンタに出力する。このとき、テスト項目作成部331は、条件毎に付与された固有のIDを、テスト項目として、テスト項目データを作成する。
テスト項目作成部331がテスト項目データ401を作成すると、これに応答して、テストデータ作成部332は、シミュレートDB332aからテスト対象となる外部機器のシミュレートデータを読み出し、シミュレートデータが表す外部機器の各動作工程と、図示せぬ格納領域に格納されている各動作工程に対応するトレースデータとを対応付けることにより、テストデータを作成して(S135)、作成したテストデータと最下層のドキュメントデータ(図10に示す例では、表形式のドキュメントデータ203a及び205a)を、出力部304を介して、テストで使用する条件入力データを格納するテストデータDB402に出力して、テストデータDB402に格納する。なお、テスト用のシミュレータは、S135で作成されたテストデータをテストデータDB402から読み出し、テスト用IDを入力することで、テストの際に必要となる状態を自動的に設定できる。
このテスト装置300aは、システム仕様書からテスト項目データとテストデータの自動作成を可能とするために、条件に固有のIDをテスト項目としたテスト項目データと、テストデータを作成し、テスト項目データとテストデータと最下位層のドキュメントデータ(図10に示す例では、表形式のドキュメントデータ203a及び205a)を、テストデータDB402に出力して、テストデータDB402に格納する。これにより、テスト装置300aは、システム仕様書の作成から、テスト項目さらにはテストデータをも容易に作成することが可能となる。設計者や製作者は、例えば、全ID項目のテストを実施することで、制御プログラムを網羅的にテストできる。なお、仮に、テスト中に、仕様書に記載された動作と異なる不良箇所が発見されたとしても、リンクDB321aに格納されたリンクデータに基づいて、関連するドキュメントを抽出できる。これにより、関連するドキュメントのトレーサビリティを実現できる。その結果、不良箇所を容易に検出することが可能になる。
表形式のドキュメントは、状態定義語を複数のドキュメント間で統一し、設備単位(ただし、機能単位、または処理単位でもよい)で、階層的な条件の積み上げることにより、「状態」を決定するための「条件」を定義付けている。この表形式のドキュメントは、条件や状態を網羅的に記載できるので、状態や条件の可視化を可能にする。そのため、表形式のドキュメントは、機器の状態を規定する全ての条件を明確かつ漏れなく記載できる。したがって、表形式のドキュメントは、従来用いられていた日本語表記型のシステム仕様書に比べて、曖昧性を排除することができる。
データ処理装置300は、このような特性を有する表形式のドキュメントをシステム仕様書として利用することにより、表形式のドキュメントから、機器の状態を明確に定義する条件を、所望のデータとして得ることができる。したがって、データ処理装置300は、日本語表記型のシステム仕様書を利用する場合に比べて、読み手に曖昧な理解が誘発されるのを防止できる。また、仕様の記載漏れや仕様の記載に対する妥当性の判断を容易化できる。また、仕様毎の各条件の成立条件及び不成立条件のチェックを容易化できる。さらに、機器(設備)の適正な動作を実現できる。
なお、表形式のドキュメントは、機能毎、処理毎、設備毎に、表を作成できる。
また、表形式のドキュメントは、各表が階層化された関係を有することで、任意の状態を決定するための条件を掘り下げるための手段として活用できる。
また、表形式のドキュメントは、前記したように、状態定義語を複数のドキュメント間で統一するので、例えば、列車運行管理システムにおける制御プログラムの動作条件をこの表形式のドキュメントに記載することにより、動作条件の網羅的な記載と条件の可視化が可能になる。
また、表形式のドキュメントは、各条件に固有なIDを付与することで、ドキュメントのトレーサビリティを実現できる。さらには、表形式のドキュメントは、データ処理装置300に、テスト装置300aとしての機能(例えば、テスト項目データとテストデータを作成する機能)を付与することで、システム仕様書作成からシステムテストまでの全ての条件を網羅することもできる。
また、表形式のドキュメントは、同じ状態を満たすための条件が複数存在する場合に、条件の記載を規定するルールを予め規定することで、論理演算が必要となる複数条件の記載を容易に記載することができる。なお、条件の記載を規定するルールとしては、好ましくは、例えば、同じ状態を定義するための条件の記載方法として、同一行に記載した複数条件はAND条件とし、複数行に渡って記載した条件はOR条件にするとよい。
なお、特許文献3には、チェック対象を表形式のリストで表すことが開示されている。しかしながら、特許文献3のリストは、本実施形態で用いられている表形式のドキュメントと異なり、階層的な条件の積み上げることにより「状態」を決定するための「条件」を定義付けるようなことをしていない。そのため、特許文献3のリストからは、本実施形態で用いられている表形式のドキュメントのような特性を得られない。
以上の通り、データ処理装置300によれば、発注者と受注者間の仕様確認や要件分析において、曖昧な記載を排除したドキュメント(すなわち、日本語の文章では曖昧に記載される条件を明確かつ網羅的に漏れなく記載したドキュメント)を、利用できるようになる。また、設計者と製作者間の、ドキュメント(システム仕様書)からプログラムを作成する際に必要となる仕様毎の成立・不成立条件の確認においても、明確かつ網羅的に指示するドキュメントを利用できるようになる。
同様に、システム仕様書を基に作成するテスト項目についても、明確かつ網羅的に指示するドキュメントを利用できるようになる。
本発明は、上述の実施の形態例に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
例えば、キーワード検索部321は、各ドキュメントの条件毎に付与された固有のIDに基づいてシステム仕様書内の記載を検索したり、このIDを検索キーとして使用することにより、仕様書名称に該当する表形式のドキュメントを検索するも可能である。
本発明は、制御条件や設備動作条件を表形式のドキュメントで規定できるシステムであれば、列車運行管理システムのテスト装置や制御装置に限ることなく、他のシステムの装置にも利用できる。
本実施形態のデータ処理装置の内部ブロック図(1)である。 本実施形態のデータ処理装置の内部ブロック図(2)である。 本実施形態のデータ処理装置の内部ブロック図(3)である。 本実施形態で用いるドキュメントの説明図(1)である。 本実施形態で用いるドキュメントの説明図(2)である。 本実施形態で用いるリンクデータの説明図(1)である。 本実施形態で用いるリンクデータの説明図(2)である。 本実施形態で用いるリンクデータの説明図(3)である。 本実施形態のデータ処理装置の動作を示すフローチャート図である。 ドキュメントDBに格納されるドキュメントデータの説明図である。 リンクDBに格納されるリンクデータの説明図である。 日本語表記型のシステム仕様書の説明図である。
符号の説明
201,202,203,204,205 ドキュメントデータ
300 データ処理装置
301 入力部
302 演算部
310 入力処理部
311a ドキュメントデータベース
320 検索処理部
321 キーワード検索部
330 出力処理部
303 格納部
321a リンクデータベース
304 出力部

Claims (6)

  1. 外部機器の状態を規定するドキュメントに記載されたデータをドキュメントデータとし、このドキュメントデータを格納するドキュメントデータベースと、
    キーワードによってリンク付けされたデータをリンクデータとし、このリンクデータを格納するリンクデータベースと、
    ドキュメントデータに列記された条件に関連するキーワードを検索するキーワード検索部とを有し、
    前記ドキュメントデータベースは、
    ドキュメントデータとして、前記外部機器の状態を定義する条件が表形式に列記されたデータを格納しており、
    前記リンクデータベースは、
    リンクデータとして、関連するキーワード同士が階層化されて対応付けられたデータを格納しており、
    前記キーワード検索部は、
    前記リンクデータベースに格納されたリンクデータによってリンク付けされたキーワードを階層毎に変更しながら、前記ドキュメントデータベースに格納されたドキュメントデータの中から、キーワードに該当する条件が記載されたドキュメントデータを順次検索することにより、リンクデータの最下層に位置するキーワードに該当する条件が記載された前記ドキュメントデータを特定する
    ことを特徴とするデータ処理装置。
  2. 請求項1に記載のデータ処理装置において、
    前記リンクデータベースは、
    リンクデータとして、最下位層に位置するキーワードに対応して数値データが設定されたデータを格納しており、
    前記キーワード検索部は、
    前記検索によって特定されたドキュメントデータを参照して、このドキュメントデータに記載されている最下位層に位置するキーワードに対応して設定された数値データの値を、前記外部機器を制御する信号ビットの値として特定する
    ことを特徴とするデータ処理装置。
  3. 請求項1または2に記載のデータ処理装置において、
    前記リンクデータベースは、
    少なくともドキュメントデータに列記された条件に関連するキーワードに関して、ドキュメントデータの作成時に参照されたデータと一致するデータを格納している
    ことを特徴とするデータ処理装置。
  4. 請求項1または2に記載のデータ処理装置において、
    前記キーワード検索部は、
    検索時に、検索した経路を表すトレースデータを作成する
    ことを特徴とするデータ処理装置。
  5. 請求項1または2に記載のデータ処理装置において、
    さらに、前記外部機器のシミュレートデータを格納するシミュレートデータベースと、
    外部機器の動作テストに用いるテストデータを作成するテストデータ作成部とを有し、
    前記キーワード検索部は、
    前記外部機器の動作工程に関連するキーワードに基づいて、前記リンクデータベースに格納されたリンクデータによってリンク付けされたキーワードを階層毎に変更しながら、前記ドキュメントデータベースに格納されたドキュメントデータの中から、キーワードに該当する条件が記載されたドキュメントデータを順次検索することにより、その検索した経路を表すトレースデータを作成し、
    前記テストデータ作成部は、
    前記シミュレートデータベースからシミュレートデータを読み出し、シミュレートデータが表す前記外部機器の各動作工程と、前記キーワード検索部によって作成されたトレースデータとを対応付けることにより、テストデータを作成する
    ことを特徴とするデータ処理装置。
  6. 請求項2に記載のデータ処理装置において、
    さらに、前記外部機器の制御プログラム及びデータを格納する制御データベースと、
    前記制御データベースから制御プログラム及びデータを読み出し、前記外部機器の動作タイミングに合わせて、前記キーワード検索部によって特定された数値データの値を、前記外部機器を制御する信号ビットの値として前記外部機器に出力する制御信号出力部とを有する
    ことを特徴とするデータ処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010152581A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Hitachi Ltd 情報制御システムおよび情報制御方法

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