JP2010105080A - 電極製作方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 加工定義の複雑化を防止すると共に、NCデータ生成前に電極製作の可不可を判定することができる電極製作方法を提供する。
【解決手段】 電極製造方法は型彫放電加工用の電極を、ワイヤ放電加工機および切削加工機の加工特性と、電極の三次元図面と、電極形状2を識別し特定する電極形状識別情報と、によりワイヤ放電加工機あるいは切削加工機のいずれで加工可能かを自動で選択し、選択した加工機で電極製作を行うNCデータを生成して、選択した加工機で生成したNCデータから電極製作を行う方法である。電極形状2の加工の可不可から加工機を選択した後、NCデータを生成するため、複雑な定義を設けることなく、電極製作に最適な加工機を選択すると共に、NCデータの生成前に電極製作の可不可を判定できる。
【選択図】 図1
【解決手段】 電極製造方法は型彫放電加工用の電極を、ワイヤ放電加工機および切削加工機の加工特性と、電極の三次元図面と、電極形状2を識別し特定する電極形状識別情報と、によりワイヤ放電加工機あるいは切削加工機のいずれで加工可能かを自動で選択し、選択した加工機で電極製作を行うNCデータを生成して、選択した加工機で生成したNCデータから電極製作を行う方法である。電極形状2の加工の可不可から加工機を選択した後、NCデータを生成するため、複雑な定義を設けることなく、電極製作に最適な加工機を選択すると共に、NCデータの生成前に電極製作の可不可を判定できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、型彫放電加工機で使用する電極を製作する電極製作方法に関するものである。
従来から、図22に示すように、金属製品の被加工体10の加工に、列をなした電極を用いて複数回の加工を行い加工する型彫放電加工が用いられている。そして、その放電に使用される電極は、図20に示すように、ジグ3に取り付けた台座部1上に加工部である電極形状2が複数個配設されており、詳しくは、図21に示すように、電極形状2が台座部1上に突出して複数列並んだ構成となっている。
ところで、上記複数列並んだ電極は微細で、且つ多数の図形データで構成されているため、加工機で用いるNCデータあるいはNC元データを生成するのに、時間と人手が大変かかり、容易な自動化が望まれるものであった。
ここにおいて、特許文献1に示されているように、完成した製品の図面データを、線や円弧、円の中心や寸法線の配置位置等の要素に分割し、分割した要素から二次元空間で加工を行う加工機に対して二次元加工形状を定義し、三次元空間で加工を行う加工機に対しては更に二次元加工形状から三次元加工形状を定義する。そして、加工機に合わせた上記加工形状に、対応する加工機の加工特性として定義した加工条件を照合して、該加工機で加工可能な部位を判断して、加工可能な部位を加工するためのNCデータを生成する。更に、上記加工機で加工不可能な部位である削り残しを新たな二次元加工形状もしくは三次元加工形状と定義して、次の加工機として他の加工機の加工特性である加工条件で新たな二次元加工形状もしくは三次元加工形状の加工可能な部位を判断して、新たなNCデータ(削り残し用のNCデータ)を生成する。削り残しが無くなる(完成した製品を製造できる)までNCデータを生成すると、生成した複数のNCデータを順に用いて、製品を製造するCAD/CAM装置がある。
しかし、前の加工機用の削り残しを元に次のNCデータを生成するため、複数のNCデータ生成後に、製造不可能な図面であることが発覚する恐れがあった。そして、図面データを各要素に分割して定義する必要があると共に、部位毎で加工の可不可を判断するため、各加工形状や、加工機毎の加工条件等の定義が多数必要となり、加工定義が複雑なものとなっている。
また、特許文献2に示すように、電極製作の際に放電ギャップ量や揺動ギャップ量、逃がし量などの電極パラメータを定義し、且つ電極により加工される被加工部の二次元断面形状と、被加工部の二次元断面形状に適合すべく予め設計された各種の図形データと、を用いて電極の三次元加工形状を算出する。そして、算出した三次元形状から電極図面を生成した後、電極図面から電極製作用のNCデータを生成するものもある。
しかし、被加工部に適合すべく図形データの定義が多量に必要なものであると共に、NCデータの生成手段の具体的な生成方法や、電極図面の加工に適した加工機の判断や、NCデータ生成前に電極設計の可不可の判断に関する記載の無いものであった。
特開平07−319529号公報
特開平08−011017号公報
そこで、本発明は上記問題に鑑みて発明したものであり、加工定義の複雑化を防止すると共に、NCデータ生成前に電極製作の可不可を判定することができる電極製作方法を提供することを課題とした。
上記課題を解決するために、本発明の電極製作方法は、型彫放電加工機で使用する台座部1に突出して配設した電極を、ワイヤ放電加工機および切削加工機の加工特性と、電極の三次元図面と、電極形状2を識別し特定する電極形状識別情報と、によりワイヤ放電加工機あるいは切削加工機のいずれで加工するかを選択し、選択した加工機で電極を製作する方法において、上記三次元図面と、上記電極形状識別情報と、を読み込む読込工程S1と、上記読込工程S1で読み込んだ情報から電極形状2の稜線4を抽出すると共に、台座部1の平面上に位置するX方向と、平面上にありX方向に直交するY方向と、電極の突出した側に向いて上記平面に直交するZ方向と、X方向、Y方向、Z方向に所定の寸法を有する電極特定領域と、を定義して、抽出した上記稜線4を電極特定領域内で各方向との対応を判断する稜線識別工程S2と、上記稜線識別工程S2で判断した稜線4を閉領域として、XY平面、XZ平面、YZ平面上から見て各平面上における電極形状2の最大輪郭となる稜線4を夫々特定する輪郭特定工程S3と、上記輪郭特定工程S3で特定したXY平面上から見た最大輪郭を構成する稜線4が方形かを判断する方形判断工程S4と、上記方形判断工程S4で方形と判断されなかった稜線4が同一台座部1上の他の電極形状2のXY平面上の最大輪郭を構成する稜線4と一直線に並ぶものであれば、上記一直線に並ぶ稜線4の方向を新たなX方向と補正する基準軸補正工程S5と、上記輪郭特定工程S3で特定したXY平面上から見た全輪郭の何れかに曲線があるか否かを判断する曲線判断工程S6と、上記曲線判断工程S6で特定した曲線以外で、電極形状2をXZ平面と、YZ平面と、から見て他の電極形状2の陰線5となる稜線4がX方向に平行であるか否かを判定する陰線判定工程S7と、上記各工程での診断した結果から電極形状2が、輪郭に曲線無しの方形で陰線5無しもしくは平行な陰線5有りのものをワイヤ放電加工機で加工可能とし、輪郭に曲線が有る、方形でない、否平行な陰線5が有る、の少なくともいずれか一つを含むものを切削加工機で加工可能とする判定を行う加工手段判定工程S8と、上記加工手段判定工程S8で選択した加工機で加工するための電極製作のNCデータを生成するNCデータ生成工程S9と、上記NCデータに基づき、上記加工手段判定工程S8の判定により選択された加工機で電極を製作する製作工程S10と、を順に行うことを特徴とする方法である。
このような構成としたことで、電極の三次元図面と、電極形状識別情報と、により電極形状2の識別に電極形状2における位置と方向の定義を設けるだけで、電極形状2を形成する稜線4や輪郭等の情報から加工可能な加工機を自動で判定することができる。
また、上記稜線識別工程S2で得られた稜線4から電極形状2における最小溝幅とアスペクト比を算出して、溝6の形状と、各加工機の加工特性と、から最小溝幅の溝6の加工方法を判断する溝加工判断工程S11を行うことで、狭ピッチコネクタ等の同一のピッチの突起が複数ある電極に対して、溝6の形状による加工の可不可の判断および最適な加工機の判断がNCデータの生成前に確認することができ、より精度の良い電極を製作する電極製作方法となる。
また、上記最小溝幅の溝6の最小内コーナーの大きさと、上記溝6の深さと、各加工機の加工特性と、から最小溝幅の溝6の加工方法を判断する内コーナー加工判断工程S12を行うことで、溝6の形状に加え溝6の底の内コーナーの加工の可不可の判断および最適な加工機の判断がNCデータの生成前に確認することができ、電極の精度をより向上した電極製作方法となる。
また、上記加工手段判定工程S12で選択した加工機と、上記選択した加工機の加工特性と、から上記電極を製造するため用いるワイヤ径あるいは工具径を抽出する加工手段明確化工程を行うことで、製作する電極に適した加工条件、例えばワイヤ径や工具径を自動で判断するため、電極製作時の準備作業が容易になり、加工機の電極製作の準備作業の時間を短縮すると共に、NCデータの精度を向上した電極製作方法となる。
上記のように、本発明の電極製作方法は、図面データを予め要素に分割する必要もなく、且つ加工機毎の加工条件や、図面データの部位毎等の複雑な加工定義を設けなくても、電極形状を形成する稜線や輪郭等の情報から、加工可能な加工機を自動で判定すると共に、NCデータ生成前に電極製作の可不可の判定を行うことで、加工機に適したNCデータを生成することができ、電極の製作精度の向上した製作方法となっている。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。
図20、図21、図22に示すような型彫放電加工機で加工部として使用する電極の電極形状2を、ワイヤ放電加工機および切削加工機の加工特性と、電極の三次元図面(三次元電極データ)と、電極形状2を識別し特定する電極形状識別情報と、によりワイヤ放電加工機あるいは切削加工機のいずれで加工するかを選択し、選択した加工機で該電極を製作する方法である。なお、上記電極形状2は方形の台座部1上の同一平面上に突出して複数個ずつ列をなし配置された構成である。
そして、その方法は、図1に示すように、上記三次元図面と上記電極形状識別情報とを読み込む読込工程S1と、上記読込工程S1で読み込んだ情報から電極形状2の稜線4を抽出すると共に、台座部1の平面上に位置するX方向と、平面上にありX方向に直交するY方向と、電極形状2の突出した側に向いて上記平面に直交するZ方向と、X方向、Y方向、Z方向に所定の寸法を有する電極特定領域と、を定義して、抽出した上記稜線4を電極特定領域内で各方向との対応を判断する稜線識別工程S2と、上記稜線識別工程S2で判断した稜線4を閉領域として、XY平面、XZ平面、YZ平面上から見て各平面上における電極形状2の最大輪郭となる稜線4を夫々特定する輪郭特定工程S3と、上記輪郭特定工程S3で特定したXY平面上から見た最大輪郭を構成する稜線4が方形かを判断する方形判断工程S4と、上記方形判断工程S4で方形と判断されなかった稜線4が同一台座部1上の他の電極形状2のXY平面上の最大輪郭を構成する稜線4と一直線に並ぶものであれば、上記一直線に並ぶ稜線4の方向を新たなX方向と補正する基準軸補正工程S5と、上記輪郭特定工程S3で特定したXY平面上から見た全輪郭の何れかに曲線があるか否かを判断する曲線判断工程S6と、上記曲線判断工程S6で特定した曲線以外で、電極をXZ平面と、YZ平面と、から見て他の電極形状2の陰線5となる稜線4がX方向に平行であるか否かを判定する陰線判定工程S7と、上記各工程での診断した結果から電極形状2が、輪郭に曲線無しの方形で陰線5無しもしくは平行な陰線5有りのものをワイヤ放電加工機で加工可能とし、輪郭に曲線有る、方形でない、否平行な陰線5が有る、の少なくともいずれか一つを含むものを切削加工機で加工可能とする判定を行う加工手段判定工程S8と、上記加工手段判定工程S8で選択した加工機で加工するための電極製作のNCデータを生成するNCデータ生成工程S9と、生成した上記NCデータに基づき、上記加工手段判定工程S8の判定により選択された加工機で電極を製作する製作工程S10と、を有する構成である。
上記読込工程S1で読み込む情報の内、三次元図面とは例えば、電極の三次元CADデータであり、電極形状識別情報とは、台座部1に配置した電極の突出した電極形状2の分布情報であり、例えば、電極形状2の台座部1の端部からの距離や、電極間の幅や、台座部1に分布する電極形状2が図21に示すような同種のみのあるいは図20に示すような異種を混合した配列パターンや、配列した電極形状2の数等である。
上記読込工程S1が済むと、稜線識別工程S2へ移行する。読込工程S1で読み込んだ情報から各電極形状2の稜線4の情報を抽出する。そして、図2に示すように、台座部1を基準台座、台座部1の外側の各辺を基準軸として、基準軸に沿ってX方向、Y方向、Z方向を定義すると共に、電極形状2が一つ収まる寸法の電極形状特定領域を台座部1上に定義する。上記電極形状特定領域は、複数存在することが好ましく、例えば、配列パターンに基づき、台座部1に配置される全てもしくはX方向とY方向に夫々一列分の電極形状2に対して存在する構成としてもよい。
更に、抽出した稜線4と、電極形状特定領域内に位置する電極形状2を構成する稜線4との対応を判断して、抽出した稜線4を電極形状特定領域内の電極形状2に合致させる。抽出した稜線4と電極形状特定領域内の電極形状2との合致とは、抽出した稜線4の情報にX方向、Y方向、Z方向成分を付加して、抽出した稜線4を立体的に構成して、三次元CADデータと電極形状識別情報とを統合する。
三次元CADデータと電極形状識別情報とを統合すると、輪郭特定工程S3へと移行して、立体的に構成した稜線4が一つの電極形状2であり、閉領域であると判断する。そして、図3に示すように、電極形状特定領域内の電極形状2に対して、XY平面、XZ平面、YZ平面上から夫々見て、各平面上の最も外側に位置する最外稜線4を抽出して、各平面上で抽出した最外稜線4が構成する輪郭を各平面上での最外輪郭と特定する。
最外輪郭を特定すると輪郭特定工程S3は完了となり、方形判断工程S4へと移行する。方形判断工程S4では、電極形状2のXY平面上の最外輪郭が正方形もしくは長方形であるか否かを判定し、方形であれば、その最外輪郭を構成する稜線4の内、X方向に沿って複数の電極形状2の稜線4が並んでいるか否かを判定する。
方形の判定方法は、最外輪郭を構成する稜線4の内、X方向に沿った台座部1の辺に最も近い稜線4のX方向に向かって先端が接する他の稜線4とのなす角が略直角であるか否かを判断して、該稜線4のなす角が直角であれば、方形であると判定するものである。
例えば、図4に示すように、夫々の電極形状2が方形であると共に、各電極形状2の最外輪郭を構成する稜線4の一つがZ方向に一直線に並んだものを有りと判定して、曲線判断工程S6へと移行する。
また、図5に示すように、電極形状2が方形でないものや、方形であっても最外輪郭を構成する稜線4がX方向に沿っていないものや、最外輪郭を構成する稜線4が一直線に並んでいないものを否と判定して、基準軸補正工程S5へと移行する。
そして、基準軸補正工程S5では、電極形状2と、他の電極形状2との夫々の上記最外輪郭を構成する稜線4のいずれかで、一直線に並ぶ稜線4が有るか無いかを判定する。例えば、図6に示すように、最外輪郭を構成する稜線4がX方向に沿ってはいないが一直線に並ぶ場合、有効基準軸有りと判定して、XY平面上で台座部1を回転して、その稜線4を結ぶ線の方向X’を新たなX方向、方向X’に直交する方向Y’を新たなY方向とした後、曲線判断工程S6へと移行する。
また、図7に示すように、稜線4が一直線に並んでないものは、有効基準軸無しと判定した後、途中の工程を省き、加工手段判定工程S8へ直接移行して、切削加工機での加工と判定する。
方形判断工程S4あるいは基準軸補正工程S5から曲線判断工程S6に移行すると、XY平面上に存在する全ての輪郭において、輪郭の何れかに曲線が有るか無いかの判断が行われる。詳しくは、輪郭を構成する稜線4と稜線4とがぶつかるコーナーが丸みを有するものか、角を有するものかの判断を行う工程である。
なお、コーナーに丸みを有するものとは、例えば、図8に示すように、台座部1からZ方向に突出した端面のXY平面上の四隅が所定の曲率半径を有するものである。そして、曲線有りと判断された場合、加工手段判定工程S8へ直接移行して、切削加工機での加工と判定する。
また、XY平面上の全輪郭における曲線の判断が完了すると、陰線判定工程S7へと移行する。そして、陰線判定工程S7は、Y方向に沿って配列した電極形状2に対して行われ、台座部1のY方向の一端に位置する電極形状2のXZ平面上の輪郭を基準として、Y方向に配列した電極形状2を構成する稜線4が基準の輪郭により構成される面に隠れる陰線5であるか否かの判定を行う。更に、陰線5であった場合、上記陰線5がX方向に平行な線であるか否かの判定を行う。詳しくは、図9に示すように、陰線5の無いものや、陰線5が有るがX方向に平行なもののみであり、陰線5に問題無しと判定して、加工手段判定工程S8に移行する。
また、図10に示すように、Z方向に沿った陰線5が有る場合や、図11に示すように、X方向に沿った陰線5も有るがX方向に沿わない陰線5も有る場合は、陰線5に問題有りと判定し、加工手段判定工程S8へ移行する。
なお、陰線判定工程S7では、基準軸補正工程S5でX方向の補正を行ったものの中で、電極形状2が方形でないものにX方向と平行でない陰線5、詳しくは、図10に示すように、Z方向に平行の陰線5を生じるため、基準軸補正工程S5を経由した電極に対して陰線判定工程S7に加えて方形判定工程S4を再度行うことができる。
そして、加工手段判定工程S8では、各工程で診断した結果から、製作する電極、詳しくは、電極形状2が、輪郭に曲線が無く方形で陰線5に問題無しものであるか、否か、の判断が行われる。なお、否と判断されるものとして、輪郭に曲線が有るもの、方形でないもの、X方向に平行でない陰線5が有るものの少なくとも一つ以上に該当するものである。
電極形状2を輪郭に曲線が無く方形で陰線5に問題無しであると判断すると、ワイヤ放電加工機での製作が可能であると判定され、NCデータ生成工程S9へ移行して、ワイヤ放電加工用のNCデータを生成する。
また、電極形状2が、輪郭に曲線が有るもの、方形でないもの、X方向に平行でない陰線5が有るもの、の少なくとも一つ以上に該当すると判断すると、切削加工機での製作が可能であると判定され、NCデータ生成工程S9へ移行して、切削加工用のNCデータを生成する。
そして、加工手段判定工程S8で選択された加工機用のNCデータがNCデータ生成工程S9で生成されると、電極製作工程S10に移行して、選択された加工機で、該加工機用のNCデータに基づいて実際に電極の製作が行われ、型彫放電加工で使用する電極が完成する。
したがって、図面データの各要素や加工機毎に加工する部位を定義しないため、複雑な加工定義とならず、電極形状2を形成する稜線4や輪郭等の情報から、加工可能な加工機を自動で判定でき、最適な加工機を自動で選択する電極製作方法となっている。
そして、加工の可不可の判定後にNCデータが生成されるため、NCデータ生成後に加工不可能な部位が発覚して製作不可能となる恐れを抑制することができ、精度の向上した電極の製作を行える電極製作方法となっている。
なお、加工機はワイヤ放電加工機と切削加工機の二つに限定するのでは無く、レーザー加工機等でもよく、本願発明の方法で判定できて、電極製作を行える加工機であれば変更可能である。もちろん、図1のフローチャートの手順で行わずに、基準軸補正工程S5で有効基準軸無しや曲線判断工程S6で輪郭に曲線有りと判定されても、加工手段判定工程S8に直接移行せず、残りの工程(曲線判断工程S6や陰線判定工程S7)の判定を行ってから加工手段判定工程S8に移行する構成としてもよい。
また、他例として、上記加工手段判定工程S8と、上記NCデータ生成工程S9と、の間に、図12に示すフローチャートの工程を加え、図13に示すような電極形状2に設けた溝6の加工の可不可を判断し、NCデータの作成前に電極再設計の要不要を判断する構成とした電極製作方法である。詳しくは、加工手段判定工程S8後に、溝加工判断工程S11と、内コーナー加工判断工程S12と、を行った後、NCデータ生成工程S9へと移行する構成とした実施形態である。
上記溝加工判断工程S11は、稜線識別工程S2および陰線判定工程S7で得られたXZ平面上およびYZ平面上の稜線4の情報から、電極形状2の最小溝幅とアスペクト比(深さ/口溝幅)を算出し、図14に示すような溝6の形状を判断する。そして、溝6の形状と、加工機の加工特性(加工機が加工可能とする所定の閾値)と、から該加工機で上記溝6を加工可能であるか否かの判定を行う工程である。加工機が加工可能とする所定の閾値とは、例えば、ワイヤ放電加工機のワイヤ7の半径の二倍あるいは切削加工機の工具8の半径の二倍であり、最小溝幅が上記半径の二倍より大きい幅であれば、ワイヤ7あるいは工具8が溝6に入るため、溝6を加工可能であると判断する。
そして、溝加工判定工程S11が該加工機で加工可能と判断した場合、内コーナー加工判断工程S12へ移行する。内コーナー加工判断工程S12は、図15に示すように、溝6の側面と底面とで構成される内コーナーの中で、最も曲率半径の小さい内コーナーを識別し、該内コーナーの曲率半径と、溝6の深さと、選択した加工機の加工特性と、から、選択した加工機で溝6を加工可能か、否か、の判定を行う工程である。
詳しくは、図16に示すように、内コーナーの曲率半径が加工機の加工特性(ワイヤ7あるいは工具8の半径)より大きいもしくは同じであれば、加工可能と判断している。そして、上記内コーナー加工判断工程S12が該加工機で加工可能と判断した場合、NCデータ生成工程S9へ移行する。
また、図17に示すように、内コーナーの曲率半径が加工機の加工特性(ワイヤ7あるいは工具8の半径)より小さいものは、加工不可能と判定され、次の工程へ移行する。
ただし、図18に示すように、溝6の深さ(溝6の最大深さDmax)が電極の放電加工長P(型彫加工を行う際に電極の加工部として使用される領域)より寸法の長いもの(放電加工長Pより最大深さDmaxが大きい値である溝6)に対しては、二次判定が行われる。二次判定は、溝6の最大深さDmaxから加工機の加工特性(ワイヤ7あるいは工具8の半径)を引いた寸法が、電極の放電加工長Pより長い寸法であるか、否かを判定する。
図19に示すように、電極の放電加工長Pより長い寸法であれば、内コーナーの形状が電極による型彫加工時に影響しないと判断して加工可能と判定し、NCデータ生成工程S9へ移行する。
また、溝加工判定工程S11あるいは内コーナー加工判断工程S12で、該加工機、例えば、ワイヤ放電加工機で加工不可能と判断した場合、フローチャートで下位に位置する(上記加工機より電極製作の精度が低い)他の加工機、例えば、実施例では切削加工機の加工特性で溝加工判定工程S11と、内コーナー加工判断工程S12と、を再度行う構成となっている。そして、他の加工機で加工可能であれば、NCデータ生成工程S9へ移行して、変更した他の加工機用のNCデータを生成する。
また、他の加工機であっても、加工不可能と判断した場合、それ以上他の加工手段が無ければ、製作不可能と判定して、要電極再設計とする決定を下して、電極製作方法を終了する。
したがって、NCデータ生成工程S9前に加工機での加工の可不可を行うため、生成したNCデータの修正や再生成を防止すると共に、電極製作中に製作できない部位が発覚して加工不可能となる恐れや、加工が不完全で電極として使用できなくなる恐れが無くなり、確実な電極設計を行え、より精度の向上した電極を製作可能となっている。更に、深い溝6の電極として重要でない内コーナーがあっても、加工を中断あるいは中止することなく、型彫放電電極としての使用に支障のない電極製作を行える電極製作方法となっている。
なお、内コーナー加工判断工程S12で行った二次判定を、溝加工判定工程S11でも行い、溝6の底の形状が加工不可能であっても、溝6の加工不可能の部位が型彫放電電極としての使用に影響しないものであれば、加工可能と判定してもよい。
もちろん、図12に示すフローチャートを、加工手段判定工程S8より前の工程として電極製作方法に組み込み、加工手段判定工程S8の判定要素の一つとしてもよい。
また、内コーナー加工判断工程S12とNCデータ生成工程S9の間に、加工手段明確化工程を設けてもよい。加工手段明確化工程とは、各工程からの情報を基に、選択した加工機による加工に必要なワイヤ7あるいは工具8の径等を抽出する工程であり、抽出された情報は、NCデータ生成工程S9でNCデータの生成条件の一つとして参考にされ、NCデータに付加される。
したがって、加工手段明確化工程により、電極製作に必要な加工機の加工条件(ワイヤ7や工具8の径等)が容易に得られ、NCデータの精度が向上し、電極製作をより容易に、且つ高精度で行える電極製作方法となる。
1 台座部
2 電極形状
3 ジグ
4 稜線
5 陰線
6 溝
7 ワイヤ
8 工具
10 被加工体
2 電極形状
3 ジグ
4 稜線
5 陰線
6 溝
7 ワイヤ
8 工具
10 被加工体
Claims (4)
- 型彫放電加工機で使用する台座部に突出して配設した電極を、ワイヤ放電加工機および切削加工機の加工特性と、電極の三次元図面と、電極形状を識別し特定する電極形状識別情報と、によりワイヤ放電加工機あるいは切削加工機のいずれで加工するかを選択し、選択した加工機で電極を製作する方法において、
上記三次元図面と、上記電極形状識別情報と、を読み込む読込工程と、
上記読込工程で読み込んだ情報から電極形状の稜線を抽出すると共に、台座部の平面上に位置するX方向と、平面上にありX方向に直交するY方向と、電極の突出した側に向いて上記平面に直交するZ方向と、X方向、Y方向、Z方向に所定の寸法を有する電極特定領域と、を定義して、抽出した上記稜線を電極特定領域内で各方向との対応を判断する稜線識別工程と、
上記稜線識別工程で判断した稜線を閉領域として、XY平面、XZ平面、YZ平面上から見て各平面上における電極形状の最大輪郭となる稜線を夫々特定する輪郭特定工程と、
上記輪郭特定工程で特定したXY平面上から見た最大輪郭を構成する稜線が方形かを判断する方形判断工程と、
上記方形判断工程で方形と判断されなかった稜線が同一台座部上の他の電極形状のXY平面上の最大輪郭を構成する稜線と一直線に並ぶものであれば、上記一直線に並ぶ稜線の方向を新たなX方向と補正する基準軸補正工程と、
上記輪郭特定工程で特定したXY平面上から見た全輪郭の何れかに曲線があるか否かを判断する曲線判断工程と、
上記曲線判断工程で特定した曲線以外で、電極形状をXZ平面と、YZ平面と、から見て他の電極形状の陰線となる稜線がX方向に平行であるか否かを判定する陰線判定工程と、
上記各工程での診断した結果から電極形状が、輪郭に曲線無しの方形で陰線無しもしくは平行な陰線有りのものをワイヤ放電加工機で加工可能とし、輪郭に曲線が有る、方形でない、否平行な陰線が有る、の少なくともいずれか一つを含むものを切削加工機で加工可能とする判定を行う加工手段判定工程と、
上記加工手段判定工程で選択した加工機で加工するための電極製作のNCデータを生成するNCデータ生成工程と、
上記NCデータに基づき、上記加工手段判定工程の判定により選択された加工機で電極を製作する製作工程と、
を順に行うことを特徴とする電極製作方法。 - 上記稜線識別工程で得られた稜線から電極形状における最小溝幅とアスペクト比を算出して、溝の形状と、各加工機の加工特性と、から最小溝幅の溝の加工方法を判断する溝加工判断工程を有することを特徴とする請求項1記載の電極製作方法。
- 上記最小溝幅の溝の最小内コーナーの大きさと、上記溝の深さと、各加工機の加工特性と、から最小溝幅の溝の加工方法を判断する内コーナー加工判断工程を有することを特徴とする請求項2記載の電極製作方法。
- 上記加工手段判定工程で選択した加工機と、上記選択した加工機の加工特性と、から上記電極を製造するため用いるワイヤ径あるいは工具径を抽出する加工手段明確化工程を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の電極製作方法。
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