JP2010101685A - 標準ガス供給管 - Google Patents

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Masanobu Nakamura
正信 中村
Yuichiro Kaifuku
雄一郎 海福
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Abstract

【課題】ユーザーが必要とする複数の標準ガスを簡単に且つ低コストで調製できる標準ガス供給管を提供する。
【解決手段】両方の端部13、14が閉塞し、一方の端部13側に折欠き可能な折欠部15が設けられているガラス管12であって、該ガラス管12の内部には、複数種類の有機溶剤を保持した担体18が封入されている標準ガス供給管11である。また、担体18の少なくとも一方の端部には、通気性を有する隔壁材19が配設されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、標準ガス供給管に関するものであり、更に詳しくは、例えば、ガスクロマトグラフ分析装置やセンサなどの計測器等の校正に使用される標準ガスの物質成分が封入された、標準ガス供給管に関するものである。
従来、標準ガスを調製する手段として、次の1乃至3に示す方法が知られている。即ち、
1.高圧ガスボンベやプッシュ缶に充填された標準ガスを使用する方法、
2.パーミエーションチューブ(以下、P−チューブと称する)法により標準ガスを調製する方法、即ち、P−チューブはフッ素樹脂管に高純度の液化ガスを封入したものであり、これを一定温度に保持しつつ、一定量の希釈ガスを送ることで、連続して一定濃度の標準ガスが得られる、
3.ディフュージョンチューブ法により標準ガスを調製する方法、即ち、ディフュージョンチューブは所定内径の拡散管と液体を溜めるタンクとからなるガラス製容器であり、拡散管に液体成分を注入し、これを恒温に保持し、そこに一定量の希釈ガスを送ることで標準ガスが得られる、
等の方法が知られている(非特許文献1及び非特許文献2参照)。
株式会社ガステックのホームページ〈URL:http://www.gastec.co.jp/gnews/index.htm〉題名「ガステックNEWS VOL.2、VOL.16、VOL.17」、検索日:平成20年9月1日 株式会社ガステックのホームページ〈URL:http://www.gastec.co.jp/products/seihin/c3.htm〉題名「校正用ガス調製装置」、検索日:平成20年9月1日
この従来例の、高圧ガスボンベ等を使用する場合においては、ガスボンベは重量が嵩んで携帯に不便であり、また専用の混合、希釈装置等を必要とし、コストが高く、その上高圧ガスを取り扱うには法的な制約があるという種々の問題点を有している。更にプッシュ缶においてはガスの種類が限られてしまう。
パーミエーションチューブ法及びディフュージョンチューブ法においては、専用の器具や装置等を必要として煩雑であり、またガスの調製には一定の熟練度や専門知識を必要とするという問題点を有している。
更に、上述の方法において、ユーザーが必要とする複数のガス種を選択して調製するには、複数種類のガスボンベや装置類が必要であり、その作業が極めて煩雑であるという欠点を有している。
従って、従来例における場合においては、簡便に且つ低コストで、しかもユーザーが必要とする複数種類の標準ガスを簡単に調製できるようにすることに解決しなければならない課題を有している。
前記従来例の課題を解決する具体的手段として本発明は、両方の端部が閉塞し、一方の端部側に折欠き可能な折欠部が設けられているガラス管であって、該ガラス管の内部には、複数種類の有機溶剤を保持した担体が封入されていることを特徴とする標準ガス供給管を提供するものである。
また、前記担体の少なくとも一方の端部には、通気性を有する隔壁材が配設されている構成としたものである。
本発明に係る標準ガス供給管は、両方の端部が閉塞し、一方の端部側に折欠き可能な折欠部が設けられているガラス管であって、該ガラス管の内部には、複数種類の有機溶剤を保持した担体が封入されていることによって、折欠部を折り欠いてその開口部をセプタムで施蓋してから、シリンジを使用して内部の気体を採取すれば、極めて簡便に標準ガスを調製できる。
しかも、標準ガス供給管には複数種類の有機溶剤が封入されているので、ユーザーが必要とする複数種類の標準ガスを選択的に簡単に調製できる。
また、標準ガス供給管は携帯に便利であり、従来例に比べてコストが低く、その上ガスの調製に特別な装置類や作業者の熟練度、専門知識が必要ないという種々の優れた効果を奏する。
また、担体の少なくとも一方の端部には、通気性を有する隔壁材が配設されていることによって、担体がガラス管の内部で安定的に保持されると共に、標準ガスの拡散がスムーズに生じるという優れた効果を奏する。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。まず、図1において、符号11は標準ガス供給管を示し、この標準ガス供給管11は、透明なガラス管12で形成されており、このガラス管12の両方の端部13、14は閉塞され、一方の端部13側に折欠き可能な折欠部15が設けられている。
ガラス管12は、寸法の一例を上げると内側直径が1〜10mm程度であり、外側直径が3〜20mm程度であり、全長が50〜300mm程度である。
折欠部15は、折り目16を介して設けられており、図2に示すように、この折り目16から折欠部15を折り取ることで、ガラス管12に開口部17が形成される。
ガラス管12の内部には、担体18が収納されており、この担体18には、標準ガスの物質成分である複数種類の有機溶剤が担持されている。
担体18は、具体的にはシリカゲル又はアルミナ等であって、この担体18にそれぞれの有機溶剤を例えば5mmL程度を担持させる。
担体18の両端部には、隔壁材19、20が配設されており、これによって担体18の安定的な保持を確保している。隔壁材19、20は、具体的にはプラスチック又はセラミック素材等である。
また、担体18の少なくとも一方の端部の隔壁材19は、図示しない多数の通気孔が形成されており通気性を有する。その結果、隔壁材19から標準ガスがスムーズに拡散される。
次に、標準ガス供給管11の使用方法について説明する。まず、折欠部15を折り目16から手で折り欠いて、ガラス管12に開口部17を形成する(図2参照)。そして、開口部17をセプタム21で施蓋する(図3参照)。次に、セプタム21の上部からシリンジ22の針23を刺してガラス管12の内部に刺入する(図4参照)。シリンジ22でガラス管12の内部の気体を0.1〜1mmLの範囲で採取する。
有機溶剤は、物質の飽和蒸気圧曲線から推算が可能であり、保持時間の確認や検量線の作成等の現場における校正が可能である。従って、実使用的には、現場の温度を測定して、メーカーで確認された温度と濃度との対照表で対照して、気体のガス濃度を読み取ればよい。一例を上げれば、トルエンの場合は、大気圧1013hpa、0℃:0.9%、20℃:2.8%である。
なお、目的とする濃度に応じてテドラバッグ等で希釈して濃度調製をすることも可能であり、この場合は特別の専門知識が不要である。
シリンジ22で気体を採取したガラス管12は、内部の溶剤が完全に揮発するまで約24時間程度掛かるので、気体の採取は複数回繰り返し行える。また、有害物質の含有量が極めて少ないので、廃棄の際等には環境に対する負荷が少ないという利点もある。
以上説明したように、従来は高圧ボンベ等を使用して事前に事業所やラボで行っていたガス校正作業が現場で可能になった。これによって、分析機器の故障の有無の確認や校正作業、製品納入時の性能検査等を行うことができるので、結果的に測定に係る時間的、人的コストが削減できることとなる。
本発明の標準ガス供給管11による標準ガスは、ガスクロマトグラフ分析装置やセンサなどの計測器等の校正に使用される他には、ガス警報器の校正、有害ガス除外装置の性能評価、生成・反応機構・環境中挙動の研究等の様々な用途に用いることができる。
本発明に係る標準ガス供給管11の正面図である。 折欠部15を折り欠いた状態の説明図である。 開口部17をセプタム21で施蓋した状態の説明図である。 シリンジ22の針23をガラス管12の内部に刺入した状態の説明図である。
符号の説明
11 標準ガス供給管
12 ガラス管
13、14 端部
15 折欠部
16 折り目
17 開口部
18 担体
19、20 隔壁材
21 セプタム
22 シリンジ
23 針

Claims (2)

  1. 両方の端部が閉塞し、一方の端部側に折欠き可能な折欠部が設けられているガラス管であって、
    該ガラス管の内部には、複数種類の有機溶剤を保持した担体が封入されていること
    を特徴とする標準ガス供給管。
  2. 前記担体の少なくとも一方の端部には、通気性を有する隔壁材が配設されていること
    を特徴とする請求項1に記載の標準ガス供給管。
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