JP2010084502A - 吹込み壁断熱工法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブローイング工法において、その吹込み工程或いは経過時における自重による断熱層の沈下と雪崩現象やネットぼ保持力不足と過剰な膨らみ等による空隙発生に起因する沈降現象を防止する施工法の提供。
【解決手段】建築構造物の壁断熱に於ける吹込み予定断熱空間に1以上の沈降防止部材11を張設、吹込み予定断熱層を分割形成してからブローイング施工を行い、沈降、ネット膨らみ、それによる雪崩現象を防止することにより高度な高断熱壁構造を構築するブローイング工法。
【選択図】図3
【解決手段】建築構造物の壁断熱に於ける吹込み予定断熱空間に1以上の沈降防止部材11を張設、吹込み予定断熱層を分割形成してからブローイング施工を行い、沈降、ネット膨らみ、それによる雪崩現象を防止することにより高度な高断熱壁構造を構築するブローイング工法。
【選択図】図3
Description
本発明は、従来から行われてきた建築構造物の壁断熱工法において限界であった断熱層厚み150mmを超える高度な壁断熱層施工に関し、その施工を可能とする工法に係わるものであり、断熱性能保持力を向上せしめることによりその耐久性、居住性を大幅に改善することを可能とした安価な工法の提供である。
従来、建築構造物の壁断熱工法には、グラスウールロール品及び板状品、或いはロックウール板状品を内設する方法、発泡スチロールなどの発泡板体を内設する方法、発泡性ウレタンを内部注入し発泡させる方法、それら繊維状或いは破砕した同質塊状物、粒状物(以下断熱材という。)を吹込み装置にて壁空隙に充填する吹込み充填法(以下ブローイング工法という。)に略分類される。
近年に於いては、上記各種施工方法の中でブローイング工法が施工性、性能面から高い評価を得ており高断熱仕様の要望に於いて極めて重要な地位を確立した。その背景は、地球温暖化対策、居住性等住宅を初めとして構築物のエネルギーロス抑止の重要性が益々認識されたことにより断熱層の厚みを増す必要性が生じ、それに適したブローイング工法が重要視されたことによるものである。
このような高断熱、高気密への強い要望の中で、これまでのブローイング工法に於ける施工の実態は、建築物構造及び要求性能からの特殊なケースを除き断熱厚み150mmを上限として行われてきたが、近年上記断熱性能向上要望の傾向から一般住宅においても断熱層が150mmを越える施工要望が増加傾向にあり、それに対応できる施工技術開発の必要性が出てきていた。しかし、現在、この要望に厳密に対処する安価な方法はなく、単に断熱層の割り増し、断熱層の密度アップ、及び施工精度向上による他なく、従来のブローイング工法の延長線の施工法では、極めて問題を起す危険性が大きかった。更に前述のごとく150mm以上の施工に対し安価に対応することが不可能であった。ブローイング工法には、湿式法と乾式法の2種類の方法がある。前者は、断熱材吹き込みに際して水系エマルジョンなどの接着剤(以下接着剤という)を充填吹込み装置先端部から霧状に吐出させ、充填後の乾燥を経て断熱層固化を計るものである。この方法によれば、ブローイング工法後における接着剤乾燥後は自重沈下或いはネット膨らみの原因を断熱材及び塗布接着剤の自重、吹込み風圧、ネット引張り強度不足と伸びに起因する断熱材内部に空隙が出来る現象(以下雪崩現象という)の発生はある程度排除できる。しかし、断熱層厚みが150mmを超える場合には、接着剤の塗布増量を行う必要があり、それによる自重増加と乾燥不十分から雪崩現象事故多発の危険性があった。さらに、湿式法では、水系接着剤を使用するために寒冷地におけるブローイング工法においては、乾燥前の接着剤凍結とそれに起因する固化不良と水分残留が断熱効果に悪影響を及ぼすことが知られており、一般的には、寒冷低温地域では以下述べる乾式法が主流となっている。乾式法は、上記接着剤の欠点を排除する目的であるが、最大の難点は、吹き込まれた断熱材塊状物、或いは粒状物が接着剤等によりその介在で固化ブロック化していないため、自重あるいは振動に起因する沈下を起こしやすく、特に吹き込み厚み増加、吹込み密度増加においては雪崩現象事故が懸念されていた。いずれの方法においても、現行のブローイング工法により厚み150mmを超える高断熱施工を行うには、断熱施工完工上の最大の問題である空隙の出現が生じ易い条件が揃っているといえる。
本発明者は、これらの問題点、施工初期の問題点、経時での問題点を鑑み、今後の高断熱、高気密構築物壁断熱の問題発生を未然に防ぐべく以下の工法を提供するものである。
「(株)彰国社:建築のしくみ 2001・2・10発行日」 「(株)オーム社:建築学ポケットハンドブック 1995・11・30発行日」 「日本建築学会:シックハウス辞典 2001・9・20発行日」 「産業調査会:建築施工法辞典 2004・7・15発行日」 「霞ヶ関出版社:基本建築関係法令全集 2008・1・31」
近年に於いては、上記各種施工方法の中でブローイング工法が施工性、性能面から高い評価を得ており高断熱仕様の要望に於いて極めて重要な地位を確立した。その背景は、地球温暖化対策、居住性等住宅を初めとして構築物のエネルギーロス抑止の重要性が益々認識されたことにより断熱層の厚みを増す必要性が生じ、それに適したブローイング工法が重要視されたことによるものである。
このような高断熱、高気密への強い要望の中で、これまでのブローイング工法に於ける施工の実態は、建築物構造及び要求性能からの特殊なケースを除き断熱厚み150mmを上限として行われてきたが、近年上記断熱性能向上要望の傾向から一般住宅においても断熱層が150mmを越える施工要望が増加傾向にあり、それに対応できる施工技術開発の必要性が出てきていた。しかし、現在、この要望に厳密に対処する安価な方法はなく、単に断熱層の割り増し、断熱層の密度アップ、及び施工精度向上による他なく、従来のブローイング工法の延長線の施工法では、極めて問題を起す危険性が大きかった。更に前述のごとく150mm以上の施工に対し安価に対応することが不可能であった。ブローイング工法には、湿式法と乾式法の2種類の方法がある。前者は、断熱材吹き込みに際して水系エマルジョンなどの接着剤(以下接着剤という)を充填吹込み装置先端部から霧状に吐出させ、充填後の乾燥を経て断熱層固化を計るものである。この方法によれば、ブローイング工法後における接着剤乾燥後は自重沈下或いはネット膨らみの原因を断熱材及び塗布接着剤の自重、吹込み風圧、ネット引張り強度不足と伸びに起因する断熱材内部に空隙が出来る現象(以下雪崩現象という)の発生はある程度排除できる。しかし、断熱層厚みが150mmを超える場合には、接着剤の塗布増量を行う必要があり、それによる自重増加と乾燥不十分から雪崩現象事故多発の危険性があった。さらに、湿式法では、水系接着剤を使用するために寒冷地におけるブローイング工法においては、乾燥前の接着剤凍結とそれに起因する固化不良と水分残留が断熱効果に悪影響を及ぼすことが知られており、一般的には、寒冷低温地域では以下述べる乾式法が主流となっている。乾式法は、上記接着剤の欠点を排除する目的であるが、最大の難点は、吹き込まれた断熱材塊状物、或いは粒状物が接着剤等によりその介在で固化ブロック化していないため、自重あるいは振動に起因する沈下を起こしやすく、特に吹き込み厚み増加、吹込み密度増加においては雪崩現象事故が懸念されていた。いずれの方法においても、現行のブローイング工法により厚み150mmを超える高断熱施工を行うには、断熱施工完工上の最大の問題である空隙の出現が生じ易い条件が揃っているといえる。
本発明者は、これらの問題点、施工初期の問題点、経時での問題点を鑑み、今後の高断熱、高気密構築物壁断熱の問題発生を未然に防ぐべく以下の工法を提供するものである。
「(株)彰国社:建築のしくみ 2001・2・10発行日」 「(株)オーム社:建築学ポケットハンドブック 1995・11・30発行日」 「日本建築学会:シックハウス辞典 2001・9・20発行日」 「産業調査会:建築施工法辞典 2004・7・15発行日」 「霞ヶ関出版社:基本建築関係法令全集 2008・1・31」
従来、ブローイング法は、住宅関係を例とすれば、壁高さ2700mm前後が一般的である。柱、間柱、胴縁から構成されており、ブローイング法においては断熱する壁面の室内側等に断熱層厚み150mm以下の断熱材吹込み圧に耐える通気性、高強度のネットを張設するが、その端部を柱及び間柱等にタッカー或いは止め金具などにより撓まないように張設し、それにより生じた空隙に断熱材(ルースフィル断熱材)を送給充填して断熱層を形成する方法が一般的であった。このような方法に於ける最大の問題点は、断熱材及び接着剤の自重による初期充填時の断熱層の沈下と雪崩現象発生、或いはネットの保持力不足と過剰な膨らみ等による空隙発生が懸念され、空隙を経由する空気移動により圧力差が発生し加速的に断熱性能低下することが問題であった。この現象は、高断熱構造物壁断熱においては最も発生させてはならない問題点であり、空隙発生と空気移動は住宅壁断熱施工における断熱層厚み増及び密度増の傾向の中で確実な対応が求められている。本件の対策として、従来から湿式法ブローイング工法では、断熱材を送給充填する際に微量の接着剤を使用していることはすでにのべた。現在、接着剤としてアクリル系エマルジョン樹脂等を希釈したものを断熱材表面に吹き込みと同時に噴霧塗布し乾燥固化する方法をとっているが、この接着剤の成分中50%以上が水で構成されており、更に水で希釈して使用する場合が殆んどである。エマルジョン樹脂塗布量増加により水分蒸発にはかなりの時間を要し、高断熱、高気密を目的として更に強固な固化断熱層として施工した場合には、自重増加と成り固化前の重量増加は自重沈下の原因となるので極めて好ましくない。又、接着剤を使用しない乾式法では、ブロック固化かされていないために自重或いは振動による沈下が起きることもすでに述べた。これら方法がネットを従来以上に強固なものとし必要以上の充填を行わなければならず、このことは施工価格低減化の方向に反しており、別手段で下方或いは通気性ネットへの応力を低減化する方法を探索していた。本発明者は、吹込み圧と断熱層自重による縦方向荷重及び横方向のネットにかかる応力を減免する方法を鋭意発明開発し、当該課題点を解決した。
本発明による課題解決の手段は、図を以って説明するが、断熱層の自重による縦方向荷重とネット方向への横応力をどのように減少せしめるかを考慮してその手段とした。
[図1]は従来から採用されてきたブローイング工法での壁断熱斜視図である。本ブローイング工法が適応するのは、複数の柱及び間柱により構成された壁構造であるが、それにより横方向の幅が決まる。高さは、住宅の設計で決まるが、一般的には、2700mm前後である。また断熱層厚みに影響する柱、間柱の奥行きは、現在では150mm以下の場合が多数である。通気性ネット(8)は、ブローイング部材(以下断熱材という)吹込みが加圧送給方式により行われるために、その風圧消勢を目的として通気性としており、且つ、断熱材の外部への漏出を最小限にとどめる粗目でなければならない。若し、通気性ネット(8)を使用せず非通気性ネットを使用した場合には、風圧が送給阻害の原因となり断熱層の均一な充填が不可能となる。通気性ネット(8)は、風圧の速やかな排除、耐圧性及び断熱材の通気性ネット(8)外への漏出を最小限にとどめる条件のものであればよく、特に材質、形状、繊維の太さなどの規制はなく、一般的にはナイロン製、テトロン製、ポリプロピレン製等の化学繊維をネット状にしたものが使用さている。通気性ネット(8)は、断熱材充填に係わる応力に耐えうるように端部を留め金具(15)(以下タッカーという)にて複数箇所を固定し張設することが好ましい。断熱材は、グラスウール、ロックウール、セルロース等の繊維系吹込み用断熱材、ウレタン発泡体破砕物、ポリスチレン発泡体破砕物等のブローイング工法に適した塊状或いは粒状の断熱材であればよく、かつ断熱性能を保持したものならばよく、断熱材吹込み装置の稼働に支障ないものなら使用できる。
以上が従来採用されてきたブローイング工法であり、この中の通気性ネットおよび装置によるブローイング方法は採用する。
本発明者は、高断熱、高気密構造壁体構築の要望の中で、断熱層密度向上或いは断熱層厚み増などの工法を採用する場合、従来の工法では沈下による空隙発生などの問題が多発することを知見した。その問題点とは、断熱層密度向上及び厚み増しに於いて自重増加による断熱層の沈下及びネットの膨らみに起因する柱、胴縁と断熱層間に生じる空隙出現、及び断熱層内部に出来る空隙であって、この現象は構築物断熱性能或いは気密性を極度に低下させることが明確となっている。即ち、このような現象を排除しなければ高断熱、高気密構造壁体構築は不可能であることを知見し、解決方法を鋭意探索した。
本発明者は、この問題の重要性を勘案し以下の通りのブローイング工法を提供する。以下、当該問題点を解決すべく具体的な手段を図により説明する。
尚、湿式法、乾式法いずれにしても問題点は共通するので乾式法について説明する。
本発明者は、ブローイング工法では、下部から順次吹込み充填をし、上部へと嵩積みしながら充填工程を進行してゆく。その際の自重による最下位部にかかる荷重は、壁高さ2700mmの場合の従来法と本発明による方法に分け[表1]に参考として示した。図3〜図5に示した沈降防止部材(11)の構築により下部にかかる荷重を効率的に且安価に分散できることを本発明者は知見した。また、図3に示すように沈降防止部材(11)と通気性ネット(8)を係止リング(17)により係止することによって通気性ネット(8)の施工における膨らみ、自重、振動などによる応力を抑えることを可能とした。沈降防止部材(11)は、壁高さに対し1以上張設すればよく、充填密度によって張設数を増減させることが出来る。
[図1]は従来から採用されてきたブローイング工法での壁断熱斜視図である。本ブローイング工法が適応するのは、複数の柱及び間柱により構成された壁構造であるが、それにより横方向の幅が決まる。高さは、住宅の設計で決まるが、一般的には、2700mm前後である。また断熱層厚みに影響する柱、間柱の奥行きは、現在では150mm以下の場合が多数である。通気性ネット(8)は、ブローイング部材(以下断熱材という)吹込みが加圧送給方式により行われるために、その風圧消勢を目的として通気性としており、且つ、断熱材の外部への漏出を最小限にとどめる粗目でなければならない。若し、通気性ネット(8)を使用せず非通気性ネットを使用した場合には、風圧が送給阻害の原因となり断熱層の均一な充填が不可能となる。通気性ネット(8)は、風圧の速やかな排除、耐圧性及び断熱材の通気性ネット(8)外への漏出を最小限にとどめる条件のものであればよく、特に材質、形状、繊維の太さなどの規制はなく、一般的にはナイロン製、テトロン製、ポリプロピレン製等の化学繊維をネット状にしたものが使用さている。通気性ネット(8)は、断熱材充填に係わる応力に耐えうるように端部を留め金具(15)(以下タッカーという)にて複数箇所を固定し張設することが好ましい。断熱材は、グラスウール、ロックウール、セルロース等の繊維系吹込み用断熱材、ウレタン発泡体破砕物、ポリスチレン発泡体破砕物等のブローイング工法に適した塊状或いは粒状の断熱材であればよく、かつ断熱性能を保持したものならばよく、断熱材吹込み装置の稼働に支障ないものなら使用できる。
以上が従来採用されてきたブローイング工法であり、この中の通気性ネットおよび装置によるブローイング方法は採用する。
本発明者は、高断熱、高気密構造壁体構築の要望の中で、断熱層密度向上或いは断熱層厚み増などの工法を採用する場合、従来の工法では沈下による空隙発生などの問題が多発することを知見した。その問題点とは、断熱層密度向上及び厚み増しに於いて自重増加による断熱層の沈下及びネットの膨らみに起因する柱、胴縁と断熱層間に生じる空隙出現、及び断熱層内部に出来る空隙であって、この現象は構築物断熱性能或いは気密性を極度に低下させることが明確となっている。即ち、このような現象を排除しなければ高断熱、高気密構造壁体構築は不可能であることを知見し、解決方法を鋭意探索した。
本発明者は、この問題の重要性を勘案し以下の通りのブローイング工法を提供する。以下、当該問題点を解決すべく具体的な手段を図により説明する。
尚、湿式法、乾式法いずれにしても問題点は共通するので乾式法について説明する。
本発明者は、ブローイング工法では、下部から順次吹込み充填をし、上部へと嵩積みしながら充填工程を進行してゆく。その際の自重による最下位部にかかる荷重は、壁高さ2700mmの場合の従来法と本発明による方法に分け[表1]に参考として示した。図3〜図5に示した沈降防止部材(11)の構築により下部にかかる荷重を効率的に且安価に分散できることを本発明者は知見した。また、図3に示すように沈降防止部材(11)と通気性ネット(8)を係止リング(17)により係止することによって通気性ネット(8)の施工における膨らみ、自重、振動などによる応力を抑えることを可能とした。沈降防止部材(11)は、壁高さに対し1以上張設すればよく、充填密度によって張設数を増減させることが出来る。
本発明の効果は、以下の通りである。
(1)従来の方法では、2700mm前後の壁高において、断熱厚み150mmまでの施工が限度であり、それ以上の断熱厚みとした場合及び断熱層密度を上げた場合には、自重沈降、ネット膨らみなど空隙が形成されて断熱性能を低下せしめていた。本工法により、それらの欠点が防止され目的とする高断熱、高気密建築構造物の断熱壁を構築できることが可能となった。
(2)沈降防止部材(11)の使用により、間柱増設による施工が可能であることから、経済的メリットも得ることも出来た。
(3)沈降防止部材(11)として通気性ネット(8)と止め金具(15)の使用により通気性ネット(8)の膨らみ防止効果が大きく、施工性においても極めて容易で経済面で効果がある。
(4)沈降防止部材の縦方向の張設間隔は、断熱層厚みにより変化させなければならない。複数の沈降防止部材(11)張設においてその数を任意に変えることを可能とした。
(5)横方向の間仕切りは、通常間柱等で仕切られているか、或いは壁面がパネル化された構造では所定の間隔で仕切られている。断熱層が横桟だけで構成されている場合、または、ブラケット等で保持されている場合は上下の仕切りがない。この場合には、縦の仕切りを加える必要がある。
ロックウール、グラスウール、セルロースのブローイング断熱材が壁面空隙厚みに充填された場合の重量を参考として[表1]に示した。
参考資料:充填空間の大きさ
ケース1 200mm×1600mm×2500mmの場合
ケース2 300mm×1200mm×1800mmの場合
ケース3 500mm× 900mm×1200mmの場合
(1)従来の方法では、2700mm前後の壁高において、断熱厚み150mmまでの施工が限度であり、それ以上の断熱厚みとした場合及び断熱層密度を上げた場合には、自重沈降、ネット膨らみなど空隙が形成されて断熱性能を低下せしめていた。本工法により、それらの欠点が防止され目的とする高断熱、高気密建築構造物の断熱壁を構築できることが可能となった。
(2)沈降防止部材(11)の使用により、間柱増設による施工が可能であることから、経済的メリットも得ることも出来た。
(3)沈降防止部材(11)として通気性ネット(8)と止め金具(15)の使用により通気性ネット(8)の膨らみ防止効果が大きく、施工性においても極めて容易で経済面で効果がある。
(4)沈降防止部材の縦方向の張設間隔は、断熱層厚みにより変化させなければならない。複数の沈降防止部材(11)張設においてその数を任意に変えることを可能とした。
(5)横方向の間仕切りは、通常間柱等で仕切られているか、或いは壁面がパネル化された構造では所定の間隔で仕切られている。断熱層が横桟だけで構成されている場合、または、ブラケット等で保持されている場合は上下の仕切りがない。この場合には、縦の仕切りを加える必要がある。
ロックウール、グラスウール、セルロースのブローイング断熱材が壁面空隙厚みに充填された場合の重量を参考として[表1]に示した。
ケース1 200mm×1600mm×2500mmの場合
ケース2 300mm×1200mm×1800mmの場合
ケース3 500mm× 900mm×1200mmの場合
本発明を実施するための最良の形態は、上記説明から理解できるように、▲1▼沈降防止部材は、通気性を保持し断熱材吹き込みに際してその送給圧を充分に逃がすネット状のものが適している。▲2▼沈降防止部材は、断熱材吹込みにおいて断熱材自重に耐える強度でなければならず、耐蝕面で劣化しないものが好ましい。従って、ナイロン66製或いはポリプロピレン製のネット等化学繊維系のものが好ましい▲3▼沈降防止部材の柱或いは間柱への係止方法は、建築に多用されているタッカーを使用するのが最も施工面で好ましい。▲4▼沈降防止部材(11)と表面ネット(8)との結合はリング状クリップ(17)であって、断熱層の充填収量後に取り外し再利用できるものが好ましい。
以下、実施例により説明するが、その主旨を超えない限り下記実施例に限定されるものでない。
当該発明は、建築物全般に適用できる工法であることから本実施例は、最も多用される住宅関連についての実施例を記載する。
平屋戸建住宅床面積165m2の住宅についてその外壁面積は295m2であった。この住宅の無暖房化を図るために充填面積壁高さ2700mm×充填幅1200mm×断熱厚み300mmとし、その場合充填される断熱材は、ブローイング用ロックウール原綿を塊状にしたものであり、ブローイング吹込み装置を経由して充填した。
先ず、柱と間柱間にナイロン繊維をクロス状編んだ幅300mm長さ1250mmにカットしたネットを沈降防止部材とするためにタッカーによって柱、間柱に係止固定した。その間隔は2700mmの高さを3分割するように張設、即ち、900mm間隔で設置した。次いで全面を掩塞するように通気性ネットを保持強度が維持できる範囲にタッカーにてその端部を柱、間柱に固定した。次いで、沈降防止部材と通気性ネットを脱着可能なリング金具にて係止固定してブローイング開始の準備が出来た。ブローイング装置は一般的に使用されているものでよく、当社所有の装置を使用した。その結果、断熱材の高圧吹込みによるネットの膨らみは、2700mm縦方向のセンター部分(上部から1350mm)での測定で、沈降防止部材非使用の場合には最大20mmの膨らみが発生するが、本発明によるブローイング工法では10mm以下に抑えられ、本工法が高気密、高断熱建築物に適応していることが証明された。
当該発明は、建築物全般に適用できる工法であることから本実施例は、最も多用される住宅関連についての実施例を記載する。
平屋戸建住宅床面積165m2の住宅についてその外壁面積は295m2であった。この住宅の無暖房化を図るために充填面積壁高さ2700mm×充填幅1200mm×断熱厚み300mmとし、その場合充填される断熱材は、ブローイング用ロックウール原綿を塊状にしたものであり、ブローイング吹込み装置を経由して充填した。
先ず、柱と間柱間にナイロン繊維をクロス状編んだ幅300mm長さ1250mmにカットしたネットを沈降防止部材とするためにタッカーによって柱、間柱に係止固定した。その間隔は2700mmの高さを3分割するように張設、即ち、900mm間隔で設置した。次いで全面を掩塞するように通気性ネットを保持強度が維持できる範囲にタッカーにてその端部を柱、間柱に固定した。次いで、沈降防止部材と通気性ネットを脱着可能なリング金具にて係止固定してブローイング開始の準備が出来た。ブローイング装置は一般的に使用されているものでよく、当社所有の装置を使用した。その結果、断熱材の高圧吹込みによるネットの膨らみは、2700mm縦方向のセンター部分(上部から1350mm)での測定で、沈降防止部材非使用の場合には最大20mmの膨らみが発生するが、本発明によるブローイング工法では10mm以下に抑えられ、本工法が高気密、高断熱建築物に適応していることが証明された。
1 構築物壁本体
2 上部横胴縁
3 下部横胴縁
4 柱
5 柱側面
6 間柱
7 間柱側面
8 通気性ネット
9 通気性ネット縦糸
10 通気性ネット横糸
11 沈降防止部材
12 断熱層断面
13 断熱材塊状・粒体
14 沈降防止部材折り返し部
15 止め金具
16 止め金具打設部
17 係止リング
18 断熱材吹込み空隙
19 断熱材吹込み孔
20 建築物基礎部
21 側面ネット或いはフイルム
22 壁面
2 上部横胴縁
3 下部横胴縁
4 柱
5 柱側面
6 間柱
7 間柱側面
8 通気性ネット
9 通気性ネット縦糸
10 通気性ネット横糸
11 沈降防止部材
12 断熱層断面
13 断熱材塊状・粒体
14 沈降防止部材折り返し部
15 止め金具
16 止め金具打設部
17 係止リング
18 断熱材吹込み空隙
19 断熱材吹込み孔
20 建築物基礎部
21 側面ネット或いはフイルム
22 壁面
Claims (1)
- 建築構造物の壁断熱に於ける吹込み予定断熱空間に1以上の沈降防止部材を張設、吹込み予定断熱層を分割形成してからブローイング施工を行い、沈降、ネット膨らみ、それによる雪崩現象を防止することにより高度な高断熱壁構造を構築するブローイング工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008276124A JP2010084502A (ja) | 2008-09-30 | 2008-09-30 | 吹込み壁断熱工法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008276124A JP2010084502A (ja) | 2008-09-30 | 2008-09-30 | 吹込み壁断熱工法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010084502A true JP2010084502A (ja) | 2010-04-15 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008276124A Pending JP2010084502A (ja) | 2008-09-30 | 2008-09-30 | 吹込み壁断熱工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010084502A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015020800A (ja) * | 2013-07-23 | 2015-02-02 | 株式会社Ihi | 低温タンク |
JP2016520738A (ja) * | 2013-04-22 | 2016-07-14 | ユン インハクYOON, In Hak | 生態建築構造物とその断熱構造体及び該断熱構造体の施工方法 |
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2008
- 2008-09-30 JP JP2008276124A patent/JP2010084502A/ja active Pending
Cited By (2)
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