JP2010080958A - 磁界センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】巨大磁気抵抗(GMR)効果に基づくハードディスクドライブのための読み取り/書き込みヘッドにおける現行の読み取り要素におけるスピントルクおよび熱誘導磁気ノイズに起因する問題を解消すること。
【解決手段】電界を検出するためのデバイスは、第1、第2および第3のリード線と、これらリード線の間に接合部とを備え、接合部とリード線とは1つの平面内に配置されており、接合部は平面に垂直な方向に量子閉じ込めを行うようになっており、第1のリード線は接合部の一方の側に配置され、第2および第3のリード線は接合部の反対側に配置されており、第1のリード線は接合部に進入する電荷キャリアの回転角方向の分布を制限するようになっており、よって電荷キャリアが第1のリード線から接合部に流入するときに、電荷キャリアは実質的に非発散ビームとして前記第1のリード線から現れる。
【選択図】図1a

Description

本発明は磁界センサに関し、特にデータの記憶または磁気イメージングに使用するための磁界センサに関するが、このような用途に限定されるものではない。
情報を高密度で記憶するためにハードディスクドライブ(HDD)が広く使用されている。これらHDDは、このタイプの記憶装置にこれまで関連するコンピュータシステム、例えばサーバーおよびデスクトップコンピュータで一般に見られる。しかしながら、1インチドライブのような形状ファクターがより小さいHDDは、ハンドヘルド電子ドライブ、例えばミュージックプレイヤーおよびデジタルカメラでも見られる。
記憶密度を高めることによりHDDの記憶容量をより大きくすることができる。これには、記録メディアのビットセルのサイズを縮小しなければならない。ビットセルのサイズを約20nm×20nm未満の値に縮小することにより、インチ当たり1テラビット(1Tb/in)よりも高い記憶密度を得ることができる。
G.M.ジョーンズ他著、「InAs Y−分岐スイッチにおける電子波動関数の量子ステアリング」、アプライド・フィジックス・レターズ、第86巻、073117ページ(2005年) G.ライス他著、「バイオ技術のための磁気抵抗センサおよび磁気ナノ粒子」、ジャーナル・オブ・マテリアル・リサーチ、第20巻、3294〜3302ページ(2005年) J.スペクター他著、「静電レンズによる二次元システムにおける電子のフォーカシング」、アプライド・フィジックス・レターズ、第56巻、1290〜1292ページ(1990年) J.スペクター他著、「二次元電子のための屈折スイッチ」、アプライド・フィジックス・レターズ、第56巻、2433〜2435ページ(1990年) シャン・X・ワンおよびアレクサンダー・M・タラトリン著、「磁気情報記憶技術」、アカデミックプレス(1990年) D・ソントス、H・フー、「ジャーナル・オブ・コンデンストマター」、第14巻、12513〜12528ページ(2002年)
しかしながら、巨大磁気抵抗(GMR)効果に基づくハードディスクドライブの読み取り/書き込みヘッドにおける現行の読み取り要素は、これらのサイズに縮小されるにつれ、例えばスピントルクおよび熱誘導磁気ノイズに起因した複数の問題に遭遇することが予想される。
これまで代替の読み取り要素が提案されており、異常磁気抵抗(EMR)効果に基づくデバイスに対して注目が集まっている。
G.M.ジョーンズ他著、「InAs Y−分岐スイッチにおける電子波動関数の量子ステアリング」、アプライド・フィジックス・レターズ、第86巻、073117ページ(2005年)(非特許文献1)は、Yチャンネル・トランジスタについて述べている。しかしながら、Y−チャンネル・トランジスタは、これまで例えば情報処理における高速デジタルスイッチとして使用するためにしか検討されていない。
本発明の第1の態様によれば、以下のような磁界を検出するためのデバイスが提供される。第1、第2および第3のリード線と、これらリード線の間に接合部とを備え、接合部とリード線とは1つの平面内に配置されており、接合部はこの平面に垂直な方向に量子閉じ込めを行うように構成されており、第1のリード線は接合部の一方の側に配置され、第2および第3のリード線は接合部の反対側に配置されており、第1のリード線は、接合部に進入する電荷キャリアの回転角方向の分布を制限するように構成されており、よって電荷キャリアが第1のリード線から接合部に流入するときに、電荷キャリアは実質的に非発散ビームとして第1のリード線から現われる。
従って、このデバイスはデータ記憶または磁気イメージングの応用における磁界センサとして使用できる。接合部は磁界検出領域として働き、数ナノメーターの寸法まで縮小できる。更にこの装置は、低磁界強度、例えば約50mTおよび高温、例えば室温より高い温度での磁界の検出に使用できる。
第1のリード線は長手方向軸線に沿って細長くてよく、電荷キャリアが第1のリード線から接合部内に流入するとき、電荷キャリアは前記長手方向軸線と実質的に平行に流れる。第1のリード線は、量子ワイヤーを提供するように横方向の量子閉じ込めを示すように構成できる。このデバイスは、接合部に進入する電荷キャリアの拡散角度を制限するように第1のリード線の中の電荷キャリアを集中させる静電レンズを提供するように構成されたゲート構造を更に備えることができる。この静電レンズは、接合部に進入する電荷キャリアの拡散角度を制限するように構成されている第1のリード線の一部は、接合部に隣接してもよい。
接合部および随意的には少なくとも一つのリード線は、非強磁性材料および/または半導体材料を含むことができる。
接合部は、1000nm以下または約400nm以下の面積を有することができる。従って、このデバイスは、例えば高記憶密度のハードディスクドライブまたは化学、生物または医療の応用での、ナノスケールの反応または過程の磁気イメージングにおける磁界検出に使用できる。
このデバイスは、リード線および接合部を供給する材料の層を含むことができる。
第1のリード線と接合部とは、1本の直線の上に配置でき、接合部は第1のリード線の前方に位置し、第2の領域と第3の領域とは、その直線の両側の接合部から前方に分岐するように構成されている。この配置は、磁界の印加に対するデバイスの応答の大きさを高めるのに役立つ。
接合部は、第1のリード線から第2のリード線および第3のリード線に向かって幅が広くなっていてもよい。このことは、平滑なチャンネルを形成し接合部からの反射を低減することに役立つ。
このデバイスは、接合部に接続された少なくとも4本のリード線を備えることができ、その少なくとも4本のリード線は、第1、第2および第3のリード線を含む。追加のリード線は、電荷キャリアのステアリングおよび/またはゲート操作ための追加のドレインとして使用できる。
デバイスは、接合部に電界を加えるためのゲート構造を更に含むことができる。ゲート構造は、接合部の両側に配置されたゲートを含むことができる。このゲート構造は、デバイスの感度を高め、および/またはその動作を調節するのに使用できる。
接合部および随意的にはリード線のうちの少なくとも1つは、比較的広いバンドギャップを有する材料の下部領域と上部領域との間に挟まれた、比較的狭いバンドギャップを有する材料の領域を含む。接合部および随意的にはリード線のうちの少なくとも1つは、減小した次元の電子または正孔ガスを含むことができる。接合部および随意的にはリード線のうちの少なくとも1つは、III族元素およびV族元素の合金を含んでもよく、このことは、高い移動度を得る上で役立つ。接合部および随意的にはリード線のうちの少なくとも1つは、シリコンのようなIV族の元素を含んでもよい。このことは、デバイスの製造を簡略にすることに役立つ。接合部はひずみまたは応力を受け得る。これは移動度を高めるのに役立つ。
本発明の第2の態様によれば、上記デバイスと、第1のリード線から第2のリード線および前記第3のリード線内に電流を流入させると共に、第2のリード線に流入する電流の大きさと、第3のリード線に流入する電流の大きさとを比較するように構成された回路とを含む装置が提供される。
さらに、または代わりに、この回路は、第1のリード線に所定のバイアスを加えた場合に、第2のリード線と第3のリード線に流入する電流の合計を測定するように構成できる。
この装置は、ハードディスクドライブの一部とすることができる。本発明の第3の態様によれば、この装置を含むハードディスクドライブが提供される。
本発明の第4の態様によれば、デバイスのアレイと、各デバイスからのそれぞれの信号を受信し、画像を形成するように構成された回路とを含む、磁気イメージングのための装置が提供される。
本発明の第5の態様によれば、上記デバイスと、デバイスを位置決めするためのスキャナーと、デバイスおよびスキャナーからの信号を受信し、画像を形成するようにそれらの信号を処理するように構成されている回路とを備える、磁気画像を走査するための装置が提供される。スキャナーは、位置決めステージとしてもよい。このスキャナーは、2つまたは3つの直交方向に1ないし10nmのオーダーの変位量だけデバイスを移動させるための、ピエゾ電気スキャナーのような微細位置決めステージを含んでもよい。この走査手段は、2つまたは3つの直交方向に10nm以上または100nm以上のオーダーの変位量だけデバイスを移動させるための粗位置決めステージを含んでもよい。この粗位置決めステージは、2つまたは3つの直交方向に1cmのオーダーまたはそれ以上の変位量だけデバイスを移動させるのに適していてもよい。
本発明の第6の態様によれば、第1、第2および第3のリード線と、これらリード線の間に接合部とを備え、接合部とリード線とは1つの平面内に配置されており、接合部はその平面に垂直な方向に量子閉じ込めを行うように構成されており、第1のリード線は接合部の一方の側に配置され、第2および第3のリード線は接合部の反対側に配置されており、第1のリード線は、接合部に進入する電荷キャリアの回転角方向の分布を制限するように構成されているので、電荷キャリアが第1のリード線から接合部に流入するときに、電荷キャリアは、実質的に非発散ビームとして第1のリード線から現われる、磁界を検出するためのデバイスを動作させるための方法が提供され、この方法は第1のリード線と第2および第3のリード線との間にバイアスを加えるステップと、第2のリード線と前記第3のリード線に流入する電流とを比較するステップとを含む。
本方法は、接合部から約100nm未満の距離内に磁界源を移動させるステップを更に備えることができる。
本発明の第7の態様によれば、第1、第2および第3のリード線と、これらリード線の間に位置する接合部とを備え、接合部とリード線とは1つの平面内に配置されており、接合部はその平面に垂直な方向に量子閉じ込めを行うようになっており、第1のリード線は接合部の一方の側に配置され、第2および第3のリード線は接合部の反対側に配置されている、センサをデータ記憶またはイメージングへの応用に使用する方法が提供される。
以下、添付図面を参照し、例示により本発明の実施形態について説明する。
磁界センサと測定回路とを含む装置の略図である。 図1に示されたセンサの平面図である。 図1に示されたセンサの斜視図である。 図2に示されたセンサの平面図である。 A−A’ラインに沿った、図3に示されたセンサの横断面図である。 測定回路を示す。 磁界内のセンサ内の電荷の偏向を示す。 a〜fは数種の異なる条件のうちの1つにおける、図1に示されたセンサのモデルを示す。 図7a〜7fに示された条件下での、センサのモデルの磁気抵抗のプロットを示す。 a〜eは異なる幾何学的形状のうちの1つを有するセンサのモデルの磁気抵抗のプロットを示す。 a〜dは異なるゲートバイアスのうちの1つの下での、センサのモデルの磁気抵抗のプロットを示す。 a〜dは図2〜4に示されたセンサの製造中のステップを示す。 図2に示されたセンサにおける追加でδドープされた層を示す。 底部ゲートを有する別のセンサの平面図である。 B−B’に沿った、図13に示されたセンサの横断面図である。
図1および1aを参照すると、本発明のある実施形態におけるデバイス1(以下、センサと称す)は、検出領域2の平面3に実質的に直交する方向5(例えば図示するようなz軸に沿った方向)に通過する磁界4を検出するための、平面3(例えば図示するようにx−y平面)にある薄い磁界検出領域2を含む。この磁界4は、ナノメーターサイズの磁界源6によって発生され、この磁界源6は、支持体7の中または表面に配置されたか、支持体7により支持された、および/または支持体7に取り付けられた、磁気ナノ粒子または結晶粒、かかる結晶粒の集合、磁気材料から構成された柱または分離された領域の形態となっている。
磁界検出領域2は、約0.1〜20nmの間の厚さtを有する。例えばこの磁界検出領域2は、ある厚さの1つまたは数個の単原子層を有することができる。このセンサ1は、磁界源6が発生する1mTまたは10mTのオーダーの磁気強度、例えば約50mTの磁気強度4を有する磁界を測定でき、この磁界源6は、検出領域2と磁界源6とが1または10nmのオーダーの距離sだけ離されているとき、1または10nmのオーダーの最小の面の次元(例えば幅wまたは長さl)および/または10nm、100nmまたは1000nmのオーダー、例えば約400nm以下、または約400nm〜1000nmの間の面積Aを有する。
ある実施形態では、磁界源6は、データ記憶ビットセルを定義するデータトラック内の1つ以上の磁気結晶粒でよく、支持体7はハードディスクドライバーのプラッター(またはメディア)でよい。したがって、磁界源6は、連続的なトラックメディア、離散的なトラックメディアまたはパターン化された磁気メディアにおける磁気ビットを供給できる。また別の実施形態では、磁界源6は、DNAまたはタンパク質の形態をした支持体7に結合されたいわゆる「数珠」を形成するよう、ポリマー母材(図示せず)内に埋め込まれた強磁性ナノ粒子でよい。超常磁性ナノ粒子も使用できる。
センサ1は、データ記憶または磁気イメージングのような機能を果す(または応用で使用される)より大きいデバイス8、例えばハードディスクドライブまたはバイオチップの一部を形成する。例えばセンサ1のアレイは、G.ライス他著、「バイオ技術のための磁気抵抗センサおよび磁気ナノ粒子」、ジャーナル・オブ・マテリアル・リサーチ、第20巻、3294〜3302ページ(2005年)(非特許文献2)に記載のGMRセンサのアレイの代わりに使用できる。随意的には、磁気源6および支持体7は、例えばハードディスクドライブのような大きいデバイス8の永久部品または半永久部品を形成できる。
センサ1は支持体9に取り付けられ、例えばハードディスクドライブの読み取り/書き込みヘッドに内蔵され、このヘッドは、センサを磁界源6の近くに(例えば約10nm内に)位置決めできるか、またはその逆に磁界源6をセンサ1の近くに位置決めできるように構成できる。
センサ1は走査プローブとして使用でき、支持体9を位置決めステージとすることができる。この位置決めステージは、典型的には1のオーダーの変位量だけセンサをx方向、y方向およびz方向に移動するための精密位置決めステージ、例えばピエゾ電気スキャナーを含むことができる。この精密位置決めステージは、10nm、100nmまたはそれ以上のオーダー、例えば1mmまたは10mmのオーダーの変位量だけセンサ1を移動させる粗位置決めステージの上に支持させることができる。したがって、センサ1は他の形態の走査プローブ顕微鏡に類似な方法で、画像を形成するためにサンプルの上を走査できる。
センサ1は、制御および測定回路10に動作するように接続されており、回路10は、磁界の存在、方向および/または大きさを検出するように、または例えばハードディスクプラッターのデータトラック内の隣接する結晶粒界をセンサ1が通過する結果生じる磁界の変化を検出するように構成できる。
この測定回路10は、例えば所定のパターンまたは特性を識別するように、センサ1から受信された信号12、13を処理し、出力信号14を供給するための検出回路11を含む。例えばハードディスクドライブでは、検出回路11はリードバック信号検出および処理回路の形態をとり得る。
特に図1aを参照すると、磁界検出領域2は、3本以上の導電性リード線16、17、18の間の導電性接合部15の形態となっている。接合部15とリード線16、17、18とは同一平面3上に配置されている。第1のリード線16は、接合部15の一方の側に配置されており、第2のリード線17および第3のリード線18は、接合部の反対側に配置されている。この例では、接合部15は、好ましくは単結晶の高移動度の半導体材料を含む同じ導電性薄膜内に形成することにより、リード線16、17、18と一体的に形成されている。
このように、検出領域2に直交する磁界4が加えられると、第1のリード線16から接合部15を通って、第2のリード線17および第3のリード線18内に流入する電荷キャリア19、例えば弾道電子の横方向の偏向が生じる。特に平面3に直交するように磁界4が印加され、接合部15を通過するように電荷キャリア19が流れると、磁界4の方向によっては、第2のリード線17よりも第3のリード線18の方により多い電荷キャリアが偏向されるか、またはこの逆の方により多い電荷キャリアが偏向される。第2のリード線17における電流Iの値と第2のリード線18内の電流Iの値を比較することにより、磁界4の存在、その方向および/または大きさを決定できる。
電荷キャリア19の実質的に非発散性のビームを形成する、例えば中心軸から約10°以下(横方向に)発散させることにより、磁界強度の小さい(例えば約50mTの)磁界4の印加に対するセンサ1の感度および/または応答を改善できる。ある実施形態では、電荷キャリア19は約5°よりも少ない値しか発散しない。ある実施形態では、電荷キャリア19は中心軸から約2°以下の値しか発散しない。
接合部15への電荷キャリア19の接近角度が所定レンジ、例えば約10°以下に制限されるよう、電荷キャリア19の誘導を助けるために、センサ1は、接合部15に流入する電荷キャリア19を平行化する第1のリード線16の区間16aを含む。この例では、リード線16内で、狭くというよりも長く(すなわちl>w)、バルクの平均自由行路λよりも長い細長い区間16aが使用されている。本例では、この細長い区間16aは接合部15に隣接しており、換言すれば接合部15内に直接給電する。
区間16aは、約100nm〜500nmあるいはそれ以上の長さlとすることができる。この区間16aの幅に対する長さの比α(すなわちl/w)は、少なくとも2、5または10でよい。ある実施形態では、この比αを100以上または1000とすることができる。
電荷キャリア19の非発散ビームを形成するための他の配置も使用できる。例えばJ.スペクター他著、「静電レンズによる二次元システムにおける電子のフォーカシング」、アプライド・フィジックス・レターズ、第56巻、1290〜1292ページ(1990年)(非特許文献3)、またはJ.スペクター他著、「二次元電子のための屈折スイッチ」、アプライド・フィジックス・レターズ、第56巻、2433〜2435ページ(1990年)(非特許文献4)に記載されているようなコリメータを使用することができる。
接合部15に隣接するリード線16、17、18の区間または部分(すなわち接合部15に直接導かれるかまたはこの接合部15から現われ、1μmまたは10μmのオーダーの長さを有するリード線の区間)は、接合部15の平面3内に存在する。接合部15から更に離間した位置では、リード線16、17、18は接合部15の平面3内に存在する必要はない。
例えば、電荷の運動エネルギーを減少させ、よって相互作用時間および偏向を増加することにより電荷の流れを制御し、および/またはセンサ1の動作を調節(または調整)するために、接合部15内に電界を印加するように、1つ以上のゲート、例えばサイドゲート20、21を使用できる。
次に、センサ1についてより詳細に説明する。
更に、図2、3および4も参照する。センサ1は、トレンチ分離により形成され、エッチングされたメサ構造22を含む。このメサ構造22内では、上部絶縁層24と下部絶縁層25との間に導電性薄膜23が挟まれている。このメサ構造22は平面図において全体がY字形状となっており、下部絶縁層25のエッチングされていないベース部分26上に置かれている。下部絶縁層25は、バッファ層27上に配置されており、次にバッファ層27は基板28上に形成されている。
導電性薄膜23は、約20nmの厚さtを有するインジウム・アンチモン(InSb)を含むことができ、絶縁層24、25は、それぞれ約100nmおよび200nmの厚さt、tを有するインジウム・アルミニウム・アンチモン(InAlSb)を含むことができる。これの代わりに、導電性薄膜23は、典型的には約200nmよりも薄い厚さtを有するインジウム・ヒ素(InAs)を含むことができ、絶縁層24、25はアルミニウム・アンチモン(AlSb)およびアルミニウム・ガリウム・アンチモン(AlGaSb)を含むことができる。
この導電薄膜23および絶縁層24、25は、「平坦な底部の」量子井戸を形成しており、この量子井戸では導電性薄膜23が二次元導電系の範囲を規定している。しかしながら、他の形態のヘテロ構造を使用して二次元電子(または正孔)ガスを形成することもできる。
第1のリード線16(本明細書ではソースまたはソース領域とも称す)が、接合部15(本明細書では中間領域またはチャンネル領域とも称す)へ給電し、第2のリード線17および第3のリード線(本明細書ではドレインまたはドレイン領域とも称す)が接合部15から現われるように、導電性薄膜23は二股に分かれる、あるいは分岐している。
導電性薄膜23は、本例ではx軸に平行に示された長手方向軸線29に沿って全体が細長くなっている。第1のリード線16および接合部15は、全体が長手方向軸線29の上に位置し、接合部15から生じている第2のリード線17および第3のリード線18は、全体が軸線29に平行に延びると共にこの軸線29の両側に位置している。前に説明したように、第1のリード線16は全体が長く、狭く、直線状である、接合部15に給電する区間16aを含む。第1のリード線16は、量子コヒーレンス長Lよりも短く、リード線16を形成するバルク材料のフェルミ波長λよりも長い幅wを有することができる。
この例では、接合部15は平面図で全体が台形となっている。しかしながら、この接合部15は別の形状でもよく、例えばカーブした辺を有することもできる。
第1のリード線16は、ほぼ同じ幅である第2のリード線17および第3のリード線18よりも細い、すなわちw<w=wであることが好ましい。例えばw=(w/β)であり、ここでは1≦β≦2である。これは反射を少なくするのに役立ち得る。
この例では、(第1のリード線16から第2のリード線17および第3のリード線18までの方向の)接合部15の幅は、第1のリード線16の端部の幅とほぼ同じとすることができる第1の幅w2Aから、少なくとも第2のリード線17の幅と第3のリード線18の幅との合計とすることができる第2の幅w2Bまで増加する。すなわちw2A=wであり、w2B>w+wである。
第1のリード線16の幅wは、1または10nmのオーダーであり、この第1のリード線16の幅wは、一次元量子ワイヤーに対して充分狭くてもよい。このことには、フォノン散乱を減少させることによりデバイスの動作温度を高めることに役立つという利点がある。例えば一次元ワイヤーを形成するために二次元シートを追加的に閉じ込めることによって、量子化されたエネルギーレベルの間の間隔を広くできる。従って、フォノンのエネルギーがエネルギーレベル間の間隔よりもずっと狭い場合、電子(または正孔)の散乱がより小さくなる可能性が高い。
接合部15に隣接する第2のリード線16および第3のリード線17の部分は最大幅wだけ離間しており、この最大幅wはリード線17、18の幅とほぼ同じ、すなわちw=w3、でよい。接合部15から更に離れると、リード線17、18は、より広い幅に分岐および/または分離することができる。
接合部15の長さおよび幅、および第2のリード線17および第3のリード線18が接合部15から出る際のこれらリード線17、18の構成(例えば回転角方向の偏位および/または曲率)は、定常的な実験によって見つけることができ、接合領域15内での電荷キャリア19の予想される偏向に基づき、および/または電荷輸送をモデル化することによって選択できる。接合部15から更に離れた位置において、第2のリード線17および第3のリード線18は分岐でき、および/または検出領域2が存在する平面3から離れる方向を含む任意の方向の任意の経路をとることができる。
トレンチ分離は、サイドメサ構造30、31も残存させ、これらメサ構造において、導電層部分は、これらはサイドゲート20、21を提供し、パターン化された導電層23と同じ平面内にあり、この層から横方向に離間している。
特に図3を参照すると、サイドメサ構造30、31の近接エッジ36、33は、接合部23の近くにおいてメサ構造22の対応する側部エッジ32、35に一般に続いている。
図5および6を参照し、センサ1の動作について説明する。
測定回路10は、ソース16と各ドレイン17、18の間にバイアスVを印加する第1の電源36を含む。従って第1のドレイン17および第2のドレイン18内に流入する電流は、それぞれ第1電流I電流および第2電流Iとなる。
ドレイン18、20に流入する電流に応じて第1の電圧信号39および第2の電圧信号40を発生させるのに、電流−電圧コンバータ37、38が使用でき、出力電圧信号42を発生する差動増幅器41により、電圧信号39と40との間の差を取り込むことができる。
出力電圧信号42は、処理回路または処理ブロック43へ送られる。
ハードディスクドライブでは、処理回路43は、例えばパーシャル・レスポンス・マキシマム・ライクリフッド(PRML)方法および誤り訂正を使ってデータ検出および復号化を行う。更なる詳細については、シャン・X・ワンおよびアレクサンダー・M・タラトリン著、「磁気情報記憶技術」、アカデミックプレス(1990年)(非特許文献5)の第8および第12章に記載されている。
磁気画像形成では、処理回路43は同様な処理を実行できる。
センサ1は、例えば磁気画像形成で使用される多くのセンサのうちの1つとすることができる。従って、処理回路43は多くのセンサから誘導される信号を受信でき、例えば画像を形成できる。
走査型磁気イメージングでは、処理回路43は位置決めステージからの信号を受信し、位置情報を得ることができるので画像を形成できる。
ゲート20、21にバイアスVG1、VG2を印加するのに、第2の電源45および第3の電源45を使用できる。後述するように、ゲート20、21へ正のバイアスVG1、VG2を加えることにより、センサ1の感度を高めることができる。各ゲート20、21へ異なるバイアスVG1、VG2を印加することにより、接合部15および/またはドレイン17、18における非対称性を補償できる。
ソース16とドレイン17、18の間に外部電位Vを印加すると、電子19はソース16(本明細書ではコンタクトCとも称す)からドレイン17、18(本明細書ではコンタクトRおよびLとも称す)へ移動される。
外部ソース6から生じる外部磁界4、例えば磁束が接合部15に垂直に入射する磁気ビットは、電子がソース16からドレイン17、18に伝搬する際に、電子19の少なくとも部分的な偏向を生じさせる。図6に示されるように、細長い区間16aを使用することは、電子19の平行化に役立つ。
第1ドレイン(R)17または第2ドレイン(L)18に向かう偏向の方向46は、磁界4の方向に応じて決まる。
センサ1は、第1および第2ドレインコンタクトで検出される電流変化を通し、接合部15の平面に垂直な磁界4の大きさ(または垂直でない磁界の場合には、接合部15の平面に垂直な磁界成分の大きさ)を検出できる。センサ1の磁気抵抗(MR)は、電流の差(I−I)を全電流(I+I)で割った値で示される比として定められる。このようにセンサ1は、デバイスの磁気抵抗の変化を測定することにより、磁界4の垂直成分の大きさを検出できる。
デバイスの磁気抵抗は、検出領域2、すなわち接合部15における磁界の大きさに影響される。他の場所、例えばソース16およびドレイン17、18内の磁界の変化は検出されず、磁気抵抗を変化させない。
前に説明したように、ゲートへバイアスを加えることにより、感度を高めることができる。その理由は、正のバイアスを加えると、接合部15内のポテンシャルエネルギーが高まり、よって接合部15を通過する電子19の運動エネルギーが低下するからである。電子19は効果的に「減速」されるので、磁界4によってより長い間影響を受け、このことによって偏向が大きくなる。
高温、例えば室温(約293°K)以上で、低い磁界を検出するのにセンサ1が使用できる。
センサ1の透過特性および反射特性を計算するのに散乱マトリックス方法を使用できる。
この方法は、D・ソントスとH・フーによる論文、「ジャーナル・オブ・コンデンストマター」、第14巻、12513〜12528ページ(2002年)(非特許文献6)に記載されたモデルに基づくものである。しかしながら、このモデルは磁界を考慮するという点で早期のモデルの拡張モデルとなっている。
このモデルでは磁界の存在下で量子井戸内の量子化された電子に対するシュレジンガー方程式を解き、この解に基いて伝搬透過および反射の確率を計算し、デバイスを通る電気的輸送を計算しなければならない。このモデルは、推定される電子の平均自由行路はより長い、例えばデバイスの寸法よりもかなり長いと仮定するので、フォノンによる電子散乱を無視する。
磁気抵抗(MR)は、次のように定義される。
MR(E)=(T−T)/(T+T+R), (1)
ここで、Eはソース16(「C」)から検出領域2、すなわち接合部15を通ってドレイン17、18(「R」および「L」)まで伝搬する入射電子のエネルギーであり、Tは第1ドレイン17(「R」)まで伝搬する際のエネルギーEを有する電子の透過確率であり、Tは第2ドレイン18(「L」)まで伝搬する電子の透過確率であり、Rは接合部16(「C」)まで伝搬する際に電子が反射される確率である。
図7a〜7fの各々は、異なる条件下のセンサ1のモデル47を示す。モデル47は第1コンタクト48と、接合部49と、第2コンタクト50の第2部分50と、第2コンタクト50の第2部分50と、第3コンタクト51の第1部分51と、第3コンタクト51の第2部分51とを含む。
図7aでは、「条件0」と称す一組の条件下において、接合部49に対し、+50mTの磁界Bおよび0.4VのゲートバイアスVが印加される。コンタクト48、50、51には磁界もゲートバイアスも印加されない。
図7bでは、「条件1」において、接合部49およびコンタクト48、50、51に+50mTの磁界Bが印加され、接合部49だけに0.4VのゲートバイアスVが印加される。
図7cでは、「条件2」において、接合部49およびコンタクト50、51に+50mTの磁界Bが印加され、コンタクト48に−50mTの磁界Bが印加され、接合部49だけに0.4VのゲートバイアスVが印加される。
図7dでは、「条件3」において、コンタクト48、50、51に+50mTの磁界Bが印加され、接合部49に−50mTの磁界Bが印加され、接合部49だけに0.4VのゲートバイアスVが印加される。
図7eでは、「条件4」において、コンタクト48およびコンタクト50、51の第2部分50、51に+50mTの磁界Bが印加され、コンタクト50、51の第1部分50、51に−50mTの磁界Bが印加され、接合部49だけに0.4VのゲートバイアスVが印加される。
図7fでは、「条件5」において、コンタクト48および接合部49に+50mTの磁界Bが印加され、接合部49だけに0.4VのゲートバイアスVが印加される。
図8も参照すると、ここには条件0〜5下のモデル47に対してそれぞれ計算されたMR(E)の第1プロット〜第6プロット47、47、47、47、47、47が示されている。
図8は、接合部49における磁界の方向の変化が、エネルギーに依存する磁気抵抗の符号を変化させることを示している。コンタクト48、50、51における磁気の方向の変化は、磁気抵抗の符号を変更させない。
図9a〜9fは、センサ1の磁気抵抗がデバイスの幾何学的形状の変化によってどのように影響され得るかを示している。
図9a〜9fでは、接合部15の長さlが長くなっている。磁気抵抗のプロット53、53、53、53、53は、センサ1のモデル47の長さlが長くなるにつれ、磁気抵抗の谷の大きさが増加することを示している。図8a〜8fに示されるように、これらモデル47は、ゲート電圧が0.2Vとなっている図8eの場合を除き、0.4Vのゲート電圧を使用している。
幾何学的形状は材料の選択に依存し、検出すべき磁界源の形状、例えばビットセルの形状に応じて変化し得る。ビットの形状はセンサ領域の形状に影響するので、デバイスの幾何学的形状の他の部分に影響を与える。
図10a〜10dは、センサ1の磁気抵抗がどのようにゲート電圧の印加に影響するかを示している。
図10aには、0.1Vのゲートバイアスの場合の磁気抵抗のプロット55が示されており、図10bには、0.05Vのゲートバイアスの場合の磁気抵抗のプロット55が示されており、図10cには、0.2Vのゲートバイアスの場合の磁気抵抗のプロット55が示されており、図10dには、ゲートバイアスがかけられていない場合の磁気抵抗のプロット55が示されている。
磁気抵抗のプロット55、55、55、55は、ゲートバイアスを大きくした場合の磁気抵抗の谷の大きさ、例えば56、56、56,56の大きさの増加を示す。
このように、ゲートを用いることによってデバイスの感度を改善でき、ゲートを用いてその感度を増加するようにデバイスを調節できる。このような特徴は、デバイスの製造時の歩留まりを高めるのに役立つ。その理由は、リソグラフィのばらつきは、デバイスの正確な幾何学的形状に影響を与え、製造中にデバイスごとに異なり得るからである。
図11a〜11cを参照し、次にセンサ1を製造する方法について説明する。
特に図11aを参照すると、例えば分子ビームエピタキシー(MBE)を用いて基板26上に層構造56が成長される。例えば層構造56の残りの部分を続いて成長させるために欠陥のない表面を提供するよう、または層構造56の残りの部分内に格子整合または導入応力またはひずみを提供するよう、基板26と層構造56との間にバッファ層27を設けてもよい。
層構造56は、単結晶の量子井戸ヘテロ構造である。この層構造56は第1バリア層25’と、井戸層23’と、上部バリア層24’とを含む。上部バリア層24’は保護キャップ層として働くことができる。それに代わって、付加的にキャッップ層(図示せず)を設けることができる。この層構造56は二次元の電子ガスまたは正孔ヘテロ構造とすることができる。
井戸層23’は、III−V族材料、例えばInAsまたはInSb、もしくは例えばIn、As、Sbに基づく三元合金を含むことができる。この井戸層23’は、シリコンまたはゲルマニウム、合金または化合物半導体材料を含むことができる。バリア層24’、25’は、結果としてあるバリアを形成する、より大きいバンドギャップおよび/またはバンドオフセットを有する。バリア層24’、25’は、III−V族材料、例えばInAlAsを含むことができる。井戸層23’がシリコンまたはゲルマニウム(またはこれらに基づく材料)から形成されている場合、バリア層24’、25’はシリコンまたはゲルマニウムの化合物、例えば窒化物および/または酸化物、例えばSiOを含むことができる。井戸層23’は、ひずませてもよい
メサ構造22、30、31(図2)は、例えば電子ビームまたはX線リソグラフィのようなナノリソグラフィ、例えば反応性イオンエッチングまたはミリングのようなドライエッチングおよび/またはウェットエッチングによって画定される。ソフトマスク(すなわちレジストのパターン化された層)またはハードマスク(例えばリソグラフィおよびエッチングによってパターン化された薄い金属製マスク)を使用してもよい。
例えば図11bを参照すると、層構造56の上部表面58上にレジストの層、例えば水素シルセスキオキサン(HSQ)またはその他のポジレジストをスピニングし、走査電子ビームを使ってレジスト層(図示せず)を露光し、現像剤、例えばMIBK/IPAを用いて、露光された領域を除去するように露光したレジストを現像することにより、ソフトマスク57を形成できる。
図11cを参照すると、上部層25’の反応性イオンエッチ59部分60、61、62、井戸層23’および下部バリア層24’が反応性イオンエッチまたはイオンミリングにより除去される。
図11dを参照すると、この結果得られた構造63が示されている。電子ビームリソグラフィまたはフォトリソグラフィを使用し、タンタルおよび金(Ta:Au)のような金属層を堆積することにより、ソースおよびドレイン領域へのコンタクトおよびゲートが形成できる。
次に説明するように、メサ、すなわちエッチングされた構造63はダイヤモンド状炭素(DLC)から形成されたハードマスクを使用するイオンミリングにより形成できる。
ウェーハの上部表面58を横断するように、炭素(図示せず)が全層堆積される。そのダイヤモンド状炭素膜を覆うように、ネガの電子ビームレジスト(図示せず)、例えばPMMAが塗布され、電子ビームリソグラフィを使ってパターン化し、レジストマスク(図示せず)を形成する。
レジストエッチマスク全面に金属薄膜(図示せず)、例えばクロム(Cr)の薄膜を堆積し、金属製エッチマスク(図示せず)を形成するようにリフトオフする。酸素(O)または二酸化炭素(CO)反応性イオンエッチングを用いて、金属製エッチマスクのパターンをDLC膜に転写し、DLCハードマスク(図示せず)を画定する。
最後に、イオンミリングを使ってDLCハードマスクのパターンを層構造に転写する。イオンミリングはハードマスクを形成するのに用いられた元の薄い金属製マスクも除去する。
この技術は、エッチングされた材料の再堆積により形成される顕著な塀を少しも生じることなく、細かい特徴部を形成できる。
ミリング後に、元のマスクを画定するのに用いられたエッチング剤と同様なOまたはCORIEエッチング剤により、残りのDLCハードマスクを除去することができ、この結果図11dに示される構造63が形成される。
図12を参照すると、センサ1’の別の実施形態は、これまで説明したセンサ1(図4)と同じであるが、例えば約1×1020cm−2の面積密度を有するシリコンから成るデルタドープされた層63を含む。このデルタドープされた層63は、導電層23内のキャリア密度を変更、例えば増加するのに使用できる。このデルタドープされた層63は、導電層23内に不純物を導入しないよう、導電層23の外側、例えば下方に設けられる。
図13および14を参照すると、センサの更に別の実施形態1”は、前に述べたセンサ1(図4)と同一であるが、サイドメサ構造30、31を含まず、その代わりに底部ゲート64を含んでいる。この底部ゲート64は、イオン打ち込み方法によって形成できる。
前に述べた実施形態について、多くの変更を行うことができると理解できよう。
例えば磁界の検出および測定を必要とするデータの記憶および画像形成以外の用途でも、このセンサを使用できる。
例えばInSb以外の材料も使用できる。(例えば300°Kで10または10cm−1−1のオーダーの)高移動度を有する別の材料も使用できる。接合部およびリード線を構成する材料は、単結晶でなくてもよい。
他の適当なデバイスの幾何学的形状を探す、例えば定常的な実験により、Y接合部の幾何学的形状および寸法を変更することができる。例えばデバイスの幾何学的形状および/または寸法を変更し、変更したデバイスを試験し、磁気抵抗がより大きくなったか、小さくなったかを確認できる。
電荷キャリアは実質的に共線的なビームまたは実質的に平行なビームを形成できる。
センサは電子または正孔の輸送に基づき動作できる。この輸送は、弾道的輸送成分および拡散的輸送成分の双方を含むことができる。
1 デバイス
2 磁界検出領域
3 平面
4 磁界
5 直交方向
6 磁界源
7 支持体
8 より大きいデバイス
9 支持体
10 測定回路
11 検出回路
12、13 受信信号
14 出力信号
15 接合部
16、17、18 リード線
19 電荷キャリア

Claims (25)

  1. 第1、第2および第3のリード線と、
    これらリード線の間に接合部とを備え、
    前記接合部と前記リード線とは、1つの平面内に配置されており、前記接合部は前記平面に垂直な方向に量子閉じ込めを行うように構成されており、前記第1のリード線は前記接合部の一方の側に配置され、前記第2および第3のリード線は前記接合部の反対側に配置されており、前記第1のリード線は前記接合部に進入する電荷キャリアの回転角方向の分布を制限するように構成されており、よって前記電荷キャリアが前記第1のリード線から前記接合部に流入するときに、前記電荷キャリアは実質的に非発散ビームとして前記第1のリード線から現れる、磁界を検出するためのデバイス。
  2. 請求項1に記載のデバイスであって、前記第1のリード線は、長手方向軸線に沿って細長く、前記電荷キャリアが前記第1のリード線から前記接合部内に流入するとき、前記電荷キャリアは前記長手方向軸線と実質的に平行に流れる、デバイス。
  3. 請求項1または2に記載のデバイスであって、前記第1のリード線は、量子ワイヤーを提供するように横方向の量子閉じ込めを行うように構成されている、デバイス。
  4. 請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載のデバイスであって、前記第1のリード線内で、前記電荷キャリアを集中させるための静電レンズを提供するように構成されているゲート構造を更に備え、よって前記接合部に進入する電荷キャリアの拡散角度を制限するようになっている、デバイス。
  5. 請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載のデバイスであって、前記接合部に進入する前記電荷キャリアの拡散角度を制限するように構成されている第1のリード線の一部は前記接合部に隣接する、デバイス。
  6. 請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載のデバイスであって、前記接合部は非強磁性材料および/または半導体材料を含む、デバイス。
  7. 請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載のデバイスであって、前記接合部は1000nm以下または約400nm以下の面積を有する、デバイス。
  8. 請求項1〜7のうちのいずれか1項に記載のデバイスであって、前記デバイスは前記リード線および前記接合部を構成する材料の層を含む、デバイス。
  9. 請求項1〜8のうちのいずれか1項に記載のデバイスであって、前記第1のリード線と前記接合部とは1本の直線上に配置されており、前記接合部は前記第1のリード線の前方に位置し、前記第2の領域と前記第3の領域とは前記直線の両側で前記接合部から前方に分岐するように構成されている、デバイス。
  10. 請求項1〜9のうちのいずれか1項に記載のデバイスであって、前記接合部は、前記第1のリード線から前記第2のリード線および前記第3のリード線に向かって幅が広くなっている、デバイス。
  11. 前記デバイスは、
    請求項1〜10のうちのいずれか1項に記載のデバイスであって、前記接合部に接続された少なくとも第4のリード線を備え、前記少なくとも第4のリード線は前記第1、第2および第3のリード線を含む、デバイス。
  12. 前記デバイスは、
    請求項1〜11のうちのいずれか1項に記載のデバイスであって、前記接合部に電界を加えるためのゲート構造を更に含む、デバイス。
  13. 請求項12に記載のデバイスであって、前記ゲート構造は前記接合部の両側に配置されたゲートを含む、デバイス。
  14. 請求項1〜13のうちのいずれか1項に記載のデバイスであって、前記接合部および随意的には前記リード線のうちの少なくとも1つは、比較的広いバンドギャップを有する材料の下部領域と上部領域との間に挟まれた、比較的狭いバンドギャップを有する材料の領域を備える、デバイス。
  15. 請求項1〜14のうちのいずれか1項に記載のデバイスであって、前記接合部および随意的には前記リード線のうちの少なくとも1つは、縮小した次元の電子または正孔ガスを含む、デバイス。
  16. 請求項1〜15のうちのいずれか1項に記載のデバイスであって、前記接合部および随意的には前記リード線のうちの少なくとも1つは、III族元素またはV族元素の合金を含むか、またはIV族の元素を含む、デバイス。
  17. 請求項1〜16のうちのいずれか1項に記載のデバイスであって、前記接合部はひずみまたは応力を受けている、デバイス。
  18. 請求項1〜17のうちのいずれか1項に記載のデバイスと、
    前記第1のリード線から前記第2のリード線および前記第3のリード線内に電流を流入させると共に、前記第2のリード線に流入する電流の大きさと、前記第3のリード線に流入する電流の大きさとを比較するように構成されている回路とを備える装置。
  19. ハードディスクドライブの一部となっている、請求項18に記載の装置。
  20. 請求項19に記載の装置を含むハードディスクドライブ。
  21. 請求項1〜17のうちのいずれか1項に記載のデバイスのアレイと、
    各デバイスからのそれぞれの信号を受信し、これら信号を処理し、画像を形成するように構成されている回路とを備える、磁気イメージングのための装置。
  22. 請求項1〜17のうちのいずれか1項に記載のデバイスと、
    前記デバイスを位置決めするためのスキャナーと、
    前記デバイスおよび前記スキャナーからの信号を受信し、これら信号を処理し、画像を形成するように構成されている回路とを備える、磁気画像を走査するための装置。
  23. 第1、第2および第3のリード線と、
    これらリード線の間に接合部とを備え、
    前記接合部と前記リード線とは、1つの平面内に配置されており、前記接合部は前記平面に垂直な方向に量子閉じ込めを行うように構成されており、前記第1のリード線は前記接合部の一方の側に配置され、前記第2および第3のリード線は、前記接合部の反対側に配置されており、前記第1のリード線は前記接合部に進入する電荷キャリアの回転角方向の分布を制限するように構成されており、よって前記電荷キャリアが前記第1のリード線から前記接合部に流入するときに、前記電荷キャリアは実質的に非発散ビームとして前記第1のリード線から現れる、電界を検出するためのデバイスを動作させるための方法において、
    前記第1のリード線と、前記第2および前記第3のリード線との間にバイアスを加えるステップと、
    前記第2のリード線に流入する電流と前記第3のリード線に流入する電流とを比較するステップとを備える方法。
  24. 請求項23記載の方法であって、前記接合部から約100nm未満の距離内に磁界源を移動させるステップを更に備える、方法。
  25. 第1、第2および第3のリード線と、
    これらリード線の間に接合部とを備え、
    前記接合部と前記リード線とは1つの平面内に配置されており、前記接合部は前記平面に垂直な方向に量子閉じ込めを行うように構成されており、前記第1のリード線は前記接合部の一方の側に配置され、前記第2および第3のリード線は前記接合部の反対側に配置されているセンサを、データ記憶またはイメージングの応用に使用する方法。
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