以下、本発明に好適な実施形態の例(実施例)を説明する。但し、本発明は本実施例に限定されない。本実施例は、主には一世代のコピーを許された情報の扱いに関するものである。
<システム>
図1は、本実施例のシステムの構成例を示すブロック図である。放送で情報を送受信して記録再生する場合を例示している。
1は放送局などの情報提供局に設置される送信装置、2は中継局や放送用衛星などに設置される中継装置、ユーザの宅内などに設置される3は受信装置、10は受信装置3に内蔵される受信記録再生部である。受信記録再生部10では、放送された情報を記録し、再生することができる。
送信装置1は、中継装置2を介して、変調された信号電波を伝送する。図のように衛星による伝送以外にも例えばケーブルによる伝送、電話線による伝送、地上波放送による伝送、インターネットなどのネットワーク経由のIP(Internet Protocol)を利用した伝送などを用いることもできる。受信装置3で受信されたこの信号電波は、後に述べるように、復調されて情報信号となった後、必要に応じ記録するに適した信号となって記録される。また、ユーザは、受信装置3にディスプレイが内蔵されている場合はこのディスプレイで、内蔵されていない場合には受信装置3と図示しないディスプレイとを接続して情報信号が示す映像音声を視聴することができる。
<送信装置>
図2は、図1のシステムのうち、送信装置1の構成例を示すブロック図である。
11はソース発生部、12はMPEG、或いはH.264方式等で圧縮を行うエンコード部、13はスクランブル部、14は変調部、15は送信アンテナ、16は管理情報付与部である。カメラ、記録再生装置などから成るソース発生部11で発生した映像音声などの情報は、より少ない占有帯域で伝送できるよう、エンコード部12でデータ量の圧縮が施される。必要に応じてスクランブル部13で、特定の視聴者には視聴可能となるように伝送暗号化される。変調部14でOFDM,TC8PSK,QPSKなど伝送するに適した信号となるよう変調された後、送信アンテナ15から、中継装置2に向けて電波として送信される。このとき、管理情報付与部16では、コピーを制御するための情報であるコピー制御情報や現在時刻等の情報を付加する。
なお、一つの電波には複数の情報が、時分割、スペクトル拡散などの方法で多重されることが多い。簡単のため図2には記していないが、この場合、ソース発生部11とエンコード部12の系統が複数個あり、エンコード部12とスクランブル部13との間に、複数の情報を多重するマルチプレクス部(多重化部)が置かれる。
<コピー制御情報>
コピー制御情報は、コピーの可否や回数などの制限を制御する情報であり、例えば管理情報付与部16で付加される。コンテント利用記述子とデジタルコピー制御記述子などを含む。
図8は、コピー制御情報を利用することによる番組コンテントの保護に関する運用の例を示す。
「運用可」とは、それぞれのサービス形態に対応したコンテントに対して、デジタルコピー制御情報を用いた世代制限として送信側が選択できることを示す。例えば、「ペイパービュー(pay-per-view)」であれば、どのデジタルコピー制御情報を用いてもよいことを示しており、一方で「月極め等有料放送」であれば「コピー禁止」を送信側が選択できないことを示す。
「フラット/ティア」とは、有料放送などで複数チャンネルをまとめて契約することをフラット契約と呼び、チャンネル毎に契約することをティア契約と呼ぶ。
「上記以外」には、例えば「有料放送ではなく、コンテンツ保護を伴わない番組の場合」が含まれる。
図3は、コピー制御情報の一つであるコンテント利用記述子の構造の一例を示す。コンテント利用記述子は、例えば管理情報付与部16で生成、付加され、MPEG-TSのPSI(Program Specific Information)(一例としてPMT(Program Map Table)など)或いはSI(Service Information)(一例としてEIT(Event Information Table)、或いはSDT(Service Description Table)など)に格納されて送出される情報である。
コンテント利用記述子の用途は、当該番組に対して、蓄積(記録)や出力に関する制御情報を記述する場合に配置(送出)されるものである。その意味は、digital_recording_control_mode(デジタルコピーモードビット)の1ビットのフィールドが「1」の場合、図5で説明するデジタルコピー制御記述子のdigital_recording_control_dataが「一世代のコピー可」であっても「個数制限コピー可」として記録可能であることを示す。「0」の場合、「個数制限コピー可」として記録することはできない。
なお、コンテント利用記述子は、当該番組が出力保護の対象である場合に必ず配置(送出)する。この出力保護とは、コンテント利用記述子の出力保護ビット(encryption_mode)を用いて、「制約条件なしにコピー可」のコンテンツの高速デジタルインタフェース出力に対して、保護を実施することを意味する。別の言い方をすれば、デジタルインタフェースでの出力や記録媒体へのコピーの際に暗号化するものの、コピーの回数や世代には制限をかけない。インターネットへの再送信は事実上不可能となる。「出力保護付きコピー・フリー」や、EPN(encryption plus non-assertion)とも呼ぶ。
また、当該番組のデジタルコピー制御情報が「一世代のコピー可」であり、且つ、「個数制限コピー可」の対象でない場合に必ず配置(送出)する。
図4は、コンテント利用記述子の各フィールドにおける記述内容の一例を示す。
「descriptor_tag」にはコンテント利用記述子を意味する“0xDE”を記述する。「descriptor_length」には、コンテント利用記述子の記述子長を記述する。「digital_recording_control_mode」には、デジタルコピー制御情報が「一世代のコピー可」であり、且つ、「個数制限コピー可」の対象でない場合は’0’を記述する。デジタルコピー制御情報が「一世代のコピー可」であり、且つ、「個数制限コピー可」の対象である場合は‘1’を記述する。
「encryption_mode」には、デジタルコピー制御情報が「制約条件なしにコピー可」であり、且つ、高速デジタルインタフェース出力に保護を実施する場合は’0’を記述する。
「retention_mode」は一時蓄積制御ビットを意味し、デジタルコピー制御記述子の「digital_recording_control_data」(デジタルコピー制御情報)が「コピー禁止」であっても一時蓄積が可能であることを表す“0”を記述する。「retention_state」は一時蓄積許容時間を意味し、1時間30分の蓄積が可能なことを表す”111”を記述する。なお、「image_constraint_token」、「retention_state」、「encryption_mode」はデフォルトの状態では「1」である。
「個数制限コピー可」のコンテンツのコピー数の制限は、コピー元、コピー先を含めてコピーの総数が10個以内に制限される。また、リムーバブル記録媒体への記録機能や高速デジタルインタフェース出力を経由したムーブ機能がある場合には、それらを含めて制限される。具体的には、例えばコピー元及びコピー先のコンテンツは、それぞれ、アナログ映像、音声出力及びデジタル音声出力を除いてコピー数の制限或いはコピーの禁止(再コピー禁止)がなされているものとする。上記制限内であれば、コピー元或いはコピー先のコンテンツをムーブしてもよい。
なお、サムネールのようにコンテンツの管理の目的のみに用いられるものはコピーに含まれないものとする。
各フィールドについては、受信側の処理として、図7でも後述する。
図5は、コピー制御情報の一つであるデジタルコピー制御記述子の構造の一例を示す。デジタルコピー制御記述子は、例えば管理情報付与部16で生成、付加され、MPEG-TSのPSI(一例としてPMTなど)或いはSI(一例としてEIT、或いはSDTなど)に格納されて送出される情報である。
デジタルコピー制御記述子は、「digital_recording_control_data」(デジタルコピー制御情報)の2ビットのフィールドにより、コピー世代を制御する情報を表す。
図6は、デジタルコピー制御情報の例を示す。デジタルコピー制御情報が、「00」の場合には制約条件なしにコピー可を示し、「01」の場合には放送事業者の定義によることを示し、「10」の場合には一世代のコピー可であることを示し、「11」の場合にはコピー禁止であることを示す。なお、一世代のコピー可とは、受信した放送信号を記録(一世代目のコピー)できるが、記録した後には放送信号を複製(コピー)できないことを意味する。
図3と図4のコンテント利用記述子をコピー個数制限情報、図5と図6のデジタルコピー制御情報をコピー世代制限情報とも呼ぶ。
<受信装置>
図10は、図1のシステムのうち、受信装置3の構成例を示すブロック図である。図10において、情報、PCR等の流れを表す線が交差している場所については、接触していないものとする。但し、黒丸が付されている部分については接触があり、そこから分岐していることを示す。
受信装置3は、デジタル放送、或いはネットワーク経由のIP(Internet Protocol)放送を受信して、記録と再生を行う受信装置である。画像圧縮技術としてMPEG(Moving Picture Experts Group)方式によって符号化され、MPEG2―TS方式で多重化された信号を扱う場合について説明する。
受信装置3は、受信記録再生部10、制御部114(例えば、CPU(Central Processing Unit))、ユーザインタフェース部115(例えば、入力装置として、キーボード、マウスまたはリモコン等)を含む。
本構成例は、各々をハードウェアの要素として記載しているが、一部をソフトウェアで実現してもよい。また、ネットワーク経由でのVOD(Video On Demand)、ダウンロード等といった特定ユーザに映像コンテンツ、音声コンテンツ等を送信受信することに適用してもよい。これらを総称して配信ともいう。
制御部114は、バス部で本受信装置の各部(受信記録再生部10を含む)と接続されており、受信装置全体の動作を制御する。また、ユーザインタフェース部115のリモコンなどを介してユーザから種々の命令信号を受け、その命令信号に基づいてバス部を介して接続された各部を制御することで、種々の処理を実行する。
受信記録再生部10は、チューナ復号部101、セレクタ102、分離・抽出部103(例えば、デマルチプレクサ)、入力バッファ104、復号部105(例えば、MPEGデコーダ)、ネットワークインタフェース部106、バッファ管理部107、クロック再生部108、タイムスタンプ比較/出力部109、タイムスタンプ付加部110、読み出し部111、書き込み部112、内蔵記録媒体113、出力部116、固定クロック発生部117(例えば、水晶発振器)、コンテンツ管理情報作成部119、コンテンツ管理情報解析部120を含む。
内蔵記録媒体113(第一記録媒体とも呼ぶ)、及びリムーバブル記録媒体118(第二記録媒体とも呼ぶ)は、例えばハードディスクドライブ(HDD)、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスクなどのランダムアクセスが可能な媒体である。
出力部116は、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma DISPLAY Panel)等を利用した表示部、スピーカ等による音声出力部、または他の表示装置等にアナログ或いはデジタルの映像データ/音声データを出力するコンポジット映像出力端子、S映像出力端子(S端子)、D映像出力端子(D端子)(以上アナログ映像出力端子)、HDMI(High Definition Multimedia Interface)出力端子(デジタル映像出力端子)、光音声出力端子(デジタル音声出力端子)等である。出力部116は、復号された映像/音声を、出力装置である表示部/音声出力部にて再生する。または、出力端子(例えば、HDMI)等を介して他の表示装置、音声再生装置等に映像/音声コンテンツデータ等を出力する。この出力端子からの映像/音声コンテンツデータにはそれぞれの出力規格のコンテンツ保護方式に基づいた形式で出力されるためコンテンツの保護がなされる。
チューナ復号部101は、無線(衛星、地上)、ケーブルなどの放送伝送網を介して送信装置1から送信されたデジタル放送信号を受信する。ユーザインタフェース部115のリモコンなどのユーザ操作部および制御部114を介して指定された物理的なあるいは仮想的なチャンネルの周波数に選局および検波処理を施す。また、デジタル復調および誤り訂正処理を施した後のMPEG2―TS(トランスポートストリーム)をセレクタ102へ出力する。
セレクタ102は、制御部114からの制御に従い3入力1出力の選択処理を行い、その出力を分離・抽出部103へ出力する。
分離・抽出部103は、ユーザインタフェース部115のリモコンなどのユーザ操作部および制御部114を介して指定されたチャンネル(番組)のトランスポートパケットを、入力されたMPEG2―TSから分離・抽出し、分離・抽出されたトランスポートパケットをタイムスタンプ付加部110およびネットワークインタフェース部106へ出力する。また、分離・抽出部103は、ユーザインタフェース部115のリモコンなどのユーザ操作部および制御部114を介して指定されたチャンネル(番組)のトランスポートパケットから、映像と音声のPES(Packetized Elementary Stream)またはES(Elementary Stream)を分離・抽出し、入力バッファ104へ出力する。
ESとは、圧縮・符号化された画像・音声データのそれぞれのことであり、PESとは画像ESまたは音声ESを適当な大きさに分割してパケット化したものである。また、分離・抽出部103は、ユーザインタフェース部115のリモコンなどのユーザ操作部および制御部114を介して指定されたチャンネル(番組)のトランスポートパケットから、PCR(Program Clock Reference)を抽出し、クロック再生部108へ出力する。
分離・抽出部103は、ユーザインタフェース部115のリモコンなどのユーザ操作部および制御部114を介して指定されたチャンネル(番組)のトランスポートパケットから、内蔵記録媒体113、或いはリムーバブル記録媒体118に記録されるチャンネル(番組)のタイトルや番組の開始・終了日時、コピー世代制御情報と複数個コピーの可否を示す情報を検出し、さらに、データの暗号鍵を作成し、コンテンツ管理情報作成部119へ出力する。このタイトルや番組の開始・終了日時、コピー世代制御情報と複数個コピーの可否を示す情報は、例えば、MPEG-TSのPSI、或いはSI情報に格納されて送信装置1から送出される。
入力バッファ104は、分離・抽出部103からの映像/音声のPES、またはESを一時格納する。復号部105は、入力バッファ104に格納されたPESまたはESに対応するDTS(Decoding Time Stamp)/PTS(Presentation Time Stamp)と、クロック再生部108からのSTC(System Time Clock)カウント値を比較し復号・表示タイミングをとることにより入力バッファ104に格納された映像/音声のPESまたはESを取り出し復号し、復号された映像/音声は、出力部116へ出力される。
バッファ管理部107は、入力バッファ104における復号部105で未処理のトランスポートパケットの量を監視し、その量に応じて読み出し部111の読み出し開始と停止を制御する。
クロック再生部108は、PCRを利用し、例えば、図示しない送信装置1側の符号・多重化部のシステムクロックと周波数の一致した受信機のシステムクロックを再現する。再現したシステムクロックはクロック再生部108内部のSTCカウンタ、タイムスタンプ付加部110等へ出力する。また、再現したシステムクロックにより動作するSTCカウンタのSTCカウント値を復号部105へ出力する。
タイムスタンプ付加部110は、例えばクロック再生部108にて再現されたシステムクロック、或いは図示しない水晶発振器をもとに動作するカウンタによりタイムスタンプを生成し、分離・抽出部103で分離・抽出されたトランスポートパケットにそれぞれタイムスタンプを付加して、書き込み部112へ出力する。
図11は、タイムスタンプを付加したトランスポートパケットの構造例を示す。MPEG規格における188バイトの長さのトランスポートパケット(TSP)は、先頭に4バイトのタイムスタンプ(例えば、受信機がトランスポートパケットを受信した時刻)が付加され、192バイトの長さのパケットとなる。タイムスタンプには、そのトランスポートパケットが到着したときのタイムスタンプ情報が保持される。MPEG規格のTSは、先頭4バイトのヘッダと、それに続く184バイトのペイロード(または、アダプテーションフィールド)からなる。
コンテンツ管理情報作成部(コンテンツ情報作成部)119は、分離・抽出部103からのタイトルや番組の開始・終了日時、コピー世代制御情報とコピー個数制御情報(複数個のコピーの可否を示す)、鍵情報に基づいて管理情報を作成し、書き込み部112へ出力する。コピー世代制御情報とコピー個数制御情報は、図3〜図6で説明したコンテント利用記述子とデジタルコピー制御記述子を送信機1から受信してそのまま管理情報として用いてもよいし、これらに基づいて新たな情報として作成してもよい。
書き込み部112は、コンテンツ管理情報作成部119で作成された管理情報と、タイムスタンプ付加部110でタイムスタンプが付加されたトランスポートパケットに対して上記管理情報の中の鍵情報に基づいて暗号処理を施した暗号データとを内蔵記録媒体113、或いはリムーバブル記録媒体118に記録する処理を行う。この結果、あるチャネル(別の言い方をすれば、ある番組コンテンツ、ダウンロードしたコンテンツ)の映像/音声データが含まれた複数のタイムスタンプが付加されたトランスポートパケットに対して暗号処理を施された暗号データを有する一つのストリームが、一つのデータファイルまたはそれが分割された2以上の断片データファイルとして内蔵記録媒体113、或いはリムーバブル記録媒体118に記憶される。
なお、タイムスタンプとは、そのスタンプが付されるトランスポートパケットの時間的位置に関する時間情報とも言える。例えば、タイムスタンプ付加部110に分離・抽出部103からのトランスポートパケットが入力された時点の時刻、または、基準とされるあるトランスポートパケット(一例として、直前または最先頭のトランスポートパケット)との時間的差分であるとも言える。このタイムスタンプは、前述の通り、トランスポートパケットに予め含まれているタイムスタンプ(例えば、PCRやDTSやPTS)とは異なる。
図12は、内蔵記録媒体113、或いはリムーバブル記録媒体118へ番組コンテンツを記録した例を示す。
番組コンテンツ毎に、番組コンテンツの内容を示す管理情報と、番組コンテンツの実体であるデータ(映像音声など)とをそれぞれ管理情報領域501と、データ領域502に記録する。管理情報には例えば、番組コンテンツのタイトルを示すファイル番号503、番組の開始・終了日時を示す日時504、 データ領域の先頭アドレス及び記録サイズ505、コピー情報507、コピー個数508 、鍵情報506などを記録する。データ領域502には、管理情報領域501に記録された先頭アドレス505に該当するアドレスから番組コンテンツを書き込む。新たに番組コンテンツを記録するたびにファイル番号1、ファイル番号2…、ファイル番号nと管理情報及び番組コンテンツが逐次記録されていく。
コピー情報507は、コンテンツ管理情報作成部119で作成した管理情報に含まれるコピー世代制御情報であり、例えば、2ビットの信号で、
00= コピー可(Copy Free)
10= 一世代の記録を許可(Copy One Generation)
11= コピー禁止(Copy Never)
といった指定が考えられる。この場合、受信装置3において「Copy One Generation」で記録した番組コンテンツに対して、01=Copy One Generationで1回コピーされたものをこれ以上コピーできない(No More Copies)と定義する。指定の仕方は、図6で説明したデジタルコピー制御情報と同じ運用でもよいし、受信装置3独自に運用してもよい。
コピー個数508は、コンテンツ管理情報作成部119で作成した管理情報に含まれるコピー個数制御情報である。コピー個数508は、コンテンツ管理情報作成部119が分離・抽出部103から受けたコピー世代制御情報と複数個コピーの可否を示す情報とに基づいて作成した情報である。コピー世代制御情報が、一世代の記録を許可(Copy One Generation)かつ複数個コピーの可否を示す情報が「可」の場合、番組コンテンツを「No More Copies」として記録し、同一もしくは異なる記録媒体に、同一もしくは異なるフォーマットで、コピー可能とするためのコピー許可個数を示す情報を格納し、例えば9個のコピーを許可する意味を示す“9”を入力する。この数値は、規格などに準拠するとよい。一方、コピー世代制御情報が、一世代の記録を許可(Copy One Generation)且つ複数個コピーの可否を示す情報が「否」の場合、番組コンテンツを「No More Copies」として記録し、コピー不可とするためのコピー許可個数を示す情報として“0”(コピーを許可しない意味を示す)を入力する。
なお、「Copy One Generation」の番組コンテンツを「No More Copies」として記録した番組コンテンツの実体であるデータ、つまり、MPEG-TSのPSI、或いはSIに格納されて送信装置1から送出されるコピー世代制御情報と複数個コピーの可否を示す情報は変更しない。
また、コピー情報507、コピー個数508、及び鍵情報506は、不正に改竄されぬよう、例えば暗号をかける。
図10の説明に戻り、コンテンツ管理情報解析部120は、読み出し部111を介して内蔵記録媒体113或いはリムーバブル記録媒体118に記憶されている管理情報を読み出し、その管理情報の内容を解析し、内蔵記録媒体113或いはリムーバブル記録媒体118に記憶されている番組コンテンツの再生、コピー、或いはムーブを行う場合に、ユーザインタフェース部115のリモコンなどのユーザ操作部および制御部114を介して番組コンテンツの選択ができるよう、番組コンテンツのタイトルや番組の開始・終了日時、コピー情報、コピー個数などを、制御部114へ渡す。また、暗号データを復号するための鍵情報を読み出し部111へ渡す。
読み出し部111は、バッファ管理部107、或いは制御部114を介して制御され、内蔵記録媒体113、或いはリムーバブル記録媒体118から管理情報を読み出し、コンテンツ管理情報解析部120へ出力し、暗号データを内蔵記録媒体113、或いはリムーバブル記録媒体118から次々に読み出し、コンテンツ管理情報解析部120から渡された鍵情報に基づいて、暗号データに対して復号処理を施したタイムスタンプが付加されたトランスポートパケットをタイムスタンプ比較/出力部109へ出力する。
タイムスタンプ比較/出力部109は、水晶発振器等の固定クロック再生部117を基に動作するカウンタのカウンタ値と、読み出し部111で読み出されたタイムスタンプが付加されたトランスポートパケットのタイムスタンプとを比較し、一致した場合、トランスポートパケットからタイムスタンプを削除(除去)し、セレクタ102、および、ネットワークインタフェース部106へ出力する。なお、上述のようにバッファ管理部107で入力バッファ104の残量を監視し、その量に応じて読み出し部111を制御している場合には、カウンタ値とタイムスタンプを比較せずにトランスポートパケットからタイムスタンプを削除し、セレクタ102、および、ネットワークインタフェース部106へ出力してもよい。特に、通常再生(1倍速再生)以外の再生時にはこの方法で出力した方が好ましい。
ネットワークインタフェース部106は、回線(IEEE1394ケーブルやLANケーブルや無線等)を介して、出力先/入力元である他の装置(宅内のレコーダやディスプレイ、パーソナルコンピュータなど、或いは宅外のサーバーなど)が接続される。そして、タイムスタンプ比較/出力部109でタイムスタンプが削除された映像/音声等のトランスポートパケット、或いは分離・抽出部103で分離・抽出されたトランスポートパケットを受け、それらのトランスポートパケットを、回線を介してそれぞれの伝送規格に沿った形式に変換して出力先である他の装置へ内蔵記録媒体113およびリムーバブル記録媒体118に記憶された映像/音声データ、或いはチューナ復号部101で受信したデジタル放送信号の映像/音声データを出力する。また、回線を介して入力元である他の装置から映像/音声等のデータをそれぞれの伝送規格に沿った形式で入力されてトランスポートパケットに変換し、セレクタ102へ出力する。なお、ネットワークインタフェース部106は、複数あってもよい。
<コピー制御情報に関係する受信及び記録処理>
送信装置1から送出された、図3〜6で説明したコピー制御情報に関係する受信装置3の処理の詳細例を説明する。
図7は、受信装置3における、コンテント利用記述子の各フィールドに対する処理の一例を示す。
「descriptor_tag」が“0xDE”だと、当該記述子がコンテント利用記述子であると判断する。「descriptor_length」により、コンテント利用記述子の記述子長であると判断する。「digital_recording_control_mode」が’1’だと、デジタルコピー制御情報が「一世代のコピー可」の場合、「個数制限コピー可」の対象であると判断する。’0’だと、デジタルコピー制御情報が「一世代のコピー可」の場合、「個数制限コピー可」の対象でないと判断する。「image_constraint_token」については、いかなる値が入っていても映像信号出力の解像度の制限を行わないと判断する。「retention_mode」については、いかなる値が入っていても一時蓄積が可能であると判断する。「retention_state」については、いかなる値が入っていても一時蓄積許容時間が1時間30分であると判断する。「encryption_mode」が’1’だと、デジタルコピー制御情報が「制約条件なしにコピー可」の場合、高速デジタルインタフェース出力に保護を実施しないと判断する。’0’だと、デジタルコピー制御情報が「制約条件なしにコピー可」の場合、高速デジタルインタフェース出力に保護を実施すると判断する。
なお、何らかの理由でコンテント利用記述子が配置(送出)されない場合、各フィールドが以下の値であると解釈するとよい。digital_recording_control_mode =‘1’、image_constraint_token =‘1’、retention_mode =‘0’、retention_state =‘111’、encryption_mode =‘1’。
図9は、受信装置3が、コピー制御情報を利用して番組コンテンツを蓄積(記録)する制御の例を示す。
図9が示している内容は例えば、番組コンテンツを蓄積するときに、デジタルコピー制御記述子のdigital_recording_control_dataが’10’で「一世代のコピー可」の場合、記録媒体上のコピー制御情報を「再コピー禁止」として蓄積する。但し、digital_recording_control_modeが’1’の場合は、「個数制限コピー可」として蓄積する。なお、「再コピー禁止」で蓄積を行う場合にも、デジタルコピー制御記述子のdigital_recording_control_dataの値は変更しなくてよい。
また、デジタルコピー制御記述子のdigital_recording_control_dataが’10’で「一世代のコピー可」の場合、複数のコピーを生成してはならない。但し、バックアップ目的でユーザがアクセスできないエリアへの蓄積は除外する。また、上記制限は、放送の受信部毎に課せられるものとし、放送の受信部が複数ある場合は、ひとつの放送の受信部毎に上記制限が課せられるものとする。
個数制限コピー可について、「個数制限コピー可」として蓄積されている番組コンテンツからは、N個のコピーを生成することができる。Nの値は、例えば規格に準拠することでよい。高速デジタルインタフェース出力を経由してコピーを生成する場合は、ムーブ機能を用いる等によって、生成するコピーの数が確定できる場合にはコピーを行ってよい。例えば、インタフェースがIEEE1394で、出力先がDTCP規格に対応した装置であることを認識できた場合である。なお、生成したコピーは、「再コピー禁止」またはそれと同等の状態とする。
また、「個数制限コピー可」として蓄積されている番組コンテンツを再生して出力する場合、高速デジタルインタフェースでは、DTCP(Digital Transmission Content Protection)に規定されているNo More Copiesの処理を行って出力する。アナログ映像出力およびデジタル音声出力については、「一世代のコピー可」として出力することができる。
「個数制限コピー可」のコンテンツのコピー数の制限は、コピー元、コピー先を含めてコピーの総数が10個以内に制限される。また、リムーバブル記録媒体への記録機能や高速デジタルインタフェース出力を経由したムーブ機能がある場合には、それらを含めて制限される。具体的には、例えばコピー元及びコピー先のコンテンツは、それぞれ、アナログ映像、音声出力及びデジタル音声出力を除いてコピー数の制限或いはコピーの禁止(再コピー禁止)がなされているものとする。上記制限内であれば、コピー元或いはコピー先のコンテンツをムーブしてもよい。
「個数制限コピー可」として記録(蓄積)されているコンテンツに関して、記録媒体へのデジタル記録(コピー)及び高速デジタルインタフェース出力を経由してのコピーは、記録(蓄積)されている元のコンテンツの他に、9個までのコピーを生成することができる。ただし、記録時及び記録後における、バックアップ目的でユーザーがアクセスできないエリアへの記録(蓄積)は除外する。規定数(9個)のコピーを生成した後の元のコンテンツは、「再コピー禁止」のコンテンツと同様にムーブ可能である。
また、「個数制限コピー可」として管理されているコンテンツを内蔵あるいはデジタル接続された記録媒体に管理しているコピー数を保持したままムーブすることも可能であるが、この場合には、ムーブ前とムーブ後で合計のコピー数が変わらないようにする。
「個数制限コピー可」のコンテンツの内蔵記録媒体へのコピー及び高速デジタルインタフェース経由でのコピーにおけるコピー数の管理は、ムーブ可能なコンテンツが10個ある場合と等価である。また、アナログ映像出力及びデジタル音声出力については、「1世代のみコピー可」で出力可能であり、コピー数の制限には含まれない。
リムーバブル記録媒体への記録については、上記説明と同等のコピー数の管理が可能であれば「個数制限コピー可」の状態でコンテンツを記録することができる。ただし、コンテンツをリムーバブル記録媒体と蓄積媒体、あるいは、複数のリムーバブル記録媒体に同時に記録する場合には、複数の当該リムーバブル記録媒体及び蓄積媒体各々が許容するコピー数の総数が、ひとつの放送の受信部毎に超えないように共有管理する。
「個数制限コピー可」コンテンツのコピー数を保持したままのムーブとは、ムーブ元が管理しているコピー数の全てあるいはその一部をムーブすることである。この場合には、ムーブ前とムーブ後で合計のコピー数が変わらないようにすること。具体的には、ムーブ前のコンテンツのコピー可能数がmであり、その内のn個をムーブする場合には、ムーブ元のコンテンツのコピー可能数は(m−n)となり、ムーブ先のコンテンツのコピー可能数は(n−1)となる
なお、サムネールのようにコンテンツの管理の目的のみに用いられるものはコピーに含まれないものとする。コンテンツの管理の目的に用いられるものは、映像情報から作成するサムネール以外に、例えば音声情報を利用したもの、字幕情報を利用したものでもよい。
図18は、上記で説明したコピー数の制限を理解するための図で、受信装置3、ネットワークインターフェイス部106、内蔵記録媒体113、リムーバブル記録媒体118、記録装置121、および記録装置122である。記録装置121は、例えばネットワークインターフェイス部106とIEEE1394を介して接続されており、著作権保護方式としてDTCPが利用される。記録装置122は、例えばネットワークインターフェイス部106と有線LANまたは無線LANを介して接続されており、著作権保護方式としてDTCP-IP(Digital Transmission Content Protection over Internet Protocol)が利用される。例えばこのように接続されている場合において、放送波から受信した「個数制限コピー可」のコンテンツは内蔵記録媒体113、リムーバブル記録媒体118、記録装置121、および記録装置122に総数が10個以内である必要がある。
この場合、例えば内蔵記録媒体113に4個コピーが可能な状態のコンテンツが、リムーバブル記録媒体118に2個コピーが可能な状態のコンテンツが、記録装置121には一つのコンテンツが、記録装置122には一つのコンテンツがという具合である。放送波を受信して記録するときに内蔵記録媒体113、リムーバブル記録媒体118、記録装置121、および記録装置122に同時に記録し上記個数になるように記録してもよいし、最初は内蔵記録媒体113にのみ記録して、その後リムーバブル記録媒体118、記録装置121、および記録装置122にコピーしてもよい。
図19は、上記で説明した「個数制限コピー可」で蓄積したコンテンツの代用的な出力先とそのコピー制御を理解するための図で、出力元として例えば受信記録再生部10の内蔵記録媒体113であるが、出力部116におけるアナログ映像出力(コンポジット映像出力端子、S端子、D端子など)はコピー制御としてCGMS-A(Copy Generation Management System - Analog)とマクロビジョン(Macrovision)を使用し、CGMS-Aの制御は、一世代のみコピー可とし、マクロビジョンの制御は、APS(Analog Protection System)の値を継承する。デジタル音声出力(光音声出力端子など)はコピー制御としてSCMS(Serial Copy Management System)を使用し、その制御は一世代のみコピー可とする。また、ネットワークインタフェース部106における高速デジタルインタフェース(IEEE1394端子など)はコピー制御としてDTCP(Digital Transmission Content Protection)を使用し、その制御は再生時であればNo more copiesとし、コピー時であればMoveとする。リムーバブル記録媒体118では記録先で再コピー禁止のコピー制御をおこなう。
このように異なる出力先に応じて適切なコピー制御を実施することで、放送波を受信して記録するときに複数の記録媒体、或いは記録装置に複数個同じ番組を記録することができ、ユーザの利便性を図りつつ、コンテンツの保護を図る効果がある。
なお、上記記録装置121、122はそれぞれIEEE1394、LANを介して接続されているように説明したが、必ずしもIEEE1394やLANに限定されるわけではなく、その他の接続方法により接続されてもよい。
記録媒体がリムーバブル記録媒体である場合には、図9に加えて別の制限がある。番組コンテンツのリムーバブル記録媒体へのデジタル記録については、TV、データサービスのデジタル記録、或いは音声サービスのデジタル記録において、デジタルコピー制御記述子のdigital_recording_control_dataが’10’で「一世代のコピー可」の番組コンテンツを受信して記録するときは、受信したコンテンツについて一世代目であっても3つ以上のコピーは許さない(例えば、放送を受信して記録するときに同時に3つ以上の記録媒体には記録させない)。この値(3つ以上を例示)は例えば規格に準拠することでよい。また、記録フォーマットが同一の一世代のコピーは複数生成させない。但し、バックアップ目的でユーザがアクセスできないエリアへのデジタル記録は除外する。また、デジタル記録媒体への記録制限は、放送の受信部毎に課せられるものとし、放送の受信部が複数ある場合は、ひとつの放送の受信部毎に上記制限が課せられるものとする。受信装置がdigital_recording_control_modeに対応していない記録方式を搭載する場合は、デジタルコピー制御記述子のcopy_control_typeが’01’で、digital_recording_control_dataが’10’の番組コンテンツについて、コンテント利用記述子のdigital_recording_control_modeの値にかかわらず「一世代のコピー可」の扱いでデジタル記録する。
図13は、受信装置3で、一世代のコピーは許可(Copy One Generation)の番組コンテンツを記録する場合における管理情報のコピー情報、コピー個数の作成手順の例を示すフローチャートである。
コンテンツ管理情報作成部119は、分離・抽出部103からのコピー世代制御情報と複数個コピーの可否を示す情報から、「一世代のコピーは許可(Copy One Generation)」で複数個コピーの可否を示す情報が付加されている番組コンテンツであることを認識すると、これ以上コピーできない、つまり再コピー禁止(No More Copies)として管理情報のコピー情報に“01”を入力する(SA01)。
番組コンテンツを記録する記録媒体が内蔵であるかリムーバブルであるかを、例えば制御部114からコンテンツ管理情報作成部119へ通知する(SA02)。
リムーバブルである場合には、管理情報のコピー個数に、例えば“0”を入力して番組コンテンツのコピーは不可だが、ムーブ(移動)は可能である状態とする(SA04)。なお、上記で説明した3つ以上のコピーは許さない運用との関係は、上記が例えば放送を受信して記録するとき(一世代目のコピーを生成するとき)のコピー制御であるのに対し、図13の説明は記録媒体に記録した後(一世代目のコピーが生成された後)のコピー制御の話である点で相違する。
内蔵である場合には、コンテンツ管理情報作成部119が複数個コピーの可否を示す情報が「可」か「否」かを判断する(SA03)。
「否」の場合には、管理情報のコピー個数に、例えば“0”を入力して番組コンテンツのコピーは不可だが、ムーブ(移動)は可能である状態とする(SA04)。もちろん削除なども可能である。
「可」の場合には、管理情報のコピー個数に“N” を入力して番組コンテンツのコピーがN個可能である状態とする(SA05)。
このようにすることで、記録済みの一世代のコピーは許可(Copy One Generation)の番組コンテンツを時間にとらわれずに複数個コピーすることができるようになり使い勝手が向上する効果がある。さらに、記録媒体が内蔵かリムーバブルかにより複数個コピーの可否を判断することにより、内蔵の場合には、上記で説明したように番組コンテンツにローカル暗号をかけ、さらに管理情報の内、鍵情報、コピー情報、コピー個数番組についても暗号をかけて管理することにより不正に改竄されることが避けられる。一方、リムーバブルの場合には、さまざまな管理方法が考えられ、上記で説明した内蔵の場合のように管理できないものも存在するため、不正に改竄されることが避けられないことも考えられる。このことからユーザの利便性を図りつつ、コンテンツの保護を図る効果がある。
<コピー制御情報に関係するコピー処理>
図14は、受信装置3で番組コンテンツをコピーする手順の例を示すフローチャートである。
管理情報のコピー情報が“01”(No More Copies)、コピー個数が“N”(N≠0)である番組コンテンツをコピーしているときに、そのコピーの処理が終了しているかを監視する(SB01)。
終了している場合には、コピー元記録媒体の管理情報のコピー個数に“N−1”(N≠0)を入力して番組コンテンツのコピーがN−1個可能である状態とし、コピー先記録媒体の管理情報のコピー情報に“01”(No More Copies)を入力して再コピー禁止状態とし、管理情報のコピー個数に“0”を入力して番組コンテンツのコピーは不可だが、ムーブ(移動)は可能である状態とする(SB04)。
終了していない場合には、コピー処理が中断しているかを監視する(SB02)。
中断していない場合には、コピー処理が終了しているかを監視する(SB01)。
中断している場合には、コピー元記録媒体の管理情報のコピー個数に“N−1”(N≠0)を入力して番組コンテンツのコピーがN−1個可能である状態とし、コピー先の記録媒体が複数個記録可能な場合にはコピー途中の番組コンテンツを消去する(SB03)。但し、1回しか記録できない記録媒体の場合は消去できないので消去処理を実行しない。
このようにすることで、コピー先の番組コンテンツのコピー世代管理を確実に行うことができる効果がある。また、何らかの原因でコピー処理の中断が発生した場合においても、コピー先に不要な番組コンテンツが残らないので後で消去する手間が省け使い勝手が向上する効果がある。なお、上記の消去は、記録媒体上のデータを物理的に消去してもよいし、管理情報を消去することで記録媒体上のデータは存在するものの再生できないようにする(間接的に消去する)ようにしてもよい。
<コピー制御情報に関係するムーブ(移動)処理>
図15は、実施例に係る受信装置の番組コンテンツをムーブ(移動)する手順を示すフローチャートである。
管理情報のコピー情報が“01”(No More Copies)、コピー個数が“0”である番組コンテンツをムーブ(移動)しているときに、ムーブ処理が終了しているかを監視する(SC01)。
終了している場合には、ムーブ元の記録媒体の番組コンテンツ、及びこの番組コンテンツに関連する管理情報を消去し、ムーブ先記録媒体の管理情報のコピー情報に“01”(No More Copies)を入力して再コピー禁止状態とし、管理情報のコピー個数に“0”を入力して番組コンテンツのコピーは不可だが、ムーブは可能である状態とする。
終了していない場合には、ムーブ処理が中断しているかを監視する(SC02)。
中断していない場合には、ムーブ処理が終了しているかを監視する(SC01)。
中断している場合には、ムーブ元記録媒体のムーブ途中でまだムーブ先の記録媒体に移動していない部分の番組コンテンツ、及びこの番組コンテンツに関連する管理情報を保存し、既にムーブ先の記録媒体に移動した番組コンテンツについては再生不能化する。ムーブ先の記録媒体のムーブ途中の番組コンテンツを保存し、管理情報のコピー情報に“01”(No More Copies)を入力して再コピー禁止状態とし、管理情報のコピー個数に“0”を入力して番組コンテンツのコピーは不可だが、ムーブは可能である状態とする(SC03)。
このようにすることで、ムーブ先の番組コンテンツのコピー世代管理を確実に行うことができる効果がある。また、何らかの原因でムーブ処理の中断が発生した場合においても、ムーブ元とムーブ先の記録媒体それぞれに番組コンテンツが保存され、中断によって番組コンテンツが視聴できなくなることがないので使い勝手が向上する効果がある。なお、上記の消去は、記録媒体上のデータを物理的に消去してもよいし、管理情報を消去することで記録媒体上のデータは存在するものの再生できないようにする(間接的に消去する)ようにしてもよい。
なお、以上の説明において、コピー先、或いはムーブ先の記録媒体は再コピー禁止(No More Copies)として管理が可能な記録媒体である。管理できない場合はコピー、或いはムーブ処理は禁止となる。
また、以上の説明では、放送局から送出された番組コンテンツの場合について説明したが、放送局以外、例えば番組コンテンツ提供事業者などあから送出される番組コンテンツにおいても適用可能である。
また、リムーバブル記録媒体とは受信装置から取り外すことが可能な独立した形態を持ち、且つ他の再生機能を有する装置においても再生可能な記録媒体を意味する。
また、ムーブ(移動)とは記録媒体に記録されている「再コピー禁止(No More Copies)」の番組コンテンツを、他の記録媒体にコピーした後に再生不能化することにより、番組コンテンツの移動を行うことを意味する。ここで、再生不能化とは番組コンテンツ自体の消去、或いは暗号鍵の消去、管理情報の消去などにより、再生が不可能となるようにすることを意味する。ムーブ処理の途中において、ムーブ元及びムーブ先の双方に同時に1分を越える長さの番組コンテンツが再生可能な状態で存在しない方が好ましい。
以上の説明においては、「一世代のコピーは許可(Copy One Generation)」で複数個コピーの可否を示す情報が「可」の番組コンテンツに対して、複数個コピー可能とする判断は記録媒体が内蔵であるかリムーバブルであるかにより行うようにしたが、複数個コピーの管理ができる記録媒体と、複数個コピーの管理ができない記録媒体とで複数個コピー可能とする判断を行うようにしてもよい。ここで、複数個コピーの管理ができる記録媒体とは、例えば、上記図12で説明した番組コンテンツの内容を示す管理情報の内、コピー情報507、コピー個数508、鍵情報506の情報(その他のファイル番号503、日時504、 データ領域の先頭アドレス及び記録サイズ505などを含んでいてもよい)について不正な改竄できないように管理することのできる記録媒体をいう。
図16は、このような複数個コピーの管理(コピー個数制御、個数制御コピーとも呼ぶ)ができる記録媒体(セキュリティリムーバブルメディア)の構成例を示す。ユーザがアクセスできるノーマル領域と、ユーザがアクセスできない耐タンパ領域をひとつの記録媒体に併せ持つ構成である。耐タンパ領域に格納される機密情報は、この記録媒体を扱うことのできる装置との認証処理により認証が確認できた場合にはアクセス可能となるようになっており、機密情報の管理ができるようになっている。上記コピー情報507、コピー個数508、鍵情報506の情報をこの耐タンパ領域に格納して管理することにより不正な改竄が行われない。
一方、複数個コピーの管理ができない記録媒体とは、番組コンテンツの内容を示す管理情報の内、コピー情報507、コピー個数508、鍵情報506の情報(その他のファイル番号503、日時504、データ領域の先頭アドレス及び記録サイズ505などを含んでいてもよい)について不正な改竄できないように管理できない記録媒体を言う。
図17は、複数個コピーの管理ができる記録媒体とできない記録媒体とを鑑みた、受信装置の一世代のコピーは許可(Copy One Generation)の番組コンテンツを記録する場合における管理情報のコピー情報、コピー個数の作成手順の例を示すフローチャートを示す。図13との相違点は、SD02である。なお、図13と組合せてもよく、例えばSA02で「リムーバブル」であるときにSD02を実行するようにしてもよい。
番組コンテンツを記録する記録媒体が複数個コピーの管理ができる記録媒体か複数個コピーの管理ができない記録媒体かを、例えば、制御部114で判断し、コンテンツ管理情報作成部119へ通知する(SD02)。
複数個コピーの管理ができない記録媒体の場合には、管理情報のコピー個数に、例えば“0”を入力して番組コンテンツのコピーは不可だが、ムーブ(移動)は可能である状態とする(SD04)。
複数個コピーの管理ができる記録媒体の場合には、コンテンツ管理情報作成部119が複数個コピーの可否を示す情報が「可」か「否」かを判断し(SD03)、「否」の場合には、管理情報のコピー個数に、例えば“0”を入力して番組コンテンツのコピーは不可だが、ムーブ(移動)は可能である状態とする(SD04)。「可」の場合には、管理情報のコピー個数に“N”を入力して番組コンテンツのコピーがN個可能である状態とする(SD05)。
このようにすることで、記録済みの一世代のコピーは許可(Copy One Generation)の番組コンテンツを時間にとらわれずに複数個コピーすることができるようになり使い勝手が向上する効果がある。また、記録媒体が複数個コピーの管理ができる記録媒体か複数個コピーの管理ができない記録媒体かにより複数個コピーの可否を判断することにより、複数個コピーの管理ができない記録媒体への複数個コピーの許可を避けることができ、番組コンテンツの保護がより確実となる効果がある。
以上の説明において、デジタルコピー制御情報が「一世代のコピー可」の場合、「digital_recording_control_mode」が’1’だと「個数制限コピー可」の対象であると判断し、「digital_recording_control_mode」が’0’だと「個数制限コピー可」の対象でないと判断すると説明したが、例えば放送局のシステムの都合に合わせて’0’と’1’との判断を逆に設定するようにしてもよい。
即ち、デジタルコピー制御情報が「一世代のコピー可」の場合、「digital_recording_control_mode」が’0’だと「個数制限コピー可」の対象であると判断し、「digital_recording_control_mode」が’1’だと「個数制限コピー可」の対象でないと判断するようにしてもよい。同様に、その他の記述子が示す値の意味についても状況に応じて異なる設定に変更してもよい。
また、「digital_recording_control_mode」の値等、各記述子が示す値の意味は、規格化されることにより一意に決められることが望ましい。
また、コンテント利用記述子やデジタルコピー制御記述子の名称(‘digital_recording_control_mode’や‘digital_recording_control_data’等)は、必ずしも実施例中の名称である必要はなく、他の名称を採用してもよい。