JP2010076536A - 電子制御ユニット、インテリジェントセンサ、車両用制御システム、信号サンプリング方法 - Google Patents

電子制御ユニット、インテリジェントセンサ、車両用制御システム、信号サンプリング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】検出信号の変動が大きい場合にサンプリング周期を増大させても、電子制御ユニットに過負荷が加わらない電子制御ユニット、車両用制御システム、インテリジェントセンサ及び信号サンプリング方法を提供すること。
【解決手段】センサ1〜nの検出信号に基づき車載装置を制御する電子制御ユニット50において、検出信号の変動速度を検出する変動速度検出手段13と、変動速度が大きいほどセンサの検出信号のサンプリング周期を短くするサンプリング周期調整手段11と、検出信号の取得に伴う処理負荷を検出し、処理負荷の時系列変化に基づき所定時間経過後の処理負荷を予測する処理負荷予測手段12と、を有し、サンプリング周期調整手段11は、予測された処理負荷が閾値を超えると、検出信号の変動速度の大きさ関わらずサンプリング周期を短くすることを禁止する、ことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

センサの検出信号に基づき車載装置を制御する電子制御ユニット、車両用制御システムに関し、特に、検出信号の変動速度に応じてサンプリング周期又は送信周期を調整する電子制御ユニット、車両用制御システム、インテリジェントセンサ及び信号サンプリング方法に関する。
車載装置をセンサの検出信号に応じて電子制御する制御システムでは、電子制御ユニット(コンピュータ)の高機能化・多機能化に伴い、センサに要求される精度も高度化傾向にある。例えば、センサのサンプリング周期を短くすれば多くの情報が得られるが、検出信号の変動が小さいのに多くの情報を得ると、消費電力や処理負荷も増大してしまう。そこで、検出信号の変動が大きい場合にサンプリング周期を短くする考え方がある(例えば、特許文献1、2参照。)。特許文献1には、加速度の変化が大きい場合、磁気センサのサンプリング周期を短くするセンサモジュールが開示されている。また、特許文献2には、モータの回転速度が高い場合に位置センサの角度信号のサンプリング周期を長くする角速度演算装置が開示されている。
特開2008−51587号公報 特開2007−278776号公報
しかしながら、特許文献1記載のセンサモジュールのように、サンプリング周期を上げた場合、電子制御ユニットの処理負荷が増大するおそれがあるという問題がある。車載される制御システムでは、センサが高度化するだけでなく、その数もますます増大しており、1つの電子制御ユニットに複数のセンサが接続される場合も少なくない。このため、各センサのサンプリング周期をそれぞれ上げると電子制御ユニットに過負荷が加わるおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑み、検出信号の変動が大きい場合にサンプリング周期を増大させても、電子制御ユニットに過負荷が加わらない電子制御ユニット、車両用制御システム、インテリジェントセンサ及び信号サンプリング方法を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明は、センサの検出信号に基づき車載装置を制御する電子制御ユニットにおいて、検出信号の変動速度を検出する変動速度検出手段と、変動速度が大きいほどセンサの検出信号のサンプリング周期を短くするサンプリング周期調整手段と、サンプリング周期の変更後の処理負荷を予測する負荷予測手段と、を有し、サンプリング周期調整手段は、予測された処理負荷が閾値を超えると、検出信号の変動速度の大きさ関わらずサンプリング周期を短くすることを禁止する、ことを特徴とする。
検出信号の変動が大きい場合にサンプリング周期を増大させても、電子制御ユニットに過負荷が加わらない電子制御ユニット、車両用制御システム、インテリジェントセンサ及び信号サンプリング方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
図1(a)は、センサ1〜nと電子制御ユニット50を有する車両用制御システム100の構成図の一例を、図1(b)は電子制御ユニット50による検出信号のサンプリング周期を模式的に示す図の一例である。図1の検出信号はアナログ信号である。図示するように検出信号は、時間と共に変動速度が変化しているが、本実施例の電子制御ユニット50は変動速度が大きい場合はサンプリング周期を短く、変動速度が小さい場合にはサンプリング周期を長くする、など、変動速度が大きいほどサンプリング周期を短くして(又は1次、2次関数でサンプリング周期を決定してもよい)検出信号を取得する。
かかる構成により過不足なく検出信号を取得することができるが、これだけではサンプリング周期を短くした場合に電子制御ユニット50に過負荷が加わるおそれがある。そこで、本実施例では負荷予測部12を設け、電子制御ユニット50の負荷を予測する。負荷予測部12は、電子制御ユニット50がサンプリング周期を短くすると、処理負荷がどのくらいになるかを予想し、処理負荷が所定値以上になると予想されると、サンプリング周期をそれ以上短くすることを一時的に禁止する。
したがって、本実施例の車両用制御システム100は、電子制御ユニット50の処理負荷が過負荷にならない範囲で、検出信号の変動速度に応じてサンプリング周期を可変に調整することができる。以下、電子制御ユニット50がアナログ信号を取得する場合と、デジタル信号を取得する場合を説明する。アナログ信号とデジタル信号を区別しない場合、単に検出信号という。
〔アナログ信号〕
図2は、車両用制御システム100の概略構成図の一例を示す。電子制御ユニット50には、複数のセンサ1〜n、及び、アクチュエータA1〜Anが接続されている。電子制御ユニット50はECU(electronic control unit)とも称され、CPU、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、入出力インターフェイス、レジスタ、メモリ、スイッチ素子(IGBT、GTO)及びCANインターフェイス等を備えたコンピュータを実体とする。一台の車両には、エンジンECU、ブレーキECU、ボディECU、ナビECU等、複数の電子制御ユニット50が搭載される。例えば、エンジンECUの場合、センサ1〜nは、エアフローセンサ、クランクポジションセンサ、O2センサ等であり、入出力インターフェイスを介して接続されたセンサ1〜nのアナログ信号は、電子制御ユニット50がA/D変換することでサンプリングする。なお、アクチュエータA1〜Anは、例えばスロットルバルブ、燃料噴射弁等を駆動する電機モータである。また、各電子制御ユニット50は、CAN(controller area network)やLIN(Local Interconnect Network)等の車載LANを介して接続されており、協調制御を実現している。
電子制御ユニット(エンジンECUの場合)50は、センサ1〜nの検出した信号に基づきアクチュエータA1〜Anを制御することで、燃料噴射タイミング、燃料噴射量、点火タイミング等を適切に制御して燃費向上や排ガス低減しながらエンジンを制御している。
電子制御ユニット50は、処理負荷を予測するため負荷予測部12を備える。センサ1〜nのアナログ信号のサンプリング周期によっては処理負荷が過負荷となることを考えると、エンジン制御の資源とは別に負荷予測ための資源を有することが好ましい。このため、図2の電子制御ユニット50は、マルチコア構成としてCPUコア2で負荷予測部12を実現する。CPUコア1は上記のエンジン制御を実行すると共に、CPUコア1は、各センサ1〜nのサンプリング周期を調整するサンプリング周期調整部11を有する。
なお、CPUコア1とCPUコア2は、それらが共通に実行するOS上で動作するが、それぞれが別々に実行する2つのOSが提供するOS間通信手段により必要なデータを通信してもよい。
<負荷予測、サンプリング周期の変更>
まず、負荷予測について説明する。CPUコア2の負荷予測部12は、ROMに記憶されたプログラムを実行するかASIC等のハードウェアにより実現される。負荷予測部12は、各センサ1〜nのサンプリング周期に基づき、CPUコア1の負荷を算出する。図3(a)は、センサ1〜nのサンプリング周期とCPU使用率の関係を定める処理負荷マップの一例を示す。処理負荷マップによりサンプリング周期が既知ならCPU使用率が検出できる。処理負荷マップはセンサ1〜n毎に設けられていることが好ましい。負荷予測部12は、サイクル時間毎にサンプリング周期調整部11から各センサ1〜nのサンプリング周期情報を取得し、処理負荷マップを参照してCPUコア1の処理負荷を算出する。処理負荷の予測を可能にするため、サンプリング周期を変化させる前に取得することが好ましい。処理負荷はセンサ毎のCPU使用率を合計したものである。なお、CPUコア1の温度から処理負荷を検出するなど、処理負荷に相関する適切な指標を用いればその算出方法はどのようなものでもよい。
そして、負荷予測部12は、サンプリング周期を短くした場合のCPUコア1の処理負荷を予測する。変動速度に応じたサンプリング周期は既知なので、短くしたと仮定したサンプリング周期におけるCPU使用率を予測できる。したがって、サンプリング周期を短くした場合の処理負荷も明らかとなる。
また、図3(b)に示す時間と処理負荷の関係から、処理負荷を求めてもよい。負荷予測部12は、現在までに得られた過去の処理負荷から近似解析などの手法を適用して、所定時間経過後の処理負荷を予測する。これにより、CPUコア1が過負荷になる前に過負荷となるか否かを予測できる。
負荷予測部12は、予測された処理負荷が上限負荷値を超えると、過負荷予測結果をCPUコア1に通知する。CPUコア1はそれ以上、サンプリング周期を短くすることを中断する。上限負荷値は予め記憶されている。
なお、過負荷予測結果でなく、上限負荷値と現在の処理負荷の差分をCPUコア1に送信してもよい。CPUコア1は、上限負荷値と現在の処理負荷の差分に基づき、差分が大きい場合にはサンプリング周期を短くし、差分が小さくなるとセンサ1〜nのうち1以上を選択的にサンプリング周期を短くするなど、CPUコア1がサンプリング周期を制御しやすくなる。
次に、サンプリング周期の制御について説明する。CPUコア1は、ROMに記憶されたプログラムを実行するかASIC等のハードウェアにより実現されるサンプリング周期調整部11を有する。センサは例えば微分回路13を備えており、微分回路13を通過した検出信号により変動速度が得られる。なお、センサ2〜4の微分回路13は省略した。
サンプリング周期調整部11は、センサ1〜n毎に検出信号の変動速度を監視している。そして、変動速度とサンプリング周期の関係を定めるサンプリング周期マップに基づき、センサ毎にサンプリング周期を決定する。図3(c)はサンプリング周期マップの一例を示す。サンプリング周期マップには、変動速度が大きいほどサンプリング周期が短くなるように定められている。サンプリング周期マップは、センサ毎に異なっていても共通でもよい。
そして、サンプリング周期調整部11は、負荷予測部12から過負荷予測結果を受信した場合、変動速度がそれ以上大きくなっても、サンプリング周期を短くしない。逆に、変動速度が小さくなった場合は、サンプリング周期マップに基づきサンプリング周期を長くする。
なお、上限負荷値と現在の処理負荷の差分を受信した場合、サンプリング周期調整部11は、差分の範囲でサンプリング周期を短くすることができる。この場合、サンプリング周期調整部11も、処理負荷マップを有していることが好ましく、処理負荷マップを参照して、上限負荷値を超えない範囲でサンプリング周期を短くすることができる。また、センサ1〜nに優先度が定められていることが好ましく、サンプリング周期調整部11は、差分の範囲で優先度の高いセンサ順にサンプリング周期を短くすることができる。
<サンプリング周期の調整手順>
以上のような構成に基づき、電子制御ユニット50がサンプリング周期を調整する手順について図4のフローチャート図に基づき説明する。
サンプリング周期調整部11は、センサの検出信号の変動速度に基づきサンプリング周期を調整している(S10)。そして、各センサのサンプリング周期を短くする場合には負荷予測部12にサンプリング周期を通知する。
負荷予測部12は、サンプリング周期に基づき、センサ毎に処理負荷マップを参照しCPU使用率を算出して、CPUコア1の処理負荷を算出する(S20)。負荷予測部12は予測された処理負荷が上限負荷値を超えるか判定する(S30)。予測された処理負荷が上限負荷値を超える場合(S30のYes)、負荷予測部12はサンプリング周期調整部11にサンプリング周期を短くすることを禁止する(S40)。なお、禁止した後、処理負荷が下がってくれば、負荷予測部12はサンプリング周期を短くすることを許可する。
したがって、電子制御ユニット50の処理負荷が過負荷にならない範囲で、検出信号の変動速度に応じてサンプリング周期を可変に調整することができる。
〔デジタル信号〕
センサに情報処理機能を加えたインテリジェントセンサを電子制御ユニット50に接続した車両用制御システム100がある。図5は、インテリジェントセンサを用いた車両用制御システム100の概略構成図を示す。センサ1〜nは、それぞれCPU、RAM、ROM、CANインターフェイス等を備え、検出信号であるアナログ信号をデジタル信号に変換してバス14に送出する。しかし、バス14はセンサ1〜nに共通なので、センサ1〜nの数が多かったり、送信周期が短いとバス14上の通信データ量が増加し、各インテリジェントセンサが所望のタイミングでデジタル信号を送信できないことになる。そこで、インテリジェントセンサの場合は、バス負荷予測部15がバス負荷を監視し、バス負荷が過負荷にならないようにセンサ1〜nに送信周期を制限するよう要求する。
CANプロトコルについて簡単に説明する。CANプロトコルでは、マルチマスター方式によるアクセス制御を採用しており、2本の信号線の差動電圧に「1」「0」を対応づけてデジタルデータを送信する。バス14を各センサ1〜nが共有しているので、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection)により送信権を調停する時分割多重通信システムをアクセス制御とする。
センサ1〜n及び電子制御ユニット50は、フレームと呼ばれるデータフォーマットに従い、格納したデジタル信号の内容を示すデータID、デジタル信号、エラー訂正符号等をフレームに格納してバス14に送信する。したがって、1つのバス14上をセンサ1〜nが送信する全てのフレームが伝達される。
センサ1〜nはバス14の通信状態、バス負荷に関係なく検出信号の変動速度に応じた送信周期でフレームを送信している。センサ1〜nは送信周期調整部25を有し、送信周期調整部25は、検出信号の変動速度に応じて送信周期を調整している。すなわち、サンプリング周期が検出信号の変動速度に応じて可変となっているか、サンプリング周期は検出信号の変動速度にかかわらず固定でも、少なくとも送信周期が検出信号の変動速度に応じて可変となっている。
<バス負荷の予測>
バス負荷の予測について説明する。バス14には、各センサ1〜nからデジタル信号を含むフレームが送信されるので、バス14に接続されたセンサ1〜n又は電子制御ユニット50であればバス負荷を算出することができる。
したがって、バス14を介して電子制御ユニットが接続された場合、a)電子制御ユニット50がバス負荷予測部15と送信周期調整部25を有する場合と、b)電子制御ユニット50がバス負荷予測部15をセンサ1〜nが送信周期調整部25をそれぞれ有する場合と、c)電子制御ユニット50が送信周期調整部25をセンサ1〜nがバス負荷予測部15をそれぞれ有する場合と、d)センサ1〜nがバス負荷予測部15と送信周期調整部25を有する場合と、がある。センサ14に十分な情報処理能力があれば、d)の形態を採用することによりバス負荷の増大を抑制できる。この場合の送信周期の調整手順はアナログ信号の場合と同じである。一方、a)の形態はバス負荷が増大するおそれがあり、c)の形態は合理的でない。そこで、ここではb)の形態について説明する。これにより、センサ1〜nにとってフレームを送信する以外の負荷は最小限にできる。なお、センサ1〜nがバス負荷を予測することを否定するものでなく、また、バス14に接続されたゲートウェイなどがバス負荷を予測してもよい。
バス負荷予測部15は、バス14をフレームが占有する時間に基づきバス負荷を算出する。バス14を信号が伝達される速度は光速と同程度なので無視できる。したがって、フレームがバス14を占有する時間は、フレームのビット長BとCANプロトコルの通信速度V(bps)により算出できる。1ビット当たりの通信速度は、1/Vなので、1フレームがバス14を占有する時間は、B×1/Vとなる。
バス負荷予測部15は、観測時間(例えば、数秒)αにおけるバス負荷を算出する。観測時間αにおいて、各フレームがバス14を占有する時間t1、t2、…、tnを算出してその合計を観測時間αで割れば、バス14の占有率が求められる。バス占有率をバス負荷とする。
バス負荷=バスの占有率= (t1+t2+…+tn)/α
バス負荷予測部15は、サイクル時間毎に観測時間αのバス負荷を算出する。これにより、アナログ信号の場合の処理負荷と同様に所定時間経過後のバス負荷を予測することができる。バス負荷予測部15は、図3(b)と同様に、現在までに得られた過去のバス負荷から近似解析などの手法を適用して、所定時間経過後のバス負荷を予測する。バス負荷予測部15は、予測されたバス負荷がバス上限負荷値Cを超えると、過負荷予測結果を各センサ1〜nに送信する。各センサ1〜nはそれ以上、送信周期を短くすることを中断する。バス上限負荷値Cは、所望のタイミングでフレームを送信できなくなるバス負荷として予め記憶されている。
なお、必ずしも予測する必要はなく、バス負荷予測部15はバス上限負荷値Cの95%程度まで接近したことを検出してもよい。また、各センサ1〜nが変更前の送信周期を電子制御ユニット50に送信すれば、送信周期を短くした場合のバス負荷を直接予測できる。
また、各センサ1〜nが、バス負荷予測部15を有していてもよい(上記のd)の形態)。この場合、バス負荷予測部15にとって、変動速度に基づき短くした場合の送信周期が既知なので、送信周期を短くした場合のバス負荷を直接予測できる。
<送信周期の調整手順>
図6は、各センサが送信周期を調整する手順を示すフローチャート図の一例である。
各センサ1〜nの送信周期調整部25は、検出信号の変動速度に基づき送信周期を調整しながら、それぞれのタイミングでフレームをバス14に送信している(S110)。
電子制御ユニット50のバス負荷予測部15は、バス14を監視し、バス負荷を算出する(S120)。そして過去の時系列の処理負荷に基づき、所定時間後の処理負荷を予測し、予測されたバス負荷がバス上限負荷値Cを超えるか判定する(S130)。
予測されたバス負荷がバス上限負荷値Cを超える場合、バス負荷予測部15は過負荷予測結果を各センサ1〜nに送信する(S140)。
各センサ1〜nは過負荷予測結果を受信し(S150)、送信周期調整部25は受信した時を基準に送信周期がそれ以上短くなることを禁止する(S160)。
したがって、インテリジェントセンサを用いた車両用制御システム100においても、バス負荷が過負荷にならない範囲で、検出信号の変動速度に応じて送信周期を可変に調整することができる。
なお、インテリジェントセンサに、アナログ信号をパルスの周波数に変換するものがあるが、この場合、電子制御ユニット50がパルスの周波数を数値に変換するので、アナログセンサと同様に扱うことができる。
本実施例では、実施例1のインテリジェントセンサを用いた構成において、センサ間の優先度に応じてセンサ自身が送信周期を調整する車両用制御システム100について説明する。
図7は、本実施例の車両用制御システム100の概略構成図の一例を示す。図では、4つのセンサ1〜4がバス14に接続されている。なお、電子制御ユニット50は省略した。センサ1〜4は、いずれもインテリジェントセンサであり、検出信号の変動速度に応じて送信周期を可変とする点は実施例1と同様である。また、本実施例でもバス14の負荷の上限であるバス上限負荷値をCとするが、バス上限負荷値Cはセンサ1〜4にとって既知となっている。
そして、本実施例のセンサ1〜4には、それぞれ優先度が付けられており、優先度が高いセンサほど優先的に送信周期を短くすることができる。図7では、センサ1>センサ2>センサ3>センサ4の順に優先度が高い。
本実施例の送信周期調整部25は、送信周期を変化させる場合に変化させた後のバス負荷を予測して、各センサ1〜4に送信する。センサ1〜4は、優先度に従い送信周期を調整する。すなわち、送信周期を短くするセンサがある場合、優先度の低いセンサから送信周期を長くしていく。また、送信周期を長くするセンサがある場合、優先度の高いセンサから送信周期を短くする。
なお、例えば、センサ1〜nがヨーレートセンサ、レインセンサ、水温センサである場合、優先度は、安全面から重要と考えられるヨーレートセンサを高くする等の考え方で予め設定されている。
各センサ1〜4は、CPUがプログラムを実行するかASIC等のハードウェアにより実現される、送信周期に応じてバス負荷を算出するバス負荷算出部21、他のセンサとの優先度を比較する優先度判定部22、他のセンサと送信周期の調整を連携する連携部23、送信周期を調整する必要があるか否かを判定する判定部24及び実施例1と同様の送信周期調整部25を有する。
具体的に説明する。
I)センサ1が送信周期を短くしようとする場合
図8は、センサ1〜4が優先度に従い、送信周期を調制する手順を示すフローチャート図の一例である。
s1)各センサ1〜4のバス負荷算出部21はバス負荷を算出しているので、各センサ1〜4はバス負荷について既知である。センサ1〜4のいずれかがバス負荷を同報的に送信することで共有してもよい。ここで、センサ1が送信周期を短くする前のバス負荷をAとする。
s2)センサ1のバス負荷算出部21は、送信周期を短くした場合のバス負荷を算出する。短くした後の送信周期は既知なので、観測時間αにおける送信回数が算出でき、センサ1のフレームが増加することによるバス負荷を予測できる。ここでは、バス負荷がBだけ増加すると予測する。
s3)センサ1が送信周期を短くした場合、バス負荷がA+Bになるが、この値がバス上限負荷値C未満であれば、そもそも、他のセンサ2〜4が送信周期を調整する必要がない。このため、判定部24は、A+B<Cか否かを判定する。
s4)A+B<Cの場合、判定部24は他のセンサが送信周期を調整する必要がないと判定し、センサ1の送信周期調整部25は送信周期を短くする。
s5)A+B<Cでない場合、センサ1の連携部23は、増大負荷Bを他のセンサ2〜4に送信する。センサ2〜4は、優先度の低い順に、自らの送信周期を調整する。
s6)センサ2〜4は、他のセンサの優先度について既知なので、最も優先度の低いセンサも既知である。センサ2〜4の優先度判定部22は、センサ4の優先度が最も低いと判定し、センサ4から送信周期を調整する(長くする)。なお、優先度がより高いセンサは送信周期を調整する必要がないので、仮に、センサ4の優先度がセンサ1より高ければセンサ4は処理を行わない。
s7)センサ4のバス負荷算出部21は、センサ1が送信周期を短くするために、自らはどのくらいまで送信周期を長くすればよいかを算出する。過分なバス負荷DはD=C−(A+B)である。過分なバス負荷Dは、観測時間αにおけるセンサ4が減少するべきフレーム数に相当するので、例えば、送信周期とバス負荷の対応表からセンサ4の新しい送信周期を決定する。
s8)しかしながら、センサ4のフレームが極端に少なくなると電子制御ユニット50による適切な制御が困難になるので、センサ4の送信周期の下限又は下げ幅を定めておく。
s9)センサ4が過分なバス負荷Dに相当するだけ、送信周期を下げることができた場合、センサ4の連携部23は調整完了をセンサ1〜3に送信する。これにより、センサ1は送信周期を短くすることを検出でき、センサ2,3は送信周期を調整する必要がないことを検出できる。
s10)センサ4の送信周期の下限又は下げ幅により、過分なバス負荷Dに相当するだけ送信周期を下げることができない場合、センサ4は送信周期の下限まで送信周期を下げる。そして、センサ4が下限まで送信周期を下げたことによるバス負荷の減少量と、過分なバス負荷Dの差分である過分なバス負荷Eをセンサ1〜3に送信する。
s11)全てのセンサ2〜4で送信周期の調整が終了していない場合、過分なバス負荷Eを受信したセンサ2,3のうちセンサ3の優先度判定部22は、センサ4の次に優先度が高いと判定し、s6)〜s10)の処理を繰り返す。センサ3が送信周期を下げても過分なバス負荷Eをまかなえない場合、センサ2が送信周期を下げる。
s12)センサ2〜4が送信周期を下げても、最終的に過分なバス負荷D程度のバス負荷が減少しない場合、センサ1が送信周期の短縮量を調整する。すなわち、センサ4〜2が送信周期を下げたことにより現在のバス負荷がFであるとすると、F+B>Cという計算になるので、センサ1はバス負荷の増大分がG=F+B−C となるバス負荷Gを上限に送信周期を変更する。
以上の処理により、変動速度に応じて送信周期を調整する車両用制御システム100において、優先度の高いセンサ順に送信周期を短くすることができる。
II)センサ1が送信周期を長くしようとする場合
図9は、センサ1〜4が優先度に従い、送信周期を調制する手順を示すフローチャート図の一例である。
s1)センサ1が送信周期を長くする前のバス負荷をAとする。
s2)センサ1のバス負荷算出部21は、送信周期を長くした場合のバス負荷を算出する。短くした後の送信周期は既知なので、観測時間αにおける送信回数が算出され、センサ1のフレームが減少することによるバス負荷を予測できる。
s3)ここでは、バス負荷がBだけ減少すると予測し、センサ1の連携部23がセンサ2〜4に送信する。
s4)センサ1が送信周期を長くした場合、バス負荷がA−Bになるが、この値はバス上限負荷値C未満である。したがって、他のセンサ2〜4が送信周期を上げることができる。なお、センサ1は検出信号の変動速度に従い送信周期を下げる。
s5)センサ2〜4の優先度判定部22は、優先度の高い順に、自らの送信周期を調整する。なお、センサ1とセンサ2〜4の優先度の大小は問題とならない。
センサンサ2〜4は、他のセンサの優先度について既知なので、最も優先度の高いセンサも既知である。優先度判定部22は、センサ2の優先度が最も低いと判定し、センサ2から送信周期を調整する(短くする)。
s6)センサ2の送信周期調整部25は、現在の送信周期が検出信号の変動速度に応じたものか否かを判定する。
s7)送信周期が検出信号の変動速度に応じたものである場合、送信周期を短くする必要がないので、調整完了を他のセンサ3,4に送信する。センサ2が送信周期を短くする上限は検出信号の変動速度に応じたものになるが、上げ幅の上限を設定しておくことが好ましい。
s8)送信周期が検出信号の変動速度に応じたものでない場合、すなわち、送信周期が長い場合、センサ2のバス負荷算出部21は送信周期を短くするため、変動速度に応じた送信周期とした場合のバス負荷を算出する。
s9)そして、そのバス負荷がバス上限負荷値C未満か否かを判定する。
s10)そのバス負荷がバス上限負荷値C未満の場合、送信周期を短くできる。
s7)そして、調整完了をセンサ3,4に送信する。センサ3、センサ4は、s5〜s9)の処理を繰り返す。したがって、優先度の高い順に、各センサが送信周期を短くすることができる。
s11)一方、変動速度に応じた送信周期の際のバス負荷がバス上限負荷値C以上であれば、センサ2のバス負荷算出部21はバス上限負荷値Cを超えない送信周期を算出し、送信周期を短くする。この場合、センサ3〜4は送信周期を調整できないので処理が終了する。
以上の処理により、変動速度に応じて送信周期を調整する車両用制御システム100において、優先度の高いセンサ順が送信周期を長くすれば、優先度の低いセンサが送信周期を短くすることができる。
本実施例の車両用制御システム100は、インテリジェントセンサを用いた構成において、センサ間の優先度に応じてセンサ自身が送信周期を調整することができる。
実施例1、2ではセンサ1〜nが検出信号を検出する度に送信している。しかしながら、各センサ1〜nの検出信号のパターンは、車両状態が同じなら類似性を示すことが多い。例えば、エンジンの吸入空気量は、アクセルペダル開度、水温、車外の風量、風向、車速に影響され、これらの関数とみなすことができる場合が多い。
そこで、本実施例では、センサ1〜nのそれぞれの検出信号の出力パターンを予測する。そして、予測された出力パターン(以下、予測パターンという)に基づいて、サンプリング周期(アナログ信号)又は送信周期(デジタル信号)を前もって決定する。アナログ信号とデジタル信号で予測パターンの決定方法に違いはないので、以下では、アナログ信号を例に説明する。
図10は、予測パターンに基づくサンプリング周期の調整を模式的に説明する図の一例である。図10の上段はセンサ1〜nの実際の検出信号であり、下段が予測パターンである。
時刻t0〜t1にセンサ1〜nの予測パターンを予測する。これにより、実際の検出信号と同様な傾向を示す予測パターンが得られる。そして、サンプリング周期調整部11は、予測パターンに基づきサンプリング周期を決定する。したがって、センサにより実際の検出信号を検出する前に、サンプリング周期を決定できる。予測から時間が経過したり、突発的な状況が生じ、検出信号と予測パターンの誤差が所定一以上になると再度、予測パターンを予測する。
実測の検出信号に基づきサンプリング周期を調整すると、CPUの処理負荷が高くなり、実施例1にて説明したようにマルチコアなどの構成が好ましくなるが、予測パターンを利用してサンプリング周期を決定することで、将来の所定期間のサンプリング周期を一度に決定できるので、CPUの処理負荷を低減することができる。また、サンプリング周期が長いことはCPUの処理負荷が小さいことになるので、CPUのクロックを低減するなど、消費電力を抑制できる。
図11は、本実施例の車両用制御システム100の概略構成図の一例を示す。図11では、センサ1のみを示すが、複数のセンサが接続されていても同様に実装できる。また、全てのセンサについて予測パターンを決定しなくてもよく、この場合でもCPUの処理負荷を低減するなどの効果が得られる。
電子制御ユニット50は、CPUがプログラムを実行するか又はASIC等により実現される予測パターン決定部31、クロック設定部32、エンジン制御部33及びサンプリング周期調整部11を有する。予測パターン決定部31には、車両の状態を示す車両状態情報が入力されている。電子制御ユニット50がエンジンECUの場合、車両状態情報は例えばアクセル開度、車速、水温、ブレーキペダル操作量、マスタシリンダ圧、ジャイロセンサ情報、ナビ情報、風力、風向等である。
予測パターンの決定方法には、例えば時系列信号を学習できるリカレントニューラルネットワーク、ホップフィールド型ニューラルネットワーク、連想記憶、隠れマルコフモデル、アトラクタ系、微分方程式を適用したパターン近似等を用いることができる。ニューラルネットワークモデルでは、複数の車両状態情報をそれぞれ入力端子に入力して、それをまた層状の中間ノードに入力して、出力ノードまでの結合度を、センサ1の検出信号を教師信号にして学習していく。なお、教師信号は必ずしも必須ではない。
サンプリング周期調整部11は予測パターンに基づきサンプリング周期を調整する。調整方法は実施例1と同様であり、変動速度が大きいほどサンプリング周期が短くなる。エンジン制御部33は、センサ1の検出信号に基づきエンジン制御する。
また、クロック設定部32は、予測パターンに基づきサンプリング周期が調整されることを利用して、クロックを調整する。すなわち、サンプリング周期が長い時間帯はCPUの処理負荷も小さいのでCPUのクロックを下げ、サンプリング周期が短い時間帯はCPUの処理負荷も大きいのでCPUのクロックを上げる。
この考え方はエンジン制御にも適用でき、サンプリング周期に応じてエンジン制御の制御周期を事前に調整させることができる。CPUの資源がセンサ1の検出信号のサンプリングに奪われないなら、エンジンの制御周期を短くすべきであるので、例えばタスクの起動周期(実行頻度)を短くし、エンジン制御の応答性を増すことができる。
図12は、予測パターンの決定手順を説明するフローチャート図の一例である。予測パターンの決定手順は、例えばイグニッションがオンの状態で繰り返し実行される。
予測パターン決定部31は、予測パターンの決定に必要な車両状態情報を取得する(S210)。図10では、時刻t0〜t1の間に車両状態情報を蓄積するが、この時間は学習状態に応じて可変としてもよい。車両状態情報を蓄積すると予測パターン決定部31は、予測パターンを決定する(S220)。これにより、例えば時刻t〜t+αまで予測パターンを決定できる。
サンプリング周期調整部11は、予測パターンに基づき時刻t〜t+αまで期間においてサンプリング周期を決定する(S230)。そして、時刻t+αまでの間、決定したサンプリング周期でセンサ1の検出信号をサンプリングする。なお、エンジン制御部33がエンジン制御に使用するのは、センサ1の実際の検出信号である。
センサ1の検出信号をサンプリングしながら、予測パターン決定部31はセンサ1の現在の検出信号と予測パターンを比較する(S240)。その誤差が所定値以上になると(ステップS240のYes)、予測パターン決定部31は再度、車両状態情報に基づき予測パターンを決定する。
本実施例の車両用制御システム100は、サンプリング周期を事前に決定するのでCPUの処理負荷を低減でき、その分の資源をエンジン制御に優先的に利用したり、消費電力を削減することができる。
実施例3では、予測パターンに基づきサンプリング周期を調整したが、エンジン制御には実際のセンサ1の検出信号を使用した。しかし、予測パターンが十分に正確であれば、予測パターンに基づきエンジン制御することもできる。この場合、電子制御ユニット50とセンサ1とを接続する必要がないので、電子制御ユニット50の入出力インターフェイスやワイヤハーネス等を削減できる。
図13は、本実施例の車両用制御システム100の概略構成図の一例を示す。なお、図13において図11と同一部には同一の符号をその説明は省略する。予測パターン決定部31は実施例3と同様に予測パターンを決定する。そして、エンジン制御部33は、予測パターンに基づきエンジンを制御する。
したがって、本実施例では電子制御ユニット50にセンサ1が接続されている必要はない。しかしながら、フェールセーフ用としてはセンサ1の検出信号が参照できることが好ましいので、例えば、別の電子制御ユニット50からセンサ1の検出信号をオンデマンドに取得したり、無線にて受信することが好適となる。また、センサ1と電子制御ユニット50を直接に接続する場合でも、サンプリング周期はかなり長く設定する。例えば、実施例1〜3ではサンプリング周期が数ミリ秒であるなら、本実施例では100ミリ秒以上とするなどである。
図14は予測パターンの決定手順を説明するフローチャート図の一例を、図15は車両状態情報と予測パターンの一例をそれぞれ示す。
予測パターン決定部31は、予測パターンの決定に必要な車両状態情報を取得する(S310)。図15では、時刻0〜tの間に、吸気量、車速、操舵角を蓄積している。車両状態情報を蓄積すると予測パターン決定部31は、予測パターンを決定する(S320)。これにより、例えば時刻t〜t+γまで予測パターンを決定できる。
そして、エンジン制御部33は、予測パターンに基づきエンジンを制御する(S330)。電子制御ユニット50は以上の処理を繰り返す。センサ1と接続されていない場合、現在の検出信号と予測パターンのずれを検出できないので、予測パターンはサイクル時間毎に決定すればよい。
本実施例の車両用制御システム100は、電子制御ユニット50の入出力インターフェイスやワイヤハーネス等を削減できるので、コストを低減し車載スペースを節約できる。
本実施例では、センサ1の検出信号の平滑化について説明する。平滑化とは、信号を「なます」などの言葉で表現される処理をいい、主に、制御には不要なノイズレベルの検出信号を排除することをいう。アナログ信号のノイズを低減する方法に平滑化回路(例えば、ローパスフィルタ)を電子制御ユニット50より手前に設けることがあるが、平滑化のための時定数を大きくすれば制御応答性に影響があり、小さくすればノイズの影響をうけやすくなる。このため、平滑化の実装や時定数には最適な値を適用する必要があるが、最適な平滑化の方法や最適な時定数は、車両の状態や制御ルールによって変わりうることが知られている。一般には、車両の設計段階で試行錯誤的に決定されている。
しかしながら、試行錯誤的な決定方法は、車両の状態によって最適な平滑化の方法や時定数が変わる点に対応できない。例えば、エンジン回転数が高い時、ハイブリッド車のスリップ/グリップによる車輪の回転数急変時、信号ノイズが多い環境下での走行時、荒れた路面の走行時、等では、定常的(通常の)な走行時と比べて、最適な平滑化の方法や最適な時定数が変わってしまう。
そこで、本実施例では、車両状態を監視して、車両状態に応じて平滑化の方法及び最適な時定数をリアルタイムに決定する車両用制御システム100について説明する。また、場所に固有に生じる車両状態は道路の舗装状況など地図情報から判定可能なので、ナビシステム40を利用して平滑化の方法や時定数を決定する。なお、本実施例ではサンプリング周期や送信周期の調整について説明しないが、実施例1〜3と同様に、検出信号の変動速度に応じてサンプリング周期を調整している。
図16は、本実施例の車両用制御システム100の概略構成図の一例を示す。平滑化方法・時定数決定部34には車両用状態情報とナビシステム40から路面安定度情報が入力される。路面安定度情報は、進行方向の道路が舗装されている道路に比べどの程度、荒れているかを示す指標である。例えば、舗装されていれば0,舗装が老朽化した道路では1、あぜ道では2,砂利道では3等、車両に急峻な振動が生じるなどセンサ1の検出信号にノイズが乗りやすい場所ほど大きな値が入力される。なお、過去の走行結果から路面安定度情報をナビシステム40の地図情報に記憶しておけば、次回、同じ場所を走行する場合は、実際の路面安定度情報を使用できる。
平滑化方法・時定数決定部34は、一次遅れフィルタ、車両状態情報と路面安定度情報から平滑化方法と時定数を決定する。平滑化方法には、単純移動平均、加重移動平均、指数平均化、KZフィルタ、ガウシアンフィルタなどいくつもの手法がある。例えば、一次遅れフィルタの場合、伝達関数は1/(1+T・s)であり、Tが大きいほど平滑化が大きい。TはCRフィルタ(ローパスフィルタ)の時定数に相当する(sはラプラス演算子)。
平滑化方法と時定数は、車両状態情報と安定化情報に対応づけてマップに定められている。このマップには、例えば、タイヤがスリップしたりグリップするなど車輪の回転数の変化が大きいことを示す車両状態には、急激な回転数変化をある程度平滑化できる平滑化方法及び時定数が対応づけられており、また、回転数の変化が大きいため車輪駆動用に昇圧した電圧に高い応答性が求められることを示す車両状態には、電圧値をあまり平滑化しない平滑化方法及び時定数が対応づけられている。
また、例えば、路面安定度情報により荒れた路面を走行しセンサ1の検出信号にノイズが多く入ることが予想された場合は、平滑化方法・時定数決定部34は同じ平滑化方法であっても時定数を大きく決定する。これにより、ノイズの影響を低減できる。また、電子制御式サスペンションの減衰力を路面凹凸に応じて制御するため、応答性を上げたい場合には同じ平滑化方法であっても時定数を小さくする。これによりセンサ1が検出する細かい変動を検出できる。なお、このような特殊な車両状態情報又は路面安定度情報が検出されなければ、デフォルトの平滑化方法及び時定数(例えば、一次遅れフィルタ)にて定常的に制御することで、平滑化方法及び時定数の決定により電子制御ユニット50に処理負荷がかかることを低減できる。
平滑化方法・時定数決定部34は、このようにして決定した平滑化方法を例えば識別番号(1:一次遅れフィルタ、2:単純移動平均 3:指数平滑化 …)により平滑化処理部35に通知する。また、時定数は、数値で通知する。これにより、平滑化処理部35は、車両状態情報及び路面安定度情報に最適な平滑化方法及び時定数でセンサ1の検出信号を平滑化できる。また、センサ1毎に最適な平滑化方法及び時定数で平滑化できる。
図17は、最適な平滑化方法及び時定数を決定しエンジンを制御する手順を説明するフローチャート図の一例を示す。図17の手順はサイクル時間毎に繰り返し実行される。
平滑化方法・時定数決定部34は、車両状態情報と路面安定度情報を取得する(S410)。そして、平滑化方法・時定数決定部34は、最適な平滑化方法と時定数をマップから決定する(S420)。
平滑化処理部35は、最適な平滑化方法と時定数を用いてセンサ1の検出信号を平滑化する(S430)。エンジン制御部33は最適な状態に平滑化された検出信号によりエンジンを制御できる(S440)。電子制御ユニット50は以上の処理を繰り返す。
本実施例によれば、車両状態と路面から最適な平滑化方法及び時定数をリアルタイムに決定でき、検出信号に基づく制御も更に適切になることが期待できる。急峻な変動と緩慢な変動を検出しうるセンサであるため、最適な時定数の決定が困難なセンサでも、リアルタイムに最適な時定数を決定できる。
センサと電子制御ユニットを有する車両用制御システムの構成図の一例である。 車両用制御システムの概略構成図の一例である。 処理負荷マップ、時間と処理負荷の関係、サンプリング周期マップ、一例を示す図である。 電子制御ユニットがサンプリング周期を調整する手順を示すフローチャート図の一例である。 インテリジェントセンサを用いた車両用制御システムの概略構成図の一例である。 各センサが送信周期を調整する手順を示すフローチャート図の一例である。 車両用制御システムの概略構成図の一例である(実施例2)。 センサ1〜4が優先度に従い、送信周期を調制する手順を示すフローチャート図の一例である。 センサ1〜4が優先度に従い、送信周期を調制する手順を示すフローチャート図の一例である。 予測パターンに基づくサンプリング周期の調整を模式的に説明する図の一例である。 車両用制御システムの概略構成図の一例である(実施例3)。 予測パターンの決定手順を説明するフローチャート図の一例である。 車両用制御システムの概略構成図の一例である(実施例4)。 予測パターンの決定手順を説明するフローチャート図の一例である。 車両状態情報と予測パターンの一例をそれぞれ示す図である。 車両用制御システムの概略構成図の一例である(実施例5)。 最適な平滑化方法及び時定数を決定しエンジンを制御する手順を説明するフローチャート図の一例である。
符号の説明
1〜4 センサ
11 サンプリング周期調整部
12 負荷予測部
13 微分回路
14 バス
15 バス負荷予測部
21 バス負荷算出部
22 優先度判定部
23 連携部
24 判定部
25 送信周期調整部
31 予測パターン決定部
34 平滑化方法・時定数決定部
35 平滑化処理部
50 電子制御ユニット
100 車両用制御システム

Claims (7)

  1. センサの検出信号に基づき車載装置を制御する電子制御ユニットにおいて、
    検出信号の変動速度を検出する変動速度検出手段と、
    変動速度が大きいほどセンサの検出信号のサンプリング周期を短くするサンプリング周期調整手段と、
    サンプリング周期の変更後の処理負荷を予測する処理負荷予測手段と、を有し、
    前記サンプリング周期調整手段は、予測された処理負荷が閾値を超えると、検出信号の変動速度の大きさに関わらずサンプリング周期を短くすることを禁止する、
    ことを特徴とする電子制御ユニット。
  2. バスを介して接続された、情報処理手段を備えた前記センサから、検出信号の変動速度が大きいほど短い送信周期で検出信号が送信される場合、
    前記バスのバス負荷を検出し、送信周期の変更後のバス負荷を予測するバス負荷予測手段を有し、
    前記バス負荷予測手段は、予測されたバス負荷が閾値を超えると、検出信号の送信周期を短くしないよう前記センサに要求する、
    ことを特徴とする請求項1記載の電子制御ユニット。
  3. 車両状態を検出する車両状態情報に基づき、前記センサが検出する将来の検出信号の予測パターンを決定する予測パターン決定手段を、有し
    前記変動速度検出手段は、前記予測パターンに基づき前記検出信号の変動速度を検出する、
    ことを特徴とする請求項1記載の電子制御ユニット。
  4. 車両状態を検出する車両状態情報に基づき、検出信号の平滑化方法及び平滑化の程度を決定する平滑化方法決定部を有し、
    平滑化されたセンサの検出信号に基づき車載装置を制御する、
    ことを特徴とする請求項1記載の電子制御ユニット。
  5. 車載装置を制御する電子制御ユニットとバスを介して接続され、情報処理手段を備えたインテリジェントセンサにおいて、
    検出信号の変動速度を検出する変動速度検出手段と、
    変動速度が大きいほど検出信号の送信周期を短くする送信周期調整手段と、
    前記バスのバス負荷を検出し、送信周期の変更後のバス負荷を予測するバス負荷予測手段と、を有し、
    前記送信周期調整手段は、予測されたバス負荷が閾値を超えると、検出信号の変動速度の大きさに関わらず送信周期を短くすることを禁止する、
    ことを特徴とするインテリジェントセンサ。
  6. 情報処理手段を備え、予め優先度が設定された複数のセンサがバスを介して接続された車両用制御システムにおいて、
    センサは、検出信号の変動速度を検出する変動速度検出手段と、
    変動速度が大きいほど検出信号の送信周期を短くする送信周期調整整手段と、
    送信周期を変化させる場合、変化後の前記バスのバス負荷を算出するバス負荷算出手段と、
    他のセンサとの優先度を比較する優先度判定手段と、
    予め定めたバス上限負荷値と変化後の前記バスのバス負荷を比較して、他のセンサに送信周期の変化を要求するか否かを判定する判定手段と、
    送信周期を変化させるセンサが送信周期を短くする場合、該センサよりも優先度の低いセンサのうち優先度の低いセンサから順番に、自らのセンサの送信周期を長くし、
    送信周期を変化させるセンサが送信周期を長くする場合、優先度の高いセンサから順番に、自らのセンサの送信周期を短くする連携手段と、
    を有することを特徴とする車両用制御システム。
  7. センサの検出信号に基づき車載装置を制御する電子制御ユニットの信号サンプリング方法において、
    変動速度検出手段が、前記検出信号の変動速度を検出するステップと、
    サンプリング周期調整手段が、変動速度が大きいほどセンサの検出信号のサンプリング周期を短くするステップと、
    処理負荷予測手段が、サンプリング周期の変更後の処理負荷を予測するステップと、
    予測された処理負荷が閾値を超えると、前記サンプリング周期調整手段は、検出信号の変動速度の大きさに関わらずサンプリング周期を短くすることを禁止するステップと、
    を有することを特徴とする信号サンプリング方法。
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