JP2010072127A - リアプロジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】リアプロジェクタにおいて、薄型化及び袴部の小型化を実現する。
【解決手段】リアプロジェクタは、空間光変調素子LCからの光をスクリーンSCの背面に投射する投射光学系を有する。投射光学系は、第1の断面におけるスクリーンに沿った方向での一端側の領域に配置され、複数の曲面反射面により構成される反射光学系Rと、他端側の領域にスクリーンの法線に対して傾いて配置され、反射光学系からの光をスクリーンに対して斜めに入射させる1つの他端側反射面MRとを有する。複数の曲面反射面は、基準軸に沿って最も他端側反射面に近い最終曲面反射面と、スクリーンの法線が延びる方向において最終曲面反射面よりもスクリーンから離れた位置に配置された少なくとも1つの背面側曲面反射面とを含む。1.8≦θ/θ≦2.2,0<L/θ≦{6.3S+3.3(L−D)−2583.3}×10−3を満足する。


【選択図】図1

Description

本発明は、筐体の前面に配置されたスクリーンに、その背面側から斜めに画像を投射するリアプロジェクタに関する。
上記のようなリアプロジェクタは、液晶パネルやデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)等の空間光変調素子で変調された光(画像光)を、投射光学系を介してスクリーンの背面に斜めから投射することで、前面側から鑑賞可能に画像を表示する。
このような斜め投射用の投射光学系としては、特許文献1にて開示されているように、基準軸光線の光路が回転非対称な反射面で折り曲げられるオフアキシャル光学系(非共軸光学系)として構成されたものがある。
リアプロジェクタにおいては、大画面でありながら装置の薄型化が求められている。特許文献2にて開示されたリアプロジェクタでは、複数のレンズにより構成される結像光学系と曲面反射面との間に屈曲用の平面反射面を配置し、結像光学系をスクリーンに平行な方向に配置することで投射光学系、つまりは装置を薄型化している。
さらに、リアプロジェクタにおいては、スクリーンよりも下側の部分(以下、袴部という)の小型化も求められている。
特許文献3にて開示されたリアプロジェクタでは、装置内部におけるスクリーンの背面側の下部スペースに投射光学系を配置している。そして、投射光学系から射出した光束を、装置内部におけるスクリーンの背面側の上部スペースに配置した平面反射面で反射させてスクリーンの背面に傾めから投射する。このような構成によれば、平面反射面からスクリーンの背面に向けて急な入射角度で光束を入射させることができる。つまり、下部スペースに光束が通らない領域を作り、この領域に投射光学系を配置することができる。これにより、装置の薄型化と袴部の高さの削減とを同時に実現できる。
特許文献3のリアプロジェクタと同様に、装置内部の下部スペースに投射光学系の一部を配置し、上部スペースに平面反射面を配置してスクリーンの背面に斜め投射を行うリアプロジェクタとしては、特許文献4〜7にも開示されている。
特許文献4にて開示されたリアプロジェクタでは、上部スペースにおいて平面反射面をスクリーンに対して垂直に配置している。特許文献5にて開示されたリアプロジェクタでは、上部スペースに配置した平面反射面と筐体の背面に配置した平面反射面とを用いて光路を折り畳みながら画像光をスクリーンに斜め投射する。
特許文献6にて開示されたリアプロジェクタでは、4枚の曲面反射面により形成される光路中に収差補正を補うための屈折素子を配置し、上部スペースに配置した平面反射面を介してスクリーンに画像光を斜め投射する。
特許文献7にて開示されたリアプロジェクタでは、特許文献2のリアプロジェクタと同様に、屈折系としての第1の結像系と凹形状の非球面反射面との間に屈曲用の平面反射面を配置して装置の薄型化を図っている。そして、非球面反射面を介して上部スペースに配置した平面反射面に画像光を導き、スクリーンに斜め投射する。
特開2001−255462号公報 特開2001−264632号公報 特開2005−84576号公報 特許第3813973号 特開2001−222063号公報 特開2006−178406号公報 特開2006−235516号公報
特許文献3,5,6にて開示されたリアプロジェクタでは、画像光のスクリーンへの入射角をより急にすると、上部スペースに配置された平面反射面を奥行き方向(スクリーンの法線方向)に薄くすることができるため、装置の薄型化が実現できる。しかしながら、これら特許文献3,5,6にて開示されたリアプロジェクタでは、装置の下部スペースに配置された投射光学系の一部が奥行き方向に厚いため、装置上部を薄型化することができても装置下部の薄型化を実現することが難しい。
ちなみに、特許文献3,5,6にて開示されたリアプロジェクタでは、空間光変調素子の中心と絞りの中心を通る光線の経路を基準軸とするとき、該基準軸とスクリーンとのなす角度(以下、スクリーン入射角という)は25度から30度程度となっている。
また、特許文献5にて開示されたリアプロジェクタでは、上部の平面反射面に加えて背面の平面反射面をも用いているため、投射光路長の割に装置の薄型化が実現されているものの、装置におけるスクリーンの上端よりも上側の部分が大きくなってしまっている。
また、特許文献4にて開示されたリアプロジェクタでは、上部の平面反射面がスクリーンに対して垂直に配置されているため、投射光学系の一部から上部の平面反射面に射出する基準軸の傾きはスクリーン入射角で決まってしまう。このため、投射光学系の位置が装置の背面方向になり、上部の平面反射面の奥行きに比べて厚い装置となってしまっている。
特許文献7にて開示されたリアプロジェクタでは、屈曲用平面反射面を用いて投射光学系の薄型化を行っているものの、屈曲用平面反射面と凹面反射面との間の間隔が大きいため、投射光学系は実質的に薄型化できていない。また、凹面反射面と上部平面反射面との間に射出瞳(スクリーン上端及び下端にそれぞれ入射する主光線の交点)を有するが、射出瞳が該2つの反射面の中間近傍に位置するため、該2つの反射面のサイズがほぼ等しくなり、投射光学系の薄型化の妨げとなっている。このため、スクリーン入射角を17度程度にして上部の平面反射面を奥行き方向に薄くできているにもかかわらず、装置全体としては薄型化できていない。
また、スクリーン入射角が小さくなると、特許文献4にて開示されているような反射型のフレネルスクリーンを使用する必要が生ずる。しかし、観察者側においてスクリーンに垂直な方向に光を射出させるためには、スクリーン入射角が小さくなるに伴ってフレネル面の頂角を小さくする必要があり、加工が難しくなる。
本発明は、装置の薄型化及び袴部の小型化を実現できるようにしたリアプロジェクタを提供する。
本発明の一側面としてのリアプロジェクタは、筐体の前面にスクリーンを有する。また、筐体の内部に、光を変調する空間光変調素子と、空間光変調素子からの光をスクリーンの背面に投射する投射光学系とを有する。空間光変調素子の中心と投射光学系に含まれる絞りの中心を通る中心主光線が辿る経路を基準軸とし、該基準軸のうちスクリーンに入射する最終基準軸部分とスクリーンの法線とを含む断面を第1の断面とするとき、投射光学系は、筐体の内部のうち第1の断面におけるスクリーンに沿った方向での一端側の領域に配置され、複数の曲面反射面により構成される反射光学系と、筐体の内部のうち第1の断面におけるスクリーンに沿った方向での他端側の領域にスクリーンの法線に対して傾いて配置され、反射光学系からの光をスクリーンに対して斜めに入射させる1つの他端側反射面とを有する。複数の曲面反射面は、基準軸に沿って最も他端側反射面に近い最終曲面反射面と、スクリーンの法線が延びる方向において最終曲面反射面よりもスクリーンから離れた位置に配置された少なくとも1つの背面側曲面反射面とを含む。そして、以下の条件を満足することを特徴とする。
1.8≦θ/θ≦2.2
0<L/θ≦{6.3S+3.3(L−D)−2583.3}×10−3


ただし、第1の断面において、θは他端側反射面からスクリーンに入射する最終基準軸部分とスクリーンとのなす角度の絶対値であり、θはスクリーンの法線に対する他端側反射面の傾き角の絶対値である。Lは少なくとも1つの背面側曲面反射面のうち最もスクリーンから離れた位置に配置された最背面側曲面反射面と基準軸との交点から、該基準軸のうち最終曲面反射面と他端側反射面との間の第1の基準軸部分までの最小距離である。Sはスクリーンの長さである。Lは最終曲面反射面と他端側反射面との間の第1の基準軸部分に沿った間隔である。Dは最終曲面反射面から、第1の基準軸部分又はその延長線と最終曲面反射面で反射されて他端側反射面における最もスクリーンから離れた位置に入射する光線の光路又はその延長線との交点までの距離である。基準軸において、中心主光線が空間光変調素子からスクリーンに進む方向を正とする。
本発明によれば、投射光学系を構成する各面の配置、投射距離、第2の反射面の設置角度及びスクリーン入射角等を適切に設定することができるため、装置の薄型化及び袴部の小型化を実現することができる。
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照しながら説明する。
まず、具体的な実施例の説明に先立って、図14及び図15を用いて各実施例に共通する構成について説明する。
本発明の実施例であるリアプロジェクタは、筐体Bを有し、該筐体Bの前面に被投射面としてのスクリーンSCが配置されている。
また、筐体Bの内部には、光を変調する空間光変調素子(図14及び図15には示さず)と、空間光変調素子からの光をスクリーンSCの背面に投射する投射光学系P,MRとが配置されている。
ここで実施例では、空間光変調素子の中心と投射光学系に含まれる絞りの中心を通る中心主光線又は基準軸光線が辿る経路を基準軸とする。そして、該基準軸のうち(後述する他端側反射面から)スクリーンSCに入射(到達)する最終基準軸部分とスクリーンSCの法線とを含む断面を第1の断面とする。以下の説明において、スクリーンSCの法線をスクリーン法線といい、該スクリーン法線が延びる方向(背面方向)をスクリーン法線方向という。
投射光学系は、下部投射光学系Pと1つの他端側反射面MRとを含む。下部投射光学系Pは、筐体Bの内部のうち第1の断面におけるスクリーンSCに沿った方向での一端側の領域に配置され、複数の曲面反射面により構成される反射光学系Rを有する。また、他端側反射面MRは、筐体Bの内部のうち第1の断面におけるスクリーンSCに沿った方向での他端側の領域にスクリーン法線に対して傾いて配置され、反射光学系Rからの光をスクリーンSCに対して斜めに入射させる。
上記複数の曲面反射面は、基準軸に沿って最も他端側反射面MRに近い最終曲面反射面と、スクリーン法線方向において最終曲面反射面よりもスクリーンSCから離れた位置(背面側)に配置された少なくとも1つの背面側曲面反射面とを含む。そして、実施例のプロジェクタは、以下の条件(1)及び(2)を満足することを特徴とする。
1.8≦θ/θ≦2.2 …(1)
0<L/θ≦{6.3S+3.3(L−D)−2583.3}×10−3 …(2)


条件(1)及び(2)におけるθ,θ,L,S,L,Dは全て第1の断面での値である。
θは他端側反射面MRからスクリーンSCに入射する最終基準軸部分とスクリーンSCとのなす角度の絶対値である。
θはスクリーン法線に対する他端側反射面MRの傾き角の絶対値である。
は上記少なくとも1つの背面側曲面反射面のうち最もスクリーンSCから離れた位置に配置された最背面側曲面反射面と基準軸との交点から、該基準軸のうち最終曲面反射面と他端側反射面MRとの間の第1の基準軸部分までの最小距離である。
はスクリーンSCの長さである。
は最終曲面反射面と他端側反射面MRとの間の第1の基準軸部分に沿った間隔である。
は最終曲面反射面から、第1の基準軸部分又はその延長線と最終曲面反射面で反射されて他端側反射面MRにおける最もスクリーンSCから離れた位置に入射する光線の光路又はその延長線との交点までの距離である。
なお、基準軸において、中心主光線が空間光変調素子からスクリーンに進む方向を正とする。
本発明の実施例において用いる用語の定義について図15を用いて説明する。下部投射光学系Pからの光(画像光又は投射光)は、筐体Bの内部におけるスクリーンSCに沿った方向での他端側(上部)に配置された他端側反射面(平面反射面:以下、第2の平面反射面という)MRによって反射され、スクリーンSCの背面に入射する。実施例では、矢印aで示す方向をスクリーン側とし、矢印bで示す方向を背面側とする。また、矢印cで示す方向を上端側とし、矢印dで示す方向を下端側とする。
筐体Bの背面は装置が厚くならなければ、スクリーンSCに対して平行でなくてもよく、傾斜をつけたり曲面にしたりしてもよい。また、筐体Bの上面はスクリーンSCに対して垂直に延びてもよいし、図示のように背面側に向けて下がるように傾斜させてもよい。
筐体Bの底面は、設置安定性の観点から水平であることが好ましいが、水平でなくても脚を付けて筐体Bを安定させてもよい。
筐体Bの前面にはスクリーンSCが配置され、不図示の外枠によって筐体Bに固定されている。筐体B(つまりはリアプロジェクタという装置)の厚み又は奥行きを長さDとする。また、スクリーンSCの下側の袴部の高さをHとする。袴部の高さHは、観察者から見た筐体Bの前面におけるスクリーンSCの下端から筐体Bの底面までの長さである。
さらに、筐体Bの内部の領域eを上部といい、領域fを下部という。「スクリーンに沿った方向での一端側の領域」は、上部eと下部fのうち一方の領域を示し、「スクリーンに沿った方向での他端側の領域」は、上部eと下部fのうち他方の領域を示す。実施例では、「一端側の領域」を下部fとし、「他端側の領域」を上部eとする。ただし、「一端側の領域」を上部とし、「他端側の領域」を下部としてもよい。
また、スクリーンSCにおいて、「一端」とは上端部及び下端部のうち一方を、「他端」とは上端部及び下端部のうち他方をいう。実施例では、「一端」を下端とし、「他端」を上端とするが、「一端」を上端とし、「他端」を下端としてもよい。
スクリーンSCは、特許文献4にて開示されているような、観察者側に光線を屈曲させるフレネルレンズか形成されたものを用いるとよい。さらに、強度を高めるための補強板、視野角を広げるためのフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ又は拡散材、投射画像のコントラストを向上させるためのブラックマトリックス等の遮光層を重ねて構成してもよい。
スクリーン入射角θを定義するためのスクリーンSCへの光線の入射点は、基準軸光線がスクリーンSCに最初に入射する点とする。
次に、図14を用いて、実施例のリアプロジェクタのさらに詳しい構成及び上記条件(1),(2)について説明する。
下部fには、下部投射光学系Pが配置されている。下部投射光学系Pは、少なくとも1つのレンズにより構成された第1の光学系Cと、非球面形状を有する複数の曲面反射面により構成された上記反射光学系としての第2の光学系Rとを有する。また、下部投射光学系Pは、第1の光学系Cと第2の光学系Rの間に配置され、第1の光学系Cからの光(基準軸)を90度折り曲げて第2の光学系Rに導く一端側反射面(平面反射面:以下、第1の平面反射面という)MUを含む。
下部投射光学系Pからの光は、上部eに配置された第2の平面反射面MRにより反射され、スクリーンSCに対して斜めに入射する。図14においては、基準軸を1点鎖線で示し、第2の平面反射面MRからスクリーンSCの間では、スクリーンSCの上端と下端に結像する画角の2本の主光線を実線で示している。
第1の光学系Cは、第1の断面に対して垂直な方向、すなわち第1の断面の法線に対して平行に、該第1の光学系内の基準軸部分が延びるように配置されている。この場合、第1の光学系内の基準軸部分がスクリーンSCに対して平行となる。ただし、第1の光学系内の基準軸部分が第1の断面の法線に対して傾くように配置してもよい。この場合には、第1の平面反射面MUを基準軸に対して45度から適度にずらして配置すればよい。
また、図15においては、第2の光学系Rを1枚の凹面反射面として示しているが、曲面反射面の枚数と形状はこれに限られない。すなわち、第2の光学系Rを複数の曲面反射面で構成してもよいし、少なくとも1枚の凸面反射面で構成してもよい。なお、第2の光学系Rを構成する少なくとも1つの曲面反射面のうち基準軸に沿って最も第2の平面反射面MRに近い曲面反射面を、最終曲面反射面という。
図14において、θは、第1の断面において、基準軸のうち最終曲面反射面に入射する基準軸部分と該最終曲面反射面から射出する基準軸部分とのなす角度の絶対値である。
なお、上述したように、実施例では、θS,θ,θのいずれも絶対値として示している。
図14において、Dは、最終曲面反射面から、第1の基準軸部分と最終曲面反射面で反射されて第2の平面反射面MRにおける最もスクリーンSCから離れた背面側の位置に入射する光線の光路との交点までの距離として図示の距離となり、正の値をとる。該交点が、最終曲面反射面と第2の平面反射面MRとの間にない場合、すなわち第1の基準軸部分の延長線と上記光路の延長線との交点である場合を図8に示す。この場合は、定義にしたがってDは負の値をとる。また、Dは広義の射出瞳位置を示している。
ここで、射出瞳は、入射瞳と共役関係にあるが、オフアキシャル光学系の場合は瞳の位置がアジムス方向により異なる。また、回転非対称な非球面反射面を用いた場合、画角によっても瞳の位置が異なる。このため、光学系全体の射出瞳の位置は一点ではなく、空間的に分布を持つ。Dはこのうち装置の背面側の画角に注目した射出瞳位置と言うことができる。
条件(1)のθ/θの値が上限値と下限値の範囲にある場合、下部投射光学系Pから第2の平面反射面MRまでの間の第1の基準軸部分はスクリーンSCとほぼ平行になる。θ/θの値が上限値を超えると、最終曲面反射面がスクリーンSCから遠ざかるため、装置の薄型化が困難になる。また、θ/θの値が下限値を下回ると、最終曲面反射面がスクリーンSCに近づき過ぎるため、第2の平面反射面MRにおける背面側の位置からスクリーンSCの下端に入射する光線の光路と干渉し易くなる。
ここで、装置の薄型化とは、第1の断面におけるスクリーンSC上の画像表示領域の長さに対する、スクリーンSCからスクリーン法線方向において最も背面側の光学面と光路(基準軸)との交点までの距離の比(薄型比)が30%以内に抑えられることとする。装置としての奥行きはスクリーンや光学面の保持部材やその他の装置の構成部品により総合的に決定されるが、実施例では、特に光学系の構成による装置の薄型化を目的とするため、上記のように薄型化を定義する。
また、条件(1)を満足した上で条件(2)のL/θの値が上限値を超えると、最も背面側に配置された曲面反射面が第2の平面反射面MRよりも背面側に突出してしまうため、装置の薄型化が困難になる。また、L/θの値が下限値を下回ると、最も背面側の曲面反射面が最終曲面反射面から第2の平面反射面MRに投射される光束と干渉し易くなる。
第2の光学系Rに含まれる複数の曲面反射面におけるパワー配置を決定する際には、最も背面側の曲面反射面の位置Lと射出瞳位置Dとを条件(1),(2)中の他のパラメータに対応して設定する。これにより、薄型のリアプロジェクタを実現するために好適な光学面の配置を決定することができる。
さらに、薄型で袴部の高さHが低いリアプロジェクタを実現するために、以下の構成を採用することが好ましい。
実施例のリアプロジェクタは、さらに以下の条件を満足することが好ましい。
5°≦θ≦25° …(3)
0.8≦L/S≦1.2 …(4)
スクリーン入射角θが条件(3)の上限値を超えると、スクリーンSCの背面側から観察者側へと光線を屈曲させるためのフレネル面の加工が難しくなるおそれがある。また、スクリーンSCのたわみによる画像の位置ずれが増加して、ディストーションを増大させる原因となる。スクリーン入射角θが条件(3)の下限値を下回ると、第2の平面反射面MRの奥行きが増大し、装置の薄型化が図れなくなるおそれがある。
条件(4)において、LがSとほぼ等しい場合、すなわちL/Sがほぼ1であると、下部投射光学系Pにおける最終曲面反射面は、スクリーンSCの下端近傍に配置される。L/Sの値が条件(4)の上限値を超えると、下部投射光学系PがスクリーンSCの下端よりも低い位置になるため、袴部の高さHが増大するおそれがある。L/Sの値が下限値を下回ると、下部投射光学系Pが第2の平面反射面MRに近付き、第2の平面反射面MRからスクリーンSCの下端に入射する光線の光路と干渉し易くなるおそれがある。このような干渉を避けるために、下部投射光学系Pを背面側に移動させると、装置の薄型化を実現できなくなる。
また、実施例のリアプロジェクタにおいて、第2の平面反射面MRは、スクリーン法線に対して、該第2の平面反射面MRの背面側の部分が下部方向に傾いていることが好ましい。これにより、スクリーン入射角θを条件(3)の範囲に収めながらも、装置の薄型化を図ることができる。
また、実施例のリアプロジェクタにおいて、下部投射光学系P内で中間結像することが好ましい。下部投射光学系P内に中間像を形成すると、中間像の前後で集光光束が発散光側になるため、中間像の後に凹面を配置できる。このため、曲面反射面のサイズの増大を抑制することができる。さらに、下部投射光学系Pの射出瞳として絞りの像を負の倍率で結像させることができるので、投射光束の径を一旦細くすることができ、下部投射光学系P内の光学面や遮光部材の配置が容易になる。
また、実施例のリアプロジェクタにおいて、最終曲面反射面と第2の平面反射面MRとの間の第1の基準軸部分が、最終曲面反射面よりも空間光変調素子側の基準軸部分と交差することが好ましい。第2の光学系Rを複数の曲面反射面により構成した場合、反射面同士の干渉や反射面と光路の干渉がないように配置する必要があり、この結果、第2の光学系Rが大型化する可能性がある。そこで、第2の光学系R内で上記2つの基準軸部分(光路)を交差させて空間利用効率を上げることで、複数の曲面反射面を用いる第2の光学系Rを小型にすることができる。
また、実施例のリアプロジェクタでは、第1の断面において、最終曲面反射面を、下部投射光学系Pに含まれる複数の光学面のうち第2の平面反射面MUから最も遠くに位置する光学面とすることが好ましい。

最終曲面反射面からスクリーンSCまでの投射距離が短い場合、第2の光学系Rのパワーを強くする必要がある。この場合、射出側の画角が広角になることに相当するので、収差補正が困難になるとともに、面形状に要求される精度も高くなる。また、射出瞳位置を遠ざけて広角化を回避した場合には、最終曲面反射面のサイズが大きくなる。このため、最終曲面反射面からの投射距離をできるだけ大きくするために、最終曲面反射面を他の光学面よりも第2の平面反射面MRから遠い位置に配置することが有効である。
また、実施例のリアプロジェクタでは、上述したように、下部投射光学系Pを下部に配置するとともに、第2の平面反射面MRを上部に配置することが好ましい。下部投射光学系Pと第2の平面反射面MRのうちで重量がより大きい下部投射光学系Pを下部に配置することで、安定した重量バランスを得ることができる。また、筐体内部に侵入した埃が光学面に付着すると、光の散乱によって投射画像のコントラストが低下する。開口(反射面積)の大きい第2の平面反射面MRを下部に配置すると、重力により第2の平面反射面MR上に埃が溜まり易い。したがって、防塵対策を施した下部投射光学系Pを下部に配置することが好ましい。
また、前述したように、第1の光学系Cは、少なくとも1つのレンズ(屈折光学素子)により構成されることが好ましい。第1の光学系Cを屈折光学系とし、反射光学系である第2の光学系Rと倍率を分担することで、レンズに比べて加工精度やコスト的に負荷の大きい非球面反射面の枚数を削減することができる。すなわち、斜め投射時に必要な台形歪補正、像面の傾斜、非対称収差等を少ない枚数の非球面反射面で構成される第2の光学系Rで補正し、収差の回転対称成分の補正と倍率の分担を第1の光学系Cで行うことができる。
さらに、第1の光学系Cが、第1の断面におけるスクリーン法線が延びる方向において、第2の光学系Rにおける最終曲面反射面から第2の平面反射面MRに入射する基準軸部分とスクリーンSCとの間に配置されていることが好ましい。また、該基準軸部分の延長線とスクリーンSCとの間に第1の光学系が配置されていてもよい。
また、実施例のリアプロジェクタでは、第2の光学系Rを4面の曲面反射面により構成するとよりよい。
また、実施例のリアプロジェクタでは、第1の光学系Cと第2の光学系Rを第1の平面反射面MUによって第1の断面にほぼ直交する方向に屈曲させることが好ましい。これにより、下部投射光学系Pのスクリーン法線が延びる方向の奥行きを小さくすることが可能となる。このとき、基準軸のうち第2の光学系R内の基準軸部分は1つの断面内に収まっていることが望ましい。これにより、第2の光学系RはスクリーンSCに対して水平方向に対称な光学系になるため、非対称収差の補正に関しては、曲面反射面で1つの断面内での反射による基準軸の偏向に起因する非対称収差を補正すればよいことになる。この結果、曲面反射面を回転非対称な非球面とするときに、水平方向においては対称な形状とすることができる。
また、実施例のリアプロジェクタでは、第2の光学系R内の最終曲面反射面と第2の平面反射面MRとの間に、第1の断面での射出瞳を有することが好ましい。
また、実施例のリアプロジェクタでは、第1の断面において、スクリーンの下端(一端)に結像する画角の主光線と、スクリーンの上端(他端)に結像する画角の主光線とが、最終曲面反射面と第2の平面反射面MRとの間で交差することが好ましい。該両主光線が交差する位置は、最終曲面反射面からL/3以内の領域にあることがより好ましい。
前述したように下部投射光学系P内で中間像を形成することで、第2の光学系Rにより射出瞳を絞り(開口絞り)の像として結像することができる。上述したように、射出瞳は入射瞳と共役関係にあるが、オフアキシャル光学系の場合、瞳の位置がアジムス方向により異なる。また、第2の光学系Rに回転非対称な非球面反射面を用いた場合、画角によっても瞳の位置が異なる。このため、光学系全体の射出瞳の位置は一点ではなく、空間的に分布を持つ。しかしながら、薄型で袴部の高さHが低いリアプロジェクタを実現するためには、射出瞳位置を、第1の断面内でのスクリーンSCの上下端にそれぞれ結像する画角の主光線の交差点(交点)として定義してよい。
さらに、この交差点の位置が第2の平面反射面MRに近い場合には、下部投射光学系Pの最終曲面反射面のサイズが大きくなる。最終曲面反射面のサイズの増加は、下部投射光学系Pの全体のサイズの大型化につながり、装置の薄型化を妨げる。このため、最終曲面反射面のサイズと収差補正上の理由から、上記交差点(射出瞳)を、第1の断面において、最終曲面反射面からL/3以内の領域に設定することが好ましい。これにより、最終曲面反射面の第1断面内での長さを第2の平面反射面MRの長さの2/3以内に小さくすることができ、装置の薄型化が実現できる。
また、実施例のリアプロジェクタは、さらに以下の条件を満足することがより好ましい。−0.3≦D/L≦0.4 …(5)
/Lの値が条件(5)の上限値を超えたり下限値を下回ったりすると、背面側光線の射出瞳位置が最終曲面反射面から離れ、最終曲面反射面のサイズが増大するおそれがある。条件(5)は、さらに好ましくは、射出瞳を最終曲面反射面と第2の平面反射面MRとの間に配置して、
0<D/L≦0.4
とするとよい。
また、実施例のリアプロジェクタは、第2の光学系Rの複数の曲面反射面は、スクリーン法線方向において最終曲面反射面よりもスクリーンに近い位置に配置された少なくとも1つの前面側曲面反射面を含み、以下の条件を満足することが好ましい。
0<L/(Sθ)≦0.008 …(6)
ただし、Lは第1の断面において上記少なくとも1つの前面側曲面反射面のうち最もスクリーンSCに近い位置に配置された最前面側曲面反射面と基準軸との交点から第1の基準軸部分までの最小距離である。
/(Sθ)の値が条件(6)の上限値を超えると、第2の平面反射面MRからスクリーンSCの下端に入射する光線と最前面側曲面反射面との干渉が発生し易くなるおそれがある。また、L/(Sθ)の値が条件(6)の下限値を下回ると、最前面側曲面反射面が最終曲面反射面から射出する光束と干渉するおそれがある。条件(6)は、曲面反射面の肉厚やこれを保持する部材を考慮すると、より好ましくは、
0<L/(Sθ)≦0.0065
とするとよい。さらに好ましくは、
0<L/(Sθ)≦0.0061
とするとよい。

また、実施例のリアプロジェクタは、さらに以下の条件のうち少なくとも1つを満足することがより好ましい。
10°≦θ≦20° …(7)
10°≦θ≦40° …(8)
0.5≦2(θ−θ)/θ≦1.2 …(9)
0°≦|θ−2θ|≦2° …(10)
条件(9)に関して、曲面での反射を用いる場合、反射角θが大きい方が非対称な収差が発生し易い。複数の曲面反射面を用いる場合には、各面で大きな収差を発生させて互いにキャンセルするよりも、各面で発生する収差を小さく抑制して所望の光学性能を得た方がよい。これにより、曲面反射面に不必要に大きなパワーを持たせて、製造が難しくなることを避けることができる。
なお、条件(9)は、より好ましくは、
0.95≦2(θ−θ)/θ≦1.2
とするとよい。
条件(10)に関して、スクリーン入射角θに対して条件(10)の上限値と下限値の範囲外に第2の平面反射面MRの傾き角θを設定すると、下部投射光学系Pから第2の平面反射面MRまでの基準軸部分がスクリーンSCに対して大きく傾く。該基準軸部分がスクリーン側に傾いた場合には、下部投射光学系PとスクリーンSC又はスクリーンSCに向かう光とが干渉するおそれがある。また、該基準軸部分が背面側に傾いた場合には、下部投射光学系Pが第2の平面反射面MRの奥行きよりも背面方向に突出してしまうことになり、装置の薄型化を実現できないおそれがある。
条件(10)は、より好ましくは、
0°≦|θ−2θ|≦1°
とするとよい。
また、実施例のリアプロジェクタでは、最終曲面反射面と第2の平面反射面MRとの間の第1の基準軸部分がスクリーンSCに対して平行であることが好ましい。
また、実施例のリアプロジェクタは、以下の条件を満足することがより好ましい。
1≦L/θ≦{5.0S+2.6(L−D)−2066.6}×10−3
…(11)
条件(11)を満足するように背面側の曲面反射面の位置や射出瞳位置を設定することで、さらなる装置の薄型化を実現することができる。
次に、実施例におけるオフアキシャル光学系での座標系の定義について説明する。図16は、オフアキシャル光学系の構成データを定義する座標系を示している。
縮小側から拡大側の像面に進む1つの光線(図16中に一点鎖線で示す基準軸光線)に沿ってi番目の面を第i面とする。図16において、第1面R1は屈折面、第2面R2は第1面R1に対してチルトした反射面、第3面R3及び第4面R4はそれぞれの前の面に対してシフト及びチルトした反射面である。第5面R5は第4面R4に対してシフト及びチルトした屈折面である。第1面R1から第5面R5までの各面は、ガラスやプラスチック等の媒質で構成される1つの光学素子上に構成されており、図16中では第1の光学素子Bとしている。
なお、第1の光学素子Bの媒質を空気として、入射面及び射出面となる屈折面を削除してもよい。図16の構成では、不図示の物体面から第1面R1までの媒質は空気であり、第1面R1から第5面R5までの媒質はある共通の媒質である。第5面R5から不図示の第6面(R6)までの媒質は空気である。
オフアキシャル光学系では、該光学系を構成する各面は共通の光軸を持っていない。そこで、第1面の中心を原点とする絶対座標系を設定する。そして、第1面の中心点を原点とするとともに、原点と瞳中心と最終結像面の中心とを通る光線(基準軸光線)の経路を該光学系の基準軸と定義する。さらに、基準軸は方向を持っている。その方向は、基準軸光線が結像に際して進行する方向である。
なお、光学系の基準軸の決め方は、上記のものに限らず、光学設計上、収差の取り纏め上又は光学系を構成する各面の形状を表現する上で都合の良い方法を採用すればよい。ただし、一般的には、像面の中心と、絞り、入射瞳、射出瞳又は光学系の第1面の中心或いは最終面の中心のいずれかを通る光線の経路を光学系の基準軸に設定する。つまり、基準軸は、入射瞳の中心点を通り、最終結像面の中心へと至る基準軸光線が屈折面又は反射面によって屈折又は反射する経路に設定される。
面の順番は、基準軸光線が屈折又は反射を受ける順番に設定している。基準軸は、設定された面の順番にしたがい、屈折又は反射の法則によりその方向を変化させつつ、最終的に像面の中心に到達する。
光学系の絶対座標系の各軸を以下のように定める。
Z軸:原点と物体面中心を通る直線。物体面から第1面R1に向かう方向を正とする。
Y軸:原点を通り、右手座標系の定義にしたがってZ軸に対して反時計回りに90゜をなす直線。
X軸:原点を通り、Z軸及びY軸に対して直交する直線。
また、光学系を構成する第i面の形状及びチルト角を表すには、絶対座標系にてその面の形状及びチルト角を表記する方法がある。しかし、これよりも、基準軸と第i面が交差する点を原点とするローカル座標系を設定して、ローカル座標系でその面の形状を表し、基準軸とローカル座標系とのなす角度でチルト角を表した方が形状を認識し易い。このため、実施例でも、第i面の形状を、以下のローカル座標系で表す。
z軸:ローカル座標の原点を通る面法線。
y軸:ローカル座標の原点を通り、右手座標系の定義にしたがってz軸に対して反時計方向に90゜をなす直線。
x軸:ローカル座標の原点を通り、yz面に対して直交する直線。
以下の実施例では、各面の配置及び形状に関する具体的な数値も示している。Diは第i面と第(i+1)面とのローカル座標の原点間の間隔を表すスカラー量である。Ndi,νdiはそれぞれ、第i面と第(i+1)面との間の媒質の屈折率とアッベ数である。
球面は以下の式で表される形状である。
また、回転非対称な非球面(自由曲面)は、以下の式で表される形状である。
z=C04x2 + C06y2
+ C08x2y + C10y3
+ C11x4 + C13x2y2 + C15y4
+ C17x4y + C19x2y3 + C21y5
+ C22x6 + C24x4y2 + C26x2y4+ C28y6
+ C30x6y + C32x4y3 + C34x2y5+ C36y7
+ C37x8 + C39x6y2+ C41x4y4 + C43x2y6 + C45y8
上記の自由曲面の式は、xに関して偶数次の項のみを含むため、この式により定義される曲面は、yz面を対称面とする面対称な形状を有する。
図1には、本発明の実施例であるリアプロジェクタにおける投射光学系Pと第2の平面反射面MRとスクリーンSCの側面断面図を示している。図2は下部投射光学系Pの拡大図であり、図3は下部投射光学系Pの鳥瞰図である。図3において、LCはRGBの色ごとに設けられた空間光変調素子を示している。LVは該空間光変調素子LCを照明する光源及び照明光学系と、照明光学系からの光を色分解するとともにRGB用の空間光変調素子LCからのR光、G光及びB光を合成する色分解合成光学系PZを示している。
光源としては、特に限定されないが、本実施例では高圧水銀ランプを用いている。光源からの白色光は、偏光変換素子、フライアイレンズ及びコンデンサレンズを含むインテグレート照明光学系を経て、ダイクロイックプリズム、フィルタ、偏光ビームスプリッタ等を含む色分離合成光学系に入射する。色分離合成光学系PZは、白色光をR光、G光及びB光に分解し、色ごとに設けられた空間光変調素子LCを照明する。
空間光変調素子LCとしては、透過型又は反射型の液晶パネルやデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)等を用いることができる。本実施例では、詳細は図示しないが、アスペクト比が16:9、画素数がフルHD(1920×1080)、対角サイズが0.7インチ(17.78mm)の反射型液晶パネルをRGB用に3つ用いている。
光源としては、LED(発光ダイオード)を用いてもよいし、半導体レーザや固体レーザを用いてもよい。照明光学系は、光源の特性に合わせて構成すればよい。
3つの空間光変調素子LCから射出したR光、G光及びB光は色分離合成光学系PZにより合成されてカラー画像光となり、第1の光学系Cに入射する。該カラー画像光は、絞りSTを通り、第1の平面反射面MUにより反射されてその光路を90度曲げられて第2の光学系Rに導かれる。第2の光学系Rは、4つの曲面反射面S1〜S4により構成されている。第1の平面反射面MUの入射光軸に対する角度を45度からずらすと、光源から第1の光学系Cまでの光学ユニットとスクリーンSC又はスクリーンSCへの入射光との干渉を回避することができる。
図6及び図7には、筐体Bの下部を上側から見た様子を示している。LPは光源、IUは照明光学系である。第1の平面反射面MUは、光軸に対して45度傾いて配置されている。光源LPから第1の光学系Cまでの光学ユニットが、スクリーンSCに対して平行に配置されており、領域gにおいて第2の平面反射面MRからスクリーンSCの下端に投射される光線と干渉をしている。
一方、図7では、第1の平面反射面MUは、反射角が90度よりも小さい鋭角になるように入射光軸に対する角度を45度からずらしている。これにより、光源LPから第1の光学系Cまでの光学ユニットの基準軸部分を、スクリーンSCに対して傾けて(非平行に)配置することができ、上記のような干渉を回避することができる。
上記光学系LVと第1の光学系Cを図4に示す。第1の光学系Cは、単体では、図5に示すように結像光学系となっている。
絞りSTにおいて、第2の光学系R内で基準軸光線(中心主光線)AXが偏向される方向、すなわちY方向での絞り開口径をX方向での絞り開口径よりも小さくし、照明光学系で予めY方向のFナンバーをX方向よりも大きくしておくことが望ましい。これにより、第2の光学系R内での光束径を細くすることができるため、曲面反射面の配置自由度が高くなる。また、曲面反射面による光束の偏向角を小さくすることができ、角度のついた曲面反射によって発生する非対称収差を制御する自由度が向上するため、光学設計が容易になる。
第2の光学系Rに入射したカラー画像光は、回転非対称な曲率を有する曲面反射面S1,S2,S3,S4でこの順に反射(偏向)される。最終曲面反射面S4で反射されたカラー画像光は、第1の平面反射面MUと曲面反射面S3との間のスペースを通って第2の平面反射面MRに向かう。第2の平面反射面MRで反射したカラー画像光は、スクリーンSCに対して斜めに投射される。
図1に示す第1の断面において、スクリーンSCの上端と下端に結像する画角の主光線が、第2の光学系Rの最終曲面反射面S4と第2の平面反射面MRとの間で交差して射出瞳を形成している。
本実施例では、表示画像のアスペクト比は16:9で、対角サイズは64インチ(1625.6mm)としている。スクリーンSCはこれ以上のサイズを有すればよい。また、スクリーンSCは斜めに入射した光を観察者側(スクリーンSCの表側)に適度な視野角で拡散すればよい。
以下に、図1に示す本実施例のリアプロジェクタにおける各光学面の配置及び形状データ(数値例)を示す。表1には、θ,θ,θ,L,L,L,D,S及び薄型比の値を示す。さらに、表2には、条件(1),(2),(4),(5),(6),(9)及び(10)の値を示す。
また、図9に示すスクリーンSC上の20点の位置での横収差図を、図10、図11、図12及び図13に示す。
本実施例では、表2に示すように、条件(1)及び(2)を満足しているため、下部投射光学系Pと第2の平面反射面MRの奥行きがともに薄く、また袴部の高さも低く、かつ高精細な画像を投射できるリアプロジェクタを実現している。また、本実施例は、条件(4),(5),(6),(9)及び(10)も満足している。
(数値例)
パネル側NA: X0.1667,Y0.1136


Xi
Yi
Zi
Di
θxi
曲率半径
Ndi
νdi


1
0
0
0
9.00
0
-304.09
496999
815459
屈折面C

2
0
0
9.00
1.00
0
-39.07
air

屈折面C

3
0
0
10.00
10.00
0
323.26
496999
815459
屈折面C

4
0
0
20.00
3.00
0
-36.41
834000
371605
屈折面C

5
0
0
23.00
37.87
0
-174.88
air

屈折面C

6
0
0
60.87
6.50
0
-259.75
834000
371605
屈折面C

7
0
0
67.37
15.13
0
-80.65
air

屈折面C

8
0
0
82.50
127.00
0

air

絞りST

9
0
0
209.50
135.00
45.00
平面
air

平面反射面MU

10
135.00
0
209.50
140.00
18.00
非球面
air

反射面S1

11
21.74
-82.29
209.50
150.00
13.00
非球面
air

反射面S2

12
92.16
50.15
209.50
130.00
20.00
非球面
air

反射面S3

13
119.19
-77.01
209.50
863.00
8.50
非球面
air

反射面S4

14
-299.20
677.79
209.50
436.66
9.00
平面
air

平面反射面MR

15
-215.89
249.15
209.50
3.85
72.00



スクリーンSC


非球面形状
10面(反射面S1)

C04
7.0007E-04

C06
3.8083E-04

C08
-2.7085E-06

C10
1.8546E-07

C11
-2.0973E-08

C13
3.1529E-09

C15
5.3600E-08

C17
1.6456E-10

C19
-1.0245E-10

C21
7.8337E-12

C22
-2.5315E-12

C24
-2.8096E-11

C26
-2.3716E-11

C28
-7.2718E-11

C30
-1.5024E-13

C32
-4.4073E-14

C34
-2.3149E-13

C36
1.5775E-13

C37
1.9320E-15

C39
1.4794E-14

C41
5.3462E-15

C43
3.1291E-14

C45
5.0419E-14





11面(反射面S2)

C04
7.5228E-04

C06
-6.0291E-04

C08
-2.1159E-05

C10
-3.9490E-06

C11
-2.3061E-07

C13
2.6090E-08

C15
2.4452E-07

C17
2.6982E-09

C19
-2.0818E-09

C21
-1.5041E-09

C22
-5.5821E-12

C24
-1.0664E-10

C26
-1.2564E-10

C28
-2.1706E-10

C30
-2.0082E-12

C32
-2.8834E-13

C34
-4.6452E-13

C36
2.2888E-12

C37
2.4086E-14

C39
7.4776E-14

C41
1.8692E-14

C43
1.2539E-13

C45
1.2927E-13





12面(反射面S3)

C04
4.0892E-03

C06
1.5421E-04

C08
-3.3242E-05

C10
-5.9572E-05

C11
-5.2510E-09

C13
4.4297E-08

C15
-7.8726E-07

C17
6.9771E-10

C19
-1.5565E-09

C21
2.3227E-08

C22
-8.9881E-12

C24
-1.6138E-11

C26
9.9973E-12

C28
1.3392E-09

C30
-3.8894E-14

C32
5.6278E-13

C34
1.4991E-12

C36
-8.2264E-11

C37
2.9646E-15

C39
6.1000E-15

C41
1.9566E-14

C43
8.7015E-14

C45
-3.6167E-12





13面(反射面S4)

C04
-5.1563E-04

C06
-1.5492E-03

C08
1.9754E-06

C10
-2.4301E-06

C11
1.7541E-07

C13
-3.5452E-08

C15
3.6585E-08

C17
-1.2226E-09

C19
-6.2377E-10

C21
-3.6135E-10

C22
-5.8501E-11

C24
-5.4548E-13

C26
3.0524E-11

C28
-1.7003E-11

C30
2.7068E-13

C32
5.9939E-14

C34
-2.1971E-13

C36
5.5060E-13

C37
7.1861E-15

C39
4.6524E-15

C41
-1.4956E-15

C43
-1.6408E-15

C45
-4.6015E-15






以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
本発明の実施例であるリアプロジェクタの構成を示す側面断面図。 実施例における下部投射光学系の拡大図。 実施例における下部投射光学系の鳥瞰図。 実施例における第1の光学系の断面図。 実施例における第1の光学系が結像光学系であることを示す図。 実施例の比較例の筐体下部を上から見た図。 実施例の筐体下部を上から見た図。 実施例においてDが負の値となる場合を示す側面断面図。 実施例における横収差の評価位置を示す図。 実施例における横収差図。 実施例における横収差図。 実施例における横収差図。 実施例における横収差図。 実施例におけるθ,θ,θ,L,L,L,D,Sを示す図。 実施例における定義を説明するための図。 座標系を説明するための図。
符号の説明
B 筐体
P 下部投射光学系
C 第1の光学系
R 第2の光学系
LC 空間光変調素子
LV 光源、照明光学系及び色分解合成光学系
MU 第1の平面反射面
MR 第2の平面反射面
SC スクリーン

Claims (14)

  1. 筐体の前面にスクリーンを有し、
    前記筐体の内部に、
    光を変調する空間光変調素子と、
    前記空間光変調素子からの光を前記スクリーンの背面に投射する投射光学系とを有し、
    前記空間光変調素子の中心と前記投射光学系に含まれる絞りの中心を通る中心主光線が辿る経路を基準軸とし、該基準軸のうち前記スクリーンに入射する最終基準軸部分とスクリーンの法線とを含む断面を第1の断面とするとき、
    前記投射光学系は、
    前記筐体の内部のうち前記第1の断面における前記スクリーンに沿った方向での一端側の領域に配置され、複数の曲面反射面により構成される反射光学系と、
    前記筐体の内部のうち前記第1の断面における前記スクリーンに沿った方向での他端側の領域に前記スクリーンの法線に対して傾いて配置され、前記反射光学系からの光を前記スクリーンに対して斜めに入射させる1つの他端側反射面とを有し、
    前記複数の曲面反射面は、前記基準軸に沿って最も前記他端側反射面に近い最終曲面反射面と、前記スクリーンの法線が延びる方向において前記最終曲面反射面よりも前記スクリーンから離れた位置に配置された少なくとも1つの背面側曲面反射面とを含んでおり、
    以下の条件を満足することを特徴とするリアプロジェクタ。
    1.8≦θ/θ≦2.2
    0<L/θ≦{6.3S+3.3(L−D)−2583.3}×10−3


    ただし、前記第1の断面において、
    θは前記他端側反射面から前記スクリーンに入射する前記最終基準軸部分と前記スクリーンとのなす角度の絶対値であり、
    θは前記スクリーンの法線に対する前記他端側反射面の傾き角の絶対値であり、
    は前記少なくとも1つの背面側曲面反射面のうち最も前記スクリーンから離れた位置に配置された最背面側曲面反射面と前記基準軸との交点から、該基準軸のうち前記最終曲面反射面と前記他端側反射面との間の第1の基準軸部分までの最小距離であり、
    は前記スクリーンの長さであり、
    は前記最終曲面反射面と前記他端側反射面との間の前記第1の基準軸部分に沿った間隔であり、
    は前記最終曲面反射面から、前記第1の基準軸部分又はその延長線と前記最終曲面反射面で反射されて前記他端側反射面における最も前記スクリーンから離れた位置に入射する光線の光路又はその延長線との交点までの距離であり、
    前記基準軸において、前記中心主光線が前記空間光変調素子から前記スクリーンに進む方向を正とする。
  2. 以下の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載のリアプロジェクタ。
    5°≦θ≦25°
    0.8≦L/S≦1.2
  3. 前記第1の断面において、前記最終曲面反射面は、前記投射光学系に含まれる複数の光学面のうち前記他端側反射面から最も遠くに位置する光学面であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリアプロジェクタ。
  4. 前記投射光学系は、前記一端側の領域に配置された、
    前記空間光変調素子からの光が入射する、少なくとも1つレンズにより構成される第1の光学系と、
    前記第1の光学系からの光を反射して前記反射光学系に導く一端側反射面とを有し、
    前記第1の光学系は、前記第1の断面における前記スクリーンの法線が延びる方向において、前記第1の基準軸部分又はその延長線と前記スクリーンとの間に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のリアプロジェクタ。
  5. 前記第1の断面において、前記最終曲面反射面と前記他端側反射面との間に射出瞳を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載のリアプロジェクタ。
  6. 前記第1の断面において、前記スクリーンにおける一端に結像する画角の主光線と、前記スクリーンの他端に結像する画角の主光線とが、前記最終曲面反射面と前記他端側反射面との間で交差することを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載のリアプロジェクタ。
  7. 前記第1の断面において、前記両主光線が、前記最終曲面反射面からL/3以内の領域で交差することを特徴とする請求項6に記載のリアプロジェクタ。
  8. 以下の条件を満足することを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載のリアプロジェクタ。
    −0.3≦D/L≦0.4
  9. 前記複数の曲面反射面は、前記スクリーンの法線が延びる方向において前記最終曲面反射面よりも前記スクリーンに近い位置に配置された少なくとも1つの前面側曲面反射面を含んでおり、
    以下の条件を満足することを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載のリアプロジェクタ。
    0<L/(Sθ)≦0.008
    ただし、Lは前記第1の断面において前記少なくとも1つの前面側曲面反射面のうち最も前記スクリーンに近い位置に配置された最前面側曲面反射面と前記基準軸との交点から前記第1の基準軸部分までの最小距離である。
  10. 以下の条件を満足することを特徴とする請求項1から9のいずれか1つに記載のリアプロジェクタ。
    10°≦θ≦20°
  11. 以下の条件を満足することを特徴とする請求項1から10のいずれか1つに記載のリアプロジェクタ。
    10°≦θ≦40°
    ただし、θは、前記第1の断面において、前記基準軸のうち前記最終曲面反射面に入射する基準軸部分と該最終曲面反射面から射出する基準軸部分とのなす角度の絶対値である。
  12. 以下の条件を満足することを特徴とする請求項1から11のいずれか1つに記載のリアプロジェクタ。
    0.5≦2(θ−θ)/θ≦1.2
  13. 以下の条件を満足することを特徴とする請求項1から12のいずれか1つに記載のリアプロジェクタ。
    0°≦|θ−2θ|≦2°
  14. 前記第1の断面において、前記第1の基準軸部分が前記スクリーンに対して平行であることを特徴とする請求項1から13のいずれか1つに記載のリアプロジェクタ。
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