JP2010071676A - 表面電位センサユニット、表面電位センサ、および表面電位センサアレイ - Google Patents

表面電位センサユニット、表面電位センサ、および表面電位センサアレイ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、よりコンパクトで高感度、高分解能の表面電位センサが得られる表面電位センサ素子の提供。
【解決手段】電気光学的効果を有し、光を単一モードで伝搬する2次元導波路であって、一端から偏光が入射される単一モード導波路2と、単一モード導波路2を両面から挟むように設けられた検知電極1および接地電極3と、単一モード導波路2の他端に設けられ、単一モード導波路2の一端から入射した偏光を単一モード導波路の一端に向かって反射するとともに、検知電極1に電気的に接続され、被測定物の表面電位の測定時には被測定物に相対する反射電極4と、を備える表面電位センサユニット。
【選択図】図3

Description

本発明は、表面電位センサユニット、表面電位センサ、および表面電位センサアレイに関する。
電子複写機やレーザプリンタのような電子写真式の画像形成装置においては、露光および現像という画質に決定的に影響する段階で、感光体表面の表面電位の分布が均一であることが良好な画質の画像を得る上で必須である。したがって、これらの画像形成装置では画質を良好に保つべく、感光体表面の表面電位を連続的に測定する必要がある。
感光体表面の表面電位を連続的に測定するセンサとしては表面電位センサがある。表面電位センサのうちでは、表面電位を光学的特性の変化として検出する形態の電気光学的センサは、表面電位を電気的特性の変化として検出する形態のセンサと比較して小型化が容易な点、エネルギー消費が少ない点、および応答が速い点で有利である。
電気光学的センサを用いた表面電位測定装置としては、たとえば、非線形光学結晶と、この非線形光学素子を両側から挟み、その一方が被検体である帯電体と対面して配置され、他方に前記帯電体に対するバイアス電源が配置される対向電極と、この対向電極の対面配置された一方と前記帯電体との間に配置された微細な開口を有する静電遮蔽板と、前記非線形光学結晶に直線偏光の光ビームを射出する手段と、前記非線形光学結晶を透過した光ビームの偏光の測定手段とを有する表面電位の計測装置がある(特許文献1)。
電気光学的センサを用いた表面電位測定装置としては、他に、表面電位を測定すべき被検出試料の表面に対向して配置される検知電極と、前記検知電極に電気的に接続され、ポッケルス効果を有するセンサ素子と、このセンサ素子の出力から上記被検出試料の表面電位を検出する信号処理回路と、上記センサ素子の電圧値を所定のタイミングで保持するホールド回路とを備える非接触型表面電位計がある(特許文献2)
特開平4−105072号公報 特開平8−304498号公報
しかしながら、センサ素子として非線形光学結晶のようなバルク結晶を用いると、十分なポッケルス効果を得るためには、前記センサ素子に高電圧を印加する必要があるとともに、プローブのアパーチャを大きくする必要がある。
したがって、前記センサ素子を用いて感度および分解能の高い表面電位計を作製するのは困難である。
本発明は、上記問題を解決すべく成されたものであり、よりコンパクトで高感度、高分解能の表面電位センサが得られる表面電位センサ素子の提供を目的とする。
請求項1に記載の発明は、電気光学的効果を有し、光を単一モードで伝搬する2次元導波路であって、一端から偏光が入射される単一モード導波路と、前記単一モード導波路を両面から挟むように設けられた検知電極および接地電極と、前記単一モード導波路の他端に設けられ、前記単一モード導波路の一端から入射した偏光を前記単一モード導波路の一端に向かって反射するとともに、前記検知電極に電気的に接続され、被測定物の表面電位の測定時には被測定物に相対する反射電極と、を備える表面電位センサユニットに関する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の表面電位センサユニットにおいて、基板と、前記基板上に形成された下側クラッド層と、前記下側クラッド層の上方に位置する上側クラッド層と、前記下側クラッド層と前記上側クラッド層とに挟まれ、前記上側クラッド層および下側クラッド層の何れよりも大きな屈折率と電気光学的効果とを有するコア層と、を備え、前記単一モード導波路が前記コア層によって形成され、前記検知電極が上側クラッド層の表面に、前記接地電極は前記基板と下側クラッド層との間に形成されているものに関する。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の表面電位センサユニットにおいて、前記単一モード導波路が、前記コア層が前記上側クラッド層に向かってリブ状に突出したリブ構造の導波路であるものに関する。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の表面電位センサユニットにおいて、前記単一モード導波路が、前記コア層が前記下側クラッド層に向かってリブ状に突出した逆リブ構造の導波路であるものに関する。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4の何れか1項に記載の表面電位センサユニットにおいて、前記下側クラッド層、上側クラッド層、およびコア層が何れも有機ポリマーから形成されているものに関する。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか1項に記載の表面電位センサユニットと、前記表面電位センサユニットの偏光子を通して単一モード導波路の一端に偏光を導入する偏光導入手段と、前記光挿入手段によって前記単一モード導波路の一端から導入され、前記光反射電極で反射されて前記単一モード導波路の一端から再び出射する偏光を受光する受光手段と、を備える表面電位センサに関する。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の表面電位センサにおいて、前記光導入手段が、発光素子と、前記発光素子からの光を偏光とする偏光子と、から構成されるものに関する。
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載の表面電位センサにおいて、前記受光手段が、前記単一モード導波路の一端から再び出射する偏光が透過する検光子と、前記検光子を透過した偏光を受光する受光素子と、から構成されるものに関する。
請求項9に記載の発明は、請求項7または8に記載の表面電位センサにおいて、前記偏光子および前記検光子が、前記表面電位センサユニットにおける単一モード導波路の一端に設けられた偏光板であるものに関する。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の表面電位センサにおいて、前記光導入手段および受光手段の一部を構成するとともに、前記発光素子の光を、前記偏光板を通して前記単一モード導波路の一端に導入するとともに、前記単一モード導波路の一端から出射する偏光を、前記偏光板を通して前記受光素子に導入する光サーキュレータを備えるものに関する。
請求項11に記載の発明は、請求項6〜10の何れか1項に記載の表面電位センサを複数備え、前記表面電位センサにおける表面電位センサユニットは、光反射電極を設けた側の端部が被測定物に相対するように配列されている表面電位センサアレイに関する。
請求項1の発明においては、前記単一モード導波路の一端から導入された偏光は、前記単一モード導波路の他端に設けられた反射電極によって再び前記単一モード導波路の一端に戻される。ここで、前記反射電極は検知電極に電気的に接続されているから、前記反射電極を、表面が帯電した被測定物に近接させると、反射電極だけでなく、検知電極にも前記被測定物の表面電位と同一の電位が作用するから、前記表面電位センサユニットはポッケルスセンサとして機能する。したがって、反射電極がプローブとして機能する故に、被測定物に近接させるためのプローブを省略できるから、プローブが外部に突出した物と比較してよりコンパクトな表面電位センサを構成できる表面電位センサユニットが提供される。
請求項2の発明においては、前記単一モード導波路はコア層によって形成され、コア層を伝搬する光は、コア層とクラッド層との境界面で全反射しながら伝搬するから、光がコア層の外に漏洩することがない。したがって、被測定物の表面電位が反射電極を介して検知電極に印加されて生じた電場は、単一モード導波路内を伝搬される光に効果的に及ぼされる。したがって、上記コア−クラッド構造を有しない表面電位センサユニットに比較して感度および分解能の高い表面電位センサの得られる表面電位センサユニットが提供される。
請求項3の発明においては、検知電極に印加された電位によってコア層により大きな電界が生じるから、より高いポッケルス効果がえられる。したがって、感度のより高い表面電位センサの得られる表面電位センサユニットが提供される。
請求項4の発明においては、基板上に接地電極および下側クラッド層を形成したあと、下側クラッド層の表面を適宜の方法でエッチングし、コア層に形成しようとする単一モード導波路等の導波路に対応する凹陥部を形成し、次いでコア層を形成することにより、モード導波層等を形成できる。したがって、何らかの事情により、コア層の表面をエッチング処理できない場合に好適である。
請求項5の発明によれば、コア層およびクラッド層の材質が幅広い範囲から選択できるから、所望の特性を有する表面電位センサユニットを容易に作成できる。
請求項6の発明によれば、反射電極がプローブとして機能する故に、被測定物に近接させるためのプローブを省略できるから、プローブが外部に突出した物と比較してよりコンパクトな表面電位センサが提供される。
請求項7の発明によれば、光源として通常の発光素子を使用した表面電位センサが提供される。
請求項8の発明によれば、単一モード導波路から出射された偏光の強度を測定するのに通常の受光素子を使用した表面電位センサが提供される。
請求項9の発明によれば、単一モード導波路の一端に設けられた1枚の偏光板が前記偏光子および前記検光子として機能するから、前記偏光子および前記検光子を単一モード導波路の一端に設けた表面電位センサと比較してより構成の単純な表面電位センサが提供される。
請求項10の発明によれば、発光素子からの光を単一モード導波路の一端に導入する導波路と、前記単一モード導波路の一端から出射した光を前記受光素子に導入する導波路とを別々に設ける場合に比較して構成がより簡略化された表面電位センサが提供される。
請求項11の発明によれば、電子写真式の画像形成装置における感光体のように寸法が大きな被測定物の表面電位分布を測定できる表面電位センサアレイが提供される。
1.実施形態1
以下、本発明の表面電位センサユニットおよび表面電位センサの一例について説明する。
[構成]
実施形態1に係る表面電位センサ200を構成する表面電位センサユニット100は、図1に示すように、一端から偏光が入射される単一モード導波路2と、単一モード導波路2に相対するように設けられた検知電極1と、単一モード導波路2を挟んで検知電極1の反対側に位置する接地電極3と、単一モード導波路2における偏光が入射する側とは反対側の端部である他端側に設けられた反射電極4と、単一モード導波路2における偏光が入射する側の端部である一端側に設けられた偏光板5とを備える。反射電極4は検知電極1に電気的に接続されている。また、接地電極3は接地されている。
単一モード導波路2は、図1および図2の(a)および(b)に示すように電気光学的効果を有するコア層10によって形成されている。コア層10の下側には下側クラッド層9が、コア層10の上側には上側クラッド層11が設けられている。検知電極1は、上側クラッド層11の上側の面に形成されている。コア層10は、図2の(a)に示すように、上方に突出したリブ構造の導波路であってもよく、反対に図2の(b)にしめすように、下方に突出した逆リブ構造の導波路であってもよい。なお、接地電極3は基板8の上面に形成され、下側クラッド層9は接地電極3の上側の面に形成されている。
表面電位センサ200は、表面電位センサユニット100と、表面電位センサユニット100の側面、上面、および下面を被覆する誘電体層12と、表面電位センサユニット100の他端側、即ち反射電極4が設けられた側の端面を被覆する誘電体層13と、発光素子20と、受光素子22と、発光素子20からの光を表面電位センサユニット100の単一モード導波路2の一端側に入射させるとともに、単一モード導波路2の一端側からの出射光を入射光と分離して受光素子22に導く光サーキュレータ6とを備える。光サーキュレータ6は、導波路7Aによって発光素子20に、導波路7Bによって受光素子22に、導波路7Cによって表面電位センサユニット100に接続されている。
コア層10、上側クラッド層11、および下側クラッド層9の材質としては、アクリル樹脂やエポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、弗素化ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリシロキサン樹脂などの透光性高分子材料、酸化ケイ素、各種ガラス、チタン酸ストロンチウム、ガリウム砒素、インジウム燐など、電場を印加すると屈折率が変化する電気光学効果を有するとともに、変調しようとする光に対して透明な材料であれば、どのようなものも使用できる。なお、前記透光性高分子を使用する場合には、非線形光学効果を発現させるため、電気光学効果を有する色素を分散させるか、または、主鎖や側鎖に非線形光学効果を有する基を結合させることが好ましい。
検知電極1および接地電極3の材質としては、アルミニウム、チタン、金、銅、ITOなど、電極用材料として知られている各種金属材料や金属酸化物が挙げられる。また、反射電極4としては、アルミニウム、チタン、金、銅など、電極用材料として知られている各種金属材料のうち、光を反射させるものが使用される。
本発明の表面電位センサアレイ300は、図5に示すように、被測定物である電子写真式画像形成装置の感光ドラム400に相対するように所定の配列に従って配設された複数個の表面電位センサ200と、表面電位センサ200を所定の位置に保持する基台250とを備える。表面電位センサ200は、反射電極4が設けられた側の端部が感光ドラム400の表面に相対するように配設されている。
表面電位センサ200は、以下の手順で作製することができる。
先ず、基板8を用意する。基板8としては、ガラス基板や石英基板、シリコン基板、ポリイミド基板など任意の材料からなる基板を用いることが可能である。基板8にシランカップリング剤などを塗布すれば、接地電極3との接着性を向上させることができる。
次に、基板8の表面に接地電極3を形成する。接地電極3は、基板8の表面にアルミニウム、チタン、金、銅などの金属を蒸着または鍍金して形成してもよく、また、前記金属の箔を貼り合わせてもよい。
接地電極3が形成されたら、接地電極3の表面に下側クラッド層9を形成する。先ず、接地電極3の表面に、下側クラッド層9を形成する透光性高分子の溶液を塗布する。前記溶液を接地電極3に塗布する方法としては、カーテンコーティング法、押出成形コーティング法、ロールコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法、印刷コーティング法などが挙げられる。上記材料の溶液の溶液を第1の基板に塗布したら、加熱して溶媒を溜去し、必要に応じて反応、硬化させて下側クラッド層9を形成する。
次に、下側クラッド層9の表面にコア層10を形成する。コア層10は、たとえば、コア層10を形成する透光性高分子の溶液を下側クラッド層9の表面に塗布し、加熱、硬化させて形成できる。前記溶液の塗布方法は、下側クラッド層9のところで述べたのと同様の方法が使用される。
コア層10が形成されたら、コア層10に単一モード導波路2を形成する。導波路を形成する手段としては、エッチングなどの手段が挙げられる。また、下側クラッド層9に前記導波路に対応する形状の凹陥部を形成し、その上から透光性高分子の溶液を塗布して加熱、硬化させることにより、前記単一モード導波路2を形成してもよい。
次に、コア層10の上に上側クラッド層11を形成し、更にその上に金属皮膜からなる種電極を形成する。種電極は、接地電極3と同様にして形成できる。種電極は、単一モード導波路2全体を覆うように形成される。
種電極を形成したら、種電極に所定の電圧を印加してコア層10に電場を印加し、コア層10の単一モード導波路2が形成された部分を分極配向処理する。
分極配向処理が終了したら、種電極を除去し、上側クラッド層11の表面に検知電極1を形成し、単一モード導波路2の他端に反射電極4を形成する。なお、種電極を除去する代わりに検知電極1の平面形状にエッチングし、電気鍍金などの手段によって種電極の厚みを増加させて検知電極1を形成してもよい。
検知電極1および反射電極4が形成されたら、得られた表面電位センサユニット100の上面、側面、および下面を誘電体層12で被覆し、反射電極4を形成した側の端面を誘電体層13で被覆する。
次いで、単一モード導波路2の一端に偏光板5を接着し、前記偏光板5に導波路7Cを介して光サーキュレータ6を接続して表面電位センサ200が形成される。
[作用]
表面電位センサ200の作用について以下に説明する。
発光素子20から出射した光は、図4において矢印aに示すように、導波路7A、光サーキュレータ6、および導波路7Cを通り、更に偏光板5を透過して単一モード導波路2の一端に導入される。ここで、発光素子20からの光は、偏光板5を透過することによって偏光の向きが一定である直線偏光になるから、単一モード導波路2に導入される光は直線偏光である。
単一モード導波路2に導入された偏光は、単一モード導波路2内を他端に向かって伝搬される。そして、反射電極4で反射され、矢印bに示すように単一モード導波路2内部を一端に向かって伝搬され、一端において偏光板5を透過して導波路7Cによって光サーキュレータ6に導入される。光サーキュレータ6において出射光は入射光から分離されて導波路7Bを通って受光素子22に導入される。
ここで、反射電極4に電圧が印加されないときは、検知電極1にも電圧は印加されない。したがって、単一モード導波路2においてはポッケルス効果が生じることはないから、屈折率の変化もない。また、偏光が反射電極4に入射する角度は反射電極4に対して実質的に直角であると考えられるから、反射電極4で反射する前後で偏光の向きは変化しない。したがって、単一モード導波路2の一端から入射した偏光と出射した偏光とは偏光の向きが実質的に等しいから、発光素子から出射した光が殆ど同一の強度で受光素子で受光されると考えられる。
一方、反射電極4を、所定の表面電位を有する被測定物に近接させると、反射電極4には被測定物の表面電位に等しい電圧が印加されるから、反射電極4に電気的に接続された検知電極1にも前記電圧と同一の電圧が印加される。これにより、検知電極1と接地電極3との間に電位差が生じ、単一モード導波路2がポッケルス効果を示す。したがって、発光素子20から出射し、偏光板5を通過した偏光は、単一モード導波路2を往復する間に偏光面が回転するから、単一モード導波路2の一端に入射した光と前記一端から出射する光とで偏光の向きが異なる。したがって、偏光板5を透過する出射光の強度は低下する。
単一モード導波路2の内部で偏光面の回転が回転する程度、即ちポッケルス効果の程度は、検知電極1に印加する電圧が高くなればなるほど大きくなるから、受光素子22で検出される光の強さは小さくなる。
ここで単一モード導波路2におけるポッケルス効果の程度は、以下の式(1)で示される。
Figure 2010071676
式(1)で、Δn(E)は電場Eにおいて電気光学的効果によって変化する屈折率nの変化量を、λは単一モード導波路2に導入される光の波長を、Lは単一モード導波路2の長さを示す。
また、屈折率の変化量Δn(E)は、以下の式(2)で示される。
Figure 2010071676
式(2)で、r33は電気光学定数を、Γは、電場Eの方向に沿った電気光学的重なり(electro-optical power overlap)を示す。
式(2)から、表面電位センサの感度を高めるには、ポッケルス素子として機能する部分の電場方向の厚みdを小さくするとともに、電気光学的重なりΓを大きくする必要がある。
本実施形態の表面電位センサ200においては、二次元導波路である単一モード導波路2をポッケルス素子として機能させているが、単一モード導波路2は厚みdが5μ程度であり、二次元導波路である故に電気光学的重なりΓが0.95またはそれ以上とほぼ1に等しいから、厚さが1mm〜1cm程度のバルク結晶をポッケルス素子として使用した場合と比較して極めて高い感度および分解能が得られる。
図1は、実施形態1に係る表面電位センサを構成する表面電位センサユニットの全体的な構成を示す斜視図である。 図2は、図1に示す表面電位センサユニットの構成を示す幅方向の断面図である。 図3は、実施形態1に係る表面電位センサの構成を示す斜視図である。 図4は、実施形態1に係る表面電位センサの作用を示す説明図である。 図5は、実施形態1に係る表面電位センサを用いた表面電位センサアレイの構成を示す斜視図である。
符号の説明
1 検知電極
2 単一モード導波路
3 接地電極
4 反射電極
5 偏光板
6 光サーキュレータ
7A 導波路
7B 導波路
7C 導波路
8 基板
9 下側クラッド層
10 コア層
11 上側クラッド層
12 誘電体層
13 誘電体層
20 発光素子
22 受光素子
100 表面電位センサユニット
200 表面電位センサ
250 基台
300 表面電位センサアレイ
400 感光ドラム

Claims (11)

  1. 電気光学的効果を有し、光を単一モードで伝搬する2次元導波路であって、一端から偏光が入射される単一モード導波路と、
    前記単一モード導波路を両面から挟むように設けられた検知電極および接地電極と、
    前記単一モード導波路の他端に設けられ、前記単一モード導波路の一端から入射した偏光を前記単一モード導波路の一端に向かって反射するとともに、前記検知電極に電気的に接続され、被測定物の表面電位の測定時には被測定物に相対する反射電極と、
    を備える表面電位センサユニット。
  2. 基板と、
    前記基板上に形成された下側クラッド層と、
    前記下側クラッド層の上方に位置する上側クラッド層と、
    前記下側クラッド層と前記上側クラッド層とに挟まれ、前記上側クラッド層および下側クラッド層の何れよりも大きな屈折率と電気光学的効果とを有するコア層と、
    を備え、
    前記単一モード導波路は前記コア層によって形成され、
    前記検知電極は上側クラッド層の表面またはその上方に、前記接地電極は前記基板と下側クラッド層との間に形成されている請求項1に記載の表面電位センサユニット。
  3. 前記単一モード導波路は、前記コア層が前記上側クラッド層に向かってリブ状に突出したリブ構造の導波路である請求項2に記載の表面電位センサユニット。
  4. 前記単一モード導波路は、前記コア層が前記下側クラッド層に向かってリブ状に突出した逆リブ構造の導波路である請求項2に記載の表面電位センサユニット。
  5. 前記下側クラッド層、上側クラッド層、およびコア層は何れも有機ポリマーから形成されている請求項2〜4の何れか1項に記載の表面電位センサユニット。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の表面電位センサユニットと、
    前記表面電位センサユニットの偏光子を通して単一モード導波路の一端に偏光を導入する偏光導入手段と、
    前記光挿入手段によって前記単一モード導波路の一端から導入され、前記光反射電極で反射されて前記単一モード導波路の一端から再び出射する偏光を受光する受光手段と、
    を備える表面電位センサ。
  7. 前記光導入手段は、発光素子と、前記発光素子からの光を偏光とする偏光子と、から構成される請求項6に記載の表面電位センサ。
  8. 前記受光手段は、前記単一モード導波路の一端から再び出射する偏光が透過する検光子と、前記検光子を透過した偏光を受光する受光素子と、から構成される請求項6または7に記載の表面電位センサ。
  9. 前記偏光子および前記検光子は、前記表面電位センサユニットにおける単一モード導波路の一端に設けられた偏光板である請求項7または8に記載の表面電位センサ。
  10. 前記光導入手段および受光手段の一部を構成するとともに、発光素子の光を、前記偏光板を通して前記単一モード導波路の一端に導入するとともに、前記単一モード導波路の一端から出射する偏光を、前記偏光板を通して前記受光素子に導入する光サーキュレータを備える請求項9に記載の表面電位センサ。
  11. 請求項6〜10の何れか1項に記載の表面電位センサを複数備え、前記表面電位センサにおける表面電位センサユニットは、光反射電極を設けた側の端部が被測定物に相対するように配列されている表面電位センサアレイ。
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