JP2010070180A - 車両用システム機器駆動装置 - Google Patents

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JP2010070180A JP2008243213A JP2008243213A JP2010070180A JP 2010070180 A JP2010070180 A JP 2010070180A JP 2008243213 A JP2008243213 A JP 2008243213A JP 2008243213 A JP2008243213 A JP 2008243213A JP 2010070180 A JP2010070180 A JP 2010070180A
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Abstract

【課題】複数の車両機器の操作性を向上させることができる車両用システム機器駆動装置を提供する。
【解決手段】車両には、車両機器として、ウインドガラス昇降装置2、ドアミラー角度調整装置3、スライドドア装置4、サンルーフ装置5及びバックドア装置6が搭載されている。この車両に設けられた車両ドアのウインドガラスには、これら車両機器の動作に対応した複数のスイッチ電極71〜85が集約して配設されている。各スイッチ電極71〜85は、各スイッチ電極71〜85における静電容量を検出し検出した静電容量に応じた接触検知信号を出力する静電容量検出部91に接続されている。そして、信号処理部121は、接触検知信号に基づいてスイッチ電極71〜85のうち何れかのスイッチ電極への運転者の接触を検知すると、運転者に近接されたスイッチ電極に対応した車両機器の動作が行われるよう車両機器の駆動を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両に搭載された複数の車両機器の駆動を制御する車両用システム機器駆動装置に関するものである。
近年、車両には数多くの電動の車両機器が搭載されている。このような車両機器には、例えば、車両ドアのウインドガラスを電動で昇降させるウインドガラス昇降装置、車両のドアを電動で開閉させるスライドドア装置、車室内の温度を調節する空調装置等がある(例えば特許文献1参照)。
国際公開WO96/26570号パンフレット
しかしながら、各車両機器の作動を指示するスイッチは、ダッシュボード、車両ドアの車室内側の側面等、車室内の様々な場所に点在しており、複数の車両機器をシステム機器として見た場合に操作性に欠けるという問題があった。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、複数の車両機器の操作性を向上させることができる車両用システム機器駆動装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、車両に搭載された複数の車両機器の動作に対応して複数設けられ前記車両のウインドガラスに集約して配設されたスイッチ電極と、各前記スイッチ電極と各前記スイッチ電極に近接する導電性の物体との間の静電容量に応じた検出信号をそれぞれ出力する検出手段と、前記検出信号に基づいて複数の前記スイッチ電極のうち何れかの前記スイッチ電極への物体の近接を検知すると、前記物体に近接された前記スイッチ電極に対応した前記車両機器の動作が行われるよう前記車両機器の駆動を制御する制御手段と、を備えた車両用システム機器駆動装置としたことをその要旨としている。
同構成によれば、複数の車両機器の動作を指示するべく各車両機器の動作に対応して設けられた複数のスイッチ電極は、車両のウインドガラスに集約して配設されている。従って、運転者等の車両機器を操作するユーザ(物体)は、複数の車両機器の操作を、ウインドガラスに集約して配設されたスイッチ電極に近接するだけで行うことができるため、少ない動作で複数の車両機器を操作することができる。よって、複数の車両機器の操作性が向上する。尚、本発明において、「スイッチ電極への物体の近接」は、物体がスイッチ電極との間に距離を置いて近づくことだけでなく、スイッチ電極に物体が接触することも意味する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用システム機器駆動装置において、複数の前記スイッチ電極は、前記車両に設けられた複数のウインドガラスのうち、車両ドアに設けられウインドガラス昇降装置の作動により昇降されるウインドガラスに集約されていることをその要旨としている。
同構成によれば、一般的に、ウインドガラス昇降装置によって昇降される車両ドアのウインドガラスは、車両に乗車した搭乗者(即ち車両機器のユーザ)の近傍に位置するため、該搭乗者は、車両機器の動作を指示する際に容易にスイッチ電極に近接することができる。従って、複数の車両機器の操作性がより向上する。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車両用システム機器駆動装置において、前記スイッチ電極は、前記ウインドガラス昇降装置による前記車両ドアの前記ウインドガラスの昇降方向に沿って延びていることをその要旨としている。
同構成によれば、車両ドアのウインドガラスが下降した状態で停止されている場合であっても、同ウインドガラスの昇降範囲内において車両機器のユーザがスイッチ電極に近接できる範囲をより広くすることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の車両用システム機器駆動装置において、前記スイッチ電極には透明電極が用いられていることをその要旨としている。
同構成によれば、スイッチ電極が搭乗者の視界の妨げとなることが防止される。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の車両用システム機器駆動装置において、各前記スイッチ電極を照らす照明手段を備えたことをその要旨としている。
同構成によれば、照明手段によってスイッチ電極が照らされることにより、車両機器のユーザは、ウインドガラスにおいて車両機器の動作を指示するために近接する場所を特定しやすくなる。また、外部が暗い場合であっても、照明手段によって照らされた場所に近接することにより容易にスイッチ電極に近接することができるため、複数の車両機器の操作性が更に向上する。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の車両用システム機器駆動装置において、前記車両機器の作動を指示する際の指標となる車両情報を前記スイッチ電極が配設された前記ウインドガラスに表示する発光手段を備えたことをその要旨としている。
同構成によれば、車両機器のユーザは、ウインドガラスを目視することにより車両情報を認識でき、認識した車両情報に基づいてより的確に車両機器を操作することができるため、複数の車両機器の操作性が一層向上する。
請求項7に記載の発明は、請求項2乃至請求項6の何れか1項に記載の車両用システム機器駆動装置において、複数の前記スイッチ電極は、前記車両に設けられた複数のウインドガラスのうち、車両ドアに設けられウインドガラス昇降装置の作動により昇降されるウインドガラスに集約されており、前記ウインドガラス昇降装置による前記ウインドガラスの上昇時の進行方向前方側の閉側端部に沿ってセンサ電極が配置され、前記センサ電極と前記センサ電極に近接する導電性の異物との間の静電容量に応じたセンサ検出信号を出力するセンサ電極側検出手段と、前記検出信号に基づく第1の検出値と前記センサ検出信号に基づく第2の検出値との差分に基づいて前記閉側端部に近接する異物を検知する異物検知手段と、を備えたことをその要旨としている。
同構成によれば、異物検知手段は、スイッチ電極を用いて検出される静電容量に応じた検出信号に基づく第1の検出値と、センサ電極を用いて検出される静電容量に応じたセンサ検出信号に基づく第2の検出値との差分に基づいて、閉側端部に近接する異物の検知を行う。従って、センサ電極を用いて検出される静電容量に応じた第1の検出値のみに基づいて異物の検知を行う場合に比べて異物の誤検知を低減させることができる。
本発明によれば、複数の車両機器の操作性を向上させることができる車両用システム機器駆動装置を提供できる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した車両用システム機器駆動装置の第1実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態の車両用システム機器駆動装置を搭載した車両1の平面図を示す。この車両1には、図2に示すように、車両機器として、ウインドガラス昇降装置2、ドアミラー角度調整装置3、スライドドア装置4、サンルーフ装置5及びバックドア装置6が搭載されている。
まず、ウインドガラス昇降装置2について詳述する。図3は、車両1において運転席の右側方に該運転席と隣接して設けられた車両ドア20の概略構成図である。図3に示すように、ウインドガラス昇降装置2は、車両ドア20内に配置されるとともに、ウインドモータ21と、該ウインドモータ21の回転駆動によりウインドガラス22を昇降作動させるXアーム式のウインドレギュレータ23を備えている。
ウインドモータ21は、直流モータと減速機構とが一体に構成されたギヤードモータにて構成されている。そして、該ウインドモータ21の駆動力が伝達されるウインドレギュレータ23は、Xアームを構成する一対のアーム24a,24bと、各アーム24a,24bの上端に跨るように取り付けられた棒状の支持ベース25とを有し、一方のアーム24aの下端に設けられたセクタギヤ26が前記ウインドモータ21の出力ギヤ21aに噛合している。また、支持ベース25の両端には、ウインドガラス22の下端部に互いに所定間隔を有して固着された2つのガラスホルダ27a,27bがそれぞれ螺子等により固定されている。そして、ウインドモータ21が駆動されると、その駆動力が出力ギヤ21aを通じてセクタギヤ26に入力され、これにより一対のアーム24a,24bが上下方向に伸縮して、支持ベース25が水平を維持しつつ上下方向に移動する。この支持ベースの上下方向の移動に伴って、ガラスホルダ27a,27bを介して保持されたウインドガラス22の昇降作動が行われる。
また、ウインドガラス昇降装置2は、ウインドガラス22の上端面22aに近接する導電性の異物Xを検知する挟み込み検知センサを備えるとともに、ウインドガラス22の上端面22aには、該挟み込み検知センサを構成するシート状のセンサ電極28がウインドガラス22の上端面22a全体に亘って貼着されている。この挟み込み検知センサは、異物Xの近接により静電容量が変化する静電容量型の近接センサにて構成されており、センサ電極28は、静電容量を検知するためのものである。そして、センサ電極28は、挟み込み検知センサを構成する静電容量検出部29(図2参照)に電気的に接続されるとともに、静電容量検出部29は、例えば車両ドア20の内部に配置されている。そして、静電容量検出部29は、センサ電極28を用いてウインドガラス22の上端部付近の静電容量を検出し、検出した静電容量値に応じたレベルのセンサ検出信号を後述の信号処理部121(図2参照)に出力する。尚、静電容量検出部29にて検出される静電容量は、図4に示すように、センサ電極28と導電性の異物Xとの間の距離に応じた値であり、センサ電極28と導電性の異物Xとの間の距離が短いほど静電容量検出部29にて検出される静電容量値が小さくなる。
図1及び図2に示すように、前記ドアミラー角度調整装置3は、運転席側の車両ドア20の前端部に設けられた運転席側ドアミラー31、及び助手席側の車両ドア32の前端部に設けられた助手席側ドアミラー33の角度調節及び格納・復帰動作を行うためのものである。尚、運転席側ドアミラー31及び助手席側ドアミラー33は、運転席に着座した運転者が車両1の側方を視認するためのものである。ドアミラー角度調整装置3は、運転席側ドアミラー31及び助手席側ドアミラー33の近傍にそれぞれ配置される複数の駆動モータ(図示略)と、これら駆動モータの駆動力を減速して各ドアミラー31,33に伝達する伝達機構(図示略)とを備えている。複数の駆動モータは、運転席側ドアミラー31の上下方向の角度(即ち水平な軸を中心とした角度)を調節するための駆動モータと、運転席側ドアミラー31の右方向の角度(上下方向に延びる軸を中心とした角度)を調節するための駆動モータと、運転席側ドアミラー31を格納・復帰させるための駆動モータと、助手席側ドアミラー33の上下方向の角度を調節するための駆動モータと、助手席側ドアミラー33の右方向の角度を調節するための駆動モータと、助手席側ドアミラー33を格納・復帰させるための駆動モータである。そして、ドアミラー角度調整装置3では、各駆動モータの回転量に応じて運転席側ドアミラー31若しくは助手席側ドアミラー33の上下方向若しくは左右方向の角度が変更されたり、運転席側ドアミラー31及び助手席側ドアミラー33が格納されたり、格納状態から元の位置まで復帰されたりする。尚、格納状態とは、運転席側ドアミラー31及び助手席側ドアミラー33が最大限車室内側に向けて回動された状態である。
前記スライドドア装置4は、車両1の左側側面に設けられた四角形状の乗降口41を、該乗降口41に対応した四角形の板状をなすスライドドア42を電動で前後方向にスライド移動させて開閉するものである。スライドドア装置4は、スライドドア42に駆動力を付与するスライドモータ(図示略)を有し、該スライドモータが駆動されるとスライドドア42が車両1の左側側面に設けられたレール(図示略)に案内されて前後方向にスライド移動されるように構成されている。
前記サンルーフ装置5は、車両1の天井部51に設けられた四角形状の開口部52を、該開口部に対応した四角形の板状をなすルーフ開閉体53を電動で前後方向に略スライド移動させて開閉するものである。サンルーフ装置5は、ルーフ開閉体53に駆動力を付与する開閉駆動モータ(図示略)を有し、該開閉駆動モータが駆動されるとルーフ開閉体53が天井部51に設けられたレール(図示略)に案内されて略前後方向に移動可能に構成されている。
前記バックドア装置6は、車両1の後部に設けられた後部開口部61を、跳ね上げ式のバックドア62を電動で上下方向に回動させて開閉するものである。バックドア装置6は、バックドア62に駆動力を付与するバックドア駆動モータ(図示略)を有し、該バックドア駆動モータが駆動されるとバックドア62が該バックドア62の上端部を回動中心として回動されるように構成されている。
また、図2及び図3に示すように、運転席の右側方に設けられた前記車両ドア20のウインドガラス22には、ウインドガラス昇降装置2、ドアミラー角度調整装置3、スライドドア装置4、サンルーフ装置5及びバックドア装置6の動作を指示するための複数のスイッチ電極71〜85が集約して配設されている。これらスイッチ電極71〜85は、透明電極にて構成され、ウインドガラス昇降装置2によるウインドガラス22の昇降方向に沿って延びる帯状をなすとともに、ウインドガラス22の車室内側の面に同ウインドガラス22の上端から下端に渡って貼着されている。また、これらスイッチ電極71〜85は、車両1の前後方向に一定の間隔を開けて等間隔に配設されている。本実施形態では、車両1の前方側に設けられたスイッチ電極71から順に、スイッチ電極71は、ドアミラー角度調整装置3において角度調整を行うドアミラーを運転席側ドアミラー31に指定するためのスイッチとして用いられ、スイッチ電極72は、ドアミラー角度調整装置3において角度調整を行うドアミラーを助手席側ドアミラー33に指定するためのスイッチとして用いられ、スイッチ電極73は、運転席側ドアミラー31及び助手席側ドアミラー33の格納・復帰を指示するためのスイッチとして用いられる。そして、スイッチ電極74は、指定された運転席側ドアミラー31若しくは助手席側ドアミラー33を上方に向けて回動させることを指示するためのスイッチとして用いられ、スイッチ電極75は、指定された運転席側ドアミラー31若しくは助手席側ドアミラー33を下方に向けて回動させることを指示するためのスイッチとして用いられる。また、スイッチ電極76は、指定された運転席側ドアミラー31若しくは助手席側ドアミラー33を左に向けて回動させることを指示するためのスイッチとして用いられ、スイッチ電極77は、指定された運転席側ドアミラー31若しくは助手席側ドアミラー33を右に向けて回動させることを指示するためのスイッチとして用いられる。また、スイッチ電極78は、ウインドガラス昇降装置2に対しウインドガラス22の上昇を指示するためのスイッチとして用いられ、スイッチ電極79は、ウインドガラス22の下降を指示するためのスイッチとして用いられる。また、スイッチ電極80は、スライドドア装置4に対しスライドドア42の開作動を指示するためのスイッチとして用いられ、スイッチ電極81は、スライドドア42の閉作動を指示するためのスイッチとして用いられる。また、スイッチ電極82は、サンルーフ装置5に対しルーフ開閉体53の開作動を指示するためのスイッチとして用いられ、スイッチ電極83は、ルーフ開閉体53の閉作動を指示するためのスイッチとして用いられる。更に、スイッチ電極84は、バックドア装置6に対しバックドア62の開作動を指示するためのスイッチとして用いられ、スイッチ電極85は、バックドア62の閉作動を指示するためのスイッチとして用いられる。これら各スイッチ電極71〜85は、後述の信号処理部121に電気的に接続された静電容量検出部91にそれぞれ電気的に接続されるとともに、静電容量検出部91は、各スイッチ電極71〜85にて検出した静電容量値に応じたレベルの接触検知信号(検出信号)を信号処理部121に出力する。
また、各スイッチ電極71〜85は、照射装置101によって照射される。この照射装置101は、車両ドア20内に配置され、各スイッチ電極71〜85をそれぞれ個別に照射する。尚、図3では、照射装置101による照射部位を破線の丸にて図示している。更に、図1及び図2に示すように、車両1の運転者が着席する車両シート111内若しくは同車両シート111の近傍には、該車両シート111に運転者が着座したことを検知する着座センサ112が設けられている。着座センサ112は、例えば、車両シート111において運転者が着座するシートクッション111a上に設けられた圧力センサにより構成され、運転者の着座の有無に応じた着座検出信号を出力する。
また、車両ドア20内には、上記したスイッチ電極71〜85、静電容量検出部91、照射装置101及び着座センサ112と共に車両用システム機器駆動装置を構成する信号処理部121が設けられている。信号処理部121は、スイッチ電極71〜85を用いて検出される静電容量値に応じた接触検知信号に基づいて、車両機器(即ち、ウインドガラス昇降装置2、ドアミラー角度調整装置3、スライドドア装置4、サンルーフ装置5及びバックドア装置6)の動作を制御するものである。
信号処理部121は、ROM(Read only Memory)、RAM(Random access Memory)等を備えマイクロコンピュータとしての機能を有し、車両1のバッテリ(図示略)から電源の供給を受けている。そして、信号処理部121には、上記したウインドガラス昇降装置2、ドアミラー角度調整装置3、スライドドア装置4、サンルーフ装置5及びバックドア装置6を構成する各モータが電気的に接続されるとともに、照射装置101が電気的に接続されている。
また、信号処理部121は、車両1に搭載された電子キーシステムのスマートECU131に電気的に接続されている。電子キーシステムは、電子キー132を携帯した運転者等のユーザが車両1に近づくと車両1のドアロックが解錠され、ユーザが車両1から遠ざかると車両1のドアロックが施錠されるキーレスエントリ機能や、キーをシリンダに差し込まなくてもイグニッションスイッチを回すとエンジンが始動されるイグニッション機能等を備えたものである。スマートECU131は、電子キー132が発信するIDコードを受信すると、スマートECU131に備えられたメモリに記憶されたIDコードと電子キー132が発信したIDコードとを照合し、その照合結果に応じた照合信号を信号処理部121に出力する。
また、信号処理部121は、接触検知信号に基づいてスイッチ電極71〜85の何れかが運転者等の車両機器のユーザ(物体)に接触されたことを検知する。例えば、信号処理部121は、静電容量検出部91から入力される接触検知信号の電圧値が所定の閾値を超えた場合にスイッチ電極71〜85の何れかに運転者が接触したと判定する。
そして、信号処理部121は、IDコードの照合が正しい場合(即ち電子キー132からのIDコードとスマートECU131のメモリに記憶されたIDコードとが一致した場合)であって、前記着座センサ112からの着座検出信号に基づいて運転席の車両シート111に運転者が着座していると判定した場合に、前記照射装置101を駆動してスイッチ電極71〜85を照射させる。また、信号処理部121は、IDコードの照合が正しい場合であって、着座検出信号に基づいて運転席の車両シート111に運転者が着座していると判定した場合に、接触検知信号に基づいてスイッチ電極71〜85の何れかが接触されたことを検知すると、接触されたスイッチ電極に対応する車両機器(即ち、ウインドガラス昇降装置2、ドアミラー角度調整装置3、スライドドア装置4、サンルーフ装置5及びバックドア装置6の何れか)の動作が指示されたと判断し、当該スイッチ電極に対応する動作を行うべく車両機器を制御する。
また、信号処理部121は、ウインドガラス22の上昇時にウインドガラス22と車両ドア20の上部の窓枠部20aとの間への異物Xの挟み込みを防止する挟み込み防止制御を行っている。詳述すると、信号処理部121は、前記センサ電極28が接続された静電容量検出部29から入力されるセンサ検出信号の電圧値(第2の検出値)と、スイッチ電極71〜85が接続された静電容量検出部91から入力される接触検知信号の電圧値(第1の検出値)とを比較し、その比較結果に基づいてウインドガラス22の上端部に近接する導電性の異物Xの有無を判定する。一般的に、導電性の異物Xが上昇中のウインドガラス22の上端部に近接することにより同異物Xがセンサ電極28に近接すると、センサ電極28と導電性の異物Xとの間の距離が小さくなるためにセンサ電極28と異物Xとの間で静電容量が急激に大きくなるため、静電容量検出部29にて検出される静電容量の値が変化する。その結果、各スイッチ電極71〜85が接続された静電容量検出部91から入力される接触検知信号の電圧値と、センサ電極28が接続された静電容量検出部29から入力されるセンサ検出信号の電圧値との差分が増大する。信号処理部121は、この差分が所定の閾値よりも大きくなると、上昇させていたウインドガラス22と車両ドア20の窓枠部20aとの間に異物Xの挟み込みが生じ得る、若しくは実際に挟み込みが生じていると判定し、該判定によりウインドモータ21を反転駆動させてウインドガラス22を下降させる。
次に、図5に示すフローチャート及び図2を参照して信号処理部121が行うシステム機器駆動処理を説明する。
ステップS10において、信号処理部121は、スマートECU131が出力した照合信号に基づいて、電子キー132が発信したIDコードとスマートECU131のメモリに記憶されたIDコードとが一致したか否かを判定する。信号処理部121は、電子キー132が発信したIDコードとスマートECU131のメモリに記憶されたIDコードとが一致した場合(ステップS10:YES)にはステップS20に進む。
ステップS20において、信号処理部121は、着座センサ112が出力した着座検出信号に基づいて運転席の車両シート111に運転者が着座したか否かを判定する。車両シート111に運転者が着座している場合(ステップS20:YES)には、信号処理部121はステップS30に進む。
ステップS30において、信号処理部121は、静電容量検出部91が出力した接触検知信号に基づいてスイッチ電極71〜85の何れかのスイッチ電極に運転者が接触したか否かを判定する。スイッチ電極71〜85の何れかのスイッチ電極に運転者が接触したと判定した場合、即ちスイッチ電極71〜85の何れかのスイッチ電極に運転者が接触したことが検知された場合(ステップS30:YES)には、信号処理部121はステップS40に進む。
ステップS40において、信号処理部121は、ステップS30において運転者の接触が検知されたスイッチ電極に対応した車両機器の動作を実行する。即ち、ステップS30においてスイッチ電極71に運転者が接触したことが検知された場合には、信号処理部121は、運転席側ドアミラー31の角度調整を可能な状態とする。また、ステップS30においてスイッチ電極72に運転者が接触したことが検知された場合には、信号処理部121は、運転席側ドアミラー31の角度調整を可能な状態とする。また、ステップS30においてスイッチ電極73に運転者が接触したことが検知された場合には、ドアミラー角度調整装置3を駆動して運転席側ドアミラー31及び助手席側ドアミラー33を格納(運転席側ドアミラー31及び助手席側ドアミラー33が格納状態にある場合には復帰)させる。また、ステップS30においてスイッチ電極74に運転者が接触したことが検知された場合には、信号処理部121は、ドアミラー角度調整装置3を駆動して、前記スイッチ電極71若しくは前記スイッチ電極72にて選択された運転席側ドアミラー31若しくは助手席側ドアミラー33を上方に向かって回動させる。また、ステップS30においてスイッチ電極75に運転者が接触したことが検知された場合には、信号処理部121は、ドアミラー角度調整装置3を駆動して、前記スイッチ電極71若しくは前記スイッチ電極72にて選択された運転席側ドアミラー31若しくは助手席側ドアミラー33を下方に向かって回動させる。また、ステップS30においてスイッチ電極76に運転者が接触したことが検知された場合には、信号処理部121は、ドアミラー角度調整装置3を駆動して、前記スイッチ電極71若しくは前記スイッチ電極72にて選択された運転席側ドアミラー31若しくは助手席側ドアミラー33を左に向かって回動させる。また、ステップS30においてスイッチ電極77に運転者が接触したことが検知された場合には、信号処理部121は、ドアミラー角度調整装置3を駆動して、前記スイッチ電極71若しくは前記スイッチ電極72にて選択された運転席側ドアミラー31若しくは助手席側ドアミラー33を右に向かって回動させる。また、ステップS30においてスイッチ電極78に運転者が接触したことが検知された場合には、信号処理部121は、ウインドガラス昇降装置2を駆動してウインドガラス22を上昇させる。また、ステップS30においてスイッチ電極79に運転者が接触したことが検知された場合には、信号処理部121は、ウインドガラス昇降装置2を駆動してウインドガラス22を下降させる。また、ステップS30においてスイッチ電極80に運転者が接触したことが検知された場合には、信号処理部121は、スライドドア装置4を駆動してスライドドア42を開作動させる。また、ステップS30においてスイッチ電極81に運転者が接触したことが検知された場合には、信号処理部121は、スライドドア装置4を駆動してスライドドア42を閉作動させる。また、ステップS30においてスイッチ電極82に運転者が接触したことが検知された場合には、信号処理部121は、サンルーフ装置5を駆動してルーフ開閉体53を開作動させる。また、ステップS30においてスイッチ電極83に運転者が接触したことが検知された場合には、信号処理部121は、サンルーフ装置5を駆動してルーフ開閉体53を開作動させる。また、ステップS30においてスイッチ電極84に運転者が接触したことが検知された場合には、信号処理部121は、バックドア装置6を駆動してバックドア62を開作動させる。また、ステップS30においてスイッチ電極85に運転者が接触したことが検知された場合には、信号処理部121は、バックドア装置6を駆動してバックドア62を閉作動させる。そして、接触が検知されたスイッチ電極に対応した車両機器の動作が完了すると、信号処理部121はシステム機器駆動処理を終了する。
一方、前記ステップS10において、電子キー132が発信したIDコードとスマートECU131のメモリに記憶されたIDコードとが一致したことが確認されない場合(ステップS10:NO)には、信号処理部121はステップS10を繰り返す。
また、前記ステップS20において、車両シート111に運転者が着座していない場合(ステップS20:NO)には、信号処理部121はステップS10に進む。
また、前記ステップS30において、スイッチ電極71〜85の何れにも運転者が接触したことが検知されない場合(ステップS30:NO)には、信号処理部121はステップS10に進む。
上記したように、本第1実施形態によれば、以下の作用効果を有する。
(1)複数の車両機器(即ち、ウインドガラス昇降装置2、ドアミラー角度調整装置3、スライドドア装置4、サンルーフ装置5及びバックドア装置6)の動作を指示するべく各車両機器の動作に対応して設けられた15個のスイッチ電極71〜85は、車両ドア20のウインドガラス22に集約して配設されている。従って、運転者等の車両機器を操作するユーザは、複数の車両機器の操作を、ウインドガラス22に集約して配設されたスイッチ電極71〜85に接触するだけで行うことができるため、少ない動作で複数の車両機器を操作することができる。よって、複数の車両機器の操作性が向上する。
(2)車両機器の動作を指示するためのスイッチ電極71〜85は、運転席の右側方に設けられた車両ドア20のウインドガラス22に集約して配設されている。車両ドア20のウインドガラス22は、車両に乗車した運転者(即ち車両機器のユーザの一人)の近傍に位置するため、運転者は、車両機器の動作を指示する際に容易にスイッチ電極71〜85に接触することができる。従って、複数の車両機器の操作性がより向上する。
(3)各スイッチ電極71〜85は、ウインドガラス昇降装置2によるウインドガラス22の昇降方向に沿って延びるとともに、ウインドガラス22の上端から下端に亘って貼着されている。そのため、ウインドガラス22が完全に下降されている場合(即ちウインドガラス22の全体が車両ドア20の内部に収容された状態)を除いて、ウインドガラス22の昇降位置にかかわらず、運転者はスイッチ電極71〜85に接触して車両機器の動作を指示することができる。
(4)スイッチ電極71〜85は透明電極よりなるため、スイッチ電極71〜85が車両1の搭乗者の視界の妨げとなることが防止される。
(5)照射装置101によってスイッチ電極71〜85が照射されることにより、車両機器のユーザである運転者は、ウインドガラス22において車両機器の動作を指示するために接触する場所を特定しやすくなる。また、外部が暗い場合であっても、照射装置101によって照射された場所に接触することにより容易にスイッチ電極71〜85に接触することができるため、複数の車両機器の操作性が更に向上する。
(6)信号処理部121は、スイッチ電極71〜85を用いて静電容量に応じた接触検知信号の電圧値と、センサ電極28を用いて静電容量に応じたセンサ検出信号の電圧値との差分に基づいて、ウインドガラス22の上端部に近接する異物Xの検知を行う。従って、センサ電極28を用いて検出される静電容量に応じたセンサ検出信号の電圧値のみに基づいて異物Xの検知を行う場合に比べて、ウインドガラス22の上端部に近接して挟み込まれる可能性のある異物Xのみを検知しやすくなり、異物Xの誤検知を低減させることができる。
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した車両用システム機器駆動装置の第2実施形態を図面に従って説明する。尚、本第2実施形態において上記第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図6に示すように、本第2実施形態の車両用システム機器駆動装置においては、上記第1実施形態と比べてウインドガラス22に集約して配置されるスイッチ電極の態様が異なっている。ウインドガラス22における車室内側の面に無機EL素子を用いた発光装置151が配設され、当該発光装置151によって、車両1(図1参照)の平面図(車両画像152)が発光して表示されるようになっている。そして、ウインドガラス22に集約して配設される5個のスイッチ電極161〜165は、それぞれ車両機器(ドアミラー角度調整装置3、スライドドア装置4及びバックドア装置6)の動作に対応して設けられるとともに、ウインドガラス22において、車両画像152における各車両機器によって作動される作動対象の画像に対応する位置に固着されている。即ち、運転席側ドアミラー31及び助手席側ドアミラー33の格納・復帰を指示するためのスイッチ電極161は、車両画像152において運転席側ドアミラー31の画像に対応する位置に設けられている。そして、スライドドア42の電動での開作動を指示するためのスイッチ電極162及び同スライドドア42の電動での閉作動を指示するためのスイッチ電極163は、車両画像152においてスライドドア42の画像に対応する位置に設けられている。更に、バックドア62の電動での開作動を指示するためのスイッチ電極164及び同バックドア62の電動での閉作動を指示するためのスイッチ電極165は、車両画像152においてバックドア62の画像に対応する位置に設けられている。そして、各スイッチ電極161〜165は、上記第1実施形態のスイッチ電極71〜85と同様に、透明電極にて構成されるとともに、それぞれ静電容量検出部29に電気的に接続されている。
図7に示すように、車両ドア20内に配置されてスイッチ電極161〜165、静電容量検出部91、発光装置151及び着座センサ112と共に車両用システム機器駆動装置を構成する信号処理部171は、上記第1実施形態の信号処理部121と同様に、ROM(Read only Memory)、RAM(Random access Memory)等を備えマイクロコンピュータとしての機能を有し、車両1のバッテリ(図示略)から電源の供給を受けている。そして、信号処理部171には、ドアミラー角度調整装置3、スライドドア装置4及びバックドア装置6に備えられた各モータ、静電容量検出部29、発光装置151、着座センサ112が電気的に接続されるとともに、信号処理部171は、スマートECU131に電気的に接続されている。
また、信号処理部171は、接触検知信号に基づいてスイッチ電極161〜165の何れかが接触されたことを検知する。例えば、信号処理部171は、静電容量検出部91から入力される接触検知信号の電圧値が所定の閾値を超えた場合にスイッチ電極161〜165の何れかに運転者が接触したと判定する。
そして、信号処理部171は、スイッチ電極161〜165を用いて検出される静電容量に応じた接触検知信号に応じて、ドアミラー角度調整装置3、スライドドア装置4、バックドア装置6及び発光装置151の動作を制御する。詳述すると、信号処理部171は、電子キー132からのIDコードとスマートECU131のメモリに記憶されたIDコードとが一致した場合(IDコードの照合が正しい場合)であって、着座センサ112からの着座検出信号に基づいて運転席の車両シート111に運転者が着座していない(即ち車両シート111から運転者が離座している)と判定した場合に、発光装置151の無機EL素子に交流電圧を印加して(図8参照)車両画像152を表示する。尚、図8には、複数のスイッチ電極161〜165のうち、代表として2つのスイッチ電極164,165のみを図示している。また、信号処理部171は、IDコードの照合が正しい場合であって、着座検出信号に基づいて運転席の車両シート111に運転者が着座していないと判定した場合に、接触検知信号に基づいてスイッチ電極161〜165の何れかが接触されたことを検知すると、接触されたスイッチ電極に対応する車両機器(即ち、ドアミラー角度調整装置3、スライドドア装置4及びバックドア装置6の何れか)の動作が指示されたと判断し、当該スイッチ電極に対応する動作を行うべく車両機器を制御する。尚、信号処理部171は、発光装置151を駆動した後に、スマートECU131において電子キー132からIDコードを受信しなくなる等によりIDコードの認証が成立しなくなると発光装置151を停止させる。
次に、図9に示すフローチャート及び図7を参照して、信号処理部171が行うシステム機器駆動処理を説明する。
ステップS60において、信号処理部171は、スマートECU131が出力した照合信号に基づいて、電子キー132が発信したIDコードとスマートECU131のメモリに記憶されたIDコードとが一致したか否かを判定する。信号処理部171は、電子キー132が発信したIDコードとスマートECU131のメモリに記憶されたIDコードとが一致した場合(ステップS60:YES)にはステップS70に進む。
ステップS70において、信号処理部171は、着座センサ112が出力した着座検出信号に基づいて運転席の車両シート111から運転者が離座したか否かを判定する。車両シート111から運転者が離座している場合(ステップS70:YES)には、信号処理部171はステップS80に進む。
ステップS80において、信号処理部171は、静電容量検出部91が出力した接触検知信号に基づいてスイッチ電極161〜165の何れかのスイッチ電極に運転者が接触したか否かを判定する。スイッチ電極161〜165の何れかのスイッチ電極に運転者が接触したと判定した場合、即ちスイッチ電極161〜165の何れかのスイッチ電極に運転者が接触したことが検知された場合(ステップS80:YES)には、信号処理部171はステップS90に進む。
ステップS90において、信号処理部171は、ステップS80において接触が検知されたスイッチ電極に対応した車両機器の動作を実行する。即ち、ステップS80においてスイッチ電極161に運転者が接触したことが検知された場合には、ドアミラー角度調整装置3を駆動して運転席側ドアミラー31及び助手席側ドアミラー33を格納(運転席側ドアミラー31及び助手席側ドアミラー33が格納状態にある場合には復帰)させる。また、ステップS80においてスイッチ電極162に運転者が接触したことが検知された場合には、信号処理部171は、スライドドア装置4を駆動してスライドドア42を開作動させる。また、ステップS80においてスイッチ電極163に運転者が接触したことが検知された場合には、信号処理部171は、スライドドア装置4を駆動してスライドドア42を閉作動させる。また、ステップS80においてスイッチ電極164に運転者が接触したことが検知された場合には、信号処理部171は、バックドア装置6を駆動してバックドア62を開作動させる。また、ステップS80においてスイッチ電極165に運転者が接触したことが検知された場合には、信号処理部171は、バックドア装置6を駆動してバックドア62を閉作動させる。そして、接触が検知されたスイッチ電極に対応した車両機器の動作が完了すると、信号処理部171はシステム機器駆動処理を終了する。
一方、前記ステップS60において、電子キー132が発信したIDコードとスマートECU131のメモリに記憶されたIDコードとが一致したことが確認されない場合(ステップS60:NO)には、信号処理部171はステップS60を繰り返す。
また、前記ステップS70において、車両シート111に運転者が着座している場合(ステップS70:NO)には、信号処理部171はステップS60に進む。
また、前記ステップS80において、スイッチ電極161〜165の何れにも運転者が接触したことが検知されない場合(ステップS80:NO)には、信号処理部171はステップS60に進む。
上記したように、本第2実施形態によれば、上記第1実施形態の(1),(2),(4)と同様の作用効果に加えて以下の作用効果を有する。
(1)発光装置151によって車両画像152が発光して表示されるため、車両1が暗い場所に停車されている場合であっても、車両画像152に対応して配設されたスイッチ電極161〜165の場所を容易に特定することができる。その結果、複数の車両機器の操作性が更に向上する。
(2)スイッチ電極161〜165は、ウインドガラス22において、車両画像152における各車両機器によって作動される作動対象の画像に対応する位置にそれぞれ固着されている。従って、運転者等の車両機器のユーザは、操作したい車両機器とスイッチ電極との対応を容易に取ることができるため、複数の車両機器の操作性が一層向上する。
(3)信号処理部171にて行われるスイッチ電極161〜165にユーザが接触したか否かの判定は、スイッチ電極161〜165を用いて検出される静電容量に基づいて行われている。そのため、スイッチ電極161〜165のうち操作したい車両機器に対応したスイッチ電極における静電容量を変化させれば当該車両機器を操作することができるため、車室外からでも車両機器を操作することができる。よって、運転者は、車両1から降りた後でも、運転席側ドアミラー31及び助手席側ドアミラー33を格納すべくドアミラー角度調整装置3を作動させる等、車両機器の操作を行うことができる。
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記第1実施形態では、信号処理部121は、センサ電極28が接続された静電容量検出部29から入力されるセンサ検出信号の電圧値と、スイッチ電極71〜85が接続された静電容量検出部91から入力される接触検知信号の電圧値とを比較し、その比較結果に基づいてウインドガラス22の上端部に近接する導電性の異物Xの有無を判定する。しかしながら、信号処理部121にて行われるウインドガラス22の上端部に近接する異物Xを検知する方法はこれに限らない。例えば、信号処理部121は、センサ電極28を用いて検出された静電容量に基づくセンサ検出信号の電圧値と、ウインドガラス22の上端部に近接する異物Xを検知するための所定の閾値とを比較し、その比較結果に基づいて異物Xの有無を判定するように構成されてもよい。また、信号処理部121は、センサ検出信号に基づいて静電容量の変化量(第1の検出値)を算出するとともに、接触検知信号に基づいて静電容量の変化量(第2の検出値)を算出し、これら静電容量の変化量の差分に基づいてウインドガラス22の上端部に近接する導電性の異物Xの有無を判定するように構成されてもよい。
・上記第1実施形態において、ウインドガラス昇降装置2は、センサ電極28及び静電容量検出部29を備えない構成としてもよい。この場合には、信号処理部121は、挟み込み防止制御を行わない。
・上記第2実施形態では、発光装置151は、無機EL素子を用いた構成であるが、有機EL素子を用いた構成であってもよい。
・上記各実施形態の車両用システム機器駆動装置は、車両機器の作動を指示する際の指標となる車両情報をスイッチ電極71〜85(若しくはスイッチ電極161〜165)が集約して配設されたウインドガラス22に表示するように構成されてもよい。例えば、上記第1実施形態の車両用システム機器駆動装置において、スライドドア装置4の動作を指示するためのスイッチ電極80,81を、スライドドア42によって乗降口41が完全に閉鎖されているときと、乗降口41が開放されているときとで、照射装置101によって異なる色の光で照射するように構成してもよい。このようにすると、運転者は、スイッチ電極80,81を照射する光の色(即ち車両情報)を目視することにより、スライドドア42の状態を容易に把握することができる。その結果、運転者は、スイッチ電極80,81を照射する光の色に基づいて、より的確にスライドドア装置4を操作することができ、スライドドア装置4の操作性が一層向上する。スイッチ電極82〜85についても同様に、照射装置101によって、ルーフ開閉体53及びバックドア62の開閉位置に応じた色の光で照射するようにしてもよい。
また、例えば、第2実施形態の車両用システム機器駆動装置は、スライドドア42によって乗降口41が完全に閉鎖されているときと、乗降口41が開放されているときとで、車両画像152におけるスライドドアの部位を発光装置151によって異なる色で発光するように構成してもよい。また、上記各実施形態の車両用システム機器駆動装置において、照射装置101若しくは発光装置151によってウインドガラス22に車両情報(スライドドア42、ルーフ開閉体53、バックドア62の状態等)が文字で表示されるようにしてもよい。また、スライドドア装置4に、スライドドア42がハーフラッチ状態となる位置に配置されるとクローザモータの駆動力によりスライドドア42を乗降口41を完全に締め切る位置まで移動させるドアクローザ装置が備えられる場合には、スライドドア42が半ドア状態にある場合にその旨を照射装置101若しくは発光装置151にてウインドガラス22に表示するようにしてもよい。この場合、ウインドガラス22を目視してスライドドア42が半ドア状態にあることを認識した運転者がスイッチ電極81,163に接触すると、ドアクローザ装置が駆動されてスライドドア42が完全に閉め切られる。また、照射装置101若しくは発光装置151によって、サイドブレーキが作動していないこと(即ち車両情報)を警告する表示がウインドガラス22になされるように構成してもよい。このようにしても、車両機器のユーザである運転者は、ウインドガラス22を目視することにより車両情報を認識でき、認識した車両情報に基づいてより的確に車両機器を操作することができるため、複数の車両機器の操作性が一層向上する。
・上第1記実施形態では、照射装置101は、車両ドア20内に配置されて各スイッチ電極71〜85を照射するように構成されている。しかしながら、照射装置101は、各スイッチ電極71〜85を照らすことが可能であればこの構成に限らない。例えば、照射装置101は、有機EL素子若しくは無機EL素子を用いて構成され、ウインドガラス22に固定されてもよい。
・上記第1実施形態の車両用システム機器駆動装置は、照射装置101を備えない構成であってもよい。この場合には、スイッチ電極71〜85を有色の電極で構成したり、ウインドガラス22においてスイッチ電極71〜85に該当する位置に印を設けたりすることにより、車両機器のユーザは容易にスイッチ電極71〜85の位置を把握することができる。
・上各記実施形態では、スイッチ電極71〜85,161〜165は、透明電極よりなる。しかしながら、スイッチ電極71〜85,161〜165は、不透明な材料(導電性金属材料等)よりなるものであってもよい。
・上記第1実施形態では、各スイッチ電極71〜85は、ウインドガラス昇降装置2によるウインドガラス22の昇降方向に沿って延びるとともに、ウインドガラス22の上端から下端に亘って貼着されている。しかしながら、ウインドガラス22におけるスイッチ電極71〜85の配置方向及び配置範囲はこれに限らない。例えば、スイッチ電極71〜85は、ウインドガラス22の上端と下端との間で部分的に貼着されてもよい。また、スイッチ電極71〜85は、車両1の前後方向に沿って延びる帯状に形成され、上下方向に一定の間隔を開けて配置されてもよい。更に、スイッチ電極71〜85の形状は、帯状に限らず、多角形状、円形状等であってもよい。
・上記各実施形態では、スイッチ電極71〜85(若しくはスイッチ電極161〜165)は、運転席の右側方の車両ドア20に設けられたウインドガラス22に集約して配設されている。しかしながら、スイッチ電極71〜85(若しくはスイッチ電極161〜165)は、車両1に備えられるウインドガラスに集約して配設されるのであれば、運転席の右側方の車両ドア20に設けられたウインドガラス22以外のウインドガラスに集約して配設されてもよい。例えば、スイッチ電極71〜85(若しくはスイッチ電極161〜165)は、フロントガラス、リヤガラス、助手席に隣り合う車両ドアのウインドガラス、後部座席の側方に設けられたウインドガラスのうちの何れかに集約して配設されてもよい。この場合、車両ドアに設けられたウインドガラスにスイッチ電極71〜85(若しくはスイッチ電極161〜165)が集約して配設されると、一般的に、車両ドアに設けられたウインドガラスは、車両に乗車した搭乗者(即ち車両機器のユーザ)の近傍に位置するため、該搭乗者は、車両機器の動作を指示する際に容易にスイッチ電極71〜85(若しくはスイッチ電極161〜165)に接触することができる。また、車両1のウインドガラスのうち、複数のウインドガラスのそれぞれに、スイッチ電極71〜85(若しくはスイッチ電極161〜165)を集約して配設してもよい。
・上記第1実施形態では、スイッチ電極71〜85は、ウインドガラス22の車室内側の面に貼着されている。しかしながら、スイッチ電極71〜85は、ウインドガラス22に固定されるのであれば、その固定態様は貼着に限らない。例えば、スイッチ電極71〜85は、ウインドガラス22に埋設されることにより同ウインドガラス22に固定されてもよい。また、スイッチ電極71〜85は、ウインドガラス22に直接固定される以外に、固定用の部材を介して間接的に固定されてもよい。これらのことは上記第2実施形態のスイッチ電極161〜165についても同様である。
・上記各実施形態では、信号処理部121,171は、車両機器のユーザのスイッチ電極71〜85,161〜165への接触を検知すると、接触が検知されたスイッチ電極に対応した車両機器の動作を行うべく車両機器を駆動する。しかしながら、信号処理部121,171は、車両機器のユーザがスイッチ電極71〜85,161〜165に近づいたことを検知して、ユーザが近づいたスイッチ電極に対応した車両機器の動作を行うべく車両機器を駆動するように構成されてもよい。
・上記各実施形態において、車両用システム機器駆動装置から着座センサ112を省略してもよい。この場合、信号処理部121,171は、運転者の車両シート111への着座・離座にかかわらず、車両機器のユーザのスイッチ電極71〜85,161〜165への接触を検知すると、接触が検知されたスイッチ電極に対応した車両機器の動作を行うべく車両機器を駆動する。また、上記各実施形態では、信号処理部121,171は、電子キー132が発信したIDコードとスマートECU131に記憶されたIDコードとの照合が正しい場合(一致した場合)に、車両機器のユーザのスイッチ電極71〜85,161〜165への接触を検知すると、接触が検知されたスイッチ電極に対応した車両機器の動作を行うべく車両機器を駆動する。しかしながら、信号処理部121,171は、IDコードの照合結果にかかわらず、車両機器のユーザのスイッチ電極71〜85,161〜165への接触を検知すると、接触が検知されたスイッチ電極に対応した車両機器の動作を行うべく車両機器を駆動するように構成されてもよい。
・上記第1実施形態では、車両用システム機器駆動装置は、ウインドガラス昇降装置2、ドアミラー角度調整装置3、スライドドア装置4、サンルーフ装置5及びバックドア装置6の動作を制御する。また、上記第2実施形態では、車両用システム機器駆動装置は、ドアミラー角度調整装置3、スライドドア装置4及びバックドア装置6の動作を制御する。しかしながら、車両用システム機器駆動装置にて動作を制御する車両機器は、上記各実施形態のものに限らず、車両1に搭載されてスイッチによってその動作を指示することが可能なものであればよい。そして、少なくとも2つの車両機器の動作を指示するスイッチ電極がウインドガラス22に集約されればよい。例えば、車室内を照らすルームランプ装置、車両の前方を照射するヘッドランプ装置、後部座席の両側に設けられたウインドガラスを昇降させるウインドガラス昇降装置等の車両機器の動作を指示するスイッチ電極をウインドガラス22に配置して、信号処理部121,171においてこれら車両機器の動作を制御するようにしてもよい。このようにしても、上記第1実施形態の(1)と同様の作用効果を得ることができる。
・上記各実施形態では、側方にスライドドアを備えた車両1を例に本発明を具体化したが、複数の車両機器を備えた車両であれば、車両の形状は上記各実施形態の形状に限らず、セダン型乗用車、クーペ型乗用車等に本発明を具体化してもよい。
車両用システム機器駆動装置を備えた車両の平面図。 第1実施形態における車両用システム機器駆動装置の電気的構成を示すブロック図。 第1実施形態における車両ドアの概略図。 センサ電極及び導電性の異物間の距離とセンサ電極を用いて検出される静電容量との関係を示すグラフ。 第1実施形態の信号処理部が行うシステム機器駆動処理を説明するためのフローチャート。 第2実施形態における車両ドアの概略図。 第2実施形態における車両用システム機器駆動装置の電気的構成を示すブロック図。 第2実施形態における発光装置の構成を示す概略図。 第2実施形態の信号処理部が行うシステム機器駆動処理を説明するためのフローチャート。
符号の説明
1…車両、2…車両機器としてのウインドガラス昇降装置、3…車両機器としてのドアミラー角度調整装置、4…車両機器としてのスライドドア装置、5…車両機器としてのサンルーフ装置、6…車両機器としてのバックドア装置、20…車両ドア、22…ウインドガラス、22a…閉側端部としての上端面、28…センサ電極、29…センサ電極側検出手段としての静電容量検出部、71〜85,161〜165…スイッチ電極、91…検出手段としての静電容量検出部、101…照明手段及び発光手段としての照射装置、121…制御手段及び異物検知手段としての信号処理部、151…照明手段及び発光手段としての発光装置、171…制御手段としての信号処理部、X…異物。

Claims (7)

  1. 車両に搭載された複数の車両機器の動作に対応して複数設けられ前記車両のウインドガラスに集約して配設されたスイッチ電極と、
    各前記スイッチ電極と各前記スイッチ電極に近接する導電性の物体との間の静電容量に応じた検出信号をそれぞれ出力する検出手段と、
    前記検出信号に基づいて複数の前記スイッチ電極のうち何れかの前記スイッチ電極への物体の近接を検知すると、前記物体に近接された前記スイッチ電極に対応した前記車両機器の動作が行われるよう前記車両機器の駆動を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする車両用システム機器駆動装置。
  2. 請求項1に記載の車両用システム機器駆動装置において、
    複数の前記スイッチ電極は、前記車両に設けられた複数のウインドガラスのうち、車両ドアに設けられウインドガラス昇降装置の作動により昇降されるウインドガラスに集約されていることを特徴とする車両用システム機器駆動装置。
  3. 請求項2に記載の車両用システム機器駆動装置において、
    前記スイッチ電極は、前記ウインドガラス昇降装置による前記車両ドアの前記ウインドガラスの昇降方向に沿って延びていることを特徴とする車両用システム機器駆動装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の車両用システム機器駆動装置において、
    前記スイッチ電極には透明電極が用いられていることを特徴とする車両用システム機器駆動装置。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の車両用システム機器駆動装置において、
    各前記スイッチ電極を照らす照明手段を備えたことを特徴とする車両用システム機器駆動装置。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の車両用システム機器駆動装置において、
    前記車両機器の作動を指示する際の指標となる車両情報を前記スイッチ電極が配設された前記ウインドガラスに表示する発光手段を備えたことを特徴とする車両用システム機器駆動装置。
  7. 請求項2乃至請求項6の何れか1項に記載の車両用システム機器駆動装置において、
    複数の前記スイッチ電極は、前記車両に設けられた複数のウインドガラスのうち、車両ドアに設けられウインドガラス昇降装置の作動により昇降されるウインドガラスに集約されており、
    前記ウインドガラス昇降装置による前記ウインドガラスの上昇時の進行方向前方側の閉側端部に沿ってセンサ電極が配置され、
    前記センサ電極と前記センサ電極に近接する導電性の異物との間の静電容量に応じたセンサ検出信号を出力するセンサ電極側検出手段と、
    前記検出信号に基づく第1の検出値と前記センサ検出信号に基づく第2の検出値との差分に基づいて前記閉側端部に近接する異物を検知する異物検知手段と、
    を備えたことを特徴とする車両用システム機器駆動装置。
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KR102227424B1 (ko) 2013-09-17 2021-03-12 도요타 모터 세일즈, 유.에스.에이., 인코포레이티드 사용자 식별 및 차량 기능 제어를 갖는 인터랙티브 차량 윈도우 디스플레이 시스템

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