JP2010066985A - カーボンオフセットシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】 顧客が取引に対する費用の支払時に、寄付金を支払うか否かの見直しを行うことを可能とするカーボンオフセットシステムを提供する。
【解決手段】 事前問い合わせ手段13は、請求書発行時期判定手段11が請求書発行時期であると判定した顧客のうち、請求額があって、寄付を行う予定の顧客に対して事前通知を行う。通知を受けた顧客は、顧客端末23を操作して、回答システム15にアクセスし、寄付を行うか否かの決定し、回答を行う。請求書発行手段21は、回答結果に応じて、寄付金付きの請求書又は寄付金無しの請求書を発行する。寄付金付きの請求書に対して入金が確認されると、証明書発行手段25が証明書を発行する。
【選択図】 図1
【解決手段】 事前問い合わせ手段13は、請求書発行時期判定手段11が請求書発行時期であると判定した顧客のうち、請求額があって、寄付を行う予定の顧客に対して事前通知を行う。通知を受けた顧客は、顧客端末23を操作して、回答システム15にアクセスし、寄付を行うか否かの決定し、回答を行う。請求書発行手段21は、回答結果に応じて、寄付金付きの請求書又は寄付金無しの請求書を発行する。寄付金付きの請求書に対して入金が確認されると、証明書発行手段25が証明書を発行する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、寄付金で温室効果ガス排出権を購入してカーボンオフセットを行うためのカーボンオフセットシステムに関するものである。
近年、地球の温暖化が問題となっており、その原因の一つである二酸化炭素その他の温室効果ガスの排出の抑制の必要性が叫ばれている。しかしながら、経済活動において温室効果ガスの排出量の削減にも限界があり、避けることができない温室効果ガスの排出が生じてしまう。そこで、どうしても削減できない温室効果ガスについてその排出量を見積り、見積もった排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資すること等により、削減できない温室効果ガスを排出権の購入で埋め合わせるという「カーボンオフセット」という取り組みが提案されている。なお、本願明細書における「カーボンオフセット」とは、主に温室効果ガスの排出権を購入するための資金をいわゆる「オフセットプロバイダー」に対する寄付金として定めて、商品・役務の代金に含める行為をいう。
環境省も「我が国におけるカーボン・オフセットのあり方について(指針)」(非特許文献1)を公表し、カーボンオフセットの取り組みが促進されるような体制作りを目指している。
また、例えば、特表2007−518197号公報(特許文献1)には、カーボンオフセットを促進するためのシステムが開示されている。このシステムでは、ネットワークを通じてシステムの参加者間で温室効果ガスの排出量を取引している。
「我が国におけるカーボン・オフセットのあり方について(指針)」(環境省)2008年2月7日発行 特表2007−518197号公報
「我が国におけるカーボン・オフセットのあり方について(指針)」(環境省)2008年2月7日発行
オフセットプロバイダーは、排出権購入のための寄付金の提供を募り、寄付金の提供者には証明書を発行し、集めた寄付金から一部手数料を引いた金額を排出権購入のための寄付金として日本政府に寄付を行う。また、オフセットプロバイダーが認証を受けた排出権を購入し、購入した排出権を日本政府に寄付することも行われる。オフセットプロバイダーは、直接又は間接的に商品・役務にカーボンオフセットを付ける。そして取引者は各商品・役務に付けられているカーボンオフセット分に相応する金額を含めた金額を代金として支払う。従来実際に行われているカーボンオフセットシステムでは、カーボンオフセット付きの商品・役務は、取引時にカーボンオフセット付きであることが明示され、商品・役務の取引者(顧客)は、商品・役務の取引時に温室効果ガスの排出権の購入費用を含む金額を支払って商品を受け取ったり、役務の提供を受けたりする。しかしながら従来のシステムでは、カーボンオフセット付きの商品または役務とするか否かは、商品または役務の提供者が勝手に決めている。そのため、法人または個人であっても、よほど資金に余裕がある場合でなければ、カーボンオフセット付きの商品の購入またはカーボンオフセット付きの役務の発注をすることができない。そのため従来のシステムでは、寄付金が集まり難い問題があった。
本発明の目的は、信用取引において、カーボンオフセットを付加するか否かを取引者が決定することができるカーボンオフセットシステムを提供することにある。
上記目的に加えて、本発明の他の目的は、簡易にカーボンオフセットの付加の決定を行うことが可能なカーボンオフセットシステムを提供することにある。
上記目的に加えて、本発明の別の目的は、取引者以外の者がカーボンオフセットの付加を決定できない信頼性の高いカーボンオフセットシステムを提供することにある。
本発明のカーボンオフセットシステムは、コンピュータを用いて、温室効果ガスの排出権を購入するための寄付金を、信用取引に基づいて発行される請求書中の請求項目毎の請求金額または合計請求金額に付加して発行する。本発明を実施するために、基本的な構成要件として、データ保存手段と、事前問い合わせ手段と、請求書発行手段をコンピュータで実現する。データ保存手段は、少なくとも顧客情報と、実行された取引と、実行された取引に対する費用と、請求書発行時期とを含むデータを保存している。データ保存手段に保存するデータとしては、寄付金の付加情報等の他の情報を含んでもよいのはもちろんである。信用取引では、取引終了後に、予め定めた請求書発行時期に、データ保存手段に保存されているデータに基づいて、請求書が発行される。本発明は、請求書発行時期よりも前に、事前問い合わせ手段が顧客に寄付金の付加をするか否かをネットワークを利用して問い合わせるように構成されている。問い合わせを受けた顧客は、寄付金を付加するか否かの回答を行う。回答の方法は、ネットワークを介して行ってよいし、電話やファクス等の他の通信手段を用いてもよい。請求書発行手段は、顧客からの回答結果に応じて寄付金を付加した請求書を発行する。本発明によれば、信用取引を行った顧客(取引者)は、取引に対する費用の支払前に、自らの意思で寄付(カーボンオフセット)を行うか否かを決定することができる。したがって資金に余裕がある場合には寄付金を取引者の意思で増やすことができ、資金に余裕がない場合には、寄付を予定していた場合でも、取引者の意思で寄付を中止することができる。したがって本発明によれば、従来よりも寄付金が集まり易くなる。
なお顧客からの回答を容易にし、しかも顧客のみが回答を出せるようにするために、事前問い合わせ手段を、顧客のみが寄付金の付加をするか否かの回答をすることができ、顧客以外の者が回答結果を変更することができない回答システムを含むように構成することもできる。このような回答システムを事前問い合わせ手段に含めれば、顧客以外の者による、寄付金の付加の決定関与を防止することができて、信頼性の高いカーボンオフセットシステムを提供することができる。なおこのような回答システムでは、一般的にはID及びパスワードの入力や指紋認証等のような本人確認のための既存のセキュリティ技術を用いることにより、簡単に実現できる。
データ保存手段には、寄付金の付加情報を含めることができる。ここで寄付金の付加情報とは、主として寄付金の額に関する情報である。例えば、各取引ごとに寄付金を設定せず、請求時に一定額の寄付金を設定することを希望する顧客に対しては、事前に顧客に確認した上で、寄付金の付加情報に顧客が付加する予定の寄付金額に関する情報を含めることができる。その場合には、事前問い合わせ手段は、予定の寄付金額を上限とした範囲内で寄付金を設定した上で、顧客に問い合わせを行う。設定は請求書中の請求項目毎の請求金額または合計請求金額に付加して行われる。寄付金額は、上限を決めた上で、対象とする請求金額に比例するように定めてもよく、請求金額と関係なく、一定額の寄付金額としてもよい。寄付金額の決定方法は任意である。このようにして寄付金の付加情報をデータに含めておけば、顧客の希望に沿った寄付金額を提示することができる。
寄付金を付加した請求書が発行されると、カーボンオフセットが行われたことを証明する証明書を発行する証明書発行手段を更に備えていてもよい。証明書が発行されると、カーボンオフセットを行うことで、地球温暖化防止に貢献していることを、その証明書の存在でアピールできるため、顧客が企業の場合には、企業のイメージ向上、CSR(企業の社会的責任)を客観的に示すことができるようになる。また顧客が個人の場合でも、証明書があることにより、寄付に対するインセンティブを高めることができる。
なお、実行された取引が、それ自体で温室効果ガス排出の抑制効果がある取引の場合には、抑制される温室効果ガス排出量を算出する抑制排出量算出手段を備えてもよい。このような抑制排出量算出手段を備えていれば、実行された取引自体が有する温室効果ガスの排出量の削減効果を知ることができるため、顧客が温室効果ガスの抑制効果のある取引を行うことを促進することができる。
更に、抑制される温室効果ガス排出量分の温室効果ガスの排出権を購入するために必要な金額を算出する排出権購入金額算出手段を備えて、排出権購入金額算出手段が算出した金額に相当する金額を実行された取引に対する費用から差し引いて請求書を発行するように構成してもよい。このような排出権購入金額算出手段を備えていれば、実行された取引が有する温室効果ガスの排出量の削減効果を知ることができるだけでなく、実行された取引に対する費用から抑制される温室効果ガス排出量分の温室効果ガスの排出権を購入するのに必要な金額が差し引かれることになるため、顧客が温室効果ガスの抑制効果のある取引を行うことを促進するだけでなく、差し引かれた金額の分の寄付金の付加を行いやすくなるという効果がある。
信用取引の対象とする「実行された取引」は、どのような商品・役務でもよい。例えば、実行された取引が蛍光灯のインバータの交換工事等の各種の電気工事でもよいのはもちろんである。既存の電気機器を電気工事によって省エネルギ電気機器と交換した場合には、機器の交換によって生じる電気使用量の削減量を客観的に知ることができる。したがって電気工事によって抑制される温室効果ガス排出量の算出が明確になるという効果がある。
本発明のカーボンオフセットシステムによれば、信用取引において、請求書の発行に先立って、顧客に寄付金の付加をするか否かをネットワークを利用して問い合わせる事前問い合わせ手段を備えているので、顧客は自分の意思で、費用の支払い前に、寄付金を付加するか否かを決定することができる。したがって、経済状況をみながら、顧客は取引に対する費用の支払時に寄付金を支払うか否かの見直しが可能となる。
以下、図面を参照して本発明のカーボンオフセットシステムの実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、オペレータが操作するパーソナルコンピュータからなる端末機PCに構成された機能実現要素と、システム運営会社が運営するサーバ内に構成された機能実現要素と、顧客が操作する顧客端末とが含まれているカーボンオフセットシステムの一例の全体構成を示すブロック図である。図2は、図1に示したカーボンオフセットシステムを、サーバを含むコンピュータを利用して構成する場合に使用するソフトウエアのアルゴリズムのうち、システム運営会社が、毎月、請求書及び証明書を発行する際に実行されるソフトウエアの部分のアルゴリズムを示すフローチャートである。また図3は、通知を受けた顧客が、回答システムを使用して回答を行うまでのアルゴリズムを示すフローチャートである。図4及び図5は、回答システムにアクセスした顧客端末に表示される問い合わせ画面・確認画面の一例を示す図である。
図1に示したカーボンオフセットシステム1の各機能実現手段について説明する。システム運営会社のオペレータが操作する端末機PCは、キーボード及びマウスなどの入力手段2と、データ処理を行い、サーバに情報を入力するデータ処理手段3と、サーバからの各種の表示信号を受信して表示を行うディスプレイを含む表示手段5とを備えている。
本発明のカーボンオフセットシステムは、信用取引として実行された取引を対象としている。対象となる取引はいかなる商品または役務でもよい。本実施の形態では、一例として、実行される取引を「電気工事」を例にして説明する。オペレータは、端末機PCの入力手段2を操作して、顧客情報、取引の実行された日付、実行された取引の内容、実行された取引に対する費用、請求書発行時期、寄付金の付加情報などの情報をサーバ側のデータ保存手段7に入力する。顧客情報、請求書発行時期、寄付金付加情報等の事前に登録できる情報については、データ保存手段7に事前に記憶させておいてもよい。寄付金の付加情報には、寄付金を付加するか否かの情報だけでなく、各顧客との間で個別に取り決められた寄付金の付加方法(請求項目毎の請求金額や合計請求金額に対する付加など)等が含まれている。具体的には、すべての電気工事または一部の電気工事に寄付金を付加するとか、寄付金を付加する請求書が発行される時期を年4回に定めるとか、工事内容によって寄付金の付加率を変える等も寄付金の付加情報に含まれる。
入力された各情報は、データ処理手段3で処理され、サーバに入力される。なおサーバが遠く離れた場所に設置される場合には、オペレータが使用する端末機PCも通信ネットワークを介してサーバと接続されることになる。図1の例では、端末機PCの傍にサーバがあると考えて、端末機PCとサーバとを一つのハードウエアであるかのように示してある。
サーバ側は、少なくともデータ保存手段7、読み出し手段9、請求書発行時期判定手段11、事前問い合わせ手段13、回答システム15、通信手段17、回答結果保存手段19、請求書発行手段21を機能実現手段として備えている。読み出し手段9はデータ保存手段7から保存されたデータを読み出し、端末機PCの表示手段5に表示データを与えること、請求書発行時期を判定する請求書発行時期判定手段11などにデータ処理に必要なデータの入力を行うこと等を実行する。
事前問い合わせ手段13は、請求書発行時期判定手段11が請求書の発行時期が到来したと判断した顧客(具体的には顧客端末23)に対して通信手段17を介して通知を行う機能を有している。事前問い合わせ手段13から通知を発行する処理は、後に顧客からの回答を処理する必要があるため、後述する回答システム15と一緒になって処理される。具体的には、電子メールを利用して、顧客の担当者に暗号鍵付きの添付ファイルを利用して通知する。
回答システム15は、事前問い合わせ手段13に含まれている。電子メールを介して通知を受けた顧客は、顧客端末23を操作して回答システム15にアクセスして通知に対する回答を行う。回答システム15は、顧客の担当者のみが回答できるセキュリティシステムによって保護されている。後に詳述する通り、顧客が回答する内容は、今回請求書が発行される電気工事に付随してオフセットプロバイダーに対する寄付を行うか否か、すなわち、カーボンオフセットを行うか否かである。回答システム15に顧客から回答があると、回答結果は回答結果保存手段19に保存され、請求書発行手段21が請求書を発行することになる。例えば、回答システム15では、通知を送付する際に、顧客の担当者のみがアクセスできる回答リンク先と今回の暗号番号が記載された暗号鍵付きの添付ファイルに記載する。顧客の担当者が、暗号鍵で解凍した添付ファイルに表示された回答リンク先にアクセスすると、予め登録したID及びパスワードを入力する画面が表示される。そしてID及びパスワードを入力すると、更に本人確認をする画面が出される。その画面には、IDとは別に定めた通常暗号番号に含まれる数字と電子メールで通知された今回の暗号番号に含まれる数字から、指定された暗号番号の指定された場所の数字を、入力する指示が表示される。担当者が、その指示に合った数字を入力して初めて、後述する回答結果を入力できる通知書が顧客端末の画面に表示される。顧客はこの回答結果を入力できる通知書に入力をして、返信をすることにより、回答が完了する。
回答結果は回答結果保存手段19に保存されるが、回答結果保存手段19に保存された回答書は何人も修正変更ができないデータとして保存される。保存されたデータと同じデータが、確認のために、回答システム15を介して、顧客に通知される。したがって回答結果が悪意の第三者によって変更されることはない。請求書発行手段23は、回答結果保存手段21に回答が保存されると、その回答に従って、寄付金付きの請求書または寄付金無しの請求書を発行する。
本実施の形態では、サーバ側には、更に証明書発行手段25が備えられている。証明書発行手段25は、カーボンオフセットを行うことを希望した顧客から実際に寄付金を含む費用が支払われたことが確認されると、カーボンオフセットが行われたことを証明する証明書を発行する。証明書が発行されると、カーボンオフセットを行うことで、地球温暖化防止に貢献していることを、その証明書の存在でアピールできるため、顧客が企業の場合には、企業のイメージ向上、CSR(企業の社会的責任)を客観的に示すことができるようになる。また顧客が個人の場合でも、証明書があることにより、寄付に対するインセンティブを高めることができる。
また、本実施の形態では、実行された取引(電気工事)によって削減される温室効果ガスの量を算出する抑制排出量算出手段27と、抑制される温室効果ガス排出量分の温室効果ガスの排出権を購入するために必要な金額を算出する排出権購入金額算出手段29が備えられている。本実施の形態では、実行された取引(電気工事)に温室効果ガス抑制効果がある場合には、回答システム15により顧客に通知される通知書に、抑制される排出量が表示される。そして請求書発行手段21は、実行された取引(電気工事)に対してカーボンオフセットが行われる場合には、実行された取引(電気工事)に対する費用から抑制される温室効果ガス排出量分の温室効果ガスの排出権を購入するのに必要な金額が差し引かれて請求書が発行される。例えば、電気工事の場合には、蛍光灯のインバータの交換工事が温室効果ガス抑制効果のある取引の一例である。
なお、顧客端末23は、通信ネットワークを介して通信手段17に接続される携帯電話などの携帯端末やパーソナルコンピュータである。
図2を参照して、本システムが事前通知を行い、請求書及び証明書を発行するまでの流れを説明する。本実施の形態のカーボンオフセットシステム1が起動されると、データ保存手段7に保存された請求書発行時期に関する情報に基づいて、請求書発行時期判定手段11が請求書発行時期が1週間前である顧客を検索して、抽出する(ステップST1)。事前問い合わせ手段13は、抽出された顧客の中から、データ保存手段7に寄付金を付加する予定であるとして登録されている顧客であって、請求額がある顧客を更に検索し、抽出する(ステップST2及びステップST3)。ここで抽出された顧客が事前通知の対象となる。ステップST2又はステップST3で該当しなかった顧客は、寄付予定がないか、又は請求額がない顧客であるため、本システムでは事前通知及び請求書の発行対象となっていない。
事前通知の対象となった顧客に対しては、該顧客との間で事前に取り決めてあるルールにしたがって寄付金を設定し(ステップST4)、事前通知を行う(ステップST5)。事前通知は電子メールを利用して前述の暗号鍵付きの添付ファイルを送付することにより行う。後に詳述するように、事前通知を受けた顧客は、回答システム15を使用して回答を行うことになる。
本システムでは、事前通知に対する回答期限を3日に設定してあり(ステップST6)、寄付金を付加することを確定した回答があった場合には、請求書発行期限までに寄付金付きの請求書が発行される(ステップST7)。そして、ステップST8で入金が確認できれば、証明書発行手段25が、証明書を発行する(ステップST9)。ここで発行される証明書には、寄付金の口数、寄付金額、その寄付金でオフセット(相殺)できた温室効果ガスの排出量の概算等が明記されている。また、証明書は、印刷された証明書を顧客に対して送付してもよいし、顧客端末23に対して電子的に発行してもよい。入金が確認できるまでは証明書を発行することはできないため、入金が確認できるまで支払催促通知を行う(ステップST10)。ステップST6で寄付金を付加しない旨の回答を得た場合には、寄付金無しの請求書を発行する(ステップST11)。
事前通知に対する回答期限である3日を過ぎても回答が無い場合には、本システムでは、催促通知を行う(ステップST12)。催促を通知して、更に4日が経過しても回答がない場合には(ステップST13)、寄付金を付加する意思がないものとして処理し、設定してある寄付金を全て解除した寄付金無しの請求書を発行する(ステップST11)。ここで、回答が無い場合には、事前に取り決めた内容で寄付金を設定することの意思表示として、寄付金付きの請求書を発行するように設定してもよいのはもちろんである。
次に、事前通知を受けた顧客が回答システム15を使用して回答を行うまで、すなわち、図2のステップST5で事前通知を受けてから回答を行うまでを、図3に示すフローにしたがって説明する。通知を受けた顧客は、上述の認証方法により本人確認を行い、回答システム15にアクセスする(ステップST111)。すると、顧客端末23の表示画面には、図4に示すような問い合わせ画面31が表示される。
図4に示された問い合わせ画面31の例は、ある年の8月に、インバータ交換工事7件、配線工事1件の工事を請け負った顧客との間で、事前に取り決めた寄付金の付加方法が「インバータ交換工事5件分(5口)」である場合の例である。問い合わせ画面31には、工事の行われた日付が記載されている日付欄33、工事の明細が記載されている明細欄35、工事件数が記載されている個数欄37、工事の単価が記載されている単価欄39が設けられており、実行された工事の内容が明記されている。そして、これらに基づく金額が金額欄41に記載されている。その上で、本システムでは、寄付金を付加するためのカーボンオフセット欄43が設けられており、図2のステップST4で設定した寄付金が予め設定されて表示されている。本実施の形態では、100kgの排出権をオフセットする額を500円としてあり、これを基準に寄付金1口を500円と設定してある。カーボンオフセット欄43には、予めインバータ交換工事の数、計7件に対して、寄付金が5口設定されて表示されている。顧客はこの設定数を自由に変更することができ、変更を行う場合には、顧客端末23の入力手段を用いてカーボンオフセット欄43の数値を変更する(ステップST112)。本例では、インバータ1器を1日10時間、6ヶ月稼動した場合の温室効果ガスの排出量を100kgとして試算しているため、寄付金1口を設定すると、この分の排出量をオフセット(相殺)することになる。
問い合わせ画面31に表示されるカーボンオフセット欄43の設定・表示内容は、顧客との事前の取り決めによって変わるものであり、例えば、毎月一定金額(1万円)を寄付することが取り決められている場合には、その金額に対応した口数(1万円であれば、20口)を設定するように構成すればよく、また、合計請求額の一定割合を寄付することが取り決められている場合には、その金額に応じた口数を設定するように構成すればよい。顧客との取り決めに応じたカーボンオフセット欄43の設定・表示内容は任意である。
なお、本実施の形態では、寄付金の付加を促進するために、工事によって温室効果ガスの排出量が削減できる場合には、削減量に応じて、工事費用から値引きを行うように構成されている。そのために、抑制排出量算出手段27が算出した結果が削減量欄45に表示され、排出権購入金額算出手段29が算出した値引額が値引欄47に表示されている。本実施の形態では、インバータを従来品から交換することで、従来品と比較してインバータ1器を1日10時間半年間稼動した場合に100kgの排出量を削減できると抑制排出量算出手段27が算出している。本システムでは、100kg当り、200円の値引きを行うこととしている。そのため、インバータ交換工事1件当たり、200円の値引きが行われている。したがって、本システムでは、例えば、インバータ交換工事1件に寄付金1口を付加した場合、「10,000円(インバータ交換工事の単価)-200円(温室効果ガス削減による値引き)+500円(寄付金)=10,300円」が支払う金額(税含まず)となる。寄付金の設定が確定し、確認ボタン49を押すと、顧客端末23の表示画面には、図5の確認画面51が表示され、決定した内容の最終確認を行ってから、確定ボタン53を押して確定する(ステップST113)。寄付金の設定を見直したい場合には、戻るボタン55を押して、問い合わせ画面31に戻って設定を見直すことができる。なお、ここで設定されている金額、温室効果ガスの排出量等の各種数値は一例に過ぎず、算定基準の変動などに応じて、変更ができることはもちろんである。
カーボンオフセットとして支払われた寄付金は、直接又は間接的にオフセットプロバイダーに集められ、集めた寄付金から一部手数料を引いた金額を排出権購入のための寄付金として日本政府に寄付される。また、オフセットプロバイダーが認証を受けた排出権を購入し、購入した排出権を日本政府に寄付することも行われる。
本実施の形態によれば、請求書が発行されるに先立って、事前問い合わせ手段13が事前通知を行い、各顧客が回答システム15を用いて回答することができるため、取引に対する費用の支払前に、自らの意思で寄付(カーボンオフセット)を行うか否かを決定することができる。したがって資金に余裕がある場合には寄付金を顧客の意思で増やすことができ、資金に余裕がない場合には、寄付を予定していた場合でも、顧客の意思で寄付を中止することができる。したがって本発明によれば、従来よりも寄付金が集まり易くなる。
1 カーボンオフセットシステム
2 入力手段
3 データ処理手段
5 表示手段
7 データ保存手段
9 読み出し手段
11 請求書発行時期判定手段
13 事前問い合わせ手段
15 回答システム
17 通信手段
19 回答結果保存手段
21 請求書発行手段
23 顧客端末
25 証明書発行手段
27 抑制排出量算出手段
29 排出権購入金額算出手段
31 問い合わせ画面
33 日付欄
35 明細欄
37 個数欄
39 単価欄
41 金額欄
43 カーボンオフセット欄
45 削減量
47 値引欄
49 確認ボタン
51 確認画面
53 確定ボタン
55 戻るボタン
2 入力手段
3 データ処理手段
5 表示手段
7 データ保存手段
9 読み出し手段
11 請求書発行時期判定手段
13 事前問い合わせ手段
15 回答システム
17 通信手段
19 回答結果保存手段
21 請求書発行手段
23 顧客端末
25 証明書発行手段
27 抑制排出量算出手段
29 排出権購入金額算出手段
31 問い合わせ画面
33 日付欄
35 明細欄
37 個数欄
39 単価欄
41 金額欄
43 カーボンオフセット欄
45 削減量
47 値引欄
49 確認ボタン
51 確認画面
53 確定ボタン
55 戻るボタン
Claims (7)
- コンピュータを用いて、温室効果ガスの排出権を購入するための寄付金を、信用取引に基づいて発行される請求書中の請求項目毎の請求金額または合計請求金額に付加して発行するカーボンオフセットシステムであって、
少なくとも顧客情報と、実行された取引と、前記実行された取引に対する費用と、請求書発行時期とを含むデータを保存するデータ保存手段と、
前記データ保存手段に保存されているデータに基づいて、前記請求書発行時期よりも前に、顧客に寄付金の付加をするか否かをネットワークを利用して問い合わせる事前問い合わせ手段と、
前記顧客からの寄付金を付加することの回答結果に応じて、寄付金を付加した請求書を発行する請求書発行手段とから構成されていることを特徴とするカーボンオフセットシステム。 - 前記事前問い合わせ手段には、前記顧客のみが前記寄付金の付加をするか否かの回答をすることができ、前記顧客以外の者が回答結果を変更することができない回答システムが含まれていることを特徴とする請求項1に記載のカーボンオフセットシステム。
- 前記データ保存手段には、更に寄付金の付加情報が含まれており、
前記寄付金の付加情報には、前記顧客が付加する予定の寄付金額に関する情報が含まれており、
前記事前問い合わせ手段は、前記予定の寄付金額の範囲内で前記寄付金を明示した上で前記顧客に問い合わせることを特徴とする請求項1に記載のカーボンオフセットシステム。 - 前記寄付金を付加した請求書が発行されると、カーボンオフセットが行われたことを証明する証明書を発行する証明書発行手段を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載のカーボンオフセットシステム。
- 前記実行された取引が温室効果ガス排出の抑制に効果のある取引の場合に、抑制される温室効果ガス排出量を算出する抑制排出量算出手段を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載のカーボンオフセットシステム。
- 前記抑制される温室効果ガス排出量分の温室効果ガスの排出権を購入するために必要な金額を算出する排出権購入金額算出手段を更に備え、
前記排出権購入金額算出手段が算出した金額に相当する金額を前記実行された取引に対する費用から差し引いて請求書を発行することを特徴とする請求項5に記載のカーボンオフセットシステム。 - 前記実行された取引が、電気工事であることを特徴とする請求項1に記載のカーボンオフセットシステム。
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