JP2010066183A - 電子レベル - Google Patents

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Abstract

【課題】補助望遠鏡で視準対象を視準することで、補助望遠鏡の視野内の視準対象を主望遠鏡の視野の中心に合わせること。
【解決手段】主望遠鏡14の焦点板上に結像する目盛パターンを電気信号に変換し、変換された電気信号を基に主望遠鏡14の視準対象となる標尺の目盛パターンを識別して標尺上の視準位置を求める電子レベルであって、補助望遠鏡48は、補助視準光学系の光軸L2が、主望遠鏡14における正立視準光学系の光軸L1と同一の鉛直面において互いに平行に配置されている。この際、補助望遠鏡48で標尺を視準すると、主望遠鏡14を覗いて標尺を視準することなく、主望遠鏡14の焦点板の十字線上に標尺の目盛パターンを結像させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、標尺を視準対象とする望遠鏡を備え、標尺の目盛パターン(バーコード)を識別して標尺上の視準位置を求めることができる電子レベルに関する。
電子レベルとして、標尺のパターン像を光電変換部により電気信号に変換し、変換された電気信号によりコントラストのピークを検出し、この検出値を基に合焦制御を行うようにしたものがある。例えば、標尺のパターンの像を形成するための合焦光学系を含む望遠鏡光学系と、この望遠鏡光学系からの光を受けてパターン信号に変換する光電変換部と、この光電変換部上にパターンを形成するための合焦駆動部と、光電変換部の出力信号に基づき、合焦を検出し、合焦駆動部を制御する合焦制御部を備えたものがある(特許文献1参照)。
この電子レベルにおいては、合焦制御部でコントラストのピークを検出するための粗測定と精測定を行うに際して、コントラストの値が一定の値以上のときには、粗測定を省略して精測定のみを行い、合焦に要する時間を短縮するように構成されている。
一方、電子レベルには、標尺を視準するために、高倍率で視野が狭い望遠鏡の他に、倍率1で視野の広い照星・照門あるいはピープサイトが設けられている。
しかし、この種の照星・照門あるいはピープサイトは、一般的に、望遠鏡の視野内に目標を捕らえることを目的としているので、望遠鏡よりも視準精度が悪い。
このため、照星・照門あるいはピープサイトを備えた電子レベルを用いて水準測量を行う場合、まず、照星・照門あるいはピープサイトを用いて望遠鏡の視野内に標尺(スタッフ)を捕らえ、望遠鏡を標尺(スタッフ)に向けた後、望遠鏡を覗き、望遠鏡の視野内の標尺(スタッフ)を視野中央部(計測可能範囲内)の中心(視準軸)に合わせる操作が必要である。
また、電子レベルは、視準作業と画像処理を行う必要があるために照星・照門またはピープサイトのようなものでは、電子レベルの動作に入るのに手間がかかってしまうという問題点があった。
特開2001−91255号公報(第4から第7頁、図1および図5参照)
従来技術においては、照星・照門あるいはピープサイトを備えた電子レベルを用いて水準測量を行う場合、まず照星・照門あるいはピープサイトを用いて望遠鏡の視野内に標尺(スタッフ)を捕らえ、望遠鏡を標尺(スタッフ)に向けた後、望遠鏡を覗き、望遠鏡の視野内の標尺(スタッフ)を視野中央部(計測可能範囲内)の中心に合わせる操作が必要であり、操作が面倒である。
本発明は、前記従来技術の課題に鑑みて為されたもので、その目的は、補助望遠鏡で視準対象を視準することで、補助望遠鏡の視野内の視準対象を主望遠鏡の視野の中心に合わせることができる電子レベルを提供することにある。
前記目的を達成するために、請求項1に係る電子レベルは、対物レンズと接眼レンズとの間に配置された焦点板と、前記焦点板上に結像する視準対象の合焦状態を調整するための合焦レンズが光軸に沿って配列された正立視準光学系を有する主望遠鏡と、補助対物レンズと視準軸を示す焦点板および補助接眼レンズが光軸に沿って配列された、正立像形の補助視準光学系を有する補助望遠鏡と、前記焦点板上に結像する視準対象を電気信号に変換する光電変換手段と、前記光電変換手段の出力による電気信号を基に前記主望遠鏡の視準対象となる標尺の目盛パターンを識別して前記標尺上の視準位置を演算する演算手段を備え、前記正立視準光学系の光軸と前記補助視準光学系の光軸は同一の鉛直面において互いに平行に配置されてなる構成とした。
(作用)主望遠鏡の焦点板上に結像する視準対象を電気信号に変換し、変換された電気信号を基に主望遠鏡の視準対象となる標尺の目盛パターンを識別して標尺上の視準位置を演算するに先だって、補助望遠鏡で前記標尺を視準する。この際、補助望遠鏡は、補助視準光学系の光軸が、主望遠鏡における正立視準光学系の光軸と同一の鉛直面において互いに平行に配置されているので、補助望遠鏡で標尺を視準すると、主望遠鏡を覗いて標尺を視準することなく、焦点板の十字線上に標尺の目盛パターンを結像させることができ、結果として、補助望遠鏡の視野内の視準対象である標尺の目盛パターンを、主望遠鏡の視野の中心に合わせることができる。
請求項2に係る電子レベルは、請求項1に記載の電子レベルにおいて、前記合焦レンズを前記正立視準光学系の光軸方向に沿って移動させる駆動手段と、前記正立視準光学系における前記合焦レンズの位置を検出する位置検出手段と、前記駆動手段の駆動を制御して前記合焦レンズをその移動可能範囲に亘って移動させる駆動制御手段と、前記光電変換手段の出力による電気信号から前記目盛パターンのコントラスト値を算出するコントラスト値算出手段とを備え、前記駆動制御手段は、前記位置検出手段の検出出力と前記コントラスト値算出手段の算出結果を互いに関連づけて監視し、この監視結果を基に前記駆動手段に対して、前記コントラスト値算出手段の算出値が最大値または極大値を示すときの合焦レンズ位置に前記合焦レンズを位置決めさせる制御を実行してなる構成とした。
(作用)駆動手段の駆動に伴って合焦レンズを正立視準光学系の光軸方向に沿って移動させる過程で、正立視準光学系における合焦レンズの位置を位置検出手段によって検出するとともに、光電変換手段の出力による電気信号から目盛パターンのコントラスト値をコントラスト算出手段によって算出する。このとき、駆動制御手段は、位置検出手段の検出出力とコントラスト値算出手段の算出結果を互いに関連づけて監視し、この監視結果を基に駆動手段に対して、コントラスト値算出手段の算出値が最大値または極大値を示すときの合焦レンズ位置に合焦レンズを位置決めさせる制御を実行する。これにより、合焦レンズを合焦点の合焦レンズ位置に自動で位置決めさせることができる。この状態、すなわち、ピントが自動的に合った状態で、主望遠鏡の視準対象となる標尺の目盛パターンを識別して標尺上の視準位置を演算することで、標尺上の視準位置を自動計測することができ、測量に要する測定時間を短縮することができる。
請求項3に係る電子レベルは、請求項1または2のうちいずれか1項に記載の電子レベルにおいて、前記補助望遠鏡は、前記正立視準光学系の光軸と平行に配置された取っ手に固定されてなる構成とした。
(作用)補助望遠鏡を、正立視準光学系の光軸と平行に配置された取っ手に固定することで、構成の簡素化を図ることができる。
以上の説明から明らかなように、請求項1に係る電子レベルによれば、補助望遠鏡で視準対象を視準することで、補助望遠鏡の視野内の視準対象を主望遠鏡の視野の中心に合わせることができる。
請求項2に係る電子レベルによれば、合焦レンズを合焦点の合焦レンズ位置に自動で位置決めさせることができるとともに、水準測量に要する測定時間を短縮することができる。
請求項3に係る電子レベルによれば、構成の簡素化を図ることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施例を示す電子レベルの斜視図、図2は、標尺の正面図、図3は、主望遠鏡とオートフォーカス制御系のブロック図、図4は、ラインセンサの出力波形図、図5は、合焦レンズ位置とコントラスト値との関係を説明するための特性図、図6は、補助望遠鏡の光路図、図7は、電子レベルによる水準測量方法を説明するためのフローチャート、図8(a)は、本発明の第2実施例を示す電子レベルの正面図、図8(b)は、本発明の第2実施例を示す電子レベルの側面図である。
図1において、電子レベル10は、略箱型に成型された樹脂製本体12を備え、本体12の略中心部には、主望遠鏡14が本体12の中心部を貫通するように配置されている。
主望遠鏡14は、例えば、視野1°20′、倍率×32の合焦式望遠鏡であって、図2に示すように、数m〜数十m或いは数百mの距離を隔てて存在する標尺1を視準対象として構成されている。
標尺1には、白地の表面に黒色のマーク11が複数個、標尺1の上下方向(軸方向)に沿って、その中心位置間隔が等ピッチで表示されている。各マーク11の上下方向の幅寸法は、全て同じ寸法ではなく、複数種類の寸法のマーク11が所定の順序で標尺1上に配置されている。すなわち、標尺1上には、各マーク11による複数のパターン(目盛パターン)がバーコードパターンとして、等間隔で形成されている。
また、主望遠鏡14は、図3に示すように、正立視準光学系として、対物レンズ16、合焦レンズ18、自動補償機構(コンペンセータ)20、ビームスプリッタ22、焦点板24、接眼レンズ26を備えており、合焦レンズ18、自動補償機構20、ビームスプリッタ22および焦点板24は、対物レンズ16と接眼レンズ26とを結ぶ、正立視準光学系の光軸L1上に配列されている。自動補償機構20は、電子レベル10の視準軸(光軸L1)が傾いても自動的に水平方向(視準面)を補正する機構を備えている。
正立視準光学系を有する主望遠鏡14で標尺1などの視準対象を視準すると、この視準によって受光された光信号は、対物レンズ16、合焦レンズ18、自動補償機構20、ビームスプリッタ22を介して焦点板24上に目盛パターンとして結像する。
焦点板24上に結像する目盛パターンの合焦状態、例えば、合焦・非合焦を標尺1との距離に応じて調整するために、合焦レンズ18が設けられている。この合焦レンズ18は、正立視準光学系の光軸L1に沿って所定の範囲に亘って移動できるように、正立視準光学系の光軸L1に沿って往復動自在に配置されている。この合焦レンズ18を正立視準光学系の光軸L1に沿って移動させるために、合焦レンズ18には、ラックアンドピニオンなどの機構(図示せず)を介してステッピングモータ28が接続されている。
このステッピングモータ28は、合焦レンズ18を駆動する駆動手段として、合焦レンズ18に機械的に接続され、駆動回路30からのパルス信号に応答して合焦レンズ18を正立視準光学系の光軸L1に沿って往復移動させるようになっている。駆動回路30は、マイコン32の生成によるパルス信号を増幅してステッピングモータ28に出力するようになっている。
この際、マイコン32は、ステッピングモータ28を正逆回転させるためのパルス信号を生成し、生成したパルス信号を基にステッピングモータ28のステップ数を計数し、この計数値から合焦レンズ18の正立視準光学系における位置を検出する位置検出手段として構成されている。
具体的には、マイコン32は、ステッピングモータ28の駆動により、合焦レンズ18を、その移動可能範囲のうち接眼レンズ26側の端まで一旦移動させ、その位置で主望遠鏡14が無限遠の位置に合焦したときに、そのときのステッピングモータ28のステップ数を0点として記憶し、その後、合焦レンズ18を接眼レンズ26から離れる正方向に移動させるためのパルス信号を生成する毎に、ステップ数を増加させ、合焦レンズ18を逆方向に移動させるためのパルス信号する毎に、ステップ数を減少させ、ステップ数の計数値(0点を基準としたステップ数の合計)から合焦レンズ18の正立視準光学系における位置を検出するようになっている。
また、主望遠鏡14の近傍には、焦点板24と共役の位置にラインセンサ34が配置されている。ラインセンサ34は、対物レンズ16、合焦レンズ18、自動補償機構20、ビームスプリッタ22とともに映像光学系を構成し、ビームスプッリタ22で分岐された光信号をその受光面で受光し、受光面上に形成された標尺上の目盛パターン(焦点板24の十字線上に結像する目盛パターン)を、その明暗に応じて電気信号に変換する光電変換手段として構成されている。
ラインセンサ34は、例えば、CCD(charge coupled device)を用いて構成されており、ラインセンサ34の出力による電気信号はアンプ36で増幅されたあと、A/D(アナログ・デジタル)変換器38に入力されるようになっている。
A/D変換器38は、クッロクドライバ40のクッロク信号に同期して入力信号をサンプルホールドするとともに、ホールドされたアナログ信号をデジタル信号に変換してRAM42に出力するようになっている。A/D変換器38の変換動作により得られたデジタル信号はデジタルのデータとして、RAM42の指定のエリアに順次記録され、記録されたデータはマイコン32に転送されるようになっている。
この場合、マイコン32は、焦点板24の十字線上に標尺1の視準像が結像されている状態にあるときに、ラインセンサ34の出力信号(図4参照)から目盛パターンのコントラスト値を演算する。この際、マイコン32は、合焦レンズ位置とコントラスト値の演算結果を監視し、コントラスト値のピークが検出されたときには、コントラスト値のピークが検出されたときの合焦レンズ位置を記憶し、コントラスト値のピークが検出されたときの合焦レンズ位置に合焦レンズ18を位置決めするためのオートフォーカス制御を実行する駆動制御手段として構成されている。
具体的には、マイコン32は、合焦レンズ18を合焦レンズ位置まで移動させるためのオートフォーカス制御を実行するに際して、図5に示すように、合焦レンズ18を移動させる過程で、ラインセンサ34の出力信号を順次サンプリングして微分し、各微分値をコントラスト値C1、C2、C3、C4、C5、C6、……として記憶するとともに、合焦レンズ位置GL1、GL2、GL3、GL4、GL5、GL6、……に対応づけて記憶する。この場合、ラインセンサ34の出力信号は、明暗が変化する交流信号であるので、ラインセンサ34の出力信号の微分値が大きい程、コントラスト値は大きな値を示す。
マイコン32は、コントラスト値C1、C2、C3、C4、C5、C6、……と合焦レンズ位置GL1、GL2、GL3、GL4、GL5、GL6、……とを対応づけて記憶した後、コントラスト値C1、C2、C3、C4、C5、C6、……と合焦レンズ位置GL1、GL2、GL3、GL4、GL5、GL6、……との関係を多項式、例えば、二次関数による合焦点判定近似曲線f(x)に変換し、この合焦点判定近似曲線f(x)を基にコントラスト値の最大値あるいは極大値をコントラスト値のピークCPとして演算し、コントラスト値のピークCPに対応した合焦レンズ位置LPを合焦点の合焦レンズ位置LPとして演算する。
この後、マイコン32は、コントラスト値のピークCPに対応した合焦レンズ位置LPを合焦点の合焦レンズ位置LPとして、駆動回路30を介してステッピングモータ28を駆動し、合焦レンズ18を合焦レンズ位置LPまで移動させて、合焦レンズ18を合焦点の合焦レンズ位置LPに位置決めし、オートフォーカス制御を終了する。
オートフォーカス制御を終了した後、マイコン32は、合焦レンズ18が合焦点の合焦レンズ位置LPに位置決めされたことを条件に、ラインセンサ34の出力信号を基に標尺1上の目盛パターン11を読み取って、レベルを求めるための演算を実行する。
この場合、マイコン32は、ラインセンサ34の出力による電気信号を基に主望遠鏡14の視準対象となる標尺1の目盛パターン11を識別して標尺1上の視準位置を演算する演算手段を構成することになる。
一方、電子レベル10の本体12上部側には、矩形形状の取っ手46が主望遠鏡14の長手方向(正立視準光学系の光軸L1方向)に沿って本体12と一体に形成されている。取っ手46には、補助望遠鏡48が取り付けられている。
補助望遠鏡48は、例えば、視野3°、倍率×4.5の固定焦点式補助望遠鏡として、対物ユニット50と接眼ユニット52を備え、対物ユニット50と接眼ユニット52が互いに分かれて取っ手46に取り付けられている。また、接眼鏡のアイポイントを長くしているため、接眼レンズに近づけなくとも容易に像をとらえることができる。
対物ユニット50は、図6に示すように、補助対物レンズ54と、ウェッジガラス56を備え、取っ手46の脚部46aに固定されている。接眼ユニット52は、補助接眼レンズ58と、焦点板60と、正立プリズム62を備え、取っ手46の脚部46a、46bに固定されている。
補助対物レンズ54とウェッジガラス56は、対物ユニット50に属する補助視準光学系の要素として構成され、補助接眼レンズ58と焦点板60および正立プリズム62は、接眼ユニット52に属する、正立像形の補助視準光学系の要素として構成され、補助視準光学系の各要素は、補助視準光学系の光軸L2に沿って配列されている。この際、補助視準光学系の光軸L2は、主望遠鏡14における正立視準光学系の光軸L1と同一の鉛直面において互いに平行となるように配置されている。
ウェッジガラス56は、電子レベル10の操作に先立って、電子レベル10の光軸L1に対し、光軸調整つまみ64を回転操作することで、補助視準光学系の光軸L2と主望遠鏡14の光軸L1とを水平面上で方向を合致させるように調整できる。補助接眼レンズ58は、視度調整つまみ66を回転操作することで、補助接眼レンズ58a、58b間の距離が変化して、焦点板60の視準軸を示すマーク点上に視度が調整できるようになっている。なお、脚部46a、46bに形成されている、光軸L2上の穴68には、防水処理が施されているとともに透明ガラス59が装着されている。
また、本体12の上部には、円形水準器70、電源スイッチ72が配置され、本体12の両側面には、合焦つまみ74、微動つまみ76、USB端子78が配置されている。本体12の底部側には、整準台80が連結されており、整準台80と本体12底部との間には、整準台80の傾きを調整するための整準台つまみ82が複数個配置されている。
次に、電子レベル10による水準測量を図7のフローチャートに従って説明する。
電子レベル10を用いて水準測量を行うに際して、例えば、標高が既知である既知点A、例えば、1等または2等水準点から求点Bの標高を求める場合、まず、既知点Aと求点Bとの間に電子レベル10を設置する(S1)。この際、電子レベル10を、脚頭が略水平に調整された三脚の上に配置し、円形水準器70の気泡の半分以上が○印内に入るまで、電子レベル10を三脚上で移動させた後、三脚の定心桿を締め、電子レベル10を固定する。このとき、気泡のずれが大きいときには、整準台つまみ82で気泡の位置を調整し、電子レベル10を水平にする。
この後、既知点Aに標尺1を立てる(S2)。次に、補助望遠鏡48を覗いて、既知点Aに立てられた標尺1の目盛パターン11を読み取るための後視(進行方向に対して後方向に視準すること。)を行う(S3)。この際、補助望遠鏡48は、固定焦点式望遠鏡であるので、合焦動作を行うことなく、標尺1を視準することができる。しかも、補助望遠鏡48は、照星・照門やピープサイトよりも倍率が高く、主望遠鏡14よりも視野が広いため、標尺1を容易に視準することができる。
すなわち、補助望遠鏡48を覗いて、標尺1を後視するだけで、主望遠鏡14を覗いて標尺1を視準することなく、焦点板24の十字線上に標尺1の視準像を結像させることができ、結果として、補助望遠鏡48の視野内の視準対象である標尺1の目盛パターンを、主望遠鏡14の視野の中心に合わせることができる。
次に、電子レベル10によるオートフォーカス制御を実行する(S4)。具体的には、焦点板24の十字線上に標尺1の目盛パターンが結像されている状態でオートフォーカス制御が指令されると、マイコン32は、ラインセンサ34の出力信号から物体像のコントラスト値を演算する。この際、マイコン32は、合焦レンズ位置とコントラスト値の演算結果を監視し、コントラスト値のピークが検出されたときには、コントラスト値のピークが検出されたときの合焦レンズ位置を記憶し、コントラスト値のピークが検出されたときの合焦レンズ位置に合焦レンズ18を位置決めするための制御を実行する。
すなわち、マイコン32は、合焦レンズ18が移動するときに、図4に示すように、ラインセンサ34の出力信号を順次サンプリングして微分し、各微分値をコントラスト値C1、C2、C3、C4、C5、C6、……として記憶するとともに、合焦レンズ位置GL1、GL2、GL3、GL4、GL5、GL6、……に対応づけて記憶する。
マイコン32は、コントラスト値C1、C2、C3、C4、C5、C6、……と合焦レンズ位置GL1、GL2、GL3、GL4、GL5、GL6、……とを対応づけて記憶した後、コントラスト値C1、C2、C3、C4、C5、C6、……と合焦レンズ位置GL1、GL2、GL3、GL4、GL5、GL6、……との関係を多項式、例えば、二次関数による合焦点判定近似曲線f(x)に変換し、この合焦点判定近似曲線f(x)を基にコントラスト値の最大値あるいは極大値をコントラスト値のピークCPとして演算し、コントラスト値のピークCPに対応した合焦レンズ位置LPを合焦点の合焦レンズ位置LPとして演算する。
この後、マイコン32は、コントラスト値のピークCPに対応した合焦レンズ位置LPを合焦点の合焦レンズ位置LPとして、駆動回路30を介してステッピングモータ28を駆動し、合焦レンズ18を合焦レンズ位置LPまで移動させて、合焦レンズ18を合焦点の合焦レンズ位置LPに位置決めし、オートフォーカス制御を終了する。
次に、マイコン32は、合焦レンズ18が合焦点の合焦レンズ位置LPに位置決めされたことを条件に、ラインセンサ34の出力信号を基に標尺1上の目盛パターン11を読み取り、既知点Aのレベルaを求める(S5)。
次に、補助望遠鏡48を覗いて、求点Bに立てられた標尺1の目盛パターン11を読み取るための前視(進行方向に対して前方向に視準すること。)を行う(S6)。この際、補助望遠鏡48は、固定焦点式望遠鏡であるので、合焦動作を行うことなく、標尺1を視準することができる。しかも、補助望遠鏡48は、照星・照門やピープサイトよりも倍率が高く、主望遠鏡14よりも視野が広いため、標尺1を容易に視準することができる。
すなわち、補助望遠鏡48を覗いて、標尺1を前視するだけで、主望遠鏡14を覗いて標尺1を視準することなく、焦点板24の十字線上に、標尺1の視準像を結像させることができ、結果として、補助望遠鏡48の視野内の視準対象である標尺1の目盛パターン11を、主望遠鏡14の視野の中心に合わせることができる。
次に、電子レベル10によるオートフォーカス制御を実行する(S7)。この際、マイコン32は、ステップS4と同様な処理を実行する。
すなわち、マイコン32は、ラインセンサ34の出力信号を基にコントラスト値のピークCPに対応した合焦レンズ位置LPを合焦点の合焦レンズ位置LPとして演算し、その後、コントラスト値のピークCPに対応した合焦レンズ位置LPを合焦点の合焦レンズ位置LPとして、駆動回路30を介してステッピングモータ28を駆動し、合焦レンズ18を合焦レンズ位置LPまで移動させて、合焦レンズ18を合焦点の合焦レンズ位置LPに位置決めし、オートフォーカス制御を終了する。
次に、マイコン32は、合焦レンズ18が合焦点の合焦レンズ位置LPに位置決めされたことを条件に、ラインセンサ34の出力信号を基に標尺1上の目盛パターン11を読み取り、求点Bのレベルbを求める(S8)。この場合、レベルaからレベルbを引くことで、既知点Aと求点Bの比高は(a−b)であるとして求めることができる。
本実施例によれば、補助望遠鏡48を覗いて、標尺1を視準するだけで、主望遠鏡14を覗いて標尺1を視準することなく、主望遠鏡14の焦点板24の十字線上に標尺1の目盛パターン11を結像させることができ、結果として、補助望遠鏡48の視野内の視準対象である標尺1の目盛パターン11を、主望遠鏡14の視野の中心に合わせることができる。
また、本実施例によれば、補助望遠鏡48を覗いて、標尺1を視準して、主望遠鏡14の焦点板24の十字線上に標尺1の目盛パターン11を結像させた後、オートフォーカス制御を実行することで、合焦レンズ18を合焦点の合焦レンズ位置LPに自動で位置決めさせること、すなわち、ピントを自動的に合わせることができる。
さらに、本実施例によれば、ピントを自動的に合わせた状態で、標尺1上の目盛パターン11を読み取って、レベルa、bを自動計測することができ、水準測量に要する測定時間を短縮することができる。
また、本実施例によれば、補助望遠鏡48を、視準光学系の光軸L1と平行に配置された取っ手46に固定しているので、構成の簡素化を図ることができる。
次に、本発明の第2実施例を図8(a)、(b)に従って説明する。本実施例は、本体13の上部側に矩形形状の取っ手47を一体に形成し、取っ手47の上部に、対物ユニット51と接眼ユニット53が一体化された補助望遠鏡49を固定し、本体13や補助望遠鏡49等の形状を変更したものであり、各要素の機能は第1実施例と同様である。
第2実施例によれば、第1実施例と同様な機能を備えているので、第1実施例と同様な効果を奏することができる。
本発明の第1実施例を示す電子レベルの斜視図である。 標尺の正面図である。 主望遠鏡とオートフォーカス制御系のブロック図である。 ラインセンサの出力波形図である。 合焦レンズ位置とコントラスト値との関係を説明するための特性図である。 補助望遠鏡の光路図である。 電子レベルによる水準測量方法を説明するためのフローチャートである。 (a)本発明の第2実施例を示す電子レベルの正面図、(b)本発明の第2実施例を示す電子レベルの側面図である。
符号の説明
1 標尺
10 電子レベル
12 本体
14 主望遠鏡
16 対物レンズ
18 合焦レンズ
24 焦点板
28 ステッピングモータ
32 マイコン
34 ラインセンサ
46、47 取っ手
48、49 補助望遠鏡
74 合焦つまみ

Claims (3)

  1. 対物レンズと接眼レンズとの間に配置された焦点板と、前記焦点板上に結像する視準対象の合焦状態を調整するための合焦レンズが光軸に沿って配列された正立視準光学系を有する主望遠鏡と、
    補助対物レンズと視準軸を示す焦点板および補助接眼レンズが光軸に沿って配列された、正立像形の補助視準光学系を有する補助望遠鏡と、
    前記焦点板上に結像する視準対象を電気信号に変換する光電変換手段と
    前記光電変換手段の出力による電気信号を基に前記主望遠鏡の視準対象となる標尺の目盛パターンを識別して前記標尺上の視準位置を演算する演算手段を備え、
    前記正立視準光学系の光軸と前記補助視準光学系の光軸は同一の鉛直面において互いに平行に配置されてなる電子レベル。
  2. 請求項1に記載の電子レベルにおいて、前記合焦レンズを前記正立視準光学系の光軸方向に沿って移動させる駆動手段と、前記正立視準光学系における前記合焦レンズの位置を検出する位置検出手段と、前記駆動手段の駆動を制御して前記合焦レンズをその移動可能範囲に亘って移動させる駆動制御手段と、前記光電変換手段の出力による電気信号から前記物体像のコントラスト値を算出するコントラスト値算出手段とを備え、
    前記駆動制御手段は、前記位置検出手段の検出出力と前記コントラスト値算出手段の算出結果を互いに関連づけて監視し、この監視結果を基に前記駆動手段に対して、前記コントラスト値算出手段の算出値が最大値または極大値を示すときの合焦レンズ位置に前記合焦レンズを位置決めさせる制御を実行してなることを特徴とする電子レベル。
  3. 請求項1または2のうちいずれか1項に記載の電子レベルにおいて、前記補助望遠鏡は、前記正立視準光学系の光軸と平行に配置された取っ手に固定されてなることを特徴とする電子レベル。
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