JP2010066112A - Ri廃棄物の沿岸海底下処分方法と処分設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】
RI廃棄物は、放射線・放射能レベルにおいて低レベル放射性廃棄物であるが、その長期安全処分には生活環境から隔離され、水資源に抵触しない場所が要求されるが、我が国においては、そのような処分場所を地表層に幾つも確保することは難しい。
この状況を打開するため、地表層以外の処分場所を開発して大処分容量の処分場を造成することにより、RI廃棄物の集中処分を可能にする。
【解決手段】
大学、企業、病院等の放射性同位体(RI)使用施設から発生する放射性廃棄物であるRI廃棄物の長期安全処分を可能にするため、処分場を沿岸海底下に造成して処分する。
【選択図】なし
RI廃棄物は、放射線・放射能レベルにおいて低レベル放射性廃棄物であるが、その長期安全処分には生活環境から隔離され、水資源に抵触しない場所が要求されるが、我が国においては、そのような処分場所を地表層に幾つも確保することは難しい。
この状況を打開するため、地表層以外の処分場所を開発して大処分容量の処分場を造成することにより、RI廃棄物の集中処分を可能にする。
【解決手段】
大学、企業、病院等の放射性同位体(RI)使用施設から発生する放射性廃棄物であるRI廃棄物の長期安全処分を可能にするため、処分場を沿岸海底下に造成して処分する。
【選択図】なし
Description
この出願の発明は、大学、企業、病院等のRI使用施設から発生するRI廃棄物の長期安全処分を可能とする沿岸海底下処分方法と処分設備に関するものである。
さらに詳しくは、この出願の発明は、RI廃棄物の処分場を沿岸海底下の岩盤中に造成することにより、処分後に処分場から放射性同位体、すなわち放射性核種の漏洩があったとしても、周囲の厚い岩盤層に吸着・固定され、生活環境へは有意な汚染を与えることがない新しい処分方法と処分設備に関するものである。
RI廃棄物は、放射線・放射能レベルにおいて低レベル放射性廃棄物であるが、その長期安全処分には生活環境から隔離され、水資源に抵触しない場所が要求される。しかし、我が国においては、そのような処分場所を地表層に幾つも確保することは難しい。
この状況を打開するためには、地表層以外の処分場所を開発して大処分容量の処分場を造成することにより、RI廃棄物の集中処分を可能にすることが必要である。
この出願の発明は、上記の事情に鑑みて案出されたものであって、RI廃棄物の新しい処分方法と処分設備を提供することを課題としている。
沿岸海底下の岩盤中は、生活環境から隔離され水資源に抵触しない場所である。そして処分後に処分場から放射性核種の漏洩があったとしても、周囲の厚い岩盤層に吸着・固定され、生活環境へは有意な汚染を与えることがないことを試算により見通しを得ており、これに基づいて、本発明は、RI廃棄物の沿岸海底下処分方法と処分設備として提案されるものである。
すなわち、本発明は、大学、企業、病院等の放射性同位体(RI)使用施設から発生する放射性廃棄物であるRI廃棄物の長期安全処分を可能にするため、処分場を沿岸海底下に造成して処分することを特徴とするRI廃棄物の沿岸海底下処分方法である。
また、本発明は、沿岸海底下処分場は沿岸海底下岩盤中に複数のトンネルを形成することにより造成し、各トンネル内にはトンネルの安全確保と廃棄物パッケージの定置のため、コンクリートボールトを設置することを特徴としている。
処分場の造成は、沿岸海底下の岩盤中にトンネルを形成することからなる。この際トンネル形成技術は、鉄道用海底トンネル(青函トンネル等)の知識・技術から問題はない。
考えられる事故は、処分操業期間中に地震による廃棄物パッケージを定置したコンクリートボールトへの海水浸入である。海水浸入したコンクリートボールトは密閉・閉鎖する処置をとり、処分操業は他のコンクリートボールトにおいて継続する。
沿岸海底下処分、すなわち沿岸海底下の岩盤中に処分場を造成して低レベル放射性廃棄物であるRI廃棄物を処分することは、すでにスウェーデンフオルスマルク原子力発電所の放射性廃棄物の沿岸海底下処分場への処分が国際的に認められているように、廃棄物の海洋投棄を禁止する「ロンドン条約」に抵触せず、沿岸漁業にも支障をきたさない。
沿岸海底下の岩盤中は生活環境から隔離された場所であり、水資源に抵触せず、水理的にも安定、孤立した場所である。そこに造成する大処分容量の沿岸海底下処分場により、RI廃棄物の集中処分が可能になり、将来にわたり処分場所の確保難が解消される。
そして、沿岸海底下処分場へのRI廃棄物の処分において、将来処分場から放射性核種の漏洩があったとしても、周囲の厚い岩盤層に吸着・固定されるため、生活環境に有意な汚染を与えることはなく、メンテナンスフリーな安全処分が約束される。
また、沿岸海底下処分場へのRI廃棄物の処分は、廃棄物の海洋投棄を禁止する「ロンドン条約」に抵触しない。また、沿岸漁業に支障をきたさないことから、地域住民のコンセンサスも得やすい先進的な環境保全技術であり、有害産業廃棄物の処分への適用も考えられる。
以下に実施例をもって発明の実施の形態について説明し、処分設備についても説明を加える。
図1は沿岸海底下処分場の概念図であり、図2は処分場におけるコンクリートボールトの配置と廃棄物パッケージの搬入・定置を示す図であり、図3はコンクリートボールトに廃棄物パッケージを定置した想定図である。
処分場(6)は、図1に示すように、沿岸海底下(G)の岩盤中に造成される。処分場(6)の設置深度は、安全面から岩盤が結晶性岩盤(花崗岩等)の場合は50〜100m、非結晶性岩盤(固結堆積岩等)の場合は100〜150mを目安に設置する。また、いずれの岩盤においても強度を示すN値が50以上であって、透水係数が1×10-6cm/s以下であるとする。
処分場(6)およびコンクリートボールト(8)は、鉄筋コンクリート構築物として造成され、その際のコンクリート構築物の圧縮強度は30N/mm2、コンクリートボールトの天井、床、壁の厚みは100cmとする。
沿岸海底下の岩盤中におけるトンネルの形成には、近年トンネル工事の主流であるNATM工法の採用により、コンクリートボールトは一基あたり5千から1万m3の処分容量を備えることが可能となり、大処分容量の処分場の造成が実現する。
RI取扱施設において発生した放射性廃棄物、すなわちRI廃棄物については、爆発、発火、有毒ガス発生の恐れがない固体又はセメント等による固化体を処分対象とし、輸送容器を兼ねてドラム缶(200L)あるいはコンクリート製容器(1m3、円柱形又は立方形)に封入したものを廃棄物パッケージとする。
廃棄物受入れ地上施設(1)においては、輸送されてきた廃棄物パッケージ(7)について、廃棄物の確認、容器の健全性検査および放射線量測定を行い、処分操業の安全に備える。
廃棄物受入れ地上施設(1)から沿岸海底下(G)の岩盤中に造成された処分場(6)への廃棄物パッケージの搬送は、図1に示すように立て坑(2)、中継所(3)、坑道(4)および搬入ホール(5)を通して行われる。
廃棄物パッケージ(7)の搬送手段については、廃棄物受入れ地上施設(1)から中継所(3)までは荷役エレベータにより、さらに処分場の搬入ホール(5)まではローラーコンベア、天井走行クレーン、フォークリフトのいずれかにより廃棄物パッケージ(7)を搬送する。
処分場(6)には図2に示すようにコンクリートボールト(8)が配置されており、搬入ホール(5)に搬送されてきた廃棄物パッケージ(7)は、天井走行クレーンやフォークリフトによりコンクリートボールト(8)に定置する。
廃棄物パッケージ(7)のコンクリートボールト(8)への定置をくり返すことにより、満杯になった時点でコンクリートボールトの入口を密閉する。そして、次のコンクリートボールトの使用に移る。
1 廃棄物受入れ地上施設
2 立て坑
3 中継所
4 坑道
5 搬入ホール
6 処分場
7 廃棄物パッケージ
8 コンクリートボールト
C 沿岸
D 設置深度
S 泥土・砂れき
G 沿岸海底下
O 海
2 立て坑
3 中継所
4 坑道
5 搬入ホール
6 処分場
7 廃棄物パッケージ
8 コンクリートボールト
C 沿岸
D 設置深度
S 泥土・砂れき
G 沿岸海底下
O 海
Claims (7)
- 大学、企業、病院等の放射性同位体(RI)使用施設から発生する放射性廃棄物であるRI廃棄物の長期安全処分を可能にするため、処分場を沿岸海底下に造成して処分することを特徴とするRI廃棄物の沿岸海底下処分方法。
- 請求項1において、沿岸海底下処分場は沿岸海底下岩盤中に複数のトンネルを形成することにより造成し、各トンネル内にはトンネルの安全確保と廃棄物パッケージの定置のため、コンクリートボールトを設置することを特徴とするRI廃棄物の沿岸海底下処分方法。
- 請求項1において、処分場の造成には結晶性岩盤および非結晶性岩盤のいずれについても選択でき、処分場の設置深度は結晶性岩盤のときは50〜100mに、非結晶性岩盤のときは100〜150mにすることを特徴とするRI廃棄物の沿岸海底下処分方法。
- 請求項3において、結晶性岩盤および非結晶性岩盤のいずれの場合にも強度を示すN値が50以上であって、透水係数が1×10-6cm/s以下であることを特徴とするRI廃棄物の沿岸海底下処分方法。
- 請求項2において、沿岸海底下処分場はコンクリート構築物とし、コンクリートボールトの天井、床、壁のコンクリートの厚みは100cm、圧縮強度は30N/mm2とすることを特徴とするRI廃棄物の沿岸海底下処分方法。
- 請求項1ないし5のいずれかの処分方法のための設備であって、廃棄物受入れ地上施設、立て杭、中継所、坑道、搬入ホールを有し、これらを通して処分する廃棄物である廃棄物パッケージを処分場内のコンクリートボールトに定置可能としたことを特徴とする沿岸海底下処分設備。
- 請求項6において、放射線安全を考慮して能率的に廃棄物パッケージを廃棄物搬入地上施設から搬入経路に応じた手段によって処分場まで搬送し、さらにコンクリートボールトに定置、すなわち処分することを可能にしたことを特徴とする沿岸海底下処分設備。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008232360A JP2010066112A (ja) | 2008-09-10 | 2008-09-10 | Ri廃棄物の沿岸海底下処分方法と処分設備 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008232360A JP2010066112A (ja) | 2008-09-10 | 2008-09-10 | Ri廃棄物の沿岸海底下処分方法と処分設備 |
Publications (1)
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JP2010066112A true JP2010066112A (ja) | 2010-03-25 |
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ID=42191820
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JP2008232360A Pending JP2010066112A (ja) | 2008-09-10 | 2008-09-10 | Ri廃棄物の沿岸海底下処分方法と処分設備 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6180060B1 (ja) * | 2016-11-10 | 2017-08-16 | 有限会社モリ | 廃棄物の処分方法 |
CN111430058A (zh) * | 2020-03-18 | 2020-07-17 | 张云逢 | 高放射性核废料深井填埋处置结构以及高放射性核废料深井填埋处置方法 |
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2008
- 2008-09-10 JP JP2008232360A patent/JP2010066112A/ja active Pending
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JP6180060B1 (ja) * | 2016-11-10 | 2017-08-16 | 有限会社モリ | 廃棄物の処分方法 |
CN111430058A (zh) * | 2020-03-18 | 2020-07-17 | 张云逢 | 高放射性核废料深井填埋处置结构以及高放射性核废料深井填埋处置方法 |
CN111430058B (zh) * | 2020-03-18 | 2021-06-08 | 张云逢 | 高放射性核废料深井填埋处置结构以及高放射性核废料深井填埋处置方法 |
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