JP2010063188A - 無線通信装置、移動局 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部装置へのデータの伝送に配慮した無線通信装置、移動局を提唱することを課題とする。
【解決手段】
適応変調制御を行う送信装置に対して該適応変調制御に用いるパラメータを送信する通信装置において、外部装置又は外部装置との接続形態に応じたパラメータを生成する生成部(11)と、該生成したパラメータを前記適応変調制御に用いるパラメータとして送信する送信部(13)と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、無線通信装置に関し、例えば、W−CDMA(UMTS)通信方式を採用した移動無線通信システムで用いられる移動局に関する。
現在、3GPP(3rd Generation Partnership Project)で、第3世代移動通信システムの1つの方式であるW−CDMA(UMTS)方式の標準化が進められている。そして、標準化のテーマの1つとして下りリンクで最大約14Mbpsの伝送速度を提供するHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)が規定されている。
HSDPAは、適応符号化変調方式(AMC:Adaptive Modulation and Coding)を採用しており、例えば、QPSK変調方式と16値QAM方式とを基地局、移動局間の無線環境に応じて適応的に切りかえることを特徴としている。
また、HSDPAは、H−ARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)方式を採用している。H−ARQでは、移動局は基地局からの受信データについて誤りを検出した場合に、当該基地局に対して再送要求を行う。この再送要求を受信した基地局は、データの再送を行うので、移動局は、既に受信済みのデータと、再送された受信データとの双方を用いて誤り訂正復号化を行う。このようにH−ARQでは、誤りがあっても、既に受信したデータを有効に利用することで、再送回数を抑えている。
HSDPAに用いられる主な無線チャネルは、HS−SCCH(High Speed-Shared Control Channel)、HS−PDSCH(High Speed-Physical Downlink Shared Channel)、HS−DPCCH(High Speed-Dedicated Physical Control Channel)がある。
HS−SCCH、HS−PDSCHは、双方とも下り方向(Downlink)(即ち、基地局から移動局への方向)の共通チャネルであり、HS−SCCHは、HS−PDSCHにて送信するデータに関する各種パラメータを送信する制御チャネルである。各種パラメータとしては、例えば、どの変調方式を用いるかを示す変調タイプ(Modulation Scheme)情報、割当てる拡散符号(spreading code)の数(コード数)、送信前に施されるレートマッチング処理のパターン等の情報が挙げられる。
一方、HS−DPCCHは、上り方向(Uplink)(即ち、移動局から基地局への方向)の個別の制御チャネルである。例えば、HS−PDSCHを介して基地局から受信したデータの受信可、否の結果をそれぞれACK信号、NACK信号として移動局が基地局に対して送信する際に用いられる。尚、移動局がデータの受信に失敗した場合(受信データがCRCエラーである場合等)は、再送要求としてのNACK信号が移動局から送信されるので、基地局は再送制御を実行することとなる。なお、無線基地局は、ACK信号もNACK信号も受信できない場合(DTXの場合)は、やはり再送制御を行うため、移動局がACK信号もNACK信号も送信しない場合DTX状態となることも再送要求の1つとして挙げられる。
その他、HS−DPCCHは、移動局が測定した基地局からの受信信号の受信品質情報(例えばSIR)をCQI情報(Channel Quality Indicator)として基地局に送信するためにも用いられる。基地局は、受信したCQI情報により下り方向の送信形式を変更する。即ち、CQI情報が下り方向の無線環境が良好であることを示す場合は、より高速にデータを送信可能な変調方式に送信形式を切りかえ、逆CQI情報が下り方向の無線環境が良好でないことを示す場合は、より低速にデータを送信する変調方式に送信形式を切りかえる(即ち、適応変調を行う)。
・「チャネル構造」
次に、HSDPAにおけるチャネル構成について説明する。
図1は、HSDPAにおけるチャネル構成を示すための図である。尚、W−CDMAは、符号分割多重方式を採用するため、各チャネルは符号により分離されている。
まず、説明していないチャネルについて簡単に説明しておく。CPICH(Common Pilot Channel)、P−CCPCH(Primary Common Control Physical Channel)は、それぞれ下り方向の共通チャネルである。
CPICHは、移動局においてチャネル推定、セルサーチ、同一セル内における他の下り物理チャネルのタイミング基準として利用されるチャネルであり、いわゆるパイロット信号を送信するためのチャネルである。P−CCPCHは、各セルに1つ存在し、報知情報を送信するために使用されるチャネルである。
次に、図1を用いて、チャネルのタイミング関係について説明する。
図のように、各チャネルは、15個のスロット(各スロットは、2560チップ長相当)により1フレーム(10ms)を構成している。先に説明したように、CPICHは他のチャネルの基準として用いられるため、P−CCPCH及びHS−SCCHのフレームの先頭はCPICHのフレームの先頭と一致している。ここで、HS−PDSCHのフレームの先頭は、HS−SCCH等に対して2スロット遅延しているが、移動局がHS−SCCHを介して変調タイプ情報を受信してから、受信した変調タイプに対応する復調方式でHS−PDSCHの復調を行うことを可能にするためである。また、HS−SCCH、HS−PDSCHは、3スロットで1サブフレームを構成している。
HS−DPCCHは、上り方向のチャネルであり、その第1スロットは、HS−PDSCHの受信から約7.5スロット経過後に、受信確認のための応答信号であるACK/NACK信号を移動局から基地局に送信するために用いられる。また、第2、第3スロットは、適応変調制御のためのCQI情報を定期的に基地局にフィードバック送信するために用いられる。ここで、送信するCQI情報は、CQI送信の4スロット前から1スロット前までの期間に測定した受信環境(例えば、CPICHのSIR測定結果)に基づいて算出される。
図2に、CPICHのSIR(Signal to Interference Ratio)を用いる場合のCQIテーブルを示す。
図に示すように、テーブルは、CQI情報1〜30のそれぞれについてTBS(Transport Block Size)ビット数、コード数、変調タイプ、CPICH−SIRの対応関係を定義している。
ここで、TBSビット数は1サブフレーム内で送信するビット数、コード数はHS−PDSCHの送信に利用する拡散コードの数、変調タイプはQPSK、QAMのいずれを用いるかを示している。
図から明らかなように、CPICHのSIRが良好な(SIRが大きい)ほど、CQIも大きい値となる。CQIが大きくなるほど、対応するTBSビット数、拡散コード数も多くなり、変調方式もQAM変調方式に切り替わるのであるから、結局、SIRが良好なほど、伝送速度が速くなることが分かる。但し、使用する無線リソース(拡散コード等)の消費も高まることとなる。
図に示したテーブルは、例えば、移動局が有するメモリに記憶される。移動局は先に説明したように、受信環境測定期間においてCPICHのSIRを測定し、記憶したテーブルを参照して測定したSIRに対応するCQIを特定して基地局へ送信する。
基地局は、受信したCQI情報に従って、先に説明した適応変調制御を実行することにより、移動局におけるCPICHの受信環境を考慮した送信制御が達成されるのである。以上が、HSDPAのチャネル構成の簡単な説明である。
上述した、HSDPAに関する事項は、例えば次の非特許文献1に開示されている。
3G TS 25.212(3rd Generation Partnership Project: TechnicalSpecification Group Radio Access Network ; Multiplexing and channel coding (FDD))V6.2.0 (2004年6月)
先に説明した背景技術によれば、適応変調制御、再送制御により移動局と無線基地局との間の無線環境を考慮した送信制御が円滑に行われる。
しかし、移動局が外部装置(移動局と有線又は無線により接続された他の装置)に対して基地局から受信したデータを伝送(転送)する場合に対する配慮がない。
例えば、外部装置に対する伝送(転送)速度が遅く、外部装置に対して伝送(転送)すべきデータが移動局内で滞留してしまっていても、これに対して特段の配慮がないまま適応変調制御、再送制御が行われてしまう。
そして、時には滞留量が閾値(限界値)を超えてしまい、データの破棄等が生じてしまうこととなる。この場合、上位レイヤ側(例えばアプリケーションレイヤ)により、再送制御を行うこともできるが、上位レイヤ側となるほど再送制御が遅くなり外部装置に対するデータの伝送(転送)を円滑に行うことができず、スループットが低下することとなる。
従って、本発明の目的の1つは、外部装置へのデータの伝送に配慮した無線通信装置、移動局を提供することである。
また、外部装置の属性や、外部装置との接続形態に対する配慮がないため、不要に無線リソースを使用してしまうことがある。
従って、本発明の別の目的は、外部装置の属性や、外部装置との接続形態に対する配慮をして、不要な無線リソースの使用を抑制することである。
尚、上記目的に限らず、後述する発明を実施するための最良の形態に示す各構成により導かれる効果であって、従来の技術によっては得られない効果を奏することも本発明の目的の1つとして位置付けることができる。
(1)本発明では、適応変調制御を行う送信装置に対して該適応変調制御に用いるパラメータを送信する通信装置において、外部装置又は外部装置との接続形態に応じたパラメータを生成する生成部と、該生成したパラメータを前記適応変調制御に用いるパラメータとして送信する送信部と、を備えたことを特徴とする無線通信装置を用いる。
(2)本発明では、HSDPAに対応し、無線基地局が行う適応変調制御に用いるCQI情報を送信する移動局において、外部装置又は外部装置との接続形態に応じたCQI情報を生成する生成部と、該生成したCQI情報を送信する送信部と、を備えたことを特徴とする移動局を用いる。
本発明にかかる通信装置によれば、外部装置へのデータの伝送に配慮した無線通信装置、移動局を提供することができる。
また、外部装置へのデータの伝送に配慮した適応変調制御、再送制御を実行することで、無線リソースの有効利用、外部装置へのデータの伝送速度の低下抑制を図ることができる。
また、本発明によれば、外部装置の属性や、外部装置との接続形態に対する配慮をして、不要な無線リソースの使用を抑制することができる。
HSDPAにおけるチャネル構成を示す図である。 CQIテーブルの例を示す図である。 本発明に係る無線通信装置(移動局)を示す図である。 本発明に係るHS−PDSCH受信処理部の詳細構成を示す図である。
以下、図面を参照することにより、本発明の実施の形態について説明する。
〔a〕第1実施形態の説明
・「無線通信装置の構成」
図3は、本発明に係る通信装置を示す図である。無線通信装置の1例としてHSDPAを採用したWCDMA(UMTS)に対応した移動通信システムにおいて用いられる移動局を例に挙げて説明する。もちろん、他の移動通信システムにおいて用いられる無線通信装置に適用することも可能である。
図において、1はアンテナ、2はデュプレクサ、3は復調部、4はHS−SCCH受信処理部、5はHS−PDSCH受信処理部、6はMAC−d処理部、7はRLC−D処理部、8はTE(Terminal Equipment)、9はRLC−C処理部、10はRRC処理部、11はCQI生成部、12は再送制御部、13は送信処理部を示す。
移動局は、下りチャネル(例えば、CPICH、P−CCPCH、HS−SCCH、HS−PDSCH等)についてアンテナ1により受信し、デュプレクサ2を介して復調部3へ与える。
復調部3は、受信信号についての直交検波等の受信処理を施して復調信号をHS−SCCH受信処理部4、HS−PDSCH受信処理部5に与える。また、復調部3は、無線基地局からの受信信号(例えば、CPICH)の受信品質(例えば、SIR)を測定して、測定結果をCQI生成部11に与える。
尚、受信環境の測定は、例えば、CQI情報を送信するスロットに対して4スロット前から1スロット前までの期間で定期的に測定する。測定周期は、様々考えられるが、20ms内で1回測定を行ない、同じ測定結果を第1〜第4サブフレームで繰返して送信し、残りの6サブフレームは送信を休止し、次の無線フレームでまた1回測定し、同様に所定のサブフレームで送信を行うこともできる。
HS−SCCH受信処理部4は、図1に示したHS−SCCHを介して送信される信号を受信するための受信処理部であり、HS−SCCHの各第1スロットを受信し、復調、復号することで、自局宛てのメッセージがあるかどうか判定する。
第1スロットは、Xccs(Channelization Code Set information)、Xms(Modulation Scheme information)が畳み込み符号化されXue(User Equipment identity)が乗算された信号が送信されるスロットであり、移動局は、自局のXueを用いて、逆の演算処理、復号処理を施すことで、自局宛てのメッセージかどうかを判断することができ
る。自局宛てであると判定した場合は、HS−SCCHの残りのスロットの受信を行うとともに、2スロット遅れで送信されるHS−PDSCHの受信を試みる。
ここで、HS−PDSCHの受信を行う際には、Xccsで指定された逆拡散コードのセット、Xmsで指定された変調方式に対応する復調方式で復調を行うこととなる。尚、HS−SCCHの2スロット以降には、Xtbs(Transport Block Size information)、Xhap(Hybrid ARQ Process information)、Xrv(Redundancy and constellation Version)、Xnd(New Data indicator)が含まれる。これらの情報の意味、役割は周知であるので説明を省略する。
HS−PDSCH受信処理部5は、HS−SCCH受信処理部4で自局宛てのメッセージがあった場合に、受信処理を実行し、復調、復号結果をMAC−d処理部6に出力する。
また、復号結果についてのエラーの検出結果(例えば、CRCエラーの有無)を再送制御部12に与える。
・「HS−PDSCH受信処理部の詳細な構成」
ここで、HS−PDSCH受信処理部5の詳細な構成について図4を用いて説明する。
図4は、HS−PDSCH受信処理部(MAC−hs処理部)5の詳細構成を示す図である。但し、送信側で行われるレートマッチング処理、インタリーブ等に対応する処理であるデレートマッチング処理、デインタリーブ処理については図示を略しているが、レートマッチングにより削除されたビット部分に尤度0のデータを挿入したり、レートマッチング処理により並び替えられたデータの順を元に戻す処理がそれぞれ適所において実行される。
51はH−ARQ合成部、52はチャネル復号化部(Channel Decoder)、53CRCチェック部、54はリオーダリング処理部、55はディスアセンブリ処理部を示す。
HS−PDSCHを介して受信し、復調部3で復調された後のデータは、H−ARQ合成処理部51に与えられる。H−ARQ合成処理部51は、H−ARQ合成処理を行うための処理部であり、移動局が新規送信と判断した場合の受信データについては、メモリに記憶している受信データ等との合成を行うことなく、そのままチャネル復号化部52に引き渡す。
一方、移動局が再送信と判断した場合の受信データについては、メモリに記憶している受信データと合成してからチャネル復号化部52に引き渡される。ここで、合成の例としては、復調後のデータに含まれる尤度情報を平均化したり、不足ビットを互いに補完する等が上げられる。
尚、新規送信と再送信の識別は、HS−SCCHを介して送信されたXnd(New Data indicator)等を用いて判断することができる。例えば、Xndが1から0に変化した場合は、その変化した0により新規送信に切り替わったことが検出され、Xndが1のままであれば、変化無しにより再送信であることが検出される。
さて、新規送信時の受信データ又は再送信時の合成後の合成データは、チャネル復号化部52に与えられることとなるが、ここでは、これらの入力データに対してターボ復号(Turbo Decode)処理等の誤り訂正復号処理が実行される。
従って、受信データや合成データに誤りが含まれる場合であっても、誤り訂正により誤りの改善されたデータがチャネル復号化部52から出力されることとなる。
復号後のデータは、CRCチェック部53により誤り検出処理が実行され、エラーの有無情報が再送制御部12に与えられる。
CRCチェック部53により誤りが検出されなかったデータは、リオーダリング処理部54に与えられる。
リオーダリング処理部54は、誤りの検出されなかったデータ(MAC−hs PDU)に含まれる順序情報(例えば、TSN)に基づいて並び替え処理(リオーダリング)を行い、並び替え後のデータをディスアセンブリ処理部55に与える。
ディスアセンブリ処理部55は、ヘッダの削除処理等を行って、MAC PDU(RLC PDU))を、MAC−d処理部6に与えることとなる。
尚、リオーダリング処理部54は、並び替え処理時において順番抜けが発生していることを検出するとT1タイマを起動し、所定時間経過するまでに順番抜けが解消しない場合は、順番抜けを含むデータ列をディスアセンブリ処理部55を介してMAC−d処理部6に引き渡し、上位レイヤであるRLCレイヤにおける再送制御にゆだねることとなる。
さて、図3を用いた説明に戻ると、MAC−d処理部6は、HS−PDSCH受信処理部5からのデータについて秘匿の解除処理を行って、ユーザデータ系のデータは、RLC−D処理部7へ与え、秘匿解除後の制御信号系のデータは、RLC−C処理部9へ与える。
RLCーD処理部9は、MAC PDU(RLC PDU)に含まれるシーケンスナンバを用いた並び替え(リオーダリング)を行い、順番抜けの検出及び、ポーリングビットのチェックを行なう。
ここで、順番抜けを検出した場合、RLC−D処理部7は、RLC−C処理部9と連携して、別途確立している個別物理チャネル(DPCH)を介して、RLCレイヤにおける再送制御のためのNACK信号を無線基地局に向けて送信するように送信処理部13を制御する。
また、RLC−C処理部9は、ポーリングビットがPDUの状態(例えば、順番抜けの発生状況等)を報告するように要求する設定となっていることを検出した場合に、同様に別途確立している個別物理チャネル(DPCH)を介して、シーケンスナンバの順番抜けの発生状況をチェックし、順番抜けが発生していなければACK信号、発生していればNACK信号を同様のDPCHを介して送信するように送信処理部13を制御する。
また、RLC−C処理部9は、無線基地局から受信した制御データのうち、適宜必要とされる制御データを無線リソース制御を行うRRC処理部10に対して与える。
さて、RLC−D処理部7でリオーダリング処理を施されたデータは、TE(終端装置)8に引き渡され、不図示への外部装置への伝送(転送)処理が実行される。
即ち、移動局に対して有線又は無線によりPC、画像表示部等の外部装置が接続されている場合に、無線基地局からHS−PDSCHを介して受信したデータを外部装置へ伝送(転送)するのである。
しかし、外部装置との間の伝送レートが低い場合等に、外部装置へ伝送すべきデータがTE等のバッファに滞留してしまうことがあり、バッファのオーバーフローによりデータ破棄が生ずることもある。
このような場合は、例えば、HS−PDSCH受信処理部5等に対してフロー制御を行うことで、リオーダリング処理部54内のバッファ等で伝送データのTE8側への供給を抑制する制御をかけることができるが、リオーダリング処理部54内のバッファ等がオーバーフローすることもあり、同様にデータ破棄が生じてしまうことがある。
そこで、この実施形態では、TE8、HS−PDSCH受信処理部5(例えば、リオーダリング処理部54)等の外部装置へ伝送(転送)するデータを扱うユニット部分において、外部装置へ伝送(転送)するデータの滞留状況を監視させ、その監視結果であるデータ滞留情報をCQI生成部11、再送制御部12に与えることとする。
・「データ滞留情報をCQI生成部11に与える場合」
先に説明したように、CQI生成部11には、復調部3から無線基地局からの受信信号の受信品質情報(例えば、CPICHの受信SIR)も入力されており、通常は、図2に示したCQIテーブルにより、受信品質に応じたCQI値をCQI情報として生成して送信処理部13に与えることとなる。尚、CQIテーブルはCQI生成部11が有することとする。
しかし、この例では、TE8等によって、外部装置に伝送すべきデータの滞留状況(例えば、蓄積しているデータ量等)情報も、CQI生成部11に与えられる。
そして、CQI生成部11は、データの滞留状況を反映させたCQI情報を生成して送信処理部13へ送信するように与えるのである。
反映させる例としては、滞留状況に応じて、受信品質に対応するCQI値を補正することが挙げられる。
即ち、滞留状況が、外部装置に伝送すべきデータの蓄積量が所定の閾値以上となったことを示す場合に、CQI値を適応変調制御により伝送速度が低下する方向に補正するのである。
例えば、受信品質がSIR=15.5(dB)を示す場合に対応するCQI値16をCQI値15等のように小さい値となるように補正(より低い伝送速度となるように補正)するのである。尚、この場合は、無線基地局における変調方式が、16値QAMからQPSKに切り替わることとなる。
これにより、無線基地局により実行される適応変調制御は、より低い伝送速度となるため、外部装置に対して伝送できずに移動局内で滞留してしまう蓄積データの量の増加を抑制することができるのである。
従って、移動局内でのデータの破棄が少なくなり、より上位のレイヤにおける再送制御に頼る必要性が少なくなるためスループットも向上する。
尚、この例では、無線基地局からの受信品質も参照してCQI情報を生成したが、外部装置に伝送すべきデータの蓄積量が所定の閾値以上となったことを示す場合に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10のいずれかとして、無線基地局による適応変調制御で、比較的低速な伝送速度となる伝送方法が選択されるCQI値を受信品質によらず選択することとしてもよい。
いずれにしても(受信品質を反映させようとさせまいと)、データの滞留状況をCQI値の生成に反映させていることに変わりはない。
また、この例では、TE8からのデータ滞留情報に基づくようにしたが、他に、外部装置に対して伝送するデータを管理する部分があれば、その部分にデータの滞留状況を監視させ、その監視結果をCQI生成部11に与えることとしてもよい。
例えば、リオーダリング処理部54は、先に説明したようにフロー制御を行う場合に、MAC−d処理部に対して引き渡すデータをより多くのユニット数単位とすることで、伝送(転送)を遅らせたり、T1タイマを長くすることで順番抜けの待ち時間を長くすることができるが、このフロー制御を行っている過程で、自身のバッファーに滞留しているデータ量をデータ滞留情報としてCQI生成部11に与え、同様の処理を行ってもよい。
・「データ滞留情報を再送制御部12に与える場合」
先に説明したように、再送制御部12には、HS−PDSCH受信処理部5(CRCチェック部53)から、HS−PDSCHを介して受信した無線基地局からの受信データについてのエラー検出結果(CRCエラー有り、無し等の情報)も入力されており、通常は、CRCエラー有りであれば、NACK信号、無しであればACK信号を送信処理部13に与えることで無線基地局に対して応答信号を送信している。
しかし、この例では、TE8等によって、外部装置に伝送すべきデータの滞留状況(例えば、蓄積しているデータ量等)情報も、再送制御部12に与えられる。
そして、再送制御部12は、CRCチェック結果だけでなく、データの滞留状況を反映させた再送要求信号(NACK信号)を生成して送信処理部13へ送信するように与えるのである。
反映させる例としては、CRCチェック結果がエラー無しを示す場合であっても、滞留状況に応じて、NACK信号を送信する、又はACK信号もNACK信号も送信しないようにすることが挙げられる。
即ち、滞留状況が、外部装置に伝送すべきデータの蓄積量が所定の閾値以上となったことを示す場合に、NACK信号を送信する、又はACK信号もNACK信号も送信しないようにするのである。
これにより、無線基地局は、NACK信号を受信し検出する又はACK信号もNACK信号も受信できない状態であるDTX状態を検出するため、先に送信したデータについての再送制御を実行することとなる。
従って、移動局は、再送信が行われるまで、リオーダリング処理部54(55、6、7、8)等のCRCチェック部53に対して上位側ユニットに対して、この再送信と合成されるデータを与えなくともよい(与えない)ため、上位側ユニットにおけるデータの滞留が抑制される。
尚、NACK信号を送信する、又はACK信号もNACK信号も送信しないようにする制御を繰返して行うことで、その一連の再送制御が行われている間は同様に、上位側ユニットに対して、この再送信と合成されるデータを与えなくともよいため、上位側ユニットにおけるデータの滞留が抑制される。
但し、最大再送回数を超えてしまうとH−ARQ合成部51に対して新規データが入力されることとなるため、最後の再送信については、CRCチェックによりエラー無しが検出された場合は、上述した、滞留状況に応じたACK信号、NACK信号の送信は行わず(CRCチェック結果に基づくこれらの送信は許容される)、上位側ユニットにデータを引き渡すことが望ましい。
また、1データユニット当たりの再送制御による遅延時間があまりに長くなってしまわないように、データの滞留状況に応じた制御は、新規送信に対する応答時だけとしたり、新規送信の応答時からN回目(最後の再送信はN+1回目とする)の再送信の応答時までに制限することが好ましい。
尚、H−ARQ合成処理部51は、CRCチェック部53におけるCRCチェック結果がエラー無しであったにもかかわらず、データの滞留状況に応じた制御によりNACK信号を送信又はNACK信号もACK信号も送信しなかった場合は、H−ARQ合成処理部51のメモリに記憶しているデータを、再送信されてくるデータと合成せずに再びチャネル復号部52で復号することが望ましい。
誤り訂正の面では、必要ではなかったデータを受信してあえて合成してから復号すると、誤り無しであったデータが、誤り有りとなってしまう可能性もあるからである。
もちろん、せっかくの再送信であるから合成してから復号することもできる。
以上のように、再送制御の遅延が少ない、低いレイヤによって再送制御がなされるため、不要に多くのユニット部に負担をかけてしまったり、遅延時間の大きい上位レイヤの再送制御に頼る必要がないため、外部装置に対して伝送できずに移動局内で滞留してしまう蓄積データの量の増加を適度に調整抑制することができるのである。
尚、この例では、CRCチェック部53におけるチェック結果を参照したが、HS−PDSCHを受信したために無線基地局に対してACK信号、NACK信号の送信が必要とされる場合に、チェック結果を参照せずに、データの滞留が所定の閾値を超える場合は、NACK信号を送信する又はACK信号もNACK信号も送信しないようにすることもできる。
また、この例では、TE8からのデータ滞留情報に基づくようにしたが、他に、外部装置に対して伝送するデータを管理する部分があれば、その部分にデータの滞留状況を監視させ、その監視結果を再送制御部12に与えることとしてもよい。
〔b〕第2実施形態の説明
第1実施形態では、移動局におけるデータの滞留状況に応じた制御を行ったが、第2実施形態では、移動局と有線又は無線で接続される外部装置の属性又は外部装置との接続形態に応じた制御を行うこととする。
まず、移動局は、有線又は無線によりTE8を介して外部装置と接続され、TE8を介して外部装置からこの外部装置の属性情報を受信する。
そして、受信した属性情報をデータ滞留情報に替えてCQI生成部11に与える。
すると、CQI生成部は、無線基地局に対して送信するCQI値の候補をこの属性情報に応じて制限するのである。尚、CQI生成部11は、図2に示したCQIテーブルを自身が備えたメモリに記憶しているものとする。
例えば、属性情報に応じてCQI値の1〜15までを選択可能な候補に制限し、受信品質が、CQI値の16以上のものに対応する場合であっても、無線基地局に送信するCQI値を15に制限するのである。
尚、このような制限を行う属性情報の例としては、例えば、外部装置が低速通信が可能な装置である場合や、低速なデータの処理に適した装置であることを示す情報が挙げられ、HSDPAで提供可能な最大速度で受信をしてもこれにあわせた処理ができない(あるいは向かない)外部装置である場合に、このような選択可能とするCQI値を制限するのである。
従って、外部装置に対しては、このようなCQI値の制限が行われた中で実行された適応変調制御により送信されたデータついての受信結果が順次移動局のTE8から伝送(転送)されることとなる。
尚、属性情報は、移動局の操作部から入力することもできる。
また、外部装置自体の属性でなく、移動局と外部装置との接続形態情報データ滞留情報に替えてCQI生成部11に与えることもできる。
CQI生成部は、無線基地局に対して送信するCQI値の候補をこの接続形態情報に応じて制限するのである。
例えば、外部装置又はTE8(又は移動局内の接続形態管理部)又は移動局の操作部から、外部装置との間の接続形態情報をCQI生成部に与え、CQI生成部は、接続形態が低速向き(低速な伝送が可能な接続形態)である場合は、CQI値の1〜15までを選択可能な候補に制限し、受信品質が、CQI値の16以上のものに対応する場合であっても、無線基地局に送信するCQI値を15に制限するのである。
尚、接続形態が高速向き(高速な伝送が可能な接続形態)である場合は、CQI値の1〜30(全て)を選択可能な候補とし、受信品質に応じたCQI値を選択し、送信するのである。
従って、外部装置に対しては、このようなCQI値の制限が行われた中で実行された適応変調制御により送信されたデータついての受信結果が順次移動局のTE8からこの接続形態により、伝送(転送)されることとなる。
以上のようにすることで、データの滞留が生ずる以前に外部装置又は外部装置との接続形態に見合った適応変調制御が無線基地局において実行されるため、無線リソースの無駄な消費が抑えられることとなる。
1 アンテナ
2 デュプレクサ
3 復調部
4 HS−SCCH受信処理部
5 HS−PDSCH受信処理部
6 MAC−d処理部
7 RLC−D処理部
8 TE
9 RLC−C処理部
10 RRC処理部
11 CQI生成部
12 再送制御部
13 送信処理部
51 H−ARQ合成処理部
52 チャネル復号化部
53 CRCチェック部
54 リオーダリング処理部
55 ディスアセンブリ処理部

Claims (2)

  1. 適応変調制御を行う送信装置に対して該適応変調制御に用いるパラメータを送信する通信装置において、
    外部装置又は外部装置との接続形態に応じたパラメータを生成する生成部と、
    該生成したパラメータを前記適応変調制御に用いるパラメータとして送信する送信部と、
    を備えたことを特徴とする無線通信装置。
  2. HSDPAに対応し、無線基地局が行う適応変調制御に用いるCQI情報を送信する移動局において、
    外部装置又は外部装置との接続形態に応じたCQI情報を生成する生成部と、
    該生成したCQI情報を送信する送信部と、
    を備えたことを特徴とする移動局。
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