JP2010055877A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池におけるエンドプレートとガスや冷却媒体等の流体用の管路との接続部の構造に関し、流体流れを阻害することなく、しかも、外力や圧力流体からの内圧が管路に作用して変形や変位した場合でも、接続部のシール性を十分に担保することのできる燃料電池を提供する。
【解決手段】燃料電池のセル積層体100の両側にエンドプレート20,20が配され、燃料ガス等の流体が流通するマニホールドに対し、樹脂素材で本体部31、フランジ33、突部34からなる管路30が連通して接続部が形成されるものであり、エンドプレート表面の貫通孔20aの周縁に座ぐり部21が形成され、その端部に形成された無端状の凹溝21aにシール材40が収容され、座ぐり部21に嵌り込んだ突部34の軸方向端部がシール材40を押圧した姿勢でフランジ33とエンドプレート20が締結され、貫通孔20aと管路30が同一内空断面の流路を形成している。
【選択図】図5

Description

本発明は、燃料電池に係り、特に、燃料電池スタックを形成するエンドプレートと各種ガスや冷却媒体用の管路との間の接続部の構造に関するものである。
固体高分子型燃料電池のセルは、イオン透過性の電解質膜と、該電解質膜を挟持するアノード側の触媒層およびカソード側の触媒層と、から膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を形成し、この外側にセパレータが配されて単セルを形成している。なお、各触媒層の外側にガス流れの促進と集電効率を高めるためのガス拡散層(GDL)が設けられて膜電極接合体(MEGA:MEAとGDLの接合体)を成し、このガス拡散層の外側にセパレータが配される形態もある。実際には、これらの単セルが発電性能に応じた段数だけ積層され、燃料電池スタックが形成されることになる。
上記する燃料電池では、アノード電極に燃料ガスとして水素ガス等が提供され、カソード電極には酸化剤ガスとして酸素や空気が提供され、ガス拡散層にて拡散されたガスが電極触媒に導かれて電気化学反応がおこなわれるものである。この電気化学反応では、アノード電極にて生成されたプロトン(水素イオン)と水が水和状態で電解質膜を透過してカソード電極に至り、カソード電極にて生成水が生成されることとなる。
上記するMEA(もしくはMEGA)やセパレータには、燃料ガスや酸化剤ガス、膜電極接合体の昇温を抑止するための冷却媒体(冷却流体)が流入するマニホールドや、セル内から出た流体を外部へ流出させるマニホールドがセル積層方向に形成されている。そして、燃料電池スタックの両側にあるエンドプレートの一方に形成された貫通孔とこのマニホールドが連通し、ガスタンク等に通じて、各種ガスや冷却媒体からなる流体用の管路(配管、ホースなど)の端部がエンドプレートの貫通孔に連通することにより、燃料電池スタックが形成されている。
従来の上記流体用の管路は金属素材から成形されている。この流体は一般に圧力流体であることから、管路は該圧力流体から内圧を受けることとなるが、金属素材ゆえに十分な剛性が担保されていた。また、燃料電池から延出する管路をガスタンク等に組み付ける過程で、管路の曲がりやタンクと管路の配設精度などの製品誤差や組み付け誤差に起因した各種外力が作用し(無理に組み付けようとした際に作用するねじりや曲げ、せん断など)、この外力によって各種応力(曲げ応力やせん断応力、ねじり応力など)が管路に生じ得るが、この発生応力に対しても、金属素材の管路の剛性にて抗し得るものであった。
しかし、その一方で、金属素材から成形される管路はその重量が嵩み、これが燃料電池全体の重量増を来たす一因となっている。ハイブリッド車や電気自動車の軽量化が叫ばれている昨今、これらの車両に車載される燃料電池の軽量化が急務の課題であることに鑑みて、現在は、この金属素材の管路に代わって、より軽量な樹脂素材の流体用の管路がエンドプレートに接続されようとしている。
樹脂素材の流体用の管路を使用することによって燃料電池の軽量化を図ることはできるが、金属素材の管路に比してその剛性は低下し、圧力流体から受ける内圧や組み付け時に受ける外力等によって変形や変位し易くなってしまう。この結果、樹脂素材の管路とエンドプレートとの接続部に隙間(目開き)が生じ易くなってしまい、エンドプレートと管路の間における、各種ガスや冷却媒体などの流体シール性が確保し難くなるという新たな課題が生じることとなり、この課題を解消することが、当該分野における重要な開発目標となっている。
ところで、上記する管路とエンドプレートの貫通孔周縁との接続部における流体シール構造に関する公開技術として、特許文献1,2を挙げることができる。
特許文献1に開示の燃料電池システムは、樹脂素材の管路の端部がエンドプレートの貫通孔に嵌め込まれ、該管路の側面から張り出すフランジとエンドプレートとをボルト締結するものである。このエンドプレートの貫通孔に嵌め込まれる管路の端部に、該管路の本体部よりも線膨張係数が低く、ヤング率の高い(剛性の高い)補強部材を設けることで、管路接続部の温度変化による寸法変化の抑止や該寸法変化による経時劣化の抑止を図ろうとするものである。
しかし、この燃料電池システムにおける管路とエンドプレートの接続構造では、管路がエンドプレートの貫通孔の内部に嵌り込み、該貫通孔の内空寸法を侵してしまい、流体流れを阻害したり、流体に乱流を励起させるといった不具合が生じ易い。流体流れの阻害は、各種ガスの提供が不十分となること、電極冷却機能が不十分となること、等に繋がり、発電性能の低下に直結するものである。
一方、特許文献2に開示の燃料電池スタックにおける管路とエンドプレートの接続構造では、エンドプレートの貫通孔表面に絶縁グロメットが配され、管路の内空と該絶縁グロメットの内空がほぼ同程度となっていることで、特許文献1の技術で生じ得る上記課題は解消されると考えられる。この接続部では、絶縁グロメットの端部と管路の端部の双方の積層方向に重なる部位にシール構造が形成されている。しかし、このシール形態では、管路が変形したり、外力が作用して管路が変位し、絶縁グロメットの端部と管路の端部との間に目開きが生じたりした場合に、シール性が低下することは必至である。
特開2006−59652号公報 特開2006−49129号公報
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、燃料電池におけるエンドプレートとガスや冷却媒体等の流体用の管路との接続部の構造に関し、流体流れを阻害することなく、しかも、管路に対して組み付け時に作用する外力やその内部を流れる圧力流体から受ける内圧によって該管路が変形や変位した場合でも、上記する接続部のシール性を十分に担保することのできる燃料電池を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による燃料電池は、複数の燃料電池セルが積層されてセル積層体を成し、該セル積層体の両側にエンドプレートが配され、セル積層体の積層方向に形成された貫通孔とエンドプレートの貫通孔が連通して燃料ガス、酸化剤ガス、冷却媒体からなる流体が流通するマニホールドを成し、該流体が流通する樹脂素材の管路が該マニホールドに連通した姿勢で前記エンドプレートに締結されて燃料電池スタックが形成される、燃料電池において、前記管路は、本体部と、その端部で外側に張り出すフランジと、該フランジに対して本体部と反対側に延出した突部と、を有し、該フランジとエンドプレートとの間で締結手段を介して締結されるものであり、エンドプレートのうち、前記管路が配設される側の貫通孔の周縁には座ぐり部が形成され、前記突部が該座ぐり部に嵌り込むようになっており、前記座ぐり部の端部と、該端部に当接する前記突部の軸方向端部との間で、エンドプレートの貫通孔の周方向に無端状に延びるシール構造が形成され、エンドプレートの貫通孔と管路とが同一内空断面の流路を形成しているものである。
本発明の燃料電池は、該燃料電池を構成するセル積層体の両側に配されるエンドプレートと、このエンドプレートの一方に開設された流体用の貫通孔に位置決めされた姿勢で締結される、樹脂素材の流体用の管路との接続構造に関するものである。
この樹脂素材の管路は、従来の金属素材の管路に比してその重量は軽量であり、さらには、金属素材の管路に比して剛性は低下するものの、該管路に生じる組み付け時の応力やその内部を通過する圧力流体から受ける圧力等に対して抗し得るだけの剛性を有するものである。また、樹脂素材から成形されていることにより、その変形性能(可撓性)が向上している。尤も、管路の剛性や可撓性は、その素材樹脂の材料特性のみならず、その断面剛性や長さ等によっても変化することから、これらの要素を加味して、所望する剛性、可撓性を有する管路が使用されるものである。
この管路の素材樹脂としては、その剛性や強度、寸法安定性、材料コスト等の観点から熱硬化性樹脂を用いることができ、たとえば、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、エポキシ、フェノール、ポリイミドなどや、これらの共重合体、これらのうちの2種類以上の混合材料を使用することができる。また、その寸法安定性や材料コスト、生産性、耐熱性、耐薬品性、剛性等の観点から熱可塑性樹脂を用いことができ、たとえば、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)、ポリアセタール樹脂(POM)ポリエーテルイミド樹脂(PEI)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)などのポリオレフィン系樹脂などを使用でき、さらには、これらのうちの1種もしくは2種以上の混合材料を使用することができる。
エンドプレートのうち、上記する管路が配設される側の貫通孔の周縁には座ぐり部が形成されている。また、管路は、ガスや冷却媒体(冷却水や冷却エア、冷却エチレングリコールなど)が流れる本体部と、この本体部の端部おいて外側に張り出すフランジと、エンドプレートの座ぐり部に嵌り込む突部と、から構成されており、突部が座ぐり部に嵌り込み、かつ、フランジがエンドプレート表面に当接した姿勢で、たとえばボルト等の締結手段を介してエンドプレートと管路が締結される。
ここで、座ぐり部の端部と、該端部に当接する前記突部の軸方向端部との間には、エンドプレートの貫通孔の周方向に無端状に延びるシール構造が形成されている。すなわち、本発明におけるシール構造は、マニホールドと管路からなる流体流路の軸方向に沿う途中位置で形成される、いわゆる軸シール構造である。なお、たとえば、上記する管路のフランジとエンドプレートとの間でシール構造が形成される場合は、流路から離れた、該流路に直交する面内位置で形成されるシール構造であり、これは軸シール構造とは異なるものである。
この軸シール構造の一実施の形態として、たとえば、座ぐり部の端部、もしくは、管路の突部の軸方向端部のいずれか一方にエンドプレートの貫通孔の周方向に延びる無端状の凹溝を形成しておき、該凹溝内に無端状のシール材(たとえばOリング等のリング状の定型シール材や、無定形シール材を充填してリング状に硬化させたものなど)を配設しておき、このシール材を他方の端部が押圧した姿勢でフランジとエンドプレートを締結することにより、シール材が該端部にて押し潰される等してできる軸シール構造を挙げることができる。
さらに、エンドプレートとフランジが締結された姿勢において、管路の内空断面(内空寸法もしくは内径)とエンドプレートの貫通孔の内空断面が同一、すなわち、同一の内空寸法もしくは内径を有している。
双方が同一の内空断面を有していることにより、上記する従来技術の有する課題、すなわち、管路とエンドプレートの接続部の流路において、流体流れが阻害されたり、流体に乱流が励起されるといった不具合が生じ得ず、これらに起因した燃料電池の発電性能低下の虞はない。
また、軸シール構造としたことにより、管路の本体部等に外力が作用してこれが変形や変位し、この変形等によってフランジが変位してエンドプレートとフランジの間に目開きが生じた場合でも、この目開き部位とは異なる位置で軸シール構造が形成されているため、マニホールドと管路の接続部における流体シール性は十分に担保される。
さらに、本発明では、座ぐり部の端部と、該端部に当接する管路の突部の軸方向端部との間で、貫通孔を囲繞する無端状の軸シール構造が形成されているため、たとえば、突部の途中位置と座ぐり部の側面位置との間で軸シール構造が形成される場合に比して、流路内を流れる圧力流体から受ける内圧に直交する、座ぐり部と突部との接触面積を増加させることができる。このことは、圧力流体から受ける内圧による座ぐり部と突部の間の摩擦抵抗の増大に繋がるものであり、この増大した摩擦抵抗によって、管路本体部の変形等に起因する力が軸シール構造へ作用するのを効果的に抑止できる。
また、本発明による燃料電池の他の実施の形態は、前記管路のうち、前記フランジと前記軸方向端部が、本体部に比して低剛性のものである。
本実施の形態は、管路の本体部は圧力流体に対する剛性を高めるべく、相対的に高剛性とし、フランジや突部は相対的に低剛性とすることでその変形性能(可撓性)を向上させ、本体部が変位等した場合でもこれに追従することなく自身の変形性能で吸収し、エンドプレートの座ぐり部と突部の間で目開きを生じさせないようにするものである。
管路の本体部もフランジや突部もともに樹脂素材で成形されるものであり、一般には本体部とフランジや突部が射出成形等で一体に成形されるものである。この際に、本体部とフランジや突部とで剛性を変化させる一つの方策として、成形型のキャビティのうち、本体部成形用のキャビティには強化繊維からなる基材等を配設しておき、成形された管路の本体部のみを繊維強化樹脂材から形成する方法を挙げることができる。
ここで、使用されるマトリックス樹脂としては、たとえば上記する熱硬化性、もしくは熱可塑性樹脂を使用できる。また、強化繊維としては、アルミニウム繊維、ステンレス繊維などの金属繊維、ポリアクリロニトリル系、レーヨン系、リグニン系、ピッチ系の炭素繊維、黒鉛繊維、ガラス繊維などの絶縁性繊維や、アラミド繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維などの有機繊維、およびシリコンカーバイト繊維、シリコンナイトライド繊維などの無機繊維などを使用することができる。
また、本体部とフランジや突部で双方の剛性を変化させる他の方策としては、成形型のキャビティのうち、本体部用のキャビティとフランジや突部用のキャビティの境界に仕切りを設けておき、双方のキャビティに素材の異なる樹脂を注入し、樹脂が硬化する前に仕切りを取り外すようにして管路を成形することで、材料特性に基づいて本体部とフランジや突部とで剛性の異なる管路を成形できる。
また、前記本体部の構造に関し、少なくとも、エンドプレートとの接続箇所から立ち上がる脚部領域を蛇腹構造とした実施の形態であってもよい。
少なくとも本体部の脚部領域を蛇腹構造とすることで、当該領域における変形性能が向上し、管路の当該部位における発生応力と、これに起因するフランジでの発生応力の双方を軽減することができ、このことは、管路とエンドプレート間の目開き抑止に繋がるものである。
以上の説明から理解できるように、本発明の燃料電池によれば、該燃料電池におけるエンドプレートとガスや冷却媒体等の流体用の管路との接続部の構造に関し、この管路を樹脂素材とすることで燃料電池の軽量化を図ることができる。しかも、当該接続部において、管路やマニホールドを流れるガスや冷却媒体などの流体流れを阻害することなく、さらには、管路組み付け時に該管路に作用する外力や圧力流体から受ける内圧によって管路が変形や変位した場合でも、管路とエンドプレートの接続部のシール性を十分に担保することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、図示例は、燃料電池セルがいわゆるフラットタイプモジュールセルからなるものであり、そのセパレータが3層構造を呈したものであるが、セパレータは、従来一般の構造、すなわち、その一方側に蛇行したガス流路溝が形成され、その他方側に蛇行した冷却水流路溝が形成されたものであってもよい。
図1は、燃料電池セルの積層体と、エンドプレートと、管路の分解斜視図である。セル積層体100は、発電性能に応じた所望基数の燃料電池セル10,…が積層されてなり、このセル積層体100の両側にエンドプレート20,20が配され、さらに、不図示のテンションプレートやインシュレータ等が積層され、所与の圧縮力にてスタッキングされることにより、燃料電池が形成される。なお、このセル積層体100には、その積層方向に延びて酸化剤ガスや燃料ガス、冷却水を各セルに提供するためのマニホールドと、セル積層体を流れた酸化剤ガスや燃料ガス、冷却水をスタック外へ流出するためのマニホールドM,…がそれぞれ設けられている。
燃料電池セル10は、電解質膜と、これを挟持するカソード電極層およびアノード電極層と、これらを挟持するカソード側およびアノード側のガス拡散層(GDL)とからなる膜電極接合体11(MEGA)と、MEGA11を挟持するカソード側およびアノード側のセパレータ12,12と、から大略構成されている。
ここで、電解質膜は、スルホン酸基やカルボニル基を持つフッ素系イオン交換膜、置換フェニレンオキサイドやスルホン化ポリアリールエーテルケトン、スルホン化ポリアリールエーテルスルホン、スルホン化フェニレンスルファイドなどの非フッ素系のポリマーなどから形成される。また、電極層は、白金やその合金からなる触媒をカーボン等に担持させた多孔質素材からなり、ガス拡散層は、カーボンペーパーやカーボンクロスなどのガス透過性の素材から形成される。
また、いわゆるフラットタイプモジュールのセパレータ12は、3層構造を呈しており、隣接する単セルとの間でセル間を画成する面材と、これに対向するMEGA側の別途の面材と、これら2つの面材間に介層され、各面材の外周輪郭に沿う枠状(無端状)に形成された樹脂素材のスペーサと、から構成されるものである(図示略)。この面材は、ガス不透過性の緻密なカーボン材や緻密黒鉛材などから形成され、一方の面材における他方の面材に対向する側面には、不図示の多数の突起(ディンプル)が備えてあり、この突起がスペーサの厚み分の高さを有していることにより、3層構造となった際に、突起の先端が面材の側面と当接され、乱流状に突起間を流れる冷却水の流路が形成されるものである。なお、この3層構造のセパレータ12と膜電極接合体11の間には、エキスパンドメタルからなるガス流路層が介層されている。
なお、電気自動車等に車載される燃料電池システムは、この燃料電池と、水素ガスや空気を収容する各種タンク、これらのガスを燃料電池に提供するためのブロア、燃料電池を冷却するためのラジエータ、燃料電池で生成された電力を蓄電するバッテリ、この電力で駆動する駆動モータ等から大略構成されるものである。
エンドプレート20には、酸化剤ガスが流入する(X1方向)ための貫通孔20a、セル積層体100内を流通してきた酸化剤ガスが流出する(X1’方向)ための貫通孔20a’、燃料ガスが流入する(X2方向)ための貫通孔20b、セル積層体100内を流通してきた燃料ガスが流出する(X2’方向)ための貫通孔20b’、冷却水が流入する(X3方向)ための貫通孔20c、セル積層体100内を流通してきた冷却水が流出する(X3’方向)ための貫通孔20c’が、それぞれ固有のマニホールドと連通した姿勢で取り付けられている。
また、管路30は、本体部31と、この一端から延びる3本の枝管路32a,32b,32cと、本体部31の他端で外側に張り出すフランジ33と、からなり、たとえば樹脂を射出成形することでこれらが一体に成形されている。枝管路32a,32b,32cは、酸化剤ガスや燃料ガス、冷却水のいずれかを流通させるものであり、図示例は、各枝管路32a,32b,32cをその途中で切断して示したものであるが、実際は、その先端がガスタンクやラジエータ等に通じている。
ここで、管路30は、たとえば、熱硬化性樹脂である不飽和ポリエステル、ビニルエステル、エポキシ、フェノール、ポリイミドなどや、これらの共重合体、これらのうちの2種類以上を混合した樹脂、あるいは、熱可塑性樹脂であるポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)、ポリアセタール樹脂(POM)ポリエーテルイミド樹脂(PEI)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)などのポリオレフィン系樹脂などのうちの1種もしくは2種以上の混合材料を使用することができる
図2は、図1のII部を拡大した図であり、図3は、図1のIII−III矢視図であり、ともに、エンドプレート20と管路30の接続部を構成する要素の接続前の状態を説明した図である。
図2より、エンドプレート20の表面において、各貫通孔20a,…の周縁には座ぐり部21,…が形成されており、この座ぐり部21の端部には、無端状の凹溝21aが開設され、この内部にシール材40(図示例はOリング)が収容されるようになっている。
また、管路30のフランジ33の表面には、エンドプレート20と管路30が締結された際に、座ぐり部21、…に嵌り込む突部34、…がそれぞれ設けてあり、突部34、…は、各マニホールドに対応する位置に開設された貫通孔33a,33b,33cを囲繞する位置に設けられている。
座ぐり部21の無端状の凹溝21aにシール材40を収容し、座ぐり部21に突部34を嵌め合いしてエンドプレート20と管路30を当接させ、双方に開設された同軸のボルト孔20d、35に不図示のボルトを螺合させることにより、エンドプレート20と管路30の接続構造が形成される。さらに、座ぐり部21に形成された無端状の凹溝21a内のシール材40が座ぐり部21に嵌り込んだ突部34によって押し潰され、シール性に優れた軸シール構造が形成される。
管路30が樹脂から成形されていることにより、この管路を含めた燃料電池全体の重量は従来の金属素材の管路を備えた燃料電池に比して格段に軽量となる。また、樹脂製であることから、管路30の特に本体部31の変形性能が向上し、各枝管路をガスタンク等に組み付ける等の際に、組み付け誤差等に起因して本体部31に外力が作用した場合でも、可撓性のある本体部31の変形によってこの外力を吸収することができる。したがって、外力が作用した場合でも、本体部31に繋がるフランジ33には過大な曲げ応力や引張応力等が生じ難い。このことは、当該外力によってフランジ33とエンドプレート20の間に生じ得る目開きの抑制に繋がり、この接続構造における流体シール性を担保することに繋がる。
図4は、管路の他の実施の形態を示したものである。この管路30Aは、フランジ33から立ち上がる本体部31Aが蛇腹構造を呈したものである。本体部31Aが蛇腹構造を呈していることにより、その変形性能をより向上させることが可能となる。
図5は、エンドプレートと管路との接続構造に関する実施の形態を説明した縦断面図であり、図6aは、比較例の接続構造における摩擦抵抗長を説明した図であり、図6bは、図5の接続構造における摩擦抵抗長を説明した図である。なお、図示例では、接続構造における一つのマニホールドMおよび貫通孔を取上げて説明しているが、図1における6つのマニホールドMおよび貫通孔のすべてにおいて図示する接続構造が当てはまるものである。
図5で示す接続構造は、図1〜3で示すエンドプレート20と管路30を締結した際に形成される構造である。
ボルトBを介してエンドプレート20に管路30のフランジ33を押圧することにより、座ぐり部21に形成された無端状の凹溝21a内のシール材40が座ぐり部21に嵌り込んだ突部34によって押し潰されて、軸シール構造が形成される。
図示するように、この締結姿勢において、各積層体10,…に開設された同軸の流体用貫通孔と、エンドプレート20の貫通孔20aとからなるマニホールドMの内空断面と、管路30の本体部31の内空断面は同一寸法(同一内径)となっている。
したがって、管路の本体部31を流通するガス(ここでは酸化剤ガス)はその流れを阻害されることなくマニホールドM内に流通することができ、各燃料電池セルへの効果的なガス提供が実現される。
ここで、図6を参照して、軸シール構造の形成部位により、マニホールドM内を流通する圧力流体から作用する内圧によって形成される突部と座ぐり部との間の摩擦抵抗力が相違することを説明する。
図6aは比較例を、図6bは、図5で示す本発明にかかる接続構造(実施例)をそれぞれ示している。
図6aで示す比較例は、突部34’の軸方向端部ではなく、その途中位置に無端状の凹溝34’aを備え、この凹溝34’aと座ぐり部21’との間に無端状のシール材40が収容されている。この構造では、マニホールドM内を流通する圧力流体から受ける内圧Pに対し、これと直交する方向の座ぐり部21’と突部34’の摩擦面の長さは、L1とL2の和となり、これは、座ぐり部21’や突部34’の軸方向の全長から凹溝34’aの長さを差し引いた長さである。
一方、図6bで示す実施例は、座ぐり部21の端部と突部34の軸方向端部でシール構造を形成しているため、マニホールドM内を流通する圧力流体から受ける内圧Pに対し、これと直交する方向の座ぐり部21と突部34の摩擦面の長さは、それらの全長であるL3を見込むことができる。
摩擦抵抗長が長くなることは、座ぐり部21と突部34との接触面積を増加させることに繋がり、このことは、管路30の本体部31等が変形等した場合に、この増大した摩擦抵抗により、軸シール構造における目開きの発生抑止をより確実なものとできる。
図7で示す接続構造は、実質的に図5の接続構造と同じであるが、双方の違いは、図7における管路30Bは、本体部31と、フランジ33Aや突部34Aとが異なる素材樹脂で成形されていることである。たとえば、フランジ33Aと突部34Aは上記する素材樹脂のいずれか一種を材料とし、本体部31はフランジ33Aや突部34Aと同素材の樹脂をマトリックス樹脂とし、かつ、その内部に強化繊維を配設して剛性を高めたものである。ここで、この強化繊維の具体例としては、アルミニウム繊維、ステンレス繊維などの金属繊維、ポリアクリロニトリル系、レーヨン系、リグニン系、ピッチ系の炭素繊維、黒鉛繊維、ガラス繊維などの絶縁性繊維や、アラミド繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維などの有機繊維、およびシリコンカーバイト繊維、シリコンナイトライド繊維などの無機繊維を挙げることができる。
図7の接続構造によれば、管路30Bの本体部31は相対的に高剛性とされることで、圧力流体に対する耐久性が向上する。一方、フランジ33Aや突部34Aは相対的に低剛性とされることでその変形性能(可撓性)が向上し、たとえば、本体部31が変位等した場合でもこれに追従することなく自身の変形性能で吸収し、エンドプレート20の座ぐり部21と突部34の間の目開きの発生抑止をより確実なものとできる。
図示するエンドプレートと管路のフランジとの接続構造によれば、管路が樹脂素材から成形されていることで、この管路を含む燃料電池全体の軽量化を図ることができ、さらには、エンドプレートと管路を構成するフランジとの間に優れた流体シール性を付与することができる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
燃料電池セルの積層体と、エンドプレートと、管路の分解斜視図である。 図1のII部の拡大図である。 図1のIII−III矢視図である。 管路の他の実施の形態の斜視図である。 管路とエンドプレートの接続構造の一実施の形態の縦断面図である。 (a)は、比較例の接続構造における摩擦抵抗長を説明した図であり、(b)は、図5の接続構造における摩擦抵抗長を説明した図である。 管路とエンドプレートの接続構造の他の実施の形態の縦断面図である。
符号の説明
10…燃料電池セル、11…MEGA(膜電極接合体)、12…セパレータ、20…エンドプレート、20a…貫通孔(酸化剤ガス流入用)、20a’…貫通孔(酸化剤ガス排出用)、20b…貫通孔(燃料ガス流入用)、20b’…貫通孔(燃料ガス流出用)、20c…貫通孔(冷却水流入用)、20c’…貫通孔(冷却水流出用)、21…座ぐり部、21a…無端状の凹溝、30,30A,30B…管路、31…本体部、32a,32b,32c…枝管路、33,33A…フランジ、33a,33b,33c…貫通孔、34…突部、40…無端状のシール材(Oリング)、100…セル積層体

Claims (5)

  1. 複数の燃料電池セルが積層されてセル積層体を成し、該セル積層体の両側にエンドプレートが配され、セル積層体の積層方向に形成された貫通孔とエンドプレートの貫通孔が連通して燃料ガス、酸化剤ガス、冷却媒体からなる流体が流通するマニホールドを成し、該流体が流通する樹脂素材の管路が該マニホールドに連通した姿勢で前記エンドプレートに締結されて燃料電池スタックが形成される、燃料電池において、
    前記管路は、本体部と、その端部で外側に張り出すフランジと、該フランジに対して本体部と反対側に延出した突部と、を有し、該フランジとエンドプレートとの間で締結手段を介して締結されるものであり、
    エンドプレートのうち、前記管路が配設される側の貫通孔の周縁には座ぐり部が形成され、前記突部が該座ぐり部に嵌り込むようになっており、
    前記座ぐり部の端部と、該端部に当接する前記突部の軸方向端部との間で、エンドプレートの貫通孔の周方向に無端状に延びるシール構造が形成され、
    エンドプレートの貫通孔と管路とが同一内空断面の流路を形成している、燃料電池。
  2. 前記座ぐり部の端部、もしくは、前記突部の軸方向端部のいずれか一方に、エンドプレートの貫通孔の周方向に延びる無端状の凹溝が形成され、該凹溝内に無端状のシール材が配設されており、
    前記シール材を他方の端部が押圧した姿勢でフランジとエンドプレートとが締結され、前記シール構造が形成される、請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記管路のうち、前記フランジと前記突部は、前記本体部に比して低剛性である、請求項1または2に記載の燃料電池。
  4. 前記本体部は、強化繊維とマトリックス樹脂からなる繊維強化樹脂からなり、
    前記フランジと前記突部は、前記本体部と同素材のマトリックス樹脂からなる、請求項3に記載の燃料電池。
  5. 前記本体部のうち、少なくとも、エンドプレートとの接続箇所から立ち上がる脚部領域が蛇腹構造を呈している、請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池。
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