JP2010054965A - フォトマスクの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】解像度が高く、画像エッジ部の直線性に優れたフォトマスクを形成しうるフォトマスクの製造方法を提供する。
【解決手段】透明基材上に、遮光材料、光重合開始剤、エチレン性不飽和化合物、及びバインダーポリマーを含む感光層と、酸素遮断性層とを順次備えるフォトマスブランクスを画像露光する露光工程と、感光性層及び酸素遮断性層の未露光領域を除去する現像工程と、水洗工程とを有し、該現像工程における、露光後のフォトマスクブランクスに、フォトマスクブランクス表面での圧力が1〜10kPaとなるように現像液を接触させる高圧現像処理工程、及び、該水洗工程における、現像後のフォトマスクブランクス表面に、表面での圧力が1〜10kPaとなるように水洗水を接触させる高圧水洗工程、の少なくとも一工程を実施するフォトマスクの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明はフォトマスクブランクスを用いたフォトマスクの製造方法に関し、より詳細には、PDP、FED、LCD等のフラットパネルディスプレイ、CRT用シャドーマスク、印刷配線板、半導体等の分野におけるフォトリソ工程において用いうるフォトマスクを作製しうるフォトマスクの製造方法に関する。
フラットパネルディスプレイ、CRT用シャドーマスク、印刷配線板、半導体等の分野におけるフォトリソ工程において用いられるフォトマスクとしては、金属クロム層(Cr層)を設けたCrマスク、ハロゲン化銀乳剤層を設けたEmマスク(エマルションマスク)が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
Crマスクは、石英やガラス等の透明基材上にクロム層をスパッタリング法により形成後、この上にエッチングレジストを塗布などにより設け、HeCdレーザー(442nm)などによる露光、アルカリ水溶液などでの現像によるエッチングレジストのパターニング、クロムのエッチング、及びエッチングレジストの剥離を行って作製される。Crマスクは、ピンホール等の欠陥修正可能で、高解像度、高耐久性(耐傷性)、高洗浄性にも優れるというメリットを有する。その一方、Crマスクは、作製工程が煩雑なため高価であり、また、製造プロセスにおいてクロムエッチングが行われることに起因する廃液処理等の環境面の問題も有している。
Emマスクは、ハロゲン化銀乳剤層(感光性層)を石英やガラス等の透明基材上に設け、YAGレーザーなどにより露光、現像、定着処理で作製されるものである。Emマスクの作製に用いられるハロゲン化銀乳剤は、光に対する感度が高いため、露光エネルギーが小さくてもよく(〜0.1mJ/cm)、また、環境にも優しく、安価なフォトマスクブランクスである。この反面、Emマスクは、感光性材料としてハロゲン化銀を用いるため、解像度が余り高くなく(3μm程度)、極微細なパターンを作製するには不向きであり、また感光性層がゼラチン膜であるため耐久性に乏しい。また、Emマスクは、欠陥修正が実質的に困難であるという欠点を有している。
また、他のタイプのフォトマスクとして、黒色顔料等の遮光材料を含有し、かつ近紫外光ないし可視光で画像形成が可能な感光性層を有するフォトマスクブランクスを用いて作製されるものが知られている(特許文献1、2参照。)。該フォトマスクブランクスが有する感光性層は、フォトマスク作製時に照射される近紫外ないし可視領域における吸光度が小さいため高感度であり、一方、フォトマスク使用時に照射される紫外領域の光の吸収特性が良好なため、感光性層を露光・現像することにより、解像度に優れたフォトマスクを得ることができる。また、このフォトマスクは、金属膜を必要とせず、レリーフ画像であるため欠陥修正を簡便に行うことができ、感度や解像度等のバランスがよく、安価で環境への負荷も小さいという特徴も有する。
ところで、フォトマスクの作製に遮光材料を感光性層に含有するフォトマスクブランクスを用いる場合、露光により画像形成を行う際に遮光材料が露光光を吸収してしまう為、感光性層表面部に対して感光性層下部の硬化度は著しく低下し必要とする架橋度が得られない。高濃度に遮光材料を含有した系においては露光光が感光性層表面付近までしか到達しないため、酸素遮断性が高すぎると、感光性層表面部のみ硬化が進みそれより深い領域はほとんど硬化しなくなるため、現像時感光性層の深い部分がえぐり取られ庇形状になり解像度、画像エッジ部の直線性が劣化するという問題があることがわかった。
レーザーに関しては、近年、例えばInGaN系の材料を用い、350nmから450nm域で連続発振可能な半導体レーザーが実用段階となっている。このような短波光源を用いた走査露光システムは、半導体レーザーが、構造上、安価に製造できるため、充分な出力を有しながらも、経済的なシステムを構築できるといった長所を有する。さらに、短波光源を用いた走査露光システムは、従来のFD−YAGレーザー(532nm)やArレーザー(488nm)を使用するシステムに比較して、より明るいセーフライト下での作業が可能な、短波長領域に感光性を有する感光材料が使用できる。
露光後の処理工程としては、現像液に露光済のフォトマスクブランクスを浸漬し、その後、水洗処理を施す方法が一般的であるが、自動現像機によって処理される場合もある。フォトマスクブランクスは、画像形成性向上のため感光性層表面に酸素透過性層を有しており、且つ、遮光材料を多量含む感光性層を有するために、前記の如く画像エッジ部の直線性を確保することが困難であるが、得られたフォトマスクを介して活性放射線を照射することで感光性材料のパターン形成を行う特性上、他の画像形成材料に比較して画像エッジ部の直線性が使用時の解像度に影響を与えるために、その改善が強く求められている。
このように、酸素遮断性層を有し、高濃度遮光材料を含むフォトマスクブランクスからフォトマスクを形成するに際して、解像度と画像エッジ部の直線性を満たすフォトマスクの製造方法は未だ提供されておらず、新たな技術が求められているのが現状である。
特開2005−283914号公報 特開2001−343734号公報 教育文科会編、「フォトファブリケーション」、日本フォトファブリケーション協会発行、67〜80ページ、1992年6月
本発明は、前記従来技術における問題点に鑑みてなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は解像度、及び、画像エッジ部の直線性の高いフォトマスクの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意検討の結果、感光性層の未露光部の除去工程において超音波処理を行うことで上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。即ち、本発明の構成は以下の通りである。
<1> 透明基材上に、遮光材料、光重合開始剤、エチレン性不飽和化合物、及びバインダーポリマーを含む感光層と、酸素遮断性層とを順次備えるフォトマスブランクスを画像露光する露光工程と、感光性層及び酸素遮断性層の未露光領域を除去する現像工程と、水洗工程とを有し、該現像工程における、露光後のフォトマスクブランクスに、フォトマスクブランクス表面での圧力が1〜10kPaとなるように現像液を接触させる高圧現像処理工程、及び、該水洗工程における、現像後のフォトマスクブランクスに、フォトマスクブランクス表面での圧力が1〜10kPaとなるように水洗水を接触させる高圧水洗工程、の少なくとも一工程を実施するフォトマスクの製造方法。
<2> 前記重合性感光性層が、さらに、増感色素を含有する<1>に記載のフォトマスクの製造方法。
<3> 前記遮光材料が、カーボンブラックである<1>又は<2>に記載のフォトマスクの製造方法。
<4> 前記画像露光が、390nm〜420nmの光を放射するレーザーを用いて行われる<1>〜<3>のいずれか1項に記載のフォトマスクの製造方法。
<5> 前記現像液及び水洗水の少なくとも1種の、フォトマスクブランクス表面への適用が、噴射ノズルを備える高圧液噴射装置により実施される<1>〜<4>のいずれか1項に記載のフォトマスクの製造方法。
<6> 前記高圧液噴射装置による現像液及び水洗水の少なくとも1種の噴射が、噴射ノズルにより粒径5〜500μmの微粒子状で行われる<5>に記載のフォトマスクの製造方法。
<7> 前記高圧液噴射装置による現像液及び水洗水の少なくとも1種の噴射が、噴射ノズルより連続的に行われる<5>に記載のフォトマスクの製造方法。
<8> 前記高圧液噴射装置における噴射ノズルとフォトマスクブランクス表面との距離が、3〜12cmの範囲である<5>〜<7>のいずれか1項に記載のフォトマスクの製造方法。
本発明の作用は明確ではないが、以下のように推定している。
フォトマスクブランクスでは、未露光領域の感光性層の表面に酸素遮断性層が存在するために、現像工程において、まず、酸素遮断性層が除去され、その後、未露光化の感光性層が除去されることになるが、積層構造であるために現像液の浸透が均一に行われ難く、感光性層の全てが除去されるまで液相中に浸漬されるとサイドエッチが起こりやすくなるところ、本発明では、現像液及び水洗水の少なくとも1方を、高圧にてフォトマスクブランクス表面に噴射、適用することで、表面に酸素遮断性層を有する未硬化の感光性層が処理液の物理的な圧力を受けて速やかに除去されるために、露光され硬化した領域への影響を殆ど生じずに、物理的な応力の影響を受け易い未硬化領域のみが効率的に除去され、高解像度と画像エッヂ部の直線性が達成されるものと推定される。
ここで、現像液を高圧噴射する場合には、単位時間あたりに感光性層へ供給される現像液の量も向上し、且つ、未露光部への加圧された現像液の浸透性も向上するために、化学的な溶解性向上と圧力による除去が同時に行われ、現像処理を短時間で行うことができる。また、水洗水を高圧噴射する場合には、現像液が予め浸透し、除去されやすくなった感光性層が物理的に速やかに除去されるが、硬化後の現像液が浸透していない露光領域には殆ど影響を与えることがない。
本発明によれば、解像度、画像エッジ部の直線性の高いフォトマスクの製造方法を提供することができる。
以下、本発明のフォトマスクの製造方法及び、本発明の製造方法を好適に適用しうるフォトマスクブランクスについて説明する。
<<フォトマスクの製造方法>>
フォトマスクは、以下に詳述するフォトマスクブランクスを露光、現像することにより製造することができる。具体的には、フォトマスクブランクスを、近紫外光ないし可視光で画像様露光した後(露光工程)、露光後のフォトマスクブランクスを、現像液を用いて現像することにより感光性層の未露光部を除去(現像工程)してパターン形成を行い、水洗工程により、現像液や現像残渣を除去することでフォトマスクを得るものである。
本発明のフォトマスクの製造方法は、前記露光工程の後に、感光性層及び酸素遮断性層の未露光領域を除去する現像工程と、それに引き続きで行われる水洗工程とを有し、該現像工程及び現像後の水洗工程の少なくとも一工程において、高圧噴射により処理液がフォトマスクブランクス表面に供給され、未露光の感光性層が除去されることを特徴とするものである。
以下、本発明の製造方法を工程順に説明する。
〔露光工程〕
露光工程は、フォトマスクブランクスを、線画像、網点画像、等を有する透明原画を通して画像様に露光するか、デジタルデータによるレーザー光走査等で画像様に露光することにより行うことが好ましい。本発明のフォトマスクの製造方法においては、レーザーによる露光が好適に用いられる。
露光光源の波長としては、350nmから450nmの範囲が好ましく、より好ましくは、390nm〜420nmの範囲である。
350nm〜450nmの範囲の光を放射するレーザーとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
<ガスレーザー>
Arイオンレーザー(364nm、351nm)、Krイオンレーザー(356nm、351nm)、He−Cdレーザー(441nm、325nm)などが挙げられる。
<固体レーザー>
Nd:YAG(YVO)とSHG結晶×2回の組み合わせ(355nm)、Cr:LiSAFとSHG結晶の組み合わせ(430nm)などが挙げられる。
<半導体レーザー系>
KNbOリング共振器(430nm)、InGaN系半導体レーザー、例えば、導波型波長変換素子とAlGaAs、InGaAs半導体の組み合わせ(380nm〜450nm)、導波型波長変換素子とAlGaInP、AlGaAs半導体の組み合わせ(300nm〜350nm)、AlGaInN(350nm〜450nm)などが挙げられる。
<その他のレーザー>
パルスレーザーとして、Nレーザー(337nm)、XeF(351nm)などが挙げられる。
これらの中でも、特に、AlGaInN半導体レーザー(InGaN系半導体レーザー400nm〜410nm)が、波長特性、コストの面で好適である。
露光エネルギーは、用いられるフォトマスクブランクスの特性により適宜選択されるが、一般的には、1mJ/m〜150mJ/mの範囲であることが好ましく、10mJ/m〜100mJ/mの範囲であることがより好ましい。この露光により、感光性層中の光重合開始剤から発生したラジカルを活性種として、エチレン性不飽和化合物が重合し、露光領域が硬化して画像形成される。
〔現像工程〕
現像工程は、前記露光工程における未露光部、即ち、未硬化の感光性層を、現像液を用いて除去する工程である。
現像工程において用いられる現像液としては、特公昭57−7427号公報に記載されているようなアルカリ現像液が挙げられ、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、メタケイ酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、アンモニア水などのような無機アルカリ剤やモノエタノールアミン又はジエタノールアミンなどのような有機アルカリ剤の水溶液が適当である。
このようなアルカリ剤は、これを含有するアルカリ性水溶液の濃度が0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%になるように添加される。
また、現像液として用いられるアルカリ性水溶液には、必要に応じて界面活性剤やベンジルアルコール、2−フェノキシエタノール、2−ブトキシエタノールのような有機溶媒を少量含むことができる。例えば、米国特許第3375171号及び同第3615480号に記載されているものを挙げることができる。さらに、特開昭50−26601号、同58−54341号、特公昭56−39464号、同56−42860号の各公報に記載されている現像液も優れている。
特に好ましい現像液としては、特開2002−202616公報に記載の非イオン性化合物を含有し、pHが11.5〜12.8であり、かつ3〜30mS/cmの電導度を有する現像液が挙げられる。
また、現像工程における現像液の温度としては、20℃〜35℃の範囲が好ましく、25℃〜30℃の範囲がより好ましい。
本発明における現像工程においては、露光後のフォトマスクブランクスに、現像液を接触させる態様としては、高圧噴射処理、手処理、浸漬処理、及び機械による処理などが挙げられる。
(現像液の高圧噴射処理:高圧現像処理)
本発明の第1の態様では、現像工程において、現像液のフォトマスクブランクス表面への高圧噴射処理を行う。この処理は、フォトマスクブランクス表面での現像液の圧力が1〜10kPaとなる条件であれば、現像液の供給手段に特に制限はないが、一般的には、高圧現像液噴射装置により行われることが好ましい。
現像液のフォトマスクブランクス表面における圧力は、1〜10kPaの範囲であることを要し、好ましくは2〜8KPaの範囲である。圧力が上記範囲において、画像の解像度向上効果が得られ、且つ、画像部にダメージを与える懸念もない。
<高圧現像液噴射装置>
本発明に好適に用いられる高圧現像液噴射装置は、現像液を保存するタンクと、噴射ノズルと、両者を連結するパイプと、現像液を加圧状態で噴射ノズルに供給するポンプとを備えており、噴射ノズルが、処理されるフォトマスクブランクスの搬送方向の幅に合わせ、複数並列に備えられている。
通常は、噴射ノズルからの現像液が、被処理体である現像後のフォトマスクブランクス表面に供給されるに際し、フォトマスクブランクスが搬送手段により、搬送されながら現像液供給領域を通過する態様をとる。
ここで、フォトマスクブランクス表面における液の圧力は、現像液の噴射によって加わった表面の重量を電子重量測定器で測定し、その際の現像液が噴射された面積を測定し、それらから算出して得るものである。
現像液のフォトマスクブランクス表面における圧力は、現像液のノズルへの供給圧力を調節するか、或いは、一定圧で供給される場合、噴射ノズルとフォトマスクブランクス表面との距離を調節することにより制御することができる。一般的には、噴射ノズルとフォトマスクブランクス表面との距離は、3〜12cmの範囲であることが好ましい。
現像液をフォトマスクブランクス表面に供給する際の液の状態は、圧力が上記範囲であれば特に制限はなく、所謂ジェット水流のごとき連続的な噴射でもよく、現像液の噴射条件を制御して微粒子状にして噴射してもよい。形成される画像の解像度向上の観点からは、微粒子状で噴射することが好ましい。
このような条件で現像液を噴射させるための噴射装置は、例えば、噴射ノズルとして、数百μmのオリフィス径を有するマイクロジェットノズルを備える装置が挙げられる。このようなノズルから噴出される現像液は、例えば、5MPa〜30MPaに加圧圧縮されたものである。このようなノズルを使用し、かつ、加圧圧縮された現像液を用いることで微少液滴化した現像液を、フォトマスクブランクス表面に向かって高速高圧噴射することができる。
ジェット状或いはミスト状の現像液を高圧噴射するに際しては、これを連続的に行ってもよく、断続的に行ってもよい。断続的に行う方法としては、周期的に圧力条件を変えて強弱を付けて行う方法、噴射をオンオフする方法がある。断続的に行う場合、現像液の噴射を、例えば、数ミリ秒の間隔で行うことにより、フォトマスクブランクス表面への液滴による効果的な加圧が実現でき、且つ、使用する現像液も減少させることができる。
粒子状の液体を高圧噴射することができる、上記噴射装置(噴射部)としては、例えば、旭サナテック(株)からHPMJシステムとして販売されている装置、(株)ゼビオスからのダイレクトドライブパルスガンシステムとして販売されている装置などを挙げることができる。
現像液を微粒子状で噴射する場合の現像液の体積平均粒子径としては。5μm〜500μmの範囲であることが好ましく、20μm〜400μmの範囲であることがより好ましい。水洗水の体積平均粒子径を上記範囲とすることで、非画像部における残膜の効率的な除去が達成され、且つ、この範囲のミストであれば、上記市販の装置ノズルによっても容易に供給しうる。
このときの現像液の体積平均粒子径は、常法により、測定することができ、例えば、高速シャッターでミストの射出箇所近傍の光学写真を撮影し、撮影された各液滴の径を測定し平均値をとる方法によりそくていすることができる。
現像は、露光後のフォトマスクブランクス表面、即ち、フォトマスクブランクスの感光性層形成面を、現像液の噴射ノズルからの現像液供給領域に向けた状態で、フォトマスクブランクスを一定速度で通過させることにより行うことができる。その場合の搬送速度は、効果の観点から、0.5mm/s〜50mm/sの範囲であることが好ましく、4mm/s〜30mm/sの範囲であることがより好ましい。
フォトマスクブランクス表面における圧力が1〜10kPaとなるように現像液を噴射することにより、現像時間を短縮することができ、サイドエッチが入る前に現像が完了し、解像度、直線性が良化する。
高圧噴射による現像工程のより好ましい態様を挙げれば、体積平均粒子径20μm〜400μmの微粒子状現像液を、フォトマスクブランクス表面の圧力が2kPa〜10kPaになる範囲で供給しつつ、現像液の供給領域をフォトマスクブランクスを搬送速度4mm/s〜30mm/sで通過させる態様である。
このような条件で高圧噴射による現像工程を行うことにより、形成される画像の解像度向上と、画像エッジ部の直線性を確保することができる。このような現像処理を行った場合、引き続き行われる水洗工程では任意の方法を採ることができる。即ち、水洗工程においては、以下に詳述する水洗水の高圧噴射による処理工程を行ってもよく、行わなくてもよい。
現像工程において、現像液の高圧噴射処理を行わない場合には、以下に示す公知の現像処理を行うことができる。この場合には、水洗工程において、以下に詳述する水洗水の高圧噴射による処理工程を行うことを要する。
現像工程における手処理としては、例えば、スポンジや脱脂綿に充分現像液を含ませ、全体を擦りながら処理し、処理終了後は、水洗工程において、高圧水洗処理する態様が挙げられる。
浸漬処理としては、例えば、露光後のフォトマスクブランクスを、現像液の入ったバットや深タンクに浸して撹拌する方法である。浸漬時間は、5秒〜500秒程度であることが好ましく、約60〜300秒であることがより好ましい。浸漬処理の場合には、その後、現像液や感光性層、酸素遮断性層の現像残渣などを除去するため、後述するように、水洗工程に付すが、その場合、高圧水洗処理を行う。
現像工程における機械処理について説明する。
現像工程における機械処理として、自動現像機を用いた処理を挙げることができる。自動現像機を用いる場合としては、例えば、現像槽に仕込んだ現像液をポンプで汲み上げて、露光後のフォトマスクブランクスにスプレーノズルから吹き付けて処理する方式、現像液が満たされた槽中に液中ガイドロールなどによって、露光後のフォトマスクブランクスを浸漬搬送させて処理する方式、実質的に未使用の現像液を、一枚毎の露光後のフォトマスクブランクスに必要な分だけ供給して処理するいわゆる使い捨て処理方式のいずれの方式も適用できる。
これらのうち、現像液をポンプで汲み上げて、露光後のフォトマスクブランクスにスプレーノズルから吹き付けて処理する方式において、スプレーノズルに代えて、前記高圧噴射ノズルを備える高圧液噴射装置を組み込むことで、自動現像装置内においても高圧現像処理を行うことができ、この場合には、水洗工程は、一般的な浸漬法やシャワー法であってもよい。
また、現像液槽中を搬送する方式及び現像液の使い捨て処理方式を取り場合には、後述する高圧水洗工程が実施される。
これらの方式においては、現像残渣除去効率を高めるため、ブラシやモルトンなどあってもよい。
自動現像機としては、前記露光工程を実施しうるレーザー露光部と自動現像機部分とが一体に組み込まれた装置を利用することもできる。
〔水洗工程〕
水洗工程は、前記現像工程において、現像後のフォトマスクに付着した現像液や感光性層などの現像残渣を、水洗により除去する工程である。
水洗工程は、前記現像工程において高圧現像処理を行った場合には、公知のいずれの方法を適用することもでき、例えば、現像処理後のフォトマスクを水洗槽に浸漬処理する方法、現像後のフォトマスクに水洗水を掛け流したりする方法、水洗水を付与しながらブラシやモルトン等で処理する方法などが挙げられ、高圧水洗処理を行うこともできる。
ここで用いる水洗水は、水道水、蒸留水、イオン交換水等を用いることができる。コスト面からは水道水好ましく、水道水を用いた場合でも、本発明の効果を達成することができる。
なお、現像工程において高圧現像処理を行わなかった場合、高圧水洗処理を行うことは必須である。
(高圧水洗処理)
本発明の第2の態様では、水洗工程において、水洗水の、現像後のフォトマスクブランクス表面への高圧噴射処理を行う。この処理は、フォトマスクブランクス表面での水洗水の圧力が1〜10kPaとなる条件で行われる。ここでいう高圧水洗処理は、前記高圧現像処理において用いた現像液を、水洗水に代えた他は同様に行うことができ、用いる高圧噴射装置、噴射条件、フォトマスクブランクス表面における圧力などの諸条件、及び、好ましい範囲も同様である。
高圧水洗処理する場合、水洗水の温度は15℃〜30℃程度が好ましく、18℃〜25℃の範囲であることがより好ましい。
本発明の第2の態様の如く、水洗工程で高圧水洗処理を行う場合には、現像工程における露光後のフォトマスクブランクスと現像液との接触条件を、画像端部のサイドエッチを生じない条件とすればよく、このとき、未硬化の感光性層を完全に除去しきれず現像残渣が生じた場合においても、水洗工程において高圧水洗処理されることでこれらを完全に除去することができるため、この態様においても、前記第1の態様と同様に、本発明の優れた効果を発現する。
水洗工程において高圧水洗処理を行う場合、これに先立つ現像工程においては、高圧現像処理を行ってもよく、行わなくてもよい。
現像工程において高圧現像処理を行った場合に行いうる、高圧水洗処理以外の水洗処理としては、水洗水を満たした水洗槽に30秒〜300秒間浸漬する方法、水洗槽中を搬送しながら一定時間水洗水に接触させて通過させる方法、水洗水をシャワーにより未加圧でフォトマスクブランクス表面に掛ける方法、水洗水をノズルにより未加圧でフォトマスクブランクス表面に掛け流す方法、水洗水を付与しながらモルトン、ブラシ等でこすりとる方法などを採ることができる。
水洗工程で、高圧水洗処理を行わない場合には、現像液や現像残渣の除去性を向上させる目的で、脱脂綿やスポンジなどで擦りながら充分に水洗する方法やブラシやモルトンなどの機構がある洗浄装置を用いて水洗する方法なども好ましい態様である。
高圧水洗処理を行わない場合の。上記各水洗処理に用いられる水洗水の温度は18℃〜25℃の範囲であることが好ましい。
前記のように、高圧現像処理と高圧水洗処理とは、双方を行ってもよく、いずれか一方を行ってもよいが、効果及び工程簡素化の観点からは、現像処理工程において、現像処理を、サイドエッチが生じる懸念のないマイルドな条件で行った後、高圧水洗処理を行うことが好ましい。
〔その他の工程〕
また、フォトマスクブランクスに対しては、必要に応じて、露光前、露光中、露光から現像までの間に、全面に加熱処理を施してもよい。加熱処理を施すことにより、感光性層中の画像形成反応が促進され、感度の向上、感度の安定化といった利点が生じ得る。
さらに、画像強度の向上を目的として、現像後に画像形成されたフォトマスクに対し、全面後加熱処理もしくは、全面後露光処理を行うことも有効である。
通常、現像前の加熱は150℃以下の穏和な条件で行うことが好ましい。一方、現像後の加熱には非常に強い条件を利用することができる。通常は150〜500℃の範囲加熱処理を行う。
また、フォトマスクブランクスに対する画像形成後においては、画像上に熱硬化型のエポキシ樹脂等の保護膜を設けてもよい。画像上に保護膜を設けることにより、更に膜強度を向上させることもできる。
上記本発明の製造方法により、フォトマスクブランクスを用いてフォトマスクが得られる。
なお、得られたフォトマスクに欠陥がある場合には、以下のようにして欠陥修正を行うことができる。
ここで、フォトマスクの欠陥とは、黒部の場合には、主として黒部の白抜け部分、例えば、ピンホールのような光を透過する欠陥を意味する。また、白部の場合には、例えば、本来白部となるべき部分の透明基材上に異物や感光性層が付着して光透過率が低下する欠陥をいう。
黒部の白抜け部分が発生した場合には、感光性層用塗布液(感光性組成物)を欠陥周辺部に塗布した後、例えば、HeCdレーザーで露光、現像を行い不要の感光性層を除去することにより欠陥を修正することができる。また、HeCdレーザーで露光、現像する替わりに、YAGレーザーで不要部分をアブレーションにより除去することも可能である。
一方、白部の欠陥の場合には、YAGレーザーなどでアブレーションにより除去可能である。この場合、Emマスクとは異なり、白部には感光性層などの有機物成分は無いため、レーザーアブレーションに伴う、新たな欠陥の発生は一切生じない。
このような方法をとることで、フォトマスクの欠陥修正を容易に行うことができる。
本発明のフォトマスクの製造方法を適用することで、簡便な工程で、高解像度で画像エッジ部の直線性が良好なフォトマスクを得ることができる。
本発明のフォトマスクの製造方法により得られたフォトマスクは、パターンエッジ部の直線性に優れるために、PDP、FED、LCD等のフラットパネルディスプレイ、CRT用シャドーマスク、印刷配線板、半導体等の分野におけるフォトリソ工程において好適に用いることができ、特に高解像度のパターン形成を行う際に有用である。
本発明で用いるフォトマスクを、紫外感光性のレジストのパターニング用に用いる際には、超高圧水銀灯などの紫外線露光機にバンドパスフィルターを組み入れて、露光波長を選択することも可能である。
<<フォトマスクブランクス>>
以下、本発明のフォトマスクの製造方法を適用しうるフォトマスクブランクスについて、これを構成する各構成要素を挙げて順次説明する。
本発明に用いうるフォトマスクブランクスは、透明基材上に、遮光材料、光重合開始剤、エチレン性不飽和化合物、及びバインダーポリマーを含む感光層と、酸素遮断性層とを順次備える。ここで、「順次備える」とは、透明基材上にこれらの層がこの順に形成されることを意味し、必要に応じて設けられる他の層、例えば、下塗り層、中間層、バックコート層などの存在を否定するものではない。
(感光性層)
フォトマスクブランクスが有する感光性層は、少なくとも遮光材料を含有し且つ紫外光ないし可視光で画像形成が可能な層である。即ち、感光性層は、近紫外光ないし可視光による像様の露光後、アルカリ現像液を用いて現像処理することにより、画像形成が可能な層である。
感光性層は、環境問題上アルカリ現像型が好ましく、露光部分が硬化してアルカリ現像液に不溶化するネガ型の層であることが好ましい。
以下、感光性層について、上記光重合性組成物を用いて形成する例により説明をするが、本発明における感光性層は、これに限定されるものではない。
<遮光材料>
感光性層は遮光材料を含有する。
本発明における遮光材料とは、フォトマスクが適用される活性光線の波長の光を反射、吸収することにより透過させない機能を有する材料であり、具体的には、マスクとして使用する際の露光光源(水銀灯、メタルハライド灯キセノン灯等)が発する波長域200〜450nm、好ましくは250〜400nm、の光を実質遮光できるものであり、塗膜形成時のオプティカルデンシティー(O.D.)が2.5以上であることを要し、好ましくは、3.0以上であるものを指す。
本発明における遮光材料は、フォトマスクブランクスにより作製されたフォトマスクの使用目的等に応じて適宜選択すればよい。
遮光材料として具体的には、金属粒子(金属化合物粒子、複合粒子、コア・シェル粒子などを含む)、顔料その他の粒子、フラーレンなどが好適に用いられる。
本発明に用いうる遮光材料としては、黒色材料であることが好ましく、該黒色材料としては、黒色顔料及び金属粒子の少なくとも1種であることが好ましい。
以下、本発明に適用しうる遮光材料について詳細に説明する。
遮光材料としては、黒色顔料及び金属粒子の少なくとも1種が好適である。
−金属粒子−
遮光材料として金属粒子を用いる場合、該金属粒子は、1種の金属からなるものであっても、2種以上の金属を組み合わせたものであってもよく、合金であってもよい。また、金属粒子は、金属と金属化合物との複合微粒子であってもよい。遮蔽能力、耐光性、耐熱性の観点からは、遮光材料として、金属化合物を含む粒子を好適に用いることができる。
金属粒子に含まれる好ましい金属の例としては、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、カルシウム、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンテル、チタン、ビスマス、アンチモン、鉛、及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。更に好ましい金属は、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、カルシウム、イリジウム、及びこれらの合金、より好ましい金属は、銅、銀、金、白金、パラジウム、錫、カルシウム、及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1種であり、特に好ましい金属は、銅、銀、金、白金、錫、及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1種である。とりわけ銀粒子が好ましく(銀としてはコロイド銀が好ましい)、銀錫合金部を有する粒子も好適である。銀錫合金部を有する粒子については後述する。
金属化合物とは、前記金属と金属以外の他の元素との化合物である。金属と他の元素との化合物としては、金属の酸化物、硫化物、硫酸塩、炭酸塩などが挙げられ、金属化合物粒子としてはこれらの粒子が好適である。なかでも、色調や微粒子形成のし易さからは、硫化物の粒子が好ましい。
金属化合物の例としては、酸化銅(II)、硫化鉄、硫化銀、硫化銅(II)、チタンブラックなどがあるが、色調、微粒子形成のしやすさや安定性の観点から、硫化銀が特に好ましい。
複合粒子は、金属と金属化合物とが結合して1つの粒子になったものをいう。例えば、粒子の内部と表面で組成の異なるもの、2種の粒子が合一したもの等を挙げることができる。また、金属化合物と金属とはそれぞれ1種でも2種以上であってもよい。
金属化合物と金属との複合微粒子の具体例としては、銀と硫化銀の複合微粒子、銀と酸化銅(II)の複合微粒子などが好適に挙げられる。
遮光材料として複合粒子が用いられる場合、該複合粒子としては、コア・シェル構造を有する複合粒子(コアシェル粒子)であってもよい。コア・シェル型の複合粒子(コアシェル粒子)とは、コア材料の表面をシェル材料でコートしたものである。
コア・シェル型の複合粒子を構成するシェル材料としては、例えば、Si、Ge、AlSb、InP、Ga、As、GaP、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、PbS、PbSe、PbTe、Se、Te、CuCl、CuBr、CuI、TlCl、TlBr、TlIや、これらの固溶体及びこれらを90mol%以上含む固溶体から選ばれる少なくとも1種の半導体、又は銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンテル、チタン、ビスマス、アンチモン、鉛、カルシウム、及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1種の金属が挙げられる。
シェル材料は、反射率を低下させる目的で屈折率の調整剤としても好適に用いられる。
好ましいコア材料としては、銅、銀、金、パラジウム、ニッケル、錫、ビスマス、アンモチン、鉛、及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。
コア・シェル構造を有する複合粒子の作製方法には、特に制限はなく、代表的な方法としては、以下の(1)及び(2)が挙げられる。
(1)公知の方法で作製した金属粒子の表面に、酸化、硫化などにより、金属化合物のシェルを形成する方法であり、例えば、金属粒子を水などの分散媒に分散させて、硫化ナトリウムや硫化アンモニウムなどの硫化物を添加する方法である。この方法により粒子の表面が硫化されてコア・シェル粒子が形成できる。
この場合、用いる金属粒子は、気相法、液相法などの公知の方法で作製することができる。金属粒子の作製方法については、例えば、「超微粒子の技術と応用における最新動向II」(住ベテクノリサーチ(株)、2002年発行)に記載されている。
(2)金属粒子を作製する過程で連続的に表面に金属化合物のシェルを形成する方法であり、例えば、金属塩溶液に還元剤を添加して、金属イオンの一部を還元して金属粒子を作製し、次いで硫化物を添加して、作製した金属粒子の周囲に金属硫化物を形成する方法である。
金属粒子は、市販のものを用いることができるほか、金属イオンの化学的還元法、無電解メッキ法、金属の蒸発法等により調製することが可能である。
例えば、棒状の銀微粒子は、球形銀微粒子を種粒子としてその後、銀塩を更に添加し、CTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)等の界面活性剤の存在下でアスコルビン酸など比較的還元力の弱い還元剤を用いることにより、銀棒やワイヤーが得られる。これは、Advanced Materials 2002,14,80−82に記載がある。また、同様の記載が、Materials Chemistry and Physics 2004,84,197−204、Advanced Functional Materials 2004,14,183−189になされている。
また、電気分解を用いた方法として、Materials Letters 2001,49,91−95やマイクロ波を照射することにより銀棒を生成する方法がJournal of Materials Research 2004,19,469−473に記載されている。逆ミセルと超音波の併用した例として、Journal of Physical Chemistry B 2003,107,3679−3683が挙げられる。
金粒子に関しても同様に、Journal of Physical Chemistry B 1999,103、3073−3077及びLangmuir1999,15,701−709、Journal of American Chemical Society 2002,124,14316−14317に記載されている。
棒状の粒子の形成方法は、前記記載の方法を改良(添加量調整、pH制御)しても調製できる。
銀錫合金部を有する粒子としては、銀錫合金からなるもの、銀錫合金部分とその他の金属部分からなるもの、及び銀錫合金部分と他の合金部分からなるものを含む。
銀錫合金部を有する粒子において、少なくとも一部が銀錫合金で構成されていることは、例えば、(株)日立製作所製のHD−2300とノーラン(Noran)社製のEDS(エネルギー分散型X線分析装置)とを用いて、加速電圧200kVによる各々の粒子の中心15nm□エリアのスペクトル測定により確認することができる。
銀錫合金部を有する粒子は、黒濃度が高く、少量であるいは薄膜で優れた遮光性能を発現し得ると共に、高い熱安定性を有するので、黒濃度を損なうことなく高温(例えば200度以上)での熱処理が可能であり、安定的に高度の遮光性を確保することができる。
−顔料その他の粒子−
遮光材料としては、顔料その他の粒子を用いることができる。
顔料を用いたときには、より黒色に近い色相に構成することができる。遮光材料として顔料を用いる場合、顔料を単独で用いてもよいし、上記の金属粒子と共に用いてもよい。
顔料その他の粒子としては、例えば、カーボンブラック、チタンブラック、黒鉛などの黒色材料からなる粒子が挙げられる。
黒色顔料としては、例えば、ファット・ブラックHB(C.I.26150)、モノライト・ファースト・ブラックB(C.I.ピグメント・ブラック1)、及びカーボンブラック等が挙げられる。
カーボンブラックの例としては、Pigment Black(ピグメント・ブラック)7(カーボンブラック C.I.No.77266)が好ましい。市販品として、三菱カーボンブラック MA100(三菱化学(株)製)、三菱カーボンブラック #5(三菱化学(株)製)が挙げられる。
チタンブラックの例としては、TiO、TiO、TiNやこれらの混合物が好ましい。市販品として、三菱マテリアルズ(株)製の(商品名)12Sや13Mが挙げられる。
本発明においては、上記以外の公知の顔料を遮光材料として用いることもできる。顔料は一般に有機顔料と無機顔料とに大別されるが、有機顔料が好ましい。好適に使用される顔料の例としては、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ニトロ系顔料を挙げることができる。そのような有機顔料の色相は、例えば、黄色顔料、オレンジ顔料、赤色顔料、バイオレット顔料、青色顔料、緑色顔料、ブラウン顔料、黒色顔料等が挙げられる。
以下、本発明において使用可能な他の顔料等の粒子を以下に列挙する。但し、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
具体的な例としては、特開2005−17716号公報[0038]〜[0040]に記載の色材や、特開2005−361447号公報[0068]〜[0072]に記載の顔料や、特開2005−17521号公報[0080]〜[0088]に記載の着色剤を好適に用いることができる。
また、「顔料便覧、日本顔料技術協会編、誠文堂新光社、1989」、「COLOUR
INDEX、THE SOCIETY OF DYES & COLOURIST、THIRD EDITION、1987」に記載の顔料を参照して、適宜用いることもできる。
顔料を金属系粒子と共に用いる場合には、金属系粒子の色相と補色関係にあるものを用いることが望ましい。また、顔料は1種でも2種以上を組み合せて用いてもよい。好ましい顔料の組み合わせとしては、赤色系及び青色系の互いに補色関係にある顔料混合物と黄色系及び紫色系の互いに補色関係にある顔料混合物との組合せや、前記の混合物に更に黒色の顔料を加えた組み合わせや、青色系と紫色系と黒色系との顔料の組合せを挙げることができる。
本発明における遮光材料として特に好ましくは、カーボンブラックである。
遮光材料としてカーボンブラックを用いる場合、感光性層は、カーボンブラックのみを含有してもよいし、カーボンブラックと、他の色材(例えば、他の着色剤)を併用してもよい。カーボンブラックと他の色材を併用する場合には、感光性層に含有される全着色剤中50質量%以上がカーボンブラックであると、感光性層の色濃度を高濃度にする点で好ましい。
顔料を遮光材料として用いる場合、5μm以下の平均粒径を有する顔料が好ましく、1μm以上4μm以下のものがより好ましい。なお、顔料は、感光性層の形成に用いる感光性組成物中において、分散剤により分散されていることが好ましい。
感光性層固形分中の遮光材料の含有量は、フォトマスクの濃度やフォトマスクを作製する際の感度、解像性等を考慮して決められ、その種類によっても異なるが、10〜50質量%が好ましく、より好ましくは15〜35質量%である。
<バインダーポリマー>
本発明に係るフォトマスクブランクスの感光性層はバインダーポリマーを含有する。
感光性層に使用しうるバインダーポリマーは、特に限定されることは無いが、アルカリ水溶液への溶解性・現像性の観点から酸基を有する有機重合体が好ましく、特にカルボン酸含有の有機重合体がさらに好ましい。
バインダーポリマーの骨格としては、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル樹脂から選ばれる高分子が好ましい。なかでも、なかでも、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン系樹脂等のビニル共重合体、ポリウレタン樹脂が特に好ましい。
バインダーポリマーとしては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂が好ましく用いられる。
本発明で使用するバインダーポリマーの好適な一例は、(a)カルボン酸を含有する繰り返し単位及び(b)ラジカル架橋性を付与する繰り返し単位を有する共重合体である。(a)カルボン酸を含有する繰り返し単位(以下、繰り返し単位(a)とも云う)の具体例としては以下の(a−1)から(a−13)に示す構造が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
繰り返し単位(a)の含有量は、総繰り返し単位数を100とした場合、そのうちの5〜50、好ましくは5〜25、より好ましくは5〜15である。
(b)ラジカル架橋性を付与する繰り返し単位(以下、繰り返し単位(b)とも云う)の具体例としては以下の(b−1)から(b−11)に示す構造が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
繰り返し単位(b)の含有量は、総繰り返し単位数を100とした場合、そのうちの5〜90、好ましくは20〜85、より好ましくは40〜80である。
本発明におけるバインダーポリマーは、下記式(1)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位(1)とも云う)を有してもよい。
式(1)中、Xは酸素原子、硫黄原子または−NH−基を表し、Yは水素原子、炭素数1から12のアルキル基、炭素数5から12の脂環式アルキル基、炭素数6から20の芳香環を有する基を表す。Zは酸素原子、硫黄原子または−NH−基を表し、Rは炭素数
1から18のアルキル基、炭素数5から20の脂環構造を有するアルキル基または炭素数6から20の芳香環を有する基を表す。
繰り返し単位(1)の具体例としては、以下の(1−1)〜(1−9)に示す構造が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
繰り返し単位(1)の含有量は、総繰り返し単位数を100とした場合、そのうちの1〜40、好ましくは3〜25、より好ましくは、5〜15である。
繰り返し単位(a)、(b)、(1)の好適な組み合わせの具体例としては、下記表1に示す(PP−1)〜(PP−11)が挙げられるが、本発明はこれに限定されるもので
はない。
本発明におけるバインダーポリマーとして用いるウレタン樹脂は架橋性基を有することが好ましい。ここで架橋性基とは、平版印刷版原版を露光した際に画像記録層中で起こるラジカル重合反応の過程でバインダーポリマーを架橋させる基のことである。このような機能の基であれば特に限定されないが、例えば、付加重合反応し得る官能基としてエチレン性不飽和結合基、アミノ基、エポキシ基等が挙げられる。また光照射によりラジカルになり得る官能基であってもよく、そのような架橋性基としては、例えば、チオール基、ハロゲン基、オニウム塩構造等が挙げられる。なかでも、エチレン性不飽和結合基が好ましく、下記一般式(1A)〜(3A)で表される官能基が特に好ましい。
一般式(1A)において、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子または1価の有機基を表す。Rとしては、好ましくは、水素原子または置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、メチル基がラジカル反応性の高いことから好ましい。R、Rとしては、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基がラジカル反応性の高いことから好ましい。
Xは、酸素原子、硫黄原子、または−N(R12)−を表し、R12は、水素原子または1価の有機基を表す。R12の1価の有機基としては、置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられる。なかでも、R12としては水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基が、ラジカル反応性が高いことから好ましい。
導入し得る置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基などが挙げられる。
一般式(2A)において、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子または1価の有機基を表す。R〜Rとしては、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が好ましい。
導入し得る置換基としては、一般式(1A)と同様のものが例示される。また、Yは、酸素原子、硫黄原子、または−N(R12)−を表す。R12は、一般式(1A)のR12と同義であり、好ましい例も同様である。
一般式(3A)において、R〜R11は、それぞれ独立に水素原子または1価の有機基を表す。Rとしては、好ましくは、水素原子または置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、メチル基がラジカル反応性の高いことから好ましい。R10、R11としては、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基がラジカル反応性の高いことから好ましい。
導入し得る置換基としては、一般式(1A)と同様のものが例示される。また、Zは、酸素原子、硫黄原子、−N(R12)−、または置換基を有してもよいフェニレン基を表す。R12は、一般式(1A)のR12と同義であり、好ましい例も同様である。
感光性層の現像性を維持するためには、使用されるバインダーポリマーは適当な分子量を有することが好ましく、質量平均分子量は5000〜300000であるのが好ましい。より好ましい範囲は、20000〜150000である。
バインダーポリマーは、感光性層中に任意な量で含有させることができるが、形成される画像強度の観点からは、感光性層の全固形分中、好ましくは10〜90質量%、より好ましくは30〜80質量%である。
<エチレン性不飽和結合含有化合物>
フォトマスクブランクスの感光性層は、エチレン不飽和結合含有化合物を含有する。
エチレン性不飽和結合含有化合物とは、エチレン性不飽和結合を少なくとも一つ有する化合物であり、光重合性組成物が活性光線の照射を受けた時、光重合開始剤の作用により付加重合し、架橋、硬化に寄与する。
エチレン性不飽和結合含有化合物は、例えば、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上、より好ましくは2〜6個有する化合物の中から任意に選択することができる。モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつものである。
エチレン性不飽和結合含有化合物の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)と多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と多価アミン化合物とのアミド等が挙げられる。
多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エ−テル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタアクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス[p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]ジメチルメタン、ビス−[p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル]ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,5−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。さらに、前述のエステルモノマーの混合物も挙げることができる。
また、多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレシビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の例としては、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記の一般式(m)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加せしめた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R’)OH (m)
(ただし、R及びR’は、それぞれ独立にHあるいはCHを示す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号の各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。さらに日本接着協会誌Vo1.20,No.7, 300〜308ぺージ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
なお、これらエチレン性不飽和結合含有化合物の含有量は、感光性層の全質量に対し通常5〜80質量%、好ましくは30〜70質量%の範囲である。
<光重合開始剤>
本発明における光重合開始剤としては、特許、文献等で公知である種々の光重合開始剤、あるいは2種以上の光重合開始剤の併用系(光重合開始系)を適宜選択して使用することができる。本発明においては単独で用いる光重合開始剤、2種以上の光重合開始剤を併用した系を総括して単に光重合開始剤という。
例えば400nm付近の光を光源として用いる場合には、光重合開始剤として、ベンジル、ベンゾイルエーテル、ミヒラーズケトン、アントラキノン、チオキサントン、アクリジン、フェナジン、ベンゾフェノン、ヘキサアリールビスイミダゾール化合物等が広く使用されている。
また、400nm以上の可視光線を光源とする場合にも、種々の光重合開始剤が提案されており、例えば、米国特許第2,850,445号に記載の、ある種の光還元性染料、例えばローズベンガル、エオシン、エリスロシン等、あるいは、染料と光重合開始剤との組み合わせによる系、例えば、染料とアミンの複合開始系(特公昭44−20189号)、ヘキサアリールビイミダゾールとラジカル発生剤と染料との併用系(特公昭45−37377号)、ヘキサアリールビイミダゾールとp−ジアルキルアミノベンジリデンケトンの系(特公昭47−2528号、特開昭54−155292号)、環状シス−α−ジカルボニル化合物と染料の系(特開昭48−84183号)、環状トリアジンとメロシアニン色素の系(特開昭54−151024号)、3−ケトクマリンと活性剤の系(特開昭52−112681号、特開昭58−15503号)、ビイミダゾール、スチレン誘導体、チオールの系(特開昭59−140203号)、有機過酸化物と色素の系(特開昭59−1504号、特開昭59−140203号、特開昭59−189340号、特開昭62−174203号、特公昭62−1641号、米国特許第4,766,055号)、染料と活性ハロゲン化合物の系(特開昭63−178105号、特開昭63−258903号、特開平2−63054号)、染料とボレート化合物の系(特開昭62−143044号、特開昭62−150242号、特開昭64−13140号、特開昭64−13141号、特開昭64−13142号、特開昭64−13143号、特開昭64−13144号、特開昭64−17048号、特開平1−229003号、特開平1−298348号、特開平1−138204号)、ローダニン環を有する色素とラジカル発生剤の系(特開平2−179643号、特開平2−244050号)等を挙げることができる。
本発明における好ましい光重合開始剤としては、ヘキサアリールビスイミダゾール化合物が挙げられる。
ヘキサアリールビスイミダゾール化合物としては、欧州特許第24629号、欧州特許第107792号、米国特許第US4410621号、欧州特許第215453号及びドイツ特許公開3211312号等の各明細書に記載の種々の化合物を使用することが可能である。好ましいものとしては、例えば、2,4,5,2’,4’,5’−ヘキサフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラキス(3−メトキシフェニル)−ビスイミダゾール、2,5,2’,5’−テトラキス(2−クロロフェニル)−4,4’−ビス(3,4−ジメトキシフェニル)ビスイミダゾール、2,2’−ビス(2,6−ジクロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−ニトロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ジ−o−トリル−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−エトキシフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、及び2,2’−ビス(2,6−ジフルオロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール等を挙げることができる。
ヘキサアリールビスイミダゾール化合物は2種以上併用してもよい。
光重合開始剤としてヘキサアリールビスイミダゾール化合物を用いる場合、該ヘキサアリールビスイミダゾール化合物の使用量は、前記エチレン性不飽和化合物の総量100質量部に対し、0.05〜50質量部が好ましく、より好ましくは0.2〜30質量部である。ヘキサアリールビスイミダゾール化合物とともに、他の光重合開始剤を併用してもよい。
光重合開始剤は、必要に応じ、2−メルカプトベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール等のチオール化合物、N−フェニルグリシン、N,N−ジアルキルアミノ芳香族アルキルエステル等のアミン化合物等の水素供与性化合物と併用することにより更に光開始能力が高められることが知られている。
特に光開始能力が高く本発明に好適な水素供与性化合物としては、メルカプト基含有化合物が上げられる。
メルカプト基含有化合物のさらに好適な例としては、下記一般式(A)又は(B)で表される化合物(以下、適宜、「メルカプト基含有ヘテロ環化合物」と称する。)が挙げられる。なお、下記一般式(A)及び(B)では、各々互変異性体の構造を示した。
一般式(A)及び(B)中、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは未置換の炭素数1から18の直鎖又は分岐アルキル基、置換もしくは未置換の炭素数5から20の脂環式アルキル基又は芳香族基を表す。置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、チオール基、アセチル基、カルボキシル基などが挙げられる。)
以下に、一般式(A)及び(B)で表される化合物の好ましい具体例(SH1)から(SH20)を示すが、本発明はこれら具体例に限定されるものではない。以下の構造は、上記互変異性体の−SH基含有構造で示す。
一般式(A)で表される化合物の具体例
一般式(B)で表される化合物の具体例
メルカプト基含有ヘテロ環化合物は、ヘキサアリールビスイミダゾール化合物等の光重合開始剤1molに対して、0.2〜10.0molの比率で使用するのが好ましく、より好ましくは、0.5〜6.0molの比率、さらに好ましくは、0.5〜4.0molの比率である。
感光性層中における光重合開始剤の含有量は、感光性層を構成する全固形分100質量部に対し、0.1〜20質量部が好ましく、より好ましくは0.5〜15質量部、さらに好ましくは1〜10質量部の範囲である。
<増感色素>
感光性層には、感度向上の観点から、さらに増感色素を含有することが好ましい。増感色素とは、吸収した光のエネルギーを光重合開始剤へとエネルギー移動又は電子移動により伝達することが可能な色素を言う。増感色素は、この機能を有する増感色素であれば特に吸収波長は限定されず、露光に用いるレーザーの波長により適宜選択されるが、本発明では、特に、360nmから450nmの波長域に吸収極大を持つ増感色素が好ましく用いられる。
増感色素としては、例えば、ローズベンガル、エオシン、エリスロシン、メロシアニン系化合物、ケトクマリン系化合物、ローダニン環を有する色素、等が挙げられる。
本発明における増感色素としては、下記一般式(I)で表される増感色素(以下、適宜「特定増感色素」と称する。)が好ましい。
一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は一価の非金属原子団を表す。Xは−N(R)を表す。R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表し、Rは、R、R、R又はRと脂肪族性又は芳香族性の環を形成するために結合することができる。Zは隣接する原子と共同して、酸性核を形成するのに必要な2価の非金属原子団を表す。
特定増感色素の特徴の1つは、350nmから450nm波長領域に特に優れた吸収特性を有することにある。更に、特定増感色素は、感光性層中に含有される光開始剤化合物の分解を効率良く引き起こし、非常に高い感光性を示す。
一般に、増感色素/開始剤化合物からなる光開始系の増感機構は(a)増感色素の電子励起状態から開始剤化合物への電子移動反応に基づく、開始剤化合物の還元的分解、(b)開始剤化合物から増感色素の電子励起状態への電子移動に基づく、開始剤化合物の酸化的分解、(c)増感色素の電子励起状態から開始剤化合物へのエネルギー移動に基づく、開始剤化合物の電子励起状態からの分解、といった経路が知られるが、特定増感色素は、これら何れのタイプの増感反応をも優れた効率で引き起こすものである。
本発明者らは、感光性層が上記特定増感色素を含有することで、ここで用いられるフォトマスクブランクスが高感度及び優れた保存安定性を発揮しうることを見出した。その作用機構は明らかではないが、以下のように推測される。
まず、特定増感色素が高感度化に寄与する要因としては、特定増感色素は、高強度の発光(ケイ光及び/又はリン光)スペクトルを示すことから、一つの可能性として、特定増感色素は励起状態の寿命が比較的長いため、開始剤化合物との反応の効率化に作用していることが推測される。その他の可能性としては、特定増感色素の分子構造が、増感反応初期過程(電子移動等)の効率化や、さらに、開始剤化合物分解にいたる後続反応の効率化に寄与している可能性もある。
次に、特定増感色素が保存安定性の向上に寄与する要因としては、特定増感色素は、自然経時条件下における色素凝集、会合等が少ないことから、増感効率の低下が抑制されるものであることが影響しているものと推測される。増感色素は、光開始反応において重要な役割を果たしており、感光性組成物中での凝集又は会合は、露光によるラジカル発生量の減少(感度減少)、即ち保存安定性の減少に大きく影響することから、色素凝集、会合等が少ない特定増感色素は、フォトマスク材料の保存安定性の向上に大きく寄与しているものと考えられる。
以下、一般式(1)で表される増感色素(特定増感色素)について詳細に説明する。
一般式(1)中、Zは、酸性核を形成するのに必要な2価の非金属原子団を表し、好ましくはヘテロ原子を含む5員又は6員環構造を表す。
ここで「酸性核」とは、ジェイムス(James)編「ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス」(The Theory of the Photographic Process)第4版、マクミラン出版社、1977年、198頁により定義されるものである。
一般式(1)における酸性核の具体例としては、1,3−ジカルボニル核(例えば、1,3−インダンジオン、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン等)、ピラゾリノン核(例えば、3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−(2−ベンゾチアゾリル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン等)、イソオキサゾリノン核(例えば、3−フェニル−2−イソオキサゾリン−5−オン、3−メチル−2−イソオキサゾリン−5−オン等)、オキシインドール核(例えば、1−アルキル−2,3−ジヒドロ−2−オキシインドール等)、2−チオ−2,4−チアゾリジンジオン核(例えば、ローダニン及びそのN置換誘導体、例えば、3−メチルローダニン、3−エチルローダニン、3−フェニルローダニン、3−アリルローダニン、3−ベンジルローダニン、3−カルボキシメチルローダニン、3−カルボキシエチルローダニン、3−メトキシカルボニルメチルローダニン、3−ヒドロキシエチルローダニン、3−モルフォリノエチルローダニン等)、2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン核、1,3−オキサゾリジン2,4−ジオン核(例えば、3−エチル−1,3−オキサゾリジン2,4−ジオン等)、(すなわち、2−チオ−2,4−(3H,4H)−オキサゾールジオン核、例えば、3−エチル−2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン等)、チアナフテノン核(例えば、3(2H)−チアナフテノン、3(2H)−チアノフテノン−1,1−ジオキサイド等)、2−チオ−2,5−チアゾリジンジオン核(例えば、3−エチル−2−チオ−2,5−チアゾリジンジオン等)、2,4−チアゾリジンジオン核(例えば、2,4−チアゾリジンジオン、3−エチル−4−チアゾリジンジオン、3−フェニル−2,4−チアゾリジンジオン等)、チアゾリジノン核(例えば、4−チアゾリジノン、3−エチル−4−チアゾリジノン、2−エチルメルカプト−4−チアゾリジノン、2−メチルフェニルアミノ−4−チアゾリジノン等)、2−イミノ−2−オキサゾリン−4−オン核(すなわち、擬ヒダントイン核)、2,4−イミダゾリジンジオン核(すなわち、ヒダントイン核、例えば、2,4−イミダゾリジンジオン、3−エチル−2,4−イミダゾリジンジオン、1,3−ジエチル−2,4−イミダゾリジンジオン等)、2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン核(すなわち、チオヒダントイン核、例えば、2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン、3−エチル−2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン、1,3−ジエチル−2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン等)、イミダゾリン−5−オン核(例えば、2−プロピルメルカプト−2−イミダゾリン−5−オン等)、フラン−5−オン核、チオインドキシル核(例えば、5−メチルチオインドキシル等)、2−イミノ−2,4−オキサゾリジンジオン核、などが挙げられる。
これらの酸性核はさらに置換基を有してもよい。酸性核に導入しうる好ましい置換基としては、アルケニル基、芳香族基、芳香族複素環残基等の不飽和結合を有する置換基が挙げられる。
一般式(1)における好ましい酸性核としては、2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン核、1,3−オキサゾリジン2,4−ジオン核、2−イミノ−2,4−オキサゾリジンジオン核が挙げられ、さらに好ましくは、1,3−オキサゾリジン−2,4−ジオン核、2−イミノ−2,4−オキサゾリジンジオン核である。
一般式(1)中、R、R、R、R、R又はRで表される一価の非金属原子
団としては、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、及び置換若しくは無置換のアルコキシ基が好ましい。
、R、R、R、R又はRで表されるアルキル基の例としては、炭素原子
数が1から20までの直鎖状、分岐状、及び環状のアルキル基を挙げることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げることができる。これらの中では、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、及び炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
、R、R、R、R又はRで表されるアルキル基が、置換アルキル基である場合における置換基としては、水素を除く1価の非金属原子団から構成される基が挙げられる。置換アルキル基が有する置換基の好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルオキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、
アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SOH)及びその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスホノ基(−PO)及びその共役塩基基(以下、ホスホナト基と称す)、ジアルキルホスホノ基(−PO(alkyl))、ジアリールホスホノ基(−PO(aryl)を)、アルキルアリールホスホノ基(−PO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(−POH(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスホナト基と称す)、モノアリールホスホノ基(−POH(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスホナト基と称す)、ホスホノオキシ基(−OPO)及びその共役塩基基(以後、ホスホナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスホノオキシ基(−OPO(alkyl))、ジアリールホスホノオキシ基(−OPO(aryl))、アルキルアリールホスホノオキシ基(−OPO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(−OPOH(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスホナトオキシ基と称す)、モノアリールホスホノオキシ基(−OPOH(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基、シリル基が挙げられる。これらの置換基における、アルキル基の具体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、これらはさらに置換基を有していてもよい。
、R、R、R、R又はRで表される置換アルキル基が、置換基として有するアリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、フェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基等を挙げることができる。
、R、R、R、R又はRで表される置換アルキル基が、置換基として有するヘテロアリール基としては、窒素、酸素、硫黄原子の少なくとも一つを含有する単環、又は多環芳香族環から誘導される基が挙げあれる。ヘテロアリール基中のヘテロアリール環の例として特に好ましくは、例えば、チオフェン、チアスレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサジン、ピロール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドリジン、インドイール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キナゾリン、シノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナンスリン、アクリジン、ペリミジン、フェナンスロリン、フタラジン、フェナルザジン、フェノキサジン、フラザン、フェノキサジンや等が挙げられ、これらは、さらにベンゾ縮環してもよく、また置換基を有していてもよい。
、R、R、R、R又はRで表される置換アルキル基が、置換基として有するアルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基、等が挙げられ、アルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
、R、R、R、R又はRで表される置換アルキル基が、置換基として有するアシル基(GCO−)におけるGとしては、水素、ならびに上記のアルキル基、アリール基を挙げることができる。これら置換基のうち、更により好ましいものとしてはハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスホノ基、ホスホナト基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、モノアルキルホスホノ基、アルキルホスホナト基、モノアリールホスホノ基、アリールホスホナト基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基、アリール基、アルケニル基、アルキリデン基(メチレン基等)が挙げられる。
、R、R、R、R又はRで表される置換アルキル基が、置換基として有するアルキレン基としては前述の炭素数1から20までのアルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基としたものを挙げることができ、好ましくは炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキレン基を挙げることができる。
上記置換基とアルキレン基とを組み合わせることにより得られる、R、R、R、R、R又はRとして好ましい置換アルキル基の具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、スルホブチル基、スルホナトプロピル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスホノブチル基、ホスホナトヘキシル基、ジエチルホスホノブチル基、ジフェニルホスホノプロピル基、メチルホスホノブチル基、メチルホスホナトブチル基、トリルホスホノヘキシル基、トリルホスホナトヘキシル基、ホスホノオキシプロピル基、ホスホナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基等を挙げることができる。
、R、R、R、R又はRとして好ましいアリール基の具体例としては、1個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基を挙げることができ、これらのなかでも、フェニル基又はナフチル基がより好ましい。
、R、R、R、R又はRで表される好ましい置換アリール基の具体例としては、前述のアリール基の環形成炭素原子上に置換基として、(水素原子以外の)1価の非金属原子団の基を有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびに、先に置換アルキル基における置換基として示したものを挙げることができる。このような、置換アリール基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフェニル基、アセチルアミノフェニル基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基、ジエチルホスホノフェニル基、ジフェニルホスホノフェニル基、メチルホスホノフェニル基、メチルホスホナトフェニル基、トリルホスホノフェニル基、トリルホスホナトフェニル基、アリルフェニル基、1−プロペニルメチルフェニル基、2−ブテニルフェニル基、2−メチルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブチニルフェニル基、等を挙げることができる。
、R、R、R、R又はRとして好ましいアルコキシ基としては、炭素数1〜15のアルコキシ基が挙げられ、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。
及びRのより好ましい例としては、置換若しくは無置換のアルキル基、及び置換若しくは無置換のアルコキシ基が挙げられる。R及びRの更に好ましい例としては、置換基を有してもよい炭素数1〜15のアルキル基又は置換基を有してもよい炭素数1〜15のアルコキシ基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基が挙げられる。R及びRの両方が、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアルコキシ基である場合が、特に好ましい。
及びRのより好ましい例は、置換若しくは無置換のアルキル基であること、即ち、一般式(1)におけるXがジアルキルアミノ基であることである。R及びRのさらに好ましい例としては、置換基を有してもよい炭素数2〜15のアルキル基であり、具体的にはエチル基、ブチル基が挙げられる。
一般式(1)におけるR、R、R及びRとして、これらの置換基が好適である要因は定かではないが、このような置換基を有することで、光吸収により生じる電子励起状態と開始剤化合物との相互作用が特に大きくなり、開始剤化合物のラジカル、酸又は塩基を発生させる効率が向上すること(感度向上効果)、芳香族環のオルト位に置換基を有するため、置換基Xがネジレ構造を取り、増感色素同士が凝集し難く、感光性層中での凝集が抑制されること(保存安定性向上効果)が考えられる。
また、Rのより好ましい例としては、置換基を有してもよい炭素数1〜15のアルキル基、及び炭素数1〜15のアルコキシ基が挙げられる。
特定増感色素の内でも、下記一般式(2)〜(8)で表される構造を有する増感色素は、高い増感能を有する上、保存安定性にも非常に優れた感光性組成物を与えるため、特に好ましい。これらの中でも、特定増感色素としては、一般式(2)で表される増感色素が最も好ましい。
一般式(2)〜(8)中、X〜X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、又はNR21を表し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は一価の非金属原子団を表す。Xは−N(R)を表す。R、R〜R20は、それぞれ独立に、水素原子又は一価の非金属原子団を表し、Rは、R、R、R又はRと脂肪族性又は芳香族性の環を形成するために結合することができる。ここで、一般式(2)〜(8)中、R〜R20で表される一価の非金属原子団は、前記一般式(1)における一価の非金属原子団と同義であり、好ましい範囲も同様である。
さらに、Xとしては酸素原子が好ましい。YとしてはNR21が好ましく、R21は水素原子又は1価の非金属原子団を表し、特に、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基が好ましい。
以下に、本発明に係る特定増感色素の好ましい具体例(例示化合物D−1〜例示化合物D−33)を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下、特定増感色素の合成方法について述べる。
特定増感色素は、例えば、活性メチレン基を有する酸性核と、置換もしくは非置換の芳香族環又はヘテロ環と、の縮合反応によって合成することができる。かかる合成方法は、特公昭59−28329号公報を参照することができる。特定増感色素の合成方法の1つとしては、例えば、下記反応式(a)に示すように、酸性核化合物と、ヘテロ環上にアルデヒド基又はカルボニル基を有する塩基性核原料の縮合反応を利用する合成方法が挙げられる。縮合反応は必要に応じ、塩基(Base)存在下で実施される。塩基としては、一般的に汎用されるもの、例えば、アミン、ピリジン類(トリアルキルアミン、ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロウンデセンDBU等)、金属アミド類(リチウムジイソプロピルアミド等)、金属アルコキシド類(ナトリウムメトキシド、カリウム−t−ブトキシド等)、金属水素化物類(水素化ナトリウム、水素化カリウム等)が制限なく利用できる。
特定増感色素に関しては、さらに、感光性層の特性を改良するための様々な化学修飾を行うことも可能である。例えば、特定増感色素と、付加重合性化合物構造(例えば、アクリロイル基やメタクリロイル基)とを、共有結合、イオン結合、水素結合等の方法により結合させることで、感光性層(露光膜)の高強度化や、露光後の感光性層からの色素の不要な析出抑制を行うことができる。
また、特定増感色素と後述する開始剤化合物におけるラジカル発生能を有する部分構造(例えば、ハロゲン化アルキル、オニウム、過酸化物、ビイミダゾール、オニウム、ビイミダゾール等の還元分解性部位や、ボレート、アミン、トリメチルシリルメチル、カルボキシメチル、カルボニル、イミン等の酸化解裂性部位)との結合により、特に開始系の濃度が低い状態での感光性を著しく高めることができる。
さらに、アルカリ系、あるいは、水系の現像液への処理適性を高める目的に対しては、特定増感色素に、親水性部位(カルボキシル基並びにそのエステル、スルホン酸基並びにそのエステル、エチレンオキサイド基等の酸基もしくは極性基)を導入することが有効である。特にエステル型の親水性基は、感光性層中では比較的疎水的構造を有するため相溶性に優れ、かつ、現像液中では、加水分解により酸基を生成し、親水性が増大するという特徴を有する。
その他、例えば、感光性層中での相溶性向上、結晶析出抑制のために、特定増感色素に適宜置換基を導入することができる。例えば、ある種の感光系では、アリール基やアリル基等の不飽和結合が相溶性向上に非常に有効である場合があり、また、分岐アルキル構造導入等の方法により、色素π平面間の立体障害を導入することで、結晶析出が著しく抑制できる。また、ホスホン酸基やエポキシ基、トリアルコキシシリル基等の導入により、金属や金属酸化物等の無機物への密着性を向上させることができる。そのほか、目的に応じ、増感色素のポリマー化等の方法も利用できる。
特定増感色素としては、前記一般式(1)で表される増感色素を少なくとも一種用いればよく、この一般式(1)で示される限りにおいて、例えば、先に述べた修飾を施したものなど、どのような構造の色素を用いるか、単独で使用するか2種以上併用するか、添加量はどうか、といった使用法の詳細は、最終的な感材の性能設計にあわせて適宜設定できる。例えば、特定増感色素を2種以上併用することで、感光性層への相溶性を高めることができる。
特定増感色素の選択は、感光性の他、使用する光源の発光波長でのモル吸光係数が重要な因子である。モル吸光係数の大きな色素を使用することにより、色素の添加量は比較的少なくできるので、経済的であり、かつ感光性層の膜物性の点からも有利である。
なお、本発明においては、特定増感色素に加えて、本発明の効果を損なわない限りにおいて他の汎用の増感色素を併用することもできる。
感光性層の感光性、解像度や、露光膜の物性は光源波長での吸光度に大きな影響を受けるので、これらを考慮して増感色素の添加量を適宜選択する。例えば、吸光度が0.1以下の低い領域では感度が低下する。また、ハレーションの影響により低解像度となる。但し、例えば5μm以上の厚い膜を硬化させる目的に対しては、このような低い吸光度の方がかえって硬化度を上げられる場合もある。
例えば、フォトマスクブランクスにおける感光性層を比較的薄い膜厚とする場合には、増感色素の添加量は、感光性層の吸光度が0.1から1.5の範囲、好ましくは0.25から1の範囲となるように設定するのが好ましい。吸光度は、特定増感色素の添加量と感光性層の厚みとにより決定されるため、所定の吸光度は両者の条件を制御することにより得られる。感光性層の吸光度は常法により測定することができる。測定方法としては、例えば、透明、あるいは白色の支持体上に、乾燥後の塗布量がフォトマスク材料として必要な範囲において適宜決定された厚みの感光性層を形成し、透過型の光学濃度計で測定する方法、アルミニウム等の反射性の支持体上に感光性層を形成し、反射濃度を測定する方法等が挙げられる。
増感色素の添加量は、感光性層を構成する全固形分100質量部に対し、0.05〜30質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜20質量部、さらに好ましくは0.2〜10質量部の範囲である。
<その他の成分>
−UV吸収剤−
感光性層には、更に、紫外領域の吸光度を高めたりする目的で、UV吸収剤を同時に添加してもよい。UV吸収剤としては、特開平9−25360号公報に記載のような、加熱処理により紫外領域に強い吸収を発現する化合物も用いることができる。
−熱重合禁止剤−
この他に添加剤として、感光性層の調製中あるいは保存中において、重合可能なエチレン性不飽和結合含有化合物の不要な熱重合を阻止するために、少量の熱重合禁止剤を添加することが好ましい。更に熱重合防止剤を添加することが好ましい。その例としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、等が挙げられる。
熱重合禁止剤の添加量は、感光性層を構成する全固形分に対して約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。
また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光性層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体等の添加量は、感光性層を構成する全固形分に対して約0.5質量%〜約10質量%が好ましい。
−その他の添加剤−
さらに、フォトマスクブランクスの感光性層には必要に応じて公知の添加剤、例えば可塑剤、界面活性剤等を添加することができる。
感光性層の膜厚は、膜厚の均一性、解像度及び感度の観点から、0.3μm〜7μmの範囲が好ましい。特に好ましい膜厚は、0.5μm〜3μmである。
感光性層は、前述した各成分を含有する塗布液を、透明基材上に、スピンコーター、スリットスピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、あるいはカーテンコーター等を用いて直接塗布により設けることが可能である。
<透明基材>
本発明の方法に使用しうるフォトマスクブランクスにおける透明基材としては、ガラス板(例えば、石英、ソーダガラス、無アルカリガラスなど)、透明プラスティックフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレートなど)のごとき透明基材を適用することができる。透明基材の厚さは、フォトマスクブランクスによって適宜設定することができるが、1mm〜7mmの範囲であることが好ましい。
<酸素遮断性層>
本発明に用いうるフォトマスクブランクスは、感光性層上に酸素遮断性層を有する。以下、酸素遮断性層について説明する。
酸素遮断性層は、25℃、1気圧下における酸素透過性Aが1.0≦A≦500(ml/m・day・atm)であることが好ましい。酸素透過性Aが上記範囲内であることで、製造時・生保存時に不要な重合反応が生じることなく、また画像露光時に、不要なカブリ、画線の太りが生ずるという問題もなく、良好な感度が得られる。
なかでも、これを50≦A≦500(ml/m・day・atm)とすることで、解像度と画像エッジ部の直線性を向上させることができる。
本明細書において、酸素遮断性層が有する酸素透過性は、以下の測定方法(モコン法)により測定した酸素透過率である。
−酸素透過性の測定方法−
酸素透過性の高いポリエチレンフィルム(富士フイルム(株)製「エバービュティーペーパー」の表面ゼラチン層を溶解除去することで作製したポリエチレンラミネート紙)に、感光性層上に形成する酸素遮断性層と同様の組成の塗膜を塗布乾燥し、測定用のサンプルを作製する。JIS−K7126B及びASTM−D3985に記載の気体透過度試験方法に則り、モコン社製OX−TRAN2/21を用い、25℃60%RHの環境下で酸素透過率(ml/m・day・atm)を測定する。
酸素遮断性層が有する酸素透過性の制御は、例えば、酸素遮断性層が含有する各成分の種類及び含有量の調整(具体的には、例えば、ポリビニルアルコールのケン化度の調整、可塑剤を添加、等)、酸素遮断性層の膜厚の調整、好ましい酸素透過性を示す樹脂の採用等の各手段、或いは、これらの各手段を適宜組み合わせることにより実施することができる。
また、酸素遮断性層に望まれる特性としては、上記酸素透過性以外に、さらに、露光に用いる光の透過は実質阻害せず、感光性層との密着性に優れ、かつ、露光後の現像工程で容易に除去できることが望ましい。
<水溶性高分子化合物>
酸素遮断性層は、酸素遮断性及び現像性の観点から、水溶性高分子化合物を含有することが好ましい。
水溶性高分子としては、比較的結晶性に優れた化合物を用いることが好ましく、具体的には、例えば、ポリビニルアルコール、ビニルアルコール/フタル酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/ビニルアルコール/フタル酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、酸性セルロース類、ゼラチン、アラビアゴム、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドポリエステル、ポリウレタンなどのような水溶性ポリマーが挙げられ、これらは単独又は混合して使用できる。これらの内、ポリビニルアルコールを主成分として用いる事が、酸素遮断性、現像除去性といった基本特性的にもっとも良好な結果を与える。
酸素遮断性層に使用するポリビニルアルコールは、必要な酸素遮断性と水溶性を有するための、未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテル、及びアセタールで置換されていてもよい。また、酸変性ポリビニルアルコールなど、ポリビニルアルコール誘導体を用いてもよい。
また、同様に、ビニルアルコール単位以外の重合単位を有する共重合体であってもよく、そのような共重合体としては、例えば、ビニルアルコール/ビニルピロリドン共重合体等が挙げられる。
ポリビニルアルコールの具体例としては71〜100モル%加水分解され、重合繰り返し単位が300から2400の範囲のものをあげる事ができる。具体的には、(株)クラレ製のPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−505、PVA−613、L−8、KL−504、KL−506、KL−318、KL−118、KM−618、KM−118、C−506、R−2105、R−1130、R−2130、M−205、MP−203、LM15,LM20、LM25等が挙げられ、これらは単独又は混合して使用できる。
好ましい態様としてはポリビニルアルコールの保護層中の含有率が20〜95質量%、より好ましくは、30〜90質量%である。
酸素遮断性層には界面活性剤を添加することができる。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンステアレート等のポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート等のソルビタンアルキルエステル類、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレート等のモノグリセリドアルキルエステル類等のノニオン界面活性剤;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩類、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ペンチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ヘキシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、オクチルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩類、ドデシルスルホン酸ソーダ等のアルキルスルホン酸塩類、ジラウリルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸エステル塩類等のアニオン界面活性剤;ラウリルベタイン、ステアリルベタイン等のアルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性界面活性剤が使用可能である。
酸素遮断性層に用いうる、特に好ましい界面活性剤としてはポリオキシエチレンヒマシ油エーテル系界面活性剤が挙げられる。ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル系界面活性剤の主成分である、ヒマシ油は、トウゴマの種子から圧搾法によって得られる、植物性の不乾性油である。種子全体に対して35〜57%の油が含まれる。成分は不飽和カルボン酸のリシノール酸を約85%含有する。リシノール酸は末端のカルボキシル基と12位にヒドロキシル基、9位に不飽和2重結合を有する、ステアリン酸誘導体である。ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル界面活性剤は、このヒマシ油の主成分である、リシノール酸にエチレンオキシドを付加させて合成する、ノニオン系界面活性剤の総称である。付加反応過程で、条件によりリシノール酸のヒドロキシ基とカルボン酸基が反応し、ポリエステルとなり、分子量が1万から2万にもなる、高分子を含む界面活性剤も形成できる。
また、リシノール酸のグリセロールにエチレンオキシドを付加したタイプの界面活性剤も含まれる。
上記ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル界面活性剤は、HLB=10.0〜16.0、好ましくは、11.0〜15.0である。HLBが10.0より小さいと、水溶性が低く、ポリビニルアルコールの水溶液に添加した時、濁りを生じる。また、HLBが16より大きい場合は、親水性が高すぎて、保護層の吸湿性が増す。また、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル界面活性剤の重量平均分子量は、摩擦係数及び溶解性の観点から、800〜5000、好ましくは1000〜3000である。
このようなポリオキシエチレンヒマシ油エーテル界面活性剤の具体例としては、竹本油脂株式会社製のパイオニンD−225、パイオニンD−240−W、パイオニンD−230、パイオニンD−236、パイオニンD−225−K、花王株式会社製エマノーンCH−25、エマノーンCH−40、エマノーンCH−60等を挙げることができる。
ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル界面活性剤を用いる場合、その添加量は、保護層全固形分中の1.0〜10質量%、好ましくは2.0〜6.0質量%で有る。添加量が少なくなると、摩擦係数低下の効果が小さくなり、一方、添加量が多過ぎると保護層の塗布性が劣化し、塗布ムラを生じる。
酸素遮断性層における界面活性剤の含有量としては、酸素遮断性層全固形分中、0.1〜2質量%であることが好ましい。
また、酸素遮断性層には、さらにシリカゲル、雲母といった充填剤を添加し、表面物性を調整することも可能である。
酸素遮断性層の塗設量は、乾燥質量として、一般的に0.1g/m〜10g/m、好ましくは0.5g/m〜5g/mである。また塗布方法に関しては、逐次に塗設する方法と、一気に重層塗布する方法があるが、いずれであっても構わない。
ここに詳述した如きフォトマスクブランクスに本発明のフォトマスクの製造方法を適用することで、その効果が著しいといえる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
1.フォトマスクブランクスの作製
(感光性層の形成)
ガラス基板(10cm×10cm)上に、下記組成の光重合性組成物P−1を乾燥塗布質量が1.4g/mとなるように塗布し、100℃で1分間乾燥させ、感光性層を形成した。
<光重合性組成物P−1>
・カーボンラック分散液(30質量%メチルエチルケトン溶液) 16.0質量部
・エチレン性不飽和結合含有化合物(A−1;:下記構造) 4.2質量部
・線状有機高分子重合体(B−1:高分子バインダー、下記構造) 3.6質量部
・増感剤(C−1:下記構造) 0.21質量部
・光重合開始剤(D−1:下記構造) 0.81質量部
・連鎖移動剤(E−1:下記構造) 0.3質量部
・フッ素系ノニオン界面活性剤 0.05質量部
(メガファックF780、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 58質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 53質量部
(酸素遮断性層の形成)
この感光性層上に、下記酸素遮断性層塗布液を塗布し乾燥して酸素遮断性層を形成し、ネガ型のフォトマスクブランクス[P]を得た。なお、酸素遮断性層形成における乾燥条件は、120℃、1分間であった。
<酸素遮断性層塗布液>
・水 87g
・ポリビニルアルコールPVA205((株)クラレ製) 10g
・ポリビニルピロリドン((株)BASF製) 2g
・EMALEX710(日本エマルジョン(株)製、界面活性剤) 1g
(フォトマスクの製造)
得られたフォトマスクブランクス[P](10×10cm)を、レーザープロッターとして、VIOLD(大日本スクリーン製造(株)製)(レーザー出力350mW、光源は405nmバイオレットレーザー)30mj/cmで露光した。次いで、露光後のフォトマスクブランクス[P]を、下記組成のアルカリ現像液(25℃)により、高圧現像処理した。その際、旭サナック(株)製超高圧マイクロジェットシステムHPMJ AF6200Sを用い、微小粒子化した現像液を高圧噴射することにより現像を行った。その際の感材面の圧力は、噴射ノズルの圧力調整及び、噴射ノズルと感材面の距離を変えることで1kPaに調整した。この圧力は、圧力噴射時単位面積あたりにかかる荷重を測定し、算出したものである。この時の現像液の微小粒子の平均粒子径は、約200μmであった。また、この噴射条件で現像液を供給しながら、フォトマスクブランクスを移動速度6mm/sで現像領域を通過させた。
その後、25℃の水道水を60秒間シャワーして水洗し、フォトマスクを得た。
なお、現像、加熱処理後のフォトマスクの365nmの吸光度は、約4.0であった。
<アルカリ現像液組成>
下記組成からなるpH11.95の水溶液
・水酸化カリウム 0.1g
・下記化合物 5.0g
・エチレンジアミンテトラ酢酸・4Na塩 0.1g
・水 94.8g
2.フォトマスクの評価
フォトマスクブランクスの描画画像を、4μm、6μm、8μm、10μm、15μm、20μm、25μm,30μmのライン/スペースを同様の条件で描画し、再現できているうちで最も細い線を解像度とした。実施例1における解像度は8μmであった。
次に、上記解像度試験において形成された10μmのラインのエッジ部を(株)キーエンス社製 マイクロスコープにて撮影し、エッジ部の直線性のバラツキを標準偏差σで表した。σ値が小さいほど直線性に優れていることを表す。実施例1ではσ値は0.85であり、直線性に優れることがわかる。なお、σ値は1.2以下で、フォトマスクとしての使用に問題のないレベルであり、1以下で、優れた性能を有するものと評価される。
[実施例2〜5]
フォトマスクの形成において、露光後の高圧現像工程において、現像液の圧力を4kPa(実施例2)、8kPa(実施例3)に代え、さらに、現像液の圧力を4kPaに、搬送速度を4mm/s(実施例4)、現像液の圧力を4kPaに、搬送速度を10mm/s(実施例5)に代えた他は実施例1と同様にしてフォトマスクを得て、同様に評価した。結果を下記表2に併記した。
[実施例6]
フォトマスクの形成において、露光後の現像工程においては高圧現像処理を行わず、前記現像液に40秒浸漬する現像工程を行い、その後、水洗工程において、旭サナック(株)製超高圧マイクロジェットシステムHPMJ AF6200Sを用い、微小粒子化した水洗水を1kPaの圧力で高圧噴射し、搬送速度6mm/sで水洗領域を通過させることにより水洗処理を行ってフォトマスクを得て、同様に評価した。結果を下記表2に併記した。
[実施例7〜10]
フォトマスクの形成において、現像後の高圧水洗工程において、水洗水の圧力を4kPa(実施例7)、8kPa(実施例8)に代え、さらに、水洗水の圧力を4kPaに、搬送速度を4mm/s(実施例9)、水洗水の圧力を4kPaに、搬送速度を10mm/s(実施例10)に代えた他は実施例6と同様にしてフォトマスクを得て、同様に評価した。結果を下記表2に併記した。
[実施例11]
フォトマスクの形成において、露光後の現像工程において、実施例2と同様の条件で高圧現像処理を行い、その後、水洗水の圧力を4kPaに、搬送速度を6mm/sに代えて高圧水洗処理した他は実施例2と同様にしてフォトマスクを得て、同様に評価した。結果を下記表2に併記した。
[比較例1]
フォトマスクの形成において、露光後の現像工程においては高圧現像処理を行わず、現像液に40秒間浸漬し、その後の水洗工程において、25℃の水道水を60秒間シャワーして水洗し、フォトマスクを得て、実施例1と同様に評価したところ、残膜が発生して、30μmのライン/スペースでも画像形成できなかったために、画像エッジの直線性評価を行わなかった。結果を下記表2に併記した。
[比較例2]
フォトマスクの形成において、露光後の現像工程においては高圧現像処理を行わず、現像液に80秒間浸漬し、その後の水洗工程において、25℃の水道水を60秒間シャワーして水洗し、フォトマスクを得て、実施例1と同様に評価した。結果を下記表2に併記した。
[比較例3]
フォトマスクの形成において、露光後の現像工程において、現像液の圧力を0.7kPaとした他は実施例1と同様にしてフォトマスクを得て、同様に評価した。結果を下記表2に併記した。
[比較例4]
フォトマスクの形成において、露光後の現像工程において、現像液の圧力を12kPaとした他は実施例1と同様にしてフォトマスクを得て、同様に評価した。結果を下記表2に併記した。
上記表2より、本発明のフォトマスクの製造方法により得られた実施例1〜11のフォトマスクは、最適露光時に形成される画像の解像度、及び、形成された画像のエッジ部の直線性に優れることがわかる。他方、現像工程、水洗工程のいずれでも高圧現像処理、高圧水洗処理を行わなかった比較例1では、現像液への浸漬現像40秒では残膜が発生して画像形成できなかった。現像液への浸漬時間を80秒にして、比較例1と同様に高圧処理を行わなかった比較例2、本発明の範囲外である0.7kPa、あるいは12kPaの圧力で高圧現像処理を行った比較例3及び比較例4は、いずれも形成された画像の解像度が低く、画像のエッジ直線性も実施例に比べて劣ることがわかった。

Claims (8)

  1. 透明基材上に、遮光材料、光重合開始剤、エチレン性不飽和化合物、及びバインダーポリマーを含む感光層と、酸素遮断性層とを順次備えるフォトマスブランクスを画像露光する露光工程と、感光性層及び酸素遮断性層の未露光領域を除去する現像工程と、水洗工程とを有し、
    該現像工程における、露光後のフォトマスクブランクスに、フォトマスクブランクス表面での圧力が1〜10kPaとなるように現像液を接触させる高圧現像工程、及び、該水洗工程における、現像後のフォトマスクブランクス表面に、表面での圧力が1〜10kPaとなるように水洗水を接触させる高圧水洗工程、の少なくとも一工程を実施するフォトマスクの製造方法。
  2. 前記感光性層が、さらに、増感色素を含有する請求項1に記載のフォトマスクの製造方法。
  3. 前記遮光材料が、カーボンブラックである請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のフォトマスクの製造方法。
  4. 前記画像露光が、390nm〜420nmの光を放射するレーザーを用いて行われる請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のフォトマスクの製造方法。
  5. 前記現像液及び水洗水の少なくとも1種の、フォトマスクブランクス表面への適用が、噴射ノズルを備える高圧液噴射装置により実施される請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のフォトマスクの製造方法。
  6. 前記高圧液噴射装置による現像液及び水洗水の少なくとも1種の噴射が、噴射ノズルにより粒径5〜500μmの微粒子状で行われる請求項5に記載のフォトマスクの製造方法。
  7. 前記高圧液噴射装置による現像液及び水洗水の少なくとも1種の噴射が、噴射ノズルより連続的に行われる請求項5に記載のフォトマスクの製造方法。
  8. 前記高圧液噴射装置における噴射ノズルとフォトマスクブランクス表面との距離が、3〜12cmの範囲である請求項5から請求項7のいずれか1項に記載のフォトマスクの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014135430A (ja) * 2013-01-11 2014-07-24 Asahi Kasei E-Materials Corp フレキシブル配線板の製造方法
JP2016006850A (ja) * 2014-05-30 2016-01-14 東京化工機株式会社 基板材の現像装置

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