JP2010044944A - 燃料電池の環境試験装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定した環境条件下で精度良く燃料電池の性能を評価することが可能な燃料電池の環境試験装置を提供すること。
【解決手段】 燃料電池1の環境試験装置100であって、
恒温恒湿槽110内において、燃料電池1を取り囲むとともに透気性及び透湿性を有するフード120を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】 燃料電池1の環境試験装置100であって、
恒温恒湿槽110内において、燃料電池1を取り囲むとともに透気性及び透湿性を有するフード120を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
この発明は、燃料電池の性能を評価するための試験装置に関するものであって、特に、燃料電池の劣化加速試験などを行うことが可能な環境試験装置に関する。
近年、ノートパソコンや携帯電話等の各種携帯用電子機器を長時間充電なしで使用可能とするために、これら携帯用電子機器の電源に燃料電池を用いる試みがなされている。燃料電池は燃料と空気を供給するだけで発電することができ、燃料を補給すれば連続して長時間発電することが可能であるという特徴を有している。このため、燃料電池を小型化できれば、携帯用電子機器の電源として極めて有利なシステムといえる。
このような燃料電池について、種々の環境下において精度良く性能を評価することが要望されている。
例えば、特許文献1によれば、燃料電池に対するガスの供給量の多少にかかわらず燃料電池の評価試験温度に適した温度のガスを供給するために、ガス流路の中途に設けられた温調手段及び調湿手段において所定の温度及び湿度に調整されたガスが恒温室内に配された熱交換手段に導入され、恒温室内で熱交換を行った後に燃料電池に供給される燃料電池評価試験装置が開示されている。
また、特許文献2によれば、燃料電池運転時の高分子電解質の劣化を加速によって模擬するために、高分子電解質型燃料電池の運転温度が定格運転時よりも高い状態、あるいは、高分子電解質型燃料電池に供給する燃料ガス及び/または酸化剤ガスの露点が定格運転時よりも低い状態で運転を行う加速運転工程を備えた高分子電解質型燃料電池の試験方法が開示されている。
特開2006−128001号公報
特開2005−322534号公報
燃料電池の性能を評価する試験装置においては、庫内の環境温度及び湿度を一定とするために、0.2m/s程度の風が吹いている。このような環境では、環境温度は一定であるが、風に曝された燃料電池が冷却されてしまい、一定の環境で安定して運転することができないため、風の影響を受けて出力が変動してしまう。このため、適当な環境条件で燃料電池の性能を精度良く評価することが困難である。
この発明の目的は、安定した環境条件下で精度良く燃料電池の性能を評価することが可能な燃料電池の環境試験装置を提供することにある。
この発明の態様による燃料電池の環境試験装置は、
アノードとカソードとの間に電解質膜を挟持した構造の膜電極接合体を有する燃料電池の環境試験装置であって、
恒温恒湿槽と、
前記恒温恒湿槽内において、燃料電池を取り囲むとともに透気性及び透湿性を有するフードと、
を備えたことを特徴とする。
アノードとカソードとの間に電解質膜を挟持した構造の膜電極接合体を有する燃料電池の環境試験装置であって、
恒温恒湿槽と、
前記恒温恒湿槽内において、燃料電池を取り囲むとともに透気性及び透湿性を有するフードと、
を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、安定した環境条件下で精度良く燃料電池の性能を評価することが可能な燃料電池の環境試験装置を提供することができる。
すなわち、この発明の環境試験装置によれば、恒温恒湿槽内において燃料電池を取り囲むフードを備えたことにより、燃料電池が風の影響を受けにくくなる。また、フードは、透気性及び透湿性を有しているため、フードによって囲まれた内部においても恒温恒湿槽での環境温度及び湿度が維持される。
このため、燃料電池が環境温度及び湿度以外の因子による影響を受けることなく、安定した環境条件下での性能評価が可能となる。したがって、燃料電池の性能を精度良く評価することが可能となる。
以下、この発明の一実施の形態に係る燃料電池の環境試験装置について図面を参照して説明する。
ここでは、まず、試験対象である燃料電池について説明する。図1は、この実施の形態に係る燃料電池1の構造を概略的に示す断面図である。
燃料電池1は、起電部を構成する膜電極接合体(MEA)2と、膜電極接合体2に燃料を供給する燃料供給機構3と、から主として構成されている。
すなわち、燃料電池1において、膜電極接合体2は、アノード触媒層11とアノードガス拡散層12とを有するアノード(燃料極)13と、カソード触媒層14とカソードガス拡散層15とを有するカソード(空気極/酸化剤極)16と、アノード触媒層11とカソード触媒層14とで挟持されたプロトン(水素イオン)伝導性の電解質膜17とを備えて構成されている。
膜電極接合体2は、電解質膜17のアノード側及びカソード側にそれぞれ配置されたゴム製のOリング等のシール部材19によってシールされており、これにより、膜電極接合体2からの燃料漏れや酸化剤漏れが防止されている。
膜電極接合体2のカソード16側には、絶縁材料によって形成された板状体20が配置されている。この板状体20は、主に保湿層として機能する。すなわち、この板状体20は、カソード触媒層14で生成された水の一部が含浸されて水の蒸散を抑制するとともに、カソード触媒層14への空気の取入れ量を調整し且つ空気の均一拡散を促進するものである。
上述した膜電極接合体2は、燃料供給機構3とカバープレート21との間に配置されている。カバープレート21は、外観が略矩形状のものであり、例えばステンレス鋼(SUS)によって形成されている。また、カバープレート21は、酸化剤である空気を取入れるための複数の開口部(空気導入孔)21Aを有している。
燃料供給機構3は、膜電極接合体2のアノード13に対して燃料を供給するように構成されているが、特に、特定の構成に限定されるものではない。以下に、燃料供給機構3の一例について説明する。
燃料供給機構3は、例えば、箱状に形成された容器30を備えている。この燃料供給機構3は、液体燃料を収容する燃料収容部4と流路5を介して接続されている。容器30は、燃料導入口30Aを有しており、この燃料導入口30Aと流路5とが接続されている。
燃料供給機構3は、膜電極接合体2のアノード13の面方向に燃料を分散並びに拡散させつつ供給する燃料供給部31を備えている。すなわち、燃料供給部31は、1つの燃料注入口32と、複数の燃料排出口33とを有しており、細管34のような燃料通路を介して燃料注入口32と燃料排出口33とを接続した構成である。
膜電極接合体2は、そのアノード13が上述したような燃料供給部31の燃料排出口33に対向するように配置されている。カバープレート21は、燃料供給機構3との間に膜電極接合体2を保持した状態で容器30に対してカシメあるいはネジ止めなどの手法により固定されている。これにより、燃料電池(DMFC)1の発電ユニットが構成されている。
燃料収容部4には、膜電極接合体2に応じた液体燃料が収容されている。液体燃料としては、各種濃度のメタノール水溶液や純メタノール等のメタノール燃料が挙げられる。なお、液体燃料は、必ずしもメタノール燃料に限られるものではない。液体燃料は、例えば、エタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、その他の液体燃料であってもよい。いずれにしても、燃料収容部4には、膜電極接合体2に応じた液体燃料が収容される。
さらに、流路5には、ポンプ6が介在していても良い。ポンプ6は、燃料を循環させる循環ポンプではなく、あくまでも燃料収容部4から燃料供給部31に液体燃料を送液する燃料供給ポンプである。燃料供給部31から膜電極接合体2に供給された燃料は、発電反応に使用され、その後に循環して燃料収容部4に戻されることはない。
この実施の形態の燃料電池1は、燃料を循環しないことから、従来のアクティブ方式とは異なるものであり、装置の小型化等を損なうものではない。また、液体燃料の供給にポンプ6を使用しており、従来の内部気化型のような純パッシブ方式とも異なる。図1に示す燃料電池1は、例えばセミパッシブ型と呼称される方式を適用したものである。
上述したように、燃料供給部31から放出された燃料は、膜電極接合体2のアノード13に供給される。膜電極接合体2内において、燃料は、アノードガス拡散層12を拡散してアノード触媒層11に供給される。液体燃料としてメタノール燃料を用いた場合、アノード触媒層11で下記の(1)式に示すメタノールの内部改質反応が生じる。なお、メタノール燃料として純メタノールを使用した場合には、カソード触媒層14で生成した水や電解質膜17中の水をメタノールと反応させて(1)式の内部改質反応を生起させる。あるいは、水を必要としない他の反応機構により内部改質反応を生じさせる。
CH3OH+H2O → CO2+6H++6e- …(1)
この反応で生成した電子(e-)は、集電体を経由して外部に導かれ、いわゆる電気として携帯用電子機器等を動作させた後、集電体を経由してカソード16に導かれる。(1)式の内部改質反応で生成したプロトン(H+)は、電解質膜17を経てカソード16に導かれる。カソード16には、酸化剤として空気が供給される。カソード16に到達した電子(e-)とプロトン(H+)は、カソード触媒層14で空気中の酸素と下記の(2)式にしたがって反応し、この反応に伴って水が生成する。
この反応で生成した電子(e-)は、集電体を経由して外部に導かれ、いわゆる電気として携帯用電子機器等を動作させた後、集電体を経由してカソード16に導かれる。(1)式の内部改質反応で生成したプロトン(H+)は、電解質膜17を経てカソード16に導かれる。カソード16には、酸化剤として空気が供給される。カソード16に到達した電子(e-)とプロトン(H+)は、カソード触媒層14で空気中の酸素と下記の(2)式にしたがって反応し、この反応に伴って水が生成する。
6e-+6H++(3/2)O2 → 3H2O …(2)
上述した燃料電池1の発電反応において、発電する電力を増大させるためには触媒反応を円滑に行わせるとともに、膜電極接合体2の電極全体に均一に燃料を供給し、電極全体をより有効に発電に寄与させることが重要となる。
上述した燃料電池1の発電反応において、発電する電力を増大させるためには触媒反応を円滑に行わせるとともに、膜電極接合体2の電極全体に均一に燃料を供給し、電極全体をより有効に発電に寄与させることが重要となる。
次に、上述したような燃料電池の環境試験装置の一実施形態について説明する。
図2に示すように、環境試験装置100は、恒温恒湿槽110と、恒温恒湿槽110内において燃料電池1を取り囲むフード120と、を備えている。恒温恒湿槽110は、内部が所定の一定温度及び一定湿度に維持されるように制御されている。フード120は、内部に燃料電池1を収容する空間を形成するように配置されている。
特に、このフード120は、透気性及び透湿性を有している。フード120に要求される透気性については、ガーレ法(JIS P8117)に準じた測定方法で測定した場合に、1.00〜3.10(ガーレ秒)の範囲の透気度を有することが望ましい。また、フード120に要求される透湿性については、カップ法(JIS Z0208)に準じた測定方法で測定した場合に、10ccmの水蒸気流通時に、1.0×104〜6×104(g/m2・24hr・atm)の範囲の透湿度を有することが望ましい。
すなわち、フード120は、上述したような透気度及び透湿度を有する材料によって形成されている。より具体的には、フード120は、例えば、発砲ポリエチレンシート、発泡ポリプロピレンシート、マイクロポーラスフィルム(ポリプロピレンと有機フィラーで構成された多孔質フィルム)等の高分子多孔膜、グラスウール、発泡金属シート、金属不織布、焼結金属等の材料のうち、上記で規定された透湿度及び透気度を満たす材料によって形成されている。
試験対象である燃料電池1は、例えば燃料供給機構3などから膜電極接合体2に燃料が供給されて発電できる状態(つまり運転状態)である。また、燃料電池1は、単体であっても良いし、電子機器などに搭載された状態であっても良い。この燃料電池1には、出力密度(mW/cm2)を監視するモニタ装置などが接続されている。
このような構成の環境試験装置100によれば、フード120によって燃料電池1を取り囲むことにより、燃料電池1の性能を評価するにあたり、恒温恒湿槽110の内部において、一定環境を維持するための気体の流れや、燃料電池1の発電反応に伴う気体の流れ、対流などによって生じた風の影響を受けにくくなる。
また、フード120は、透気性及び透湿性を有しているため、フード120によって囲まれた内部においても恒温恒湿槽110で制御されている一定の温度及び一定の湿度が維持される。
このため、安定した環境条件下で精度良く燃料電池1の性能を評価することが可能となる。
なお、フード120によって囲まれた内部は、ほぼ無風状態であるが、一定の環境を維持する程度の気体の流れはあり、0.02〜0.06m/sの風速である。この程度の風速では、燃料電池1を極端に冷却して出力密度を不安定化させてしまうほどの影響を与えないことが確認済みである(後述する実施例)。
また、フード120は、多面体を形成するように配置されても良く、図2に示した例では6面体(特に、立方体あるいは直方体)を形成するように配置されている。この場合、全ての面(図2に示した例では6面)にフード120が配置されても良い。このような構成によれば、フード120が透気性及び透湿性を有しているため、フード120によって囲まれた内部が恒温恒湿槽110で制御されている環境条件に適合しやすくなり、高い精度での性能評価が可能となる。
また、フード120が多面体を形成するように配置された場合、少なくとも1面が内部を目視可能な材料によって形成されても良い。すなわち、上述したように、フード120として適当な透気性及び透湿性を有する材料は、有色のものが多く内部を目視可能な透明性を有していない。このため、少なくとも1面が透明性を有する材料、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やアクリル樹脂などの材料によって形成されることにより、環境試験装置100において燃料電池1の性能を評価するにあたり、恒温恒湿槽110の内部での燃料電池1の状態を目視により確認することが可能となる。なお、このような透明性を有する材料は、上述したような範囲の透気性及び透湿性を有していないものが多いため、あまり多くの面に配することは望ましくない。
上述したように、多面体を形成するように配置されたフード120は、枠体によって保持されることが望ましい。例えば、図3に示すように、枠体130は、6面体を構成するように組み立てられている。このような枠体130は、金属材料などによって形成されている。また、この枠体130には、フード120を着脱可能とするスライドレール140が設けられている。これにより、フード120を容易に交換可能となり、優れた作業性を実現できる。
図4に示す環境試験装置100は、恒温恒湿槽110と、恒温恒湿槽110内において燃料電池1を取り囲むフード120と、フード120によって囲まれた内部を複数の領域に区画するパーティション150と、を備えている。
フード120は、多面体を形成するように配置され、ここでは6面体を形成するように配置されている。このとき、全面にフード120を配置しても良いし、少なくとも1面には内部を目視可能とする材料を配置しても良い。
このような構成の環境試験装置100によれば、複数の燃料電池1を同一の環境条件下で同時に試験することが可能となる。
このようなパーティション150は、フード120と同様の透気性及び透湿性を有する材料によって形成されることが望ましい。これにより、パーティション150によって区画された各領域においても、隣接する領域の燃料電池1の発電状態の影響を受けることなく、恒温恒湿槽110で制御されている一定の温度及び一定の湿度を維持することが可能となる。したがって、複数の燃料電池1を精度良く性能評価することが可能となる。
また、パーティション150は、枠体160によって保持されても良い。この枠体160には、パーティション150を着脱可能とするスライドレール170が設けられている。これにより、パーティション150を容易に交換可能となり、優れた作業性を実現できる。
上述した環境試験装置100においては、燃料電池1を不利な環境条件に曝して燃料電池1の劣化加速試験を行うことが可能である。
例えば、恒温恒湿槽110の内部の湿度を標準状態(例えば50%RH)よりも高い状態(例えば80%RH)とすることにより、劣化加速試験が実現可能である。
また、恒温恒湿槽110の内部の湿度を、比較的高い状態(例えば80%RH)と、比較的低い状態(例えば20〜50%RH)とを繰り返すことにより、劣化加速試験が実現可能である。
さらには、燃料電池1の内部を加湿状態とする、あるいは、乾燥状態とする、あるいは、加湿状態と乾燥状態とを繰り返すことによっても、劣化加速試験が実現可能である。
《実施例》
実施例1では、恒温恒湿槽110の内部において、6面体のうちの5面について透気性及び透湿性を有する材料からなるフード120を配置し、その内部に燃料電池1を配置した。このとき、フード120によって囲まれた内部での風速は、0.04〜0.06m/sであった。
実施例1では、恒温恒湿槽110の内部において、6面体のうちの5面について透気性及び透湿性を有する材料からなるフード120を配置し、その内部に燃料電池1を配置した。このとき、フード120によって囲まれた内部での風速は、0.04〜0.06m/sであった。
実施例2では、恒温恒湿槽110の内部において、6面体のすべての面について透気性及び透湿性を有する材料からなるフード120を配置し、その内部に燃料電池1を配置した。このとき、フード120によって囲まれた内部での風速は、0.02〜0.05m/sであった。
比較例1では、恒温恒湿槽110の内部にフード等で囲むことなく燃料電池1を配置した。このとき、恒温恒湿槽110の内部での風速は、0.2〜0.3m/sであった。
それぞれの燃料電池1の出力密度を比較したところ、図5に示すような結果が得られた。比較例1では、風の影響と思われる出力密度の低下が確認されたのに対して、実施例1及び実施例2においては、ほぼ風の影響を受けることなく、安定した出力密度が得られることが確認された。つまり、実施例1及び実施例2においては、安定した環境条件下で燃料電池1の性能を評価できることが確認された。
次に、図4に示したようなパーティション150によって区画した場合における燃料電池1の設置位置に対する出力密度の変化を測定したところ、図6に示すような結果が得られた。フード120によって囲まれない場合は燃料電池の配置された位置によって、上段、中段、下段と、配置場所の違いによって出力密度に違いが現れることが確認できるが、フード120によって囲まれた場合は、時間の経過に関係なく、ほぼ同等の出力密度が得られ、設置位置に関わらず、安定した環境条件下で燃料電池1の性能を評価できることが確認された。
以上説明したように、この実施の形態によれば、安定した環境条件下で精度良く燃料電池の性能を評価することが可能な燃料電池の環境試験装置を提供できる。
上述した実施形態の燃料電池1は、各種の液体燃料を使用した場合に効果を発揮し、液体燃料の種類や濃度は限定されるものではない。ただし、燃料を面方向に分散させつつ供給する燃料供給部31は、特に燃料濃度が濃い場合に有効である。このため、実施形態の燃料電池1は、濃度が80wt%以上のメタノールを液体燃料として用いた場合に、その性能や効果を特に発揮することができる。したがって、実施形態は、メタノール濃度が80wt%以上のメタノール水溶液や純メタノールを液体燃料として用いた燃料電池1に好適である。
さらに、上述した実施形態は、本発明をセミパッシブ型の燃料電池1に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、内部気化型の純パッシブ型の燃料電池に対しても適用可能である。
なお、本発明は液体燃料を使用した各種の燃料電池に適用することができる。また、燃料電池の具体的な構成や燃料の供給状態等も特に限定されるものではなく、MEAに供給される燃料の全てが液体燃料の蒸気、全てが液体燃料、または一部が液体状態で供給される液体燃料の蒸気等、種々形態に本発明を適用することができる。実施段階では本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。さらに、上記実施形態に示される複数の構成要素を適宜に組み合わせたり、また実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除したりする等、種々の変形が可能である。本発明の実施形態は本発明の技術的思想の範囲内で拡張もしくは変更することができ、この拡張、変更した実施形態も本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1…燃料電池 2…膜電極接合体 3…燃料供給機構
100…環境試験装置
110…恒温恒湿槽
120…フード 130…枠体 140…スライドレール
150…パーティション 160…枠体 170…スライドレール
100…環境試験装置
110…恒温恒湿槽
120…フード 130…枠体 140…スライドレール
150…パーティション 160…枠体 170…スライドレール
Claims (10)
- アノードとカソードとの間に電解質膜を挟持した構造の膜電極接合体を有する燃料電池の環境試験装置であって、
恒温恒湿槽と
前記恒温恒湿槽内において、燃料電池を取り囲むとともに透気性及び透湿性を有するフードと、
を備えたことを特徴とする燃料電池の環境試験装置。 - 前記フードによって囲まれた内部は、0.02〜0.06m/sの風速であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の環境試験装置。
- 前記フードは、多面体を形成するように配置されたことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の環境試験装置。
- 少なくとも1面が内部を目視可能な材料によって形成されたことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池の環境試験装置。
- 前記フードが全ての面に配置されたことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池の環境試験装置。
- さらに、前記フードを保持するとともに着脱可能とするスライドレールを有する枠体を備えたことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池の環境試験装置。
- さらに、前記フードによって囲まれた内部を複数の領域に区画するパーティションを備えたことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の環境試験装置。
- 前記パーティションは、透気性及び透湿性を有する材料によって形成されたことを特徴とする請求項7に記載の燃料電池の環境試験装置。
- さらに、前記パーティションを保持するとともに着脱可能とするスライドレールを有する枠体を備えたことを特徴とする請求項7に記載の燃料電池の環境試験装置。
- 前記フードは、1.0×104〜6×104(g/m2・24hr・atm)の透湿度を有するとともに1.00〜3.10(ガーレ秒)の透気度を有する材料によって形成されたことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の環境試験装置。
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