JP2010040924A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

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克巳 岸野
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庸紀 朝妻
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Abstract

【課題】和波長ノイズやスペックルノイズを低減もしくはなくすることができ、高い位置精度が要求されず、しかも装置の小型化が可能な半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】励起光源として、活性層23への電流注入によって生じる発光光を利用してレーザ発振する電流駆動型半導体レーザ2を備え、光励起レーザとして、電流駆動型半導体レーザ2から射出されたレーザ光の活性層34への照射によって生じる発光光を利用してレーザ発振する光励起型半導体レーザ3を備える。電流駆動型半導体レーザ2の光軸AX1上であって、かつ、電流駆動型半導体レーザ2と光励起型半導体レーザ3との間には、電流駆動型半導体レーザ2から射出されたレーザ光L1の速軸方向の発散角を小さくするシリンドリカルレンズ6が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、特にディスプレイの光源として好適に適用可能な半導体レーザ装置に関する。
半導体レーザ(Laser Diode ;LD)は、他の固体レーザやガスレーザに比べて小型かつ堅牢で高効率であり、光通信、光記録、固体レーザ励起、材料加工、センサ、測定器、医療、印刷機器など様々な分野に応用されている。近年では、RGB3原色の半導体レーザをディスプレイの光源として用いる試みがなされており、近い将来、そのようなディスプレイを実現することが期待されている。しかし、半導体レーザでは、純青色(480nm)から橙色(580nm)までの可視光範囲において実用に耐え得る特性が得られていない。
上記波長帯の発光が得られる材料としては、InGaNなどの窒化物系III−V族化合物半導体と、ZnSeなどのII−VI族化合物半導体がある。前者では、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が既に実用化されているが、半導体レーザは実用化されていない。これは、上記波長帯の発光を得るためにはInGaNからなる量子井戸中のIn混晶比を20%程度にまで高める必要があるが、このとき結晶内には歪による内部電界がかかるため、量子井戸中の電子と正孔が空間的に分離してしまい、発光効率が低下するという問題がある。また、後者では、非特許文献1,2などにおいて、レーザ発振に成功したことが報告されているが、まだ実用レベルの特性が得られていない。
E.Kato et al. "Significant progress in II-VI blue-green laser diode lifetime" Electronics Letters 5th February 1998 Vol.34 No.3 p.282-284 S.Che et al. "Yellow-green ZnCdSe/BeZnTe II-VI laser diodes grown on InP substrates" Appl.Phys.Lett. 81, 972(2002)
ところで、現在、上記波長帯においては、例えば、波長808nmの半導体レーザを励起光源とし、NdをドープしたYAG結晶を励起し、YAG結晶から出力された、波長1064nmのレーザ光を第2高調波素子(SHG:Second Harmonic Generation)により532nmへ波長変換する構成が採用されている。
しかし、この方法では、和波長ノイズと呼ばれるノイズ成分の制御が難しいという問題があった。また、外部共振器ミラーを用いる必要があるので、この外部共振器ミラーを含む多くの光学部品を高い位置精度で実装することが必要となったり、装置が大型化したりしてしまうという問題があった。また、この方法では、得られるレーザ光のコヒーレンス性が極めて高く、上記構成からなる発光装置をディスプレイの光源として用いた場合には、スペックルノイズが顕著に発生するという問題があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、和波長ノイズやスペックルノイズを低減もしくはなくすることができ、高い位置精度が要求されず、しかも装置の小型化が可能な半導体レーザ装置を提供することにある。
本発明の半導体レーザ装置は、第1活性層への電流注入によって生じる発光光を利用してレーザ発振する電流駆動型半導体レーザと、電流駆動型半導体レーザから射出されたレーザ光の第2活性層への照射によって生じる発光光を利用してレーザ発振する光励起型半導体レーザとを備えたものである。電流駆動型半導体レーザの光軸は、光励起型半導体レーザの積層面に垂直となっている。
本発明の半導体レーザ装置では、励起光源として半導体レーザが用いられ、光励起レーザとして半導体レーザが用いられる。そのため、第2高調波素子や外部共振器ミラーを用いなくても、光励起レーザから所望の波長帯のレーザ光を出力することができる。
ここで、電流駆動型半導体レーザは、第1導電型層、第1活性層および第2導電型層を順に含むと共に当該電流駆動型半導体レーザの光軸と平行な方向に対向する一対の第1端面を含む第1半導体積層構造を備え、かつ第1半導体積層構造に電流を注入する電極を備えていてもよい。また、光励起型半導体レーザは、第1クラッド層、第2活性層および第2クラッド層を電流駆動型半導体レーザ側から順に含むと共に当該光励起型半導体レーザの光軸と平行な方向に対向する一対の第2端面を有する第2半導体積層構造を備えていてもよい。
また、光励起型半導体レーザが、上記各構成に加えて、多層膜反射鏡を、第2クラッド層よりも電流駆動型半導体レーザから離れた部位に備え、さらに、電流駆動型半導体レーザが上記各構成を備えている場合には、多層膜反射鏡と、一対の第1端面のうち光励起型半導体レーザとは反対側の端面とにより共振器を構成することが可能である。このとき、一対の第1端面のうち光励起型半導体レーザ側の、電流駆動型半導体レーザから射出されたレーザ光に対する反射率は10%以下であることが好ましい。
本発明の半導体レーザ装置によれば、励起光源として半導体レーザ用い、光励起レーザとして半導体レーザを用いるようにしたので、第2高調波素子や外部共振器ミラーを用いなくても、光励起レーザから所望の波長帯のレーザ光を出力することができる。そのため、和波長ノイズが発生する虞がなく、第2高調波素子を用いた場合よりもスペックルノイズを低減することができる。また、外部共振器ミラーを用いる必要がないことから、高い位置精度が要求されることがなく、装置を小型化することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る半導体レーザ装置1の断面構成を表すものである。図2は図1の半導体レーザ装置1のA−A矢視方向の断面構成を、図3は図1の半導体レーザ装置1のB−B矢視方向の断面構成をそれぞれ表すものである。この半導体レーザ装置1は、電流駆動型半導体レーザ2と、光励起型半導体レーザ3とを備えたものである。これら電流駆動型半導体レーザ2および光励起型半導体レーザ3は、エピタキシャル成長法、例えば、分子線エピタキシー(MBE)法や、有機金属化学気相成長(MOCVD,MOVPE)法により形成されたものであり、基板の結晶と特定の結晶学的方位関係を保ちつつ結晶膜を堆積成長させたものである。
電流駆動型半導体レーザ2は、活性層23(後述)への電流注入によって生じる発光光を利用してレーザ発振するタイプのレーザであり、サブマウント4上に例えば半田(図示せず)を介して実装されている。サブマウント4は、電流駆動型半導体レーザ2を支持すると共に電流注入によって生じる熱を外部に放散するためのものであり、例えば銅などの熱伝導性および導電性の高い材料により構成されている。このサブマウント4は、例えば、電流駆動型半導体レーザ2の電極42(後述)と電気的に接続されており、引出電極としての役割も有している。なお、必要に応じて、サブマウント4の裏面などにペルチェ素子などを設けて電流駆動型半導体レーザ2の温度を制御することも可能である。
電流駆動型半導体レーザ2は、基板20の一面側に、バッファ層21、クラッド層22、活性層23(第1活性層)、クラッド層24およびキャップ層25をこの順に積層してなる積層構造26(第1半導体積層構造)を有している。なお、本実施の形態において、バッファ層21およびクラッド層22が本発明の「第2導電型層」の一具体例に相当し、クラッド層24およびキャップ層25が本発明の「第1導電型層」の一具体例に相当する。
基板20は、サファイア基板またはn型GaN基板からなる。バッファ層21は、クラッド層22からキャップ層27までの各半導体層の結晶成長性を良くするために基板20の表面に形成されたものであり、例えば厚さが2μmのSiドープn型GaNからなる。クラッド層22は、バンドギャップが活性層23のバンドギャップよりも大きく、かつ屈折率が活性層23の屈折率よりも小さい窒化物系III−V族化合物半導体からなり、例えば厚さが1μmのSiドープn型Al0.7Ga0.93Nからなる。
なお、窒化物系III−V族化合物半導体とは、短周期型周期表における3B族元素のうちの少なくとも1つと、短周期型周期表における5B族元素のうちの少なくとも窒素(N)とを含むものを指す。また、上記した屈折率は、電流駆動型半導体レーザ2から射出されるレーザ光L1の波長帯における屈折率のことである。以下、電流駆動型半導体レーザ2を構成する各半導体層に対して示された屈折率は、全て、電流駆動型半導体レーザ2から射出されるレーザ光L1の波長帯における屈折率を指すものとする。
活性層23は、所望の発振波長(例えば光励起型半導体レーザ3の発振波長よりも短い発振波長(例えば440nmの発振波長)に対応したバンドギャップを有する窒化物系III−V族化合物半導体からなり、例えば、厚さが5nmのアンドープIn0.05Ga0.95Nからなるバリア層(図示せず)と、厚さが2.5nmのアンドープIn0.18Ga0.82Nからなるウェル層(図示せず)とを交互に積層してなる量子井戸構造を有している。なお、活性層23は、単層構造となっていてもよい。
活性層23において、後述するリッジ部27(図3参照)に対向する領域が発光領域23Aとなっている。この発光領域23Aは、対向するリッジ部27の底部と同等の大きさのストライプ幅を有しており、リッジ部27で狭窄された電流が注入される電流注入領域に対応している。
クラッド層24は、バンドギャップが活性層23のバンドギャップよりも大きく、かつ屈折率が活性層23の屈折率よりも小さい窒化物系III−V族化合物半導体からなり、例えば厚さが0.5μmのMgドープp型Al0.07Ga0.93Nからなる。キャップ層25は、後述の電極28とオーミック接触させるためのものであり、例えば厚さが0.1μmのMgドープp型GaNからなる。
クラッド層24の上部およびキャップ層25には、電流駆動型半導体レーザ2の光軸AX1(図1参照)方向に延在するストライプ状のリッジ部27(電流狭窄構造)が複数、形成されている。このリッジ部27は、活性層23の電流注入領域を制限するためのものであり、例えば上面の横幅が5μm以上300μm以下の範囲内の台形状の断面形状を有している。複数のリッジ部27は、光励起型半導体レーザ3の共振器長に合せて横一列に配列されており、光励起型半導体レーザ3のクラッド層36側の表面に向かって、電流駆動型半導体レーザ2の光軸AX1と直交する方向(リッジ部27の配列方向)に帯状に広がった扁平なレーザ光を射出することが可能となっている。なお、この偏平なレーザ光において、発光スポットから遠ざかるにつれて積層構造26の積層方向の発散角がリッジ部27の配列方向の発散角よりも大きい。例えば、積層方向の発散角の半値幅が50°程度となっており、リッジ部27の配列方向の発散角の半値幅が10°程度となっている。従って、この偏平なレーザ光の速軸は積層構造26の積層方向に対応し、この偏平なレーザ光の遅軸はリッジ部27の配列方向に対応している。
また、この電流駆動型半導体レーザ2には、リッジ部27の上面(キャップ層25の上面)に電極28が形成されており、基板20の裏面にも電極29が形成されている。電極28は、例えば、パラジウム(Pd),白金(Pt)および金(Au)をキャップ層25上にこの順に積層したものであり、キャップ層25と電気的に接続されている。また、電極29は、例えば、例えば金(Au)とゲルマニウム(Ge)との合金,ニッケル(Ni)および金(Au)とをこの順に積層した構造を有しており、基板10と電気的に接続されている。この電極29は、上述したように、電流駆動型半導体レーザ2を支持するためのサブマウント4の表面に固定されている。
さらに、図2に示したように、積層構造26の端面のうち、電流駆動型半導体レーザ2の光軸AX1と平行な方向(リッジ部27の延在方向)に対して垂直な一対の前端面S1,後端面S2(第1端面)には、反射率を調整する膜が形成されている。具体的には、前端面S1には反射率を下げる前端面膜41が形成されており、前端面S1側の反射率は、電流駆動型半導体レーザ2から射出されるレーザ光L1の波長帯において、例えば10%以下となっている。一方、後端面S2には反射率を上げる後端面膜42が形成されており、後端面S2側の反射率は、電流駆動型半導体レーザ2から射出されるレーザ光L1の波長帯において、例えば90%以上となっている。
光励起型半導体レーザ3は、電流駆動型半導体レーザ2から射出されたレーザ光の活性層34(後述)への照射によって生じる発光光を利用してレーザ発振するタイプのレーザあり、サブマウント5上に例えば半田(図示せず)を介して実装されている。サブマウント5は、光励起型半導体レーザ3を支持するためのものであり、例えばセラミックスなどの熱伝導性の高い材料により構成されている。なお、光励起型半導体レーザ3は電流駆動されないので、電極自体を設ける必要がない。そのため、サブマウント5自体に導電性を付与する必要はない。また、光励起型半導体レーザ3には電流注入がなされないので、光励起型半導体レーザ3を構成する半導体層に対して不純物をドープする必要もない。なお、必要に応じて不純物をドープしても構わない。
光励起型半導体レーザ3は、基板30の一面側に、DBR層31(多層膜反射鏡)、クラッド層32(第2クラッド層)、ガイド層33、活性層34(第2活性層)、ガイド層35およびクラッド層36(第1クラッド層)をこの順に積層してなる積層構造37(第2半導体積層構造)を有している。
基板30は、n型InP基板またはアンドープInP基板からなる。DBR層31は、電流駆動型半導体レーザ2から射出されたレーザ光を電流駆動型半導体レーザ2側に戻すための反射ミラーであり、このDBR層31と、積層構造26の後端面S2(後端面膜42)とにより共振器を構成している。このDBR層31は、高屈折率層(図示せず)と低屈折率層(図示せず)とを交互に積層して構成されたものである。高屈折率層は、電流駆動型半導体レーザ2から射出されたレーザ光に対して透明なII−VI族化合物半導体からなり、例えば厚さがλ/4n(λは電流駆動型半導体レーザ2の発振波長、nは高屈折率層の屈折率)のアンドープBeZnTe(例えば波長440nmに対して屈折率3.2)からなる。なお、BeZnTeのBe組成比が0.5の場合には、BeZnTeはInP基板と格子整合する。低屈折率層は、電流駆動型半導体レーザ2から射出されたレーザ光に対して透明であって、かつ高屈折率層よりも屈折率の低いII−VI族化合物半導体からなり、例えば厚さがλ/4n(nは低屈折率層の屈折率)の、アンドープMgSe/アンドープBeZnTe超格子層からなる。アンドープMgSe/アンドープBeZnTe超格子層は、例えば、厚さが2ML(原子層)のアンドープMgSe層と、厚さが3MLのアンドープBeZnTe層とを交互に積層して構成されたもの(例えばBe組成比が0.5のとき波長440nmに対して屈折率2.9)である。
なお、II−VI族化合物半導体とは、短周期型周期表における2B族元素のうちの少なくとも1つと、短周期型周期表における6B族元素のうちの少なくとも1つとを含むものを指す。また、上記した屈折率とは、電流駆動型半導体レーザ2から射出されるレーザ光L1の波長帯における屈折率のことである。また、以下において、光励起型半導体レーザ3を構成する各半導体層に対して示された屈折率は、何に対する屈折率であるか特に明記されていないものについては、光励起型半導体レーザ3から射出されるレーザ光L2の波長帯における屈折率を指すものとする。
クラッド層32,36は、バンドギャップがガイド層33および活性層34のバンドギャップよりも大きく、かつ屈折率がガイド層33および活性層34の屈折率よりも小さいII−VI族化合物半導体からなる。クラッド層32は、例えば全体の厚さが1.0μmのアンドープMgSe/アンドープBeZnTe超格子層からなり、クラッド層36は、例えば全体の厚さが0.5μmのアンドープMgSe/アンドープBeZnTe超格子層からなる。ここで、アンドープMgSe/アンドープBeZnTe超格子層は、例えば、厚さが4MLのアンドープMgSe層と、厚さが4MLのアンドープBeZnTe層とを交互に積層して構成されたもの(例えばBe0.5Zn0.5Teのとき波長530nmに対して屈折率2.6)である。
ガイド層33,35は、バンドギャップが活性層34のバンドギャップよりも大きく、かつ屈折率が活性層34の屈折率よりも小さいII−VI族化合物半導体からなり、例えば全体の厚さが50nmのアンドープMgSe/アンドープBeZnSeTe超格子層からなる。ここで、アンドープMgSe/アンドープBeZnSeTe超格子層は、例えば、厚さが2MLのアンドープMgSe層と、厚さが8MLのアンドープBeZnSeTe層とを交互に積層して構成されたもの(例えばBe0.13Zn0.87Se0.4Te0.6のとき波長530nmに対して屈折率2.8)である。
活性層34は、所望の発振波長(例えば480nm以上580nm以下の発振波長)に対応したバンドギャップを有するII−VI族化合物半導体からなり、例えば、厚さが5nmのアンドープBeZnSeTeからなる。なお、活性層34は、超格子構造となっていてもよい。活性層34において、後述するリッジ部38(図2参照)に対向する領域が発光領域34Aとなっている。この発光領域34Aは、対向するリッジ部38の底部と同等の大きさのストライプ幅を有しており、励起光が照射される領域に対応している。
クラッド層36の上部には、光励起型半導体レーザ3の光軸AX2(図1参照)方向に延在するストライプ状のリッジ部38(リッジ構造)が1つ形成されている。このリッジ部38は、クラッド層36の面内であって、かつ光軸AX2と直交する方向において、活性層34で発光した光を閉じ込めるためのものであり、例えば上面の横幅が5μm程度で高さが0.4μm程度の台形状の断面形状を有している。このリッジ部38は、電流駆動型半導体レーザ2から射出された扁平なレーザ光の入射する帯状領域を含む領域に形成されており、リッジ部38の上面が、電流駆動型半導体レーザ2から射出された扁平なレーザ光の入射する帯状領域に対応している。つまり、本実施の形態では、電流駆動型半導体レーザ2および光励起型半導体レーザ3は、それぞれの光軸AX1,AX2が互いに交差するように配置されている。なお、図1では、それぞれの光軸AX1,AX2が互いに直交すると共に、光軸AX1が、積層構造37の積層方向と平行となっている場合、つまり、電流駆動型半導体レーザ2から射出されたレーザ光がリッジ部38の上面にほぼ垂直に入射する場合が例示されている。
また、この光励起型半導体レーザ3には、積層構造37の端面のうち、光励起型半導体レーザ3の光軸AX2と平行な方向(リッジ部38の延在方向)に対して垂直な一対の前端面S3,後端面S4(第2端面)には、反射率を調整する膜が形成されている。具体的には、前端面S3には後端面S4よりも若干、反射率を低くする前端面膜(図示せず)が形成されており、後端面S4には反射率を上げる後端面膜(図示せず)が形成されている。
また、本実施の形態の半導体レーザ装置1では、光軸AX1上であって、かつ、電流駆動型半導体レーザ2と光励起型半導体レーザ3との間には、シリンドリカルレンズ6(光学素子、図1、図2参照)が設けられている。このシリンドリカルレンズ6は、電流駆動型半導体レーザ2から射出されたレーザ光L1の速軸方向の発散角を小さくするためのものであり、前端面膜41に近接して配置されている。シリンドリカルレンズ6と前端面膜41との距離D1は、例えば10μm程度であり、シリンドリカルレンズ6とリッジ部38の上面との距離D2は、例えば1mm程度である。シリンドリカルレンズ6は、外部共振器ミラーを設置する際に求められるような高度の位置精度が求められるものではなく、そのため、距離D1,D2は、比較的、光学的な余裕度を有している。
次に、本実施の形態の半導体レーザ装置1の作用および効果について説明する。
この半導体レーザ装置1では、電流駆動型半導体レーザ2において、電極28と電極29との間に所定の電位差の電圧が印加されると、リッジ部27により電流狭窄された電流が電流注入領域(発光領域23A)に注入され、これにより電子と正孔の再結合による発光が生じる。この光は、電流駆動型半導体レーザ2の前端面S1側の反射率は極めて低く(例えば10%以下)に抑えられていることから、前端面S1および前端面膜41を透過し、シリンドリカルレンズ6で集光されたのち、光励起型半導体レーザ3のリッジ部38の上面に入射する。リッジ部38の上面に入射した光は、DBR層31で反射され、シリンドリカルレンズ6を介して、電流駆動型半導体レーザ2に戻り、後端面膜42で再度、反射される。その結果、DBR層31と積層構造26の後端面S2(後端面膜42)とにより共振器が構成され、所定の波長(例えば440nm)でレーザ発振を生じ、レーザ光L1がシリンドリカルレンズ6を介して光励起型半導体レーザ3に入射する。光励起型半導体レーザ3に入射したレーザ光L1は、光励起型半導体レーザ3の活性層34を励起し、これにより活性層34のバンドギャップエネルギーに対応する波長の光が生じる。この光は、一対の反射鏡膜(前端面膜,後端面膜)により反射され、所定の波長(例えば530nm)でレーザ発振を生じ、レーザ光L2が前端面D3側から外部に出力される。
このように、本実施の形態では、励起光源として電流駆動型半導体レーザ2が用いられ、光励起レーザとして光励起型半導体レーザ3が用いられる。これにより、第2高調波素子や外部共振器ミラーを用いなくても、光励起型半導体レーザ3から所望の波長帯のレーザ光を出力することができるので、和波長ノイズが発生する虞がなく、第2高調波素子を用いた場合よりもスペックルノイズを低減することができる。また、外部共振器ミラーを用いる必要がないことから、高い位置精度が要求されることがなく、装置を小型化することができる。
また、本実施の形態では、DBR層31と積層構造26の後端面S2(後端面膜42)とにより共振器が構成されている。例えば、DBR層31の高屈折率層を厚さ34.6nmのアンドープBeZnTeとし、DBR層31の低屈折率層を、厚さ2MLのアンドープMgSeおよび厚さ3MLのアンドープBeZnTeを10ペア積層した、厚さ38.8nmのアンドープMgSe/アンドープBeZnTe超格子層とした場合には、図4の示したように、波長450nmに対して95%の反射率が得られる。従って、電流駆動型半導体レーザ2から射出された光が光励起型半導体レーザ3を透過して散失することがほとんどなく、効率よく光励起を行うことができる。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。
例えば、上記実施の形態では、シリンドリカルレンズ6を用いていたが、省略することも可能である。また、上記実施の形態では、光励起型半導体レーザ3において、リッジ部38を設けていたが、これについても省略することが可能である。
また、上記実施の形態において、光励起型半導体レーザ3、電流駆動型半導体レーザ2およびシリンドリカルレンズ6のそれぞれの位置は、光励起型半導体レーザ3から射出されるレーザ光L2の出力の大きさをモニターすることにより決定可能であるが、例えば、あらかじめ用意された筐体に、光励起型半導体レーザ3、電流駆動型半導体レーザ2およびシリンドリカルレンズ6を嵌め込むことにより決定することも可能である。
本発明の一実施の形態に係る半導体レーザ装置の概略構成図である。 図1の半導体レーザ装置のA−A矢視方向の断面構成図である。 図1の半導体レーザ装置のB−B矢視方向の断面構成図である。 光励起型半導体レーザ内のDBR層の反射率の波長依存性について表す特性図である。
符号の説明
1…半導体レーザ装置、2…電流駆動型半導体レーザ、3…光励起型半導体レーザ、4,5…サブマウント、6…シリンドリカルレンズ、20,30…基板、21…バッファ層、22,24,32,36…クラッド層、23,34…活性層、23A,34A…発光領域、25…キャップ層、26,37…積層構造、27,38…リッジ部、28,29…電極、31…DBR層、33,35…ガイド層、41…前端面膜、42…後端面膜、S1,S3…前端面、AX1,AX2…光軸、S2,S4…後端面、L1,L2…レーザ光。

Claims (9)

  1. 第1活性層への電流注入によって生じる発光光を利用してレーザ発振する電流駆動型半導体レーザと、
    前記電流駆動型半導体レーザから射出されたレーザ光の第2活性層への照射によって生じる発光光を利用してレーザ発振する光励起型半導体レーザと
    を備え、
    前記電流駆動型半導体レーザは、第1導電型層、前記第1活性層および第2導電型層を順に含むと共に当該電流駆動型半導体レーザの光軸と平行な方向に対向する一対の第1端面を含む第1半導体積層構造と、前記第1半導体積層構造に電流を注入する電極とを有し、
    前記光励起型半導体レーザは、第1クラッド層、前記第2活性層、第2クラッド層および多層膜反射鏡を前記電流駆動型半導体レーザ側から順に含むと共に、当該光励起型半導体レーザの光軸と平行な方向に対向する一対の第2端面を含む第2半導体積層構造を有し、
    前記電流駆動型半導体レーザの光軸が、前記光励起型半導体レーザの積層面に垂直となっており、
    前記多層膜反射鏡と、前記一対の第1端面のうち前記光励起型半導体レーザとは反対側の端面とにより共振器が構成されている半導体レーザ装置。
  2. 前記第1活性層は、窒化物系III−V族化合物半導体材料からなり、前記光励起型半導体レーザの発振波長よりも小さな発振波長のレーザ光を射出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  3. 前記電流駆動型半導体レーザは、第1導電型層、前記第1活性層および第2導電型層を順に含むと共に当該電流駆動型半導体レーザの光軸と平行な方向に対向する一対の端面を含む第1半導体積層構造と、前記第1半導体積層構造に電流を注入する電極とを有する請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  4. 前記第1導電型層および前記第2導電型層のいずれか一方は、前記電流駆動型半導体レーザの光軸と平行な方向に延在すると共に前記電流駆動型半導体レーザの光軸と直交する方向に並列配置された複数の電流狭窄構造を含む請求項3に記載の半導体レーザ装置。
  5. 前記第2活性層は、II−VI族化合物半導体材料からなり、480nm以上580nm以下の範囲内の発振波長の光を射出する請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  6. 前記光励起型半導体レーザは、第1クラッド層、前記第2活性層および第2クラッド層を前記電流駆動型半導体レーザ側から順に含むと共に、当該光励起型半導体レーザの光軸と平行な方向に対向する一対の端面を含む第2半導体積層構造を有する請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  7. 前記光励起型半導体レーザは、前記電流駆動型半導体レーザから射出されたレーザ光の入射する領域にリッジ構造を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  8. 前記一対の第1端面のうち前記光励起型半導体レーザ側の、前記電流駆動型半導体レーザから射出されたレーザ光に対する反射率は10%以下である請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  9. 前記電流駆動型半導体レーザの光軸上であって、かつ前記電流駆動型半導体レーザと前記光励起型半導体レーザとの間に、前記電流駆動型半導体レーザから射出された光の速軸方向の発散角を小さくする光学素子を備える請求項1に記載の半導体レーザ装置。
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