JP2010037860A - Rc部材の損傷レベル評価方法及びシステム - Google Patents

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Abstract


【課題】 柱の目視を行うことなく効率的に損傷レベルを評価する。
【解決手段】本発明に係る損傷レベル評価システム1は、ピークセンサー2a,2b,2cと、該ピークセンサーからの計測データを演算処理する演算処理部3とから構成してあり、演算処理部3は、ピークセンサーからの測定データから最大応答部材角θを求める部材角算出部6と、該最大応答部材角をラーメン高架橋4の等価固有周期Teqを含む弾塑性特性を用いて弾性応答変位δに変換する変換部7と、等価固有周期Teqと弾性応答変位δとを用いて構造物群21の弾性応答特性を求める応答特性算出部8と、非計測対象物であるラーメン高架橋4の等価固有周期Teqを構造物群21の弾性応答特性に適用することによって弾性応答変位を算出する弾性応答算出部9と、該弾性応答変位を最大応答部材角に変換する逆変換部10とからなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主として鉄道用RCラーメン高架橋に適用されるRC部材の損傷レベル評価方法及びシステムに関する。
鉄道用高架橋の下部構造は、鉄筋コンクリートのラーメン架構として構築されることが多いが、その設計施工の際には、高架橋の耐震性を十分検討する必要があるとともに、被災後に地震被害調査を適切に行い、その調査結果を設計施工にフィードバックしていくこともまた重要となる。
一方、昨今のラーメン架構を構成する柱は、大地震による被害経験から鋼板巻立てによる耐震補強が施されて場合が多く、それゆえ、目視による地震被害調査を的確に行うことが困難になっている。
かかる状況下、柱端部に生じる最大応答部材角と損傷レベルとの関係が概ね把握されていることを利用し、最大応答部材角をセンサーで測定することによって柱の損傷レベルを迅速に評価することが可能な損傷レベル検知システムが開発されている。
「鉄道RCラーメン高架橋柱の損傷レベル検知システムの開発」(コンクリート工学年次論文集、Vol.29, No.2, 2007)
上記システムによれば、ラーメン架構の柱にセンサーを設置して該柱の最大応答部材角を計測することにより、柱の損傷レベルを評価することが可能であり、柱の目視が不要であるため、鋼板巻立てによる耐震補強が施されている柱であっても、柱の損傷を適切に把握することが可能となる。
しかしながら、鉄道用の高架橋は、複数のラーメン高架橋を所定の間隔をおきながら列状に立設するとともにそれらの間に調整桁を架け渡してなるものが多く、各ラーメン高架橋は、構築される場所の交通状況や地盤性状に応じて長さや幅あるいは高さといった構造物形状や支持基盤の深さがそれぞれ異なり、各ラーメン高架橋は、場所によって異なる地震時挙動を呈する。
そのため、上記システムにおいては、少なくともラーメン高架橋ごとにセンサーを設置しなければならず、システム構築に必要なコストが膨大となり、より合理的なシステムの開発が待たれていた。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、柱の目視を行う必要がなくかつ効率的に損傷レベルを評価することが可能なRC部材の損傷レベル評価方法及びシステムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るRC部材の損傷レベル評価方法は請求項1に記載したように、橋軸方向に沿って列状に配置された橋梁構造物ごとに等価固有周期を含む弾塑性特性を決定するとともに、前記各橋梁構造物からなる構造物群のうち、所定の地震動によって計測対象物に生じた最大応答部材角を計測し、
前記最大応答部材角を、前記計測対象物の弾塑性特性を用いて弾性応答変位に変換するとともに、該計測対象物の等価固有周期との対応関係を用いて前記地震動に対する前記構造物群の弾性応答特性を求め、
前記構造物群のうち、前記計測対象物を除いた非計測対象物の等価固有周期を前記構造物群の弾性応答特性に適用することによって該非計測対象物の弾性応答変位を算出し、
該非計測対象物の弾性応答変位を前記非計測対象物の弾塑性特性を用いて最大応答部材角に変換し、
該最大応答部材角から前記非計測対象物の損傷レベルを推定するものである。
また、本発明に係るRC部材の損傷レベル評価システムは請求項2に記載したように、橋軸方向に沿って列状に配置された各橋梁構造物からなる構造物群のうち、計測対象物に設置され所定の地震動によって前記計測対象物に生じた最大応答部材角を計測する計測手段と、
前記最大応答部材角を、前記計測手段が設置された計測対象物の等価固有周期を含む弾塑性特性を用いて弾性応答変位に変換するとともに、該計測対象物の等価固有周期との対応関係を用いて前記地震動に対する前記構造物群の弾性応答特性を求める演算処理部とを備え、
前記演算処理部は、前記非計測対象物の等価固有周期を前記構造物群の弾性応答特性に適用することによって該非計測対象物の弾性応答変位を算出するとともに、該弾性応答変位を最大応答部材角に変換するようになっているものである。
本発明に係るRC部材の損傷レベル評価方法及びシステムにおいては、従来のように各橋梁構造物の最大応答部材角をすべて計測し、あるいは最大応答部材角を計測する計測手段をすべての橋梁構造物に設置するのではなく、各橋梁構造物からなる構造物群を計測対象物と非計測対象物とに分け、その上で計測対象物の最大応答部材角だけを計測し、あるいは最大応答部材角を計測するための計測手段を計測対象物だけに設置する。
このようにすれば、計測に係るコストダウンを図ることが可能となるが、その一方、計測を行わない橋梁構造物の損傷レベルをいかにして評価するかが課題となる。
本出願人は、橋軸方向に沿って列状に配置された各橋梁構造物からなる構造物群には、同一の地震動が入力すると仮定する一方、各橋梁構造物が個別の固有周期を有しているがゆえに、上述した地震動に対する応答は橋梁構造物ごとに異なることを踏まえ、上記地震動に対し、計測対象物で計測された最大応答部材角を用いて、構造物群における等価固有周期と弾性応答変位との関係を弾性応答特性として作成し、該弾性応答特性に非計測対象物の等価固有周期を適用することによって、最大応答部材角を計測しない非計測対象物であっても、損傷レベルを評価し得るというきわめて有用な知見を得たものである。
すなわち、本発明に係るRC部材の損傷レベル評価方法及びシステムにおいては、まず、橋軸方向に沿って列状に配置された橋梁構造物ごとに等価固有周期を含む弾塑性特性を決定する。
ここで、橋梁構造物とは、橋梁に作用する鉛直荷重を支持するRC柱状部材からなる構造要素又は該RC柱状部材を含み全体として一体に振動する構造集合体を指し、構造集合体にはラーメン橋梁や桁式橋梁が含まれる。ちなみに、構造集合体がラーメン橋梁の場合、その構造要素は柱となり、構造集合体が桁式橋梁である場合には、その構造要素は橋脚となる。なお、構造集合体には、河川を跨いで設置されるものや陸上に設置されるものが広く含まれ、立地によって限定されるものではない。
一方、各橋梁構造物からなる構造物群を計測対象物と非計測対象物とに分け、計測対象物にのみ最大応答部材角を計測する計測手段を設置する。
構造物群に属する各橋梁構造物をいずれに分類するかは任意の基準で判断すればよいが、後述するように、計測対象物の等価固有周期と弾性応答変位との関係は離散的であって、かかる離散的な関係から、構造物群全体の弾性応答特性を求めることになるため、計測対象物とする橋梁構造物は、静的非線形解析と実際の最大応答部材角とがよく一致しているものを選択するとともに、それらの等価固有周期が所定の周期範囲に均等に分散していることが望ましい。
次に、所定の地震動に対し、計測対象物に生じた最大応答部材角を計測手段で計測する。
次に、計測された最大応答部材角を、計測手段が設置された計測対象物の弾塑性特性を用いて弾性応答変位に変換する。最大応答部材角から弾性応答変位への変換は、例えば静的非線形解析の結果を用いて最大応答部材角を水平方向に沿った塑性応答変位に変換し、次いで該水平塑性変位を、ニューマークのエネルギー一定則を用いて弾性応答変位に変換すればよい。
次に、計測対象物の等価固有周期との対応関係を用いて上記地震動に対する構造物群の弾性応答特性を求める。等価固有周期と弾性応答変位との関係は、計測対象物の個数だけ計測あるいは算出されているものであって、例えば横軸に等価固有周期を縦軸に弾性応答変位をそれぞれとった場合、該横軸に沿って離散的にプロットされることになるので、これらの離散点を、例えば直線補間によって任意の等価固有周期に拡張するようにすれば、これが構造物群の弾性応答特性となる。
次に、非計測対象物の等価固有周期を上述の弾性応答特性に適用することによって、該非計測対象物の弾性応答変位を算出する。
次に、非計測対象物の弾塑性特性を用いて、非計測対象物の弾性応答変位を最大応答部材角に変換する。この変換は、上述した変換操作と逆であり、例えばまず、弾性応答変位をニューマークのエネルギー一定則を用いて塑性応答変位に変換し、次いで該塑性応答変位を静的非線形解析の結果を用いて最大応答部材角に変換すればよい。
最大応答部材角が求まれば、それを用いて非計測対象物の損傷レベルを推定することができる。
本発明に係るRC部材の損傷レベル評価方法及びシステムは、実際の地震動で橋梁構造物が振動しているとき、該橋梁構造物の最大応答部材角を計測する必要はあるものの、地震動自体を計測する必要はない。
これは、地震動を計測せずとも、その地震動を受けた結果として、固有周期が互いに異なる計測対象物の最大応答部材角を複数個計測すれば、任意の固有周期に対する最大応答部材角、換言すれば非計測対象物の最大応答部材角も概ね予測できるとの考え方に基づいている。
以下、本発明に係るRC部材の損傷レベル評価方法及びシステムの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係るRC部材の損傷レベル評価システムを示したブロック図、図2は損傷レベル評価システム1が適用される構造物群21の側面図である。これらの図でわかるように、本実施形態に係るRC部材の損傷レベル評価システム1は、橋軸方向に沿って列状に配置された計測対象物としてのラーメン高架橋4a,4b,4c及び非計測対象物としてのラーメン高架橋4a′,4b′からなる構造物群21の柱損傷レベル評価に適用されるものであり、計測手段としてのピークセンサー2a,2b,2cと、該ピークセンサーからの計測データを演算処理する演算処理部3とから構成してある。
ピークセンサー2a,2b,2cは、ラーメン高架橋4a,4b,4cにそれぞれ設置してあり、所定の地震動に対してラーメン高架橋4a,4b,4cの柱5a,5b,5cに生じた上下端における直交水平2成分の正側及び負側の最大変位量を計測し記憶できるようになっている。
図3はピークセンサー2a,2b,2cの設置図、図4は、ピークセンサー2a,2b,2cを用いて最大応答部材角θを算出する手順を示した説明図である。
これらの図でわかるように、最大応答部材角θを算出する際、柱頭部近傍で塑性ヒンジが形成された場合の計測誤差を避けるため、ラーメン高架橋4a,4b,4cの柱頭部近傍の梁下を上部計測点31、該上部計測点から1m程度低い下方位置を下部計測点32とし、これらに測定ロッド33の上下端をそれぞれピン接合して該測定ロッドの角度を計測するようにすればよい。
ピークセンサー2a,2b,2cは、上部計測点31から鉛直距離H1だけ離間した位置における相対水平変位w1を計測するため、上部計測点31から鉛直距離H2だけ離間した下部計測点32における相対水平変位w2は、
2=w1(H2/H1)
となり、測定ロッドの角度θ′は、
θ′=tan-1(w2/H2
で求められる。
一方、ハンチ部34は剛体挙動し、測定ロッドの角度θ′は最大応答部材角θに一致しない。そのため、ハンチ部34の高さをBとして、最大応答部材角θは、以下の式で換算する。
θ=H2/(H2―B)・θ′
演算処理部3は、ピークセンサー2a,2b,2cからの測定データから最大応答部材角θa,θb,θcを求める部材角算出部6と、該最大応答部材角をラーメン高架橋4a,4b,4cの等価固有周期Teqa,Teqb,Teqcを含む弾塑性特性を用いて弾性応答変位δa,δb,δcに変換する変換部7と、ラーメン高架橋4a,4b,4cの等価固有周期Teqa,Teqb,Teqcと弾性応答変位δa,δb,δcとの対応関係を用いて、上記地震動に対する構造物群21の弾性応答特性を求める応答特性算出部8と、構造物群21のうち、非計測対象物としてのラーメン高架橋4a′,4b′の等価固有周期Teqa′,Teqb′を、応答特性算出部8で求められた構造物群21の弾性応答特性に適用することによってラーメン高架橋4a′,4b′の弾性応答変位δa′,δb′を算出する弾性応答算出部9と、該弾性応答変位δa′,δb′を最大応答部材角θa′,θb′に変換する逆変換部10とからなる。
図5は、本実施形態に係るRC部材の損傷レベル評価システム1を用いて構造物群21の柱損傷レベルを評価する手順を示したフローチャートである。同図に示すように、損傷レベル評価システム1を用いて構造物群21の柱損傷レベルを評価するには、まず、構造物群21に属する複数の橋梁構造物を、最大応答部材角θがピークセンサー2で計測される計測対象物と、計測されない非計測対象物とに分類する(ステップ101)。
ここで、構造物群21に属する各橋梁構造物は、互いに異なる固有周期で振動するが、それぞれについては一体に振動するものとみなし得るように定めるものとし、複数のラーメン高架橋4a,4a′,4b,4b′,4cを調整桁6で連結しながら橋軸方向に沿って列状に構築してなる構造物群21の場合であれば、各ラーメン高架橋が本実施形態でいう橋梁構造物となる。
また、構造物群21に属する各橋梁構造物のいずれを計測対象物とし、いずれを非計測対象物とするかについては、計測対象物の等価固有周期Teqと弾性応答変位δとの離散的な関係から構造物群21全体の弾性応答特性を求めることになるため、計測対象物とする橋梁構造物は、静的非線形解析と実際の最大応答部材角とがよく一致しているものを選択するとともに、それらの等価固有周期Teqが所定の周期範囲になるべく均等に分散していることが望ましい。
本実施形態では、上述したように、構造物群21のうち、ラーメン高架橋4a,4b,4cを計測対象物、ラーメン高架橋4a′,4b′を非計測対象物として分類した。
次に、ラーメン高架橋4a,4b,4c及びラーメン高架橋4a′,4b′からなる構造物群21につき、橋梁構造物ごと、すなわち、ラーメン高架橋4a,4b,4cごとに等価固有周期Teqa,Teqb,Teqcを含む弾塑性特性を決定するとともに、ラーメン高架橋4a′,4b′ごとに等価固有周期Teqa′,Teqb′,Teqc′を含む弾塑性特性を決定する(ステップ102)。
等価固有周期Teq及びそれを含む弾塑性特性を決定するには、各ラーメン高架橋4に対して静的非線形解析を行い、その結果から適宜定めればよい。
図6は、ラーメン高架橋4に対して静的非線形解析を行うための解析モデルとその結果を示した一例であり、グレーで塗りつぶした箇所は剛域であることを示す。同図に示すように、静的非線形解析を行うにあたっては、水平変位と震度を各節点ごとに求めるとともに、柱頭部の応答部材角を算出しておく。なお、本実施形態では、地表面から所定深さに位置する基盤面を基準としており、応答部材角を算出する際には、構造物天端の水平変位を単に柱高さで割るのではなく、構造物の水平変位から基礎の水平変位を差し引いた値を柱高さで割るようにする。
ここで、構造物天端(節点0)における水平変位と震度の関係を取り出したものが各ラーメン高架橋4の弾塑性特性であり、その降伏点と原点とを結んだ割線剛性が等価固有周期Teqとなる。図7は、このようにして求めた弾塑性特性を示したグラフである。
次に、所定の地震動に対してラーメン高架橋4a,4b,4cの柱5a,5b,5cに生じた上下端における直交水平2成分の正側及び負側の最大変位量をピークセンサー2a,2b,2cで計測する(ステップ103)。
次に、ピークセンサー2a,2b,2cから伝送されてきた測定データから最大応答部材角θa,θb,θcを部材角算出部6で求める(ステップ104)。
ここで、ラーメン高架橋4a,4b,4cについては、ピークセンサー2a,2b,2cの計測データから最大応答部材角θa,θb,θcが直接算出されているので、これらを用いて損傷評価をすればよい。
以下、非計測対象物であるラーメン高架橋4a′,4b′の損傷評価を行うためのステップとなる。
最大応答部材角θa,θb,θcが算出されたならば、これらの最大応答部材角を、ラーメン高架橋4a,4b,4cの等価固有周期Teqa,Teqb,Teqcを含む弾塑性特性を用いて、変換部7で弾性応答変位δa,δb,δcに変換する(ステップ105)。
最大応答部材角θa,θb,θcを弾性応答変位δa,δb,δcに変換するには、まず、静的非線形解析の結果を用いて最大応答部材角θa,θb,θcからラーメン高架橋4a,4b,4cの天端における水平塑性変位を求め、次いで、ニューマークのエネルギー一定則を用いて該水平塑性変位を弾性応答変位δa,δb,δcに変換すればよい。
次に、ラーメン高架橋4a,4b,4cの等価固有周期Teqa,Teqb,Teqcと弾性応答変位δa,δb,δcとの対応関係を用いて、上記地震動に対する構造物群21の弾性応答特性を応答特性算出部8で求める(ステップ106)。
図8は、構造物群21の弾性応答特性を示したグラフである。同図に示すように、構造物群21の弾性応答特性を定めるには、横軸に等価固有周期Teqを、縦軸に弾性応答変位δをそれぞれとり、そのグラフに等価固有周期Teqa,Teqb,Teqcと弾性応答変位δa,δb,δcをプロットした上、それらの離散点(この場合であれば3点)を例えば直線で結べばよい。
かかる場合においては、等価固有周期Teqa,Teqb,Teqc以外の等価固有周期Teqに対応する弾性応答変位は、等価固有周期Teqa,Teqb,Teqcの弾性応答変位δa,δb,δcを直線補間して求めることになる。
次に、構造物群21のうち、非計測対象物としてのラーメン高架橋4a′,4b′の等価固有周期Teqa′,Teqb′を、応答特性算出部8で求められた構造物群21の弾性応答特性(図8)に適用することによって、ラーメン高架橋4a′,4b′の弾性応答変位δa′,δb′を弾性応答算出部9で求める(ステップ107)。
弾性応答変位δa′,δb′を求めるにあたっては、図9に示すように、等価固有周期Teqa′,Teqb′に対応する弾性応答変位δa′,δb′を、応答特性算出部8で求められた構造物群21の弾性応答特性から求めるようにすればよい。
次に、弾性応答変位δa′,δb′を、逆変換部10で最大応答部材角θa′,θb′に変換する(ステップ108)。
最大応答部材角θa′,θb′を求めるにあたっては、まず、ラーメン高架橋4a′,4b′の弾塑性特性とニューマークのエネルギー一定則を用いて弾性応答変位δa′,δb′を塑性応答変位にそれぞれ変換し、次いで、塑性応答変位を、静的非線形解析結果に適用して最大応答部材角θa′,θb′を求めればよい。
このようにして最大応答部材角θa′,θb′が求められたならば、最大応答部材角と損傷レベルとの公知の対応関係を用いてラーメン高架橋4a′,4b′の柱損傷レベルをそれぞれ評価する(ステップ109)。
以上説明したように、本実施形態に係るRC部材の損傷レベル評価システム1及び方法によれば、計測対象物であるラーメン高架橋4a,4b,4cで計測された最大応答部材角θa,θb,θcを用いて、構造物群21の弾性応答特性を作成し、該弾性応答特性に非計測対象物であるラーメン高架橋4a′,4b′の等価固有周期Teqa′,Teqb′を適用することによって、最大応答部材角θa′,θb′を適切に推定することが可能となり、かくして、最大応答部材角θを計測しないラーメン高架橋4であっても、損傷レベルを評価することができる。
本実施形態に係る損傷レベル評価システム1のブロック図。 損傷レベル評価システム1が適用される構造物群21の側面図。 ピークセンサー2a,2b,2cの設置図。 ピークセンサー2a,2b,2cを用いて最大応答部材角θを算出する手順を示した説明図。 損傷レベル評価システム1を用いて構造物群21の柱損傷レベルを評価する手順を示したフローチャート。 ラーメン高架橋4に対して静的非線形解析を行うための解析モデルとその結果を示した説明図。 弾塑性特性を示したグラフ。 構造物群21の弾性応答特性を示したグラフ。 非計測対象物の弾性応答変位を求める手順を示したグラフ。
符号の説明
1 RC部材の損傷レベル評価システム
2a,2b,2c ピークセンサー(計測手段)
3 演算処理部
4a,4b,4c ラーメン高架橋(計測対象物)
4a′,4b′ ラーメン高架橋(非計測対象物)
5a,5b,5c 柱

Claims (2)

  1. 橋軸方向に沿って列状に配置された橋梁構造物ごとに等価固有周期を含む弾塑性特性を決定するとともに、前記各橋梁構造物からなる構造物群のうち、所定の地震動によって計測対象物に生じた最大応答部材角を計測し、
    前記最大応答部材角を、前記計測対象物の弾塑性特性を用いて弾性応答変位に変換するとともに、該計測対象物の等価固有周期との対応関係を用いて前記地震動に対する前記構造物群の弾性応答特性を求め、
    前記構造物群のうち、前記計測対象物を除いた非計測対象物の等価固有周期を前記構造物群の弾性応答特性に適用することによって該非計測対象物の弾性応答変位を算出し、
    該非計測対象物の弾性応答変位を前記非計測対象物の弾塑性特性を用いて最大応答部材角に変換し、
    該最大応答部材角から前記非計測対象物の損傷レベルを推定することを特徴とするRC部材の損傷レベル評価方法。
  2. 橋軸方向に沿って列状に配置された各橋梁構造物からなる構造物群のうち、計測対象物に設置され所定の地震動によって前記計測対象物に生じた最大応答部材角を計測する計測手段と、
    前記最大応答部材角を、前記計測手段が設置された計測対象物の等価固有周期を含む弾塑性特性を用いて弾性応答変位に変換するとともに、該計測対象物の等価固有周期との対応関係を用いて前記地震動に対する前記構造物群の弾性応答特性を求める演算処理部とを備え、
    前記演算処理部は、前記非計測対象物の等価固有周期を前記構造物群の弾性応答特性に適用することによって該非計測対象物の弾性応答変位を算出するとともに、該弾性応答変位を最大応答部材角に変換するようになっていることを特徴とするRC部材の損傷レベル評価システム。
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