JP2010032610A - ポジ型平版印刷版材料およびポジ型平版印刷版の画像形成方法 - Google Patents

ポジ型平版印刷版材料およびポジ型平版印刷版の画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、低pHの現像液での現像処理でも、感度、現像性(画像形成能力、現像開始時間)に優れた、従って、作業性、安全性、環境適性にも優れた、ポジ型平版印刷版材料およびポジ型平版印刷版の画像形成方法を提供することにある。
【解決手段】アルミニウム支持体上に、少なくとも(A)重量平均分子量1000以上のフェノール性水酸基を有する高分子結合材、(B)光熱変換材、及び(C)25℃の純水に1質量%以上溶解する水溶性化合物を含有してなる感光層を設けてなるポジ型平版印刷版材料であって、全感光層組成分中に該(C)の水溶性化合物を20質量%以上含有し、且つ(C)/(A)≧1であることを特徴とするポジ型平版印刷版材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、いわゆるコンピューター・トゥ・プレート(computer−to−plate:以下において、「CTP」という。)システムに用いられるポジ型の感光層を有するポジ型平版印刷版材料に関し、更に詳しくは近赤外線レーザの露光で画像形成可能であり、感度、現像性(画像形成能力、現像開始時間)さらに取り扱い性(安全性、低公害性)に優れたポジ型平版印刷版材料に関する。
近年、製版データのデジタル化にともない、デジタルデータを直接レーザ信号に変調し、平版印刷版材料を露光するいわゆるCTPシステムが普及している。近年におけるレーザの発展は目ざましく、特に近赤外から赤外に発光領域を持つ固体レーザ・半導体レーザは高出力かつ小型のものが容易に入手できる様になっている。コンピュータ等のデジタルデータから直接製版する際の露光光源として、これらのレーザは非常に有用である。
赤外線レーザ平版印刷版材料として、(A)クレゾールノボラック樹脂等のフェノール性水酸基を有するアルカリ水溶液可溶性樹脂および(B)赤外線吸収剤を含有する記録層を有するポジ型平版印刷版材料が提案されている(WO97/39894号)。
このポジ型平版印刷版材料は、露光部において赤外線吸収剤により発生した熱の作用でクレゾールノボラック樹脂の会合状態が変化して、非露光部と溶解性の差(溶解速度差)が生じ、それを利用して現像を行い画像形成する。
しかしながら、その溶解速度差が小さいために、現像ラチチュードが狭いという問題があった。
上記問題に対し、赤外線吸収剤と、発生した熱により活性化されて分解し酸を生成する化合物、例えばオニウム塩、キノンジアジド化合物、トリアジン化合物類やケタール基を有する酸により分解する化合物等を共存させる技術を利用した平版印刷版材料が提案されている(例えば、特許文献1、2を参照)。
しかし、これらポジ型平版印刷版材料は、現像ラチュードは改良されるものの、昨今のCTPシステムでは、安価で小型の光源で記録可能な高感度なポジ型平版印刷版材料が求められており、感度という点で十分ではなかった。
また、これら上記の、ポジ型平版印刷版材料は、画像露光の後、未露光部分(非画像部分)を溶解除去するための現像処理、水洗処理、非画像部の親水化のためのフィニッシャーガム処理を行い、ポジ型平版印刷版を得ている。このポジ型平版印刷版材料からポジ型平版印刷版を作製する際、感光層のうち未露光部の感光層を完全に除去する為、即ち現像を行う為に、通常、水系アルカリ現像液として、pH12.5以上の高pHで用いられることが必要であり、一般的であった。
ところが、近年に至り、作業性、安全性、環境適性等の観点からより低いpHの現像液での処理が望まれる様になってきている。
しかしながら、このような比較的低pHの現像液での現像処理は、従来のポジ型平版印刷版材料では基本的に感光層の溶解力が乏しいため、十分に現像が進まず、感度、現像性(画像形成能力、現像開始時間)、の点で十分ではなく従来のポジ型平版印刷版材料では実用化ができなかった。
特許3644002号公報 特開平7−285275号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、低pHの現像液での現像処理でも、感度、現像性(画像形成能力、現像開始時間)に優れた、従って、作業性、安全性、環境適性にも優れた、ポジ型平版印刷版材料およびポジ型平版印刷版の画像形成方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
1.アルミニウム支持体上に少なくとも一層の感光層を有し、該感光層に(A)重量平均分子量1000以上のフェノール性水酸基を有する高分子結合材、(B)光熱変換材、及び(C)25℃の純水に1質量%以上溶解する水溶性化合物を含有するポジ型平版印刷版材料であって、該感光層が該(C)の水溶性化合物を該感光層全組成分の20質量%以上含有し、且つ(C)/(A)≧1であることを特徴とするポジ型平版印刷版材料。
2.前記(C)の水溶性化合物が重量平均分子量が1000以上であることを特徴とする1に記載のポジ型平版印刷版材料。
3.1または2に記載のポジ型平版印刷版材料を露光し、pH2.5〜10の範囲の処理液にて現像処理することを特徴とするポジ型平版印刷版の画像形成方法。
4.1または2に記載のポジ型平版印刷版材料を露光し、印刷機に装填し湿し水又は印刷インキにて露光部を除去することを特徴とするポジ型平版印刷版の画像形成方法。
本発明によれば、低pHの現像液での現像処理でも、感度、現像性(画像形成能力、現像開始時間)に優れた、従って、作業性、安全性、環境適性にも優れた、ポジ型平版印刷版材料およびポジ型平版印刷版の画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明はこれらに限定されない。
本発明は、アルミニウム支持体上に少なくとも一層の感光層を有し、該感光層に(A)重量平均分子量1000以上のフェノール性水酸基を有する高分子結合材、(B)光熱変換材、及び(C)25℃の純水に1質量%以上溶解する水溶性化合物を含有するポジ型平版印刷版材料であって、該感光層が該(C)の水溶性化合物を該感光層全組成分の20質量%以上含有し、且つ(C)/(A)≧1であることを特徴とする。
本発明においては、感光層組成成分中に前記(C)の水溶性化合物を20質量%以上含有し、且つ(C)/(A)≧1であることで、現像性が特異的に改善され得るので、低pHの現像液での現像処理でも、感度、現像性(画像形成能力、現像開始時間)に優れたポジ型平版印刷版材料が得られる。
即ち、本発明者は、ポジ型平版印刷版材料のフェノール樹脂を含有する感光層に、純水溶解度の高い化合物(例えば、PEGなど)をその層の20質量%以上含有させることにより、光照射部では水素結合を解離させることにより水でも溶出できるようにすることができる事を見出した。従来技術では、純水溶解度の高い化合物(例えば、PEGなど)の混合率が低く、光照射部はアルカリ水には溶出できても水では溶出できなかったところ、純水溶解度の高い化合物(例えば、PEGなど)の混合率割合を増加させることにより水でも現像できると共に未露光部の溶解抑制性を有していることを見出し本発明を達成し得たものである。
以下、本発明の構成に従って本発明を詳述する。
《感光層》
<(C)水溶性化合物>
本発明に係る感光層は、前記(C)の本発明に係る水溶性化合物を含有する。
本発明で言う水溶性化合物とは、25℃の純水に1質量%以上溶解する化合物であり、具体的には、25℃の純水に1質量%以上の添加量で攪拌放置し、1日後には完全に溶解している化合物を言う。
この様な化合物であれば、単量体であっても、ダイマーやトリマーの様なオリゴマーやデンドリマーであっても、ポリマーであっても構わない。また共重合体も好適に使用でき、共重合体は、ランダム、ブロック、グラフト共重合体など何れの形態でも好適に用いることが出来る。又この様な化合物を併用することも可能である。
本発明で用いられる水溶性化合物は、より好ましくは25℃の純水に2質量%以上溶解する物が好ましく、特に好ましくは4質量%以上溶解する物である。
本発明に係る水溶性化合物は、感光層中に感光層の全組成物の20質量%以上含有される事が特徴であり、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは質量50%以上、特に好ましくは60質量%以上含有される事を特徴とする。
本発明に係る水溶性化合物は併用することが可能であるが、感光層の全水溶性化合物中の50質量%以上は重量平均分子量1000以上の化合物を用いることが好ましく、重量平均分子量1000以上50,000以下の化合物を用いることが更に好ましく、特に好ましくは重量平均分子量3000以上の化合物であり、重量平均分子量3000以上40000以下の化合物であることが更に好ましいる。これら重量平均分子量1000以上の化合物は、感光層の全水溶性化合物の65質量%以上である事がより好ましく、特に好ましくは80質量%以上である。
上記重量平均分子量は、スチレン換算のGPC法により求めた値を採用している。
また本発明では、(A)重量平均分子量1000以上のフェノール性水酸基を有する高分子結合材と(C)25℃の純水に1質量%以上溶解する水溶性化合物の化合物の比率が重要であり、(C)/(A)≧1以上である事が本発明の特徴であり、更に好ましくは(C)/(A)≧2であり、特に好ましくは(C)/(A)≧3である。感光層の少なくとも一層が(C)/(A)≧1以上であればよいが、全感光層が(C)/(A)≧1以上であれことがより好ましい。
本発明に係る水溶性化合物としては、本発明に係るフェノール性水酸基を有する高分子結合材のフェノール性水酸基と分子間水素結合可能な基を有する化合物であることが好ましい。
本発明でいうフェノール性水酸基と分子間水素結合可能な基を有する化合物としては、ブレンステッド塩基で定義される化合物を挙げることができる。この様な化合物としては例えば、アシル基、カルボニル基、エーテル基、アミノ基、メルカプト基、スルフィニル基、スルフォニル基、ホスホリル基、ハロゲン原子、π電子等の構造を有する事が特徴である。中でも好まし構造としては、エーテル基、アミノ基、カルボニル基を有する化合物である。
上記の構造を有し、25℃での溶解性が本発明の条件を満たす化合物を本発明では本発明に係る水溶性化合物として良好に使用できる。
上記の構造を有する水溶性の樹脂の具体例としては、環状エーテル類、ポリアルキレングリコール類、ポリアクリル酸及びそのエステル類、カルボキシメチルセルロース類、N−ビニルラクタム類、ゼラチン類を挙げることができる。中でも好まし化合物は、環状エーテル類、ポリアルキレングリコール類及びN−ビニルラクタム類である。以下にて詳述する。
〈環状エーテル類〉
環状エーテル類としては、特に限定されないが、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂などを挙げることができる。
ポリビニルホルマール樹脂は、ポリビニルアルコールとホルムアルデヒドを反応させて得られる熱可塑性樹脂である。市販品としては、ビニレック(登録商標、チッソ株式会社製)が挙げられる。
ポリビニルブチラール樹脂は、ポリビニルアルコールとn−ブチルアルデヒドやi−ブチルアルデヒドを反応させて得られる熱可塑性樹脂である。市販品としては、デンカブチラール(登録商標、電気化学工業株式会社製)、エスレックBL、エスレックBM、エスレックBH(登録商標、積水化学工業株式会社製)などが挙げられる。
ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールとアセトアルデヒドを反応させて得られる熱可塑性樹脂である。市販品としては、エスレックBX、エスレックKS(登録商標、積水化学工業株式会社製)などが挙げられる。これらの中でも特に親水性の高い樹脂が好ましく本願で言う水溶性の基準を満たす物を言う。
〈ポリアルキレングリコール類〉
また、ポリエチレングリコール化合物としては、特に限定されないが、下記一般式(C)で表される構造のものが挙げられる。
一般式(C)
−{−O−(R−O−)m−R}n
前記一般式(C)において、Rは多価アルコール残基又は多価フェノール残基を表し、Rは水素原子、置換基を有していても良い炭素原子数1〜25のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキロイル基、アリール基又はアリーロイル基を表す。Rは置換基を有しても良いアルキレン残基を表し、mは平均で10以上、nは1以上4以下の整数を表す。
前記一般式(C)で表されるポリエチレングリコール化合物の例としては、ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコール類、ポリエチレングリコールアルキルエーテル類、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールアリールエーテル類、ポリプロピレングリコールアリールエーテル類、ポリエチレングリコールアルキルアリールエーテル類、ポリプロピレングリコールアルキルアリールエーテル類、ポリエチレングリコールグリセリンエステル、ポリプロピレングリコールグリセリンエステル類、ポリエチレンソルビトールエステル類、ポリプロピレングリコールソルビトールエステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコール化エチレンジアミン類、ポリプロピレングリコール化エチレンジアミン類、ポリエチレングリコール化ジエチレントリアミン類、ポリプロピレングリコール化ジエチレントリアミン類が挙げられる。
〈N−ビニルラクタム類〉
本発明のラクタム基を有する樹脂とは、ラクタム基がペンダント状に結合した高分子化合物である。ラクタム基の例としてはプロピオラクタム、ブチロラクタム(ピロリドン)、バレロラクタム(ピペリドン)、カプロラクタム、ヘプトラクタムなどが挙げられる。ラクタム基を有する樹脂の例としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、2−ピロリドニルメチルビニルエーテル、2−ピロリドニルエチルビニルエーテル、2−ピロリドニルプロピルビニルエーテル、2−ピロリドニルブチルビニルエーテルなどのモノマーを含む共重合体が挙げられる。N−ビニルラクタム共重合体とは、N−ビニルラクタムモノマーを必須とし、目的に応じて必要であればそれ以外のモノマーを共重合させて得られる。ここでいう共重合体には、ポリビニルピロリドン、ポリビニルカプロラクタムなどのホモポリマーも含める。共重合させる各種モノマーの例として、スチレンおよびその誘導体、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、アリルアミン、ジアリルアミン、ビニルエーテル類などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
〈ポリアクリル酸及びそのエステル類〉
ポリアクリル酸及びそのエステル類としては、アクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合体が好ましく用いられる。さらに、共重合組成として、(a)カルボキシル基含有モノマー、(b)メタクリル酸アルキルエステル、またはアクリル酸アルキルエステルの共重合体であることが好ましい。
カルボキシル基含有モノマーの具体例としては、α,β−不飽和カルボン酸類、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。その他、フタル酸と2−ヒドロキシメタクリレートのハーフエステル等のカルボン酸も好ましい。
メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル等の無置換アルキルエステルの他、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル等の環状アルキルエステルや、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート等の置換アルキルエステルも挙げられる。
さらに、他の共重合モノマーとして、下記(1)〜(14)に記載のモノマー等を用いたものも使用できる。
1)芳香族水酸基を有するモノマー、例えばo−(又はp−,m−)ヒドロキシスチレン、o−(又はp−,m−)ヒドロキシフェニルアクリレート等。
2)脂肪族水酸基を有するモノマー、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、ヒドロキシエチルビニルエーテル等。
3)アミノスルホニル基を有するモノマー、例えばm−(又はp−)アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−(又はp−)アミノスルホニルフェニルアクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド等。
4)スルホンアミド基を有するモノマー、例えばN−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド等。
5)アクリルアミド又はメタクリルアミド類、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−(4−ニトロフェニル)アクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド等。
6)弗化アルキル基を含有するモノマー、例えばトリフルオロエチルアクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロプロピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、N−ブチル−N−(2−アクリロキシエチル)ヘプタデカフルオロオクチルスルホンアミド等。
7)ビニルエーテル類、例えば、エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等。
8)ビニルエステル類、例えばビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等。
9)スチレン類、例えばスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等。
10)ビニルケトン類、例えばメチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等。
11)オレフィン類、例えばエチレン、プロピレン、i−ブチレン、ブタジエン、イソプレン等。
12)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン等。
13)シアノ基を有するモノマー、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−ペンテンニトリル、2−メチル−3−ブテンニトリル、2−シアノエチルアクリレート、o−(又はm−,p−)シアノスチレン等。
14)アミノ基を有するモノマー、例えばN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリブタジエンウレタンアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−i−プロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等。
さらに、これらのモノマーと共重合し得る他のモノマーを共重合してもよい。
〈カルボキシメチルセルロース類〉
カルボキシメチルセルロース類としては、カルボキシメチルセルロース及びその塩、例えば、ナトリウム塩、カルシウム塩、カリウム塩、アルミニウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩などが挙げられ、これらの中で、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩が好ましい。
〈ゼラチン類〉
ゼラチンとしては、アルカリ法ゼラチン、酸性法ゼラチン、変性ゼラチン(例えば、特公昭38−4854号公報、同40−12237号公報、英国特許2,525,753号明細書等に記載の変性ゼラチン等)等を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。例えば、石灰処理ゼラチンの他、酸処理ゼラチンを用いてもよく、ゼラチン加水分解物、Bull.Soc.Sci.Photo.Japan.No.16.P30(1966)に記載されたような酵素処理ゼラチンも用いることができる。
<フェノール性水酸基を有する高分子結合材>
本発明に係る感光層は、(A)Mw1000以上のフェノール性水酸基を有する高分子結合材を含有する。
本発明で使用できるフェノール性水酸基を有する高分子結合材としては、フェノール水酸基を有する樹脂を挙げることができ、フェノール類をアルデヒド類で縮合してなるノボラック樹脂が挙げられる。フェノール類としてはフェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、m−/p−混合クレゾール、フェノールとクレゾール(m−、p−、またはm−/p−混合のいずれでもよい)、ピロガロール、フェノール基を有するアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、またはヒドロキシスチレン等が挙げられる。
また、置換フェノール類であるイソプロピルフェノール、t−ブチルフェノール、t−アミルフェノール、ヘキシルフェノール、シクロヘキシルフェノール、3−メチル−4−クロロ−6−t−ブチルフェノール、イソプロピルクレゾール、t−ブチルクレゾール、t−アミルクレゾールが挙げられる。好ましくは、t−ブチルフェノール、t−ブチルクレゾールも使用できる。
一方、アルデヒド類の例としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド等の脂肪族及び芳香族アルデヒドが挙げられる。好ましくは、ホルムアルデヒド又はアセトアルデヒドであり、特にホルムアルデヒドであることが最も好ましい。
上記組み合わせの中で好ましくは、フェノール−ホルムアルデヒド、m−クレゾール−ホルムアルデヒド、p−クレゾール−ホルムアルデヒド、m−/p−混合クレゾール−ホルムアルデヒド、フェノール/クレゾール(m−、p−、o−、m−/p−混合、m−/o−混合およびo−/p−混合のいずれでもよい。)混合−ホルムアルデヒドである。特にクレゾール(m−、p−混合)−ホルムアルデヒドであることが好ましい。
これらのノボラック樹脂としては、重量平均分子量は1000以上、数平均分子量が200以上のものであることが好ましい。より好ましくは、重量平均分子量が1500〜300000で、数平均分子量が300〜250000であり、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.1〜10のものである。更に好ましくは、重量平均分子量が2000〜10000で、数平均分子量が500〜10000であり、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.1〜5のものである。上記範囲にすることで、ノボラック樹脂の膜強度、アルカリ溶解性、水溶解性、薬品に対する溶解性、光熱変換物質との相互作用性等を適度に調節でき、本発明の効果が得られやすくなる。なお、本発明における重量平均分子量は、ノボラック樹脂の単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法により求めたポリスチレン換算の値を採用している。
本発明に係るノボラック樹脂の製造方法としては、例えば、「新実験化学講座[19] 高分子化学[I]」(1993年、丸善出版)、第300項に記載の如く、フェノール及び置換フェノール類(例えば、キシレノール、クレゾール類など)を溶媒中、酸を触媒として、ホルムアルデヒド水溶液と共に反応させて、フェノールと、置換フェノール成分におけるo−位またはp−位と、ホルムアルデヒドとを、脱水縮合する。こうして得たノボラック樹脂を有機極性溶媒に溶解させたのち、無極性溶媒を適量加え、数時間放置すると、ノボラック樹脂溶液は2層に分離する。分離した溶液の下層のみを濃縮することにより分子量が集約したノボラック樹脂が製造できる。
用いられる有機極性溶媒としては、アセトン、メチルアルコール、エチルアルコール等が挙げられる。無極性溶媒としては、ヘキサン、石油エーテル等が挙げられる。また、上記に記載の製造方法に限らず、例えば、特表2001−506294号公報に記載の如く、ノボラック樹脂を水溶性有機極性溶媒に溶解したのち、水を添加して沈殿を形成させることで、ノボラック樹脂画分を得ることもできる。更に、分散度の小さいノボラック樹脂を得るためには、フェノール誘導体同士の脱水縮合で得たノボラック樹脂を有機極性溶媒で溶解したのち、分子量分画用シリカゲルにかける方法をとることも可能である。
フェノール及び置換フェノール成分のo−位またはp−位と、ホルムアルデヒドとの脱水縮合は、フェノール及び置換フェノール成分の総質量として、これを濃度60〜90質量%、好ましくは70〜80質量%になるよう溶媒溶液に、ホルムアルデヒドをフェノール及び置換フェノール成分の総モル数に対するモル比率が0.2〜2.0、好ましくは0.4〜1.4、特に好ましくは0.6〜1.2になるよう加え、更に、酸触媒をフェノール及び置換フェノール成分の総モル数に対するモル比率が0.01〜0.1、好ましくは0.02〜0.05になるように10℃〜150℃の範囲の温度条件下で加え、その温度範囲に維持しながら数時間攪拌することにより行うことができる。
なお、反応温度は、70℃〜150℃の範囲であることが好ましく、90℃〜140℃の範囲であることがより好ましい。
用いられる溶媒としては、例えば、水、酢酸、メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−メトキシエタノール、エチルプロピオネート、エトキシエチルプロピオネート、4−メチル−2−ペンタノン、ジオキサン、キシレン、ベンゼン等が挙げられる。
また、上記酸触媒としては、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、リン酸、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸コバルト、メチルスルホン酸マグネシウム、塩化アルミニウム、酸化亜鉛等を挙げることができる。合成したフェノール樹脂の残存モノマー及びダイマーは蒸留により除去することが好ましい。
ここでは、一般的な分子量分布の調整法を挙げたが、本発明に好適な物性を有するノボラック樹脂の調整方法はこれに制限されず、例えば、特殊な酸触媒や溶媒を用いることにより分子量分布を調製するなど、公知の方法を適宜、適用可能であることは言うまでもない。
本発明に好ましく用いられるノボラック樹脂は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。2種以上組み合わせることにより、膜強度、アルカリ溶解性、薬品に対する溶解性、光熱変換物質との相互作用性等の異なる特性を有効利用することができるので、好ましい。感光層中に2種以上のノボラック樹脂を併用する場合、重量平均分子量、m/p比等可能な限り差があるものを組み合わせた方が好ましい。例えば、重量平均分子量では1000以上差があることが好ましく、更に好ましくは2000以上である。m/p比では0.2以上差があることが好ましく、更に好ましくは0.3以上である。
本発明の平版印刷版材料における感光層中の全固形分に対するフェノール水酸基を有する樹脂の添加量は、耐薬品性や耐刷性等の観点から30〜99質量%であることが好ましく、45〜95質量%であることがさらに好ましく、60〜90質量%の範囲であることが最も好ましい。
(その他樹脂)
本発明のフェノール性水酸基を有する高分子結合材については、前記フェノール性水酸基含有樹脂以外に、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アセタール樹脂の少なくともいずれか一つを併用含有することもできる。上記樹脂を添加することで、耐薬品性が大きく向上する。
また上記3種以外のアルカリ可溶性樹脂も本発明の効果を阻害しない範囲で併用することができる。添加できる他のアルカリ可溶性樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、エポキシ樹脂、ポリイミド等があげられる。
(アクリル樹脂)
本発明で使用できるアクリル樹脂は、下記の構成単位を含む共重合体であることが好ましい。好適に用いられる他の構成単位としては、例えば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、ビニルエステル類、スチレン類、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、無水マレイン酸、マレイン酸イミド、ラクトン類、等の公知のモノマーより導入される構成単位が挙げられる。
本発明に用いることのできるアクリル酸エステル類の具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、(n−またはi−)プロピルアクリレート、(n−、i−、sec−またはt−)ブチルアクリレート、アミルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、クロロエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、アリルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、グリシジルアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、クロロベンジルアクリレート、2−(p−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェニルアクリレート、クロロフェニルアクリレート、スルファモイルフェニルアクリレート、が挙げられる。
メタクリル酸エステル類の具体例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、(n−またはi−)プロピルメタクリレート、(n−、i−、sec−またはt−)ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、クロロエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、グリシジルメタクリレート、メトキシベンジルメタクリレート、クロロベンジルメタクリレート、2−(p−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、クロロフェニルメタクリレート、スルファモイルフェニルメタクリレート等が挙げられる。
アクリルアミド類の具体例としては、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−トリルアクリルアミド、N−(p−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(スルファモイルフェニル)アクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)アクリルアミド、N−(トリルスルホニル)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド等が挙げられる。
メタクリルアミド類の具体例としては、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−トリルメタクリルアミド、N−(p−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(スルファモイルフェニル)メタクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)メタクリルアミド、N−(トリルスルホニル)メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメタクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド等が挙げられる。
ラクトン類の具体例としては、パントイルラクトン(メタ)アクリレート、α−(メタ)アクリロイル−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイル−γ−ブチロラクトンが挙げられる。
マレイン酸イミド類の具体例としては、マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等が挙げられる。
ビニルエステル類の具体例としては、ビニルアセテート、ビニルブチレート、ビニルベンゾエート等が挙げられる。
スチレン類の具体例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、シクロヘキシルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン、メトキシスチレン、ジメトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、カルボキシスチレン等が挙げられる。
アクリルニトリル類の具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
これらのモノマーのうち特に好適に使用されるのは、炭素数20以下のアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル類、マレイン酸イミド類である。
これらを用いた共重合体の分子量は好ましくは重量平均分子量(Mw)で2000以上であり、更に好ましくは0.5万〜10万の範囲であり、特に好ましくは1万〜5万である。上記範囲にすることで膜強度、アルカリ溶解性、薬品に対する溶解性等を調整でき、本発明の効果を得やすくなる。一方、本発明のアクリル樹脂の重合形態は、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよいが、現像液の溶解性等を制御できる点で、親水性基と疎水性基を相分離可能なブロックポリマーであることが好ましい。
本発明で使用できるアクリル樹脂は、単独で用いてもあるいは2種類以上を混合して用いてもよい。
アセタール樹脂の構造としては、下記一般式(A)で表されるポリビニニルアセタール樹脂であることが好ましい。
Figure 2010032610
上記一般式(A)で表されるポリビニルアセタール樹脂は、前記構成単位のうち、ビニルアセタール成分である構成単位(i)、ビニルアルコール成分である構成単位(ii)及び無置換のエステル成分である構成単位(iii)から形成され、それぞれの構成単位を少なくとも1種以上有することができる。なお、n1〜n3は各構成単位の構成比(モル%)を示す。
上記構成単位(i)中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基、水素原子、カルボキシル基、またはジメチルアミノ基を表す。置換基としては、カルボキシル基、ヒドロキシル基、クロル基、ブロム基、ウレタン基、ウレイド基、3級アミノ基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミド基、エステル基などが挙げられる。Rの具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、カルボキシ基、ハロゲン原子(−Br、−Clなど)またはシアノ基で置換されたメチル基、3−ヒドロキシブチル基、3−メトキシブチル基、フェニル基等が挙げられ、中でも水素原子、プロピル基、フェニル基が特に好ましい。
また、n1は5〜85モル%の範囲であることが好ましく、特に、25〜70モル%の範囲であることがより好ましい。n1の値が5モル%より小さくなると膜強度が弱くなり耐刷性が劣化し、n1の値が85モル%より大きくなると塗布溶剤に溶解しにくくなってしまうので好ましくない。
上記構成単位(ii)中、n2は0〜60モル%の範囲であることが好ましく、特に10〜45モル%の範囲であることがより好ましい。この構成単位(ii)は水に対する親和性に優れるため、n2の値が60モル%より大きくなると水に対する膨潤性が増大し、耐刷性が劣化する。
上記構成単位(iii)中、Rは置換基を有さないアルキル基、カルボキシル基を有する脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、または、芳香族炭化水素基を表し、これらの炭化水素基は、炭素数1〜20を表す。中でも、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、特にメチル基、エチル基が現像性の観点から好ましい。n3は0〜20モル%の範囲であることが好ましく、特に1〜10モル%の範囲であることがより好ましい。n3の値が20モル%より大きくなると耐刷性が低下するため好ましくない。
本発明に係るポリビニルアセタール樹脂の酸含有量は、0.5〜5.0meq/g(即ち、KOHのmg数で84〜280)の範囲であることが好ましく、1.0〜3.0meq/gであることがより好ましい。0.5meq/g未満であると、光熱変換物質との相互作用が不十分になり、感度が劣化するので、好ましくない。一方、5.0meq/gを越えると現像液の溶解性が低下し、感度や現像ラチチュードが劣化し好ましくない。
また、本発明に係るポリビニルアセタール樹脂の分子量としては、ゲルパーミネーションクロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量で、約5000〜40万程度であることが好ましく、約2万〜30万程度であることがより好ましい。上記範囲にすることで膜強度、アルカリ溶解性、薬品に対する溶解性等を調整でき、本発明の効果を得やすくなる。
なお、これらのポリビニルアセタール樹脂は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
ポリビニルアルコールのアセタール化は、公知の方法に従って行うことができ、例えば、米国特許第4665124号;米国特許第4940646号;米国特許第5169898号;米国特許第5700619号;米国特許第5792823号;日本特許第09328519号等に記載されている。
(ポリウレタン樹脂)
ポリウレタン樹脂は、特に限定はしないが、特開平5−281718号公報及び特開平11−352691号公報に記載のカルボキシル基を0.4meq/g以上含有するアルカリ現像液可溶性のポリウレタン樹脂が好ましい。具体的には、ジイソシアネート化合物とカルボキシル基を有するジオール化合物との反応生成物で表される構造単位を基本骨格とするポリウレタン樹脂である。ジオール化合物としては、カルボキシル基含有量の調整やポリマー物性のコントロールのため、カルボキシル基をもたないジオール化合物を併用することが好ましい。
上記ジイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートの二量体、2,6−トリレンジレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート等のような芳香族ジイソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等のような脂肪族ジイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4(または2,6)ジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等のような脂環族ジイソシアネート化合物;1、3−ブチレングリコール1モルとトリレンジイソシアネート2モルとの付加体等のようなジオールとジイソシアネートとの反応物であるジイソシアネート化合物等が挙げられる。
カルボキシル基を有するジオール化合物としては、例えば、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(2−ヒドロキシエリア)プロピオン酸、2,2−ビス(3−ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、酒石酸、N,N−ジヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−カルボキシ−プロピオンアミド等が挙げられる。
その他のジオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−ビス−β−ヒドロキシエトキシシクロヘキサン、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体、ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールFのプロピレンオキサイド付加体、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体、水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体、ヒドロキノンジヒドロキシエチルエーテル、p−キシリレングリコール、ジヒドロキシエチルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−2,4−トリレンジカルバメート、2,4−トリレン−ビス(2−ヒドロキシエチルカルバミド)、ビス(2−ヒドロキシエチル)−m−キシリレンジカルバメート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソフタレート等が挙げられる。
本発明に好適なポリウレタン樹脂としては、上記の他に、テトラカルボン酸2無水物をジオール化合物で開環させた化合物から由来される構造単位を基本骨格とするポリウレタン樹脂が挙げられる。構造単位をポリウレタン樹脂中に導入する方法としては、例えば、a)テトラカルボン酸二無水物をジオール化合物で開環させて得られたアルコール末端の化合物と、ジイソシアネート化合物とを反応させる方法、b)ジイソシアネート化合物をジオール化合物過剰の条件下で反応させ得られたアルコール末端のウレタン化合物と、テトラカルボン酸二無水物とを反応させる方法などがある。
ポリウレタン樹脂の分子量は、好ましくは質量平均で1000以上であり、さらに好ましくは5000〜50万の範囲である。
(添加剤)
<(B)光熱変換剤>
本発明に係る感光層に用いられる光熱変換剤は、700nm以上、好ましくは750〜1200nmの赤外域に光吸収域があり、この波長の範囲の光において、光/熱変換能を発現するものを指し、具体的には、この波長域の光を吸収し熱を発生する種々の染料、もしくは顔料を用いる事ができる。
(染料)
染料としては、市販の染料および文献(例えば「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年刊)に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料などの染料が挙げられる。本発明において、これらの顔料、もしくは染料のうち赤外光、もしくは近赤外光を吸収するものが、赤外光もしくは近赤外光を発光するレーザでの利用に適する点で特に好ましい。
そのような赤外光、もしくは近赤外光を吸収する染料としては例えば特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号、特開昭60−78787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。
また、染料として米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号公報に開示されているピリリウム化合物、Epolight III−178、Epolight III−130、Epolight III−125等は特に好ましく用いられる。
これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、フタロシアニン染料、オキソノール染料、スクアリリウム色素、ピリリウム塩、チオピリリウム染料、ニッケルチオレート錯体が挙げられる。さらに、下記一般式(a)で示されるシアニン色素は、本発明に係る画像形成材料で使用した場合に、アルカリ溶解性樹脂との高い相互作用を与え、且つ、安定性、経済性に優れるため最も好ましい。
Figure 2010032610
一般式(a)において、Xは、水素原子、ハロゲン原子、−NPh、X−L又は以下に示す基を表す。ここで、Xは酸素原子又は硫黄原子を示し、Lは、炭素原子数1〜12の炭化水素基、ヘテロ原子を有する香族環、ヘテロ原子を含む炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。なお、ここでヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子、Seを示す。
Figure 2010032610
上記式中、Xaは、後述するZaと同様に定義され、Raは、水素原子、アルキル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。R及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。記録層塗布液の保存安定性から、R及びRは、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが好ましく、さらに、RとRとは互いに結合し、5員環又は6員環を形成していることが特に好ましい。
Ar、Arは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示す。好ましい芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環及びナフタレン環が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が挙げられる。Y、Yは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、硫黄原子又は炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を示す。R、Rは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。
、R、R及びRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子又は炭素原子数12個以下の炭化水素基を示す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。また、Za−は、対アニオンを示す。
但し、一般式(a)で示されるシアニン色素が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合にはZaは必要ない。好ましいZaは、記録層塗布液の保存安定性から、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及びスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、及びアリールスルホン酸イオンである。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(a)で示されるシアニン色素の具体例としては、以下に例示するものの他、特開2001−133969号公報の段落番号[0017]〜[0019]、特開2002−40638号公報の段落番号[0012]〜[0038]、特開2002−23360号公報の段落番号[0012]〜[0023]に記載されたものを挙げることができる。
以下に具体的な化合物例を挙げる。
Figure 2010032610
Figure 2010032610
Figure 2010032610
赤外線吸収色素は、感度、耐薬品性、耐刷性の観点から、感光層を構成する全固形分に対し0.01〜30質量%、好ましくは0.1〜10質量%、特に好ましくは0.1〜7質量%の割合で添加することができる。
(顔料)
顔料としては、市販の顔料およびカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレンおよびペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。
顔料の粒径は0.01μm〜5μmの範囲にあることが好ましく、0.03μm〜1μmの範囲にあることがさらに好ましく、特に0.05μm〜0.5μmの範囲にあることが好ましい。顔料の粒径が0.01μm未満のときは分散物の感光層塗布液中での安定性の点で好ましくなく、また、5μmを越えると感光層の均一性の点で好ましくない。顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。
分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、ディスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載がある。
顔料は、感度、感光層の均一性、耐久性、膜物性の観点から、感光層を構成する全固形分に対し0.1〜50質量%、好ましくは1〜20質量%の割合で添加することが好ましい。
<酸分解性化合物>
本発明において、感光層に酸により分解し得る結合を有する化合物(以下、酸分解性化合物ともいう)を含有することが好ましい。
酸分解性化合物としては、具体的には、特開昭48−89003号、同51−120714号、同53−133429号、同55−12995号、同55−126236号、同56−17345号の明細書中に記載されているC−O−C結合を有する化合物、特開昭60−37549号、同60−121446号の明細書中に記載されているSi−O−C結合を有する化合物、特開昭60−3625号、同60−10247号の明細書中に記載されているその他の酸分解性化合物。さらにまた特開昭62−222246号の明細書中に記載されているSi−N結合を有する化合物、特開昭62−251743号の明細書中に記載されている炭酸エステル、特開昭62−209451号の明細書中に記載されているオルト炭酸エステル、特開昭62−280841号の明細書中に記載されているオルトチタン酸エステル、特開昭62−280842号の明細書中に記載されているオルトケイ酸エステル、特開昭63−10153号の明細書中に記載されているアセタール及びケタール、特開昭62−244038号の明細書中に記載されているC−S結合を有する化合物などを用いることができる。
上記のうち、前記特開昭53−133429号、同56−17345号、同60−121446号、同60−37549号各公報及び特開昭62−209451号、同63−10153号各明細書に記載されているC−O−C結合を有する化合物、Si−O−C結合を有する化合物、オルト炭酸エステル、アセタール類、ケタール類及びシリルエーテル類が好ましい。
それらの中でも、特開昭53−133429号公報に記載された主鎖中に繰り返しアセタール又はケタール部分を有し、現像液中でのその溶解度が酸の作用によって上昇する有機重合化合物、及び特開昭63−10153号公報に記載の化合物が特に好ましい。
本発明に係る酸分解性化合物の好ましい化合物としては下記一般式(ADC−1)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2010032610
(式中、R、R、R、Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基で互いに結合して環状となっていてもよい。)
更に好ましいものとしては、下記一般式(ADC−2)の化合物がある。
Figure 2010032610
(式中、R、R、Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基で互いに結合して環状となっていてもよい。また、R7はアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基であり、n、mは1以上の整数である。)
酸分解性化合物の含有量は、感光層を形成する組成物の全固形分に対し、5〜70質量%が好ましく、特に好ましくは10〜50質量%である。酸分解性化合物は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
以下に酸分解性化合物の好ましい具体例を示す。
Figure 2010032610
本発明において、酸分解化合物の含有量は、下層を形成する組成物の全固形分に対し、0.5〜50質量%が好ましく、特に好ましくは1〜30質量%である。0.5%未満であると、感度及び現像ラチチュードの向上が大きくなく、好ましくない。一方、50%を越えるとセーフライト性が劣化し好ましくない。
酸分解化合物は1種を用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また本発明の酸分解化合物は、上層に使用してもよい。
<酸発生剤>
本発明に係る感光層には酸発生剤を使用することが好ましい。
酸発生剤とは、光または熱により酸を発生し得る化合物であり、各種の公知化合物及び混合物が挙げられる。
例えばジアゾニウム、ホスホニウム、スルホニウム、及びヨードニウムのBF4−、PF6−、SbF6−、SiF62−、ClO4−などの塩、有機ハロゲン化合物、オルトキノン−ジアジドスルホニルクロリド、及び有機金属/有機ハロゲン化合物も、本発明における酸発生剤として使用することができる。また特願平3−140109号等に記載のイミノスルフォネート等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、特開昭61−166544号等に記載のジスルホン化合物、特開昭50−36209号(米国特許第3969118号)記載のo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハライド、特開昭55−62444号(英国特許第2038801号)記載あるいは特公平1−11935号記載のo−ナフトキノンジアジド化合物を挙げることができる。その他の酸発生剤としては、シクロヘキシルシトレート、p−アセトアミノベンゼンスルホン酸シクロヘキシルエステル、p−ブロモベンゼンスルホン酸シクロヘキシルエステル等のスルホン酸アルキルエステル、特願平9−26878号に記載のアルキルスルホン酸エステル等を用いることができる。
上記酸発生剤の中でも有機ハロゲン化合物またはスルホン酸を発生する化合物が酸発生能力、すなわち感度及び現像ラチチュードの点から好ましい.特に有効に用いられるものについて以下に例示する。
(1)トリハロメチル基が置換した下記一般式(PAG1)で表されるオキサゾール誘導体または一般式(PAG2)で表されるS−トリアジン誘導体。
Figure 2010032610
式中、Rは置換もしくは無置換のアリール基、アルケニル基、Rは置換もしくは未置換のアリール基、アルケニル基、アルキル基、−CYを示す。Yは塩素原子または臭素原子を示す。具体的には以下の化合物を挙げることができるが本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2010032610
Figure 2010032610
(2)下記一般式(PAG5)で表されるジスルホン誘導体または一般式(PAG6)で表されるイミノスルホネート誘導体。
Figure 2010032610
式中Ar、Arは各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。Rは置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。Aは置換もしくは未置換のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基を示す。
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2010032610
Figure 2010032610
(3)下記一般式(B)で表されるトリハロゲン化合物。
一般式(B)
−CX−(C=O)−R
上記一般式(B)において、Rは、水素原子、臭素原子、塩素原子、アルキル基、アリール基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、イミノスルホニル基またはシアノ基を表す。Rは水素原子又は一価の有機置換基を表す。RとRが結合して環を形成してもよい。Xは、臭素原子または塩素原子を表す。
上記一般式(B)で表される化合物のうち、Rが水素原子、臭素原子又は塩素原子であるものが感度の観点より、好ましく用いられる。又Rが表す一価の有機置換基は、一般式(B)の化合物が光によりラジカルを発生するものであれば、特に制限はないが、−Rが−O−Rまたは−NR−R(Rは水素原子または一価の有機置換基を表し、Rは、水素原子またはアルキル基を表す)のものが好ましく用いられる。又、この場合も特に、Rが水素原子、臭素原子又は塩素原子であるものが感度の観点より、好ましく用いられる。
さらにこれらの化合物のうち、分子内にトリブロモアセチル基、ジブロモアセチル基、トリクロロアセチル基及びジクロロアセチル基から選ばれる少なくとも一つのアセチル基を有する化合物が好ましい。また、合成上の観点から、一価もしくは多価のアルコールと該当する酸塩化物との反応により得られる、トリブロモアセトキシ基、ジブロモアセトキシ基、トリクロロアセトキシ基及びジクロロアセトキシ基から選ばれる少なくとも一つのアセトキシ基を有する化合物や、同様に一価もしくは多価の1級アミンと、該当する酸塩化物との反応により得られる、トリブロモアセチルアミド基、ジブロモアセチルアミド基、トリクロロアセチルアミド基及びジクロロアセチルアミド基から選ばれるすくなくとも一つのアセチルアミド基を有する化合物は特に好ましい。
また、これらのアセチル基、アセトキシ基、アセトアミド基を複数有する化合物も好ましく用いられる。これらの化合物は、通常のエステル化もしくはアミド化反応の条件により、容易に合成可能である。
一般式(B)で表される本発明の重合開始剤の代表的な合成方法は、各構造に対応した、トリブロモ酢酸クロリド、ジブロモ酢酸クロリド、トリクロロ酢酸クロリド、ジクロロ酢酸クロリド等の酸クロライドを用いて、アルコール、フェノール、アミン等の誘導体を、エステル化もしくはアミド化する反応である。
上記反応で用いられるアルコール類、フェノール類、アミン類は任意であるが、例えば、エタノール、2−ブタノール、1−アダマンタノール等の一価のアルコール類、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等の多価アルコール類フェノール、ピロガロール、ナフトール等のフェノール類、モルホリン、アニリン、1−アミノデカン等の一価のアミン類2、2−ジメチルプロピレンジアミン、1、12−ドデカンジアミン等の多価アミン類等が挙げられる。
(4)酸発生剤ポリマー
また本発明において酸発生剤は、酸発生可能な基を有するポリマーでも良い。酸発生剤をポリマータイプにすることで、アルカリ可溶性樹脂の効果と酸発生剤の効果を一つの素材で機能できるので好ましい。例えば、上述のアクリル樹脂に酸発生可能な基を付与させることにより、アクリル樹脂が持つ耐薬品性と酸発生剤による感度、現像ラチチュード等の2種以上の効果を発現できる。
ポリマータイプの酸発生剤は、酸発生可能な基を有するポリマーであれば、限定はないが、本発明の効果である感度、現像ラチチュード、耐薬品性、取り扱い性の両立の点から、下記一般式(1)又は(2)で表される脂肪族モノマーの繰り返し単位を少なくとも1つ有するポリマーが好ましい。
Figure 2010032610
Figure 2010032610
本発明でいうハロゲンラジカルを放出し得る基とは、加熱又は光照射によって、ハロゲンラジカルが放出される基であり、例えば、下記一般式(3)で表すことができる。
Figure 2010032610
一般式(3)において、X及びXは各々ハロゲン原子を表し、互いに同一でも異なっていても良いフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、より好ましくは塩素原子、臭素原子であり、特に好ましくは臭素原子である。Rは水素原子、ハロゲン原子又は置換基を表し、置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、スルホニル基、アルキルスルホニル基、スルフィニル基、シアノ基、ヘテロ環基等が挙げられる。好ましくはハロゲン原子であり、特に好ましくは臭素原子である。Yは連結基を表し、連結基として、例えば、−SO−、−CO−、−NHCO−、−OCO−、−N(R)SO−等が挙げられ、Rは置換基を表す。Rで表される置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アシルオキシ基、アルキルチオ基、カルボキシル基、アシルアミノ基、アシル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
上記一般式(1)において、X及びXで表されるハロゲン原子は、互いに同一でも異なっていても良いフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、より好ましくは塩素原子、臭素原子であり、特に好ましくは臭素原子である。Rは水素原子又はハロゲン原子を表し、好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、より好ましくは塩素原子、臭素原子であり、特に好ましくは臭素原子である。Yは連結基を表し、連結基としては、例えば、−SO−、−N(R)CO−、−OCO−が挙げられ、Rは置換基を表す。Rで表される置換基としては、前記Rの置換基を挙げることができる。pは1〜3の整数を表す。Aはアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を表す。
これらの基は更に置換基を有していても良く、置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、iso−ペンチル基、2−エチル−ヘキシル基、オクチル基、デシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等)、アルケニル基(例えば、エテニル−2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基等)、シクロアルケニル基(例えば、1−シクロアルケニル基、2−シクロアルケニル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、1−プロピニル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)、アルキルカルボニルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基等)、カルボキシル基、アルキルカルボニルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基等)、ウレイド基(例えば、メチルアミノカルボニルアミノ基等)、アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基等)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N−モルホリノカルボニル基等)、スルファモイル基(スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、モルフォリノスルファモイル基等)、トリフルオロメチル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アルキルスルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基等)、アルキルアミノ基(例えばアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基等)、スルホ基、ホスフォノ基、サルファイト基、スルフィノ基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基(例えば、メタンスルホニルアミノカルボニル基、エタンスルホニルアミノカルボニル基等)、アルキルカルボニルアミノスルホニル基(例えば、アセトアミドスルホニル基、メトキシアセトアミドスルホニル基等)、アルキニルアミノカルボニル基(例えば、アセトアミドカルボニル基、メトキシアセトアミドカルボニル基等)、アルキルスルフィニルアミノカルボニル基(例えば、メタンスルフィニルアミノカルボニル基、エタンスルフィニルアミノカルボニル基等)等の置換基で置換されていても良い。
また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。但し、アリール基又はヘテロアリール基を置換基の一部として有することは無い。nは0又は1を表す。Zはエチレン性不飽和基、エチレンイミノ基又はエポキシ基を表し、エチレン性不飽和基として、例えば、ビニル基、イソプロペニル基等が挙げられる。好ましくはエチレン性不飽和基であり、更に好ましくはビニル基である。
以下に、上記一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2010032610
Figure 2010032610
上記一般式(2)において、X及びXで表されるハロゲン原子は、互いに同一でも異なっていても良いフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、より好ましくは塩素原子、臭素原子であり、特に好ましくは臭素原子である。Rは水素原子、ハロゲン原子又は置換基を表し、置換基としては、前記Rの置換基を挙げることができる。Yは−N(R)CO−又は−OCO−を表し、Rは置換基を表す。Rで表される置換基としては、前記Rに記載の置換基を挙げることができる。qは1〜3の整数を表す。Aは芳香族基又はヘテロ環基を表す。芳香族基とは、炭素数6〜30の単環又は縮環のアリール基であり、好ましくは6〜20の単環又は縮環のアリール基であり、より好ましくはフェニル基、ナフチル基である。ヘテロ環としては、例えば、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジル基、ベンゾチアゾール基、ベンズイミダゾール基、チアジアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基等が挙げられる。これらの芳香族基又はヘテロ環基は、置換基を有しても良く、置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、iso−ペンチル基、2−エチル−ヘキシル基、オクチル基、デシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、カルボキシフェニル基等)基、複素環基(例えば、イミダゾリル基、チアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ピリジル基、ピロリル基、インドリル基、ピリミジニル基等)、アルケニル基(例えば、エテニル−2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基等)、シクロアルケニル基(例えば、1−シクロアルケニル基、2−シクロアルケニル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、1−プロピニル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等)、ヘテロアリールオキシ基(例えば、2−ピリジルオキシ基、ピロリルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、2−ナフチルチオ基等)、ヘテロアリールチオ基(例えば3−チエニルチオ基、3−ピロリルチオ基等)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、3−クロロベンジル基等)、カルボキシル基、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、アシルオキシカルボニルアミノ基(例えば、アセチルオキシカルボニルアミノ基、ベンゾイルオキシカルボニルアミノ基等)、ウレイド基(例えば、メチルアミノカルボニルアミノ基、フェニルアミノカルボニルアミノ基等)、スルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基等)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基等)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基等)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N−モルホリノカルボニル基等)、スルファモイル基(スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、モルフォリノスルファモイル基等)、トリフルオロメチル基、ヒドロキシル基、スチリル基、ニトロ基、シアノ基、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基等)、アミノ基(例えばアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基等)、スルホ基、ホスフォノ基、サルファイト基、スルフィノ基、スルホニルアミノカルボニル基(例えば、メタンスルホニルアミノカルボニル基、エタンスルホニルアミノカルボニル基等)、アシルアミノスルホニル基(例えば、アセトアミドスルホニル基、メトキシアセトアミドスルホニル基等)、アシルアミノカルボニル基(例えば、アセトアミドカルボニル基、メトキシアセトアミドカルボニル基等)、スルフィニルアミノカルボニル基(例えば、メタンスルフィニルアミノカルボニル基、エタンスルフィニルアミノカルボニル基等)等が挙げられる。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。mは0又は1を表す。Zはエチレン性不飽和基、エチレンイミノ基又はエポキシ基を表し、エチレン性不飽和基として、例えば、ビニル基、イソプロペニル基等が挙げられる。好ましくはエチレン性不飽和基であり、更に好ましくはビニル基である。
以下、一般式(2)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2010032610
Figure 2010032610
上記一般式(1)、(2)で表される化合物から誘導される繰り返し単位を有するポリマーは、上述のアクリル樹脂で使用できるモノマー(構造単位)と共重合できる。共重合体における上記一般式(1)、(2)で表される化合物のモノマー比は1〜80%が好ましく、更に好ましくは3〜50%である。
1%以上であると酸発生剤の効果の点で好ましい。一方、80%以下であると、重合性の観点で好ましい。
上記一般式(1)、(2)で表される化合物から誘導される繰り返し単位を有するポリマーは1種のみ用いても、2種以上併用しても良い。特にポリマータイプの酸発生剤と低分子タイプの酸発生剤を併用することが本発明の効果を両立する点で好ましい形態である。
上記一般式(1)、(2)で表される化合物から誘導される繰り返し単位を有するポリマーは、上述のアクリル樹脂で使用できるモノマー(構造単位)と共重合できる。共重合体における上記一般式(1)、(2)で表される化合物のモノマー比は1〜80%が好ましく、更に好ましくは3〜50%である。
1%以上であると酸発生剤の効果の点で好ましい。一方、80%以下であると、重合性の観点で好ましい。
前記一般式(1)、(2)で表される化合物から誘導される繰り返し単位を有するポリマーは1種のみ用いても、2種以上併用しても良い。特にポリマータイプの酸発生剤と低分子タイプの酸発生剤を併用することが本発明の効果を両立する点で好ましい形態である。
(5)下記一般式(I)で表される化合物を用いることが出来る。
Figure 2010032610
一般式(I)において、Aは脂肪族基、芳香族基または複素環基を表し、X、X、Xはそれぞれ水素原子、または電子吸引性基を表し、同一でも異なっていてもよい。Yは2価の連結基を表す。nは0又は1を表す。
、X、Xで表される電子吸引性基として、好ましくはσp値が0.01以上の置換基であり、より好ましくは0.1以上の置換基である。ハメットの置換基定数に関しては、Journal of Medicinal Chemistry、1973、Vol.16、No.11、1207〜1216等を参考にすることができる。
電子吸引性基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子(σp値:0.06)、塩素原子(σp値:0.23)、臭素原子(σp値:0.23)、ヨウ素原子(σp値:0.18))、トリハロメチル基(トリブロモメチル(σp値:0.29)、トリクロロメチル(σp値:0.33)、トリフルオロメチル(σp値:0.54))、シアノ基(σp値:0.66)、ニトロ基(σp値:0.78)、脂肪族・アリールもしくは複素環スルホニル基(例えば、メタンスルホニル(σp値:0.72))、脂肪族・アリールもしくは複素環アシル基(例えば、アセチル(σp値:0.50)、ベンゾイル(σp値:0.43))、アルキニル基(例えば、C(σp値:0.09))、脂肪族・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル(σp値:0.45)、フェノキシカルボニル(σp値:0.45))、カルバモイル基(σp値:0.36)、スルファモイル基(σp値:0.57)などが挙げられる。
、X、Xは好ましくは電子吸引性基であり、より好ましくはハロゲン原子(フッ素原子(σp値:0.06)、塩素原子(σp値:0.23)、臭素原子(σp値:0.23)、ヨウ素原子(σp値:0.18))、トリハロメチル基(トリブロモメチル(σp値:0.29)、トリクロロメチル(σp値:0.33)、トリフルオロメチル(σp値:0.54))、シアノ基(σp値:0.66)、ニトロ基(σp値:0.78)、脂肪族・アリールもしくは複素環スルホニル基(例えば、メタンスルホニル(σp値:0.72))、脂肪族・アリールもしくは複素環アシル基(例えば、アセチル(σp値:0.50)、ベンゾイル(σp値:0.43))、アルキニル基(例えば、C(σp値:0.09))、脂肪族・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル(σp値:0.45)、フェノキシカルボニル(σp値:0.45))、カルバモイル基(σp値:0.36)、スルファモイル基(σp値:0.57)などである。特に好ましくはハロゲン原子である。ハロゲン原子の中でも、好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、更に好ましくは塩素原子、臭素原子であり、特に好ましくは臭素原子である。
Yは2価の連結基を表し、具体的には−SO−、−SO−、−CO−、−N(R101)−SO−、−N(R101)−CO−、−N(R101)−COO−、−COCO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−SCOO−、−C(Z11)(Z12)−、アルキレン、アリーレン、2価のヘテロ環およびこれらの任意の組み合わせで形成される2価の連結基を表す。R101は水素原子またはアルキル基を表すが、好ましくは水素原子である。Z11およびZ12は水素原子もしくは電子吸引性基を表すが、同時に水素原子であることはない。電子吸引性基として好ましくは、ハメットの置換基定数σp値が0.01以上の置換基であり、より好ましくは0.1以上の置換基である。Z11およびZ12の電子吸引性基として好ましいものは、前記X、X、Xと同じである。
11およびZ12として好ましくは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基である。ハロゲン原子の中でも、好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、更に好ましくは塩素原子、臭素原子であり、特に好ましくは臭素原子である。Yとして好ましくは、−SO−、−SO−又は−CO−を表し、より好ましくは−SO−を表す。nは好ましくは1である。
Aで表される脂肪族基は、直鎖、分岐又は環状のアルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜20、更に好ましくは1〜12であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは2〜20、更に好ましくは2〜12であり、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル等が挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは2〜20、更に好ましくは2〜12であり、例えばプロパルギル、3−ペンテニル等が挙げられる)であり、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えばカルボキシ基、アシル基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、オキシカルボニルアミノ基又はウレイド基などがある。脂肪族炭化水素基として、好ましくはアルキル基であり、より好ましくは鎖状アルキル基である。Aで表される芳香族基として、好ましくはアリール基であり、アリール基としては、好ましくは炭素数6〜30の単環または二環のアリール基(例えばフェニル、ナフチル等)であり、より好ましくは炭素数6〜20のフェニル基、更に好ましくは6〜12のフェニル基である。アリール基は置換基を有してもよく、置換基としては、例えば、カルボキシル基、アシル基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、オキシカルボニルアミノ基又はウレイド基などがある。Aで表されるヘテロ環基は、N、O又はS原子の少なくとも一つを含む3ないし10員の飽和もしくは不飽和のヘテロ環であり、これらは単環であってもよいし、更に他の環と縮合環を形成してもよい。
Aで表されるヘテロ環基として、好ましくは5ないし6員の芳香族ヘテロ環基であり、より好ましくは窒素原子を含む5ないし6員の芳香族ヘテロ環基であり、更に好ましくは窒素原子を1ないし2原子含む5ないし6員の芳香族ヘテロ環基である。ヘテロ環の具体例としては、例えば、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルフォリン、チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、インドレニンなどが挙げられる。ヘテロ環として好ましくは、チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、キノリン、チアジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、インドレニンであり、より好ましくはピリジン、トリアジン、キノリン、チアジアゾール、ベンズチアゾール、オキサジアゾールであり、特に好ましくは、ピリジン、キノリン、チアジアゾール、オキサジアゾールである。
上記ポリハロゲン化合物のうち、一般式(I−a)で表される化合物がより好ましく用いられる。
Figure 2010032610
一般式(I−a)におけるA、X、X、X、nは前記一般式(I)におけるものと同義であり、好ましい範囲も同様である。
以下に、本発明に好ましく用いられるポリハロゲン化合物の具体例を挙げるが、もちろん本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2010032610
Figure 2010032610
Figure 2010032610
これらの酸発生剤の含有量は、感光層の組成物全固形分に対して通常0.1〜30質量%、より好ましくは1〜15質量%である。1%以上であると現像ラチチュードの点で好ましい。また15%以下であるとよりセーフライト性の点で好ましい。
酸発生剤は1種を用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
<可視画剤>
着色剤としては、前述の塩形成性有機染料以外に他の染料を用いることができる。塩形成性有機染料を含めて、好適な染料として油溶性染料と塩基性染料を挙げることができる。特にフリーラジカル又は酸と反応して色調が変化するものが好ましく使用できる。
「色調が変化する」とは、無色から有色の色調への変化、有色から無色或いは異なる有色の色調への変化の何れをも包含する。好ましい色素は酸と塩を形成して色調を変化するものである。
例えば、ビクトリアピュアブルーBOH(保土谷化学社製)、オイルブルー#603(オリエント化学工業社製)、パテントピュアブルー(住友三国化学社製)、クリスタルバイオレット、ブリリアントグリーン、エチルバイオレット、メチルバイオレット、メチルグリーン、エリスロシンB、ペイシックフクシン、マラカイトグリーン、オイルレッド、m−クレゾールパープル、ローダミンB、オーラミン、4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、シアノ−p−ジエチルアミノフェニルアセトアニリド等に代表されるトリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、オキサジン系、キサンテン系、イミノナフトキノン系、アゾメチン系又はアントラキノン系の色素が有色から無色或いは異なる有色の色調へ変化する変色剤の例として挙げられる。
一方、無色から有色に変化する変色剤としては、ロイコ色素及び例えば、トリフェニルアミン、ジフェニルアミン、o−クロロアニリン、1,2,3−トリフェニルグアニジン、ナフチルアミン、ジアミノジフェニルメタン、p,p′−ビス−ジメチルアミノジフェニルアミン、1,2−ジアニリノエチレン、p,p′、p″−トリス−ジメチルアミノトリフェニルメタン、p,p′−ビス−ジメチルアミノジフェニルメチルイミン、p,p′,p″−トリアミノ−o−メチルトリフェニルメタン、p,p′−ビス−ジメチルアミノジフェニル−4−アニリノナフチルメタン、p,p′,p″−トリアミノトリフェニルメタンに代表される第1級又は第2級アリールアミン系色素が挙げられる。これらの化合物は、単独或いは2種以上混合して使用できる。
尚、特に好ましい色素はビクトリアピュアブルーBOH、オイルブルー#603である。
感光層の着色剤としては、800nm未満、特に600nm未満に吸収極大波長を有する染料を使用するのが好ましい。上記態様によって、酸発生剤を用いた場合、上記着色剤によって、可視光の波長の光の透過が抑制され、セーフライト性が向上するので好ましい。また使用できる酸発生剤もセーフライト性が良好でなくても使用することが可能になるので好ましい。
これらの染料は、組成物の全固形分に対し、0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜3質量%の割合で平版印刷版材料中に添加することができる。
<現像促進剤>
本発明の平版印刷版材料には、必要に応じて溶解性を向上させる目的で低分子量の酸性基を有する化合物を含んでもよい。酸性基としては、チオール基、フェノール性水酸基、スルホンアミド基、活性メチレン基等のpKa値が7〜11までの酸性基を挙げることができる。
添加量として好ましいのは、組成物中に占める割合が0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜3質量%である。5%以下であると各層の現像液に対する溶解性が増加してしまわない点で好ましい。
<感度向上剤>
本発明においては、感度を向上させる目的で、環状酸無水物類、フェノール類、有機酸類を併用することもできる。
環状酸無水物としては米国特許第4,115,128号明細書に記載されている無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3、6−エンドオキシ−Δ4−テトラヒドロ無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水コハク酸、無水ピロメリット酸などが使用できる。
フェノール類としては、ビスフェノールA、p−ニトロフェノール、p−エトキシフェノール、2,4,4′−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4,4′,4″−トリヒドロキシトリフェニルメタン、4,4′,3″,4″−テトラヒドロキシ−3,5,3′,5′−テトラメチルトリフェニルメタンなどが挙げられる。
更に、有機酸類としては、特開昭60−88942号公報、特開平2−96755号公報などに記載されている、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル硫酸類、ホスホン酸類、リン酸エステル類及びカルボン酸類などがあり、具体的には、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、p−トルエンスルフィン酸、エチル硫酸、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、リン酸フェニル、リン酸ジフェニル、安息香酸、イソフタル酸、アジピン酸、p−トルイル酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エルカ酸、ラウリン酸、n−ウンデカン酸、アスコルビン酸などが挙げられる。
上記の環状酸無水物、フェノール類及び有機酸類の感光層の組成物中に占める割合は、0.05〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜15質量%、特に好ましくは0.1〜10質量%である。
また、特開2005−99298号に記載のトリフルオロメチル基が少なくとも1つα位に置換したアルコール化合物も使用できる。この化合物は、トリフルオロメチル基の電子吸引効果により、α位の水酸基の酸性度が向上し、アルカリ現像液に対する溶解性を向上させる作用を示す。
<塩基性分解剤>
本発明において、塩基の作用により分解し、新たに塩基性分子を発生する化合物を含んでも良い。塩基の作用により分解し、新たに塩基性分子を発生する化合物は、塩基の存在下、好ましくは加熱条件で塩基を発生する化合物である。発生した塩基により、再度塩基を発生する。従って連鎖的に塩基発生が進行する。このような化合物としては、Proc.ACS.Polym.Mater.Sci.Eng.,vol.81,93(1999),Angew.Chem.Int.Ed.,vol.39、3245(2000)に記載された化合物を例示することができる。好ましくは特開2004−151138号記載の一般式(I)〜(IV)で表される化合物が挙げられる。
<活性剤>
本発明において、感光層には、塗布性を良化するため、また、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開昭62−251740号公報や特開平3−208514号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号公報、特開平4−13149号公報に記載されているような両性界面活性剤、EP950517公報に記載されているようなシロキサン系化合物、特開昭62−170950号公報、特開平11−288093号公報、特願2001−247351号に記載されているようなフッ素含有のモノマー共重合体を添加することができる。
非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。両性活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインやN−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名「アモーゲンK」:第一工業(株)製)等が挙げられる。
シロキサン系化合物としては、ジメチルシロキサンとポリアルキレンオキシドのブロック共重合体が好ましく、具体例として、(株)チッソ社製、DBE−224、DBE−621、DBE−712、DBP−732、DBP−534、独Tego社製、Tego Glide100等のポリアルキレンオキシド変性シリコーンを挙げることができる。
上記非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤の下層或いは上層の全固形分に占める割合は、0.01〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%、更に好ましくは0.05〜0.5質量%である。
《塗布乾燥》
本発明の平版印刷版材料の感光層は、通常上記感光層各成分を溶媒に溶かして、適当な支持体上に順次塗布することにより形成することができる。ここで使用する溶媒としては下記の塗布溶剤が使用できる。これらの溶媒は単独あるいは混合して使用される。
(塗布溶剤)
例えばn−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、n−ヘキサノール、2−ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−ヘキシルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタングリコール、ジメチルトリグリコール、フリフリルアルコール、ヘキシレングリコール、ヘキシルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、ブチルフェニルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルカルビトール、エチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトニルアセトン、イソホロン、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、炭酸プロピレン、酢酸フェニル、酢酸−sec−ブチル、酢酸シクロヘキシル、シュウ酸ジエチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、γ−ブチルラクトン、3−メトキシ−1−ブタノール、4−メトキシ−1−ブタノール、3−エトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−エチル−1−ペンタノール、4−エトキシ−1−ペンタノール、5−メトキシ−1−ヘキサノール、3−ヒドロキシ−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−2−ペンタノン、5−ヒドロキシ−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−3−ペンタノン、6−ヒドロキシ−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−3−ペンタノン、6−ヒロドキシ−2−ヘキサノン、3−メチル−3−ヒドロキシ−2−ペンタノン、メチルセルソルブ(MC)、エチルセルソルブ(EC)等が挙げられる。
感光層を塗布する場合の溶媒中の感光層成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
また塗布、乾燥後に得られる支持体上の感光層の塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、感光層は0.05〜3.0g/mであることが好ましい。感光層が0.05g/m以上であることで画像強度の点で好ましく、3.0g/m以下であることで感度の点で好ましい。
調製された塗布組成物(感光層塗布液)は、従来公知の方法で支持体上に塗布し、乾燥し、平版印刷版材料を作製することができる。塗布液の塗布方法としては、例えばエアドクタコータ法、ブレードコータ法、ワイヤバー法、ナイフコータ法、ディップコータ法、リバースロールコータ法、グラビヤコータ法、キャストコーティング法、カーテンコータ法及び押し出しコータ法等を挙げることができる。
感光層の乾燥温度は、60〜160℃の範囲が好ましく、より好ましくは80〜140℃、特に好ましくは90〜120℃の範囲である。また乾燥装置に赤外線放射装置を設置し、乾燥効率の向上を図ることもできる。
後述の支持体上に前記感光層を塗布、乾燥した後、性能を安定させるためにエージング処理を行っても良い。エージング処理は、乾燥ゾーンと連続して実施されてもよく、分けて実施されてもよい。
上記エージング処理は、特開2005−17599号に記載の感光層の表面に対してOH基を有する化合物を接触させる工程として使用しても良い。
エージング工程においては、形成された感光層の表面から水に代表される極性基を有する化合物を浸透、拡散させることで、感光層中において水を仲立ちとした相互作用性の向上が生じるとともに、加熱による凝集力の向上を図ることができ、感光層の特性を改良することができる。エージング工程における温度条件は、拡散すべき化合物が一定量以上気化するように設定することが望ましく、浸透、拡散させる物質としては、水が代表的なものであるが、分子内に極性基、例えば、水酸基、カルボキシル基、ケトン基、アルデヒド基、エステル基などを有する化合物であれば同様に好適に用いることができる。このような化合物としては、好ましくは沸点が200℃以下の化合物であり、更に好ましくは沸点が150℃以下の化合物であり、また、好ましくは沸点が50度以上、更に好ましくは沸点が70度以上である。分子量は150以下が好ましく、100以下が更に好ましい。
感光層中に浸透させる物質として、水を用いた場合を挙げて詳細に説明する。水を浸透、拡散させる方法としては、高湿度雰囲気下に配置する方法が好ましく、高湿度雰囲気としては、通常絶対湿度0.007kg/kg以上、好ましくは、0.018kg/kg以上、また好ましくは0.5kg/kg以下、更に好ましくは0.2kg/kg以下の雰囲気で好ましくは10時間以上、更に好ましくは16〜32時間処理される。処理温度は、湿度を精度良く制御することを目的として管理し、好ましくは、30℃以上、更に好ましくは40℃以上、また、好ましくは100℃以下、更に好ましくは80℃以下、特に好ましくは40℃以下が採用される。
エージング処理を施した後の感光層中の残留溶媒としては、8%以下が好ましく、6%以下が更に好ましく、5%以下が特に好ましい。また、0.05%以上が好ましく、0.2%以上が更に好ましい。
《包材》
(合紙)
本発明の平版印刷版材料は感光層を塗布乾燥後に、保存中の機械的な衝撃を防ぐために、あるいは搬送中における無用な衝撃を軽減するために、平版印刷版材料間に合紙が挿入され、保存、保管、運搬などが行われることが好ましい。合紙については各種合紙を適宜選択して用いることができる。
合紙には、一般に、材料コストを抑制するために、低コストの原料が選択されることが多く、例えば、木材パルプを100%使用した紙や、木材パルプとともに合成パルプを混合使用した紙、及びこれらの表面に低密度又は高密度ポリエチレン層を設けた紙等を使用することができる。特に合成パルプやポリエチレン層を使用しない紙では材料コストが低くなるので、低コストで合紙を製造することができる。
上記した合紙の仕様の中でも、好ましい仕様としては、坪量が30〜60g/m、平滑度が、JIS8119に規定されたベックの平滑度測定方法で10〜100秒、水分量がJIS8127に規定された含水率測定方法で4〜8%、密度が0.7〜0.9g/cmのものである。また、残留溶剤の吸収のため、少なくとも感光層と接触する面がポリマーなどでラミネートされていないものが好ましい。
《アルミニウム支持体》
<支持体製造方法>
本発明の平版印刷版材料の支持体は、アルミニウム板が好ましく使用され、この場合、純アルミニウム板及びアルミニウム合金板等であってもかまわない。
支持体のアルミニウム合金としては、種々のものが使用でき、例えば、珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル、チタン、ナトリウム、鉄等の金属とアルミニウムの合金が用いられ、各種圧延方法により製造されたアルミニウム板が使用できる。また、近年普及しつつあるスクラップ材およびリサイクル材などの再生アルミニウム地金を圧延した再生アルミニウム板も使用できる。
本発明の平版印刷版材料に用いることができる支持体は、粗面化(砂目立て処理)するに先立って表面の圧延油を除去するために脱脂処理を施すことが好ましい。脱脂処理としては、トリクレン、シンナー等の溶剤を用いる脱脂処理、ケシロン、トリエタノール等のエマルジョンを用いたエマルジョン脱脂処理等が用いられる。又、脱脂処理には、苛性ソーダ等のアルカリの水溶液を用いることもできる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、上記脱脂処理のみでは除去できない汚れや酸化皮膜も除去することができる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、支持体の表面にはスマットが生成するので、この場合には、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸、或いはそれらの混酸に浸漬しデスマット処理を施すことが好ましい。
粗面化の方法としては、例えば、機械的方法、電解によりエッチングする方法が挙げられる。本発明の一つの形態では、粗面化方法は特に限定されないが、表面粗さRaが0.4〜0.8μmである。また、本発明の一つの形態では、塩酸を主体とする酸性電解液中で交流電解処理により粗面化を行う。
機械的粗面化法は特に限定されるものではないが、ブラシ研磨法、ホーニング研磨法が好ましい。ブラシ研磨法による粗面化は、例えば、直径0.2〜0.8mmのブラシ毛を使用した回転ブラシを回転し、支持体表面に、例えば、粒径10〜100μmの火山灰の粒子を水に均一に分散させたスラリーを供給しながら、ブラシを押し付けて行うことができる。ホーニング研磨による粗面化は、例えば、粒径10〜100μmの火山灰の粒子を水に均一に分散させ、ノズルより圧力をかけ射出し、支持体表面に斜めから衝突させて粗面化を行うことができる。
また、例えば、支持体表面に、粒径10〜100μmの研磨剤粒子を、100〜200μmの間隔で、2.5×10〜10×10個/cmの密度で存在するように塗布したシートを張り合わせ、圧力をかけてシートの粗面パターンを転写することにより粗面化を行うこともできる。
上記の機械的粗面化法で粗面化した後、支持体の表面に食い込んだ研磨剤、形成されたアルミニウム屑等を取り除くため、酸又はアルカリの水溶液に浸漬することが好ましい(以降、デスマット処理と呼ぶことがある)。
酸としては、例えば、硫酸、過硫酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が用いられ、塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が用いられる。これらの中でも、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液を用いるのが好ましい。表面のアルミニウムの溶解量としては、0.5〜5g/mが好ましい。アルカリ水溶液で浸漬処理を行った後、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸或いはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。
電気化学的粗面化法も特に限定されるものではないが、酸性電解液中で電気化学的に交流電流で粗面化を行う方法が好ましい。酸性電解液は、電気化学的粗面化法に通常用いられる酸性電解液を使用することができるが、塩酸系または硝酸系電解液を用いるのが好ましい。
電気化学的粗面化方法については、例えば、特公昭48−28123号、英国特許第896、563号、特開昭53−67507号に記載されている方法を用いることができる。この粗面化法は、一般には、1〜50ボルトの範囲の電圧を印加することによって行うことができるが、10〜30ボルトの範囲から選ぶのが好ましい。
電流密度は、10〜200A/dmの範囲を用いることができるが、40〜150A/dmの範囲から選ぶのが好ましい。
電気量は、100〜5000C/dmの範囲を用いることができるが、100〜2500C/dmの範囲から選ぶのが好ましい。この粗面化法を行う温度は、10〜50℃の範囲を用いることができるが、15〜45℃の範囲から選ぶのが好ましい。
電解液として硝酸系電解液を用いて電気化学的粗面化を行う場合、一般には、1〜50ボルトの範囲の電圧を印加することによって行うことができるが、10〜30ボルトの範囲から選ぶのが好ましい。
電流密度は、10〜200A/dmの範囲を用いることができるが、20〜100A/dmの範囲から選ぶのが好ましい。
電気量は、100〜5000C/dmの範囲を用いることができるが、100〜2500C/dmの範囲から選ぶのが好ましい。
電気化学的粗面化法を行う温度は、10〜50℃の範囲を用いることができるが、15〜45℃の範囲から選ぶのが好ましい。
電解液における硝酸濃度は0.1〜5質量%が好ましい。電解液には、必要に応じて、硝酸塩、塩化物、アミン類、アルデヒド類、燐酸、クロム酸、ホウ酸、酢酸、しゅう酸等を加えることができる。
電解液として塩酸系電解液を用いる場合、一般には、1〜50ボルトの範囲の電圧を印加することによって行うことができるが、2〜30ボルトの範囲から選ぶのが好ましい。電流密度は、10〜200A/dmの範囲を用いることができるが、30〜150A/dmの範囲から選ぶのが好ましい。
電気量は、100〜5000C/dmの範囲を用いることができるが、好ましくは100〜2500C/dm、更には200〜2500C/dmの範囲から選ぶのがより好ましい。
電気化学的粗面化法を行う温度は、10〜50℃の範囲を用いることができるが、15〜45℃の範囲から選ぶのが好ましい。
電解液における塩酸濃度は0.1〜5質量%が好ましい。電解液には、必要に応じて、硝酸塩、塩化物、アミン類、アルデヒド類、燐酸、クロム酸、ホウ酸、酢酸、しゅう酸等を加えることができる。
上記の電気化学的粗面化法で粗面化した後、表面のアルミニウム屑等を取り除くため、酸又はアルカリの水溶液に浸漬することが好ましい(デスマット処理)。
酸としては、例えば、硫酸、過硫酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が用いられ、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が用いられる。これらの中でもアルカリの水溶液を用いるのが好ましい。表面のアルミニウムの溶解量としては、0.5〜5g/mが好ましい。又、アルカリの水溶液で浸漬処理を行った後、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸或いはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。
機械的粗面化法、電気化学的粗面化法はそれぞれ単独で用いて粗面化してもよいし、又、機械的粗面化処理法に次いで電気化学的粗面化法を行って粗面化してもよい。
粗面化処理の次には、陽極酸化処理を行う。本発明において用いることができる陽極酸化処理の方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。
陽極酸化処理を行うことにより、支持体上には酸化皮膜が形成される。該陽極酸化処理には、硫酸を10〜50%の濃度で含む水溶液を電解液として、電流密度1〜50A/dmで電解する方法が好ましく用いられるが、他に、米国特許第1,412,768号に記載されている硫酸中で高電流密度で電解する方法や、同3,511,661号公報に記載されている燐酸を用いて電解する方法、クロム酸、シュウ酸、マロン酸等を一種又は二種以上含む溶液を用いる方法等が挙げられる。形成された陽極酸化被覆量は、3.0〜4.0g/mである。
陽極酸化被覆量は、例えばアルミニウム板を燐酸クロム酸溶液(燐酸85%液:35ml、酸化クロム(IV):20gを1Lの水に溶解して作製)に浸漬し、酸化被膜を溶解し、板の被覆溶解前後の質量変化測定等から求められる。
陽極酸化した後、陽極酸化膜を除去し、その表面を観察することで、陽極酸化のセルを確認し、その長さを測定することで、陽極酸化のセル径を測定することが出来る。本発明の陽極酸化膜のセル径は30〜80nmである。好ましくは40〜70nmである。上記範囲をセル径をすることで、長期使用しても、現像スラッジが少なく、耐キズ性が良好にできる。
陽極酸化処理された支持体は、必要に応じ封孔処理を施してもよい。これら封孔処理は、熱水処理、沸騰水処理、水蒸気処理、珪酸ソーダ処理、重クロム酸塩水溶液処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウム処理等公知の方法を用いて行うことができる。
機械的粗面化法、硝酸系電解液による交流電解粗面化法では本発明の平均間隔または平均径が30〜150nmで構成される凹凸部が50〜1100個/μmである微細粗面は形成されにくいため、封孔処理により形成する必要がある。その場合は、熱水処理または酢酸アンモニウム処理が好ましい。熱水処理の場合は、温度は70〜97℃、処理時間5〜180秒の間で条件を組み合わせ所望の微細粗面を得ることが出来る。また、酢酸アンモニウムでpHを7〜9.5に調整することにより、より短時間で所望の微細粗面を得ることが出来る。
一方、塩酸系電解液による交流電解粗面化法では本発明の微細粗面が形成されるが、デスマット処理により微細粗面も溶解してしまった場合は、上記熱水処理または酢酸アンモニウム処理で再形成することが出来る。また、デスマット処理条件と熱水処理または酢酸アンモニウム処理の組み合わせで微細構造を形成しても良い。
<下塗層(親水化処理)>
更に、本発明では、これらの処理を行った後に、親水化処理を施すことが好ましい。上記することで、支持体と下層との接着性の向上により耐薬品性の向上が図られる。また親水化処理層は断熱層として機能し、赤外線レーザの露光により発生した熱が支持体に拡散せず、酸分解化合物等の反応が効率よく使用できることから、高感度化が図ることができる。
親水化処理は特に限定されないが、水溶性の樹脂、たとえばポリビニルホスホン酸、ポリビニルアルコール及びその誘導体、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、スルホン酸基を側鎖に有する重合体および共重合体、ポリアクリル酸、水溶性金属塩(例えばホウ酸亜鉛)もしくは、黄色染料、アミン塩等を下塗りしたものが使用できる。更に、特開平5−304358号公報に開示されているようなラジカルによって付加反応を起し得る官能基を共有結合させたゾル−ゲル処理基板も用いられる。好適なのは、ポリビニルホスホン酸で支持体表面に親水化処理を行うことである。
また、親水化処理素材として、水溶性の赤外染料を用いることができる。水溶性の赤外染料を用いることにより、断熱層として機能の向上と赤外線レーザの露光により発生した熱の支持体への拡散防止、さらに赤外染料特有の光熱変換剤として機能を両立できるので、好ましい。
水溶性の赤外染料は公知の染料で水溶性のものなら特に限定はない。例えば、シアニン系の染料の、ADS830WS(日本シーベルヘグナー)やNK−4777(林原生物科学研究所)等のスルホン酸やスルホン酸塩を含有するものが挙げられる。
処理としては、塗布式、スプレー式、ディップ式等限定されないが、設備を安価にするにはディップ式が好適である。ディップ式の場合には、ポリビニルホスホン酸を0.05〜3%の水溶液で処理することが好ましい。
処理温度は20〜90℃、処理時間は10〜180秒が好ましい。処理後、過剰に積層したポリビニルホスホン酸を除去するため、スキージ処理または水洗処理を行うことが好ましい。更に乾燥処理を行うことが好ましい。
乾燥温度としては、40〜180℃が好ましく、更に好ましくは50〜150℃である。乾燥処理することで下層との接着性、断熱層としての機能が向上し、耐薬品性、感度が向上するので、好ましい。
親水性処理層の膜厚は0.002〜0.1μmが好ましく、更に好ましくは0.005〜0.05μmである。0.002μm未満であると、十分な接着性、断熱性が得られず好ましくない。一方、0.05μmを越えると、下層との接着性が強すぎて現像液時の溶解性が劣化し、感度が劣化するので好ましくない。
<支持体の表面形状>
支持体の表面形状は、平均開口径5.0〜10.0μmの中波構造と、平均開口径0.5〜3.0μmで開口径に対する深さの比の平均が0.2以上である小波構造とを重畳した構造の砂目形状を表面に有することが好ましい。
本発明において、平均開口径5.0〜10.0μmの中波構造は、主にアンカー(投錨)効果によって画像記録層を保持し、耐刷力を付与する機能を有する。
上記中波構造に重畳される、平均開口径0.5〜3.0μmμmで開口径に対する深さの比の平均が0.2以上である小波構造は、耐刷低下を最小限に抑えつつ感度をアップさせる役割を果たす。特定の中波構造に特定の小波構造を組み合わせることで、支持体/画像記録層界面に現像液が滲入しやすくなり、現像速度が向上するためと考えられる。
上記の中波構造と小波構造とを重畳した構造は、更に、平均波長5.0〜100.0μmの大波構造を重畳した構造であってもよい。
この大波構造は、平版印刷版の非画像部の表面の保水量を増加させる効果を有する。この表面に保持された水が多いほど、非画像部の表面は雰囲気中の汚染の影響を受けにくくなり、印刷途中で版を放置した場合にも汚れにくい非画像部を得ることができる。
また、大波構造が重畳されていると、印刷時に版面に与えられた湿し水の量を目視で確認することが容易となる。即ち、平版印刷版の検版性が優れたものとなる。
本発明の平版印刷版用支持体において、表面の中波構造の平均開口径、小波構造の平均開口径および開口径に対する深さの平均、ならびに、大波の平均波長の測定方法は、以下の通りである。
(1)中波構造の平均開口径
電子顕微鏡を用いて支持体の表面を真上から倍率2000倍で撮影し、得られた電子顕微鏡写真においてピットの周囲が環状に連なっている中波構造のピット(中波ピット)を少なくとも50個抽出し、その直径を読み取って開口径とし、平均開口径を算出する。大波構造を重畳した構造の場合も同じ方法で測定する。
また、測定のバラツキを抑制するために、市販の画像解析ソフトによる等価円直径測定を行うこともできる。
この場合、上記電子顕微鏡写真をスキャナーで取り込んでデジタル化し、ソフトウェアにより二値化した後、等価円直径を求める。
本発明者が測定したところ、目視測定の結果とデジタル処理の結果とは、ほぼ同じ値を示した。大波構造を重畳した構造の場合も同様であった。
(2)小波構造の平均開口径
高分解能走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて支持体の表面を真上から倍率50000倍で撮影し、得られたSEM写真において小波構造のピット(小波ピット)を少なくとも50個抽出し、その直径を読み取って開口径とし、平均開口径を算出する。
(3)小波構造の開口径に対する深さの比の平均
小波構造の開口径に対する深さの比の平均は、高分解能SEMを用いて支持体の破断面を倍率50000倍で撮影し、得られたSEM写真において小波ピットを少なくとも20個抽出し、開口径と深さとを読み取って比を求めて平均値を算出する。
(4)大波構造の平均波長
触針式粗さ計で2次元粗さ測定を行い、ISO4287に規定されている平均山間隔Smを5回測定し、その平均値を平均波長とする。
《バックコート層》
本発明の平版印刷版材料に用いられる支持体には、両面に陽極酸化皮膜が設けられた後、支持体の裏面に、現像処理でのアルミニウムの陽極酸化皮膜の溶出を抑えるために、バックコート層が設けられてもよい。バックコート層を設置することにより、現像スラッジが抑えられ、現像液交換期間が短くなったり、補充液量が少なくなったりするので好ましい。好ましいバックコートの態様は、(a)有機金属化合物又は無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られる金属酸化物、(b)コロイダルシリカゾル、(c)有機高分子化合物を含むものである。
バックコート層に用いられる(a)金属酸化物としては、シリカ(酸化ケイ素)、酸化チタン、酸化ホウ素、酸化アルミニウムや酸化ジルコニウム及びそれらの複合体などが挙げられる。本発明で用いられるバックコート層中の金属酸化物は、有機金属化合物あるいは無機金属化合物を水および有機溶媒中で、酸、またはアルカリなどの触媒で加水分解、及び縮重合反応を起こさせたいわゆるゾル−ゲル反応液を支持体の裏面に塗布、乾燥することにより得られる。
ここで用いる有機金属化合物あるいは無機金属化合物としては、例えば、金属アルコキシド、金属アセチルアセトネート、金属酢酸塩、金属シュウ酸塩、金属硝酸塩、金属硫酸塩、金属炭酸塩、金属オキシ塩化物、金属塩化物およびこれらを部分加水分解してオリゴマー化した縮合物が挙げられる。
金属アルコキシドはM(OR)nの一般式で表される(Mは金属元素、Rはアルキル基、nは金属元素の酸化数を示す)。その例としては、Si(OCH、Si(OC、Si(OC)4、Si(OC、Al(OCH、Al(OCH5)、Al(OC、Al(OC、B(OCH、B(OC、B(OC、B(OC、Ti(OCH、Ti(OC、Ti(OC、Ti(OC、Zr(OCH、Zr(OC、Zr(OC、Zr(OCなどが用いられる。
他にGe、Li、Na、Fe、Ga、Mg、P、Sb、Sn、Ta、Vなどのアルコキシドが挙げられる。さらに、CHSi(OCH、CSi(OCH、CHSi(OC、CSi(OCなどのモノ置換珪素アルコキシドも用いられる。
金属アセチルアセトネートの例としては、Al(COCHCOCH、Ti(COCHCOCHなどが挙げられる。
金属シュウ酸塩の例としてはKTiO(Cなど、金属硝酸塩の例としてはAl(NO、ZrO(NO・2HOなどがある。金属硫酸塩の例としてはAl(SO、(NH)Al(SO、KAl(SO、NaAl(SO、金属オキシ塩化物の例としてはSiOCl、ZrOCl、塩化物の例としてはAlCl、SiCl、ZrCl、TiClなどがある。
これらの有機金属化合物あるいは無機金属化合物は単独、または二つ以上のものを組み合わせて用いることができる。これらの有機金属化合物あるいは無機金属化合物のなかでは金属アルコキシドが反応性に富み、金属−酸素の結合からできた重合体を生成しやすく好ましい。それらの内、Si(OCH、Si(OC、Si(OC、Si(OC、などの珪素のアルコキシ化合物が安価で入手し易く、それから得られる金属酸化物の被覆層が耐現像液性に優れており特に好ましい。
また、これらの珪素のアルコキシ化合物を部分加水分解して縮合したオリゴマーも好ましい。この例としては、約40質量%のSiOを含有する平均5量体のエチルシリケートオリゴマーが挙げられ。
更に、上記の珪素のテトラアルコキシ化合物の一個または二個のアルコキシ基をアルキル基や反応性を持った基で置換したいわゆるシランカップリング剤を併用するのも好ましい例として挙げられる。これに用いられるシランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、β−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシランおよびメチルトリエトキシシランなどである。
他方、触媒としては有機、無機の酸およびアルカリが用いられる。その例としては、塩酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、フッ酸、リン酸、亜リン酸などの無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、グリコール酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、フロロ酢酸、ブロモ酢酸、メトキシ酢酸、オキサロ酢酸、クエン酸、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、アスコルビン酸、安息香酸、3、4−ジメトキシ安息香酸のような置換安息香酸、フェノキシ酢酸、フタル酸、ピクリン酸、ニコチン酸、ピコリン酸、ピラジン、ピラゾール、ジピコリン酸、アジピン酸、p−トルイル酸、テレフタル酸、1、4−シクロヘキセン−2、2−ジカルボン酸、エルカ酸、ラウリン酸、n−ウンデカン酸、アスコルビン酸などの有機酸、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物、アンモニア、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカリが挙げられる。他にスルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル硫酸類、ホスホン酸類、およびリン酸エステル類など、具体的には、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルフィン酸、エチル酸、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、リン酸フェニル、リン酸ジフェニルなどの有機酸も使用できる。これらの触媒は単独または二種以上を組み合わせて用いることができる。
触媒は原料の金属化合物に対して0.001〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.05〜5質量%の範囲である。触媒量がこの範囲より少ないとゾル−ゲル反応の開始が遅くなり、この範囲より多いと反応が急速に進み、不均一なゾル−ゲル粒子ができるためか、得られる被覆層は耐現像液性に劣る。
ゾル−ゲル反応を開始させるには更に適量の水が必要であり、その好ましい添加量は原料の金属化合物を完全に加水分解するのに必要な水の量の0.05〜50倍モルが好ましく、より好ましくは0.5〜30倍モルである。水の量がこの範囲より少ないと加水分解が進みにくく、この範囲より多いと原料が薄められるためか、やはり反応が進みにくくなる。ゾル−ゲル反応液には更に溶媒が添加される。
溶媒は原料の金属化合物を溶解し、反応で生じたゾル−ゲル粒子を溶解または分散するものであればよく、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの低級アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトンなどのケトン類が用いられる。またバックコート層の塗布面質の向上等の目的でエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコールおよびジプロピレングリコールなどのグリコール類のモノまたはジアルキルエーテルおよび酢酸エステルを用いることができる。これらの溶媒の中で水と混合可能な低級アルコール類が好ましい。ゾル−ゲル反応液は塗布するのに適した濃度に溶媒で調製されるが、溶媒の全量を最初から反応液に加えると原料が希釈されるためか加水分解反応が進みにくくなる。
そこで溶媒の一部をゾル−ゲル反応液に加え、反応が進んだ時点で残りの溶媒を加える方法が好ましい。
ゾル−ゲル反応は金属酸化物原料、水、溶媒および触媒を混合することにより進む。反応の進行はそれらの種類、組成比および反応の温度、時間に依存し、成膜後の膜質にも影響を与える。特に反応温度の影響が大きいので、反応中温度制御することが好ましい。ゾル−ゲル反応液には上述の必須成分に加えて、ゾル−ゲル反応を適度に調整するために水酸基、アミノ基や活性水素を分子内に含む化合物を添加してもよい。それらの化合物としてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、それらのブロック共重合体、およびそれらのモノアルキルエーテルまたはモノアルキルアリールエーテル、フェノールやクレゾールなどの各種フェノール類、ポリビニルアルコールおよび他のビニルモノマーとの共重合体、リンゴ酸、酒石酸などの水酸基を持つ酸、脂肪族及び芳香族アミン、ホルムアルデヒドおよびジメチルホルムアルデヒドなどが挙げられる。さらに塗布液乾固物の有機溶剤に対する親和性を向上させ可溶化させるために有機高分子化合物を添加することが好ましい。
バックコート層中の該有機高分子化合物としては例えば、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルフェノール、ポリビニルハロゲン化フェノール、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、ポリイミド、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、フェノールノボラック、又はレゾールフェノール類とアルデヒド又はケトンとの縮合樹脂、ポリ塩化ビリニリデン、ポリスチレン、シリコーン樹脂、活性メチレン、フェノール性水酸基、スルホンアミド基、カルボキシル基等のアルカリ可溶性基を有するアクリル系共重合体およびこれらの二元、又は三元以上の共重合樹脂などが挙げられる。特に好ましい化合物は、具体的には、フェノールノボラック樹脂又はレゾール樹脂であり、フェノール、クレゾール(m−クレゾール、p−クレゾール、m/p混合クレゾール)、フェノール/クレゾール(m−クレゾール、p−クレゾール、m/p混合クレゾール)、フェノール変性キシレン、tert−ブチルフェノール、オクチルフェノール、レゾルシノール、ピロガロール、カテコール、クロロフェノール(m−Cl、p−Cl)、ブロモフェノール(m−Br、p−Br)、サリチル酸、フロログルシノールなどのホルムアルデヒドとの縮合のノボラック樹脂及びびレゾール樹脂、さらに上記フェノール類化合物とアセトンとの縮合樹脂などが挙げられる。
その他の好適な高分子化合物として以下(1)〜(12)に示すモノマーをその構成単位とする通常1万〜20万の分子量を持つ共重合体を挙げることができる。
(1)芳香族水酸基を有するアクリルアミド類、メタクリルアミド類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類およびヒドロキシスチレン類、例えばN−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミドまたはN−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−、m−およびp−ヒドロキシスチレン、o−、m−およびp−ヒドロキシフェニルアクリレートまたはメタクリレート、
(2)脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類およびメタクリル酸エステル類、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
(3)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジルアクリレート、N−ジメチルアミノエチルアクリレートなどの(置換)アクリル酸エステル、
(4)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジルメタクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレートなどの(置換)メタクリル酸エステル、
(5)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルメタクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミドおよびN−エチル−N−フェニルメタクリルアミドなどのアクリルアミドもしくはメタクリルアミド、
(6)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、
(7)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニルなどのビニルエステル類、
(8)スチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレンなどのスチレン類、
(9)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトンなどのビニルケトン類、
(10)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレンなどのオレフィン類、
(11)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど、
(12)N−(o−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチル〕アクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)アクリルアミドなどのアクリルアミド類、N−(o−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチル〕メタクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)メタクリルアミドなどのメタクリルアミド類、また、o−アミノスルホニルフェニルアクリレート、m−アミノスルホニルフェニルアクリレート、p−アミノスルホニルフェニルアクリレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフチル)アクリレートなどのアクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド、o−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフチル)メタクリレートなどのメタクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド。
これらは、重量平均分子量が500〜20000、数平均分子量が200〜60000であることが好ましく、添加量は具体的には、原料の金属化合物に対して1〜200質量%が適当であり、2〜100質量%が好ましく、特に5〜50質量%が最も好ましい。添加量が上限以下であると、印刷中に用いる薬品によってバックコート層が剥れず本来の機能を奏することができる点で好ましい。
また、裏面にインキなどの親油性物質が付着した場合でも、ゾル−ゲル本来の親水性により、インキをおとすことができる点で好ましい。
バックコート層中のコロイダルシリカゾルとしては、分散媒として水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、キシレン、ジメチルホルムアミド等を用いた、珪酸の超微粒子のコロイド溶液が挙げられる。メタノール分散媒は特に好ましい。分散質の粒子の大きさは、1〜100nmが好ましく、特に10〜50nmが好ましい。100nm以下であると、表面の凹凸による塗膜の均質性の点で好ましい。
また珪酸の含有量は、5〜80質量%が好ましく、水素イオン濃度が特に中性域(pH6〜8)でないものの方が安定性の面で好ましい。特に酸性域のものは好ましい。
またシリカゾルは、その他の例えばアルミナゾルあるいはリチウムシリケート等の微粒子と併用して用いることも可能である。これらによりゾル−ゲル塗膜の硬膜性はさらに向上する。添加量は、具体的には、原料の金属化合物に対して30質量%以上300質量%以下であり、更に好ましくは30質量%〜200質量%であり、最も好ましくは50〜100質量%である。添加量が上限以下であると皮膜性、均一塗布性の点で好ましい。また、添加量が下限以上であると、親油性物質の付着抑制、特にPI盛り等を行った印刷版を重ねておいたりした場合の表面へインキ付着の抑制の点で好ましい。
《露光現像》
上記のようにして作製された画像記録材料は、平版印刷版材料として用いられることが好ましく、通常、像露光、現像処理を施され、平版印刷版として用いられる。
像露光に用いられる光線の光源としては、近赤外から赤外領域に発光波長を持つ光源が好ましく、固体レーザ、半導体レーザが特に好ましい。像露光は市販のCTP用セッターを用い、デジタル変換されたデータに基づいて、赤外線レーザ(830nm)で露光した後、現像等の処理をすることにより、アルミニウム板支持体表面に画像を形成し、平版印刷版として供することができる。
本発明において用いられる露光装置としてはレーザビーム方式であれば特に限定されず、円筒外面(アウタードラム)走査方式、円筒内面(インナードラム)走査方式、平面(フラットベッド)走査方式の何れも用いることができるが、低照度長時間露光による生産性を上げるためにマルチビーム化しやすいアウタードラム方式が好ましく用いられ、特にGLV変調素子を備えたアウタードラム方式の露光装置が好ましい。
レーザビーム画素滞留時間とはレーザビームが1画素(ワンドット)を通過する時間、即ち1画素当たりの露光時間を意味する。
本発明では、レーザビーム画素滞留時間を2.0〜20μ秒、好ましくは2.5〜15μ秒とする。また、レーザビームが1画素を通過する時間におけるレーザビーム印加量は、10〜300mJ/cmが好ましく、30〜180mJ/cmが更に好ましい。
露光工程において、GLV変調素子を備えたレーザ露光記録装置を用いてマルチチャンネル化することが平版印刷版の生産性を向上させる上で好ましい。
GLV変調素子としては、レーザビームを200チャンネル以上に分割できるものが好ましく、500チャンネル以上に分割できるものが更に好ましい。また、レーザビーム径は、15μm以下が好ましく、10μm以下が更に好ましい。レーザ出力は10〜100Wが好ましく、20〜80Wが更に好ましい。ドラム回転数は、20〜300rpmが好ましく、30〜200rpmが更に好ましい。
(現像液)
本発明のポジ型平版印刷版の画像形成方法は、本発明のポジ型平版印刷版材料を露光し、pH2.5−10の範囲の処理液(現像液)にて現像処理することを特徴とする。
ここで用いられる現像液は、pHが2〜10の水溶液であることが好ましい。例えば、水単独または水を主成分(水を60質量%以上含有)とする水溶液が好ましく、特に、一般的に公知な湿し水と同様組成の水溶液、界面活性剤(アニオン系、ノニオン系、カチオン系等)を含有する水溶液や、水溶性高分子化合物を含有する水溶液が好ましい。特に、界面活性剤と水溶性高分子化合物の両方を含有する水溶液が好ましい。該現像液のpHは、より好ましくは3〜8、さらに好ましくは4〜7である。
用いられるアニオン系界面活性剤としては、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホコハク酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム類、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ヒマシ油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等が挙げられる。これらの中でもジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類およびアルキルナフタレンスルホン酸塩類が特に好ましく用いられる。
用いられるカチオン系界面活性剤としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体が挙げられる。
用いられるノニオン系界面活性剤としては、ポリエチレングリコール型の高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ジメチルシロキサン−エチレンオキサイドブロックコポリマー、ジメチルシロキサン−(プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド)ブロックコポリマー等や、多価アルコール型のグリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙げられる。
これらノニオン性界面活系剤は、単独でも、2種以上を混合して用いても良い。本発明においては、ソルビトールおよび/またはソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ジメチルシロキサン−エチレンオキサイドブロックコポリマー、ジメチルシロキサン−(プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド)ブロックコポリマー、多価アルコールの脂肪酸エステルがより好ましい。
また、水に対する安定な溶解性あるいは混濁性の観点から、現像液に使用するノニオン系界面活性剤としては、HLB(Hydorophile−Lipophile Balance)値が、6以上であることが好ましく、8以上であることがより好ましい。さらに、現像液中に含有するノニオン性界面活性剤の比率は、0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい。
またアセチレングリコール系とアセチレンアルコール系のオキシエチレン付加物、フッ素系、シリコン系等の界面活性剤も同様に使用することができる。
現像液に使用する界面活性剤としては、抑泡性の観点から、ノニオン性界面活性剤が特に好適である。
また、現像液に用いられる水溶性高分子化合物としては、大豆多糖類、変性澱粉、アラビアガム、デキストリン、繊維素誘導体(例えばカルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース等)およびその変性体、プルラン、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドおよびアクリルアミド共重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。
上記大豆多糖類は、公知のものが使用でき、例えば市販品として商品名ソヤファイブ(不二製油(株)製)があり、各種グレードのものを使用することができる。好ましく使用できるものは、10質量%水溶液の粘度が10〜100mPa/secの範囲にあるものである。
上記変性澱粉も、公知のものが使用でき、トウモロコシ、じゃがいも、タピオカ、米、小麦等の澱粉を酸または酵素等で1分子当たりグルコース残基数5〜30の範囲で分解し、更にアルカリ中でオキシプロピレンを付加する方法等で作ることができる。
水溶性高分子化合物は2種以上を併用することもできる。水溶性高分子化合物の現像液中における含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%である。
また、現像液には、有機溶剤を含有しても良い。含有可能な有機溶剤としては、例えば、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、“アイソパーE、H、G”(エッソ化学(株)製)あるいはガソリン、灯油等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、あるいはハロゲン化炭化水素(メチレンジクロライド、エチレンジクロライド、トリクレン、モノクロルベンゼン等)や、極性溶剤が挙げられる。
極性溶剤としては、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、メチルフェニルカルビノール、n−アミルアルコール、メチルアミルアルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、エチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、乳酸メチル、乳酸ブチル、エチレングリコールモノブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアセテート、ジエチルフタレート、レブリン酸ブチル等)、その他(トリエチルフォスフェート、トリクレジルホスフェート、N−フェニルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン等)等が挙げられる。
また、上記有機溶剤が水に不溶な場合は、界面活性剤等を用いて水に可溶化して使用することも可能であり、現像液に、有機溶剤を含有する場合は、安全性、引火性の観点から、溶剤の濃度は40質量%未満が望ましい。
現像液には上記の他に、防腐剤、キレート化合物、消泡剤、有機酸、無機酸、無機塩などを含有することができる。
防腐剤としては、フェノールまたはその誘導体、ホルマリン、イミダゾール誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウム、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、ベンゾイソチアゾリン−3−オン、ベンズトリアゾール誘導体、アミジングアニジン誘導体、四級アンモニウム塩類、ピリジン、キノリン、グアニジン等の誘導体、ダイアジン、トリアゾール誘導体、オキサゾール、オキサジン誘導体、ニトロブロモアルコール系の2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3ジオール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−エタノール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−プロパノール等が好ましく使用できる。
キレート化合物としては、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ジエチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ニトリロトリ酢酸、そのナトリウム塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような有機ホスホン酸類あるいはホスホノアルカントリカルボン酸類を挙げることができる。上記キレート剤のナトリウム塩、カリウム塩の代りに有機アミンの塩も有効である。
消泡剤としては一般的なシリコン系の自己乳化タイプ、乳化タイプ、ノニオン系界面活性剤のHLBが5以下等の化合物を使用することができる。シリコン消泡剤が好ましい。その中で乳化分散型および可溶化等がいずれも使用できる。
有機酸としては、クエン酸、酢酸、蓚酸、マロン酸、サリチル酸、カプリル酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、レブリン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、フィチン酸、有機ホスホン酸などが挙げられる。有機酸は、そのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩の形で用いることもできる。
無機酸および無機塩としては、リン酸、メタリン酸、第一リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、第一リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第一リン酸カリウム、第二リン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、硝酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸アンモニウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ニッケルなどが挙げられる。
現像液は、pHが2〜10の水溶液とするのには、従来公知のpH調整剤で任意に所望のpHに容易に調整することができる。
上記の現像液は、露光されたポシ型平版印刷版材料の現像液および現像補充液として用いることができ、後述の自動処理機に適用することが好ましい。自動処理機を用いて現像する場合、処理量に応じて現像液が疲労してくるので、補充液または新鮮な現像液を用いて処理能力を回復させてもよい。本発明のポジ型平版印刷版の画像形成方法においてもこの補充方式が好ましく適用される。
(現像処理)
本発明におけるpH2〜10の水溶液による現像処理は、現像液の供給手段および擦り部材を備えた自動処理機により好適に実施することができる。自動処理機としては、例えば、画像記録後の平版印刷版材料を搬送しながら擦り処理を行う、特開平2−220061号、特開昭60−59351号各公報に記載の自動処理機や、シリンダー上にセットされた画像記録後の平版印刷版材料を、シリンダーを回転させながら擦り処理を行う、米国特許5148746号、同5568768号、英国特許2297719号に記載の自動処理機等が挙げられる。なかでも、擦り部材として、回転ブラシロールを用いる自動処理機が特に好ましい。
本発明に好ましく使用できる回転ブラシロールは、画像部の傷つき難さ、さらには、平版印刷版材料の支持体の腰の強さ等を考慮して適宜選択することができる。上記回転ブラシロールとしては、ブラシ素材をプラスチックまたは金属のロールに植え付けて形成された公知のものが使用できる。例えば、特開昭58−159533号公報や、特開平3−100554号公報記載のものや、実公昭62−167253号公報に記載されているような、ブラシ素材を列状に植え込んだ金属またはプラスチックの溝型材を芯となるプラスチックまたは金属のロールに隙間なく放射状に巻き付けたブラシロールが使用できる。
また、ブラシ素材としては、プラスチック繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロン6.6、ナイロン6.10等のポリアミド系、ポリアクリロニトリル、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル等のポリアクリル系、および、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン系の合成繊維)を使用することができ、例えば、繊維の毛の直径は、20〜400μm、毛の長さは、5〜30mmのものが好適に使用できる。
さらに、回転ブラシロールの外径は、30〜200mmが好ましく、版面を擦るブラシの先端の周速は、0.1〜5m/secが好ましい。また、回転ブラシロールは、2本以上の複数本用いることが好ましい。
本発明に用いる回転ブラシロールの回転方向は、本発明の平版印刷版材料の搬送方向に対し、同一方向であっても、逆方向であってもよいが、2本以上の回転ブラシロールを使用する場合は、少なくとも1本の回転ブラシロールが、同一方向に回転し、少なくとも1本の回転ブラシロールが、逆方向に回転することが好ましい。これにより、非画像部の感熱層の除去が、さらに確実となる。さらに、回転ブラシロールを、ブラシロールの回転軸方向に揺動させることも効果的である。
上述の組成からなる現像液で現像処理された赤外レーザ感熱性の平版印刷版材料は水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体等を主成分とするフィニッシャーや保護ガム液で後処理を施される。本発明に係る赤外レーザ感熱性の平版印刷版材料の後処理には、これらの処理を種々組み合わせて用いることができ、例えば、現像後→水洗→界面活性剤を含有するリンス液処理や現像→水洗→フィニッシャー液による処理が、リンス液やフィニッシャー液の疲労が少なく好ましい。
更に、リンス液やフィニッシャー液を用いた多段向流処理も好ましい態様である。これらの後処理は、一般に現像部と後処理部とからなる自動現像機を用いて行われる。又本発明の様に低pHで処理するプレートに関しては、現像剤と親水性保護剤とが合わされた処理液で処理する事も好ましい態様であり、この場合、現像→乾燥で刷版作成が完了され非常に好ましい。
後処理液は、スプレーノズルから吹き付ける方法、処理液が満たされた処理槽中を浸漬搬送する方法が用いられる。また、現像後一定量の少量の水洗水を版面に供給して水洗し、その廃液を現像液原液の希釈水として再利用する方法も知られている。
このような自動処理においては、各処理液に処理量や稼働時間等に応じてそれぞれの補充液を補充しながら処理することができる。また、実質的に未使用の後処理液で処理する、いわゆる使い捨て処理方式も適用できる。このような処理によって得られた平版印刷版は、オフセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用いられる。
(消去)
本発明においては、画像露光し、現像し、水洗及び/又はリンス及び/又はガム引きして得られた平版印刷版に不必要な画像部(例えば原画フイルムのフイルムエッジ跡など)がある場合には、その不必要な画像部の消去が行われる。このような消去は、例えば特公平2−13293号、特開平10−186679号、特開2003−122026号、特開2005−221961号公報に記載されているような消去液を不必要画像部に塗布し、そのまま所定の時間放置したのちに水洗することにより行う方法が好ましい。また特開平59−174842号公報に記載されているようなオプティカルファイバーで導かれた活性光線を不必要画像部に照射したのち現像する方法も利用できる。
(バーニング処理)
より一層の高耐刷力平版印刷版としたい場合には、所望によりバーニング処理が施される。
平版印刷版をバーニングする場合には、バーニング前に特公昭61−2518号、同55−28062号、特開昭62−31859号、同61−159655号の各公報に記載されているような整面液で処理することが好ましい。
その方法としては、該整面液を浸み込ませたスポンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整面液を満たしたバット中に平版印刷版を浸漬して塗布する方法や、自動コーターによる塗布などが適用される。また、塗布した後でスキージ、あるいは、スキージローラーで、その塗布量を均一にすることは、より好ましい結果を与える。
整面液の塗布量は、一般に0.03〜0.8g/m(乾燥質量)が適当である。整面液が塗布された平版印刷版は必要であれば乾燥された後、バーニングプロセッサー(たとえばバーニングプロセッサー:「BP−1300」、富士フイルム(株)製)などで高温に加熱される。この場合の加熱温度及び時間は、画像を形成している成分の種類にもよるが、180〜300℃の範囲で1〜20分の範囲が好ましい。
バーニング処理された平版印刷版は、必要に応じて適宜、水洗、ガム引きなどの従来より行われている処理を施こすことができるが水溶性高分子化合物等を含有する整面液が使用された場合にはガム引きなどのいわゆる不感脂化処理を省略することができる。この様な処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
(印刷)
印刷は、一般的な平版印刷機を用いて行うことができる。
近年印刷業界においても環境保全が叫ばれ、印刷インキにおいては石油系の揮発性有機化合物(VOC)を使用しないインキが開発されその普及が進みつつあるが、本発明の効果はこのような環境対応の印刷インキを使用した場合に特に顕著である。
環境対応の印刷インキとしては大日本インキ化学工業社製の大豆油インキ“ナチュラリス100”、東洋インキ社製のVOCゼロインキ“TKハイエコーNV”、東京インキ社製のプロセスインキ“ソイセルボ”等があげられる。
《機上現像印刷》
また、本発明のポジ型平版印刷版の画像形成方法は、本発明のポジ型平版印刷版材料を露光し、印刷機に装填し湿し水及び/又は印刷インキにて露光部を除去することを特徴とする。
本発明においては、本発明のポジ型平版印刷版材料を露光し、印刷機に装填し湿し水及び/又は印刷インキにて露光部を除去することでポジ型平版印刷版の画像形成をすること、更には、そのままひきつずき、印刷することにより機上現像印刷を行うことができる。
印刷は、一般的な平版印刷機を用いて行うことができる。
近年印刷業界においても環境保全が叫ばれ、印刷インキにおいては石油系の揮発性有機化合物(VOC)を使用しないインキが開発されその普及が進みつつあるが、本発明の効果はこのような環境対応の印刷インキを使用した場合に特に顕著である。
環境対応の印刷インキとしては大日本インキ化学工業社製の大豆油インキ“ナチュラリス100”、東洋インキ社製のVOCゼロインキ“TKハイエコーNV”、東京インキ社製のプロセスインキ“ソイセルボ”等があげられる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。尚、特に断りない限り、実施例中の「部」あるいは「%」の表示は、「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
(支持体の作製)
厚さ0.24mmのアルミニウム板(材質1050、調質H16)を、50℃の5質量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、溶解量が2g/mになるように溶解処理を行い水洗した後、25℃の10質量%硝酸水溶液中に30秒間浸漬し、中和処理した後水洗した。次いで、このアルミニウム板を塩酸10g/L、アルミ0.5g/L含有する電解液により、正弦波の交流を用いて、電流密度が60A/dmの条件で電解粗面化処理を行った。
この際の電極と試料表面との距離は10mmとした。電解粗面化処理は12回に分割して行い、一回の処理電気量(陽極時)を80C/dmとし、合計で960C/dmの処理電気量(陽極時)とした。また各回の粗面化処理の間に1秒間の休止時間を設けた。
電解粗面化後は50℃に保たれた10質量%燐酸水溶液中に浸漬して、粗面化された面のスマット含めた溶解量が1.2g/mになるようにエッチングし、水洗した。次いで20質量%硫酸水溶液中で、20Vの定電圧条件で電気量が250C/dmとなるように陽極酸化処理を行い、更に水洗した。次いで水洗後の表面水をスクィーズした後、85℃に保たれた2質量%の3号珪酸ソーダ水溶液に30秒間浸漬し、水洗を行った後に、0.4質量%のポリビニルホスホン酸60℃で30秒間浸漬し、水洗した。表面をスクィーズして、直ちに75℃で20秒間熱処理を行い、支持体を得た。
支持体の平均粗さは、SE1700α(小坂研究所(株))を用いて測定したところ、0.55μmであった。ポリビニルホスホン酸の膜厚は0.01μmであった。
(塗布乾燥)
上記表面処理済み支持体上に、下記組成の赤外感光層塗布液を乾燥時1.3g/mになるよう押し出しコーターで塗布し、110℃で1.0分間乾燥した。さらに600mm×400mmのサイズに断裁した後、作製した平版印刷版材料を23℃50%に調湿された合紙(NCR紙スーパーN40:三菱製紙社製)をはさんで200枚積み上げた。この状態で感光層を塗布乾燥した後、55℃で48時間エージング処理を行った。
(赤外感光層塗布液)
(A)重量平均分子量1000以上のフェノール性水酸基を有する高分子結合材、等:(表1に記載の種類) (表1に記載の質量部)
(C)25℃の純水に1質量%以上溶解する化合物、等:(表1に記載の種類)
(表1に記載の質量部)
その他樹脂(PMI:メタクリルアミド:MAA=30:45:25の共重合体)
(表1に記載の質量部)
赤外線吸収色素(染料1) 3.0質量部
トリアリルメタン系染料(OIL BLUE 613オリエント化学工業社製)
1.0質量部
酸分解化合物A 2.0質量部
酸発生剤:TAZ−107(みどり化学社製) 4.0質量部
フッソ系界面活性剤;メガファック F−178K(大日本インキ化学工業製)
0.05質量部
溶剤:γ−ブチロラクトン/メチルエチルケトン/1−メトキシ−2−プロパノール(1/2/1) 908.9質量部
尚、赤外感光層塗布液に含まれる(C)に該当する素材以外は、全て25℃純水に不溶である事を確認した。
Figure 2010032610
PMI:フェニルマレイミド
MAA:メタクリル酸
(露光、現像)
平版印刷版材料について、大日本スクリーン製造株式会社製 PTR−4300を用い、ドラム回転数600rpm、レーザ出力30〜100%に変化させて、解像度2400dpi(dpiとは2.54cm当たりのドットの数をいう)で175線相当の網点画像露光を行った。
露光後の版は、バットに純水を満たし40℃で最大60秒間、PSスポンジ(富士フイルム社製)で擦りながら現像処理を行い、目視で以下の評価を行った。
《評価》
〈現像性〉
60秒間のこすり現像で、露光部/未露光部の現像速度に差がある事が確認され、画像形成できるかを現像性と現像開始時間に着目して下記の項目について評価した。
(画像形成能力)
×:露光部/未露光部に現像性の差が見られない(現像不良、または、全て溶出)
○:露光部/未露光部に現像性の差が見られる
(現像開始時間)
露光部が溶出又は擦り取られ始める時間(秒)
〈感度〉
平版印刷版材料について、レーザの露光エネルギーを変化させながら、100%ベタ画像露光後、現像した画像の各エネルギーの濃度を濃度計〔D196:GRETAG社製〕で測定する。現像後の濃度が、未塗布部の支持体濃度+0.01となるエネルギー量を感度とした。
Figure 2010032610
(A)重量平均分子量1000以上のフェノール性水酸基を有する高分子結合材、等:
EP4080G:m−クレゾール/p−クレゾール共重合体、重量平均分子量=4303、旭有機材工業社製
(C)25℃の純水に1質量%以上溶解する化合物、等:
PEG#4000:ポリエチレングリコール、重量平均分子量=3000、25℃の純水に5質量%以上溶解する、日本油脂社製
表1から、本発明の場合には、感度、現像性(画像形成能力、現像開始時間)に優れていることがわかる。
本発明の場合には、低pHの現像液での現像処理でも、感度、現像性(画像形成能力、現像開始時間)に優れた、従って、作業性、安全性、環境適性にも優れた、ポジ型平版印刷版材料およびポジ型平版印刷版の画像形成方法を提供できることがわかる。
実施例2
25℃純水に溶解する化合物:(C)を下記の表2記載の種類の化合物、質量部の如くにした以外は実施例1と同様にして平版印刷版料材を作製し評価を行った。
結果を合わせて表2に示す。
Figure 2010032610
(A)重量平均分子量1000以上のフェノール性水酸基を有する高分子結合材、等:
EP4020G:重量平均分子量=11136、旭有機材工業社製
SK−321:重量平均分子量=1072、住友デュレズ(株)
SK−322:重量平均分子量=784、住友デュレズ(株)
(C)25℃の純水に1質量%以上溶解する化合物、等:
KW−10:ポリビニルアセタール、重量平均分子量=33000、積水化学社製
KX−5:ポリビニルアセタール、重量平均分子量=25000、積水化学社製
K−30:ポリビニルピロリドン、重量平均分子量=40000、ISPジャパン社製
AC10S:ポリアクリル酸、重量平均分子量=5500、日本純薬社製
CMC1105:ポリカルボキシメチルセルロース、重量平均分子量=5000、ダイセル社製
ゼラチン:アルカリオセインゼラチン、重量平均分子量=10万、新田ゼラチン社製
表2から、本発明の場合には、感度、現像性(画像形成能力、現像開始時間)に優れていることがわかる。
本発明の場合には、低pHの現像液での現像処理でも、感度、現像性(画像形成能力、現像開始時間)に優れた、従って、作業性、安全性、環境適性にも優れた、ポジ型平版印刷版材料およびポジ型平版印刷版の画像形成方法を提供できることがわかる。
実施例3
実施例1で作製した平版印刷版材料No.8(本発明の感材)を露光後、現像せずに以下の印刷条件で印刷した。その結果、機上現像印刷でも、良好な印刷物を得られる事を確認した。
感度、現像性(画像形成能力、現像開始時間)、の点で十分ではなく従来実用化ができなかったポジ型平版印刷版材料でも、本発明の場合には、機上現像印刷で、良好な印刷物を得られる事を確認した。機上現像印刷により良好な印刷物を即時性、簡便性に優れて得られる事を確認した。
(印刷条件)
印刷機:DAIYA1F−1:三菱重工業社製
紙:コート紙(再生パルプ含有率20%北越製紙社製)
ブランケット:SR100(SRIハイブリッド社製)
印刷インキ:大豆油インキ ナチュラリス100(Y,M,C,K):大日本インキ化学工業社製
湿し水:Fountain Solution 3451U(4質量%)、Alkaless6000(3質量%) Prisco社製(pH:3.9)
印刷スピード:4000枚/時の条件で、スタート時に湿し水を供給し、30秒後に印刷スタート
自動現像処理機の構造を示す説明図である。
符号の説明
61 回転ブラシロール
62 受けロール
63 搬送ロール
64 搬送ガイド板
65 スプレーパイプ
66 管路
67 フィルター
68 給版台
69 排版台
70 現像液タンク
71 循環ポンプ
72 版

Claims (4)

  1. アルミニウム支持体上に少なくとも一層の感光層を有し、該感光層に(A)重量平均分子量1000以上のフェノール性水酸基を有する高分子結合材、(B)光熱変換材、及び(C)25℃の純水に1質量%以上溶解する水溶性化合物を含有するポジ型平版印刷版材料であって、該感光層が該(C)の水溶性化合物を該感光層全組成分の20質量%以上含有し、且つ(C)/(A)≧1であることを特徴とするポジ型平版印刷版材料。
  2. 前記(C)の水溶性化合物が重量平均分子量が1000以上であることを特徴とする請求項1に記載のポジ型平版印刷版材料。
  3. 請求項1または2に記載のポジ型平版印刷版材料を露光し、pH2.5〜10の範囲の処理液にて現像処理することを特徴とするポジ型平版印刷版の画像形成方法。
  4. 請求項1または2に記載のポジ型平版印刷版材料を露光し、印刷機に装填し湿し水又は印刷インキにて露光部を除去することを特徴とするポジ型平版印刷版の画像形成方法。
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