JP2010029622A - 洗浄水電解型超音波式口腔洗浄システム - Google Patents

洗浄水電解型超音波式口腔洗浄システム Download PDF

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JP2010029622A JP2008217308A JP2008217308A JP2010029622A JP 2010029622 A JP2010029622 A JP 2010029622A JP 2008217308 A JP2008217308 A JP 2008217308A JP 2008217308 A JP2008217308 A JP 2008217308A JP 2010029622 A JP2010029622 A JP 2010029622A
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康幸 菅野
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Abstract

【課題】歯肉溝内の洗浄と殺菌消毒、並びに好気化を目的とする口腔洗浄システムの開発をする。
【解決手段】放水機能を有した口腔洗浄器に水の電気分解回路を設置して、電極間を通過する洗浄水の一部を電気分解し、生じる電解生成物を洗浄水に含ませること。
【選択図】図4

Description

本発明は、洗浄水の一部を電気分解して生じる電解生成物を洗浄水に含ませて、口腔内の洗浄を行うことを目的とした口腔洗浄システムに関するものである。
一般的に、歯牙は生体内から生体外に貫通している一つの特殊な臓器と考えることができ、歯牙の歯頚部においてこれを取り巻く歯周組織は、健康な状態でも2mm〜3mmの深さの歯肉溝を形成して、生体内から生体外へと移行する特殊な環境を呈している。その為、歯肉溝は常に生体外微生物の侵入にさらされ易く、生体防御の最前線が形成されているが、その構造上、歯肉溝内部にはブラシが入り難く、不潔になり易い欠点があった。それ故、一旦炎症が生じて歯肉が腫脹し歯肉溝が深化した場合には、歯ブラシによる歯肉溝内部の清掃が更に困難となって内部環境が嫌気性化し、歯周病原菌が増殖し易い環境となって歯周疾患が更に進行するという、悪循環を生じる恐れが大きかった。
その一方で、歯周病原菌は好気的な環境では増殖できないこと、水の電気分解に際しては、陽極側の水の中に分子状酸素が多く溶解し、殺菌消毒作用のある活性酸素等も含まれていること、超音波式口腔洗浄器では、非接触洗浄作用があること等が知られていた。
しかしながら、従来の口腔洗浄器では、上水道の水をそのまま使用することが一般的であったため、口腔内に放水される洗浄水自体には、歯肉溝内を好気的に改善するための積極的な生物学的作用や殺菌消毒作用等が無く、歯肉溝内深部には洗浄水が入り込めない洗浄上の死腔も生じていたため、十分な洗浄は困難であった。
また、タービン機構を用いて洗浄水に気泡を混入する口腔洗浄器では、微小な気泡が持つ物理的洗浄作用の利用が目的であった他、歯ブラシのハンドル部に陽極、ヘッド部に陰極を設置した歯ブラシでは、電気的に帯電している歯垢と帯電させた歯ブラシとの間で、静電気的な力を作用させ、歯垢の機械的な除去に助することを目的とするものであり、洗浄水に通電して電気化学反応を起こし、それによって生じる電解生成物の生物学的な利用を目的とするものではなかった。
歯周疾患の予防には、歯肉溝内部の洗浄と殺菌消毒の他、歯周組織のマッサージと歯肉溝内を好気的な環境に保つことが相乗効果を生むと考えられ、それらを達成することの可能な口腔洗浄システムの開発が望まれていた。
本発明は、歯肉溝内の洗浄と殺菌消毒、並びに好気化を目的とする口腔洗浄システムの開発を課題とするものである。
本発明は、放水機能を有する口腔洗浄器に水の電気分解回路を設置して、電極間を通過する洗浄水の一部を電気分解し、生じる電解生成物を洗浄水に含ませることを手段とするものである。
本実施例は、スポットフォ−カス型超音波振動子を用いた超音波式口腔洗浄器に、電極と電源、可変抵抗器、連動スイッチ等を構成要素とする水の電気分解回路を設置したもので、図面にもとづいて説明する。
1) 図1は、本実施例の構成を示す斜視図で、
i 内部に電極を設置したノズル(1)と、基底部に超音波振動子が設置されたヘッド(2)、並びに送水用加圧ポンプ制御回路のスイッチ(4)が設置されたハンドル(3)とからなるハンドピース
ii ハンドピースと接続し、送水用加圧ポンプ制御回路、電気分解回路、超音波発振制御回路のそれぞれのリード線をまとめたリード線帯(8)と送水用チューブ(6)をカバーし、末端において送水用チューブコネクター(7)と電気回路コネクター(9)を備えたホース部(5)
iii 洗浄水貯水タンク(11)と送水用加圧ポンプ、並びに送水用加圧ポンプ制御回路、超音波発振制御回路とそれらの電源、電極部を除いた電気分解回路等を内部に設置し、それぞれの電気回路リード線をまとめた電気回路コネクター(17)と送水用チューブコネクター(18)、超音波発振制御回路スイッチ(14)と超音波発振制御ダイアル(13)、電気分解回路連動スイッチ(16)と電気分解速度制御ダイアル(15)、送水用加圧ポンプ制御ダイアル(12)等を表面に配置してなる本体(10)を示すものである。
2) 図2は、本実施例の電気系と送水系の主要構成要素図で、送水用加圧ポンプ(22)、送水用加圧ポンプ制御回路(23)とその電源(24)、超音波発振制御回路(28)とその電源(29)、スイッチ(14)、並びに電極部を除いた電気分解回路等を本体側に設置し、超音波振動子(27)と電気分解回路の電極(32)(33)、送水用加圧ポンプ制御回路スイッチ(4)等をハンドピース側に設置して、ハンドピース側と本体側を、ホース部側のコネクター(7)、(9)と、本体側のコネクター(18)、(17)で接続することを示すもので、(a)はヘッド部、(b)はハンドル部、(c)はホース部、(d)は本体部の区分を示し、ハンドピースはヘッド部とハンドル部から構成されることを示すものである。
3) 図3は、本実施例のヘッド(2)部の開窓図で、中が中空の超音波照射槽(20)底に設置された超音波振動子(27)と、超音波照射槽側壁に送水用チューブが開口する給水口(21)を示したものである。
4) 図4は、ヘッド部に設置した、陰陽の電極(32)、(33)を含む縦断面図で、ヘッド部基底に設置された超音波振動子(27)と、中が中空の超音波照射槽(20)、並びにノズル(1)と放水口(19)の関係を示すものである。
5) 図5は、ノズル(1)中央部の横断面図であり、樹脂製外套層を持つノズルの内面に、陰と陽の一組の電極(32)、(33)を対向させて設置したことを示すものである。
以上のようにして成る請求項1の、洗浄水電解型口腔洗浄システム。
その他の実施例として、超音波を用いない従来型の口腔洗浄器に水の電気分解回路を設置した、簡易型の洗浄水電解型口腔洗浄システムが可能であるが、安価に製造できる利点がある一方で、非接触的洗浄作用やその他の機能において劣る欠点がある。
発明の効果
本実施例の効果を下記に示す。
1.洗浄水貯水タンクの水に微量の電解質を添加することによって、ノズル内の電極間を通過する洗浄水の一部を電気分解することが可能であり、生じた電解生成物を洗浄水に含ませて、そのまま放水することが可能である。これによって、貯水タンクに残る洗浄水の電解質濃度が変わらずに一定なため、安全で安定した電気分解が可能である。
また、比較的小さな容積のノズルの内側に電極が設置されているため、水の単位重量当たりの電気量を比較的小さな電圧で確保することができ、口腔内においても安全に水の電気分解ができる。
さらに、電極の極性を相互に逆転しても分解機能が変わらないことから、電極の極性を交互に変換することによって電極の劣化を防ぐことが可能である。
2.電極表面が超音波振動による加速度、放射圧、直進流等を受ける条件下で、分子状酸素や活性酸素、あるいは分子状水素や活性水素等を発生させるため、電極に気泡が付着しにくく、電極の機能を保ちながら電解生成物を迅速に多量に洗浄水に溶解することが可能である。
3.洗浄水と歯肉溝液にも超音波の放射圧、加速度、直進流等の作用が及ぶことから、歯肉溝液と洗浄水との置換、あるいは電解洗浄水に含まれる電解生成物の歯肉溝液への浸透と拡散が促進され、歯肉溝深部においても効率的な洗浄と好気化が行われる。
4.水の電気分解によって、陽極側では殺菌消毒作用と酸化作用を有する酸化電位水が生成され、陰極側では還元作用を有する電解還元水が生成される。しかし本発明では、それらがすぐに混ざり合うため、ほとんどの活性が失われるが、電極を設置したノズルと被洗浄部との距離が小さく、電解を受けた洗浄水が短時間で歯肉溝に到達することから、微量ながらも歯肉溝内での活性酸素や活性水素の残存を期待することができる。
残存した活性酸素は殺菌消毒作用の発現に際して消耗し、その量が減少する。一方、活性水素は殺菌消毒作用では消耗しないため、電気的には水素イオンが多く残存して、洗浄域を還元的雰囲気に保つことが期待出来る。これによって、歯牙や補綴金属の酸蝕を防ぎながら、歯肉溝内を殺菌消毒する効果が期待できる。
5.電解速度を調節することによって、分子状酸素や分子状水素を微小な気泡として水中に発現させることができる。酸素の微小な気泡は水中で消滅する際に、洗浄作用と殺菌消毒作用を発揮して水中に溶解することから、歯肉溝内の洗浄と殺菌消毒ばかりでなく、好気化にも大きな効果を発揮することがきる。一方、水素の存在は、酸素の嫌気性菌増殖抑制作用を妨げるものではない。
6.本実施例では超音波洗浄との組み合わせによって、歯肉溝内の洗浄と殺菌消毒、好気化、歯周組織のマッサージ等を、非接触的に行うことができることから、直接接触しなければ効果を発揮できなかった従来の歯ブラシの欠点を補い、より大きな予防効果を発揮することができる。
以上の結果、歯周疾患の予防に大きな効果を期待することができる他、歯周疾患との関連が指摘されている心内膜炎、動脈硬化、腎炎、妊娠トラブル、糖尿病等の予防にも、効果を期待することができる。
実施例1の斜視図である。 実施例1の主要構成要素図である。 実施例1のヘッド部の開窓図である。 実施例1のヘッド部の縦断面図である。 実施例1のノズルの横断面図である。
符号の説明
1.ノズル
2.ヘッド
3.ハンドル
4.送水用加圧ポンプ制御回路スイッチ
5.ホース
6.送水用チューブ
7.送水用チューブコネクター
8.電気回路リード線帯
9.電気回路コネクター
10.システム本体
11.洗浄水貯水タンク
12.送水用加圧ポンプ制御ダイアル
13.超音波発振制御ダイアル
14.超音波発振制御回路スイッチ
15.電気分解速度制御ダイアル
16.電気分解回路連動スイッチ
17.電気回路リード線コネクター
18.送水用チューブコネクター
19.放水口
20.超音波照射槽
21.給水口
22.送水用加圧ポンプ
23.送水用加圧ポンプ制御回路
24.送水用加圧ポンプ電源
25.送水用加圧ポンプ制御回路リード線
26.送水用加圧ポンプ制御回路リード線
27.スポットフォ−カス型超音波振動子
28.超音波発振制御回路
29.超音波発振制御回路電源
30.超音波発振制御回路リード線
31.超音波発振制御回路リード線
32.電気分解回路電極1
33.電気分解回路電極2
34.電気分解回路電源
35.電気分解回路可変抵抗器
36.電気分解回路リード線1
37.電気分解回路リード線2
38.ハンドピース外套層
本発明は、洗浄水の一部を電気分解して生じる電解生成物を洗浄水に含ませて、口腔内の超音波洗浄を行うことを目的とした超音波式口腔洗浄システムに関するものである。
一般的に、歯牙は生体内から生体外に貫通している一つの特殊な臓器と考えることができ、歯牙の歯頚部においてこれを取り巻く歯周組織は、健康な状態でも2mm〜3mmの深さの歯肉溝を形成して、生体内から生体外へと移行する特殊な環境を呈している。その為、歯肉溝は常に生体外微生物の侵入にさらされ易く、生体防御の最前線が形成されているが、その構造上、歯肉溝内部にはブラシが入り難く、不潔になり易い欠点があった。それ故、一旦炎症が生じて歯肉が腫脹し歯肉溝が深化した場合には、歯ブラシによる歯肉溝内部の清掃が更に困難となって内部環境が嫌気性化し、歯周病原菌が増殖し易い環境となって歯周疾患が更に進行するという、悪循環を生じる恐れが大きかった。
その一方で、歯周病原菌は好気的な環境では増殖できないこと、水の電気分解に際しては、陽極側の水の中に分子状酸素が多く溶解し、殺菌消毒作用のある活性酸素等も含まれていること、超音波式口腔洗浄器では、非接触洗浄作用があること等が知られていた。
しかしながら、従来の口腔洗浄器では、上水道の水をそのまま使用することが一般的であったため、口腔内に放水される洗浄水自体には、歯肉溝内を好気的に改善するための積極的な生物学的作用や殺菌消毒作用等が無く、歯肉溝内深部には洗浄水が入り込めない洗浄上の死腔も生じていたため、十分な洗浄は困難であった。
また、タービン機構を用いて洗浄水に気泡を混入する口腔洗浄器では、微小な気泡が持つ物理的洗浄作用の利用が目的であった他、歯ブラシのハンドル部に陽極、ヘッド部に陰極を設置した歯ブラシでは、電気的に帯電している歯垢と帯電させた歯ブラシとの間で、静電気的な力を作用させ、歯垢の機械的な除去に助することを目的とするものであり、洗浄水に通電して電気化学反応を起こし、それによって生じる電解生成物の生物学的な利用を目的とするものではなかった。
歯周疾患の予防には、歯肉溝内部の洗浄と殺菌消毒の他、歯周組織のマッサージと歯肉溝内を好気的な環境に保つことが相乗効果を生むと考えられ、それらを達成することの可能な口腔洗浄システムの開発が望まれていた。
本発明は、歯肉溝内の洗浄と殺菌消毒、並びに好気化を目的とする超音波式口腔洗浄システムの開発を課題とするものである。
本発明は、放水機能を有する超音波式口腔洗浄器に水の電気分解回路を設置して、電極間を通過する洗浄水の一部を超音波暴露下で電気分解し、生じる電解生成物を洗浄水に含ませることを手段とするものである。
本実施例は、スポットフォ−カス型超音波振動子を用いた超音波式口腔洗浄器に、電極と電源、可変抵抗器、連動スイッチ等を構成要素とする水の電気分解回路を設置したもので、図面にもとづいて説明する。
1) 図1は、本実施例の構成を示す斜視図で、
i 内部に電極を設置したノズル(1)と、基底部に超音波振動子が設置されたヘッド(2)、並びに送水用加圧ポンプ制御回路のスイッチ(4)が設置されたハンドル(3)とからなるハンドピース
ii ハンドピースと接続し、送水用加圧ポンプ制御回路、電気分解回路、超音波発振制御回路のそれぞれのリード線をまとめたリード線帯(8)と送水用チューブ(6)をカバーし、末端において送水用チューブコネクター(7)と電気回路コネクター(9)を備えたホース部(5)
iii 洗浄水貯水タンク(11)と送水用加圧ポンプ、並びに送水用加圧ポンプ制御回路、超音波発振制御回路とそれらの電源、電極部を除いた電気分解回路等を内部に設置し、それぞれの電気回路リード線をまとめた電気回路コネクター(17)と送水用チューブコネクター(18)、超音波発振制御回路スイッチ(14)と超音波発振制御ダイアル(13)、電気分解回路連動スイッチ(16)と電気分解速度制御ダイアル(15)、送水用加圧ポンプ制御ダイアル(12)等を表面に配置してなる本体(10)を示すものである。
2) 図2は、本実施例の電気系と送水系の主要構成要素図で、送水用加圧ポンプ(22)、送水用加圧ポンプ制御回路(23)とその電源(24)、超音波発振制御回路(28)とその電源(29)、スイッチ(14)、並びに電極部を除いた電気分解回路等を本体側に設置し、超音波振動子(27)と電気分解回路の電極(32)(33)、送水用加圧ポンプ制御回路スイッチ(4)等をハンドピース側に設置して、ハンドピース側と本体側を、ホース部側のコネクター(7)、(9)と、本体側のコネクター(18)、(17)で接続することを示すもので、(a)はヘッド部、(b)はハンドル部、(c)はホース部、(d)は本体部の区分を示し、ハンドピースはヘッド部とハンドル部から構成されることを示すものである。
3) 図3は、本実施例のヘッド(2)部の開窓図で、中が中空の超音波照射槽(20)底に設置された超音波振動子(27)と、超音波照射槽側壁に送水用チューブが開口する給水口(21)を示したものである。
4) 図4は、ヘッド部に設置した、陰陽の電極(32)、(33)を含む縦断面図で、ヘッド部基底に設置された超音波振動子(27)と、中が中空の超音波照射槽(20)、並びにノズル(1)と放水口(19)の関係を示すものである。
5) 図5は、ノズル(1)中央部の横断面図であり、樹脂製外套層を持つノズルの内面に、陰と陽の一組の電極(32)、(33)を対向させて設置したことを示すものである。
以上のようにして成る請求項1の、洗浄水電解型超音波式口腔洗浄システム。
発明の効果
本実施例の効果を下記に示す。
1.洗浄水貯水タンクの水に微量の電解質を添加することによって、ノズル内の電極間を通過する洗浄水の一部を電気分解することが可能であり、生じた電解生成物を洗浄水に含ませて、そのまま放水することが可能である。これによって、貯水タンクに残る洗浄水の電解質濃度が変わらずに一定なため、安全で安定した電気分解が可能である。
また、比較的小さな容積のノズルの内側に電極が設置されているため、水の単位重量当たりの電気量を比較的小さな電圧で確保することができ、口腔内においても安全に水の電気分解ができる。
さらに、電極の極性を相互に逆転しても分解機能が変わらないことから、電極の極性を交互に変換することによって電極の劣化を防ぐことが可能である。
2.電極表面が超音波振動による加速度、放射圧、直進流等を受ける条件下で、分子状酸素や活性酸素、あるいは分子状水素や活性水素等を発生させるため、電極に気泡が付着しにくく、電極の機能を保ちながら電解生成物を迅速に多量に洗浄水に溶解することが可能である。
3.洗浄水と歯肉溝液にも超音波の放射圧、加速度、直進流等の作用が及ぶことから、歯肉溝液と洗浄水との置換、あるいは電解洗浄水に含まれる電解生成物の歯肉溝液への浸透と拡散が促進され、歯肉溝深部においても効率的な洗浄と好気化が行われる。
4.水の電気分解によって、陽極側では殺菌消毒作用と酸化作用を有する酸化電位水が生成され、陰極側では還元作用を有する電解還元水が生成される。しかし本発明では、それらがすぐに混ざり合うため、ほとんどの活性が失われるが、電極を設置したノズルと被洗浄部との距離が小さく、電解を受けた洗浄水が短時間で歯肉溝に到達することから、微量ながらも歯肉溝内での活性酸素や活性水素の残存を期待することができる。
残存した活性酸素は殺菌消毒作用の発現に際して消耗し、その量が減少する。一方、活性水素は殺菌消毒作用では消耗しないため、洗浄域を還元的雰囲気に保つことが期待出来る。これによって、歯牙や補綴金属の酸蝕を防ぎながら、歯肉溝内を殺菌消毒する効果が期待できる。
5.電解速度を調節することによって、分子状酸素や分子状水素を微小な気泡として水中に発現させることができる。酸素の微小な気泡は水中で消滅する際に、洗浄作用と殺菌消毒作用を発揮して水中に溶解することから、歯肉溝内の洗浄と殺菌消毒ばかりでなく、好気化にも大きな効果を発揮することがきる。一方、水素の存在は、酸素の嫌気性菌増殖抑制作用を妨げるものではない。
6.本実施例では超音波洗浄との組み合わせによって、歯肉溝内の洗浄と殺菌消毒、好気化、歯周組織のマッサージ等を、非接触的に行うことができることから、直接接触しなければ効果を発揮できなかった従来の歯ブラシの欠点を補い、より大きな予防効果を発揮することができる。
以上の結果、歯周疾患の予防に大きな効果を期待することができる他、歯周疾患との関連が指摘されている心内膜炎、動脈硬化、腎炎、妊娠トラブル、糖尿病等の予防にも、効果を期待することができる。
実施例1の斜視図である。 実施例1の主要構成要素図である。 実施例1のヘッド部の開窓図である。 実施例1のヘッド部の縦断面図である。 実施例1のノズルの横断面図である。
符号の説明
1.ノズル
2.ヘッド
3.ハンドル
4.送水用加圧ポンプ制御回路スイッチ
5.ホース
6.送水用チューブ
7.送水用チューブコネクター
8.電気回路リード線帯
9.電気回路コネクター
10.システム本体
11.洗浄水貯水タンク
12.送水用加圧ポンプ制御ダイアル
13.超音波発振制御ダイアル
14.超音波発振制御回路スイッチ
15.電気分解速度制御ダイアル
16.電気分解回路連動スイッチ
17.電気回路リード線コネクター
18.送水用チューブコネクター
19.放水口
20.超音波照射槽
21.給水口
22.送水用加圧ポンプ
23.送水用加圧ポンプ制御回路
24.送水用加圧ポンプ電源
25.送水用加圧ポンプ制御回路リード線
26.送水用加圧ポンプ制御回路リード線
27.スポットフオ−カス型超音波振動子
28.超音波発振制御回路
29.超音波発振制御回路電源
30.超音波発振制御回路リード線
31.超音波発振制御回路リード線
32.電気分解回路電極1
33.電気分解回路電極2
34.電気分解回路電源
35.電気分解回路可変抵抗器
36.電気分解回路リード線1
37.電気分解回路リード線2
38.ハンドピース外套層
本発明は、洗浄水の一部を電気分解して生じる電解生成物を洗浄水に含ませて、口腔内の超音波洗浄を行うことを目的とした超音波式口腔洗浄システムに関するものである。
一般的に、歯牙は生体内から生体外に貫通している一つの特殊な臓器と考えることができ、歯牙の歯頚部においてこれを取り巻く歯周組織は、健康な状態でも2mm〜3mmの深さの歯肉溝を形成して、生体内から生体外へと移行する特殊な環境を呈している。その為、歯肉溝は常に生体外微生物の侵入にさらされ易く、生体防御の最前線が形成されているが、その構造上、歯肉溝内部にはブラシが入り難く、不潔になり易い欠点があった。それ故、一旦炎症が生じて歯肉が腫脹し歯肉溝が深化した場合には、歯ブラシによる歯肉溝内部の清掃が更に困難となって内部環境が嫌気性化し、歯周病原菌が増殖し易い環境となって歯周疾患が更に進行するという、悪循環を生じる恐れが大きかった。
その一方で、歯周病原菌は好気的な環境では増殖できないこと、水の電気分解に際しては、陽極側の水の中に分子状酸素が多く溶解し、殺菌消毒作用のある活性酸素等も含まれていること、超音波式口腔洗浄器では、非接触洗浄作用があること等が知られていた。
しかしながら、従来の口腔洗浄器では、上水道の水をそのまま使用することが一般的であったため、口腔内に放水される洗浄水自体には、歯肉溝内を好気的に改善するための積極的な生物学的作用や殺菌消毒作用等が無く、歯肉溝内深部には洗浄水が入り込めない洗浄上の死腔も生じていたため、十分な洗浄は困難であった。
また、タービン機構を用いて洗浄水に気泡を混入する口腔洗浄器では、微小な気泡が持つ物理的洗浄作用の利用が目的であった他、歯ブラシのハンドル部に陽極、ヘッド部に陰極を設置した歯ブラシでは、電気的に帯電している歯垢と帯電させた歯ブラシとの間で、静電気的な力を作用させ、歯垢の機械的な除去に助することを目的とするものであり、洗浄水に通電して電気化学反応を起こし、それによって生じる電解生成物の生物学的な利用を目的とするものではなかった。
歯周疾患の予防には、歯肉溝内部の洗浄と殺菌消毒の他、歯周組織のマッサージと歯肉溝内を好気的な環境に保つことが相乗効果を生むと考えられ、それらを達成することの可能な口腔洗浄システムの開発が望まれていた。
本発明は、歯肉溝内の洗浄と殺菌消毒、並びに好気化を目的とする超音波式口腔洗浄システムの開発を課題とするものである。
本発明は、放水機能を有する超音波式口腔洗浄器に水の電気分解回路を設置して、電極間を通過する洗浄水の一部を集束性超音波照射下で電気分解し、生じる酸素と水素を成分とする電解生成物を洗浄水に含ませることを手段とするものである。
本実施例は、スポットフォ−カス型超音波振動子を用いた超音波式口腔洗浄器に、電極と電源、可変抵抗器、連動スイッチ等を構成要素とする水の電気分解回路を設置したもので、図面にもとづいて説明する。
1) 図1は、本実施例の構成を示す斜視図で、
i 内部に電極を設置したノズル(1)と、基底部に超音波振動子が設置されたヘッド(2)、並びに送水用加圧ポンプ制御回路のスイッチ(4)が設置されたハンドル(3)とからなるハンドピース
ii ハンドピースと接続し、送水用加圧ポンプ制御回路、電気分解回路、超音波発振制御回路のそれぞれのリード線をまとめたリード線帯(8)と送水用チューブ(6)をカバーし、末端において送水用チューブコネクター(7)と電気回路コネクター(9)を備えたホース部(5)
iii 洗浄水貯水タンク(11)と送水用加圧ポンプ、並びに送水用加圧ポンプ制御回路、超音波発振制御回路とそれらの電源、電極部を除いた電気分解回路等を内部に設置し、それぞれの電気回路リード線をまとめた電気回路コネクター(17)と送水用チューブコネクター(18)、超音波発振制御回路スイッチ(14)と超音波発振制御ダイアル(13)、電気分解回路連動スイッチ(16)と電気分解速度制御ダイアル(15)、送水用加圧ポンプ制御ダイアル(12)等を表面に配置してなる本体(10)を示すものである。
2) 図2は、本実施例の電気系と送水系の主要構成要素図で、送水用加圧ポンプ(22)、送水用加圧ポンプ制御回路(23)とその電源(24)、超音波発振制御回路(28)とその電源(29)、スイッチ(14)、並びに電極部を除いた電気分解回路等を本体側に設置し、超音波振動子(27)と電気分解回路の電極(32)(33)、送水用加圧ポンプ制御回路スイッチ(4)等をハンドピース側に設置して、ハンドピース側と本体側を、ホース部側のコネクター(7)、(9)と、本体側のコネクター(18)、(17)で接続することを示すもので、(a)はヘッド部、(b)はハンドル部、(c)はホース部、(d)は本体部の区分を示し、ハンドピースはヘッド部とハンドル部から構成されることを示すものである。
3) 図3は、本実施例のヘッド(2)部の開窓図で、中が中空の超音波照射槽(20)底に設置された超音波振動子(27)と、超音波照射槽側壁に送水用チューブが開口する給水口(21)を示したものである。
4) 図4は、ヘッド部に設置した、陰陽の電極(32)、(33)を含む縦断面図で、ヘッド部基底に設置された超音波振動子(27)と、中が中空の超音波照射槽(20)、並びにノズル(1)と放水口(19)の関係を示すものである。
5) 図5は、ノズル(1)中央部の横断面図であり、樹脂製外套層を持つノズルの内面に、陰と陽の一組の電極(32)、(33)を対向させて設置したことを示すものである。
以上のようにして成る請求項1の、洗浄水電解型超音波式口腔洗浄システム。
発明の効果
本実施例の効果を下記に示す。
1.洗浄水貯水タンクの水に微量の電解質を添加することによって、ノズル内の電極間を通過する洗浄水の一部を電気分解することが可能であり、生じた電解生成物を洗浄水に含ませて、そのまま放水することが可能である。これによって、貯水タンクに残る洗浄水の電解質濃度が変わらずに一定なため、安全で安定した電気分解が可能である。
また、比較的小さな容積のノズルの内側に電極が設置されているため、水の単位重量当たりの電気量を比較的小さな電圧で確保することができ、口腔内においても安全に水の電気分解ができる。
さらに、電極の極性を相互に逆転しても分解機能が変わらないことから、電極の極性を交互に変換することによって電極の劣化を防ぐことが可能である。
2.電極表面が超音波振動による加速度、放射圧、直進流等を受ける条件下で、分子状酸素や活性酸素、あるいは分子状水素や活性水素等を発生させるため、電極に気泡が付着しにくく、電極の機能を保ちながら電解生成物を迅速に多量に洗浄水に溶解することが可能である。
3.洗浄水と歯肉溝液にも超音波の放射圧、加速度、直進流等の作用が及ぶことから、歯肉溝液と洗浄水との置換、あるいは電解洗浄水に含まれる電解生成物の歯肉溝液への浸透と拡散が促進され、歯肉溝深部においても効率的な洗浄と好気化が行われる。
4.水の電気分解によって、陽極側では殺菌消毒作用と酸化作用を有する酸化電位水が生成され、陰極側では還元作用を有する電解還元水が生成される。しかし本発明では、それらがすぐに混ざり合うため、ほとんどの活性が失われるが、電極を設置したノズルと被洗浄部との距離が小さく、電解を受けた洗浄水が短時間で歯肉溝に到達することから、微量ながらも歯肉溝内での活性酸素や活性水素の残存を期待することができる。
残存した活性酸素は殺菌消毒作用の発現に際して消耗し、その量が減少する。一方、活性水素は殺菌消毒作用では消耗しないため、洗浄域を還元的雰囲気に保つことが期待出来る。これによって、歯牙や補綴金属の酸蝕を防ぎながら、歯肉溝内を殺菌消毒する効果が期待できる。
5.電解速度を調節することによって、分子状酸素や分子状水素を微小な気泡として水中に発現させることができる。酸素の微小な気泡は水中で消滅する際に、洗浄作用と殺菌消毒作用を発揮して水中に溶解することから、歯肉溝内の洗浄と殺菌消毒ばかりでなく、好気化にも大きな効果を発揮することがきる。一方、水素の存在は、酸素の嫌気性菌増殖抑制作用を妨げるものではない。
6.本実施例では超音波洗浄との組み合わせによって、歯肉溝内の洗浄と殺菌消毒、好気化、歯周組織のマッサージ等を、非接触的に行うことができることから、直接接触しなければ効果を発揮できなかった従来の歯ブラシの欠点を補い、より大きな予防効果を発揮することができる。
以上の結果、歯周疾患の予防に大きな効果を期待することができる他、歯周疾患との関連が指摘されている心内膜炎、動脈硬化、腎炎、妊娠トラブル、糖尿病等の予防にも、効果を期待することができる。
実施例1の斜視図である。 実施例1の主要構成要素図である。 実施例1のヘッド部の開窓図である。 実施例1のヘッド部の縦断面図である。 実施例1のノズルの横断面図である。
符号の説明
1.ノズル
2.ヘッド
3.ハンドル
4.送水用加圧ポンプ制御回路スイッチ
5.ホース
6.送水用チューブ
7.送水用チューブコネクター
8.電気回路リード線帯
9.電気回路コネクター
10.システム本体
11.洗浄水貯水タンク
12.送水用加圧ポンプ制御ダイアル
13.超音波発振制御ダイアル
14.超音波発振制御回路スイッチ
15.電気分解速度制御ダイアル
16.電気分解回路連動スイッチ
17.電気回路リード線コネクター
18.送水用チューブコネクター
19.放水口
20.超音波照射槽
21.給水口
22.送水用加圧ポンプ
23.送水用加圧ポンプ制御回路
24.送水用加圧ポンプ電源
25.送水用加圧ポンプ制御回路リード線
26.送水用加圧ポンプ制御回路リード線
27.スポットフォ−カス型超音波振動子
28.超音波発振制御回路
29.超音波発振制御回路電源
30.超音波発振制御回路リード線
31.超音波発振制御回路リード線
32.電気分解回路電極1
33.電気分解回路電極2
34.電気分解回路電源
35.電気分解回路可変抵抗器
36.電気分解回路リード線1
37.電気分解回路リード線2
38.ハンドピース外套層
本発明は、洗浄水の一部を電気分解して生じる酸素を洗浄水に含ませて、口腔内の超音波洗浄を行うことを目的とした超音波式口腔洗浄システムに関するものである。
一般的に、歯牙は生体内から生体外に貫通している一つの特殊な臓器と考えることができ、歯牙の歯頚部においてこれを取り巻く歯周組織は、健康な状態でも2mm〜3mmの深さの歯肉溝を形成して、生体内から生体外へと移行する特殊な環境を呈している。その為、歯肉溝は常に生体外微生物の侵入にさらされ易く、生体防御の最前線が形成されているが、その構造上、歯肉溝内部にはブラシが入り難く、不潔になり易い欠点があった。それ故、一旦炎症が生じて歯肉が腫脹し歯肉溝が深化した場合には、歯ブラシによる歯肉溝内部の清掃が更に困難となって内部環境が嫌気性化し、歯周病原菌が増殖し易い環境となって歯周疾患が更に進行するという、悪循環を生じる恐れが大きかった。
その一方で、歯周病原菌は好気的な環境では増殖できないこと、水の電気分解に際しては酸素が発生して洗浄水に多く溶解すること、超音波式口腔洗浄器では、非接触洗浄作用があること等が知られていた。
しかしながら、従来の口腔洗浄器では、上水道の水をそのまま使用することが一般的であったため、口腔内に放水される洗浄水自体には、歯肉溝内を好気的に改善するための積極的な生物学的作用が無く、歯肉溝内深部には洗浄水が入り込めない洗浄上の死腔も生じていたため、十分な洗浄は困難であった。
また、タービン機構を用いて洗浄水に気泡を混入する口腔洗浄器では、微小な気泡が持つ物理的洗浄作用の利用が目的であった他、歯ブラシのハンドル部に陽極、ヘッド部に陰極を設置した歯ブラシでは、電気的に帯電している歯垢と帯電させた歯ブラシとの間で、静電気的な力を作用させ、歯垢の機械的な除去に助することを目的とするものであり、洗浄水に通電して電気化学反応を起こし、それによって生じる電解生成物の生物学的な利用を目的とするものではなかった。
歯周疾患の予防には、歯肉溝内部の洗浄と殺菌消毒の他、歯周組織のマッサージと歯肉溝内を好気的な環境に保つことが相乗効果を生むと考えられ、可及的にそれらを達成することの可能な口腔洗浄システムの開発が望まれていた。
本発明は、歯肉溝内の洗浄と好気化を目的とする超音波式口腔洗浄システムの開発を課題とするものである。
本発明は、放水機能を有する超音波式口腔洗浄器に水の電気分解回路を設置して、電極間を通過する洗浄水の一部を超音波暴露下で電気分解し、生じる酸素を洗浄水に含ませることを手段とするものである。
本実施例は、スポットフオ―カス型超音波振動子を用いた超音波式口腔洗浄器に、電極と電源、可変抵抗器、連動スイッチ等を構成要素とする水の電気分解回路を設置したもので、図面にもとづいて説明する。
1) 図1は、本実施例の構成を示す斜視図で、
i 内部に電極を設置したノズル(1)と、基底部に超音波振動子が設置されたヘッド(2)、並びに送水用加圧ポンプ制御回路のスイッチ(4)が設置されたハンドル(3)とからなるハンドピース
ii ハンドピースと接続し、送水用加圧ポンプ制御回路、電気分解回路、超音波発振制御回路のそれぞれのリード線をまとめたリード線帯(8)と送水用チューブ(6)をカバーし、末端において送水用チューブコネクター(7)と電気回路コネクター(9)を備えたホース部(5)
iii 洗浄水貯水タンク(11)と送水用加圧ポンプ、並びに送水用加圧ポンプ制御回路、超音波発振制御回路とそれらの電源、電極部を除いた電気分解回路等を内部に設置し、それぞれの電気回路リード線をまとめた電気回路コネクター(17)と送水用チューブコネクター(18)、超音波発振制御回路スイッチ(14)と超音波発振制御ダイアル(13)、電気分解回路連動スイッチ(16)と電気分解速度制御ダイアル(15)、送水用加圧ポンプ制御ダイアル(12)等を表面に配置してなる本体(10)を示すものである。
2) 図2は、本実施例の電気系と送水系の主要構成要素図で、送水用加圧ポンプ(22)、送水用加圧ポンプ制御回路(23)とその電源(24)、超音波発振制御回路(28)とその電源(29)、スイッチ(14)、並びに電極部を除いた電気分解回路等を本体側に設置し、超音波振動子(27)と電気分解回路の電極(32)(33)、送水用加圧ポンプ制御回路スイッチ(4)等をハンドピース側に設置して、ハンドピース側と本体側を、ホース部側のコネクター(7)、(9)と、本体側のコネクター(18)、(17)で接続することを示すもので、(a)はヘッド部、(b)はハンドル部、(c)はホース部、(d)は本体部の区分を示し、ハンドピースはヘッド部とハンドル部から構成されることを示すものである。
3) 図3は、本実施例のヘッド(2)部の開窓図で、中が中空の超音波照射槽(20)底に設置された超音波振動子(27)と、超音波照射槽側壁に送水用チューブが開口する給水口(21)を示したものである。
4) 図4は、ヘッド部に設置した、陰陽の電極(32)、(33)を含む縦断面図で、ヘッド部基底に設置された超音波振動子(27)と、中が中空の超音波照射槽(20)、並びにノズル(1)と放水口(19)の関係を示すものである。
5) 図5は、ノズル(1)中央部の横断面図であり、樹脂製外套層を持つノズルの内面に、陰と陽の一組の電極(32)、(33)を対向させて設置したことを示すものである。
以上のようにして成る請求項1の、洗浄水電解型超音波式口腔洗浄システム。
発明の効果
本実施例の効果を下記に示す。
1.洗浄水貯水タンクの水に微量の電解質を添加することによって、ノズル内の電極間を通過する洗浄水の一部を電気分解することが可能であり、生じた酸素を洗浄水に含ませて、そのまま放水することが可能である。これによって、貯水タンクに残る洗浄水の電解質濃度が変わらずに一定なため、安全で安定した電気分解が可能である。
また、比較的小さな容積のノズルの内側に電極が設置されているため、水の単位重量当たりの電気量を比較的小さな電圧で確保することができ、口腔内においても安全に水の電気分解ができる。
さらに、電極の極性を相互に逆転しても分解機能が変わらないことから、電極の極性を交互に変換することによって電極の劣化を防ぐことが可能である。
2.電極表面が超音波振動による加速度、放射圧、直進流等を受ける条件下で分子状酸素や分子状水素を発生させるため、電極に気泡が付着しにくく、電極の機能を保ちながら酸素や水素を迅速に多量に洗浄水に溶解することが可能である。
3.洗浄水と歯肉溝液にも超音波の放射圧、加速度、直進流等の作用が及ぶことから、歯肉溝液と洗浄水との置換、あるいは電解洗浄水に含まれる酸素の歯肉溝液への浸透と拡散が促進され、歯肉溝深部においても効率的な洗浄と好気化が行われる。
4.水の電気分解によって、陽極側では酸化作用を有する酸化電位水が生成され、陰極側では還元作用を有する電解還元水が生成される。しかし本発明では、それらがすぐに混ざり合うため、ほとんどの活性が失われる。これによって、歯牙や補綴金属の酸蝕を防ぎながら、歯肉溝内を好気化する効果が期待できる。
5.電解速度を調節することによって、分子状酸素や分子状水素を微小な気泡として水中に発現させることができる。酸素の微小な気泡は水中で消滅する際に洗浄作用を発揮した後水中に溶解することから、歯肉溝内の洗浄と好気化に大きな効果を発揮することがきる。一方、水素の存在は、酸素の嫌気性菌増殖抑制作用を妨げるものではない。
6.本実施例では超音波洗浄との組み合わせによって、歯肉溝内の洗浄と好気化、歯周組織のマッサージ等を、非接触的に行うことができることから、直接接触しなければ効果を発揮できなかった従来の歯ブラシの欠点を補い、より大きな予防効果を発揮することができる。
以上の結果、歯周疾患の予防に大きな効果を期待することができる他、歯周疾患との関連が指摘されている心内膜炎、動脈硬化、腎炎、妊娠トラブル、糖尿病等の予防にも、効果を期待することができる。
実施例1の斜視図である。 実施例1の主要構成要素図である。 実施例1のヘッド部の開窓図である。 実施例1のヘッド部の縦断面図である。 実施例1のノズルの横断面図である。
1.ノズル
2.ヘッド
3.ハンドル
4.送水用加圧ポンプ制御回路スイッチ
5.ホース
6.送水用チューブ
7.送水用チューブコネクター
8.電気回路リード線帯
9.電気回路コネクター
10.システム本体
11.洗浄水貯水タンク
12.送水用加圧ポンプ制御ダイアル
13.超音波発振制御ダイアル
14.超音波発振制御回路スイッチ
15.電気分解速度制御ダイアル
16.電気分解回路連動スイッチ
17.電気回路リード線コネクター
18.送水用チューブコネクター
19.放水口
20.超音波照射槽
21.給水口
22.送水用加圧ポンプ
23.送水用加圧ポンプ制御回路
24.送水用加圧ポンプ電源
25.送水用加圧ポンプ制御回路リード線
26.送水用加圧ポンプ制御回路リード線
27.スポットフオ―カス型超音波振動子
28.超音波発振制御回路
29.超音波発振制御回路電源
30.超音波発振制御回路リード線
31.超音波発振制御回路リード線
32.電気分解回路電極1
33.電気分解回路電極2
34.電気分解回路電源
35.電気分解回路可変抵抗器
36.電気分解回路リード線1
37.電気分解回路リード線2
38.ハンドピース外套層

Claims (1)

  1. 洗浄水貯水タンクと送水用加圧ポンプ、送水用加圧ポンプ制御回路、ノズルを有するハンドピース等を基本的構成要素とする口腔洗浄器において、陰、陽の電極と直流電源等を主要構成要素とする洗浄水の電気分解回路を設置して、電極間を通過する洗浄水の一部を電気分解することを特徴とする、洗浄水電解型口腔洗浄システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021115306A1 (zh) * 2019-12-10 2021-06-17 厦门松霖科技股份有限公司 一种具有超声波清洗功能的冲牙器

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