JP2010027370A - 固体高分子型燃料電池のエージング方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エージング処理を短時間で良好に行うとともに、一対の電極間に電位差が発生することを可及的に阻止することを可能にする。
【解決手段】温水循環系36を介して燃料電池10を構成する電解質膜・電極構造体20のカソード側電極18側に温水を流通させるとともに、空気循環系38を介して前記電解質膜・電極構造体20のアノード側電極16に空気を流通させる。一方、冷却媒体循環系40を介して燃料電池10の冷却媒体流路28に加温された冷却媒体を循環供給することにより、前記冷却媒体を介して所定温度に加温された温水が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電解質膜の両側に一対の電極が配設される電解質膜・電極構造体を有する固体高分子型燃料電池をエージングするための固体高分子型燃料電池のエージング方法及び装置に関する。
燃料電池は、燃料ガス(主に水素を含有するガス)及び酸化剤ガス(主に酸素を含有するガス)をアノード側電極及びカソード側電極に供給して電気化学的に反応させることにより、直流の電気エネルギを得るシステムである。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜の両側に、それぞれアノード側電極及びカソード側電極を設けた電解質膜・電極構造体(MEA)を、セパレータによって挟持した発電セルを備えている。この種の発電セルは、通常、電解質膜・電極構造体とセパレータとを所定数だけ積層することにより、燃料電池スタックとして、例えば、自動車等の車両に搭載して使用されている。
この種の固体高分子型燃料電池では、組み立て直後の電解質膜の含水量が十分でないため、初期発電性能が低くなっている。従って、通常、燃料電池の組み立て後に所望の発電性能を引き出すため、前記燃料電池のエージング運転が行われている。
例えば、特許文献1に開示されている燃料電池の運転方法では、燃料電池の予備運転(エージング運転)時に、前記燃料電池のセル内にフラッディングが発生するように、消費されるガスの利用率を向上させることを特徴としている。
しかしながら、上記の運転方法では、急激なフラッディングを伴うために、電池性能の劣化を抑制させるための制御が煩雑化するとともに、特に、MEAを構成する電解質膜の性能に悪影響を与えるおそれがある。
さらに、MEAを構成する電解質膜として、フッ素系材料に代えて、例えば、炭化水素系材料が用いられる場合、前記フッ素系材料に比べて疎水性が高く、前記電解質膜内に十分に水を浸透させるまでに時間がかかるという問題がある。
そこで、特許文献2に開示されている固体高分子型燃料電池のエージング装置では、予備運転時に固体高分子型燃料電池からの負荷電流を消費させる負荷器と、前記固体高分子型燃料電池と前記負荷器との間に接続され、前記負荷電流の大きさを時間の経過と共に周期的に変動させる制御手段とを備えている。
これにより、負荷電流の大きさを、時間の経過と共に周期的に変動させるため、MEAへの水の浸透促進効果が増し、エージング運転に要する時間の短縮化を図ることができる、としている。
特開2003−217622号公報 特開2007−66666号公報
上記の特許文献2では、カソードにカソードガスを供給するとともに、アノードにアノードガスを供給し、燃料電池スタックから負荷器に時間の経過と共にその大きさが周期的に変動する負荷電流を流すことにより、エージング運転を開始している。
しかしながら、組立後に始めて使用されるMEAでは、高電流密度による発電を行うことができない。このため、低電流密度から徐々に電流印加量を増やしたり、負荷印加中の保持時間を短くしてOCV(開回路電圧)に戻す操作が必要となっている。
これにより、燃料電池の発電性能が飽和するまでに相当な時間を要してしまい、エージング運転に時間がかかるという問題がある。しかも、エージング運転中には、カソードガス及びアノードガスが消費されており、特に、水素使用量が過大となって極めて不経済であるという問題がある。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、エージング処理を短時間で良好に行うとともに、一対の電極間に電位差が発生することを可及的に阻止することが可能な固体高分子型燃料電池のエージング方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明は、電解質膜の両側に一対の電極が配設される電解質膜・電極構造体を有する固体高分子型燃料電池をエージングするための固体高分子型燃料電池のエージング方法に関するものである。
このエージング方法は、電解質膜・電極構造体の一方の電極側に、温水を流通させるとともに、前記電解質膜・電極構造体の他方の電極側に、空気を流通させることにより、エージングを行う。
また、このエージング方法は、固体高分子型燃料電池に設けられた冷却媒体流路に、加温された冷却媒体を流通させることにより、一方の電極側に流通させる水を加温して温水を得ることが好ましい。
さらに、このエージング方法は、固体高分子型燃料電池に設けられた冷却媒体流路に、加温された冷却媒体を流通させるとともに、前記加温された冷却媒体を、温水として一方の電極側に流通させることが好ましい。
さらにまた、このエージング方法は、温水を固体高分子型燃料電池内に循環させることが好ましい。
また、このエージング方法は、一対の電極間を短絡回路により短絡させることが好ましい。
さらに、このエージング方法は、一対の電極間を短絡回路により短絡させた後、温水及び空気を流通させる一方、前記温水の流通を停止し、前記一対の電極側に空気によるパージ処理が行われた後、前記短絡回路を開放させることが好ましい。
さらにまた、このエージング方法は、温水が、30℃〜55℃の純水であることが好ましい。
また、本発明は、電解質膜の両側に一対の電極が配設される電解質膜・電極構造体を有する固体高分子型燃料電池をエージングするための固体高分子型燃料電池のエージング装置に関するものである。
このエージング装置は、電解質膜・電極構造体の一方の電極側にのみ温水を循環流通させる温水循環系と、前記電解質膜・電極構造体の他方の電極側に空気を循環流通させる空気循環系と、固体高分子型燃料電池に設けられた冷却媒体流路に、加温された冷却媒体を循環流通させることにより、前記一方の電極側に流通させる水を加温して前記温水を得る冷却媒体循環系とを備えている。
さらに、このエージング装置は、固体高分子型燃料電池に設けられた冷却媒体流路に、加温された冷却媒体を循環流通させる冷却媒体循環系と、前記冷却媒体循環系から分岐するとともに、前記加温された冷却媒体を、温水として電解質膜・電極構造体の一方の電極側にのみ循環流通させる温水循環系と、前記電解質膜・電極構造体の他方の電極側に空気を循環流通させる空気循環系とを備えている。
さらにまた、このエージング装置は、一対の電極間を短絡させる短絡回路を備えることが好ましい。
本発明では、電解質膜・電極構造体の一方の電極側に温水が流通されるため、電解質膜中に水を効率的且つ迅速に導入することができる。これにより、抵抗過電圧が有効に低減可能になる。しかも、電解質膜と電極中の電解質成分が膨潤することにより、触媒表面の反応領域が有効に拡大する。
さらに、電解質膜・電極構造体の他方の電極側に空気が流通されるため、両方の電極に温水を供給する場合に比べ、熱マスが良好に削減され、効率的である。その上、温水を流さない他方の電極側に空気が流通されるため、電極間に電位差が発生することを有効に抑制することが可能になる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る固体高分子型燃料電池10のエージング方法を実施するためのエージング装置12の概略説明図である。
燃料電池10は、例えば、炭化水素系の固体高分子電解質膜14をアノード側電極16とカソード側電極18とで挟持した電解質膜・電極構造体20を備え、前記電解質膜・電極構造体20がアノード側セパレータ22aとカソード側セパレータ22bとにより挟持されて単位セルが構成される。アノード側セパレータ22a及びカソード側セパレータ22bは、カーボンプレート又は金属プレートにより構成され、図示しないシール部材を設けている。なお、固体高分子電解質膜14は、例えば、パーフルオロカーボン等のフッ素系の膜を使用してもよい。
電解質膜・電極構造体20とアノード側セパレータ22aとの間には、燃料ガス流路24が形成されるとともに、前記電解質膜・電極構造体20とカソード側セパレータ22bとの間には、酸化剤ガス流路26が形成される。アノード側セパレータ22aとカソード側セパレータ22bとの間には、冷却媒体流路28が形成される。
燃料電池10は、一端部側に水素含有ガス等の燃料ガスを供給するための燃料ガス入口連通孔30aと、空気(酸素含有ガス)等の酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス入口連通孔32aと、前記燃料ガスを排出するための燃料ガス出口連通孔30bと、前記酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス出口連通孔32bとが形成される。燃料電池10の他端部には、冷却媒体を供給するための冷却媒体入口連通孔34aと、前記冷却媒体を排出するための冷却媒体出口連通孔34bとが形成される。
エージング装置12は、電解質膜・電極構造体20の一方の電極側、例えば、カソード側電極18側にのみ温水(例えば、加温された純水)を循環流通させるための温水循環系36と、前記電解質膜・電極構造体20の他方の電極側、例えば、アノード側電極16側に空気を循環流通させるための空気循環系38と、冷却媒体流路28に加温された冷却媒体を循環流通させるための冷却媒体循環系40とを備える。
温水循環系36は、純水42が貯留されるタンク44を備え、このタンク44内には、導電率計46が前記純水42内に浸漬されて配置される。タンク44内には、温水供給配管48の一端部と温水排出配管50の一端部とが配置される。温水供給配管48には、ポンプ52が配置されるとともに、前記温水供給配管48の他端部は、燃料電池10の酸化剤ガス入口連通孔32aに連結される。温水排出配管50の他端部は、燃料電池10の酸化剤ガス出口連通孔32bに連結される。
空気循環系38は、ブロア(又は、ポンプ)54を備え、前記ブロア54が空気循環配管56に配置される。空気循環配管56の両端部は、燃料電池10の燃料ガス入口連通孔30aと燃料ガス出口連通孔30bとに連結される。この空気循環配管56には、ブロア54の下流側に位置して、ヒータ58及び加湿器60が配設される。
冷却媒体循環系40は、冷媒循環用ポンプ62を備え、このポンプ62が冷媒循環配管64に配設される。冷媒循環配管64の両端部は、燃料電池10の冷却媒体入口連通孔34aと冷却媒体出口連通孔34bとに連結されるとともに、ポンプ62の下流側にヒータ66が配設される。
温水供給配管48には、開閉用のバルブ68a、68bが配設され、温水排出配管50には、バルブ68c、68dが配設される。空気循環配管56には、バルブ68e、68fが配設されるとともに、温水供給配管48と前記空気循環配管56との連通部及び温水排出配管50と前記空気循環配管56との連通部には、バルブ68g、68hが配設される。
燃料電池10は、各単位セル毎、あるいは、所定の単位セル毎に、電圧を検出するためのセル電圧端子70を有する。各セル電圧端子70には、第1短絡回路72が設けられる。第1短絡回路72は、各セル電圧端子70を一体的に短絡可能に構成される。
燃料電池10は、積層方向両端にスタック電圧端子74a、74bが設けられる。スタック電圧端子74a、74bは、第2短絡回路76を介して短絡可能である。なお、第2短絡回路76は、必要に応じて抵抗(図示せず)を備えていてもよい。
このように構成されるエージング装置12の動作について、第1の実施形態に係るエージング方法との関連で、図2に示すフローチャートに沿って以下に説明する。
先ず、燃料電池10は、所定数の単位セルが積層されるとともに、積層方向両端には、図示しないが、ターミナルプレート、絶縁プレート及びエンドプレートが配置される。エンドプレート間は、図示しないタイロッドにより締め付け保持され、あるいは、ボックス状ケーシングにより積層方向に締め付け保持されて、スタックが構成される。
上記のスタック化された燃料電池10は、エージング装置12に取り付けられる。具体的には、燃料電池10の酸化剤ガス入口連通孔32a及び酸化剤ガス出口連通孔32bに温水循環系36が接続され、燃料ガス入口連通孔30a及び燃料ガス出口連通孔30bに空気循環系38が接続され、さらに、冷却媒体入口連通孔34a及び冷却媒体出口連通孔34bに冷却媒体循環系40が接続される(ステップS1)。
次いで、ステップS2に進んで、第1短絡回路72が接続されて各セル電圧端子70同士が一体に短絡される一方、第2短絡回路76が接続されてスタック電圧端子74a、74b間が短絡される。
そこで、エージング装置12が駆動されて、温水エージングが開始される(ステップS3)。この温水エージングでは、先ず、図3に示すように、バルブ68a〜68fが開放される一方、バルブ68g、68hが閉塞される。
この状態で、冷却媒体循環系40を構成するポンプ62の作用下に、冷媒循環配管64内を冷却媒体が循環するとともに、この冷却媒体は、ヒータ66を介して所定の温度(後述する温水を、例えば、50℃に加温するために必要な温度)に加温される。この加温された冷却媒体は、冷却媒体入口連通孔34aから燃料電池10内の冷却媒体流路28内に供給された後、冷却媒体出口連通孔34bから冷媒循環配管64に戻される。このため、燃料電池10内では、各冷却媒体流路28に所定の温度に加温された冷却媒体が循環している。
一方、温水循環系36を構成するポンプ52の駆動作用下に、タンク44に貯留されている純水(タンク44内では、常温水)42が、温水供給配管48を介して酸化剤ガス入口連通孔32aに導入される。純水42は、燃料電池10内の各酸化剤ガス流路26に流通された後、酸化剤ガス出口連通孔32bから温水排出配管50を介してタンク44に戻される。
また、空気循環系38を構成するブロア54の作用下に、空気循環配管56に空気が循環供給される。この空気は、ヒータ58を介して、所定温度、例えば、50℃に加温されるとともに、加湿器60を介して100%加湿された後、燃料ガス入口連通孔30aから燃料電池10内の各燃料ガス流路24に流通される。
各燃料ガス流路24から燃料ガス出口連通孔30bを介して排出される空気は、空気循環配管56に戻され、ブロア54の作用下に前記燃料ガス流路24に循環供給される。
その際、酸化剤ガス流路26に循環供給される純水42は、冷却媒体流路28に循環供給される冷却媒体により加温される。このため、純水42は、例えば、50℃に加温され、温水として酸化剤ガス流路26に循環供給されている。従って、各電解質膜・電極構造体20のカソード側電極18に、温水が直接供給されるため、固体高分子電解質膜14中に、純水を効率的且つ迅速に導入することができる。
なお、温水の温度は、例えば、50℃に設定されているが、温水温度が上昇するのに伴って、燃料電池10の締め付け荷重が増加するため、温水の温度は、好適には、30℃〜55℃の範囲内に設定される。
温水温度が30℃未満になると、温水の効果が得られず、固体高分子電解質膜14に水を迅速且つ効率的に導入することができない。一方、温水温度が55℃を超えると、単位セルの膨張によって、燃料電池10の締め付け荷重が許容荷重を超えるからである。
そこで、上記の温水エージング処理が、例えば、所定の時間だけ行われると、エージング運転が完了する(ステップS4中、YES)。なお、上記の温水エージング中に、導電率計46により検出された温水の導電率が、所定値以上である場合には、タンク44内の温水の入れ替えが行われる。
エージング完了後、ステップS5に進んで、空気パージが行われる。先ず、図3において、温水循環系36を構成するポンプ52の駆動が停止されるとともに、冷却媒体循環系40を構成するポンプ62の駆動が停止される。このため、燃料電池10内への温水及び冷却媒体の循環が停止される一方、空気循環系38を構成するブロア54の作用下に、燃料ガス流路24に空気が供給されて、前記燃料ガス流路24が空気パージされる。
次いで、図4に示すように、バルブ68a、68d、68e及び68fが閉じられるとともに、バルブ68b、68c、68g及び68hが開放される。従って、空気循環系38を構成するブロア54の作用下に、空気循環配管56に供給される空気は、温水供給配管48を通って酸化剤ガス入口連通孔32aから各酸化剤ガス流路26に供給される。
このため、各酸化剤ガス流路26が空気パージされ、前記酸化剤ガス流路26から排出される空気は、酸化剤ガス出口連通孔32bから空気循環配管56に戻されて、再度、前記酸化剤ガス流路26に循環供給される。これにより、燃料ガス流路24及び酸化剤ガス流路26の空気パージが行われた後、ステップS6に進んで、第1及び第2短絡回路72、76が切断される。
そして、燃料電池10がエージング装置12から取り外され(ステップS7)、前記燃料電池10のエージング処理が終了する。
この場合、第1の実施形態では、各電解質膜・電極構造体20のカソード側電極18側に温水が流通されるため、固体高分子電解質膜14中に、水を効率的且つ迅速に導入することができ、抵抗過電圧が有効に低減可能になる。しかも、固体高分子電解質膜14と電極中の電解質成分が膨潤することにより、触媒表面の反応領域が有効に拡大する。
さらに、カソード側電極18側に温水が供給される一方、アノード側電極16側には、空気が供給されている。従って、アノード側電極16及びカソード側電極18に温水を供給する場合に比べ、熱マスが良好に削減され、効率的であるという利点がある。
その際、温水循環系36を介して循環される温水は、タンク44に貯留されている常温の純水42である。この純水42は、冷却媒体循環系40を循環する加温された冷却媒体によって所定の温度(例えば、50℃)に加温されることにより、温水が得られている。このため、燃料電池10内では、燃料ガス流路24に加湿された空気が供給され、酸化剤ガス流路26に温水が供給され、さらに、冷却媒体流路28に冷却媒体が供給されるため、前記燃料電池10内での圧力バランスを良好に維持することができるという効果がある。
その上、温水を流さないアノード側電極16側には、空気が流通されている。これにより、アノード側電極16とカソード側電極18との間には、例えば、窒素やアルゴン等の不活性ガスや水素等を供給する場合に発生していた電位差を、有効に抑制することが可能になるという利点がある。
さらにまた、第1の実施形態では、セル電圧端子70を短絡させる第1短絡回路72と、スタック電圧端子74a、74bを短絡させる第2短絡回路76とを備えている。従って、燃料電池10内での電位差の発生を一層確実に阻止し、腐食電位を可及的に阻止することができるという効果がある。
なお、必要に応じて第1短絡回路72のみを用いてもよく、あるいは、第2短絡回路76のみを用いてもよい。また、第1の実施形態では、アノード側電極16側に空気を供給する一方、カソード側電極18側に温水を供給しているが、これとは逆に、前記アノード側電極16に温水を供給するとともに、前記カソード側電極18側に空気を供給してもよい。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る固体高分子型燃料電池のエージング方法を実施するためのエージング装置80の概略説明図である。なお、第1の実施形態に係るエージング装置12と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
エージング装置80は、温水循環系36と冷却媒体循環系40とを駆動するためのポンプとして、単一のポンプ62のみが用いられる。温水供給配管48と冷媒循環配管64とは、温水供給バイパス配管82により連通するとともに、温水排出配管50と前記冷媒循環配管64とは、温水排出バイパス配管84を介して連通する。温水供給バイパス配管82には、バルブ68iが配設されるとともに、温水排出バイパス配管84には、バルブ68jが配設される。
このように構成されるエージング装置80による温水エージング工程では、図6に示すように、バルブ68g、68hのみが閉塞されている。このため、ポンプ62が駆動されることにより、冷媒循環配管64を介して冷却媒体流路28にヒータ66を介して加温された冷却媒体が循環されるとともに、温水供給バイパス配管82から温水供給配管48に温水(冷却媒体)が供給される。
この温水は、酸化剤ガス流路26に供給されて電解質膜・電極構造体20のカソード側電極18に供給された後、温水排出配管50から温水排出バイパス配管84を通って冷媒循環配管64に戻される。これにより、酸化剤ガス流路26には、所定の温度に加温された温水が循環供給される。
一方、空気循環系38では、ブロア54の作用下に、空気循環配管56に供給される加温及び加湿された空気は、燃料ガス流路24を循環して供給される。従って、第1の実施形態と同様の温水エージング処理が遂行される。
その際、第2の実施形態では、単一のポンプ62を介して温水循環系36及び冷却媒体循環系40にそれぞれ温水及び冷却媒体を供給している。従って、エージング装置80全体の構成の簡素化が図られるという効果が得られる。
また、酸化剤ガス流路26の空気パージ処理は、図7に示すように、バルブ68e、68f、68i及び68jが閉塞されることにより、空気循環系38を介して前記酸化剤ガス流路26の空気パージが遂行される。
本発明の第1の実施形態に係る固体高分子型燃料電池のエージング方法を実施するためのエージング装置の概略説明図である。 前記エージング方法を説明するフローチャートである。 温水エージングの動作説明図である。 空気パージの動作説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る固体高分子型燃料電池のエージング方法を実施するためのエージング装置の概略説明図である。 温水エージングの動作説明図である。 空気パージの動作説明図である。
符号の説明
10…燃料電池 12、80…エージング装置
14…固体高分子電解質膜 16…アノード側電極
18…カソード側電極 20…電解質膜・電極構造体
24…燃料ガス流路 26…酸化剤ガス流路
28…冷却媒体流路 30a…燃料ガス入口連通孔
30b…燃料ガス出口連通孔 32a…酸化剤ガス入口連通孔
32b…酸化剤ガス出口連通孔 34a…冷却媒体入口連通孔
34b…冷却媒体出口連通孔 36…温水循環系
38…空気循環系 40…冷却媒体循環系
42…純水 44…タンク
46…導電率計 48…温水供給配管
50…温水排出配管 52、62…ポンプ
54…ブロア 56…空気循環配管
58、66…ヒータ 60…加湿器
64…冷媒循環配管 70…セル電圧端子
72、76…短絡回路 74a、74b…スタック電圧端子
82…温水供給バイパス配管 84…温水排出バイパス配管

Claims (10)

  1. 電解質膜の両側に一対の電極が配設される電解質膜・電極構造体を有する固体高分子型燃料電池をエージングするための固体高分子型燃料電池のエージング方法であって、
    前記電解質膜・電極構造体の一方の電極側に、温水を流通させるとともに、
    前記電解質膜・電極構造体の他方の電極側に、空気を流通させることにより、前記エージングを行うことを特徴とする固体高分子型燃料電池のエージング方法。
  2. 請求項1記載のエージング方法において、前記固体高分子型燃料電池に設けられた冷却媒体流路に、加温された冷却媒体を流通させることにより、前記一方の電極側に流通させる水を加温して前記温水を得ることを特徴とする固体高分子型燃料電池のエージング方法。
  3. 請求項1記載のエージング方法において、前記固体高分子型燃料電池に設けられた冷却媒体流路に、加温された冷却媒体を流通させるとともに、
    前記加温された冷却媒体を、前記温水として前記一方の電極側に流通させることを特徴とする固体高分子型燃料電池のエージング方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のエージング方法において、前記温水を前記固体高分子型燃料電池内に循環させることを特徴とする固体高分子型燃料電池のエージング方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のエージング方法において、前記一対の電極間を短絡回路により短絡させることを特徴とする固体高分子型燃料電池のエージング方法。
  6. 請求項5記載のエージング方法において、前記一対の電極間を前記短絡回路により短絡させた後、前記温水及び前記空気を流通させる一方、
    前記温水の流通を停止し、前記一対の電極側に空気によるパージ処理が行われた後、前記短絡回路を開放させることを特徴とする固体高分子型燃料電池のエージング方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のエージング方法において、前記温水は、30℃〜55℃の純水であることを特徴とする固体高分子型燃料電池のエージング方法。
  8. 電解質膜の両側に一対の電極が配設される電解質膜・電極構造体を有する固体高分子型燃料電池をエージングするための固体高分子型燃料電池のエージング装置であって、
    前記電解質膜・電極構造体の一方の電極側にのみ温水を循環流通させる温水循環系と、
    前記電解質膜・電極構造体の他方の電極側に空気を循環流通させる空気循環系と、
    前記固体高分子型燃料電池に設けられた冷却媒体流路に、加温された冷却媒体を循環流通させることにより、前記一方の電極側に流通させる水を加温して前記温水を得る冷却媒体循環系と、
    を備えることを特徴とする固体高分子型燃料電池のエージング装置。
  9. 電解質膜の両側に一対の電極が配設される電解質膜・電極構造体を有する固体高分子型燃料電池をエージングするための固体高分子型燃料電池のエージング装置であって、
    前記固体高分子型燃料電池に設けられた冷却媒体流路に、加温された冷却媒体を循環流通させる冷却媒体循環系と、
    前記冷却媒体循環系から分岐するとともに、前記加温された冷却媒体を、温水として前記電解質膜・電極構造体の一方の電極側にのみ循環流通させる温水循環系と、
    前記電解質膜・電極構造体の他方の電極側に空気を循環流通させる空気循環系と、
    を備えることを特徴とする固体高分子型燃料電池のエージング装置。
  10. 請求項8又は9記載のエージング装置において、前記一対の電極間を短絡させる短絡回路を備えることを特徴とする固体高分子型燃料電池のエージング装置。
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