JP2010027080A - 火災警報システム - Google Patents

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Abstract

【課題】火災警報器の消費電力を低減しつつ情報伝送の遅延時間を短縮する。
【解決手段】伝送誤りが生じて無線信号の受信に失敗した場合、制御部1は受信失敗回数Fの値をインクリメントした後に受信失敗回数Fが予め設定されている規定回数に達したか否かを判断し、規定回数に達していなければ再度電波チェックを行い、規定回数に達していれば無線送受信部2を停止させる。このように無線信号の受信に失敗したときに無線送受信部2を停止せずに引き続き受信動作を継続するので、間欠受信によって火災警報器TRの消費電力を低減しつつ、再度間欠受信間隔が経過するまで無線送受信部2を停止する場合と比較して無線信号を正常に受信できるまでの時間、すなわち、情報伝送の遅延時間を短縮することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の火災警報器の間で無線信号を伝送する火災警報システムに関するものである。
我が国で使用する無線機については、占有周波数帯幅や隣接チャンネル漏洩電力などの使用電波の特性(RF特性)が電波法の規定を満たしていなくてはならない。また、電波法では使用目的ごとに異なる規格(通信規格)が規定されている。例えば、電波法施行規則第6条に規定される「特定小電力無線局」には、電波を利用して遠隔地点における測定機の測定結果を自動的に表示し、又は記録するためのテレメータ用、電波を利用して遠隔地点における装置の機能を始動、変更又は終止させることを目的とする信号の伝送を行うテレコントロール用、及び主として機械によって処理される情報の伝送又は処理された情報の伝送を行うデータ伝送用無線設備について規定された「特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備 標準規格(社団法人電波産業会 標準規格ARIB STD−T67)」、あるいは、主として火災、盗難その他異常の通報又はこれに付随する制御を行う小電力セキュリティシステムの無線設備について規定された「小電力セキュリティシステムの無線局の無線設備 標準規格(社団法人電波産業会 標準規格RCR STD−30)」などがある。
一方、上記特定小電力無線局を備えた火災警報システムとしては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。かかる火災警報システムは、多箇所に設置された複数台の火災警報器(無線機)がそれぞれに火災を感知する機能と警報音を鳴動する機能を有しており、何れかの火災警報器が火災を感知すると、当該火災警報器が警報音を鳴動するとともに火災感知を知らせる情報(火災感知情報)を無線信号で他の火災警報器に伝送することにより、火元の火災警報器だけでなく複数台の火災警報器が連動して一斉に警報音を鳴動することにより、火災の発生を迅速且つ確実に知らせることができる。
このような火災警報器は、火災感知情報を無線信号で伝送するという特性を活かすために電池を電源として駆動され、しかも、通常は室内の天井のようにメンテナンス(電池交換)のし難い場所に設置されることから、例えば数年といった長期間にわたってメンテナンス無しに使用できることが望ましい。そのため、各火災警報器においては間欠的に受信回路を起動して所望の電波(他の火災警報器が送信した無線信号)が受信できるか否かをチェックし、当該電波が捉えられなければ直ちに受信回路を停止して待機状態に移行することで平均消費電力を大幅に低減することが望まれる。
特開2006−343983号公報
ところで、上述の特定小電力無線局の規格においては無線局(無線機)から連続して電波を送信することができる期間(送信期間)および電波を送信してはいけない期間(休止期間)について規定されており、間欠受信のタイミングと送信期間とが一致しなければ無線信号を受信することができない。また送信期間には、同期ビット、フレーム同期パターン、メッセージ、CRC符号を少なくとも含むデータフォーマットを1フレームとする無線信号が数フレーム分、連続して送信されるのであるが、例えば、フレーム同期パターンに同期できても、メッセージエラーやCRCエラーになると、休止期間に移行する仕様となっていた。そして、このように受信エラーとなった場合には再度一定時間(間欠受信間隔)が経過しないと電波チェックが行われず、無線信号を受信するタイミングが遅延してしまうことになる。
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、火災警報器の消費電力を低減しつつ情報伝送の遅延時間を短縮することができる火災警報システムを提供することにある。
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、複数の火災警報器を備え、これら複数の火災警報器の間で無線信号を伝送する火災警報システムであって、各火災警報器は、無線信号を送信する送信手段と、無線信号を受信する受信手段と、火災を感知する火災感知手段と、電源供給用の電池と、火災感知手段が火災を感知したときに送信手段を起動し、所定の送信期間に火災感知を知らせるための無線信号を送信させるとともに所定の休止期間に無線信号の送信を休止させる動作を交互に繰り返し且つ火災感知手段が火災を感知していないときには送信手段を停止させる送信制御手段と、一定の間欠受信間隔を繰り返しカウントするタイマ手段と、タイマ手段による間欠受信間隔のカウント中は受信手段を停止させ、タイマ手段による間欠受信間隔のカウントが完了する度に受信手段を起動する受信制御手段と、火災感知手段が火災を感知したとき又は火災感知を知らせるための無線信号を受信手段で受信したときに火災の発生を報知する報知手段と、を具備し、受信制御手段は、受信手段にて所望の電波が捉えられたら無線信号を受信し、所望の電波が捉えられなければ受信手段を停止させ、さらに無線信号の受信に失敗した場合は受信手段を停止させずに引き続き受信動作を継続することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、受信制御手段は、無線信号の受信に失敗した回数が予め決められた規定回数に達したら受信手段を停止するとともにタイマ手段による間欠受信間隔のカウントを再開させることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、受信手段が起動するタイミングが取れても、一時的な外来ノイズによって受信動作が邪魔されて無線信号の受信に失敗したら受信手段を停止せずに引き続き受信動作を継続するので、火災警報器の消費電力を低減しつつ無線信号を正常に受信できるまでの時間、すなわち、情報伝送の遅延時間を短縮することができる。
請求項2の発明によれば、無線信号の受信に失敗した回数が予め決められた規定回数に達したら間欠受信動作に戻るので、無駄な電力消費を抑えることができる。
本発明の実施形態を示すシステム構成図である。 (a)は同上における無線信号のデータフォーマット、(b)は送信時のタイムチャートである。 同上の動作説明用のフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は本実施形態のシステム構成図であり、複数台(図示は2台のみ)の火災警報器TRで火災警報システムが構成されている。なお、以下の説明では、火災警報器TRを個別に示す場合は火災警報器TR1,TR2,…,TRnと表記し、総括して示す場合は火災警報器TRと表記する。
火災警報器TRは、アンテナ3から電波を媒体とした無線信号を送信するとともに他の火災警報器TRが送信した無線信号をアンテナ3で受信する無線送受信部2と、火災に伴って発生する煙や熱、炎などを検出することで火災を感知する火災感知部4と、マイコンを主構成要素とし火災感知部4から火災発生の感知が通知されたときに他の火災警報器TRに対して火災感知を通知するための通知メッセージを含む無線信号を無線送受信部2より送信させる制御部1と、火災感知部4から制御部1に対して火災発生の感知が通知されたことを報知する報知部5と、乾電池等の電池を電源として各部に動作電源を供給する電池電源部6とを具備している。なお、各火災警報器TR1,TR2,…には固有の識別符号が割り当てられており、当該識別符号によって無線信号の宛先並びに送信元の火災警報器TR1,TR2,…が特定できる。
無線送受信部2は、電波法施行規則第6条に規定される「特定小電力無線局」に準拠して電波を媒体とする無線信号を送受信するものである。
制御部1は、メモリに格納されたプログラムをマイコンで実行することによって後述する各種の機能を実現している。例えば、火災感知部4から火災発生を感知したことが通知されると、制御部1は報知部5が備えるブザーを駆動して報知音(警報音)を鳴動させることで火災発生を報知するとともに、他の火災警報器TRにおいても火災発生の報知音を鳴動させるために火災発生を通知するための通知メッセージを含む無線信号を無線送受信部2より送信させる。また、他の火災警報器TRから送信された無線信号(火災発生を通知するための通知メッセージを含む無線信号)を無線送受信部2で受信したときも、制御部1は報知部5が備えるブザーを駆動して報知音(警報音)を鳴動させる。つまり、制御部1では火災感知部4から火災感知が通知されたときに報知部5から報知音を鳴動させて報知するとともに火災感知を通知するための通知メッセージを含む無線信号を無線送受信部2より送信させる機能を有している。
ここで、従来技術で説明したように「特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備 標準規格(社団法人電波産業会 標準規格ARIB STD−T67)」や、「小電力セキュリティシステムの無線局の無線設備 標準規格(社団法人電波産業会 標準規格RCR STD−30)」などでは、無線信号を連続して送信してもよい期間(送信期間)と、送信期間と送信期間の間に設けられた、無線信号を送信してはいけない期間(休止期間)とが定められている。例えば、標準規格ARIB STD−T67では送信期間が40秒以下且つ休止期間が2秒以上と規定され、標準規格RCR STD−30では送信期間が3秒以下且つ休止期間が2秒以上と規定されており、制御部1では、これらの規格に適合する送信期間並びに休止期間で無線信号を送信させている。
また電池電源部6の電池寿命をできるだけ長くするため、制御部1ではマイコンに内蔵するタイマ(タイマ手段)で所定の時間間隔(間欠受信間隔)を繰り返しカウントするとともに間欠受信間隔のカウントが完了する毎に無線送受信部2を起動して所望の電波(他の火災警報器TRが送信した無線信号)が受信できるか否かをチェックし、当該電波が捉えられなければ直ちに無線送受信部2を停止して待機状態に移行させることで平均消費電力を大幅に低減している。なお、電波の受信チェックは、無線送受信部2から出力される、受信信号強度の大小に比例した直流電圧信号である受信信号強度表示信号(Receiving Signal Strength Indication:RSSI信号)に基づいて制御部1が行っており、詳細については従来周知であるから省略する。
さらに特定の火災警報器TR1の制御部1では、定期的に無線送受信部2を起動して他の火災警報器TR2,TR3,…が正常に動作しているか否かの確認(生死確認)を行うために確認メッセージを含む無線信号を送信させるとともに、無線送受信部2を受信状態に切り替えて各火災警報器TR2,…から送信される応答メッセージを含む無線信号を受信し、確認メッセージを含む無線信号を送信してから所定時間内に応答メッセージを含む無線信号を送信してこない火災警報器TRがあれば、報知部5が備えるブザーを駆動して報知音を鳴動させるなどして火災警報器TRに異常(電池切れなど)が発生したことを知らせる機能も有している。すなわち、本実施形態では制御部1が送信制御手段並びに受信制御手段に相当する。
図2(a)は火災警報器TRが送受信する無線信号のデータフォーマットを示しており、同期ビット(プリアンブル:PA)、フレーム同期パターン(ユニークワード:UW)、宛先アドレスDA、送信元アドレスSA、メッセージM、CRC符号で1フレームが構成されている。ここで、宛先アドレスDAとして各火災警報器TRの識別符号を設定すれば当該識別符号の火災警報器TRのみが無線信号を受信してメッセージを取得することになるが、宛先アドレスDAとして何れの火災警報器TRにも割り当てられていない特殊なビット列(例えば、すべてのビットを1としたビット列)を設定することで無線信号を同報(ブロードキャスト)して全ての火災警報器TRにメッセージを取得させることができる。例えば、火災発生を通知するための通知メッセージを含む無線信号が全ての火災警報器TRに同報される。なお、制御部1は1フレーム分の無線信号を1回の送信期間内で送信可能な数mだけ連続して無線送受信部2から送信させる(図2(b)参照)。
次に、図3のフローチャートを参照しながら本実施形態の受信動作について説明する。
制御部1はタイマ(図示せず)によって間欠受信間隔を繰り返しカウントしており、間欠受信間隔が経過する毎に無線送受信部2を起動してRSSI信号による電波チェックを実行する。制御部1は電波チェックによって電波が捉えられれば無線送受信部2による受信動作を開始し、所定時間(1フレーム分の時間)内にフレーム同期パターンUWを受信してフレーム同期が取れれば引き続いて受信動作を継続し、所定時間内にフレーム同期が取れない場合、若しくは電波チェックによって電波が捉えられない場合には無線送受信部2を停止させて間欠受信間隔のカウントを再開する。
フレーム同期が完了した後、制御部1は受信した無線信号の宛先アドレスDAが同報用の特殊なビット列(例えば、全てのビットが1であるもの)又は自己の識別符号に一致するか否かを判断する。ここで、火災発生を通知するための通知メッセージや生死確認のための確認メッセージについては宛先アドレスDAに前記特殊なビット列を設定することで全ての火災警報器TRに同報されるが、通知メッセージや確認メッセージに対する応答メッセージのように特定の火災警報器TRにのみ送信する無線信号については当該火災警報器TRの識別符号が宛先アドレスDAに設定される。従って、制御部1では宛先アドレスDAにより同報若しくは自分宛と判断した場合は引き続いてメッセージMを受信するが、宛先アドレスDAにより同報及び自分宛でないと判断した場合は無線送受信部2を停止させて間欠受信間隔のカウントを再開する。
さらに、制御部1はCRC符号による伝送誤りチェックを行い、伝送誤りがなく正常に受信できれば受信したメッセージMの内容に応じた処理、例えば、報知部5から報知音を鳴動させて火災発生を報知する。一方、伝送誤りが生じて無線信号の受信に失敗した場合、制御部1は受信失敗回数Fの値をインクリメントした後に受信失敗回数Fが予め設定されている規定回数に達したか否かを判断し、規定回数に達していなければ再度電波チェックを行い、規定回数に達していれば受信失敗回数Fを初期化(F=0)するとともに無線送受信部2を停止させて間欠受信間隔のカウントを再開する。
このように本実施形態によれば、無線送受信部2が起動するタイミングあるいはノイズの影響等によって無線信号の受信に失敗したときに無線送受信部2を停止せずに引き続き受信動作を継続するので、間欠受信によって火災警報器TRの消費電力を低減しつつ、再度間欠受信間隔が経過するまで無線送受信部2を停止する場合と比較して無線信号を正常に受信できるまでの時間、すなわち、情報伝送の遅延時間を短縮することができる。また、無線信号の受信に失敗した回数(受信失敗回数F)が予め決められた規定回数に達したら間欠受信動作に戻るようにしているので、受信動作を過度に継続することによって無駄な電力が消費されるのを抑えることができる。なお、規定回数は回路の消費電力や電池の容量、火災警報器TRが設置される環境等の条件に応じた適当な値に設定される。
TR 火災警報器
1 制御部(送信制御手段、受信制御手段)
2 無線送受信部(送信手段、受信手段)
4 火災感知部
5 報知部
6 電池電源部

Claims (2)

  1. 複数の火災警報器を備え、これら複数の火災警報器の間で無線信号を伝送する火災警報システムであって、
    各火災警報器は、無線信号を送信する送信手段と、無線信号を受信する受信手段と、火災を感知する火災感知手段と、電源供給用の電池と、火災感知手段が火災を感知したときに送信手段を起動し、所定の送信期間に火災感知を知らせるための無線信号を送信させるとともに所定の休止期間に無線信号の送信を休止させる動作を交互に繰り返し且つ火災感知手段が火災を感知していないときには送信手段を停止させる送信制御手段と、一定の間欠受信間隔を繰り返しカウントするタイマ手段と、タイマ手段による間欠受信間隔のカウント中は受信手段を停止させ、タイマ手段による間欠受信間隔のカウントが完了する度に受信手段を起動する受信制御手段と、火災感知手段が火災を感知したとき又は火災感知を知らせるための無線信号を受信手段で受信したときに火災の発生を報知する報知手段と、を具備し、
    受信制御手段は、受信手段にて所望の電波が捉えられたら無線信号を受信し、所望の電波が捉えられなければ受信手段を停止させ、さらに無線信号の受信に失敗した場合は受信手段を停止させずに引き続き受信動作を継続することを特徴とする火災警報システム。
  2. 受信制御手段は、無線信号の受信に失敗した回数が予め決められた規定回数に達したら受信手段を停止するとともにタイマ手段による間欠受信間隔のカウントを再開させることを特徴とする請求項1記載の火災警報システム。
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