JP2010025919A - 地下水起源解析方法、地下水起源解析システム、地下水起源解析プログラム及び記録媒体 - Google Patents

地下水起源解析方法、地下水起源解析システム、地下水起源解析プログラム及び記録媒体 Download PDF

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Soichiro Kageyama
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Shusaku Miyaike
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Abstract

【課題】地下水移行経路並びに移行時間の精度高める地下水起源解析方法、地下水起源解析システム、地下水起源解析プログラム及び記録媒体を提供する。
【解決手段】地下水起源解析方法は、植生域の衛星画像データに基づいて設定する蒸発散量の算出値によって補正される浸透水量を算出し、前記浸透水量に基づく水頭値の分布から地下水の移行経路並びに移行時間を算出する。また、複数地点のイオン濃度データにおけるイオン濃度の比の一致度から地下水起源を算出し、複数地点の同位体比データにおける同位体比の一致度から涵養高度を算出する結果に基づいて算出された結果を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、衛星画像データを用いて地下水起源解析方法、地下水起源解析システム、地下水起源解析プログラム及び記録媒体に関する。
地下水起源解析とは、降雨(降水)によって地表水となった水が地面に浸透し、地下水となる地域(以下、「涵養(かんよう)地点」という。)を算出し、その水が移行して離れた地点の地下水となっていることを算定することをいう。その算出は、涵養地点から離れた地点の地下水となるまで、いずれの経路をたどって流れ着いたかを算出することによって行われる。このような地下水起源の算定は、地下水の品質を管理する上で重要視されている。このような地下水起源解析では、複数の水系に渡って分析する必要があるため、広い範囲を対象とした調査が行われ、扱われる情報の量も膨大な量となる。また、対象地域の地形を3次元モデルなどで示し、そのモデルに基づいて算出処理を行うときには、条件設定を変えた処理を繰り返し行うために、演算処理の簡素化などを目的として近似処理が行われている。(例えば、非特許文献1参照)
富山 他、「宮崎県富高鉱山における降水浸透と坑内水流出モデル」、日本地下水学会2006年秋季講演会講演要旨集、2006年.
地下水起源解析に用いられる情報を入手する際には、限られた条件のもとでできるだけ正確な情報を取得することが必要になる。その条件としては、浸透水量を定量的に測定することが困難であること。また、蒸発散量は、植生の状況、地表面の状況によって変化すること。そして、広い地域の情報が必要とされることなどがあげられる。そのため、近似して求められるモデルの正確さをいかに高められるかが正確な算出処理を行ううえでの鍵となる。
しかしながら、非特許文献1による地下水起源解析では、浸透水量は、経験に基づく予め定められた比率を降雨量に一律に乗算することによって得られる値を浸透水量の近似値とすることによって算出されていた。同じ量の降雨があっても、実際には土地の利用状況などにより浸透する量は異なっている。そのため、実際の浸透水量の近似値が、実際の値を近似しきれずに、近似精度が算出結果に影響するという問題がある。
また、求められた算出結果によって示される涵養地点の妥当性の判定が、一つの算出によって得られた結果から導かれていて検証できないという問題がある。
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、地下水移行経路並びに移行時間の精度を高める地下水起源解析方法、地下水起源解析システム、地下水起源解析プログラム及び記録媒体を提供することにある。
上記問題を解決するために、本発明は、記憶部に記憶された植生域の衛星画像データに基づいて算出する蒸発散量の算出値によって補正される浸透水量を算出し、前記浸透水量に基づく水頭値の分布から地下水の移行経路並びに移行時間を算出することを特徴とする地下水起源解析方法である。
また、本発明は、イオン濃度判定処理部が記憶部に記憶された複数地点のイオン濃度データにおけるイオン濃度の比の一致度から地下水起源を算出する工程と、同位体比判定処理部が記憶部に記憶された複数地点の同位体比データにおける同位体比の一致度から涵養高度を算出する工程と、蒸発散量演算部が記憶部に記憶された植生域の衛星画像データにおける地域ごとの蒸発散量を算出する工程と、降雨涵養量演算部が前記蒸発散量と記憶部に記憶された降水量の値から浸透水量を算出する工程と、圧力水頭0m設定部が記憶部に記憶された河川域を示す衛星画像データから前記地域ごとの地下水位0mの位置を算出する工程と、全水頭演算処理部が前記浸透水量と各地点の標高情報とから前記地域の水頭値を算出する工程と、地下水移行経路・移行時間演算処理部が前記水頭値の分布から地下水移行経路並びに移行時間を算出する工程と、を含むことを特徴とする地下水起源解析方法である。
また、本発明は、記憶部に記憶された複数地点のイオン濃度データにおけるイオン濃度の比の一致度から地下水起源を算出するイオン濃度判定処理部と、記憶部に記憶された複数地点の同位体比データにおける同位体比の一致度から涵養高度を算出する同位体比判定処理部と、記憶部に記憶された植生域の衛星画像データから地域ごとの蒸発散量を算出する蒸発散量演算部と、前記蒸発散量と記憶部に記憶された降水量の値から浸透水量を算出する降雨涵養量演算部と、記憶部に記憶された河川域を示す衛星画像データから前記地域ごとの地下水位0mの位置を設定する圧力水頭0m設定部と、前記浸透水量と各地点の標高情報とから前記地域の水頭値を算出する全水頭演算処理部と、前記水頭値の分布から地下水移行経路並びに移行時間を算出する地下水移行経路・移行時間演算処理部と、を備えることを特徴とする地下水起源解析システムである。
また、本発明は、地下水起源解析システムにおけるコンピュータに、記憶部に記憶された複数地点のイオン濃度データにおけるイオン濃度の比の一致度から地下水起源を算出するステップと、記憶部に記憶された複数地点の同位体比データにおける同位体比の一致度から涵養高度を算出するステップと、記憶部に記憶された植生域の衛星画像データから地域ごとの蒸発散量を算出するステップと、前記蒸発散量と記憶部に記憶された降水量の値から浸透水量を算出するステップと、記憶部に記憶された河川域を示す衛星画像データから前記地域ごとの地下水位0mの位置を設定するステップと、前記浸透水量と各地点の標高情報とから前記地域の水頭値を算出するステップと、前記水頭値の分布から地下水移行経路並びに移行時間を算出するステップと、を実行させることを特徴とする地下水起源解析プログラムである。
また、本発明は、地下水起源解析システムにおけるコンピュータに実行させる上記に記載のプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体である。
この本発明によれば、地下水起源解析方法は、植生域の衛星画像データに基づいて算出する蒸発散量の算出値によって補正される浸透水量を算出し、浸透水量に基づく水頭値の分布から地下水の移行経路並びに移行時間を算出することとする。
これにより、直接測定することが困難な浸透水量を植生域の衛星画像データに基づいて設定することにより、蒸発散量において、植生の状況、地表面の状況による変化によって生じる近似モデルとの偏差を低減できる。また、衛星画像データを用いることにより、広い地域の情報を得る。そして、地点ごとの状況に応じた補正を行うことにより、近似によって求められるモデルの正確さを高めることができ、正確な地下水移行経路並びに移行時間の算出処理を行うことが可能となる。
また、本発明によれば、地下水起源解析方法は、イオン濃度判定処理部が記憶部に記憶された複数地点のイオン濃度データにおけるイオン濃度の比の一致度から地下水起源を算出する。同位体比判定処理部が記憶部に記憶された複数地点の同位体比データにおける同位体比の一致度から涵養高度を算出する。蒸発散量演算部が記憶部に記憶された植生域の衛星画像データにおける地域ごとの蒸発散量を算出する。降雨涵養量演算部が前記蒸発散量と記憶部に記憶された降水量の値から浸透水量を算出する。圧力水頭0m設定部が記憶部に記憶された河川域を示す衛星画像データから前記地域ごとの地下水位0mの位置を算出する。全水頭演算処理部が前記浸透水量と各地点の標高情報とから前記地域の水頭値を算出する。地下水移行経路・移行時間演算処理部が前記水頭値の分布から地下水移行経路並びに移行時間を算出することとした。
また、これにより、直接測定することが困難な浸透水量を植生域の衛星画像データに基づいて算出することにより、蒸発散量における植生の状況、地表面の状況によって変化によって生じる近似モデルとの偏差を低減できる。また、衛星画像データを用いることにより、広い地域の情報を得る。そして、地点ごとの状況に応じた補正を行うことにより、近似によって求められるモデルの正確さを高めることができ、正確な地下水移行経路並びに移行時間の算出を行うことが可能となる。また、地下水移行経路並びに移行時間の算出処理の算出結果によって示される涵養地点の妥当性の検証は、複数の工程で算出された結果を関連付けて検証することにより、求められた算出結果の信頼度を追認することが可能となる。
本実施形態による地下水起源解析システムを示すブロック図である。 同実施形態におけるイオン濃度分析を示す図である。 同実施形態における水質分析を示す図である。 同実施形態における同位体比分析を示す図である。 同実施形態における同位体比分析の図(その1)である。 同実施形態における同位体比分析の図(その2)である。 同実施形態における同位体比分析の図(その3)である。 同実施形態における同位体比分析の図(その4)である。 同実施形態におけるリモートセンシング情報を示す図(その1)である。 同実施形態におけるリモートセンシング情報を示す図(その2)である。 同実施形態におけるリモートセンシング情報から求めた差分情報を示す図である。 同実施形態におけるリモートセンシング情報から求めた土地利用区分を示す図である。 同実施形態におけるリモートセンシング情報から求めた蒸発散量を示す図である。 同実施形態における地表水面を示す図である。 同実施形態における各地点について地質情報を設定した結果を示す図である。 同実施形態における全水頭分布を示す図である。 同実施形態における地下水面標高の実測データを示す図である。 同実施形態における地下水の流れを示す図である。 同実施形態における地下水の移行経路を示す図である。 同実施形態における地下水起源解析処理を示すフローチャートである。 同実施形態におけるイオン濃度分析処理に用いられるデータのデータ構造を示す図である。 同実施形態におけるイオン濃度分析処理を示すフローチャートである。 同実施形態における同位体比分析処理に用いられるデータのデータ構造を示す図である。 同実施形態における同位体比分析処理を示すフローチャートである。 同実施形態におけるリモートセンシング情報から蒸発散量演算処理に用いられるデータのデータ構造を示す図である。 同実施形態における蒸発散量演算処理を示すフローチャートである。 同実施形態における降雨涵養量演算処理に用いられるデータのデータ構造を示す図である。 同実施形態における降雨涵養量演算処理を示すフローチャートである。 同実施形態における圧力水頭0m設定処理に用いられるデータのデータ構造を示す図である。 同実施形態における圧力水頭0m設定処理を示すフローチャートである。 同実施形態における全水頭値演算処理に用いられるデータのデータ構造を示す図である。 同実施形態における全水頭値演算処理を示すフローチャートである。 同実施形態における地下水移行経路・時間演算処理に用いられるデータのデータ構造を示す図である。 同実施形態における地下水移行経路・時間演算処理を示すフローチャートを示す図である。
以下、本発明の一実施形態による地下水起源解析システム100について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による地下水起源解析システム100を示すブロック図である。
この図には、地下水起源解析システム100と、地下水起源解析システム100の処理に用いられる情報を提供する情報入力システム200とが示されている。
地下水起源解析システム100は、情報入力システム200から入力される各種情報に基づく演算処理を行い当該地点の地下水のもととなる涵養(かんよう)地点を算出する地下水起源解析システムである。涵養地点とは、降雨によって地表水となった水が地面に浸透し、地下水となる場所である。その地点の標高を涵養高度という。そして、その地下水は、涵養地点を基点とする地下水の流れにしたがって移行する。
また、地下水起源解析システム100による涵養地点の算出では、所定の位置・深度に到達した地下水がその地点に到達するまでの経路を算定し、その経路の基点を涵養地点として算定する。また、地下水起源解析システム100は、降雨から所定の位置・深度に到達するまでの時間を算出するシステムである。
情報入力システム200は、河川水や地下水などから検出されたイオン濃度・水質情報を提供するイオン・水質情報システム(イオン・水質情報データ)210、河川水や地下水などから検出された同位体比情報を提供する同位体情報システム(同位体情報データ)220、人工衛星において撮影された画像情報を提供するリモートセンシングシステム231、各地点の降雨量を提供する雨量情報システム232、各地点の地形標高情報として緯度経度及び標高を提供する地図情報システム233、地質に関する情報を提供する地質情報システム234を備える。
地下水起源解析システム100は、演算処理部110、入力処理部40、制御記憶処理部50、記憶部70、出力処理部80、表示部90を備える。
地下水起源解析システム100において演算処理部110は、地下水起源解析システム100における各種演算処理を行う。地下水起源解析システム100における演算処理部110は、イオン濃度水質情報判定処理部10、同位体比判定処理部20、地下水移行算定処理部30を備える。演算処理部110においてイオン濃度水質情報判定処理部10は、河川水や地下水などのサンプルから検出されたイオン濃度・水質情報のそれぞれの相関関係を判定する。また、イオン濃度水質情報判定処理部10は、類似性の高いサンプルからの判定結果をグループとして扱うことができる判定処理部である。同位体比判定処理部20は、河川水や地下水などをサンプルから検出された同位体比情報をもとに、その地下水の起源とされる涵養地点の標高、すなわち涵養高度を特定する。また、同位体比判定処理部20は、水源の類似性の高いサンプルからの判定結果をグループとして扱うことができる判定処理部である。
地下水移行算定処理部30は、降雨のあった地点で地下水として涵養され、地下水が流れる経路の地形や高度差および環境によって麓の地下水として年月を経て到達するまでの移行経路並びに移行時間を算出する判定処理部である。地下水移行算定処理部30は、蒸発散量演算処理部31、降雨涵養量演算部32、圧力水頭0m設定部33、全水頭演算処理部34、地下水移行経路・移行時間演算処理部35を備える。地下水移行算定処理部30において蒸発散量演算処理部31は、人工衛星から撮影された画像データに基づいて演算処理を行い、各地点の可能蒸発散量を算出する。降雨涵養量演算部32は、各地点の可能蒸発散量と各地点の降雨量の情報に基づいて演算処理を行い、各地点の降雨涵養量を算出する。圧力水頭0m設定部33は、人工衛星から撮影された画像データと緯度経度及び標高の情報に基づいて演算処理を行い、圧力水頭が0mを示す地点、すなわち、地下水が河川として地表水となって現れている地点の設定を行う。全水頭演算処理部34は、各地点の降雨涵養量と圧力水頭が0mを示す地点の情報と緯度経度及び標高の情報に基づいて演算し、全水頭値情報を算出する。地下水移行経路・移行時間演算処理部35は、各地点の全水頭値情報に基づいて演算処理を行い地下水移行経路並びに移行時間を算出する。
入力処理部40は、接続される入力処理システム200から情報が入力される。入力処理部40は、記憶部70に割り付けられた各記憶部に、制御記憶処理部50の処理を経て入力された情報を記録する。入力処理システム200から入力される情報は、コンピュータによって読み取り可能な媒体に記録された情報又は通信回線を介して行われる通信処理によって入力される情報のいずれかを選択可能である。また、入力処理部40は、マウス、キーボードなどの入力部を備え、その入力部から入力される情報を検出する処理を行い、検出した結果を制御記憶処理部50に入力する。
制御記憶処理部50は、地下水起源解析システム100における各処理部からの指示の判別と、その指示に対する応答出力、各処理部の制御並びに記憶部70への情報の記録及び記憶部70に記憶された情報の参照を行う。記憶部70は、HDD(Hard disk drive)または半導体メモリなどによって構成される記憶部であり、制御記憶処理部50からの指示にしたがって、記録並びに参照などが行われる。出力処理部80は、各演算処理に必要とさせる入力処理の指示を選択するための表示画面の作成、演算結果の表示を行う表示画面の作成などを行い、作成した画面の情報を表示部90に出力する。表示部90は、出力処理部80から入力された画面情報を表示する表示処理を行う。表示部90は、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electro-Luminescence)表示器などの各種表示方式の表示素子を用いた表示部であってもよい。
地下水起源解析システム100は、CPU((Central Processing Unit)とRAM(Random Access Memory)とROM(Read Only Memory)とHDD(Hard Disk Drive)とI/O(Input/Output)などが備えられており、演算処理を実行するCPUがRAMを一時的なワークエリアや設定記憶領域として使用したりプログラム領域として使用したりしながら、ROMに書き込まれた基本プログラムを適宜実行し、I/Oを介して接続されている外部機器及び内部機器などを制御している。さらに地下水起源解析システム100は、装置内部の記憶領域としてHDDを備え、処理プログラム、各種テーブルとしての情報、処理結果など情報の記憶領域として利用される。
次に、図を参照して、地下水起源解析システム100の各種処理の機能について説明する。
地下水起源解析システム100において演算処理部110は、地下水起源解析システム100における各種演算処理を行う。演算処理部110におけるイオン濃度水質情報判定処理部10は、イオン・水質情報データ210から提供される河川水や地下水などをサンプルとして検出されたイオン濃度・水質情報のうち、特に次の情報を参照する。
イオン濃度分析として、次の6つに分類される各イオン濃度について分析する。すなわち、硫酸イオン(SO 2−)、重炭酸イオン(HCO )、塩素イオン(Cl)、カルシウムイオン(Ca2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)並びにナトリウム及びカリウムイオン(Na及びK)である。イオン濃度水質情報判定処理部10は、イオン濃度のデータに基づいた主成分分析手法による演算処理を行うことにより、イオン濃度の比の類似性を示す傾向分析を演算処理により行うことができる。
図2は、イオン濃度分析に関する一例を示す図である。
複数の箇所のサンプルが示すこれらのイオン濃度の比の傾向を視覚的に比較するために水質ダイアグラムという手法がとられている。検出されたイオンを6つに分類する。その分類は、陰イオンである硫酸イオン(SO 2−)、重炭酸イオン(HCO )、塩素イオン(Cl)と、陽イオンであるカルシウムイオン(Ca2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、ナトリウムイオン及びカリウムイオン(Na及びK)である。その分類にしたがって、図示するよう陰イオンを左、陽イオンを右に配置する。この図に示されるグラフの横軸は、イオン濃度の値を示す。各イオンの濃度に応じてグラフにプロットし、プロット点を結んで描かれる六角形によって示された形が、水に含有されるイオンの量の特徴を示す。六角形の形状が類似しているサンプルは、同じ水系の地下水である可能性が高いと判定できる。この図(a)と(b)に示されるように、六角形の形状の特徴が異なるものは、異なる水系からの水と判定することができる。イオン濃度水質情報判定処理部10は、記憶されたイオン濃度のデータを参照し水質ダイアグラムを作成することもできる。
また、水質情報分析として、電気伝導度と水温の分析を行う例を示す。
図3(a)は、同じ水系からの各サンプルを分析して得られた電気伝導度と、そのサンプルを採取した標高との関係を示すグラフである。このグラフの横軸は、電気伝導度(μS(マイクロ ジーメンス)/cm))を示し、縦軸は標高(m)を示す。このグラフに示されるように、同じ水系によるサンプルであれば、標高が高いほど電気伝導度が低く、標高が低くなるにしたがって電気伝導度が高くなる。すなわち、標高が低い場所で採取されたサンプルの水が、地下を移行している間に、経路を構成する地中の成分が溶け出してイオン化傾向が高くなる。図に示される白丸(○)印は、特定の地下水を分析して得られた電気伝導度を既知の測定結果を示すグラフ上にプロットした例を示す。この例では、白丸(○)印の位置が、各サンプルが示すばらつきの範囲内に位置することにより、同じ水系による地下水と判定できる。
図3(b)は、水温と標高の関係を示したグラフである。このグラフの横軸は、水温(℃)を示し、縦軸は標高(m)を示す。このグラフに示されたサンプルは、特定の水系に限られたものではなく、複数の山体中を流れる地下水や湧水で測定された水温を示す。このグラフの中で、同一の山系によるサンプルを抽出すると、線形で示される直性で近似できる範囲にサンプルがばらつく傾向が示される。この直線を地温勾配という。この図に示される2つの直線(実線と破線)は、異なる山系による地温勾配を示し、いずれの地温勾配との相関があるかにより水系を判定する。
このように、演算処理部110におけるイオン濃度水質情報判定処理部10は、地下水と湧水のサンプルから得られた情報からそれぞれの相関関係を判定し、類似性の高いサンプルをグループとして扱う判定処理部である。
演算処理部110における同位体比判定処理部20は、河川水や地下水などから検出された同位体比情報、すなわちサンプルに含まれる安定同位体の含有量を示す安定同位体比に基づいて判定する。
同位体比判定処理部20が分析対象とする安定同位体について説明する。
図4(a)は、水素Hを基本とする同位体を示す。標準の水素Hに比べ、中性子が1個多い重水素Hと、2個多いトリチウムHが示されている。水素Hと重水素Hは安定同位体であるが、トリチウムHは、半減期(12.3年)を有する放射性同位体である。安定同位体は、放射性同位体のように含有量が自然に減少しないので、水系判定のトレーサーとして用いられる。
図4(b)は、一般的な水に含まれる安定同位体の含有量を示す図である。
水に含まれる安定同位体として、水を構成する水素原子と酸素原子に関係する安定同位体を示す。この図には、水素H、重水素H(D)、酸素16O、酸素17O、酸素18Oの5種類の安定同位体とその存在比率が示される。ここで示されるように、酸素18Oは、他の安定同位体に比べ存在比率が多く、地下水起源解析に用いるトレーサーに適している。酸素18Oの安定同位体比を「δ18O」として示す。
図5は、特定の水系の安定同位体比(δ18O)と涵養場所の標高の関係を示すグラフである。このグラフの横軸は、安定同位体比(δ18O:‰(パーミル))を示し、縦軸は標高(m)を示す。このグラフによって示されるように、同じ水系の場合には線形で示される直性で近似できる範囲にサンプルがばらつく傾向が示されている。標高が高くなると安定同位体の含有量が少なくなる傾向がある。
また、安定同位体比は、蒸発量にしたがって変化することが知られている。
図6は、蒸発量と安定同位体比(δ18O)の変化を示す関係をグラフに示したものである。このグラフの横軸は、蒸発率(%(パーセント))を示し、縦軸は、安定同位体比(δ18O:‰(パーミル))を示す。このグラフに示される2つのグラフは、異なる2つの河川水を蒸発させたときの安定同位体比の変化を示す。このグラフの縦軸の切片となる値が異なり、異なる河川水の水であることが示される。いずれのグラフとも、蒸発量に応じてグラフが右上がりとなる同じ傾向を示す。この図に示されるように、蒸発量が多くなるにしたがって、同位体比が高くなる。すなわち、含有されている比率が高くなることが示される。
図7は、安定同位体比(δ18O)と、観測された降雨採取場所の標高との関係を示すグラフである。このグラフの横軸は、安定同位体比(δ18O:‰(パーミル))を示し、縦軸は標高(m)を示す。この図は、複数のサンプルのデータをプロットし、それらの測定点の情報をもとに直線回帰分析による1次式で示された直線Pref1(点線)と補正量を考慮した直線EVP2(実線)が示される。直線Pref1に示される傾向は、実際の測定点における安定同位体比の傾向を示すものである。この傾向には、降雨時点から測定されるまでに蒸発することによる安定同位体比の変化は考慮されていない。
前述の図6に示したように、蒸発が進むと安定同位体比は高くなる。つまり、直線EVP2(実線)で示された安定同位体量が示す値は、蒸発が進んだ時点の安定同位体であるため、降雨時点の安定同位体比を想定し補正することが必要になる。例えば、図に示される点P1(安定同位体比:−10‰(パーミル)、標高:1000m)は、採取された地下水の測定データである。このデータを補正するには、同じ安定同位体比に対する直線EVP2によって示される新たな標高の値(2000m)が、蒸発による補正を考慮した直線EVP2が示す関係を用いると求めることができる。直線EVP2は、図6に示した蒸発率を考慮した関係から導かれる。すなわち、標高1000mの地点の地下水で採取された水は、標高2000mの高さでの降雨によって浸透して地下水となった可能性が高いと判定される。
図8は、異なる水系での安定同位体比(δ18O)と標高の関係を示したグラフである。このグラフの横軸は、安定同位体比(δ18O:‰(パーミル))を示し、縦軸は標高(m)を示す。この図に示される3つの直線W1,W2,W3は、それぞれ異なる水系のサンプルのデータから直線回帰分析を行い、グラフとして示したものである。水系ごとに異なる直線W1,W2,W3が得られ、この特徴を用いて水系を判定することが可能となる。また、安定同位体比のデータに基づいた主成分分析手法による演算処理を行うことにより、類似性の傾向分析を行うことができる。
図を参照し、演算処理部110における地下水移行算定処理部30について説明する。
地下水移行算定処理部30において蒸発散量演算処理部31は、人工衛星から撮影された画像データに基づいて、各地点の可能蒸発散量を算出する演算処理を行う。
人工衛星から撮影された画像データは、2つの異なる波長域でフィルタ処理された地表面からの反射光の強度を検出した情報である。第1の波長域は、可視光領域(以下、「Band(バンド)3」領域ともいう。)であり、第2の波長域は、近赤外領域(以下、「Band(バンド)4」領域ともいう。)である。この2つの異なる波長領域のデータを比較処理することにより、それぞれの地点の植生活性度を示す指標となる正規化植生指数(以下、「NDVI(Normalized Difference Vegetation Index)」という。)を算出する。NDVIは、次式(1)から求められる。
NDVI=(Bd4−Bd3)/(Bd4+Bd3) ・・・(1)
式(1)においてBd3は、Band3領域のデータによって示される反射率(「アドベド」ともいう。)の値であり、同じくBd4は、Band4領域のデータによって示される反射率の値である。
図9と図10は、人工衛星から撮影された地表の反射率の地域ごとの差を示す情報をもとに、それぞれの地点のNDVIを演算し、2次元的に示した図である。この図9が、落葉時期に測定された結果を示し、図10が着葉時期に測定された結果を示し、撮影時期を変えて測定した反射率情報からそれぞれの時期のNDVIを求めたものである。それぞれの関係を式(1)に基づいて、式(2)と式(3)に示す。
NDVI(落葉時期)=
(Bd4(落葉)−Bd3(落葉))/(Bd4(落葉)+Bd3(落葉)) ・・・(2)
式(2)において、NDVI(落葉時期)が落葉時期の植生活性度(NDVI)、Bd3(落葉)が落葉時期の可視光領域(Band3)の反射率、Bd4(落葉)が落葉時期の近赤外光領域(Band4)の反射率を示す。
NDVI(着葉時期)=
(Bd4(着葉)−Bd3(着葉))/(Bd4(着葉)+Bd3(着葉)) ・・・(3)
式(3)において、NDVI(着葉時期)が着葉時期の植生活性度(NDVI)、Bd3(着葉)が着葉時期の可視光領域(Band3)の反射率、Bd4(着葉)が着葉時期の近赤外光領域(Band4)の反射率を示す。2つの画像を比較すると、測定された季節の違いで落葉樹などの葉がなくなるなどの植生が変化することにより、反射率が変化して検出されて植生活性度(NDVI)の変化としてその差が示される。
図11は、異なる季節の正規化植生指数(NDVI)値の差を演算し、差分正規化植生指数(ΔNDVI)を算定し2次元的に示した図である。その演算は、次式(4)から求められる。
ΔNDVI=NDVI(着葉時期)−NDVI(落葉時期) ・・・(4)
式(4)における「NDVI(着葉時期)」は、広葉樹の葉のある季節のNDVI値を示し、「NDVI(落葉時期)」は、広葉樹の葉のない季節のNDVI値を示す。この図に示されたように、植生状況が含まれる土地利用区分を特定するための基本データが生成された。
図12は、地点ごとのNDVIとΔNDVIの値をもとに土地利用区分の判定処理を行った結果を2次元的に示した図である。土地利用区分の判定処理は、予め定められた閾値に基づいてNDVIとΔNDVIの値の判定を行う。この図に示される土地利用区分の分類は、「常用樹林」「落葉樹林」、「草地」、「市街地」、「畑地・開発地」に分類された結果が示されている。
図13は、地点ごとのΔNDVIの値をもとに分類された土地利用区分の分類(「常用樹林」「落葉樹林」、「草地」、「市街地」、「畑地・開発地」)の結果から、それぞれの利用区分に対応する年間蒸発散量を設定する。土地利用区分に対する年間蒸発散量の設定値の例を示す。「常用樹林」と「落葉樹林」は、700.08mmとする。「草地」は、630.72mmとする。「市街地」は、422.64mmとする。「畑地・開発地」は、700.08mmとする。設定された年間蒸発散量の結果に応じて濃淡表示分類された結果を2次元的に示した図である。図に示される色が薄い場所ほど年間蒸発散量が多いことが示されている。
以上に示したように、蒸発散量演算処理部31は、リモートセンシングによって得られた衛星画像データからの情報を基にして、地域ごとの年間蒸発散量を可能蒸発散量とする。
次に、各地点の降雨涵養量について説明する。
降雨涵養量は、その地点の降雨量のうち、地面に浸透し地下水として涵養する量を示す。前述したように、各地点の植生などの状況変化により、その地点での蒸発散量が異なることが示された。浸透して地下水に涵養する前に、地表から蒸発したり、植生などにより発散したりする量を次式(5)によって補正し、降雨涵養量を定めることとする。
(降雨涵養量)=(降雨量−可能蒸発散量)/2 ・・・(5)
式(5)において、右辺を2で除算しているのは、地表水として流出してその地点に浸透しない量などを定めるための比例定数として設定し近似するためである。
以上に示したように、降雨涵養量演算部32は、各地点の降雨量情報と年間蒸発散量に基づいて、上記の式(5)で示された演算処理を行う。
図を参照し、地下水が地表に現れた地表水の基準面を地下水の圧力の基準点の設定について説明する。
地下水面より、地表面が低くなるときに、地下水が飽和して地表に現れる。言い換えれば、河川の水位に接する地面の地下水面が一致する。
図14は、地下水面を算定するための基準面(圧力水頭0m)を説明する図である。
この図(a)は、河川を横切る方向の断面を示した断面図である。この図に示されるように、降雨によってもたらされた水が浸透し地下水となる。地質に含まれる間隙が水で満たされた状態の部分にある水を地下水という。地下水に満たされている状態を飽和状態という。飽和状態の地質が地表に接する場所では、地下水が地表水となって現れる。この地表水は、地表を流れる河川となる。この河川の水面の位置を基準として、その基準の高さにかかる各地点の地下水による水圧を圧力水頭という。圧力水頭は、この基準の高さと地下水面の差を示す指標となる。また、標高0mからその基準面の標高差による水圧を位置水頭という。圧力水頭と位置水頭の和を、全水頭という。全水頭は、その地点の地下水の圧力差を示す指標であり、その圧力差により地下水が移行する。
全水頭値は、式(6)として示される。
(全水頭)=(位置水頭)+(圧力水頭) ・・・(6)
この図(b)は、対象地域のなかで地表に現れている水面を特定した圧力水頭0m設定部33における処理結果を示す図である。この図で、水平方向に2次元的にメッシュが構成され、そのメッシュの交点で示される地点が、地表水となって現れている河川などの場所を白丸(○)印で示している。
圧力水頭0m設定部33は、落葉時期のリモートセンシングデータから地表水に覆われている地点を特定することができる。地表水の判定に用いる衛星画像データは、落葉時期の近赤外線領域(Band4)の反射率の差異を示す情報を用いる。地表水の水面では、近赤外線が吸収されるため、反射率が低い値となって示されるので、閾値以下の値を示す場所から地表水に覆われている位置を特定できる。圧力水頭0m設定部33は、地表水に覆われていると判定された結果の情報を、地図情報に重ね合わせて、河川又は湖面などの水面の位置を基準面とする圧力水頭0mの地点を設定する。この圧力水頭0mの地点は、周辺の地下水面の高さを示す地下水位0mを示す基準点となる。
図を参照して全水頭分布の演算処理について説明する。
図15は、対称範囲の各地点の位置・深度について地質情報を設定した結果を示す鳥瞰図である。地表面と、対称範囲のふちが断面で示されている。この図に示される濃淡は、異なる地質を示す。当該地域を構成する地質情報にしたがって、各地点を構成する地質をそれぞれの位置と深度に基づいて設定する。設定された情報から、この図に示される地質の分布図が作成される。この分布図に示される地質の特性と関連付けて各地点の位置・深度の透水係数及び不飽和特性が設定される。全水頭演算処理部34は、前述した降雨涵養量、圧力水頭0m分布、地形標高データ及び各地点の位置・深度の透水係数及び不飽和特性の各情報に基づいて全水頭値を算出する。
図を参照して全水頭分布の演算処理について説明する。
図16は、演算処理によって求められた全水頭分布の例を示す図である。この図に示される曲線は、同一の全圧力水頭を示す地点をつないで示した曲線になる。この全水頭分布から地下水面の起伏を算出することができる。
また、図17は、図16に示した地域で観測された地下水面標高の実測データを示す図である。図16と図17を対比させ、図16で示される水頭分布の曲線の形と、図17の実測データから求めた水頭分布を示す曲線の形とが同じ傾向を示していることがわかる。つまり、リモートセンシングによる画像データをもとに補正した降雨涵養量に基づいて処理した演算結果で求めた水頭分布は、実際の測定データによって検証された。
図を参照して地下水移行経路、移行時間の演算処理について説明する。
全水頭演算処理部34によって求められた全水頭分布情報と、地形標高データ及び各地点の位置・深度の透水係数、不飽和特性及び有効間隙率の情報に基づいて、地下水移行経路、移行時間を算出する。
地下水は、隣接する地点間の全水頭値の差から地下水の移行が生じる。すなわち、地下水は、前述の水頭分布図で示された全水頭分布が示す曲線と直角の方向に流れを生じている。この水頭値分布曲線が示す水頭値の変化が大きい部分、すなわち水頭値分布曲線が密に示されている部分では、地下水の流速が大きくなる。反対に、水頭値の変化が緩やかな部分、すなわち水頭値分布曲線が疎に示されている部分では、地下水の流速が小さくなる。
各地点の位置・深度での地下水の流れる方向及び流速を、それぞれの地点での値を算定する。まず、各地点の位置・深度で参照される地点には、格子状に配置された参照点が設定される。その格子状に配置された参照点の位置には、参照点の間の間隔を一辺の長さとする微小な立方体が定義され、その立方体の各面から流入出する水の量を算定する。算定された流入出する水の量を3次元の座標軸方向の成分に分解する。座標軸方向の成分に分解された値を用いて、その参照点における水の移行をベクトルで示すことができる。
図18は、地下水の流れを示す図である。
この図に示されるメッシュは、位置を示す格子を示し、各地点の標高を考慮して3次元的に地面をモデル化して示す。また、この図に示される矢印は、その地点での地下水の移行方向を示す。これらの矢印で示される方向が揃って同一の方向を示す地点では、その方向に地下水の流れが生じていることを示す。その矢印の矢線の長さは、地下水の移行量、すなわち流速を示すものである。
図を参照して地下水の移行経路の算定処理について説明する。
図19は、地下水の移行経路を示す図である。地下水の移行経路の選定は、経路となる各地点の地下水の移行方向をつなぎ合わせることで算定される。
移行経路の算定は、2通りの算定方法を選択することができる。第1の算定方法は、涵養場所を指定して、涵養場所を始点とする流れの方向を算定する方法である。第2の算定方法は、地下水が到達する位置の所定の深度を指定し、その位置に到達しうる経路を算定する方法である。この方法では、実際の地下水の流れる方向に対して、さかのぼって経路を選択していくことになる。
第1の算定方法は、実際の地下水の流れる方向に沿って経路を選択していく方法である。始点として選択された地点から、その地点における地下水の移行先を示すベクトルが参照する方向にある、参照点を選択し、その参照点が有するベクトルが参照する方向にある、参照点を選択するという処理を繰り返し行うことで算定することができる。
第2の算定方法は、地下水の到達点の周辺の参照点の中から、それぞれの参照点が有するベクトルが最も近い参照を行っている第1の参照点を選択する。同じく第1の参照点の周辺の参照点の中から、それぞれの参照点が有するベクトルが最も近い参照を行っている参照点を第2の参照点として選択する。この処理を繰り返し行い、地表に到達した場所が、その地下水の涵養地点になる。
本実施形態では、第2の算定方法を用いて説明を行うこととする。
上記の処理によって定められた地下水移行経路に沿って地下水が移行するときにかかる移行時間の算定方法について説明する。
地下水の移行時間の算定には、ダルシー(Darcy)の法則を用いた流速(ダルシー流速)算定が知られている。このダルシー流速による移行時間の演算では、有効間隙率を100%(パーセント)と仮定したときの条件で移行時間(経路距離/ダルシー流速)を算定し、有効間隙率(%)を設定することによる補正処理により移行時間を求めることができる。その関係を式(7)に示す。
(実流速による移行時間)
=(経路距離)/(ダルシー流速)×(有効間隙率) ・・・(7)
式(7)で示されるように、有効間隙率を100%としたダルシー流速の値は、実流速の値に比べ遅い値となるのが一般的であり、有効間隙率で表される隙間に注入される地下水量によって移行速度が決定されることになる。
例えば、ダルシー流速によって求められた移行時間が700年と算定され、その経路の有効間隙率が7%であれば、実流速による移行時間が49年として求められる。
以上に示したように、地下水移行経路・移行時間演算処理部35は、地下水の移行経路を特定し、移行時間を求めることができる。
続いて、地下水起源解析で行われるそれぞれの処理手順とその処理に用いられる情報について説明する。地下水起源解析システム100において地下水起源解析のそれぞれの処理に用いられる情報は、記憶部70に割り付けられた各種データベースに記憶され、それぞれの処理を行う各機能部からの記録・参照などの指示にしたがって制御記憶処理部50が記憶部70に割り付けられた各種データベースへの記録・読み出し処理を行う。以下の処理の説明において、各機能部が制御記憶処理部50に指示する記録・参照などの処理、制御記憶処理部50が行う記憶部70の記録・読み出し処理及び制御記憶処理部50が行う各機能部への通知処理を、各機能部が各種データベースへの記録・読み出し処理を行う処理に含めることとして説明する。また、各機能部によって算出・算定された結果は、出力処理部80を介して表示部90に表示される。表示部90への表示は、制御記憶処理部50から出力処理部80への指示によって、出力処理部80が各記憶部に記録された情報を参照し、その情報に基づいて出力画面を生成し表示部90に表示される。
図20は、地下水起源解析処理を示すフローチャートである。
地下水起源解析システム100における地下水起源解析処理は、図に示される複数の処理によって構成される。
最初に、地下水起源解析システム100におけるイオン濃度水質情報判定処理部10は、河川水及び地下水のイオン濃度の比の一致度並びに水質の一致度から地下水起源の類似性の判定処理を行う(ステップSA10)。続いて、地下水起源解析システム100における同位体比判定処理部20は、河川水及び地下水の同位体比の一致度から涵養高度の判定処理を行う(ステップSB20)。続いて、地下水起源解析システム100における地下水移行算定処理部30は、地下水移行算定処理を下記の手順で行う。まず、蒸発散量演算処理部31は、人工衛星が撮影した衛星画像データから地点ごとの蒸発散量を求める演算処理を行い、各地点の可能蒸発散量を算出する(ステップSC31)。降雨涵養量演算部32は、各地点の可能蒸発散量と各地点の降雨量の情報に基づいて演算処理を行い、各地点の降雨涵養量を算出する(ステップSC32)。圧力水頭0m設定部33は、衛星画像データに示される河川の位置と緯度経度及び標高の情報に基づいて演算処理を行い、圧力水頭が0mを示す地点、すなわち、地下水が河川として地表水となって現れている地点の設定を行う(ステップSC33)。全水頭演算処理部34は、各地点の降雨涵養量と圧力水頭分布と、地形標高データと、地点・深度ごとの透水係数・飽和特性とから、全水頭を求める演算処理を行い、全水頭値情報を算出する(ステップSC34)。地下水移行経路・移行時間演算処理部35は、各地点の全水頭分布と、地点・深度ごとの透水係数・飽和特性・有効間隙率とから、地下水移行経路と移行時間を求める演算処理を行い、地下水移行経路並びに移行時間を算出する(ステップSC35)。
上記に記した各ステップの処理の詳細について順に説明する。
図21は、イオン濃度分析処理並びに水質情報処理に用いられるデータのデータ構造を示す図である。
図(a)に示されるイオン濃度情報データベースは、「緯度(X)」、「経度(Y)」、「深度」、「硫酸イオン」、「重炭酸イオン」、「塩素イオン」、「カルシウム(Ca)イオン」、「マグネシウム(Mg)イオン」、「ナトリウム(Na)イオン・カリウム(K)イオン」からなる項目を有する。この図は、イオン濃度情報データベースを2次元的に配列して表した例である。「緯度(X)」、「経度(Y)」は、採取した水の採取場所を示す。「深度」は、その採取地点における採取した深度を示す。「硫酸イオン」、「重炭酸イオン」、「塩素イオン」、「カルシウム(Ca)イオン」、「マグネシウム(Mg)イオン」、「ナトリウム(Na)イオン・カリウム(K)イオン」の各項目は、それぞれ(SO 2−)イオン、(HCO )イオン、(Cl)イオン、(Ca2+)イオン、(Mg2+)イオン、(Na)イオン・(K)イオンの濃度を示す。それぞれサンプルとして採取された水の情報及びすでに測定された各種地点の水の情報をもとにして登録された情報ごとに、行を単位とするデータが構成され、「緯度(X)」、「経度(Y)」、「深度」をキーとして参照される。
また、図(b)に示される水質情報データベースは、「緯度(X)」、「経度(Y)」、「深度」、「電気伝導度」、「水温」からなる項目を有する。この図は、水質情報データベースを2次元的に配列して表した例である。「緯度(X)」、「経度(Y)」は、採取した水の採取場所を示す。「深度」は、その採取地点における採取した深度を示す。「電気伝導度」は、採取した水の電気伝導度を示す。「水温」は、採取した水の採取時の水温を示す。それぞれサンプルとして採取された水の情報及びすでに測定された各種地点の水の情報をもとにして登録された情報ごとに、行を単位とするデータが構成され、「緯度(X)」、「経度(Y)」、「深度」をキーとして参照される。
次に、図を参照して、地下水起源解析システム100の各種処理の処理について説明する。以下に示す処理の説明では、
図22は、イオン濃度分析処理を示すフローチャートである。
入力処理部40は、イオン・水質情報システム210から入力されるイオン・水質情報データを受信し、河川水の測定データを測定地点の情報をキーとしてイオン濃度情報データベースに登録する(ステップSa1)。また、入力処理部40は、判定を行う地下水のイオン濃度・水質情報の入力処理を行い水質情報データベースに登録する(ステップSa2)。イオン濃度水質情報判定処理部10は、イオン濃度情報データベースに登録された各地点の登録データをもとにイオン濃度の傾向を分析する。イオン濃度水質情報判定処理部10は、イオン濃度の傾向の分析には、主要イオンを配列に並べ、そのイオン濃度値を示す位置に各点を配置し、その点を結んだヘキサダイアグラム(図2参照)を作成する。また、イオン濃度水質情報判定処理部10は、主成分分析処理を行い、各地点の登録データの類似性を判定し、判定結果を記憶部に記録する(ステップSa3)。イオン濃度水質情報判定処理部10は、水質情報データベースに登録されたデータを参照し、各水質を示す指標を基にして標高に対する直線回帰分析を行う(図3参照)。同じ水源からの地下水であれば類似の傾向が示される。求められた直線との距離が予め定められた判定範囲に含まれるときに類似性が高いと判定する(ステップSa4)。
イオン濃度水質情報判定処理部10は、地下水起源の類似性の分析を行う。この分析には、各地点のイオン濃度分析による類似性の判定と、水質情報を用いた類似性判定情報の傾向分析の双方の結果から判定を行う(ステップSa5)。イオン濃度水質情報判定処理部10は、判定の結果、イオン濃度傾向、水質の傾向共に類似性があると示されたときには、地下水起源の類似性が高いと判定し、判定結果を記憶部に記録し判定処理を終了する(ステップSa6)。イオン濃度水質情報判定処理部10は、イオン濃度傾向、水質の傾向共に類似性がないと示されたときには、地下水起源の類似性が低いと判定し、判定結果を記憶部に記録し判定処理を終了する(ステップSa7)。イオン濃度水質情報判定処理部10は、イオン濃度傾向、水質の傾向のどちらかに類似性がみられ他方に類似性が見られないときには、類似性の判定結果は不明瞭と判定し、判定結果を記憶部に記録し判定処理を終了する(ステップSa8)。
図23は、安定同位体比分析処理に用いられるデータのデータ構造を示す図である。
図に示される安定同位体比情報データベースは、「緯度(X)」、「経度(Y)」、「深度」、「酸素同位体比」、「涵養高度」からなる項目を有する。この図は、安定同位体比情報データベースを2次元的に配列して表した例である。「緯度(X)」、「経度(Y)」は、採取した水の採取場所を示す。「深度」は、その採取地点における採取した深度を示す。「酸素同位体比」は、採取した水の安定同位体である酸素(18O)の同位体比を示す。「涵養高度」は、採取した水の酸素(18O)の同位体比から安定同位体比分析処理によって算出された涵養高度を示す。それぞれサンプルとして採取された水の情報及びすでに測定された各種地点の水の情報をもとにして登録された情報ごとに、行を単位とするデータが構成され、「緯度(X)」、「経度(Y)」、「深度」をキーとして参照される。
図24は、安定同位体比分析処理を示すフローチャートである。
入力処理部40は、同位体情報システム220から入力される同位体情報データを受信し、河川水などの安定同位体比情報を測定地点の情報をキーとして安定同位体比情報データベースに記録する(ステップSb1)。同位体比判定処理部20は、河川水などの安定同位体比情報データベースに記憶された情報をもとに安定同位体比の標高に対する傾向の分析(図5参照)を行う(ステップSb2)。入力処理部40は、同位体情報システム220から入力される同位体情報データを受信し、地下水の安定同位体比情報を測定地点の情報をキーとして安定同位体比情報データベースに記録する(ステップSb3)。
同位体比判定処理部20は、測定地点の標高に対する安定同位体比の重さの関係から直線回帰分析を行って傾向を分析(図7参照)する。同位体比判定処理部20は、対象地下水の情報を、水系ごとに先に分析した直線回帰分析の結果(図8参照)に応じて、水系の判定を行う(ステップSb4)。
同位体比判定処理部20は、地下水の安定同位体比データをもとに涵養高度を算出(図7参照)し、算出結果を安定同位体比情報データベースに記録する(ステップSb5)。
図25は、蒸発散量演算処理に用いられるデータのデータ構造を示す図である。
図(a)に示される蒸発散量演算処理データベースは、「緯度(X)」、「経度(Y)」、「落葉時期Bd3」、「落葉時期Bd4」、「着葉時期Bd3」、「着葉時期Bd4」、「落葉時期NDVI」、「着葉時期NDVI」、「ΔNDVI」、「土地利用区分」、「可能蒸発散量」からなる項目を有する。この図は、蒸発散量演算処理情報データベースを2次元的に配列して表した例である。「緯度(X)」、「経度(Y)」は、衛星画像を構成する情報の緯度・経度を示す。「落葉時期Bd3」、「落葉時期Bd4」は、落葉時期にそれぞれ可視光領域(Band3領域)と近赤外領域(Band4領域)とによって撮影された衛星画像により提供される地表の反射率(アドベド)を示す。「着葉時期Bd3」、「着葉時期Bd4」は、着葉時期にそれぞれ可視光領域(Band3領域)と近赤外領域(Band4領域)とによって撮影された衛星画像により提供される地表の反射率(アドベド)を示す。「落葉時期NDVI」と「着葉時期NDVI」は、それぞれ落葉時期と着落時期の植生活性度を示す。「ΔNDVI」は、「落葉時期NDVI」から「着葉時期NDVI」を減算した結果を示す。「土地利用区分」は、(ΔNDVI)の値をもとに分類された土地利用形態の指標を示す。「可能蒸発散量」は、選択された(土地利用区分)に応じた可能蒸発散量を示す。それぞれ衛星画像で提供されている範囲の地点ごとに、行を単位とするデータが構成され、「緯度(X)」、「経度(Y)」をキーとして参照される。
また、図(b)に示される参照閾値データベースは、「a」、「b」、「c」、「d」、「e」、「f」、「g」からのある項目を示す。この図は、参照閾値データベースを2次元的に配列して表した例である。
「a」は、着葉時期のNDVI値を参照し、常葉区域と市街地とを判定する閾値を示す。閾値「a」を超える地点は、常葉区域と判定される。「b」と「c」は、閾値「a」によって判定された市街地の中から、その地点のΔNDVIを参照し市街地と畑地とを区別する閾値を示す。ΔNDVIが、「b」を超え「c」に満たない地点を市街地とする。「d」は、閾値「a」によって判定された植生域の中から、その地点のΔNDVIを参照し常葉樹林と落葉域とを区別する閾値を示す。「e」は、閾値「d」によって判定された落葉域の中から、その地点のΔNDVIを参照し落葉樹林と草地とを区別する閾値を示す。「f」は、落葉時期に近赤外領域(Band4領域)によって撮影された衛星画像データにより提供される地表の反射率(アドベド)「落葉時期Bd4」を参照し、水域を判定する閾値を示す。「g」は、落葉時期に近赤外領域(Band4領域)によって撮影された衛星画像データにより提供される地表の反射率(アドベド)「落葉時期Bd4」を参照し、冠雪域を判定する閾値を示す。
図26は、蒸発散量演算処理を示すフローチャートである。
入力処理部40は、リモートセンシングシステム231から入力される可視光領域と近赤外線領域のアドベド(反射率)を測定した衛星画像データを受信し、受信した衛星画像データを蒸発散量演算処理データベースに「緯度(X)」、「経度(Y)」情報をキーとして記録する(ステップSc311)。蒸発散量演算部31は、蒸発散量演算処理データベースに記憶された各アドベド「落葉時期Bd3」、「落葉時期Bd4」、「着葉時期Bd3」、「着葉時期Bd4」を参照し、正規化植生指数NDVIの演算処理(図9と図10参照)を行い、蒸発散量演算処理データベースに記録する(ステップSc312)。蒸発散量演算部31は、蒸発散量演算処理データベースに記憶された正規化植生指数「落葉時期NDVI」と「着葉時期NDVI」を参照し、差分正規化植生指数ΔNDVIの演算処理(図11参照)を行い、蒸発散量演算処理データベースに記録する(ステップSc313)。蒸発散量演算部31は、参照閾値データベースに閾値「a」、「b」、「c」、「d」、「e」、「f」、「g」を設定する。各閾値の設定は、2つの異なる衛星画像データと、差分正規化植生指数ΔNDVIによって示されたデータを参照し分離を可能とする値を設定する。(ステップSc314)
蒸発散量演算部31は、植生域であるか否かの判定を行う。判定は、蒸発散量演算処理データベースに記憶されている「着葉時期NDVI」について、参照閾値データベースに記憶されている閾値「a」を越えているか否かを判定条件とする判定を行う(ステップSc315)。植生域判定の結果、植生域でないと判定(No)された場合には、蒸発散量演算部31は、その地点が市街地であるか否かの判定を行う。その判定は、蒸発散量演算処理データベースに記憶されている「ΔNDVI」について、参照閾値データベースに記憶されている閾値「b」を超えかつ「c」未満であるか否かを判定条件とする判定を行う(ステップSc316)。市街地判定の結果、条件を満たす(Yes)と判定されたときには、蒸発散量演算部31は、ΔNDVIの変化量が小さい「市街地」であると判定し、市街地を示す指標を蒸発散量演算処理データベースの「土地利用区分」に記録する(ステップSc317)。市街地判定の結果、条件を満たさない(No)と判定されたときには、蒸発散量演算部31は、ΔNDVIの変化量が大きい「畑地」であると判定し、畑地を示す指標を蒸発散量演算処理データベースの「土地利用区分」に記録する(ステップSc318)。
植生域判定の結果、植生域であると判定(Yes)された場合には、蒸発散量演算部31は、その地点が常葉区域であるか否かの判定を行う。その判定は、蒸発散量演算処理データベースに記憶されている「ΔNDVI」について、参照閾値データベースに記憶されている閾値「d」未満であるか否かを判定条件とする判定を行う(ステップSc319)。常葉区域判定の結果、常葉区域であると判定(Yes)された場合には、蒸発散量演算部31は、季節による変化がない「常葉樹林」であると判定し、常葉樹林を示す指標を蒸発散量演算処理データベースの「土地利用区分」に記録する(ステップSc3110)。
常葉区域判定の結果、常葉区域でないと判定(No)された場合には、蒸発散量演算部31は、その地点が季節の変化があると判定し、落葉樹林域であるか否かの判定を行う。その判定は、蒸発散量演算処理データベースに記憶されている「ΔNDVI」について、参照閾値データベースに記憶されている閾値「e」未満であるか否かを判定条件とする判定を行う(ステップSc3111)。落葉樹林域判定の結果、落葉樹林域であると判定(Yes)された場合には、蒸発散量演算部31は、ΔNDVIの変化が小さい「落葉樹林」であると判定し、落葉樹林を示す指標を蒸発散量演算処理データベースの「土地利用区分」に記録する(ステップSc3112)。落葉樹林域判定の結果、落葉樹林域でないと判定(No)された場合には、蒸発散量演算部31は、ΔNDVIの変化が大きい「草地」であると判定し、草地を示す指標を蒸発散量演算処理データベースの「土地利用区分」に記録する(ステップSc3113)。
蒸発散量演算部31は、蒸発散量演算処理データベースに記憶されている「土地利用区分」の指標(図12参照)を参照し、その指標に応じて予め設定されている変換定数に変換して、土地利用区分ごとの可能蒸発散量を求める演算(図13参照)を行い、得られた可能蒸発散量を蒸発散量演算処理データベースの「可能蒸発散量」に記録する(ステップSc3114)。
図27は、降雨涵養量演算処理に用いられるデータのデータ構造を示す図である。
図に示される降雨涵養量情報データベースは、「緯度(X)」、「経度(Y)」、「降雨量」、「降雨涵養量」からなる項目を有する。この図は、降雨涵養量情報データベースを2次元的に配列して表した例である。「緯度(X)」、「経度(Y)」は、降雨のある場所を示す。「降雨量」は、その地点における降雨量を示す。「降雨涵養量」は、降雨が浸透し地下水に涵養する水の涵養量を示す。降雨涵養量情報データベースは、地点ごとに、行を単位とするデータが構成され、「緯度(X)」、「経度(Y)」をキーとして参照される。
図28は、降雨涵養量演算処理を示すフローチャートである。
入力処理部40は、雨量情報システム232から入力される降雨量データを受信し、受信した降雨量データを降雨涵養量情報データベースに記録する(ステップSc321)。
降雨涵養量演算部32は、蒸発散量演算処理データベースを参照し、各地点の「可能蒸発散量」を取得する(ステップSc322)。
降雨涵養量演算部32は、土地区分ごとの降雨涵養量を算定し、降雨涵養量情報データベースの「降雨涵養量」に記録する(ステップSc323)。
図29は、圧力水頭0m設定処理に用いられるデータのデータ構造を示す図である。
図(a)に示される地形標高情報データベースは、「緯度(X)」、「経度(Y)」、「標高」からなる項目を有する。この図は、地形標高情報データベースを2次元的に配列して表した例である。「緯度(X)」、「経度(Y)」は、標高を示す地点の場所を示す。「標高」は、その地点の標高を示す。地形標高情報データベースは、地点ごとに、行を単位とするデータが構成され、「緯度(X)」、「経度(Y)」をキーとして参照される。
図(b)に示される圧力水頭0m設定演算情報データベースは、「緯度(X)」、「経度(Y)」、「地下水面座標値」、「圧力水頭0m」からなる項目を有する。この図は、圧力水頭0m設定演算情報データベースを2次元的に配列して表した例である。「緯度(X)」、「経度(Y)」は、圧力水頭0mを求める場所を示す。「地下水面座標値」は、地下水の水面の位置を示す指標である。すなわち、鉛直方向の座標によって示される値が示される。「圧力水頭0m」は、地下水の水面を示し、例えば河川などに該当するときは、「1」とする。なお、「圧力水頭0m」の初期値は、水域以外を示す「0」が設定されているものとする。圧力水頭0m設定演算データベースは、地点ごとに、行を単位とするデータが構成され、「緯度(X)」、「経度(Y)」をキーとして参照される。
図30は、圧力水頭0m設定処理を示すフローチャートである。
入力処理部40は、地図情報システム233から入力される地形標高データを受信し、受信した地形標高データを地形標高情報データベースに記録する(ステップSc331)。圧力水頭0m設定部33は、蒸発散量演算処理データベースを参照し、各地点の落葉時期の近赤外領域Band4の反射率(アルベド)データ「落葉時期Bd4」を取得する。また、圧力水頭0m設定部33は、参照閾値データベースを参照し、閾値情報「f」を取得する(ステップSc332)。圧力水頭0m設定部33は、各地点が地表水に覆われている水域であるか否かの判定を行い、水域であると判定したときは、圧力水頭0m設定演算情報データベースの「圧力水頭0m」に「1」を記録する。判定は、蒸発散量演算処理データベースに記憶されている「落葉時期Bd4」について参照し、参照閾値データベースに記憶されている閾値「f」を越えているか否かを判定条件とする判定を行う(ステップSc333)。圧力水頭0m設定部33は、水域であるか否かの判定の結果、水域であると判定したときは、圧力水頭0m設定演算情報データベースの「圧力水頭0m」に「1」を記録(図14(b)参照)する(ステップSc334)。
図31は、全水頭値演算処理に用いられるデータのデータ構造を示す図である。
図(a)に示される地質情報データベースは、「地質(材質)」、「透水係数X」、「透水係数Y」、「透水係数Z」、「有効間隙率」からなる項目を有する。この図は、地質情報データベースを2次元的に配列して表した例である。「地質(材質)」は、その地点の地質を構成する材質を示す。「透水係数X」、「透水係数Y」、「透水係数Z」は、3次元座標で示された方向の透水係数である。ここで、Z方向は鉛直方向を示す。「有効間隙率」は、単位堆積あたりに含まれる空間の割合を示す。地質情報データベースは、地質ごとに、行を単位とするデータが構成され、「地質(材質)」をキーとして参照される。
図(b)に示される全水頭値演算情報データベースは、「緯度(X)」、「経度(Y)」、「深度」、「地質」、「全水頭値」からなる項目を有する。この図は、全水頭値演算情報データベースを2次元的に配列して表した例である。「緯度(X)」、「経度(Y)」は、全水頭値を求める地点を示す。「深度」は、「緯度(X)」、「経度(Y)」で示される地点の深度を示す。「地質」は、「緯度(X)」、「経度(Y)」、「深度」で示される地点の地質を示す指標を示す。「全水頭値」は、圧力水頭0mで示される標高の位置水頭と、圧力水頭0mの標高を基準として求められる圧力水頭の和を示す全圧力水頭(図14(a)参照)を示す。全圧力水頭は、地下水の水面を示す指標になる。全水頭値演算データベースは、地点ごとに、行を単位とするデータが構成され、「緯度(X)」、「経度(Y)」、「深度」をキーとして参照される。
図32は、全水頭値演算処理を示すフローチャートである。
全水頭演算処理部34は、地形標高データベースを参照し、地形標高データの参照を行い取得する(ステップSc341)。全水頭演算処理部34は、圧力水頭0m設定演算情報データベースを参照し、圧力水頭0mの座標の参照を行い情報を取得し、水域を認定する(ステップSc342)。入力処理部40は、地質情報データベースに、透水係数及び不飽和浸透特性の登録を行う(ステップSc343)。全水頭演算処理部34は、各地点・深度における地下水の入出量の算定を行う。そして、全水頭演算処理部34は、地点ごとの全水頭値の算定を行い、全水頭値演算情報データベースの「全水頭値」に記録する(ステップSc344)。全水頭演算処理部34は、各地点における「全水頭値」から全水頭値分布情報への変換処理(図16参照)を行う(ステップSc345)。
図33は、地下水移行経路・時間演算処理に用いられるデータのデータ構造を示す図である。
図(a)に示される地点地質情報データベースは、「緯度(X)」、「経度(Y)」、「深度」、「透水係数X」、「透水係数Y」、「透水係数Z」、「有効間隙率」からなる項目を有する。この図は、地質情報データベースを2次元的に配列して表した例である。「緯度(X)」、「経度(Y)」は、全水頭値を求める地点を示す。「深度」は、「緯度(X)」、「経度(Y)」で示される地点の深度を示す。「透水係数X」、「透水係数Y」、「透水係数Z」は、3次元座標で示された方向の透水係数である。ここで、Z方向は鉛直方向を示す。「有効間隙率」は、単位堆積あたりに含まれる空間の割合を示す。地質情報データベースは、地質ごとに、行を単位とするデータが構成され、「緯度(X)」、「経度(Y)」、「深度」をキーとして参照される。
図(b)に示される地下水移行経路・時間演算処理データベースは、「No.」、「緯度(X)」、「経度(Y)」、「深度」、「移行速度X」、「移行速度Y」、「移行速度Z」、「標高」からなる項目を有する。この図は、地下水移行経路・時間演算情報データベースを2次元的に配列して表した例である。「No.」は、移行順序を示す。「緯度(X)」、「経度(Y)」、「深度」は、移行経路を特定する参照点の位置を示す。「移行速度X」、「移行速度Y」、「移行速度Z」は、その参照点における各座標軸方向の地下水の移行速度を示す。「標高」は、参照点を示す緯度・経度における、地表面の標高を示す。すなわち、「深度」が0mとなったときの標高が、涵養高度を示すことになる。
図34は、地下水移行経路・時間演算処理を示すフローチャートを示す図である。
入力処理部40は、地質情報データベースに、有効間隙率を記録する(ステップSc351)。地下水移行経路・移行時間演算処理部35は、全水頭値演算情報データベースを参照し「地質」、「全水頭値」の情報を取得し、する(ステップSc352)。地下水移行経路・移行時間演算処理部35は、「緯度(X)」、「経度(Y)」、「深度」で示される場所の「地質」の情報から、各地点地質情報データベースを参照し地質(材質)に応じた「透水係数X」、「透水係数Y」、「透水係数Z」の情報を記録する。また、地下水移行経路・移行時間演算処理部35は、地質情報データベースを参照し、「有効間隙率」を取得し、各地点地質情報データベースに記録する(ステップSc353)。地下水移行経路・移行時間演算処理部35は、各地点・深度の地下水の移行量を算定(図18参照)する。地下水移行経路・移行時間演算処理部35は、各地点・深度の地下水の移行経路を特定(図19参照)する。また、地下水移行経路・移行時間演算処理部35は、特定された移行経路に基づいてダルシー流速に基づく移行時間の演算処理を行う(ステップSc354)
地下水移行経路・移行時間演算処理部35は、ステップSA1における判定結果を参照し、上記で求められた移行経路によって示される涵養高度から経路に沿った区域として記録されている地点のイオン濃度情報・水質情報を取得する(ステップSc355)。地下水移行経路・移行時間演算処理部35は、ステップSB1における判定結果を参照し、上記で求められた涵養高度の区域として記録されている地点の安定同位体情報を取得する(ステップSc356)。地下水移行経路・移行時間演算処理部35は、イオン濃度情報・水質情報の判定の結果、地下水起源の類似性が高いと判定されたときには、地下水移行経路・移行時間演算処理部35の処理で求められた移行経路の妥当性が高いと判定する。イオン濃度情報・水質情報の判定の結果、地下水起源の類似性が低いと判定されたときには、地下水移行経路・移行時間演算処理部35の処理で求められた移行経路の妥当性が低いと判定する。イオン濃度情報・水質情報の判定の結果、地下水起源の類似性が不明瞭と判定されたときには、地下水移行経路・移行時間演算処理部35の処理で求められた移行経路の妥当性について、何らかの影響が含まれている可能性があり、求められた移行経路からの断定は困難と判定し、判定結果を記憶部に記録する。また、安定同位体情報が示す涵養高度と、求められた移行経路の涵養地点の高度を比較する。比較の結果、値が所定の範囲内であれば、双方の結果から類似性が高いと判定し、所定の値の範囲外の場合には、双方の結果から類似性が低いと判定する判定結果を記憶部に記録する(ステップSc357)。
このように、複数の判定処理結果に基づいて判定することにより、判定処理結果の信頼度を判定する。
上述の地下水起源解析システム100は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した地下水起源を算出する処理過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、の配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
地下水起源解析システム100は、直接測定することが困難な浸透水量を植生域の衛星画像データに基づいて設定することにより、蒸発散量における植生の状況、地表面の状況によって変化によって生じる近似モデルとの偏差を低減できる。また、衛星画像データを用いることにより、広い地域の情報を得る。そして、地下水起源解析システム100は、地点ごとの状況に応じた補正を行うことにより、近似によって求められるモデルの正確さを高めることができ、正確な地下水移行経路並びに移行時間の算出処理を行うことが可能となる。
また、地下水起源解析システム100は、地下水移行経路並びに移行時間の算出処理の算出結果によって示される涵養地点の妥当性の検証が、複数の判定方法で判定処理された結果を関連付けて検証することにより、求められた結果の信頼度を確認することが可能となる。複数の判定方法には、イオン濃度析、水質情報分析、安定同位体比分析並びに地下水移行経路と移行時間分析などが利用できる。
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。本発明の地下水起源解析システム100における、安定同位体を用いた地下水の涵養高度の算出において、安定同位体として酸素18Oを例示して説明したが、重水素H(D)を用いて算出処理を行うことも可能である。
また、水質による判定について、電気伝導度と水温を例示したが、酸性度(pH(ピーエッチ))を利用することも可能である。
また、本発明の地下水起源解析システム100は、1台のコンピュータによって各種処理を実行するほかに、複数のコンピュータを用いて各種処理を実行することとしても良く、各コンピュータへの処理の分割は任意である。その際、それぞれのコンピュータが有する記憶部間の情報の移動は、通信回線を用いた通信処理或いは読み取り可能な記録媒体を介して移動することによって行われる。
本発明による、イオン濃度の比の一致度から地下水起源を特定するステップは、イオン濃度判定処理部10が行うステップSA10の処理に相当する。また、本発明による、同位体比の一致度から涵養高度を特定するステップは、同位体比判定処理部20が行うステップSB20の処理に相当する。また、本発明による、植生域の衛星画像データから地域ごとの蒸発散量を算出するステップは、蒸発散量演算部31が行うステップSC31の処理に相当する。また、本発明による、蒸発散量と記憶部に記憶された降水量の値から浸透水量を算出するステップは、降雨涵養量演算部32が行うステップSC32の処理に相当する。また、本発明による、記憶部に記憶された河川域を示す衛星画像データから地域ごとの地下水位0mの位置を設定するステップは、圧力水頭0m設定部33が行うステップSC33の処理に相当する。また、本発明による、浸透水量と各地点の標高情報とから地域の水頭値を算出するステップは、全水頭演算処理部34が行うステップSC34の処理に相当する。また、本発明による、水頭値の分布から地下水移行経路を算出するステップは、地下水移行経路・移行時間演算処理部35が行うステップSC35の処理に相当する。
100 地下水起源解析システム
110 演算処理部
10 イオン濃度判定処理部
20 同位体比判定処理部
30 地下水移行算定処理部
31 蒸発散量演算処理部
32 降雨涵養量演算部
33 圧力水頭0m設定部
34 全水頭演算処理部
35 地下水移行経路・移行時間演算処理部
40 入力処理部
50 制御記憶処理部
70 記憶部
80 出力処理部
90 表示部
200 情報入力システム
210 イオン・水質情報データ
220 同位体情報データ
231 リモートセンシングシステム
232 雨量情報システム
233 地図情報システム
234 地質情報システム

Claims (5)

  1. 記憶部に記憶された植生域の衛星画像データに基づいて算出する蒸発散量の算出値によって補正される浸透水量を算出し、前記浸透水量に基づく水頭値の分布から地下水の移行経路並びに移行時間を算出することを特徴とする地下水起源解析方法。
  2. イオン濃度判定処理部が記憶部に記憶された複数地点のイオン濃度データにおけるイオン濃度の比の一致度から地下水起源を算出する工程と、
    同位体比判定処理部が記憶部に記憶された複数地点の同位体比データにおける同位体比の一致度から涵養高度を算出する工程と、
    蒸発散量演算部が記憶部に記憶された植生域の衛星画像データにおける地域ごとの蒸発散量を算出する工程と、
    降雨涵養量演算部が前記蒸発散量と記憶部に記憶された降水量の値から浸透水量を算出する工程と、
    圧力水頭0m設定部が記憶部に記憶された河川域を示す衛星画像データから前記地域ごとの地下水位0mの位置を算出する工程と、
    全水頭演算処理部が前記浸透水量と各地点の標高情報とから前記地域の水頭値を算出する工程と、
    地下水移行経路・移行時間演算処理部が前記水頭値の分布から地下水移行経路並びに移行時間を算出する工程と、
    を含むことを特徴とする地下水起源解析方法。
  3. 記憶部に記憶された複数地点のイオン濃度データにおけるイオン濃度の比の一致度から地下水起源を算出するイオン濃度判定処理部と、
    記憶部に記憶された複数地点の同位体比データにおける同位体比の一致度から涵養高度を算出する同位体比判定処理部と、
    記憶部に記憶された植生域の衛星画像データから地域ごとの蒸発散量を算出する蒸発散量演算部と、
    前記蒸発散量と記憶部に記憶された降水量の値から浸透水量を算出する降雨涵養量演算部と、
    記憶部に記憶された河川域を示す衛星画像データから前記地域ごとの地下水位0mの位置を設定する圧力水頭0m設定部と、
    前記浸透水量と各地点の標高情報とから前記地域の水頭値を算出する全水頭演算処理部と、
    前記水頭値の分布から地下水移行経路並びに移行時間を算出する地下水移行経路・移行時間演算処理部と、
    を備えることを特徴とする地下水起源解析システム。
  4. 地下水起源解析システムにおけるコンピュータに、
    記憶部に記憶された複数地点のイオン濃度データにおけるイオン濃度の比の一致度から地下水起源を算出するステップと、
    記憶部に記憶された複数地点の同位体比データにおける同位体比の一致度から涵養高度を算出するステップと、
    記憶部に記憶された植生域の衛星画像データから地域ごとの蒸発散量を算出するステップと、
    前記蒸発散量と記憶部に記憶された降水量の値から浸透水量を算出するステップと、
    記憶部に記憶された河川域を示す衛星画像データから前記地域ごとの地下水位0mの位置を設定するステップと、
    前記浸透水量と各地点の標高情報とから前記地域の水頭値を算出するステップと、
    前記水頭値の分布から地下水移行経路並びに移行時間を算出するステップと、
    を実行させることを特徴とする地下水起源解析プログラム。
  5. 地下水起源解析システムにおけるコンピュータに実行させる請求項4に記載のプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
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