第1の発明の誘導加熱式炊飯器は、鍋を誘導加熱する加熱コイルと、前記加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、前記インバータ回路を制御する制御手段と、スピーカと、前記制御手段の出力を受けて音声信号をスピーカに出力する音声信号出力手段と、前記制御手段の信号を受けて前記音声出力手段への電源経路を遮断または導通するスイッチ回路と、前記音声信号出力手段から前記スピーカへの信号経路を遮断または導通するスピーカ遮断手段を有し、前記制御手段は音声を出力しないときは前記スイッチ回路で前記音声信号出力手段の電源経路を遮断するとともに、前記スピーカ遮断手段で前記音声信号出力手段から前記スピーカへの信号経路を遮断し、前記制御手段は、音声を出力するときは、前記スイッチ回路で前記音声信号出力手段の電源経路を導通するとともに、前記スピーカ遮断手段で前記スピーカと前記音声信号出力手段の信号経路を接続することにより、前記音声信号出力手段の電源をオフしたときには、前記加熱コイルに高周波磁界で前記スピーカの巻線に誘導起電圧が発生するが、前記スピーカ遮断手段が前記スピーカの入力端子を前記音声信号出力手段の出力端子から遮断しているので、前記音声信号出力手段の最大定格電圧を超えることがなくなり、前記音声信号出力手段の破壊を防止できるとともに、前記音声信号出力手段の電源をオフすることができるので省電力化を実現できる。
また、誘導起電圧が前記音声信号出力手段を破壊することを防止できるので、前記スピーカを前記加熱コイルの近傍に配置することが可能となり、コンパクトな音声機能を備えた誘導加熱式炊飯器を提供できる。
第2の発明は、特に、第1の発明の音声信号出力手段を、予め記憶した音声データを信号として出力する音声信号記憶回路と、前記音声信号記憶回路の信号の所定以上の高周波成分と所定以下の低周波成分を減衰させるフィルタ回路と、前記フィルタ回路の出力信号を増幅する音声信号増幅回路で構成し、スイッチ回路は少なくとも前記音声信号増幅回路の電源経路を遮断または導通するにより、前記音声信号増幅回路の電源電圧を前記制御手段または前記音声信号記憶回路の電源電圧に関係なく設定できることとなり、前記スピーカに入力する電力を大きくすることが可能となり、音量を大きくできるので耳の悪い使用者や、調理中の騒音の中でも、音声を聞き取ることができる。
また、音声を出力しないときは、前記音声信号増幅回路の電源供給を停止するので、前記音声信号増幅回路の入力部分に前記加熱コイルの高周波磁界がノイズとなって重畳しても、前記スピーカからノイズ音となって出力されることがない。
第3の発明は、特に第2の発明のスピーカ遮断手段でスピーカと音声信号出力手段の信
号経路を遮断した後、スピーカの入力端子が開放状態にならないように前記入力端子とグランド電位間に抵抗を接続したことにより、加熱コイルで鍋を誘導加熱するさいに生じる電磁誘導によりスピーカのコイルに誘導起電力が発生しても、この抵抗で誘導起電力を消費させることができるので、スピーカやスピーカ遮断手段を構成する電子部品に過電圧が印加されることを防ぐことができ、スピーカやスピーカ遮断手段の故障を防ぐことができる。
第4の発明は、特に第3の発明の音声信号出力手段からスピーカへの電流経路にコンデンサと抵抗の直列回路を配置し、前記スピーカの両端は前記抵抗に並列接続し、制御手段がスイッチ回路を導通状態にした後、スピーカ遮断手段が前記コンデンサと抵抗の直列回路と前記スピーカの信号経路を導通状態にすることにより、前記音声信号出力手段の電源が立ち上がった状態で、前記スピーカの電流経路を通電することになるので、前記スピーカの電流経路を接続する前に前記コンデンサの充電電流が流れることになり、前記コンデンサの充電電流が前記スピーカからノイズ音となって出力されるのを防止することができる。
従って、使用者に不快感を与えない聞きやすい音声ガイドを有する誘導加熱炊飯器を提供できる。
第5の発明は、特に第4の発明のスピーカ遮断手段がコンデンサと抵抗からなる直列回路とスピーカの信号経路を遮断した後、制御手段がスイッチ回路を遮断することにより、前記スイッチ回路を遮断したあと、前記音声信号発生手段の電源電圧が変動し、この電圧変動がノイズ音となって使用者に聞こえるのを防止することができる。
従って、前記音声信号出力手段の電源をオフする際に使用者に不快感を与えない聞きやすい音声ガイドを有する誘導加熱炊飯器を提供することができる。
第6の発明は、特に第2または第3の発明の音声信号増幅回路は、フィルタ回路の出力信号を反転増幅する第1の増幅回路と、前記第1の増幅回路の出力信号を反転増幅する第2の増幅回路を有し、スピーカは一方の入力端子を第1の増幅回路の出力に接続し、もう一方の入力端子を第2の増幅回路に接続し、前記第1の増幅回路と前記第2の増幅回路と音声信号記憶回路の電源電圧を共通にすることにより、前記第1の増幅回路と前記第2の増幅回路と前記音声信号記憶回路の電源経路を一度に遮断できるので省電力化を実現できる。
また、前記第1の増幅回路の出力と前記第2の増幅回路の出力が反転するので、前記スピーカに入力される電圧は、殆ど前記二つの増幅回路に供給される電源電圧と同じになり、小さい電源電圧でも十分な電力を前記スピーカに供給することができる。
従って、前記制御手段と前記音声信号記憶回路と前記音声信号増幅回路の電源を一つにすることが可能となり、回路部品を少なくし、実装面積を小さくすることができる。
第7の発明は、特に第1から第6いずれかの発明の制御手段と音声信号出力手段の通信をインバータ回路停止時に行うことにより、前記インバータ回路が動作した時に加熱コイルから発生する高周波磁界の影響で通信が乱れ、音声が出力しないといった不具合を防ぐことができるので、信頼性の高い誘導加熱式炊飯器を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1において、1は鍋を加熱する加熱コイルで、特に図示しないが線径の小さい銅線を束ねたリッツ線で構成されている。
2はインバータ回路で、特に図示しないがIGBTからなる半導体スイッチング素子と、この半導体スイッチング素子に逆接続したダイオードと、加熱コイルと共振回路を構成する共振用コンデンサで構成されており、半導体スイッチング素子が高周波でスイッチングすることで高周波電流を加熱コイル1に供給している。
ダイオードブリッジ3とチョークコイル4とコンデンサ5は商用電源6を整流し、インバータ回路2に電力を供給している。
7は入力手段で、複数のモーメンタリスイッチで構成されており、使用者が炊飯方法や炊飯の開始または停止などを選択することができる。
8は表示手段で、液晶ディスプレイやLEDで構成されており、使用者が設定した内容や、炊飯中、予約中などの炊飯器の状態や、炊飯の経過時間を表示する。
9は制御手段で、特に図示していないが、マイクロコンピュータや、鍋の温度を測定するサーミスタや、商用電源6から供給される電流の値を検知するカレントトランスなどで構成されており、入力手段7を構成するスイッチの入力信号を受けて、LCDに設定した内容を表示したり、インバータ回路2をオンオフ制御して、入力手段7で設定された炊飯シーケンス、保温シーケンスを動作させたりする。
10はスピーカで、ここでは巻線と磁石を用いて、巻線に流れる電流と磁石の磁界でコイルを振動させるタイプを用いている。
なお、本実施の形態ではスピーカに流す電流を小さくするために、スピーカのインピーダンスを8Ωより大きくしている。なお、スピーカ10の入力端子の一方はグランド電位に接続している。
11は音声信号出力手段で、特に図示していないが音声データを4bitデータとして記憶したメモリと、前記メモリから出力されるデジタル信号をアナログ信号に変換するDA変換器で構成されている。
本実施の形態では、メモリとDA変換器を別々に構成しているが、この二つを一つのICにした音声合成ICで構成しても構わない。
12は直流成分カット用のコンデンサで、スピーカ10に直流電圧が印加しないようにしている。
13はスピーカ遮断手段で、一般的にアナログスイッチといわれるICで構成され、コンデンサ12からスピーカ10への信号経路を遮断したり導通したりする。
制御手段9がハイまたはローの信号を出力することで、アナログスイッチがオンオフし、スピーカ10の入力端子に接続したり、遮断したりする。
なお、本実施の形態では、スピーカ遮断手段13にアナログスイッチを用いているが、これは一例であり、限定するものではない。
抵抗18と抵抗19はスピーカ遮断手段13が信号経路を遮断しているときにコンデンサ12とスピーカ10の電位を固定するために接続している。
14は駆動手段で、特に図示していないが、本実施の形態では、PNPトランジスタとNPNトランジスタからなるプッシュプル回路で構成されおり、制御手段9のオンオフ信号を受けてインバータ回路2を構成するIGBTをオンオフする。
15は第1の直流電源で、スイッチング電源で構成され、商用電源6を整流し、整流された約141Vの直流電源を約20Vの直流電源に変換している。
第1の直流電源15の出力電圧20VはIGBTをオンするために必要な電圧で、駆動手段14を介してIGBTに供給され、IGBTはオンする。
16は第2の直流電源で、特に図示しないが、NPNトランジスタとツェナーダイオードなどからなるエミッタフォロア回路の構成となっている。
第2の直流電源16の電圧は約5Vで制御手段9を構成するマイクロコンピュータ、音声信号出力手段11の電源となっている。
17はスイッチ回路で、特に図示していないが本実施の形態では、PNPトランジスタとNPNトランジスタで構成されており、制御手段9の信号を受けてオンオフし、第1の直流電源15から音声信号出力手段11への電流経路を遮断したり、導通したりし、音声信号出力手段11をオンオフする。
図2は炊飯器の要部構成を示し、図面を簡潔にするために、電気的接続のためのリード線や、部品を固定するためのネジは省略している。
炊飯器のボディ(本体)31には、その上面を覆う蓋32が開閉自在に設置されている。ボディ31の収納部33は、その底部に渦巻き状に構成された加熱コイル1を配設し、加熱コイル1の外周側にフェライトコア34を配設する。
加熱コイル1は鍋35の底部の略中心に中心を有する巻線である。
鍋35は、ステンレス、鉄、銅などの磁性体によって形成されたクラッド鋼板を材料としている。そして、この鍋35は、上端開口部に外側にせり出したフランジを収納部33の上端から浮き上がった状態で載置することにより、着脱自在に収納される。
従って、鍋35は収納時に、収納部33との間に隙間を有する。
蓋32に着脱自在に配備した蓋加熱板36は、ステンレスなどの金属で形成されている。37は特に図1では記載していないが蓋加熱コイルで、蓋32に内蔵され、本実施の形態では、蓋加熱板36を誘導加熱する。ただし、これは一例で別に蓋加熱コイル37をヒータにしても構わない。
38は第1の回路基板で、入力手段7を構成するスイッチ、表示手段8を構成するLCD、LED、制御手段9を構成するマイクロコンピュータ、音声信号出力手段11を構成する音声合成ICや、コンデンサ12などが実装されている。
39は第2の回路基板で、特に図示しないが、インバータ回路2を構成する部品や、ダイオードブリッジ3、チョークコイル4、コンデンサ5などが実装されている。
40は巻き取り式の電源コード収納部で、第2の回路基板39にリード線を介して電気的に接続している。
電源コード収納部40はストッパーとばねを用いて電源コードを巻き取ることを可能にしている。
41は温度検知手段で、特に図1に図示していないが、サーミスタで構成され、鍋35の底部の略中心に配置されている。
前記サーミスタは温度で抵抗値が変わるので、このサーミスタと所定の抵抗値を有する抵抗で分圧回路を構成し、所定の電圧をこの分圧回路の両端に供給することで、前記サーミスタの抵抗値をアナログ電圧に変換できる。
図1に示した制御手段9を構成するマイクロコンピュータは、内蔵されたAD変換器を用いてこのアナログ電圧から温度を推定する。
第1の回路基板38と第2の回路基板39は、特に図示しないが、リード線で電気的に接続しており、図1に示した回路構成を実現している。
図2に示すように、スピーカ10は炊飯器のボディ31と加熱コイル1の間にできる隙間を利用して配置され、出力面が下向きに配置されている。
なお、スピーカ10の向きや配置場所については、特に限定するものではなく、出力面を上向きにしても良いし、スペースがあるのであれば、蓋32に配置してもかまわないものである。
図3は本実施の形態の炊飯器において、音声出力時の主要部のタイミングチャートを示している。
(1)は商用電源6の電圧波形を示している。
(2)は商用電源6の0Vに同期してハイまたはローを出力する波形を示している(図1には特に図示していない)。
(3)はスイッチ回路17のオン(導通)、オフ(遮断)状態を示している。
(4)は音声信号出力手段11の電源電圧波形を示している。
(5)は制御手段9から音声信号出力手段11への送信信号波形を示している。
(6)はスピーカ遮断手段13のオン(導通)、オフ(遮断)を示している。
(7)はスピーカ10の入力電圧を示している。
(8)はインバータ回路2を構成するIGBTのオンオフ状態(駆動手段14のオンオフ状態)を示している。
図4は本実施の形態の炊飯器において、加熱コイル1に高周波電流が流れているときの各部の動作波形を示している。
(1)は加熱コイル1に流れる高周波電流の包絡線を示している。
(2)は加熱コイル1に高周波電流が流れたときのスピーカ10に生じる誘導起電圧波形を示している。
なお、この波形は、スピーカ短絡手段13がオンしたときの誘導起電圧波形を示している。
(3)は加熱コイル1に高周波電流が流れたときのスピーカ10に生じる誘導起電圧波形を示している。
なお、この波形は、スピーカ短絡手段13がオフしたときの誘導起電圧波形を示している。
本実施の形態の誘導加熱式炊飯器について、図1〜図4を用いて動作、作用を説明する。
まず、使用者が図2の第一の回路基板39に備えられたスイッチ(入力手段7)を操作すると、制御手段9が入力手段7の信号を検知する。
すると、図3のT0では、制御手段9は商用電源6のゼロ電圧に同期して、スイッチ回路17をオン状態にし、音声信号出力手段11へ直流電圧を供給する。
同時に、制御手段9は商用電源6のゼロ電圧に同期して、スピーカ遮断手段13にオン信号を出力し、スピーカ遮断手段13は導通状態となり、スピーカ10に信号入力することができるようにする。
なお、音声信号出力手段11への直流電圧の立ち上がり時の変化量がコンデンサ12を介してスピーカ10に印加され、ノイズ音となって出力されることがある。
その後、図3のT2で、制御手段9は商用電源6のゼロ電圧に同期して、音声信号出力手段11に音量設定データを送信する。
その後、図3のT3で、制御手段9は商用電源6のゼロ電圧に同期して所定の音声データを示したアドレスデータを、音声信号出力手段11に送信する。
すると、図3のT4で、音声信号出力手段11を構成するメモリが制御手段9からの送信データに基づいて、所定の音声のデジタルデータをDA変換器に出力し、このDA変換器がアナログ電圧に変換された音声信号を出力し、コンデンサ12を介して、スピーカ10に音声信号が入力される。
スピーカ10は音声信号が入力されると、振動し、この振動が音声となって、使用者に音声報知する。このとき、DA変換器から出力される音声信号の直流成分がコンデンサ12で除去されている。
図3のT5では、入力手段7で設定されたメニューに従って、制御手段9が駆動手段14を介してインバータ回路2を構成するIGBTのオンオフ制御を開始し、加熱コイル1に高周波電力を供給し、鍋を加熱する。
図3のT6で、音声出力が終了し、第2の直流電源16の出力電圧が元の値に戻る。
その後、図3のT8で、制御手段9がスイッチ回路17を遮断し、音声信号出力手段11への電力供給を停止するとともに、スピーカ遮断手段13をオフし、スピーカ10の入力端子とコンデンサ12の信号経路を遮断する。
その後、加熱コイル1は鍋を加熱し炊飯するために決まった炊飯シーケンスに従い動作し続ける。
スピーカ遮断手段13がない場合、音声信号出力手段への電源供給が0Vになると、加熱コイル1に高周波電流が流れるときにスピーカ10に生じる誘導起電圧が音声信号出力手段11の電源電圧を超え、音声信号出力手段11を構成するDA変換器の保護ダイオードに電流が流れ、図4(3)に示すようにスピーカ10の誘導起電圧がクランプされた電圧波形がスピーカ10の端子に出力されるが、スピーカ遮断手段13を用いてスピーカ10の入力端子とコンデンサ12の信号経路を遮断すると、スピーカ10の誘導悸電圧が音声信号出力手段11に印加しなくなる。
また、スピーカ遮断手段13によりスピーカ10とコンデンサ12の信号経路を遮断するとスピーカ10と抵抗19だけの回路になると誘導起電圧が抵抗19で消費されるので、スピーカ10に発生する誘導起電圧が小さくなり、スピーカ遮断手段13を構成するアナログスイッチなどの部品の電圧定格を小さいものにできる。
また、音声信号出力手段11への電力供給も停止するので、消費電力が低減し、第1の直流電源15と第2の直流電源16の発熱を抑えることができる。
また、本実施の形態では、制御手段9は予め、音声データの時間を記憶しているので、その時間から所定時間を経過したら、スイッチ回路17を遮断するようにしている。
スイッチ回路17の遮断タイミングを音声データの時間より十分に遅くするのは、音声信号出力手段11の出力する音声信号の速度にバラツキがあるためである。
以上のように、音声を出力しないときは、スピーカの入力端子と音声信号出力手段の信号経路を遮断するスピーカ遮断手段を設けることで、加熱コイルに高周波電流が流れる際にスピーカに生じる誘導起電圧が音声信号出力手段に印加されるのを防止することができるので、音声信号出力手段の電源電圧をオフしても、スピーカの誘導起電圧が音声信号出力手段の最大定格を超えることがなくなり、故障がない省電力化した炊飯器を提供できるものである。
また、スピーカに生じる誘導起電圧を防止できるので、スピーカを加熱コイル近傍に配置することが可能になり、コンパクトな炊飯器を実現できる。
(実施の形態2)
図5において、51は音声信号出力手段で、音声データを4bitデータとして記憶したメモリ52(音声信号記憶回路)と、メモリ52から出力されるデジタル信号をアナログ信号に変換するDA変換器53と、DA変換器53の出力信号の低周波成分を減衰させるハイパスフィルタ54と、高周波成分を減衰させるローパスフィルタ55で構成されたフィルタ回路56と、フィルタ回路56の出力電圧を所定の倍率で増幅する音声信号増幅回路57で構成されている。
なお、本実施の形態では、ハイパスフィルタ54は抵抗とコンデンサの直列回路で構成
され、ローパスフィルタ55は抵抗とコンデンサの並列回路で構成されているが、これは一例であり、例えば専用のICを用いてデジタルフィルタの構成にしても構わない。
また、本実施の形態では、メモリ52とDA変換器53を別々に構成しているが、この二つを一つのICにした音声合成ICで構成しても構わない。
音声信号増幅回路57は、集積回路化されたオペアンプICと、複数の抵抗で構成されている。
58は第2の直流電源で、特に図示しないが、NPNトランジスタを用いたエミッタフォロア回路で構成されており、メモリ52とDA変換器53に約5Vの直流電源を供給している。
59は第3の直流電源で、特に図示しないが、第2の直流電源58と同じエミッタフォロア回路の構成になっており、出力電圧は約10Vとなっている。
第3の直流電源59はスイッチ回路17が導通状態になると、第1の直流電源15より電力を供給され、約10Vの直流電圧を出力する。なお、本実施の形態で第3の直流電源59は、音声信号増幅回路57を構成するオペアンプに直流電圧を供給している。
60はスイッチ回路で、制御手段9からの信号を受けて、第1の直流電源15から第3の直流電源59への電流経路を導通したり、遮断したりする。
スイッチ回路60の回路構成は図1のスイッチ回路と同様の構成なので、ここでの説明は省略する。
その他の構成は、本発明の第1の形態の炊飯器と同じであり、具体的説明は実施の形態1のものを援用する。
以上のように、本実施の形態では、音声信号出力手段51をメモリ52とDA変換器53とフィルタ回路56と音声信号増幅回路57で構成することにより、音声信号増幅回路57の電源電圧を大きくし、スピーカ10に入力する電圧を大きくすることができる。
また、フィルタ回路56を設けることで、DA変換時のノイズ音や音声データに含まれていたノイズ音を低減するので、聞きやすい音声を出力することができる。
また、音声を出力しないときはスイッチ回路60が第1の直流電源15から第3の直流電源59への電流経路をオフするので、第3の直流電源59と音声信号増幅回路57に電流が流れなくなり、省電力化をすることができる。
また、スピーカ10への電力供給がなくなるので、ノイズ音を防止することができる。
なお、本発明の第1の実施の形態と同様に、音声信号増幅回路57の電源オフ時に、スピーカ遮断手段13がスピーカ10の入力端子と音声信号増幅回路57の信号経路を遮断するので、加熱コイル1に高周波電流が流れ、高周波磁界が発生しても、スピーカ10の巻線に生じる誘導起電圧が音声信号増幅回路57の最大定格を超えることはない。
従って、ノイズ音の少ない聞きやすい音声を大音量で出力することができ、省電力化ができる信頼性の高い炊飯器を提供できる。
(実施の形態3)
図6は本発明の第3の実施の形態における炊飯器の音声出力時の主要部のタイミングチャートを示している。なお、本実施の形態の炊飯器の主要部回路構成は、図5と同様であるので、ここでの説明は実施の形態1のものを援用する。
(1)は商用電源6の電圧波形を示している。
(2)は商用電源6の0Vに同期してハイまたはローを出力する波形を示している(図1には特に図示していない)。
(3)はスイッチ回路60のオン(導通)、オフ(遮断)状態を示している。
(4)は第3の直流電源59の出力電圧波形を示している。
(5)は制御手段9から音声信号出力手段51への送信信号波形を示している。
(6)はスピーカ遮断手段13のオン(導通)、オフ(遮断)を示している。
(7)はスピーカ10の入力電圧を示している。
(8)はインバータ回路2を構成するIGBTのオンオフ状態(駆動手段14のオンオフ状態)を示している。
本実施の形態の誘導加熱式炊飯器について、図2、図5、図6を用いて動作、作用を説明する。
まず、使用者が図2の第一の回路基板39に備えられたスイッチ(入力手段7)を操作すると、制御手段9が入力手段7の信号を検知する。
すると、図6のT0では、制御手段9は商用電源6のゼロ電圧に同期して、スイッチ回路60をオン状態にし、第3の直流電源59を起動し、音声信号増幅回路57へ直流電圧を供給する。
この直流電圧の立ち上がり時の変動がコンデンサ18を介してスピーカ10に印加され、ノイズ音となって出力されることがある。
しかし、本実施の形態では、スピーカ遮断手段13がオフすることで、スピーカ10への信号入力を防止することになり、ノイズ音が低減される。
その後、図6のT1で、制御手段9は商用電源6のゼロ電圧に同期して、スピーカ遮断手段13にオフ信号を出力し、スピーカ遮断手段13はオフ状態となり、スピーカ10に信号入力することができるようになる。
その後、図6のT2で、制御手段9は商用電源6のゼロ電圧に同期して、音声信号出力手段51に音量設定データを送信する。
その後、図6のT3で、制御手段9は商用電源6のゼロ電圧に同期して所定の音声データを示したアドレスデータを、音声信号出力手段51に送信する。
すると、図6のT4で、メモリ52が制御手段9からの送信データに基づいて、所定の
音声のデジタルデータをDA変換器53に出力し、DA変換器53がアナログ電圧に変換された音声信号を出力し、フィルタ回路56、音声信号増幅回路57、コンデンサ12を介して、スピーカ10に音声信号が入力される。
スピーカ10は音声信号が入力されると、振動し、この振動が音声となって、使用者に音声報知する。
このとき、この音声信号の低周波成分はハイパスフィルタ54で減衰され、高周波成分はローパスフィルタ55で減衰される。減衰された音声信号が音声信号増幅回路57で増幅され、増幅された音声信号の直流成分がコンデンサ12で除去されている。
音声信号が出力されると、第3の直流電源59の電圧が約0.2V低下するが、第2の直流電源58の電圧は変動しないので、制御手段9を構成するAD変換器の基準電圧は変動しない。
従って、鍋の温度検知、入力電流の検知、商用電源の電圧検知など、AD変換器を利用した検知手段への影響を防止することができる。
図6のT5では、入力手段7で設定されたメニューに従って、制御手段9が駆動手段14を介してインバータ回路2を構成するIGBTのオンオフ制御を開始し、加熱コイル1に高周波電力を供給し、鍋を加熱する。
図6のT6で、音声出力が終了し、第3の直流電源59の出力電圧が元の値に戻る。
図6のT7では、制御手段9がスピーカ遮断手段13にオフ信号を出力し、スピーカ遮断手段13がスピーカ10の入力端子とコンデンサ12の間の信号経路を遮断状態にする。
その後、図6のT8で、制御手段9がスイッチ回路60をオフ状態にし、第1の直流電源15から第3の直流電源59への電流経路を遮断することで、第3の直流電源59の電力供給を停止する。
第3の直流電源59の出力電圧は徐々に低下していく。この電圧変化がコンデンサ12を介してスピーカ10に印加され、ノイズ音となることがある。
しかし、本実施の形態ではスピーカ遮断手段13がスピーカ10の入力端子とコンデンサ12の信号経路を遮断しているので、スピーカ10に信号は入力されずノイズ音は発生しないことになる。
従って、音声信号増幅回路57の電源をオンオフするときにノイズ音が発生しないことになり、ノイズ音により使用者が不快に感じることを低減できる。
この時スピーカ遮断手段13がない場合、音声信号増幅回路57への電源供給が0Vになると、加熱コイル1に高周波電流が流れるときにスピーカ10に生じる誘導起電圧が音声信号増幅回路57の電源電圧を超え、音声信号増幅回路57を構成するオペアンプICの保護ダイオードに電流が流れ、図4(3)に示すようにスピーカ10の誘導起電圧がクランプされた電圧波形がスピーカ10の端子に出力されるが、スピーカ遮断手段13を用いてスピーカ10の入力端子とコンデンサ12を遮断すると、音声信号増幅回路57に誘導起電圧が印加するのを防止できる。
また、第3の直流電源59が停止するので、音声信号増幅回路57への電力供給も停止することになり、消費電力が低減し、第1の直流電源15と、第3の直流電源59の発熱を抑えることができる。
また、本実施の形態では、制御手段9は予め、音声データの時間を記憶しているので、その時間から所定時間を経過したら、スイッチ回路60を遮断するようにしている。
スイッチ回路60の遮断タイミングを音声データの時間より十分に遅くするのは、音声信号出力手段51の出力する音声信号の速度にバラツキがあるためである。
以上のように、音声信号増幅回路57の電源をオンオフする時に、スピーカ遮断手段13をオフしておくことで、電源電圧の変動電圧分がコンデンサ12を介してスピーカ10に印加するのを防止することができ、スピーカ10からノイズ音が出るのを防止できる。
また、音声を出力しないときは、スピーカ10の入力端子とコンデンサ12の信号経路を遮断するスピーカ遮断手段13を設けることで、加熱コイル1に高周波電流が流れる際にスピーカ10に生じる誘導起電圧が音声信号増幅回路17に印加されるのを防止することができるので、音声信号増幅回路17の電源電圧をオフしても、スピーカ10の誘導起電圧が音声信号増幅回17路の最大定格を超えることがなくなり、故障がない省電力化した炊飯器を提供できる。
また、スピーカ10に生じる誘導起電圧を防止できるので、スピーカ10を加熱コイル1近傍に配置することが可能になり、コンパクトな炊飯器を実現できる。
(実施の形態4)
図7は、本発明の第4の実施の形態における誘導加熱式炊飯器の主要部の回路構成を示すものである。
抵抗81とコンデンサ82により低周波成分を減衰させるハイパスフィルタ93を構成し、抵抗83とコンデンサ84で高周波成分を減衰させるローパスフィルタ94を構成している。
第1の増幅回路は、オペアンプ85とハイパスフィルタ93とローパスフィルタ94から構成され、DA変換器53の出力の低周波成分と高周波成分を減衰させるとともに、その他の周波数帯の信号を反転増幅している。
なお、前記第1の増幅回路の増幅率は、抵抗81に対する抵抗83の比率で決定している。
第2の増幅回路は、オペアンプ86と抵抗87と抵抗88で構成され、前記第一の増幅回路の出力を反転増幅している。
前記第2の増幅回路の増幅率は、抵抗87と抵抗88の比率で決定している。
なお、本実施の形態では、抵抗87と抵抗88の比率は1であり、前記第1の増幅回路の出力を反転させることを目的としている。
オペアンプ85の出力端子はスピーカ10の一方の端子に第1のスピーカ遮断手段89を介して接続している。
オペアンプ86の出力端子はスピーカ10のもう一方の端子に第2のスピーカ遮断手段90を介して接続している。
第1のスピーカ遮断手段89はスピーカ10の一方の入力端子に接続し、スピーカ10の入力端子とグランド電位を接続したり遮断したりする。
第2のスピーカ遮断手段90はスピーカ10のもう一方の入力端子に接続し、スピーカの入力端子とグランド電位を接続したり遮断したりする。
音声信号出力手段92を構成するメモリ52(音声記憶回路)、DA変換器53の電源は第3の直流電源95より供給されている。
第3の直流電源95は、図5の炊飯器の第3の直流電源59と同様にエミッタフォロア回路の構成であるが、出力電圧が約5Vとなっている。
抵抗96、抵抗97は、ともに、一方の端子をスピーカ10の入力端子に接続し、もう一方の端子をグランド電位に接続している。
抵抗96と抵抗97をこのように接続する理由は、第1のスピーカ遮断手段89と第2のスピーカ遮断手段90がスピーカ10とオペアンプ85、オペアンプ86の信号経路を遮断したときにスピーカ10の入力端子がグランド電位で安定し、加熱コイル1の磁界によりスピーカ10のコイルに誘導起電圧が発生しても抵抗96、抵抗97を介して誘導起電圧によるエネルギーを消費できるためである。
その他の構成については図5の炊飯器の主要回路図と同様であり、具体的説明は実施の形態1,2のものを援用する。
図7のように二つのオペアンプを用いて、反転増幅をすることで、オペアンプ85、86の電源電圧と殆ど同じ電圧をスピーカ10に印加することが可能となるので、オペアンプ85、86の電源電圧を下げて、メモリ52(音声信号記憶回路)、DA変換器53の電源電圧と同じにすることができる。
従って、音声信号出力手段92を構成する部品の電源を全てオフすることができるので、省電力化を実現できる。
また、二つのオペアンプの出力電圧の立ち上がりが殆ど同じになるので、スピーカ10にオペアンプ85、86の電源がオンした時のノイズ音が印加されることがなくなり、使用者に不快感を与えることがない。
また、ハイパスフィルタ93とローパスフィルタ94とオペアンプ85で第1の増幅回路で構成するので、フィルタ回路分の部品を減らすことができ、コンパクトな音声出力手段を実装できる。
以上のように、本実施の形態では、二つのオペアンプ85、86を用いて電源電圧と殆ど同じ電圧を出力できるようにすることで、音声信号出力手段92を構成する部品の電源を一つ共通化し、オンオフできるようにしている。
これにより、音声を出力しない時の省電力化が実現できる。
また、音声信号出力手段92の電源がオフしている時に、第1のスピーカ遮断手段89
と第2のスピーカ遮断手段90がオンして、スピーカ10の入力端子を2つともグランド電位に接続するので、スピーカ巻線に発生する誘導起電圧を低減でき、電源をオフしても音声信号出力手段92を破壊することがなくなり、高信頼性を得ることができる。
(実施の形態5)
図8は、本発明の第5の実施の形態における誘導加熱式炊飯器の音声出力時の主要部のタイミングチャートを示している。回路構成については図7と同様なので、具体的説明は実施の形態1〜4のものを援用する。
(1)は商用電源6の電圧波形を示している。
(2)は商用電源6の0Vに同期してハイまたはローを出力する波形を示している(図7には特に図示していない)。
(3)はスイッチ回路60のオン(導通)、オフ(遮断)状態を示している。
(4)は第3の直流電源95の出力電圧波形を示している。
(5)は制御手段9から音声信号出力手段92への送信信号波形を示している。
(6)は第1のスピーカ遮断手段89及び第2のスピーカ遮断手段90のオン(導通)、オフ(遮断)状態を示している。
(7)はオペアンプ85の出力電圧波形を示している。
(8)はオペアンプ86の出力電圧波形を示している。
(9)はスピーカ10の両端電圧波形を示している。
(10)はインバータ回路2を構成するIGBTのオンオフ状態(駆動手段14のオンオフ状態)を示している。
本実施の形態の誘導加熱式炊飯器について、図2、図7、図8を用いて、動作、作用を説明する。
まず、使用者が図2の第一の回路基板39に備えられたスイッチ(入力手段7)を操作すると、制御手段9が入力手段7の信号を検知する。
すると、図8のT0では、制御手段9は商用電源6のゼロ電圧に同期して、第1のスピーカ遮断手段89と第2のスピーカ遮断手段90にオン信号を出力して、スピーカ10の入力端子とコンデンサ12の信号経路を導通状態にし、スピーカ10に信号が入力できるようになる。
その後、図8のT1で、スイッチ回路60をオン状態にし、第3の直流電源95を起動し、音声信号出力手段92へ直流電圧を供給する。この直流電圧の立ち上がり時にオペアンプ85とオペアンプ86の出力電圧が変動するが、二つのオペアンプの出力電圧が同じため、スピーカ10の両端電圧は0Vになり、スピーカ10から音は出力されない。
なお、第1のスピーカ遮断手段89と第2のスピーカ遮断手段90をオフしたままで、オペアンプ85、オペアンプ86に電源電圧を入力し、その後、第1のスピーカ遮断手段
89と第2のスピーカ遮断手段90をオンしてもスピーカ10の両端電圧の変動は0Vであり、同様の効果を得ることができる。
その後、図8のT2で、制御手段9は商用電源6のゼロ電圧に同期して、音声信号出力手段92に音量設定データを送信する。
その後、図8のT3で、制御手段9は商用電源6のゼロ電圧に同期して所定の音声データを示したアドレスデータを、音声信号出力手段92に送信する。
すると、図8のT4で、メモリ52が制御手段9からの送信データに基づいて、所定の音声のデジタルデータをDA変換器53に出力し、DA変換器53がアナログ電圧に変換された音声信号を出力し、前記第1の増幅回路と前記第2の増幅回路を介して、スピーカ10に音声信号が入力される。
スピーカ10に入力される音声信号は、オペアンプ85とオペアンプ86の出力電圧の差分の電圧が入力される。スピーカ10は音声信号が入力されると、振動し、この振動が音声となって、使用者に音声報知する。
音声信号が出力されると、第3の直流電源95の電圧が約0.2V低下するが、第2の直流電源58の電圧は変動しないので、制御手段9を構成するAD変換器の基準電圧は変動しない。
従って、鍋の温度検知、入力電流の検知、商用電源の電圧検知など、AD変換器を利用した検知手段への影響を防止することができる。
図8のT5では、入力手段7で設定されたメニューに従って、制御手段9が駆動手段14を介してインバータ回路2を構成するIGBTのオンオフ制御を開始し、加熱コイル1に高周波電力を供給し、鍋を加熱する。
図8のT6で、音声出力が終了し、第3の直流電源95の出力電圧が元の値に戻る。
図8のT7では、制御手段9がスイッチ回路60をオフ状態にし、第1の直流電源15から第3の直流電源95への電流経路を遮断し、第3の直流電源95への電力供給を停止する。
第3の直流電源95の出力電圧は徐々に低下していく。この電圧変化がオペアンプを介してスピーカ10に印加され、ノイズ音となることがある。
しかし、本実施の形態では、二つのオペアンプ85、86の出力電圧は同じであるので、スピーカ10の両端電圧は変動せず、スピーカ10からノイズ音は発生しないことになる。
従って、音声信号出力手段92の電源をオンオフするときにノイズ音が発生しないことになり、ノイズ音により使用者が不快に感じることを低減できる。
その後、図8のT8で、制御手段9が第1のスピーカ遮断手段89と第2のスピーカ遮断手段90にオン信号を出力し、第1のスピーカ遮断手段89がスピーカ10の一方の入力端子とオペアンプ85の信号経路を遮断状態にし、第2のスピーカ遮断手段90がスピーカ10のもう一方の入力端子とオペアンプ86の信号経路を遮断状態にする。
なお、第1のスピーカ遮断手段89と第2のスピーカ遮断手段90がない場合、音声信号出力手段92への電源供給が0Vになると、加熱コイル1に高周波電流が流れるときにスピーカ10に生じる誘導起電圧がオペアンプ85とオペアンプ86の電源電圧を超え、オペアンプ85、86の保護ダイオードに電流が流れ、図4(3)に示すようにスピーカ10の誘導起電圧がクランプされた電圧波形がスピーカ10の端子に出力されるが、第1のスピーカ遮断手段89と第2のスピーカ遮断手段90を用いてスピーカ10の入力端子とオペアンプ85、オペアンプ86の信号経路を遮断するので、オペアンプ85とオペアンプ86に過大な誘導起電圧が印加するのを防止できる。
また、抵抗96、抵抗97があるので、スピーカ10に誘導起電力が発生しても、この誘導起電力が抵抗96、抵抗97を介して消費されるので、スピーカ10の両端に発生する電圧は小さくなり、第1のスピーカ遮断手段89と第2のスピーカ遮断手段90の最大定格電圧を小さくすることができる。
また、第3の直流電源95停止するので、音声信号出力手段92への電力供給も停止することになり、消費電力が低減し、第1の直流電源15と、第3の直流電源95の発熱を抑えることができる。
また、本実施の形態では、制御手段9は予め、音声データの時間を記憶しているので、その時間から所定時間を経過したら、スイッチ回路60をオフ状態にし、第1の直流電源15から第3の直流電源95への電流経路を遮断するようにしている。
スイッチ回路60のオフタイミングを音声データの時間より十分に遅くするのは、音声信号出力手段92の出力する音声信号の速度にバラツキがあるためである。
以上のように、第1の増幅回路と第2の増幅回路を用いて音声信号増幅回路を構成する場合、音声信号増幅回路に電源を入力している間は第1のスピーカ遮断手段89と第2のスピーカ遮断手段90をオンし、音声信号増幅回路の電源をオフしている間は第1のスピーカ遮断手段89と第2のスピーカ遮断手段90をオフしておくことで、加熱コイル1に高周波電流が流れる際にスピーカ10に生じる誘導起電圧がオペアンプ85とオペアンプ86の出力端子に印加するのを低減することができるので、音声信号増幅回路の電源電圧をオフしても、スピーカの誘導起電圧が音声信号増幅回路の最大定格を超えることがなくなり、故障がない省電力化した炊飯器を提供できる。
(実施の形態6)
図9は、本発明の第6の実施の形態における誘導加熱式炊飯器の音声出力時の主要部のタイミングチャートを示している。回路構成については図7と同様なので、ここでの説明は先の実施の形態のものを援用する。
(1)は商用電源6の電圧波形を示している。
(2)は商用電源6の0Vに同期してハイまたはローを出力する波形を示している(図7には特に図示していない)。
(3)はスイッチ回路60のオン(導通)、オフ(遮断)状態を示している。
(4)は第3の直流電源95の出力電圧波形を示している。
(5)は制御手段9から音声信号出力手段92への送信信号波形を示している。
(6)は第1のスピーカ遮断手段89と第2のスピーカ遮断手段90のオン(導通)、オフ(遮断)状態を示している。
(7)はオペアンプ85の出力電圧波形を示している。
(8)はオペアンプ86の出力電圧波形を示している。
(9)はスピーカ10の両端電圧波形を示している。
(10)はインバータ回路2を構成するIGBTのオンオフ状態(駆動手段14のオンオフ状態)を示している。
本実施の形態の誘導加熱式炊飯器について、図2、図9、図9を用いて、動作、作用を説明する。
まず、図9では、すでに使用者が図2の第一の回路基板39に備えられたスイッチ(入力手段7)を操作し、所定の炊飯動作を行っている。
つまり、制御手段9が駆動手段14を介してインバータ回路2を制御し、加熱コイル1に高周波電流を供給し、鍋を誘導加熱している状態である。以上の状態で、使用者が入力手段7を構成するスイッチを押したものとする。
すると、図9のT0では、制御手段9は商用電源6のゼロ電圧に同期して、第1のスピーカ遮断手段89と第2のスピーカ遮断手段90にオン信号を出力して、スピーカ10の入力端子とオペアンプ85とオペアンプ86の信号経路を導通状態にし、スピーカ10に信号が入力できるようになる。
その後、図9のT1で、スイッチ回路60をオン状態にし、第3の直流電源95を起動し、音声信号出力手段92へ直流電圧を供給する。この直流電圧の立ち上がり時にオペアンプ85とオペアンプ86の出力電圧が変動するが、二つのオペアンプの出力電圧が同じため、スピーカ10の両端電圧は0Vになり、スピーカ10から音は出力されない。
その後、図9のT2で、制御手段9は商用電源6のゼロ電圧に同期して、音声信号出力手段92に音量設定データを送信する。
この時、制御手段9は駆動手段14にオフ信号を出力し、インバータ回路2の動作を停止する。
制御手段9が音声信号出力手段92に音量設定データを送信し終わると、図9のT3で、制御手段9は商用電源6のゼロ電圧に同期して、駆動手段14にオンオフ信号を出力し再びインバータ回路2の動作を開始する。
その後、図9のT4で、制御手段9は商用電源6のゼロ電圧に同期して所定の音声データを示したアドレスデータを、音声信号出力手段92に送信する。この時、制御手段9は駆動手段14にオフ信号を出力し、インバータ回路2の動作を停止する。
すると、図9のT5で、メモリ52が制御手段9からの送信データに基づいて、所定の音声のデジタルデータをDA変換器53に出力し、DA変換器53がアナログ電圧に変換された音声信号を出力し、前記第1の増幅回路と前記第2の増幅回路を介して、スピーカ10に音声信号が入力される。
スピーカ10に入力される音声信号は、オペアンプ85とオペアンプ86の出力電圧の差分の電圧が入力される。
スピーカ10は音声信号が入力されると、振動し、この振動が音声となって、使用者に音声報知する。
音声信号が出力されると、第3の直流電源95の電圧が約0.2V低下するが、第2の直流電源58の電圧は変動しないので、制御手段9を構成するAD変換器の基準電圧は変動しない。
従って、鍋の温度検知、入力電流の検知、商用電源の電圧検知など、AD変換器を利用した検知手段への影響を防止することができる。
図9のT6では、制御手段9は商用電源6のゼロ電圧に同期して、駆動手段14にオンオフ信号を出力し再びインバータ回路2の動作を開始する。
図9のT7で、音声出力が終了し、第3の直流電源95の出力電圧が元の値に戻る。
図9のT8では、制御手段9がスイッチ回路60をオフ状態にし、第1の直流電源15から第3の直流電源95への電流経路を遮断し、第3の直流電源95への電力供給を停止する。
第3の直流電源95の出力電圧は徐々に低下していく。この電圧変化がオペアンプを介してスピーカ10に印加され、ノイズ音となることがある。
しかし、本実施の形態では、二つのオペアンプ85、86の出力電圧は同じであるので、スピーカ10の両端電圧は変動せず、スピーカ10からノイズ音は発生しないことになる。
従って、音声信号出力手段92の電源をオンオフするときにノイズ音が発生しないことになり、ノイズ音により使用者が不快に感じることを低減できる。
その後、図9のT9で、制御手段9が第1のスピーカ遮断手段89と第2のスピーカ遮断手段90にオフ信号を出力し、第1のスピーカ遮断手段89と第2のスピーカ遮断手段90がスピーカ10の入力端子とオペアンプ85、オペアンプ86の信号経路を遮断状態にする。
なお、第1のスピーカ遮断手段89と第2のスピーカ遮断手段90がない場合、音声信号出力手段92への電源供給が0Vになると、加熱コイル1に高周波電流が流れるときにスピーカ10に生じる誘導起電圧がオペアンプ85とオペアンプ86の電源電圧を超え、オペアンプ85、86の保護ダイオードに電流が流れ、図4(3)に示すようにスピーカ10の誘導起電圧がクランプされた電圧波形がスピーカ10の端子に出力されるが、第1のスピーカ遮断手段89と第2のスピーカ遮断手段90を用いてスピーカ10の入力端子とオペアンプ85、オペアンプ86の信号経路を遮断すると、オペアンプ85とオペアンプ86の出力端子に過大な誘導起電圧が印加するのを防止できる。
また、第3の直流電源95が停止するので、音声信号出力手段92への電力供給も停止することになり、消費電力が低減し、第1の直流電源15と、第3の直流電源95の発熱を抑えることができる。
また、本実施の形態では、制御手段9は予め、音声データの時間を記憶しているので、その時間から所定時間を経過したら、スイッチ回路60をオフ状態にし、第1の直流電源15から第3の直流電源95への電流経路を遮断するようにしている。スイッチ回路60のオフタイミングを音声データの時間より十分に遅くするのは、音声信号出力手段92の出力する音声信号の速度にバラツキがあるためである。
以上のように、本実施の形態の炊飯器では、制御手段9が音声信号出力手段92に信号を送信するときにインバータ回路2の動作を停止するので、インバータ回路2が動作したときのノイズが送信信号に重畳するのを防ぐことができ、確実に所定の音声を出力することができる。