JP2010021630A - 広帯域バラン - Google Patents

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敏夫 新井
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則夫 奥川
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Abstract

【課題】 地上デジタル放送のような広い周波数帯域において動作可能とする。
【解決手段】 遅れ位相の第1の位相回路110と進み位相の第2の位相回路111とを備え、第1の位相回路110の一端および第2の位相回路111の一端であるP0端子に不平衡インピーダンス回路112が接続されている。また、第1の位相回路110の他端であるP1端子と、第2の位相回路111の他端であるP2端子との間に平衡インピーダンス回路113が接続されている。P1−P2端子間の使用周波数帯域の中心周波数における相対位相が約180°となるように、第1の位相回路110において使用周波数帯域の中心周波数における遅れ位相が−90°に設定され、第2の位相回路111において使用周波数帯域の中心周波数における進み位相が+90°に設定されている
【選択図】 図1

Description

本発明は、広帯域で動作する広帯域バランに関するものである。
2003年12月に開始された地上デジタル放送は、2006年12月に全国のデジタル親局の本放送が開始され、2011年7月に地上アナログ放送の終了に向けて、地上デジタル放送が安定して受信できるように中継網の整備が進められている。デジタル放送の電波が高層ビルや建造物で遮られたり、地理的条件によりデジタル放送が良好に受信できない場所の受信障害対策として極微小電力局(ギャップフィラー)が提案されている。ギャップフィラーは小規模な無線設備とされ、送信電力が0.05W(原則0.01W)以下のデジタル受信障害対策中継放送を行う放送局とされている。ギャップフィラーは、山間部等で地形により電波が遮られて受信できない辺地、ビルなどの建造物で電波が遮られて受信できない都市、地下街や地下鉄の構内およびトンネル内などの電波が遮蔽されている場所に設置される。
ギャップフィラーの送信局には送信用のアンテナが少なくとも設けられるが、アンテナが折り返しダイポールアンテナ等の平衡型の給電が必要とされる場合には、給電部に平衡−不平衡変換器(以下、「バラン」という)を設けて、不平衡伝送線とされる同軸ケーブルから給電するようにしている。従来のバラン200の一例を図39に示す。図39に示す構成のバラン200は、P0端子に不平衡インピーダンス回路212が接続され、不平衡インピーダンス回路212のインピーダンスZ0は、例えば75Ωとされている。P1端子とP2端子間には平衡インピーダンス回路213が接続され、平衡インピーダンス回路213のインピーダンスZ1-2は、例えば300Ωとされている。P0端子とP1端子間は特性インピーダンスが75Ωの同軸ケーブル210により接続されており、P1端子とP2端子間には、使用周波数帯域の中心周波数(地上デジタル放送の場合は620MHz)の波長をλとした際にλ/2の長さとされた特性インピーダンスが75Ωの同軸ケーブル211により接続されている。なお、同軸ケーブル210と同軸ケーブル211のシールド導体はアースされている。このバラン200において、P1端子で電流が2分割されて半分が平衡インピーダンス回路213に流れ、同軸ケーブル211の作用によりP1端子とP2端子とに電圧が逆位相で給電されて平衡インピーダンス回路213の両端の電圧が2倍となる事から、平衡インピーダンス回路213のインピーダンスを、不平衡インピーダンス回路212のインピーダンスの4倍とした際に整合するようになる。このように、図39に示すバランにおいては不平衡のインピーダンスZ0(75Ω)と、平衡のインピーダンスZ1-2(300Ω)とが整合するようになる。
図39に示すバラン200において、同軸ケーブル211の長さをλ/2とした際のリターンロスの周波数特性を図40に示す。図40を参照すると、中心周波数が620MHzの地上デジタル放送の周波数帯域(470MHz〜770MHz)におけるリターンロスが20dB以上の実用周波数帯域は約100MHzしか得られておらず、地上デジタル放送の周波数帯域(470MHz〜770MHz)において、リターンロスの最小値は約10dBまで劣化している。このことから、図39に示す従来のバラン200は300MHzの広い周波数帯域が必要とされる地上デジタル放送の用途には使用することができないという問題点があった。
また、バランにおいては上記したように位相を反転させる素子が必要となり、フェライトコアを用いたトランスにより位相を反転させるバランも従来から用いられている。しかしながら、フェライトコアを用いると挿入損失が多いと共に、通過電力が大きい場合に電気的な歪みや発熱の問題が発生するようになる。さらに、フェライトコアは物理的に脆弱であって、温度・磁界・衝撃に弱い素子とされ、位相(逆相)の周波数特性も完璧なものは得難く、広い周波数帯域に渡り平衡度の高いバランを実現することが困難であった。
そこで、本発明は地上デジタル放送のような広い周波数帯域において動作可能な広帯域バランを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の広帯域バランは、遅れ位相の第1の位相回路と進み位相の第2の位相回路とを備え、第1の位相回路の一端および第2の位相回路の一端に共通に不平衡インピーダンス回路が接続され、第1の位相回路の他端と第2の位相回路の他端との間に平衡インピーダンス回路が接続される広帯域バランであって、第1の位相回路の他端と第2の位相回路の他端との間の使用周波数帯域の中心周波数における相対位相が約180°となるように、第1の位相回路において使用周波数帯域の中心周波数における遅れ位相が−90°の遅れ位相に設定され、第2の位相回路において使用周波数帯域の中心周波数における進み位相が+90°の進み位相に設定されていることを最も主要な特徴としている。
本発明の広帯域バランでは、第1の位相回路と第2の位相回路との相対位相差が約180°となっており、周波数に対する第1の位相回路と第2の位相回路の位相変化は同じ傾向を示すことから、地上デジタル放送のような広い周波数帯域において動作可能な広帯域バランとすることができる。
本発明にかかる広帯域バランの原理を図1を参照して説明する。
図1に示す広帯域バラン100は、遅れ位相の位相回路A(110)と進み位相の位相回路B(111)の2つの位相回路を有している。位相回路Aの遅れ位相θaは−90°とされ、位相回路Bの進み位相θbは+90°とされている。位相回路Aの一端はP0端子に接続され、位相回路Aの他端はP1端子に接続されている。また、位相回路Bの一端もP0端子に接続され、位相回路Bの他端はP2端子に接続されている。P0端子は一端がアースされた不平衡インピーダンス回路112が接続されており、そのインピーダンスはZaとされている。P1端子とP2端子間の相対位相差φは+90°−(−90°)=180°となる。すなわち、P1端子とP2端子とが平衡端子となり、平衡インピーダンス回路113が接続されており、そのインピーダンスはZbとされ、インピーダンスZbが4Zaとされた際に整合するようになる。例えば、インピーダンスZa=75Ωとされると、インピーダンスZb=300Ωで整合する。そこで、P1−P2間に接続されている平衡インピーダンス回路113として、例えば平衡型の折り返しダイポールアンテナとすることができ、P0端子に約75Ωの不平衡型の出力インピーダンスとされた送信機を接続し、約300Ωの平衡型のアンテナをP1端子とP2端子間に接続することにより、不平衡型出力の送信機から平衡型のアンテナに整合して給電することができる。また、位相回路Aの遅れ位相θaと位相回路Bの進み位相θbの周波数に対する位相変化率がほぼ同様の変化率となる周波数範囲において、広帯域バラン100はバランとして機能するようになる。
図1に示す広帯域バラン100を実現するための図1に示す広帯域バラン100の等価回路を図2に示す。図2に示す等価回路では、遅れ位相の位相回路A(110)と進み位相の位相回路B(111)とを独立した位相回路に置き換えている。このため、不平衡インピーダンス回路112’は並列接続されることから2Zaとなり、平衡インピーダンス回路113’は電圧がゼロになる中点で分離できることから、中点をアースすることにより2つに分離されてそれぞれZb/2となる。また、整合させるために位相回路Aと位相回路Bのインピーダンスを2Za(=Zb/2)とすることにより、原理的には全周波数で整合する広帯域バラン100とすることができる。
遅れ位相の位相回路A(110)と進み位相の位相回路B(111)とをストリップ線路等の線路により構成した本発明の第1実施例にかかる広帯域バラン1の構成を図3に示す。
図3に示す広帯域バラン1は、使用周波数帯域の中心周波数の波長をλとした際に、長さがλ/4とされた第1のストリップ線路10と、長さが3λ/4とされた第2のストリップ線路11とを備えている。第1のストリップ線路10の一端はP0端子に接続され、第1のストリップ線路10の他端はP1端子に接続されている。P0端子には、一端がアースされているインピーダンスZaの不平衡インピーダンス回路12が接続されている。また、第2のストリップ線路11の一端もP0端子に接続され、第2のストリップ線路11の他端はP2端子に接続されている。P1端子とP2端子とが平衡端子を構成しており、P1−P2間にインピーダンスZbの平衡インピーダンス回路13が接続されている。Zb=4Zaとすることにより整合される。長さλ/4の第1のストリップ線路10は−90°位相器として作用し、長さ3λ/4の第2のストリップ線路11は−270°位相器、すなわち+90°位相器として作用している。また、第1のストリップ線路10と第2のストリップ線路11の特性インピーダンスZcは、図2に示したようにP0端子の不平衡インピーダンス回路12のインピーダンスZaの2倍とされている。あるいは、平衡インピーダンス回路13のインピーダンスZbの1/2倍ということもできる。例えば、インピーダンスZaが約75Ωとされた際に、第1のストリップ線路10と第2のストリップ線路11の特性インピーダンスZcは約150Ωとされる。ここで、P1−P2間に接続する平衡インピーダンス回路13として、例えば約300Ωの平衡型の折り返しダイポールアンテナとすることができ、P0端子に約75Ωの不平衡の出力インピーダンスとされた送信機を接続することで、不平衡型出力の送信機から平衡型の折り返しダイポールアンテナに整合して給電することができる。また、ストリップ線路10の遅れ位相とストリップ線路11の進み位相の周波数に対する位相変化率がほぼ同様の変化率となる周波数範囲において、第1実施例の広帯域バラン1はバランとして機能するようになる。
そこで、図3に示す第1実施例の広帯域バラン1において、使用周波数帯域を地上デジタル放送の470MHz〜770MHzとしてλを中心周波数620MHzの波長とした際のリターンロスの周波数特性を図4に示す。図4を参照すると、リターンロス20dB以上の実用周波数帯域は約480MHz〜約760MHzとされた約280MHzの周波数帯域が得られるようになり、地上デジタル放送の周波数帯域(470MHz〜770MHz)において、広帯域バラン1はバランとしてほぼ機能するようになる。なお、リターンロス20dB以上の実用周波数帯域が約280MHzしか得られないのは、第1のストリップ線路10と第2のストリップ線路11の線路長が1:3とされて第1のストリップ線路10と第2のストリップ線路11において同様の位相変化率を示す周波数範囲が狭いためと考えられる。
そこで、第1実施例の広帯域バラン1より実用周波数帯域を広帯域化することのできるよう広帯域バランにおいてストリップ線路に替えて集中定数回路を用いることを考えてみる。ローパスフィルタ(以下、「LPF」という)は位相遅れ特性を示すことから、図1に示す位相回路Aとして用いることができ、ハイパスフィルタ(以下、「HPF」という)は位相進み特性を示すことから、図1に示す位相回路Bとして用いることができる。そこで、LPFおよびHPFの構成について考察する。
図5に示す回路はπ型のLPFであり、入力端子INに一端がアースされた第1キャパシタCaの他端とインダクタLaの一端が接続され、出力端子OUTに一端がアースされた第2キャパシタCbの他端とインダクタLaの他端が接続されている。このLPFにおいて、620MHzにおける遅れ位相が−90°となるようにインダクタLaのインダクタンスを約38.505nHとし、第1キャパシタCaおよび第2キャパシタCbの容量を約1.711pFとする。
第1キャパシタCaないしインダクタLaが上記数値とされた際の図5に示すLPFにおけるリターンロスの周波数特性を図6に示す。図6を参照すると、リターンロス20dB以上の実用周波数帯域は約540MHz〜約670MHzとされた約130MHzの周波数帯域しか得られていない。また、第1キャパシタCaないしインダクタLaが上記数値とされた際の図5に示すLPFにおける位相の周波数特性を図7に示す。図7を参照すると、地上デジタル放送の周波数帯域(470MHz〜770MHz)における位相は、中心周波数の620MHzにおいては約−90°が得られているが、地上デジタル放送の周波数帯域の全体では約−65°〜−120°まで大きく位相変化してしまっている。
次に、図8に示す回路はπ型のHPFであり、入力端子INに一端がアースされた第1インダクタLaの他端とキャパシタCaの一端が接続され、出力端子OUTに一端がアースされた第2インダクタLbの他端とキャパシタCaの他端が接続されている。このHPFにおいて、620MHzにおける位相が+90°となるように第1インダクタLaおよび第2インダクタLbのインダクタンスを約38.505nHとし、キャパシタCaの容量を約1.711pFとする。
第1インダクタLaないしキャパシタCaが上記数値とされた際の図8に示すHPFにおけるリターンロスの周波数特性を図9に示す。図9を参照すると、リターンロス20dB以上の実用周波数帯域は約570MHz〜約700MHzとされた約130MHzの周波数帯域しか得られていない。また、第1インダクタLaないしキャパシタCaが上記数値とされた際の図8に示すHPFにおける位相の周波数特性を図10に示す。図10を参照すると、地上デジタル放送の周波数帯域(470MHz〜770MHz)における位相は、中心周波数の620MHzにおいては約+90°が得られているが、地上デジタル放送の周波数帯域の全体では約+135°〜+70°まで大きく位相変化してしまっている。
次に、広帯域化を実現するためにπ型の2段のLPFの回路を図11に示す。図11に示すLPFは、入力端子INに一端がアースされた第1キャパシタCaの他端と第1インダクタLaの一端が接続され、第1インダクタLaの他端に一端がアースされた第2キャパシタCbの他端と第2インダクタLbの一端が接続され、出力端子OUTに一端がアースされた第3キャパシタCcの他端と第2インダクタLbの他端が接続されている。このLPFにおいて、620MHzにおけるLPFの各段の位相が−45°となり2段の合計の位相が−90°となるように第1インダクタLaおよび第2インダクタLbのインダクタンスを約27.227nHとし、第1キャパシタCaおよび第3キャパシタCcの容量を約0.709pFとし、第2キャパシタCbの容量を約1.418pFとする。
第1インダクタLaないし第3キャパシタCcが上記数値とされた際の図11に示すLPFにおけるリターンロスの周波数特性を図12に示す。図12を参照すると、リターンロス20dB以上の実用周波数帯域は約370MHz〜約870MHzの全周波数帯域を超える広帯域の周波数帯域が得られるようになる。また、第1インダクタLaないし第3キャパシタCcが上記数値とされた際の図11に示すLPFにおける位相の周波数特性を図13に示す。図13を参照すると、地上デジタル放送の周波数帯域(470MHz〜770MHz)における位相は、中心周波数の620MHzにおいては約−90°が得られており、地上デジタル放送の周波数帯域の全体では約−70°〜−110°までの位相変化に抑えられるようになる。
次に、π型の2段のHPFの回路を図14に示す。図14に示すHPFは、入力端子INに一端がアースされた第1インダクタLaの他端と第1キャパシタCaの一端が接続され、第1キャパシタCaの他端に一端がアースされた第2インダクタLbの他端と第2キャパシタCbの一端が接続され、出力端子OUTに一端がアースされた第3インダクタLcの他端と第2キャパシタCbの他端が接続されている。このHPFにおいて、620MHzにおけるHPFの各段の位相が+45°となり2段の合計の位相が+90°となるように第1インダクタLaおよび第3インダクタLcのインダクタンスを約92.960nHとし、第2インダクタLbのインダクタンスを約46.480nHとし、第1キャパシタCaおよび第2キャパシタCbの容量を約2.420pFとする。
第1インダクタLaないし第2キャパシタCbが上記数値とされた際の図14に示すHPFのリターンロスの周波数特性を図15に示す。図15を参照すると、リターンロス20dB以上の実用周波数帯域は約370MHz〜約870MHzの全周波数帯域を超える広帯域の周波数帯域が得られるようになる。また、第1インダクタLaないし第2キャパシタCbが上記数値とされた際の図14に示すHPFにおける位相の周波数特性を図16に示す。図16を参照すると、地上デジタル放送の周波数帯域(470MHz〜770MHz)における位相は、中心周波数の620MHzにおいては約+90°が得られており、地上デジタル放送の周波数帯域の全体では約+120°〜+75°までの位相変化に抑えられるようになる。
そこで、図1に示す位相回路A(110)を2段構成のLPFにより構成し、位相回路B(111)を2段構成のHPFにより構成した本発明の第2実施例にかかる広帯域バラン2の構成を示すブロック図を図17に示す。
図17に示す広帯域バラン2は、LPF20とLPF21が直列接続された遅れ位相の第1の位相回路と、HPF22とHPF23とが直列接続された進み位相の第2の位相回路の2つの位相回路を有している。LPF20とLPF21がそれぞれ得ようとする遅れ位相θ1は−45°とされ、LPF20とLPF21が直列接続された第1の位相回路で得ようとする遅れ位相は−90°とされている。また、HPF22とHPF23がそれぞれ得ようとする進み位相θ2は+45°とされ、HPF22とHPF23が直列接続された第2の位相回路で得ようとする進み位相は+90°とされている。広帯域バラン2において、LPF20の一端はP0端子に接続されていると共にLPF20の他端はLPF21の一端に接続されており、LPF21の他端はP1端子に接続されている。また、HPF22の一端はP0端子に接続されていると共にHPF22の他端はHPF23の一端に接続されており、HPF23の他端はP2端子に接続されている。
P0端子は一端がアースされたインピーダンスZaの不平衡インピーダンス回路24とされており、P1端子とP2端子間の相対位相差として180°を得るようにしている。P1端子とP2端子には、インピーダンスZbの平衡インピーダンス回路25が接続されている。上述したように、インピーダンスZbを4Zaとすることにより広帯域バラン2は整合する。例えば、Za=75Ωとされると、Zb=300Ωとなる。そこで、P1−P2間の平衡インピーダンス回路25として、例えば平衡型の折り返しダイポールアンテナとすることができ、P0端子に約75Ωの不平衡の出力インピーダンスとされた送信機を接続し、約300Ωの平衡型のアンテナをP1端子とP2端子間に接続することにより、不平衡型出力の送信機から平衡型のアンテナに整合して給電することができる。また、LPF20とLPF21が直列接続された第1の位相回路の遅れ位相と、HPF22とHPF23とが直列接続された第2の位相回路の進み位相の周波数に対する位相変化率がほぼ同様の変化率となる周波数範囲において、第2実施例の広帯域バラン2はバランとして機能するようになる。なお、LPF20、LPF21、HPF22、HPF23はπ型あるいはT型のいずれで構成されてもよい。
本発明の第2実施例の広帯域バラン2の具体的回路の例を図18に示す。
図18に示す広帯域バラン2の回路において、第1位相回路を構成するLPF20とLPF21とはπ型のLPFとされており、P0端子に一端がアースされた第1キャパシタC21の他端と第1インダクタL20の一端が接続され、第1インダクタL20の他端に一端がアースされた第2キャパシタC22の他端と第2インダクタL21の一端が接続され、P1端子に一端がアースされた第3キャパシタC23の他端と第2インダクタL21の他端が接続されている。また、第2位相回路を構成するHPF22とHPF23はπ型のHPFとされており、P0端子に一端がアースされた第3インダクタL22の他端と第4キャパシタC24の一端が接続され、第4キャパシタC24の他端に一端がアースされた第4インダクタL23の他端と第5キャパシタC25の一端が接続され、P2端子に一端がアースされた第5インダクタL24の他端と第5キャパシタC25の他端が接続されている。
図18に示す広帯域バラン2の使用周波数帯域を地上デジタル放送とする場合は、LPF20とLPF21において、620MHzにおけるLPFの各段の遅れ位相が−45°となり2段の合計の遅れ位相が−90°となるように第1インダクタL20および第2インダクタL21のインダクタンスを約27.22731nHとし、第1キャパシタC21および第3キャパシタC23の容量を約0.70886pFとし、第2キャパシタC22の容量を約1.41772pFとする。また、広帯域バラン2のHPF22とHPF23において、620MHzにおけるHPFの各段の進み位相が+45°となり2段の合計の進み位相が+90°となるように第3インダクタL22および第5インダクタL24のインダクタンスを約92.95984nHとし、第4インダクタL23のインダクタンスを約46.47992nHとし、第4キャパシタC24および第5キャパシタC25の容量を約2.42021pFとする。
ここで、図17および図18に示す第2実施例の広帯域バラン2において、使用周波数帯域である地上デジタル放送の470MHz〜770MHz(中心周波数は620MHz)におけるリターンロスの周波数特性を図19に示す。図19を参照すると、リターンロス20dB以上の実用周波数帯域は約370MHz〜約870MHzの全周波数帯域を超える広帯域の周波数帯域が得られるようになり、地上デジタル放送の周波数帯域(470MHz〜770MHz)において、第2実施例の広帯域バラン2はバランとして十分機能するようになる。
また、第2実施例の広帯域バラン2の位相特性を示す図表を図20に示す。図20を参照すると、470MHzにおいてP1端子の絶対位相は−67.47°となり、P2端子の絶対位相は+121.22°となり、P1−P2端子間の相対位相差は188.69°が得られており、得ようとする180°に対する位相偏差はわずか+8.69°となっている。中心周波数である620MHzにおいてP1端子の絶対位相は−90.00°となり、P2端子の絶対位相は+90.00°となり、P1−P2端子間の相対位相差は180.00°が得られており、得ようとする180°に対する位相偏差は0.00°となっている。710MHzにおいてP1端子の絶対位相は−103.96°となり、P2端子の絶対位相は+78.09°となり、P1−P2端子間の相対位相差は182.05°が得られており、得ようとする180°に対する位相偏差はわずか+2.05°となっている。770MHzにおいてP1端子の絶対位相は−113.48°となり、P2端子の絶対位相は+71.79°となり、P1−P2端子間の相対位相差は185.27°が得られており、得ようとする180°に対する位相偏差はわずか+5.27°となっている。このように、第2実施例の広帯域バラン2は地上デジタルの周波数帯域内において良好な位相特性を示している。
ところで、図18に示す第2実施例の広帯域バラン2において、キャパシタやインダクタとされる素子の上記した値は理想的な数値であり、このような値の素子を入手するのは困難である。そこで、キャパシタやインダクタの値を実用的な数値に置き換えてみると、第1インダクタL20および第2インダクタL21のインダクタンスは約27.0nHとなり、第1キャパシタC21および第3キャパシタC23の容量は約0.75pFとなり、第2キャパシタC22の容量は約1.5pFとなる。また、第3インダクタL22および第5インダクタL24のインダクタンスは約91.0nHとなり、第4インダクタL23のインダクタンスは約47.0nHとなり、第4キャパシタC24および第5キャパシタC25の容量は約2.4pFとなる。
第2実施例の広帯域バラン2において上記のようにキャパシタおよびインダクタの値を実用的な数値とした際に、使用周波数帯域である地上デジタル放送の470MHz〜770MHz(中心周波数は620MHz)におけるリターンロスの周波数特性を図21に示す。図21を参照すると、リターンロス20dB以上の実用周波数帯域は約370MHz〜約870MHzの全周波数帯域を超える広帯域の周波数帯域が得られるものの、約610MHz近辺の使用周波数帯域内において大きな反射が生じるようになり、地上デジタル放送の周波数帯域(470MHz〜770MHz)において、第2実施例の広帯域バラン2はバランとして機能しない周波数帯域が生じるようになる。
また、第2実施例の広帯域バラン2において上記のようにキャパシタおよびインダクタの値を実用的な数値とした際の位相特性を示す図表を図22に示す。図22を参照すると、470MHzにおいてP1端子の絶対位相は−73.01°となり、P2端子の絶対位相は+109.17°となり、P1−P2端子間の相対位相差は182.18°が得られており、得ようとする180°に対する位相偏差はわずか+2.18°となっている。中心周波数である620MHzにおいてP1端子の絶対位相は−97.62°となり、P2端子の絶対位相は+81.37°となり、P1−P2端子間の相対位相差は178.99°が得られており、得ようとする180°に対する位相偏差は−1.01°となっている。710MHzにおいてP1端子の絶対位相は−112.91°となり、P2端子の絶対位相は+70.70°となり、P1−P2端子間の相対位相差は183.61°が得られており、得ようとする180°に対する位相偏差はわずか+3.61°となっている。770MHzにおいてP1端子の絶対位相は−123.38°となり、P2端子の絶対位相は+65.04°となり、P1−P2端子間の相対位相差は188.42°が得られており、得ようとする180°に対する位相偏差はわずか+8.42°となっている。このように、地上デジタルの周波数帯域内において良好な位相特性を示しているが、約610MHz近辺において大きな反射が生じている。
第2実施例の広帯域バラン2において上記のようにキャパシタおよびインダクタの素子の値を実用的な数値とすると使用周波数帯域内において大きな反射が生じる理由は次の通りと考えられる。LPF20とLPF21からなる遅れ位相の第1の位相回路、および、HPF22とHPF23からなる進み位相の第2の位相回路における素子の値を実用的な数値に置き換えることにより、素子の値が理想的な数値から若干ずれるようになり、P1端子およびP2端子において平衡インピーダンス回路25との整合が若干とれなくなって不整合反射が生じるようになる。この不整合反射は第1の位相回路からの反射成分と第2の位相回路からの反射成分となり、P0端子において610MHz近辺で同位相となって合成されるため大きな反射が生じたものと考えられる。同位相となるのは、620MHzの中心周波数において第1の位相回路は−90°の遅れ位相となるよう設計されると共に、第2の位相回路は+90°の進み位相となるよう設計されていることから、第1の位相回路を往復した不整合反射成分と第2の位相回路を往復した不整合反射成分は、設計周波数である620MHzの近傍において共に180°移相されて同位相となるからと考えられる。
そこで、使用周波数帯域内において大きな反射が生じることのない本発明の第3実施例の広帯域バラン3の構成を示すブロック図を図23に示す。
図23に示す第3実施例の広帯域バラン3は、LPF30とLPF31が直列接続された2段のLPFからなる遅れ位相の第1の位相回路と、HPF32の1段のHPFからなる進み位相の第2の位相回路の2つの位相回路を有している。この場合、第1の位相回路を往復した不整合反射成分と第2の位相回路を往復した不整合反射成分がP0端子において同位相とならないように、第1の位相回路で得ようとする遅れ位相は−90°が除かれると共に、第2の位相回路で得ようとする進み位相は+90°が除かれる。
第1の位相回路において、LPF30とLPF31とでそれぞれ得ようとする遅れ位相θ1は例えば−60°とされ、LPF30とLPF31とにより例えば−120°の遅れ位相を得るようにしている。また、第2の位相回路において、HPF32が得ようとする進み位相θ2は、例えば+60°とされている。LPF30の一端はP0端子に接続されていると共にLPF30の他端はLPF31の一端に接続されており、LPF31の他端はP1端子に接続されている。また、HPF32の一端はP0端子に接続されていると共にHPF32の他端はP2端子に接続されている。P0端子は一端がアースされたインピーダンスZaの不平衡インピーダンス回路33に接続されており、P1端子とP2端子間の相対位相差として、2θ1+θ2=180°を得るようにしている。すなわち、P1端子とP2端子とが平衡端子となり、インピーダンスZbの平衡インピーダンス回路34が接続される。インピーダンスZbを4Zaとすることにより、広帯域バラン3は整合する。例えば、Za=75Ωとされると、Zb=300Ωとなり、第3実施例の広帯域バラン3においても、不平衡型出力の送信機から平衡型のアンテナに整合して給電することができる。なお、LPF30、LPF31、HPF32はπ型あるいはT型のいずれで構成されてもよい。
本発明の第3実施例の広帯域バラン3の具体的回路の例を図24に示す。
図24に示す広帯域バラン3の回路において、第1位相回路を構成するLPF30とLPF31とはπ型のLPFとされており、P0端子に一端がアースされた第1キャパシタC31の他端と第1インダクタL30の一端が接続され、第1インダクタL30の他端に一端がアースされた第2キャパシタC32の他端と第2インダクタL31の一端が接続され、P1端子に一端がアースされた第3キャパシタC33の他端と第2インダクタL31の他端が接続されている。また、第2位相回路を構成するHPF32はT型のHPFとされており、P0端子に第4キャパシタC34の一端が接続され、第4キャパシタC34の他端に一端がアースされた第3インダクタL32の他端と第5キャパシタC35の一端が接続され、P2端子に第5キャパシタC35の他端が接続されている。
図24に示す広帯域バラン3の使用周波数帯域を地上デジタル放送とした場合におけるキャパシタとインダクタの理想的な数値を置き換えた実用的な数値の例を次に上げる。なお、理想的な数値は()内に示す。広帯域バラン3のLPF30とLPF31では、620MHzにおけるLPFの各段の遅れ位相が−60°となり2段の合計の遅れ位相が−120°となるように第1インダクタL30および第2インダクタL31のインダクタンスを約36.0(35.646)nHとし、第1キャパシタC31および第3キャパシタC33の容量を約1.0(1.056)pFとし、第2キャパシタC32の容量を約2.0(2.112)pFとする。また、広帯域バラン3のHPF32において、620MHzにおける進み位相が+60°となるように第3インダクタL32のインダクタンスを約51.0(47.528)nHとし、第4キャパシタC34および第5キャパシタC35の容量を約3.3(3.169)pFとする。
第3実施例の広帯域バラン3においてキャパシタおよびインダクタの値を上記した実用的な数値とした際に、使用周波数帯域である地上デジタル放送の470MHz〜770MHz(中心周波数は620MHz)におけるリターンロスの周波数特性を図25に示す。図25を参照すると、リターンロス20dB以上の実用周波数帯域は約445MHz以上の約870MHzを超える広帯域の周波数帯域が得られている。そして、約420MHz近辺において大きな反射が生じているが、地上デジタル放送の周波数帯域(470MHz〜770MHz)の周波数帯域外となっていることから、第3実施例の広帯域バラン3は地上デジタル放送の周波数帯域においてバランとして十分機能するようになる。
また、第3実施例の広帯域バラン3においてキャパシタおよびインダクタの値を上記した実用的な数値とした際の位相特性を示す図表を図26に示す。図26を参照すると、470MHzにおいてP1端子の絶対位相は−93.36°となり、P2端子の絶対位相は+71.44°となり、P1−P2端子間の相対位相差は164.80°が得られており、得ようとする180°に対する位相偏差は−15.20°となっている。中心周波数である620MHzにおいてP1端子の絶対位相は−126.01°となり、P2端子の絶対位相は+52.56°となり、P1−P2端子間の相対位相差は178.57°が得られており、得ようとする180°に対する位相偏差はわずか−1.43°となっている。710MHzにおいてP1端子の絶対位相は−146.90°となり、P2端子の絶対位相は+45.54°となり、P1−P2端子間の相対位相差は192.44°が得られており、得ようとする180°に対する位相偏差は+12.44°となっている。770MHzにおいてP1端子の絶対位相は−161.67°となり、P2端子の絶対位相は+41.86°となり、P1−P2端子間の相対位相差は203.53°が得られており、得ようとする180°に対する位相偏差は+23.53°となっている。このように、第3実施例の広帯域バラン3は地上デジタルの周波数帯域内において良好な位相特性を示している。
上記した第3実施例の広帯域バラン3においては、第1の位相回路の遅れ位相を使用周波数帯域の中心周波数において−90°を除く、例えば−120°の位相が得られるLPF30およびLPF31から構成し、さらに、第2の位相回路の進み位相を使用周波数帯域の中心周波数において+90°を除く、例えば+60°の位相が得られるHPF32から構成することにより、P1−P2端子間の相対位相差φとして180°が得られるようにしている。これにより、第3実施例の広帯域バラン3におけるキャパシタおよびインダクタの値を実用的な数値に置き換えても、使用周波数帯域内において大きな反射が生じることを防止することができ、使用周波数帯域内において第3実施例の広帯域バラン3はバランとして機能するようになる。
次に、使用周波数帯域内において大きな反射が生じることのない本発明の第4実施例の広帯域バラン4の構成を示すブロック図を図27に示す。
図27に示す第4実施例の広帯域バラン4は、LPF40の1段のLPFからなる遅れ位相の第1の位相回路と、HPF41とHPF42が直列接続された2段のHPFからなる進み位相の第2の位相回路との2つの位相回路を有している。この場合、第1の位相回路を往復した不整合反射成分と第2の位相回路を往復した不整合反射成分が同位相とならないように、第1の位相回路で得ようとする遅れ位相は−90°が除かれると共に、第2の位相回路で得ようとする進み位相は+90°が除かれる。
第1の位相回路において、LPF40が得ようとする遅れ位相θ3は、例えば−60°とされている。また、第2の位相回路において、HPF41とHPF42とでそれぞれ得ようとする進み位相θ4は例えば+60°とされ、HPF41とHPF42とにより例えば−120°の進み位相を得るようにしている。そして、LPF40の一端はP0端子に接続されていると共にLPF40の他端はP1端子に接続されている。また、HPF41の一端はP0端子に接続されていると共にHPF40の他端はHPF42の一端に接続されており、HPF42の他端はP2端子に接続されている。P0端子は一端がアースされたインピーダンスZaの不平衡インピーダンス回路43に接続されており、P1端子とP2端子間の相対位相差として、2θ3+θ4=180°を得るようにしている。すなわち、P1端子とP2端子とが平衡端子となり、インピーダンスZbの平衡インピーダンス回路44が接続されている。インピーダンスZbを4Zaとすることにより、広帯域バラン4は整合する。例えば、Za=75Ωとされると、Zb=300Ωとなり、第4実施例の広帯域バラン4においても、不平衡型出力の送信機から平衡型のアンテナに整合して給電することができる。なお、LPF40、HPF41、HPF42はπ型あるいはT型のいずれで構成されてもよい。
本発明の第4実施例の広帯域バラン4の具体的回路の例を図28に示す。
図28に示す広帯域バラン4の回路において、第1位相回路を構成するLPF40はT型のLPFとされており、P0端子に第1インダクタL40の一端が接続され、第1インダクタL40の他端に一端がアースされた第1キャパシタC40の他端と第2インダクタL41の一端が接続され、P2端子に第2インダクタL41の他端が接続されている。また、第2位相回路を構成するHPF41とHPF42とはπ型のHPFとされており、P0端子に一端がアースされた第3インダクタL43の他端と第2キャパシタC41の一端が接続され、第2キャパシタC41の他端に一端がアースされた第4インダクタL44の他端と第3キャパシタC42の一端が接続され、P1端子に一端がアースされた第5インダクタL45の他端と第3キャパシタC42の他端が接続されている。
図28に示す広帯域バラン4の使用周波数帯域を地上デジタル放送とした場合におけるキャパシタとインダクタの理想的な数値を置き換えた実用的な数値の例を次に上げる。なお、理想的な数値は()内に示す。広帯域バラン4のLPF40では、620MHzにおけるLPFの遅れ位相が−60°となるように第1インダクタL40および第2インダクタL41のインダクタンスを約22.0(23.764)nHとし、第1キャパシタC40の容量を約1.5(1.584)pFとする。また、広帯域バラン4のHPF41とHPF42において、620MHzにおける各段の進み位相がそれぞれ+60°となり2段の合計の進み位相が+120°となるように第3インダクタL43および第5インダクタL45のインダクタンスを約68.0(71.293)nHとし、第2キャパシタC41および第3キャパシタC42の容量を約2.0(2.112)pFとする。
第4実施例の広帯域バラン4においてキャパシタおよびインダクタの値を上記した実用的な数値とした際に、使用周波数帯域である地上デジタル放送の470MHz〜770MHz(中心周波数は620MHz)におけるリターンロスの周波数特性を図29に示す。図29を参照すると、リターンロス20dB以上の実用周波数帯域は約400MHz〜約820MHzの広帯域の周波数帯域が得られている。そして、約840MHz近辺において大きな反射が生じているが、地上デジタル放送の周波数帯域(470MHz〜770MHz)の周波数帯域外となっていることから、第4実施例の広帯域バラン4は地上デジタル放送の周波数帯域においてバランとして十分機能するようになる。
また、第4実施例の広帯域バラン4においてキャパシタおよびインダクタの値を上記した実用的な数値とした際の位相特性を示す図表を図30に示す。図30を参照すると、470MHzにおいてP1端子の絶対位相は−44.63°となり、P2端子の絶対位相は+156.66°となり、P1−P2端子間の相対位相差は201.29°が得られており、得ようとする180°に対する位相偏差は+21.29°となっている。中心周波数である620MHzにおいてP1端子の絶対位相は−60.05°となり、P2端子の絶対位相は+114.59°となり、P1−P2端子間の相対位相差は174.64°が得られており、得ようとする180°に対する位相偏差はわずか−5.36°となっている。710MHzにおいてP1端子の絶対位相は−69.96°となり、P2端子の絶対位相は+99.00°となり、P1−P2端子間の相対位相差は168.96°が得られており、得ようとする180°に対する位相偏差は−11.04°となっている。770MHzにおいてP1端子の絶対位相は−76.92°となり、P2端子の絶対位相は+90.84°となり、P1−P2端子間の相対位相差は167.76°が得られており、得ようとする180°に対する位相偏差は−12.24°となっている。このように、第4実施例の広帯域バラン4は地上デジタルの周波数帯域内において良好な位相特性を示している。
上記した第4実施例の広帯域バラン4においては、第1の位相回路の遅れ位相を使用周波数帯域の中心周波数において−90°を除く、例えば−60°の遅れ位相が得られるLPF40から構成し、さらに、第2の位相回路の進み位相を使用周波数帯域の中心周波数において+90°を除く、例えば+120°の進み位相が得られるHPF41およびHPF42とから構成することにより、P1−P2端子間の相対位相差φとして180°が得られるようにしている。これにより、第4実施例の広帯域バラン4におけるキャパシタおよびインダクタの値を実用的な数値に置き換えても、使用周波数帯域内において大きな反射が生じることを防止することができ、使用周波数帯域内において第4実施例の広帯域バラン4はバランとして機能するようになる。
次に、使用周波数帯域内において大きな反射が生じることのない本発明の第5実施例の広帯域バラン5の構成を示すブロック図を図31に示す。
図31に示す第5実施例の広帯域バラン5は、LPF50とLPF51とLPF52とが直列接続された3段のLPFからなる遅れ位相の第1の位相回路と、HPF53とHPF54とが直列接続された2段のHPFからなる進み位相の第2の位相回路の2つの位相回路を有している。この場合、第1の位相回路を往復した不整合反射成分と第2の位相回路を往復した不整合反射成分が同位相とならないように、第1の位相回路で得ようとする位相は−90°が除かれると共に、第2の位相回路で得ようとする位相は+90°が除かれる。
第1の位相回路において、LPF50とLPF51とLPF52とにおいてそれぞれ得ようとする遅れ位相θ5は例えば−40°とされ、LPF50とLPF51とLPF52とにより例えば−120°の遅れ位相を得るようにしている。また、HPF53とHPF54とにおいてそれぞれ得ようとする進み位相θ6は、例えば+30°とされ、HPF53とHPF54とにより例えば+60°の進み位相を得るようにしている。LPF50の一端はP0端子に接続されていると共にLPF50の他端はLPF51の一端に接続されており、LPF51の他端はLPF52の一端に接続されており、LPF52の他端はP1端子に接続されている。また、HPF53の一端はP0端子に接続されていると共にHPF53の他端はHPF54の一端に接続されており、HPF54の他端はP2端子に接続されている。P0端子は一端がアースされたインピーダンスZaの不平衡インピーダンス55に接続されており、P1端子とP2端子間の相対位相差として、3θ5+2θ6=180°を得るようにしている。すなわち、P1端子とP2端子とが平衡端子となり、インピーダンスZbの平衡インピーダンス回路56が接続される。インピーダンスZbを4Zaとすることにより広帯域バラン5は整合する。例えば、Za=75Ωとされると、Zb=300Ωとなり、第5実施例の広帯域バラン5においても、不平衡型出力の送信機から平衡型のアンテナに整合して給電することができる。なお、LPF50、LPF51、LPF52、HPF53、HPF54はπ型あるいはT型のいずれで構成されてもよい。
本発明の第5実施例の広帯域バラン5の具体的回路の例を図32に示す。
図32に示す広帯域バラン5の回路において、第1の位相回路を構成するLPF50とLPF51とLPF52とはπ型のLPFとされており、P0端子に一端がアースされた第1キャパシタC50の他端と第1インダクタL50の一端が接続され、第1インダクタL50の他端に一端がアースされた第2キャパシタC51の他端と第2インダクタL51の一端が接続され、さらに、第2インダクタL51の他端に一端がアースされた第3キャパシタC52の他端と第3インダクタL52の一端が接続され、P1端子に一端がアースされた第4キャパシタC53の他端と第3インダクタL52の他端が接続されている。また、第2の位相回路を構成するHPF53とHPF54とはT型のHPFとされており、P0端子に第5キャパシタC54の一端が接続され、第5キャパシタC54の他端に一端がアースされた第4インダクタL53の他端と第6キャパシタC55の一端が接続され、第6キャパシタC55の他端に一端がアースされた第5インダクタL54の他端と第7キャパシタC56の一端が接続され、P2端子に第7キャパシタC56の他端が接続されている。
図32に示す広帯域バラン5の使用周波数帯域を地上デジタル放送とした場合におけるキャパシタとインダクタの理想的な数値を置き換えた実用的な数値の例を次に上げる。なお、理想的な数値は()内に示す。広帯域バラン5のLPF50とLPF51とLPF52とでは、620MHzにおけるLPFの各段の遅れ位相が−40°となり3段の合計の遅れ位相が−120°となるように第1インダクタL50ないし第3インダクタL52のインダクタンスを約27.0(26.458)nHとし、第1キャパシタC50および第4キャパシタC53の容量を約0.75(0.666)pFとし、第2キャパシタC51および第3キャパシタC52の容量を約1.25(1.332)pFとする。また、広帯域バラン5のHPF53とHPF54とにおいて、620MHzにおけるHPFの各段の進み位相が+30°となり2段の合計の進み位相が+60°となるように第4インダクタL53および第5インダクタL54のインダクタンスを約75.0(82.332)nHとし、第5キャパシタC54および第7キャパシタC56の容量を約6.8(6.827)pFとし、第6キャパシタC55の容量を約3.6(3.414)pFとする。
第5実施例の広帯域バラン5においてキャパシタおよびインダクタの値を上記した実用的な数値とした際に、使用周波数帯域である地上デジタル放送の470MHz〜770MHz(中心周波数は620MHz)におけるリターンロスの周波数特性を図33に示す。図33を参照すると、リターンロス20dB以上の実用周波数帯域は約430MHz以上の約870MHzを超える広帯域の周波数帯域が得られている。そして、約420MHz近辺において大きな反射が生じているが、地上デジタル放送の周波数帯域(470MHz〜770MHz)の周波数帯域外となっていることから、第5実施例の広帯域バラン5は地上デジタル放送の周波数帯域においてバランとして十分機能するようになる。
また、第5実施例の広帯域バラン5においてキャパシタおよびインダクタの値を上記した実用的な数値とした際の位相特性を示す図表を図34に示す。図34を参照すると、470MHzにおいてP1端子の絶対位相は−95.79°となり、P2端子の絶対位相は+77.28°となり、P1−P2端子間の相対位相差は173.07°が得られており、得ようとする180°に対する位相偏差はわずか−6.93°となっている。中心周波数である620MHzにおいてP1端子の絶対位相は−127.65°となり、P2端子の絶対位相は+58.10°となり、P1−P2端子間の相対位相差は185.75°が得られており、得ようとする180°に対する位相偏差はわずか+5.75°となっている。710MHzにおいてP1端子の絶対位相は−147.24°となり、P2端子の絶対位相は+50.60°となり、P1−P2端子間の相対位相差は197.84°が得られており、得ようとする180°に対する位相偏差は+17.84°となっている。770MHzにおいてP1端子の絶対位相は−160.57°となり、P2端子の絶対位相は+46.60°となり、P1−P2端子間の相対位相差は207.17°が得られており、得ようとする180°に対する位相偏差は+27.17°となっている。このように、第5実施例の広帯域バラン5は地上デジタルの周波数帯域内において良好な位相特性を示している。
上記した第5実施例の広帯域バラン5においては、第1の位相回路の遅れ位相を使用周波数帯域の中心周波数において−90°を除く、例えば−120°の位相が得られるLPF50とLPF51とLPF52とから構成し、さらに、第2の位相回路の進み位相を使用周波数帯域の中心周波数において+90°を除く、例えば+60°の進み位相が得られるHPF53とHPF54とから構成することにより、P1−P2端子間の相対位相差φとして180°が得られるようにする。これにより、第5実施例の広帯域バラン5におけるキャパシタおよびインダクタの値を実用的な数値に置き換えても、使用周波数帯域内において大きな反射が生じることを防止することができ、使用周波数帯域内において第5実施例の広帯域バラン5はバランとして機能するようになる。
次に、使用周波数帯域内において大きな反射が生じることのない本発明の第6実施例の広帯域バラン6の構成を示すブロック図を図35に示す。
図35に示す第6実施例の広帯域バラン6は、LPF60とLPF61とが直列接続された2段のLPFからなる遅れ位相の第1の位相回路と、HPF62とHPF63とHPF64とが直列接続された3段のHPFからなる進み位相の第2の位相回路との2つの位相回路を有している。この場合、第1の位相回路を往復した不整合反射成分と第2の位相回路を往復した不整合反射成分が同位相とならないように、第1の位相回路で得ようとする位相は−90°が除かれると共に、第2の位相回路で得ようとする位相は+90°が除かれる。
第1の位相回路において、LPF60およびLPF61がそれぞれ得ようとする遅れ位相θ7は、例えば−30°とされ、LPF60とLPF61とにより例えば−60°の遅れ位相を得るようにしている。また、第2の位相回路において、HPF62、HPF63およびHPF64がそれぞれ得ようとする進み位相θ8は例えば+40°とされ、HPF62とHPF63とHPF64とにより例えば+120°の進み位相を得るようにしている。そして、LPF50の一端はP0端子に接続されていると共にLPF50の他端はLPF51の一端に接続されており、LPF51の他端はP1端子に接続されている。また、HPF62の一端はP0端子に接続されていると共にHPF62の他端はHPF63の一端に接続されており、HPF63の他端はHPF64の一端に接続されており、HPF64の他端はP2端子に接続されている。P0端子は一端がアースされたインピーダンスZaの不平衡インピーダンス回路65に接続されており、P1端子とP2端子間の相対位相差として、2θ7+3θ8=180°を得るようにしている。すなわち、P1端子とP2端子とが平衡端子となり、インピーダンスZbの平衡インピーダンス回路66が接続されている。インピーダンスZbを4Zaとすることにより広帯域バラン5は整合する。例えば、Za=75Ωとされると、Zb=300Ωとなり、第6実施例の広帯域バラン6においても、不平衡型出力の送信機から平衡型のアンテナに整合して給電することができる。なお、LPF60、LPF61、HPF62、HPF63、HPF64はπ型あるいはT型のいずれで構成されてもよい。
本発明の第6実施例の広帯域バラン6の具体的回路の例を図36に示す。
図36に示す広帯域バラン6の回路において、第1位相回路を構成するLPF60とLPF61とはT型のLPFとされており、P0端子に第1インダクタL60の一端が接続され、第1インダクタL60の他端に一端がアースされた第1キャパシタC60の他端と第2インダクタL61の一端が接続され、第2インダクタL61の他端に一端がアースされた第2キャパシタC61の他端と第3インダクタL62の一端が接続され、P2端子に第3インダクタL62の他端が接続されている。また、第2位相回路を構成するHPF62とHPF63とHPF64とはπ型のHPFとされており、P0端子に一端がアースされた第4インダクタL63の他端と第2キャパシタC62の一端が接続され、第2キャパシタC62の他端に一端がアースされた第5インダクタL64の他端と第4キャパシタC63の一端が接続され、第3キャパシタC63の他端に一端がアースされた第6インダクタL65の他端と第5キャパシタC64の一端が接続され、P1端子に一端がアースされた第7インダクタL66の他端と第5キャパシタC64の他端が接続されている。
図36に示す広帯域バラン6の使用周波数帯域を地上デジタル放送とした場合におけるキャパシタとインダクタの理想的な数値を置き換えた実用的な数値の例を次に上げる。なお、理想的な数値は()内に示す。広帯域バラン6のLPF60およびLPF61では、620MHzにおけるLPFの各段の遅れ位相が−30°となり2段の合計の遅れ位相が−60°となるように第1インダクタL60および第3インダクタL62のインダクタンスを約10.0(11.029)nHとし、第1キャパシタC60および第2キャパシタC61の容量を約1.0(0.915)pFとする。また、広帯域バラン6のHPF62、HPF63およびHPF64において、620MHzにおける位相がそれぞれ+40°となり3段の合計の位相が+120°となるように第4インダクタL63および第7インダクタL66のインダクタンスを約110.0(113.088)nHとし、第5インダクタL64および第6インダクタL65のインダクタンスを約56.0(56.544)nHとし、第3キャパシタC62、第4キャパシタC63および第5キャパシタC64の容量を約2.7(2.846)pFとする。
第6実施例の広帯域バラン6においてキャパシタおよびインダクタの値を上記した実用的な数値とした際に、使用周波数帯域である地上デジタル放送の470MHz〜770MHz(中心周波数は620MHz)におけるリターンロスの周波数特性を図37に示す。図37を参照すると、リターンロス20dB以上の実用周波数帯域は約395MHz〜約815MHzの広帯域の周波数帯域が得られている。そして、約830MHz近辺において大きな反射が生じているが、地上デジタル放送の周波数帯域(470MHz〜770MHz)の周波数帯域外となっていることから、第6実施例の広帯域バラン6は地上デジタル放送の周波数帯域においてバランとして十分機能するようになる。
また、第6実施例の広帯域バラン6においてキャパシタおよびインダクタの値を上記した実用的な数値とした際の位相特性を示す図表を図38に示す。図38を参照すると、470MHzにおいてP1端子の絶対位相は−48.31°となり、P2端子の絶対位相は+155.31°となり、P1−P2端子間の相対位相差は203.62°が得られており、得ようとする180°に対する位相偏差は+23.62°となっている。中心周波数である620MHzにおいてP1端子の絶対位相は−64.07°となり、P2端子の絶対位相は+116.00°となり、P1−P2端子間の相対位相差は180.07°が得られており、得ようとする180°に対する位相偏差はわずか+0.07°となっている。710MHzにおいてP1端子の絶対位相は−73.65°となり、P2端子の絶対位相は+100.83°となり、P1−P2端子間の相対位相差は174.48°が得られており、得ようとする180°に対する位相偏差はわずか−5.52°となっている。770MHzにおいてP1端子の絶対位相は−80.09°となり、P2端子の絶対位相は+92.77°となり、P1−P2端子間の相対位相差は172.86°が得られており、得ようとする180°に対する位相偏差はわずか−7.14°となっている。このように、第6実施例の広帯域バラン6は地上デジタルの周波数帯域内において良好な位相特性を示している。
上記した第6実施例の広帯域バラン6においては、第1の位相回路の遅れ位相を使用周波数帯域の中心周波数において−90°を除く、例えば−60°の遅れ位相が得られるLPF60とLPF61とから構成し、さらに、第2の位相回路の進み位相を使用周波数帯域の中心周波数において+90°を除く、例えば+120°の進み位相が得られるHPF62とHPF63とHPF64とから構成することにより、P1−P2端子間の相対位相差φとして180°が得られるようにしている。これにより、第6実施例の広帯域バラン6におけるキャパシタおよびインダクタの値を実用的な数値に置き換えても、使用周波数帯域内において大きな反射が生じることを防止することができ、使用周波数帯域内において第6実施例の広帯域バラン6はバランとして機能するようになる。
以上説明した本発明にかかる広帯域バランは、遅れ位相の第1の位相回路と進み位相の第2の位相回路とを備え、第1の位相回路の一端および第2の位相回路の一端に共通に不平衡インピーダンス回路が接続され、第1の位相回路の他端と第2の位相回路の他端との間に平衡インピーダンス回路が接続される。本発明の第1実施例および第2実施例の広帯域バランでは、第1の位相回路の他端と第2の位相回路の他端との間の使用周波数帯域の中心周波数における相対位相が約180°となるように、第1の位相回路において使用周波数帯域の中心周波数における遅れ位相が−90°の遅れ位相に設定され、第2の位相回路において使用周波数帯域の中心周波数における進み位相が+90°の進み位相に設定される。また、本発明の第3実施例ないし第6実施例の広帯域バランでは、第1の位相回路において使用周波数帯域の中心周波数における遅れ位相が−90°を除く遅れ位相に設定され、第2の位相回路において使用周波数帯域の中心周波数における進み位相が+90°を除く進み位相に設定されると共に、第1の位相回路の他端と第2の位相回路の他端との間の使用周波数帯域の中心周波数における相対位相差が約180°となるように上記遅れ位相と上記進み位相が設定されている。この場合、帯域幅を中心周波数で割った比帯域に応じて第1の位相回路に設定する遅れ位相を設定している。例えば、地上デジタル放送における比帯域は約0.484と大きな比帯域となることから、遅れ位相の大きさを−60°以上あるいは−120°以下とするのが好適とされる。第2の位相回路においても同様であり、進み位相の大きさを+60°以下あるいは+120°以上とするのが好適とされる。なお、比帯域が小さくなるに従い設定される遅れ位相を−90°に近づけることができると共に設定される進み位相を+90°に近づけることができる。
また、第1の位相回路を複数段のLPFで構成する場合は、以上の説明では各段の遅れ位相の大きさを同一としたが、これに限るものではなく各段において異なる大きさの遅れ位相としてもよい。同様に、第2の位相回路を複数段のHPFで構成する場合においても、各段において異なる大きさの進み位相としてもよい。
本発明にかかる広帯域バランの原理を説明するための図である。 図1に示す広帯域バランの等価回路を示す図である。 本発明の第1実施例にかかる広帯域バランの構成を示す図である。 本発明にかかる第1実施例の広帯域バランのリターンロスの周波数特性を示す図である。 π型のLPFの回路を示す図である。 図5に示すLPFにおけるリターンロスの周波数特性を示す図である。 図5に示すLPFにおける位相の周波数特性を示す図である。 π型のHPFの回路を示す図である。 図8に示すLPFにおけるリターンロスの周波数特性を示す図である。 図8に示すLPFにおける位相の周波数特性を示す図である。 π型の2段のLPFの回路を示す図である。 図11に示すLPFにおけるリターンロスの周波数特性を示す図である。 図11に示すLPFにおける位相の周波数特性を示す図である。 π型の2段のHPFの回路を示す図である。 図14に示すLPFにおけるリターンロスの周波数特性を示す図である。 図14に示すLPFにおける位相の周波数特性を示す図である。 本発明の第2実施例にかかる広帯域バランの構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施例の広帯域バランの具体的回路の例を示す図である。 本発明の第2実施例の広帯域バランにおけるリターンロスの周波数特性を示す図である。 本発明の第2実施例の広帯域バランにおける位相特性を示す図表である。 本発明の第2実施例の広帯域バランにおいて実用的な数値に置き換えた際のリターンロスの周波数特性を示す図である。 本発明の第2実施例の広帯域バランにおいて実用的な数値に置き換えた際の位相特性を示す図表である。 本発明の第3実施例にかかる広帯域バランの構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施例の広帯域バランの具体的回路の例を示す図である。 本発明の第3実施例の広帯域バランにおいて実用的な数値に置き換えた際のリターンロスの周波数特性を示す図である。 本発明の第3実施例の広帯域バランにおいて実用的な数値に置き換えた際の位相特性を示す図表である。 本発明の第4実施例にかかる広帯域バランの構成を示すブロック図である。 本発明の第4実施例の広帯域バランの具体的回路の例を示す図である。 本発明の第4実施例の広帯域バランにおいて実用的な数値に置き換えた際のリターンロスの周波数特性を示す図である。 本発明の第4実施例の広帯域バランにおいて実用的な数値に置き換えた際の位相特性を示す図表である。 本発明の第5実施例にかかる広帯域バランの構成を示すブロック図である。 本発明の第5実施例の広帯域バランの具体的回路の例を示す図である。 本発明の第5実施例の広帯域バランにおいて実用的な数値に置き換えた際のリターンロスの周波数特性を示す図である。 本発明の第5実施例の広帯域バランにおいて実用的な数値に置き換えた際の位相特性を示す図表である。 本発明の第6実施例にかかる広帯域バランの構成を示すブロック図である。 本発明の第6実施例の広帯域バランの具体的回路の例を示す図である。 本発明の第6実施例の広帯域バランにおいて実用的な数値に置き換えた際のリターンロスの周波数特性を示す図である。 本発明の第6実施例の広帯域バランにおいて実用的な数値に置き換えた際の位相特性を示す図表である。 従来のバランの一例の構成を示す図である。 従来のバランのリターンロスの周波数特性を示す図である。
符号の説明
1 広帯域バラン、2 広帯域バラン、3 広帯域バラン、4 広帯域バラン、5 広帯域バラン、6 広帯域バラン、10 第1のストリップ線路、11 第2のストリップ線路、12 不平衡インピーダンス回路、13 平衡インピーダンス回路、20 LPF、21 LPF、22 HPF、23 HPF、24 不平衡インピーダンス回路、25 平衡インピーダンス回路、30 LPF、31 LPF、32 HPF、33 不平衡インピーダンス回路、34 平衡インピーダンス回路、40 LPF、40 HPF、41 HPF、42 HPF、43 不平衡インピーダンス回路、44 平衡インピーダンス回路、50 LPF、51 LPF、52 LPF、53 HPF、54 HPF、55 不平衡インピーダンス、56 平衡インピーダンス回路、60 LPF、61 LPF、62 HPF、63 HPF、64 HPF、65 不平衡インピーダンス回路、66 平衡インピーダンス回路、100 広帯域バラン、110 第1の位相回路、111 第2の位相回路、112 不平衡インピーダンス回路、113 平衡インピーダンス回路、200 バラン、210 同軸ケーブル、211 同軸ケーブル、212 不平衡インピーダンス回路、213 平衡インピーダンス回路

Claims (5)

  1. 遅れ位相の第1の位相回路と進み位相の第2の位相回路とを備え、前記第1の位相回路の一端および前記第2の位相回路の一端に共通に不平衡インピーダンス回路が接続され、前記第1の位相回路の他端と前記第2の位相回路の他端との間に平衡インピーダンス回路が接続される広帯域バランであって、
    前記第1の位相回路の他端と前記第2の位相回路の他端との間の使用周波数帯域の中心周波数における相対位相が約180°となるように、前記第1の位相回路において使用周波数帯域の中心周波数における遅れ位相が−90°の遅れ位相に設定され、前記第2の位相回路において使用周波数帯域の中心周波数における進み位相が+90°の進み位相に設定されていることを特徴とする広帯域バラン。
  2. 前記第1の位相回路は、使用周波数帯域の中心周波数における波長をλとした際に約λ/4の線路から構成され、前記第2の位相回路は、約3λ/4の線路から構成されていることを特徴とする請求項1記載の広帯域バラン。
  3. 前記第1の位相回路は集中定数回路からなる少なくとも1段の低域通過フィルタにより構成され、前記第2の位相回路は集中定数回路からなる少なくとも1段の高域通過フィルタにより構成されていることを特徴とする請求項1記載の広帯域バラン。
  4. 遅れ位相の第1の位相回路と進み位相の第2の位相回路とを備え、前記第1の位相回路の一端および前記第2の位相回路の一端に共通に不平衡インピーダンス回路が接続され、前記第1の位相回路の他端と前記第2の位相回路の他端との間に平衡インピーダンス回路が接続される広帯域バランであって、
    前記第1の位相回路において使用周波数帯域の中心周波数における遅れ位相が−90°を除く遅れ位相に設定され、前記第2の位相回路において使用周波数帯域の中心周波数における進み位相が+90°を除く進み位相に設定されると共に、前記第1の位相回路の他端と前記第2の位相回路の他端との間の使用周波数帯域の中心周波数における相対位相が約180°となるように前記遅れ位相と前記進み位相が設定されていることを特徴とする広帯域バラン。
  5. 前記第1の位相回路は集中定数回路からなる少なくとも1段の低域通過フィルタにより構成され、前記第2の位相回路は集中定数回路からなる少なくとも1段の高域通過フィルタにより構成されていることを特徴とする請求項4記載の広帯域バラン。
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