JP2010010798A - 動画像処理装置、カメラ一体型画像記録装置、動画像再生装置、遠隔操作システム、動画像処理方法、動画像処理プログラム、記憶媒体及び、動画像処理システム - Google Patents

動画像処理装置、カメラ一体型画像記録装置、動画像再生装置、遠隔操作システム、動画像処理方法、動画像処理プログラム、記憶媒体及び、動画像処理システム Download PDF

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Abstract

【課題】大きな設備を必要とせずに、画像処理によって、移動撮影時の画像揺れを補正する動画像処理装置及び動画像処理方法を提供する。
【解決手段】動画像の各時刻でのパラメータ値を求める抽出手段120と、求めた各時刻でのパラメータ値を統計処理し各時刻での理想パラメータを計算する理想パラメータ計算手段130と、新旧の画像を保持する画像メモリ100と、パラメータ抽出手段120で求められたパラメータと理想パラメータ計算手段130で計算された理想パラメータ値に基づき補正量を計算して、画像メモリ100に保持された画像を変換し、抽出パラメータが理想パラメータ計算手段130に入力される毎に新規理想パラメータを求め構成を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、動画像の画像揺れを補正する動画像処理装置、カメラ一体型画像記録装置、動画像再生装置、遠隔操作システム、動画像処理方法、動画像処理プログラム、記憶媒体及び、動画像処理システムに関わり、特にカメラ一体型VTRを用いて撮影者が歩行等移動しながら撮影した画像や、またロボットの遠隔操作のために、操作者のディスプレイに表示する、ロボットに取りつけられた撮影装置からの画像や、自律的に動くロボットに取りつけられた撮影装置で撮影された画像等、移動撮影された動画像の画像揺れによる不快感をなくすための動画像処理装置及び動画像処理方法に関する。
従来、カメラ一体型ビデオ等を用いた動画像撮影における、手振れによる画像の振動を防ぐ防振技術として、特許文献1の従来例に示されているように、出力画像よりも大きな画像で入力した画像をメモリに一時保持し、手振れによって生じた動きベクトルの大きさに基づいてそのメモリから出力画像を切り出す処理を各フレーム毎に行う、手振れ補正技術がある。
また、映画や各種スポーツ競技における移動撮影においては、平行に架設した2本のレールの上を移動する台車に撮影装置を搭載して撮影を行っている。また、特許文献2のように移動撮影において撮影者の挙動が撮影装置に伝わらないようにするための撮影用クレーンや、特許文献3のように撮影装置を搭載した移動台をワイヤを使用して移動させるものがある。
さらに、移動撮影された動画像の不快感を、画像処理を用いて、軽減する方法として、“Recovery of Ego-Motion Using Image Stabilization"(M.Irani etc,CVPR-94,June)に述べられているように、時間的に連続する画像を処理して、撮影装置の並進・回転の移動パラメータを求め、その中の回転パラメータのみを使用して、最初に撮影された画像と同じ向きになるように各画像を変換させて、画像の振動を補正する方法がある。
特開平3−280406号公報 特開平5−161037号公報 特開平7−325335号公報
撮影者が移動しながら撮影した画像は、撮影装置の位置または撮影方向が変化することにより、画像揺れがあり、そのまま観察すると不快感が生じる。この不快感を無くすために、上記示したような、移動撮影時の画像揺れを防止するための方法には、以下のようにそれぞれ問題がある。
特許文献1で示される方法は、時間的に連続する画像のうち時間的に前の画像を基準とし、後の画像の移動量を動きベクトルとして求め、その動きベクトル分メモリの読み出し位置を変更して、前の画像と後の画像を見た目上同じ画像にする。そして続いて、その切り出した画像と次の時刻の画像の移動ベクトルを求め、それに基づいて画像を切り出す、ということを繰り返すものであり、撮影者が静止し撮影装置がある位置を基準に上下左右に微小に揺れている状況での撮影には有効である。しかしながら、移動撮影はそのような状況ではなく、画像中の物体は撮影者の進行方向を中心として上下左右に徐々に移動していく。つまり、最初画像中心にある被写体は、撮影者がその被写体に向かって移動すれば、徐々に画像中で大きくなるし、また移動方向が被写体の方向と異なれば、徐々に画像中心から外れていくことになる。このような画像列では最初の画像と同じ領域が徐々に減少するので、同じ領域を切り出すことは不可能になる。
また、レールやワイヤを架設したり、クレーンを使用するというのは、設備として大掛かりになるという問題がある。
また、“Recovery of Ego-Motion Using Image Stabilization"の論文による方法では、動画像を補正する際に、最初に撮影された画像の向きに各画像を変換するので、進行方向が直進でなく、曲がりながら撮影している時等徐々に移動方向が変化している時、またパンやチルトなど撮影装置を回転させて撮影しているときなどは変換後の画像が所望のものと異なるという問題があった。
さらに、この方法では並進成分を完全に分離した回転成分のみの変換のため、並進による画像揺れを補正出来ないという問題があった。そのため、この論文には、処理の最後にローバスフィルタをかけているという説明がある。
このように、従来においては、移動撮影において、大きな設備を必要としないで、画像振れを補正する方法が示されていない。そこで本発明の目的は、大きな設備を必要とせずに、画像処理によって、移動撮影時の画像揺れを補正する動画像処理装置及び方法を提供することである。
前記目的を実現するために、
本出願に係る第1の発明の動画像処理装置は、
入力される動画像の各時刻でのパラメータ値を求めるパラメータ抽出手段と、前記パラメータ抽出手段で求めた各時刻でのパラメータ値を統計処理し各時刻での理想パラメータ値を計算する理想パラメータ計算手段と、新旧の画像を保持する画像メモリと、前記パラメータ抽出手段で求められた実際のパラメータ値と前記理想パラメータ計算手段で計算された理想パラメータ値に基づき補正量を計算し、その補正量と実際のパラメータ値に基づいて前記画像メモリに保持された画像を変換する画像変換手段とから構成される動画像処理装置において、前記パラメータ抽出手段で抽出されたパラメータが、前記理想パラメータ計算手段に入力される毎に、前記理想パラメータ計算手段において、新規理想パラメータを求める計算を行うことを特徴とする動画像処理装置である。
本出願に係る第2の発明の動画像処理装置は、
第1の発明において、パラメータ抽出手段で求めるパラメータが、画像の面内回転量と特定の点の座標であり、理想パラメータ計算手段では、前記特定の点の座標が理想的に変化する理想座標を求め、実際の座標とその理想座標とから補正量を計算し、その補正量および前記面内回転量とから画像メモリに保持された画像を変換することを特徴とする動画像処理装置である。
本出願に係る第3の発明の動画像処理装置は、
第1または第2の発明において、画像メモリは複数の画像を保持可能であり、前記画像メモリに保持された複数の画像中の1枚の画像を変換する補正量を求めるために、理想パラメータ計算手段では、その変換する画像より以降に入力された画像からパラメータ抽出手段で抽出されたパラメータも使用することを特徴とする動画像処理装置である。
本出願に係る第4の発明の動画像処理装置は、
第2の発明において、パラメータである座標を求める特定の点が変更された時には、理想パラメータ計算手段では理想座標の計算に必要な数のデータが集まるまでは、変更前の特定点から理想座標を求め、必要な数のデータが集まった後は変更後の特定点から理想座標を求めることを特徴とする動画像処理装置である。
本出願に係る第5の発明は、
上記第1から第4の発明の内のいずれか1つに記述の動画像処理装置により、撮影した動画像を動画像処理して、動画像処理した動画像を記録するカメラ一体型記録装置である。
本出願に係る第6の発明は、
上記第1から第4の発明の内のいずれか1つに記述の動画像処理装置により、撮影または記録された動画像を動画像処理して、動画像処理した動画像を再生する再生装置である。
本出願に係る第7の発明は、
移動手段に取り付けられた撮像装置で撮影された動画像を、上記第1から第4の発明の内いずれか1つに記述の動画像処理装置で動画像処理を行い、処理を行なった動画像をネットワークに送信し、その処理された動画像を、遠隔操作を行なうオペレータに、ネットワークを介して表示する、遠隔操作システムである。
本出願に係る第8の発明は、
手段に取り付けられた撮像装置で撮影された動画像をネットワークに送信し、ネットワークを介して得られる移動手段で撮影された動画像を、上記第1から第4の発明の内いずれか1つに記述の動画像処理装置で動画像処理を行い、処理を行なった動画像を、遠隔操作を行なうオペレータに表示する、遠隔操作システムである。
本出願に係る第9の発明は、
動画像の各時刻でのパラメータ値を求めるパラメータ抽出ステップと、及び前記パラメータ抽出ステップで求めた各時刻でのパラメータ値を統計処理し各時刻での理想パラメータ値を計算する理想パラメータ計算ステップと、及び前記パラメータ抽出ステップで求められた実際のパラメータ値と前記理想パラメータ計算ステップで計算された理想パラメータ値に基づき補正量を計算し、その補正量に基づいて画像メモリに保持された画像を変換する画像変換ステップとからなる動画像処理方法において、前記パラメータ抽出ステップで抽出されたパラメータが、前記理想パラメータ計算ステップに入力される毎に、前記理想パラメータ計算ステップにおいて、新規理想パラメータを求める計算を行うことを特徴とする動画像処理方法である。
本出願に係る第10の発明は、
第9の発明において、パラメータ抽出ステップで求めるパラメータとは、画像の面内回転量と特定の点の座標であり、理想パラメータ計算ステップでは、前記特定の点の座標が理想的に変化する理想座標を求め、実際の座標とその理想座標とから補正量を計算し、その補正量および前記面内回転量とから画像メモリに保持された画像を変換することを特徴とする動画像処理方法である。
本出願に係る第11の発明は、
第9または第10の発明において、画像メモリに保持された複数の画像中の1枚の画像を変換する補正量を求めるために、理想パラメータ計算ステップでは、その変換する画像より以降に入力された画像からパラメータ抽出ステップで抽出されたパラメータも使用することを特徴とする、動画像処理方法である。
本出願に係る第12の発明は、
第10の発明において、パラメータである座標を求める特定の点が変更された時には、理想パラメータ計算ステップでは理想座標の計算に必要な数のデータが集まるまでは、変更前の特定点から理想座標を求め、必要な数のデータが集まった後は変更後の特定点から理想座標を求めることを特徴とする。
本出願に係る第13の発明は、
第9の発明〜第12の発明のいずれかに記載の動画像処理方法をコンピュータにより読み取り可能な形で実行することを特徴とする動画像処理プログラムである。
本出願に係る第14の発明は、
第13の発明に記載の動画像処理プログラムをコンピュータにより読み取り可能な形で記憶した記憶媒体である。
本出願に係る第15の発明は、
画像入力手段と、新旧の画像を保持する画像メモリと、第13の発明に記載の動画像処理プログラムと、前記動画像処理プログラムを実行するプロセッサと、第14の発明に記載の記憶媒体と、前記動画像処理プログラムで処理された動画像を記録する記録手段、または前記動画像処理プログラムで処理された動画像を表示する表示手段、または前記動画像処理プログラムで処理された動画像をネットワークに送信する送信手段とから構成される動画像処理システムである。
(作用)
移動撮影において、レール上を移動する台車に撮影装置を搭載して撮影する時は、画像中の各点は、動画像中をなめらかに移動していく。つまり、画像揺れがある動画像の補正方法としては、画像中の点を、それらが画像中をなめらかに移動するように画像処理で補正すれば良いと考えられる。これが、本発明における画像揺れ補正処理の基本的な考え方である。そこで上記補正を行うため、本発明の各手段は以下のように作用する。
撮影者の移動により、撮影装置の位置または撮影方向が変化して撮影された画像の画像揺れを補正するために、まずパラメータ抽出手段は、各時刻で撮影された画像から各時刻でのパラメータ値を求める。このパラメータは、画像中の特定の点の座標と画像の面内回転量である。理想パラメータ計算手段では、各時刻の画像中で特定の点の座標(水平・垂直方向)がなめらかに変化するように、過去のパラメータも用いて、各時刻の画像中での特定の点の理想的な座標を求める。そして、画像メモリに保持されている画像を、実際の座標と理想座標とに基づいて計算された補正量と、面内回転量に基づいて変換する。このとき、パラメータ抽出手段で抽出されたパラメータが、理想パラメータ計算手段に入力される毎に、理想パラメータ計算手段では、新規理想パラメータを求める計算を行う。このように、画像を観察する際に、この特定の点が滑らかに変化していくことで、画像揺れによる不快感をなくすことが出来る。
また、パラメータ抽出手段で求めるパラメータは撮像系の回転量としてもよい。
また、画像メモリは複数の旧画像を保持可能であり、画像メモリに保持された複数の旧画像中の1枚の画像を変換する補正量を求めるために、理想パラメータ計算手段では、その変換する画像より以降に入力された画像からパラメータ抽出手段で抽出されたパラメータ、つまり、その変換する画像からみると、過去のパラメータと未来のパラメータの両方を使用して、理想パラメータを求める。
また、撮影者の移動により、画像中の特定の点が画像中で徐々に移動していき、その点の座標が画像中のある範囲から外れた場合は、特定の点を新たな点に変更する。その際は、理想パラメータ計算手段では理想座標の計算に必要な数のデータが集まるまでは、変更前の特定点から理想座標を求め、必要な数のデータが集まった後は変更後の特定点から理想座標を求める。
上記実施例で説明したように、本発明の動画像処理装置及び方法によれば、大量のメモリを必要とせずに、特定の点がなめらかに移動するようにメモリから画像を切り出したり、また、撮影装置の回転角が滑らかになるように画像変換処理を行うといった画像処理によって、進行方向が変化するような移動であっても、移動撮影時の画像揺れを補正することが出来るという効果がある。
また、画像の入力間隔時間の間に、移動パラメータの計算、理想パラメータの計算および変換・補間画像の作成が出来れば、この処理装置へ画像を入力しながら、補正画像の出力も可能であり、画像の撮影時にも使用することが可能であり、カメラ一体型記録装置で用いて、撮影した画像の画像揺れが無いように処理した画像を記録する事が出来る。
もちろん、この処理を撮影した画像や記録された画像を再生する装置や、ロボット等の移動手段をネットワークを介して遠隔操作するシステムに用いて、移動手段で撮影された動画像を画像揺れが無いように処理した画像をオペレータに表示して、観察者の不快感をなくすことが出来るという効果がある。また、画像入力手段で入力された画像を、そのプログラムをプロセッサで実行し、画像揺れが無いように処理した画像を、記録または表示またはネットワークに送信することで、PCなどで容易にこの動画像処理を行なうこともできるという効果もある。
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
以下、本発明の実施例について、図を用いて説明する。
図1が本実施例の構成を示す図である。
図1において、100は画像メモリを、101は画像メモリ制御手段を、110は動きベクトル抽出手段を、120はパラメータ抽出手段を、130は理想パラメータ計算手段を、140は画像変換手段を、150は補間手段を、160は記録手段を、170は表示手段を、180は送信手段を示す。
以下図1中に示す構成要素の機能を説明する。
画像メモリ100は、デジタル化された画像を保持するメモリであり、画像メモリ制御手段101は、その画像メモリ100への画像の書きこみや画像メモリ100からの画像の読み出しの制御、及びそのアドレスの設定を行う。動きベクトル抽出手段110は、画像メモリ100に保持された画像の代表領域と、次の画像とのマッチングを行い、代表領域の中心点の移動を示す動きベクトルを求める。パラメータ抽出手段120は、動きベクトル抽出手段110で求められた動きベクトルから時間的に連続する画像間の回転等のパラメータを計算する。理想パラメータ計算手段130は、パラメータ抽出手段120で求められたパラメータを複数保持し、それらから理想的なパラメータを計算する。画像変換手段140は、パラメータ抽出手段120で求められたパラメータと理想パラメータ抽出手段130で計算された理想パラメータとに基づいて、画像メモリ100に保持された画像から、記録手段160に記録する画像または表示手段170に表示する画像または送信手段180から送信する変換画像を作成するための、画像メモリ100の座標を計算し、画像メモリ制御手段101へ出力する。補間手段150は画像メモリ100から読み出された変換後の画像を補間して出力する。記録手段160は補間手段150から出力される画像を記録する。表示手段170は補間手段150から出力される画像を表示する。送信手段180は補間手段150から出力される画像をインターネットなどに送信する。
続いて、図1から図8を用いて、この動画像処理装置及び方法の全体の動作を説明する。
デジタルの入力画像は分岐され、画像メモリ100と、動きベクトル抽出手段110とに入力される。画像メモリ100に入力する経路では、入力された画像を、画像メモリ制御手段101の制御で画像メモリ100に保持する。また、動きベクトル抽出手段110にも入力され、動きベクトルの抽出の計算に用いられる。
画像メモリ100は、デジタル入力画像を保持するとともに、その前の時刻に保持された画像中の2つの領域を代表領域として動きベクトル抽出手段110に出力する。つまり、画像メモリ100は旧画像と新画像の2枚の画像を保持している。この出力される代表領域の中心点の座標は、動きベクトル抽出手段110でその前の時刻に計算された移動ベクトルの終点の座標である。この座標を画像メモリ制御手段101が記憶しているので、画像メモリ100に保持された画像から代表領域を出力することが出来る。代表領域の中心点を最初に設定する際は、ユーザが指定したりもしくは画像中心付近にある強エッジの点のうちで、ある程度離れた2点を自動的に選択するようにすることで実現する。
続いて、動きベクトル抽出手段110において、入力されたデジタルの入力画像と、画像メモリ100より入力される、前の時刻の画像の代表領域とでマッチングをとり、その代表領域の動きベクトルを求める。求められた動きベクトルは、画像メモリ制御手段101に出力され、現在保持されている画像から代表領域を出力するのに用いられる、また同時にパラメータ抽出手段120にも出力される。
パラメータ抽出手段120では、入力された動きベクトルから時間的に連続する画像間の移動パラメータを計算する。本実施例では、移動パラメータの一例として、面内回転と面内平行移動とを考える。例えば、図2に示されるように、A点とB点の移動ベクトルが得られたとする。A点の座標を(H1,V1)、移動後のA'点の座標を(H1',V1')、B点の座標を(H2,V2)、移動後のB'点の座標を(H2',V2')とすると、面内回転量dθは、
dθ=arctan((V1'-V2')/(H1'-H2')) ― arctan((V1-V2)/(H1-H2))
となる。また、面内平行移動量の計算には、A点の移動後の座標(H1',V1')が用いられる。このように計算された面内回転と面内平行移動の移動パラメータは、画像変換手段140に出力され、またこれらの移動パラメータのうちA点の移動後の座標(H1',V1')が理想パラメータ計算手段130に出力される。
理想パラメータ計算手段130では、パラメータ抽出手段120からの面内平行移動パラメータ、つまりA点の座標(H1,V1)の変化の過去データを既定数分保持している。これら保持している座標の変化を図3(a)、図3(b)に黒点で示す。この図3において、図3(a)はA点の水平方向の座標H1の変化を、図3(b)はA点の垂直方向の座標V1の変化を示し、それぞれ横軸は画像番号(時間)、縦軸はA点の水平方向の座標H1,垂直方向の座標V1を示している。作用の項に書いたように、画像補正の基本的な考え方は、画像中の点が画像中を滑らかに移動するようにすることであるので、理想的には、これらH1,V1の変化が滑らかであるように補正を行えば良いと考えられる。図3(a)、図3(b)の黒点に示す実際の座標に対して、それらの点を滑らかに補間する理想曲線を点線で示す。この曲線を求めるには例えば2次の最小2乗法を使用する事が出来る。
ここで、この理想パラメータ計算手段130の動作を図3、図4及び図5のフローチャートを用いて説明する。図5のフローチャートにおいて、ステップS501では、保持している過去のデータのうち最も古いデータを消去する。つまり、図3に示すように、この実施例の理想パラメータ計算手段130では7つの過去の座標を保持しており、次の入力に備えて、一番左にある最古のデータを消去する。そして、ステップS502では、パラメータ抽出手段120より新たな座標(H1',V1')が入力される。この様子を図4に示す。図4において、一番右の白丸で示した座標が新たに入力された座標である。そして、ステップS503では過去の座標とステップS502で入力された新たな座標から2次の最小2乗法等を用いて新たに理想曲線を求める。この新たに求めた理想曲線が図4に点線で示した曲線である。ステップS504ではステップS503で求めた理想曲線から理想座標(Hc,Vc)を求める。ステップS505ではステップS504で求めた理想座標(Hc,Vc)を画像変換手段140に出力する。ステップS506では画像の補正の終了を判断し、終了していなければ、ステップS501に戻って、これらの処理を繰り返す。このように、この理想パラメータ計算手段130では、過去のデータも用いて、動画像中の点の座標が滑らかに変化するときの理想パラメータを各時間毎に更新して求める。
画像変換手段140では、パラメータ抽出手段120で求めた面内回転補正量dθと面内平行移動量(H1',V1')、及び動画像が滑らかになるように理想パラメータ計算手段130から入力された理想座標(Hc,Vc)とに基づいて、補正画像を作成するための座標を計算する。まず、パラメータ抽出手段120で求めた面内平行移動量(H1',V1')と、理想パラメータ計算手段130で求めた理想座標(Hc,Vc)とから、平行移動補正量(dH,dV)を求める。その様子を図6に示す。図6では垂直方向の補正量dVのみを示しているが、水平方向の補正量dHも同様にして求められる。図6において、黒点がパラメータ抽出手段120で求めた面内平行移動量のV1'で、白点が理想パラメータ計算手段130で求めた理想座標Vcである。その差が補正量dVとなる。そして、その補正量(dH,dV)と面内回転補正量dθを用いて、以下の計算を行う。
計算は、出力画像である補正画像の座標(Hi,Vi)を基準として、その画素が入力画像である画像メモリ100に保持された画像のどの画素(Ho,Vo)に対応するかを求めることである。その式を以下に示す。
Ho = (Hi-H1')*cos(dθ) + (Vi-V1')*sin(dθ) + H1'-dH (1)
Vo = -(Hi-H1')*sin(dθ) + (Vi-V1')*sin(dθ) + V1'-dV (2)
ここで、(Hi,Vi)は補正画像の画素の座標、(Ho,Vo)は画像メモリ100に保持された画像の画素の座標、(H1',V1')は面内平行移動量、(dH,dV)は補正量、dθは面内回転補正量である。しかしながら、一般的に、この計算で求められる座標(Ho,Vo)は小数になるので、その座標(Ho,Vo)の周囲4点もしくは16点の座標を画像メモリ制御手段101に出力する。この点の数は、補間手段150の補間方法に依存し、例えば最近傍法や線形補間法で補間するのであれば4点でよいし、3次畳み込み内挿法を用いるのであれば16点必要になる。
画像メモリ制御手段101では、画像変換手段140から入力された座標に基づいて、画像メモリ100に保持された画像を読み出す。
補間手段150では、画像変換手段140で計算された(Ho,Vo)の画素値をその周囲の点の画素値に基づいて補間して計算する。この補間方法は、以前に述べたように、最近傍法や線形補間法、もしくは3次畳み込み内挿法でも良い。そして、補間して画素値を求めた結果を出力する。出力された補間画像は、記録手段160で記録されたり、表示手段170で表示されたり、送信手段180でインターネットなどに送信されたりする。
例えば撮影者が撮影中ずっとある一定の場所へ向かって移動していれば、ある特定の点の対応点の軌跡は直線になる(Focus of Expansionと最初の画像中の特定の点を結んだ直線上を動く)。しかし、実際の撮影においては、ゆっくり曲がりながら歩いて撮影するなど徐々に移動方向が変化することもある。そのようなときは、対応点の軌跡は直線ではなくなる。そのため本実施例では、上記示したように、面内回転を補正すると共に、2つの代表点の実際の対応点の軌跡からなめらかな軌跡を求め、対応点がその理想的な軌跡に沿うように画像変換を行うという簡単な処理を行うことで、撮影者がまっすぐに移動しなくても、動画像の画像揺れを防ぐことができるという効果がある。
なお、本実施例では、2つの代表領域の片方領域の中心点を選択して画像が滑らかに変化するように補間したが、別の方法として、2つの代表領域の中心点の中点の座標を用いたり、また代表領域を3つにして、2つ移動ベクトルから面内回転を、残りの移動ベクトルから面内平行移動を計算しても良い。
また、選択した代表領域が、撮影者の移動によって、画像から消えてしまう場合は、図7に示したように、ある領域(グレーの領域)を決めておき、対応点がその領域からはずれたら、画像の中央付近から新たに代表点を選択して、対処することが出来る。ただしその場合、理想パラメータ計算手段130で理想パラメータを計算するために理想曲線を求める際には、新しい代表点の座標と古い代表点の座標を混合して曲線を求めてはいけない。つまり、新しい代表点の座標が既定の数だけ入力されるまでは、代表領域は、古い代表領域と新しい代表領域の両方の4つの代表領域の移動ベクトルを求める必要がある。この様子を図8に示す。図8において、黒点が古い代表領域の中心点の座標のデータであり、白点が新しい代表領域の中心点の座標のデータである。図8(a)は、新しい代表領域の中心点の座標が2回入力されたときで、まだ既定の数には達していない。その場合、図8(a)の黒点で示される古い代表領域の点から求めた、点線で示される曲線から理想パラメータを求める。そして、図8(b)に示すように、新しい代表領域の中心点の座標が、既定数(今回の例では7回)入力された時には、白点で示される新しい代表領域の点から求めた、一点鎖線で示される曲線から理想パラメータを求める。そして、古い代表領域の座標のデータを破棄し、以降は代表領域を2つに戻して処理を行う。このように、撮影者の移動による影響も、代表領域の変更で対応可能である。
第1の実施例では、パラメータ抽出手段120において、パラメータとして、面内回転と面内平行移動を使用した。それに対し、本実施例では、撮像系の回転量をパラメータとする。第1の実施例と本実施例の違いは、その使用するパラメータだけであるので、以下、変更となる、動きベクトル抽出手段110、パラメータ抽出手段120と理想パラメータ計算手段130の説明を行う。
動きベクトル抽出手段110では、入力されたデジタルの入力画像と、画像メモリ100より入力される、前の時刻の画像とでマッチングをとり、画像中の動きベクトルを求める。この動きベクトルを求める点は、第1の実施例では、2点であったが、本実施例では、8点以上が必要である。またその点の選択は、画像中の強いエッジ上の点で、ある程度離れた複数の点を自動で選択しても良いし、または人間が選択しても良い。
パラメータ抽出手段120では、入力された動きベクトルから時間的に連続する画像間の画像の回転パラメータを求める。この回転量の求め方にはいくつかあり、例えば、出口光一郎著“ロボットビジョンの基礎”に説明されている8点アルゴリズムと呼ばれる方法や、また、従来例で示した、“Recovery of Ego-Motion Using Image Stabilization"の論文で説明している3枚の画像を使用した方法などどれを使用してもよい。ここではアフィン変換を使用する方法について説明する。
画像中の水平方向の軸をX軸、垂直方向の軸をY軸、画面に垂直な方向をZ軸とし、XYZ軸それぞれの軸回りの回転角を(ψ、φ、θ)とする。時間的に後の画像の対応点座標を(Xa,Ya)、前の画像の座標を(Xb、Yb)とすると、前の画像に対して、後の画像が、θ回転、(dx、dy)平行移動、m倍拡大したとすると、
Xa=(cosθ・Xb+sinθ・Yb−dx)・m
=A・Xb+B・Yb+C (3)
Ya=(―sinθ・Xb+cosθ・Yb−dy)・m
=−B・Xb+A・Yb+D (4)
(ただし、A=m・cosθ、B=m・sinθ、C=−m・dx、D=−m・dy)
の関係がある。動きベクトル抽出手段110で求めた複数の点の動きベクトルの座標をこの式に代入し、最小2乗法で、A,B,C,Dの係数を求め、そこから、回転量θ、平行移動量dx、dy、拡大量mを求める。さらに、一般的には撮影者の移動の並進成分よりも回転成分で大きく画像が変化するので、平行移動量dx、dyが、それぞれ回転φ、回転ψで生じていると仮定し、回転角ψ、φを、φ=arctan(dx/f)、ψ=arctan(dy/f)として求める。なおここで、fは撮像系の焦点距離で、図示しない自動合焦手段から得られているとする。このとき、入力された動きベクトルの中には誤抽出したものも含まれており、それら誤抽出した結果も使用すると求めるパラメータの精度が低下するので、動きベクトルの信頼度を見て、使用する動きベクトルを決定することが出来る。そして、このように計算された各パラメータは、理想パラメータ計算手段130に出力される。
理想パラメータ計算手段130では、入力される回転パラメータを順に足し合わせて実際の回転角を求める。これは、パラメータ抽出手段120で求めた回転角ψ、φ、θは各画像間の相対的な回転角(先に読みこんだ画像を基準とした回転角)であるので、それらから実際の撮影装置の回転量を求めるということである。つまり、最初の入力画像を基準として、その基準画像のX軸、Y軸、Z軸のそれぞれの軸まわりの回転角をα、β、γとすると、n番目の画像のときの回転角はそれぞれ、α(n)=α(n−1)+ψ(n)、β(n)=β(n−1)+φ(n)、γ(n)=γ(n−1)+θ(n)となる。なお、最初の画像を基準としているので、α(0)=β(0)=γ(0)=0であり、また、最初の画像と次の画像との回転角がψ(1)、φ(1)、θ(1)である。そして、次に回転角がなめらかに変化するような理想的な回転角を求めるために理想曲線を計算で求める。
そして、新たに回転角ψ、φ、θが入力された時は、回転角α、β、γに関するグラフが更新される。その様子を図9(a)、図9(b)、図9(c)に示す。図9において、横軸が画像番号で、縦軸が最初の画像を基準とした時の撮影装置の回転角であり、(a)が回転角α、(b)が回転角β、(c)が回転角γである。この図9においては、黒点で示したのが過去のデータであり、白点で示したのが新しく入力されたψ、φ、θから更新した新しい回転角α、β、γである。そして、一番古いデータを消去し、更新した新たな回転角も含めて、理想回転曲線が新たに計算される。そして、新たに求められた理想回転角を画像変換手段140に出力する。つまり、この図9でいうと、メッシュを入れた点の示す回転角を出力する。
その後は、その回転量を用いて、画像変換手段140で、変換画像を作成するための座標を計算し、画像メモリ制御手段101の制御で画像メモリ100に保持された画像が読み出され、補間手段150で補間処理され出力される。
このように、パラメータを撮像系の回転量とすることで、処理コストはかかるが、より厳密な補正が可能になる。
上記示した第1、第2の実施例では、現在入力された画像から求めたパラメータを最新のパラメータとし、それと過去のパラメータとを使用して理想パラメータを求め、更にそれらの実際のパラメータと理想パラメータとに基づき、入力されたその画像を変換していた。それに対し、本実施例では、画像を変換するための理想パラメータを求める際に、その画像よりも時間的に後に入力された画像のパラメータも用いて、理想パラメータを求めるようにしている。つまり、理想パラメータの計算に使用する最新のパラメータを抽出するのに使用した画像と、計算して求めたその理想パラメータを用いて変換する画像とは、異なるものとなる。なお、このような処理を行うために、本実施例の画像メモリは、複数の旧画像を保持出来るようにしている。
図10が本実施例の構成を示す図である。
図10中、図1と同じ番号は同じものを示している。図10において、1000は画像メモリを、1001は画像メモリ制御手段を、110は動きベクトル抽出手段を、120はパラメータ抽出手段を、1030は理想パラメータ計算手段を、1090はパラメータ記憶手段を、140は画像変換手段を、150は補間手段を、160は記録手段を、170は表示手段を、180は送信手段を示す。
以下、図10中に示された構成要素において、第1の実施例と異なる手段である、画像メモリ1000、画像メモリ制御手段1001、理想パラメータ計算手段1030及びパラメータ記憶手段1090の機能を説明する。
画像メモリ1000は、デジタル化された画像を複数保持するメモリであり、画像メモリ制御手段1001はその画像メモリ1000への画像の書き込みや画像メモリ1000からの画像の読み出しの制御、及びそのアドレスの設定を行なう。なお、本実施例の画像メモリ1000は新画像と複数の旧画像を保持している。パラメータ抽出手段120で求められたパラメータは、パラメータ記憶手段1090と理想パラメータ計算手段1030とに出力される。パラメータ記憶手段1090は、入力されたパラメータを既定数分記憶し、理想パラメータ計算手段1030からの出力リクエスト信号に応じて、FIFOとして順に記憶したパラメータを出力する。理想パラメータ計算手段1030は、パラメータ抽出手段120で計算されたパラメータを既定数分保持し、それらから理想的なパラメータを計算し、その理想パラメータを画像変換手段1040に出力するとともに、パラメータ記憶手段1090に出力リクエスト信号を出力する。画像変換手段140は、パラメータ抽出手段120で求められ、パラメータ記憶手段1090を介して入力されたパラメータと理想パラメータ抽出手段130で計算された理想パラメータとに基づいて、画像メモリ1000に保持された画像から、記録手段160に記録する画像または表示手段170に表示する画像または送信手段180から送信する変換画像を作成するための、画像メモリ1000の座標を計算し、画像メモリ制御手段1001へ出力する。
続いて、図10と図11を用いて、この動画像処理装置及び方法の全体の動作を説明する。
第1の実施例と同様に、デジタルの入力画像は分岐され、画像メモリ1000と、動きベクトル抽出手段110とに入力される。画像メモリ1000に入力する経路では、入力された画像を、画像メモリ制御手段1001の制御で画像メモリ1000に保持する。また、動きベクトル抽出手段110にも入力され、動きベクトル抽出の計算に用いられる。
画像メモリ1000は、デジタル入力画像を保持するとともに、その前の時刻に保持された画像中の2つの領域を代表領域として動きベクトル抽出手段110に出力する。
続いて、動きベクトル計算手段110において、入力されたデジタルの入力画像と、画像メモリ1000より入力される、前の時刻の画像の代表領域とでマッチングをとり、その代表領域の動きベクトルを求める。求められた動きベクトルは、画像メモリ制御手段1001とパラメータ抽出手段120に出力される。
パラメータ抽出手段120では、入力された動きベクトルから時間的に連続する画像間の移動パラメータを計算する。この計算は、第1の実施例と同様であるので説明は省略する。求められた面内回転と面内平行移動の移動パラメータは、パラメータ記憶手段1090に出力される、また、ある点の移動後の座標が理想パラメータ計算手段1030に出力される。
パラメータ記憶手段1090では、パラメータ抽出手段120で求められた面内回転と面内平行移動の移動パラメータを複数保持する。保持可能なパラメータの数は、画像メモリ1000で保持可能な画像の数と同数である。そして、理想パラメータ計算手段1030から出力リクエスト信号が入力されると、保持しているパラメータの中で最も古いパラメータを画像変換手段140に出力する。
理想パラメータ計算手段1030では、パラメータ抽出手段120からの面内平行移動パラメータを既定数分保持している。これら保持している座標の変化を図11(a)、図11(b)に示す。この図11において、(a)は水平方向の座標Hの変化を、(b)は垂直方向の座標Vの変化を示し、それぞれ横軸は画像番号(時間)、縦軸は水平方向の座標H,垂直方向の座標Vを示している。この理想パラメータ計算手段1030では、そこに保持されているパラメータのうち、既定数番目のパラメータに対する理想パラメータを計算する。例えば本実施例では、理想パラメータ計算手段1030にはm+n個のパラメータが保持されているとして、m+1番目のパラメータに対する理想パラメータを求めるとする。その時の画像が、画像番号kに対応するとする。図11には、その画像番号kの画像に対して、パラメータ抽出手段120で求められた実際の座標が白丸で示してあり、それ以前のm個の画像で求めた座標を黒丸で、それ以降のn−1個の画像で求めた座標をメッシュの点で示してある。これらm+n個の点を使用して理想曲線を求め、理想パラメータを計算する。つまり、第1の実施例の図4においては、黒点で示された過去のパラメータと白点で示された現在のパラメータとから理想曲線を求め、その理想曲線の理想パラメータと実際の現在のパラメータから補正量を求め、その補正量により、画像メモリ100に保持された画像を変換していたのに対し、本実施例では図11に示すように、過去のパラメータm個とその後のn個のパラメータの計m+n個で理想曲線を求め、画像番号kの時の、その理想曲線のパラメータと実際のパラメータから補正量を求め、画像変換手段140に出力する。このように、実施例1、実施例2では変換する画像の変換量の計算に用いる理想パラメータを、その画像にとっての過去と現在のデータから計算したのに対し、本実施例では変換する画像の変換量の計算に用いる理想パラメータを、その画像にとっての過去と現在および未来のデータから計算することが、本実施例の特徴である。
さらに、理想パラメータ計算手段1030は、理想パラメータを画像変換手段140に出力するとともに、パラメータ記憶手段1090に出力リクエスト信号を出力する。これにより、理想パラメータ計算手段1030から出力される理想パラメータと、パラメータ記憶手段1090から出力されるパラメータの同期をとることが出来る。
画像変換手段140では、第1の実施例と同様に変換座標を計算する。
画像メモリ1000には、n枚以上の枚数の画像が保持可能になっており、そこに保持されている複数の画像のうち最も古い画像が、画像メモリ制御手段1001により、画像変換手段140から入力された座標に基づいて、読み出される。そして、新たな画像が入力されると、その出力した画像の領域に書き込まれる。
補間手段150では、画像メモリ1000から読みだされた変換画像を補間して出力し、そして、出力された補間画像は、記録手段160で記録されたり、表示手段170で表示されたり、送信手段180でインターネットなどに送信されたりする。
上記示したように、本実施例では画像の変換に用いる理想パラメータを計算するのに、その画像以降の画像のパラメータも用いることで、より精度のよい補正が可能である。
なお、第1から第3の実施例において、画像を保持する画像メモリを使用したが、例えば、DVD等のメディアに記録された画像を補正して出力する際などは、そのメディアが高速にかつランダムに読み出せるものであれば、画像メモリを用いずに、直接メディアから読み出すようにすることも可能である。
また、第1から第3の実施例で示した動画像処理を、カメラ一体型記録装置で用いて、撮影した画像の画像揺れが無いように処理した画像を記録する事、及び撮影した画像や記録された画像を再生する装置で用いて、画像揺れが無いように処理した画像を再生すること、及びロボット等の移動手段をネットワークを介して遠隔操作するシステムに用いて、移動手段で撮影された動画像を画像揺れが無いように処理した画像をネットワークに送信して、オペレータに表示すること、及びロボット等の移動手段をネットワークを介して遠隔操作するシステムに用いて、ネットワークに送信された、移動手段で撮影された動画像を画像揺れが無いように処理した画像をオペレータに表示すること、及び動画像処理プログラムとすること、及び画像入力手段で入力された画像を、そのプログラムをプロセッサで実行し、画像揺れが無いように処理した画像を、記録または表示またはネットワークに送信することが可能である。
実施例1の構成を示す図 代表領域の移動ベクトルを示す図 座標値と理想曲線を示す図 新しい座標値と更新した理想曲線を示す図 理想パラメータ計算手段の動作のフローチャート 補正量を示す図 代表領域の切り替えを示す図 理想パラメータの切り替えを示す図 実施例2のパラメータと理想曲線を示す図 実施例3の構成を示す図 実施例3の理想曲線を示す図
符号の説明
100、1000 画像メモリ
101、1001 画像メモリ制御手段
110 動きベクトル抽出手段
120 パラメータ抽出手段
130、1030 理想パラメータ計算手段
140 画像変換手段
150 補間手段
160 記録手段
170 表示手段
180 送信手段
1090 パラメータ記憶手段

Claims (15)

  1. 入力される動画像の各時刻でのパラメータ値を求めるパラメータ抽出手段と、前記パラメータ抽出手段で求めた各時刻でのパラメータ値を統計処理し各時刻での理想パラメータ値を計算する理想パラメータ計算手段と、新旧の画像を保持する画像メモリと、前記パラメータ抽出手段で求められた実際のパラメータ値と前記理想パラメータ計算手段で計算された理想パラメータ値に基づき補正量を計算し、その補正量に基づいて前記画像メモリに保持された画像を変換する画像変換手段とから構成される動画像処理装置において、
    前記パラメータ抽出手段で抽出されたパラメータが、前記理想パラメータ計算手段に入力される毎に、前記理想パラメータ計算手段において、新規理想パラメータを求める計算を行うことを特徴とする動画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の動画像処理装置において、パラメータ抽出手段で求めるパラメータとは、画像の面内回転量と特定の点の座標であり、理想パラメータ計算手段では、前記特定の点の座標が理想的に変化する理想座標を求め、実際の座標とその理想座標とから補正量を計算し、その補正量および前記面内回転量とから画像メモリに保持された画像を変換することを特徴とする動画像処理装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の動画像処理装置において、画像メモリは複数の画像を保持可能であり、前記画像メモリに保持された複数の画像中の1枚の画像を変換する補正量を求めるために、理想パラメータ計算手段では、その変換する画像より以降に入力された画像からパラメータ抽出手段で抽出されたパラメータも使用することを特徴とする動画像処理装置。
  4. 請求項2に記載の動画像処理装置において、パラメータである座標を求める特定の点が変更された時には、理想パラメータ計算手段では理想座標の計算に必要な数のデータが集まるまでは、変更前の特定点から理想座標を求め、必要な数のデータが集まった後は変更後の特定点から理想座標を求めることを特徴とする動画像処理装置。
  5. 撮影した動画像に対し、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の動画像処理装置を用いて動画像処理を行い、動画像処理を行なった動画像を記録することを特徴とするカメラ一体型画像記録装置。
  6. 撮影または記録された動画像に対し、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の動画像処理装置を用いて動画像処理を行い、動画像処理を行なった動画像を再生することを特徴とする動画像再生装置。
  7. ロボットの移動手段をネットワークを介して遠隔操作するシステムにおいて、移動手段に取り付けられた撮像装置で撮影された動画像に対し、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の動画像処理装置を用いて動画像処理を行い、処理を行なった動画像をネットワークに送信し、遠隔操作を行なうオペレータに、処理された動画像をネットワークを介して表示することを特徴とする遠隔操作システム。
  8. ロボットの移動手段をネットワークを介して遠隔操作するシステムにおいて、移動手段に取り付けられた撮像装置で撮影された動画像をネットワークに送信し、ネットワークを介して得られる移動手段で撮影された動画像に対し、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の動画像処理装置を用いて動画像処理を行い、処理された動画像を遠隔操作を行なうオペレータに表示することを特徴とする遠隔操作システム。
  9. 動画像の各時刻でのパラメータ値を求めるパラメータ抽出ステップと、及び前記パラメータ抽出ステップで求めた各時刻でのパラメータ値を統計処理し各時刻での理想パラメータ値を計算する理想パラメータ計算ステップと、及び前記パラメータ抽出ステップで求められた実際のパラメータ値と前記理想パラメータ計算ステップで計算された理想パラメータ値に基づき補正量を計算し、その補正量に基づいて画像メモリに保持された画像を変換する画像変換ステップとからなる動画像処理方法において、
    前記パラメータ抽出ステップで抽出されたパラメータが、前記理想パラメータ計算ステップに入力される毎に、前記理想パラメータ計算ステップにおいて、新規理想パラメータを求める計算を行うことを特徴とする動画像処理方法。
  10. 前記第9項の動画像処理方法において、パラメータ抽出ステップで求めるパラメータとは、画像の面内回転量と特定の点の座標であり、理想パラメータ計算ステップでは、前記特定の点の座標が理想的に変化する理想座標を求め、実際の座標とその理想座標とから補正量を計算し、その補正量および前記面内回転量とから画像メモリに保持された画像を変換することを特徴とする動画像処理方法。
  11. 請求項9又は請求項10に記載の動画像処理方法において、画像メモリに保持された複数の画像中の1枚の画像を変換する補正量を求めるために、理想パラメータ計算ステップでは、その変換する画像より以降に入力された画像からパラメータ抽出ステップで抽出されたパラメータも使用することを特徴とする動画像処理方法。
  12. 請求項10に記載の動画像処理方法において、パラメータである座標を求める特定の点が変更された時には、理想パラメータ計算ステップでは理想座標の計算に必要な数のデータが集まるまでは、変更前の特定点から理想座標を求め、必要な数のデータが集まった後は変更後の特定点から理想座標を求めることを特徴とする動画像処理方法。
  13. 請求項9〜請求項12のいずれかに記載の動画像処理方法をコンピュータにより読み取り可能な形で実行することを特徴とする動画像処理プログラム。
  14. 請求項13に記載の動画像処理プログラムをコンピュータにより読み取り可能な形で記憶した記憶媒体。
  15. 画像入力手段と、新旧の画像を保持する画像メモリと、請求項13に記載の動画像処理プログラムと、前記動画像処理プログラムを実行するプロセッサと、請求項14に記載の記憶媒体と、前記動画像処理プログラムで処理された動画像を記録する記録手段、または前記動画像処理プログラムで処理された動画像を表示する表示手段、または前記動画像処理プログラムで処理された動画像をネットワークに送信する送信手段とから構成される動画像処理システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2017042903A1 (ja) * 2015-09-09 2017-03-16 日立マクセル株式会社 車両用映像処理装置

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