JP2010009822A - 燃料電池システム - Google Patents

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Hiromichi Sato
博道 佐藤
Osamu Yumita
修 弓田
Yoshifumi Ota
佳史 大田
Toshiya Habu
敏也 土生
Takashi Yamamoto
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Abstract

【課題】燃料電池セルに生じた発電不良の領域が拡大することによる発電電力の低下を抑制する技術を提供することを課題とする。
【解決手段】電解質膜と触媒層とを接合した膜電極接合体16と、燃料ガスを触媒層の表面に沿って流すガス流路20Hを有する導電性部材17と、電力の供給先である負荷と導電性部材17とを電気的に接続する電力供給部6と、を備える燃料電池システム1であって、導電性部材17は、ガス流路の所定区画が、他の区画と絶縁部材Dによって電気的に絶縁されており、電力供給部は、所定区画と負荷との接続をオンオフする制御手段6Aを有しており、制御手段6Aは、所定区画と負荷との接続をオンにした状態で膜電極接合体16が発電中に電解質膜の湿分が減ると、所定区画と負荷との接続をオフにする。
【選択図】図5

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
近年、運転効率および環境性に優れる電源として燃料電池が注目されている。燃料電池は、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応によって発電する。燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応は、触媒を担持した燃料電池セルで行われる。
燃料電池セルには、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応に伴う水が生成される。例えば、特許文献1には、集電板を複数の領域に分割して絶縁し、電力を各領域から選択的に取り出すことで、生成される水の濃度分布を均一化させる技術が開示されている。
特開2006−294274号公報
燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応は、電解質膜を介してプロトンが燃料極側から酸素極側へ移動することにより行われる。よって、燃料極側にある水がプロトンの随伴水として酸素極側へ移動したり、燃料電池セルが高出力で低加湿の運転状態になったりすると、燃料極側の水が不足し、ガス流路の下流側等が乾燥しやすくなる。燃料電池セルのうち電解質膜が乾燥した領域では乾燥によってプロトンの移動が阻害されるため、発電が停止して電気化学反応に伴う水が生成されなくなる。水が生成されない領域が発生すると、当該領域から他の領域へ流れる水が無くなるために乾燥領域が徐々に拡大し、やがて発電の完全な停止に至る虞がある。本発明は、係る課題に鑑みなされたものであり、燃料電池セルに生じた発電不良の領域が拡大することによる発電電力の低下を抑制する技術を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するため、膜電極接合体と接触する導電性部材の一部を絶縁部材で区画し、当該部位の湿分が減ると、負荷との電気的な接続をオフにする。
詳細には、電解質膜と触媒層とを接合した膜電極接合体であって、燃料ガスが該触媒層に供給されると電気化学反応により発電する膜電極接合体と、前記膜電極接合体の前記触媒層と接触する導電性部材であって、前記燃料ガスを該触媒層の表面に沿って流すガス流路を有する導電性部材と、電力の供給先である負荷と前記導電性部材とを電気的に接続する電力供給部と、を備える燃料電池システムであって、前記導電性部材は、複数の区画に区切られた部材であって、該複数の区画のうち前記ガス流路の所定区画が、他の区画と絶縁部材によって電気的に絶縁されており、前記電力供給部は、前記所定区画と前記負荷、及び前記他の区画と該負荷とをそれぞれ電気的に接続する電力供給部であって、該所定区画と該負荷との接続をオンオフする制御手段を有しており、前記制御手段は、前記所定区画と前記負荷との接続をオンにした状態で前記膜電極接合体が発電中に、前記電解質膜のうち前記所定区画に対応する部位の電解質膜の湿分が減ると、該所定区画と該負荷との接続をオフにする。
燃料極側から酸素極側への電解質膜を介した水の移動は、プロトンの移動によって行われる。また、電解質膜の加熱は、多くの電流が流れることにより生ずる。よって、負荷との電気接続を遮断すれば、プロトンに随伴して移動する水の動きや電流が流れることにより生ずる加熱が止まる。そこで、電解質膜の湿分が低下している場合、負荷との電気接続
を遮断して発電を停止することにより、プロトンの移動や電解質膜の加熱に起因する電解質膜の乾燥の進行が抑制される。
ところで、電解質膜の水の収支は、ガス流路の位置によって大きく異なっており、例えば、流れ方向に沿って湿分が徐々に低下していく燃料極側では下流側が水の供給を受けにくく、電気化学反応による生成水が発生する酸素極側では上流側が水の供給を受けにくい。よって、例えば、カウンター流路方式の燃料電池セルのような場合には、燃料極の下流側の電解質膜が特に乾燥しやすく、一旦乾燥部位が生じて生成水の発生しない領域が発生するとプロトン随伴水の移動や電流による発熱が継続するため湿潤状態への回復が見込めず、更に、酸素極の下流側への生成水の供給が止まることによる乾燥部位の拡大が生じやすい。そこで、上記燃料電池システムは、膜電極接合体の触媒層と接触する導電性部材の一部を絶縁部材で区切っており、膜電極接合体の一部で湿分が減ると当該部位の発電を止める。当該部位の発電は、負荷と当該部位の導電性部材との電気的な接続をオンオフすることで制御する。なお、導電性部材と負荷とを電気的に接続する電力供給部は、これらを直接的に電気接続するものに限定されるもののみならず、他の燃料電池セルを介して間接的に電気接続するものも含む。絶縁部材で区切られた導電性部材の区画を、本願では所定区画と称する。この所定区画は、電気的に区画化された導電性部材の複数の区画のうち一の区画であって、燃料ガスが流れる何れかの区画である。なお、この所定区画は、前記複数の区画のうち前記ガス流路の下流側となる区画であってもよい。
所定区画に対応する部位の電解質膜の湿分が減ると、当該区画の導電性部材と負荷との電気的な接続をオフすることにより、プロトン随伴水の移動や電流による加熱が停止され、上流側から水を含んだガスが流入することで当該部位の湿潤状態の回復が進み、更に、乾燥部位の拡大の抑制が図られる。従って、燃料電池セルに生じた発電不良の領域が拡大することによる発電電力の低下が抑制される。
また、前記制御手段は、前記電解質膜のうち前記所定区画に対応する部位の電解質膜の湿分の減少によって前記膜電極接合体の発電電力が低下すると、該所定区画と前記負荷との接続をオフにするようにしてもよい。電解質膜の湿分が減少すると電気化学反応が弱まるため、発電電力が低下する。よって、所定区画に対応する部位の電解質膜の湿分の減少を、膜電極接合体の発電電力の低下をもって間接的に検知することで、負荷と所定区画との電気的な接続のオンオフの制御が実現される。なお、膜電極接合体の発電電力の低下による電解質膜の湿分の減少の検知は、一検知態様に過ぎず、各種のセンサ類によるパラメータに基づいた演算処理等により検知するものを排除するものではない。
また、燃料電池セルを積層した積層体であって、前記導電性部材と前記膜電極接合体とによって構成される第一の燃料電池セルが積層された第一積層部と、前記第一積層部に隣接して更に積層される第二積層部であって、絶縁部材によって電気的に区画されていない導電性部材と膜電極接合体とによって構成される第二の燃料電池セルが積層された第二積層部と、を有する積層体を備えるようにしてもよい。これによれば、燃料電池セルの積層体が、所定区画の発電を制御可能な第一積層部と、区画化されていない通常の燃料電池セルが積層された第二積層部とに分けられているので、所定区画の発電を停止する際の発電電力の低下量が、第一積層部のみで構成される積層体に比べて抑制される。
また、前記積層体は、前記第一積層部が陽極側であり、前記第二積層部が陰極側であってもよい。これによれば、積層体の陽極と負荷との接続のオンオフにより所定区画の発電の制御が可能となるため、陰極側で制御する場合よりも電力供給部の回路構成や積層体の電気的な絶縁が容易になる。
燃料電池セルに生じた発電不良の領域が拡大することによる発電電力の低下を抑制する技術を提供することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を例示的に説明する。以下に示す実施形態は例示であり、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施形態の構成>
図1は、本実施形態に係る燃料電池システム1の構成図である。図1に示すように、燃料電池システム1は、燃料電池スタック2、燃料電池スタック2のアノード側に燃料ガスである水素を供給する水素貯蔵タンク3、及び燃料電池スタック2のカソード側に酸化剤ガスである酸素を含む空気を供給するコンプレッサ4を備えている。また、燃料電池システム1は、各機器を制御する電子制御装置5(ECU:Electronic Control Unit)を備
えている。なお、本実施形態に係る燃料電池システム1は、電気モータ(負荷)で走行する燃料電池自動車に搭載され、電気モータ等の電気的な負荷へ電力を供給することを前提としている。しかし、本発明はこれに限定されるものでなく、本発明に係る燃料電池システムは、地上に設置したり、或いは自動車以外の移動媒体等に搭載したりしてもよい。
燃料電池スタック2は、燃料電池自動車等の移動媒体に適する高分子電解質形燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)であり、水素と酸素の供給を受けて発電
する。燃料電池スタック2は、燃料ガスである水素と酸化剤ガスである酸素との電気化学反応によって発電する膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を多数備
えており、これら膜電極接合体を有する燃料電池セルが積層されていることにより、所望の電圧を出力するように構成されている。燃料電池スタック2には、陽極側および陰極側から電力を取り出すケーブルが接続されている。ここで、燃料電池スタック2の陽極側から電力を取り出すケーブルは2本設けられており、これら2本のケーブルがスイッチユニット6と接続されている。スイッチユニット6は、燃料電池スタック2の陽極と負荷との間で電路を開閉するスイッチが2個内蔵されており、2本のケーブルについてそれぞれ電路を開閉可能なように構成されている。スイッチ回路の詳細については後述する。なお、本実施形態において、燃料電池スタック2は、カソード側のガスとアノード側のガスとが互いに反対方向に流れるカウンター流路方式であることを前提としているが、カソード側のガスとアノード側のガスとが互いに同じ方向に流れるコフロー流路方式であってもよい。
燃料電池システム1は、水素貯蔵タンク3から燃料電池スタック2へ水素を供給する通路の途中に、水素入口弁7を備えている。水素入口弁7は、電子制御装置5の指令で開度を調整可能なコントロールバルブであり、水素貯蔵タンク3から燃料電池スタック2に流れる水素を制御する。
また、燃料電池システム1は、燃料電池スタック2のアノード側から大気へ水素オフガスを放出する通路の途中に水素出口弁8を備えている。水素出口弁8は、電子制御装置5の指令で開度を調整可能なコントロールバルブであり、大気へ放出するオフガスを制御する。
また、燃料電池システム1は、コンプレッサ4から燃料電池スタック2へ空気を供給する通路の途中に、加湿器9を備えている。加湿器9は、電子制御装置5の指令に応じてコンプレッサ4から燃料電池スタック2へ流れる空気の湿度を制御する。なお、燃料電池システム1は、加湿器9が備えられておらず、無加湿の空気を供給する構成であってもよい。
また、燃料電池システム1は、燃料電池スタック2のカソード側から大気へ空気オフガスを放出する通路の途中に空気出口弁10を備えている。空気出口弁10は、電子制御装置5の指令で開度を調整可能なコントロールバルブであり、大気へ放出するオフガスを制御する。
電子制御装置5は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び入出力インターフェース等で構成されており
、コンプレッサ4、加湿器9、空気出口弁10、水素入口弁7、及び水素出口弁8を制御する。また、電子制御装置5は、燃料電池スタック2の出力電圧や出力電流を検出する図示しないセンサと電気的に接続されており、燃料電池スタック2の出力電圧や出力電流を計測する。また、電子制御装置5は、水素入口弁7と燃料電池スタック2との間の通路に設けられた水素流量センサ11で水素の流量を検知する。また、電子制御装置5は、加湿器9と燃料電池スタック2との間の通路に設けられた空気流量センサ12および湿度センサ13で空気の流量および湿度を検知する。
燃料電池スタック2について詳述する。図2は燃料電池スタック2の斜視図である。燃料電池スタック2は、燃料電池セル19を複数積層した積層体14によって主要部が構成されている。この積層体14は、積層方向におけるその両端に配置されたターミナル15を挟んで、図示しないテンションプレートで挟持されており、各セルに積層方向の締結力が加わるように構成される。ターミナル15は、板状の導電性部材であり、端部セルの電力を集電する。積層体14の陰極側にあるターミナル15には、積層体14の内部に冷媒や燃料ガス、酸化ガスを供給するための配管の接続口が設けられている。燃料ガスを受け入れる接続口の上流側に水素貯蔵タンク3があり、酸化ガスを受け入れる接続口の上流側にコンプレッサ4がある。また、冷媒配管の接続口には図示しない冷却装置の冷媒循環配管が接続される。
図3は、燃料電池スタック2の分解斜視図である。図3に示すように、燃料電池スタック2は、燃料電池セル19を複数積層するように構成されている。燃料電池セル19は、高分子電解質膜を触媒電極層やガス拡散層で挟持するように接合した膜電極接合体16、及びセパレータ17で構成される。高分子電解質膜は、ポリフルオロカーボンなどの固体の高分子を主鎖とし、電荷を運ぶためにスルホン基やカルボン酸基などの側鎖を付けたイオン交換能を有する導電性の物質で構成される。また、触媒層は、白金(Pt)を担持したカーボンブラック等で構成される。膜電極接合体16は、ガス拡散層に燃料ガスおよび酸化ガスが供給されることで電気化学反応を起こし、両電極間に電位差を発生させる。セパレータ17は、3種類あり、陰極側の面に冷媒を流す凹部を有し且つ陽極側の面に燃料ガスを流す凹部20Hを有する第一セパレータ17A、陰極側の面に酸化ガスを流す凹部を有し且つ陽極側の面に燃料ガスを流す凹部20Hを有する第二セパレータ17B、及び陰極側の面に酸化ガスを流す凹部を有し且つ陽極側の面に冷媒を流す凹部20Lを有する第三セパレータ17Cで構成される。燃料電池セル19は、第一セパレータ17A、膜電極接合体16、第二セパレータ17B、膜電極接合体16、及び第三セパレータ17Cを重ねることで単一のセルを構成している。セパレータ17A,B,Cには、陽極側のターミナル15の配管と連通されることで燃料ガス(H)、酸化ガス(O)、及び冷媒(L)を流すための孔18H,O,Lがそれぞれ設けられている。セパレータ17A,B,Cの各孔18H,O,Lが一致するように膜電極接合体16が複数積層されることで冷媒流路が形成される。燃料電池スタック2は、このように構成される燃料電池セル19が数百枚程度(本実施形態では300枚)積層されることで、所望の電圧の電力が出力されるように構成されている。
ここで、セパレータ17A,B,C、及びターミナル15について補足説明する。セパレータ17A,B,Cおよびターミナル15は、板状の導電性部材で構成されているが、
その一部が絶縁材Dによって電気的に絶縁されており、部材の一部が電気的に区画されている。図4は、燃料電池セル19、及びターミナル15の側面を拡大した図である。図4に示すように、燃料電池セル19のセパレータ17やターミナル15に絶縁材Dが設けられており、1枚の膜電極接合体16について、2つの領域のそれぞれから電力を取り出し可能なように、ターミナル15及びセパレータ17が電気的に区画されている。ターミナル15及びセパレータ17は、燃料ガス流路の下流側であり酸化ガス流路の上流側に位置する領域(以下、特定領域という)と、それ以外の領域とに区画されている。この特定領域は、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応において特に乾燥しやすく、湿分のコントロールが望まれる領域である。燃料電池スタック2は、このように絶縁材Dによって他の領域と電気的に絶縁された特定領域が区画されていることにより、燃料電池セル19を積層したものでありながら電気的には並列な2つの発電領域に区画されることになる。なお、燃料電池スタック2は、全ての燃料電池セル19について、絶縁材Dを使ったセパレータ17A,B,C、及びターミナル15で構成されているわけではなく、絶縁材Dを備えた燃料電池セル19は、図5に示すように、陽極側から10〜20枚程度の部分に限られている。よって、燃料電池スタック2は、電気的に3つの領域に画定されるような状態になる。図6は、燃料電池システム1の回路構成図である。絶縁材Dを使った燃料電池セル19によって燃料電池スタック2の一部が構成されているため、燃料電池システム1は、電気的には並列接続される2つの電池と、直列接続される1つの電池の計3つの電池で構成されるようなシステムとなる。
ここで、上記特定領域について詳述する。図7は、燃料ガスと酸化ガスとが反応している時の膜電極接合体の中の水分子の移動状態を示すモデル図である。図7に示すように、湿度が調整された燃料ガス中に含まれる水分子は、電解質膜を移動するプロトンに随伴して空気極側に移動する。よって、燃料ガスの湿度は、燃料ガスの流れ方向に従って徐々に低下し、下流部分である特定領域において最も低くなる。湿度の計測結果を以下に示す。図8は、燃料電池セル19に対する燃料ガス、酸化ガス、及び冷却水の流れ方向を示す概略図である。図8に示すように、燃料電池セル19のセパレータ17は、燃料ガスの下流側であって酸化ガスの上流側の部分である特定領域が、絶縁材Dによって電気的に画定されている。図9は、湿度の測定点を示した燃料電池スタック2の断面図である。湿度の計測にあたり、測定点を図9に示すように燃料ガスの下流側に6つ設けた。図10は、燃料ガスの湿度の測定結果のグラフであり、測定点を横軸に、水分量を縦軸に示している。図10のグラフが示すように、燃料ガスの下流側であり且つ酸化ガスの上流部分である特定領域、すなわち、グラフでいう「測定位置6」の辺りが最も乾燥しやすいことが判る。
このような現象は、燃料電池スタック2に燃料ガスおよび酸化ガスを供給する陰極側に設けられた配管のマニホールドから遠いセル、すなわち、陽極側のセルにおいて著しい。燃料電池スタック2に供給される燃料ガス及び酸化ガスがマニホールドから各セルへ供給されるまでの間に加熱されるためにガスの露点温度が上がるためである。図11は、温度の測定点を示した燃料電池スタック2の断面図である。また、図12は、温度の測定点を設けたセルの位置を示す図であり、陽極側を1ch、陰極側を300chとし、図に示すように温度の測定点を1ch、15ch、及び300chの燃料電池セル19の冷却水流路に設けている。図13は、冷却水の温度の測定結果のグラフであり、測定点のセルのチャンネルを横軸に、温度を縦軸に示している。図13のグラフが示すように、マニホールドから遠いセル、すなわち、15ch辺りのセルが最も温度が高いことが判る。なお、15chのセルよりも更にマニホールドから遠いセル(すなわち、1chのセル)の冷却水の温度が15chのセルよりも低いのは、積層体14の端部に位置するセルのため、積層体14の端部から外部へ逃げる熱量が多いためと考えられる。本実施形態に係る燃料電池スタック2のセパレータ17、及びターミナル15の絶縁材Dは、電解質膜が乾燥しやすい燃料電池セル(特に、マニホールドから遠い位置にあるセル)の特定領域を他の領域と電気的に画定するために設けられている。
<実施形態の処理フロー>
次に、本実施形態に係る燃料電池システム1の運転制御について説明する。図14は、燃料電池システム1の制御フロー図である。以下、図14に示す制御フロー図を参照しながら、燃料電池システム1の運転制御について説明する。
(ステップS101:発電開始処理)燃料電池自動車のキースイッチがオンにされると、電子制御装置5は、水素入口弁7および水素出口弁8を開いて燃料電池スタック2に水素を供給すると共に、空気出口弁10を開いてコンプレッサ4を起動することで燃料電池スタック2に酸素を含む空気を供給する。電子制御装置5が燃料電池スタック2への水素と酸素の供給を開始することで、膜電極接合体16で水素と酸素とが電気化学反応し、車両の駆動モータや補機類への電力の供給が開始される。
(ステップS102:パラメータ取得)電子制御装置5は、ステップS101の処理を実行して発電を開始したのち、図示しない電圧センサおよび電流センサで燃料電池スタック2の電気出力に関するパラメータを取得する。
(ステップS103:判定処理1)電子制御装置5は、ステップS103で燃料電池スタック2の電気出力に関するパラメータを取得したら、このパラメータに基づいて次のような処理を行う。まず、電子制御装置5は、メモリに予め記憶されている燃料電池の電流―電圧特性マップ(以下、I−V特性マップという)を参照する。図15は、電子制御装置5のメモリに記憶されているI−V特性マップである。I−V特性マップは、燃料電池スタック2の内部抵抗によって定まる出力電力の電流、及び電圧の関係を示したものである。よって、燃料電池スタック2が定格出力で発電している場合、出力電力の電流および電圧の関係は、このマップが示す曲線に沿ったものとなる。ここで、特定領域が乾燥すると、当該領域の電解質膜内のプロトンの移動が阻害されるために係る領域における電気化学反応が弱まり、結果的に燃料電池スタック2の発電電力が低下することになる。そこで、電子制御装置5は、ステップS102で取得したパラメータが、I−V特性マップが示す既定の曲線に沿っているか否かを判定する。電子制御装置5は、ステップS102で取得した電圧のパラメータとI−V特性とに基づいて、この燃料電池スタック2が本来出力すべきである電流値を取得する。そして、取得した電流値が、ステップS102で取得した電流のパラメータに対して所定の割合以上であれば通常運転を継続する。他方、取得した電流値が、ステップS102で取得した電流のパラメータに対して所定の割合未満(図15のI−V特性マップの「判定条件」を満たさない場合)であれば特定領域の乾燥状態を回復させる処理(S104)を実行する。なお、所定の割合とは、燃料電池スタック2全体の発電領域に対し、絶縁材Dで画定された特定領域が占める割合の大きさに応じて決定される既定の条件である。
(ステップS104:回復運転)電子制御装置5は、ステップS103の処理によって回復運転を実行することを決定すると、スイッチユニット6を制御して特定領域側の電路を遮断する。図16は、このときの燃料電池システム1の回路構成図である。スイッチユニット6の特定領域側のスイッチ6Aが電子制御装置5によってオフされることで、燃料電池スタック2の特定領域側の通電が停止され、他領域の回路のみが負荷に繋がれた状態になる。図17は、燃料電池スタック2の特定領域側の通電が停止された際の、膜電極接合体の中の水分子の移動状態を示すモデル図である。特定領域の通電が停止されることにより、陰極側の触媒電極で発生した電子のうち特定領域で発生する電子が、負荷を介して陽極側へ移動できなくなる。このため、図17に示すように、陰極側の触媒電極で発生したプロトンのうち特定領域で発生するプロトンが、電解質膜を介して陰極側から陽極側へ泳動しなくなる。特定領域のプロトンの泳動が停止されるため、プロトンの泳動と共に陽極側へ移動していた随伴水の移動が停止される。特定領域の随伴水の移動が停止され、ま
た、特定領域の発熱の停止によって当該領域が冷却水によって冷却されるため、燃料ガスの流れに従って下流側へ流れる燃料ガス中に含まれる水分が特定領域に徐々に堆積し、当該領域の電解質膜が湿潤状態に回復する。電子制御装置5は、スイッチユニット6を制御して特定領域側の電路を遮断したのち、所定の時間が経過したら再びスイッチユニット6を制御して特定領域側の電路を繋ぐ。ここで、所定の時間とは、燃料電池スタック2が発電中に特定領域の通電を停止してから再開するまでの時間であり、随伴水の流動停止によって特定領域が湿潤状態になるまでに要する時間である。本実施形態においては、経験的に決定された時間が設定されている。なお、本発明は、このようなタイマによって制御するものに限定されるものでなく、例えば、燃料電池スタック2から排気される燃料ガスの湿度や特定領域のイオン伝導率を測定することにより、特定領域の電解質膜が湿潤状態に回復したことを検知するようにしてもよい。
(ステップS105:判定処理2)上述したステップS103、或いはステップS104の処理が完了したら、電子制御装置5は、発電を継続するか否かを判定する。すなわち、電子制御装置5は、燃料電池自動車のキースイッチがオンのままであれば、上述したステップS102以降の処理を再び実行する。他方、電子制御装置5は、燃料電池自動車のキースイッチがオフになれば、次のステップS106の処理を実行することにより燃料電池システム1の発電を停止する。
(ステップS106:発電停止処理)上述したステップS105の処理によって燃料電池システム1の発電の停止が決定されると、電子制御装置5は、スイッチユニット6の2つのスイッチ6A,Bをオフにして燃料電池スタック2に接続された電気的負荷を切り離す。そして、電子制御装置5は、水素入口弁7および水素出口弁8を閉じて燃料電池スタック2への水素の供給を停止すると共に、コンプレッサ4を停止して空気出口弁10を閉じることで燃料電池スタック2への酸素の供給を停止する。これにより、電気化学反応が止まり、燃料電池システム1の停止処理が完了する。
<実施形態の効果>
上記燃料電池システム1によれば、セル面内の一部で乾燥による発電不良が生じた場合、その領域を避けて出力を得ることでスタック全体の発電性能の低下を抑制することができる。すなわち、乾燥による発電不良が生じた領域を避けて電気出力を得ることにより、当該領域が湿潤状態に回復されてスタック全体の発電性能の低下が抑制される。
なお、本発明は、上述した実施形態のように、燃料電池セルの4隅のうち一箇所を特定領域として設定し、絶縁材Dによって電気的に画定するものに限定されるものでなく、図18に示すように、燃料ガスと酸化ガスとの相対的な流路の方向に応じて適宜特定領域を画定するようにしてもよい。また、ステップS103では、発電電力ではなく、例えば、スタックから出るガスの湿度や水分布のシミュレーション結果等に基づいて条件分岐を判断するようにしてもよい。
また、上述した実施形態においては、燃料電池セルを流れる燃料ガスの下流側の領域を乾燥しやすい特定領域として画定し、当該領域の電気化学反応をスイッチで制御していたが、本発明に係る所定領域は、上記実施形態に係る特定領域のような態様に限定されるものではない。すなわち、本発明に係る所定領域は、乾燥しやすい領域であれば燃料ガスの下流側に限定されるものではない。例えば、燃料ガスの上流側であるか下流側であるかに関わり無く、図19に示すように、酸化ガスである空気の上流側のような乾燥しやすい領域を、所定領域として画定するようにしてもよい。
燃料電池システムの構成図。 燃料電池スタックの斜視図。 燃料電池スタックの分解斜視図。 燃料電池セル、及びターミナルの側面を拡大した図。 燃料電池セル、及びターミナルの側面を拡大した図。 燃料電池システムの回路構成図。 膜電極接合体の中の水分子の移動状態を示すモデル図。 燃料ガス、酸化ガス、及び冷却水の流れ方向を示す概略図。 湿度の測定点を示した燃料電池スタックの断面図。 燃料ガスの湿度の測定結果のグラフ。 温度の測定点を示した燃料電池スタックの断面図。 温度の測定点を設けたセルの位置を示す図。 冷却水の温度の測定結果のグラフ。 燃料電池システムの制御フロー図。 I−V特性マップ。 燃料電池システムの回路構成図。 膜電極接合体の中の水分子の移動状態を示すモデル図。 変形例に係る燃料電池セルの概略図。 変形例に係る燃料電池セルの概略図。
符号の説明
1・・・燃料電池システム
2・・・燃料電池スタック
3・・・水素貯蔵タンク
4・・・コンプレッサ
5・・・電子制御装置
6・・・スイッチユニット(A,Bはスイッチ)
7・・・水素入口弁
8・・・水素出口弁
9・・・加湿器
10・・空気出口弁
11・・水素流量センサ
12・・空気流量センサ
13・・湿度センサ
14・・積層体
15・・ターミナル
16・・膜電極接合体
17・・セパレータ
18・・孔
19・・燃料電池セル
20・・凹部
D・・・絶縁材

Claims (5)

  1. 電解質膜と触媒層とを接合した膜電極接合体であって、燃料ガスが該触媒層に供給されると電気化学反応により発電する膜電極接合体と、
    前記膜電極接合体の前記触媒層と接触する導電性部材であって、前記燃料ガスを該触媒層の表面に沿って流すガス流路を有する導電性部材と、
    電力の供給先である負荷と前記導電性部材とを電気的に接続する電力供給部と、を備え、
    前記導電性部材は、複数の区画に区切られた部材であって、該複数の区画のうち前記ガス流路の所定区画が、他の区画と絶縁部材によって電気的に絶縁されており、
    前記電力供給部は、前記所定区画と前記負荷、及び前記他の区画と該負荷とをそれぞれ電気的に接続する電力供給部であって、該所定区画と該負荷との接続をオンオフする制御手段を有しており、
    前記制御手段は、前記所定区画と前記負荷との接続をオンにした状態で前記膜電極接合体が発電中に、前記電解質膜のうち前記所定区画に対応する部位の電解質膜の湿分が減ると、該所定区画と該負荷との接続をオフにする、
    燃料電池システム。
  2. 前記制御手段は、前記電解質膜のうち前記所定区画に対応する部位の電解質膜の湿分の減少によって前記膜電極接合体の発電電力が低下すると、該所定区画と前記負荷との接続をオフにする、
    請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 燃料電池セルを積層した積層体であって、
    前記導電性部材と前記膜電極接合体とによって構成される第一の燃料電池セルが積層された第一積層部と、
    前記第一積層部に隣接して更に積層される第二積層部であって、絶縁部材によって電気的に区画されていない導電性部材と膜電極接合体とによって構成される第二の燃料電池セルが積層された第二積層部と、を有する積層体を備える、
    請求項1または2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記積層体は、前記第一積層部が陽極側であり、前記第二積層部が陰極側である、
    請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記所定区画は、前記複数の区画のうち前記ガス流路の下流側となる区画である、
    請求項1から4の何れか一項に記載の燃料電池システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113678293A (zh) * 2019-04-26 2021-11-19 株式会社日立高新技术 燃料电池单元、燃料电池系统、泄漏检测方法

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