JP2010008367A - 回転検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転部材の回転を高精度に検出可能な回転検出装置を提供する。
【解決手段】回転検出装置は、回転部材の周方向に沿ってN極およびS極が交互に配列され、かつ、回転部材と一体的に回転可能に構成された環状の磁性体10と、磁性体10に対向して配置された磁気センサ20と、磁気センサ20からの出力信号に基づいて回転部材の回転を検出する制御回路とを備える。磁気センサ20は、回転部材の周方向に沿って配列された磁気検出素子22,24を含み、磁気検出素子22,24からの出力を差動増幅して制御回路に出力する。磁性体10は、幅広磁極5,6と幅狭磁極3,4とが連続する着磁パターンが少なくとも2つ繰り返されて成る。幅広磁極5,6の磁極幅の一部分には、反対磁極102,104がそれぞれ挿入される。
【選択図】図6

Description

この発明は、回転検出装置に関し、より特定的には、回転部材の回転を磁気エンコーダを用いて検出する回転検出装置に関する。
自動車の駆動軸などの回転部材の回転を検出するための回転検出装置として、たとえば特開2006−30091号公報(特許文献1)には、磁界を検出する検出手段に対して回転し、一対の磁極の幅狭ピッチと一対の磁極の幅広ピッチとが連続した着磁パターンを少なくとも2つ繰り返したトラックを有する磁気エンコーダが開示される。
これによれば、磁気エンコーダは、検出手段に対して回転する1つの環状部材である。トラックは、磁気エンコーダの環状の外周面に全周にわたって配置されており、N極、S極である磁極が周上交互に並んでいる。また、検出手段には、磁気センサが用いられる。磁気センサは、磁力を電気に変換する作用を利用したホール素子、MR素子(磁気抵抗効果素子)などから構成される。
特開2006−30091号公報において、トラックは、N極、S極の磁極の反転時の磁界変化をパルスとして、このパルス数を計数して回転速度の速度情報を割り出すとともに、磁気エンコーダの正転または逆転の回転方向を特定する情報を割り出すものである。
特開2006−30091号公報
しかしながら、特開2006−30091号公報に記載の磁気エンコーダにおいては、磁気センサに用いられるホール素子およびMR素子が、温度による出力のずれ、すなわち温度特性を有していることから、回転部材の回転を高精度に検出できないという問題が生じる。しかしながら、特開2006−30091号公報には、このような課題に対する記載はない。
それゆえ、この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、回転部材の回転を高精度に検出可能な回転検出装置を提供することである。
この発明のある局面に従えば、回転部材の回転を検出するための回転検出装置は、回転部材の周方向に沿ってN極およびS極が交互に配列され、かつ、回転部材と一体的に回転可能に構成された環状の磁性体と、磁性体に対向して配置された磁気センサと、磁気センサからの出力信号に基づいて、回転部材の回転を検出する制御回路とを備える。磁気センサは、回転部材の周方向に沿って配列された複数の磁気検出素子を含み、複数の磁気検出素子からの出力を差動増幅して制御回路に出力する。磁性体は、周方向に沿って第1の磁極幅を有するN極およびS極からなる第1の磁極対と、第1の磁極幅よりも狭い第2の磁極幅を有するN極およびS極からなる第2の磁極対と、各々が、第1の磁極対のN極およびS極の磁極幅の一部分に挿入された反対磁極とを含む。
好ましくは、反対磁極の磁極幅は、磁性体と磁気センサとの距離、複数の磁気検出素子間の距離および第1の磁極幅の少なくとも1つに応じて可変とされる。
好ましくは、反対磁極の挿入位置は、磁性体と磁気センサとの距離、複数の磁気検出素子間の距離および第1の磁極幅の少なくとも1つに応じて可変とされる。
好ましくは、磁性体は、第1の磁極対と第2の磁極対とが連続した着磁パターンが少なくとも2つ繰り返されて成る。
好ましくは、制御回路は、磁気センサからの出力信号に基づいて、磁性体の回転開始時の磁極を特定するとともに、回転開始後に磁性体の磁極が反転する際の磁界変化の数を5つ計数したときにおける磁界変化間の間隔時間を測定すると、特定した回転開始時の磁極および測定した間隔時間に基づいて、回転部材の回転方向を検出する。
この発明によれば、回転部材の回転を高精度に検出することができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
図1は、この発明の実施の形態に従う回転検出装置の一部斜視図である。なお、本実施の形態に従う回転検出装置は、たとえば車両の車輪用軸受装置に組み込まれ、アンチロックブレーキ装置における車輪の回転を検出する回転検出装置として用いられる。
図1を参照して、回転検出装置は、図示しない回転軸に取付けられた磁気エンコーダ1と、磁気エンコーダ1の磁気を検出するための磁気センサ20と、磁気センサ20からの出力信号に基づいて回転軸の回転状態を検出する制御回路40とを備える。
磁気エンコーダ1は、周方向に沿ってN極とS極とが交互に配列された円環状の磁性体10を有する。磁性体10は、たとえば磁性粉末を含有するゴム材の成型体からなり、図示しない補強用円環状芯金の外面に貼着一体とされることにより構成されている。磁性体10は、この芯金を介して回転軸に固着されている。これにより、磁性体10は、回転軸と一体的に回転する。
磁気センサ20は、磁性体10の外周面に所定のエアギャップを隔てて対向して設けられ、磁性体10の磁極の変化を検出する。このとき磁気センサ20は、検出した磁性体10の磁極の変化を、後述する制御構造に従ってH(論理ハイ)レベルおよびL(論理ロー)レベルの2値からなるパルス信号に変換する。そして、磁気センサ20は、その変換したパルス信号を制御回路40へ出力する。
制御回路40は、磁気センサ20からのパルス信号に基づいて、回転軸の回転速度および回転方向(正転か逆転か)を検出する。すなわち、制御回路40は、パルス信号のパルス数を計数することにより回転軸の回転速度を検出するとともに、後述する方法に従って回転軸の回転方向を検出する。
本実施の形態において、磁気センサ20は、磁性体10の円周方向に沿って配列された2個のホール素子22,24を含んでいる。2個のホール素子22,24は、車輪用軸受装置のハウジングなどに固定されたセンサホルダ内に埋め込まれており、素子間に所定の間隔を有する。そして、磁気センサ20は、図2に示すように、ホール素子22,24の各々に発生するホール電圧の差動出力に応じたパルス信号を出力する。
図2は、図1における磁気センサ20の概略構成図である。
図2を参照して、磁気センサ20は、ホール素子22,24と、増幅器26,28と、差動増幅回路30と、A/D(Analog to Digital)変換器32とを含む。
ホール素子22,24は、ホール効果を利用して磁界を検出する磁電変換素子であって、半導体基板上に4つの端子を設けて形成されたものである。ホール効果は、制御電流を半導体基板に流し、制御電流と垂直な方向に磁界を加えると、制御電流と磁界とに垂直な方向に電位差が発生する現象をいう。また、このときの電位差をホール電圧という。ホール素子22,24は、印加された磁界の強さに比例したホール電圧VH1,VH2を、増幅器26,28へそれぞれ出力する。
増幅器26は、ホール素子22に発生したホール電圧VH1を増幅して差動増幅回路30の一方の入力端子である正入力端子へ出力する。増幅器28は、ホール素子24に発生したホール電圧VH2を増幅して差動増幅回路30の他方の入力端子である負入力端子へ出力する。
差動増幅回路30は、増幅器26,28からそれぞれ入力されたホール電圧VH1,VH2の電圧差を取得し、その取得した電圧差を表わす信号(差動出力)をA/D変換器32へ出力する。
A/D変換器32は、差動増幅回路30からの差動出力を、予め設定された所定の基準電圧と比較することにより、信号レベルがHとLとの間を遷移するパルス信号に変換する。変換されたパルス信号は制御回路40(図1)へ与えられる。
このように、本実施の形態では、磁気センサ20を2個のホール素子22,24で構成し、ホール素子22,24の差動出力を用いて出力信号を生成することから、個々のホール素子22,24におけるホール電圧VH1,VH2の温度特性をホール素子間で相殺することができる。その結果、磁気センサ20を単一のホール素子で構成した場合と比較して、磁気センサ20の磁気検出精度を高めることができる。
図3は、図1における磁性体10の展開図である。
図3を参照して、磁性体10において、N極およびS極は不等ピッチで交互に配列されている。具体的には、磁性体10は、0〜90°、90°〜180°、180°〜270°、270°〜360°の各90°間隔で、周方向に沿う磁極幅が相対的に狭い一対の磁極3,4と、周方向に沿う磁極幅が相対的に広い一対の磁極5,6とを有しており、それらが90°ごとに繰り返されている。以下では、磁極幅が相対的に狭い磁極3,4を単に「幅狭磁極」とも称し、磁極幅が相対的に広い磁極5,6を単に「幅広磁極」とも称する。本実施の形態では、90°間隔の一対の幅狭磁極3,4および一対の幅広磁極5,6において、N極の幅狭磁極3の磁極幅をP1、S極の幅狭磁極4の磁極幅をP2、N極の幅狭磁極5の磁極幅をP3、およびS極の幅広磁極6の磁極幅をP4と定めると、P1=P2<P3=P4となる関係が成立する。
なお、P1〜P4の関係は、本実施の形態での上記式に限定されるわけではなく、P1≒P2≪P3≒P4の関係式を満たしていれば良い。また、一対の幅狭磁極3,4と一対の幅広磁極5,6とが連続した着磁パターンを繰り返す数は、少なくとも2つ以上であればよく、本実施の形態の4つの繰り返しに限定されるものではない。
磁気センサ20(図1)は、図3のような着磁パターンを有する磁性体10の外周面の外方から磁性体10の磁極の変化を検出する。図4に、磁気センサ20からの出力信号を示す。
図4を参照して、磁気センサ20の出力信号は、N極をHレベルとし、S極をLレベルとする一定の信号パターンが、90°間隔で周期的に繰り返される波形となる。本実施の形態では、回転開始時の磁極を特定し、かつ、回転開始後に磁性体10の磁極が反転する際の磁界変化のパルス数を5つ計数したときにおける、磁極が反転する際の磁界変化パルス間の間隔時間を測定することで、正転または逆転の回転方向を判別することができる。
以下に、本実施の形態に従う回転検出装置における正転または逆転の回転方向を検出する方法について説明する。なお、回転方向の検出は、磁気センサ20から図4に示す出力信号を受けた制御回路40が、予め格納されている所定のプログラムを実行することで実行される。なお、以下に示す処理のうちの一部または全部が、ハードウェアによって実現されてもよい。
最初に、制御回路40は、回転開始時の磁極を特定する。N極をHレベルとし、S極をLレベルとすることから、図4に示した回転開始位置を示すA,B,C,Dでは、AがHレベル、BがLレベル、CがHレベル、DがLレベルと特定される。
なお、図4のA,B,C,Dの点は、磁性体10のどこから回転が開始されても、回転開始時の位置がA〜Dのいずれかに分類されるため、4つに特定したものである。すなわち、AはN極の幅狭磁極3からの回転開始位置、BはS極の幅狭磁極4からの回転開始位置、CはN極の幅広磁極5からの回転開始位置、DはS極の幅広磁極6からの回転開始位置を示す。
次に、制御回路40は、回転開始後の磁性体10の磁極が反転する際の磁界変化のパルスの1番目と2番目との間隔時間をT1、同じく2番目と3番目との間隔時間をT2、同じく3番目と4番目との間隔時間をT3、同じく4番目と5番目との間隔時間をT4として、磁界変化のパルス間の間隔時間を測定する。たとえば、図4のA点から回転方向を正転として回転し始めた場合には、間隔時間T1〜T4は図4に示すようになる。なお、T1〜T4は、正転、逆転のどちらでも同じように測定される。
そして、制御回路40は、間隔時間T1〜T4の測定結果に基づいて、T1とT3との時間の長短を比較し、かつ、T2とT4との時間の長短を比較する。たとえば、図4のA点から回転方向を正転として回転し始めた場合には、T1<T3、T2>T4となる。
このようにして、制御回路40は、回転開始時の磁極を特定するとともに、間隔時間T1,T3の比較結果および間隔時間T2,T4の比較結果を取得すると、これら3つのパラメータの組合せを、予め設定されている該3つのパラメータとA〜Dの開始位置での回転方向との対応関係を照合させることにより、正転または逆転の回転方向を検出する。
以上のように、本実施の形態に従う回転検出装置によれば、上記3つのパラメータを取得することにより、容易に回転方向を検出することができる。
しかしながら、その一方で、磁気センサ20からの出力信号を、2個のホール素子22,24の差動出力に基づいて生成する構成したことにより、以下に述べる現象に起因して、間隔時間T1〜T4を正確に測定できないという不具合が生じてしまう。その結果、回転方向の検出が困難となる。
図5は、磁気センサ20における差動出力と出力信号との関係を示す図である。
図5を参照して、磁気センサ20は、所定のエアギャップを隔てて磁性体10に対向して配置されている。そして、この磁気センサ20において、2個のホール素子22,24は、磁性体10の周方向に沿って所定の間隔を隔てて配列されている。
ホール素子22,24は、回転軸の回転に伴なって磁性体10が回転すると、その磁性体10の磁極の変化に応じたホール電圧VH1,VH2をそれぞれ発生する。これにより、差動増幅回路30(図2)からは、ホール電圧VH1,VH2の電圧差(=|VH1−VH2|)に対応する差動出力が出力される。
この差動出力は、図5に示すように、磁性体10の磁極が反転するタイミングで最大となる一方で、磁極の中心部がホール素子22,24から略等距離に位置するタイミングで零電圧を通過している。これは、磁極が反転するタイミングでは、ホール電圧VH1,VH2の正負が異なるために電圧差が大きくなるのに対して、磁極の中心部が各ホール素子から略等距離に位置するタイミングでは、ホール電圧VH1,VH2が略同じとなるため電圧差が略零となるためである。
ここで、磁気センサ20が幅狭磁極3,4の磁気を検出しているときと、幅広磁極5,6の磁気を検出しているときとでは、所定の基準電圧+Vth,−Vthで囲まれた電圧範囲(以下、単に「基準電圧範囲」とも称する)を通過するときの差動出力の様相が異なっていることが分かる。なお、所定の基準電圧+Vth,−Vthは、A/D変換器32(図2)が、差動出力をパルス信号に変換するときに比較対象として用いる電圧である。
詳細には、幅狭磁極3,4の磁気を検出しているときの差動出力は、基準電圧範囲内での変化が急峻であるのに対して、幅広磁極5,6の磁気を検出しているときの差動出力は、図中の領域RGN1に示すように、基準電圧範囲内での変化が緩やかとなっている。
なお、このような差動出力の様相は、磁気センサ20および磁性体10間のエアギャップ、磁気センサ20におけるホール素子22,24間の距離、および幅広磁極5,6の磁極幅に応じて様々に変化する。たとえば幅広磁極5,6の磁極幅が広くなるほど、差動出力の変化は緩やかとなる。また、ホール素子間の距離が短くなるほど、差動出力の変化は緩やかとなる。
そして、基準電圧範囲内での差動出力の変化が緩やかとなることに起因して、差動出力に基づいて生成される出力信号(パルス信号)は、回転方向が正転の場合と逆転の場合とでパルス周期が一致しないという不具合が生じてしまう。
具体的には、出力信号は、差動出力と基準電圧+Vth,−Vthとを比較した結果に基づいて生成される。図5に示すように、回転方向が正転の場合には、差動出力が基準電圧+Vthを超えたタイミングt1,t3,t5で出力信号がLレベルからHレベルに立上がり、差動出力が基準電圧−Vthを下回ったタイミングt2,t4,t6で出力信号がHレベルからLレベルに立下がる。
これに対して、回転方向が逆転の場合には、差動出力が基準電圧+Vthを超えたタイミングt12,t14,t16で出力信号がLレベルからHレベルに立上がり、差動出力が基準電圧−Vthを下回ったタイミングt11,t13,t15で出力信号がHレベルからLレベルに立下がる。
このようにして生成された出力信号を比較すると、正転と逆転とでは、同じ磁極に対応する出力信号のパルス幅が異なっていることが分かる。たとえばS極の幅広磁極6を示すLレベルの出力信号は、正転方向ではタイミングt2からタイミングt3までの期間をパルス幅とするのに対して、逆転方向ではタイミングt15からタイミングt16までの期間をパルス幅としており、両者が一致していないことが明らかである。
この結果、正転と逆転とでは出力信号のパルス周期が異なることから、出力信号に基づいて図4に示した間隔時間T1〜T4をもはや正確に測定することができない。したがって、上述した方法によって回転方向を検出することが困難となる。
そこで、このような不具合を解消するために、本実施の形態に従う回転検出装置では、図6に示すように、磁性体10の着磁パターンにおいて、幅広磁極の磁極幅の一部分に反対磁極を挿入する構成とする。
図6は、本発明の実施の形態に従う磁性体の着磁パターンと磁気センサ20における差動出力および出力信号との関係を示す図である。
図6を参照して、磁性体10において、N極の幅広磁極5にはS極の磁極102が挿入される。また、S極の幅広磁極6にはN極の磁極104は挿入される。
この磁性体10が回転したときの磁極の変化に応じて差動増幅回路30(図2)から出力される差動出力を、図5に示す差動出力と比較する。いずれの差動出力も磁性体10の磁極が反転するタイミングで最大となる点で一致している。その一方で、図6に示す差動出力では、差動出力の変化が緩やかとなる領域(たとえば図中の領域RGN2に相当)が、基準電圧−Vthよりも低電圧側、または基準電圧+Vthよりも高電圧側にオフセットされていることが分かる。
これにより、図6においては、磁気センサ20が幅狭磁極3,4の磁気を検出しているときと、幅広磁極5,6の磁気を検出しているときとで、基準電圧範囲内での差動出力の様相が等しくなる。すなわち、幅狭磁極3,4の磁気を検出しているときの差動出力および幅広磁極5,6の磁気を検出しているときの差動出力は、ともに基準電圧範囲内での変化が急峻となっている。
したがって、この差動出力に基づいて生成される出力信号(パルス信号)は、図6に示すように、正転と逆転とで、同じ磁極に対応する出力信号のパルス幅が略一致することとなる。これにより、出力信号のパルス周期が正転と逆転とで略一致することから、出力信号に基づいて間隔時間T1〜T4を正確に測定することができる。この結果、上述した方法によって回転方向を容易かつ正確に検出することが可能となる。
ここで、幅広磁極5,6に挿入される反対磁極102,104の磁極幅および挿入位置については、磁気センサ20および磁性体10間のエアギャップ、ホール素子22,24間の距離、および幅広磁極5,6の磁極幅に応じて可変とする。すなわち、反対磁極102,104の磁極幅および挿入位置は、予め設定されている磁気センサ20および磁性体10間のエアギャップ、ホール素子22,24間の距離および幅広磁極5,6の磁極幅に対して、図6に示すような理想的な差動出力が得られるように、実験もしくは磁場解析シミュレーションによって最適化される。
以上のように、この発明の実施の形態によれば、磁気センサの検出精度を向上させたことに併せて、磁気センサの構成を考慮して磁性体の着磁パターンを最適化したことにより、回転部材の回転を高精度に検出することができる。
なお、本実施の形態では、磁気センサをホール素子で構成した場合について例示したが、本願発明は、磁気センサが磁性体の磁極の変化を検出する磁気検出素子で構成された回転検出装置について広く適用できることは自明である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施の形態に従う回転検出装置の一部斜視図である。 図1における磁気センサの概略構成図である。 図1における磁性体の展開図である。 磁気センサからの出力信号を示す図である。 磁気センサにおける差動出力と出力信号との関係を示す図である。 この発明の実施の形態に従う磁性体の着磁パターンと磁気センサにおける差動出力および出力信号との関係を示す図である。
符号の説明
1 磁気エンコーダ、3,4 幅狭磁極、5,6 幅広磁極、10 磁性体、20 磁気センサ、22,24 ホール素子、26,28 増幅器、30 差動増幅回路、32 A/D変換器、40 制御回路、102,104 反対磁極。

Claims (5)

  1. 回転部材の回転を検出するための回転検出装置であって、
    前記回転部材の周方向に沿ってN極およびS極が交互に配列され、かつ、前記回転部材と一体的に回転可能に構成された環状の磁性体と、
    前記磁性体に対向して配置された磁気センサと、
    前記磁気センサからの出力信号に基づいて、前記回転部材の回転を検出する制御回路とを備え、
    前記磁気センサは、前記回転部材の周方向に沿って配列された複数の磁気検出素子を含み、前記複数の磁気検出素子からの出力を差動増幅して前記制御回路に出力し、
    前記磁性体は、
    周方向に沿って第1の磁極幅を有するN極およびS極からなる第1の磁極対と、
    前記第1の磁極幅よりも狭い第2の磁極幅を有するN極およびS極からなる第2の磁極対と、
    各々が、前記第1の磁極対のN極およびS極の磁極幅の一部分に挿入された反対磁極とを含む、回転検出装置。
  2. 前記反対磁極の磁極幅は、前記磁性体と前記磁気センサとの距離、前記複数の磁気検出素子間の距離および前記第1の磁極幅の少なくとも1つに応じて可変とされる、請求項1に記載の回転検出装置。
  3. 前記反対磁極の挿入位置は、前記磁性体と前記磁気センサとの距離、前記複数の磁気検出素子間の距離および前記第1の磁極幅の少なくとも1つに応じて可変とされる、請求項1に記載の回転検出装置。
  4. 前記磁性体は、前記第1の磁極対と前記第2の磁極対とが連続した着磁パターンが少なくとも2つ繰り返されて成る、請求項1〜3のいずれかに記載の回転検出装置。
  5. 前記制御回路は、前記磁気センサからの出力信号に基づいて、前記磁性体の回転開始時の磁極を特定するとともに、回転開始後に前記磁性体の磁極が反転する際の磁界変化の数を5つ計数したときにおける磁界変化間の間隔時間を測定すると、特定した回転開始時の磁極および測定した前記間隔時間に基づいて、前記回転部材の回転方向を検出する、請求項4に記載の回転検出装置。
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