JP2010006705A - Her2サブセット - Google Patents

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Abstract

【課題】HER2の細胞外ドメイン2および3からの37以下の連続アミノ酸残基のサブセット、特にアミノ酸配列LQVFおよび/またはESFDGDを含むサブセットと選択的に相互作用できる親和性リガンドの提供。
【解決手段】ブドウ球菌プロテインAおよびそのドメイン、リポカリン、アンキリンリピートドメイン、セルロース結合ドメイン、γクリスタリン、緑色蛍光タンパク質、ヒト細胞毒性Tリンパ球関連抗原4、プロテアーゼ阻害剤、PDZドメイン、ペプチドアプタマー、ブドウ球菌ヌクレアーゼ、テンダミスタット、フィブロネクチンIII型ドメインおよびジンクフィンガーからなる群から選択される骨格に由来するタンパク質リガンド。
【選択図】なし

Description

本発明は一般に、細胞外ドメインHER2のアミノ酸サブセット、かかるサブセットを標的とする抗体、および関連する方法および使用、例えば、治療方法および使用に関する。
HER2
ヒト上皮増殖因子受容体2(HER2またはerbB-2)は、膜貫通受容体チロシンキナーゼのファミリーである、上皮増殖因子受容体ファミリー(EGFR、HER2、HER3、HER4)のメンバーである。これらの受容体は、全体的に40-50%の配列同一性を有し、同様のドメインを有する。それらは全て、細胞外リガンド結合ドメイン、単一の、膜を貫通する部分、および細胞内チロシンキナーゼおよび調節ドメインを含む。
HER2関連障害
上皮増殖因子受容体ファミリーのメンバーは、様々な癌の種類、例えば、上皮性悪性腫瘍における腫瘍細胞増殖を促進することが分かっている。HER2は様々なヒト細胞腫において研究されており、多数の腫瘍において、特に乳腺、肺、膵臓および結腸直腸癌、およびウィルムス腫瘍において、さらに卵巣、膀胱、子宮内膜、腎臓、頭頸部、胃、食道および前立腺癌において、上方制御されることが見出されている(Menard et al (2001) Annals of Oncology 12 (Suppl. 1) S15-S19。

癌は、西欧諸国における疾患および死亡の最も一般的な要因のひとつである。一般に、ほとんどの型の癌において、罹患率は年齢と共に増加する。一般健康状態の向上によりヒト集団はより長い生存を続けているので、癌はより多くの個体に影響し得る。最も一般的な種類の癌の要因は依然として大部分は未知であるが、環境要因(食事、タバコの煙、UV照射など)ならびに遺伝的要因(「癌遺伝子」、例えば、p53、APC、BRCA1、XPなどにおける生殖細胞系列変異)と、癌発症の危険性との連関が認識されている個体が増加している。
癌は本質的に細胞疾患であり、網状の細胞成長および非社会的挙動を行う形質転換細胞集団として定義されてはいるものの、癌の定義は細胞生物学的観点から全く十分になされていない。悪性の形質転換は、不可逆的な遺伝子の変化に基づく悪性表現型への移行を表す。これは公式には立証されていないが、悪性の形質転換は、1つの細胞において起こり、後にそれを起源として腫瘍が発生すると考えられている(「癌のクローン性」ドグマ)。発癌とは癌が生じる過程であり、一般に、最終的に悪性腫瘍の成長を引き起こす複数の事象を含むと理解されている。この複数段階の過程は、いくつかの律速段階、例えば、突然変異の付加およびおそらくエピジェネティックな事象も含み、前癌性増殖の段階の後の癌形成を引き起こす。この段階的な変化において、細胞分裂、非社会的挙動および細胞死を決定する重要な調節経路におけるエラー(突然変異)の蓄積が起こる。これらのそれぞれの変化により、周囲の細胞と比較して、成長においてダーウィン的な選択優位性が与えられ、これにより腫瘍細胞集団の網状の成長が起こり得る。悪性腫瘍は必然的に、形質転換した腫瘍細胞自身だけでなく、支持的な間質として働く周囲の正常細胞も構成要素となる。この動員された癌間質は、形質転換した腫瘍細胞に、継続する腫瘍成長に必要なシグナルを供給するよう協力して作用する、結合組織、血管および様々な他の正常細胞、例えば、炎症細胞からなる。
最も一般的な形態の癌は体細胞に起こり、主に、上皮由来、例えば、前立腺、乳腺、大腸、尿路上皮および皮膚性であり、後に造血系を起源とする癌、例えば、白血病およびリンパ腫、神経外胚葉、例えば、悪性神経膠腫、および軟部組織腫瘍、例えば、肉腫が起こる。
乳癌
乳癌は、2番目に最も一般的な形態の世界的な癌であり、圧倒的に女性において最も頻繁に起こる癌である。Parkinらが表したGLOBOCAM 2002データベースのデータにより、2002年には115万の新しい症例が、および同期間に41万の死亡例が明らかにされている(Parkin DM et al. (2005) CA Cancer J Clin 55, 74-108)。早期の段階に発見された場合、予後は、先進国で生活する患者において比較的良好であり、一般に発展途上国の57%に対して73%の5年生存率を有する。罹患率は緩やかに増加しており、先進諸国の女性の約9人に1人が寿命中に乳癌になると考えられている。外来性ホルモンへの曝露を含む、雌性ステロイドホルモンに関する生活様式の変化は、乳癌の発症の危険性に影響するが、これらの要因は病因のほんの一部分を占めるに過ぎず、予防処置の利益は低いと考えられている。死亡率の減少は、マンモブラフィー検診による早期発見および現代の全身的補助(adjuvant)療法の使用によるものである。
癌の処置および治療
癌の処置には、例えば、手術、放射線治療、化学療法、標的療法、免疫治療、ホルモン療法および血管新生阻害剤が含まれる。
標的療法の例は治療用抗体による処置(抗体治療)であり、例えば選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)や通常全身的処置である化学療法とは対照的に、腫瘍細胞を標的とするので魅力的な方法であり得る。
乳癌の処置
乳房保存手術と術後放射線治療を組み合わせた乳房保存治療は、1970年代後期に導入されてから、女性が主に選択する処置となっており、腫瘍の根本的な切除と良好な美容的仕上がりが両立できる。それでもやはり、乳房切除術は、一部の患者、すなわち小さな乳房に大きな腫瘍(>4 cm)を有する、または多巣性/多中心性疾患を有する女性において好ましい。
腋窩切開は主に診断目的に行われ、少なくとも10のリンパ節の摘出により感度97-98%の良好な病期ガイダンスが得られる(Axelsson CK et al. (1992) Eur J Cancer 28A:1415-8;Recht A and Houlihan MJ (1995) Cancer 6(9):1491-1512)。しかしながら、原発性癌の処置において最小の手術を方向性とする次の段階は、高率で合併症を伴う腋窩リンパ節摘出の代わりに腋窩リンパ節のマッピングを行うセンチネルリンパ節の生検技術の導入であった。この技術は、乳腺から腋窩へのほとんどのリンパ排液ははじめに1つ(または数個)のリンパ節(センチネルリンパ節)を通過するという、このリンパ節の分析が腋窩リンパ節の状態の十分な指標となり得ることを支持する知見の結果として導入された(Veronesi U et al. (2003) New Engl J Med 349 (6) : 546-53)。
全身的疾患としての乳癌、すなわち、局所領域治療後に処置の失敗を意味し得る、診断時に散在する微小転移の存在としての乳癌の概念は、1970年代に、内分泌療法および化学療法を含む、補助的な無作為的試行の道を開いた。補助的な多剤化学療法は、リンパ節の状態に関係なく再発の危険性の高いホルモン受容体陰性患者に対する標準的な処置である。全生存率および無再発生存率の両方に対する有利な効果が、特に閉経前の患者において実証されている(EBCTCG (1998) Lancet 352(9132): 930-42)。ホルモン応答性疾患、すなわち、エストロゲン受容体(ER)および/またはプロゲステロン受容体(PR)陽性疾患を有する患者に対して、補助的多剤化学療法は、内分泌療法と組合せて、連続的な化学-内分泌療法として行われてきた。また、補助的化学療法は一般に無月経を誘発し、細胞毒性に加えて内分泌の副次的影響を引き起こす(Pagani O et al. (1998) Eur J Cancer 34(5):632-40)。
内分泌治療は、年齢、段階および閉経期状態に関係なく、ホルモン受容体陽性腫瘍を有する患者に推奨されている。
閉経期前のホルモン応答性の患者において、手術または放射線照射による卵巣の消失、またはLHRHアゴニストによる卵巣の抑制は、効果的な補助的処置の様式である(Emens LA and Davidson NA (2003) Clin Ca Res (1 Pt 2): 468S-94S)。閉経後の患者において、エストロゲンの主な供給源は卵巣における合成からではなく乳腺を含む末端組織におけるアンドロステンジオンからエストロンおよびエストラジオールへの変換からであるので、卵巣の消失には意味がない。
タモキシフェンはERに対してアゴニスト効果を有する選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)であり、そのため閉経前および閉経後の女性における進行性乳癌に対する処置に適している。最初の手術の後の補助的処置としてタモキシフェンを5年間用いると、 ER陽性(ER+)腫瘍を有する患者の乳癌死亡率が、リンパ節の状態に関係なく、明らかに減少する(EBCTCG (1998) Lancet 351(9114):1451-67)。タモキシフェンは心臓脈管疾患に対して保護的な効果を有する一方、子宮内膜のERに対するアゴニスト効果のために子宮内膜の癌が発症する危険性が増大する(EBCTCG (2005) Lancet 365(9472):1687-717)。
アロマターゼ阻害剤(AI)はアロマターゼを阻害することにより機能し、この酵素はアンドロゲンをエストロゲンに変換する。AIは、視床下部および脳下垂体を通して、アンドロゲンの産生を増大するよう卵巣を刺激するので、閉経前の女性の処置に適していない。AIは、閉経後の女性に対する補助的処置として、単独にてまたはタモキシフェン処置の後に用いることができ、死亡率を顕著に減少させることを示しており、おそらく単独で用いるとなお減少するであろう(Howell A et al. (1995) Lancet 345(8941):29-30; Ellis MJ and Rigden CE (2006) Curr Med Res Opin 22(12):2479-87;Coates AS et al. (2007) J Clin Oncol 25(5):486-92)。しかしながら、この治療は比較的新しく、長期の副作用は未だ完全には知られていないが(Buzdar A et al. (2006) Lancet Oncol 7(8):633-43)、最も重要なものは心臓脈管の合併症および骨粗しょう症である。
新しく開発された純粋な抗エストロゲン薬、例えば、ERを完全にブロックするフルベストラントは、現在、進行性乳癌のみに用いられ、補助療法には用いられていない(Rutqvist LE (2004) Best Pract Res Clin Endocrinol Metab 18(1): 81-95)。
補助的な内分泌療法はホルモン受容体陰性の乳癌においては意味がないが、いくつかの研究では、いくつかのER陰性の(ER−)、すなわちERα陰性の(ERα−)腫瘍がタモキシフェン処置に反応することが示されている(EBCTCG (1998) Lancet 351:1451-1467)。
Her2遺伝子は、全ての乳癌の約20%に、および低分化性の乳癌の70%までにおいて過剰発現している(Berger MS et al. (1988) Cancer Res 48(5):1238-43; Borg A et al. (1990) Cancer Res 50(14): 4332-7)。HER2の状態は主にIHCによってルーチン的に評価され得、中程度の発現の場合は、遺伝子増幅の状態は蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)分析により測定され得る。HER2の過剰な発現または遺伝子増幅は一般に、予後不良と関係する。HER2の過剰発現と内分泌療法に対する耐性の関係を支持する実験データが示されている(Shou J et al. (2004) J Natl Cancer Inst 96(12):926-35)。しかしながら、臨床データは一貫していない(Borg A et al. (1994) Cancer Lett 81(2):137-44、De Placido S et al. (2003) Clin Ca Res 9(3):1039-46、Ryden L et al. (2005) J Clin Oncol 23(21):4695-704)。
乳癌は全く不均一な疾患であり、その性質の理解は進んでいるにもかかわらず、利用可能な処置の選択肢は未だ完全には満足されていない。
発明の開示
本発明の一局面の目的は、HER2の細胞外ドメインからのアミノ酸残基のサブセットを提供することである。本発明の他の局面の目的は、そのサブセットと相互作用することができる親和性リガンド、およびかかる親和性リガンドを含む組成物を提供することである。本発明の特定の他の局面のさらなる目的は、そのサブセットを標的、例えば治療のための標的として利用する使用および方法を提供することである。
本発明は添付の特許請求の範囲によって規定する。
従って、本発明の第一の局面として、HER2の細胞外ドメイン2および3(配列番号7)からの37以下の連続アミノ酸残基のサブセットと選択的に相互作用することができる親和性リガンドを提供する。ここでそのサブセットはアミノ酸配列LQVF(配列番号8)および/またはESFDGD(配列番号9)を含む。
本明細書の開示の文脈において、「HER2の細胞外ドメイン2および3」は、配列番号9のアミノ酸残基からなるHER2配列の一部を意味する。
さらに、本明細書の開示のにおいて、「HER2の細胞外ドメイン2および3からの連続アミノ酸残基」は、配列番号9のアミノ酸配列の連続的な部分を意味する。
また、本明細書の開示の文脈において、「アミノ酸のサブセットとの選択的相互作用」は、サブセットに含有されるアミノ酸との選択的相互作用を意味する。例えば、アミノ酸のサブセットと選択的に相互作用することができる親和性リガンドは、サブセットのアミノ酸からなるフラグメントと選択的に相互作用可能であり得、そのフラグメントは、溶液中に遊離してまたは固定化されて、例えばビーズに結合して存在し得る。また、かかるフラグメントは相互作用の検出のためのレポーター部分と結合していてもよい。別の例として、「アミノ酸のサブセットと選択的に相互作用することができる親和性リガンド」は、サブセットがより長いポリペプチドに含まれる場合を意味し得、ただし、親和性リガンドはサブセットのアミノ酸残基と相互作用し、周辺アミノ酸残基とは相互作用しないことが確認されていることを条件とする。
本明細書の開示の文脈において、例えば親和性リガンドの、その標的または抗原との、「特異的」または「選択的」相互作用は、その相互作用が、特異的相互作用と非特異的相互作用との区別、または選択的相互作用と非選択的相互作用との区別が意味のあるものとなるようなものであることを意味する。2つのタンパク質間の相互作用は、場合により解離定数により測定される。解離定数は2分子間の結合(または親和性)の強さを表す。典型的には、抗体とその抗原間の解離定数は10-7〜10-11 Mである。しかしながら、高特異性には必ずしも高親和性が必要ではない。相手方に対して(モーラー範囲の)低親和性の分子は、非常に高い親和性を有する分子と同程度に特異的であることが示されている。本発明の場合には、特異的または選択的相互作用は、天然または加工された生物学的液体の組織サンプルまたは液体サンプル中の他のタンパク質の存在下において、与えられた条件下にて、特異的タンパク質、標的タンパク質またはそのフラグメントの存在および/または量を決定するのに、特定の方法を用いることができる程度を意味する。言い換えると、特異性または選択性は、関連するタンパク質同士を区別する能力である。特異的および選択的は、場合により、本明細書において互換的に用いられる。例えば、抗体の特異性または選択性は、タンパク質アレイ機構およびウェスタンブロットをそれぞれ用いて分析を行う下記の実施例の4節におけるように決定し得る。特異性および選択性の決定は、Nilsson P et al. (2005) Proteomics 5:4327-4337にも記載されている。
この本発明の第一の局面は、HER2の細胞外ドメイン2および3内のアミノ酸配列からなるポリペプチド、特に配列LQVF(配列番号8)および/またはESFDGD(配列番号9)を含むポリペプチド、と結合する親和性リガンドが、ヒト乳癌細胞に対する増殖阻害効果を有することを本発明者らが発見したことに基づいているが、これに限定されない。
26アミノ酸(配列番号16)、およびより短いフラグメントのポリペプチドフラグメントが、増殖阻害効果を示す抗体と相互作用することが見出された。
従って、この第一の局面の実施形態において、本サブセットは30アミノ酸以下、例えば、26アミノ酸残基以下からなり得る。さらに、本サブセットは、例えば、21アミノ酸残基以下、例えば、16アミノ酸残基以下、例えば、12アミノ酸残基以下、例えば、9アミノ酸残基以下、例えば、8アミノ酸残基以下からなり得る。
親和性リガンドとサブセット間の十分な相互作用には、いくつかの場合、様々な長さのアミノ酸配列を必要とし得る。従って、この第一の局面の実施形態において、サブセットは、6アミノ酸以上、例えば、8アミノ酸以上、例えば、10アミノ酸以上からなり得る。
下記の実施例に示すように、増殖阻害効果を有する抗体を産生する免疫化は、C末端の最後の4アミノ酸がLQVFである抗原(配列番号1)を用いて行った。従って、この第一の局面の実施形態において、サブセットが配列LQVFを含む場合、そのサブセットはLQVFのC末端側に2アミノ酸以下を有する、例えば、LQVFのC末端側にアミノ酸を有さない。
多くのフラグメント(配列番号11および15-20)は、増殖阻害効果を示す抗体、すなわちmsAb-Cと相互作用することが見出された(実施例、3節を参照)。従って、この第一の局面の実施形態において、本サブセットは配列番号11および15-20からなる群から選択され得る。
この第一の局面のさらなる実施形態において、本サブセットは配列LQVFを含み得る。かかる実施形態において、本サブセットは配列番号16および20からなる群から選択され得る。配列番号16および20はLQVFを含む。
この第一の局面の他の実施形態において、本サブセットは配列ESFDGDPを含み得る。かかる実施形態において、本サブセットは配列番号11および15-19からなる群から選択され得る。配列番号11および15-19はESFDGDPを含む。
この第一の局面の実施形態において、本サブセットは配列PESFDGD(配列番号10)またはLPESFDGD(配列番号11)を含み得る。
この第一の局面の実施形態において、本サブセットは配列番号6のアミノ酸1-37の配列であり得る。
下記の実施例の5節にてさらに説明されているように、本発明者らは、本発明の抗体が乳癌の増殖を阻害し得ることを見出した。従って、この第一の局面の実施形態において、親和性リガンドは培養物中においてヒト乳癌細胞の増殖を阻害し得る。例えば、本親和性リガンドは、HER2の細胞外ドメインと選択的に相互作用することができない親和性リガンド、例えばHER2の細胞内ドメインと選択的に相互作用することができる抗体、に対して、培養物中におけるヒト乳癌細胞の増殖を20-100%、例えば、30-100%阻害し得る。かかる相対的な増殖阻害の値を得る測定を実施すること、およびかかる測定を特定の場合に適合させることは、当業者の能力の範囲内である。
例として、相対的な阻害の測定は、特定の濃度の本親和性リガンドを、ヒト乳癌細胞、例えば、BT474乳癌細胞の第1培養物に加え、そしてHER2の細胞内ドメインと選択的に相互作用することができる同じ濃度の抗体、例えば、HPA001383(Atlas Antibodies、Sweden)を、同じ種類のヒト乳癌細胞の第2培養物に加えることにより行うことができる。特定の時間、例えば、4日間インキュベーションした後、それぞれの培養物中の細胞数を計測する。第2の培養物中の細胞数は参照数とみなし、本親和性リガンドの増殖阻害値を、その参照値に対して計算する。つまり、参照値が100細胞であり、第1の培養物が70細胞を含有する場合、増殖阻害は(100-70)/100=30%である。下記の実施例の5節も参照のこと。
従って、ヒト乳癌細胞は、例えばBT474乳癌細胞であり得る。さらに、増殖阻害は、例えば500 ng/mlの濃度における増殖阻害であり得る。
下記の実施例の4cおよび4e節にさらに説明しているように、本発明者らは、本発明の抗体が低濃度にてそれらの標的と結合し得ることを見出した。従って、この第一の局面の実施形態において、本親和性リガンドは、100 nM未満、例えば、50 nM未満、例えば、20 nM未満、例えば、10 nM未満のEC50にてサブセットと結合し得る。かかるEC50の測定は、例えば下記の実施例の4cおよび4e節に従って行うことができる。
この第一の局面の実施形態において、本親和性リガンドは抗体またはそのフラグメントまたは誘導体であり得る。かかる抗体は例えば本明細書の実施例に従って作製することができる。
この第一の局面による親和性リガンドの例は下記に示す(「親和性リガンド」)。
第一の局面の第一の形態として、医薬として使用するための第一の局面による親和性リガンドを提供する。
HER2の過剰発現を特徴とする多数の障害が存在し、HER2の細胞外ドメインと結合する親和性リガンドは、かかる障害の進行を処置するまたは進行に影響を与えるための医薬として用いられ得る。
従って、第一の局面の第二の構成として、HER2の過剰発現を特徴とする障害を有する、または有する疑いのある哺乳類対象の処置のための、第一の局面による親和性リガンドを提供する。第一の局面における、HER2の過剰発現を特徴とする種々の障害の例は下記に記載している(「HER2障害」)。
抗HER2抗体により処置される癌患者において、その癌はしばしば抗HER2抗体に対して耐性を生じることが報告されている。結果として、HER2の細胞外ドメインの、その抗HER2抗体とは別の部分を標的とする親和性リガンドが、かかる癌を有する患者のさらなる処置に適する可能性がある。
従って、第一の局面の第二の構成の実施形態において、対象は、HER2、例えばHER2の細胞外ドメインと選択的に相互作用することができる、本親和性リガンドとは異なる治療用抗体により処置されていてもよい。
さらに、かかる実施形態において、HER2の過剰発現を特徴とする障害は、例えば治療用抗体に耐性を生じた癌、例えば乳癌、例えば転移性乳癌であり得る。
例えば、HER2と選択的に相互作用することができる治療用抗体は、トラスツズマブまたはペルツズマブであり得る。
本発明の第二の局面として、第一の局面による親和性リガンド、およびHER2の細胞外ドメイン2および3(配列番号7)の73以下の連続アミノ酸残基の第2のサブセットと選択的に相互作用することができる第2の親和性リガンド、を含む組成物を提供する。ここで第2のサブセットは配列番号12、配列番号13および/または配列番号14のアミノ酸配列を含む。
この第二の局面は、HER2の細胞外ドメイン2および3の2つの異なる部分を標的とする抗体の組み合わせが、1つの部分のみを標的とする抗体よりも高い増殖阻害効果が生じ得るという、発明者らの洞察に基づいているが、これに限定されない。このことは下記の実施例の5d-f節にてさらに議論されている。
第二の局面による第2の親和性リガンドの例は、下記に示す(「親和性リガンド」)。
第二の局面の実施形態において、第2のサブセットは、配列番号21-35からなる群のアミノ酸配列から選択され得る。
さらに、第二の局面の実施形態において、第2のサブセットは、50アミノ酸残基以下、例えば、45アミノ酸残基以下、例えば、40アミノ酸残基以下、例えば、35アミノ酸残基以下、例えば、30アミノ酸残基以下、例えば、25アミノ酸残基以下、例えば、20アミノ酸残基以下、例えば、16アミノ酸残基以下であり得る。
また、第二の局面の実施形態の第2のサブセットは、例えば8アミノ酸残基以上、例えば、10アミノ酸残基以上であり得る。
第二の局面の実施形態において、第2のサブセットは配列番号4の配列のアミノ酸39-111からなり得る。
下記の実施例の5d-f節においてさらに説明しているように、本発明者らは、本発明の抗体の組み合わせが乳癌の増殖を阻害し得ることを見出した。従って、第二の局面の実施形態において、本組成物は、培養物中におけるヒト乳癌細胞の増殖を阻害し得る。例えば、本組成物は、HER2の細胞外ドメインと選択的に相互作用することができない親和性リガンド、例えばHER2の細胞内ドメインと選択的に相互作用することができる抗体、に対して、培養物中におけるヒト乳癌細胞の増殖を20-100%、例えば、30-100%阻害し得る。かかる相対的な増殖阻害値を得る測定を実施すること、およびかかる測定を特定の場合に適合させることは、当業者の能力の範囲内である。ヒト乳癌細胞は例えばBT474乳癌細胞であり得る。さらに、増殖の阻害は、例えば500 ng/ml濃度における増殖の阻害であり得る。
相対的な阻害の測定の例は、第一の局面の文脈において上記に記載している。
下記の実施例の4cおよび4e節においてさらに説明されているように、本発明者らは、本発明の抗体が低濃度においてそれらの標的と結合し得ることを示した。従って、第二の局面の実施形態において、第2の親和性リガンドは、100 nM未満、例えば、50 nM未満、例えば、20 nM未満、例えば、10 nM未満のEC50によって第2のサブセットと結合し得る。かかるEC50の測定は、例えば下記の実施例の4cおよび4e節に従って行うことができる。
第二の局面の実施形態において、第2の親和性リガンドは、抗体またはそのフラグメントまたは誘導体であり得る。かかる抗体は、例えば本明細書の実施例に従って作製することができる。第二の局面の第2の親和性リガンドに適する他の種類の親和性リガンドは、下記に記載する。
第一の局面による親和性リガンド、または第二の局面による組成物の効果を強化するおよび/または延長するために、または耐性の発生に対抗するために、本親和性リガンドまたは組成物は、HER2に対して標的化されたチロシンキナーゼ阻害剤と組み合わせ得る。従って、第二の局面の別形態として、以下を含む組成物を提供する:第一の局面による親和性リガンドまたは第二の局面による組成物;およびHER2に対するチロシンキナーゼ阻害剤。HER2に対するチロシンキナーゼ阻害剤は、例えばラパチニブ、ゲフィチニブまたはエルロチニブであり得る。
第二の局面の第一の構成として、医薬として使用するための、第二の局面による組成物を提供する。
HER2の過剰発現を特徴とする多くの障害があり、HER2の細胞外ドメインと結合する親和性リガンドを含む組成物は、かかる障害の進行を処置するまたは進行に影響を与えるための医薬として用いられ得る。
従って、第二の局面の第二の構成として、HER2の過剰発現を特徴とする障害を有する、または有する疑いのある哺乳類対象の処置のための、第二の局面による組成物を提供する。第二の局面におけるHER2の過剰発現を特徴とする種々の障害の例は、下記に記載する(「HER2障害」)。
上述のように、抗HER2抗体により処置される癌患者において、その癌は、抗HER2抗体に耐性を生じ得ることが報告されている。結果として、HER2の細胞外ドメインの、その抗HER2抗体とは別の部分を標的とする抗体を含む組成物は、かかる癌を有する患者のさらなる処置に適する可能性がある。
従って、第二の局面の第二の構成の実施形態において、対象は、HER2、例えばHER2の細胞外ドメインと選択的に相互作用することができる、本親和性リガンドおよび/または第2の親和性リガンドとは異なる治療用抗体により処置されていてもよい。
さらに、かかる実施形態において、HER2の過剰発現を特徴とする障害は、例えば、治療用抗体に対して耐性を生じた癌、例えば乳癌、例えば転移性乳癌であり得る。
例えば、HER2と選択的に相互作用することができる治療用抗体は、トラスツズマブまたはペルツズマブであり得る。
本発明の第三の局面として、HER2の細胞外ドメイン2および3(配列番号7)からの37以下の連続アミノ酸残基からなり、アミノ酸配列LQVF(配列番号8)および/またはESFDGD(配列番号9)を含む単離ポリペプチドを提供する。
この本発明の第三の局面は、HER2の細胞外ドメインの特定の部分が、例えば治療の標的として特に興味深く、かかる部分を含むまたはかかる部分からなるフラグメントは治療手段の産生、選択または精製のために用いられ得るという、本発明者らの洞察に基づくが、これに限定されない。
26アミノ酸(配列番号16)のポリペプチドフラグメント、およびより短いフラグメント、例えば、21アミノ酸(配列番号19)のフラグメントは、増殖阻害効果を示す抗体と相互作用することが見出された。
従って、第三の局面の実施形態において、本ポリペプチドは、31アミノ酸残基以下、例えば、26アミノ酸残基以下、例えば、21アミノ酸残基以下、例えば、16アミノ酸残基以下、例えば、12アミノ酸残基以下、例えば、9アミノ酸残基以下、例えば、8アミノ酸残基以下からなり得る。
親和性リガンド、例えば第一の局面の親和性リガンドと、本ポリペプチドとの間の十分な相互作用には、いくつかの場合において、様々な長さのアミノ酸配列が必要とされ得る。従って、第三の局面の実施形態において、ポリペプチドは、6アミノ酸以上、例えば、8アミノ酸以上、例えば、10アミノ酸以上からなり得る。
下記の実施例の1および2節において示すように、増殖阻害効果を有する抗体を産生する免疫化は、C末端の最後の4アミノ酸がLQVFである抗原(配列番号1)を用いて行った。従って、第三の局面の実施形態において、本ポリペプチドは配列LQVFを含む場合、LQVFのC末端側に2以下のアミノ酸を有する、例えば、LQVFのC末端側にアミノ酸を有さない。
多数のフラグメント(配列番号11および15-20)が、増殖阻害効果を示す抗体、すなわちmsAb-Cと相互作用することが見出された(実施例の3節を参照)。従って、第三の局面の実施形態において、本ポリペプチドは、配列番号11および15-20の配列からなる群から選択され得る。
第三の局面のさらなる実施形態において、本ポリペプチドは配列LQVF(配列番号8)を含み得る。かかる実施形態において、本ポリペプチドは配列番号16および20の配列からなる群から選択され得る。配列番号16および20はLQVFを含む。
第三の局面の他の実施形態において、本ポリペプチドは配列ESFDGDP(配列番号9)を含み得る。かかる実施形態において、本ポリペプチドは、配列番号11および15-19からなる群から選択され得る。
第三の局面の他の実施形態において、本ポリペプチドは配列PESFDGD(配列番号10)またはLPESFDGD(配列番号11)を含み得る。
第三の局面の実施形態において、本ポリペプチドは配列番号6のアミノ酸1-37の配列からなり得る。それはLQVFで終わる配列番号6のサブ配列である。
第三の局面の一構成として、抗原、例えば免疫化のための抗原、例えばヒトではない哺乳動物の免疫化のための抗原として使用するための第三の局面によるポリペプチドを提供する。
これに関連する構成として、治療用抗体、例えばHER2の過剰発現を特徴とする障害の処置のための治療用抗体の調製において使用するための、第三の局面によるポリペプチドを提供する。第三の局面におけるHER2の過剰発現を特徴とする種々の障害の例は、下記に示す(「HER2障害」)。
本発明の第四の局面として、抗原、例えば免疫化のための抗原、例えば、ヒトではない哺乳動物の免疫化のための抗原としての、第三の局面によるポリペプチドの使用を提供する。
第三の局面によるポリペプチドが抗原として用いられる使用および方法は、下記にさらに記載する。
第四の局面の第一の構成として、治療用抗体、例えば、治療用モノクローナル抗体、例えば、治療用キメラまたはヒト化モノクローナル抗体の調製における、第三の局面によるポリペプチドの使用を提供する。
例として、モノクローナル抗体は、本ポリペプチドにより免疫化されたマウスからの脾臓細胞と骨髄腫細胞とを融合させることにより作製し得る。さらに、ウサギB細胞もこの目的に用いられ得る。
次いで、この細胞の混合物を希釈し、クローンを単一の親細胞から増殖させることができる。次いで種々のクローンにより分泌された抗体を、ポリペプチドに結合するそれらの能力および最も高い生産性について試験し、次に、安定なクローンを培養培地において高容量にまで増殖させ得る。
例えば、安定なクローンからのモノクローナルマウス抗体の結合部分をコードするDNAを、ヒト抗体を産生するDNAと統合させることができる。次いで哺乳類細胞の培養物を用いてこのDNAを発現させ、半マウスおよび半ヒト抗体を産生させることができる。マウス抗体部分の大きさによって、キメラ抗体またはヒト化抗体について言及する。別の実施例として、よりヒト様の抗体を産生するために遺伝的に操作されたマウスを用い得る。
そのようにヒト抗体産生DNAと統合させる理由、または遺伝的に操作されたマウスを使用する理由は、ヒト免疫系であるが故にその抗体を外来物質として認識することを避けるためである。
次いで、これらのキメラ抗体またはヒト化抗体は、例えばHER2の過剰発現を特徴とする障害の処置のための、治療用抗体として用いられ得る。
第四の局面の第二の構成として、HER2の過剰発現を特徴とする障害の処置のための治療用親和性リガンドの選択または精製のための、第三の局面によるポリペプチドの使用を提供する。第四の局面におけるHER2の過剰発現を特徴とする種々の障害の例は、下記に記載する(「HER2障害」)。
第四の局面による治療用親和性リガンドの例は、下記に示す(「親和性リガンド」)。
例えば、かかる使用には、本ポリペプチドが固定された固体支持体上における親和性精製が含まれ得る。その固体支持体は例えばカラム内に配置し得る。さらに、使用には、第三の局面によるポリペプチドに特異性を有する親和性リガンドを、そのポリペプチドが固定化された可溶性マトリックスを用いて選択することが含まれ得る。かかる可溶性マトリックスは、例えばデキストランマトリックス、例えば表面プラズモン共鳴装置、例えばBiacore(商標)の装置において用いるためのデキストランマトリックスであり得、その選択は、例えば、多数の潜在的な親和性リガンドの、固定されたポリペプチドに対する親和性をモニターすることを含み得る。
第四の局面の第三の構成として、第三の局面によるポリペプチドの治療標的としての使用を提供する。
第五の局面として、親和性リガンドの使用を提供する。
第五の局面の第一の構成として、第五の局面による親和性リガンドの医薬としての使用を提供する。
第五の局面の第二の構成として、HER2の過剰発現を特徴とする障害を有する、または有する疑いのある哺乳類対象を処置するための医薬の製造における、第一の局面による親和性リガンドの使用を提供する。第五の局面におけるHER2の過剰発現を特徴とする種々の障害の例は、下記に記載する(「HER2障害」)。
第五の局面の第二の構成の実施形態において、対象は、HER2、例えばHER2の細胞外ドメインと選択的に相互作用することができる、本親和性リガンドとは異なる治療用抗体によって処置されていてもよい。
また、第五の局面の第二の構成の実施形態において、HER2の過剰発現を特徴とする障害は、その治療用抗体に耐性を生じた癌、例えば乳癌、例えば転移性乳癌であり得る。
第五の局面の第一および第二の構成の対象は、さらに、第一の局面の第一および第二の構成の文脈において上述している。
本発明の第六の局面として、HER2の過剰発現を特徴とする障害の処置のための親和性リガンドを同定する方法であって、以下の工程を含む方法を提供する:
a)第三の局面によるポリペプチドを、結合を可能にする条件において推定の親和性リガンドと接触させる工程;および
b)推定の親和性リガンドがそのポリペプチドと結合するか否かを決定する工程。
第六の局面におけるHER2の過剰発現を特徴とする種々の障害の例は、下記に記載する(「HER2障害」)。
さらに、第六の局面による親和性リガンドの例は、下記に記載する(「親和性リガンド」)。
第六の局面は、HER2の細胞外ドメインの同定された標的配列に対応するタンパク質フラグメントが、治療用親和性リガンドの同定または選択に有用であり得るという、本発明者らの洞察に基づいているが、これに限定されない。
障害が癌、例えば乳癌である第六の局面の実施形態において、本方法はさらに以下の工程を含み得る:
c)推定の親和性リガンドが、癌細胞、例えば乳癌細胞、例えばBT474乳癌細胞の増殖を阻害する、またはそれらのアポトーシスを誘導するか否かを決定する工程。
例えば、工程c)の判断基準は、推定の親和性リガンドが、HER2の細胞内部分を標的とする抗体に対して、増殖を20%以上、例えば30%以上阻害することであり得る。例えば、推定の親和性リガンドは、250または500 ng/mlの濃度において増殖を阻害しうる。
かかる決定は、例えば、下記の実施例の5節におけるように行われ得る。
第六の局面の第一の構成として、HER2の過剰発現を特徴とする障害の処置のための、1以上の親和性リガンドを同定する方法であって、以下の工程を含む方法を提供する:
a)第三の局面によるポリペプチドを、1以上の推定の親和性リガンドと接触させる工程;および
b)そのポリペプチドと結合する親和性リガンドを同定する工程。
第六の局面の第二の構成として、クローン、例えば、HER2の過剰発現を特徴とする障害を処置するための治療用抗体を発現するクローンを産生する方法であって、以下を含む方法を提供する:
a)第一の局面によるサブセットを含む抗原により免疫化された哺乳動物から得られた、そのサブセットと選択的に相互作用することができる抗体をコードするDNAを含む細胞を提供する;および
b)それらの細胞を骨髄腫細胞と融合させ、少なくとも1つのクローンを得る。
本明細書の開示の文脈において、「クローン」は、共通の祖先を共有する(同じ母親細胞に由来することを意味する)同一細胞群を意味する。
例えば、工程b)は培養を含み得る。
第六の局面の第二の構成の実施形態において、本方法はさらに以下の工程を含む:
a')哺乳動物を抗原により免疫化する工程、
ここで、工程a')は工程a)に先行する。
例えば、工程a)の哺乳動物はヒトではない哺乳動物であり得る。
さらに、工程a)において提供する細胞は、例えば脾臓細胞であり得る。また、工程a)の哺乳動物は、例えばマウスであり得る。結果として、工程a)において提供する細胞は、例えばマウスからの脾臓細胞であり得る。
あるいは、工程a)において提供する細胞は、例えばB細胞であり得る。さらに、工程a)の哺乳動物は、例えばウサギであり得る。結果として、工程a)において提供する細胞は、例えばウサギB細胞であり得る。
第六の局面の第二の構成の実施形態において、本方法は以下の工程をさらに含み得る:
c)工程b)からの、本サブセットと選択的に相互作用することができる抗体を分泌するクローンを選択する工程。
さらに、第六の局面の第二の構成の実施形態において、抗原は第三の局面によるポリペプチドからなり得る。かかる実施形態において、その方法が工程c)を含む場合、その抗原と選択的に相互作用することができる抗体を分泌するクローンを選択する。
また、第二の局面の実施形態において、本方法は以下の工程をさらに含み得る:
d)工程b)において得られるクローン、または工程c)において選択されたクローンを提供し、そのクローンにより発現された、サブセットと選択的に相互作用する抗体の少なくとも一部をコードする、クローンからのDNAを、ヒト抗体を産生するDNAと統合する工程;および
e)工程d)からの統合したDNAを細胞に組み込み、HER2の過剰発現を特徴とする障害の処置のための治療用抗体を発現するためのクローンを得る工程。
例えば、工程e)は培養を含み得る。
工程e)のクローンは、例えば哺乳類細胞株であり得る。工程e)のクローンにより発現された治療用抗体は、例えばキメラまたはヒト化抗体であり得る。
本発明の第七の局面として、HER2の過剰発現を特徴とする障害を有する、または有する疑いのある哺乳類対象を処置する方法であって、有効量の第一の局面による親和性リガンドまたは第二の局面による組成物を対象へ投与することを含む方法を提供する。
第七の局面におけるHER2の過剰発現を特徴とする種々の障害の例は、下記に記載する(「HER2障害」)。
第七の局面の実施形態において、本方法はHER2に対するチロシンキナーゼ阻害剤を対象に投与することをさらに含み得る。
さらに、第七の局面の実施形態において、その処置は前外科的処置であり得る。結果として、例えば、乳癌を有する疑いのある対象、または乳癌再発の危険性が高い対象、または乳癌手術の予定のある対象を、第七の局面によって処置し得る。
あるいは、第七の局面の実施形態において、その処置は手術後の処置であり得る。
第七の局面の実施形態において、対象は、HER2、例えばHER2の細胞外ドメインと選択的に相互作用することができる、本親和性リガンドとは異なる治療用抗体により処置されていてもよい。かかる治療用抗体は例えばトラスツズマブまたはペルツズマブであり得る。
第七の局面の実施形態において、HER2の過剰発現を特徴とする障害は、治療用抗体に耐性を生じた癌、例えば乳癌であり得る。
本発明の第八の局面として、容器、第一の局面による親和性リガンドまたは第二の局面による組成物を含む、その容器中の組成物、およびその容器上の、または容器と結合した標識、を含む製造品であって、該標識が、該組成物がHER2の過剰発現を特徴とする障害を処置するために用いることができることを示す製造品を提供する。
第八の局面におけるHER2の過剰発現を特徴とする種々の障害の例は、下記に示す(「HER2障害」)。
本発明の第九の局面として、第二の局面の第2の親和性リガンドである親和性リガンドを提供する。
第九の局面の一構成として、HER2の過剰発現を特徴とする障害を処置するための第九の局面による親和性リガンドを提供する。
親和性リガンド
本発明の上記の局面の様々な実施形態による親和性リガンド、例えば、第一の局面の親和性リガンドおよび第二の局面の第2の親和性リガンドは、あらゆる種類の親和性リガンドであり得る。
そうではあるが、本明細書の開示の文脈において有用であることが証明され得るかかる親和性リガンドの例を下記に示す。
このように、上記の局面のいくつかの実施形態において、親和性リガンドは、抗体、それらのフラグメントおよびそれらの誘導体、すなわちイムノグロブリン骨格(scaffold)に基づく親和性リガンドからなる群から独立して選択され得る。例えば、抗体は単離され得、および/または単一特異性であり得る。抗体は、ネズミ、ウサギ、ヒトおよび他の抗体、ならびに別の種からの配列を含むキメラ抗体、例えば、部分的ヒト化抗体、例えば、部分的ヒト化マウス抗体などの、あらゆる起源のモノクローナルおよびポリクローナル抗体を含む。ポリクローナル抗体は選択した抗原による動物の免疫化により産生され、一方、規定の特異性のモノクローナル抗体は、KohlerおよびMilsteinにより開発されたハイブリドーマ技術を用いて産生することができる(Kohler G and Milstein C (1976) Eur. J. Immunol. 6:511-519)。抗体フラグメントおよび誘導体は、インタクトなイムノグロブリンタンパク質の、重鎖の第一定常ドメイン(CH1)、軽鎖の定常ドメイン(CL)、重鎖の可変ドメイン(VH)および軽鎖の可変ドメイン(VL)からなるFabフラグメント;2つの可変抗体ドメインVHおよびVLからなるFvフラグメント(Skerra A and Pluckthun A (1988) Science 240:1038-1041);フレキシブルペプチドリンカーにより一緒に連結した2つのVHおよびVLドメインからなる単鎖Fvフラグメント(scFv)(Bird RE and Walker BW (1991) Trends Biotechnol. 9:132-137);ベンズ・ジョーンズダイマー(Stevens FJ et al. (1991) Biochemistry 30:6803-6805);ラクダ重鎖ダイマー(Hamers-Casterman C et al. (1993) Nature 363:446-448)および単一可変ドメイン(Cai X and Garen A(1996)Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 93:6280-6285;Masat L et al. (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 91:893-896)、および、例えばテンジクザメ(nurse shark)からの新たな抗原受容体(NAR)(Dooley H et al. (2003) Mol. Immunol. 40:25-33)および可変重鎖ドメインに基づくミニボディー(minibody)(Skerra A and Pluckthun A (1988) Science 240:1038-1041)のような単一ドメイン骨格を含む。
抗体、ならびにそれらのフラグメントおよび誘導体は、治療用途における親和性リガンドの伝統的な選択を表す。しかしながら、当業者は、選択的結合リガンドのハイスループットな作製および低コストの産生システムの要望が増加しているため、新しい生体分子多様性技術がこの十年間に開発されてきたことを知っている。これにより、例えば治療用途における結合リガンドして有用であり得、イムノグロブリンの代わりに、またはイムノグロブリンと一緒に用いることができる、イムノグロブリンおよび非イムノグロブリン起源の両方の新たな種類の親和性リガンドの作製が可能となった。
親和性リガンドの選択に必要な生体分子の多様性は、複数の可能性ある骨格(scaffold)分子の1つの組み合わせ操作(combinatorial engineering)により創出し得、次いで特異的および/または選択的親和性リガンドを適切な選択プラットフォームを用いて選択する。骨格分子は、イムノグロブリンタンパク質起源(Bradbury AR and Marks JD (2004) J. Immunol. Meths. 290:29-49)、非イムノグロブリンタンパク質起源(Nygren PA and Skerra A (2004) J. Immunol. Meths. 290:3-28)、またはオリゴヌクレオチド起源(Gold L et al. (1995) Annu. Rev. Biochem. 64:763-797)であり得る。
多数の非イムノグロブリンタンパク質骨格が、新たな結合タンパク質の開発における支持構造物として用いられてきた。関連HER2サブセットに対する親和性リガンドを作製するのに有用な、かかる構造物の非限定的な例には、ブドウ球菌(staphylococcal)プロテインAおよびそのドメインおよびこれらのドメインの誘導体、例えばプロテインZ(Nord K et al. (1997) Nat. Biotechnol. 15:772-777);リポカリン(Beste G et al. (1999) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 96:1898-1903);アンキリンリピートドメイン(Binz HK et al. (2003) J. Mol. Biol. 332:489-503);セルロース結合ドメイン(CBD)(Smith GP et al. (1998) J. Mol. Biol. 277:317-332;Lehtio J et al. (2000) Ptoteins 41:316-322);γクリスタリン(Fiedler U and Rudolph R、国際公開第01/04144号パンフレット);緑色蛍光タンパク質(GFP)(Peelle B et al. (2001) Chem. Biol. 8:521-534);ヒト細胞毒性Tリンパ球関連抗原4(CTLA-4)(Hufton SE et al. (2000) FEBS Lett. 475:225-231;Irving RA et al. (2001) J. Immunol. Meth. 248:31-45);プロテアーゼ阻害剤、例えば、結び目(Knottin)タンパク質(Wentzel A et al. (2001) J. Bacteriol. 183:7273-7284;Baggio R et al. (2002) J. Mol. Recognit. 15:126-134)およびクニッツ(Kunitz)ドメイン(Roberts BL et al. (1992) Gene 121:9-15;Dennis MS and Lazarus RA (1994) J. Biol. Chem. 269:22137-22144);PDZドメイン(Schneider S et al. (1999) Nat. Biotechnol. 17:170-175);ペプチドアプタマー、例えばチオレドキシン(Lu Z et al. (1995) Biotechnology 13:366-372;Klevenz B et al. (2002) Cell. Mol. Life Sci. 59:1993-1998);ブドウ球菌ヌクレアーゼ(Norman TC et al. (1999) Science 285:591-595);テンダミスタット(tendamistat)(McConell SJ and Hoess RH (1995) J. Mol. Biol. 250:460-479;Li R et al. (2003) Protein Eng. 16:65-72);フィブロネクチンIII型ドメインに基づくトリネクチン(trinectin)(Koide A et al. (1998) J. Mol. Biol. 284:1141-1151;Xu L et al. (2002) Chem. Biol. 9:933-942);およびジンクフィンガー(Bianchi E et al. (1995) J. Mol. Biol. 247:154-160;Klug A (1999) J. Mol. Biol. 293:215-218;Segal DJ et al. (2003) Biochemistry 42:2137-2148)がある。
非イムノグロブリンタンパク質骨格の上述の例は、新たな結合特異性の創出に用いる単一の無作為化ループを提供する骨格タンパク質、タンパク質表面から突出している側鎖が新規な結合特異性の創出のために無作為化されている強固な二次構造を有するタンパク質骨格、および新規な結合特異性の創出に用いる非連続の高頻度可変性ループ領域を示す骨格を含む。
非イムノグロブリンタンパク質に加え、オリゴヌクレオチドも親和性リガンドとして用いられ得る。アプタマーまたはデコイと呼ばれる一本鎖核酸は、詳細に明らかにされた三次元構造に折りたたまれ、高親和性および高特異性にてそれらの標的と結合する(Ellington AD and Szostak JW (1990) Nature 346:818-822;Brody EN and Gold L (2000) J. Biotechnol. 74:5-13;Mayer G and Jenne A (2004) BioDrugs 18:351-359)。オリゴヌクレオチドリガンドはRNAまたはDNAであり得、広範囲の標的分子の種類に結合し得る。
上述の骨格構造のいずれかの変異体のプールからの所望の親和性リガンドの選択において、選択された標的タンパク質に対する新たな特異的リガンドの単離に、多数の選択プラットフォームが利用できる。選択プラットフォームには、限定しないが、ファージディスプレイ(Smith GP (1985) Science 228:1315-1317)、リボソームディスプレイ(Hanes J and Pluckthun A (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 94:4937-4942)、酵母ツーハイブリッド系(Fields S and Song O (1989) Nature 340:245-246)、酵母ディスプレイ(Gai SA and Wittrup KD (2007) Curr Opin Struct Biol 17:467-473)、mRNA ディスプレイ(Roberts RW and Szostak JW (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 94:12297-12302)、細菌ディスプレイ(Daugherty PS (2007) Curr Opin Struct Biol 17:474-480、Kronqvist N et al. (2008) Protein Eng Des Sel 1-9、Harvey BR et al.(2004)PNAS 101(25):913-9198)、ミクロビーズディスプレイ(Nord O et al.(2003)J Biotechnol 106:1-13、国際公開第01/05808号パンフレット)、SELEX(試験管内進化法(System Evolution of Ligands by Exponential Enrichment))(Tuerk C and Gold L (1990) Science 249:505-510)およびタンパク質フラグメント相補性アッセイ(PCA)(Remy I and Michnick SW (1999) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 96:5394-5399)が含まれる。
このように、上記の局面の実施形態において、親和性リガンドは、独立して、上記のタンパク質骨格のいずれか、またはオリゴヌクレオチド分子、に由来する非イムノグロブリン親和性リガンドであり得る。
HER2障害
上記の局面(一から八の局面)の実施形態において、HER2の過剰発現を特徴とする障害は癌であり得る。
さらに、上記の局面の実施形態において、癌は、乳癌、扁平上皮癌、肺癌、例えば、小細胞または非小細胞肺癌、膵臓癌、膠芽腫、子宮頸癌、卵巣癌、外陰癌、肝臓癌、肝細胞癌、結腸直腸癌、例えば結腸癌、子宮内膜細胞腫、唾液腺癌、腎臓(kidney)癌、甲状腺癌、ウィルムス腫瘍、膀胱癌、子宮内膜癌、腎臓の(renal)癌、頭頸部癌、胃癌、食道癌および前立腺癌からなる群から選択され得る。
例えば、癌は、乳癌、肺癌、膵臓癌、結腸直腸癌およびウィルムス腫瘍からなる群から選択され得る。
Her2遺伝子は、全ての乳癌の約20%において、低分化性の乳癌の70%までにおいて過剰発現することが報告されている。また、乳癌対象、例えば転移性乳癌を有する対象における抗HER2処置の効率性はよく研究されている。
従って、上記の局面の実施形態において、HER2の過剰発現を特徴とする障害は乳癌であり得る。例えば、乳癌は転移性乳癌であり得る。
図1は親和性精製および特異性解析を示す。 1aは一連の選択的親和性精製のための機構の計画図を示す。完全抗原に対するポリクローナル抗体(配列番号1)を4つの特定集団に分け、C末端画分(Ab-C)、中間画分(Ab-M)、N末端画分(Ab-N)および最後に完全抗原カラムを連結して可能性ある構造のエピトープ(Ab-S)を収集した。 1bは、Luminexビーズアレイシステムを用いた、精製した全ての画分に対して高特異性を表した100タンパク質標的による結合特異性の分析を示す。全ての相互作用の有意性をこの表にまとめている。 1cは、精製した単一特異性抗体の相対的な親和性の推定に用いたLuminexビーズアレイ競合アッセイを示す。単一特異的抗体およびビーズ表面上に固定された完全抗原(配列番号1)間の相互作用を、競合タンパク質フラグメントとして増加していく濃度の可溶性完全抗原(配列番号1)を用いて検証した。 図2はBT474細胞の蛍光励起細胞分取(Fluorescence Activated Cell Sorting)の結果を示す。非標識化細胞(1a)およびAb-Intra(1b)、Ab-866(1c)、Ab-N(1d)、Ab-M(1e)、Ab-C(1f)、Ab-S(1g)およびトラスツズマブ(1h)により標識化した細胞の蛍光を、それぞれ評価した。非標識化細胞に対して高い蛍光に富む集団が、msAb-866、msAb-NおよびmsAb-Cについて観察され、細胞結合を示しており、一方、msAb-intraまたはmsAb-Mについては有意な蛍光の豊富さは観察されなかった。 図3は、BT474細胞を増加していく量のmsAb-866により処置した用量反応実験を示す。 図4は、500ng/mlのmsAb-Intra、msAb-M、msAb-N、msAb-C、msAb-CNM、msAb-866およびmsAb-NCをそれぞれ用いた、BT474細胞の増殖阻害実験を示す。示した「効果」の値は、msAb-Intraにより処置した結果との相対値である。msAb-N、msAb-C、msAb-CNM、msAb-866およびmsAb-NCは、14%〜39%の細胞増殖阻害効果を示した。 図5は、500ng/mlのmsAb-M、msAb-Intra、msAb-N、トラスツズマブ、msAb-CおよびmsAb-866をそれぞれ用いた、BT474細胞の増殖阻害実験を示す。示した「効果」の値は、msAb-Intraにより処置した結果との相対値である。
HER2に対する単一特異性抗体の作製、ならびにそれらの様々なHERフラグメントとの相互作用および癌細胞に対する影響の研究
1.抗原の作製
a)材料および方法
EnsEMBL遺伝子ID ENSG00000141736によってコードされた標的タンパク質の適切なフラグメントを、生物情報学的ツールを用いて、ヒトゲノム配列を鋳型として選択した(Lindskog M et al (2005) Biotechniques 38:723-727、EnsEMBL、www.ensembl.org)。そのフラグメントを、HER2タンパク質(配列番号2;EnsEMBLエントリー番号ENSP00000269571)のアミノ酸274-400(配列番号1)に対応する127アミノ酸長フラグメントの産生のための鋳型として用いた。そのタンパク質フラグメントを、生じる親和性試薬の望まれない交差反応性を最小化し、かつ依然として、立体構造のエピトープの形成および細菌系における効果的な発現が可能である適切なサイズであるように、他のヒトタンパク質に対して低配列類似性を有する独特の配列からなるように設計した。
EnsEMBLエントリー番号ENST00000269571(配列番号3)のヌクレオチド1058-1438を含有するHER2遺伝子転写物のフラグメントを、Superscript(商標)One-Step RT-PCR増幅キットを用いて、Platinum(登録商標)Taq(Invitrogen)を用いヒトトータルRNAプールパネル(Human Total RNA Panel IV、BD Biosciences Clontech)を鋳型として単離した。フランキング制限部位NotIおよびAscIを、発現ベクターへのインフレームクローニングが可能なPCR増幅プライマー(フォワードプライマー:TACAACACAGACACGTTTGAG、ビオチン化リバースプライマー:AAACACTTGGAGCTGCTCTG)によって、フラグメントへ導入した。得られたビオチン化PCR産物を、Dynabeads M280ストレプトアビジン(Dynal Biotech)(Larsson M et al (2000) J. Biotechnol. 80:143-157)上に固定化し、固体支持体上においてNotI-AscI消化(New England Biolabs)によるNot-AscI消化にかけ、固定化金属イオンクロマトグラフィー(IMAC)精製のためのヘキサヒスチジルタグおよび連鎖球菌プロテインGからの免疫強化アルブミン結合タンパク質(ABP)からなるN末端二重親和性タグとともにインフレームにpAff8cベクター(Larsson M et al、上記を参照)へライゲートし(Sjolander A et al(1997)J. Immunol. Methods 201:115-123;Stahl Sら(1999)の、「Encyclopedia of Bioprocess Technology: Fermentation、Biocatalysis and Bioseparation(バイオプロセス技術の百科事典:発酵、生体触媒現象およびバイオ分離法)」(Fleckinger MCおよびDrew SW編)John Wiley and Sons Inc.、New York、pp 49-63)、大腸菌(E. coli)BL21(DE3)細胞(Novagen)へ形質転換した。クローンの配列は、TempliPhi DNAシークエンシング増幅キット(GE Healthcare、Uppsala、Sweden)を用いて、製造者の推奨に従い、増幅したプラスミドDNAのダイ・ターミネーターサイクルシークエンシングにより検証した。
発現ベクターを内部に持つBL21(DE3)細胞を、5 g/lの酵母エキス(yeast extract)(Merck KGaA)および50 mg/lのカナマイシン(Sigma-Aldrich)を補足した30 g/lのトリプシン大豆ブロス(tryptic soy broth)(Merck KGaA)100 mlに、同じ培養培地における一晩培養物1 mlを加えることにより播種した。細胞培養物を、1リットルの振盪フラスコにおいて37℃および150 rpmにて600 nmの光学密度が0.5-1.5に達するまでインキュベートした。次いでイソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド(Apollo Scientific)を終濃度1mMになるように加えてタンパク質発現を誘導し、25℃、150 rpmにて一晩インキュベーションを続けた。細胞を2400 gの遠心分離により収穫し、ペレットを5 ml溶解緩衝液(7 M塩酸グアニジン、47 mM Na2HPO4、2.65 mM NaH2PO4、10 mM Tris-HCl、100 mM NaCl、20 mM β-メルカプトエタノール;pH=8.0)に再懸濁し、2時間、37℃、150 rpmにてインキュベートした。35300 gにて遠心分離した後、変性可溶化タンパク質を含有する上清を収集した。
ASPEC XL4(商標)(Gilson)上にて自動化タンパク質精製法(Steen J et al (2006) Protein Expr. Purif. 46:173-178)を用いて、Talon(登録商標)金属(Co2+)アフィニティー樹脂(BD Biosciences Clontech)1 mlを含むカラム上において固定化金属イオンアフィニティークロマトグラフィー(IMAC)によって、His6-タグ化融合タンパク質を精製した。変性洗浄緩衝液(6M塩酸グアニジン、46.6 mM Na2HPO4、3.4 mM NaH2PO4、300 mM NaCl、pH 8.0-8.2)20 mlにより樹脂を平衡化した。次いで明澄になった(clarified)細胞ライセートをカラムに加えた。その後、樹脂を最小量の洗浄緩衝液31.5 mlにより洗浄し、溶出緩衝液(6 M尿素、50 mM NaH2PO4、100 mM NaCl、30 mM 酢酸、70 mM酢酸Na、pH 5.0)2.5 mlにおいて溶出させた。溶出した物質を500、700および1300μlの3つのプールに分画した。抗原を含有する700μl画分、ならびにプールした500および1300μl画分をさらなる使用のために保存した。
抗原画分をリン酸緩衝生理食塩水(PBS;1.9 mM NaH2PO4、8.1 mM Na2HPO4、154 mM NaCl)により尿素の終濃度が1 Mになるように希釈し、7500 Daの分子量カットオフを有するVivapore 10/20 ml concentrator(Vivascience AG)を用いてタンパク質濃度を増加させる濃縮工程にかけた。タンパク質濃度を牛血清アルブミンスタンダードによるビシンコニン酸(BCA)微量検定プロトコール(bicinchoninic acid (BCA) micro assay protocol)(Pierce)を用いて製造者の推奨に従って測定した。タンパク質の質をProtein 50または200 assay(Agilent Technologies)を用いてBioanalyzer装置上にて解析した。
b)結果
HER2遺伝子の長転写物(配列番号3)のヌクレオチド1058-1438に対応し、標的タンパク質HER2(配列番号2)のアミノ酸274-400からなるペプチド(配列番号1)をコードする遺伝子フラグメントを、ヒトRNAプールから、そのタンパク質フラグメントに特異的なプライマーを用いてRT-PCRにより成功裡に単離した。
正しいアミノ酸配列をコードするクローンを同定し、大腸菌における発現により、正しいサイズの単一のタンパク質を産生し、次いで固定化金属イオンクロマトグラフィーを用いて精製した。溶出したサンプルを尿素の終濃度が1 Mになるように希釈し、サンプルを1 mlに濃縮した後、タンパク質フラグメントの濃度を測定すると8.593 mg/mlであり、純度分析によると99.5%の純度であった。
2.抗体の作製
a)材料および方法
上記のようにして得られた精製HER2フラグメントを抗原として用い、国の指針に従ってウサギを免疫化した(スウェーデン許認可番号A 84-02)。ウサギを一次免疫化としてフロイント完全アジュバント中の抗原200μgを筋肉内投与して免疫化し、4週間の間隔をおいてフロイント不完全アジュバント中の抗原100μgにより3回追加免役した。
免疫化動物からの抗血清を、3工程の免疫親和性に基づくプロトコールにより精製した(Agaton C et al (2004) J. Chromatogr. A 1043:33-40;Nilsson P et al (2005) Proteomics 5:4327-4337)。第1の工程において、総量7 mlの抗血清を10×PBS〜終濃度1×PBS(1.9 mM NaH2PO4、8.1 mM Na2HPO4、154 mM NaCl)により緩衝し、0.45μmポアサイズフィルター(Acrodisc(登録商標)、Life Science)を用いてろ過し、pAff8cベクターから発現された二重親和性タグタンパク質His6-ABP(ヘキサヒスチジルタグおよびアルブミン結合タンパク質タグ)と結合した、N-ヒドロキシスクシンイミド活性化Sepharose(商標)4 Fast Flow(GE Healthcare)5 mlを含有するアフィニティーカラムに適用し、抗原タンパク質フラグメントについて上記した同じ方法により精製した。第2の工程において、二重親和性タグHis6-ABPに対する抗体が枯渇したフロースルーを、免疫化のための抗原として用いたHER2タンパク質フラグメント(配列番号1)と結合した1 ml Hi-Trap NHS-activated HPカラム(GE Healthcare)に流速0.5 ml/分にて流した。His6-ABPタンパク質およびそのタンパク質フラグメント抗原を、製造者の推奨の通りにNHS活性化マトリックスと結合させた。非結合物質を1×PBST(1×PBS、0.1%Tween20、pH 7.25)により洗い流し、捕獲された抗体を、低pHグリシン緩衝液(0.2 Mグリシン、1 mM EGTA、pH 2.5)を用いて溶出させた。溶出した抗体画分を溶出の直後に自動的に収集し、関連する画分をプールし、1M Tris-HClおよび10×PBSを用いてpH 7.25に調整した。プールした画分をmsAb-866と名付けた。
b)結果
下記の3b節を参照のこと。
3.領域特異的抗体の作製
a)材料および方法
EnsEMBL遺伝子ID ENSG00000141736(EnsEMBL、www.ensembl.org)によってコードされた標的タンパク質の3つのフラグメントを、免疫化のために用いたタンパク質フラグメント(配列番号1)との適切なオーバーラップについて選択した。HER2タンパク質(配列番号2;EnsEMBLエントリー番号ENSP00000269571)のアミノ酸236-363(配列番号4)、347-492(配列番号5)および364-530(配列番号6)に対応するこれらの3つのタンパク質フラグメントを、上記の免疫化のために用いたタンパク質フラグメント(配列番号1)と類似の方法にて産生した。
2a)に記載のものと同じ免疫化からの生の血清10 mlをPBS中にて緩衝し、滅菌濾過し、上記と同じプロトコールを用いてタグ特異的His6-ABP抗体から枯渇させた(Larsson et al., 2006)。枯渇したフロースルー抗体を、以下の順番で連続的に連結された4つのアフィニティー1ml HiTrapカラムを有するAkta Explorer(GE Health Care AB)システムを用いて親和性精製した:C末端(配列番号6)、中間(配列番号5)、N末端(配列番号4)および完全抗原カラム(配列番号1)(図1a)。抗体を流速0.5 ml/分にてカラムに流し、非結合物質を20カラム体積の洗浄緩衝液により洗い流した。結合した抗体を低pH下において別々に溶離させた後、250ul画分ずつに分画した(Larsson et al., 2006)。溶出直後に、関連画分をプールし、1M Tris-HClおよび10×PBSを用いてpH 7.25に調整した。後の実験を妨げないようにグリセリンまたはNaN3は加えなかった。それぞれのカラムからプールした画分をそれぞれ以下のように名付けた:C末端カラムから溶出した抗体(配列番号6)をmsAb-Cと名付け、中間のカラムから溶出した抗体(配列番号5)をmsAb-Mと名付け、N末端から溶出した抗体(配列番号4)をmsAb-Nと名付け、完全抗原カラムから溶出した抗体(配列番号1)をmsAb-Sと名付けた。
b)結果
免疫化のために用いたタンパク質フラグメントのC末端、中間およびN末端部分にそれぞれ対応する特異的タンパク質配列、ならびに完全抗原フラグメント(配列番号1)を含む4つの短いアフィニティーカラムを、選択的アフィニティークロマトグラフィーが可能なように連続的に結合させた。この方法により、抗原特異的抗体を以下の4つの個別の抗体集団へと分ける分離ができた:msAb-N(集団の18%)、msAb-M(集団の35%)、msAb-C(集団の39%)、msAb-S(集団の8%)(図1a)。
4.親和性精製の検証
a)タンパク質アレイ
親和性精製抗体画分の特異性および選択性を、タンパク質アレイ構成において、免疫化に用いたタンパク質フラグメント(配列番号1)およびそれにオーバーラップするタンパク質フラグメント(配列番号4-6)を含む抗原自体に対する結合分析、および92の他のヒトタンパク質フラグメントに対する結合分析により分析した(Nilsson P et al (2005) Proteomics 5:4327-4337)。タンパク質フラグメントを0.1 M尿素および1×PBS(pH 7.4)中40μg/mlまで希釈し、それぞれ50μlを96ウェルスポットプレートのウェルに移した。タンパク質フラグメントをpin-and-ring arrayer(Affymetrix 427)を用いてエポキシスライド(SuperEpoxy、TeleChem)上に二複製ずつスポットし、固定化した。スライドを1×PBS中にて洗浄し(5分)、次いで表面を30分間ブロックした(SuperBlock(登録商標)、Pierce)。接着性16ウェルシリコンマスク(adhesive 16-well silicone mask)(Schleicher&Schuell)をそのガラスに適用し、単一特異性抗体を加え(1×PBSTに約50 ng/mlとなるよう1:5000に希釈)、シェーカー上にて60分間インキュベートした。アフィニティータグ特異的IgY抗体を、各スポットにおけるタンパク質の量を定量化するために単一特異性抗体とともに、共インキュベーションした。スライドを1×PBSTおよび1×PBSにより2回、各10分間洗浄した。二次抗体(Alexa 647とコンジュゲートしたヤギ抗ウサギ抗体、およびAlexa 555とコンジュゲートしたヤギ抗ニワトリ抗体、Molecular Probes)を1×PBSTにおいて30 ng/mlになるよう1:60000に希釈し、60分間インキュベートした。はじめのインキュベーションと同じ洗浄手順を行った後、スライドを遠心力で脱水し、スキャンした(G2565BA array scanner、Agilent);その後、画像を画像分析ソフトウェア(GenePix 5.1、Axon Instruments)を用いて定量化した。
b)サスペンションビーズアレイ
さらに、特異性、選択性および相対的親和性をLuminexサスペンションビーズアレイシステムを用いて分析した。結合特異性のマルチプレックスな分析を、先に報告されているように行った(Schwenk et al., 2007)。短く説明すると、免疫化に用いた抗原(配列番号1)およびサブ精製抗原に用いた3つのフラグメント(配列番号4-6)、1つのHisABPフラグメントおよび1つの抗ウサギIgG抗体を含む98のタンパク質フラグメントに対応する100のビーズIDの抗体希釈物およびビーズ混合物をPBSTにおいて調製した。msAb希釈物45μlをビーズ5μlに加え、96ウェルプレート(Corning)において混合しながら60分間インキュベートした。次に、R-フィコエリトリン標識化抗ウサギIgG抗体(0.5μg/ml、Jackson ImmunoResearch)25μlを加え、最後に60分間インキュベーションした。
c)マルチプレックスな競合アッセイ
競合タンパク質フラグメントの連続希釈をPBST中に調製し、msAb-866、msAb-N、msAb-MおよびmsAb-Cの溶液と1:1の割合にて混合した。インキュベーションは全体積50μlにて撹拌しながら60分間行った。次に、msAb-PrEST溶液を各ウェルにつきビーズ混合物5μlを含む第2のプレートに移した。60分後、R-フィコエリトリン標識化抗ウサギIgG抗体(0.5μg/ml、Jackson ImmunoResearch)25μl を加え、さらに60分間インキュベートした。独立して3回繰り返して行い、それらの平均値をデータ分析に用いた。4つのパラメーターのロジスティックな関数を競合曲線に適合するように選択し、EC50値を計算し、相対的な結合の質を比較する。競合についての測定として、得られた曲線をそれらの形および標準誤差よりも高い数値であるべき推定EC50値について観察した。
d)懸濁アレイの読み取りおよびデータ分析
測定をLuminex LX200計測手段を用いてLuminex IS 2.3ソフトウェアにより行った。各実験についてビーズIDにつき100事象をカウントし、相互作用を示すために平均蛍光強度(MFI)を選択した。データ分析およびグラフ表示を、R(統計学的コンピュータ計算およびグラフィックスのための言語および環境)(a language and environment for statistical computing and graphics)(Ihaka and Gentleman、1996)により行った。
e)結果
親和性精製後の抗体特異性および選択性を検証するために、タンパク質マイクロアレイ分析を平面アレイおよびLuminexサスペンションビーズアレイ技術を用いて行った。分析により、His6-tagおよびABP-tagに対する抗体が成功裡に枯渇していることを確認し(結果は示さず)ならびに、高特異性抗体が、固定された他のタンパク質フラグメントとの非特異的相互作用の可能性の低さを有することを確かめた(図1b)。
タンパク質アレイの各スポットにおいてタンパク質の量を定量化するために、一次および二次抗体の組み合わせを有する2色の色素標識システムを用いた。メンドリ(hen)において作製されたタグ特異的IgY抗体を、Alexa 555蛍光色素により標識化した二次ヤギ抗メンドリ抗体により検出した。ウサギmsAbのアレイ上のその抗原への特異的結合を、蛍光性Alexa 647標識化ヤギ抗ウサギ抗体により検出した。それぞれのタンパク質フラグメントを2複製ずつスポットした。平面およびサスペンションビーズアレイを用いたそのタンパク質アレイの分析により、親和性精製された単一特異性抗体;HER2に対するmsAb-866、msAb-N、msAb-M、msAb-C、ms-Ab-Sは、正しいタンパク質フラグメントに対して高度に選択的であること、および分析した他の全てのタンパク質フラグメントに対して非常に低いバックグラウンドを有することが示された。さらに、単一特異性抗体とビーズ上の固定化完全抗原(配列番号1)タンパク質フラグメント間の相互作用を、増加していく濃度の可溶性完全抗原(配列番号1)競合者タンパク質フラグメントを用いて検証する競合アッセイを用いて、相対的な親和性を測定した(図1c、表1)。免疫化に用いたタンパク質フラグメント(配列番号1)に結合したビーズと抗体;msAb-866(1.9 nM)、msAb-N(4.5 nM)、msAb-M(0.7 nM)およびmsAb-C(1.2 nM)との相互作用を可溶性タンパク質フラグメント(配列番号1)により検証すると、低ナノモーラー範囲において明らかな親和性が、それらの抗体について測定された。
Figure 2010006705
5.細胞の研究
a)細胞培養物
BT474乳癌細胞をアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC、Manassas、VA)から購入し、10%FCSおよび1%ウシインスリンを補足したRPMIにおいて維持し、37℃、5%CO2の湿気のある環境に保持した。
b)細胞結合アッセイ
細胞をトリプシン処理により培養皿から遊離させ、遠心分離し、PBS:HSA(1%ヒト血清アルブミンを補足したPBS pH 7.2)に再懸濁し、カウントした。96ウェルプレートにおいて、150000細胞を、抗体(msAb-N、msAb-M、msAb-CおよびmsAb-866)0.35μgにより反応体積75μlにて室温において45分間標識化した。洗浄剤として2×100μl PBS:HSAを用いて非結合抗体を洗い流した。次いで、Alexa 488とコンジュゲートした二次ヤギ抗ウサギモノクローナル抗体(Invitrogen)0.35μgを用いて反応体積75μlにて45分間室温にて抗体を標識化した。細胞をPBS:HSA 2×100μlにて洗浄し、サンプルチューブ中に最終体積が150ulになるように再懸濁した。抗体のBT474細胞との結合能を、FL-1(488 nmでの励起)にて蛍光放出を測定するBD FACS Vantage SE flowcytometer(BD Biosciences)を用いて蛍光励起細胞分取により評価した。HER2の細胞内部分(HPA001383、Atlas Antibodies AB、Sweden)を標的とする等モル量のウサギ単一特異性抗体(msAb-intra)を陰性対照として用い、細胞を二次抗体のみにより標識化した。トラスツズマブ(Herceptin、Roche)を陽性細胞標識対照として用い、Alexa 488ヤギ抗ヒトモノクローナル抗体(Invitrogen)を二次試薬として用いた。
c)用量反応研究
BT474細胞を24ウェル皿に5×104細胞/ウェルにて播種した。24時間後、1 ng/ml〜1000 ng/mlの範囲の濃度のmsAb-866の3複製の希釈において細胞を処理した。PBS pH 7.2により処理した細胞を対照として用いた。5日後、細胞をトリプシン処理し、それぞれ3回カウントした。増殖阻害を、非処置培養物に対する細胞の百分率として算出した。
d)第1の増殖阻害の研究
0日目にBT474細胞を24ウェル皿に5×104細胞/ウェルにて播種した。2つの抗体の再構成ミックスを、3b)において得られた画分の比率を用いて作製した:msAb-NおよびmsAb-Cは18:39の比で混合し、msAb-NCと名付けた;msAb-N、msAb-MおよびmsAb-Cは18:35:39の比で混合し、msAb-NMCと名付けた。24時間後、細胞をmsAb-866、msAb-N、msAb-M、msAb-C、msAb-NCおよびmsAb-NMCの3複製の希釈物において最終抗体濃度500 ng/mlを用いて処理した。msAb-intraおよびPBS pH 7.2を対照として用いた。5日後、細胞をトリプシン処理し、それぞれ3回カウントした。増殖阻害を、対照抗体msAb-intraにより処理した培養物に対する細胞の百分率として算出した。
e)第2の増殖阻害の研究
1日目に、BT474細胞を、5×104細胞/ウェルにて、msAb-866、msAb-Cおよびトラスツズマブの希釈物とともに、最終抗体濃度500 ng/mlを用いて3複製分播種した。msAb-intraおよびPBS pH 7.2を対照として用いた。4日後、細胞をトリプシン処理し、それぞれ3回カウントした。増殖阻害を、対照抗体msAb-intraにより処理した培養物に対する細胞の百分率として算出した。
f)結果
msAb-866、msAb-NおよびmsAb-Cにより標識化したBT474細胞の蛍光励起細胞分取は、非標識化細胞に対して高い蛍光に富む集団を示し、これは細胞結合を示しており、一方msAb-intraまたはmsAb-Mについては有意な蛍光の豊富さは見られなかった(図2)。
BT474細胞をmsAb-866により処理する用量反応研究において、5日目に、細胞増殖に対して有意に影響する臨界抗体濃度250-500ng/mlが見られた(図3)。
500ng/mlのそれぞれの抗体を用いるBT474細胞の第1の増殖阻害の研究において、msAb-Mは1%の増殖阻害効果を示し、msAb-Nは14%の増殖阻害効果を示し、msAb-Cは30%の増殖阻害効果を示し、msAb-NMCは33%の増殖阻害効果を示し、msAb-866は36%の増殖阻害効果を示し、msAb-NCは39%の増殖阻害効果を示した(図4)。
結果として、Ab-NおよびAb-Cの両方が単独で実質的効果を示した。Ab-NおよびAb-Cを含む組み合わせも、実質的な効果を示した。さらに、本発明者らは、高い効果(30%以上)を示した抗体サンプルは全てAb-Cを含んでいることに注目した。
また、Ab-CおよびAb-Nの両方を含有するサンプルは一般に、Ab-CまたはAb-Nのいずれか単独と比較して高い効果を示した。
最も高い効果は、Ab-CおよびAb-Nを含有するサンプルにおいて観察された。
500ng/mlのそれぞれの抗体を用いるBT474細胞の第2の増殖阻害の研究において、4日目に、msAb-intraと比較して、Ab-866は約41%、Ab-Cは約26%、トラスツズマブは約18%、Ab-Nは約5%の増殖阻害効果を示した(図5)。
さらに、本発明者らは、Ab-CおよびAb-866がこの構成において、HER2の細胞外ドメインを標的とする承認された治療用抗体であるトラスツズマブ(Herceptin)よりも高い効果を示したことに注目した。これは、配列番号6のアミノ酸1-37のHER2サブセットを標的とする抗体、または、配列番号6のアミノ酸1-37のHER2サブセットおよび配列番号4のアミノ酸39-111のHER2サブセットを標的とするそれぞれの抗体を含む組成物は、HER2の過剰発現を特徴とする障害の処置に用いられ得ることを示している。
最も高い効果は、Ab-CおよびAb-Nの両方を含有するAb-866において観察された。
6.細菌ディスプレイを用いるエピトープマッピング
a)ブドウ球菌ディスプレイベクターへのライブラリーのサブクローニング
大腸菌株RR1ΔM15(Ruther, U. pUR 250 allows rapid chemical sequencing of both DNA strands of its inserts. Nucleic. Acids Res. 10, 5765-5772 (1982))を、プラスミド構成のための宿主株として用いた。新たな制限部位(PmeI)を含有する遺伝子フラグメントを、BamHIおよびSalI(New England Biolabs、Beverly、MA)により消化された先に報告されているブドウ球菌ベクターpSCXm(Wernerus, H.&Stahl、S. Vector engineering to improve a staphylococcal surface display system. FEMS Microbiol Lett 212、47-54 (2002).)にライゲートすることにより、新たなブドウ球菌ベクター、pSCEM1を作製した。N末端FLAG配列を有するHER2-ECDの増幅のための鋳型を得た。遺伝子フラグメントをPCRにより増幅し(9.6 ml、プールした)、無作為なフラグメントを作製するために、50ml Falconチューブ中において氷上にてマイクロチップ(microtip)を用いて60分間超音波処理した(21%の振幅、一定の超音波処理)。その後サンプルをCentricon Plus 20 column(CO 10 kDa;Millipore、Billerica、MA)を用いて限外濾過により濃縮した。濃縮したフラグメントを平滑末端化し、T4 DNAポリメラーゼおよびT4ポリヌクレオチドキナーゼ(New England Biolabs)を製造者の推奨に従って加えてフラグメントをリン酸化した。その後、平滑末端化した遺伝子フラグメントを、T4 DNA Ligase(Invitrogen、Carlsbad、CA)を用いてPmeI(New England Biolabs)により消化したブドウ球菌ディスプレイベクター、pSCEM1へライゲートした。ライブラリーを、電気的形質転換受容性である(electrocompetent)スタフィロコッカス・カルノスス(S. carnosus)TM300(Gotz, F. Staphylococcus carnosus: a new host organism for gene cloning and protein production. Soc. Appl. Bacteriol. Symp. Ser. 19, 49S-53S (1990))に、先に報告されているように(Lofblom, J., Kronqvist, N., Uhlen, M., Stahl, S.&Wernerus, H. Optimization of electroporation-mediated transformation: Staphylococcus carnosus as model organism. J Appl Microbiol 102, 736-747 (2007))形質転換し、15%グリセリン中、−80℃にて保存した。
b)細胞標識化および蛍光励起細胞分取(FACS)
Sc:HER2-libまたはSc:Ephrin-B3-libのアリコート(少なくとも10倍のライブラリーサイズ)を、20μg/mlのクロラムフェニコールを含むTSB+Y(トリプシン大豆ブロス+酵母エキス)100 mlに播種し、37℃、150 rpmにて一晩増殖させた。16時間後、107細胞を、0.1%Pluronic(登録商標)F108 NF Sufactant(PBSP; BASF Corporation、Mount Olive、NJ)を含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH 7.4)1 mlにより洗浄した。細胞を遠心分離(3500×g、4℃、6分)によりペレット化し、抗体(すなわちエピトープマッピングに用いる抗体;典型的には約100 nMの濃度)を含有するPBSP 100μlに再懸濁し、緩やかに混合しながら平衡結合に達するまで室温にて1時間インキュベートした。その後、細胞を氷冷したPBSP 1 mlにより洗浄し、次いで4μg/mlのAlexa Fluor(登録商標)488ヤギ抗ウサギIgGまたは4μg/mlのAlexa Fluor(登録商標)488ヤギ抗マウスIgG(Invitrogen)および225 nMのAlexa Fluor(登録商標)647 HSAコンジュゲートを含有するPBSP 1 mlにおいて、暗中、氷上にて1時間インキュベーションした。氷冷したPBSP 1 mlにおける最後の洗浄工程の後、細胞を分別する前に氷冷したPBSP 300μlに再懸濁した。細胞をFACSVantage SE(BD Biosciences、San Jose、CA)フローサイトメーターを用いて分別した。細胞をB2培地(Lofblom, J., Kronqvist, N., Uhlen, M., Stahl, S.&Wernerus, H. Optimization of electroporation-mediated transformation: Staphylococcus carnosus as model organism. J Appl Microbiol 102, 736-747 (2007))0.5 mlに直接分別し、10μg/mlのクロラムフェニコールを含有する血液寒天基礎培地(blood agar base)(Merck)プレート上に広げ、37℃にて24時間インキュベートした。最後のラウンドにおいて、細胞を半固体培地を含有する96ウェルプレートの個々のウェルに分別し、コロニーを形成させた。
DNAシークエンシングおよびBLASTアラインメント
それぞれのコロニーの一部をPCRのために96ウェルプレートの2つの別のウェルに移した。ブドウ球菌ディスプレイベクターの挿入領域を、2つの別のプライマー対を用いてPCRにより増幅し、フォワード末端およびリバース末端のそれぞれにビオチン分子を含有する2つのPCR産物が得られた。それぞれの挿入物の両方の末端における10サイクルのピロシークエンシングを、PSQ(商標)96 HS instrument(Biotage AB、Uppsala、Sweden)を用いて製造者の指示書に従って行った。エピトープ配列をBLASTを用いて抗原配列にマッピングした(Altschul et al, Basic local alignment search tool, J.Mol.Biol. 147:195-197, (1990))。
c)HER2(ENSP00000269571のaa 27-653またはbp 317-2196 ENST00000269571)の細胞外ドメインのDNAを、ベクターpAY593を鋳型として用いてPCRにより増幅した。増幅したDNAを超音波処理によって様々な長さに切片化し(おおよそ50-350 bp)、次いでブドウ球菌ディスプレイベクター(pSCEM1)にライゲートし、スタフィロコッカス・カルノススに形質転換し、約30000の形質転換体を得た。インフレームフラグメントのDNAフラグメントがペプチドとしてブドウ球菌表面上にディスプレイされた。抗体および蛍光標識化二次試薬とともにインキュベーションした後、陽性および陰性細胞を、エピトープおよび非エピトープ掲示細胞を単離するために、フローサイトメトリーを用いて別々に分別した。単離した細胞をピロシークエンシングにより配列決定し、その配列を最後にエピトープの同定のためにHER2抗原とアライメントした。表面発現レベルのリアルタイムモニタリングを含む二重標識化戦略を用い、ポリクローナル抗体のエピトープマッピングにおいて重要ないくつかの利点が得られた(Lofblom, J., Wernerus, H.&Stahl, S. Fine affinity discrimination by normalized fluorescence activated cell sorting in staphylococcal surface display. FEMS Microbiol Lett 248, 189-198 (2005))。第1に、発現レベルによる結合シグナルの標準化が可能となり、これにより細胞と細胞の差異が有意に減少し、異なるエピトープ集団の識別が可能となる。第二に、表面上にディスプレイされた非結合ペプチドを決定する平行したアッセイも可能となり、これによりマッピングの分解能がさらに増大する。
msAb-866に特異的な4つのエピトープ(配列番号8および配列番号12-14)を確認した。エピトープマッピングの第2ラウンドをmsAb-Cについて行い、1つのさらなるエピトープ(配列番号11)が明らかになった。
本出願において参照された、出版物、DNAまたはタンパク質データエントリ、および特許を含むがこれらに限定されない引用物は全て、参照により本明細書に組み込まれる。
このように記載した本発明と同じものが多くの方法において変化し得ることは明らかであろう。かかる変化は本発明の精神および範囲から逸脱しているとは見なされず、また当業者には明らかであろうかかる修飾は全て添付の特許請求の範囲内に含まれることを意図している。

Claims (83)

  1. HER2の細胞外ドメイン2および3(配列番号7)からの37以下の連続アミノ酸残基のサブセットと選択的に相互作用することができる親和性リガンドであって、該サブセットがアミノ酸配列LQVF(配列番号8)および/またはESFDGD(配列番号9)を含む、親和性リガンド。
  2. 前記サブセットが26アミノ酸残基以下である、請求項1に記載の親和性リガンド。
  3. 前記サブセットが配列番号11および15-20からなる群から選択される、請求項2に記載の親和性リガンド。
  4. 前記サブセットが21アミノ酸残基以下である、請求項2に記載の親和性リガンド。
  5. 前記サブセットがLQVF(配列番号8)および/またはLPESFDGD(配列番号11)を含む、前記請求項のいずれかに記載の親和性リガンド。
  6. 前記サブセットが10アミノ酸残基以上である、前記請求項のいずれかに記載の親和性リガンド。
  7. 前記サブセットが8アミノ酸残基以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の親和性リガンド。
  8. 前記サブセットが配列番号6のアミノ酸1-37の配列である、請求項1に記載の親和性リガンド。
  9. 培養物中におけるヒト乳癌細胞の増殖を、HER2の細胞外ドメインと選択的に相互作用することができない親和性リガンドに比して20-100%阻害する、前記請求項のいずれかに記載の親和性リガンド。
  10. ヒト乳癌細胞がBT474乳癌細胞である、請求項9に記載の親和性リガンド。
  11. 500 ng/mlの濃度にて増殖を阻害する、請求項9〜10のいずれかに記載の親和性リガンド。
  12. 100 nM未満のEC50にてサブセットと結合する、前記請求項のいずれかに記載の親和性リガンド。
  13. 医薬として用いるための、前記請求項のいずれかに記載の親和性リガンド。
  14. HER2の過剰発現を特徴とする障害を有する、または有する疑いのある哺乳類対象を処置するための、前記請求項のいずれかに記載の親和性リガンド。
  15. 前記対象が、HER2、例えばHER2の細胞外ドメインと選択的に相互作用することができる、前記親和性リガンドとは異なる治療用抗体によって処置されている、請求項14に記載の親和性リガンド。
  16. HER2の過剰発現を特徴とする障害が癌であり、該癌が前記治療用抗体に対して耐性を生じたものである、請求項15に記載の親和性リガンド。
  17. HER2の過剰発現を特徴とする障害が癌である、前記請求項のいずれかに記載の親和性リガンド。
  18. 癌が、乳癌、扁平上皮癌、肺癌、例えば小細胞または非小細胞肺癌、膵臓癌、膠芽腫、子宮頸癌、卵巣癌、外陰癌、肝臓癌、肝細胞癌、結腸直腸癌、例えば結腸癌、子宮内膜細胞腫、唾液腺癌、腎臓癌、甲状腺癌、ウィルムス腫瘍、膀胱癌、子宮内膜癌、腎臓の癌、頭頸部癌、胃癌、食道癌および前立腺癌からなる群から選択される、請求項17に記載の親和性リガンド。
  19. 癌が、乳癌、肺癌、膵臓癌、結腸直腸癌およびウィルムス腫瘍からなる群から選択される、請求項18に記載の親和性リガンド。
  20. 癌が乳癌である、請求項19に記載の親和性リガンド。
  21. 癌が転移性乳癌である、請求項20に記載の親和性リガンド。
  22. 抗体またはそのフラグメントまたは誘導体である、前記請求項のいずれかに記載の親和性リガンド。
  23. ブドウ球菌プロテインAおよびそのドメイン、リポカリン、アンキリンリピートドメイン、セルロース結合ドメイン、γクリスタリン、緑色蛍光タンパク質、ヒト細胞毒性Tリンパ球関連抗原4、プロテアーゼ阻害剤、PDZドメイン、ペプチドアプタマー、ブドウ球菌ヌクレアーゼ、テンダミスタット、フィブロネクチンIII型ドメインおよびジンクフィンガーからなる群から選択される骨格に由来するタンパク質リガンドである、請求項1〜21のいずれかに記載の親和性リガンド。
  24. オリゴヌクレオチド分子である、請求項1〜21のいずれかに記載の親和性リガンド。
  25. 前記請求項のいずれかに記載の親和性リガンド、およびHER2の細胞外ドメイン2および3(配列番号7)からの73以下の連続アミノ酸残基の第2のサブセットと選択的に相互作用することができる第2の親和性リガンドを含む組成物であって、該第2のサブセットが配列番号12、配列番号13および/または配列番号14のアミノ酸配列を含む、組成物。
  26. 第2のサブセットが配列番号21-35からなる群から選択される、請求項25に記載の組成物。
  27. 第2のサブセットが50アミノ酸残基以下である、請求項25に記載の組成物。
  28. 第2のサブセットが16アミノ酸残基以下である、請求項27に記載の組成物。
  29. 第2のサブセットが配列番号4の配列のアミノ酸39-111である、請求項25に記載の組成物。
  30. 培養物中におけるヒト乳癌細胞の増殖を、HER2の細胞外ドメインと選択的に相互作用することができない親和性リガンドに比して20〜100%阻害する、請求項25〜29のいずれかに記載の組成物。
  31. ヒト乳癌細胞がBT474 乳癌細胞である、請求項30に記載の組成物。
  32. 500 ng/mlの濃度にて増殖を阻害する、請求項30〜31のいずれかに記載の組成物。
  33. 第2の親和性リガンドが100 nM未満のEC50にて第2のサブセットと結合する、請求項25〜32のいずれかに記載の組成物。
  34. 第2の親和性リガンドが、抗体またはそのフラグメントもしくは誘導体である、請求項25〜33のいずれかに記載の組成物。
  35. 第2の親和性リガンドが、ブドウ球菌プロテインAおよびそのドメイン、リポカリン、アンキリンリピートドメイン、セルロース結合ドメイン、γクリスタリン、緑色蛍光タンパク質、ヒト細胞毒性Tリンパ球関連抗原4、プロテアーゼ阻害剤、PDZドメイン、ペプチドアプタマー、ブドウ球菌ヌクレアーゼ、テンダミスタット、フィブロネクチンIII型ドメインおよびジンクフィンガーからなる群から選択される骨格に由来するタンパク質リガンドである、請求項25〜33のいずれかに記載の組成物。
  36. 第2の親和性リガンドがオリゴヌクレオチド分子である、請求項25〜33のいずれかに記載の組成物。
  37. 請求項1〜24のいずれかに記載の親和性リガンドまたは請求項25〜36のいずれかに記載の組成物、およびHER2に対するチロシンキナーゼ阻害剤を含む組成物。
  38. 医薬として使用するための、請求項25〜37のいずれかに記載の組成物。
  39. HER2の過剰発現を特徴とする障害を有する、または有する疑いのある哺乳類対象を処置するための、請求項25〜38のいずれかに記載の組成物。
  40. 前記対象が、HER2、例えばHER2の細胞外ドメインと選択的に相互作用することができる、前記親和性リガンドおよび第2の親和性リガンドとは異なる治療用抗体によって処置されている、請求項39に記載の組成物。
  41. HER2の過剰発現を特徴とする障害が癌であり、該癌が前記治療用抗体に耐性を生じたものである、請求項40に記載の組成物。
  42. HER2の細胞外ドメイン2および3(配列番号7)からの37以下の連続アミノ酸残基からなり、アミノ酸配列LQVF(配列番号8)および/またはESFDGD(配列番号9)を含む、単離ポリペプチド。
  43. 26アミノ酸残基以下からなる、請求項42に記載のポリペプチド。
  44. 配列番号11および15-20からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる、請求項42〜43のいずれかに記載のポリペプチド。
  45. 21アミノ酸残基以下からなる、請求項42〜44のいずれかに記載のポリペプチド。
  46. アミノ酸配列LQVF(配列番号8)および/またはLPESFDGD(配列番号11)を含む、請求項42〜45のいずれかに記載のポリペプチド。
  47. 10アミノ酸残基以上からなる、請求項42〜46のいずれかに記載のポリペプチド。
  48. 8アミノ酸残基以下からなる、請求項42〜46のいずれかに記載のポリペプチド。
  49. 配列LQVFを含む場合に、LQVFのC末端側に隣接する2以下のアミノ酸を有する、請求項42〜48のいずれかに記載のポリペプチド。
  50. 配列番号6の配列のアミノ酸1-37からなる、請求項42に記載のポリペプチド。
  51. 抗原として使用するための、請求項42〜50のいずれかに記載のポリペプチド。
  52. 免疫化において抗原として使用するための、請求項42に記載のポリペプチド。
  53. 治療用抗体の調製において使用するための、請求項42〜52のいずれかに記載のポリペプチド。
  54. 抗原としての、請求項42〜53のいずれかに記載のポリペプチドの使用。
  55. 免疫化のための、請求項42〜53のいずれかに記載のポリペプチドの使用。
  56. 免疫化がヒトでない哺乳動物の免疫化である、請求項55に記載の使用。
  57. 治療用抗体の調製における、請求項42〜53のいずれかに記載のポリペプチドの使用。
  58. HER2の過剰発現を特徴とする障害を処置するための治療用親和性リガンドの選択または精製における、請求項42〜53のいずれかに記載のポリペプチドの使用。
  59. 治療標的としての、請求項42〜53のいずれかに記載のポリペプチドの使用。
  60. 医薬としての、請求項1〜24のいずれかに記載の親和性リガンドの使用。
  61. HER2の過剰発現を特徴とする障害を有する、または有する疑いのある哺乳類対象を処置するための医薬の製造における、請求項1〜24のいずれかに記載の親和性リガンドの使用。
  62. 前記対象が、HER2、例えばHER2の細胞外ドメインと選択的に相互作用することができ、前記親和性リガンドとは異なる治療用抗体によって処置されている、請求項61に記載の使用。
  63. HER2の過剰発現を特徴とする障害が癌であり、該癌が前記治療用抗体に耐性を生じたものである、請求項62に記載の使用。
  64. HER2の過剰発現を特徴とする障害の処置のための親和性リガンドを同定する方法であって、以下の工程を含む方法:
    a)請求項35〜45のいずれかに記載のポリペプチドを、結合を可能とする条件において、推定の親和性リガンドと接触させる工程;および
    b)推定の親和性リガンドが該ポリペプチドと結合するか否かを決定する工程。
  65. 障害が癌であり、さらに以下の工程を含む、請求項64に記載の方法:
    c)推定の親和性リガンドが、癌細胞、例えばBT474乳癌細胞の増殖を阻害するか、または該癌細胞のアポトーシスを誘導するか否かを決定する工程。
  66. クローンを産生する方法であって、以下の工程を含む方法:
    a)請求項1〜24のいずれかに記載のサブセットを含む抗原により免疫化された哺乳動物から得られる、該サブセットと選択的に相互作用することができる抗体をコードするDNAを含む細胞を提供する工程;および
    b)該細胞を骨髄腫細胞と融合させて少なくとも1つのクローンを得る工程。
  67. さらに以下の工程を含む、請求項66に記載の方法:
    a')哺乳動物を抗原により免疫化する工程、
    ここで工程a')は工程a)に先行する。
  68. 以下の工程をさらに含む、請求項66〜67のいずれかに記載の方法:
    c)前記サブセットと選択的に相互作用することができる抗体を発現する、工程b)からのクローンを選択する工程。
  69. 工程a)の抗原が、請求項42〜53のいずれかに記載のポリペプチドからなる、請求項66〜67のいずれかに記載の方法。
  70. さらに以下の工程を含む、請求項69に記載の方法:
    c)前記抗原と選択的に相互作用することができる抗体を発現する、工程b)からのクローンを選択する工程。
  71. さらに以下の工程を含む、請求項66〜70のいずれかに記載の方法:
    d)工程b)において得られる、または工程c)において選択されるクローンを提供し、該クローンからのDNAであって、該クローンにより発現される、前記サブセットと選択的に相互作用する抗体の少なくとも一部をコードするDNAを、ヒト抗体産生DNAと統合させる工程;および
    e)工程d)からの統合されたDNAを細胞に組み込み、HER2の過剰発現を特徴とする障害を処置するための治療用抗体の発現のためのクローンを得る工程。
  72. HER2の過剰発現を特徴とする障害を有する、または有する疑いのある哺乳類対象を処置する方法であって、有効量の請求項1〜24のいずれかに記載の親和性リガンドまたは請求項25〜41のいずれかに記載の組成物を対象に投与することを含む方法。
  73. HER2に対するチロシンキナーゼ阻害剤を対象に投与することをさらに含む、請求項72に記載の方法。
  74. 前記処置が前外科的処置である、請求項72〜73のいずれかに記載の方法。
  75. 前記処置が手術後の処置である、請求項72〜73のいずれかに記載の方法。
  76. 前記対象が、HER2、例えばHER2の細胞外ドメインと選択的に相互作用することができる、前記親和性リガンドとは異なる治療用抗体によって処置されている、請求項72〜75のいずれかに記載の方法。
  77. HER2の過剰発現を特徴とする障害が癌であり、該癌が前記治療用抗体に対する耐性を生じたものである、請求項76に記載の方法。
  78. HER2の過剰発現を特徴とする障害が癌である、請求項72〜77のいずれかに記載の方法。
  79. 癌が、乳癌、扁平上皮癌、肺癌、例えば小細胞または非小細胞肺癌、膵臓癌、膠芽腫、子宮頸癌、卵巣癌、外陰癌、肝臓癌、肝細胞癌、結腸直腸癌、例えば結腸癌、子宮内膜細胞腫、唾液腺癌、腎臓癌、甲状腺癌、ウィルムス腫瘍、膀胱癌、子宮内膜癌、腎臓の癌、頭頸部癌、胃癌、食道癌および前立腺癌からなる群から選択される、請求項78に記載の方法。
  80. 癌が、乳癌、肺癌、膵臓癌、結腸直腸癌およびウィルムス腫瘍からなる群から選択される、請求項79に記載の方法。
  81. 癌が乳癌である、請求項80に記載の方法。
  82. 癌が転移性乳癌である、請求項81に記載の方法。
  83. 容器、請求項1〜24のいずれかに記載の親和性リガンドまたは請求項25〜41のいずれかに記載の組成物を含む、該容器内の組成物、および該容器上のまたは該容器に結合した標識、を含む製造品であって、該標識が、該組成物がHER2の過剰発現を特徴とする障害を処置するために用いることができることを示す、製造品。
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