JP2010006614A - アスベスト処理方法及びその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エレベータの乗り籠を傷つけることなく、経路周囲の壁面のアスベストの固化処理を行う。
【解決手段】 本願発明は、エレベータの乗り籠の天井に設けられた既設の開口部に対し、当該開口部を封じている蓋部材を外して当該蓋部材に代え、閉鎖部2を、エレベータの乗り籠e4の天井上面へ載せることにより、開口部e45を閉鎖或いは被覆し、処理液を噴射する噴射口51aと、処理液の収容部と、収容部から処理液を噴射口へ供給する連絡路と、噴射操作を行う操作部とを備えた、噴射装置を用い、噴射口を、乗り籠外部へ配置し、処理液の収容部と操作部とを、乗り籠内に配置し、閉鎖部を貫通するように連絡路を設けて、乗り籠内の収容部と乗り籠外部の噴射口とを接続し、乗り籠e4内にて作業者が噴射装置を操作することにより、エレベータの経路壁面へ処理液を散布する。
【選択図】 図2

Description

本願発明は、アスベスト処理方法及びその装置に関し、詳しくは、エレベータの経路周囲の壁面のアスベストの処理方法及びその装置に関するものである。
特開2007−218069号公報 特開2008−13959号公報
建物の天井躯体に設けられたアスベストの処理を行うために、アスベストの固化液を噴射するノズルを備えた噴射装置を用い、当該天井躯体に向けてアスベストを噴射し、アスベストを固化処理することが種々提案されている。
そのような中、上記特許文献1は、上記噴射ノズルを天井裏に配置するため、処理作業時に天井板へノズルの挿入穴を設けることにより、天井板を解体することなくアスベストの処理作業を行うものを提案している。
しかし、ビルなどの建造物が備えるエレベータの昇降経路の周囲の壁面に設けられた、有害なアスベストに対し固化液を散布する場合、エレベータの乗り籠が収容された上、乗り籠のガイドレール、更に、乗り籠を吊り下げるロープなどがある、閉ざされた経路空間において、処理液の散布を行う必要がある。
このような経路空間では、足場を確保することすら困難であり、上記の家屋の天井躯体のアスベストを対象とする場合のように、有害なアスベストに対して、安全且つ確実に作業を行うのは容易ではない。
そこで、鋭意研究の末、本願発明者は、エレベータの乗り籠から、処理液を、昇降経路周囲の壁面に対し噴霧することを考えた。
このように既設のエレベータの乗り籠を利用すれば、乗り籠の昇降により、昇降経路周囲の建造物の壁面に対して、効率的に散布が行えるからである。
また、作業者が、乗り籠内から、散布作業を行うことができれば、乗り籠がアスベストから作業者を画し、安全な作業が行えるというメリットもある。
しかし、エレベータの乗り籠を利用して、昇降経路の周囲の壁面に対してアスベストを散布するに際して、特許文献1のように、乗り籠内から乗り籠の外側にノズルを突き出すために、乗り籠に穴を穿つのでは、作業終了後、エレベータを通常運転するとき、乗り籠を元の状態に修復する必要がある。
また、エレベータのアスベスト処理方法ではないが、特許文献2へ示すように、天井に開いた開口穴24に処理装置を設置するものにおいても、その固定には、ビス等の係止具を天井に打つ必要があり、取り付ける対象を傷つけずにおくことはできない。
本願発明の目的は、このような、エレベータの乗り籠に穴を穿つ作業を排除して、エレベータの乗り籠を利用し、安全に、エレベータの昇降経路の周囲の壁面にアスベストを散布することを可能とすることにある。
本願第1の発明は、建造物内部に設置された、箱型の乗り籠を備えるエレベータについて、昇降経路を取り囲む壁面の、アスベストの固化処理を行う処理方法であって、次の構成を採るものを提供する。
即ち、このアスベストの処理方法は、エレベータの乗り籠の天井に設けられた既設の開口部に対し、当該開口部を封じている蓋部材を外して当該蓋部材に代え、閉鎖部材を、エレベータの乗り籠の天井上面へ載せることにより、開口部を閉鎖或いは被覆するものである。そして、経路周囲の壁面へ処理液を噴射する噴射口と、処理液の収容部と、収容部から処理液を噴射口へ供給する連絡路と、噴射操作を行う操作部とを備えた、噴射装置を用い、噴射装置の噴射口を、エレベータの乗り籠外部へ配置し、処理液の収容部と操作部とを、乗り籠内に配置し、閉鎖部材を貫通するように連絡路を設けて、乗り籠内の収容部と乗り籠外部の噴射口とを接続し、作業者がエレベータの乗り籠に乗って、当該作業者がエレベータの乗り籠内にて噴射装置を操作することにより、エレベータの経路壁面へ処理液を散布するものであることを特徴とするアスベストの処理方法。
本願第2の発明は、建造物内部に設置された、箱型の乗り籠を備えるエレベータについて、昇降経路を取り囲む壁面の、アスベストの固化処理を行う処理装置であって、次の構成を採るものを提供する。
即ち、このアスベストの処理装置は、エレベータの乗り籠の天井上面へ着脱自在に配される閉鎖部と、アスベストの処理液を上記壁面へ噴射する噴射部とを備える。閉鎖部は、乗り籠の天井に既設の開口部を、閉鎖或いは被覆するものである。噴射部は、エレベータの乗り籠外部へ配置されて経路周囲の壁面へ処理液を噴射する噴射口と、エレベータの乗り籠内に配置される処理液の収容部と、収容部から噴射口へ処理液を供給する連絡路と、エレベータの乗り籠内に配置された噴射操作を行う操作部とを備える。連絡路は、閉鎖部を貫通して、乗り籠内の収容部と、乗り籠外部の噴射口とを接続するものであり、上記操作部は、作業者がエレベータの乗り籠に乗って、当該作業者がエレベータの乗り籠内にて噴射装置を操作することにより、エレベータの経路壁面へ処理液を散布するものであることを特徴とするアスベストの処理装置。
本願第3の発明は、上記本願の第2の発明にあって、次の構成を採るアスベストの処理装置を提供する。
即ち、上記既設の開口部は、エレベータの点検用或いは乗り籠の照明器具の設置用のものである。噴射部は、エレベータの乗り籠内から、処理液の噴射の狙いを定める或いは経路周囲の壁面の処理の状況を観察する潜望鏡部を備える。潜望鏡部は、筒状の本体と、当該本体に設けられた、収光口と、覗き口と、旋回操作用の把手と、照明灯と、曇り止め手段とを備える。閉鎖部は、エレベータの乗り籠の外部上面と当接して当該上面に支持される載置部と、上記開口部を閉鎖する閉鎖体とを備える。載置部は、上記の開口部を挟んで位置するように或いは開口部を取り囲むように配置されて、エレベータの乗り籠の外部上面と当接する、当接部を備える。閉鎖部は、乗り籠の外側から内側に掛けて貫通し、潜望鏡部の本体を旋回自在に受容する貫通口を備える。閉鎖部に装着された潜望鏡部において、覗き口と把手とは、乗り籠内に位置し、収光口と照明灯とは、乗り籠の外部に位置する。曇り止め手段は、収光口にエアーを吹き付けて、収光口が曇るのを防止する。上記噴射口は、潜望鏡部の本体と一体に形成され、把手の操作によって、収光口と共に向きを変えることができるものである。処理液の連絡路の少なくとも乗り籠を貫通する区間は、潜望鏡の本体に設けられたものである。
本願第4の発明は、上記本願第3の発明にあって、次の構成を採るアスベストの処理装置を提供する。
即ち、この装置は、潜望鏡部の本体を、旋回自在に閉鎖体の貫通口へ支持させる軸受け部を備える。上記の閉鎖体は、乗り籠天井の開口部内に嵌められる挿入部と、乗り籠の外部へ露出する露出部とを備える。上記の載置部は、閉鎖体の露出部に設けられ、露出部から横方向へ突出する突出部或いは鍔状体であり、載置部の下面が上記当接部である。上記の貫通口は、閉鎖体を上下に貫通し、軸受け部にて、潜望鏡部を、閉鎖体及び載置部へ支持させることより、乗り籠に潜望鏡部を設置するものである。
本願第5の発明は、上記本願第3の発明にあって、次の構成を採るアスベストの処理装置を提供する。
即ち、この装置は、潜望鏡部の本体を、旋回自在に載置部へ支持させる軸受け部を備える。上記の閉鎖体は、乗り籠の上面に配置され、開口部を覆うシート状体である。上記の載置部は、乗り籠の上面において閉鎖体の上に配置されるものであり、且つ、開口部に渡される第1及び第2の少なくとも2本の桟を備える。第2桟は、第1桟と交差するように第1桟へ固定されたものである。 第1及び第2の各桟は、伸縮することにより、開口部の大きさに合わせて、長さを変えることができ、第1及び第2の各桟の両端部の下面が、上記の当接部である。載置部は、上記の軸受け部により、潜望鏡部を、第1及び第2の両桟の少なくとも一方へ支持させることにより、乗り籠に潜望鏡部を設置すると共に、閉鎖体の開口部へ当該潜望鏡部の本体を配置するものである。
本願の各発明の実施により、エレベータにおいて、昇降経路を取り囲む壁面の、アスベストを固化処理するに際し、作業者がエレベータの乗り籠に載って、安全に作業を行うことができ、特に、処理作業の際に、乗り籠に既設の開口部を利用するによって、乗り籠を傷つけることなく、アスベスト処理の作業を行うことができる。このため、作業終了後は、乗り籠の修復作業を要することなく、当初の蓋部材を開口部へ再び付けることによって、乗り籠を処理作業前の元の状態へ戻すことができる。
特に本願第3の発明にあっては、エレベータの乗り籠の外部上面において、開口部の周囲に載置部を置くことによって簡単且つ確実に、閉鎖体を開口部へ設置でき、閉鎖体によって確実に開口部を閉鎖し、乗り籠外部から乗り籠内にアスベストが侵入するのを防止することができる。特に、載置部を乗り籠の外部上面へ置くだけで開口部を閉鎖すると共に装置の設置が行えるので、装置を固定するために、ネジやボルトなどを穿って、乗り籠を傷つける必要もない。また、載置部によって潜望鏡部を乗り籠に支持させることにより、作業者が噴射装置を手持ちで作業する必要がなく、作業者の負担を軽減することができた。
また、エレベータの乗り籠内にて、把手を操作することにより、噴射口の向きを変えることができる。更に、覗き窓を覗くことによって、収光口を通じて外部の状況を視認しながら、処理液を噴射する方法処理液を噴射する方法を定め、或いは処理液を噴射する或いは噴射した後の壁面の状況を確認しながら作業を進めることができる。
また、収光口と共に向きを変えることができる照明灯により、噴射先の様子をより確実に視認することができる。更に、曇留め手段により、収光口が曇るのを防止する。
また、本願第4及び第5の発明にあっては、噴射口や収光部、照明灯の向きを円滑に変えることができ、処理の作業を円滑に行うことができる。
とりわけ、本願第4の発明にあっては、作業前、閉鎖体の挿入部を、開口部へ挿入することによって、閉鎖部の位置決めが簡単に行え、迅速且つ確実に、開口部を閉鎖することができる。
更に、本願第5の発明にあっては、開口部の形状が、乗り籠によって異なるものであっても、各桟の伸縮により、広範に対応することができる。
本願発明の一実施の形態を示す、建造物内のエレベータの略斜視図である。 図1のエレベータの乗り籠の一部切欠略端面図である。 (A)は図2に示すa方向から眺めた噴射装置の一部切欠要部背面図であり、(B)は図2に示すb方向から眺めた噴射装置の一部切欠要部正面図であり、(C)は図2の閉鎖部の要部拡大一部切欠端面図である。 上記噴射装置の一部切欠要部拡大側面図である。 (A)は噴射装置の他の実施の形態を示す略端面図であり、(B)は閉鎖部の他の実施の形態を示す略平面図であり、(C)は(B)のc−c端面図であり、(D)は(B)に示す閉鎖部の使用状態を示す一部切欠要部側面図である。 本願発明において、エレベータの経路内に配設された長尺配設物の養生の方法を示す説明図である。 (A)は、図6に示す養生装置の略正面図であり、(B)は(A)のd−d拡大略端面図であり、(C)は(A)の一部切欠要部略平面図であり、(D)は養生装置の他の実施の形態を示す略端面図である。 (A)〜(C)は図7(A)に示す養生装置の使用状態を示す説明図である。 (A)は養生装置の更に他の実施の形態を示す斜視図であり、(B)は(A)の養生装置の略縦端面図であり、(C)は(B)の養生装置の使用状態を示す略縦端面図である。 (A)は図9に示す養生装置の更に他の実施の形態を示す略縦端面図であり、(B)は当該養生装置の更に他の実施の形態を示す要部斜視図である。
図面に基づき、本願発明の好ましい実施の形態について、説明する。
図1は、本願発明の一実施の形態を示す、建造物内のエレベータの略斜視図である。図2は、図1のエレベータの乗り籠に装着したアスベスト処理装置の一部切欠略端面図である。図3(A)は図2に示すa方向から眺めた噴射装置の一部切欠要部背面図であり、図3(B)は図2に示すb方向から眺めた噴射装置の一部切欠要部正面図であり、図3(C)は図2の閉鎖部の一部切欠要部端面図である。図4は上記噴射装置の一部切欠要部拡大側面図である。図5(A)は噴射装置の他の実施の形態を示す略端面図であり、図5(B)は閉鎖部の他の実施の形態を示す略平面図であり、図5(C)は図5(B)c−c端面図であり、図5(D)は図5(B)に示す閉鎖部の使用状態を示す一部切欠要部側面図である。図6は、本願発明において、エレベータの経路内に配設された長尺配設物の養生の方法を示す説明図である。図7(A)は、図6に示す養生装置の一部切欠略正面図であり、図7(B)は図7(A)のd−d拡大略端面図であり、図7(C)は図6の一部切欠要部略平面図であり、図7(D)は養生装置の他の実施の形態を示す略端面図である。図8(A)〜(C)は図7(A)に示す養生装置の使用状態を示す説明図である。図9(A)は養生装置の更に他の実施の形態を示す斜視図であり、図9(B)は図9(A)の養生装置の略縦端面図であり、図9(C)は図9(B)の養生装置の使用状態を示す略縦端面図である。図10(A)は図9に示す養生装置の更に他の実施の形態を示す略縦端面図であり、図10(B)は当該養生装置の更に他の実施の形態を示す要部斜視図である。
先ず、本願発明を実施する対象となるエレベータの例について説明する。
このエレベーターEは、ビルディングなどの建造物内部に設けられた昇降路e1と、当該昇降路e1を取り囲む周壁e2へ配設された乗り籠用ガイドレールe3,e3と、乗り籠用ガイドレールe3,e3にガイドされて昇降する乗り籠e4と、乗り籠e4を昇降させる昇降装置e5とを備える。
乗り籠e4は、天井部e41、床部e42、側面部e43を備えるものであり、乗り籠内部が乗り籠の外部に対して閉鎖された空間である、箱型のものである。乗り籠の側面部e43には、利用者が乗り降りする際に開閉する自動扉e44が設けられている。
この実施の形態において、昇降装置e5は、カウンタウエイトe51と、カウンタウエイト用ガイドレールe52,e52と、一方の乗り籠用ガイドレールe3の上端部に設けられたロープヒッチe53と、他の一方のかご枠用ガイドレールの上端部に設けられた巻上機e54と、カウンタウエイト用ガイドレールe52の上端部に設けられたロープヒッチe55と、乗り籠のカーシーブe56と、ロープe57と、カウンタウエイトシーブe58とを備える。ロープe57は、その一端をロープヒッチe53に固定され、乗り籠のカーシーブe56を経由して、巻上機e54に巻回され、その後カウンタウエイトe51のカウンタウエイトシーブe58を経由して他の一方のロープヒッチe54に固定されている。このような構成において、巻上機e54を駆動することによって乗り籠e4を昇降させるようになっている。
但し、昇降装置eについて、周知の他の構成を採るものを採用して実施することができる。
このような一般的なエレベータの、乗り籠e4には、通常天井部e41に、乗り籠内部と外部とを連絡する、エレベータの点検用や、照明器具の設置用、或いは脱出用の開口部e45(図2)が備えられている。この開口部e45は、平常時は、蓋部材(図示しない。)が装着されて、閉鎖されている。
次に本願発明のアスベストの処理方法について、説明する。
図1へ示す通り、このアスベストの処理装置1は、エレベータの乗り籠e4に配置して使用される。乗り籠e4を利用することにより、乗り籠e4を昇降させることによって、昇降経路の周囲の壁面(周壁e2)の上下方向の各位置に対して、順次アスベストの固化処理を行う処理液を噴霧して行くことができる。
具体的に説明すると、この処理装置1は、図2へ示す通り、エレベータの乗り籠e4の天井部e45上面へ着脱自在に配される閉鎖部2と、アスベストの処理液を上記壁面へ噴射する噴射部3とを備える。この噴射部3が特許請求の範囲の噴射装置に対応する。また、閉鎖部2は、請求項1の閉鎖部材、及び、請求項1以外の請求項の閉鎖部に対応する。
閉鎖部2は、乗り籠の天井に既設の開口部e45を、閉鎖或いは被覆するものである。この実施の形態において、閉鎖部2は、噴射部3を支持する。
この閉鎖部2は、閉鎖体20と、載置部21とを備える。
閉鎖体20は、平面視において、乗り籠e4の開口部e45の輪郭形状と同様の輪郭形状を備え、開口部e45内に挿入して、開口部e45を塞ぐことができる。
具体的には、この実施の形態において、閉鎖体20は、後述する潜望鏡部を支持することができる強度を備えた発泡材にて、中空の箱型に形成されており、例えば、開口部e45が円形に開口する場合、閉鎖体20は、円柱状の中空体として形成され、開口部e45の形状が多角形の場合、多角柱状に形成される。従って、開口部e45が平面視矩形の場合、閉鎖体20の平面視の形状も矩形にしておく。
閉鎖体20は、後述の潜望鏡部を装着する、貫通口22を備える。
貫通口22は、閉鎖体20を上下に貫通する。貫通口22は、平面視円形の輪郭を有する。
貫通口22には、軸受部4が設けられる。この実施の形態では、貫通口22の上端開口と、下端開口の夫々に軸受部4,4が設けられている。但し、軸受部4の個数・配置は、上記に限定するものではなく、変更可能である。
閉鎖体20は、乗り籠e4の天井部e41の外部上面から上方へ露出する露出部を備え、載置部21は、当該露出部から横方向に伸びる突出部である。この実施の形態では、載置部21は、閉鎖体20を構成する上記硬質の発泡材にて、閉鎖体20と一体に形成された鍔状体である。但し、閉鎖体20と別体に載置部21を形成して閉鎖体20に固定するものとしても実施できる。また、上記の鍔状体は、周方向について切欠した部位を備えるものであってもよい。更に、また、載置部21を、鍔状に形成するのではなく、複数の突起として形成することもできる。
載置部21は、乗り籠e4の天井部e41の上に乗せられるものであり、開口部e45内に挿入された閉鎖体20の挿入部が開口部e45内から下方へ脱落しないように、閉鎖体20を支持する。従って、載置部21は、上記の鍔状体に限定するものではなく、開口部e45を挟んで反対側に設けられた、上記の通り複数の突起として形成することもできるのである。このような突起を、閉鎖体21の露出部の側面から突出するように形成し、上記の配置を採るものとすることによって、鍔状部と同様、閉鎖体20を支持することができる。
上記において、載置部21の下面が、乗り籠の天井部e41と当接する当接部である。
上記において、載置部21と閉鎖体20とは、共に、気密性の面で、クッション性を有する素材にて形成するのが好ましく、上記の通り、硬質の発泡材にて、形成するのが好ましい。例えば、載置部21と閉鎖体20に、発泡ウレタンを採用することができる。この他、載置部21と閉鎖体20は、鉄やアルミニウムといった金属、或いは木材や、プラスチックにて形成されたものであっても実施できる。この場合、図3(C)へ示す通り、別途、発泡材でできたシート21aを当接部として、載置部21の下面に設けて実施するのが好ましい。また、この図3(C)へ示す通り、このシート21aは、閉鎖体20の側部に掛かるように配設しておけば、開口部e45の密封性をより向上することができる。
図2へ示す通り、噴射部3は、潜望鏡部30と、噴射装置5と、アスベストを固化する処理液の収容部である液タンク6と、圧縮空気(エアー)を収容するエアタンク7とを備える。両タンク6,7は、乗り籠e4内に配置しておく。
処理液には、アスベストの固化により、アスベストの飛散防止を行うことができる、無機溶剤を用いる。このような処理液(飛散防止剤)に着色しておくことにより、処理作業の進展状況を容易に把握することができる。
潜望鏡部30は、図2へ示すように、筒状の本体31と、本体31に設けられた、収光口32と、覗き口33と、本体内に設けられた反射鏡34,34と、照明灯35と、旋回操作用の把手36,36(図3(A))と、曇止め機構とを備える。
潜望鏡部30の本体31は、外筒31aと、外筒31aの内側にスペーサ(図示せず。)を介することにより外筒31a外周面と間隔を開けて配設された内筒31bとを備えた、二重の円筒部材である。
内筒31bの内径は、50〜200mmとするのが好ましい。但し、内筒31bのこのような寸法は、変更可能である。
上記の本体31を、上記の閉鎖部2の閉鎖体20が備える貫通口22内に装着して、本体31下端側を乗り籠e4内に収容し、本体31上端側を乗り籠e4外部へ突出させる。
当該本体31は、上記の軸受部4,4によって、閉鎖部2に対して旋回自在に支持される。
この実施の形態では、軸受部4,4が、潜望鏡部30の荷重を受け、閉鎖体20に潜望鏡部30から受けた荷重を与える。即ち、軸受部4が、閉鎖体20に潜望鏡部30の荷重を伝達するものであった。図示は省略するが、この他、軸受部4,4とは別途に、潜望鏡部30の荷重を閉鎖体20に伝える荷重伝達部を設けて実施してもよい。具体的には、潜望鏡部30の本体31へ、荷重伝達部として、当該本体31外周面から突出する突起或いは鍔状部分(フランジ部)を設けるものとし、荷重伝達部である当該突起や鍔状部分を直接閉鎖体20の上に直接乗せるのである。勿論、閉鎖体20側に、このような荷重伝達部を載せる適切な載置面を荷重受け部として別途形成しておくこともできる。このようにして軸受部4,4を、潜望鏡部30荷重から開放してやることにより、潜望鏡部30を旋回のみならず、把手にて持ち上げることができ、潜望鏡部30を上方へ移動させることができる。この場合、潜望鏡部30を持ち上げることにより、上記荷重伝達部は、閉鎖体20から上方に離れるが、潜望鏡部30を降下させて再び閉鎖体20の上に載せることにより元の位置に戻り、潜望鏡部30を閉鎖体20に支持させることができる。また、上記において、周知のピニオンとラック機構を採用し、閉鎖体20へ潜望鏡部30と並行して上下に伸びるよう当該ラックを設け、潜望鏡部30へ当該ピニオンを設けて、上記の持ち上げによる潜望鏡部30の上昇は許容するが、その降下については、ラックとピニオンの係合により、当該係合の開放機構によって当該係合を強制的に開放しない限り、許容しないものとすることができる。例えばラチェット機構を採用して、上記の係合を行うことができる。当該ピニオンが荷重伝達部として、またラックが荷重受け部として機能し、上下方向について所望の位置に潜望鏡部30をセットすることができ、当該位置での潜望鏡部30の使用中、潜望鏡部30の荷重が作業者の腕にかからない。但し、潜望鏡部30の上下方向についての位置の調整については、上記のラックとピニオン機構に限定するものではなく、周知の他の手段を用いて実施することもできる。
上記本体31の先端側は、屈曲して横方向に伸びる。本体31は、先端に上記収光口32が設けられている。収光口32は、ガラス或いはプラスチックの透明体32aにて封じられている。この透明体32aには、レンズを採用して、望遠や拡大の効果を有するものを採用することができる。
図2及び図3(A)へ示す通り、上記の本体31の後端側周面に、上記の覗き口33と把手36,36とが設けられている。覗き口33は、ガラス或いはプラスチックの透明体33aにて封じられている。
反射鏡34,34は、上記本体31の内筒31b内部に配設されて、収光口32から本体31内部へ入射した光を反射するものであり、当該光を覗き口33へ導く。
照明灯35は、本体31の先端側に設けられている。図示は省略するが、照明灯35の電源は、潜望鏡部に設けることが可能な乾電池や、或いは、乗り籠内に配置する別途のバッテリを採用する。このようなバッテリを用いる場合、潜望鏡部内に電気コードを配置して、照明灯35とバッテリとを接続するのが好ましい。
本体31の先端側において、収口部32の周囲には、図3(B)へ示す通り、複数の噴出口37が設けられている。この噴出口37は、本体31の外筒31aと内筒31bとの間の隙間31c(図2)に連絡している。この隙間31cは、エアーの供給路として、本体31の後端側において、上記エアータンク7に接続チューブ70を介して接続されている。噴射口37と、隙間31cと、チューブ70と、エアータンク7とが、上記の曇止め機構を構成し、エアータンク7内のエアーを、収光口33の透明体33aに吹きかけ、透明体33aが曇るのを防止する。
また、図2及び図3(B)へ示す通り、上記噴射口37の一つ(噴射口37a)は、照明灯35へ向けられ、照明灯35の曇りを防止する。
接続チューブ70に、開閉弁(図示せず。)を設けて、当該弁の開閉によって、上記エアーの噴射操作を行うものとすればよい。
噴射装置5は、図2へ示す通り、乗り籠e4内に配置される塗装用のガン50(スプレーガン)と、乗り籠e4の外部において潜望鏡部30の本体31に設けられた噴射筒部51と、噴射筒部51とガン50のノズルとを接続する第1チューブ52と、上記の液タンク6と、液タンク6とエアガン50とを接続する第2チューブ53と、乗り籠e4内に配置されて液タンク6の処理液をガン50へ供給するポンプ54と、噴射筒部51の仰角を調整する角度調整機構55とを備える。
第1チューブ52は、図2へ示す通り、噴射筒部51基部の内部から、前記の外筒31aと内筒31bとを貫通して内筒31b内部を通って、封ぜられてている潜望鏡部本体31の底を貫通して、外部のガン50のノズルと接続されている。第1チューブ52は、内筒31b内にて、収光口32から反射鏡34,34を介して覗き口32に導かれる光の進路を遮らないように、内筒31bの内周面に沿わせておくのが好ましい。
噴射筒部51の先端は、処理液の噴射口51aが設けられ、乗り籠の昇降経路を囲む壁面(周壁e2)に向けられている。
噴射筒部51の上記噴射口51aの内径は、15〜100mmとするのが好ましい。但し、このような寸法は、変更可能である。
上記ガン50は、トリガ56(引き金)を操作することによって、ポンプ54を駆動し、ノズル側から、液タンク6の処理液を第1チューブ52内へ送る。第1チューブ52に送られた処理液は、噴射筒部51内を通り、上記噴射口51aから外部へ噴射される。
上記の通り、噴射筒部51の中空の内部と、閉鎖部2を貫通した状態に設けられた潜望鏡部30内を通る第1チューブ52の内部と、ガン50内部と、第2チューブ53とが、収容部である液タンク6から噴射口51aへ処理液を供給する連絡路を構成する。
ガン50と第1チューブ52とは軸受け50aを介して接続し、潜望鏡部30を旋回させても、ガン50の向きを変えずに済むようにしておくのが便利である。
噴射口51aからアスベストの敷設面(周壁e2)までの距離は、200〜1500mmとするのが好ましい。但し、噴射部の噴射能力や、経路内の状況(温度、湿度)によって、上記の距離の設定は、変更することができる。
噴射筒部51は、図2へ示す通り、複数の筒を重ねて構成し、当該筒を引き出して伸ばし、押し戻して縮めることができる、伸縮可能なものを採用するのが好ましい。このような構成を採ることによって、噴射する処理液の射程距離や、噴射により液が広がる範囲を調整することができるからである。
前述の曇止めのエアーの供給を操作する開閉弁は、ガン50のトリガ56にワイヤにて接続されて、当該トリガ56の操作に連動するものとするのが便利である。
また、図4へ示す通り、噴射筒部51を、潜望鏡部30の本体31に設けられた後筒部51cと、後筒部51の先端へ弾力を有する弾性チューブ51dを介して接続された前筒部51bとにて構成し、屈曲できるようにする。
この場合、前筒部51bが、複数の筒を重ねて、前述の通り伸縮自在に形成されたものとする。
上記の角度調製機構55は、潜望鏡部30の本体31に設けた支持板55aと、弾性チューブ51dを伸ばす方向へ前筒部51bを付勢する付勢体51fと、前筒部51bに設けられた付勢体51fの受け部51gと、前筒部51bの側面に設けた突起51eとを備える。
上記の付勢体51fにはバネを採用することができる。
支持板55aは、前筒部51bの伸びる方向を前後方向として、その左右に配置されたものであり、左右に貫通する長穴55bを有する。長穴55bは、側面視円弧を呈して、下方から上方へ伸びる。長穴55bには、上記円弧の伸びる方向の異なる位置に、上記突起51eを受容する切欠部55c…55cが複数設けられている。
前筒部51bは、弾性チューブ51dを屈曲することよって、後筒部51cに対し仰角を変更することができる。このとき、長穴55b内を長穴の伸びる方向に沿って、突起51eを移動させて、切欠部55cの一つに対応する位置に来たとき、付勢体51fの付勢を利用して切欠部55cへ入り込ませ、前筒部51bの向きを固定することができる。
塗装用のガン50には、周知のエアガンを採用するのが好ましい。即ち、ガン50には、圧縮した気体(圧縮空気)の噴射によって、処理液を噴出するものを採用するのが好ましい。エアガンは、液の噴霧にエアーの供給が必要になる。従って、図示は省略するが、このようなエアーを供給するエアータンクを別途乗り籠内に配置するか、或いは前述の曇止め用のエアーのエアータンクを兼用するものとする。
他の実施の形態について説明する。
図5(A)へ示す通り、この実施の形態は、ガン50を、噴射筒部51の先端に設けて、噴射筒部51とガン50とを直接接続し、乗り籠の外部へガン50を配置するものである。この場合ガン50のノズルが図2へ示す実施の形態における噴射口51aとなる。
そして、別途のワイヤ57を用意し、上記ガン50のトリガ56に、ワイヤ57の一端を取り付け、当該ワイヤ57を、潜望鏡部30の内部を通すと共に、潜望鏡部30の後端側に別途の副トリガ56aを設け、ワイヤ57の他の一端を、当該副トリガ56aに取り付け、副トリガ56aを操作することによって、噴射装置を作動させる。
この図5(A)に示す実施の形態において、閉鎖部2について、図2へ示す実施の形態と同様の構成を採ることも可能であるが、ここでは、閉鎖部2は、金属、プラスチック、又は木材にて形成された平板20aと、当該平板20aの下に敷かれる発泡材にて形成されたシート21bにて構成されている。
この図5(A)に示す実施の形態においても、特に言及した事項以外については、図中省略した構成を含め、上記図2に示す実施の形態と同様である。
図5(B)〜(D)に、閉鎖部2の更に他の実施の形態を示す。
図5(B)へ示す通り、この実施の形態において、上記の閉鎖体20は、乗り籠の上面に配置され、開口部を覆うシート状体である。正確には、当該シート状体の、開口部e45の真上に位置する部位が、閉鎖体20である。このシート状体は、布、ウレタン、或いはプラスチック製の薄板にて形成されたものを採用することができる。このシート状体は、乗り籠e4上面に置かれて、上記の開口部e45を覆う大きさを備えたもの、即ち、平面視において、開口部e45より大きく、開口部e45を隈なく覆い尽くすものを採用する。
そして、この実施の形態において、閉鎖部2の載置部21は、当該シート状体とは、別体に形成された複数の桟23…23にて構成されている。桟23…23は、交差する第1桟23a,23aと、第2の桟23b,23bとを備える。この実施の形態では、閉鎖部2は、第1及び第2の桟23a,23bを、夫々2本づつ備え、合計4本の桟23…23を備える。この実施の形態において、第1の桟23a,23a同士は、平行に配置されている。第2の桟23b,23b同士も平行に配置されている。
図5(B)へ示す通り、第1及び第2の桟23a,23a,23b,23bは、平面視において、井桁を呈する。
但し、各桟23の数は、上記に限定するものではない。また、第1の桟23aと、第2の桟23bとは、同数であってもよいが、異なる本数であっても実施できる。
この実施の形態では、第1の桟23aと第2の桟23bとは、直角に交差するものであるが、他の角度であっても実施できる。
載置部21は、乗り籠e4の外部上面において、上記閉鎖部20を備えたシート状体の上に載せられる。
第1の桟23a,23aの伸びる方向を前後方向とし、第2の桟23b,23bの伸びる方向を左右方向とすると、第1の桟23a,23aの長さは、上記シート状体の前後の幅よりも大きく、第2の桟23b,23bの長さは、シート状体の左右の幅より大きい。
各桟23の両端は、桟23の他の部位よりも、下方に突出する接地部23eを備える。この実施の形態において、接地部23eの下端面が、上記当接部であり、図5(D)へ示す通り、乗り籠e4の外部上面と当接する。
各桟23は、開口部の寸法に応じて、長さを調製できるものとしておくのが好ましい。
即ち、各桟23には、長さを伸縮させることができるものを採用する。具体的には、図5(B)のc−c端面図である図5(C)へ示すように、各桟23は、中空の第1棒材23cと、第1棒材23c内に収容された別体の第2棒材23d,23dとを備える。そして、第1棒材23cの両端から、第2棒材23d,23dを引き出すことによって桟23を伸ばすことができ、逆に、第1棒材23c内へ第2棒材23d,23dを押し込むことにより桟23を縮めることができる。図5(C)へ示す通り、第1棒材23cとして、C型チャンネル材を採用することができる。
上記の接地部23e,23eは、第2棒材23d,23dの露出部分の先端に設けられている。図5(D)へ示す通り、接地部23eの下方への突出幅w2は、当接部と乗り籠e4の上面との間に、隙間ができないように設定される。具体的には、上記シート状体の厚みw1と中空の第1棒材23cの厚みとを加算した幅と、上記突出幅w2とが等しくなるよう、接地部23eを形成しておく。
シート状体が構成する被覆体20には、上下(表裏)に貫通する貫通口22が設けられている。この貫通口22の上方に、桟23…23が呈する井桁の中央部分23f、即ち井桁に囲まれた空間を配置する。潜望鏡部30は、貫通口22及び中央部分23fとに通される。上記の中央部分23fにおいて、桟23に潜望鏡部30を旋回自在に支持させる軸受部4が設けられている。
軸受部4(の閉鎖部2側に固定される部材)は、井桁に組まれた第1及び第2の桟23a,23a,23b,23bに直接取り付けて実施してもよく、また、桟に井桁の中央部分23fを覆う板状体を渡し、当該板状体には潜望鏡部30を通す貫通孔を設けておき、当該貫通孔に、軸受部4(の閉鎖部2側に固定される部材)を取り付けるものとしても実施できる。
上記の装置を用いて、作業者が、エレベータの乗り籠e4に乗って、当該乗り籠e4内から、潜望鏡部30の覗き口を覗きつつ、壁面潜望鏡部30を旋回させて、スプレーガンの操作を行うことにより、昇降経路周囲の壁面へアスベストの処理液を噴霧することができる。
作業中、エレベータの乗り籠の昇降にて、噴霧する上下の位置を変えることができる。
乗り籠に既設の開口部e45は、上記の閉鎖部によって塞がれているので、作業者は、アスベストから安全に作業を進めることができる。
図1〜図5へ示す実施の形態において、閉鎖部2は、噴射部3を支持するものとしたが、この他、閉鎖部2は、開口部e45を閉鎖するのみで、噴射部3を支持しないものとしても実施し得る。例えば、閉鎖部2を、布やその他のシート状体のみからなるものとし、当該閉鎖部3は、噴射部3の噴射口を乗り籠外部へ突き出すための穴を備えるものとし、乗り籠内の作業者が、噴射部3を持ち、その噴射口側を、当該穴に挿入させて、乗り籠外部へ突き出して、処理作業を行うものとしても実施できる。
また、上記において、噴射部3は、潜望鏡部30と、噴射装置5とを一体にしたものであったが、潜望鏡部30と、噴射装置5とは、別々に、閉鎖部2に取り付けられるものとしても実施できる。但し、潜望鏡部30へ噴射装置5を取り付けることによって、潜望鏡部30の旋回操作にて、噴射口の向きを変えることができ、操作が行いやすい。
上記図5(B)〜(D)に示す実施の形態においても、特に言及した事項以外の事項については、図1〜図5(A)に示す各実施の形態と同様である(噴射部について、図2に示すものと、図5(A)に示すものの、何れを採用しても実施することができる)。
既述の各実施の形態において、視認手段として、上記の潜望鏡部に換えて、乗り籠e4の外部即ち乗り籠e4の天井部上面にテレビカメラを設置し、乗り籠内にモニタを設置して、処理液の噴射や、壁面を観察するものとしても実施できる。この場合、カメラに上記曇止め手段を設けて実施すればよい。
更に、図1〜図5へ示す処理方法では、噴射装置は、1箇所に設けられたものとしたが、乗り籠e4おいて、異なる位置に2つ以上の噴射装置を設けるものとしても実施できる。即ち、既設の開口部に収まる範囲において、複数の噴射装置を配置するものとして実施することができる。
上記の作業中、エレベータの昇降経路中に配置されている電源ケーブルやガイドレールといった、昇降経路に沿って伸びる長尺配設物tに対して、アスベストの処理液がかかるのを防止する、即ち、当該長尺配設物tを養生するのが好ましい。
以下、このような養生の方法について説明する。
このアスベスト処理の養生方法は、図6へ示す通り、長尺配設物tの長手方向に沿って乗り籠e4上面(天井部e41の上面)から上方へ伸ばすことができる、中空の被覆部材8を、エレベータの乗り籠e4に設けるものである。
具体的には、図7(A)へ示す通り、被覆部材8には、被覆部材8の中空の本体80と、本体80の上端から下端にかけて被覆部材8の長手方向に沿って切欠する切欠部81と、閉止手段82とを備えたものを採用する。
被覆部材8の上記本体80として、長尺配設物tに対し着脱できると共に長手方向について圧縮する方向に力を受けることによって縮むものを採用する。被覆部材8の本体80が、その内部へ、長尺配設物tの、長手方向の少なくとも養生する部分を収容する。
具体的には、前述のスプレーガンを用いたアスベストの固化剤の散布では、本体80の長さを2.5m〜5mとするのが好ましい。但しこのような数値は、変更可能である。
被覆部材8の本体80は、プラスチックにて形成することができる。この実施の形態では、被覆部材8には、長手方向について圧縮する方向に力を受けることによって縮み、このような力から開放されることによって復元する弾力性を備えるものを採用する。この実施の形態において、本体80は、図7(A)へ示す通り、蛇腹状に形成されたものである。
被覆部材8の本体80として、自立性を有するものを採用し、下端を乗り籠e4に設置することにより、乗り籠e4の上面に配置するものとしても実施できるが、このほか、図7(D)へ示すように、被覆部材8は、乗り籠e4に配置される本体80とは別途の、支柱となる支持部材83を備えるものとし、本体80は自立性を持たずに、当該支持部材83の上端へ、本体80上端が取り付けられて、吊り下げられるものであっても実施できる。支持部材83の下端に、磁石を設けて、支柱部材83を、乗り籠e4に上面に設置するものとすればよい。
被覆部材8は、当該切欠部81を通じて、長尺配設物tを、長尺配置物t内に収容することができ、また、使用後、当該切欠部81を通じて、収容していた長尺配設物tを出すことができる。
図7(B)へ示す通り、閉止手段82として、切欠部81によって被覆部材8の本体80が備える、周方向rの両端8c,8d同士を係止するものを採用して、長尺配設物tの収容後、当該周方向rの端部8c,8dを結合する。
図7(A)及び図7(B)へ示す通り、閉止手段には、エレメント82a(務歯)と、スライダー82b(開閉部品)とを備えた、線ファスナーを採用することができる。エレメント82aは、切欠部81に沿って、上記端部8c,9dに設けられ、引き手を備えた上記のスライダー82bによって、開閉することができる。
また、ファスナーには、上記の一般的な線ファスナー以外に、周知の面ファスナーを採用することもできる。
また、閉止手段82には、ファスナー以外に、磁石を用いることもできる。この場合、上記の周方向rの端部一方に、磁石を取り付け、当該端部の他の一方に、磁石に引き付けられる金属又は磁石を取り付けておく。
更に、閉止手段82には、スナップを用いることもできる。この場合、上記周方向rの端部の一方に、雌雄一対のスナップの一方を取り付け、当該端部の他の一方に、スナップの雌雄の他の一方を取り付ける。
養生する長尺配設物tがガイドレールの場合、周壁e3へ直接取り付けられていたり、或いは、上下方向について、所定間隔ごとに、周壁e3へガイドレールを支持させる支持体(鉄道の軌道に例えると枕木に相当する部材)を備えていることがあり、そのような場合、被覆部材8本体80の、周方向rの両端8c,8d同士を係止して切欠部81を閉ざすことができない。このような場合、切欠部81は開放した状態にして長尺配設物tを覆うものとし、乗り籠昇降時、周壁や上記の支持体を開放された切欠分82にて、かわすようにすればよい。この場合、被覆部材8は、閉止手段82は不要である。
また、上記の噴射部3による処理液の噴射は、乗り籠e4の天井上方にて行われるので、即ち、噴射口51aは乗り籠e4よりも高い位置にあるので、通常は、噴射液が乗り籠e4の側方には、飛散せず、上記の被覆部材8にて、確実に長尺配設tの養生が行える。一方、噴射部3の噴射口51aの位置を低く下げたり、或いは噴射口51aを下方に向けて噴射するので、念のために、乗り籠e4の側方においても、ケーブルt1やガイドレールt2といった長尺配設物tの養生を行おうとするのであれば、図6に示す通り、副被覆部材9を用意して、被覆部材8の下端から下方の、長尺配設物tの乗り籠e4の側面部に沿う部分を養生することもできる。
副被覆部材9は、上記被覆部材8を軸方向に縦割りにした半筒状の形状を有する本体90と、当該本体90の上端に取り付けられて本体90を乗り籠e4に着脱自在に固定する支持材84とを備える。この実施の形態では、副被覆部材9の本体90も、蛇腹状に形成されている。支持材84は、図7(C)へ示す通り、平面視C字状を呈する。支持材84は、C字(円弧部84a)の内側に、長尺配設物8を通すものであり、当該C字の両端に、磁石84b,84bを備え、乗り籠e4の側部上端へ着脱自在に取り付けられる。
これにて、当該支持材84に吊り下げられた状態に、副被覆部材9の本体90は、支持され、長尺配設物tの乗り籠e4の側方に沿う部位を被覆する。
被覆部材8と異なり、副被覆部材9は、閉止部を備えず、副被覆部材9の周方向の端部は、開放された状態を維持する。
そして、乗り籠e4の側部上端へ設置した支持材84上に被覆部材8を配置する。この場合、乗り籠上面に直接被覆部材8を載せる代わりに、この支持部材84の上に被覆部材8を載せるのである。
但し、副被覆部材9の本体90と共に、当初より被覆部材8の本体80も当該支持材84へ固定されたものとしても実施できる。
この他、副被覆部材9を被覆部材8と一体に形成し、蛇腹の谷部に、支持材84の円弧部84aを回して、留めるものとしても実施できる。
但し、ガイドレールについて、前述の周壁や上記の支持体をかわすために、被覆部材8について閉止手段を設けずに、切欠部81を開放しておくような場合においては、上述してきた副被覆部材9を設けることはできない。
図8(A)〜図8(C)へ示す通り、エレベータの乗り籠e4は、昇降経路の最上位置から、順次乗り籠e4を下降させて、処理液の散布を行うことができる。図8(A)へ示す通り、昇降経路の最上位置では、被覆部材8の本体80は、乗り籠e4の天井部e41と、昇降経路の天井(上端壁e6)とに挟まれて、縮んだ状態となっている。この状態において、被覆部材8は、長尺配設物tの、当該乗り籠e4の天井部と昇降経路の天井との間の部位を被覆する。そして、図8(B)へ示す通り、乗り籠e4の降下に従い、被覆部材8の本体は、伸びる。図8(C)は、乗り籠e4の降下によって、被覆部材8の本体80の上端が、昇降経路の天井から離れて、乗り籠e4と共に下方に移行した状態を示している。このように乗り籠e4の降下により、上方から下方へ順次、固化液を周囲の壁面へ散布することができ、その間、上記の養生装置により、長尺配設物tを養生することができる。
図8において、上方から下方へ、乗り籠を降下させながら、固化液の散布を行えものとしたが、これとは逆に、乗り籠を上昇させて、下方から上方へ、固化液の散布を順次行うこともできる。この場合、乗り籠の上昇により、経路の天井と乗り籠上面の間に、被覆部材8の本体80が挟まれても、上記と逆の動作、即ち、被覆部材8本体80が縮むことにより対応することができる。即ち、上記と逆に、図8(C)に示す状態から、図8(B)へ示す状態を経て、図8(A)へ示す状態になる。
前述の通り、被覆部材8の本体80の長さh1は、圧縮する力が掛かっていない状態において2.5m〜5mであり、図8(A)に示す最も縮んだ状態において、被覆部材8の本体80の長さh0は、乗り籠と経路の天井との間の間隔と同じにまで縮むものとすればよく、通常1mとなるのが好ましい。
上記において、乗り籠を500〜1000mm降下させる毎に停止して、対象面を観察しながら、処理液の噴霧を行うのが好ましい。但し、このような設定は、変更可能である。
尚、図7(D)へ示すように支持部材83を用いる場合、当該支持部材83として、伸縮するものを採用して、上記の乗り籠の昇降に対応できるものとしておく。
この養生方法の他の実施の形態について説明する。
この養生方法は、図9(A)へ示す通り、上記の被覆部材8の本体80について、複数の筒状体80a,80b,80cで構成したものを採用する。
上記の筒状体80a,80b,80cは、夫々径が異なり、各筒状体80a,80b,80cは、重ねられる。各筒状体は、プラスチックにて形成することができる。このように重ねられた状態において、被覆部材8は、最も内側に位置する筒状体80aの内部へ長尺配設物tを収容するものである。
上記において、外側の筒状体に対して内側の筒状体を、或いは内側の筒状体に対して外側の筒状体を、上方へ引き出した状態とすることによって、長尺配設物tの少なくとも養生部分を覆う。
この実施の形態では、被覆部材8の本体80は、3個の筒状体にて構成されたものであるが、筒状体はこのような個数に限定するものではなく、2個であっても、4個以上であっても実施できる。
また、上記の各筒状体は、円筒形であるが、多角形状の断面を有する角筒形のものであっても実施できる。
図9(B)へ示す通り、個々の筒状体は、軸方向を上下方向として、上端が上面部80dにて封ぜられており、下端が開放された形態を備える。
筒状体の上面部80dは、上下に貫通する貫通部80dを備え、この貫通部80dから、内部に収容した筒状体を上方へ露出させることができる。
筒状体の下端の周囲には、筒状体の外周面よりも筒状体の径外方向へ突出する引掛部80eが設けられている。この引掛部は、他の筒状体に収容された筒状体において、他の筒状体から引き出された際に、他の筒状体の上面部80dの下面と当接して、上方へ抜け出ないようにするものである。引掛部80eは、この実施の形態では、筒状体の下部外周に形成された鍔状部分である。但し、引掛部80eを、筒状体の外周面から径外方向へ突出する突起としても実施できる。
上記の各筒状体には、筒状体の上端から下端にかけて筒状体の軸方向即ち被覆部材8の長手方向に沿って切欠する上記の切欠部81と、上記の閉止手段とが設けられている。閉止手段としては、図7(A)に示す実施の形態の説明で述べた、前述の、線ファスナや面ファスナ、或いは、スナップや、磁石を用いるものを採用することができる。
この実施の形態では、前述の磁石を用いた閉止手段を採用する。
各筒状体は、弾力を有するプラスチックにて形成することにより、変形させることができるものとし、このような変形によって、切欠部81を、磁石の磁力に抗し広げて、長尺配設物tの出し入れを行う。
この実施の形態において、本体80の筒状体80a,80bは、他の筒状体80b,80cから引き出された状態において、貫通部80fと筒体80a,80bの外周面との間の摩擦抵抗により、図9(A)(B)に示す、当該他方の筒状体80b,80cから引き出された状態を維持する。
この実施の形態においては、図7(A)に示す被覆部材8と異なり、伸ばした状態から本体80を縮めた後、再び、作業者が引き出さないと、本体80を伸ばした状態とすることはできない。このため、処理液の散布作業において、乗り籠e4を下方から上方へ移動させて、作業を行う必要がある。即ち、作業前に、図9(B)へ示す状態に、被覆部材8の本体80を伸ばしておき、乗り籠e4の上昇によって、昇降経路の天井(上端壁e6)が迫ると、当該天井と当接し、天井に押されて、本体80は、図9(C)へ示す状態に縮むようにするのである。
この図9に示す実施の形態においても、特に言及した以外の構成は、上述の他の実施の形態と同様である。
図9に示す実施の形態において、筒状体に処理液が飛散して、処理液が筒状体の貫通部80fから本体80の内部へ侵入するのを防止するために、図10(A)へ示す別途の袋体85にて、本体80を覆うものとしても実施できる。
更には、このような袋体85を被覆部材8の本体として、被覆部材8の当該袋体85に覆われる部分は、袋体80を支持するために設けるものとしても実施できる。この場合、被覆部材8の当該袋体85に収容された部分は、長尺配設物tを被覆する必要はなく、伸縮する構成のみを備えたものを採用することもできる。例えば、袋体85内において、被覆部材8の袋体85内に収容された部材の外側に、長尺配設物tが位置するものとしても実施でき、またこの場合、当該部材の各部を筒状体として形成する必要もない。
また、更に他の実施の形態について説明する。
上記図9及び図10(A)へ示す実施の形態において、被覆部材8の本体80を構成する、各筒状体は、切欠部81を備え、当該切欠部81から、長尺配設物tを出し入れするものとした。この他、図10(B)へ示す通り、被覆部材8の本体80を構成する各筒状体が、夫々、筒状体を筒状体の周方向rについて分割した形状に形成された複数の筒構成部材と、筒構成部材を結合して一つの筒状体として固定する閉止部とを備えたものを採用することができる。
この図10(B)に示す実施の形態では、各筒状体は、筒を軸方向に縦割りにした半円筒形の2つの筒構成部材80x,80yとにて構成されている。但し、筒構成部材をこのように、筒を二分割した形状のもの、即ち、2つの筒構成部材にて、筒状体を構成するものに限定するものではなく、3つ以上の筒構成部材にて、1つの筒状体を構成するものとしても実施することができる。
閉止部には、図9に示す実施の形態と同様、図7(A)の実施の形態にて採用可能なものを採用することができ、この図10(B)に示す実施の形態において、閉止部として、磁石を用いるものを採用することができる。即ち、筒構成部材20x,20yの対応する端面(筒状体の周方向における端面)に、閉止部材として、極性が逆となるように磁石を設けるか、当該端面の一方に磁石を設け、他方に磁石に引き付けられる金属を設ける。
長尺配設物tを出し入れする際には、各筒状体を構成する筒構成部材80x,80y同士を分離して、行えばよい。
上記の図9及び図10へ示す実施の形態では、図9(A)へ示す実施の形態と異なり、被覆部材8は、伸縮するものであるが、圧縮する力を受けて縮んだ後、当該圧縮力から開放されても、自力で元の長さに復元するものではない。この点、図9及び図10へ示す被覆部材8についても、バネなどの付勢手段を設けることによって、圧縮力から開放されると元の長さに自動的に復元するものとしても実施することができる。
尚、養生の対象として、乗り籠のガイドレールについては、昇降経路の壁面に固定されている場合、当該壁面が邪魔になるので、閉止部を設けず、被覆部材8の本体の周方向の両端を開いたままの状態にして、ガイドレールに被覆部材8を装着する。即ち、この場合、前述の副被覆部9と同様に、被覆部材8を形成して対応すればよい。
図6〜図10に示す各実施の形態において、被覆部材8や副被覆部材9の本体80,90は、プラスチックにて形成するものとしたが、紙や布にて形成して実施してもよい。
また、図9(A)に示す実施の形態においても、弾力性が小さなプラスチックや上記の紙にて形成することができ、その場合、図9に示す実施の形態と同様、下方から上方へ乗り籠を移動させて、アスベストの処理を行えばよい。
1 アスベスト処理装置
2 閉鎖部
3 噴射部
4 軸受部

Claims (5)

  1. 建造物内部に設置された、箱型の乗り籠を備えるエレベータについて、昇降経路を取り囲む壁面の、アスベストの固化処理を行う処理方法であって、
    エレベータの乗り籠の天井に設けられた既設の開口部に対し、当該開口部を封じている蓋部材を外して、当該蓋部材に代え、閉鎖部材をエレベータの乗り籠の天井上面へ載せることにより、開口部を閉鎖或いは被覆し、
    経路周囲の壁面へ処理液を噴射する噴射口と、処理液の収容部と、収容部から処理液を噴射口へ供給する連絡路と、噴射操作を行う操作部とを備えた、噴射装置を用い、
    噴射装置の噴射口を、エレベータの乗り籠外部へ配置し、
    処理液の収容部と操作部とを、乗り籠内に配置し、
    閉鎖部材を貫通するように連絡路を設けて、乗り籠内の収容部と乗り籠外部の噴射口とを接続し、
    作業者がエレベータの乗り籠に乗って、当該作業者がエレベータの乗り籠内にて噴射装置を操作することにより、エレベータの経路壁面へ処理液を散布するものであることを特徴とするアスベストの処理方法。
  2. 建造物内部に設置された、箱型の乗り籠を備えるエレベータについて、昇降経路を取り囲む壁面の、アスベストの固化処理を行う処理装置であって、
    エレベータの乗り籠の天井上面へ着脱自在に配される閉鎖部と、アスベストの処理液を上記壁面へ噴射する噴射部とを備え、
    閉鎖部は、乗り籠の天井に既設の開口部を、閉鎖或いは被覆するものであり、
    噴射部は、エレベータの乗り籠外部へ配置されて経路周囲の壁面へ処理液を噴射する噴射口と、エレベータの乗り籠内に配置される処理液の収容部と、収容部から噴射口へ処理液を供給する連絡路と、エレベータの乗り籠内に配置された噴射操作を行う操作部とを備え、
    連絡路は、閉鎖部を貫通して、乗り籠内の収容部と、乗り籠外部の噴射口とを接続するものであり、
    上記操作部は、作業者がエレベータの乗り籠に乗って、当該作業者がエレベータの乗り籠内にて噴射装置を操作することにより、エレベータの経路壁面へ処理液を散布するものであることを特徴とするアスベストの処理装置。
  3. 上記既設の開口部は、エレベータの点検用或いは乗り籠の照明器具の設置用のものであり、
    噴射部は、エレベータの乗り籠内から、処理液の噴射の狙いを定める或いは経路周囲の壁面の処理の状況を観察する潜望鏡部を備え、
    潜望鏡部は、筒状の本体と、当該本体に設けられた、収光口と、覗き口と、旋回操作用の把手と、照明灯と、曇り止め手段とを備え、
    閉鎖部は、エレベータの乗り籠の外部上面と当接して当該上面に支持される載置部と、上記開口部を閉鎖する閉鎖体とを備え、
    載置部は、上記の開口部を挟んで位置するように或いは開口部を取り囲むように配置されて、エレベータの乗り籠の外部上面と当接する、当接部を備え、
    閉鎖部は、乗り籠の外側から内側に掛けて貫通し、潜望鏡部の本体を旋回自在に受容する貫通口を備え、
    閉鎖部に装着された潜望鏡部において、覗き口と把手とは、乗り籠内に位置し、収光口と照明灯とは、乗り籠の外部に位置し、
    曇り止め手段は、収光口にエアーを吹き付けて、収光口が曇るのを防止するものであり、
    上記噴射口は、潜望鏡部の本体と一体に形成され、把手の操作によって、収光口と共に向きを変えることができ、
    処理液の連絡路の少なくとも乗り籠を貫通する区間は、潜望鏡の本体に設けられたことを特徴とする請求項2記載のアスベストの処理装置。
  4. 潜望鏡部の本体を、旋回自在に閉鎖体の貫通口へ支持させる軸受け部を備え、
    上記の閉鎖体は、乗り籠天井の開口部内に嵌められる挿入部と、乗り籠の外部へ露出する露出部とを備え、
    上記の載置部は、閉鎖体の露出部に設けられ、露出部から横方向へ突出する突出部或いは鍔状体であり、載置部の下面が上記当接部であり、
    上記の貫通口は、閉鎖体を上下に貫通し、軸受け部にて、潜望鏡部を、閉鎖体及び載置部へ支持させることより、乗り籠に潜望鏡部を設置するものであることを特徴とする請求項3記載のアスベストの処理装置。
  5. 潜望鏡部の本体を、旋回自在に載置部へ支持させる軸受け部を備え、
    上記の閉鎖体は、乗り籠の上面に配置され、開口部を覆うシート状体であり、
    上記の載置部は、乗り籠の上面において閉鎖体の上に配置されるものであり、且つ、開口部に渡される第1及び第2の少なくとも2本の桟を備え、
    第2桟は、第1桟と交差するように第1桟へ固定されたものであり、
    第1及び第2の各桟は、伸縮することにより、開口部の大きさに合わせて、長さを変えることができ、第1及び第2の各桟の両端部の下面が、上記の当接部であり、
    載置部は、上記の軸受け部により、潜望鏡部を、第1及び第2の両桟の少なくとも一方へ支持させることにより、乗り籠に潜望鏡部を設置すると共に、閉鎖体の開口部へ当該潜望鏡部の本体を配置するものであることを特徴とする請求項3記載のアスベストの処理装置。
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