JP2010003532A - 燃料電池用電極触媒の製造方法、及びそれを用いた燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】白金の代替となる、四電子還元性能が高く、高活性な燃料電池用電極触媒の製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1種の遷移金属元素とカルコゲン元素としてイオウ(S)を含む燃料電池用電極触媒の製造方法であって、触媒合成後に、300〜400℃、好ましくは330〜370℃で熱処理を行うことを特徴とする燃料電池用電極触媒の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】少なくとも1種の遷移金属元素とカルコゲン元素としてイオウ(S)を含む燃料電池用電極触媒の製造方法であって、触媒合成後に、300〜400℃、好ましくは330〜370℃で熱処理を行うことを特徴とする燃料電池用電極触媒の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、従来の白金触媒の代替となる、初期活性及び耐久性に優れた新規燃料電池用電極触媒の製造方法、及びそれを用いた燃料電池に関する。
高分子電解質型燃料電池のアノード用触媒としては主として白金や白金合金系触媒が用いられる。具体的には、白金を含む貴金属をカーボンブラックに担持した触媒が用いられてきた。白金担持カーボンブラックは、塩化白金酸水溶液に、亜硫酸水素ナトリウムを加えた後、過酸化水素水と反応させ、生じた白金コロイドをカーボンブラックに吸着させ、洗浄後、必要に応じて熱処理することにより調製する手法が一般的である。高分子電解質型燃料電池では、白金担持カーボンブラックを高分子電解質溶液に分散させてペーストとし、そのペーストをカーボンペーパーなどのガス拡散電極に塗布し、乾燥した後、2枚のガス拡散電極で高分子電解質膜をはさみ、ホットプレスをすることにより電解質膜−電極接合体(MEA)が製造される。
高分子電解質型燃料電池を実用化する上での課題の一つは、材料コストである。これを解決する手段の一つが白金量の低減である。
一方、酸素(O2)を電解還元すると、1電子還元ではスーパーオキシドが生成し、2電子還元では過酸化水素が生成し、4電子還元では水が生成することが知られている。電極として白金や白金系触媒を用いた燃料電池セルスタックでは、何らかの原因で電圧低下が生じると、4電子還元性が低下し、2電子還元性となってしまう。このため、過酸化水素を発生し、MEAの劣化の原因となっていた。
最近、酸素を4電子還元して水を生成させる反応により、高価な白金触媒を必要としない低コスト型の燃料電池触媒の開発が行われている。下記非特許文献1には、カルコゲン元素を有する触媒が4電子還元性に優れていることが開示され、燃料電池への適用も示唆されている。
同様に、下記特許文献1には、白金代替触媒として、少なくとも1種の遷移金属及びカルコゲンからなる電極触媒であって、該遷移金属としてRu、カルコゲンとしてS又はSeからなる電極触媒が開示されている。ここで、Ru:Seのモル比が0.5〜2の範囲であり、且つ(Ru)nSeの化学量論数nが1.5〜2である旨が開示されている。
また、下記特許文献2には、Pt代替触媒として、Fe又はRuから選択される遷移金属と、窒素含有有機金属遷移錯体、及びS等のカルコゲン成分を有する燃料電池用触媒材料が開示されている。
また、下記非特許文献1には、Mo−Ru−Se三元系電極触媒、及びその合成方法が開示されている。
更に、下記非特許文献2には、Ru−S、Mo−S、Mo−Ru−Sの二元系及び三元系電極触媒、及びその合成方法が開示されている。
更に、下記非特許文献3には、Ru−Mo−S、Ru−Mo−Seの三元系カルコゲナイド電極触媒が開示されている。
特許文献1や非特許文献1、2、3に記載の触媒は、活性及び四電子還元性能が十分ではなかった。
そこで、本発明は、白金の代替となり、安価で、四電子還元性能が高く高活性な燃料電池用電極触媒であるカルコゲナイド触媒の活性を更に向上させる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、カルコゲナイド触媒に特定の処理工程を加えることで、上記課題が解決されることを見出し、本発明に到達した。
即ち、第1に、本発明は、少なくとも1種の遷移金属元素とカルコゲン元素としてSを含む燃料電池用電極触媒の製造方法の発明であって、触媒合成後に、300〜400℃、好ましくは330〜370℃で熱処理を行うことを特徴とする。
本発明の熱処理の対象となる燃料電池用電極触媒は、少なくとも1種の遷移金属元素とカルコゲン元素としてイオウ(S)を含む燃料電池用電極触媒であって、二元系カルコゲナイド触媒や三元系以上のカルコゲナイド触媒である。具体的には、上記各特許文献や非特許文献に開示されたものが対象となる。これらの中で、一般式RuSで表されるカルコゲナイド触媒が好ましく例示される。
本発明の熱処理の対象となる燃料電池用電極触媒は、遷移金属元素種として金属カルボニル化合物を用いることが好ましい。本発明の特定の熱処理によって、生成触媒中に残存する不純物であるカルボニル基を脱離・除去できる。
RuS合成としては従来公知の方法、例えば、上記非特許文献1に開示された方法を用いることができる。具体的には、Ruカルボニル化合物と、イオウ(S)と、カーボンブラックとを、溶媒中で混合する工程と、該混合物を還流合成法で還元する工程と、生成物をろ過・洗浄・乾燥する工程を有する方法でRuSを製造することができる。
第2に、本発明は、上記の方法によって製造された燃料電池用電極触媒を備えた燃料電池である。
本発明の方法によって製造された燃料電池用電極触媒は、従来の遷移金属−カルコゲン元素系触媒と比べて、四電子還元性能が高く高活性であり、従来の白金触媒の代替となりうるものである。従来、金属カルボニルの脱離温度と活性との関係が不明であったため、熱処理温度が適当でなかった。今回、本発明により、300〜400℃の熱処理を加えることにより、燃料電池の用電極触媒の酸素還元電流を向上させ、燃料電池の生成電流を向上させることができた。
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例:触媒の調製]
上記非特許文献1に開示された、Ru−Se二元系電極触媒の合成方法では、合成工程中における熱処理の効果として、(1)M(遷移金属)とX(カルコゲン元素)の結合を促進させること、及び(2)原料由来の不純物(カルボニル基)を脱離させることにより除去することが考えられる。この熱処理温度を適切な値にすることが、上記触媒の性能向上への課題であった。(2)に関しては、上記非特許文献2に記述がある。上記特許文献2によると、熱処理は“200〜300℃、殊に208℃にて行なう”とある。だが、この温度では上記(1)、(2)の十分な効果が得られない。
[実施例:触媒の調製]
上記非特許文献1に開示された、Ru−Se二元系電極触媒の合成方法では、合成工程中における熱処理の効果として、(1)M(遷移金属)とX(カルコゲン元素)の結合を促進させること、及び(2)原料由来の不純物(カルボニル基)を脱離させることにより除去することが考えられる。この熱処理温度を適切な値にすることが、上記触媒の性能向上への課題であった。(2)に関しては、上記非特許文献2に記述がある。上記特許文献2によると、熱処理は“200〜300℃、殊に208℃にて行なう”とある。だが、この温度では上記(1)、(2)の十分な効果が得られない。
そこで、本実施例では、原料として、Ru3(CO)12、イオウ(S)、キシレン、カーボンブラックを用い、及び下記の合成法を用い、酸素還元能の熱処理温度依存性を調べた。
(1)上記原料を混合し、還流合成法(湿式化学、有機低温合成)を用いた。
(2)得られた生成物をろ過・洗浄し、50〜100℃にて真空乾燥を行なった。
(3)更に熱処理を行なった。
(1)上記原料を混合し、還流合成法(湿式化学、有機低温合成)を用いた。
(2)得られた生成物をろ過・洗浄し、50〜100℃にて真空乾燥を行なった。
(3)更に熱処理を行なった。
図1に、得られた酸素還元能の熱処理温度依存性の結果を示す。図1の結果、熱処理を300℃〜400℃で行うと好ましく、330℃〜370℃で行うと好ましいことが分かる。即ち、本発明の熱処理による触媒が、従来法の200℃〜300℃未満の熱処理によるものと比べて、不純物であるカルボニル基がほぼ完全に脱離・除去されて酸化還元能が格段に向上することが分かる。
なお、性能評価法は下記の通りである。
[評価装置]
図2に示すように、3電極式の電気化学セルを用いて評価を実施した。電解液は0.1mol/L過塩素酸を用いた。参照極には銀−塩化銀電極を用いた。
[電極作製法]
図3に、電極作製法を示す。重量比で、カーボンに1に対してナフィオンが0.1になるように触媒インクを配合した。インク組成は、触媒0.05g、0.5wt%Nf溶液1.0g、エタノール2.0gである。(1)Nfソリューション、エタノールと混合し、(2)超音波で分散し、(3)グラッシーカーボン・ディスク電極上へ触媒インクを滴下後自然乾燥させる。
[評価装置]
図2に示すように、3電極式の電気化学セルを用いて評価を実施した。電解液は0.1mol/L過塩素酸を用いた。参照極には銀−塩化銀電極を用いた。
[電極作製法]
図3に、電極作製法を示す。重量比で、カーボンに1に対してナフィオンが0.1になるように触媒インクを配合した。インク組成は、触媒0.05g、0.5wt%Nf溶液1.0g、エタノール2.0gである。(1)Nfソリューション、エタノールと混合し、(2)超音波で分散し、(3)グラッシーカーボン・ディスク電極上へ触媒インクを滴下後自然乾燥させる。
[評価手順]
表1に、今回の評価手順を示す。下記表1の電極回転数とは、図2中の作用電極の回転数を示す。なお、活性を表す指標は、酸素還元電流=(表1中、O2電気化学測定にて測定した還元電流)−(表1中、N2電気化学測定にて測定した還元電流)である。
表1に、今回の評価手順を示す。下記表1の電極回転数とは、図2中の作用電極の回転数を示す。なお、活性を表す指標は、酸素還元電流=(表1中、O2電気化学測定にて測定した還元電流)−(表1中、N2電気化学測定にて測定した還元電流)である。
本発明の方法によって製造された燃料電池用電極触媒は、従来の遷移金属−カルコゲン元素系触媒と比べて、四電子還元性能が高く、高活性であり、従来の白金触媒の代替となりうるものである。これにより、燃料電池の実用化と普及に貢献する。
Claims (6)
- 少なくとも1種の遷移金属元素とカルコゲン元素としてイオウ(S)を含む燃料電池用電極触媒の製造方法であって、触媒合成後に、300〜400℃で熱処理を行うことを特徴とする燃料電池用電極触媒の製造方法。
- 前記熱処理が、330〜370℃であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
- 遷移金属元素種として金属カルボニル化合物を用いることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
- 前記燃料電池用電極触媒がRuSであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
- 前記RuS合成が、Ruカルボニル化合物と、Sと、カーボンブラックとを、溶媒中で混合する工程と、該混合物を還流合成法で還元する工程と、生成物をろ過・洗浄・乾燥する工程とを有することを特徴とする請求項4に記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の方法によって製造された燃料電池用電極触媒を備えた燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008161161A JP2010003532A (ja) | 2008-06-20 | 2008-06-20 | 燃料電池用電極触媒の製造方法、及びそれを用いた燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008161161A Pending JP2010003532A (ja) | 2008-06-20 | 2008-06-20 | 燃料電池用電極触媒の製造方法、及びそれを用いた燃料電池 |
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Country | Link |
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2008
- 2008-06-20 JP JP2008161161A patent/JP2010003532A/ja active Pending
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