JP2010003010A - 顔認証装置および顔認証方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】特別な装置構成を必要とすることなく認証意志の有無を判定することが可能となる顔認証装置を提供する。
【解決手段】人物が特定の位置に到達するまでに当該人物から取得した顔画像をあらかじめ登録された辞書情報と照合することにより当該人物はあらかじめ登録された人物であるかを認証し、その認証結果に基づき当該人物の通行制御など所定の出力を行なう顔認証装置において、人物の認証意志の有無を判定し、認証意志ありと判定された場合に、当該人物はあらかじめ登録された人物であるか否かを認証する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、たとえば、移動する人物(歩行者)を認証対象とし、当該人物が特定の位置に到達するまでに当該人物から取得した顔画像をあらかじめ登録された辞書情報と照合することにより当該人物はあらかじめ登録された人物であるかを認証し、その認証結果に基づき当該人物の通行制御など所定の出力を行なう顔認証装置および顔認証方法に関する。
従来、人物の顔の特徴情報を利用して当該人物は本人か否かを認証し、その認証結果に基づき当該人物の通行制御などを行なう顔認証装置では、あらかじめ人物の顔を含んだ画像情報をカメラにより取得し、この取得した画像から人物の顔の特徴情報を取得し、この取得した特徴情報を辞書情報として登録しておく。
顔認証時には、人物の顔を含んだ画像情報をカメラにより再度取得し、この取得した画像から人物の顔の特徴情報を取得し、この取得した特徴情報をあらかじめ登録された辞書情報と照合することにより両情報の類似性を求め、類似性が高い場合には登録者であると認証して当該人物の通行を許可し、類似性が低い場合には未登録者であると認証して当該人物の通行を不許可とする技術が開発されている。
一方、このような顔の特徴情報を利用した顔認証装置では、広い視野から画像情報を取得し、認証を行なうため、認証の意志の無い人物が捉えられ、認証を行なってしまう場合がある。認証の意志の無い人物を認証し、認証結果に応じた出力(たとえば、通行制御など)を行なってしまうと、セキュリティ上の問題を引き起こす可能性がある。この問題を解決するために、認証の意志確認を行ない、認証の意志に基づいて顔認証を行なう技術が開発されている(たとえば、特許文献1、2、3参照)。
特許文献1では、利用者の認証の意志確認を行なうための照合開始入力手段を備えることで、照合開始信号を取得し、この取得した照合開始信号に基づいて利用者の認証意志の有無を判定している。
特許文献2では、一定時間内の顔領域の大きさの変化により、利用者の接近度合いを計測し、計測した接近度合いに基づいて利用者の認証意志の有無を判定している。
特許文献3では、利用者の頭部の大きさの時間的変化、頭部の向きの時間的変化、物体位置の時間的変化、これら3種の組合わせにより利用者の入室動作(認証意志)の有無を予測(判定)している。
特開平11−328405号公報 特開2005−275869号公報 特開2006−177086号公報
特許文献1は、認証の意志確認のために特別な装置構成を必要とするため、コスト的な面や、設置性の面で問題が生じる場合がある。
特許文献2、特許文献3は、特別な装置構成を必要としないが、顔領域の大きさや、顔の向き、物体の位置変化を対象としているが、設置環境に依存して判定条件が異なる可能性が高い。そのため、設置環境に応じて適応できないと判定性能が低下してしまうという問題が生じる。
そこで、本発明は、特別な装置構成を必要とすることなく認証意志の有無を判定することが可能とる顔認証装置および顔認証方法を提供することを目的とする。
本発明の顔認証装置は、人物の少なくとも顔を含む画像を取得する画像取得手段と、この画像取得手段により取得された画像から当該人物の軌跡情報を取得し、この取得した軌跡情報に基づき当該人物の認証意志の有無を判定する認証意志判定手段と、この認証意志判定手段により認証意志ありと判定された場合、前記画像取得手段により取得された画像から人物の顔の特徴情報を取得し、この取得した特徴情報をあらかじめ登録された辞書情報と照合することにより当該人物はあらかじめ登録された人物であるか否かを認証する認証手段と、この認証手段の認証結果に基づき所定の出力を行なう認証結果出力手段とを具備している。
本発明によれば、特別な装置構成を必要とすることなく認証意志の有無を判定することが可能となる顔認証装置および顔認証方法を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明の概要について簡単に説明する。本発明では、たとえば、図1に示すように、通行路1を図示矢印a方向に移動して入退場対象エリア(部屋や施設等)2に設けられたドアやゲート装置などの認証結果出力部105に向う人物(以降、歩行者とも称す)Mの顔をカメラなどの画像取得部101で取得する。具体的には、認証動作を開始したと見なせるA地点から認証動作の終了と見なせる間に画像取得部101で取得された顔画像を用いて顔認証を行ない、当該人物Mがあらかじめ登録された人物であるか否かを判定する。認証結果出力部105は、あらかじめ登録された人物と判定された場合には当該人物Mの通行を許可し、登録された人物でないと判定された場合には当該人物Mの通行を不許可とする。なお、認証動作の開始と終了は、後述する認証部104によって判断されるものとする。
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図2は、第1の実施の形態に係る顔認証装置の構成を概略的に示すものである。この顔認証装置は、画像取得手段としての画像取得部101、顔検出手段としての顔検出部102、認証意志判定手段としての認証意志判定部103、認証手段としての認証部104、および、認証結果出力手段としての認証結果出力部105を有して構成される。
以下、各構成要素について詳細に説明する。
画像取得部101は、人物Mの少なくとも顔を含む画像を取得するもので、たとえば、CCDセンサなどの撮像素子を用いたテレビジョンカメラから構成されており、図1に示すように、通行路1の側部でA地点と認証結果出力部105との間に設置されている。なお、画像取得部101の設置高さは、たとえば、人物の平均的な身長程度の高さにほぼ水平に設置される。
顔検出部102は、画像取得部101で取得された画像から人物Mの顔領域を検出し、顔領域を検出できた場合は認証動作を開始したと見なす。顔領域の検出処理は、たとえば、文献(三田.金子.堀.”微小な差異を含む画像の認証に適した空間差分確率テンプレートの提案”,第9会画像センシングシンポジウム講演論文集.SSII03.2003)に記載されている手法を用いることができる。
この手法は、事前に顔の学習パターンから検出用辞書パターンを作成しておき、辞書パターンと高い類似度を持つパターンを入力画像から探す手法である。顔領域の検出処理の出力は、顔領域の座標情報であるため、当該座標情報から顔領域の大きさを算出できる。また、顔領域の検出処理において、角度ごとの検出用辞書パターンを作成しておくことで、顔の向き情報も算出できる。したがって、顔検出部102は、認証意志判定部103に対して顔領域の座標情報、顔領域の大きさ情報、顔の向き情報を出力する。
顔検出部102は、続いて認証動作が終了したか否かの判定を行なう。認証動作の終了判定は、たとえば、認証中の人物Mの追跡を行ない、追跡が途切れたか否か、あるいは、必要な顔検出画像数が取得できたか否か、などにより判定する。もちろん、その両者を組合わせることなども考えられる。
認証意志判定部103は、人物Mの認証する意志の有無を判定するものである。認証意志の判定処理は、顔検出部102から得られる顔領域の座標情報、顔領域の大きさ情報、および、顔の向き情報により人物Mの軌跡情報を算出し、算出した軌跡情報と、あらかじめ図示しないメモリに記憶(登録)された顔領域の座標情報、顔領域の大きさ情報、顔の向き情報の時間的変化の分布より算出した登録軌跡情報(判定条件)とを比較することで認証意志の有無を判定する。
具体的には、画像取得部101で撮影している視野に顔が写った最初の状態(認証動作の開始)から顔を追跡し、所定のフレーム数分の時間が経過した段階(認証動作の終了)において、最初の顔座標からの時間的な変化を多次元のベクトルで表した軌跡情報と、あらかじめ登録された複数歩行分の多次元のベクトルより求まる分布情報からなる登録軌跡情報とを比較することで認証意志の有無を判定できる。
たとえば、人物Mの顔が相対的に大きくなっている、人物Mの顔の向きが画像取得部101に対して正面である割合が高い、顔領域の座標が画面の中央に近づいている、場合には認証の意志があると判定する方法や、これらを複数同時に利用し、統合した結果を用いる。また、設置場所ごとに通行路と顔認証装置との位置関係が異なるため、座標分布および時間的な変化が変わることが予想される。よって、設置場所にあわせて適切に判定条件を設けることができてもよい。
認証部104は、顔検出部102で検出された顔領域から人物Mの顔の特徴情報を抽出し、この抽出した特徴情報をあらかじめ図示しない辞書メモリに記憶(登録)された辞書情報と照合することにより、当該人物Mはあらかじめ登録された人物であるか否かを認証する。
顔の特徴情報の抽出には、たとえば、文献(福井,山口.”形状抽出とパターン照合の組合せによる顔特徴点抽出”,信学論,(D),vol.J80−D−H,No.8,pp.2170−2177.1997)に記載されている手法を用いて顔の特徴点を検出し、検出された特徴点を基準に一定の大きさ、形状に切出し、その濃淡情報から特徴情報を生成する。特徴情報の生成は、たとえば、mピクセル×nピクセルで切出した場合、m×n次元の特徴ベクトルとなり、特徴ベクトルより相関行列(または共分散行列)を求め、そのK−L展開による正規直交ベクトル(固有ベクトル)を求めることにより、部分空間を計算する。部分空間は、固有値に対応する固有ベクトルを、固有値の大きな順にk個選び、その固有ベクトルの集合を用いて表現する。本実施の形態では、相関行列Cdを特徴ベクトルから求め、相関行列
Cd=Φd Λd Φd T
と対角化して、固有ベクトルの行列Φを求める。
抽出した特徴情報とあらかじめ登録されている辞書情報との類似度の算出には、たとえば、文献(山口,福井,前田.”動画像を用いた顔認識システム”,信学技報PRMU97−50,pp.17−23,1997−06)に記載されている相互部分空間法などを用いて算出する。この場合、顔特徴情報として部分空間自身を利用し、部分空間同士の類似度を算出する。算出した類似度が所定の閾値以上であれば、登録者であると判定し、認証成功とする。一方、算出した類似度が所定の閾値未満であれば、該当者なし(未登録者である)と判定し、認証失敗とする。
あらかじめ辞書情報を登録するには、認証時と同等の動作を管理者同伴の元で実施し、生成した顔の特徴情報を辞書情報として登録する。その際、登録者を一意に識別可能なID情報(識別情報)や、氏名、性別、身長、所属部署などの属性情報も対応付けて辞書情報とする。
認証結果出力部105は、認証意志の判定結果および認証結果のうち少なくとも一つにもとづいて所定の出力を行なうもので、ここでは認証意志のある人物のみ認証処理が行なわれ、その認証結果に基づいて出力を行なう。たとえば、人物Mに対して認証結果を表示するLCDなどの表示装置や、人物Mの通行を制御する自動ドアやゲート装置などの通行制御装置で実現される。表示装置であれば、認証結果に応じて認証の成功失敗や、判定された辞書情報などを表示する。通行制御装置であれば、認証成功であれば人物Mの通行を許可し、認証失敗であれば人物Mの通行を不許可とするなどの動作が考えられる。
以下、第1の実施の形態に係る処理手順について図3に示すフローチャートを参照して説明する。
顔検出部102は、画像取得部101で取得された画像を取込み(ステップS1)、取込んだ画像中に人物Mの顔領域が存在するか否かを検出する(ステップS2)。画像中から顔領域を検出できた場合は、認証動作を開始したと見なし、認証意志判定部103に対し顔領域の座標情報、顔領域の大きさ情報、顔の向き情報を出力する。
続いて、顔検出部102は、認証動作が終了したか否かの判定を行ない(ステップS3)、認証動作の終了判定により終了と判定されれば、認証意志の判定処理を行ない、そうでなければステップS1に戻り、再度画像入力から繰り返す。
ステップS3において認証動作が終了したと判定された場合、認証意志判定部103は、顔検出部102から得られる顔領域の座標情報、顔領域の大きさ情報、および、顔の向き情報により人物Mの軌跡情報を取得(算出)するとともに、あらかじめ登録された登録軌跡情報を取得し(ステップS4,S5)、これら取得した軌跡情報と登録軌跡情報とを比較することで人物Mの認証意志の有無を判定する(ステップS6)。
この判定の結果、認証の意志有りと判定された場合、認証部104は、顔検出部102で検出された顔領域から人物Mの顔の特徴情報を抽出し、この抽出した特徴情報をあらかじめ登録された辞書情報と照合することにより、当該人物Mはあらかじめ登録された人物であるか否かを認証し(ステップS7)、その認証結果を認証結果出力部105へ送る。
なお、ステップS6における認証意志の判定の結果、認証の意志無しと判定された場合、ステップS1に戻り、再度画像入力から繰り返す。
認証結果出力部105は、認証部104の認証結果に基づき所定の出力を行なう(ステップS8)。具体的には、たとえば、人物Mに対して認証結果を表示する表示装置であれば、認証結果に応じて認証の成功失敗や、判定された辞書情報などを表示し、人物Mの通行を制御する自動ドアやゲート装置などの通行制御装置であれば、認証成功の場合は人物Mの通行を許可し、認証失敗の場合は人物Mの通行を不許可とする。
次に、第2の実施の形態について説明する。
図4は、第2の実施の形態に係る顔認証装置の構成を概略的に示すものである。第2の実施の形態は、図2で示した第1の実施の形態における構成に対し、認証意志判定部103と認証部104の位置を入れ替えた構成である。
以下、第2の実施の形態に係る処理手順について図5に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップS1〜S3までは図3と同様の処理であるので説明は省略する。ステップS3において認証動作が終了したと判定された場合、認証部104は、顔検出部102で検出された顔領域から人物Mの顔の特徴情報を抽出し、この抽出した特徴情報をあらかじめ登録された辞書情報と照合することにより、当該人物Mはあらかじめ登録された人物であるか否かを認証し(ステップS9)、その認証結果を認証結果出力部105へ送る。
次に、認証意志判定部103は、顔検出部102から得られる顔領域の座標情報、顔領域の大きさ情報、および、顔の向き情報により人物Mの軌跡情報を取得(算出)するとともに、あらかじめ登録された登録軌跡情報を取得し(ステップS10,S11)、これら取得した軌跡情報と登録軌跡情報とを比較することで人物Mの認証意志の有無を判定する(ステップS12)。
この判定の結果、認証の意志有りと判定された場合、認証結果出力部105は、認証部104の認証結果および認証意志判定部103の判定結果に基づき所定の出力を行なう(ステップS13)。すなわち、認証処理を行なったうち、認証意志のある人物のみの認証結果に基づいて出力を行なう。
具体的には、たとえば、認証結果出力部105にてドアの開閉制御を行なっている場合には、認証結果が認証失敗の時は認証意志の有無にかかわらずドアを開けず、認証結果が認証成功の時は認証意志が無ければドアを開けないといった制御を行なう。このような出力を行なうことで、登録者が無意識にドアを開けてしまうのは防ぐことができる。
なお、ステップS12における認証意志の判定の結果、認証の意志無しと判定された場合、ステップS1に戻り、再度画像入力から繰り返す。
次に、第3の実施の形態について説明する。
図6は、第3の実施の形態に係る顔認証装置の構成を概略的に示すものである。第3の実施の形態は、図2で示した第1の実施の形態における構成に対し、認証意志判定部103と認証結果出力部105の位置を入れ替えた構成であるが、認証結果出力部105の機能が若干異なっている。
認証結果出力部105は、第1の実施の形態と同じく表示装置や通行制御装置などにより実現されるが、合わせて人物Mの認証成功時の行動を検知して認証成功検知情報を出力する機能をも有しているものとする。
具体的には、たとえば、表示装置であればタッチパネルなどであり、認証成功時に人物Mがタッチパネルを操作したことを検知して認証成功検知情報を出力することや、通行制御装置では人物Mの通行を検知するセンサを備えていて、認証成功時に人物Mの通行を検知して認証成功検知情報を出力することなどが考えられる。
さらに、認証結果出力部105は、画像取得部101で取得された画像や当該画像に対する認証処理内容などの情報を履歴情報として図示しない保存メモリに保存(記憶)する保存機能(保存手段)をも有しているものとする。なお、この保存機能は認証結果出力部105から独立させ、保存手段として専用の記憶装置を設けてもよい。
以下、第3の実施の形態に係る処理手順について図7に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップS1〜S3までは図3と同様の処理であるので説明は省略する。ステップS3において認証動作が終了したと判定された場合、認証部104は、顔検出部102で検出された顔領域から人物Mの顔の特徴情報を抽出し、この抽出した特徴情報をあらかじめ登録された辞書情報と照合することにより、当該人物Mはあらかじめ登録された人物であるか否かを認証し(ステップS14)、その認証結果を認証結果出力部105へ送る。
認証結果出力部105は、前述した第1の実施の形態と同様に、認証部104の認証結果に基づき所定の出力を行なうとともに、認証成功検知情報を出力する(ステップS15)。
次に、認証意志判定部103は、認証結果出力部105から出力される認証成功検知情報を取得し(ステップS16)、当該認証成功検知情報を用いて認証成功が検知されたか否かを判定する(ステップS17)。
この判定の結果、認証成功が検知されない場合、認証意志判定部103は、顔検出部102から得られる顔領域の座標情報、顔領域の大きさ情報、および、顔の向き情報により人物Mの軌跡情報を取得(算出)するとともに、あらかじめ登録された登録軌跡情報を取得し(ステップS18,S19)、これら取得した軌跡情報と登録軌跡情報とを比較することで人物Mの認証意志の有無を判定する(ステップS20)。
この判定の結果、認証の意志有りと判定された場合、あるいは、ステップS17において認証成功が検知された場合、認証結果出力部105は、このとき画像取得部101で取得された画像や当該画像に対する認証処理内容などの情報を履歴情報として図示しない保存メモリに保存(記憶)する(ステップS21)。
なお、ステップS20における認証意志の判定の結果、認証の意志無しと判定された場合、ステップS1に戻り、再度画像入力から繰り返す。
このように、認証意志の判定について認証結果出力部105の出力結果を利用することができる。具体的には、たとえば、認証結果出力部105にてドアの開閉制御を行ない、認証時の履歴画像等を保存する場合では、認証成功時は、ドアが開いたので必ず履歴情報の保存を行なうため認証意志の有無の判定を行なわず、認証失敗時は認証意志の有無の判定を行ない、認証意志がある場合のみ履歴情報を保存することにより、不要な履歴情報を保存せずにすむ。
なお、この応用例として、認証失敗時にタッチパネルにより本人確認用の識別情報入力といったことで本人確認された場合に、その操作を検知し(認証成功検知情報を取得し)、認証意志の有無を判定することも可能である。
以上説明したように第1〜第3の実施の形態によれば、認証意志の有無を判定することが可能となることによって、認証意志のない人物に対して入場を許可すること、認証意志のない人物の顔が取得されたことによる不要な履歴情報の保存といったことを防止できる。
次に、第4の実施の形態について説明する。
図8は、第4の実施の形態に係る顔認証装置の構成を概略的に示すものである。この顔認証装置は、画像取得手段としての画像取得部201、顔検出手段としての顔検出部202、認証意志判定手段としての認証意志判定部203、認証手段としての認証部204、認証結果出力手段としての認証結果出力部205、および、判定条件選択手段としての判定条件選択部206を有して構成される。
なお、画像取得部201、顔検出部202、認証部204、認証結果出力部205は、図2で示した第1の実施の形態におけるそれらと同様であるので説明を省略し、異なる認証意志判定部203および判定条件選択部206について説明する。
認証意志判定部203は、人物Mの認証する意志の有無を判定するもので、基本的には前述した第1の実施の形態と同じ手段で実現できる。ただし、第4の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の登録軌跡情報(第1の登録軌跡情報とする)と、認証する人物の属性情報ごとに対応させた登録軌跡情報(第2の登録軌跡情報とする)とを図示しないメモリに記憶(登録)しているものとする。
具体的には、たとえば、人物の属性に依存せず、全ての条件下にて算出した第1の登録軌跡情報と、認証する人物のID情報(識別情報)や氏名、性別、身長、所属部署などの属性情報ごとに算出し当該属性情報に対応させた第2の登録軌跡情報とを保持する。
判定条件選択部206は、認証意志判定部203にて使用する登録軌跡情報を選択するものである。すなわち、後述するように認証部204において認証成功であれば、その認証結果の属性情報に対応する属性情報を持つ第2の登録軌跡情報を取得し、認証失敗であれば、第1の実施の形態と同様に第1の登録軌跡情報を取得する。
以下、第4の実施の形態に係る処理手順について図9に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップS31〜S35までは図5のステップS1〜S3,S9,S10と同様の処理であるので説明は省略する。ステップS35の処理が終了すると、判定条件選択部206は、認証部204の認証結果を取得し(ステップS36)、認証結果が成功か否かを判定する(ステップS37)。
この判定の結果、認証成功であれば、その認証結果を得た際に用いた辞書情報に付加された属性情報に対応する属性情報を持つ第2の登録軌跡情報を取得(選択)し(ステップS38)、認証失敗であれば、第1の実施の形態と同様に第1の登録軌跡情報を取得(選択)する(ステップS39)。
次に、認証意志判定部203は、ステップS35で取得した軌跡情報と、ステップS38あるいはS39で選択された登録軌跡情報とを比較することで人物Mの認証意志の有無を判定する(ステップS40)。
この判定の結果、認証の意志有りと判定された場合、認証結果出力部205は、前述した第1の実施の形態と同様に、認証部204の認証結果に基づき所定の出力を行なう(ステップS41)。
なお、ステップS40における認証意志の判定の結果、認証の意志無しと判定された場合、ステップS31に戻り、再度画像入力から繰り返す。
以上説明したように第4の実施の形態によれば、認証意志の判定について、認証意志の判定条件を認証対象者の属性(たとえば、身長や所属部署)に応じて保持し、認証意志の判定時に認証結果に基づいて判定条件を選択し判定することにより、認証対象者の属性に合わせた適切な認証意志の判定が可能となる。
次に、第5の実施の形態について説明する。
図10は、第5の実施の形態に係る顔認証装置の構成を概略的に示すものである。この顔認証装置は、画像取得手段としての画像取得部301、顔検出手段としての顔検出部302、認証意志判定手段としての認証意志判定部303、認証手段としての認証部304、認証結果出力手段としての認証結果出力部305、および、判定条件更新手段としての判定条件更新部306を有して構成される。
なお、画像取得部301、顔検出部302、認証意志判定部303、認証部304、認証結果出力部305は、図2で示した第1の実施の形態におけるそれらと同様であるので説明を省略し、異なる判定条件更新部306について説明する。
判定条件更新部306は、認証意志判定部303にて使用する登録軌跡情報を更新するものである。登録軌跡情報の更新は、たとえば、認証時の軌跡情報と登録軌跡情報との平均値をとることなどで実現可能である。
以下、第5の実施の形態に係る処理手順について図11に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップS51〜S57までは図9のステップS31〜S37までと同様の処理であるので説明は省略する。ステップS57における判定の結果、認証成功であれば、認証意志判定部303の登録軌跡情報をステップS55で取得した軌跡情報を用いて更新し(ステップS58)、認証失敗であれば、登録軌跡情報の更新は行なわない。
次に、認証意志判定部303は、ステップS55で取得した軌跡情報と、ステップS58で更新された登録軌跡情報(あるいは、更新されない登録軌跡情報)とを比較することで人物Mの認証意志の有無を判定する(ステップS59)。
この判定の結果、認証の意志有りと判定された場合、認証結果出力部305は、前述した第1の実施の形態と同様に、認証部304の認証結果に基づき所定の出力を行なう(ステップS60)。
なお、ステップS59における認証意志の判定の結果、認証の意志無しと判定された場合、ステップS51に戻り、再度画像入力から繰り返す。
次に、第6の実施の形態について説明する。
図12は、第6の実施の形態に係る顔認証装置の構成を概略的に示すものである。第6の実施の形態は、図10で示した第5の実施の形態における構成に対し、認証結果出力部305と判定条件更新部306の位置を入れ替えた構成であるが、認証結果出力部305の機能が前述した第3の実施の形態と同様の機能となっている。
すなわち、認証結果出力部305は、第1の実施の形態と同じく表示装置や通行制御装置などにより実現されるが、合わせて人物Mの認証成功時の行動を検知して認証成功検知情報を出力する機能をも有しているものとする。
以下、第6の実施の形態に係る処理手順について図13に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップS61〜S65までは図7のステップS1〜S3,S14,S15までと同様の処理であるので説明は省略する。
認証意志判定部303は、顔検出部302から得られる顔領域の座標情報、顔領域の大きさ情報、および、顔の向き情報により人物Mの軌跡情報を取得(算出)するとともに(ステップS66)、認証結果出力部305から出力される認証成功検知情報を取得し(ステップS67)、当該認証成功検知情報を用いて認証成功が検知されたか否かを判定する(ステップS68)。
この判定の結果、認証成功であれば、認証意志判定部303の登録軌跡情報をステップS61で取得した軌跡情報を用いて更新し(ステップS69)、認証失敗であれば、登録軌跡情報の更新は行なわない。
次に、認証意志判定部303は、ステップS66で取得した軌跡情報と、ステップS69で更新された登録軌跡情報(あるいは、更新されない登録軌跡情報)とを比較することで人物Mの認証意志の有無を判定する(ステップS70)。
この判定の結果、認証の意志有りと判定された場合、認証結果出力部305は、このとき画像取得部301で取得された画像や当該画像に対する認証処理内容などの情報を履歴情報として図示しない保存メモリに保存(記憶)する(ステップS71)。
なお、ステップS70における認証意志の判定の結果、認証の意志無しと判定された場合、ステップS61に戻り、再度画像入力から繰り返す。
以上説明したように第5〜第6の実施の形態によれば、認証意志の判定について、それぞれの設置場所に対する認証対象者の動作にあわせ、認証意志の判定条件を更新することによって、設置場所に合わせた適切な認証意志の判定が可能となる。
本発明に係る顔認証装置の設置例を説明する模式図。 第1の実施の形態に係る顔認証装置の構成を概略的に示すブロック図。 第1の実施の形態に係る処理手順について説明するフローチャート。 第2の実施の形態に係る顔認証装置の構成を概略的に示すブロック図。 第2の実施の形態に係る処理手順について説明するフローチャート。 第3の実施の形態に係る顔認証装置の構成を概略的に示すブロック図。 第3の実施の形態に係る処理手順について説明するフローチャート。 第4の実施の形態に係る顔認証装置の構成を概略的に示すブロック図。 第4の実施の形態に係る処理手順について説明するフローチャート。 第5の実施の形態に係る顔認証装置の構成を概略的に示すブロック図。 第5の実施の形態に係る処理手順について説明するフローチャート。 第6の実施の形態に係る顔認証装置の構成を概略的に示すブロック図。 第6の実施の形態に係る処理手順について説明するフローチャート。
符号の説明
M…人物、1…通行路、2…入退場対象エリア(部屋や施設等)、101,201,301…画像取得部(画像取得手段)、102,202,302…顔検出部(顔検出手段)、103,203,303…認証意志判定部(認証意志判定手段)、104,204,304…認証部(認証手段)、105,205,305…認証結果出力部(認証結果出力手段)、206…判定条件選択部(判定条件選択手段)、306…判定条件更新部(判定条件更新手段)。

Claims (8)

  1. 人物の少なくとも顔を含む画像を取得する画像取得手段と、
    この画像取得手段により取得された画像から当該人物の軌跡情報を取得し、この取得した軌跡情報に基づき当該人物の認証意志の有無を判定する認証意志判定手段と、
    この認証意志判定手段により認証意志ありと判定された場合、前記画像取得手段により取得された画像から人物の顔の特徴情報を取得し、この取得した特徴情報をあらかじめ登録された辞書情報と照合することにより当該人物はあらかじめ登録された人物であるか否かを認証する認証手段と、
    この認証手段の認証結果に基づき所定の出力を行なう認証結果出力手段と、
    を具備したことを特徴とする顔認証装置。
  2. 前記認証意志判定手段は、前記画像取得手段により取得された画像から取得した人物の顔領域の大きさ、顔領域の座標、顔の向きの時間的な変化の分布により人物の軌跡情報を取得し、この取得した軌跡情報に基づき当該人物の認証意志の有無を判定することを特徴とする請求項1記載の顔認証装置。
  3. 人物の少なくとも顔を含む画像を取得する画像取得手段と、
    この画像取得手段により取得された画像から人物の顔の特徴情報を取得し、この取得した特徴情報をあらかじめ登録された辞書情報と照合することにより当該人物はあらかじめ登録された人物であるか否かを認証する認証手段と、
    前記画像取得手段により取得された画像から当該人物の軌跡情報を取得し、この取得した軌跡情報に基づき当該人物の認証意志の有無を判定する認証意志判定手段と、
    前記認証手段の認証結果および前記認証意志判定手段の判定結果に基づき所定の出力を行なう認証結果出力手段と、
    を具備したことを特徴とする顔認証装置。
  4. 人物の少なくとも顔を含む画像を取得する画像取得手段と、
    この画像取得手段により取得された画像から人物の顔の特徴情報を取得し、この取得した特徴情報をあらかじめ登録された辞書情報と照合することにより当該人物はあらかじめ登録された人物であるか否かを認証する認証手段と、
    この認証手段の認証結果に基づき所定の出力を行なう認証結果出力手段と、
    この認証結果出力手段の出力結果に基づき、前記画像取得手段により取得された画像から当該人物の軌跡情報を取得し、この取得した軌跡情報に基づき当該人物の認証意志の有無を判定する認証意志判定手段と、
    この認証意志判定手段により認証意志ありと判定された場合、少なくとも前記画像取得手段により取得された画像を履歴情報として保存する保存手段と、
    を具備したことを特徴とする顔認証装置。
  5. 人物の少なくとも顔を含む画像を取得する画像取得手段と、
    この画像取得手段により取得された画像から人物の顔の特徴情報を取得し、この取得した特徴情報をあらかじめ登録された辞書情報と照合することにより当該人物はあらかじめ登録された人物であるか否かを認証する認証手段と、
    この認証手段により当該人物はあらかじめ登録された人物であると認証された場合、あらかじめ登録された複数の判定条件の中から当該人物に対応する判定条件を選択する判定条件選択手段と、
    前記画像取得手段により取得された画像から当該人物の軌跡情報を取得し、この取得した軌跡情報と前記判定条件選択手段により選択された判定条件に基づき当該人物の認証意志の有無を判定する認証意志判定手段と、
    この認証意志判定手段の判定結果に基づき所定の出力を行なう認証結果出力手段と、
    を具備したことを特徴とする顔認証装置。
  6. 人物の少なくとも顔を含む画像を取得する画像取得手段と、
    この画像取得手段により取得された画像から当該人物の軌跡情報を取得し、この取得した軌跡情報と、あらかじめ登録された判定条件に基づき当該人物の認証意志の有無を判定する認証意志判定手段と、
    前記画像取得手段により取得された画像から人物の顔の特徴情報を取得し、この取得した特徴情報をあらかじめ登録された辞書情報と照合することにより当該人物はあらかじめ登録された人物であるか否かを認証する認証手段と、
    この認証手段の認証結果に基づき所定の出力を行なう認証結果出力手段と、
    前記認証手段により当該人物はあらかじめ登録された人物であると認証された場合、前記判定条件を更新する判定条件更新手段と、
    を具備したことを特徴とする顔認証装置。
  7. 人物の少なくとも顔を含む画像を取得する画像取得手段と、
    この画像取得手段により取得された画像から人物の顔の特徴情報を取得し、この取得した特徴情報をあらかじめ登録された辞書情報と照合することにより当該人物はあらかじめ登録された人物であるか否かを認証する認証手段と、
    この認証手段の認証結果に基づき所定の出力を行なう認証結果出力手段と、
    前記画像取得手段により取得された画像から当該人物の軌跡情報を取得し、この取得した軌跡情報と、あらかじめ登録された判定条件に基づき当該人物の認証意志の有無を判定する認証意志判定手段と、
    この認証意志判定手段により認証意志ありと判定された場合、少なくとも前記画像取得手段により取得された画像を履歴情報として保存する保存手段と、
    前記認証結果出力手段の出力結果に基づき、前記判定条件を更新する判定条件更新手段と、
    を具備したことを特徴とする顔認証装置。
  8. 人物の少なくとも顔を含む画像を画像取得手段により取得する画像取得ステップと、
    この画像取得ステップにより取得された画像から認証意志判定手段により当該人物の軌跡情報を取得し、この取得した軌跡情報に基づき当該人物の認証意志の有無を判定する認証意志判定ステップと、
    この認証意志判定ステップにより認証意志ありと判定された場合、前記画像取得ステップにより取得された画像から認証手段により人物の顔の特徴情報を取得し、この取得した特徴情報をあらかじめ登録された辞書情報と照合することにより当該人物はあらかじめ登録された人物であるか否かを認証する認証ステップと、
    この認証ステップの認証結果に基づき認証結果出力手段により所定の出力を行なう認証結果出力ステップと、
    を具備したことを特徴とする顔認証方法。
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