JP2010001784A - 大口径スピンナー付き流体車 - Google Patents
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Abstract
【要 約】
【課 題】 従来、風車や水車を使って仕事量を取り出し、あるいはスクリューやプロペラを使って推力を得るときにも、回転軸に近い部分は効率的に働かずむしろ抵抗だけを増やしている。
【解決手段】 回転する軸の近傍を流れるトルクを発生しにくい流れや、推力を生みにくい流れを回転翼の半径の30%より大きな翼軸カバーを付加することでトルクの取り出し時には高トルクを生み出す公転軸から離れた部分に導き、トルクを与えて推力を取り出すときは周速が高い外周部で推進することで効率を高めた。
【選択図】 図5
【課 題】 従来、風車や水車を使って仕事量を取り出し、あるいはスクリューやプロペラを使って推力を得るときにも、回転軸に近い部分は効率的に働かずむしろ抵抗だけを増やしている。
【解決手段】 回転する軸の近傍を流れるトルクを発生しにくい流れや、推力を生みにくい流れを回転翼の半径の30%より大きな翼軸カバーを付加することでトルクの取り出し時には高トルクを生み出す公転軸から離れた部分に導き、トルクを与えて推力を取り出すときは周速が高い外周部で推進することで効率を高めた。
【選択図】 図5
Description
この発明は、風車や水車あるいはスクリューやプロペラ(以下、これらを総じて「流体車」という。)によって流体からエネルギーを取り出し、あるいは推進軸にエネルギーを与えて推進力を得る効率を向上させる技術に関する。
従来、風力発電や水力発電(以下、両者を総じて「流体力発電」という。)、粉挽きや揚水などで、あるいはまた船舶や航空機の推進に流体車を使用してきた。
このとき、一定の流速の流体から如何に多くのエネルギーを取り出せるか、あるいは一定のエネルギーから如何に大きな推進力を得られるか、という効率を向上させることに対し多くの努力が払われてきた。
このとき、一定の流速の流体から如何に多くのエネルギーを取り出せるか、あるいは一定のエネルギーから如何に大きな推進力を得られるか、という効率を向上させることに対し多くの努力が払われてきた。
例えば、プロペラ型流体車では、流体からのエネルギーを高効率で取り出すには、同じ強さの流体速度なら、より高いトルクを発生させることが効率を高める最も有効な手段であることはいうまでもない。プロペラやスクリューでも、周速の大きい外周部で推力を稼ぐほうが有利である。
トルクは、公転軸からの距離とその点で回転翼(以下、単に「翼」という。)が発生する回転方向に働く揚力の積の総和であるので、翼先端に行くに従って翼弦長を増やし、先端部揚力を増やしてトルクの向上を図る翼(以下、「逆テーパー翼」という。)を用いる工夫などがこの対策である。
翼の全長を伸ばしてトルクの向上を図る方法も設備が大型化して高価になる以外に、翼の強度が要求されてくるので大きなトルクを発生させる逆テーパーの翼の採用は困難になるという問題も解決されてはいなかった。
本願第1の発明は、流体車において、回転軸先端カバーの半径を流体車の半径径の30%より大きく95%より小さくした構造を有する流体車である。
本願発明の流体車とは、風車や水車のように流体の流れから回転翼を利用してエネルギーを取り出し、あるいはプロペラやスクリューのように回転軸にエネルギーを与えて回転翼を利用して推進力を発生させる装置である。
風車や水車と、プロペラやスクリューは、回転翼に発生する揚力、抗力によってトルクを得るか、推力を得るかの相違だけであるので、以下トルクを得る作用について述べる。
上記の諸問題を解決する方法はないかと研究を重ねた結果、以下の発明に及んだ。
プロペラ型流体車において、翼の先端部ほどトルクを有効に発生するが、根元部分は殆どトルクに寄与せずむしろ流体から受ける抗力のみが増える結果となり、翼や流体車を支える支柱強度をも脅かすことに役立ってしまう。
であるならいっそ、実施例1、図1で示すとおり、公転軸から流体車直径の30%の距離までの部分にあたる流体を有効トルク発生に寄与する外周に導くため流線型(若しくは適当な流体の流路を形成できる断面)の回転軸カバー2(以下「大口径スピンナー」という)を設け、翼を大口径スピンナーの外側だけに置き、翼長自体を短くして翼自身の強度を上げると同時に大口径スピンナー部分に当たる流体を翼に集めることによって増加する流速から得られる回転方向揚力の増加を図る。
プロペラ型流体車で、大口径スピンナーを持つことにより、流体がよりトルク発生に有利となる公転軸から離れた場所を流れるので公転軸から離れた場所に揚力が働きトルクが増え、流速を早めた流体が翼に作用することにより効率が向上し、翼そのものの長さが短縮できるので翼の強度を増すことができるうえ、複雑な3次元の工作を容易にすることができる。
また実施例2に示すように、大口径スピンナーと円筒形翼端整流板、およびこれにフライホイル機能を持たせることにより流体の流路が」外界と区切られるため流速を増す効果がより高くなり、トルクも安定して効率の高い流体車を実現できる。
大口径スピンナーを設けた場合の影響を実施例1を用いて、また大口径スピンナーとフライホイル機能を持たせた円筒状翼端整流板との組み合わせについて実施例2を用いて説明する。
図1に示すようなスピンナーを設けた場合の翼と、これをもたない場合に翼に与えるトルクについて比較する。
図4のグラフは、翼の長さ1でスピンナーの半径を A としたとき、スピンナーによって流路を狭められて流速が増えたとき(破線)とスピンナーが無いとき(実線)で、翼の各点で発生するトルクをY軸に、公転軸からの距離を x 軸に表したものである。(まずこの時点では、静的な状態、つまり回転による相対流速が無い場合を考えるため翼の各点で同じ回転揚力を生じることを前提〔以下、「前提1」と言う。〕にしている。)
実線は、部分トルクが各点における回転方向の揚力とその半径の積であることから半径に比例した1次曲線つまり直線で表される。
破線は、x = A の点から始まるやはり1次曲線である。
スピンナーによって、翼が回転する範囲の中でスピンナーの前面投影面積だけ流路が狭められているので、流速はその分だけ早められたために揚力が増す(流速の2乗に比例して増える)ので破線があらわす部分トルクの直線の勾配は実線より立ち上がる。
翼全体のトルクは、実線と x 軸および x =1 の線分に囲まれた三角形の面積(斜線 T )で表される。
破線の場合は、破線と x 軸および x =A と x =1 に囲まれた台形部分の面積(斜線 t )であらわされる。
翼の回転する面積と、スピンナーの前面投影面積によって流路が狭められた場合の流路面積の違いによって流速は数1で表される。(流体が圧縮不可能な流体と仮定する。)
A ; スピンナーの半径 π ; 円周率 f ; 破線の揚力 F ; 実線の揚力 y ; 破線の部分トルク Y ; 実線の部分トルク t ; 破線の全体のトルク T ; 実線の全体トルク V0 ; スピンナーが無いときの流速 = 1 V1 ; スピンナーがあるときの流速 としたとき
A ; スピンナーの半径 π ; 円周率 f ; 破線の揚力 F ; 実線の揚力 y ; 破線の部分トルク Y ; 実線の部分トルク t ; 破線の全体のトルク T ; 実線の全体トルク V0 ; スピンナーが無いときの流速 = 1 V1 ; スピンナーがあるときの流速 としたとき
揚力係数を1、流体の密度を1と仮定すると破線の揚力(勾配) f は、次式数2で表される。
部分トルク y の大きさは、次式数3で表される。
全体のトルク t は、台形 t の面積であるので数4で表される。
一方、実線の揚力(勾配) F は、次式数5で表される。
部分トルク Y は、数6で表される。
全体のトルク T は、三角形 T の面積であるので数7で表される。
結論として、これらの式から、トルクは最初から t の値は、Tを上回るが、最初は微々たる値である。
A の値を徐々に増やして行くと次第に破線のトルク t と実線のトルク T の差は大きくなる。
( t − T ) ÷ T >= 10% となる点が Aの値で、翼の回転半径に対して約30%程度である。
A の値を徐々に増やして行くと次第に破線のトルク t と実線のトルク T の差は大きくなる。
( t − T ) ÷ T >= 10% となる点が Aの値で、翼の回転半径に対して約30%程度である。
スピンナーが、流体から受ける抵抗によるロスや、風車の場合のような圧縮可能流体であることを考慮しても、実用上十分な効率の増加であろう。
次に、回転している翼に関して考察する。〔前提2〕
翼は回転しており、その周速 Vc は、次式に示すとおり x の関数であるので部分トルクも次の変数 x の関数となる。
(数式) ω ; 回転角速度
Vc = ω x
(数式) ω ; 回転角速度
Vc = ω x
翼に働く相対流速によって揚力を発生するので、前提1に倣って記号を以下の通りとする。
f ; 破線の揚力 F ; 実践の揚力 y ; 破線の部分トルク Y ; 実線の部分トルク t ; 破線の全体のトルク T ; 実線の全体トルク V0 ; スピンナーが無いときの流速 = 1 V1 ; スピンナーがあるときの流速 Vs ; 破線の相対流速 Vp ; 実線の相対流速 とすると、破線に対する相対流速 Vs と 実線に対する相対流速 Vp は、次式数8で表される。
よって、破線の場合と実線の場合の揚力 f 、 F 、部分トルク y 、Y および全体トルク t 、 T はそれぞれ数9で表される。
これらの式から、トルクは前提1と異なり A に関する4次式となる。
最初から t の値は、Tを上回るが、最初は微々たる値である。
A の値を徐々に増やして行くと次第に破線のトルク t と実線のトルク T の差は大きくなる。
最初から t の値は、Tを上回るが、最初は微々たる値である。
A の値を徐々に増やして行くと次第に破線のトルク t と実線のトルク T の差は大きくなる。
( t − T ) ÷ T >= 10% となる点が Aの値で、翼の回転半径に対して約30%程度である。
周速比が大きな運転条件ほど A の値を増やさねばならず、周速比が 12程度ならば同じように10%程トルクを変えるためには Aの値は57%程必要になってくる。
スピンナーが、流体から受ける抵抗によるロスや、風車の場合のような圧縮可能流体であることを考慮しても、実用上十分な効率の増加であろう。
A の値を増やしてゆくと効率はより大きくなるが翼の長さが極端に短くなる95%以上は効果を期待できない。
図5、図6は、本願大口径スピンナーとフライホイル機能を持たせた円筒状翼端整流板との組み合わせである。
これによって、スピンナーによって外側に押しやられた流体が流体車の外に逃げることを防ぐことができ、フライホイルによってトルクが平滑化される。
1 翼
2 大口径スピンナー
5A フライホイル機能を持たせた円筒状翼端整流板
2 大口径スピンナー
5A フライホイル機能を持たせた円筒状翼端整流板
Claims (1)
- 流体車において、回転軸先端カバーの半径を流体車の半径径の30%より大きく95%より小さくした構造を有する流体車。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008160556A JP2010001784A (ja) | 2008-06-19 | 2008-06-19 | 大口径スピンナー付き流体車 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008160556A JP2010001784A (ja) | 2008-06-19 | 2008-06-19 | 大口径スピンナー付き流体車 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010001784A true JP2010001784A (ja) | 2010-01-07 |
Family
ID=41583703
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008160556A Pending JP2010001784A (ja) | 2008-06-19 | 2008-06-19 | 大口径スピンナー付き流体車 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010001784A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20180004713A (ko) * | 2015-03-17 | 2018-01-12 | 매코 터빈스 프로프라이어터리 리미티드 | 전기 발전기용 회전자 |
-
2008
- 2008-06-19 JP JP2008160556A patent/JP2010001784A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20180004713A (ko) * | 2015-03-17 | 2018-01-12 | 매코 터빈스 프로프라이어터리 리미티드 | 전기 발전기용 회전자 |
KR102471788B1 (ko) * | 2015-03-17 | 2022-11-28 | 프리플로우 에너지 피티와이 리미티드 | 전기 발전기용 회전자 |
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