JP2010001005A - 可変構成自動車の車両構成設定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
現在の自動車の選択基準として燃費データが需要な役割を果たしているが、それは現在の乗用車が軽乗用車から大型乗用車まで基本的な構成上の相違点がないという前提があるからである。
乗用車システムを原点に立ち返って見直おしたシステムである複数の走行状態に応じて車両構成が変換可能な自動車である可変構成自動車の最適な車両構成の設定方法の基準には使えない。
【解決手段】
自動車が走行しての移動である走行移動による消費エネルギーを比較することによって、可変構成自動車の最適な車両構成を設定することを特徴とする可変構成自動車の車両構成設定方法。
【選択図】図15

Description

本発明は複数の走行状態に応じて車両構成が変換可能な可変構成自動車の車両構成の設定方法に関するものであり、走行状態に応じて最適な車両構成を設定する方法に関するものである。
現在の一般的な殆どの乗用自動車は乗車定員5人で、100km/h以上の最高速度、航続距離が数百kmの走行能力を保有しており車両総重量は1トン以上である。然しながら、実際の使い方はその保有能力の一部活用の走行が殆どであり、例えば一人乗車での走行の場合には他の四人乗車分に関連する車体部分の重量は引き摺って走行していることになり、余分の多くのエネルギーを消費している。
然しながら、一般の人が乗用車を購入や利用する場合は、以上のような乗用車の中から選択せざるを得ないのが実態であり、そのときの判断基準のひとつは燃費である。
現在の自動車の走行により消費するエネルギーはガソリンに代表される化石燃料の単位量当りの走行距離で評価するのが一般的であり、様々な走行モードに対して設定されており、日本では単位としてkm/リットルが使われている。非特許文献1に日本を含む各国燃費規制の例が掲載されており、非特許文献2では実際の道路交通の走行統計データから車種別・速度別走行台キロ当たりの燃料消費原単位を示している。その燃料消費原単位を図14にデータとして引用している。
自動車技術会:自動車技術ハンドブック2004改訂版1基礎・理論編、表4-10(P137) 省エネルギーセンター:燃料消費効率化改善に関する調査報告書(平成9年度)図3.1.9
ユーザーが自動車を購入するとき、様々なメーカーや車種、値段等により検討して決定するわけであるが、その際に燃料消費量は車選択の大きな要素の一つになっている。然しながらカタログに記載されているモード燃費データは必ずしも実態を表しているわけではなく、実用燃費とモード燃費との乖離には大きなものがある。ユーザー夫々の走行方法や走行環境により大きく食い違いが生ずることは身近に感じる問題である。
一般的にはモード燃費データはその車の車両総重量で専門の熟練運転者が標準の走行モードで走行し、計測されたデータが使われている。一方、実際のユーザーは様々な走行環境や様々な運転技量、様々な乗車人数や搭載荷物を含む様々な車両重量で走行しており、食い違うのは当然と言えば当然のことである。現実はそのような事態に対応できる上手い方法がないので、やむを得ず採られている方法であるとも言える。良い評価方法があれば、車を購入する際の良い判断材料になり得るテーマでもある。
本願発明を適用する後述の可変構成自動車の場合は、走行状態に応じて車両構成が変換可能な自動車であり、前述の燃料消費量に代表される効率の評価では不十分であり、又、不適切でも有り、より原点に立ち返った評価方法が必要である。
又、現在の乗用車を改めて眺めてみると、百年ほど前に一世を風靡した乗用車の代表であるフォードT型等と比較しても、車としての基本的構成は同じように思える。例えば数人乗車可能とした車体に車輪は四つで構成されている。軽自動車の乗用車と大型の乗用車を比較しても、大きさ重さに差異が見られるものの、基本構成に基本的な差異はないと言っても良い。だからこそ、前述のようなモード燃費データによる乗用車の燃費の相互比較が、これまでに行われてきたともいえる。これからは地球温暖化対策で、自動車においても革新的な効率改善が必要となり、乗用車システムを原点に立ち返って見直すことが急務となるのは必然的である。そのような場合には現在のようなモード燃費での相互比較では不適切である。
近年、近い将来の化石燃料の枯渇や地球温暖化等が現実的な危機的な問題として急激に注目されてきつつあり、非特許文献3ではそのような危機的な状況をデータにより明確に説明するとともに、自動車に対する様々なエネルギー消費量低減の方策を主にITSの立場から整理し紹介している。
又、燃費改善については自動車の機構構造面からの様々な取り組みがなされており、車両燃費改良技術の代表例として非特許文献1の4.4.5項の燃費の改善(P136〜139)に記載されている。そこに記載されている内容は主に(1)エンジンの熱効率改善、(2)エンジンの高効率領域の利用、(3)補記駆動エネルギーの低減、(4)非駆動時の燃料供給低減、(5)減速エネルギー回収、(6)走行抵抗低減であり、六項目に集約されている。
然しながら、以上の方策は基本的には現在の乗用車基準での改善、改良レベルを目的とする方策であり、問題点に対する抜本的な方策には不十分と言わざるを得ない。当然のことながら、燃費効率の評価においてもこれらの方策の効果を評価することが前提で行われている。
津川定之:持続可能な交通システム、自動車研究第29巻第10号(2007年10月)P9-15
以上のような課題を含めて後述する特許文献1の(課題1)〜(課題5)に於いて、現在の自動車が有する様々な深刻な問題点が述べられている。特にその中の一つ(課題5)にて、これからの人口大国であるBRICs等の経済成長が著しく、このまま自動車台数が単純に増加すれば、エネルギー資源面で破綻するであろうことを述べている。特許文献1において提案する発明は、改めて自動車の原点に立ち返って、現在の自動車システムを見直すことによる新しい自動車システムの発明であり、そのような大きな課題に対する解決策となり得る。本願発明は特許文献1の発明である自動車システムを含め、重量変動の大きな自動車の走行によるエネルギー消費量の相対的な評価方法であり、以下にその内容の一部を引用する。
特願2007-341461
自動車は高度な技術や複雑な制御が適用されている極めて大きな精密なシステムであるが、その利便性のゆえに身近な生活の場で大量に使われている。そして、自動車は一般的には乗車定員数人で、車両総重量は1トン以上、最高速度は100km/時以上、走行距離は数百kmの極めて大きな能力を有している。然しながら現実の使用方法においては、その保有する能力を全面的に活用する機会は少なく、以下のような大きな問題点を有していることになる。
(課題1)自家用乗用車の輸送効率が低い。
非特許文献3によれば、自家用乗用車25は輸送機関全体のエネルギーの82.7%を消費するが、輸送量は60.1%である。一方、鉄道の輸送機関全体のエネルギー消費は3%であるが、輸送量は27%をしめている。自家用乗用車の輸送効率が相対的に低い点が大きな課題である。地球温暖化問題が叫ばれる中、自家用乗用車の輸送効率の低減を、早急かつ革新的に図る必要がある。
(課題2)平均乗車人数が1.358人である。
図2(1)に非特許文献4の旅客輸送量及び原単位データ活用の計算例を示す。自家用の登録自動車の乗用車の場合の例で実働1日1車当たり輸送人員が3.64人であり、実働1日1車当たり輸送回数が2.68回で除算すると平均乗車人数が1.358人/回となる。
この数値は走行している自動車の大半が一人乗車で、二人以上が乗車している自動車の走行する割合が僅かであることを示している。即ち、大半の走行時において、一般的には体重数十kgの一人が移動するのに、1トン前後の重量を引きずって移動していることになる。即ち、現在の乗用車で一人移動するには、使用エネルギー効率が基本的に極めて悪い移動手段と言えるであろう。
国土交通省:自動車輸送統計年表、平成17年度、旅客輸送量と原単位3-1-2自家用乗用車
(課題3)一日の走行距離、走行時間が少ない
図2の非特許文献4の原単位データで、実働1日1車当たり走行キロは自家用乗用車で39.23km。走行時間は図2(2)の計算例では、平均走行速度を30km/時と仮定すれば、1.31時間である。即ち、残りの一日の大半の時間は、自宅や会社等移動先の車庫や駐車場等で非稼動の状態で置かれ、スペースも占有していることになる。
更には図2に示すデータは実際に走行している自動車のデータであり、その他にも車庫等に眠ったままの自動車が多数存在していることは身近に感じることである。特に自家用乗用車の場合はせいぜい週に一度使うかどうかというような場合が数多く見受けられる。そのようなことまで考えれば、乗用車全体の平均の稼働率は更に低くなるものと思われる。
多数の生産工程、多くの様々な部品や原材料を集積した高度な複雑な精密な大きく、かつ重い上に極めて大量に使われているシステムでありながら、稼働率が極めて低いことになり、経済的、資源的、エネルギー的にも大きな無駄であり、損失である。
(課題4)移動手段としての役割と走る楽しみが同時に要求されている。
自動車は極めて利便性の高い移動手段であり、様々な使われ方がされている。自動車の総台数の多くを占める一般家庭の乗用車の使われ方を大きく捉えてみると、例えば以下のように二つの使い方に層別することが出来る。
一つは日常的な通勤時や買い物時、商用での移動時等での使用であり、一般的には一人乗車ないしは少人数乗車し、短距離短時間の走行であるが、走行頻度の比較的高い走行である。このような走行では、ひと区切りの走行による移動距離は小さいが頻度が高いため、累積の走行距離がその乗用車の総走行距離に占める割合が比較的高い場合が多い。
二つ目の使われ方は、例えば、偶の休日には家族・仲間同士で揃って、一台の乗用車に複数人乗車して、一定の共通の団欒できるスペースの中で、観光地等へドライブするような走行である。このような走行では比較的頻度が少ない場合が多いが、一般的には長距離長時間走行移動であり、高速走行や山間部の登降坂走行等が含まれることが多い。このような走行では頻度が少なくても、ひと区切りの走行での走行距離が長いため、使う人によってはその乗用車の総走行距離に占める割合が多くなる場合もある。
即ち人が自動車を所有するときは、以上の要求の最大公約数として、乗車定員数人で、車両総重量は1t以上、最高速度は100km/時以上、走行距離は数百kmの能力を有する自動車を所有するのが一般的である。又、市場に出回っている乗用車も以上の要求を考慮した仕様となっており、軽自動車と大型乗用車を比較しても大きな差異が見られないと言っても過言ではない。
各個人の必要に応じて、また時に応じて変わる様々な要求に、それぞれ対応できる自動車を別々に所有することは経済的にも駐車のスペース面等からも現実的ではないからである。即ち、経済的には一人乗りの小型軽量車が良いと言っても普及しない大きな理由の一つである。
(課題5)自動車台数の単純増加ではエネルギー資源、原材料資源面で破綻する。
高度で複雑で、多くの大量の資源、材料、エネルギーを使用して生産される大きなシステム製品でありながら、身近に大量に販売され、所有されている。加えて、近年においてはBRICs等の人口大国の経済成長が著しく、単純に現在の先進国レベルの自動車保有率になると仮定すれば、世界中の自動車台数が現在の数倍になる。これはエネルギー資源、原材料資源等の面でも現実的には成立が極めて困難と言わざるを得ない。尚、この問題は自動車に限定される問題でなく、生活水準の向上により様々の分野でエネルギー消費量、原材料資源消費量が増加することであり、単純に考えれば人間の生活の存続そのものにも係る話であるが、ここでは自動車に限定している。
以上のように極めて大きな課題が自動車に存在し、その中の一部の課題に対しては、これまでに各種の提案がされている。(課題1)に対しては非特許文献3では情報技術活用による自動車交通の地球温暖化対策としての様々な方策を紹介している。(課題2)に対しては非特許文献6では一人乗り車両が必要に応じて複数台隊列走行する方法が提案されている。特許文献2では単独走行が可能な一人乗りの車両を、必要に応じて複数台組み合わせ、連係して所定の走行形態で一体的に走行する車両が提案されている。特許文献3では一人で利用する場合は単独車両を車両本体から切り離して単独走行する案である。特許文献4では、各車両には小型バッテリーを備え、連係して走行する場合は連結装置に備えた大型バッテリーを使用する案である。
然しながら、いずれの案も前述した課題1から課題5に対し、総合的に対応できる案ではなく、一部の課題に対する案である。特許文献1で提案されている発明は、以上のような自動車に対する様々な大きな課題に対し、総合的に解決できる発明であり、自動車の高い利便性を維持しながら、革新的にエネルギー効率の良い車両システムとその運用方法に関するものである。特許文献1の発明は、一人乗りの日常的な走行能力を有する超小型の車両と、その車両に長距離高速走行に必要なエネルギー等の機能付加能力を有する車両等で車両システムを構成し、複数人乗車して移動する場合や家族、同僚等とドライブする等の長距離高速走行等の様々な走行状態に応じて必要最小限の車両構成で一体となって走行する車両システムとその運用方法を提案している。自動車が本来有する極めて高い利便性を生かしたまま、革新的にエネルギー効率を高める考え方である。このようなシステムに対し現在の燃料消費量の基準で評価することは不適切である。
以上のような大きな環境変動を間じかに控える中で、自動車システムそのものの変革が必要となり、自動車の走行効率の評価方法に対して、実態に即したユーザー個々の使用方法、走行方法に対応できる新たな評価方法が必要となる。本願発明はそれに対する新しい走行で消費されるエネルギーの評価方法に関するものである。
S.Tsugawa,et al.:Super Smart VehicleSystem-Its Concept and Preliminary Works, Proceeding of Vehicle Navigation andInformation Systems Conference, Vol.2, pp269-277(1991) 特開2006-338117 特開2007-1490 特開2007-22229
請求項1に記載の発明では、複数の走行状態に応じて車両構成が変換可能な自動車である可変構成自動車の最適な車両構成の設定方法であって、自動車が走行しての移動である走行移動による消費エネルギーを比較することによって、前記目的を達成する。
請求項2に記載の発明では、前記走行による消費エネルギーを比較する方法は自動車の走行時の自動車総重量である車両走行重量の比率に基づいて、自動車の走行移動による消費エネルギーを相対的に比較する方法であるエネルギー消費率評価法であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明では、前記複数の走行状態は自動車の走行移動方法である一つ以上の走行モードと、自動車の利用状態である一つ以上の乗車人数モードにより定義され、走行モードの一つと、乗車人数モードの一つにより特定される一つの走行状態である走行セルを構成要素として、全ての走行モードと全ての乗車人数モードに対応した全ての走行セルですべての走行状態を表す走行フェーズで定義することを特徴とする。
請求項4に記載の発明では、前記走行モードは自動車の走行移動方法により分類する方法であり、通勤、買い物等の日常的な目的に繰り返し使われる比較的短距離短時間の走行移動であって、走行移動により消費するエネルギー量が少ない走行移動である短距離短時間走行移動と、家族や仲間同士で休日等に出掛けるドライブ等時の比較的長距離長時間の走行移動で、走行移動により消費する消費エネルギー量の多い走行移動である長距離長時間走行移動等複数の走行移動方法を含み自動車の全走行移動方法を分類する方法であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明では、前記走行モードは自動車の走行移動方法により分類する方法であり、自動車の走行能力の一つである航続距離の活用度合いの低い走行移動で走行移動による走行移動負荷の低い走行である低負荷走行移動と、航続距離の活用度合いの高い走行で、走行による負荷の高い走行である高負荷走行移動等複数の走行方法を含み自動車の全走行移動方法を分類することを特徴とする。
請求項6に記載の発明では、前記乗車人数モードは、自動車の利用状態で分類する方法であり、乗車人数と乗車人数に付随する変動と乗車人数相当の変動も含むことを特徴とする。
請求項7に記載の発明では、前記乗車人数に付随する変動は、搭載物、搭載するエネルギー源の重量、車両構成の変動等の変動を含むことが出来ることを特徴とする。
請求項8に記載の発明では、前記可変構成自動車は、自車両を駆動する駆動手段と前記短距離短時間走行移動の能力を具備する一つ以上の乗用車両と、前記乗用車両に連結し前記長距離長時間走行移動の能力を付加するゼロ又は一つ以上の走行移動能力付加車両で構成することを特徴とする。
請求項9に記載の発明では、前記可変構成自動車の構成車である前記一つ以上の乗用車両の少なくとも一つは運転操作を行う運転手段を具備することを特徴とする。
請求項10に記載の発明では、前記車両走行重量は、前記走行フェーズにおいて、個々の走行セルの車両走行重量に対応する同一の走行セルの走行距離で重み付けして求めた走行フェーズの平均車両走行重量であることを特徴とする。
請求項11に記載の発明では、前記車両走行重量は、前記走行モードにおいて、一つの走行モードに属する個々の走行セルの車両走行重量に対応する同一の走行セルの走行距離で重み付けして求めた走行モードの平均車両走行重量であることを特徴とする。
請求項12に記載の発明では、前記車両走行重量は、前記走行フェーズにおいて、個々の走行セルの車両走行重量に対応する同一の走行セルの走行距離と走行効率で重み付けして求めた走行フェーズの平均車両走行重量であることを特徴とする。
請求項13に記載の発明では、前記走行セルの走行距離は、前記走行フェーズを構成する全ての走行セルの乗車人数の割合である乗車確率に比例することを特徴とする。
請求項14に記載の発明では、前記走行セルの走行距離は、前記走行モードを構成する全ての走行セルの乗車人数の割合である乗車確率に比例することを特徴とする。
請求項15に記載の発明では、前記乗車確率は平均乗車人数より統計的に推定することを特徴とする。
請求項16に記載の発明では、前記エネルギー消費率評価法は、前記走行モードの平均車両走行重量であるモード車両走行重量の比率により、走行モードおける自動車走行により消費するエネルギーを相対的に比較することを特徴とする。
請求項17に記載の発明では、前記可変構成自動車の最適な生産準備、生産、販売計画等を含む車両供給計画の設定方法であって、前記走行セルの自動車の車体重量と走行距離に基づいて、前記走行フェーズ全体、又は前記走行モードにおける平均車体重量である車両車体重量の比率により走行フェーズ全体、又は走行モードおける自動車走行に必要な車体重量を相対的に比較する車体重量率評価法を活用することによって、可変構成自動車の最適な車両供給計画を設定することを特徴とする。
請求項18に記載の発明では、前記エネルギー消費率評価法を活用して、前記可変構成自動車の最適な導入方法、利用方法や運用方法を自動車所有者、自動車所有予定者の使用実態又は使用予定に適応した車両構成及び車両運用方法を提案することを特徴とする。
本発明によれば、
(1)可変構成自動車の構成設定の基本的な基準として活用できる。
(2)自動車システムが大きく変革する際にも、基本的な評価方法として活用できる。
(3)ユーザーによって異なる様々な使い方や走行方法に対し、適切な可変構成自動車の構成設定方法を提供できる。
(4)様々な走行状態(走行セル)に対してエネルギー消費量のデータを提供できるので、そのときの使い方、走行方法に応じたデータが分かる。
(5)エネルギー消費量の評価を基に車購入者に最少必要限の車両を所有し、必要に応じてレンタカーと組み合わせる最適な方法が提案できる。これにより必要最小限の大きさの車両を最少必要数だけ所有すればよく、経済的にも空間的にも有利である。
(6)更に使用頻度の低い可変構成自動車の構成車である後述の乗用車両と走行移動能力付加車両であるエネルギー車等を含む総称である単位車は共同所有でカーシェアリングする、又はレンタカーとすることにより総台数を必要最小限とし、有効活用することが可能となり、乗車人員一人当たりの、車に使われる資源、原材料を大幅に削減できる。
(7)複数の単位車が連結して現在の乗用車と同一の大きさ、重量、乗車定員、走行移動能力が可能となるので、前項で述べた単位車の台数を乗用車の台数に換算が可能であり、乗用車換算台数を大幅に削減できる。
(8)一人当たりの走行時の道路占有面積を減少させることにより、交通渋滞解消に大きな効果を発揮できる。又、駐車場面積も大幅に削減できる。
(9)以上の自動車の製造から利用、運用計画、インフラの整備計画等にも活用でき、総合的にエネルギー、原材料の大幅削減により発生するCO2削減に寄与でき、地球温暖化対策の手段となり得る。又、自動車を製造販売の際に原材料手配や生産設備手配等において、車体重量が大きな指標となり、乗用車換算重量を活用できる。
(10)本願発明はエネルギー源やエネルギーの種類、動力源の種類等には、無関係に適用できる基本的な考え方であり、現在自動車の消費エネルギー改善に検討されている殆どの方策が適用できる。
(11)重量変動の大きな自動車のエネルギー消費量評価に活用できる。
(12)自動車の生産からユーザーに販売するまでの全ての過程において関連する原材料、製造設備、生産工数、製造に消費するエネルギー等を大幅に削減できる。
(13)以上の効果の相乗効果により、自動車分野でのCO2排出の大幅削減効果があり、地球温暖化対策に大きく貢献できることになる。
(14)また、今後のBRICs等の人口大国の経済成長により、世界全体の自動車台数が急速に増加する可能性が大きいが、そのような事態に対しても対応できる自動車システムの発明である。
(15)又、以上のことは前述した非特許文献1のP136〜139に記載されている様々の車両燃費改良技術はそのまま適用できる技術であり、特許文献1の車両システムにも有効である。非特許文献1の車両燃費改良技術は主に内燃機関を前提にしているが、モータ等の他の原動機に置き換えても良い。近い将来に実用化が期待されている家庭の帰宅後や移動先の駐車場等で充電する電気自動車等、いわゆるプラグインEV等にも適用できることは当然である。
以下、本発明の可変構成自動車の車両構成設定方法の最適な実施の形態について、図1から図20を参照して詳細に説明する。
最初に本願発明を説明するに当たって、適用するシステムとして特許文献1で詳細に述べられているシステムを改めて説明する。特許文献1の例は現状の自動車を改めて基本に立ち返って説明しており、それに基づいて本願発明を説明することが分かりやすいからである。
以下に特許文献1の自動車システムの例を図3から図8を参照して詳細に説明する。
(1)車両構成の基本的な考え方
図3に現在の一般的な乗用自動車の仕様を基準にして、重量構成に関して本願発明の車の構成例を示す。図3の(1)に現在の標準的な定員5人の自動車25の重量構成を模式的に示す。縦軸を車両総重量を乗車定員数で除した一人当たり重量とし、横軸を乗車定員分の乗車人数とした。即ち自動車25の枠内の図の面積が車両総重量をあらわす。車両総重量は車両本体251と乗車定員である乗車人員(n)252(図3中で四角枠のPで表示)の5人分の重量の総計である。図3の(1)の例では乗車人数は一人2521のみの場合を示す。2521のPの枠の縦線のハッチングは乗車している状態を表し、白抜きのPの枠2522〜2525は乗車していない状態を表すものとし、以下同様である。車両本体251は乗車定員5人乗車の場合の車両総重量、殆どの乗用車は1t以上である乗用車の車両総重量を、最高速度100km/時以上、走行距離数百km走行できる能力を保有している。従って、日常的な通勤時や買い物時、商用での移動時等での使用のように一般的には一人乗車ないしは少人数乗車し、短距離短時間の走行の場合には、不必要な過剰な能力を保持していることになる。
以上のような走行については「短距離短時間走行移動1041」と後の説明において定義し詳細に述べている。特許文献1における「少エネルギー走行1041」と基本的に同一である。同様に、対比する走行として「長距離長時間走行移動1043」と後の説明において定義し詳細に述べており、特許文献1における「多エネルギー走行1043」と基本的に同一である。
そこで先ず図3の(2)において車両本体251を日常的な短距離短時間走行移動1041に最低限必要な基本走行車両部2511と長距離長時間走行移動1043に必要な「車両機能付加部2512」に仮想的に重量を分割する。この車両機能付加部2512には高速走行、長距離走行、及び多人数乗車しての走行移動等に対し、車両の走行移動能力を高めるための付加部分であり、エンジンや車体や車体強化部分、大量の付加搭載燃料や乗員の快適性・利便性関連等を含めて考える。基本走行に必要な車体やエンジン、燃料等、更には人の乗車関連部分は基本走行車両部2511に含めて考える。以上のように、二つの分割部分、基本走行車両部分2511と車両機能付加部2512には、車体、原動機、エネルギー源(燃料、バッテリー等)、快適性、安全性関連等の全ての必要な機能を、分割部分の設定必要機能を考慮して分割する。尚、ここで言う車両機能付加部2512の付加の意味は、元々無い機能を付け加える意味と、元々有る機能を更に追加或いは強化する意味も含めて考える。以下、付加の意味は同様である。
次に図3の(3)においては図3の(2)の基本走行車両部分2511と車両機能付加部2512を車両29の乗車定員である乗車人員(n)252の5人分で仮に分割する。実際は、定員5人乗車は稀であり、最大4人乗車で考えるのが現実的であるが、本願発明では仮に5人として以下の説明を続ける。分割割合は後述の個別車両の役割分担等に応じて任意に考えれば良いが、図3の(3)の例では均等に分割している。
基本走行車両部分2511を5分割した一つを、一人乗車の基本走行移動能力を有する乗用車両とし、以下「子車21」と定義する。車両機能付加部2512を分割した一つを以下、「機能付加装置37」と定義する。即ち、この子車21と機能付加装置37、後述の機能付加装置37に走行移動能力を付加した「機能車23」(と定義する)が本願発明の基本的な構成要素である。機能車23の一つで乗用車両である子車21に連結し長距離長時間走行移動1043の能力を付加する走行能力付加車両を「エネルギー車231」と定義する。
一人乗車で短距離短時間走行移動1041時には子車21を使って走行し、長距離長時間走行移動1043時には機能付加装置37を子車21に付加して、あるいは子車21と機能車23が連係走行することが本願発明の基本的な走行である。以上の説明では基本的な構成要素として、一人乗車分の子車21、機能付加装置37、機能車23としたが、これは前述したように一般的に一人乗車の割合が高いからである。個別の場合には、例えば殆ど二人乗車で車を使う場合が多ければ、二人乗車分に分割すればよいので、限定するものではない。
図3の(4)は前項の機能付加装置37を機能車23に置き換えた図であり、他は同じである。以降の説明においては、子車21と機能車23との組み合わせを主に説明していく。機能付加装置37を活用する場合の説明においては、機能付加装置37は自走能力の有無は無関係なので、子車21と機能車23との組み合わせにおいて、自走能力を前提に説明している箇所では、自走能力なしを前提とした運用方法にも触れて置き換えればよい。
子車21は一人乗りで短距離短時間走行移動1041に必要な安全性、快適性等を備え、最低限の大きさ、重量、走行能力、エネルギー量等で構成される。機能車23は子車21を支援する機能を有し、遠距離走行や高速走行、登降坂の多いルートの走行等エネルギー消費の多い長距離長時間走行移動1043に必要な走行能力、エネルギー量、快適性、安全性、荷物搭載機能等の現在の自動車が有している機能を乗車人数に応じて付加できる。子車21、機能車23、後述の母車22を総称して本願発明の基本的な車両構成、又は構成要素とし、以下「単位車20」と総称する。又、後述の複数の単位車20が集合し、合体し一体走行する車両状態を「合車24」とする。以上のように本願発明の自動車システムは走行状態に応じて車両構成が変換可能な自動車であり、以下「可変構成自動車」と定義する。
(2)走行の分類
図4に走行モード(m)104と乗車人数モード(n)752に対応した本願発明の車両構成の例を示す。ここまでの説明では横軸は乗車人数と表記しても充分ではあるが、乗車人数や走行目的に付随する荷物等の搭載物の変動を含む意味で「乗車人数モード(n)752」と定義し、以下表記する。特に後述するように本願発明の説明に用いる可変構成自動車のように乗車人数に対応して車両構成の変動を伴い、それにより車両重量が大きく変動をする車両システムの場合には、より重要な意味合いを有することになる。
図4の車両構成例は重量構成を面積比で定量的に表したもので、車両構成の形態や連結方法を表したものではない。縦軸に走行モード(m)104として、走行モードm=1の前述した短距離短時間走行移動1041、走行モードm=2の前述した長距離長時間走行移動1043の二つに分類した。そして、横軸に乗車人数モード(n)752の一緒に乗車して移動する乗車人数(n)252を示している。
本願発明の説明で用いる走行モードは、非特許文献1のP137の表4-10に示す日本を含む各国燃費規制の各々において規定されている特定の走行パターンのように厳密に走行方法を規定する必要はないが、前述したように現在の車の使われ方を大きく捉えて代表できる複数の走行パターンが設定できれば良く、本願発明の例では前述の(課題4)で説明した二つの使い方を「短距離短時間走行移動1041」、「長距離長時間走行移動1043」の二つの走行モードに分類して現実的な実用的な走行移動を表現する。以上の二つの分類方法については後述する。
例えば短距離短時間走行移動1041の代表例である通勤を例にとると、家を出る時刻は様々な都合があり必ずしも一定ではない。又、途中の渋滞状況も時間帯、曜日、季節、天候、事故、工事等により様々である。通勤ルートにしても、時には別ルートにする場合もあり、支店に立ち寄る場合やよその会社に出張等、日々変動する要素が多くある。従って、厳密に考えれば同一の走行方法は一つとしてないと考えても間違いではない。然しながら、このような走行による燃費が実用燃費であることが実態である。本願発明で用いる走行モードは以上のような走行を類似走行として分類する方法である。
以上の分類方法は、主に自動車を活用する立場からの分類方法であるが、走行方法の別の分類方法として、自動車の走行能力(乗車定員、最高速度、航続距離等)の活用度合いに着目しても良い。走行能力の一つである航続距離の活用度合いの低い走行を「低負荷走行移動」、活用度合いの高い走行を「高負荷走行移動」とする。現在の乗用車は軽自動車から大型乗用車を並べてみると、航続距離には大きな差異はなく、低負荷走行移動は短距離短時間走行移動1041、高負荷走行移動は長距離長時間走行移動1043とほぼ同一の走行方法の分類方法となる。
自動車の走行能力については他にも最高速度、加速/減速性能、旋回性能、搭載能力等の活用度合いでも必要に応じて類推して分類できるが、本願発明では触れない。
短距離短時間走行移動1041は、日常的な通勤や通学、買い物等の所用のために一人乗車ないしは少人数乗車し、一般的には短距離短時間の走行、比較的近距離で、比較的低い平均走行速度で、比較的短時間の走行で日常的に繰り返される身近な走行を表している。そして、そのような走行の場合には、例えば一日での走行している時間も比較的短時間であり、走行する以外の1日の殆どの時間は自宅又は移動先の駐車場所等で何もせずただ駐車しているだけである。当然のことながら通勤のために高速道路を走行する場合もあり含めて考える。要は走行に必要なエネルギー量が比較的少ない走行である。従って、走行の一部に渋滞走行や高速走行等の単位走行距離当りのエネルギー効率の低い走行が含まれていても、走行の目的を達成するための総消費エネルギーが少ない走行を意味するものとする。別の言い方をすれば、例えば通常の日常的な1日の通勤や所要等の全てを含めて考えることも可能である。基本的にはエネルギー消費量と補給のバランスの問題であり、例えば電気自動車の場合ならば帰宅後に夜間充電が出来るならば、日常的な一日分の全走行を短距離短時間走行移動1041と設定すれば良いことになる。
搭載エネルギー量が多くなれば、当然車体重量が重くなり、近距離走行時に余計な重量を常に引き摺って走行することになるので無駄である。従って日常的な走行時には必要最小限な重量とする必要がある。
短距離短時間走行移動1041に対比する長距離長時間走行移動1043は、長距離を長時間走行移動する場合で、高速道路等を高速走行する場合や登降坂の多い、走行に必要なエネルギーが多い走行やそれらを複合した全走行の総エネルギー量が多い走行である。その中には低速走行も当然ながら含まれる。例えば、偶の休日には家族・仲間同士で揃って、一定の共通の団欒できるスペースの中で、纏まって移動する場合等が含まれる。このような長距離長時間走行移動1043の場合は、動力性能としての遠距離、高速走行性能だけでなく、そのような走行移動に付随する乗員の快適性・利便性・安全性関連等が必要だということを含めて考える。尚、以上の分類方法は、他にも変型例は各種考えられるが、本願発明の説明では前述したように短距離短時間走行移動1041、長距離長時間走行移動1043という二つに分けて説明を進める。他に、両走行移動の中間的な走行の設定が必要であれば、例えば中距離中時間走行移動1042というように、必要に応じて設定すればよい。
このように走行モード(m)104と乗車人数モード(n)752に基づいて、自動車の走行状態を分類したものを以下、「走行フェーズ19」と定義する。そして、走行モード(m)104と乗車人数モード(n)752より分類する走行フェーズ19の構成要素を「走行セル(Pmn)190」と定義する。即ち、一つの走行セル(Pmn)190は走行モード(m)104の一つと、その時の乗車人員(n)252の乗車人数で特定される自動車の一つの走行状態を表す。従って、走行セル(Pmn) 190の集合体が走行フェーズ19であり、走行フェーズ19は自動車の全ての走行状態を含ませて表現でき、整理することが出来る分類整法である。此処で全ての走行状態という意味は、必要な範囲内での全ての走行状態ということである。
これまでの説明で、以上の分類は一般的な家庭の乗用車の走行移動を例に取り説明しているが、自動車の使われ方は様々であり必要な分類対象の自動車又は自動車群に対して適応した走行移動の分類が出来ることは当然である。重要な点はどのような分類対象であれ、その分類対象の自動車又は自動車群の走行移動形態を全て含むように分類することが可能である。勿論、一般的でない極めて特殊な走行移動の形態は除いて検討する方が良い場合もありえることも当然である。
走行移動の分類対象の例を挙げると、一個人の走行移動の場合、ある団体、地域、国や全世界等で分類する場合や、自動車の車種、形式、大きさ、製造メーカー等々で分類し、分布を解析することによりあらゆる場合に応じて適切に表現し、様々な有益な情報を読み取り活用することが可能となる。適用例の一つを図19に示して後述するので参照されたい。
例えば、図4の中で走行フェーズ19の一つの構成要素である走行セル(P11)1911は、一人が短距離短時間走行移動1041する場合を表している。その場合の車両構成を図4の例では、本願発明の最も基本的な必要最小限な構成である子車21と乗員2521で構成する例を示している。同様に走行セル(P25)1925の車両構成例は、乗員252が5人、子車21と機能車23が5台で構成し、図3(1)で示した現在の標準的な自動車29が乗員5人で長距離長時間走行移動1043する場合と同様である。
この走行フェーズ19の考え方は本願発明の根幹の一つである。乗用車の消費エネルギーを考える際に、一般的には様々な走行モードに対し、一台の車が単位燃料量当りの走行距離、即ちkm/Lで評価されている。然しながら日々の生活の中では前述の走行モード(m)104としての短距離短時間走行移動1041と長距離長時間走行移動1043のように様々な走行があり、乗車人数も一人以上で最大定員までと様々である。このような観点から、本願発明では様々な走行状態、前述の例は走行セル(P11)1911から1915と1921〜1925毎に消費するエネルギーを全ての走行セル(Pmn)190で総計し、又は必要に応じて一部の走行セル(Pmn)190で総計し、消費エネルギーを評価する。詳細は後述する。
尚、ここで定義した走行セル(Pmn)190は特許文献1で説明している4桁の符号で示す各走行フェーズに対応している。例えば、特許文献1の走行フェーズ1911、走行フェーズ1925は本出願の走行セル(P11)1911、走行セル(P25)1925に夫々対応している。以下、同様である。
(3)実施形態の概要
本実施形態の車両は、単独走行が可能な一人乗り用で必要最小限の乗用車両や自動走行可能な機能車両を走行フェーズ19の構成要素であり様々な走行状態である走行セル(Pmn)190に応じて最適な車両構成を提供し、又、様々な走行セル(Pmn)190が複数組み合わされた旅行計画に基づいて効率的に運用する。
乗車人数に合わせ、又乗車メンバーの個々の行動の相違により変動する走行セル(Pmn)190にも対応させながら、使用総エネルギーが最少となるように運用する。
図8に本願発明車両と現状の乗用車との走行セル(Pmn)190に対応した車両重量の比較を定性的に示す。図示した面積の比が概略の重量比を表す。一人乗車での短距離短時間走行移動1041の走行セル(P11)1911では、下段の乗用車が五台分の子車21と機能車23、即ち基本走行車両部2511と車両機能付加部2512と一人の乗員252であるのに比し、上段の本願発明の車両構成は一つの子車21と一人の乗員252の重量構成でよい。
仮に現在の一般的な乗用車の重量構成を参考にして、概略ではあるが、乗員の重量を1、子車21の重量を3、機能車23の重量を2とした場合には、本願発明車両の総重量/現在の乗用車での総重量は(1+3)/(1+3×5+2×5)=0.167となり、六分の一の総重量で走行できる。車両総重量は走行で消費するエネルギー量に影響する最も基本的な大きな要素であり、総重量の大きな低減は走行エネルギーの削減に、極めて大きな効果を発揮する。同様に五人乗車での短距離短時間走行移動1041の走行セル(P15)1915では、下段の乗用車が五台分の子車21と機能車23、即ち基本走行車両部2511と車両機能付加部2512と五人の乗員252を総計した重量相当であるのに比し、上段の本願発明の車両構成は車両機能付加部2512を除いた重量構成と出来る。即ち、重量比は三分の二で走行できることになる。
同様に走行セル(P25)1925の場合は5人乗車で長距離長時間走行移動1043する場合で、下段の現在の乗用車と上段の本願発明の重量構成は同一となる。以上のように走行セル(Pmn)190に応じて自在に車両構成を編成して、常に必要最小限の車両構成を可能とすることにより使用エネルギーを必要最小限とすることが実現できる車両システムであり、その運用方法が本願発明の狙いである。評価の方法は後述する。
図5に、一般的な家庭の、ある休日のドライブを例にして実施形態の運用例を説明する。両親と子供二人のある家庭101で、次の休日に目的地102にドライブに行くことになった。あらかじめ運行管理センター114と連絡を取り、目的地情報や渋滞予測情報をベースに旅行計画1101を設定する。所有している子車は、普段お父さん(以下、乗員F)が通勤に使っている一台の子車2101だけなので、近くのレンタカー店1151で3台の子車2102,2103,2104を予約する。更に長距離高速ドライブとなるので機能車23の一つであるエネルギー車231のうち子車21の4台用のエネルギー車2314をレンタカー店1152に予約する。これらのレンタカー店115の選択と機能車23の選択は運行管理センター114からの情報をベースに走行ルート、道路種別、交通予測等を加味し、旅行計画1101で、最少のエネルギー消費量となるように設定されている。
当日は出発予定時間までに間があるので、レンタカー店1151に連絡し3台の子車2102、2103、2104をあらかじめ届けてもらうことにし、3台の子車2102,2103,2104は自動走行で自宅101に届けられた。お母さん(以下、乗員M)は、3台の子車2102,2103,2104を連係させ、あたかも一台の車のように一体走行可能な合車24の一つの形態である後述するソフト合車241aを構成する。構成する三台の子車を2102a,2103a,2104aとする。図の例はいわば二次元プラトゥーニングというべき形態で、相互に適切な車両間隔を相互の情報交換により車両制御し保ちながら、あたかも一台の車のように合車24の状態を構成するが、この合車状態は機械的に接続してない状態なので、以下ソフト合車241とする。後述の機械的に連結する合車の状態をハード合車242とする。
乗員Mはソフト合車241a状態で、二人の子供(以下、乗員C1,C2)を公園111に送り、遊ばせる。この間に乗員Mは子車2103,2104を公園111に駐車させ、子車2102bでスーパー112に立ち寄り、ドライブ用の食べ物、飲み物等を調達し、公園に戻り子供と遊ぶ。公園に子車2103,2104を駐車させることにより、乗員Mは必要最小限の子車2102bのみで移動できるので、走行に必要なエネルギーを最小限にできる。
三台の子車は各々独立に運転による走行が可能となっているが、設定により乗員Mの乗った子車2102のみが運転可能(マスター車)と設定し、子車2103,2104は子車2102の走行に追従走行のみ可能(スレイブ車)と設定されている。後述するが設定は自由に出来るわけではなく、例え設定されていても、各々の子車には乗員を認識する機能が備わっており、登録された乗員のみが運転可能にしている。また、マスター車設定され、登録されている乗員でもアルコールが検出された場合や、眠気等の運転不適当と判断された場合等にも運転できないように設定することができる。
又、当然のことながら、以上の旅行計画1101では子供C1、C2用の子車2103、2104は運転機能を具備する必要はなく、よりシンプルな軽量な子車を選択することも可能である。
お父さん(乗員F)は三人とは別に、子車2101aに乗り、ゴルフ練習場113で汗を流し、旅行計画1101のゴルフ練習場113の出発予定時間になると、子車2101cで家族との合流地点1161に向け走行する。この走行情報は通信回線を介して運行管理センター114に伝えられている。
運行管理センター114は乗員Fの乗った子車2101cの走行情報、ゴルフ練習場から合流地点1161への走行予定ルートのルート情報、交通情報、公園111から合流地点1161までの同様な情報を加味し、乗員Mへは旅行計画1101の公園111の新しい出発予定時刻を伝達する。尚、本実施形態の場合は公園111から合流地点1161への所要時間は、ゴルフ練習場113から合流地点1161への所要時間より短いという前提で説明した。逆でも良いのは当然である。
乗員Mは新しい出発予定時刻に従って、改めてソフト号車241cを構成し、二人の乗員C1,C2を乗せ合流地点1161に向かう。ソフト合車241cの走行情報は運行管理センター114に伝達される。ソフト合車241aと241cの合車形態は同じである必要はなく、任意に構成可能であり、走行中にも変更できる。
運行管理センター114は、ソフト合車241cと子車2101cの走行情報と交通情報を基に、ソフト合車241cと子車2101cに合流地点への各々の到達予測時刻を伝達する。交通状況等によっては新たな合流地点に変更することも出来る。
子車2101cとソフト合車241cは運行管理センター114からの情報と相互間で情報交換をしながら走行速度やルートを調整し、合流地点1161に向かい走行する。合流地点1161近辺で合流し、合体して新たにハード合車242aを構成し、次の合流地点1162に向かう。このときの合流、合体は走行しながらでも可能である。この場合、ソフト合車241dとしても同様であるが、本例の場合は次の合流地点1162でエネルギー車2314と合車242bを構成するので、予めハード合車242aとした。そして、この合流・合体に際し、ソフト合車241cで子車2102cに設定されていたマスター車機能を新しいハード合車242aの子車2101dに移管統合し合流・合体を行う。合流・合体については後述する。ここで合流地点1161、後述の合流地点1162、1163は厳密な意味の一点ではなく領域として柔軟に考えればよい。
運行管理センターは以上の旅行計画1101の進展状況を基にレンタカー店1152にあらかじめ予約したエネルギー車2314の新しい出発予定時刻を連絡し準備させる。運行管理センター114は、ハード合車242aの走行情報や予定ルート上の交通情報を加味し、ハード合車242aの合流地点1162への到着予測を行い、エネルギー車2314の出発予定時間をレンタカー店1152に伝達する。レンタカー店1152は出発予定時刻になるとエネルギー車2314を出発させる。エネルギー車2314にはあらかじめ合流地点1162と合流相手であるハード合車242aの情報が入力されており、自動走行で合流地点1162に向かう。
ハード合車242aとエネルギー車2314は、合流地点1162で合流・合体し、新たなハード合車242bを構成し、長距離長時間走行移動1043により目的地102に向かう。合流・合体については後述の子車2101cとソフト合車241cの合流・合体に同じであり、説明は省略する。図示しないが、目的地周辺ではエネルギー車2314を分離し、最寄のレンタカー店に返却し、合車242cの走行形態で、短距離短時間走行移動1041で家族団らんで、観光を楽しむ。また、子車がそれぞれ分離し、それぞれ楽しむ等が自在に可能である。帰りは基本的には往きの逆に合流・合体、分離・離脱を行うが詳細説明は省略する。当然のことながら、本願発明の運行方法であれば、状況の変化、予定変更等はその都度対応が可能である。
ハード合車242bでは各単位車20である子車2101,2102,2103,2104とエネルギー車2314が、後述する連結装置34で機械的に結合されて一体化され、さらに各単位車20に設けられている動力源のエネルギー授受が相互に可能なように接続される。具体的には電気エネルギーの場合は電気的に相互に接続され、走行駆動用の電力供給だけでなく、回生電力も相互に授受できる。長距離長時間走行移動1043中は目的地周辺での各子車の短距離短時間走行移動1041に備え、エネルギー車2314から各子車21に充電用にも電力を供給することもできる。燃料エネルギーの場合でも必要に応じて授受できる。又、ソフト合車241の場合でも構成する単位車20同士間でエネルギーを授受する方法として、例えば電磁的な伝達方法も提案されているので可能である。
レンタカー店1152には複数の子車21、機能車23が、レンタル、乗り捨ての要求に対応できるように準備されている。図示されていないが、子車21には様々な要求に対応できるよう、二人乗り用、三人乗り用等複数人乗用の子車も用意されている。機能車23には走行フェーズ19の構成要素である走行セル(Pmn)190の様々な要求に対応できるように複数の種類の機能車が準備されている。又は、様々な要求に対応し変更できるようになっている。例えば機能車23は子車21や合車車24の走行セル(Pmn)190に対応して走行距離の増加、高速走行に必要な付加エネルギー、付加動力を支援するエネルギー車231や荷物積載に使用するトランク車232、その他快適性や安全性を付加する等、自動車走行に必要な様々な機能車が考えられる。勿論、それらの機能車23は個別の機能で説明したが夫々一緒に機能を組み合わせて構成することが出来る。また、エネルギー車231は長距離長時間走行移動1043用のエネルギー車2314だけでなく、例えば中距離中時間走行の中距離中時間走行移動1042の走行セル(Pmn)190用のエネルギー車2314aもあるし、設定変更により変更可能となっている。更に、子車一台に機能車一台という一々の対応だけでなく、各走行セル(Pmn)190に応じて自由に設定できる。
本実施形態の旅行計画1101ではエネルギー車231は子車1台用のエネルギー車2311を4台、又は子車2台用のエネルギー車2312を2台も可能であるが、本実施形態では子車4台用のエネルギー車2314とした。旅行計画1101では、合流地点1161から目的地119までは家族揃ってドライブすることになっているからである。以上と異なる別の旅行計画で、長距離長時間走行移動1043の途中で合流したり、途中で別れて別の目的地に行く等ならばその計画に応じたエネルギー車231を選択できる。以上のことは子車21でも同様であり、旅行計画1101では子車2103と子車2104は常に同じに使われているので二人乗用の子車21を使うこともできる。
一般的に、現在の乗用車においても短距離短時間走行移動1041の占める走行頻度の割合は高く、長距離長時間走行移動1043の走行頻度は少ないのが一般的である。勿論、長距離長時間走行移動1043の走行頻度が少ない場合でも、走行距離の割合では短距離短時間走行移動1041による走行距離の総計を上回ることがあるのは当然のことである。従って、使用頻度の高い日常走行の短距離短時間走行移動1041に使用する子車21は必要最少台数を所有すれば良いし、使用頻度の低い遠距離走行用に使われる機能車23と子車21は必要に応じてレンタルや共同所有にしてタイムシェアリングにより使用することが出来る。
このような運用方法をとることにより、現在の自動車の利便性を損なうことなく、なおかつ様々な走行フェーズ19やその構成要素である走行セル(Pmn)190に応じた必要最小限の車両構成で走行できるため、走行に必要なエネルギーを格段に減少させることが可能となる。又、使用頻度の低い場合の子車21と機能車23を共同使用やレンタルとすることにより使用効率も高まり、総車両台数の面でも経済的になる。
エネルギー車231は子車21の台数に対応するだけでなく、必要に応じて増減も可能である。高速で走るが距離が短い、遠距離走行するが、ルートが平坦で渋滞も無くエネルギー消費が少ないと言うような場合が考えられる。そのような場合には、例えば二台の子車21に一台のエネルギー車231、又は逆の場合には三台のエネルギー車231という構成をとる場合があることは当然である。
家101からの出発から目的地102到着までの全ての使用エネルギーに、レンタカー店1151から家101への三台の子車2102,2103,2104の走行エネルギー、レンタカー店1152から合流地点1162へのエネルギー車2314の走行エネルギーを総計した総エネルギー量が最少となるように、旅行計画1101の中で、ルートの設定、合流地点の設定、レンタカー店の選定がされる。又は、急ぐ場合は時間が最少となるよう旅行計画1102を設定できる。
走行移動距離が更に長く、渋滞や登降坂が多い場合等でエネルギー量が不足する場合には走行ルート途中で、レンタカー店1153の付加エネルギー車、図の例では4台用中距離走行用のエネルギー車2314bと使用してきたエネルギー車2314を交換する。方法は同様に合流地点1163にてエネルギー車2314bと合流し、エネルギー車2314と交換しグループ車構成を再編成し、続けて走行する。これらは全て走行しながら行うので、時間的な損失が無く、更に遠距離に走行できる。
運行管理センター114は以上の旅行行程の運行管理の目的で説明したが、これは例えば、子車2101搭載の情報制御装置等に機能をもたせることも出来るし、その他のシステムに委ねることも出来る。固定的に考える必要は無い。
次に、本願発明の基盤であり、特徴でもある合車について説明する。図6に合車24の車両連結形体例を、図4で前述した走行フェーズ19に対応する形で説明する。図4では走行フェーズ19の個別の走行セル(Pmn)190に対応した車両構成の重量構成を定性的に表現したものであるが、図6では具体的な単位車20の車両連結形体である合車24の構成例を示している。図6での走行フェーズ19、及び走行セル(Pmn)190は図4と同一なので説明は省略する。図6の上部を進行方向として配列し、図6の右上欄外に表示するように、子車21を白抜きの四角で、エネルギー車231をハッチングの四角記号を用いて表示する。ハード合車242、ソフト合車241両方ともに限定されずに構成可能であるが乗車人数252、走行方法104や、道路状況、法規制、交通状況等に応じて、構成し、途中での車両構成の変更や、分割、合体、更には車両連結形体の変更も自由である。そして合車構成時は相互に情報交換、エネルギー授受が可能なように構成することが出来る。以下の説明はハード合車242を例に説明する。例え、ソフト合車241の構成であっても、エネルギー車231とのエネルギー授受が必要なときには、電磁気的な無線送電技術も存在するので、構成の制約は存在せず、同様に構成できる。
図6で紹介した合車構成例の一部を、具体的に説明する。図6の構成例であるハード合車2421,2422,2423,2424に対応し、図7に車両連結形体の具体例を示す。図7中の340は各々の連結装置34(図7中の子車21の四囲に表記した細長い白抜き、及びハッチンぐの小四角)同士で連結した状態を示している。図7の(1)のハード合車2421は2台の子車21が横に並列状態で連結した形態を示す。連結装置34は柔軟な構造で、相互に連結したことによる力学的な負荷を相互に与えない機能を有しており、詳細構造については本願発明では説明を省略する。従って、連結装置34により合車構成時の子車21、機能車23、後述の母車22、及び以上の連結による合車24は連結した状態であっても、バランス制御は各々独立に行っているので、車両の強度、剛性は各車両ごとに成立していれば良く、軽量化が可能である。
勿論、本願発明の可変構成自動車の場合には、ハード合車242の場合であっても、以上の連結形体に限定されるものではなく、車体構造の重量、強度等に余裕があれば、固定した車両連結形体が可能であることは、当然である。
硬い連結を採用すると相互の移動の自由度がなくなり、車両剛性的には相互の負荷を負担する事になり、又、車体が2次元的に広がったことと同様な効果が生じ、旋回走行時やワインディング路走行時等において左右前後の負荷アンバランスにより合車全体に捩じりや曲げ等の負荷が増加するため、強度・剛性を確保するために重量が増加する。
図7の(2)はハード合車2422は2台の子車が進行方向縦に直列に連結した形態である。狭い道の走行や渋滞時等に有効な形態である。
図7の(3)のハード合車2423は3台の子車21が連結した連係形態例を示す。図7で前述したように子車21には特許文献1の図6で説明されているように、前後に連結装置34を各二つ設置した例であり、三角形に連結した形態も可能である。当然のことながら、連結する単位車20のサイズが相対的に異なれば、二つ以上の連結装置34を設けて、二台以上の単位車20が連結することが出来る。勿論、前後だけでなく左右も同様である。図7の(4)のハード合車2424は子車21一台とエネルギー車231一台が前後に直列に結合した連係形態である。長距離長時間走行移動1043や、短距離でも高速走行等の負荷の高い走行する場合の最少必要限の構成例である。
前項までに説明したように特許文献1では、自動車の消費エネルギー削減の基本的な考え方は、最小限の乗用車両と機能付加装置とを組み合わせて一体構成が可能な自動車であって、走行方法と乗車人数に応じて最適な必要最小限な車両構成とすることにより、自動車の有する高い利便性を維持しながら、エネルギー消費量を革新的に減少させる車両システムとその運用方法が提案されている。その中でエネルギー消費量の評価方法について基本的に車両重量によって評価することが有効であることを述べている。その考え方について、もう少し詳細に補足を含めて以下に説明する。
最初に自動車での走行による消費エネルギーの主要因について、改めて原点に立ち返って説明する。図9に自動車の走行抵抗についての式を表している。これは一般的な数式であり本願発明では前述の非特許文献1の「第4章動力性能の基礎・理論」に記載の内容を纏めて整理し表現した式であり、記号、名称は同一にしているので、詳細は参照されたい。然しながらその中で自動車総重量に関しては「車両走行重量(W)7241」と表現を変更した。理由は一般的には自動車総重量といえば定員乗車の場合の全備重量というその自動車の特定の車両重量を意味しているからである。現在の乗用車の場合においては、車両本体(車体)の重量がほぼ1トンと大きく、乗車する人等の重量変動要素を相対的に小さいとみなし、許容されているといえるし、又その評価方法で充分だからである。然しながら特許文献1に示す車両システムであり、本願発明の図3から図8において説明した様な車両システムでは、走行する場合に様々に大きく変動する車両構成の為、走行時の車両重量の変動が大きく、その時々の走行時の車両重量を明確に表現する必要があるため、車両走行重量(W)7241とした。
まず一般論からは自動車の駆動力(F)71と走行抵抗(R)72は常に一致している。そしてこの駆動力(F)71(走行抵抗(R)72)によりある距離を移動し仕事をするためにエネルギーを消費することになる。本願発明ではこの仕事量を「消費エネルギー(Q)732」と定義している。従って、ここで定義した消費エネルギー(Q)732は原動機、例えばエンジンの場合でいえば走行して消費したガソリンのエネルギー量ではないことに注意する必要がある。エンジンであろうがモーターであろうが実際に自動車を駆動するに際しては原動機そのもの、駆動系、補機、車輪等々の損失があり、結果的に搭載されているエネルギー量の一部を使って駆動力(F)71で自動車を走行させていることになる。このような自動車に搭載されている化石燃料やバッテリー等のエネルギーを総称して「搭載エネルギー731」と定義し、走行により消費する搭載エネルギー731を「搭載消費エネルギー7311」と定義する。前述した車両燃費改良技術の代表例として引用した非特許文献1の4.4.5項の燃費の改善(P136〜139項)に記載されている内容は、搭載消費エネルギー7311の効率化に関する項目が大半を占めているが、一部の改善項目の中には消費エネルギー(Q)732低減に関する項目も幾つか含まれている。
然しながら、以上説明した消費エネルギー(Q)732と搭載消費エネルギー7311は、基本的にはほぼ比例関係にあると考えても良いので、以降の説明においては、この消費エネルギー(Q)732と搭載消費エネルギー7311である原動機の消費するエネルギー源の量、例えばガソリン消費量とは相互に近似的に比例するものとして扱っていく。後述する図11から図15で示す具体例でのエネルギー消費率(θ)736の計算において基準消費エネルギー735として、図14に示す燃料消費原単位を使っている。エネルギー消費率(θ)736は後述するように、乗用車25に対する合車24のエネルギー消費量の相対的な比で評価しており、問題はない。消費エネルギー(Q)732の絶対量を評価するときは基準データを実験的に或いは計算等で設定しておけば良い。
尚、本願発明で消費エネルギー(Q)732に着目したのは、前述したように自動車の原点に立ち返って自動車システムを見直す意味からである。当然のことながら、非特許文献1に示す全ての改善項目は本願発明の車両システムに適用が可能である。
走行抵抗(R)72は転がり抵抗721、空気抵抗722、勾配抵抗723、加速抵抗724という四つの成分で構成されている。そのうち空気抵抗722を除いて車両走行重量(W)7241が入っている。加速抵抗724中の回転部分相当重量(Wφ)7242は自動車の大きさや性能等々で様々ではあるが一般的には車両(車体)重量7243にほぼ比例しており、空気抵抗722を除く三つの項はほぼ車両走行重量(W)7241に比例すると考えて良い。
空気抵抗722は前面投影面積(A)7221に比例し車速(V)の二乗に比例しており高速走行の場合には大きな効果を有している。然しながら日常的な発進停止の多い走行においては消費エネルギーに占める割合は比較的小さい。又、一方では車両走行重量(W)7241が大きい自動車は一般的には前面投影面積(A)7221も大きいため、正確な比例関係ではないが、空気抵抗722も車両走行重量(W)7241に応じて変動するとは言える。
以上のような理由から、そのような走行においては、消費エネルギーがほぼ車両走行重量(W)7241に比例すると考えられる。この考え方が本願発明の基本的な考え方である。勿論、空気抵抗722の影響度も無視は出来ないので、扱い方については後述する。
1.エネルギー消費率評価法の活用による可変構成自動車の車両構成設定方法
次に本願発明の車両システムのエネルギー消費率評価法について説明する。図10に走行フェーズ19を表し、走行による消費エネルギー(Q)732はこの走行フェーズ19に基づいて評価する。これは図4で説明した走行フェーズ19について一般化して縦軸と横軸を入れ替えて表現した図である。図10の横軸(図4では縦軸)の走行モード(m)104は様々な走行に応じて、様々な走行による負荷に応じて、又は様々な全ての走行を表現できるように、必要に応じて分割して必要数を設定すれば良いし、又は連続的に考えることも出来る。図10ではm=1〜Mに分割する例を示している。走行モード1を平均速度が最も低い走行、消費エネルギー732が最も少ない走行等の走行移動負荷が最も少ない走行等に設定し、走行モードMには逆に走行移動負荷が最も高い走行とするのが整理しやすいが、限定されるものではない。
いずれにしても走行モード104(m)の考え方は対象とする自動車が走行する様々な走行方法を全て包含するように考えて設定することができる。対象とする自動車については必要に応じて設定すれば良いが、例えば自動車一般、乗用車一般、日本の乗用車一般、特定クラスの乗用車、北海道の乗用車等のように、一般的に又は限定的に設定することが出来る。以上のような走行モードを包含する意味で「走行移動負荷7551」と定義する。走行モード層別の目的は、走行方法の相違により異なる走行移動負荷の相違を分類し、表すことである。即ち、走行モード104(m)は走行移動負荷7551の分類方法の一つであるとする。
図10の縦軸(図4では横軸)の乗車人数モード(n)752は様々な乗車人数変動に対応するもので、単なる人の人数及びその人数分の重量変動だけでなく、人の人数に応じて変動する車両構成、搭載エネルギー731分の重量等や搭載する荷物等に関わる重量変動をも含んだ意味を有している。又、図10の例では乗車人数モード(n)752としているが限定されるものではなく、車両走行重量(W)7241に変動を与える他の要素、例えば特許文献1に示す様々な車両システムだけでなく、商用車やトラック等の輸送用自動車等の搭載荷物による重量変動やトレーラー牽引等の負荷増加、バス等の搭乗客数変動による重量変動等も含めて考えることが出来るのは当然のことである。従って、以上の縦軸の乗車人数752やその他の重量変動を包含する意味で「重量負荷7552」と定義する。即ち、走行フェーズ19は走行移動負荷7551と重量負荷7552により自動車の走行状態を全て包含して表現し、整理層別する分類方法である。新しい走行状態、或いは新しい走行方法が必要になれば、必要に応じて組み込むことは容易に可能である。
走行フェーズ19の構成要素である走行セル(Pmn)190は図4及び図6の説明と同様で、走行モード(m)104(走行移動負荷7551)と乗車人数モード(n)752(重量負荷7552)により分割し、定義した自動車の一つの走行状態を表し、特定するものである。
走行フェーズ19を構成する複数の走行セル(Pmn)190の内で走行移動負荷7551或いは走行モード(m)104の一つの要素、例えば走行モードm=1の走行セル(P1n)の集合でも消費エネルギーの比較が可能であり、後述する。
走行フェーズ19全体での走行距離(d)754は比較のための基準距離を設定すれば良いが、本願の例では単位走行距離とし、走行セル(Pmn)190のセル走行距離(dmn)7541の総計、及び各走行モード(m)104のモード走行距離(dm)7542の総計は図10の式(2)に示すように1.0とする。走行距離(d)754の走行を以降では「全走行7545」と定義する。
セル走行距離(dmn)7541とモード走行距離(dm)7542の関係は図10の式(1)に示す。走行セル(Pmn)190の車両走行重量(Wmn)7245、消費エネルギー(Qmn)7321、図10の式(3)の走行モード毎のモード消費エネルギー(Qm)7322、及び図10の式(4)に示す走行フェーズ19全体で総計した消費エネルギー(Q)732については後述する。又、以上の走行セル(Pmn)190に設定した要素は走行フェーズ19の活用の目的に応じて設定すれば良いのであり、限定されるものではない。以上の走行フェーズ19の考え方は図4の説明においても述べられている。
図10の走行フェーズに基づいたエネルギー消費率の評価方法について、図1に示すフローチャートを用いて説明する。本願発明のエネルギー消費率の評価法は自動車の走行により消費するエネルギー量を、基準とする自動車に対し相対的に評価する方法である。基本的な評価方法の原理は走行時の自動車重量比であり、様々な走行状態に対応して変動する自動車重量比の評価方法を明確にしている。図1のフローチャートの例では、現在の標準的な乗用車25を基準にして特許文献1の発明である合車24の車両システムによるエネルギー消費率(θ)736を評価する方法を説明する。当然のことながら、乗用車25と合車24の車両システムは交通移動手段としての同一の能力、即ち移動する乗車人数と対応する移動距離を同一とすることを前提としている。
ステップ1(図1の丸枠のS1で表示、以下のステップも同様に表示する)で評価する走行フェーズ19の構成要素である走行モード(m)104のモード数(M)と乗車人数モード(n)752の最大乗車人数である乗車定員(N)を設定し、走行フェーズ19の要素である走行セル(Pmn)190を構成する。各走行モード(m)104のモード走行距離(dm)7542と走行セル(Pmn)190のセル走行距離(dmn)7541を設定する。このモード走行距離(dm)7542とセル走行距離(dmn)7541は実際の走行からのデータがあれば、それらを使えばよいし、ない場合は一般的な交通統計データから推定する方法もあり、詳細は後述する。又、各走行モードに対応する基準車の単位距離当りの「基準消費エネルギー(qm)735」を設定する。基準消費エネルギー(qm)735については後述するが、基準車の消費エネルギー(Q)732を活用する。又は基準車の搭載消費エネルギー7311でも代用可能であり、絶対値がなければ走行モード(m)104間の相対的なエネルギー消費量比でも良い。
ステップ2からは合車24と乗用車25と別々に評価する。ステップ2とステップ3では夫々の走行セル(Pmn)190の車両走行重量(Wmn)7245を求める。合車24の車両走行重量(Wmn)7245であるセル合車走行重量(Wfmn)7710は乗車人数n人に応じた子車重量(Wu)772と乗員重量(Wh)785に走行移動能力付加車両であるエネルギー車重量(Wemn)7734を加えたものである。乗員重量(Wh)785は当然ながら一定でなく様々であり、必要に応じて設定すれば良いが、以下の例においては一般的な車両総重量を算出する際の55kgを一定値として使っていく。エネルギー車重量(Wemn)7734は、前述のエネルギー車231の必要重量を表わしている。基本的には走行セル(Pmn)190、各走行モード(m)104に対応して必要台数、又は必要な能力を有するエネルギー車231を設定すれば良く、ここでは一般化してエネルギー車重量(Wemn)7734としている。
ステップ3では、乗用車25の乗用車車体重量(WBc)786場合は走行モード(m)104に応じた重量変動を考慮する必要がないので乗用車25の車両走行重量(W)7241は乗車人数n人の変動のみを考慮してセル乗用車走行重量(Wcn)7810(Wcmn=Wcn)とし、添え字mを省略して表現する。以下、同様である。乗用車走行重量(Wcn)781は乗用車車体重量(WBc)786に乗車人数n人分の乗員重量(Wh)785を加算したものである。乗車定員N人乗車時のいわゆる乗用車総重量である乗用車走行重量(WcN)を以下の説明において「基準車重量(Wt)780」として定義設定する。以上の式においては、その他に、搭載荷物や搭載エネルギー731の重量、例えばガソリンタンクが空か満タンか等も影響する要素であるが、それらは必要な量を含んでいる前提で、説明の簡略化のため省略する。必要ならば容易に追加することが出来る。
次にステップ4とステップ5で走行モード(m)104におけるモード車両走行重量(Wm)7244を求める。モード車両走行重量(Wm)7244はステップ4のモード合車走行重量(Wfm)7716を例に説明すると、走行セル(Pmn)190における合車24の仕事相当量であるセル合車走行重量(Wfmn)7710とセル走行距離(dmn)7541の積をモード(m)内で積算し、モード走行距離(dm)7542で除したものであり、走行モード(m)104内に於いて様々に変動する合車24の平均車両走行重量を表している。即ち、走行距離で重み付けされた平均車両走行重量である。ステップ5のモード乗用車走行重量(Wcm)7816も乗車人数(n)752に応じて変動する重量変動は相対的に小さいが、比較対象の条件を揃えるため同様に処理している。
ここでモード合車走行重量(Wfm)7716とモード乗用車走行重量(Wcm)7816は走行セル(Pmn)190ごとに乗車人数(n)752に応じて様々に変動する車両走行重量(W)7241である合車24のセル合車走行重量(Wfmn)7710と、乗用車25の場合は乗車人数n人分の乗員重量(Wh)785の変動を考慮してセル乗用車走行重量(Wcn)7810に走行セル(Pmn)190のセル走行距離(dmn)7541とモード走行距離(dm)7542比の重み付けして求めた走行モード(m)104の平均車両走行重量であることが本願発明の要点の一つである。
セル走行距離(dmn)7541とモード走行距離(dm)7542は相互関連を有しており、捉え方は様々に想定できるが、本願発明の例ではセル走行距離(dmn)7541は図10の縦軸の乗車人数モード(n)752(重量負荷7552)に対応させ、モード走行距離(dm)7542を横軸の走行モード(m)104(走行移動負荷7551)に対応させている。
同様にしてステップ41とステップ51において全走行7545の合車走行重量(Wf)771と乗用車走行重量(Wc)781を求める。合車走行重量(Wf)771を例に説明するとセル走行距離(dmn)7541、或いはモード走行距離(dm)7542と全走行7545の走行距離である走行距離(d)754の比、即ち走行フェーズ(P)19の全走行7545に対する走行セル(Pmn)190、或いは走行モード(m)104の走行距離で重み付けして求められた走行フェーズ(P)19の平均車両走行重量である。乗用車走行重量(Wc)781も同様であり、説明は省略する。ステップ12では合車走行重量(Wf)771と乗用車走行重量(Wc)781の比である車両走行重量比(λ)746を求める。
ステップ6とステップ7で夫々の各走行モード(m)104のモード走行合車消費エネルギー(Qfm)7332とモード走行乗用車消費エネルギー(Qcm)7342を求める。モード走行合車消費エネルギー(Qfm)7332は乗用車25の走行モード(m)104での単位走行距離当りの消費エネルギーである基準消費エネルギー(qm)735にモード走行距離(dm)7542の積にモード合車走行重量(Wfm)7716と基準車重量(Wt)780の比を乗ずる。
ステップ7のモード走行乗用車消費エネルギー(Qcm)7342も同様に基準消費エネルギー(qm)735とモード走行距離(dm)7542の積にモード乗用車走行重量(Wcm)7816と基準車重量(Wt)780の比を乗ずる。
ステップ10でモード走行合車消費エネルギー(Qfm)7332とモード走行乗用車消費エネルギー(Qcm)7342の比として合車24と乗用車25の走行消費エネルギー比であるモード走行エネルギー消費率(θm)7361を求める。モード走行エネルギー消費率(θm)7361は、モード合車走行重量(Wfm)7716とモード乗用車走行重量(Wcm)7816の比に同じとなる。モード合車走行重量(Wfm)7716とモード乗用車走行重量(Wcm)7816の比を「モード車両走行重量比(λm)7462」と定義する。
又、基準消費エネルギー(qm)735は走行モード(m)104における走行時の走行効率の基準として導入した要素である。モード走行合車消費エネルギー(Qfm)7332とモード走行乗用車消費エネルギー(Qcm)7342、及び後述のステップ11に示すエネルギー消費率(θ)736を算出する際の重み付けとして使っているのが特徴である。
基準消費エネルギー(qm)735としては例えば後述する図14に示す「燃料消費量原単位」等を使うことが出来る。「燃料消費量原単位」は非特許文献2より引用したデータである。「燃料消費量原単位」は性格的には前述した搭載消費エネルギー7311に相当するが、前述したように、ほぼ比例関係にあると考えても良いので、ここでは基準消費エネルギー(qm)735として置き換えて扱うこととする。本願発明の目的は、走行によるエネルギー消費量の絶対量を求めることではなく、相対的なエネルギー消費量の比率を求めることにあるからである。
燃料消費量原単位は実際の走行からの統計データであり、図9で説明した走行抵抗72の全ての要素が含まれての燃料消費量であり、当然のことながら旅行速度が高速になれば大きくなる空気抵抗722の効果が含まれている。従って、合車24の消費エネルギー(Qfmn)7331には重量の効果だけではなく、間接的ではあるが空気抵抗722の効果も含まれていることになる。その前提として、合車24と乗用車25の空気抵抗とが同じ重量で同じ空気抵抗とし、異なる重量のときは空気抵抗722が重量比にほぼ比例するようにすることが計算精度を高めるためには望ましい条件となり、個々の車両の具体的な設計の段階で考慮すればよい。本願発明では説明を省略する。基準消費エネルギー(qm)735に定量値がない場合にはモード走行間の走行効率の相違を表す数値で代用することも可能である。
ステップ8で合車24の全走行7545の全走行合車消費エネルギー(Qf)733、ステップ9で乗用車25の全走行7545の全走行乗用車消費エネルギー(Qc)734と走行フェーズ19全体の消費エネルギーを集計する。それらの集計値を比較して、ステップ11で全走行の合車24の全走行合車消費エネルギー(Qf)733と乗用車25の全走行乗用車消費エネルギー(Qc)734比であるエネルギー消費率(θ)736を求めることが出来る。又、全走行には変動要素のモード走行距離(dm)7542があるので全走行のエネルギー消費率(θ(d1,・・,dM))7360と表現する。
ここでステップ11の式の2行目にステップ6からステップ9に示した計算過程の内容も表示している。2行目の内容もステップ10の場合に類似してステップ4、ステップ5で説明したモード合車走行重量(Wfm)7716とモード乗用車走行重量(Wcm)7816に依存しているが、各々にモード毎の基準消費エネルギー(qm)735とモード走行距離(dm)7542の積が重み付けとして加えられている。前述したようにモード合車走行重量(Wfm)7716とモード乗用車走行重量(Wcm)7816には既にセル走行距離(dmn)7541の重み付けがされており、エネルギー消費率(θ)736にはセル走行距離(dmn)7541(又はモード走行距離(dm)7542)と基準消費エネルギー(qm)735の要素が重み付けされた車両重量比となっており、「相当車両走行重量比(λs)7465」と定義する。前述したように基準消費エネルギー(qm)735は走行効率と置き換えることができる。相当車両走行重量比(λs)7465は、モード毎の基準消費エネルギー(qm)735の差異が小さい範囲であれば、前述の車両走行重量比(λ)746にほぼ等しくなる。基準消費エネルギー(qm)735の値が走行モード(m)104内において一定の場合には相当車両走行重量比(λs)7465と車両走行重量比(λ)746は一致する。
従って、エネルギー消費率(θ)736は車両走行重量比(λ)746にほぼ比例することになる。以上のことも本願発明の要点である。
尚、以上に述べたセル走行距離(dmn)7541、モード走行距離(dm)7542と基準消費エネルギー(qm)735は夫々単独で適用可能であり、また二つ以上で関連させて適用可能であることは当然である。
2.エネルギー消費率評価法の変型例
図20に図1で説明したエネルギー消費率評価法の変型例を示す。図20のフローチャートのステップ番号と内容は図1に対応しており、図1と異なる内容のステップのみ以下に説明する。ステップ6の各走行モード(m)104のモード走行合車消費エネルギー(Qfm)7332に「消費エネルギー補正係数(amnj)7351」が付加されている。消費エネルギー補正係数(amnj)7351の目的及び役割を以下に説明する。合車24は特許文献1で説明されているように様々な構成形態、即ち連係形態が考えられており、一部の例を図6、図7において説明している。様々な連係形態であるがゆえに、空気抵抗も様々に異なることも想定される。同じ重量でも合車24と乗用車25との差異、同じ重量構成の合車間でも、合車の連係形態によっても差異が生じてくる。例えば図7の合車連係形態例では子車21が2台連結する合車形態においても(1)では子車2両が並列連結であり、(2)では子車2両の直列連結となり、高速走行時には空気抵抗に差異が生ずるのが自然である。それらの差異を補うためにステップ5では、消費エネルギー補正係数(amnj)7351を設定した、添え字jは合車連係形態を表している。合車24同士または合車24と乗用車25との空気抵抗722の差異により生じる影響を補正するための係数である。この数値は、基本的には1.0を基準として用いればよいが、車両システムの企画段階においては想定した数値や標準的な数値を使えばよいし、設計段階ではシミュレーション等で評価し設定し、又は実験により評価設定しても良い。
当然のことながら消費エネルギー補正係数(amnj)7351はステップ8、ステップ10及びステップ11に効果を及ぼす。
以上のエネルギー消費率評価方法は、乗用車25に対して合車24を例にとり、相対的なエネルギー消費率を求める方法であるが、合車24の車両形態に限定されるものではない。他にも走行時の重量変動の大きな自動車、例えば商用車やトラック等の輸送用自動車等の搭載荷物等による重量変動やトレーラ牽引等による負荷増加、バス等の搭乗客数変動による重量変動等も含めて考えることが出来るのは当然である。
3.エネルギー消費率評価法の活用による可変構成自動車の車両構成設定方法
次に、以上で説明したエネルギー消費率評価法について、具体的な例で図11から図15を用いて説明する。図11は計算例に用いる走行フェーズ19で、図10で説明した一般的な走行フェーズ19に、具体例の計算のために具体的な計算条件を示したものである。図11中の(1)で走行モード(m)104を前述の短距離短時間走行移動1041と長距離長時間走行移動1043とした。又、モード走行距離(dm)7542については、例えば非特許文献5に示す調査結果「利用道路種別別自動車交通の分担」の自動車走行台キロで一般道路及び市町村道70.1パーセント、一般国道19.1パーセント、高速自動車道及び都市高速道路10.8パーセントというデータを参考にして、仮に一般道路及び市町村道を日常的な走行に使う確率が高いであろうと想定し前述の短距離短時間走行移動1041に当てはめて小数点以下を四捨五入しd1=0.7とし、一般国道と高速自動車道路及び都市高速道路の走行は比較的長距離、高速走行の確率が高いであろうという想定で、両者を合わせての走行を長距離長時間走行移動1043に当てはめてd2=0.3と設定した。
国土交通省「道路交通センサス」2005年9月−11月
図11の(2)では走行セル(Pmn)190のセル走行距離(dmn)7541は乗車確率(hmn)7522に比例すると設定した。又、簡略のため図11の(3)で二つのモードで乗車確率は同じと設定しており、セル走行距離(dmn)7541は乗車確率(hmn)7522とモード走行距離(dm)7542の積として表現できる。基準車両は一般的な乗車定員5人の乗用車とし、その他の計算条件は図11中に明記されているが、主な内容を説明すると、図11の(7)でエネルギー車231は長距離長時間走行移動1043時のみに使用し、乗車人数n人と同じ台数とする。図11の(4)で示す基準消費エネルギー(qm)735は図14に示す非特許文献2の図3.1.9の「車種別・速度別走行台キロ当たり燃料消費原単位」より読み取ったデータである。
以上の計算条件は一般的なデータを参考に仮に設定したものであり、より詳細な一般的な調査データや個人や業務上等の個別の自動車の使い方のデータがあれば、それらのデータに見合った条件設定をすればよい。乗車確率(hmn)7522については後述する。
図11の計算条件に基づいて図1の計算方法により得られた結果を図12に「乗車人数と車両走行重量」、図15に「平均乗車人数とエネルギー消費率」として示す。
図12に走行セル対応の車両走行重量(W)7241の比較を示す。この図は図4に示した走行フェーズ19の構成要素である走行セル(Pmn)190対応の合車構成例を重量比較しやすいように横軸に乗車人数、縦軸に車両重量とし、縦軸は重量比の大きさに比例するように表現し、同様の方法で乗用車の対応する重量を併記し示した。図中の枠内の符号は乗用車251、乗員252、合車24の子車21、乗員は乗用車と同じく252、エネルギー車231とした。図4では乗員252、子車21、機能車23の組み合わせにより合車24の構成例を説明しているが、ここでは機能車23の代表例として一形態である走行移動能力付加車両であるエネルギー車231とした。
前述したように、各々の枠の高さが重量比を表現しており、例えば乗用車251の枠の高さが、前述の乗用車の乗用車車体重量(WBc)786を示している。他の対応の説明は省略する。太い点線1041は乗車人数に対応する走行モード(m=1)である短距離短時間走行移動1041時の合車走行重量(Wf1n)7711を、太い一点鎖線1043は同様に走行モード(m=2)である長距離長時間走行移動1043時の合車走行重量(Wf2n)7712を表している。乗用車の場合の重量変動は乗車人数のみであり走行モードには依存しないので、乗用車走行重量(WCn)781を太い二点鎖線1049で表している。
尚、仮定として定員五人乗車の乗用車走行重量(WC5)7811と長距離長時間走行移動1043時の五人乗車の合車走行重量(Wf25)7713は同一とした。又、そのために合車走行重量は長距離長時間走行移動1043時には乗車人数と同数のエネルギー車231を5台連結する合車形態とした。
又、図中の丸内の記号(P11)から(P25)は図11に示した走行フェーズ19の構成要素である走行セル(Pmn)190に対応させている。例えば、走行セル(P11)は図4にて説明した短距離短時間走行移動1041で乗車人員252が一人の乗車人員2521、子車21が一台の場合の図4の走行セル(P11)1911に対応している。
以下同様に走行セル(P25)が図4の走行セル(P25)1925で説明した定員五人乗車での長距離長時間走行移動1043に対応している。乗用車の場合は、乗用車走行重量781は走行モードには無関係で乗車人数のみに対応しているので、(P01)から(P05)のように表記した。
次に走行セル(Pmn)190のセル走行距離(dmn)7541は実測データや記録データがあれば、そのデータを使えばよいが、実際にはデータ取得が困難である場合が多いと思われる。そこで本願発明においては平均乗車人数より乗車人数毎の走行確率を算出し、走行確率より走行距離を推定する方法を発明し、その方法を図13に示す例を用いて説明する。走行一回当たりの走行距離を平均的にはほぼ一定と仮定すれば乗車人数毎の乗車確率(hmn)7522はセル走行距離(dmn)7541と比例すると考える。
図13には、最初に平均乗車人数を設定し、乗車人数毎の乗車確率(hmn)7522が統計的分布に従うとして乗車確率を推定する方法を示している。図13の例では統計的分布を二項分布として乗車確率を推定している。計算方法の説明7550では、前提条件として、乗用車は必ず運転者が乗車して走行するものとして設定している。即ち、乗車人員ゼロでの走行、例えば自動運転での無人走行等は本願発明の計算例では触れない。本願発明は現在の一般的な有人乗車の乗用車25を基準にして、エネルギー消費率(θ)736を評価しているからである。自動運転等での無人走行を考慮することが必要になれば、図13に説明する方法を一部変更すれば容易に類推できる。従って、乗車人数N人を運転者一人と加算乗員人数X人に分け、X人が二項確率に従うとして、二項確率関数の式を用いて算出した。結果7551の(1)は平均乗車人数1.358人(前述の(課題2)で説明した図2の平均乗車人数に同じ、図2では小数点以下3桁切り捨て)の場合の計算結果をグラフ化している。他に結果7551の(2)で平均乗車人数二人、(3)で四人の場合の計算結果を参考として示している。
自動運転での無人走行を適用する例は、前述の図5の実施形態の運用例の説明の「0028」項で3台の子車2102、2103、2104の自動走行、「0035」項においてエネルギー車2314の自動走行について例示している。
前述の(課題2)において触れたように、平均乗車人数1.358人のデータは図2に示すように自動車輸送統計年表(平成17年、国土交通省)に基づくものであり、ごく通常の走行データであると捉えることが出来る。このことは乗用車に定員乗車での走行の確率は低く、一人乗車即ち運転者のみで走行する割合が多く、二人以上の乗車での走行割合が低いことを意味している。当然のことながら平均乗車人数は乗用車個々や種類、用途、大きさ、走行地域や道路種別、季節や曜日、時間帯、天候、所有者の職業や家族構成等で様々に変動するものであるが、日常身近なところで走行する自動車の場合でも一人乗りの自動車を多く見掛けるが、定員乗車の車を見かけることは滅多にないことも事実である。従って、以降は例として平均乗車人数1.358人に基づいて説明する。平均乗車人数が異なる場合でも、同様に容易に説明できることである。
結果7551(1)の意味するところは、例えば一ヶ月間に1,000km走行すると仮定すれば、その殆どの687kmを一人乗車で走行し、二人乗車は270km、三人乗車での走行は39.8kmになる。計算上は四人乗車での走行は2.6km、五人乗車はほぼ0kmである。改めて以上の結果を眺めてみると一人で大きな距離割合を乗用車というほぼ1トンという重量、言い換えれば他に四人乗車が可能となっている乗用車25の乗車部分と定員乗車での高速走行、長距離走行を可能としている高出力の重い原動機、過剰の搭載エネルギー731等を背負って一緒に移動していることになり、多くの余分のエネルギーを消費していることが分かる。勿論この結果は計算上の平均的なものであり、個々の自動車においては様々な乗車人数と様々な走行距離になるわけであるが、一人乗車での走行が多いということ、逆に述べれば大半の乗用車が一人乗りで走行するからこそ平均乗車人数1.358人という数値が出ている点には注目する必要がある。
以上の結果を纏めて、エネルギー消費率(θ)736を平均乗車人数に対して整理し図15に示している。横軸に平均乗車人数7521、縦軸にエネルギー消費率(θ)736としている。図11に示す計算条件に基づいて図1において説明した計算手順、及び平均乗車人数に対し図13での計算方法により乗車確率を設定してエネルギー消費率(θ)736を求めている。ここで走行モード(m)104である短距離短時間走行移動1041、長距離長時間走行移動1043及び総合走行1040とエネルギー消費率(θ)736との関連を明確にするため、エネルギー消費率(θ)736をエネルギー消費率(θ(d1,d2))7360と表現する。d1,d2は夫々短距離短時間走行移動1041と長距離長時間走行移動1043の走行割合を示している。従って短距離短時間走行移動1041のエネルギー消費率(θ1)はエネルギー消費率(θ(1.0,0))7363と表現し、図15の破線の線図で表す。長距離長時間走行移動1043のエネルギー消費率(θ2)はエネルギー消費率(θ(0,1.0))7364となり、図15の一点鎖線の線図で表している。実線の線図が総合走行1040のエネルギー消費率(θ0)であるエネルギー消費率(θ(0.7,0.3))7362を表している。図11の計算条件7372の(1)で示すように、ここでカッコ内の数値は短距離短時間走行移動1041を70パーセント、長距離長時間走行移動1043を30パーセントの場合を表している。従って、長距離長時間走行移動1043の割合が大きくなれば、線図7362はエネルギー消費率(θ2)の線図であるエネルギー消費率(θ(0,1.0))7364に近づき、小さくなればエネルギー消費率(θ1)の線図であるエネルギー消費率(θ(1.0,0))7363に近づくわけであり、図中縦の太い両矢印線7373で示している。尚、ここで述べているエネルギー消費率は図1での計算手順でも明らかなように、どのような平均乗車人数、どのような走行フェーズにおいても常に基準としている乗用車25の場合も、乗車人数による乗用車走行重量の変動による改善効果を含めて評価している。
前述の平均乗車人数1.358人の場合を点線7374に示す。総合走行1040の線図7362との交点7376はエネルギー消費率(θ)736は0.24となり、特許文献1の発明である車両システムは現在の車両システムに対し、平均乗車人数が1.358人であれば、ほぼ四分の一のエネルギー消費量と革新的にエネルギー消費量を改善できることが可能なシステムであることが分かる。因みに全走行1040でエネルギー消費量が半分になる点、エネルギー消費率(θ)736が0.5とである点7377は平均乗車人数が3.1人の場合であることが分かる。しかも特許文献1の合車24を活用する車両システムでは、単に走行時の車両を小型軽量化しただけでなく、運用面をも考慮した車両システムであり、乗用車25が有するきわめて高い利便性を損なっていない点にも特徴がある。
前述の平均乗車人数1.358人、全走行1040の場合のエネルギー消費率(θ)736が0.24であるということは次のような解釈が出来ることになる。図1に示すエネルギー消費率評価法の計算過程から明らかなように、合車24、乗用車25ともに平均乗車人数1.358人という条件の乗車確率(hmn)7522で乗員252が乗車し、そのときの合車走行重量(Wf)771と乗用車走行重量(Wc)781の比率を表していることになる。勿論、以上の結論は図11で設定した計算条件に依存しており、例えば図11の(2)で二つの走行モードで乗車確率や走行モードの走行距離割合設定等にも依存している。然しながら、これらの因子が極端に異ならなければ、合車走行重量(Wf)771と乗用車走行重量(Wc)781の比率はエネルギー消費率(Θ)736にほぼ等しいと言うことが出来る。このことは言い換えると、合車走行重量(Wf)771は乗用車走行重量(Wc)781の0.24台分のほぼ四分の一の車両走行重量(W)7241(前述したように乗員重量も含まれている)であると言える。同様に平均乗車人数が3.1人の場合は合車走行重量(Wf)771は乗用車走行重量(Wc)781の0.5台分の車両走行重量(W)7241であると言える。以降は以上の台数を合車24の「乗用車換算台数7791」と定義する。
尚、以上のエネルギー消費率評価法の説明における合車24を活用した自動車システムによるエネルギー消費率(θ)736の低減効果は、合車24の自動車システムの運用が理想的に行われた場合の最良の効果について述べている。これまでに説明してきた走行フェーズ19は様々な場合が考えられ、個々の合車24や対応する自動車システムの整備状況や普及状況に応じて運用方法が異なる。例えば図5の説明において前述したように、走行を開始するときや走行途中に子車21或いはエネルギー車231が必要になったとき、必要な場所に子車21或いはエネルギー車231移動させることが必要であり、その移動により消費するエネルギーも考慮に入れる必要があるが、本願発明の説明では省略する。個々の走行において、出発地点、目的地、ルート、更には子車21、エネルギー車231等を借りるレンタカー店等の位置関係が明確になった段階で、最も効率的に消費エネルギーが最少となるように運用計画を改めて評価すればよい。
以上のことは、これまでの本願発明及び特許文献1のコンセプトに基づいて容易に類推できるものである。後述する車体重量率評価法の説明においても同様に合車24のシステム運用が理想的に行われるという前提で説明する。
もう一つの重要な点は、前述のエネルギー消費率評価法及び後述の車体重量率評価法は、個々の自動車に適用できるのは当然として、複数の車を総合的に評価する場合や地域、国全体、さらには全世界の自動車全てを総合的に評価する場合にも適用できる評価方法であることに大きな特徴がある。例えば、前述の平均乗車人数が1.358人であれば、乗用車25が100台有ったとすれば、合車24の自動車システムに置き換えれば、合車24の乗用車換算台数7791は24台となり、同様の自動車としての能力を有することになる。
4.エネルギー消費率評価法の活用
本願発明のエネルギー消費率評価法を以下のように、様々な分野で活用できる。
(1)地球温暖化対策への貢献
今後、BRICs等の人口大国の経済成長が進展し、近未来において現在の欧米や日本等の先進国並みの自動車保有率に近づくことは自然であり、世界全体の自動車総台数が数倍になることが想定できる。地球温暖化問題が顕在化しCO2削減の必要性が叫ばれるという深刻化しつつある環境の中で、現在の延長のままでは成立しないであろうことは単純に予測できることである。そのような事態に対して特許文献1の車両システムのコンセプトは自動車分野においては極めて合理的な効果的な考え方であり、将来の自動車交通の生き延びていくための極めて有効な手段である。そのコンセプトを生かし、具現化していく段階において本願発明のエネルギー消費率の評価法を活用することにより長期的な指針、目標の形を明確に設定出来る。以上のようなことを通して、自動車交通の分野で大きなCO2削減効果を発揮し、地球温暖化対策に大きく貢献できる。
(2)渋滞対策に活用
特許文献1の自動車システムは、交通渋滞減少にも大きな効果を有している。乗用車25の平面積、即ち走行時に道路を占有する面積を一般的な乗車定員5人で除した値を一人当たり道路占有面積とし、合車24の場合も、乗車人数一人当たりの道路占有面積を同一となるように設定すれば、前述の平均乗車人数1.358人の場合であれば、乗用車25が例えば100台に対し、合車24の乗用車換算台数7791が24台となり、現状の道路占有面積のほぼ四分の一となる。渋滞対策の一つとして、車間距離を小さくする方法として自動運転化する等の案が研究されているが、特許文献1の自動車システムであれば、自動運転等を導入しなくても現在の渋滞時の走行速度で同様な車間距離でも大きな効果を出せることが分かる。勿論、自動運転による車間距離低減を導入すれば更に相乗的に渋滞対策効果が現れることも当然である。以上のように、渋滞解消に革新的な解決手段となることが明らかであり、現在渋滞対策として、交通インフラ構築には莫大な費用が費やされているが、現状の道路のままで、ほぼ四倍の交通容量を確保できることになり投資が軽減できることになる。
更に、前述のエネルギー消費率低減効果は合車24が、現在の乗用車25と同様に現在の交通環境の下で同じ走行をする前提での評価である。合車24の自動車システムにより渋滞が解消されれば、平均走行速度も向上し燃費効率が高まる事は良く知られたことである。従って、現在の渋滞時に限るが合車24の自動車システムによりエネルギー消費率低減に効率向上も加味され相乗的に走行効率が向上することになる。
即ち本願発明のエネルギー消費率評価法を活用して、渋滞対策計画を明確にし、特許文献1の自動車システムを導入していけば、慢性的で対策がイタチごっこになっている渋滞問題解消に革新的な対策となりえる。
(3)車両購入、利用における判断基準
合車24の自動車システムは前述したように、特許文献1に示すような一人乗りの日常的な走行能力を有する超小型の車両である子車21と、その車両に長距離高速走行に必要なエネルギー等の機能付加能力を有する車両等である機能車23で車両システムを構成する自動車システムであり、このことは本出願の図3から図8の説明においても詳細に述べているように走行フェーズの構成要素である走行セル(Pmn)190に応じて、様々な走行形態を構成することを特徴としている。このような自動車システムの場合には、個々に車両構成を設定や選択するための基準があれば、自動車を購入する際や利用するときに、大変便利である。
自動車を購入する場合には、その人の頻度の高い走行セル(Pmn)190に対応して、前述した単位車20である子車21の必要台数を購入し、長距離長時間走行移動1043の機会が多い等の必要性があれば、合わせてエネルギー車231を必要最小限購入又は借りれば良い。
例として、図13の結果7551(1)平均乗車人数1.358人の場合に該当する平均的な走行距離を走行する自動車利用者の場合を例に取り一般例として説明する。平均乗車人数1.358人なので、子車21を一台所有するのは当然として、二人乗車の確率は27パーセントであり、二台目の子車を所有するかどうかは、その人の生活環境等により様々に異なってくる。駐車場のスペース、二台目の購入費やレンタカー利用の費用とのバランス、又レンタカー店が利用しやすいような位置にあるかどうか等を考慮して決定すべきことである。3人から5人乗車での利用の場合は精々4パーセントであり、レンタカーの利用が良いというように考える判断基準として活用できる。
又、以上の説明は一人乗車の走行と二人以上乗車の走行が同様な走行モードという前提での説明である。例えば、一人乗車の場合は殆ど日常的な走行である短距離短時間走行移動1041で、二人以上乗車の場合は頻度の少ない高速長距離走行である長距離長時間走行移動1043であるならば、子車21を一台所有し、他に必要となる子車21及びエネルギー車231をレンタルで使用すれば効率的な活用ができる。他の乗車人数の場合でも、以上の考え方の例を参考にして、容易に活用できる。
更に、以上のように購入し所有する子車21やエネルギー車231の最小限の必要台数が分かれば、例えば、家を建てるときに駐車場のスペースを必要最小限に出来るので、家の間取りの自由度も増し、駐車場を借りる場合も最小限の面積ですむので、費用を低減できる。
(4)車両販売における説得材料として活用できる。
自動車を販売する側にとっても、図15を活用して販売時に、その顧客の自動車利用の実態に適応した合車24の構成形態を購入の判断材料として提供できるし、又販売計画にも反映でき、大いに有効な情報となる。前項で説明した様に購入予定者に最適な車両構成やレンタカー利用の紹介や、カーシェアリング利用の提案も可能となる。販売者側も販売車両とレンタカーやカーシェアリングとの役割、位置づけが明確になるので、合わせて事業として効率的に展開することも可能となる。
然しながら、実際問題として購入予定者が自身の自動車利用或いは利用の予定の内容をどこまで把握しているかと言う問題があるのが殆どと思われる。そのような場合には、後述する走行フェーズ解析装置54を購入予定者に活用してもらい一定期間走行データを収集解析すれば販売情報として活用できるし、又、それらのデータを集計していけば、他にも自動車を企画、製造する場合にも活用できるのは当然のことである。
(5)カーシェアリングの基準
使用頻度の低い走行セル(Pmn)190の場合には必要な子車21やエネルギー車231が必要な場合にはカーシェアリングシステムを活用するか、或いは他人やレンタカー店から借りれば良い。ここで、エネルギー車231は機能車23の代表例であり、機能車23に置き換えてもよく、以下同様である。子車21やエネルギー車231を購入、所有したものの、実際の使用時に余裕が生じてきた場合には他人やレンタカー店に貸すことも出来、夫々の単位車20の稼働率を高めて有効活用することが出来るようになる。即ち、カーシェアリングのシステムを構築する際にも、又それを運用する際にも有効に活用することが出来る等の様々なメリットが生じる。このような形態が実現することにより、個々の所有者は購入費用が無駄なく低減でき、移動により消費エネルギーも大幅に低減できるし、車庫、駐車場等のスペースも最小限に出来る。
又、合車24の構成要素である子車21及び機能車23は、夫々役割が明確になっているので、カーシェアリングシステムの場合或いはレンタカー店の場合も子車21と機能車23の夫々の台数と常駐場所等に特徴を出すことが出来る。例えば、街中では子車21主体、高速道路路入り口やパーキングエリアでは機能車23の一形態であるエネルギー車231を重点にして配備する等が考えられる。
(6)車両の新企画に活用できる。
又、一方では図13の結果7551は確率計算のデータであり、例えば同じ乗車確率(hmn)7522が1.358人の場合でも極端な例を挙げれば一人乗車の確率が91パーセント、五人乗車が9パーセントという使い方をする所有者もありえるわけであり、このような場合には子車21を5台所有するのは無駄と思われる。必要なときには一人乗り用の子車21を4台、または二人乗用の子車21を2台、さらには四人乗用の子車21があれば一台を借りて、所有している子車21と合車24を構成し、利用すればよいというように判断に活用できる。当然のことながら必要に応じてエネルギー車231も同様である。又、考えようによっては、五人乗車の確率が低いので、五人乗車の子車21を一台借りて利用し、一人乗用の子車は使わなくても、総合的なエネルギー消費量は大きくは増加しないので、このような利用方法も有りえることになる。
従って、自動車会社でも以上の様な様々な自動車の使い方に対応できる子車21及び機能車23を製造販売する際に、エネルギー消費率評価法を活用することによって、新構想自動車の企画、開発、設計、生産、販売という全ての段階において計画や実施等に活用することが出来る。例えば、以上のように自動車の所有形態、利用形態が様々になると思われるので、自動車の企画、開発、設計、生産、販売だけでなく、カーシェアリングシステム、レンタカー、走行エネルギー補給等の分野と一体となって効率的に事業展開に結びつけることも可能となる。
5.車体重量率の評価法
エネルギー消費率の評価法は、自動車が走行し移動する際に必要なエネルギーを相対的に比較する方法であり、当然のことながら、自動車として移動する車両走行重量(W)7241には、乗車する乗員人数分の乗員重量(Wh)785が含まれている。
自動車の車両企画や製造販売する自動車会社にとって、以上に述べたエネルギー消費率評価法は、勿論有効な情報であるが、自動車を製造する立場からは必要な原材料、工数、製造設備、製造に必要なエネルギー等の基準があれば有効である。そこで、前述のエネルギー消費率評価法の車両車体重量(WB)7243に着目して整理した結果を図16、図17に示す。
基本的には図1で説明したエネルギー消費率評価法における計算過程から乗員重量(Wh)785をゼロとし、乗員重量(Wh)785の影響を除く。又、走行モードによるエネルギー効率の効果を省くために、基準消費エネルギー(qm)735を1.0として図1と同じ計算過程で車体重量率(Ω)745を求めることが出来るので、計算過程の説明は省略し計算例の結果だけを図16、図17に示す。計算例の計算条件は前述の関連内容を除き、図11と同様である。図16の乗車人数と車両車体重量(WB)7243は図12の乗車人数と車両走行重量(W)7241に対応しており、縦軸の乗員重量(Wh)785を含んでいる車両走行重量(W)7241を車両車体重量(WB)7243に置き換えた図である。当然のことながら乗用車車体重量(WBc)786は乗車人数に依存せず、一定値となる。合車車体重量(WBf)776は横軸の乗車人数により大きく変動し、短距離短時間走行移動1041時は点線1041で示され、長距離長時間走行移動1043時は一点鎖線1043で示される。合車24の長距離長時間走行移動1043、及び乗車定員の五人乗車対応の合車車体重量(WBf25)7763は乗用車車体重量(WBc)786と同じになるように計算条件は設定されている。
図17の「平均乗車人数と車体重量率」は図15での「平均乗車人数とエネルギー消費率」に対応し、縦軸を車体重量率(Ω)745に置き換えたものである。前述の平均乗車人数1.358人における全走行1040時の車体重量率(Ω)745は0.194(交点7378)となり、特許文献1の発明である車両システムは現在の乗用車25による車両システムに対し、平均乗車人数が1.358人であれば、ほぼ五分の一の車両重量と革新的に必要な車両重量を軽減できることが可能な車両システムであることが分かる。ちなみに車両重量を半減できる車体重量率(Ω=0.5)は平均乗車人数が3.4人(交点7379)であることが分かる。
しかも、エネルギー消費率(θ)736の説明と同じであるが、特許文献1の合車24を活用する車両システムでは、単に車両を小型軽量化するだけではなく、運用面をも考慮した車両システムであり、乗用車が有する極めて高い利便性を損なっていない点にも特徴がある。又、以上の特許文献1の車両システムはCO2削減や地球温暖化対策にも極めて有力なシステムであり、適用するに当たって本願発明の車体重量率評価法(エネルギー消費率評価法)を活用することにより、効果の予測や車両製造に必要な原材料の準備等に活用することが容易に可能である。
エネルギー消費率評価法の説明で定義した乗用車換算台数7791と同様に、車体重量比評価法の場合も類似の「乗用車換算重量7792」を定義できる。考え方は乗用車換算台数7791より、乗員重量を除くだけなので、説明は省略する。
図17において、例として前述の平均乗車人数1.358人、総合走行1040の場合を取り上げると、車体重量率(Ω)745は0.194であり、乗用車換算重量7792も0.194であり乗用車25のほぼ五分の一の車体重量となり、自動車製造において大幅な原材料や製造エネルギー低減が可能であることが分かる。因みに全走行1040で乗用車換算重量7792が半分になる点、車体重量率(Ω)745が0.5である点7379は平均乗車人数が3.4人の場合であることが分かる。しかも特許文献1の合車24を活用する車両システムでは、単に走行時の車両を小型軽量化しただけでなく、運用面をも考慮した車両システムであり、乗用車25が有するきわめて高い利便性を損なっていない点にも特徴がある。
6.車体重量率の活用法
自動車メーカーの場合には車体重量率(Ω)745をエネルギー消費率(θ)736と併用することにより、長期的観点に基づいた車両企画や販売計画、生産計画等に活用することが出来る。又、社会全体の乗用車換算台数7791と乗用車換算重量7792を大幅に低減できることになる。
このことは本願発明のシステムにより、走行による消費エネルギーの大幅削減ばかりでなく、自動車製造に必要な原材料、エネルギー、設備等も含めて大幅な削減が可能となる。別の言い方をすれば、現在の世界中の自動車台数に対応するエネルギー量、原材料である資源量を現状のままで現在の自動車システムを合車システムに変換すれば、数倍の交通容量、移動旅行人数が可能となり、BRICs等の経済成長にも対応できる。このことが特許文献1の「発明が解決しようとする課題」で述べた自動車に対する様々な大きな課題に対し、自動車の高い利便性を維持しながら総合的に解決できる発明であると述べた理由である。
7.走行フェーズ解析装置
これまでに説明したエネルギー消費率(θ)736と車体重量率(Ω)745を評価するに於いて、図1、図11、図13の説明でも明らかのように、走行セル(Pmn)190に使用するデータは実際の走行において測定、集計できれば、様々な用途が考えられる。自動車システム全体に着目して見直すような場合には、図11から図17で説明した様に、一般的な統計データを活用すればよいが、個別の自動車の走行は様々であり、個別のデータがあれば車両購入、販売時等に活用して、合理的な満足度の高い車両構成の設定が出来る。又、交通状況や自動車の活用方法は前述したように、地域、季節、曜日、時刻、天候、道路状況等により様々に異なるので、例えば一つの都市等で実際の走行データを収集解析することにより、交通対策に活用できる。
図18に走行フェーズ解析装置54を乗用車25に搭載した例を示す。走行フェーズ解析装置54は乗用車25に搭載し、乗用車25の一定期間の走行状態データを収集解析して、走行フェーズデータ190を出力する装置である。走行状態データとしては乗車定員分の乗車センサー435から乗車信号4351、車速信号4411、ナビゲーション装置からのナビ情報5311、前述の搭載エネルギー731の使用量、例えばガソリン使用量を示すエネルギー消費量4461等である。以上の走行状態データを検出する装置については、通常の乗用車には搭載されている装置を使えばよく、ここでは説明を省略する。乗車信号4351については乗用車25や自動車の重量変動を検出する装置に置き換えることも出来る。
走行フェーズの解析には、収集した走行状態データの分析基準が必要であり基準入力装置7501より入力又は変更が出来る。入力する基準としては走行モード分類基準、乗車定員、解析期間、例外期間等であり、必要に応じて追加変更できるようになっている。走行モード分類基準としては前述の「0011」、「0022」、「0023」項で説明されているが、ここでも追加補足する。例えば走行時間、平均車速、最高車速、一定車速以上の継続時間等である。然しながら走行モード分類の考え方は前述したように、「0011」項では、現在の乗用車25の有する能力(乗車定員、最高速度、航続距離)の活用度合いでの分類であることを定義して、具体的な例を挙げている。「0022」項では短距離短時間走行移動1041について、「0023」項では長距離長時間走行移動1043について例を挙げ、両方の走行モード供に一区切りの走行と捉えるべきであると説明している。
例えば短距離短時間走行移動1041の代表例である通勤走行にしても、長距離長時間走行移動1043の代表例である長距離高速走行のドライブの場合でも、信号停止や渋滞での停止、会社や休憩地点、目的地での駐車等、途中で一回以上複数回の停車、駐車が行われるのは当然である。そのような停車や駐車時に常にエネルギー補給が可能になっていれば、停車や駐車により区切られた走行を分類することが出来る。然しながら現在では対応するインフラ整備がなされていないので現実的ではない。
従って、「0022」項では、例えば電気自動車で帰宅後に自宅で充電可能としておけば、一日分の通勤や買い物等での走行を短距離短時間走行移動1041と定義する例を示している。同様に「0023」項で長距離長時間走行移動1043について定義している。そして以上の走行を分類する上においてナビ情報5311を活用し、走行ルート、走行地域、走行道路等を判断条件に加えれば、より分類が明確になる。
乗車定員については乗車確率(hmn)7522算出に活用する。解析期間はデータ収集の目的によって異なるので、目的に応じて設定する必要がある。例えば乗用車25を使用している人が、次に合車25を購入したいと言う場合、自動車販売店より走行フェーズ解析装置を借りて、例えば一ヶ月間自分の乗用車25で実際の走行データを収集すれば、販売店側は合車24の必要形態、及びレンタル利用を含めて購入予定者に情報提供が出来る。購入者側もそれを参考にして、支払い能力、駐車場面積等を考慮して合理的に購入決定が出来る。非日常走行については極めて頻度の低いことが分かっている、又は後で分かるような場合に、収集データを区別するために入力する。
例外走行の走行距離が解析期間中の全走行距離に占める割合が大きい場合には、非日常走行を除いて合車24の形態を提案し、あわせて例外走行の際の提案例、例えばレンタル、カーシェアリングシステムの利用等を提案すれば合理的である。例外走行の例として、例えば勤務地が九州から北海道に転勤になり、乗用車25を運転して移動する場合等が考えられる。
検出した乗車信号4351、車速信号4411、ナビ情報5311、エネルギー消費量4461等を分析基準に基づいて乗車確率(hmn)7522、走行セル(Pmn)190のセル走行距離(dmn)7541とセル走行距離(dmn)7541を走行モードごとに集計したモード走行距離(dm)等を出力データ7503として整理し活用する。出力データ7503は図11で説明した走行フェーズ19と同様の例を記した。
8.走行フェーズの活用方法
又、以上の走行フェーズ19の考え方は、個々の自動車に適用できるのは当然として、多数の自動車、複数種の自動車全てと、その自動車全ての走行を包含して一つの走行フェーズ19に表現できる。
走行フェーズ19の使い方を具体的な例で示しているのが図19である。尚、図19の説明例はデータに基づいたものではなく、使い方を説明するために定性的に想定しているものである。横軸の走行モードを短距離短時間走行移動1041、長距離長時間走行移動1043、超高速走行移動1044の三つとした。超高速走行移動1044は例えばドイツのアウトバーン走行を想定して設定した。前述した日本での走行を想定した長距離長時間走行移動1043よりは高い平均速度であり、走行により消費するエネルギーも多い、走行移動負荷7551が高いという想定である。
縦軸は乗車人数752で乗車定員を五人としている。図中で架空のA市での自動車の使い方を80パーセント含む範囲1951に、最も頻度の多い走行範囲を範囲1952、A市の全走行の平均的な走行は星印1953に示す。するとA市では一人乗車の自動車が多く、走行モードは短距離短時間走行移動1041の割合が高いとなる。A市の集計データの一つであるBさんの自動車の使い方を少し極端な例として菱印1954で示され、一人乗車での短距離短時間走行移動1041を示す菱印1954aと五人乗車での長距離長時間走行移動1043を示す菱印1954bが半々の使い方をする例を示している。D国の例は同様に範囲1955と範囲1956で示される。D国の走行は超高速走行1044の確率が高く、A市の例と比べると大きく走行形態が異なることが一目瞭然に理解できる。
以上の様に図19に走行フェーズを表現することにより、個々の自動車の使い方から複数の自動車、複数種の自動車や他の交通機関の使い方全てを包含して大局的に捉えて表現できる方法である。図19のように表現することにより、個人個人の使い方、地域、団体、国全体、世界全体の自動車の使い方が表現でき、夫々の使い方の特徴が表現できる。
本願発明は現在の自動車の使い方、利便性を損なうことなくエネルギー消費量と車両製造に必要な多くの原材料と資源を大幅に減少できる自動車や重量変動の大きな自動車のエネルギー消費量の評価方法であって、これを活用することにより自動車購入の場合の判断基準や、自動車メーカーでは車両の企画、開発時のシステム評価、製造時の適切な生産量予測と製造設備の導入等において評価基準として活用できる。
エネルギー消費率評価法の説明図である。 車両の平均的走行データを示した図である。 本発明の基本概念の車両構成の考え方を説明した図である。 走行方法、乗車人数に対応した本発明の車両構成例を示した図である。 運用システムを示す図である。 走行に対応する連結車の連結構成例を示す図である。 連結車の連結方式の説明図である。 本願発明車両と現在の乗用車との比較図である。 自動車の走行抵抗の理論式を整理した図である。 走行フェーズの分類方法の説明図である。 計算例に用いた走行フェーズと計算条件の説明図である。 計算例に用いた車両モデルの車両重量の比較図である。 乗車確率の計算方法の説明図である。 基準エネルギー消費量の設定方法の説明図である。 エネルギー消費率の結果を整理した図である。 計算例に用いた車両モデルの車両重量の比較図である。 車体重量率の結果を整理した図である。 走行フェーズ解析装置の説明図である。 走行フェーズの使い方の説明図である。 エネルギー消費率評価法の変型例の説明図である。
符号の説明
10〜19 運用方法
20〜29 車両
30〜37 車両要素
71 駆動力
72 走行抵抗
73 エネルギー
75 走行フェーズの要素
77 合車の重量
78 乗用車の重量

Claims (18)

  1. 複数の走行状態に応じて車両構成が変換可能な自動車である可変構成自動車の最適な車両構成の設定方法であって、自動車が走行しての移動である走行移動による消費エネルギーを比較することによって、可変構成自動車の最適な車両構成を設定することを特徴とする可変構成自動車の車両構成設定方法。
  2. 前記走行移動による消費エネルギーを比較する方法は、自動車の走行時の自動車総重量である車両走行重量の比率に基づいて、自動車の走行移動による消費エネルギーを相対的に比較する方法であるエネルギー消費率評価法であることを特徴とする請求項1記載の可変構成自動車の車両構成設定方法。
  3. 前記複数の走行状態は自動車の走行移動方法である一つ以上の走行モードと、自動車の利用状態である一つ以上の乗車人数モードにより定義され、走行モードの一つと、乗車人数モードの一つにより特定される一つの走行状態である走行セルを構成要素として、全ての走行モードと全ての乗車人数モードに対応した全ての走行セルですべての走行状態を表す走行フェーズで定義することを特徴とする請求項1記載の可変構成自動車の車両構成設定方法。
  4. 前記走行モードは自動車の走行移動方法により分類する方法であり、通勤、買い物等の日常的な目的に繰り返し使われる比較的短距離短時間の走行移動であって、走行移動により消費するエネルギー量が少ない走行移動である短距離短時間走行移動と、家族や仲間同士で休日等に出掛けるドライブ等時の比較的長距離長時間の走行移動で、走行移動により消費する消費エネルギー量の多い走行移動である長距離長時間走行移動等複数の走行移動方法を含み自動車の全走行移動方法を分類する方法であることを特徴とする請求項3に記載の走行モード。
  5. 前記走行モードは自動車の走行移動方法により分類する方法であり、自動車の走行能力の一つである航続距離の活用度合いの低い走行移動で走行移動による走行移動負荷の低い走行である低負荷走行移動と、航続距離の活用度合いの高い走行で、走行による負荷の高い走行である高負荷走行移動等複数の走行方法を含み自動車の全走行移動方法を分類することを特徴とする請求項3に記載の走行モード。
  6. 前記乗車人数モードは、自動車の利用状態で分類する方法であり、乗車人数と乗車人数に付随する変動と乗車人数相当の変動も含むことを特徴とする請求項3に記載の乗車人数モード。
  7. 前記乗車人数に付随する変動は、搭載物、搭載するエネルギー源の重量、車両構成の変動等の変動を含むことが出来ることを特徴とする請求項6に記載の乗車人数モード。
  8. 前記可変構成自動車は、自車両を駆動する駆動手段と前記短距離短時間走行移動の能力を具備する一つ以上の乗用車両と、前記乗用車両に連結し前記長距離長時間走行移動の能力を付加するゼロ又は一つ以上の走行移動能力付加車両で構成することを特徴とする請求項1に記載の可変構成自動車。
  9. 前記可変構成自動車の構成車である前記一つ以上の乗用車両の少なくとも一つは運転操作を行う運転手段を具備することを特徴とする請求項8に記載の可変構成自動車。
  10. 前記車両走行重量は、前記走行フェーズにおいて、個々の走行セルの車両走行重量に対応する同一の走行セルの走行距離で重み付けして求めた走行フェーズの平均車両走行重量であることを特徴とする請求項2に記載の車両走行重量。
  11. 前記車両走行重量は、前記走行モードにおいて、一つの走行モードに属する個々の走行セルの車両走行重量に対応する同一の走行セルの走行距離で重み付けして求めた走行モードの平均車両走行重量であることを特徴とする請求項2に記載の車両走行重量。
  12. 前記車両走行重量は、前記走行フェーズにおいて、個々の走行セルの車両走行重量に対応する同一の走行セルの走行距離と走行効率で重み付けして求めた走行フェーズの平均車両走行重量であることを特徴とする請求項2記載の車両走行重量。
  13. 前記走行セルの走行距離は、前記走行フェーズを構成する全ての走行セルの乗車人数の割合である乗車確率に比例することを特徴とする請求項10に記載の走行セルの走行距離。
  14. 前記走行セルの走行距離は、前記走行モードを構成する全ての走行セルの乗車人数の割合である乗車確率に比例することを特徴とする請求項10に記載の走行セルの走行距離。
  15. 前記乗車確率は平均乗車人数より統計的に推定することを特徴とする請求項14に記載の走行セルの乗車確率。
  16. 前記エネルギー消費率評価法は、前記走行モードの平均車両走行重量であるモード車両走行重量の比率により、走行モードおける自動車走行により消費するエネルギーを相対的に比較することを特徴とする請求項2に記載のエネルギー消費率評価法。
  17. 前記可変構成自動車の最適な生産準備、生産、販売計画等を含む車両供給計画の設定方法であって、前記走行セルの自動車の車体重量と走行距離に基づいて、前記走行フェーズ全体、又は前記走行モードにおける平均車体重量である車両車体重量の比率により走行フェーズ全体、又は走行モードおける自動車走行に必要な車体重量を相対的に比較する車体重量率評価法を活用することによって、可変構成自動車の最適な車両供給計画を設定することを特徴とする可変構成自動車の車両供給計画設定方法。
  18. 前記エネルギー消費率評価法を活用して、前記可変構成自動車の最適な導入方法、利用方法や運用方法を自動車所有者、自動車所有予定者の使用実態又は使用予定に適応した車両構成及び車両運用方法を提案することを特徴とする事業方法。
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