JP2009545704A - 可変形状型タービン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可変形状型タービンは、ハウジング内で支持されタービン軸周りに回転し、ノズルリングの放射面とハウジングと対向する面との間に画成される環状入口通路を有するタービンホイールを備える。ノズルリングは、タービン軸に沿って移動し入口通路の幅を変えることができ、対向する面の対応スロットに受け入れられる円周状に配置された翼を有する。各翼はその主要面に画成された凹部を有し、対向する壁に対してノズルリングが所定の軸方向位置にあるとき、凹部とスロットの軸方向位置が揃い入口通路を通る排気ガスの漏出経路ができる。凹部は、エンジンブレーキモードまたは排気ガス加熱モードに適した小さな入口隙間のとき、タービン効率を低下させるように構成されている。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
本発明は可変形状型タービン(variable geometry turbine)に関し、また可変形状型タービンの制御方法に関する。より詳細には、しかし限定することなく、本発明は可変形状型ターボチャージャーに関し、またエンジン制動を制御するかあるいは内燃機関の排気ガス温度に影響を及ぼすように操作されるターボチャージャーに関する。
ターボチャージャーは、大気圧を上回る圧力(給気圧)で内燃機関の吸気口に空気を供給する装置として周知である。従来のターボチャージャーは、本質的に、エンジン排気マニホルドの下流に接続されたタービンハウジング内の回転シャフトに取り付けられた排気ガス駆動のタービンホイールを備える。タービンホイールが回転すると、コンプレッサハウジング内でシャフトの他端に取り付けられたコンプレッサホイールが回転する。コンプレッサホイールは、圧縮空気をエンジンの吸気マニホルドに送る。ターボチャージャーシャフトは、従来、タービンハウジングとコンプレッサホイールハウジングとの間に接続された中央ベアリングハウジング内に配置される、適切な潤滑装置を含むジャーナル軸受およびスラスト軸受で支持される。
従来のターボチャージャーのタービン段は、タービンホイールがその中に取り付けされるタービン室を画成するタービンハウジングと、タービン室の周りに配置された半径方向に延びる壁の間に画成された環状入口通路と、入口通路の周りに配置された入口と、タービン室から延びる出口通路と、を含む。通路とタービン室とは、圧縮された排気ガスが入口通路からタービン室を通して出口通路へと流れタービンホイールを回転させるように、互いに連通している。入口通路内に翼を設け、入口通路を流れるガスをタービンホイールの回転方向に向けてそらすことによって、タービン性能が改善されることが知られている。
この種類のタービンは、固定形状型または可変形状型であってもよい。可変形状型タービンは、ある範囲の質量流量にわたりガス流速を最適化するように入口通路の大きさを変更でき、その結果、変化するエンジン要求と同調してタービン出力を変更できるという点で固定形状型タービンとは異なる。例えば、タービン入口に送られる排気ガス量が比較的低いときは、環状入口通路の大きさを減じることによって、タービンホイールに到達するガスの速度が効率的なタービン動作を確実にするようなレベルに維持される。可変形状型タービンを備えるターボチャージャーは、可変形状型ターボチャージャーと呼ばれる。
可変形状型タービンの一つの既知のタイプでは、軸方向に可動の壁部材(一般に「ノズルリング」と呼ばれる)が入口通路の壁の一つを定める。入口通路の外装壁に対するノズルリングの位置は、入口通路の軸方向の幅を制御するように調節可能である。したがって、例えばタービンを通る排気ガス流が減少すると、ガス速度を維持してタービン出力を最適化するために、入口通路幅を減少させてもよい。この仕組みは、可変案内翼配列が、回転して入口通路を開閉するように配置された調節可能なスイング案内翼(ガイドベーン)からなる他のタイプの可変形状型タービンとは異なる。
ノズルリングは、入口通路の中に延び、入口通路の固定外装壁を画成する「シュラウド」プレートに設けられたスロットを通る翼を備えていてもよい。スロットは、シュラウドに対するノズルリングの動きを収容するように設計されている。代替的に、翼は、固定外装壁からノズルリング内に設けられたスロットを通って延びてもよい。
典型的に、ノズルリングは、半径方向に延びる壁(入口通路の一つの壁を画成する)と、ノズルリングの半径方向面の背後の環状空洞の中へと延びる、半径方向の内外壁とから構成されてもよい。空洞は、ターボチャージャーハウジング(通常、タービンハウジングまたはターボチャージャー軸受ハウジングのいずれか)の一部の中に形成され、ノズルリングの軸方向の動きを収容する。ノズルリングの背部での漏出流れを減じるか防止するために、空洞壁に対してフランジがシールされてもよい。一つの一般的な構成では、ノズルリングは、タービンホイールの回転軸と平行に延びるロッド上に支持されており、ロッドを軸方向に移動させるアクチュエータによって駆動される。
可変形状型ターボチャージャーの一例が、欧州特許第0654587号に開示されている。これは、半径方向壁を通して圧力バランス開口部がさらに設けられたノズルリングを開示している。圧力バランス開口部により、ノズルリング背後のノズルリング空洞内の圧力が、入口通路を通るガス流によってノズルリング表面に加えられる圧力とほぼ等しいが常にわずかに少なくなることが保証される。これにより、特に、入口通路をその最小幅に向けて減少させるためにノズルリングが入口の反対側の壁の近くに動かされるときに、ノズルリング上に、ノズルリング位置の正確な調整を助ける小さな一方向の力しか存在ないことを確実にする。
エンジン燃焼モード(燃焼のために燃料がエンジンに供給されるモード)における可変形状型ターボチャージャーの従来のガス流を最適化する制御の他に、ターボチャージャー入口面積を最小化する設備を利用して、通常のエンジン燃焼モード動作範囲での面積と比較して入口通路がより小さい面積に減少されるエンジンブレーキモード(燃焼のために燃料が供給されないモード)においてエンジンブレーキ機能を提供することが知られている。
様々な形態のエンジンブレーキシステムが車両エンジンシステムに広く取り付けられている。特に、トラックなどの大型車両を動かすために用いられる圧縮点火エンジン(ディーゼルエンジン)に取り付けられる。エンジンブレーキシステムを採用して、車両の車輪上で働く従来の摩擦ブレーキの効果を強化することができる。あるいは、ある状況においては、通常の摩擦ブレーキシステムとは独立してエンジンブレーキシステムを使用して、例えば車両の下り坂での速度を制御することができる。一部のエンジンブレーキシステムでは、エンジンスロットルが閉じられているとき(すなわち、ドライバーがスロットルペダルから足を上げているとき)、エンジンブレーキが自動的に作動するようにセットされており、他のシステムでは、エンジンブレーキは別個のブレーキペダルの踏み込みなどのドライバーによるマニュアルの動作を必要としてもよい。
従来のエンジンブレーキシステムの一形態では、排気ライン内の排気バルブが操作され、ブレーキが必要とされるときにエンジン排気を一部遮断する。これは、排気行程中のエンジンピストンでなされる仕事を増大させるよう機能してエンジンを遅延させる高い背圧を発生させて、エンジンブレーキトルクを生じさせる。このブレーキ効果は、車両駆動チェーンによって車両の車輪に伝えられる。米国特許第4,526,004号は、固定形状型ターボチャージャーのタービンハウジング内に排気バルブが設けられたターボチャージャー付きエンジン用のエンジンブレーキシステムを開示する。
可変形状型タービンでは、別個の排気バルブを設ける必要はない。代わりに、ブレーキが必要とされるとき、流量面積を最小にするためにタービン入口通路が単に「閉鎖」されてもよい。ノズルリングの軸方向位置を適切に操作して入口通路の大きさを制御することによって、ブレーキのレベルを調整してもよい。エンジンブレーキモードの「完全に閉じられた」位置では、場合によってノズルリングが入口通路の外装壁に接してもよい。減圧式ブレーキシステムとして知られている一部の排気ブレーキシステムでは、シリンダー内減圧弁装置が制御されて、エンジンシリンダーから排気システム内に圧縮空気が解放され、圧縮過程によりなされる仕事がなくなる。そのようなシステムでは、タービン入口の閉鎖により背圧が増加するとともに給気圧を提供して、圧縮仕事を最大化する。
エンジンシリンダー内で過度の熱が生成されるのを防止するために、エンジンブレーキの間、いくらかの排気ガスがエンジンを通って流れるようにすることが重要である。したがって、エンジンブレーキモードにおいてノズルリングが完全に閉じた位置にあるとき、少なくとも最小の漏出流れがタービンを通るようにしなければならない。さらに、最新の可変形状型ターボチャージャーの高い効率は入口幅が小さいときでさえ高い給気圧を生成し、その結果、シリンダー圧力が許容限度に達するかまたは越えることがあるので、対抗策がとられない限り(または、ブレーキ効率が犠牲にされない限り)、エンジンブレーキモードにおけるターボチャージャーの使用は問題となりうる。これは、減圧式ブレーキ装置を備えるエンジンブレーキシステムの場合、特に問題となりうる。
エンジンブレーキモードでの動作時にエンジンシリンダー内での過度の圧力生成を防止するための手段を備える可変形状型ターボチャージャーの一例が、欧州特許第1435434号に開示されている。この特許は、ノズルリングが閉鎖位置に達したときに開くバイパス経路を提供するバイパス開口部を有するノズルリング装置を開示する。これにより、ノズルリング空洞を通ってタービン入口からタービンホイールにいくらかの排気ガスが流れることが可能になり、そのため入口通路がバイパスされる。バイパスガス流は、入口通路を通って流れるガスよりもタービンホイール上で仕事をしないので、バイパス通路が開いた状態ではタービン効率が低下し、エンジンシリンダー内の過度の圧力生成が防止される。さらに、バイパスガス流は、エンジンブレーキ中の過度の熱生成を回避するために必要な最小限の流れを提供するか、またはそれに貢献する。
排気ガス温度を制御するため通常のエンジン動作条件に適した最小幅よりも小さい最小限度の幅に入口通路を閉じるように、エンジン点火モードで可変形状型ターボチャージャーを運転することも知られている。「排気ガス加熱モード」などにおける基本的な動作原理は、排気ガス温度を増加させるために所与の燃料供給レベルに対してエンジンを通る気流の量を削減することである。これは、触媒排気後処理システムが存在する高度なアプリケーションを有する。この種のシステムでは、システムを通過する排気ガスの温度と性能が直接関連している。望ましい性能を達成するために、あらゆるエンジン動作条件および環境条件の下で、排気ガス温度は閾値温度(典型的に、約250℃から370℃の範囲にある)を超えなければならない。閾値温度範囲より低い温度での排気ガス後処理システムの動作は、システムが所望の性能レベルに復帰できるようにするために再生サイクルで燃焼されなければならない望ましくない蓄積をシステムが作り出す原因になる。さらに、再生なしに排気ガス後処理システムを閾値温度よりも低い温度で長期間作動させると、システムが動作不能になり、エンジンが政府の排出ガス規制に準拠しなくなる。
例えば、ディーゼルエンジンの作動範囲の大半について、排気ガス温度は通常、必要な閾値温度を上回っている。しかしながら、低負荷条件および/または低環境温度条件などの一部の条件では、排気ガス温度が閾値温度を下回ることが多くなりうる。このような条件では、原則として、気流を制限する目的でタービン入口通路幅を減少させる排気ガス加熱モードでターボチャージャーを作動させることができ、これによって気流冷却効果を低減し排気ガス温度を高める。しかしながら、最新の効率的なターボチャージャーをこのように作動させることについての潜在的な問題は、小さな入口幅で達成される増大した給気圧が実際には気流を増加させて制限の効果を相殺してしまい、したがって加熱効果が低下し、おそらくは意味のある加熱ができないということである。
可変形状型ターボチャージャーの排気ガス加熱モード作動についての上記問題は、米国特許出願公開第2005/0060999号で対処される。これは、排気ガス加熱モードで欧州特許第1435434号(上述)のターボチャージャーノズルリング装置を用いることを教示する。通常の点火モード作動条件に適する幅よりも小さいが、排気ガス加熱モードでの作動に適している入口通路幅で開口するように、バイパスガス通路が配置される。ブレーキモード時に、バイパスガス流がタービン効率を減少させ、その結果、加熱効果を無効にするかもしれない高い給気圧を回避する。バイパスガス経路に加えて、(上述の欧州特許第0654587号に開示されているような)圧力バランス開口部を設けて、排気ガス加熱モード時のノズルリング位置の制御を助けることができる。
エンジンブレーキモード(減圧ブレーキシステムの有無によらず)または排気ガス加熱モードのいずれで作動するかにかかわらず、非常に小さな入口幅でノズルリング位置を操作すると、ノズルリングが閉位置に近づくにつれてノズルリング上の負荷が急速に増加しうるので、問題になることがある。上述したような圧力バランス開口部を設けた場合でさえ、ノズルリングが入口の反対側の壁に接近するとノズルリングが「パチンと(snap)」閉じる傾向がある。その上、完全に閉じた位置にあるとき、入口の反対側の壁に接しているノズルリングを開くには非常に大きな力が必要となる場合がある。ノズルリングが完全に閉じた位置にあるとき、タービンを通して最適な最小限の流れが常に確実に存在するようにすることも、困難でありうる。
本発明の一部の実施形態の目的は、改良されたまたは代替的な可変形状型ターボチャージャーを提供することである。
本発明の第1の態様によると、可変形状型タービンが提供される。このタービンは、タービン軸周りに回転するようにハウジング内で支持されたタービンホイールと、ハウジングの第1壁の半径方向面または実質的に半径方向の面と、対向する第2壁との間に画成される、環状のまたは実質的に環状の入口通路であって、壁がタービン軸に沿って互いに対して移動して入口通路の大きさを変えることができる、入口通路と、 前記入口通路を横切って延び翼面を画成する実質的に環状に配列された翼であって、隣接する翼面の間の排気ガス流をタービンホイールの方向に向けるために翼の間に翼通路が画成されており、各翼が第1壁に固定されており、翼を受け入れるためのそれぞれの開口部が第2壁に設けられそれぞれの壁の移動を収容し、少なくとも一つの翼は翼面に形成された少なくとも一つの凹部を有しており、壁が所定の位置にあるときに凹部がそれぞれの開口部と実質的に位置が揃い、翼と第2壁の間に隙間ができて排気ガス漏出流経路が設けられる、翼と、を備える。
「半径方向面」という用語は、大体において半径方向に延びる面を意味するよう意図されており、わずかな軸成分を有する面を除外するものではない。
所定の位置は、環状入口通路が実質的に閉じられる位置であってもよい。
第1壁と第2壁が間隔を空けて位置し比較的広い環状入口通路を画成する第1位置と、凹部がそれぞれの開口部と実質的に揃う比較的狭い環状入口通路を画成するために第1壁と第2壁とが近接する第2位置との間で壁が移動可能であってもよい。幅の狭い環状入口通路内では、凹部がそれぞれの開口部と実質的に位置が揃い翼と第2壁のと間に隙間を有することができ、その結果排気ガス漏出流の経路が作られる。
第2壁は自身に固定された翼を有していてもよく、第1壁はそれぞれの翼を受け入れるための対応する開口部を有していてもよい。
一実施形態では、第1壁は前記軸に沿って移動可能であり、第2壁は固定されている。代替的に、第1壁が固定され、第2壁が移動可能であってもよい。さらなる代替として、両方の壁が前記軸に沿って移動可能であってもよい。
凹部は、そこから翼が伸び出す壁に近接して設けられてもよい。
翼は、少なくとも一つの凹部がその表面にそれぞれ設けられている第1および第2の主要面を有していてもよい。それぞれの翼は、半径方向外側の前縁と半径方向内側の後縁とを有していてもよい。第1の凹部が翼の前縁に隣接する第1面に設けられる一方、第2の凹部が翼の後縁に隣接する第2面に設けられてもよい。代替的に、第1および第2主要面の一つに凹部が設けられてもよい。翼面の一方または両方に複数の凹部が設けられていてもよい。これらは、翼の全体にわたり軸方向に広がっていてもよい。
第2壁は入口通路を画成するために第1壁に対向しており、壁の開口部が翼を受け入れることができるならば、任意の適切な方向に延びていてよい。第2壁はシュラウドプレートによって画成されてもよい。第1壁はノズルリングでもよい。
開口部はスロット形状であってもよい。各スロットは、とまりばめ(snug fit)でそれぞれの翼を受け入れ、スロットと翼の間のガスの通路をシールするよう設計されていてもよい。
大体において環状のリブを第1壁または第2壁の面に設けて、リブと対向する壁の一部との間に最小幅の入口通路が画成されるようにしてもよい。リブが他方の壁と接触するときに環状の入口通路にガスが流れるようにするための少なくとも一つのガス通路が設けられるように、リブに穴が空いているかリブが不連続であってもよい。リブは入口翼を囲んで(circumscribe)いてもよい。第2の位置では、穴が空いているか不連続のリブが他方の壁の部分に接する。
本発明の第2の態様によると、上記で定義されコンプレッサに駆動するよう接続された可変形状型タービンを備えるターボチャージャーが提供される。
本発明の第3の態様によると、内燃機関への燃料供給が停止され、タービン入口通路の幅を小さくするよう壁が移動されるエンジンブレーキモードにおける、上記で定義され内燃機関に取り付けされるターボチャージャーの作動方法が提供される。前記エンジンブレーキモードでは、壁が前記所定の位置に移動し、排気ガスの漏出が可能になる。
本発明の第4の態様によると、環状入口通路の幅を通常のエンジン作動範囲に適した幅よりも小さくしてタービンを通過する排気ガス温度を上昇させる排気ガス加熱モードにおける、上記で定義され内燃機関に取り付けされるターボチャージャーの作動方法が提供される。
排気ガス加熱モードでは、排気ガス温度が閾値温度を下回ったとの判定に応じて、環状入口通路の大きさを減じて排気ガスを加熱するよう第1および/または第2の壁が移動される。この方法は、可変形状型タービンから後処理システムへと排気ガスを通過させるステップをさらに含んでもよい。排気ガス温度の判定は、後処理システム内の排気ガス温度の判定を含む。閾値温度は、後処理システム内の排気ガスの閾値温度条件である。
凹部(単数または複数)を設けることで、最小限の漏出ガスが入口を確実に流れるようになる。例えば、内燃機関に取り付けられるターボチャージャーの一部をタービンが形成する場合、壁が所定の位置に移動するときに最小限のガスを流すことで、以下でさらに詳細に説明する排気ガス加熱モードまたはエンジンブレーキモードにおける完全閉鎖位置へと可動壁部材が移動することが可能になる。
本発明によるタービンは、欧州特許第1435434号で教示されるように、タービン効率を減じるためにノズルリングが閉鎖位置にあるとき、入口周りにバイパスガス流を提供する構造を備えていてもよい。
同様に、上記欧州特許第0654587号に開示されているように、可動環状壁部材に圧力バランス穴が設けられていてもよい。一部の実施形態では、圧力バランス穴は、欧州特許第1435434号で教示されているようにバイパス通路構造と組み合わされていてもよい。
本発明の様々な態様の他の好ましく有利な特徴は、以下の説明から明らかになるだろう。
本発明の特定の実施形態について、例示のみを目的として添付の図面を参照しつつ説明する。
図面を参照して、例示の可変形状型ターボチャージャーは、中央軸受ハウジング3により相互接続される可変形状型タービンハウジング1とコンプレッサハウジング2とを含む。ターボチャージャーシャフト4は、タービンハウジング1から軸受ハウジング3を通ってコンプレッサハウジング2へと延びる。タービンホイール5は、タービンハウジング1内で回転するシャフト4の一端に取り付けられ、コンプレッサホイール6は、コンプレッサハウジング2内で回転するシャフト4の他端に取り付けられる。シャフト4は、軸受ハウジング内に位置する軸受アセンブリのターボチャージャー軸4aの周りを回転する。
タービンハウジング1は、内燃機関(図示せず)から排気ガスが送られる入口室7(通常は渦巻き形)を画成する。排気ガスは、入口室7から環状入口通路9およびタービンホイール5を通って、軸方向に延びる出口通路8へと流れる。入口通路9は、可動環状壁部材11(一般に「ノズルリング」と呼ばれる)の半径方向壁の面10により一方の壁が定められ、ノズルリング11に対面する入口通路9の壁を形成する環状シュラウドプレート12により反対側の壁が定められる。シュラウドプレート12は、タービンハウジング1内の環状凹部13の開口部をカバーする。
ノズルリング11は、それぞれが入口通路9を横切り軸方向に延びる、円周方向に等間隔に配列された入口翼14を支持する。図4で最もよく分かるように、翼14は、入口通路9の中を流れるガスを、タービンホイール5の回転方向に向けてそらすような向きにされている。ノズルリング11が環状シュラウドプレート12に近接すると、翼14は、シュラウドプレート12内に適切に構成されたスロット14aを通り凹部13の中に突出する。翼はスロットを画成している端部をシールして、ノズルリング11がシュラウドプレート12に近接しているときに、凹部13の中にかなりのガスが流れ込むのを防ぐ。
アクチュエータ(図示せず)は、アクチュエータ出力シャフト(図示せず)を介してノズルリング11の位置を操作するよう動作する。アクチュエータ出力シャフトはあぶみ状(stirrup)部材15に連結される。あぶみ状部材15は、ノズルリング11を支持し軸方向に延びるガイドロッド16と係合する。したがって、アクチュエータ(例えば、空気圧式、油圧式、電動)を適切に制御することで、ガイドロッド16の軸方向位置を操作し、したがってノズルリング11を制御することができる。ノズルリングの取り付け構成および案内構成の詳細が例示したものと異なっていてもよいことは理解されよう。
ノズルリング11は、タービンハウジング1および軸受ハウジング3で提供される環状空洞19の中に延びる、軸方向に延び出す半径方向内側と外側の環状フランジ17および18を有する。内側および外側密封リング20、21は、それぞれ、環状空洞19の環状面の内側および外側に対してノズルリング11をシールするよう設けられており、ノズルリング11が環状空洞19内を軸方向にスライドできるようにしている。内側密封リング20は、空洞19の半径方向内側の環状面に形成された環状溝の中に支持され、ノズルリング11の内側環状フランジ17を支える。外側密封リング21は、空洞19の半径方向外側の環状面に形成された環状溝の中に支持され、ノズルリング11の外側環状フランジ18を支える。内側および/または外側密封リングが、図示とは異なるノズルリングフランジのそれぞれの環状溝内に取り付けられていてもよいことは認められよう。
入口室7から出口通路8へと流れる排気ガスはタービンホイール5を通過し、タービンホイールを回転させ、その結果シャフト4にトルクが加わりコンプレッサホイール6を駆動する。コンプレッサハウジング2の中のコンプレッサホイール6が回転すると、空気入口22の中に存在する外気が加圧され、内燃機関(図示せず)に空気を供給する空気出口渦巻部23へと加圧された空気を送る。タービンホイール5の速度は、環状入口通路9を通り抜けるガスの速度によって決まる。入口通路内に流入するガスの質量流量は一定なので、ガス速度は通路9を画成するノズルリング11とシュラウド12との間の隙間の関数であり、ノズルリング11の軸方向位置を操作することで調節可能である(入口通路9の隙間が小さくされると、そこを通過するガス速度は増加する)。図1では、環状入口通路9が全開して示されている。ノズルリング11の正面10をシュラウドプレート12の方へ移動することによって、入口通路9を異なる作動モードに適した最小の隙間に閉じることができる。
翼14は、根元部29でノズルリング11に接続し、根元部29と軸方向遠位端32との間で第1のほぼ軸方向に延びる第1および第2の主要面30、31を画成する。各翼14の軸方向長は高さと呼ばれ、翼幅、すなわち翼弦長は入口通路9を通り抜ける排気ガスの半径流に対する前縁33と後縁34間の距離である。主要面30、31は前縁33と後縁34の間に広がり、概して滑らかで連続的である。第1主要面30は流入ガスに対してほぼ対面し、低圧面と呼ばれることが多い。第2主要面31はその反対方向に面し、高圧面と呼ばれる。図2bから、それぞれ一部が切り取られて高さおよび弦長が短くされたノーズ部35を画成することが認められよう。
低圧面および高圧面30、31の各々は、翼の根元部29に隣接する凹部36をその中に持つ。図示の(図2aで最も良く分かる)典型的な実施形態では、第1の凹部36が前縁33に隣接して低圧面30の中に定められ、第2の凹部36aが後縁34に隣接して高圧面31の中に定められる。凹部36、36aは、表面から材料を機械的に取り除くか、または鋳造過程の一部として、または他の適切な作成過程で形成することができる。凹部は、例えばくぼみ(indention)、溝(groove)または流路(channel)などの任意の適切な形態をとることができる。凹部36の正確な数、大きさおよび形状は、ターボチャージャーの特定の要件により決まるが、本出願では、ノズルリング面10がシュラウドプレート12から約4mmのところにあるとき、凹部36、36aがスロット14aと軸方向の位置が揃い、翼14とスロット端部との間に隙間ができるように凹部36、36aが構成されている。これによって、ガス漏出流の経路を設けることができる。凹部36、36aは概して滑らかな表面を持ち、凹部を横切り非乱流のガス流ができるようになっている。
図2aでは、ノズルリング11が開いた位置に示されており、ノズルリング面10とシュラウド12との間の隙間で画成される入口通路9が比較的大きくなっている。図示の位置は必ずしも「完全に」開いた位置ではない。いくつかのターボチャージャーでは、ノズルリング11をノズルリング空洞19のさらに内部まで引き込むことができることもある。図2bおよび図5では、ノズルリング11が実質的に「閉じた」位置に示されており、ノズルリング11の面10がシュラウド12に接近して入口通路9を最小値まで小さくしている。ここでは、凹部36、36aはシュラウドプレートスロット14aと位置が揃うように移動しており、翼とシュラウドプレート間に隙間を作りそこから排気ガスが漏れ出すことができるようになっている。図示の例では、排気ガスは凹部36を介して低圧側30のシュラウドプレート12を通り過ぎ、翼の先端32を越えて高圧側の凹部36aに流れ、そこからタービンホイール5に流れることができる。このように、ノズルリングが「閉じた」位置にあるかまたはその近くにあるとき、凹部は漏出流の経路を提供する。一部の応用形態では、翼を横切る漏出経路を与える凹部が一つであっても十分であることは認められよう。
上記のように、エンジンブレーキモードまたは排気ガス加熱モードでは、入口通路9がその最小隙間に閉じられているとき、少なくとも排気ガスのわずかな流れが必要となる。これは、ノズルリング11が「閉じた」位置にあり入口隙間が最小であるとき、翼の凹部36、36aにより形成される漏出流経路を確実に機能させることで達成される。凹部36、36aは、最小流れが大きすぎないように、すなわち制動効率または排気ガス加熱の効果が損なわれるように設計される。実際には、シュラウド12とノズルリング面10との間の隙間が最小値にあるかまたはその近くにあるとき、凹部は入口通路9の大きさを局所的に増加させる。
エンジンブレーキモードでは、エンジンへの燃料供給が停止され、通常のエンジン点火モード動作に適した最小隙間よりも通常はずっと小さい隙間にまでタービン入口9が閉じられるように、ノズルリング11が移動される。「閉じた」位置における入口の最小隙間により、過度の給気圧が生成されたりエンジンシリンダーが過度に加圧されたりするのを回避するに十分な排気ガスの流れが生じる。
排気ガス加熱モードでは、排気ガス後処理システム(例えば触媒コンバーター)内の温度が閾値温度を下回るのに応答して、ノズルリング11が入口通路9の大きさを減じるように移動される。後処理システムの内の温度は、例えば温度検出器により測定されてもよい。温度検出器は、離散時間間隔で、または連続してあるいはほぼ連続的にガス温度を検出するように動作することができる。点火モード作動中に後処理システム内の温度が閾値を下回る場合、ノズルリング11が入口の隙間を減じるように移動して気流を制限し、エンジンシリンダー内での燃焼に必要な気流を妨げることなく排気ガス温度を上昇させる。検出温度が閾値温度以上になるまで、ノズルリング11は、凹部36、36aが、または、入口隙間がエンジンブレーキに必要な隙間よりも小さいか大きい場合には、別の位置にある他の凹部が漏出経路を作る最小隙間位置で維持されてもよい。この入口隙間9は、通常点火モード作動に適した最小隙間よりも通常は小さい。
上述したように、ノズルリング11の閉じた位置、したがって入口通路9の最小隙間は、様々な作動モード間で異なっていてもよい。例えば、通常点火作動モードでは最小の入口隙間は比較的大きくてもよく、典型的には3〜12mmのオーダーである。しかしながら、エンジンブレーキモードまたは排気ガス加熱モードでは、最小隙間は、通常点火モードで使用される最小隙間よりも通常は小さい。典型的に、エンジンブレーキモードまたは排気ガス加熱モードでの最小隙間は4mm未満である。しかしながら、最小隙間の大きさは、タービンの大きさおよび構成にある程度依存することは認めるだろう。典型的に、通常点火モードで作動するエンジンのタービン入口の最小隙間は、最大入口隙間の約25%よりも小さくはないが、エンジンブレーキモードまたは排気ガス加熱モードでの最大隙間の25%よりは小さい。
エンジン排気ガス加熱9の間でのタービン入口の閉鎖による影響は、エンジンブレーキ中の入口の閉鎖の影響とは全く異なるけれども、同様の問題が発生することは認められよう。過度のエンジンシリンダー圧力および温度を避ける必要がある。すなわち、ノズルリング上での負荷バランスがノズルリングの移動に敏感になりうる非常に小さな入口通路隙間であるときノズルリング位置を正確に制御する必要、そして、予測可能な方法で制御し、また入口が最小値に閉じられるときにタービンを通る最小ガス流のレベルを最適化するという要望である。さらに、エンジンブレーキモードでは、例えば長いダウンヒルの下り坂を走行する大型の車両の速度を制御するためにエンジンブレーキを用いる場合のように、ノズルリング11を長期間にわたり最小の入口隙間位置に維持する必要がある場合がある。同様に、持続時間の間、排気ガス加熱モードに適した最小隙間入口にノズルリングを保持しなければならないことがある。これらの理由から、図3および図4に示すように、ノズルリングは、入口翼14を囲んでノズルリング11の正面10から軸方向に伸び出す、穴が空いているかまたは不連続の環状リブ40を選択的に備えていてもよい。これは、出願人の同時係属の英国特許出願第0521354.4に記載されている。エンジンブレーキモードまたは排気ガス加熱モードにおいて、環状リブ40がシュラウドプレート12に接触するようにノズルリング11を完全に閉じると、リング11をシュラウドプレートから離して保持しなければならない(入口のガス圧から生じる負荷が面10にかかるノズルリングの駆動力のバランスを正確にとる必要がある)という問題を避けられる。環状リブ40がシュラウドプレート12に接触すると、排気ガスはリブ40に形成された不連続部または穴を通して、および翼14の凹部36、36aを通して依然として通過することができ、その結果、最小入口隙間9とは独立して定められる一定の最小漏出流れ面積を与えることができる。したがって、環状リブ40を設けると、ノズルリング11の改善された位置制御が可能になる。
環状リブ40を設けることで、ターボチャージャーが排気ガス加熱モードまたはエンジンブレーキモードで作動しておりノズルリング11が完全に閉じた位置にあるとき、最小ガス流がタービンを通ることを保証するために、他の手段をとったりまたは他の構造を設けたりする必要はない。エンジンブレーキモードまたは排気ガス加熱モードにおいてノズルリングが完全に閉じられるので、ノズルリング11の位置制御が改善される。加えて、漏出流経路のサイズが凹部36、36aによって正確に定められる。
一部の応用形態では、たとえノズルリング11が完全に閉じられていなくても、すなわちリブ40がシュラウドプレート12から離れておりリブ40とシュラウドプレート12との間に最小の入口通路9が画成されていても、入口隙間9の大きさを制御するために環状リブ40を使用してもよいことを理解すべきである。そのような応用形態では、リブは連続して(solid)いてもよい。これは、出願人の同時係属の英国特許出願第0521354.4に記載されている。
エンジンブレーキモードおよび排気ガス加熱モードでは、排気加熱モードにおいてターボチャージャーを小さなタービン入口サイズで作動させるとき、高いタービン効率が問題となりうる。凹部36、36aにより提供される漏出経路は、エンジンブレーキモードまたは排気ガス加熱モードに適した小さな入口隙間でのタービン効率を減じるように構成されており、上述の利点を有する。
許される最小限の流れの大きさは、凹部36、36aの大きさ、深さ、数および位置などのパラメータの変化により、様々な応用形態で異なってもよい。
欧州特許第0654587号で開示されているように、さらなる利点を得るために圧力バランス穴を設けることでノズルリングを改良してもよいことは認められよう。
添付の特許請求の範囲で定められる発明の範囲から逸脱することなく、上述の実施形態に多数の修正をなすことができることは認められよう。例えば、ノズルリング、シュラウドおよび翼の正確な形状および構成は、応用形態に応じて異なってもよい。
本発明について図面および上記説明で例示し詳細に説明したが、これは例示と見なされるべきでありその性質を制限するものではない。好ましい実施形態のみが図示され説明されており、本発明の範囲内に入るあらゆる変更および修正が保護されるよう要求されていることを理解すべきである。上記説明で使用された、好ましい、好ましくは、好適なまたはより好適ななどの用語の使用は、そのように述べられた特徴がより望ましいことを示しているが、それにもかかわらずそれは必ずしも必要であるわけではなく、またそれら用語を欠く実施形態も以下の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲内として考慮することができることを理解すべきである。特許請求の範囲を読む際、そこで使用される「a」、「an」、「少なくとも一つの(at least one)」あるいは「少なくとも一つの部分(at least one portion)」などの用語は、請求項内で特に反対のことが述べられていない限り、請求項をただ一つの項目に限るという意図はない。「少なくとも一部」および/または「部分」という語が使われる場合、反対のことが特に述べられていない限り、項目はある部分および/または項目の全体を含むことができる。
Claims (24)
- タービン軸周りに回転するようにハウジング内で支持されたタービンホイールと、
ハウジングの第1壁の実質的に半径方向の面と対向する第2壁との間に画成される実質的に環状の入口通路であって、前記壁がタービン軸に沿って互いに対し移動して入口通路の大きさを変えることができる、入口通路と、
前記入口通路を横切って延び翼面を画成する実質的に環状に配置された複数の翼であって、隣接する翼面の間の排気ガス流をタービンホイールの方向に向けるために翼の間に翼通路が画成されており、各翼は第1壁に固定されており、翼を受け入れるためのそれぞれの開口部が第2壁に設けられそれぞれの壁の移動を収容し、少なくとも一つの翼は翼面に形成された少なくとも一つの凹部を有しており、壁が所定の位置にあるときに凹部がそれぞれの開口部と実質的に位置が揃い、翼と第2壁の間に隙間ができて排気ガス漏出流経路が設けられる、翼と、
を備える可変形状型タービン。 - 第1壁と第2壁が間隔を空けて位置し比較的広い環状入口通路を画成する第1位置と、凹部がそれぞれの開口部と実質的に揃う比較的狭い環状入口通路を画成するために第1壁と第2壁とが近接する第2位置と、の間で壁が移動可能であり、翼と第2壁の間に隙間ができて排気ガス漏出流経路が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の可変形状型タービン。
- 第2壁は自身に固定された翼を有し、第1壁はそれぞれの翼を受け入れるための対応する開口部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の可変形状型タービン。
- 第1壁は前記軸に沿って移動可能であり、第2壁は固定されていることを特徴とする請求項1、2または3に記載の可変形状型タービン。
- 第1壁は固定されており、第2壁は移動可能であることを特徴とする請求項1、2または3に記載の可変形状型タービン。
- 第1壁と第2壁の両方が前記軸に沿って移動可能であることを特徴とする請求項1、2または3に記載の可変形状型タービン。
- 少なくとも一つの凹部は、そこから翼が延びる壁に近接して設けられることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の可変形状型タービン。
- 少なくとも一つの凹部がそれぞれの表面に設けられている第1および第2主要面を翼が有していることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の可変形状型タービン。
- それぞれの翼が、半径方向外側の前縁と半径方向内側の後縁とを有することを特徴とする請求項8に記載の可変形状型タービン。
- 第1の凹部は翼の前縁に隣接する前記第1面に設けられ、第2の凹部は翼の後縁に隣接する前記第2面に設けられることを特徴とする請求項9に記載の可変形状型タービン。
- 複数の凹部が翼面の一方または両方に設けられることを特徴とする請求項10に記載の可変形状型タービン。
- 第2壁がシュラウドプレートによって画成されることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の可変形状型タービン。
- 第1壁がノズルリングによって画成されることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の可変形状型タービン。
- 第2壁の開口部がスロット形状であることを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の可変形状型タービン。
- 各スロットがとまりばめ(snug fit)でそれぞれの翼を受け入れてスロットと翼の間のガス経路をシールするよう設計されていることを特徴とする請求項14に記載の可変形状型タービン。
- 第1壁および第2壁の表面にほぼ環状のリブが設けられており、該リブと対向する壁の一部との間に最小幅の入口通路が画成されることを特徴とする請求項1ないし15のいずれかに記載の可変形状型タービン。
- リブは穴が空いているかまたは不連続であり、これによって、他方の壁との接触時に環状入口通路にガスが流れるようにするための少なくとも一つのガス経路が設けられることを特徴とする請求項16に記載の可変形状型タービン。
- リブが入口翼を囲んでいることを特徴とする請求項17に記載の可変形状型タービン。
- 壁の所定位置が実質的に閉じられた位置であることを特徴とする請求項1ないし18のいずれかに記載の可変形状型タービン。
- 請求項1ないし19のいずれかに記載の可変形状型タービンと、該タービンにより駆動されるコンプレッサとを備えるターボチャージャー。
- ターボチャージャーが内燃機関に取り付けられるとき、内燃機関への燃料供給が停止されるエンジンブレーキモードにおいて、第1壁と第2壁が互いに対して移動してタービン入口通路の大きさを減じ、一つまたは複数の凹部をそれぞれの開口部と実質的に位置が揃うようにして排気ガス漏出流の経路を作ることを特徴とする、請求項20に記載のターボチャージャーの作動方法。
- ターボチャージャーが内燃機関に取り付けられるとき、第1壁と第2壁が互いに対して移動して通常作動モードに必要な大きさよりも小さくなるように入口を減じ、一つまたは複数の凹部をそれぞれの開口部と実質的に位置が揃うようにしてタービンを通過する排気ガス温度を上昇させる排気ガス加熱モードにおける、請求項21に記載のターボチャージャーの作動方法。
- 排気ガス温度が閾値温度を下回ったとの判定に応答して、排気ガスを加熱するために壁を互いに対して移動させて入口幅を減少させることを特徴とする請求項22に記載の方法。
- 可変形状型タービンから後処理システムに排気ガスを流すステップをさらに含み、前記排気ガス温度の判定は後処理システム内の排気ガス温度の判定を含み、前記閾値温度は後処理システム内の排気ガスの閾値温度条件であることを特徴とする請求項23に記載の方法。
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