JP2009543114A - 3次分散チャーピングを用いたスペクトル倍増光媒介型チャープパルス増幅装置 - Google Patents

3次分散チャーピングを用いたスペクトル倍増光媒介型チャープパルス増幅装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、光媒介型チャープパルス増幅装置に関するものであり、奇数次分散(主として3次分散)を用いてチャーピングされたレーザー光を出力するパルス伸張系(100)と、ポンプレーザー光を出力するポンプレーザー(200)と、前記ポンプレーザー光及びチャーピングされたレーザー光(信号光)を入力とし、前記ポンプレーザー光を用いて信号光を増幅させ、余剰光を発生させる光媒介増幅部(300)と、前記光媒介増幅部の出力光を信号光と余剰光及びそれ以外の光(ポンプ光)に分離する光信号分離部(400)と、前記パルス伸張系により与えられた奇数次分散によるパルスチャーピングを逆に補償して前記重なり合う信号光及び余剰光を同時に時間的に圧縮するパルス圧縮系(600)と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は光媒介型チャープパルス増幅装置(Optical Parametric Chirped Pulse Amplification;OPCPA)に係り、さらに詳しくは、エネルギー増幅率だけではなく、波長帯域幅をも倍増し、これにより、スペクトル損失を補償することはもとより、原信号光に比べてさらに短いパルス幅を有するレーザー光を得ることのできる光媒介型チャープパルス増幅装置に関する。
一般に、光媒介型チャープパルス増幅装置(OPCPA)は、数フェムト秒(fs;10−15秒)から数百フェムト秒までの領域のモードロックされた極超短レーザー光を増幅するのに用いられており、これは、既存のパルスチャーピング光増幅(Chirped Pulse Amplification;CPA)技術と光媒介増幅(Optical Parametric Amplification;OPA)の概念を結合した新規な光増幅方式であって、最近活発に研究され始めたレーザー増幅技術である。
従来の光媒介型チャープパルス増幅装置(OPCPA)においては、長波長を先行させるような方式のチャーピングを与える回折格子反平行構造がパルス伸張系に先に適用され、増幅された後に短波長を先行させるチャーピングを与える回折格子平行構造がパルス圧縮系に適用されて、パルス伸張系において引き起こされたパルスの時間伸びを補償する。
これを図1から図4に基づいてより詳細に説明する。
図1Aは、従来の技術による光媒介型チャープパルス増幅装置(OPCPA)の概略図であり、図1Bは、図1Aに示す光媒介型チャープパルス増幅装置の詳細構造図である。
図1A及び図1Bを参照すると、従来の光媒介型チャープパルス増幅装置(OPCPA)は、パルス伸張系10と、ポンプ光流入用の二色性ミラー80と、ポンプレーザー20と、光媒介増幅部(OPA)30と、ポンプ光除去用の二色性ミラー40と、ビーム除去装置50及びパルス圧縮系60を備えてなる。
パルス伸張系10は、レーザー光を周波数ごとに光経路を異ならせて時間伸ばしを行う装置である。すなわち、パルス伸張系10においては、極超短レーザー出力光のパルスの長さ(pulse duration)を時間的に元の数フェムト秒(fs;10−15秒)/数十ピコ秒(ps;10−12秒)領域から数百ピコ秒(ps;10−12秒)/数ナノ秒(ns;10−9秒)の領域に伸ばす(これについては、効率よい光増幅と光学部品の損傷限界を避けるために講じられた関連CPA技術を参照すること)。
このときに使用する増幅段前部のパルス伸張系は波長による分散を与えて、その結果、パルスの時間的な長さを伸ばすことになるが、これをパルスチャーピングという。
この明細書においては、前記パルス伸張系10の出力光を単に「信号光」と称する。
従来の光媒介型チャープパルス増幅装置(OPCPA)においては、上記のようなパルス伸張系を通過することにより、図4に示すように時間的にチャーピングされた信号光(長波長を先行させる)が出力される。
ポンプレーザー20は、ポンプレーザー光(単に、「ポンプ光」と称する。)を出力する装置である。
ポンプ光流入用の二色性ミラー80は異なる特性を有するポンプ光と信号光を流入させて次段(光媒介増幅部)に送る装置である。
光媒介増幅部30においては、前記ポンプ光を用いて信号光を増幅させ、余剰光を発生させる。これにより、ポンプ光そのものはその分減衰される。
すると、前記光媒介増幅部30の出力光はポンプ光、増幅された信号光及び余剰光となる。
前記ポンプ光と信号光との位相整合方式によって、光媒介増幅は共線形位相整合と非共線形位相整合とに大別されるが、非共線形位相整合方式において設計条件を上手に選択する場合、共線形位相整合に比べて広い利得帯域幅を有することができ、一般に広帯域光媒介増幅(Broadband optical parametric amplification; Broadband OPA)時に非共線形位相整合を利用することになる。この場合、余剰光は、今後、波長による角分散により活用困難になるため、ビーム除去器を用いてなくすことになる。
ポンプ光除去用の二色性ミラー40においては、光媒介増幅部30の出力光を信号光及びそれ以外の光(余剰光、ポンプ光)に分離して経路をそれぞれ異ならせる。
例えば、ポンプ光除去用の二色性ミラー40においては、信号光を反射させ、余剰光及びポンプ光が透過されるようにして、前記透過された余剰光及びポンプ光をビーム除去装置50を用いて除去する。
一般に、極超短レーザー発振器そのものからの出力光はかなり小さなパルス当たりのエネルギーを有しているため、複数段の増幅手段を介して増幅することになる。
ここで、増幅手段は、前記ポンプレーザー21、22、光媒介増幅部31、32、ポンプ光除去用の二色性ミラー41、42及びビーム除去装置51、52などを備え、前記増幅手段を複数配備することにより、所望の大きさの信号が得られる。
上記のように、所望の大きさだけ信号の増幅が行われると、最後にパルス圧縮系60を用いてさらに時間的な圧縮が行われる。
図面符号71から74は、光(ビーム)の経路を切り換えるビーム経路切り換え用のミラーである。
図2Aから図2Dは、従来の技術による光媒介型チャープパルス増幅装置のパルス伸張系の構成図であって、図2Aは、回折格子反平行構造(屈折型)であり、図2Bは、回折格子反平行構造(反射型)であり、図2C及び図2Dは、回折格子反平行構造(オフナー−トリプレット型)の平面図及び側面図である。
先ず、図2Aを参照すると、屈折型回折格子反平行構造は、2つの回折格子(それぞれ「第1の回折格子」、「第2の回折格子」と称する。)111、112と、2枚のレンズ113、114及び1つのミラー115よりなる。
前記ミラー115は、入射光の高さだけを変更して反射させる役割を果たす。
その光経路を調べてみると、光は第1の回折格子111に入射して反射された後、2枚のレンズ113、114を通過した後に第2の回折格子112に入射して再び反射される。前記反射された光はミラー115に入射するが、その光は前記ミラー115により高さのみが変更されて反射される。前記反射された光は、第2の回折格子112、2枚のレンズ114、113及び第1の回折格子111を介してビーム経路切り換え用のミラー71に入射する。
ここで、対応する分離距離は2f−s−sで表わされ、fはレンズ113、114の焦点距離、s及びsは(つまり、平行格子構造における同じチャーピング力をもつ格子間の対応する分離距離)各レンズ113、114から回折格子111、112までの距離を示す。
図2Aに示す屈折型回折格子反平行構造においては、下記の如き問題点が発生する。すなわち、レンズ113、114を有する屈折型回折格子反平行構造においては、レンズによる色収差などの問題が発生する。
前記レンズの色収差の問題を解決するために、図2Bに示す反射型回折格子反平行構造が提案されている。
図2Bを参照すると、反射型回折格子反平行構造は、2つの回折格子(それぞれ「第1の回折格子」、「第2の回折格子」と称する。)121、122、2つの筒状ミラー123、124及び1枚のプリズム125からなる。
上記において、プリズム125は、図2Aに示すミラーと同じ役割を果たす。
その光経路を調べてみると、光は第1の回折格子121に入射して反射された後、2つの筒状ミラー123、124を介して第2の回折格子122に入射・反射される。前記反射された光はプリズム125に入射する。その光は前記プリズム125により高さのみが変更されて反射され、前記反射された光は第2の回折格子122、筒状ミラー124、123及び第1の回折格子121を通ってビーム経路切換え用のミラー71に入射する。
ここで、対応する分離距離は2f−s−sで表わされ、fは筒状ミラー123、124の焦点距離、s及びsは筒状ミラー123、124から回折格子121、122までの距離を示す。
図2Bに示す反射型回折格子反平行構造においては、下記の如き問題点が発生する。すなわち、2つの筒状ミラーにおける光軸に対する傾斜により収差などの問題点が発生する。
これを解消するために、図2C(平面図)及び図2D(側面図)に示すオフナー−トリプレット構造が提案されている。
図2C及び図2Dを参照すると、オフナー−トリプレット構造は、1つの回折格子131と、サイズの異なる2つの球状ミラー(それぞれ「第1の球状ミラー」、「第2の球状ミラー」と称する)132、133及び1つのプリズム134よりなる。
上記のプリズム134は、図2Aのミラーと同じ役割を果たす。
前記第2の球状ミラー133が第1の球状ミラー132よりも大きい。
その光経路を調べてみると、光は回折格子131に入射して反射された後、第2の球状ミラー133に入射・反射される。前記反射された光は第1の球状ミラー132に入射・反射された後、さらに第2の球状ミラー133に入射・反射される。前記反射された光は回折格子131に入射し、再び反射されてプリズム134に入射する。その光は前記プリズム134により高さのみが変更されて反射されるが、回折格子131、第2の球状ミラー133、第1の球状ミラー132を通過し、さらに第2の球状ミラー133、回折格子131を通って出光される。
ここで、対応する分離距離は2(R−s)で表わされ、Rは第2の球状ミラー133の半径、sは第2の球状ミラー133から回折格子131までの距離を示す。
図2Eは、従来の技術によるパルス伸張系における回折格子反平行構造による信号光チャーピングを示すグラフである。
同図は、通常のパルス伸張系において発生する信号光チャープ構造の電算模写結果であって、図2C及び図2Dに示すオフナー−トリプレット構造において、回折格子に対するパラメータを下記のように設定している。すなわち、1次回折を利用しており、回折格子の溝数は1740line/mm、入射角は62.8°、回折角は70.8°、対応する分離距離は530mmに設定している。
その結果、1054nmの波長を中心として8nm(1050nm−1058nm)のスペクトルを有する信号光が約800psだけ伸びていた。この値(800ps)は光経路差を光の速度で除算した値であって、光経路差は240mmであり、光の速度は30万km/sである。
参考までに、前記パルス伸張系を通過したレーザー光は波長によって時間的に伸びたパルス構造の形態を有するが、このとき、波長によって時間的に光パルスが伸びる原因は、下記の通りである。すなわち、極超短レーザー光には種々の波長成分のレーザー光が含まれているが、それぞれの成分に対して回折格子構造を通過しながら、その光学的な進行距離が異なってきて、これによる各成分の時間遅延の差分により結果として光パルスが時間的に伸びることになる。
図3Aは、従来の技術による光媒介型チャープパルス増幅装置のパルス圧縮系の構成図である。
図3Aを参照すると、回折格子平行構造は、平行構図を有する2つの回折格子141、142と、入射光の高さのみを変更して反射させる1つのミラー143と、から構成される。
その光経路を調べてみると、光は第1の回折格子141に入射して反射された後、第2の回折格子142に入射して反射される。前記反射された光はミラー143に入射し、前記ミラー143により高さのみが変更されて再び反射される。前記反射された光は第2の回折格子142、第1の回折格子141を通って出光される。
ここで、対応する分離距離は両回折格子141、142間の距離で表わすことができる。
図3Bは、従来の技術によるパルス圧縮系において、回折格子平行構造による信号光チャーピングを示すグラフである。
同図は、通常のパルス圧縮系において発生する信号光チャープ構造の電算模写結果を示すものであって、図3Bに示す回折格子平行構造において、回折格子に対するパラメータを下記のように設定している。すなわち、−1次回折を利用しており、回折格子の溝数は850line/mm、入射角は5.0°、回折角は79.4°、対応する分離距離は692mmに設定している。
その結果、1054nmの波長を中心として8nmのスペクトルを有する信号光が約800psだけ伸びた。ここで、光経路差は、略240mmである。
また、このパルス圧縮系は通常のパルス伸張系において約800psだけ伸びた1054nmの波長を中心として8nmのスペクトルを有する信号光を再び元の状態に圧縮することができる。
次に、従来の技術による光媒介型チャープパルス増幅装置の動作及び作用について説明する。
先ず、元の信号光が図2Aから図2Dに示す構造を有するパルス伸張系10を通過するが、これにより、短波長に対して長波長が先行される、時間的に伸びた構造を有する波形(図4参照)が出力される。
前記パルス伸張系10の出力光(信号光)はビーム経路切換え用のミラー71、72を介して第1のポンプ光流入用の二色性ミラー81に流入され、また、第1のポンプレーザー21から出力された光(ポンプ光)も第1のポンプ光流入用の二色性ミラー81に流入される。
前記信号光及びポンプ光は再び第1の光媒介増幅部31に流入される。ここでは、ポンプ光により信号光が増幅されながら余剰光が発生され、ポンプ光そのものは減衰される。
結果として、前記第1の光媒介増幅部31の出力光はポンプ光、増幅された信号光及び余剰光となる。
前記出力光は、第1のポンプ光除去用の二色性ミラー41に流入されて増幅された信号光及びそれ以外の光(ポンプ光、余剰光)に分離される。すなわち、減衰されたポンプ光及び余剰光は第1のポンプ光除去用の二色性ミラー41に透過されて第1のビーム除去装置51により除去され、増幅された信号光は第1のポンプ光除去用の二色性ミラー41に反射される。
前記増幅された信号光が所定の大きさ以上に増幅された信号光であれば、直ちにパルス圧縮系60に流入され、そうでない場合には前記過程(ポンプ光流入用の二色性ミラーからビーム除去装置まで)を再び経ることになる。
すなわち、第1のポンプ光除去用の二色性ミラー41において反射された信号光(増幅された信号光)が所定の大きさ以上に増幅された信号光ではなければ、他のポンプ光流入用の二色性ミラー(第2のポンプ光流入用の二色性ミラー)82に流入され、また、第2のポンプレーザー22から発せられたポンプ光も前記第2のポンプ光流入用の二色性ミラー82に流入される。その後、前記信号光および前記ポンプ光は、第2の光媒介増幅部32、第2のポンプ光除去用の二色性ミラー42及び第2のビーム除去装置52を経る。前記過程は、ポンプ光除去用の二色性ミラーを通過した信号光が所定の大きさ以上に増幅された信号光となるまで繰り返し行われる。
上記のように、増幅された信号光はパルス圧縮系60に流入され、パルス圧縮系60においては前記増幅された信号光を再び時間的に圧縮させる。
しかしながら、上記の如き構造の光媒介型チャープパルス増幅装置には、下記の如き問題点がある。
すなわち、従来の光媒介型チャープパルス増幅装置においては、2次分散(群速度分散;Group Velocity Dispersion;GVD)を用いて線形的なパルスチャーピング構造を作っていたが、これは、光媒介増幅部の出力光である信号光と余剰光において前記2次分散の大きさが同一であり、且つ、符号が反対であるために、パルス圧縮系における補償が困難であるという問題点がある。このため、一般的に増幅された信号光とほとんど同じ大きさのエネルギーを有する余剰光は活用できずに放棄することになる。
前記分散の詳細については、図7の説明部分を参照されたい。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、パルス伸張系及びパルス圧縮系において奇数次分散である3次分散を利用し、光媒介増幅部の出力光のうち信号光と余剰光を同時に活用してエネルギー増幅率だけではなく、波長帯域幅も倍増することができ、これにより、スペクトル損失を補償することはもとより、元の信号光に比べてさらに時間的パルス幅が短いレーザー光を得ることのできる光媒介型チャープパルス増幅(OPCPA)装置を提供するところにある。
以上において、奇数次分散を利用する目的は、下記の通りである。
すなわち、従来の2次分散(群速度分散)及び4次分散などの偶数次分散は、光媒介型チャープパルス増幅に当たって、信号光と余剰光において大きさのみが同じであり、且つ、反対の符号を有するため、パルス圧縮系において同時に保障することは困難であるが、本発明に適用される3次分散などの奇数次分散は大きさ及び符号が同じであるため、パルス圧縮系において補償が容易であるというメリットがある。
参考までに、従来の光媒介型チャープパルス増幅装置においては、増幅された信号光と余剰光を同時に活用することは困難である。その理由は、下記の通りである。
第一に、一般的に広帯域光媒介増幅時に用いられる非共線形構造の位相整合においては、余剰光の角分散が発生するため、今後ビームが進行するとき、波長によって空間的に異なる方向に進行することになり、これを補正する適当な手段を見つけることが困難である。
第二に、もし、余剰光を活用するために共線形位相整合を利用しながら、余剰光の偏光を正常光(ordinary wave)に合わせることで余剰光の角分散の問題を解消することはできるが、一般的には極超短信号光に対応する広い信号光のスペクトルに対して均一な利得を与えるほどの十分に広い利得帯域を得ることは困難である。
第三に、特殊の場合、共線形位相整合方式にも拘らず、信号光のスペクトルをいずれも十分に増幅可能な広い利得帯域が得られる場合もあるが、増幅信号光と余剰光は互いに逆方向にチャーピングされたパルス(opposite chirp-state of the amplified signal and the idler)を有することになり、今後通常のパルス圧縮系を通じてはパルス幅が元の状態に戻らない。
上記の如き目的を達成するために、本発明による光媒介型チャープパルス増幅装置は、奇数次分散(主に3次分散)を用いてチャーピングされたレーザー光を出力するパルス伸張系と、ポンプレーザー光を出力するポンプレーザーと、前記ポンプレーザー光及びチャーピングされたレーザー光(信号光)を入力とし、前記ポンプレーザー光を用いて信号光を増幅させ、余剰光を発生させる光媒介増幅部と、前記光媒介増幅部の出力光を信号光と余剰光、及びそれ以外の光(ポンプ光)に分離する光信号分離部と、前記パルス伸張系により与えられた奇数次分散によるパルスチャーピングを逆に補償して前記重なり合う信号光及び余剰光を同時に時間的に圧縮させるパルス圧縮系と、を備え、
余剰光を活用するために、共線形位相整合時に下記の関係式
<関係式>
λ≒2λ≒λ
(ここで、λは信号光波長、λはポンプ光波長、λは余剰光波長を示す。)
を満足することを特徴とする。
前記パルス伸張系及びパルス圧縮系は、3次分散を用いたU字状のチャープ構造の半分を信号光として利用し、残りの半分は余剰光として利用することが好ましい。
前記パルス伸張系においては、中心波長の進行を遅らせ、周辺波長を先行させるような方式のチャーピングを与えることが好ましく、中心波長を先行させ、周辺波長の進行を遅らせるような方式のチャーピングを与えてもよい。
また、本発明は、残余の偶数次分散(すなわち、4次分散など)を除去するための手段をさらに備えることが好ましい。
前記偶数次分散を除去するための手段には、音響光学フィルター、チャープミラーなどが好ましい。
前記偶数次分散除去手段は、光媒介増幅部(OPA)手前の光経路上に位置付けることが好ましい。
前記パルス伸張系は、回折格子反平行構造と回折格子平行構造を直列に構成してパルスチャーピング時に2次分散(群速度分散)が除去されるようにすることが好ましい。
また、前記パルス圧縮系も同様に、回折格子反平行構造と回折格子平行構造を直列に構成することが好ましい。
さらに、本発明は、前記回折格子反平行構造及び回折格子平行構造に適用される回折格子に関するパラメータを異ならせて適用することが好ましい。
前記パルス伸張系とパルス圧縮系は、回折格子反平行構造と回折格子平行構造に適用される回折格子に関するパラメータが互いに反対であることが好ましい。
前記回折格子平行構造は、平行構図を有する2つの回折格子と、入射光の高さのみを変更して反射させる1つのミラーと、を備えてなるのが好ましい。
前記光媒介増幅部は、非線形光学媒質を用いることが好ましく、前記非線形光学媒質にはベータバリウムボレート、リチウムトリボレート、チタンリン酸カリウム、リン酸二水素カリウムなどがある。
前記光信号分離部は、光媒介増幅部から出力された余剰光及び増幅された信号光は反射させ、それ以外の光(ポンプ光)は透過させて余剰光、増幅された信号光及びそれ以外の光に分離するポンプ光除去用の二色性ミラーであることが好ましい。
また、本発明は、前記光信号分離部において分離されたポンプ光を除去するビーム除去器をさらに備えることを特徴とするのが好ましい。
さらに、本発明は、前記パルス伸張系及びポンプレーザーの出力光を入力されて光媒介増幅部に送るミラー(ポンプ光流入用の二色性ミラー)をさらに備えることが好ましい。
さらにまた、本発明は、前記パルス伸張系の後段に設けられて入射した光の経路をポンプ光流入用の二色性ミラーに切り換えるビーム経路切換え用のミラーをさらに備えることが好ましい。
さらにまた、本発明は、前記光信号分離部において分離された信号光と余剰光の経路をパルス圧縮系に切り換えるビーム経路切換え用のミラーをさらに備えることが好ましい。
以下、添付図面に基づき、本発明による好適な実施形態を詳述する。
図5は、本発明による光媒介型チャープパルス増幅装置の詳細構造図である。
図5を参照すると、本発明による光媒介型チャープパルス増幅装置は、大きく、パルス伸張系100と、ポンプレーザー200と、光媒介増幅部300と、光信号分離部400と、ビーム除去部(ビーム除去装置)500及びパルス圧縮系600を備えてなる。
パルス伸張系100は、レーザー光を、周波数ごとに光経路を異ならせて時間的に伸ばすが、短波長(または、長波長)を先行させるような方式のチャーピングを与える装置である(図9参照)。すなわち、パルス伸張系100においては、極超短レーザー出力光のパルスの長さ(pulse duration)を時間的に元の数フェムト秒(fs;10−15秒)/数十ピコ秒(ps;10−12秒)の領域から数百ピコ秒(ps;10−12秒)/数ナノ秒(ns;10−9秒)までの領域に伸ばす。
本発明によるパルス伸張系100は、光媒介型チャープパルス増幅装置(OPCPA)と通常のチャープパルス増幅装置(CPA)が混合されたハイブリッドチャープパルス増幅装置(ハイブリッドCPA)である場合、中心波長から近い波長よりも中心波長から遠い波長を先行させることが好ましい。しかしながら、本発明のみからみて、周辺波長部よりも中心波長部が先行するものと、中心波長から遠い周辺波長部が先行するものとの間に原理的な違いがほとんどない同じ構造であるといえる。
本発明のパルス伸張系100は、従来のパルス伸張系とは異なり、奇数次分散を利用する。
また、本発明の光媒介型チャープパルス増幅装置においては、偶数次分散を除去する構成をさらに備えていてもよい。これについての詳細な説明は、図6のパルス伸張系及びパルス圧縮系構造の説明の部分で行われるため、ここでは省略する。
ポンプレーザー200は、ポンプレーザー光(ポンプ光)を出力する装置である。
光媒介増幅部300においては、前記ポンプ光を用いて信号光を増幅させ、余剰光を発生させる。これにより、ポンプ光そのものはその分減衰される。
詳述すると、光媒介増幅部300への入力光は、ポンプレーザー200から出力される光(ポンプ光)及びパルス伸張系100から出力される光(信号光)であり、光媒介増幅部300から出力される光は、減衰されたポンプ光、増幅された信号光及び余剰光となる。
光媒介増幅部300は、非線形光学媒質を利用することが好ましく、前記非線形光学媒質としては、KTP(Potassium Titanyl Phosphate,チタンリン酸カリウム)、KDP(Potassium Dihydrogen Phosphate,リン酸二水素カリウム)、LBO(Lithium Triborate,リチウムトリボレート)及びBBO(Beta-Barium Borate,ベータバリウムボレート)などがあり、前記非線形光学媒質には、ポンプ光、信号光及び余剰光の波長に対して無反射コーティングが行われる。ここで、ポンプ光と信号光の波長によって、非線形光学結晶の製作及び位相整合方式の設計構造が異なってくる。
前記光媒介増幅部300において、ほとんど重なり合う信号光−ポンプ光の関係が成り立つが、従来には、λ<2λ<λまたはλs>2λ>λの関係が一般的であるが、本発明においては、λ≒2λ≒λを満足しなければならない。
ここで、λは信号光波長、λはポンプ光波長、λは余剰光波長を示す。
上記の如き関係式を満足すれば、ほとんどの光媒介増幅利得(OPA利得)が共線形位相整合時にも広い利得帯域を有することができる(図8参照)。
光信号分離部400においては、光媒介増幅部300の出力光を除去しようとする光信号と次段(例えば、パルス圧縮系など)に送ろうとする光信号に分離し、ビーム除去装置500においては、前記光信号分離部400において分離された、除去しようとする光信号を除去する。
前記光信号分離部400の一例としては、ポンプ光除去用の二色性ミラーなどがあり、前記ポンプ光除去用の二色性ミラーは、除去しようとする光を透過させ、次段に送ろうとする光を反射させる役割を果たす。
より詳述すると、ポンプ光除去用の二色性ミラー400は、余剰光及び信号光波長に対しては広帯域高反射コーティングが、そして、ポンプ光波長に対しては無反射コーティングが施されている。これにより、ポンプ光除去用の二色性ミラー400により余剰光及びそれ以外の光(信号光、減衰されたポンプ光)に分離することができる。
前記減衰されたポンプ光は、ビーム除去装置500により除去される。
もちろん、本発明においては、原理的には、前記ポンプ光除去用の二色性ミラーの役割をその逆に行わせてもよい。すなわち、前記ポンプ光除去用の二色性ミラーは、除去しようとする光を反射させ、次段に送ろうとする光を透過させて、前記反射された光が除去されるようにその位置にビーム除去装置を配設しても構わない。しかしながら、実際の場合、次段に送るべき出力光への分散を避けるために、二色性ミラーは、通常、出力光に対して反射型に設計することがより好ましい。
上述したように、本発明においては、光媒介増幅部の出力光のうちポンプ光は除去され、増幅された信号光及び余剰光はパルス圧縮系600に戻る。
前記パルス圧縮系600においては、前記パルス伸張系100により与えられた奇数次分散によるパルスチャーピングを逆に補償して、前記重なり合う信号光及び余剰光を同時に時間的に圧縮させる。すると、本発明による光媒介型チャープパルス増幅装置(OPCPA)は、従来の光媒介型チャープパルス増幅装置(OPCPA)よりもエネルギー増幅率を約2倍増加させ、波長帯域幅も倍増することができる。
本発明においては、光媒介増幅部300の前段にポンプ光流入用の二色性ミラー800を備えることが好ましい。
前記ポンプ光流入用の二色性ミラー800は異なる特性を有するポンプ光と信号光を流入させて次段(光媒介増幅部)に送る役割を果たす。
すなわち、ポンプ光流入用の二色性ミラー800は、ポンプ光波長に対しては無反射コーティングが、信号光波長に対しては広帯域高反射コーティングが施されている。そこで、ポンプ光流入用の二色性ミラー800は、ビーム経路切換え用のミラーを通じて反射されたパルス伸張系の出力光(信号光)とポンプレーザーの出力光(ポンプ光)を同時に受け入れることができる。
本発明の一実施形態においては、ビーム経路切換え用のミラー730〜750が多数設けられる。
ビーム経路切換え用のミラー730〜750は、前段から出力された光が次段に正常に流入可能に光経路を切り換える装置であって、信号光の全体の波長領域に対して広帯域高反射コーティングが施されている。
例えば、ビーム経路切換え用のミラー730、740は、パルス伸張系100の後段に設けられて、パルス伸張系から出力された信号光がポンプ光流入用の二色性ミラー800に流入するように光経路を切り換える。
また、ビーム経路切換え用のミラー750は、ポンプ光除去用の二色性ミラー400の後段に設けられて、ポンプ光除去用の二色性ミラー400の出力光(信号光及び余剰光)がパルス圧縮系600に流入するように光経路を切り換える。
前記パルス伸張系及びパルス圧縮系は、3次分散を用いたU字状のチャープ構造を有し、本発明においては、U字状のチャープ構造のうち半分を信号光として用い、残りの半分は余剰光に相当する(図7A及び図7B参照)。また、U字状のチャープ構造の頂点に相当する中心波長の1/2に相当するポンプ光を用いる。例えば、図7A及び図7Bにおいて、1054nmの中心波長をU字状のチャープ構造の頂点として利用する場合、本発明においては、527nmのポンプ光を用いる。
また、本発明においては、偶数次分散(4次分散など)を除去するための手段をさらに備えることが好ましい。参考までに、2次分散は、前記パルス伸張系及びパルス圧縮系の構造(すなわち、回折格子反平行構造と回折格子平行構造の直列構造である。)により除去される(図6参照)。
前記偶数次分散除去手段は、パルス圧縮系によるパルス圧縮に当たって、残余偶数次分散(4次分散、6次分散など)によりパルス圧縮効率が低下することを防ぐために設けられる。
前記偶数次分散除去手段としては、音響光学フィルター(AOPDF Acousto‐Optic Programmable Dispersive Filter)やダズラーなどがある。またはチャープミラーなどがある。
前記偶数次分散除去手段は、光媒介増幅部(OPA)300手前の光経路上に位置付けることが好ましい。
図6Aは、本発明による光媒介型チャープパルス増幅装置のパルス伸張系とパルス圧縮系の構成を示す概略ブロック図であり、図6B及び図6Cは、本発明の一実施形態によるパルス伸張系とパルス圧縮系の詳細構成図である。
先ず、図6Aを参照すると、光媒介型チャープパルス増幅装置のパルス伸張系100及びパルス圧縮系600は、それぞれ回折格子反平行構造と回折格子平行構造の直列構成からなる。
すなわち、本発明においては、入力信号が、まず、回折格子反平行構造を経て、その後、回折格子平行構造を経る。ここで、入力信号は、パルス伸張系においては元の信号光を、パルス圧縮系においては増幅された信号光及び余剰光を指し示す。
上記のように、回折格子反平行構造と回折格子平行構造を直列に構成すると、パルスチャーピング時に2次分散(群速度分散)を除去することが可能になるだけではなく、3次分散を極大化させることができる(図7参照)。
本発明においては、上記のように、パルス伸張系とパルス圧縮系の構成が回折格子反平行構造と回折格子平行構造の直列構造になっていてもよく、逆に、回折格子平行構造と回折格子反平行構造の直列構造になっていてもよい。しかしながら、本発明においては、パルス伸張系とパルス圧縮系の構成が、回折格子反平行構造と回折格子平行構造の直列構造になっていることがさらに好ましい。これは、これらの両方は原理的には同様であるが、実際の実現に際し、その構造が簡単な回折格子平行構造が回折格子反平行構造に対して後続した方が、2次分散除去時における光学系の調整が容易になるというメリットがあるためである。
前記反平行構造は、図2Aから図2Dに示す反平行構造がいずれも使用可能であるが、中でも、図2C及び図2Dに示す回折格子反平行構造(オフナー−トリプレット型)を用いることが最も好ましい。
これを、図6B及び図6Cに基づいて詳述する。
先ず、図6Bにおいては、パルス伸張系とパルス圧縮系の構成が、回折格子反平行構造(屈折型)と回折格子平行構造の直列構造になっている。
その光経路を調べてみると、入力信号(光)は回折格子反平行構造(屈折型)の第1の回折格子111に入射して反射された後、2枚のレンズ113、114を通過した後に第2の回折格子112に入射して再び反射される。前記反射された光はミラー115に入射するが、その光は前記ミラー115により高さのみが変更されて反射される。前記反射された光は第2の回折格子112、2枚のレンズ114、113及び第1の回折格子111を介して反射される。前記反射された光はビーム経路切換え用のミラー710'、720'によりビーム経路が切り換えられて回折格子平行構造の第1の回折格子141に入射する。前記入射した光は第1回折格子141に反射されて第2の回折格子142に入射・反射される。前記反射された光はミラー143に入射し、前記ミラー143により高さのみが変更されて再び反射される。前記反射された光は第2の回折格子142、第1の回折格子141を通って出光される。
また、図6Cにおいては、パルス伸張系とパルス圧縮系の構成が、回折格子反平行構造(オフナー−トリプレット型)と回折格子平行構造の直列構造になっている。
その光経路を調べてみると、入力信号(光)は、回折格子反平行構造(オフナー−トリプレット型)の回折格子131に入射して反射された後、第2の球状ミラー133に入射・反射される。前記反射された光は第1の球状ミラー132に入射・反射された後、さらに第2の球状ミラー133に入射・反射される。前記反射された光は回折格子131に入射し、再び反射されてプリズム134に入射する。その光は前記プリズム134により高さのみが変更されて反射されるが、回折格子131、第2の球状ミラー133、第1の球状ミラー132を通過し、さらに第2の球状ミラー133、回折格子131を通って出光される。
すると、ビーム経路切換え用のミラー710"、720"によりビーム経路が切り換えられて回折格子平行構造の第1の回折格子141に入射する。前記入射した光は第1回折格子141に反射されて第2の回折格子142に入射・反射される。前記反射された光はミラー143に入射し、前記ミラー143により高さのみが変更されて再び反射される。前記反射された光は、第2の回折格子142、第1の回折格子141を通って出光される。
図7Aは、本発明による回折格子反平行構造と回折格子平行構造を直列に構成したチャープパルス発生器から発せられる信号光チャープ構造の電算模写結果を示すグラフであり、図7Bは、本発明による回折格子反平行構造と回折格子平行構造を直列に構成したチャープパルス発生器から発せられる信号光チャープ構造の電算模写結果を示すグラフである。また、図7Cは、図7Aのグラフに示す値を導き出すためのグラフである。
図7A及び図7Bは、それぞれパルス圧縮系とパルス伸張系に、またはその逆に活用可能である。
先ず、図7Aにおいては、チャープパルス発生器を回折格子反平行構造(オフナー−トリプレット型)と回折格子平行構造の直列構成にしており、前記回折格子に対するパラメータを下記のように設定している。
すなわち、回折格子反平行構造において1次回折を利用しており、回折格子の溝数は1740line/mm、入射角は62.8°、回折角は70.8°、対応する分離距離は530mmに設定している。なお、回折格子平行構造において、−1次回折を利用しており、回折格子の溝数は850line/mm、入射角は5.0°、回折角は79.4°、対応する分離距離は692mmに設定している。
その結果、1054nmの波長を中心として2次分散は打ち消されながら3次分散は累積/強調されるようなU字状のチャーピング構造を有するチャープパルス発生器を設計することができる。
図7Bにおいては、チャープパルス発生器を回折格子反平行構造(オフナー−トリプレット型)と回折格子平行構造の直列構成にしており、前記回折格子に対するパラメータを下記のように設定している。
すなわち、回折格子反平行構造において、−1次回折を利用しており、回折格子の溝数は850line/mm、入射角は5.0°、回折角は79.4°、対応する分離距離は692mmに設定している。また、回折格子平行構造において、1次回折を利用しており、回折格子の溝数は1740line/mm、入射角は62.8°、回折角は70.8°、対応する分離距離は530mmに設定している。
その結果、1054nmの波長を中心として2次分散は打ち消されながら3次分散は累積/強調されるような∩字状のチャーピング構造を有するチャープパルス発生器を設計することができる。
本発明の一実施形態においては、波長1054nmを基準として左部を信号光として用い、右部を余剰光として用いた。
前記2種類のU字状のチャープパルス発生器を(すなわち、U字状チャーピングと∩チャーピング)パルス伸張系とパルス圧縮系のそれぞれに活用することができ、両方とも回折格子反平行構造と回折格子平行構造が直列に構成されるということは同様であるが、それぞれの構造に適用される回折格子に関するパラメータが互いに反対である。
また、前記パルス伸張系(またはパルス圧縮系)において回折格子反平行構造と回折格子平行構造に適用される回折格子に対するパラメータは異なる。
次に、図7Cに基づき、図7Aに示すU字状のチャーピング構造を導き出すためのアルゴリズムについて説明する。
全体光学系を通じての位相関数φ(ω)は、下記式の通りである。
Figure 2009543114
前記角周波数に対する変化特性を分散とする。前式において、第1項は絶対位相値を示し、第2項の係数は群遅延、第3項の係数は群速度分散(GVD;Group Velocity Dispersion)、第4項の係数は3次分散(TOD;Third-Order Dispersion)、第5項の係数は4次分散(FOD;Fourth-Order Dispersion)などのように呼ばれる。
前記位相関数を角周波数で微分すれば、下記の通りである。
Figure 2009543114
前式は、角周波数に対する群遅延の変化を示し、これは光学系によるその波長の光が表わす通過時間を示す。
式中、第1項は中心波長の光が通過する時間、第2項のGVDは時間上に線形チャーピングされる係数、第3項のTODは2次関数の形態(すなわち、放物線の形態)にチャーピングされる係数、第4項FODは3次関数の形態にチャーピングされる係数を示す。
前記群速度分散(GVD)は位相における2次で表わされる分散であって、あるシステムにおいて周波数に対して線形的にチャープされる量を示す。従来のパルス伸張系やパルス圧縮系においては、2次分散の影響により線形的にチャーピングされたパルス構造を得る。これに対し、本発明においては、3次分散を主として利用する。
一方、ある両光学系がそれぞれ異なる符号、同じ大きさの群速度分散を与える場合、一見してその連続配列を通じて残余3次分散(TOD)だけが最終的にパルスのチャープ構造に影響するかのように見える。このとき、2次分散の影響は打ち消される。参考までに、4次分散及び5次分散などはパルスのチャープ構造に極めて微々な影響を及ぼす。
この場合に対する図解と説明は下記の通りである。
すなわち、ある両光学系の位相関数に対する微分(a)、(b)がそれぞれ下記のように表わされ、
(a);C+a*(w−w)+a*(w−w+...(図7Cにおけるグラフ(a)に相当する)
(b);C+b*(w−w)+b*(w−w+...(図7Cにおけるグラフ2(b)に相当する)
(ただし、C、C、a、a、b、bなどは定数である。)
式中、(a)式と(b)式を合計すると、下記の通りである。
すなわち、(a)+(b)=(C+C)+(a+b)*(w−w)+...となる。(ただし、a=−b
前式は近似的にwに対する2次関数の形態となり、元の位相関数の3次分散だけの影響によるU字状のチャープを有することになる。このため、上記の両光学系において、a=−bにするが、aとbは累積されて大きな値を有しうるように設計されるならば、両光学系の一連の配列はU字状のチャープパルス発生器として動作することができる。
図8は、本発明において活用可能な共線形位相整合構造に設計された光媒介増幅装置のデザインの適用例である。
図8A及び図8Bは、OPA増幅部に対する光媒介利得曲線を示すものである。
図8Aは、ポンプ光の強度を400MW/cm、BBO結晶の長さを15mm、ポンプ光波長を532nmとしたときにおけるグラフを示し、中心波長1045nm〜1085nmの信号光を増幅するのに活用可能である。図8Bは、ポンプ光の強度を400MW/cm、BBO結晶の長さを11mm、ポンプ光の波長を390nmとしたときにおけるグラフを示し、中心波長770nm〜790nmの信号光を増幅するのに活用可能である(上記の両ケースでは両方とも信号光と余剰光の偏光が正常光であるタイプI方式の位相整合を用いている)。
より詳述すると、図8Aおよび図8Bは光媒介増幅利得(パラメトリック利得)を示すものである。例えば、図8Aにおける実線曲線はθ=22.84°及びα=0°に設計された増幅段による増幅利得曲線であって、1030nmの波長の信号光に対しては約2500倍の信号増幅利得を得、且つ、1050nm波長の信号光に対しては約1800倍の利得を得ることを示している。
参考までに、図8Aにおける実線曲線はθ=22.84°及びα=0°であるとき、点線曲線はθ=22.85°及びα=0°であるとき、1点鎖線の曲線はθ=22.86°及びα=0°であるときをそれぞれ示す。
また、図8Bにおける実線曲線はθ=29.98°及びα=0°であるとき、点線曲線はθ=29.99°及びα=0°であるとき、1点鎖線の曲線はθ=23.00°及びα=0°であるときをそれぞれ示す。ここで、θはクリスタルの光学軸とポンプ光との間の角、αはポンプ光と信号光との間の角を示す。
本発明においては、余剰光を活用するために共線形位相整合を利用するが、これは、上述したように、下記の条件(関係式)を満足しなければならない。
<条件>
λ≒2λ≒λ
ここで、λは信号光波長、λはポンプ光波長、λは余剰光波長を示す。
上記の如き条件を満足すると、光媒介増幅利得(OPA利得)が共線形位相整合時であっても広い利得帯域を有することができる。
図9は、本発明による光媒介型チャープパルス増幅装置のパルス伸張系(3次分散を用いる)により伸びた元の信号光のチャーピング状態を示すグラフであり、図10A及び図10Bは、本発明による光媒介型チャープパルス増幅装置の光媒介増幅部の出力光である信号光及び余剰光のチャーピング状態を示すグラフである。
図9及び図10は、上述した図7Bのものをパルス伸張系として利用し、U字状のチャーピングの中心波長の左側(すなわち、短波長)部を信号光として利用する場合を例にとって説明している。
同図を参照すると、一つのパルスがパルス伸張系100を経由すると、図9に示すように、時間的に伸びた信号光となる。
この信号は、従来のパルス伸張系10を経由した信号光とは異なる形態を有する。すなわち、従来には回折格子反平行構造がパルス伸張系に使用されており、これにより、図4に示す形態の長波長を先行させるような方式の信号光が出力される。これに対し、本発明においては、回折格子反平行構造と回折格子平行構造が直列に接続されている形態をパルス伸張系に使用しており、これにより、図9に示す形態の短波長(または長波長)を先行させるような方式の信号光が出力される。このとき、3次分散を用いた特徴的なパルスのチャープ構造を有する。
上記の如き形態の波形が光媒介増幅部300を経由すると、増幅された信号光(図10A参照)と余剰光(図10B参照)が発生される。
前記余剰光は、長波長を先行したチャープ構造を有する。
本発明においては、上述したように、光媒介増幅部300の出力光からポンプ光が分離されて除去され、余剰光及び増幅された信号光は選択されて次段(パルス圧縮系)に送られる。
この後、パルス圧縮系を通じて前記信号光及び余剰光が一緒に時間的に圧縮される。すると、エネルギー増幅率及び波長帯域幅が倍増され、これにより、スペクトル損失を補償すると共に、元の信号光に比べて短いレーザー光が得られる。
上記のように構成された本発明による光媒介型チャープパルス増幅装置の動作及び作用について説明する。
図6Bまたは図6Cに示す構造を有するパルス伸張系100を通過したレーザー光は2次分散(GVD)が除去されたままで波長に応じて時間的に伸びたチャープ構造の形態を有する。
前記パルス伸張系100において、U字状のチャープ構造の中心波長に対して左側(すなわち、短波長)部を信号光として利用する場合、図9に示すような波形が出力される。
前記パルス伸張系100の出力光(信号光)は、ビーム経路切換え用のミラー720〜740を通ってポンプ光流入用の二色性ミラー800に流入されると共に、ポンプレーザー200から出力された光(ポンプ光)も前記ポンプ光流入用の二色性ミラー800に流入される。
前記信号光及びポンプ光は光媒介増幅部300に同時に流入される。ここでは、ポンプ光により信号光が増幅されながら余剰光が発生され、ポンプ光そのものは減衰される。
要するに、前記光媒介増幅部の出力光は、減衰されたポンプ光、増幅された信号光及び余剰光となる。ここで、前記信号光及び余剰光は同じ大きさを有する。
本発明においては、必要に応じて、光媒介増幅部の手前の光経路上に音響光学フィルターやチャープミラーなどを配備して偶数次分散(特に、残余4次分散)を除去する。すると、3次分散(TOD)を含む奇数次分散だけが残留することになる。
前記光媒介増幅部の出力光はポンプ光除去用の二色性ミラー400に流入されて余剰光、信号光及びそれ以外の光(ポンプ光)に分離される。すなわち、ポンプ光除去用の二色性ミラー400によりポンプ光は透過されてビーム除去装置500により除去され、信号光及び余剰光は反射される。
前記信号光及び余剰光はパルス圧縮系600に流入され、パルス圧縮系600においては、パルス伸張系により与えられたU字状の3次分散によるパルスチャーピングを逆に補償して前記信号光及び余剰光を再び時間的に圧縮させる。
もし、以上において、パルス圧縮系を経由したレーザー光がユーザー所望の大きさ(所定以上の大きさ)に増幅されなかったならば、本発明においては、パルス伸張系からパルス圧縮系までの増幅プロセスを繰り返し経由する。このとき、光(信号光及び余剰光)をパルス圧縮系を用いて圧縮した後、パルス伸張系を用いて伸ばすような方式も採用可能であるが、パルス伸張系とパルス圧縮系の構造が同様であるという特性を用いて、当該回折格子のパラメータを適宜変更して前記パルス圧縮系及びパルス伸張系を一体化しても構わない。
以上、本発明の好適な実施形態を参照として説明したが、当該技術分野における通常の知識を有した者であれば、特許請求の範囲に記載の本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内において本発明を種々に修正及び変更可能であることが理解できるであろう。
本発明による光媒介型チャープパルス増幅装置(OPCPA)においては、回折格子反平行構造及び回折格子平行構造の直列構造よりなるパルス伸張系及びパルス圧縮系を構成することにより、群速度分散を除去しながら奇数次分散である3次分散を強調させ、且つ、同じ大きさを有する信号光及び余剰光をパルス圧縮系に同時に(一緒に)流入させることにより、エネルギー増幅率だけではなく、波長帯域幅をも倍増することができる。
これにより、本発明においては、スペクトル損失を補償すると共に、元の信号光に比べて短いレーザー光を得ることができる。
また、本発明の方式によれば、Yb(イッテルビウム)などを用いた近赤外線領域の極超短レーザー(光繊維−レーザー光源など)光源に対して(1020〜1060nmの波長を有する。)約40−80nmまで信号光のスペクトルが倍増可能になる。特に、これは、現在多くの分野において最も活用されているTi:サファイア極超短レーザー光源と比較しても大差ない波長帯域幅であって、532nm Nd:YAG (ネオジム混イッテルビウムアルミガーネットレーザーロッド:neodymium-doped Yttrium aluminum garnet)倍増ポンプ光を活用した光媒介型チャープパルス増幅装置(OPCPA)における1000〜1100nm波長帯域のNd系とYb系の極超短レーザー光源の波長帯域幅の増加に直ちに活用可能である。
従来の技術による光媒介型チャープパルス増幅装置(OPCPA)の概略図である。 図1Aに示す光媒介型チャープパルス増幅装置の詳細構造図である。 従来の技術による光媒介型チャープパルス増幅装置におけるパルス伸張系の構成図である。 従来の技術による光媒介型チャープパルス増幅装置におけるパルス伸張系の構成図である。 従来の技術による光媒介型チャープパルス増幅装置におけるパルス伸張系の構成図である。 従来の技術による光媒介型チャープパルス増幅装置におけるパルス伸張系の構成図である。 従来の技術によるパルス伸張系において、回折格子反平行構造による信号光チャーピングを示すグラフである。 従来の技術による光媒介型チャープパルス増幅装置におけるパルス圧縮系の構成図である。 従来の技術によるパルス圧縮系において、回折格子平行構造による信号光チャーピングを示すグラフである。 群速度分散(2次分散)を主として利用した、従来の技術による光媒介型チャープパルス増幅装置(OPCPA)におけるパルス伸張系の出力光(信号光)を示す図である。 本発明による光媒介型チャープパルス増幅装置の詳細構造図である。 本発明による光媒介型チャープパルス増幅装置におけるパルス伸張系とパルス圧縮系の構成を示す概略ブロック図である。 本発明の一実施形態によるパルス伸張系とパルス圧縮系の詳細構成図である。 本発明の一実施形態によるパルス伸張系とパルス圧縮系の詳細構成図である。 本発明による回折格子反平行構造と回折格子平行構造を直列に構成したU字状チャープパルス発生器から発せられる信号光のチャープ構造の電算模写結果を示すグラフである。 本発明による回折格子反平行構造と回折格子平行構造を直列に構成した他の種類のU字状のチャープパルス発生器から発せられる信号光のチャープ構造の電算模写結果を示すグラフである。 図7Aのグラフに示す値を導き出すためのグラフである。 本発明において活用可能な共線形位相整合構造に設計された光媒介増幅装置のデザインの適用例である。 本発明において活用可能な共線形位相整合構造に設計された光媒介増幅装置のデザインの適用例である。 本発明による光媒介型チャープパルス増幅装置におけるパルス伸張系(3次分散を用いる)により伸びた元の信号光のチャーピング状態を示すグラフである。 本発明による光媒介型チャープパルス増幅装置の光媒介増幅部の出力光である信号光及び余剰光のチャーピング状態を示すグラフである。 本発明による光媒介型チャープパルス増幅装置の光媒介増幅部の出力光である信号光及び余剰光のチャーピング状態を示すグラフである。
100:パルス伸張系、
200:ポンプレーザー、
300:光媒介増幅部(OPA)、
400:光信号分離部(ポンプ光除去用の二色性ミラー)、
500:ビーム除去部、
600:パルス圧縮系、
710〜770:ビーム経路切換え用のミラー、
800:ポンプ光流入用の二色性ミラー、

Claims (24)

  1. 奇数次分散を用いてチャーピングされたレーザー光を出力するパルス伸張系と、
    ポンプレーザー光を出力するポンプレーザーと、
    前記ポンプレーザー光及びチャーピングされたレーザー光(信号光)を入力とし、前記ポンプレーザー光を用いて信号光を増幅させ、余剰光を発生させる光媒介増幅部と、
    前記光媒介増幅部の出力光を信号光と余剰光及びそれ以外の光(ポンプ光)に分離する光信号分離部と、
    前記パルス伸張系により与えられた奇数次分散によるパルスチャーピングを逆に補償して前記重なり合う信号光及び余剰光を同時に時間的に圧縮するパルス圧縮系と、
    を備え、
    共線形位相整合時に下記の関係式
    <関係式>
    λ≒2λ≒λ
    (ここで、λは信号光波長、λはポンプ光波長、λは余剰光波長を示す。)
    を満足することを特徴とする光媒介型チャープパルス増幅装置。
  2. 前記パルス伸張系及びパルス圧縮系は、2次分散(群速度分散)が打ち消され、3次分散が極大化されるように設計されることを特徴とする請求項1に記載の光媒介型チャープパルス増幅装置。
  3. 前記パルス伸張系及びパルス圧縮系は、3次分散を用いたU字状のチャープ構造の半分を信号光として利用し、残りの半分は余剰光として利用することを特徴とする請求項1に記載の光媒介型チャープパルス増幅装置。
  4. 前記パルス伸張系は、中心波長の進行を遅らせ、周辺波長を先行させるような方式のチャーピングを与えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光媒介型チャープパルス増幅装置。
  5. 前記パルス伸張系は、中心波長を先行させ、周辺波長の進行を遅らせるような方式のチャーピングを与えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光媒介型チャープパルス増幅装置。
  6. 残余の偶数次分散を除去するための手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光媒介型チャープパルス増幅装置。
  7. 前記偶数次分散除去手段は、音響光学フィルターまたはチャープミラーのいずれか1種であることを特徴とする請求項6に記載の光媒介型チャープパルス増幅装置。
  8. 前記偶数次分散除去手段は、光媒介増幅部(OPA)手前の光経路上に位置付けることを特徴とする請求項6に記載の光媒介型チャープパルス増幅装置。
  9. 前記パルス伸張系は、回折格子反平行構造と回折格子平行構造を直列に構成してパルスチャーピング時に2次分散(群速度分散)を除去することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光媒介型チャープパルス増幅装置。
  10. 前記パルス圧縮系は、回折格子反平行構造と回折格子平行構造が直列に構成されたものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光媒介型チャープパルス増幅装置。
  11. 前記回折格子反平行構造及び回折格子平行構造に適用される回折格子に関するパラメータを異ならせて適用することを特徴とする請求項9に記載の光媒介型チャープパルス増幅装置。
  12. 前記回折格子反平行構造及び回折格子平行構造に適用される回折格子に関するパラメータを異ならせて適用することを特徴とする請求項10に記載の光媒介型チャープパルス増幅装置。
  13. 前記パルス伸張系及びパルス圧縮系は、設計される前記パルス伸張系の回折格子反平行構造と回折格子平行構造に適用される回折格子に関するパラメータがそれぞれ回折格子並行構造及び回折格子反並行構造で用いられる回折格子に関するパラメータと同じであることを特徴とする請求項11または12に記載の光媒介型チャープパルス増幅装置。
  14. 前記回折格子平行構造は、平行構図を有する2つの回折格子と、入射光の高さのみを変更して反射させる1つのミラーと、を備えてなることを特徴とする請求項9に記載の光媒介型チャープパルス増幅装置。
  15. 前記回折格子平行構造は、平行構図を有する2つの回折格子と、入射光の高さのみを変更して反射させる1つのミラーと、を備えてなることを特徴とする請求項10に記載の光媒介型チャープパルス増幅装置。
  16. 前記光媒介増幅部は、非線形光学媒質を用いることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光媒介型チャープパルス増幅装置。
  17. 前記非線形光学媒質は、ベータバリウムボレート、リチウムトリボレート、チタンリン酸カリウム及びリン酸二水素カリウムよりなる群から選ばれるいずれか1種であることを特徴とする請求項16に記載の光媒介型チャープパルス増幅装置。
  18. 前記光信号分離部は、光媒介増幅部から出力された余剰光及び増幅された信号光は反射させ、それ以外の光(ポンプ光)は透過させて余剰光、増幅された信号光及びそれ以外の光に分離するポンプ光除去用の二色性ミラーであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光媒介型チャープパルス増幅装置。
  19. 前記光信号分離部において分離されたポンプ光を除去するビーム除去器をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光媒介型チャープパルス増幅装置。
  20. 前記パルス伸張系及びポンプレーザーの出力光を入力されて光媒介増幅部に送るミラー(ポンプ光流入用の二色性ミラー)をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光媒介型チャープパルス増幅装置。
  21. 前記パルス伸張系の後段に設けられて入射した光の経路をポンプ光流入用の二色性ミラーに切り換えるビーム経路切換え用のミラーをさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光媒介型チャープパルス増幅装置。
  22. 前記光信号分離部において分離された信号光と余剰光の経路をパルス圧縮系に切り換えるビーム経路切換え用のミラーをさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光媒介型チャープパルス増幅装置。
  23. 奇数次分散を用いてチャーピングされたレーザー光を出力するパルス伸張系と、
    ポンプレーザー光を出力するポンプレーザーと、
    前記ポンプレーザー光及びチャーピングされたレーザー光(信号光)を入力とし、前記ポンプレーザー光を用いて信号光を増幅させ、余剰光を発生させる光媒介増幅部と、
    前記光媒介増幅部の出力光を信号光と余剰光及びそれ以外の光(ポンプ光)に分離する光信号分離部と、
    前記パルス伸張系により与えられた奇数次分散によるパルスチャーピングを逆に補償して前記重なり合う信号光及び余剰光を同時に時間的に圧縮するパルス圧縮系と、
    を備え、
    前記パルス伸張系及びパルス圧縮系は、2次分散(群速度分散)が打ち消され、3次分散が極大化されるように設計され、共線形位相整合時に下記の関係式
    <関係式>
    λ≒2λ≒λ
    (ここで、λは信号光波長、λはポンプ光波長、λは余剰光波長を示す。)
    を満足することを特徴とする光媒介型チャープパルス増幅装置。
  24. 奇数次分散を用いてチャーピングされたレーザー光を出力するパルス伸張系と、
    ポンプレーザー光を出力するポンプレーザーと、
    前記ポンプレーザー光及びチャーピングされたレーザー光(信号光)を入力とし、前記ポンプレーザー光を用いて信号光を増幅させ、余剰光を発生させる光媒介増幅部と、
    前記光媒介増幅部の出力光を信号光と余剰光及びそれ以外の光(ポンプ光)に分離する光信号分離部と、
    前記パルス伸張系により与えられた奇数次分散によるパルスチャーピングを逆に補償して前記重なり合う信号光及び余剰光を同時に時間的に圧縮するパルス圧縮系と、
    を備え、
    前記パルス伸張系及びパルス圧縮系は、3次分散を用いたU字状のチャープ構造の半分を信号光として利用し、残りの半分は余剰光として利用し、
    共線形位相整合時に下記の関係式
    <関係式>
    λ≒2λ≒λ
    (ここで、λは信号光波長、λはポンプ光波長、λは余剰光波長を示す。)
    を満足することを特徴とする光媒介型チャープパルス増幅装置。
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