JP2009539829A - ミエロペルオキシダーゼ阻害剤としてのピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン誘導体 - Google Patents
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Abstract
本発明は、新規な化合物A、その製造法、該薬学的に活性な化合物を含有する製剤処方、及び治療における該活性化合物の使用に関する。該化合物は酵素MPOの阻害剤であり、それにより精神炎症性疾患、心臓血管疾患及び呼吸器疾患の治療及び予防に特に有益である。
【化1】
【化1】
Description
本発明は、新規ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン誘導体、それらを含む組成物及び治療におけるそれらの使用に関する。
ミエロペルオキシダーゼ(MPO)は、主に多形核白血球(PMN)に認められるヘム含有酵素である。MPOは、好酸球ペルオキシダーゼ、甲状腺ペルオキシダーゼ、唾液ペルオキシダーゼ、ラクトペルオキシダーゼ、プロスタグランジンHシンターゼなどをも含む、哺乳類ペルオキシダーゼの多様な蛋白質ファミリーの1メンバーである。成熟酵素は同一の半体を有するダイマーである。それぞれの半分子は、MPOの特徴的緑色に関与する異例のスペクトル特性を示す共有結合性ヘムを含んでいる。MPOの2つの半体を結合するジスルフィド架橋の開裂は、無傷酵素と区別できるスペクトル特性と触媒活性を呈する半酵素を生成する。該酵素は過酸化水素を用いて塩素イオンを次亜塩素酸に酸化する。他のハロゲン化物及び擬ハロゲン化物(チオシアナートのような)もまたMPOの生理的基質となる。
PMNは感染症に対抗するために特に重要である。これらの細胞は、十分実証されている殺菌作用を有するMPOを含む。PMNは、食作用によって非特異的に作用し、微生物を飲み込み、それらをファゴソームと呼ばれる液胞に取り込み、それは更にミエロペルオキシダーゼを含有する顆粒と融合してファゴリソソームを形成する。ファゴリソソームにおいて、ミエロペルオキシダーゼの酵素活性は、強力な殺菌性化合物、次亜塩素酸の形成をもたらす。次亜塩素酸はそれ自体酸化性であり、チオール及びチオールエーテルと非常に活発に反応するが、アミンをクロラミンに変換し、また芳香族アミノ酸を塩素化することもできる。マクロファージは、PMNのように、微生物を食菌することができる大きな食細胞である。マクロファージは過酸化水素を生成することができ、また活性化によりミエロペルオキシダーゼをも産生する。MPOと過酸化水素は、また細胞の外側にも放出されることがあり、そこで塩化物との反応が隣接組織に損傷を誘導する可能性がある。
ミエロペルオキシダーゼ活性の疾患との関連としては、多発性硬化症、アルツハイマー病、パーキンソン病及び卒中を含む神経炎症性反応を伴う神経系疾患、並びに喘息、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、アテローム性動脈硬化症、虚血性心疾患、心不全、炎症性腸疾患、腎糸球体障害及び関節リウマチのような他の炎症性疾患又は状態に関与している。肺癌も、また高いMPOレベルと関係することが示唆されている。
多発性硬化症(MS)
MPO陽性細胞は炎症を来たす循環及び組織中に多量に存在している。更に具体的には、マクロファージ及びミクログリアを含むMPOは、罹病時;多発性硬化症(Nagra RM, et al., Journal of Neuroimmunology 1997; 78(1-2): 97-107)、パーキンソン病(Choi D-K. et al., J. Neurosci. 2005; 25(28): 6594-600) 及びアルツハイマー病(Green PS. et al., Journal of Neurochemistry. 2004; 90(3): 724-33)、 にはCNS中に認められている。慢性進行性炎症のある態様は徹底的な破壊をもたらし、その場合MPO反応由来の作用物質が重要な役割を担うと考えられている。
MPO陽性細胞は炎症を来たす循環及び組織中に多量に存在している。更に具体的には、マクロファージ及びミクログリアを含むMPOは、罹病時;多発性硬化症(Nagra RM, et al., Journal of Neuroimmunology 1997; 78(1-2): 97-107)、パーキンソン病(Choi D-K. et al., J. Neurosci. 2005; 25(28): 6594-600) 及びアルツハイマー病(Green PS. et al., Journal of Neurochemistry. 2004; 90(3): 724-33)、 にはCNS中に認められている。慢性進行性炎症のある態様は徹底的な破壊をもたらし、その場合MPO反応由来の作用物質が重要な役割を担うと考えられている。
該酵素は、好中球において細胞外並びにファゴリソソーム中の両方で放出される(Hampton MB, Kettle AJ, Winterbourn CC. Blood 1998; 92(9): 3007-17)。MPO活性の必要条件は、NADPHオキシダーゼ及びその後のスーパーオキシド不均化により生成する過酸化水素の存在である。酸化された酵素は、その塩化物が最も認識される過剰の異なる基質を用いることができる。この反応から、強い非ラジカル性酸化剤として次亜塩素酸(HOCL)が生成される。HOCLはシステイン及びメチオニンのような硫黄含有アミノ酸を非常に効率的に酸化する(Peskin AV, Winterbourn CC. Free Radical Biology and Medicine 2001; 30(5): 572-9)。それは、また蛋白質及び他の生体分子の両方において、アミノ基を有するクロラミンを形成する(Peskin AV. et al., Free Radical Biology and Medicine 2004; 37(10): 1622-30)。それは、フェノール類(チロシンのような)(Hazen SL. et al., Mass Free Radical Biology and Medicine 1997; 23(6): 909-16)、及び脂質中の不飽和結合(Albert CJ. et al., J. Biol. Chem. 2001; 276(26): 23733-41)を塩素化し、鉄中心を酸化し(Rosen H, Klebanoff SJ, Journal of Biological Chemistry 1982; 257(22): 13731-354)、そして蛋白質を架橋させる(Fu X, Mueller DM, Heinecke JW, Biochemistry 2002; 41(4): 1293-301)。
蛋白質分解カスケードは、BBBを介する細胞浸潤並びにBBB、ミエリン及び神経細胞の破壊の両方に関与する(Cuzner ML, Opdenakker G, Journal of Neuroimmunology 1999; 94(1-2): 1-14; Yong VW. et al., Nature Reviews Neuroscience 2001; 2(7): 502-11)。マトリックス・メタロプロテイナーゼ(MMP)の活性化は、カスケードにおける上流プロテアーゼの作用並びにジスルフィド架橋により達成することができる(Fu X. et al., J. Biol. Chem. 2001; 276(44): 41279-87; Gu Z. et al., Science 2002; 297(5584): 1186-90)。この酸化は、ニトロシル化か又はHOCl介在酸化のいずれであってもよい。両反応は、MPO活性の結果であり得る。幾つかの報告は、MS及びEAEの両者において細胞浸潤並びに組織障害(BBBの破壊及び脱髄)に影響を及ぼす、一般的にMMPの、そして特にMMP−9の役割を示唆している(このレビューは、Yong VW. et al.の上記を参照)。MSにおけるこれらの特殊なメカニズムの重要性は、プロテアーゼの活性と存在の増加がMS脳組織及びCSF中に同定された研究に由来する。支持データは、MS病態に関与すると見なされる特定のプロテアーゼを欠失するマウスでのEAE研究により、又は薬理学的アプローチによってももたらされる。
脱髄は、細胞傷害性T細胞及び活性化食細胞により生成する毒性産物に依存性であると考えられている(Lassmann H, J. Neurol. Neurosurg. Psychiatry 2003; 74(6): 695-7) 。このように、軸索欠損はプロテアーゼ並びに反応性酸素及び窒素中間体によって影響される。MPOが存在する場合、それはプロテアーゼを活性化すること(直接並びにプロテアーゼ阻害剤に影響することによる脱抑制を介して)、そして反応性種を生成することの両能力を明らかに有すると考えられる。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、完全に可逆性ではない気流制限によって特徴付けられる病態である。気流制限は、通常進行性でかつ有害粒子又はガスに対する肺の異常炎症反応に関係する。COPDは主たる公衆衛生問題である。それは米国における慢性罹患率と死亡率の第4位の主要原因であり、世界的な疾病の負荷として2020年には第5位になると予測される。英国では、COPDの有病率は、男性では1.7%で、女性では1.4%である。COPDは軽度から非常に重症までの範囲の重症度にわたっており、また治療コストは重症度の増加と共に激増する。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、完全に可逆性ではない気流制限によって特徴付けられる病態である。気流制限は、通常進行性でかつ有害粒子又はガスに対する肺の異常炎症反応に関係する。COPDは主たる公衆衛生問題である。それは米国における慢性罹患率と死亡率の第4位の主要原因であり、世界的な疾病の負荷として2020年には第5位になると予測される。英国では、COPDの有病率は、男性では1.7%で、女性では1.4%である。COPDは軽度から非常に重症までの範囲の重症度にわたっており、また治療コストは重症度の増加と共に激増する。
喀痰及びBAL中のMPOのレベルは、正常な非喫煙対照よりもCOPD患者では非常に高い(Keatings V.M., Barnes P.J., Am J Respir Crit Care Med 1997; 155: 449-453;
Pesci, A. et al., Eur Respir J 1998; 12: 380-386) 。MPOレベルは、該疾患の増悪時には更に上昇する(Fiorini G. et al., Biomedicine & Pharmacotherapy 2000; 54:
274-278; Crooks S.W. et al., European Respiratory Journal. 15(2): 274-80, 2000)。MPOの役割は、COPDの増悪時において更に重大であると考えられる(Sharon S.D. et al., Am J Respir Crit Care Med. 2001; 163: 349-355) 。
Pesci, A. et al., Eur Respir J 1998; 12: 380-386) 。MPOレベルは、該疾患の増悪時には更に上昇する(Fiorini G. et al., Biomedicine & Pharmacotherapy 2000; 54:
274-278; Crooks S.W. et al., European Respiratory Journal. 15(2): 274-80, 2000)。MPOの役割は、COPDの増悪時において更に重大であると考えられる(Sharon S.D. et al., Am J Respir Crit Care Med. 2001; 163: 349-355) 。
MPOの破壊力に加えて、血管疾患と強い臨床的関連性がある (Baldus S. et al., Circulation 2003;108: 1440-5)。機能障害MPO多型は、冠動脈疾患による死亡率のリスク低減に関係し(Nikpoor B. et al., Am Heart J 2001; 142: 336) 、またMPOの高い血清レベルを有する患者は、急性冠動脈症候群のリスクが増加する。肺血管系は喫煙者の肺への最も早い関与部位の1つであるという有力な証拠であることから、血管疾患に対するMPOの影響は、COPDにまで及ぶ可能性がある。喫煙との用量相関を示す、肺動脈の脈管内膜の著しい変化が記述されている(Hale K.A., Niewoehner D.E., Cosio M.G., Am Rev Resp Dis 1980;122: 273-8)。MPOの生理的機能は、先天的宿主防御に関与する。しかしながら、MPO欠乏患者の大部分の例は比較的良性の症状を有することから、この役割は重大ではない(Parry M.F. et al., Ann Int Med. 1981; 95: 293-301, Yang, K.D., Hill, H.R., Pediatr Infect Dis J. 2001; 20: 889-900)。要約すると、COPDにおけるMPOレベルの上昇は、幾つかのメカニズムを介して疾患に寄与すると考えられる無視できない証拠がある。従って、MPOの選択的阻害剤は、COPDの急性及び慢性炎症性特性を軽減することが期待され、また肺気腫の発症を低減する可能性がある。
アテローム性動脈硬化症
MPO阻害剤は、アテローム性動脈硬化負荷及び/又は現存アテローム性動脈硬化病変の脆弱性を低下させ、それにより急性心筋梗塞、不安定狭心症又は卒中のリスクを減少させ、そして急性冠動脈症候群及び虚血性脳血管事象時の虚血/再潅流傷害を低減する可能性がある。幾つかの一連のデータは、アテローム性動脈硬化症におけるMPOの役割を支持する。MPOは、ヒトのアテローム性動脈硬化病変の肩部位及び壊死性コアに発現し、そして活性酵素がヒト病変の剖検標本から分離されている(Daugherty, A. et al. (1994), J Clin Invest 94(1): 437-44)。びらん性及び破裂性ヒト病変では、脂肪線条と比べて、MPO発現マクロファージの数の増加が示されたことから、急性冠動脈症候群におけるMPOの特定の役割が示唆される(Sugiyama, S. et al., (2001), Am J Pathol 158(3): 879-91)。確定した冠動脈疾患患者は、健常対照よりも高い血漿中及び白血球中MPOレベルを有する(Zhang, R. et al. (2001), Jama 286(17): 2136-42)。更に、大規模プロスペクティブ研究では、MPOの血漿中レベルは将来の冠動脈事象又は血管再生のリスクを予測した(Baldus, S. et al. (2003), Circulation 108(12): 1440-5; Brennan, M. et al. (2003), N Engl J Med 349(17): 1595-604)。ヒトにおけるMPOの全欠乏は、2,000〜4,000人中1人の有病率をもたらす。これらの個人は基本的には健康に見えるが、重度カンジダ感染症の数例が報告されている。興味深いことには、MPO酵素欠乏者は、正常なMPOレベルを有する対照よりも心血管疾患への罹患は少ない(Kutter, D. et al. (2000),, Acta Haematol 104(1))。MPOプロモーターの多型は、高い及び低いMPO発現個体に至る発現に影響を及ぼす。3つの異なる研究において、その高発現遺伝子型は心血管疾患のリスク増加と関係していた(Nikpoor, B. et al. (2001), Am Heart J 142(2): 336-9; Makela, R., P. J. Karhunen, et al. (2003), Lab Invest 83(7): 919-25; Asselbergs, F. W., et al. (2004), Am J Med 116(6): 429-30)。過去10年に蓄積されたデータは、MPOのアテローム形成促進作用が、リポ蛋白質の酸化、一酸化窒素の消費を介する内皮細胞不全の誘導及びプロテアーゼの活性化によるアテローム性動脈硬化病変の不安定化に関わることを示す(Nicholls, S. J. and S. L. Hazen (2005), Arterioscler Thromb Vasc Biol 25(6): 1102-11) 。最近、幾つかの研究が、LDL及びHDLリポ蛋白質のニトロ−及びクロロチロシン修飾に焦点を当てている。インビボでのクロロチロシン修飾は、MPOにより産生する次亜塩素酸のみで発生し得ることから、これらの修飾はMPO活性の特異的マーカーと見なされる (Hazen, S. L. and J. W. Heinecke (1997), J Clin Invest 99(9): 2075-81) 。インビトロでMPOに曝露したLDL粒子は塊状となり、マクロファージスカベンジャー受容体及び泡沫細胞形成を介して取り込み促進を引き起こす(Hazell, L. J. and R. Stocker (1993), Biochem J 290 (Pt 1): 165-72) 。HDLコレステロールの主要アポリポ蛋白質、アポA1のクロロチロシン修飾は、コレステロール受容体機能障害をもたらす(Bergt, C., S. et al. (2004), Proc Natl Acad Sci U S A; Zheng, L. et al. (2004), J Clin Invest 114(4): 529-41)。
MPO阻害剤は、アテローム性動脈硬化負荷及び/又は現存アテローム性動脈硬化病変の脆弱性を低下させ、それにより急性心筋梗塞、不安定狭心症又は卒中のリスクを減少させ、そして急性冠動脈症候群及び虚血性脳血管事象時の虚血/再潅流傷害を低減する可能性がある。幾つかの一連のデータは、アテローム性動脈硬化症におけるMPOの役割を支持する。MPOは、ヒトのアテローム性動脈硬化病変の肩部位及び壊死性コアに発現し、そして活性酵素がヒト病変の剖検標本から分離されている(Daugherty, A. et al. (1994), J Clin Invest 94(1): 437-44)。びらん性及び破裂性ヒト病変では、脂肪線条と比べて、MPO発現マクロファージの数の増加が示されたことから、急性冠動脈症候群におけるMPOの特定の役割が示唆される(Sugiyama, S. et al., (2001), Am J Pathol 158(3): 879-91)。確定した冠動脈疾患患者は、健常対照よりも高い血漿中及び白血球中MPOレベルを有する(Zhang, R. et al. (2001), Jama 286(17): 2136-42)。更に、大規模プロスペクティブ研究では、MPOの血漿中レベルは将来の冠動脈事象又は血管再生のリスクを予測した(Baldus, S. et al. (2003), Circulation 108(12): 1440-5; Brennan, M. et al. (2003), N Engl J Med 349(17): 1595-604)。ヒトにおけるMPOの全欠乏は、2,000〜4,000人中1人の有病率をもたらす。これらの個人は基本的には健康に見えるが、重度カンジダ感染症の数例が報告されている。興味深いことには、MPO酵素欠乏者は、正常なMPOレベルを有する対照よりも心血管疾患への罹患は少ない(Kutter, D. et al. (2000),, Acta Haematol 104(1))。MPOプロモーターの多型は、高い及び低いMPO発現個体に至る発現に影響を及ぼす。3つの異なる研究において、その高発現遺伝子型は心血管疾患のリスク増加と関係していた(Nikpoor, B. et al. (2001), Am Heart J 142(2): 336-9; Makela, R., P. J. Karhunen, et al. (2003), Lab Invest 83(7): 919-25; Asselbergs, F. W., et al. (2004), Am J Med 116(6): 429-30)。過去10年に蓄積されたデータは、MPOのアテローム形成促進作用が、リポ蛋白質の酸化、一酸化窒素の消費を介する内皮細胞不全の誘導及びプロテアーゼの活性化によるアテローム性動脈硬化病変の不安定化に関わることを示す(Nicholls, S. J. and S. L. Hazen (2005), Arterioscler Thromb Vasc Biol 25(6): 1102-11) 。最近、幾つかの研究が、LDL及びHDLリポ蛋白質のニトロ−及びクロロチロシン修飾に焦点を当てている。インビボでのクロロチロシン修飾は、MPOにより産生する次亜塩素酸のみで発生し得ることから、これらの修飾はMPO活性の特異的マーカーと見なされる (Hazen, S. L. and J. W. Heinecke (1997), J Clin Invest 99(9): 2075-81) 。インビトロでMPOに曝露したLDL粒子は塊状となり、マクロファージスカベンジャー受容体及び泡沫細胞形成を介して取り込み促進を引き起こす(Hazell, L. J. and R. Stocker (1993), Biochem J 290 (Pt 1): 165-72) 。HDLコレステロールの主要アポリポ蛋白質、アポA1のクロロチロシン修飾は、コレステロール受容体機能障害をもたらす(Bergt, C., S. et al. (2004), Proc Natl Acad Sci U S A; Zheng, L. et al. (2004), J Clin Invest 114(4): 529-41)。
これらのメカニズムの系統的研究では、MPOが、血漿中のアポA1に結合してそれと共に移動することを示している。更に、MPOは、マクロファージからのコレステロール流出時に、マクロファージABCA1のカセット輸送体と物理的に相互作用するアポA1のそれらのチロシン残基を特異的に標的とする(Bergt, C. et al. (2004), J Biol Chem 279(9): 7856-66; Shao, B. et al. (2005), J Biol Chem 280(7): 5983-93; Zheng et al. (2005), J Biol Chem 280(1): 38-47)。このように、MPOはアテローム動脈硬化病変において二重の悪化させる役割、即ち、LDL粒子の悪化を介して脂質蓄積を増加させ、そしてHDL蛋白質アポA1への攻撃を介してコレステロール逆輸送を減少させる役割を有するように見える。
本発明は、MPO酵素の阻害剤として有用な性質を示す新規チオキサンチン類を開示する。更に、本発明の新規化合物は、公知のチオキサンチン類に比べた場合、以下の1つか又はそれ以上を呈示する:(i)TPOへの選択性改善;(ii)MPOへの予想外に高い阻害活性;(iii)脳透過性の改善;(iv)溶解性の改善及び/又は(v)半減期の改善。そのようなチオキサンチン類は、例えば、国際特許公開公報第03/08943号及び国際特許公開公報第05/037835号に開示されている。
疑義を避けるため、当然のことながら、本明細書において、ある基が「上記で定義の」、「上記で定義した」、「上記で定義した通りである」、又は「上記でそれらを定義した通りである」と限定された場合、該基は、最初に記載された最も広い定義のみならず、その基に対する好ましい定義のそれぞれ及び全てを包含する。
本発明は、上記で定義した通りの化合物A並びにその塩の使用に関する。医薬組成物に使用するための塩は、薬学的に許容される塩であるが、しかし他の塩も化合物Aの製造に有用である可能性がある。
本発明は、化合物A及びその塩の形態も含む。適切な塩としては、有機若しくは無機酸、又は有機若しくは無機塩基と形成した塩が挙げられる。その様な塩は、普通は薬学的に許容されるものであるが、しかし薬学的に許容されない酸又は塩基の塩は、問題の化合物の製造及び精製に有用である可能性がある。例えば、酸付加塩としては、特に塩酸から形成されたものが挙げられる。塩基付加塩としては、カチオンが特にナトリウム又はカリウムである塩が挙げられる。
化合物Aは、単離された形態で、又は本質的に純粋な形態で存在し得る。
本発明の更なる態様は、医薬品として使用するための化合物A又は薬学的に許容されるその塩である。
本発明の更なる態様は、MPO酵素の阻害が有益となる、疾患又は状態の治療又は予防のための医薬品の製造における、化合物A、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくはその塩の溶媒和物の使用である。
本発明の更なる態様は、神経炎症性疾患、心臓及び脳血管アテローム性動脈硬化性疾患及び末梢動脈疾患、心不全及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患の治療又は予防のための医薬品の製造における、化合物A、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくはその塩の溶媒和物の使用を提供する。
本発明の別の更なる態様は、多発性硬化症の治療又は予防のための医薬品の製造における、化合物A、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくはその塩の溶媒和物の使用を提供する。治療は疾患の進行を遅らせることを含んでもよい。
本発明の別の更なる態様は、パーキンソン病の治療又は予防のための医薬品の製造における、化合物A、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくはその塩の溶媒和物の使用を提供する。治療は疾患の進行を遅らせることを含んでもよい。
本発明の別の更なる態様は、新たなアテローム性動脈硬化病変又はプラークの形成を予防し及び/又は低減することによる、及び/又は既存病変及びプラークの進行を予防し又は遅らせることによる、アテローム性動脈硬化症の治療又は予防のための医薬品の製造における、化合物A、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくはその塩の溶媒和物の使用を提供する。
本発明の別の更なる態様は、プラーク崩壊及びアテローム血栓事象のリスクを低減するために、プラークの組成を変えることによるアテローム性動脈硬化症の治療又は予防のための医薬品の製造における、化合物A、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくはその塩の溶媒和物の使用を提供する。
本発明の別の更なる態様は、慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器疾患の治療又は予防のための医薬品の製造における、化合物A、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくはその塩の溶媒和物の使用を提供する。治療は疾患の進行を遅らせることを含んでもよい。
本発明によれば、MPO酵素の阻害が有益となる疾患又は状態を治療し、又はそのリスクを低減する方法であって、当該疾患又は状態に罹患し、又はそのリスクのある人に対して、化合物A、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくはその塩の溶媒和物の治療的有効量を投与することを含む方法も提供される。
更に、当該疾患又は状態に罹患し又はそのリスクのある人において、神経炎症性疾患、心臓及び脳血管アテローム性動脈硬化性疾患又は末梢動脈疾患、若しくは心不全又は慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患を治療し、又はそのリスクを低減する方法であって、化合物A、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくはその塩の溶媒和物の治療的有効量をその人に投与することを含む方法も提供される。
更に、当該疾患又は状態に罹患し又はそのリスクのある人において、多発性硬化症を治療し、又はそのリスクを低減する方法であって、化合物A、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくはその塩の溶媒和物の治療的有効量をその人に投与することを含む方法も提供される。
更に、当該疾患又は状態に罹患し又はそのリスクのある人において、パーキンソン病を治療し、又はそのリスクを低減する方法であって、化合物A、又はその薬学的に許容される塩の治療的有効量をその人に投与することを含む方法も提供される。
当該疾患又は状態に罹患し又はそのリスクのある人において、新たなアテローム性動脈硬化病変又はプラークの形成を予防し及び/又は低減することにより、及び/又は既存病変又はプラークの進行を予防し又は遅らせることにより、アテローム性動脈硬化症を治療し、又はそのリスクを低減する方法であって、化合物A、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくはその塩の溶媒和物の治療的有効量をその人に投与することを含む方法も提供される。
当該疾患又は状態に罹患し又はそのリスクのある人において、プラーク崩壊及びアテローム血栓事象のリスクを低減するために、プラークの組成を変えることによりアテローム性動脈硬化症を治療し、又はそのリスクを低減する方法であって、化合物A、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくはその塩の溶媒和物の治療的有効量をその人に投与することを含む方法も提供される。
別の態様において、本発明は、MPO酵素の阻害が有益となる疾患又は状態の治療又は予防に使用するための、薬学的に許容される添加剤、希釈剤又は担体と混合した、化合物A、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくはその塩の溶媒和物の治療的有効量を含む製剤処方を提供する。
別の態様において、本発明は、神経炎症性疾患の治療又は予防に使用するための、化合物A、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくはその塩の溶媒和物の治療的有効量を、薬学的に許容される添加剤、希釈剤又は担体と混合して含む製剤処方を提供する。
別の態様において、本発明は、多発性硬化症、心臓及び脳血管アテローム性動脈硬化性疾患又は末梢動脈疾患及び心不全並びに慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器疾患の治療又は予防に使用するための、化合物A、又はその薬学的に許容される塩の治療的有効量を、薬学的に許容される添加剤、希釈剤又は担体と混合して含む製剤処方を提供する。
別の態様において、本発明は、新たなアテローム性動脈硬化病変又はプラークの形成を予防し及び/又は低減することによる、及び/又は既存病変及びプラークの進行を予防し又は遅らせることによるアテローム性動脈硬化症の治療又は予防に使用するための、化合物A、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくはその塩の溶媒和物の治療的有効量を、薬学的に許容される添加剤、希釈剤又は担体と混合して含む製剤処方を提供する。
別の態様において、本発明は、プラーク崩壊及びアテローム血栓事象のリスクを低減するために、プラークの組成を変えることによるアテローム性動脈硬化症の治療又は予防に使用するための、化合物A、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくはその塩の溶媒和物の治療的有効量を、薬学的に許容される添加剤、希釈剤又は担体と混合して含む製剤処方を提供する。
本発明は、更に以下の疾病:アルツハイマー病(AD)、認知症、統合失調症における認知障害(CDS)、軽度認識機能障害(MCI)、加齢記憶障害(AAMI)、加齢認識衰退(ARCD)、認識機能障害非認知症(CIND)、多発性硬化症、パーキンソン病(PD)、脳炎後パーキンソン症候群、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、運動ニューロン疾患(MND)、多系統萎縮症(MSA)、大脳皮質基底核変性症、ギラン−バレー症候群(GBS)、及び慢性炎症性脱髄性多発神経障害(CIDP)を含むがそれらに限定されない神経変性疾患を治療するための治療法に関する。認知症としては、ダウン症候群、血管性認知症、レーヴィ小体認知症、HIV認知症、前頭側頭認知症パーキンソン型(FTDP)、ピック病、ニーマン−ピック病、外傷性脳損傷(TBI)、ボクサー認知症、クロイツフェルト−ヤコブ病及びプリオン病が含まれるが、それらに限定されるものではない。
本発明は、更に以下の疾病:多発性硬化症(MS)、パーキンソン病、多系統萎縮症(MSA)、大脳皮質基底核変性症、進行性核上麻痺、ギラン−バレー症候群(GBS)、及び慢性炎症性脱髄性多発神経障害(CIDP)、を含むがそれらに限定されない神経炎症性疾患、を治療するための治療法に関する。多発性硬化症(MS)としては、再発寛解型多発性硬化症(RRMS)、二次性進行型多発性硬化症(SPMS)、及び一次性進行型多発性硬化症(PPMS)が含まれる。
本発明は、更に以下の疾病:
a)アルツハイマー病(AD)、ダウン症候群,血管性認知症、パーキンソン病(PD)、脳炎後パーキンソン症候群、レーヴィ小体認知症、HIV認知症、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、運動ニューロン疾患(MND)、前頭側頭認知症パーキンソン型(FTDP)、進行性核上麻痺(PSP)、ピック病、ニーマン−ピック病、大脳皮質基底核変性症、外傷性脳損傷(TBI)、ボクサー認知症、クロイツフェルト−ヤコブ病及びプリオン病を含むがそれらに限定されない認知症;
b)統合失調症における認知障害(CDS);
c)軽度認識機能障害(MCI);
d)加齢関連記憶障害(AAMI);
e)加齢関連認識衰退(ARCD);
f)認識機能障害非認知症(CIND);
を治療するための治療法に関する。
a)アルツハイマー病(AD)、ダウン症候群,血管性認知症、パーキンソン病(PD)、脳炎後パーキンソン症候群、レーヴィ小体認知症、HIV認知症、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、運動ニューロン疾患(MND)、前頭側頭認知症パーキンソン型(FTDP)、進行性核上麻痺(PSP)、ピック病、ニーマン−ピック病、大脳皮質基底核変性症、外傷性脳損傷(TBI)、ボクサー認知症、クロイツフェルト−ヤコブ病及びプリオン病を含むがそれらに限定されない認知症;
b)統合失調症における認知障害(CDS);
c)軽度認識機能障害(MCI);
d)加齢関連記憶障害(AAMI);
e)加齢関連認識衰退(ARCD);
f)認識機能障害非認知症(CIND);
を治療するための治療法に関する。
本発明は、更に以下の疾病:
注意欠陥障害(ADD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)及び情動障害、を含むがそれらに限定されない注意欠陥障害及び破壊的行動障害;
を治療するための治療法に関する。
注意欠陥障害(ADD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)及び情動障害、を含むがそれらに限定されない注意欠陥障害及び破壊的行動障害;
を治療するための治療法に関する。
本発明は、また、本発明の化合物により治療することができる、以下の疾患及び状態:呼吸管:気管支、アレルギー性、内因性、外因性、運動誘発性、薬剤誘発性(アスピリン及びNSAID誘発性を含む)及びダスト起因性喘息、間欠と持続及び全ての重症度の、及び気道過敏性の他の原因を含む喘息;慢性閉塞性肺疾患(COPD);感染性及び好酸球性気管支炎を含む気管支炎;肺気腫;気管支拡張症;嚢胞性線維症;サルコイドーシス;農夫肺と関連疾患;過敏性肺炎;潜在性線維性肺胞炎、特発性間質性肺炎、抗腫瘍療法及び結核とアスペルギルス症及び他の真菌感染症を含む慢性感染を併発する線維症を含む肺線維症;肺移植の合併症;肺血管系の脈管炎及び血栓疾患、及び肺高血圧症;気道の炎症及び分泌状態に伴う慢性咳、及び医原性咳に対する治療を含む鎮咳作用;薬物性鼻炎、及び血管運動神経性鼻炎を含む急性及び慢性鼻炎;神経性鼻炎(枯草熱)を含む通年性及び季節性アレルギー性鼻炎;鼻茸;感冒を含む急性ウイルス感染症、及びRSウイルス、インフルエンザ、コロナウイルス(SARSを含む)及びアデノウイルスに因る感染;を含む気道の閉塞性疾患;
骨と関節:例えば、先天性股異形成に対して一次性及び二次性の両方の変形性関節症/骨関節症を伴う又は含む関節炎疹;頚部及び腰部脊椎症、及び腰痛及び頚痛;関節リウマチ及びスティル病;強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎及び未分化型脊椎関節炎を含む血清反応陰性脊椎関節症;敗血症性関節炎、並びに脊椎カリエス及びポンセ症候群を含む結核などの他の感染関連関節炎及び骨疾患;尿酸塩痛風を含む急性及び慢性結晶誘発性滑膜炎、ピロリン酸カルシウム血症沈着症、及びカルシウムアパタイト関連腱、滑液嚢及び滑膜炎症;ベーチェット病;原発性及び二次性シェーグレン症候群;全身性硬化症及び限局性強皮症;全身性エリテマトーデス、混合結合組織病、及び未分化結合組織疾患;皮膚筋炎及び多発性筋炎を含む炎症性筋疾患;リウマチ性多発性筋痛;あらゆる関節分布での特発性炎症性関節炎疹及び関連症候群、並びにリウマチ熱及びその全身性合併症を含む若年性関節炎;巨細胞性動脈炎、高安動脈炎、チャーグ−ストラウス症候群、結節性多発性動脈炎、顕微鏡的多発性動脈炎を含む脈管炎、及びウイルス感染、超過敏反応、クリオグロブリン、及びパラプロテインに伴う脈管炎;腰痛;家族性地中海熱、マックル−ウェルズ症候群、及び家族性ハイバーニアン熱、菊池病;薬剤性関節痛)、腱炎、及び筋肉障害;
の治療に関する。
の治療に関する。
本発明は、更に、化合物A若しくはその薬学的に許容される塩、又は化合物Aを含む医薬組成物若しくは製剤処方が、心臓及び脳血管アテローム性動脈硬化性疾患及び末梢動脈疾患のいずれか1つを治療するための治療法及び/又は薬剤と同時に又は連続的に投与される併用療法に関する。
化合物A又はその薬学的に許容される塩は、以下のグループの1つ又はそれ以上から選ばれる化合物と併用して投与することができる:
1)抗炎症薬、例えば、
a)NSAID(例えばアセチルサリチル酸、イブプロフェン、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ジクロフェナク、インドメタシン);
b)ロイコトリエン合成阻害剤(5−LO阻害剤、例えば、AZD4407、ジレウトン、リコフェロン、CJ13610、CJ13454; FLAP阻害剤、例えば、BAY-Y-1015、DG-031、MK591、MK886、A81834;LTA4ヒドロラーゼ阻害剤、例えば、SC56938、SC57461A);
c)ロイコトリエン受容体アンタゴニスト(例えば、CP195543、アメルバント、LY293111、アコレート、MK571);
2)降圧薬、例えば、
a)β遮断薬(例えばメトプロロール、アテノロール、ソタロール);
b)アンギオテンシン変換酵素阻害剤(例えば、カプトプリル、ラミプリル、キナプリル、エナラプリル);
c)カルシウムチャンネル遮断薬(例えば、ベラパミル、ジルチアゼム、フェロジピン、アムロジピン);
d)アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト(例えば、イルベサルタン、カンデサルタン、テレミサルタン、ロサルタン);
3)抗凝固薬、例えば、
a)トロンビン阻害剤(例えば、キシメラガトラン)、ヘパリン類、Xa因子阻害剤;
b)血小板凝集阻害剤(例えば、クロピドグレル、チクロピジン、プラスグレル、AZD6140);
4)脂質代謝モジュレータ、例えば、
a)PPARアゴニストなどのインシュリン増感剤(例えば、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、ガリダ(Galida)、ムラグリタザル、ゲフェムロジル(gefemrozil)、フェノフィブラート);
b)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、スタチン類(例えば、シンバスタチン、プラバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン、フルバスタチン);
c)コレステロール吸収阻害剤(例えば、エゼチミブ);
d)IBAT阻害剤(例えば、AZD-7806);
e)LXRアゴニスト(例えば、GW-683965A、T-0901317);
f)EXR受容体モジュレータ;
g)ホスホリパーゼ阻害剤;
5)抗狭心症薬、例えば、硝酸エステル及び亜硝酸エステル;
6)酸化的ストレスのモジュレータ、例えば、抗酸化剤(例えば、プロブコール、AGI 1067)。
1)抗炎症薬、例えば、
a)NSAID(例えばアセチルサリチル酸、イブプロフェン、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ジクロフェナク、インドメタシン);
b)ロイコトリエン合成阻害剤(5−LO阻害剤、例えば、AZD4407、ジレウトン、リコフェロン、CJ13610、CJ13454; FLAP阻害剤、例えば、BAY-Y-1015、DG-031、MK591、MK886、A81834;LTA4ヒドロラーゼ阻害剤、例えば、SC56938、SC57461A);
c)ロイコトリエン受容体アンタゴニスト(例えば、CP195543、アメルバント、LY293111、アコレート、MK571);
2)降圧薬、例えば、
a)β遮断薬(例えばメトプロロール、アテノロール、ソタロール);
b)アンギオテンシン変換酵素阻害剤(例えば、カプトプリル、ラミプリル、キナプリル、エナラプリル);
c)カルシウムチャンネル遮断薬(例えば、ベラパミル、ジルチアゼム、フェロジピン、アムロジピン);
d)アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト(例えば、イルベサルタン、カンデサルタン、テレミサルタン、ロサルタン);
3)抗凝固薬、例えば、
a)トロンビン阻害剤(例えば、キシメラガトラン)、ヘパリン類、Xa因子阻害剤;
b)血小板凝集阻害剤(例えば、クロピドグレル、チクロピジン、プラスグレル、AZD6140);
4)脂質代謝モジュレータ、例えば、
a)PPARアゴニストなどのインシュリン増感剤(例えば、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、ガリダ(Galida)、ムラグリタザル、ゲフェムロジル(gefemrozil)、フェノフィブラート);
b)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、スタチン類(例えば、シンバスタチン、プラバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン、フルバスタチン);
c)コレステロール吸収阻害剤(例えば、エゼチミブ);
d)IBAT阻害剤(例えば、AZD-7806);
e)LXRアゴニスト(例えば、GW-683965A、T-0901317);
f)EXR受容体モジュレータ;
g)ホスホリパーゼ阻害剤;
5)抗狭心症薬、例えば、硝酸エステル及び亜硝酸エステル;
6)酸化的ストレスのモジュレータ、例えば、抗酸化剤(例えば、プロブコール、AGI 1067)。
製造方法
本発明の別の態様は、化合物A又は薬学的に許容されるその塩を製造する方法を提供する。
その様な方法に関する以下の記述の全体を通じて、当然のことながら、必要に応じて、適切な保護基が、有機合成技術の当業者に容易に理解できる方法により、種々の反応物質及び中間体に加えられ、続いてそれらから除去される。その様な保護基を用いる従来の手順並びに適切な保護基の例は、例えば、“Protective Groups in Organic Synthesis” T.W. Green, P.G.M. Wuts, Wiley-Interscience, New York, 1999に記載されている。
本発明の別の態様は、化合物A又は薬学的に許容されるその塩を製造する方法を提供する。
その様な方法に関する以下の記述の全体を通じて、当然のことながら、必要に応じて、適切な保護基が、有機合成技術の当業者に容易に理解できる方法により、種々の反応物質及び中間体に加えられ、続いてそれらから除去される。その様な保護基を用いる従来の手順並びに適切な保護基の例は、例えば、“Protective Groups in Organic Synthesis” T.W. Green, P.G.M. Wuts, Wiley-Interscience, New York, 1999に記載されている。
一般的方法
NMRスペクトルは、溶媒としてDMSO−d6中で、Varian Gemini 300スペクトロメーターを用い、内部標準として、1HNMRに対しては参照を2.50ppmに、13CNMRに対しては参照を39.52ppmに設定し、1H用に対しては300MHz、13C用に対しては75MHzでそれぞれ操作して測定した。溶媒を蒸発又は体積を減少させる場合、それは減圧下で行われた。特に指示のない限り、HPLC分析は、Gynkotek UVD 170S UV−可視検出器を備えた傾斜ポンプを有するGynkotek P580 HPGで実施した。カラム:Chromolith Performance RP-18e、4.6×100mm;移動相A:アセトニトリル;移動相B:0.1%TFA水溶液;流速:3ml/min;注入体積:20μl;検出:220nm及び254nm;傾斜溶離:3分間5%A定組成;5分間で5%〜100%A。HPLCによる精製は、Waters X-Terra(登録商標)分取型MS:250mm×50mm:C18、10μmを備えたShimadzu SPD-10A UV−可視検出器を有する分取型HPLCのShimadzu LC-8Aで実施した。移動相A:アセトニトリル;移動相B:0.1%TFA(水溶液);流速:100ml/min;注入体積:5ml;検出:254nm;傾斜溶離:15分間で5%〜100%A。LC−MS分析は、Waters 2487二重λ吸収検出器、及びWaters Micromass ZQを備えたWaters 2690 分離モジュールで実施した。カラム:Chromolith Performance RP-18e、4.6×100mm;移動相A:アセトニトリル;移動相B:0.1%ギ酸(水溶液);流速:2ml/min;注入体積:20μl;UV−検出:254nm;傾斜溶離:5分間に10%〜100%A。ES−、ES+を備えたZQ、MS97−800、コーンV30が使用された。
NMRスペクトルは、溶媒としてDMSO−d6中で、Varian Gemini 300スペクトロメーターを用い、内部標準として、1HNMRに対しては参照を2.50ppmに、13CNMRに対しては参照を39.52ppmに設定し、1H用に対しては300MHz、13C用に対しては75MHzでそれぞれ操作して測定した。溶媒を蒸発又は体積を減少させる場合、それは減圧下で行われた。特に指示のない限り、HPLC分析は、Gynkotek UVD 170S UV−可視検出器を備えた傾斜ポンプを有するGynkotek P580 HPGで実施した。カラム:Chromolith Performance RP-18e、4.6×100mm;移動相A:アセトニトリル;移動相B:0.1%TFA水溶液;流速:3ml/min;注入体積:20μl;検出:220nm及び254nm;傾斜溶離:3分間5%A定組成;5分間で5%〜100%A。HPLCによる精製は、Waters X-Terra(登録商標)分取型MS:250mm×50mm:C18、10μmを備えたShimadzu SPD-10A UV−可視検出器を有する分取型HPLCのShimadzu LC-8Aで実施した。移動相A:アセトニトリル;移動相B:0.1%TFA(水溶液);流速:100ml/min;注入体積:5ml;検出:254nm;傾斜溶離:15分間で5%〜100%A。LC−MS分析は、Waters 2487二重λ吸収検出器、及びWaters Micromass ZQを備えたWaters 2690 分離モジュールで実施した。カラム:Chromolith Performance RP-18e、4.6×100mm;移動相A:アセトニトリル;移動相B:0.1%ギ酸(水溶液);流速:2ml/min;注入体積:20μl;UV−検出:254nm;傾斜溶離:5分間に10%〜100%A。ES−、ES+を備えたZQ、MS97−800、コーンV30が使用された。
実施例
〔実施例1〕−化合物A
1−(2−ヒドロキシエチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
i)3−{[2−(ベンジルオキシ)エチル]アミノ}−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル
ベンジルオキシアセトアルデヒド(2.84g、18.9mmol)を3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル・塩酸塩(3.00g、15.7mmol)(Furneaux et al., J. Org. Chem. 1999, 64, 8411-8412を参照)、及びナトリウムシアノボロヒドリド(1.00g、15.7mmol)のメタノール(60ml)溶液に、室温で5分間かけて滴下しながら加えた。酢酸(1.9g、31.4mmol)を加え、そして反応混合物を室温で12時間撹拌した。水(150ml)を加え、生成物を酢酸エチル(2×200ml)で抽出した。有機相を蒸発させ、残留した黄色油状物質を、更に精製せずに次の工程で用いた。収率:4.9g。
1HNMR(DMSO−d6)δ:9.85(1H,s),7.40−7.20(6H,m),6.94(1H,brs),6.44(1H,brs),4.55(2H,s),4.27(2H,q,J=6.9Hz),3.74(2H,brs),3.63(2H,brs)及び1.26(3H,t,J=6.9Hz);MS(ESI)m/z289(M+1)。
〔実施例1〕−化合物A
1−(2−ヒドロキシエチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
i)3−{[2−(ベンジルオキシ)エチル]アミノ}−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル
1HNMR(DMSO−d6)δ:9.85(1H,s),7.40−7.20(6H,m),6.94(1H,brs),6.44(1H,brs),4.55(2H,s),4.27(2H,q,J=6.9Hz),3.74(2H,brs),3.63(2H,brs)及び1.26(3H,t,J=6.9Hz);MS(ESI)m/z289(M+1)。
ii)1−[2−(ベンジルオキシ)エチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
ベンゾイルイソチオシアナート(3.05g、18.7mmol)を、3−{[2−(ベンジルオキシ)エチル]アミノ}−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(4.9g、17.0mmol)のジクロロメタン(45ml)溶液に室温で10分間、滴下しながら加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留した黄色油状物質を7MのNH3のメタノール溶液(45ml)に溶解した。反応混合物を封管したステンレスチューブ内で80℃に加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチル(40mL)を加え、体積を約25mlまで減少させた。沈澱物を濾過して集め、灰色の結晶を酢酸エチル(2×10ml)で洗浄した。収率:1.40g。
1HNMR(DMSO−d6)δ:12.20(2H,s),7.35(1H,d,J=1.8Hz),7.30−7.20(5H,m),6.33(1H,d,J=1.8Hz),4.60(2H,t,J=5.70Hz),4.50(2H,s),3.83(3H,t,J=5.70Hz);
13CNMR(DMSO−d6)δ:172.62,152.46,138.19,137.26,128.09,127.63,127.28,127.12,113.61,97.11,72.00,66.14及び49.55.MS(ESI)m/z:452(M+1)。
1HNMR(DMSO−d6)δ:12.20(2H,s),7.35(1H,d,J=1.8Hz),7.30−7.20(5H,m),6.33(1H,d,J=1.8Hz),4.60(2H,t,J=5.70Hz),4.50(2H,s),3.83(3H,t,J=5.70Hz);
13CNMR(DMSO−d6)δ:172.62,152.46,138.19,137.26,128.09,127.63,127.28,127.12,113.61,97.11,72.00,66.14及び49.55.MS(ESI)m/z:452(M+1)。
iii)1−(2−ヒドロキシエチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
三塩化ホウ素(1Mのジクロロメタン溶液)(13ml、13mmol)を、1−[2−(ベンジルオキシ)エチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン(1.33g、4.41mmol)に、−78℃で5分間かけて小分けして加えた。反応混合物を、−78℃で15分間撹拌した。メタノール(50ml)を加え、冷却浴を除去し、溶媒を蒸発させた。残留した黄色油状物質を分取型HPLCで精製し、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オンを得た。収率:504mg、3工程を通じて15%。
1HNMR(DMSO−d6)δ:12.34(1H,s),12.14(1H,s),7.34(1H,t),6.30(1H,brs),4.85(1H,t,J=5.4Hz),4.41(2H,t,J=6.3Hz),3.75(2H,q,J=6.0Hz),1.53−1.43(2H,m)
13CNMR(DMSO−d6)δ:172.52,152.52,137.56,127.60,113.62,97.11,57.4425.11。
MS(ESI)m/z:212(M+1)。
1HNMR(DMSO−d6)δ:12.34(1H,s),12.14(1H,s),7.34(1H,t),6.30(1H,brs),4.85(1H,t,J=5.4Hz),4.41(2H,t,J=6.3Hz),3.75(2H,q,J=6.0Hz),1.53−1.43(2H,m)
13CNMR(DMSO−d6)δ:172.52,152.52,137.56,127.60,113.62,97.11,57.4425.11。
MS(ESI)m/z:212(M+1)。
スクリーニング
MPO阻害活性の測定方法は、国際特許公開公報第02/090575号に開示されている。本発明の化合物の薬理活性は、以下のスクリーニングで試験し、その際該化合物を、単独で又は添加したチロシンの存在下で試験した:
MPO阻害活性の測定方法は、国際特許公開公報第02/090575号に開示されている。本発明の化合物の薬理活性は、以下のスクリーニングで試験し、その際該化合物を、単独で又は添加したチロシンの存在下で試験した:
アッセイ緩衝液:10mMのタウリン及び100mMのNaClを含有する20mMのリン酸ナトリウム/カリウム緩衝液、pH6.5。
展開試薬:2mMの3,3′,5,5′−テトラメチルベンジジン(TMB)、200μMのKI、20%DMFで200mMの酢酸緩衝液、pH5.4。
アッセイ緩衝液中に希釈した化合物(10μl)に、ヒトMPO(最終濃度2.5nM)(40μl)を、20nMのチロシン(最終濃度、有りの場合8μM)有り又は無しの条件下に加え、その混合物を室温で10分間インキュベートした。次いで、H2O2(最終濃度100μM)(50μl)、又は対照としてアッセイ緩衝液単独を加えた。室温で10分間インキュベート後、0.2mg/mlのカタラーゼ(10μl)を添加することによって反応を停止させた(最終濃度18μg/ml)。反応混合物を更に5分間放置した後、TMB展開試薬(100μl)を加えた。次いで形成した酸化3,3′,5,5′−テトラメチルベンジジンの量を、約650nMでの吸光度分光分析を用いて、約5分後に測定した。次いでIC50値を標準手順を用いて測定した。
上記スクリーニングの少なくとも1バージョンで試験した場合、実施例1の化合物は、5μM未満のIC50値を与えたことから、それらの化合物は有用な治療活性を示すことが期待されることが示唆される。
Claims (23)
- 医薬品として使用するための、請求項1に記載の化合物A又は薬学的に許容されるその塩。
- 請求項1に記載の化合物A又はその薬学的に許容される塩を、場合により、薬学的に許容される添加剤、希釈剤又は担体と混合して含む医薬組成物。
- MPO酵素の阻害が有益となる疾患又は病気を治療し、又はそれらのリスクを低減する方法であって、該疾患又は状態に罹患し又はそのリスクのある人に対して、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の治療的有効量を投与することを含む方法。
- 炎症性疾患を治療し又はそのリスクを低減する方法であって、該疾患又は状態に罹患し又はそのリスクのある人に対して、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の治療的有効量を投与することを含む方法。
- 炎症性疾患が神経炎症性疾患である、請求項5に記載の方法。
- 神経炎症性疾患が多発性硬化症である、請求項6に記載の方法。
- 神経炎症性疾患がパーキンソン病である、請求項6に記載の方法。
- 神経炎症性疾患が心臓及び脳血管アテローム性動脈硬化性疾患若しくは末梢動脈疾患、心不全又は呼吸器疾患である、請求項5に記載の方法。
- 疾患がアテローム性動脈硬化症である、請求項9に記載の方法。
- 疾患が慢性閉塞性肺疾患(COPD)である、請求項9に記載の方法。
- 疾患又は状態が感染性及び好酸球性気管支炎;肺気腫;気管支拡張症又は嚢胞性線維症を含む気管支炎である、請求項9に記載の方法。
- 卒中を治療し又はそのリスクを低減する方法であって、該疾患又は状態に罹患し又はそのリスクのある人に対して、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の治療的有効量を投与することを含む方法。
- MPO酵素の阻害が有益となる疾患又は状態の治療又は予防のための医薬品の製造における、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
- 炎症性疾患の治療又は予防のための医薬品の製造における、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
- 炎症性疾患が神経炎症性疾患である、請求項15に記載の使用。
- 神経炎症性疾患が多発性硬化症である、請求項16に記載の使用。
- 神経炎症性疾患がパーキンソン病である、請求項16に記載の使用。
- 神経炎症性疾患が心臓及び脳血管アテローム性動脈硬化性疾患若しくは末梢動脈疾患、心不全又は呼吸器疾患である、請求項15に記載の使用。
- 疾患がアテローム性動脈硬化症である、請求項19に記載の使用。
- 疾患が慢性閉塞性肺疾患(COPD)である、請求項19に記載の使用。
- 疾患が感染性及び好酸球性気管支炎;肺気腫;気管支拡張症又は嚢胞性線維症を含む気管支炎である、請求項19に記載の使用。
- 卒中の治療又は予防のための医薬品の製造における、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
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