JP2009538101A - ネットワークタイムプロトコル精密タイムスタンプサービス - Google Patents

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Abstract

本発明の実施形態は、NTPサーバによって生成された送受信タイムスタンプの不確実性を減少させる方法及びシステムについて記載している。受信タイムスタンプの不確実性は、着信パケットが、タイムスタンプシステム内の各種ソフトウェア層を通過することによって遅延を生じ得る前に、NTPサーバのハードウェアクロック内に到着時刻を記録することにより除去される。送信タイムスタンプの不確実性は、待ち時間推定量フィルターによって計算される伝送待ち時間の推定値を用いて、発信パケットに未来のタイムスタンプを与えることによって除去される。続いて、実際の発出時刻を用いて、伝送待ち時間の推定値を再計算及び更新する。このように、現行のNTP標準との相互作用互換性を保持する形で、タイムスタンプ機能の優れた制御を既存のNTPサーバ内で実現することが可能である。
【選択図】図3

Description

発明の分野
[0001]本発明の実施形態は概ね、データネットワーク上の送信側経路と受信側経路の間のタイムオフセット精度を高めることに関し、より具体的にはネットワークタイムプロトコル精密タイムスタンプサービスに関する。
関連技術の説明
[0002]多くの通信アプリケーションにおいて、ネットワーク内の各要素は、ネットワーク内の他のクロックとは独立して稼働するそれ自体の内部クロックを有する。ネットワークが多くの遠隔通信アプリケーション及び高速広域ネットワークにおけるように同期的なネットワークである場合、これらのクロックはサーバに同期されていなくてはならない。従来の遠隔通信ネットワークでは、ネットワーク要素は、サーバから物理層のクライアントへ時刻情報を搬送することがもともと可能なT1及びSONETなどの「TDM」リンクを使用した。しかし、次世代ネットワークはパケット交換インフラストラクチャーが基本となり、したがって、時刻情報を運ぶためにはパケットベースの方法が用いられるというのが、一般に一致した見方である。パケット交換データネットワーク内のクロックを同期させる方法の1つは、ネットワークタイムプロトコル(Network Time Protocol:NTP)である。
[0003]商用NTPサーバは通常は、外部標準に対して管理された精度の高いハードウェアベースのクロックを採用している。NTPクライアントは、NTPサーバに精巧なパケットを慎重に送信し、サーバクロックに対するクライアントクロックのオフセットを確定するためにNTPサーバからの応答を分析する。典型的なパケットは4つのタイムスタンプを包含する。タイムスタンプは、クライアント/サーバ間時刻パケット交換の送受信経路を精確に調時し、これによりエンドポイント間の往復遅延とクライアントクロックのオフセットの計算が可能になるように構成される。しかし、NTPサーバ側のハードウェアベースのクロック精度が高いにもかかわらず、NTPサーバ内にタイムスタンプ機能に関連するなんらかの不正確さがある場合、NTPサーバは、クライアントに渡されたタイムスタンプに誤差をもたらす。その後、これらの誤差はクライアントクロックに伝搬し、クライアントクロックの適切な修正を危うくする。
[0004]NTPサーバによって生成されるタイムスタンプ内の不正確さのほとんどは、デバイスドライバ、ネットワークスタックを含む様々なソフトウェア層、及び非リアルタイムのオペレーティングシステムの使用増加によってもたらされる。このことを図1で示す。図1は、従来技術による典型的なNTPシステム100でのパケットタイムスタンプフローを概念的に示す。既存のNTPサーバのほとんどはNTPシステム100などのシステムを含む。一般的に、パケット内のタイムスタンプは、物理層インターフェースに関連した到着又は発出の瞬間を反映することになっている。図1に関して、物理層はEthernet PHY110に関連付けられている。このケースでは、到着時刻は着信パケットのそれぞれ最初の(又は指定された)ビットが外部環境(不図示)とEthernet PHY110間の境界を越えた瞬間を指す。同様に、発出時刻は発信パケットのそれぞれ最初の(又は指定された)ビットがEthernet PHY110と外部環境間の前記境界を越えた瞬間となっている。
[0005]図1に示すように、着信パケット102がNTPシステム100に到着する場合、この着信パケット102は、いくつかのエンティティ、すなわち、Ethernet PHY110に関連付けられた物理層、Ethernet Media Access Controller(MAC)120、オペレーティングシステム(O/S)サービス130、NTPアプリケーション140を通過する。これらのエンティティのいくつかは物理エンティティ(Ethernet MAC120など)であり、いくつかは論理エンティティ(O/Sサービス130など)である。着信パケット102の経路を矢印112、122及び132で示す。矢印142で示すように、NTPアプリケーション140は、着信パケット102がEthernet PHY110、Ethernet MAC120及びO/Sサービス130を通過して、実際にNTPアプリケーション140に到着した後においてのみ、ハードウェアクロック150に着信パケット102内に記録すべきタイムスタンプを要求する(このようなタイムスタンプを本明細書では「受信タイムスタンプ」と呼ぶ)。ハードウェアクロック150は、NTPアプリケーション140から要求を受け取ると、タイムスタンプ144として図示している現在時刻値を受信タイムスタンプとして送出する。このように、NTPシステム100への実際の到着時刻とNTPアプリケーション140が受信タイムスタンプに対する値を確定するためにハードウェアクロック150を実際に読み込む時刻との間に、有意なランダム成分を伴って、遅延が存在する。
[0006]同様の状況がNTPシステム100を離れる発信パケット104についても発生する。NTPアプリケーション140はハードウェアクロック150から現在時刻値を読み込み、発信パケット104内の適切なフィールドにタイムスタンプとしてその値を挿入する(このようなタイムスタンプを本明細書では「送信タイムスタンプ」と呼ぶ)。送信タイムスタンプが挿入された後に、NTPアプリケーション140は矢印134、124、及び114で示す経路上に発信パケット104を送出する。ここでも発信パケット104は、先ずO/Sサービス130、Ethernet MAC120、及びEthernet PHY110を通過しなければならないので、ハードウェアクロック150から送信タイムスタンプが得られた瞬間とNTPシステム100からの実際の発出時刻との間に、有意でランダムな成分を伴って、遅延が存在する。結果として、不正確な送受信タイムスタンプがNTPシステム100からクライアントクロックに伝播し、クライアントクロックにおける時刻保持及び速度保持に対して基本誤差が入り込む。
[0007]上述したように、当技術分野で必要とされるのは、NTPパケットの移動をより正確且つ安定して計測することを可能にする改良されたNTPタイムスタンプ方法である。
[0008]本発明の一実施形態は、発信パケットに挿入すべき送信タイムスタンプをネットワークタイムプロトコル(NTP)サーバにより確立するための方法パケットについて説明する。この方法は、NTPサーバ内のハードウェアクロックに現在時刻を要求し、待ち時間推定量フィルター(LEF)に修正項を要求するステップを含み、ここで修正項は、外部環境との境界を越える前に各種ソフトウェア層を通過する発信パケットに関連付けられる伝送待ち時間推定値である。また、この方法はまた、送信タイムスタンプとして発信パケットに現在時刻と修正項の合計を挿入するステップと、送信タイムスタンプを有する発信パケットをアウトバウンドキューに置くステップと、ハードウェアクロックをトリガーして発信パケットの発出時刻をラッチするステップと、LEFアルゴリズムのステップを実行して、送信タイムスタンプとラッチされた発出時刻との間のオフセットを計算することにより修正項を更新して、次の発信パケット内により正確な送信タイムスタンプを取得するステップと、更新された修正項を記憶するステップと、更新された修正項を用いて送信タイムスタンプを次の発信パケットに挿入するステップとを含む。
[0009]開示したシステム及び方法の一利点は、現行のNTP標準に準拠する他のサーバ及びクライアントと相互作用の非互換性を生じさせるリスクなしに、タイムスタンプ機能の改良された制御を既存のNTPサーバ内で実現できる点である。重要なことに、開示した方法は、現行のNTP標準との互換性を保持する形でパケットタイムスタンプエンジン及び待ち時間推定量フィルターを活用するステップを含む。このようなやり方で、到着時刻及び発出時刻をハードウェアによって検出及び登録し、これにより高精度を達成し、デバイスドライバ、ネットワークスタック、オペレーティングシステム等に関連付けられる不確実性を回避する。結果として、より正確且つ安定したNTPサーバタイムスタンプをNTPクライアントに提供する。
[0010]上に列挙した本発明の特徴が詳細に理解できる形で、上に概略した本発明のより具体的な説明を、一部添付図に示される実施形態を参照して行うことができる。しかし、添付図面は本発明の典型的な実施形態のみを例示しており、したがって本発明の範囲を限定するものではないと考えるべきであり、なぜなら本発明が等しく有効な他の実施形態に通じている可能性があるからであるということに留意すべきである。
従来技術による典型的なNTPシステム内のパケットタイムスタンプフローの概念図である。 本発明の一実施形態による、NTPパケットのヘッダーに包含されるタイムスタンプを例示する図である。 本発明の一実施形態による、精密タイムスタンプサービス(PTS)システムにおけるパケットタイムスタンプフローの概念図である。 本発明の一実施形態による、図3のPTSシステムによって実行される方法ステップの流れ図である。 本発明の一実施形態による、図3の待ち時間推定量フィルターによって実行される方法ステップの流れ図である。 本発明の1つ又は複数の態様を実行するように構成された精密NTPサーバの概念図である。
詳細な説明
[0017]図2は、本発明の一実施形態による、NTPパケットのヘッダー内に包含されたタイムスタンプを示す。図2に示すように、タイムライン200に沿った各時刻計測は、以下に定義される4つのタイムスタンプを含む。すなわち、Tはクライアントクロック210から生じるパケットの送信発生瞬間の最適推定値を表すタイムスタンプであり、Tは精密NTPサーバクロック220で終了するパケットの受信終了瞬間の最適推定値を表すタイムスタンプであり、Tは精密NTPサーバクロック220から生じるパケットの送信発生瞬間の最適推定値を表すタイムスタンプであり、Tはクライアントクロック210で終了するパケットの受信終了瞬間の最適推定値を表すタイムスタンプである。時刻計測の後、これらの4つのタイムスタンプを使用して、下記の原理に従ってエンドポイント間の往復遅延及びクライアントクロック210のオフセットを計算するために使用される。
a)遅延推定値:σ=(T−T)−(T−T) (1)
b)オフセット推定値:θ={(T−T)+(T−T)}/2 (2)
c)誤差:ε=φ・(T−T)+α (3)
上式で、φ(t)はクライアントクロックのスキュー蓄積速度を示す関数であり、αは精密NTPサーバによる時刻計測の不確実性の大きさである。
[0018]精密NTPサーバは、クライアントクロック210にT及びTを与えることに主として関与するので、T及びTの値のいかなる不正確さも遅延推定値及びオフセット推定値の不正確さの原因になり、このことは時刻計測処理における不確実性αの値の増加をもたらす。しかし、式(3)は、精密NTPサーバが時刻計測処理における不確実性αを低減することにより、時刻計測回路の性能を向上させることが可能であることを示す。精密NTPサーバによってより正確且つ安定した時刻計測を達成するシステム及び方法を図3〜図5に示す。
[0019]図3は、本発明の一実施形態による、精密タイムスタンプサービス(PTS)システム300内のパケットタイムスタンプフローの概念図である。図のように、PTSシステム300は、Ethernet PHY310と、Ethernet MAC320と、O/Sサービス330と、NTPアプリケーション340と、ハードウェアクロック350とに関連付けられた物理層を限定することはなく含む。これまでに説明したように、着信パケット302の到着時刻(Trxで示す)は、着信パケット302の最初の(又は指定された)ビットが外部環境(不図示)とEthernet PHY310間の境界を通過した瞬間を指す。続いて、外部環境とEthernet PHY310間の前記境界をちょうど越えた着信パケット302の最初のステップは、受信パケットチャンネル312を通ってEthernet MAC320に進むことである。着信パケット302の経路を矢印312、322、及び332によって示す。ここでもこれまでに説明したように、発信パケット304の発出時刻Ttxは、発信パケット304の最初の(又は指定された)ビットがEthernet PHY310と外部環境間の前記境界を越えた瞬間を指す。Ethernet PHY310と外部環境間の前記境界を越えんとしている発信パケット304の最後のステップは、送信パケットチャンネル314を通って移動することである(発信パケット304の経路を矢印334、324、及び314で示す)。本明細書では受信パケットチャンネル312と送信パケットチャンネル314をまとめて、「媒体非依存インターフェース(MII)チャンネル」と称する。
[0020]重要なことに、PTSシステム300は受動タップユニット316及び待ち時間推定量フィルター(LEF)360をさらに含む。受動タップユニット316は、MIIチャンネルを通って流れるネットワークトラフィックをモニタするように構成されるパケットタイムスタンプエンジンである。各パケットが通過する度に、受動タップユニット316はMIIチャンネルを通って流れるデータを分析して、着信パケット302がNTPアプリケーション340に関係が有るか無いか(すなわち、着信パケット302がNTPパケットか否か)を判定する。関係するようであれば、矢印319で示すように、受動タップユニット316はハードウェアクロック350をトリガーして到着時刻Trxをラッチするように構成される。同様に、受動タップユニット316がNTPアプリケーション340によって生成された発信パケット304を検出した場合、矢印318で示すように、受動タップユニット316はハードウェアクロック350をトリガーして発出時刻Ttxをラッチする。MIIチャンネルを通って流れるネットワークトラフィックをモニタすること、及びハードウェアクロック350において時刻ラッチをトリガーすること、を含む受動タップユニット316などのパケットタイムスタンプエンジンの機能性は、ハードウェア又はソフトウェアのいずれにおいても実現可能である。ハードウェア実装の例は2001年4月17日に出願され、「Precise Network Time Transfer」と題された米国特許第6985499号(本明細書に参照により組み込まれている)に見ることができる。当業者は、様々な実施形態でこの受動タップ316及びハードウェアクロック350が同一のモジュール上/内に又は様々なモジュール上/内に配置可能であることを理解するであろう。
[0021]LEF360は、ラッチされた発出時刻Ttxをハードウェアクロック350から取得し、図5に示す方法ステップを実行して修正項kを計算するよう構成される。修正項kは、NTPアプリケーション340とEthernet PHY310間を移動する間にNTPパケットが被る遅延を計上するよう意図された精密NTPサーバを経由する伝送待ち時間の推定値である。各NTPクライアント/サーバ間のパケット交換後、LEF360は次の伝送遅延に対する最適推定値を維持するために修正項kの値を更新する。PTSシステム300は、ラッチされた到着時刻Trx及びLEF360によって計算された最新の修正項kを用いて、図4に示す方法ステップを実行し、タイムスタンプT及びTのより正確且つ安定した時刻計測値を生成する。
[0022]図4は、本発明の一実施形態による、図3のPTSシステム300によって実行される方法ステップの流れ図を示す。方法ステップは図3のシステムと併せて説明されているが、当業者は、方法ステップを順不同で実行するいかなるシステムも本発明の範囲内にあることを理解するであろう。
[0023]方法はステップ402から始まり、ここでPTSシステム300は伝送待ち時間の配列中の要素をゼロに設定することによってLEF360を初期化する。代替実施形態では、伝送待ち時間の配列中の要素は他の所定のいくつかの値に設定されてよい。ステップ404で、受動タップユニット316は、NTPパケットである新しい着信パケット302の有無を判定する。新しいNTPパケットが無い場合、方法はステップ405に進み、ここでPTSシステム300は次の新しいパケットが到着するまで待機する。方法はステップ405からステップ404に戻る。
[0024]ステップ404で受動タップユニット316が、新しい着信パケット302がNTPパケットであると判定した場合は、方法はステップ406に進み、ここで受動タップユニット316は、ハードウェアクロック350をトリガーして到着時刻Trxをラッチする。着信パケット302が、Ethernet MAC320及びO/Sサービス330を通過するのに伴って、方法はステップ408に進み、ここで着信パケット302はNTPアプリケーション340で受け取られる。着信パケット302が到着したことをNTPアプリケーション340が認識すると、方法はステップ410に進み、ここでNTPアプリケーション340は図3の矢印342で示すように、ハードウェアクロック350にラッチされた到着時刻Trxを要求する。図3の矢印344で示すように、要求したラッチ済み到着時刻TrxをNTPアプリケーション340が取得した後、方法はステップ412に進む。ステップ412で、NTPアプリケーション340はTrxに等しい値を有するタイムスタンプTを着信パケット302に挿入する。タイムスタンプTを判定するこの手法は、ハードウェアクロック150にタイムスタンプトリガー142を送出すると、NTPアプリケーション140が着信パケット102が実際に到着した過去における瞬間を表す時刻値ではなく現在時刻値を受け取る典型的なNTPシステム100での操作の方法とは全く異なることに留意されたい。
[0025]ステップ414で、NTPアプリケーション340は着信パケット302に対する応答パケットを生成する。応答パケットはまだ送信されていないので、ハードウェアクロック350から受け取り可能な、対応する送信情報は無い。ステップ416において、図3の矢印346で示すように、NTPアプリケーション340はハードウェアクロック350に現在時刻Tcurrentを要求する。図3の矢印348で示すように、要求した現在時刻TcurrentをNTPアプリケーション340が取得した後、方法はステップ418に進む。ステップ418で、NTPアプリケーション340はLEF360に修正項kを要求する。図3の矢印362は、LEF360がNTPアプリケーション340に修正項kを送出していることを示す。ステップ420で、NTPアプリケーション340はハードウェアクロック350から得られたTcurrentの値に、精密NTPサーバを経由する伝送待ち時間の推定値である修正項kを加算し、その計算結果をタイムスタンプTとして応答パケットに挿入する。タイムスタンプTはさらにLEF360に送られる。
[0026]ステップ422で、NTPアプリケーション340は、タイムスタンプTを有する応答パケットを発信パケット304としてアウトバウンドキューに置く。発信パケット304がO/Sサービス330、Ethernet MAC320を通過して受動タップユニット316により検出されると、方法はステップ424に進む。ステップ424で、受動タップユニット316はハードウェアクロック350をトリガーして実際の発出時刻Ttxをラッチする。次いで、方法はステップ426に進み、ここで図3の矢印352で示すように、ハードウェアクロック350はLEF360に実際の発出時刻Ttxの値を供給する。次いでステップ428で、LEF360は、図5でより詳細に説明する方法ステップを実行し、更新された値を計算して修正項kを得る。次いで、方法は上記のようにステップ404に進む。
[0027]図5は、本発明の一実施形態による、図3のLEF(待ち時間推定量フィルター)360によって実行される方法ステップの流れ図を示す。方法ステップは、ここでも図3のシステムと併せて説明されているが、当業者はこの方法ステップを順不同で実行するいかなるシステムも本発明の範囲内にあることを理解するであろう。
[0028]LEF360は、修正項更新の際にジッターを軽減するようになされている。これは、最も新しいエントリーが最も古いエントリーを配列から追い出して、伝送待ち時間の小さい配列を維持することによって実現される。この配列は{μ,μi−1,μi−2,…,μi−N}、と表示されることが可能であり、ここでN+1は配列中の要素の数である。一実施形態では、配列は要素を2つのみ含むことができ、このケースではNは1に等しい。
[0029]方法はステップ502から始まり、ここで図4のステップ402で示すように、PTSシステム300は伝送待ち時間の配列中の要素の値をゼロに設定することでLEF360を初期化する。代替実施形態で、伝送待ち時間の配列中の変数は他のいくつかの所定の値に設定されてよい。ステップ504では、LEF360はNTPアプリケーション340により与えられる新しいタイムスタンプTの有無を判定する。新しいタイムスタンプTが無い場合、方法はステップ505に進み、ここでLEF360は一定の時間待機する。方法はステップ505からステップ504に戻る。
[0030]ステップ504で、LEF360が新しいタイムスタンプTが有る(図3の矢印349で示すように)と判定した場合、方法はステップ506に進み、ここでLEF360は古いタイムスタンプTを捨てる。次いで、方法はステップ508に進み、ここでLEF360はNTPアプリケーション340から得られた新しいタイムスタンプT、及びハードウェアクロック350により与えられた実際の発出時刻Ttxの値をロードする。次いで、方法はステップ510に進む。
[0031]ステップ510で、LEF360はLEFアルゴリズムのステップを実行して伝送待ち時間の配列をソートし、修正項kの次の値として最小値を選択する。一実施形態で、上で定義した変数を用いると、LEFアルゴリズムのステップ510は次のようになる。
ステップ 1:μi−1=μ (配列を1つだけ繰り下げる)
ステップ 2:μ=Ttx−T (伝送待ち時間を更新する)
ステップ 3:k=min(μi−1,μ) (修正項に対する新しい値を計算する)
[0032]LEFアルゴリズムのステップを実行した結果として、ステップ512で、LEF360は、精密NTPサーバを経由する伝送待ち時間の推定値を表す修正項kに対する更新された値を生成する。更新された修正項kは記憶され、続いて図4に示すように応答パケットに対する次の送信タイムスタンプTを計算するために使用される。当業者は、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく、修正項kの最適推定値を計算するための別のアルゴリズムも活用されてよいことを理解するであろう。この実施形態に提示されたLEFアルゴリズムは、コンピュータによる効率的な操作の構成要素である。方法はステップ512から上記のステップ502に戻る。
[0033]図6は、本発明の1つ又は複数の態様を実行するように構成された精密NTPサーバ600の概念図である。図のように、精密NTPサーバ600は、中央処理装置(CPU)610、ネットワークインターフェース620、及びPTSシステム300(ハードウェアクロック350をさらに含む)を限定することなく含む。ネットワークインターフェース620はPTSシステム300とパケットをやりとりし、このPTSシステム300はCPU610と通信し、送受信タイムスタンプT及びTを確立するために本明細書に示す方法ステップを実行する。
[0034]本発明によって、精密NTPサーバは、
−MIIチャンネルを通って流れるネットワークトラフィックをモニタし、精密NTPサーバを経由する伝送待ち時間を計算し、ハードウェアクロックによりラッチされた到着時刻に基づいて、着信NTPパケットに受信タイムスタンプTを挿入し、発信NTPパケットが被ると予想される伝送待ち時間に対する推定値に基づいて、発信NTPパケットに送信タイムスタンプTを挿入し、
・外部環境と精密タイムスタンプサービス(PTS)システムの物理層との間の境界を着信パケットが越えた直後に、精密NTPクライアントから着信パケットを検出するステップと、
・ハードウェアクロックにおいて時刻ラッチをトリガーして、着信パケットの到着時刻を一時的に記録するステップと、
・ラッチされた到着時刻をハードウェアクロックから検索し、そのラッチされた到着時刻に等しい受信タイムスタンプTを着信パケットに挿入するステップと、
・ハードウェアクロックに現在時刻を、待ち時間推定量フィルターに伝送待ち時間の最新推定値を要求し、発信パケットがPTSシステムの物理層と外部環境間の境界を実際に越える前に現在時刻と伝送待ち時間最新推定値との合計に等しい送信タイムスタンプTを発信パケットに挿入するステップと、
・発信パケットが物理層と外部環境間の境界を越える直前に、その発信パケットを検出するステップと、
・ハードウェアクロックにおいて時刻ラッチをトリガーして、発信パケットの発出時刻を一時的に記録するステップと、
・ソフトウェアにより計算された送信タイムスタンプ値と実際に計測された送信タイムスタンプとの間のオフセットを計算することにより、伝送待ち時間の推定値を更新し、その差分をフィルタリングして伝送待ち時間の次の推定値として、伝送待ち時間の最小値を選択するステップと
を実行することによって、各NTPクライアント/サーバ間でのパケット交換後の伝送待ち時間の推定値を更新し、
−精密NTPサーバの内外へのNTPパケットの移動について、従来技術の方法と比較して、より正確且つ安定した計測を行うこと、
が可能になる。
[0035]開示したシステム及び方法の一利点は、現行のNTP標準に準拠する他のサーバ及びクライアントと相互作用の非互換性を生じさせるリスクなしに、大幅に向上したタイムスタンプ機能制御を既存のNTPサーバ内で実現できる点である。開示した精密タイムスタンプサービス(PTS)システムは、ハードウェアに実装され、NTPパケットを認識するように構成されたパケットタイムスタンプエンジンを含む。開示したPTSシステムは、NTPサーバ内の様々なソフトウェア層を経由する伝送待ち時間の推定値を計算するように構成された待ち時間推定量フィルターをさらに含む。重要なことに、開示した方法は、現行のNTP標準との互換性を保持する形でパケットタイムスタンプエンジン及び待ち時間推定量フィルターを活用するステップを含む。このようなやり方で、到着時刻及び発出時刻をハードウェアによって検出及び登録し、これにより高精度を達成し、デバイスドライバ、ネットワークスタック、オペレーティングシステム等に関連する不確実性を回避する。結果として、より正確且つ安定したNTPサーバタイムスタンプをNTPクライアントに提供する。
[0036]本発明の一実施形態は、コンピュータシステムと共に使用するためにプログラム製品として実装される。プログラム製品のプログラムは実施形態の機能(本明細書に示す方法を含む)を定義し、様々なコンピュータ可読記憶媒体に収められてよい。例示的コンピュータ可読記憶媒体は、(i)情報が永久にその上に記憶される書き込み可能でない記憶媒体(例えば、CD−ROMドライブで読み取り可能なCD−ROMディスクなどのコンピュータ内部の読み取り専用メモリ装置)、(ii)変更可能な情報を格納する書き込み可能記憶媒体(例えば、ディスケットドライブ内のフロッピーディスク又はハードディスクドライブ)を含むが、これらに限定されない。このようなコンピュータ可読記憶媒体は、本発明の機能に指令するコンピュータ可読指令を含む場合、本発明の実施形態である。
[0037]他の媒体は、無線通信網を含むコンピュータ網又は電話網を通るなど、情報が通ってコンピュータに運ばれる通信媒体を含む。後者の実施形態は、インターネット及び他のネットワークへ、またインターネット及び他のネットワークから情報を伝送することを特に含む。このような通信媒体は、本発明の機能に導くコンピュータ可読指令を含む場合、本発明の実施形態である。
[0038]前文は本発明の実施形態を導くものであるが、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく、本発明のさらに他の実施形態が考案可能である。

Claims (20)

  1. 発信パケットに挿入すべき送信タイムスタンプを、ネットワークタイムプロトコル(NTP)サーバにより確立する方法であって、
    待ち時間推定量フィルター(LEF)を初期化するステップと、
    前記発信パケットを生成するステップと、
    前記NTPサーバ内のハードウェアクロックに現在時刻を要求するステップと、
    前記LEFに、外部環境との境界を越える前に各種ソフトウェア層を通過する発信パケットに関連付けられる伝送待ち時間の推定値である修正項を要求するステップと、
    前記送信タイムスタンプとして、前記発信パケットに前記現在時刻と前記修正項との合計を挿入するステップと、
    前記LEFに前記送信タイムスタンプを与えるステップと、
    アウトバウンドキューに前記送信タイムスタンプを有する前記発信パケットを置くステップと、
    媒体非依存インターフェース(MII)チャンネルを通って流れるネットワークトラフィックをモニタして、前記発信パケットを検出するステップと、
    前記ハードウェアクロックをトリガーして、検出された前記発信パケットの発出時刻をラッチするステップと、
    前記LEFに、ラッチされた前記発出時刻を与えるステップと、
    LEFアルゴリズムのステップを実行して、前記送信タイムスタンプとラッチされた前記発出時刻との間のオフセットを計算することにより前記修正項を更新し、次の前記発信パケット内により正確な送信タイムスタンプを取得するステップと、
    更新された前記修正項を記憶し、更新された前記修正項を用いて次の発信パケットに前記送信タイムスタンプを挿入するステップと
    を含む方法。
  2. 前記LEFは、ゼロに等しい伝送待ち時間の配列の要素を設定することにより、又は所定の値に等しい伝送待ち時間の前記配列の前記要素を設定することにより、初期化される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記発信パケットはNTPクライアントからの着信パケットへの応答として生成される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記LEFアルゴリズムは、
    ステップ1:伝送待ち時間の配列の要素を1つだけ繰り下げる(μi−1=μ)、
    ステップ2:最新の伝送待ち時間を更新する(μ=Ttx−T)、及び、
    ステップ3:修正項に対する新しい値を計算する(k=min(μi−1,μ))
    を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 着信パケットに挿入すべき受信タイムスタンプを、前記NTPサーバにより確立するためのステップをさらに含み、このステップが、
    前記MIIチャンネルを通って流れるネットワークトラフィックをモニタして、NTPクライアントからの着信パケットを検出するステップと、
    前記ハードウェアクロックをトリガーして、検出された前記着信パケットの到着時刻をラッチするステップと、
    前記受信タイムスタンプとして前記着信パケットに、ラッチされた前記到着時刻を挿入するステップと
    を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 発信パケットに送信タイムスタンプを挿入するように構成された精密タイムスタンプサービス(PTS)システムであって、
    Ethernet PHYに関連付けられた物理層と、
    Ethernetメディアアクセスコントローラ(MAC)と、
    前記Ethernet PHY及び前記Ethernet MACを接続する媒体非依存インターフェース(MII)チャンネルと、
    オペレーティングシステム(O/S)サービスと、
    現在時刻を与え前記発信パケットの発出時刻をラッチするように構成されたハードウェアクロックと、
    初期化されるように構成され、LEFアルゴリズムのステップを実行して、修正項を記憶し、前記送信タイムスタンプと前記ハードウェアクロックによりラッチされた発出時刻との間のオフセットを計算することによってこの修正項を更新し、次の発信パケット内により正確な送信タイムスタンプを取得するように構成された待ち時間推定量フィルター(LEF)と、
    ネットワークタイムプロトコル(NTP)アプリケーションと、
    受動タップユニットと
    を備え、
    前記NTPアプリケーションが
    前記発信パケットを生成し、
    ハードウェアクロックに現在時刻を要求し、
    前記LEFに、前記物理層と外部環境との境界を越える前に各種ソフトウェア層を通過する発信パケットに関連付けられる伝送待ち時間の推定値である前記修正項を要求し、
    前記送信タイムスタンプとして、前記発信パケットに前記現在時刻と前記修正項との合計を挿入し、
    前記LEFに前記送信タイムスタンプを与え、
    アウトバウンドキューに前記送信タイムスタンプを有する前記発信パケットを置く
    ように構成され、
    前記受動タップユニットが、
    前記MIIチャンネルを通って流れるネットワークトラフィックをモニタして前記発信パケットを検出し、
    前記ハードウェアクロックをトリガーして、検出された前記発信パケットの前記発出時刻をラッチし、
    前記LEFに、ラッチされた前記発出時刻を与える
    ように構成されている、システム。
  7. 前記LEFは、ゼロに等しい伝送待ち時間の配列の要素を設定することにより、又は所定の値に等しい伝送待ち時間の前記配列の前記要素を設定することにより、初期化される、請求項6に記載のシステム。
  8. 前記発信パケットはNTPクライアントからの着信パケットへの応答として生成される、請求項6に記載のシステム。
  9. 前記LEFアルゴリズムは、
    ステップ1:伝送待ち時間の配列の要素を1つだけ繰り下げる(μi−1=μ)、
    ステップ2:最新の伝送待ち時間を更新する(μ=Ttx−T)、及び
    ステップ3:前記修正項に対する新しい値を計算する(k=min(μi−1,μ))
    を備える、請求項6に記載のシステム。
  10. 着信パケットに挿入すべき受信タイムスタンプを、前記PTSシステムにより確立するためのステップをさらに含み、このステップが、
    前記MIIチャンネルを通って流れるネットワークトラフィックをモニタして、NTPクライアントからの着信パケットを検出するステップと、
    前記ハードウェアクロックをトリガーして、検出された前記着信パケットの到着時刻をラッチするステップと、
    前記受信タイムスタンプとして前記着信パケットに、ラッチされた前記到着時刻を挿入するステップと
    をさらに備える、請求項6に記載のシステム。
  11. 発信パケットに送信タイムスタンプを挿入するように構成された精密ネットワークタイムプロトコル(NTP)サーバであって、
    中央処理装置(CPU)と、
    ネットワークインターフェースと、
    現在時刻を与え前記発信パケットの発出時刻をラッチするように構成された、ハードウェアクロックを有する精密タイムスタンプサービス(PTS)システムと
    を備えており、
    前記PTSシステムは、
    Ethernet PHYに関連付けられた物理層と、
    Ethernetメディアアクセスコントローラ(MAC)と、
    前記Ethernet PHY及び前記Ethernet MACを接続する媒体非依存インターフェース(MII)チャンネルと、
    オペレーティングシステム(O/S)サービスと、
    初期化されるように構成され、LEFアルゴリズムのステップを実行して、前記送信タイムスタンプと前記ハードウェアクロックによりラッチされた発出時刻との間のオフセットを計算することによって修正項を更新し、次の発信パケット内により正確な送信タイムスタンプを取得するように構成された待ち時間推定量フィルター(LEF)と、
    ネットワークタイムプロトコル(NTP)アプリケーションと、
    受動タップユニットと
    を備え、
    前記NTPアプリケーションが、
    前記発信パケットを生成し、
    ハードウェアクロックに現在時刻を要求し、
    前記LEFに、前記物理層と外部環境との境界を越える前に各種ソフトウェア層を通過する前記発信パケットに関連付けられる伝送待ち時間の推定値である前記修正項を要求し、
    前記送信タイムスタンプとして、前記発信パケットに前記現在時刻と前記修正項との合計を挿入し、
    前記LEFに前記送信タイムスタンプを与え、
    アウトバウンドキューに前記送信タイムスタンプを有する前記発信パケットを置く
    ように構成され、
    前記受動タップユニットが、
    前記MIIチャンネルを通って流れるネットワークトラフィックをモニタして前記発信パケットを検出し、
    前記ハードウェアクロックをトリガーして、検出された前記発信パケットの前記発出時刻をラッチし、
    前記LEFに、ラッチされた前記発出時刻を与える
    ように構成されている、サーバ。
  12. 前記LEFは、ゼロに等しい伝送待ち時間の配列の要素を設定することにより、又は所定の値に等しい伝送待ち時間の前記配列の前記要素を設定することにより、初期化される、請求項11に記載のシステム。
  13. 前記発信パケットはNTPクライアントからの着信パケットへの応答として生成される、請求項11に記載のシステム。
  14. 前記LEFアルゴリズムは、
    ステップ1:伝送待ち時間の配列の要素を1つだけ繰り下げる(μi−1=μ)、
    ステップ2:最新の伝送待ち時間を更新する(μ=Ttx−T)、及び
    ステップ3:前記修正項に対する新しい値を計算する(k=min(μi−1,μ))
    を備える、請求項11に記載のシステム。
  15. 着信パケットに挿入すべき受信タイムスタンプを、前記PTSシステムにより確立するためのステップをさらに含み、このステップが、
    前記MIIチャンネルを通って流れるネットワークトラフィックをモニタして、NTPクライアントからの着信パケットを検出するステップと、
    前記ハードウェアクロックをトリガーして、検出された前記着信パケットの到着時刻をラッチするステップと、
    前記受信タイムスタンプとして前記着信パケットに、ラッチされた前記到着時刻を挿入するステップと
    をさらに備える、請求項11に記載のシステム。
  16. 待ち時間推定量フィルター(LEF)を初期化するステップと、
    発信パケットを生成するステップと、
    ネットワークタイムプロトコル(NTP)サーバ内のハードウェアクロックに現在時刻を要求するステップと、
    前記LEFに、外部環境との境界を越える前に各種ソフトウェア層を通過する発信パケットに関連付けられる伝送待ち時間の推定値である修正項を要求するステップと、
    送信タイムスタンプとして前記発信パケットに、前記現在時刻と前記修正項との合計を挿入するステップと、
    前記LEFに前記送信タイムスタンプを与えるステップと、
    アウトバウンドキューに前記送信タイムスタンプを有する前記発信パケットを置くステップと、
    媒体非依存インターフェース(MII)チャンネルを通って流れるネットワークトラフィックをモニタして、前記発信パケットを検出するステップと、
    前記ハードウェアクロックをトリガーして、検出された前記発信パケットの発出時刻をラッチするステップと、
    前記LEFに、ラッチされた前記発出時刻を与えるステップと、
    LEFアルゴリズムのステップを実行して、前記送信タイムスタンプとラッチされた前記発出時刻との間のオフセットを計算することにより前記修正項を更新して、次の前記発信パケット内により正確な送信タイムスタンプを取得するステップと、
    更新された前記修正項を記憶し、更新された前記修正項を用いて次の発信パケットに前記送信タイムスタンプを挿入するステップと
    を実行するように前記ネットワークタイムプロトコル(NTP)サーバを制御するための命令を有する、コンピュータ可読記憶媒体。
  17. 前記LEFは、ゼロに等しい伝送待ち時間の配列の要素を設定することにより、又は所定の値に等しい伝送待ち時間の前記配列の前記要素を設定することにより、初期化される、請求項16に記載のシステム。
  18. 前記発信パケットはNTPクライアントからの着信パケットへの応答として生成される、請求項16に記載のシステム。
  19. 前記LEFアルゴリズムは、
    ステップ1:伝送待ち時間の配列の要素を1つだけ繰り下げる(μi−1=μ)、
    ステップ2:最新の伝送待ち時間を更新する(μ=Ttx−T)、
    ステップ3:修正項に対する新しい値を計算する(k=min(μi−1,μ))
    を備える、請求項16に記載のシステム。
  20. 着信パケットに挿入すべき受信タイムスタンプを、前記PTSシステムにより確立するためのステップをさらに含み、このステップが、
    前記MIIチャンネルを通って流れるネットワークトラフィックをモニタしてNTPクライアントからの着信パケットを検出するステップと、
    前記ハードウェアクロックをトリガーして、検出された前記着信パケットの到着時刻をラッチするステップと、
    前記受信タイムスタンプとして前記着信パケットに、ラッチされた前記到着時刻を挿入するステップと
    をさらに備える、請求項16に記載のシステム。
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