JP2009533373A - タンパク質の持続放出のためのゾルゲル誘導シリカポリマー - Google Patents
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Abstract
巨大分子の生理活性を有する化合物、より具体的には、薬学的な用途を有するタンパク質の封入および持続放出のための、ゾルゲル技術によって得られた湿潤シリカに基づいたポリマーの使用を開示する。ウェットゲルの剤型は、アルコキシシラン溶液とゲル化触媒と生物学的に活性を有する主成分の緩衝水溶液とを混合するステップと、その後、成形前または成形後に水溶媒を部分的にまたは完全に除去することなく、こうして得た混合物を適切な容器中に成形するステップとを含む方法によって得られる。次いで、ゲルの湿潤状態を保存するために、成形後に容器を密閉する。次いで、シリカのウェットゲルの剤型を水または生理的水溶液と混合することによる調製済み注射用溶液の製造のために、このウェットゲルの剤型を使用することができる。
Description
本発明は、生理活性化合物の製剤化の分野に関する。より具体的には、本発明は、巨大分子の生理活性を有する化合物、より具体的には、薬学的な用途を有するタンパク質の封入および持続放出のための、ゾルゲル技術によって得られた湿潤シリカに基づいたポリマーの使用に関する。
最近開発された組換えDNA技術のおかげで、タンパク質を大規模に入手できるようになり、このクラスの生理活性化合物を、強力な薬物分子として開発することが可能になった。タンパク質が示す利点にもかかわらず、このクラスの化合物の治療への使用は、通例、投与後の乏しい生物学的利用率によって阻まれている。乏しい生物学的利用率の原因は、a)低い膜透過性;b)化学的不安定性;c)潜在的な免疫反応性および免疫系による不活性化の危険;d)i.v.投与後の急速な腎クリアランス(タンパク質のMWが、腎臓によるろ過の閾値である60kDa未満である場合)である。
したがって、タンパク質化合物の治療剤としての潜在性を十分に利用するためには、上記に記載した問題に取り組むことによって、タンパク質の生物学的利用率を改善することを目指す製剤化戦略が要求される。
まさに、現在、いくつかの戦略が研究されており、なかでも、いわゆる「担体システム」、すなわち、リポソーム、ナノ粒子および微小粒子、または生体適合性ポリマーを用いた共有結合性の修飾が使用されている。
これらのシステム(デリバリーシステム)の全てで、タンパク質は、ポリマー(インプラント、ナノ粒子または微小粒子)を用いて、または低分子の脂質実体(リポソーム)の自己集合によって得られる高分子量の集合体中に挿入される。集合体の種類とは無関係に、これらのシステムは全て、包埋したタンパク質を、分解および免疫系による認識から保護し、場合によっては、投与頻度を減らす目的で、投与後の長期の放出を提供することを意図する。
通例、これらのデリバリーシステムは、非経口投与され、したがって、その成分に対する基本的要件は、分子全体および(それが分解する場合には)分解産物の両方に局所毒性および全身毒性がないこと、生体適合性、ならびに挿入するタンパク質との適合性である。その他の望ましい特性は、生分解性、包埋したタンパク質の安定性を改善する能力、放出特性に関する優れた多様性、および低コストである。こうした適用のために最も一般的に利用されるポリマーは、有機系ポリマー(PLA、PLGA、ポリエステル)、または無機と有機とのハイブリッド型のポリマー(シリコーン、ホスファゼン)である。最近になってようやく、いくつかの無機材料(リン酸カルシウム−ヒドロキシアパタイト−および生体活性ガラス)が、生理活性を有する薬剤の放出制御のためのポリマーとして研究されるようになった(非特許文献1参照)。元々、そのような材料は、骨内インプラントのための生体適合性および生理活性を有する注入剤として導入されている。より最近になって、それらは、低分子量薬物およびタンパク質薬物をインプラントの部位に送達する目的を有する、そのような生理活性化合物のための担体システムとしてもまた提案されるようになった。
ゾルゲル技術によって得られるシリカゲルは、無機の無定形のポリマーであり、これは、液体のアルコキシシラン前駆体を制御しながら加水分解および縮合して生成する(非特許文献2参照)。最も一般的な前駆体は、テトラエトキシ−およびテトラメトキシ−シラン(TEOSおよびTMOS)であり、それらはいずれも、純粋なSiO2ポリマーをもたらす。テトラアルコキシシラン前駆体の一部をモノ有機置換トリアルコキシシランで置換することによって、ある程度の有機置換を、無機シリカのネットワーク中に挿入することができる。液体の前駆体の加水分解および縮合によって、重合が生じる。この加水分解および縮合は、化学量論量の水の存在下で、酸触媒または塩基触媒によって引き起こされる。最初に、シリカのオリゴマーのクラスターからなるコロイド溶液が形成され、後の段階で、これらの初期のクラスターの成長によってゲル化が生じる(図1)。加水分解および縮合の相対的な速度は、いくつかのパラメーターによって左右され、最も重要なパラメーターは、水の量、触媒の種類および濃度、ならびに前駆体の濃度である。したがって、これらのパラメーターのいずれもが、ポリマーの最終的なネットワークの内部構造、およびその結果として、最終的な特性に影響し得る。重合の後には、ゲルが、最初の前駆体の溶液と同一の体積を占め、重合したシリカのネットワーク(ウェットゲル)は、溶媒、すなわち、水およびアルコール(脱離基)によって囲まれる。これらの溶媒は、後に、周囲条件または超臨界条件のいずれかにおける蒸発によって除去され、それぞれ、いわゆるキセロゲルおよびエアロゲルを生じる。キセロゲルの調製の間に溶媒の蒸発によって生じた毛細管力が、ウェットゲルの圧縮を引き起こし、それに続いて、亀裂および体積の減少をもたらす。他方、超臨界条件で乾燥を行うと、昇華によって溶媒の除去が起こるので、毛細管による圧縮の力は発生せず、したがって、最終的なエアロゲルは、エアロゲルを誘導したウェットゲルと同一の体積を維持する。
ゾルゲル誘導シリカポリマーは、異なるコンフォメーションおよび形状に成形することができる。フィルム、マトリックスおよびミクロスフェアが、文献に記載されている。SiO2の高温における融合によって得られるガラスとは異なり、ゾルゲル合成は、温度およびpHに関しては、温和な条件で行われ、このことは、大部分の生理活性化合物の安定性に適合する。
生理活性化合物を、アルコキシシラン前駆体の最初の溶液中に導入すると、生理活性化合物は、後に、最終的な重合されたシリカのネットワーク内に物理的に捕捉されるようになる。
ゾルゲルシリカポリマーは、最初は、工学的な適用に向けて、大部分、異なる特性を有する被膜を堆積させるために開発された。より最近になって、この材料が、生理活性化合物の封入に関して研究されるようになり、いくつかの生物医学的な用途を有する。
これらのシステムの主たる適用例は、薬学的な分野において存在し、徐放システムを得る目的で、低分子量の薬物が、ゾルゲル誘導キセロゲル中に封入されている(非特許文献3;Unger, K., H. Kramerらの特許文献1参照)。同様に、Bottcher Hら(非特許文献4を参照)およびKortesuo Pら(非特許文献5および非特許文献6参照)が報告しているように、最終的には経口投与または局所的に非経口投与する目的で、ホルモン、抗生物質および抗癌剤がキセロゲル中に封入されている。また、これらの論争では、シリカに基づいたポリマーの埋込み時の無毒性および生体侵食性も実証されている(非特許文献7および非特許文献8参照)。
その他の適用例は、環境中での長期の放出のための低分子量の揮発性化合物の封入、または化粧品製剤中で使用する微小粒子のコンフォメーション中に得られるゾルゲル誘導シリカポリマー内への日光フィルターの固定化(Lapidot Nらの特許文献2参照)を含む。
また、低分子量化合物の持続放出は、乳化の手順によって得られた微小粒子の形状のポリマーの成形品からも実証された(Barbe C.らの特許文献3参照)。
(異なる分子量、例えば、14kDaの未分画へパリンおよび約3〜5kDaの低分子量の分画を有する)へパリン等の高分子量の非タンパク質化合物が、持続放出の適用のために、シリカに基づいたポリマー中に封入されている。非経口投与後の持続放出のためのヘパリンの固定化を記載する報告はいずれも、特異的に乾燥ゲル(キセロゲル)の使用に言及している点は留意するに値する。(Ahola M.らの特許文献4;非特許文献9参照)。湿潤状態および乾燥状態でのコンフォメーションの両方においてシリカポリマーが紫外線および可視光に対して透明であることから、封入されたタンパク質の構造的なコンフォメーションを古典的な分光学的手段によって研究するために、タンパク質のシリカゲルおよびキセロゲル中への封入が進んで利用されている(非特許文献10;非特許文献11参照)。
シリカゲル中に封入されたタンパク質は、通常、その構造的および機能的な特性を維持し、その折り畳みは、封入によって実質的に影響されない。さらに、タンパク質の安定性が、一般に、シリカゲル中での固定化後に増加することが見出された(非特許文献12;非特許文献13;非特許文献14;非特許文献15参照)。したがって、特許文献5は、生理活性を有する一般的な巨大分子の全てのクラスのゾルゲル誘導シリカポリマー中への固定化を記載しており、これらの分子の生理活性は、封入された分子がゲルから浸出するはずがないという事実を特徴とする固定化シリカシステム中で発揮される。
特許文献6および特許文献7は、古典的なアルコキシシランのゾルゲルの経路とは異なる、二酸化ケイ素とアルカリ性の溶液とから調製したシリカゲル中への生体分子の固定化を記載している。さらに、この適用例は、生体分子の物理的な封入が必要となる場合に限られる。
タンパク質、酵素、抗体をはじめとする、多種多様な生体分子、および細胞全体でさえもが、シリカのゾルゲル製剤中に包埋すると、ポリマーのネットワーク内に実質的に永続的に封入され、漏出しないことが一般に受け入れられている(非特許文献16;非特許文献17参照)。
したがって、ゾルゲル技術は、タンパク質の固定化のための代替の手段として一般に使用され、こうしたタンパク質の固定化は、例えば、アフィニティークロマトグラフィーのバイオリアクターおよびバイオセンサー等の固定化タンパク質システムに関する全ての既知の適用例を有する(非特許文献17参照)。タンパク質をゾルゲルシリカポリマー中へ封入しても、漏出の心配がないという共通の知識にもかかわらず、Ducheyneらは、シリカに封入したタンパク質の緩慢な放出を報告し、この現象を、生物医学的な適用例について、キセロゲルおよび部分的に乾燥したゲル中に封入した約3.3kDaの三環系グリセロペプチド(バンコマイシン)、約21.5kDaのモデルタンパク質(トリプシン阻害剤)、および約25kDaの非常に強力なサイトカイン(TGF−ベータ)を調査することによって研究した(Ducheyne P.らの特許文献8、特許文献9および特許文献10参照)。この乾燥ゲルの製剤は、カルシウム塩の使用および乾燥ステップを特異的に含む。in vitroでの調査の結果は、Nicoll SBら(非特許文献18参照)およびSantos EMら(非特許文献19参照)が報告しているように、低分子量化合物であるバンコマイシンのみが放出され、その全体的な回収率は、約50%から100%に及び、一方、固定化した、より高分子量のタンパク質はいずれも、緩慢に放出され、それらの全体的な回収率は、非常に低く(5%未満)、このアプローチでは、治療用タンパク質のための制御デリバリーシステムとして薬学的に使用するには、実用的な利益がないことを実証した。
したがって、本発明までは、タンパク質の分野では、シリカポリマーのゾルゲル技術は、生体触媒、バイオセンサー、診断用のおよび電子工学的な道具としての適用のために、異なるタンパク質を封入および不可逆的に固定化する場合にのみ適用されていた(非特許文献17参照)。
未だかつて探索されたことのないゾルゲルシリカポリマーの形態を使用した、治療上の利益があるタンパク質の封入および持続放出は、思いがけなく発見され、ここに、本発明の主たる目的として記載する。以前の知識に反して、我々は、驚くべきことに、当技術分野で知られているゾルゲル法のうちのいずれかに従って調製したシリカゲルを、溶媒を除去せずに湿潤形態に維持する(図1)と、in vitroにおいても、in vivoでの治療的適用においても、封入された生物学的巨大分子の放出制御のための都合のよい方法を提供することが見出された。
本発明の目的であるゾルゲルシリカポリマーは、公開されている手順に従って、塩基性または酸性の触媒によって加速される、液体のアルコキシシランの加水分解および縮合によって調製する。最も一般的な前駆体は、テトラメトキシシラン(TMOS)およびテトラエトキシシラン(TEOS)であり、いずれかのその他のテトラアルコキシシラン、例えば、ジグリセロキシシラン(DGS)もまた使用することができる(非特許文献20;非特許文献21参照)。
文献に記載されているゾルゲルシリカポリマーは、最も一般的には、乾燥形態で使用され、これは、重合過程から生じた水および有機溶媒を、蒸発または昇華によって除去した後に得られる。蒸発による溶媒の除去は、シリカポリマーの不可逆的なシネレシスを起こし、シリカのネットワークの相互連結を増加させる。
本発明の範囲内では、意図的に、ポリマーを、湿潤形態に維持および使用し、ゲルの調製の間または使用前のいずれの時期にも、乾燥ステップを全く行わない。必要であれば、有機溶媒を水溶液と交換し、交換は、その後の洗浄ステップを通して、拡散制御機構によって促進される。
本発明の特定の目的では、上記に記載した手順に従って得た湿潤シリカポリマーに、巨大分子の生理活性化合物を包埋し、これを溶液に浸漬した場合または体内への埋込みもしくは投与の際に、そうした分子の放出を制御することを目指す。生理活性化合物は、重合の間にシリカゲルの内部に包埋させ、埋包は、適切な溶媒中に溶解させた生理活性化合物を、アルコキシシラン前駆体に、これがまだ液体の形態である間に添加することによって行う。重合は、水/アルコールの混合環境中で、生体分子の安定性要件またはゲル構造要件によって決定されるpHにおいて行う(例えば、重合を、シリカの等電点付近で行うと、得られたポリマーは、より相互連結している)。
したがって、本発明の目的は、シリカのウェットゲルの剤型を調製するための方法となり、これは、アルコキシシラン溶液とゲル化触媒と生物学的に活性を有する主成分の緩衝水溶液とを混合するステップと、それに続く、縮合反応から生じた残余のアルコールを抽出するステップと、その後、成形前または成形後に水溶媒を部分的にまたは完全に除去することなく、こうして得た混合物を適切な容器中に成形するステップとを含むが、成形前にも成形後にも、水溶媒の一部または全部を除去することはない。次いで、ゲルの湿潤状態を保存するために、容器を密閉する。さらなる目的は、そのような方法で得たウェットゲルの剤型となる。
本発明によるゲル合成の典型的な手順には、以下の3つのステップが関与する:
1)アルコキシシラン前駆体の触媒により促進された部分的な加水分解;これは、塩基性または酸性の触媒、最も一般的には、HClの存在下で、前駆体を、化学量論的に制御した量のH2Oと反応させることによって引き起こす;
2)生理活性化合物の存在下におけるゲルの形成;これは、ステップ1で得た溶液を、ゲル中に埋包する生理活性を有する巨大分子を含有する緩衝水溶液と混合することによって引き起こす;次いで、混合物を、ゲルが形成するまで密閉する。(無機または有機の塩を用いて得る)いずれかの水性の緩衝液を使用して、生理活性化合物の溶液を調製することができ、そのpHは、2から12、最も一般的には、4と10との間に及ぶことができる;
3)必要であれば、重合の後に、有機溶媒を水で交換する、すなわち、単に、適切な水性の緩衝溶液を使用して、洗浄ステップを数回行うことによって、有機溶媒を除去する;ウェットゲルは、乾燥を防ぐために最小量の緩衝液を有する閉じたバイアル中に、次に使用するまで保存する。
1)アルコキシシラン前駆体の触媒により促進された部分的な加水分解;これは、塩基性または酸性の触媒、最も一般的には、HClの存在下で、前駆体を、化学量論的に制御した量のH2Oと反応させることによって引き起こす;
2)生理活性化合物の存在下におけるゲルの形成;これは、ステップ1で得た溶液を、ゲル中に埋包する生理活性を有する巨大分子を含有する緩衝水溶液と混合することによって引き起こす;次いで、混合物を、ゲルが形成するまで密閉する。(無機または有機の塩を用いて得る)いずれかの水性の緩衝液を使用して、生理活性化合物の溶液を調製することができ、そのpHは、2から12、最も一般的には、4と10との間に及ぶことができる;
3)必要であれば、重合の後に、有機溶媒を水で交換する、すなわち、単に、適切な水性の緩衝溶液を使用して、洗浄ステップを数回行うことによって、有機溶媒を除去する;ウェットゲルは、乾燥を防ぐために最小量の緩衝液を有する閉じたバイアル中に、次に使用するまで保存する。
混合は、通常、0℃と80℃との間、好ましくは、4℃と40℃との間の温度で、0超から600分間、好ましくは、1から60分間行う。
バルクゲル中のシリカの最終含有量は、SiO2相当量として表す。本発明の特定の目的では、生物学的に活性を有する化合物の放出を調節するのにより適することができるSiO2の最終濃度を得るためには、重量/体積の比で表すこの値は、ゲルの調製の間に使用したアルコキシシラン試薬とその他の溶液との相対的な比に依存して、2から24%の間、最も一般的には4から20%の間で変動することができる。生物学的に活性を有する化合物の放出は、分子量または等電点等、その特定の特性に従う。
ゲルをテトラアルコキシシランから得る場合には、最終的なポリマーは、純粋なシリカ(SiO2)からなる。しかし、一定分量のテトラアルコキシシランを、トリアルコキシシランまたはジアルコキシシランで部分的に置換する、すなわち、ケイ素原子に非加水分解性の結合を介して連結している有機部分で一または二置換を行うことができる。この場合、無機/有機のハイブリッド型のポリマーが得られ、SiO2のネットワークは、一部、共有結合によって連結している有機官能基もまた含有する。したがって、本発明のさらなる目的は、以前に記載した方法に従って、修飾されたアルコキシシラン前駆体もまた使用する、ゾルゲルポリマーの調製にも関する。これらの前駆体は、テトラアルコキシシランと組み合せて使用し、テトラアルコキシシランに、これらの前駆体を、加水分解の前のステップの前または後に添加する。置換されたアルコキシシランの性質および量は、生理活性分子の放出の動態およびポリマーの侵食性の両方を最適化するために選択する。2種類以上の置換されたアルコキシシランを、単一の剤型内で使用することができる。修飾されたアルコキシシランの量は、ゲル中の全ケイ素分子に対する相対的なモル比として表す。この値は、0から100%の間、最も好ましくは、0から15%の間で変動することができる。
一または二置換したトリ−またはジ−アルコキシシラン中のケイ素原子において連結している有機部分は、性質が異なる、すなわち、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニル残基であることができ、こうした残基は、例えば、ヒドロキシ、アミン、チオール、スルホネート、スルホキシド、ホスホネート、シアノ、ニトロ、アゾ、スルホンアミド、C−カルボキシレート、O−カルボキシレート、N−チオカルバメート、O−チオカルバメート、尿素、チオ尿素、N−カルバメート、O−カルバメート、C−アミド、N−アミド、グアニル、グアニジンおよびヒドラジン等のその他の基で置換されていても、置換されていなくてもよい。あるいは、有機部分は、いずれかの分子量の直鎖の生体適合性ポリマー(例えば、ポリオキシエチレン−PEO、またはポリビニルピロリドン−PVP)であっても、複合機能性部分(例えば、リガンド、糖、ヌクレオチド等)を含んでもよい。
上記に記載した手順に従って得たゲルは、異なる形状およびコンフォメーション、すなわち、フィルムまたは3次元のバルク形態(例えば、円柱、チューブ、球)に成形することができ、これらの形状は、重合を行う容器によって決定され、この容器から、ゲルは、使用前に押出される。
本発明のさらなる目的は、薬学的に都合のよい形態をなすゾルゲルポリマーの製剤に関し、これは、乳化のような手順を使用して、液滴の形態中でゲル化ステップを行うことによって、1〜1000ミクロンの間、好ましくは、5から200ミクロンの間の直径の微小粒子として得る。
より具体的には、ゲル化の前に、非混和性の液体(界面活性剤を含有していても、含有していなくてもよい)、典型的には、鉱油または植物油中に、ゾルゲル混合物を液滴の形態で分散させ、一定速度で撹拌する。撹拌は、ゾルゲル混合物の分散液滴内でゲル化が生じるまで維持する。次いで、こうして形成されたウェットゲルの液滴(ミクロスフェア)を、遠心分離によって分離し、揮発性有機溶媒、典型的には、ジエチルエーテルまたは石油エーテルで洗浄して、外相を除去し、次いで、水または水性の緩衝溶液で洗浄する。次いで、このミクロスフェアは、閉じたバイアル中で、乾燥を防ぐために最小容量の水溶液中に浸漬して、次に使用するまで維持する。
本発明に開示する湿潤シリカゲル中への、異なる分子量および/または異なる等電点を特徴とするモデルタンパク質、例えば、ウシ血清アルブミン、リボヌクレアーゼAおよびアビジン、ならびに治療用タンパク質、例えば、増殖因子およびサイトカインの封入を使用して、以下の特性を特徴とする、放出制御型剤型のシステムを調製することができる。
i)湿潤シリカゲル中に封入しても、タンパク質は、そのコンフォメーションを維持し、時間が経過しても安定である。さらに、安定性は、溶液中のタンパク質と比較して増強される。
ii)タンパク質を含有するウェットゲルを、37℃で、模擬体液に浸漬すると、封入したタンパク質の緩慢かつ定量的な放出が達成され、放出されたタンパク質は、その生物学的活性を維持する。
iii)湿潤シリカゲルは、放出用緩衝液中に緩慢に溶解し、したがって、タンパク質の放出は、ポリマーを介しての拡散およびポリマーの侵食の両方による。放出時間および侵食速度は、ゲル合成のパラメーターおよびSiO2の最終含有量を改変することによって調節することができる。
iv)タンパク質を配合したウェットゲルをin vivoで投与すると、活性を有する主成分の持続放出が得られ、この成分は、タンパク質の溶液中での投与と比較して、顕著により遅い動態で循環から排出された。
i)湿潤シリカゲル中に封入しても、タンパク質は、そのコンフォメーションを維持し、時間が経過しても安定である。さらに、安定性は、溶液中のタンパク質と比較して増強される。
ii)タンパク質を含有するウェットゲルを、37℃で、模擬体液に浸漬すると、封入したタンパク質の緩慢かつ定量的な放出が達成され、放出されたタンパク質は、その生物学的活性を維持する。
iii)湿潤シリカゲルは、放出用緩衝液中に緩慢に溶解し、したがって、タンパク質の放出は、ポリマーを介しての拡散およびポリマーの侵食の両方による。放出時間および侵食速度は、ゲル合成のパラメーターおよびSiO2の最終含有量を改変することによって調節することができる。
iv)タンパク質を配合したウェットゲルをin vivoで投与すると、活性を有する主成分の持続放出が得られ、この成分は、タンパク質の溶液中での投与と比較して、顕著により遅い動態で循環から排出された。
本発明の目的に適した、生物学的に活性を有する主成分は、少なくとも50Da、好ましくは、少なくとも10KDaの分子量を有することができ、天然または組換えのいずれかに由来するポリペプチド、多糖類、あるいは核酸誘導体であることができる。好ましい実施形態によると、当該の生物学的に活性を有する主成分は、サイトカインまたは増殖因子であり、G−CSF、hGH、アルブミン、アビジン、リボヌクレアーゼ、インターフェロン、エリスロポエチン、およびそれらの類似体または誘導体から選択することができる。
以下に、本発明を、以下の実施例に基づいて説明するが、実施例には、発明の範囲を制限する意図はない。
本発明の目的では、シリカの「ウェットゲル」の剤型とは、76%w/vから98%w/v、好ましくは、80%から94%の水含有量を有するシリカゲルの剤型を意味する。
本発明の目的では、「前後での水溶媒の一部または全部の除去なしに」、混合物を適切な容器中に成形するとは、調製のいずれのステップにおいてもゲルが封入した水の除去を阻止する様式で、1回でアルコキシシラン溶液とゲル化触媒と緩衝水溶液とを混合し、それを水性の緩衝液で洗浄して、縮合反応からの残余のアルコールを除去し、次いで、容器中に成形することを意味する。このことは、ウェットゲルには、いずれの様式の乾燥も行わないこと、特に、ウェットゲルを、キセロゲルにもエアロゲルにも変換させないことを意味する。
本発明の目的では、成形後に容器を「密閉する」とは、ウェットゲルを容器中に成形したら、次いで、保存、輸送または販売が容易に行えるように、容器を閉じることを意味し、必要であれば、水または生理的水溶液と混合した後、調製済み注射用溶液に変換する。
シリカのウェットゲルの調製、タンパク質の封入および封入された生体分子の分光学的手段による構造解析の一般的なプロトコール
液体のテトラメトキシシラン前駆体(TMOS)の部分的な加水分解を、最初に、酸処理によって促進する。すなわち、TMOSとHClとを、室温で30分間混合する(Si:HCl:H2Oのモル比=1:6×10-6:1.25)。次いで、この溶液を、TRIS緩衝液中のタンパク質溶液(TRIS 10mM、NaCl 150mM、pH7.4)と穏やかにボルテックスしながら混合する。この「ゾル」を、ゲル化が生じるまでに、ポリエチレン製の円柱(直径=1cm)に移す。その後、ゲルを、ピストンを用いて、10mlの放出用緩衝液中に押出し、同一の緩衝液で濯いで(3回)、縮合反応によって遊離したメタノールを抽出する。ゲルを、その後の実験まで、閉じたバイアル中で、乾燥を防ぐために最小量の緩衝液で囲んで、4℃で保存する。タンパク質を含有しないゲルを、同一の方法を使用して、タンパク質溶液をTRIS緩衝液のみに置き換えて調製する。表1に、異なるw/v比の純粋なSiO2できている典型的な剤型(1ml)を調製するために使った試薬の量を示す。
液体のテトラメトキシシラン前駆体(TMOS)の部分的な加水分解を、最初に、酸処理によって促進する。すなわち、TMOSとHClとを、室温で30分間混合する(Si:HCl:H2Oのモル比=1:6×10-6:1.25)。次いで、この溶液を、TRIS緩衝液中のタンパク質溶液(TRIS 10mM、NaCl 150mM、pH7.4)と穏やかにボルテックスしながら混合する。この「ゾル」を、ゲル化が生じるまでに、ポリエチレン製の円柱(直径=1cm)に移す。その後、ゲルを、ピストンを用いて、10mlの放出用緩衝液中に押出し、同一の緩衝液で濯いで(3回)、縮合反応によって遊離したメタノールを抽出する。ゲルを、その後の実験まで、閉じたバイアル中で、乾燥を防ぐために最小量の緩衝液で囲んで、4℃で保存する。タンパク質を含有しないゲルを、同一の方法を使用して、タンパク質溶液をTRIS緩衝液のみに置き換えて調製する。表1に、異なるw/v比の純粋なSiO2できている典型的な剤型(1ml)を調製するために使った試薬の量を示す。
有機/無機のハイブリッド型のシリカのウェットゲルの剤型を、テトラアルコキシシランの一部をアルキルで一置換または二置換したトリアルコキシシランで置き換えることによって得る。表2に、異なる量のアルキルシランであるヘキサデシルメトキシシラン(T−C16)もまた含有する、典型的な12%w/vのシリカの剤型を調製するために使った試薬の量を示す。
BSA、アビジン、リボヌクレアーゼAまたはr−hGHのいずれかを包埋したウェットゲル(4%および12%のSiO2)を、実施例1の記載に従って調製した。トリプトファンの蛍光解析(図2)のために、ゲルを、石英製のキュベット内部で直接成形した。試料を、JASCO FP−6200蛍光光度計を用いて解析した。円偏光二色性(CD)解析(図3)のためには、ゲルを、別々のチューブ中に調製し、ガラス棒を用いて手作業で砕き、PBS(10mM リン酸塩、150mM NaCl、pH7.4)またはTBS(10mM TRIS、150mM NaCl、pH7.4)の緩衝液中に懸濁して、石英製のキュベットに移した。CD測定を、JASCO−810分光偏光計上で、遠紫外の波長において、室温(25℃)で行った。0.2nm間隔で、20nm/分の走査速度、2nmのバンド幅、および250から200nmの16秒の応答で、データを収集した。0.1cmの経路長の円形の石英製のセルを、遠紫外領域のために使用した。ゲル中のタンパク質濃度は、約0.2mg/mlであった。遠紫外領域のCD強度を、度cm2/モルの単位で示すモル残基楕円率として表す。
図2および3は、試験した全てのタンパク質の二次構造および三次構造の両方が、湿潤ゾルゲルシリカ中への封入によって影響されないことを示している。包埋されたタンパク質のCDスペクトルは、溶液中の同一のタンパク質のCDスペクトルと、ほぼ重ねあわせることができる。トリプトファンの蛍光シグナルのわずかな青方偏移が、BSAについては認められるが、r−hGHについては認められず、これは、外部のアミノ酸のみが、シリカゲルの親水性の環境を、トリプトファン模倣化合物であるトリプトファンアミドが察知する(図2.b)のと同様の様式で察知することを示している。タンパク質の疎水性のポケットの内部に埋まっているトリプトファンからのシグナル(例えば、r−hGH)は、未変化のままであり、したがって、これもまた、三次構造は、封入によって影響されないことを示している。
r−hGHを包埋した湿潤シリカのミクロスフェアの調製
蛍光r−hGHを、標準的なプロトコール(参照文献)に従って、このタンパク質をフルオレセインイソチオシアネート(FITC)と反応させることによって得た。修飾したタンパク質は、平均してr−hGHの1分子あたり1.5分子のフルオレセイン色素を含有した。ミクロスフェア(12%w/vのSiO2)は、純粋なシリカからできているか、(ヘキサデシルトリメトキシシラン、T−C16から誘導した)5もしくは7%のC16残基を含有し、実施例1の記載に従って「ゾル」を調製することによって、蛍光標識したr−hGHを取り込ませ、ゲル化の前にパラフィン油中に分散させ、パレットシステムを用いて、制御した回転速度でゲル化するまで撹拌した。小規模の調製物を、卓上ボルテックスシステムを用いて撹拌した。次いで、ウェットゲルの液滴(ミクロスフェア)を、1500rpmで3分間遠心分離する(Beckman ALC遠心機PK110)ことによって単離し、石油エーテル、ジエチルエーテル、および最後にPBS緩衝液で洗浄した。次いで、このミクロスフェアを、閉じたバイアル中で、乾燥を防ぐために最小容量の水溶液中に浸漬して維持し、位相差顕微鏡法および蛍光顕微鏡法によって解析した(図4)。
蛍光r−hGHを、標準的なプロトコール(参照文献)に従って、このタンパク質をフルオレセインイソチオシアネート(FITC)と反応させることによって得た。修飾したタンパク質は、平均してr−hGHの1分子あたり1.5分子のフルオレセイン色素を含有した。ミクロスフェア(12%w/vのSiO2)は、純粋なシリカからできているか、(ヘキサデシルトリメトキシシラン、T−C16から誘導した)5もしくは7%のC16残基を含有し、実施例1の記載に従って「ゾル」を調製することによって、蛍光標識したr−hGHを取り込ませ、ゲル化の前にパラフィン油中に分散させ、パレットシステムを用いて、制御した回転速度でゲル化するまで撹拌した。小規模の調製物を、卓上ボルテックスシステムを用いて撹拌した。次いで、ウェットゲルの液滴(ミクロスフェア)を、1500rpmで3分間遠心分離する(Beckman ALC遠心機PK110)ことによって単離し、石油エーテル、ジエチルエーテル、および最後にPBS緩衝液で洗浄した。次いで、このミクロスフェアを、閉じたバイアル中で、乾燥を防ぐために最小容量の水溶液中に浸漬して維持し、位相差顕微鏡法および蛍光顕微鏡法によって解析した(図4)。
包埋タンパク質の熱安定性
BSA、アビジンまたはリボヌクレアーゼAのいずれかを包埋したウェットゲル(4%および12%のSiO2)を調製し、実施例1の記載に従って、ガラス棒を用いて手作業で砕き、10mMリン酸緩衝液、pH7.4中に懸濁した。J−710分光偏光計(Jasco)を使用して、FAR−UVにおいてCDを測定することによって、T−融解曲線を得た。CDスペクトル(0.5nmの分解能および1nmのバンド幅)を、20℃から96℃に及ぶ温度および30℃/時間の加熱速度で、10℃の間隔で記録した。温度変性曲線を、モル残基楕円率の値の変化によって得た。モル残基楕円率は、BSAおよびリボヌクレアーゼAについては、222nmで、アビジンについては、213nmで測定した。結果を、図5に示す。これらの結果は、タンパク質の温度安定性は、ゲルへの封入によって影響されないか、増強されるのいずれかであることを示している。事実、溶液中のタンパク質と比較して、ゲルへの封入後に、同等のまたはより高い安定性が認められた。最も多いSiO2含有量(12%w/v)を有する剤型中に封入した場合に、最も高い安定性が認められた。
BSA、アビジンまたはリボヌクレアーゼAのいずれかを包埋したウェットゲル(4%および12%のSiO2)を調製し、実施例1の記載に従って、ガラス棒を用いて手作業で砕き、10mMリン酸緩衝液、pH7.4中に懸濁した。J−710分光偏光計(Jasco)を使用して、FAR−UVにおいてCDを測定することによって、T−融解曲線を得た。CDスペクトル(0.5nmの分解能および1nmのバンド幅)を、20℃から96℃に及ぶ温度および30℃/時間の加熱速度で、10℃の間隔で記録した。温度変性曲線を、モル残基楕円率の値の変化によって得た。モル残基楕円率は、BSAおよびリボヌクレアーゼAについては、222nmで、アビジンについては、213nmで測定した。結果を、図5に示す。これらの結果は、タンパク質の温度安定性は、ゲルへの封入によって影響されないか、増強されるのいずれかであることを示している。事実、溶液中のタンパク質と比較して、ゲルへの封入後に、同等のまたはより高い安定性が認められた。最も多いSiO2含有量(12%w/v)を有する剤型中に封入した場合に、最も高い安定性が認められた。
プロテアーゼに対する安定性
BSA、アビジンまたはリボヌクレアーゼAのいずれかを包埋したウェットゲル(4%および12%のSiO2)を調製し、実施例1の記載に従って、ガラス棒を用いて手作業で砕いた。次いで、ゲルを、10mMリン酸緩衝液、pH7.4中に懸濁し、100×プロナーゼ(w/w)を添加した。試料を、37℃でインキュベートし、CDスペクトルを、プロナーゼ添加後、予定した時期に記録した。比較のために、溶液中のアビジンを処理し、同様に解析した。遠UVのCDスペクトルを、J−710分光偏光計(Jasco)を使用して、室温で記録し、タンパク質の折り畳み率を、213nmで測定したモル残基楕円率から得た。図6は、タンパク質分解活性に暴露した時間に対するこのパラメーターの変化を示す。溶液中のタンパク質の折り畳み率が、消化1日後には初期値の約50%まで劇的に減少したのに対して、解析に用いた両方のウェットゲルの剤型に封入したタンパク質は、未変化のままであった。これらの結果は、ゲルは、封入したタンパク質をタンパク質分解性の消化から保護することを明らかに示している。
BSA、アビジンまたはリボヌクレアーゼAのいずれかを包埋したウェットゲル(4%および12%のSiO2)を調製し、実施例1の記載に従って、ガラス棒を用いて手作業で砕いた。次いで、ゲルを、10mMリン酸緩衝液、pH7.4中に懸濁し、100×プロナーゼ(w/w)を添加した。試料を、37℃でインキュベートし、CDスペクトルを、プロナーゼ添加後、予定した時期に記録した。比較のために、溶液中のアビジンを処理し、同様に解析した。遠UVのCDスペクトルを、J−710分光偏光計(Jasco)を使用して、室温で記録し、タンパク質の折り畳み率を、213nmで測定したモル残基楕円率から得た。図6は、タンパク質分解活性に暴露した時間に対するこのパラメーターの変化を示す。溶液中のタンパク質の折り畳み率が、消化1日後には初期値の約50%まで劇的に減少したのに対して、解析に用いた両方のウェットゲルの剤型に封入したタンパク質は、未変化のままであった。これらの結果は、ゲルは、封入したタンパク質をタンパク質分解性の消化から保護することを明らかに示している。
湿潤シリカゲルのin vitroでの侵食
タンパク質を含有しない、またはBSA、アビジン、リボヌクレアーゼAもしくはr−hGHを取り込ませたウェットゲル(4%および12%SiO2)を、実施例1の記載に従って調製した。侵食アッセイを、USP溶出装置(Sotax、Basel、スイス)を使用して、37℃で行った。ゲル(500μl)を、500mlの無菌のTBS緩衝液(10mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、150mM NaCl、pH7.4)中に浸漬し、60rpmの回転速度に設定したパドルシステムによって常時撹拌した。上清の一定分量(3ml)を、シリカの定量のために、予定した時期に取り出し、新鮮な緩衝液で交換した。実験で測定した2mMの飽和濃度に基づくと、使用した緩衝液の量は、ゲル中のSiO2の全てを自由に溶解させるのに十分であった。図7は、侵食速度が、ゲル中のSiO2のw/v濃度によって変化することを示している。4%SiO2のウェットゲルは、浸漬4日以内に完全に溶解し(図7a)、一方、12%のゲルは、図7bの曲線から見積ると、約20日を必要とする。
タンパク質を含有しない、またはBSA、アビジン、リボヌクレアーゼAもしくはr−hGHを取り込ませたウェットゲル(4%および12%SiO2)を、実施例1の記載に従って調製した。侵食アッセイを、USP溶出装置(Sotax、Basel、スイス)を使用して、37℃で行った。ゲル(500μl)を、500mlの無菌のTBS緩衝液(10mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、150mM NaCl、pH7.4)中に浸漬し、60rpmの回転速度に設定したパドルシステムによって常時撹拌した。上清の一定分量(3ml)を、シリカの定量のために、予定した時期に取り出し、新鮮な緩衝液で交換した。実験で測定した2mMの飽和濃度に基づくと、使用した緩衝液の量は、ゲル中のSiO2の全てを自由に溶解させるのに十分であった。図7は、侵食速度が、ゲル中のSiO2のw/v濃度によって変化することを示している。4%SiO2のウェットゲルは、浸漬4日以内に完全に溶解し(図7a)、一方、12%のゲルは、図7bの曲線から見積ると、約20日を必要とする。
モデルタンパク質のin vitroでの持続放出
BSA、アビジンおよびリボヌクレアーゼAを、FITCを用いて、標準的なプロトコールに従って修飾した後、実施例1の記載に従って、ウェットゲル中に包埋した(円柱、500μl、4%および12%のSiO2)。FITCタンパク質を包埋するウェットゲルを、15mlまたは500mlのいずれかの無菌TBS緩衝液中に、37℃で浸漬し、常時撹拌した。上清の一定分量を、タンパク質含有量の定量のために、予定した時期に取り出し、新鮮な緩衝液で交換した。使用した緩衝液の量は、(500ml、A)の場合は、ゲル中のSiO2の全部を全て溶解させる量(シリカ侵食条件、図8a)、または(15ml)の場合は、シリカを侵食させない(シリカ非侵食条件、図8b)、したがって、タンパク質の放出は、拡散を介してのみ起こることができるであろう量のいずれかであった。放出試料中のタンパク質濃度は、蛍光および/またはRP−HPLC(Phenomenex C−18カラム)のいずれかによって測定した。結果は、タンパク質の回収が、定量的であること、および放出は、侵食および拡散の両方の過程によることを示している。4%w/vのSiO2を含有する剤型は、(図7に示すように)比較的速く侵食され、したがって、この過程が、放出の主たる推進力である。他方、より高い濃度のシリカを含有するゲルは、はるかにより緩慢に侵食され、そのような状況では、拡散もまた放出に影響する意味のあるパラメーターとなる。拡散は、それぞれのタンパク質の個々の特性によって異なる。これらのデータは、それぞれの個々のタンパク質について、剤型のパラメーターを変化させることによって、放出の動態を調節することが可能であることを示している。
BSA、アビジンおよびリボヌクレアーゼAを、FITCを用いて、標準的なプロトコールに従って修飾した後、実施例1の記載に従って、ウェットゲル中に包埋した(円柱、500μl、4%および12%のSiO2)。FITCタンパク質を包埋するウェットゲルを、15mlまたは500mlのいずれかの無菌TBS緩衝液中に、37℃で浸漬し、常時撹拌した。上清の一定分量を、タンパク質含有量の定量のために、予定した時期に取り出し、新鮮な緩衝液で交換した。使用した緩衝液の量は、(500ml、A)の場合は、ゲル中のSiO2の全部を全て溶解させる量(シリカ侵食条件、図8a)、または(15ml)の場合は、シリカを侵食させない(シリカ非侵食条件、図8b)、したがって、タンパク質の放出は、拡散を介してのみ起こることができるであろう量のいずれかであった。放出試料中のタンパク質濃度は、蛍光および/またはRP−HPLC(Phenomenex C−18カラム)のいずれかによって測定した。結果は、タンパク質の回収が、定量的であること、および放出は、侵食および拡散の両方の過程によることを示している。4%w/vのSiO2を含有する剤型は、(図7に示すように)比較的速く侵食され、したがって、この過程が、放出の主たる推進力である。他方、より高い濃度のシリカを含有するゲルは、はるかにより緩慢に侵食され、そのような状況では、拡散もまた放出に影響する意味のあるパラメーターとなる。拡散は、それぞれのタンパク質の個々の特性によって異なる。これらのデータは、それぞれの個々のタンパク質について、剤型のパラメーターを変化させることによって、放出の動態を調節することが可能であることを示している。
組換えヒト成長ホルモン(r−hGH)の、純粋なシリカでできているゲルからのin vitroでの持続放出
FITCで修飾したr−hGHを、実施例2の記載に従って得、FITC−r−hGHを取り込ませたウェットゲル(円柱、100μl、4%、12%および20%のSiO2)を、実施例1の記載に従って調製し、50mlの無菌のPBS緩衝液中に、37℃で浸漬して、常時撹拌した。上清の一定分量を、タンパク質含有量の定量のために、予定した時期に取り出し、新鮮な緩衝液で交換した。使用した緩衝液の量は、ゲル中のSiO2の全部を全て溶解させる量であった(シリカ侵食条件)。放出試料中のタンパク質濃度は、蛍光および/またはRP−HPLC(Phenomenex C−18カラム)のいずれかによって測定した。結果(図9)は、包埋タンパク質の定量的な回収を示し、ウェットゲルのSiO2の含有量を変化させることによって、放出の動態を調節することができることを示している。
FITCで修飾したr−hGHを、実施例2の記載に従って得、FITC−r−hGHを取り込ませたウェットゲル(円柱、100μl、4%、12%および20%のSiO2)を、実施例1の記載に従って調製し、50mlの無菌のPBS緩衝液中に、37℃で浸漬して、常時撹拌した。上清の一定分量を、タンパク質含有量の定量のために、予定した時期に取り出し、新鮮な緩衝液で交換した。使用した緩衝液の量は、ゲル中のSiO2の全部を全て溶解させる量であった(シリカ侵食条件)。放出試料中のタンパク質濃度は、蛍光および/またはRP−HPLC(Phenomenex C−18カラム)のいずれかによって測定した。結果(図9)は、包埋タンパク質の定量的な回収を示し、ウェットゲルのSiO2の含有量を変化させることによって、放出の動態を調節することができることを示している。
組換えヒト成長ホルモン(r−hGH)の、純粋なシリカでできているゲルまたはアルキル修飾シランもまた含有するゲルからのin vitroでの持続放出
FITCで修飾したr−hGHを、実施例2の記載に従って得、純粋なSiO2または5%ヘキサデシル残基を含有するSiO2(C16、表12)のいずれかでできている、FITC−r−hGHを取り込ませたウェットゲル(円柱、100μl、12%のSiO2)を、実施例1の記載に従って調製した。ゲルは、異なる量のr−hGHを取り込ませ(ウェットゲル1gあたり、0.5;1;2;3;4;5mg)、50mlの無菌のPBS緩衝液中に、37℃で浸漬して(シリカ侵食条件)、常時撹拌した。上清の一定分量を、タンパク質含有量の定量のために、予定した時期に取り出し、新鮮な緩衝液で交換した。放出試料中のタンパク質濃度は、蛍光および/またはRP−HPLC(Phenomenex C−18カラム)のいずれかによって測定した。図10は、放出の動態が、ゲルへの取込み量およびポリマーの組成の両方に依存することを示している。T−C16残基を含有する剤型は、純粋に無機の剤型と比較して、r−hGHを保持する特性がより高いことを示している。
FITCで修飾したr−hGHを、実施例2の記載に従って得、純粋なSiO2または5%ヘキサデシル残基を含有するSiO2(C16、表12)のいずれかでできている、FITC−r−hGHを取り込ませたウェットゲル(円柱、100μl、12%のSiO2)を、実施例1の記載に従って調製した。ゲルは、異なる量のr−hGHを取り込ませ(ウェットゲル1gあたり、0.5;1;2;3;4;5mg)、50mlの無菌のPBS緩衝液中に、37℃で浸漬して(シリカ侵食条件)、常時撹拌した。上清の一定分量を、タンパク質含有量の定量のために、予定した時期に取り出し、新鮮な緩衝液で交換した。放出試料中のタンパク質濃度は、蛍光および/またはRP−HPLC(Phenomenex C−18カラム)のいずれかによって測定した。図10は、放出の動態が、ゲルへの取込み量およびポリマーの組成の両方に依存することを示している。T−C16残基を含有する剤型は、純粋に無機の剤型と比較して、r−hGHを保持する特性がより高いことを示している。
r−hGHの、異なる量のアルキルシロキサン残基を含有するミクロスフェアからのin vitroでの放出
FITCで修飾したr−hGHを実施例2の記載に従って得、純粋なSiO2ならびに5%および7%のC16残基を含有するSiO2(表2)のいずれかでできている、FITC−r−hGHを取り込ませたウェットゲル(12%のSiO2)を、実施例2に従って、ミクロスフェア(直径=32±xxμm)として成形した。ゲルは、ウェットゲル1gあたり3mgのr−hGHを含ませ、無菌のPBS緩衝液中に、シリカの溶解に関して侵食条件で、37℃で浸漬して、常時撹拌した。上清の一定分量を、タンパク質含有量の定量のために、予定した時期に取り出し、新鮮な緩衝液で交換した。放出試料中のタンパク質濃度は、蛍光および/またはRP−HPLC(Phenomenex C−18カラム)のいずれかによって測定した。図11は、C16残基を含有するミクロスフェアは、純粋に無機の剤型と比較して、r−hGHを保持する特性がより高いことを示している。また、ミクロスフェアが侵食可能であることが、放出実験の前および後で記録した蛍光位相差顕微鏡画像によっても示されている(図12)。
FITCで修飾したr−hGHを実施例2の記載に従って得、純粋なSiO2ならびに5%および7%のC16残基を含有するSiO2(表2)のいずれかでできている、FITC−r−hGHを取り込ませたウェットゲル(12%のSiO2)を、実施例2に従って、ミクロスフェア(直径=32±xxμm)として成形した。ゲルは、ウェットゲル1gあたり3mgのr−hGHを含ませ、無菌のPBS緩衝液中に、シリカの溶解に関して侵食条件で、37℃で浸漬して、常時撹拌した。上清の一定分量を、タンパク質含有量の定量のために、予定した時期に取り出し、新鮮な緩衝液で交換した。放出試料中のタンパク質濃度は、蛍光および/またはRP−HPLC(Phenomenex C−18カラム)のいずれかによって測定した。図11は、C16残基を含有するミクロスフェアは、純粋に無機の剤型と比較して、r−hGHを保持する特性がより高いことを示している。また、ミクロスフェアが侵食可能であることが、放出実験の前および後で記録した蛍光位相差顕微鏡画像によっても示されている(図12)。
s.c.非経口投与後のウェットゲルの剤型のin vivoにおける運命
BALB/cマウス、6〜8週齢、雌を、Charles River Laboratories(Calco、Como、イタリア)から購入し、特定病原体除去(SPF)動物施設で飼育した。動物に関わる手順および動物の飼育は、国内のおよび国際的な法律および政策に従う機関のガイドラインに従った。タンパク質を含有しないウェットゲル(4%および12%のSiO2)を、実施例1の記載に従って調製し、実施例2の記載に従って手作業で砕き、等しい容量の無菌のPBS緩衝液を用いて懸濁させた。100μlのウェットゲルに相当する懸濁液の一定分量を、5mlのプラスチック製シリンジおよび18ゲージの針を使用して、左側腹部にs.c.注射した。その後の異なる時点(第24時、第4日、第11日および第19日)で、動物を堵殺して、腹壁の断片を、形態学的解析ために収集した。組織学的評価のために、組織試料を、4%中性緩衝ホルマリン中に固定し、パラフィン中に包埋し、4mmの切片として、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色した(H&E染色)。図12に、4%w/vの剤型の注射後、第1、4、11および19日に認められた注射部位を示し、図13に、12%の剤型について得たデータを示す。
BALB/cマウス、6〜8週齢、雌を、Charles River Laboratories(Calco、Como、イタリア)から購入し、特定病原体除去(SPF)動物施設で飼育した。動物に関わる手順および動物の飼育は、国内のおよび国際的な法律および政策に従う機関のガイドラインに従った。タンパク質を含有しないウェットゲル(4%および12%のSiO2)を、実施例1の記載に従って調製し、実施例2の記載に従って手作業で砕き、等しい容量の無菌のPBS緩衝液を用いて懸濁させた。100μlのウェットゲルに相当する懸濁液の一定分量を、5mlのプラスチック製シリンジおよび18ゲージの針を使用して、左側腹部にs.c.注射した。その後の異なる時点(第24時、第4日、第11日および第19日)で、動物を堵殺して、腹壁の断片を、形態学的解析ために収集した。組織学的評価のために、組織試料を、4%中性緩衝ホルマリン中に固定し、パラフィン中に包埋し、4mmの切片として、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色した(H&E染色)。図12に、4%w/vの剤型の注射後、第1、4、11および19日に認められた注射部位を示し、図13に、12%の剤型について得たデータを示す。
4%のゲル(図13)は、注射24時間後のみに、明らかに目に見える。第4日にはすでに、大きさは顕著に縮み、その後の数日の間に持続性の細胞の浸潤によって完全に置き換わった。他方、12%のゲルの剤型(図14)の再吸収は、はるかにより長い時間を要し、無定形の材料が、注射部位に少なくとも2週間は依然として存在して、試験の最終時点においてのみようやく消失した。これらの結果は、in vitroでの実験における侵食条件と一致し、したがって、侵食条件は、in vivoの状況を十分にシミュレートすることが確認される。これらのデータに基づいて、4%の材料は、1週間以内にほとんど完全に再吸収されると結論付けることができ、一方、12%の材料は、より長い時間、理論的には、約200時間を必要とするであろうと予測し得る。組織学的な観点からは、4%のゲルには、ごくわずかな顆粒球および小さなリンパ球に類似する非常に多くの単核細胞が広範に浸潤しているように見えた。試験したいずれの時点においても、マクロファージは、ほとんど存在せず、留置したゲルの直近の周囲の皮下の組織には炎症の事象の徴候を認めなかった。逆に、12%のゲルは、主に顆粒球によって代表される初期の細胞の浸潤を引き起こし、この顆粒球は、その後に、広範にマクロファージ成分で置き換わり、リンパ球はほとんどなかった。
Claims (27)
- シリカのウェットゲルの剤型を調製するための方法であって、アルコキシシラン溶液、ゲル化触媒、および生物学的に活性を有する主成分の緩衝水溶液を混合するステップと、
その後、成形前後に水溶媒を部分的または完全に除去することなく、得られた混合物を適切な容器中に成形するステップと、
を含むことを特徴とする方法。 - ウェットゲル中の水の量は、76から98%w/v、好ましくは、80から94%w/vであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- ウェットゲルの剤型は、乳化環境中、撹拌下で、成形手順を実施することによって、微小粒子の形状に成形されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記微小粒子は、1から1000ミクロンの間、好ましくは、5から200ミクロンの間の粒子の大きさを有することを特徴とする請求項3に記載の方法。
- 少なくとも1種の界面活性剤の存在下で実施されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記容器は、成形後に密閉されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記混合ステップは、0℃と80℃との間、好ましくは、4℃と40℃との間の温度で行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記混合ステップは、0超から600分間、好ましくは、1から60分間行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記の生物学的に活性を有する主成分は、少なくとも50Da、好ましくは、少なくとも10KDaの分子量を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記の生物学的に活性を有する主成分は、天然または組換えのいずれかに由来するポリペプチドであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記の生物学的に活性を有する主成分は、多糖類または核酸誘導体であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記の生物学的に活性を有する主成分は、サイトカイン、ケモカインまたは増殖因子であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記の生物学的に活性を有する主成分は、G−CSF、hGH、アルブミン、アビジン、リボヌクレアーゼ、インターフェロン、エリスロポエチン、およびそれらの類似体または誘導体から選択されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
- 前記アルコキシシランは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランおよび/またはジグリセロキシシランから選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 0から100%、好ましくは、0から15%の前記アルコキシシランは、化学的に修飾されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- アルコキシシランのアルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニル残基は、ヒドロキシ、アミン、チオール、スルホネート、スルホキシド、ホスホネート、シアノ、ニトロ、アゾ、スルホンアミド、C−カルボキシレート、O−カルボキシレート、N−チオカルバメート、O−チオカルバメート、尿素、チオ尿素、N−カルバメート、O−カルバメート、C−アミド、N−アミド、グアニル、グアニジンおよびヒドラジン残基、ならびに/または生体適合性ポリマー残基によって置換されていることを特徴とする請求項15に記載の方法。
- 前記生体適合性ポリマーは、ポリオキシエチレンおよび/またはポリビニルピロリドンから選択されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
- 前記ゲル化触媒は、無機酸、好ましくは、HClであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記緩衝水溶液は、2から12のpH、好ましくは、4から10のpHを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- シリカのウェットゲルの剤型中のSiO2含有量は、2%w/vと24%w/vとの間、好ましくは4%w/vと20%w/vとの間であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 水でさらに洗浄するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 請求項1から21に記載の方法から得ることができるシリカのウェットゲルの剤型。
- 請求項22に記載のシリカのウェットゲルの剤型を含有する密閉された容器。
- 一回投与用の容器であることを特徴とする請求項23に記載の容器。
- バイアル、アンプル、ボトル、ブリスターおよびシリンジから選択されることを特徴とする請求項23に記載の容器。
- 調製済み注射用溶液を製造するための、請求項1から21に記載のシリカのウェットゲルの剤型の使用。
- 注射用溶液は、シリカのウェットゲルの剤型を、増粘剤を添加してまたは増粘剤を添加せずに、水または生理的水溶液と混合することによって得られることを特徴とする請求項26に記載の容器。
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