JP2009533181A - 整形外科インプラント用セラミック−金属複合材料 - Google Patents

Abstract

本発明はセラミック−金属複合材料から成る整形外科インプラントに関する。複合材料２８，４８，５４は、生体適合可能な金属若しくは合金である第一の相と、例として炭化物類、窒化物類、ホウ化物類、及び／又は酸化物類を含むセラミック粒子の第二の相とを含有する。幾つかの実施形態において、インプラントは多層組成物の一部として均質セラミック層２４を備える。幾つかの実施形態において、多層型組成は均質な金属層３２を備える。

Description

本出願は、２００６年４月１１日に出願された米国特許仮出願第６０／７９０，９１８号明細書の利益を主張し、この米国仮出願の全内容は、ここに参照によって取り込まれる。

本発明は、一般的な整形外科インプラントのセラミック／金属複合材料に関し、とりわけ股関節インプラント用の複合材料に関する。

股関節インプラントにおいて、現在のハード・オン・ハード式支持部材（“hard-on-hard” bearing）の標準規格は、セラミック・オン・セラミック式（ceramic-on-ceramic）及びメタル・オン・メタル式（metal-on-metal）である。セラミック類は、本質的にもろいところが事実上あり、破砕の一定のリスクと常に関係している。同様に、製造可能なセラミック構成材の大きさもまた制限される。大きなセラミック複合材料（とりわけライナ（liner））は、薄い必要性があり、破砕の高いリスクを有し得る。メタル・オン・メタル式複合材料は、ほんのわずかな破砕のリスクしか有しておらず、より大きな複合材料を形成することが可能となる。現在において、メタル・オン・メタル式インプラントの標準規格の材料は、高炭素Ｃｏ−Ｃｒ（コバルト−クロム）合金である。メタル・オン・メタル式インプラントの大きな懸案事項として、接合部からの金属イオンの放出、及びこれらによる人体の生理機能への未知の影響が挙げられる。メタル・オン・メタル式インプラントの有利な点として、より大きなサイズで用いることが可能であることが挙げられる。インプラントのサイズがより大きいことによって、可動域をより広くすることが可能となる。また、メタル・オン・メタル式インプラントは、骨の保存が望ましい一種の関節面再生（resurfacing）適用において有用であることが示されている。このようなより大きな接合部の場合、カウンタ・ベアリング表面及びメタル・オン・メタル式が通常は唯一の他の代替案となるものであることから、従来のポリエチレン若しくは架橋されたポリエチレンは好ましくない。これは、より大きなサイズの場合にはポリエチレンライナがより薄くあるべきといった事実によるものである。より薄いライナは、より小さい機械的強度、増大したクリープを有し、消耗及び骨の溶解を増加させ、いつかはインプラントの破損を生じさせる。

その他の一般的なハード・オン・ハード式インプラントの材質は、セラミック・オン・セラミック式である。現行基準のセラミック・オン・セラミック式インプラントの材質はアルミナである。これらのインプラントにおいて、金属イオンの放出は一般的に懸案事項ではない。しかしながら、セラミック類の限られた強靱性及びもろい特性に起因して、これらのインプラント類をより大きなサイズで形成するのは困難である。セラミック構成材は破砕の有限な可能性を有し、それ故に、起こり得る接合部の不具合及び接合部の破砕に関連する複雑な問題が引き起こされる。

金属構成材及びセラミック構成材の組み合わせによって金属イオンの放出の低減、及び破砕のリスクを最小限にすることは、従来技術の大半の目的であった。金属イオン放出のリスクを低減するための従来技術の一つの方法として、合金の表面上の窒素及び／若しくは炭素を取り入れるのに、拡散プロセス若しくはプラズマ法を用いたヘッド又はライナ若しくは両方への表面硬化技術の活用がある。別の方法として、窒化物類（窒化チタン、窒化クロムなど）、酸化物類（アルミナ、ジルコニア、ジルコニアアルミナなど）、又はダイヤモンド状炭素、若しくはダイヤモンド被覆のセラミック被覆剤を用いて金属面を被膜することである。別の方法として、セラミックライナにメタルヘッドを用いる、若しくはその逆もまたしかりである。この方法において、金属イオンの放出と共に破砕のリスクが低減される。過去に用いられた他の方法として、関節要素間の径方向の間隙の低減があり、その結果、摩耗低減の助けとなる厚い潤滑剤が形成される。Ｆｉｓｈｅｒらによる特許文献１及びＫｈａｎｄｋａｒらにより特許文献２は、メタル・オン・セラミック式関節接合の使用を開示している。Ｆｉｓｈｅｒらは、金属構成材とセラミック構成材との間の硬度の違いは少なくとも４０００ＭＰａであるべきと開示している。具体的にＫｈａｎｄｋａｒらは、金属構成材に対する連接にシリコン窒化物のセラミック構成材の使用を開示している。両方の事例において、嵌め合い係合部材の摩耗を低減することが目的である。しかしながら、両方の事例において、セラミックの破砕する危険性は未だ深刻である。

セラミック−金属複合材料は、従来技術において利用されてきた。特許文献３では、金属マトリックス複合材料から成るアイススケートの滑走部について開示される。アイススケートの滑走部は、中心部にチタンと被覆された金属複合材とを有する。金属複合材料はチタン若しくはジルコニウムを含有してもよい。特許文献４では、金属マトリックス複合素材から形成される、脊椎インプラントなどの矯正装置について開示される。金属マトリックス複合材料は生体適合性金属合金と、硬質又は耐熱材料などの補強部材とを含有する。

しかしながら、金属イオンを放出する危険性及び一枚岩のセラミックの破砕の危険性を低減する、改良された関節連結接合部（articulating joints）の技術的な必要性は未だあり続ける。関節面の一つ若しくは両方が金属マトリックス複合材料を含有する、改良された関節連結接合部の改良された関節連結接合部の技術的な必要性はさらにあり続ける。

本発明の特定の利点として、整形外科インプラントの破砕及び金属イオンの放出の危険性の低減が挙げられる。このような危険性は、セラミック表面と、セラミック表面の下方に段差面とを有する段階的なセラミック−金属複合部材を使用することによって低減される。本願発明の詳細説明に述べられるように、本発明の段階的なセラミック−金属複合材料は、現在使用されているハード・オン・ハード式支持部材に関連する上述した課題への解決策が提供される。本発明は股関節インプラントへとりわけ適用できるが、一般的な整形外科インプラントにも同様に有用である。本発明の他の実施形態例として、ここで記載された組成物は膝インプラント、脊椎インプラント、及びハード・オン・ハード式接合が望ましい他のインプラントへ適用可能である。
米国特許出願公開第２００５／００３３４４２号明細書 米国特許第６８８１２２９号明細書 米国特許第６６２０５２３号明細書 米国特許出願公開第２００４／０２４３２４１号明細書 Metals Handbook Ninth Edition, Volume 9, Metallography and Microstructures, ASM, 1989.

本発明は、典型的な整形外科インプラント用のセラミック／金属複合材料を対象とし、とりわけ股関節インプラント用の複合材料を対象にする。

本発明の一つの側面において、整形外科インプラント構成要素は、金属種及び二次相を備えた均質組成物であって、前記二次相はセラミックを含有し、セラミック粒子間の平均自由距離が前記セラミック粒子の平均サイズより小さい均質組成物、又は多層組成物であって、一つ以上の層がセラミック、金属種、若しくはセラミックと金属種との組み合わせを備えた多層組成物を備える。

幾つかの実施形態においては、セラミックは、アルミナ、ジルコニア、炭化クロム、窒化クロム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、窒化ジルコニウム、炭化タンタル、炭化タングステン、及びこれらの任意の組み合わせで構成される群より選択される。

幾つかの実施形態においては、金属種は、コバルト−クロム、チタン−アルミニウム−バナジウム、ジルコニウム−ニオビウム、及びタンタラム、ならびにこれらの任意の組み合わせで構成される合金群より選択される。

幾つかの実施形態においては、前記多層組成物は均質なセラミックの表面層と、金属種及び二次相を備える表面下層とを有し、二次相は前記表面層の真下にセラミックを含有し、前記表面層と境界面を形成する。

幾つかの実施形態において、均質なセラミックの表面層は、約２５μｍの厚さを有する。

幾つかの実施形態において、表面層はアルミナ１００％である。

幾つかの実施形態において、表面層は、アルミナの体積百分率が８０％であり、ジルコニアの体積百分率が２０％である。

幾つかの実施形態において、金属種とセラミックを含有する二次相とを備える表面下層は、前記表層面との境界面における初期濃度から前記表層面との前記境界面からさらに深部へとセラミックの濃度が低下する段階層である。

幾つかの実施形態において、インプラント構成要素は、前記段階層の真下に均質な金属基質層を備える。

幾つかの実施形態において、金属基質層は、均質なコバルト−クロム合金である。

幾つかの実施形態において、前記表面下層における前記セラミックの前記境界面の濃度は、体積百分率で９８％となる。

幾つかの実施形態において、インプラント構成要素は多層組成物を含有し、一つの層はセラミック及び金属種の組み合わせを備え、前記インプラント構成要素の表面を形成し、前記一つの層は段階層であって、前記表面における初期濃度から前記表面からさらに深部へとセラミックの濃度が減少する。

幾つかの実施形態において、インプラント構成要素は多層組成物を備え、一つの層はセラミック及び金属種の組み合わせを含有し、前記インプラント構成要素の表面が形成され、前記一つの層は段階層であって、前記表面における初期濃度から前記表面からさらに深部へとセラミックの濃度が低減し、前記セラミックの前記表面の濃度が体積百分率で９８％である。

幾つかの実施形態において、インプラント構成要素は金属種及び二次相を含有する均質組成物を備え、前記二次相はセラミックを含有し、前記セラミックがアルミナを含有する。

幾つかの実施形態において、セラミックはアルミナ及びジルコニアの混合物である。

幾つかの実施形態において、インプラント構成要素は股関節インプラントを備える。

幾つかの実施形態において、インプラント構成要素は膝関節インプラントを備える。

ある実施形態において、インプラント構成要素は金属種及び二次相を含有する均質組成物を備え、前記二次相はセラミックを含有し、セラミック粒子間の平均自由距離は前記セラミック粒子の平均サイズの半分以下である。

幾つかの実施形態において、インプラント構成要素は多層組成物を備え、一つ以上の層がセラミック及び金属種の組み合わせを含有し、セラミック粒子間の平均自由距離は前記セラミック粒子の平均サイズより小さい。

幾つかの実施形態において、インプラント構成要素は多層組成物を備え、一つ以上の層がセラミック及び金属種の組み合わせを含有し、セラミック粒子間の平均自由距離は前記セラミック粒子の平均サイズの半分以下である。

本発明のもう一つの形態において、段階的組成物を有する整形外科インプラント構成要素を形成する方法は、セラミック成分及び金属成分の粉末を望ましい比率で混合し、第一の混合物を形成するステップと、セラミック成分及び金属成分を望ましい比率で混合し、第二の混合物を形成するステップと、前記第一の混合物を前記第二の混合物の上に敷設し、第一の層状混合物を形成するステップと、随意に粉末を混合して一つ以上の付加的な混合物を形成し、前記一つ以上の付加的な混合物を前記第一の層状混合物の上に敷設するステップと、前記第一の層状混合物または前記第一の層状混合物と前記一つ以上の付加的な混合物との組み合わせを焼結するステップと、を備える。

幾つかの実施形態において、少なくとも一つの混合するステップはボールミル粉砕プロセス（ball milling process）を使用する混合するステップを備える。

幾つかの実施形態において、少なくとも一つの混合するステップは従来の高温焼結を備える。

幾つかの実施形態において、少なくとも一つの混合するステップは電界装置を使った焼結（electric field assisted sintering）を備える。

幾つかの実施形態において、少なくとも一つの混合するステップは放電プラズマ焼結（spark plasma sintering）を備える。

幾つかの実施形態において、金属成分のヤング率が約６０ＧＰａから約１５０ＧＰａの範囲である。

幾つかの実施形態において、方法は、セラミック粒子間の平均自由距離が前記セラミック粒子のサイズより小さくなるように、セラミック／金属混合物におけるセラミック粒子のサイズ及び体積分率を変えるステップをさらに備える。

方法の幾つかの実施形態において、セラミック粒子間の平均自由距離が前記セラミック粒子のサイズより小さくなるように、セラミック／金属混合物におけるセラミック粒子のサイズ及び体積分率を変えるステップは、セラミック粒子の平均自由距離が前記セラミック粒子のサイズの半分以下となるように、サイズ及び体積分率を変えるステップを備える。

本発明のさらなる特徴、形態、及び利点と同様に、本発明の様々な実施形態の機構及び作用は、添付図面に関連して以下に詳細に説明する。

前述の事項は、以下に続く本発明の詳細な説明がより良く理解されるために、本発明の特徴及び技術的利点を比較的大まかに概説したものである。本発明のさらなる特徴及び利点は以下に説明され、本発明の請求項の対象を形成する。ここで開示された観念及び具体的な実施形態が本発明の同じ目的を実行するために他の構造を修正、若しくは設計するための基盤として容易に活用され得ると、当業者によって高く評価されるべきである。そのような等価な構成は、添付の特許請求の範囲に記載されるような本発明の精神及び範囲から逸脱しないことも当業者は理解されたい。本発明の特徴と考えられる、構成及び操作方法の両方に関する新規な特性は、さらなる目的及び利点とともに、添付の図に関連して検討された場合に、以下の説明からより良く理解される。しかしながら、添付のぞれぞれの図面は例示及び説明する目的を果たすためのみに提供され、本発明の範囲を定義することは意図されていないということが明確に定義されるべきである。

本発明及び本発明の利点のより完全な理解のために、添付の図面とともに以下の説明を参照する。

ここで用いられる“不定冠詞（aまたはan）”は、特に明記されてない限り、一つ又はそれ以上を意味する。「単数」は「複数」を包含し、「複数」は「単数」をも包含する。従って、“セラミック”又は“セラミック構成材”を参照する場合、それぞれは一つ以上のセラミック類、及び一つ以上のセラミック構成材を意味する。“金属”若しくは“金属種”を参照する場合、ぞれぞれは一つ以上の金属、及び一つ以上の金属種を意味する。金属種は一種類の金属若しくは合金であってもよい。

ここで用いられる用語“均質なセラミック”は、一つの特定のセラミックを１００％包含（例えば、１００％アルミナ）するものの、限定はされない。このようにして、用語“均質なセラミック”は、非セラミック成分を実質的に含有しないさえすれば、セラミック類の混合物（例えば、ジルコニア及びアルミナ、或いは他のセラミック類の混合物）を包含する。同様に、用語“均質な金属”若しくは“均質な金属構成材”は、一つの特定の金属を１００％包含（例えば、１００％ジルコニウム）するものの、限定はされない。このようにして、“均質な金属”若しくは“均質な金属構成材”は同様に、非金属が存在しないさえすれば、金属の混合物（例えば、ジルコニウム及びハフニウム、或いは他の金属類の混合物）を包含する。

ここで用いられる“整形外科インプラント構成要素”は、整形外科インプラント全体の一部若しくは整形外科インプラント全体を意味する。

構成要素が百分率で示されている場合、特に明記されてない限り、百分率は体積百分率である。

本発明は、セラミック−金属複合材料から成る整形外科インプラントに関する。複合材料は、生体適合性合金である第一の相と、炭化物類、窒化物類、ホウ化物類、及び／又は酸化物類のセラミック粒子である第二の相とを含有する。セラミック層は金属内に体積百分率で約１％から約１００％（好ましくは体積百分率で約１％から約１００％）、関節面の上に存在し得る。セラミック相の体積分率は、インプラントの関節面から関節以外の基質へ段階的であってもよい。複合材料は、窒素、酸素、炭素、若しくはこれらの組み合わせの拡散を許容することによって、さらに硬化させることができる。セラミック複合材料は、炭化物類、窒化物類、酸化物類、又はダイヤモンド状炭素若しくは多結晶−ナノ微結晶のダイヤモンド被覆若しくは非結晶質のダイヤモンド被覆などの硬い被膜によって被覆することが可能である。

本発明のアプローチは、セラミック層が金属マトリックスの一部分であるセラミック−金属複合材料を用いることである。セラミック層は、金属内に体積百分率で約１％から約１００％存在し得る。この層による金属の表面硬化を施すことで、金属粒子が互いに対して連接するかわりにセラミック粒子が互いに対して連接することで金属イオンの放出が低減され、一枚岩のセラミックに関連する破砕の危険性が低減される。主な目的は、メタル・オン・メタル型接合における金属イオンの放出を低減するが、硬化された表面が他の素材に対する接合にも用いられることである。

本発明のさらなる適用範囲は、以下に提供される詳細な説明から明らかとなる。本発明の好適な実施形態が示唆される一方、詳細な説明及び具体例は例示及び説明の目的のみのためになされ、本発明の範囲を限定するものではない。

好適な実施形態の以下の説明は、事実上単なる模範的な例にすぎず、本発明、その適用、又は使用を限定することを意図したものでは全くない。以下の議論のほとんどは例証目的のための股関節インプラントを中心に取り上げられるが、本発明は他の整形外科インプラントへの適用も可能であることは明瞭である。

図１には、人工股関節１０が示される。人工股関節１０は、幹１２、大腿骨頭１４、ライナ１６、及び曲面部（shell）１８を含有する。大腿骨頭１４は作用的に幹１２に連結され、ライナ１６は曲面部１８に組み付けられる。幹１２は大腿部（図示せず）に据えるよう適合され、曲面部１８は臼蓋窩（図示せず）に据えるよう適合される。大腿骨頭１４はライナ１６に対して連接する。

本発明の幾つかの実施形態において、大腿骨頭１４及び／又はライナ１６は、セラミック層が金属マトリックスの一部分であるセラミック−金属複合材料で作られる。一つの実施形態において、約５から２００μｍの厚さを有するセラミック１００％の表面層の後に、セラミック１００％の組成から始まり、純金属若しくはセラミックの定常状態レベルへと減少するセラミック／金属複合材料の段階層が続いている。他の実施形態において、表面の組成物は約１％から１００％近く（微量の金属を有する表面層）のセラミックを含有し得る。金属に対するセラミック層の体積百分率が約１％から約９５％あってよい。この層は金属に表面硬化を施し、互いに対して連接するセラミック粒子の存在は金属イオンが放出されるのを低減し、一枚岩のセラミックに関連する破砕の危険性が低減される。図１に示される人工股関節１０の実施例において、大腿骨頭１４及び寛骨臼要素１８のライナ１６の両方がセラミック−金属複合材料から作られるが、事例によっては構成要素の一つのみがセラミック−金属複合材料から作られることを当業者は理解されたい。例えば、大腿骨頭１４のセラミック−金属複合材料がポリエチレンから成るライナ、セラミック単体のライナ、若しくは金属から成るライナに対して連接されてよい。もう一つの方法として、セラミック−金属複合材ライナ１６が高分子から成る大腿骨頭（例えばポリエチレンから成る大腿骨頭）、セラミック単体から大腿骨頭、若しくは金属から成る大腿骨頭に対して連接されてもよい。用語“ポリエチレン”は通常のポリエチレンと架橋されたポリエチレンとを含有することを当業者は理解されたい。また、図１に示される人工股関節１０の実施例において、しかるべき状況を明確にするために大腿骨幹１２の一部が図示されている。図１は本発明の股関節インプラントへの用途が示されるが、これはたかが一つの具体例にすぎず、本発明は例えば、膝インプラント、肩インプラント、肘インプラント、及びその他のインプラントなどにとどまらず、すべての整形外科インプラントへの適用が可能である。

複合材料は、（コバルト−クロム系、チタン系、ジルコニウム系、ニオビウム系、及び／又はタンタル系の）生体適合合金である第一の相と、例えば炭化クロム、炭化チタン（ＴｉＣ）、チタン炭窒化物（ＴｉＣＮ）、炭化ジルコニウム（ＺｒＣ）、炭化タンタル（ＴａＣ）、炭化ニオブ（ＮｂＣ）、炭化タングステン、酸化アルミニウム（Ａｌ_２Ｏ_３）、酸化ジルコニウム（ＺｒＯ_２）などを含むが、これらに限定されない、炭化物類、窒化物類、ホウ化物類、及び酸化物類のセラミック粒子である第二の相とを含有する。第二の相は、多結晶、非結晶質、及び／又はナノ結晶のダイヤモンド粗粒をさらに含有してもよい。複合材料は一種のセラミック相若しくは二種以上のセラミック相の組み合わせを含有し得る。

大腿骨頭１４及びライナ１６の硬さは同じ、若しくは異なってもよい。例えば、セラミック複合材料から成る大腿骨頭１４はセラミック単体のライナ１６に対して連接されてよく、ここで、複合材料のセラミック粒子の硬さがセラミック単体とは異なる。もう一つの例として、セラミック複合材料から成る大腿骨頭１４はセラミック複合材料から成るライナ１６に対して連接されてよく、ここで、大腿骨頭のセラミック粒子の硬さがライナのセラミック粒子の硬さとは異なる。構成要素のそれぞれが異なる硬さを有するために、セラミック相の体積分率は約１％から約１００％まで様々である。また、セラミック相の体積分率がインプラントの表面から基質へと段階的になるよう形成されてよい。例えば、表面におけるセラミック相の体積分率が約１００％であって、セラミック相の体積分率が段階的に減少し、基質の中心部において体積分率が約１％以下であってよい。段階的な複合材料の目的は、基質材料の破壊靱性に著しく影響を与えないためである。

本発明の幾つかの実施形態において、この段階的構造は粉末冶金法（powder metallurgical process）を用いて実現することが可能である。このような手法において、セラミック成分及び金属成分の粉末は混合され、焼結される。セラミック相の一様な分布が必要な場合、混合はボールミル粉砕プロセスを用いて成し遂げることができる。このようなプロセスは、通常の当業者によって理解されている。段階的構造を得るために、粉末は層として塗布され、次いで一緒に焼結されてよい。粉末の焼結は、従来の高温焼結法を用いるか、低温において電界装置を使った焼結を用いて成し遂げることが可能である。通常の当業者によって理解されるこのような焼結方法と同様にその他の焼結方法も本発明に有用である。焼結の温度は、合金組成及び所望の構造の型によって決まる。表面の電子ビーム合金化などの他の合金化技術は、そのような段階的構造を実現するために同様に成し得る。粉末冶金法の使用の限定されない一例として、アルミナとＣｏＣｒとの複合構造が形成される。ＣｏＣｒ粉末は、体積分率が２５％から１００％の範囲でアルミナ粉末と混合される。これらの混合物は、次いで異なる層として黒鉛鋳型に流し込まれる。第一の層は、ＣｏＣｒ１００％である。第二の層は、アルミナを２５％有するＣｏＣｒである。第三の層は、ＣｏＣｒ５０％及びアルミナ５０％を有する。第四の層は、アルミナ７５％及びＣｏＣｒ２５％を有する。最上（表面）層は、アルミナ１００％である。この層状構造は、次いで１２００℃にて放電プラズマ焼結法を用いて焼結される。放電プラズマ焼結は、当業者に知られたもう一つの焼結技術である。表面はアルミナ１００％であり、アルミナの割合は基質に向かって減少する。アルミナ粉末は、マトリックスにて大きな不連続部の形成をもたらす大きな粒径範囲を有する。粉末のサイズ及び分布はさらに最適化可能であることは当業者によって理解されている。このような複合構造において、アルミナ１００％が関節面となるはずである。このような表面は、金属イオンの放出を排除すると期待される。段階的な組成は、アルミナのＣｏＣｒ基質への付着が十分であることを確かにする。記載された例において、段階的な組成における変化は比較的急激である。この組成における変化は、段階的機能（より突然な変化）から直線状若しくは望ましいその他の形状へ変更可能であることは当業者によって理解されている。そのような粉末混合物の焼結は従来の焼結プロセスを用いることによって成し得ることは当業者によって理解される。本発明の一つの態様において、このような構造は選択的に表面を融解させ、次いでセラミック粒子によって合金にすることで同様に形成され得る。もう一つの実施態様において、セラミック粒子は溶融合金が凝固される際に沈殿させてもよい。他の実施態様において、セラミック粒子は溶融された合金の溶液に分散されてよく、次いでセラミック粒子の一様分布を得るために混合物は冷却される。

幾つかの実施形態において、セラミック−金属複合材料は、チタン、ジルコニウム、又はニオビウムなどを含むが、これらに限定されない、低弾性率（low modulus）の合金を用いて形成される。これらの合金のヤング率は、一般的に約６０から約１５０ＧＰａの範囲である。低弾性率の合金は、より低い接触圧をもたらし、より厚い流体潤滑膜（fluid film lubrication）の形成を可能にする。厚みのある流体膜は関節要素の摩耗を低減する。低弾性率の合金は、関節要素間のより大きな間隔を確保するために厳選され、結合部の発作（seizure）の発生を低下させる。本発明の一つの態様において、股関節の嵌め合い部材間の径方向の間隙は約１５０ミクロンを超えて維持される。

幾つかの実施形態において、複合材料は、セラミック粒子間の平均自由距離がセラミック粒子の平均サイズより小さくなるように設計される。これは、セラミック粒子の平均直径（サイズ）及び金属内の体積分率を変更することで果たすことができる。粒子の体積分率（Ｖ_ｐ）、これらの粒子間の平均自由距離（λ）、及び平均切片長さ（mean intercept length）で表される粒子の平均サイズ（Ｌ_３）は、以下の式に設けられるように互いに関連し合っている（非特許文献１を参照）。

既知の粒子のサイズ（Ｌ_３）及び粒子間の望ましい距離（λ）に関して、適切な粒子の体積分率（Ｖ_ｐ）を起点として選択可能である。この混合物は、次いで上述の関連を立証するのに、既知、且つ標準的な方法でさらに解析的に評価することができる。好適な実施形態において、平均自由距離（λ）は平均切片長さ（Ｌ_３）より少なくとも１０％短い。上記のプロセスは、粒子間の平均距離を最適化するのに反復的に繰り返される。直径の平均は、粒子の重心を通じて粒子の粒径を測定、且つ実測された直径を平均化することによって計算されてよい。非球形粒子の場合、直径は粒子の重心を通じて粒子の周囲の異なる位置へ測定され得る。例えば、楕円形状の粒子の場合、直径は粒子の異なる位置において測定され、直径の平均が決定される。このような目的のために、当業者によく知られている標準の立体ソフトを用いてよい。一般的に、粒子の大きさはサブミクロン（１ミクロン未満）から約２００ミクロンの範囲にわたる。粒子サイズに基づいて、光学顕微鏡若しくは走査型電子顕微鏡を用いて粒子サイズを測定するのに用いることが可能である。好ましくは、無作為に選択された１０００倍に拡大された少なくとも１０から１５の視野面が検査される。１０００倍以上の倍率が用いられる場合、より多くの視野を検査する必要性が生じ得る。このような測定の正確さ及び精度はより多くの数の視野を検査することによって向上することは当業者によって理解されている。当業者に知られた標準的なガイドライン（例えば、ＡＳＴＭガイドラインなど）は、この目的のために用いることができる。セラミック粒子間の平均自由距離を制御することで、より硬いセラミックがより軟らかい基質に対して連接するリスクを低減することが可能となる。このような複合材料において、本発明の範囲内であり、用いることは可能であるものの、セラミック１００％である必要性はない。整形外科インプラントにおいて二つ以上の複合材要素が互いに対して連接されるとき、（１）セラミック粒子のタイプ、（２）セラミック粒子の体積分率、（３）セラミック粒子のサイズ、（４）セラミック粒子の粒度分布、（５）セラミック粒子の形状、及び（６）金属基質材料は、個々に制御されてよい。個々に制御された粒度分布及び体積分率を有する一種類以上のセラミック粒子は、複合材料に用いることができる。

幾つかの実施形態において、複合材料は、セラミック粒子間の平均自由距離がセラミック粒子のサイズより小さくなるように設計される。幾つかの実施形態において、セラミック相間の平均自由距離はセラミック粒子のサイズより小さい。これはセラミック粒子の直径（サイズ）の平均及び金属におけるセラミック粒子の体積分率を変更することによって果たされる。直径の平均は、粒子の重心を通じて数多くの粒子の直径を平均化することによって計算されてよい。このような目的のために、当業者によく知られている標準の立体ソフトを用いてよい。一般的に、粒子の大きさはサブミクロン（１ミクロン未満）から約２００ミクロンの範囲にわたる。セラミック相間の平均自由距離を制御することで、より硬いセラミックがより軟らかい基質に対して連接するリスクを低減することが可能となる。このような複合材料において、表面はセラミック１００％である必要性はない。幾つかの実施形態において、複合材料は、セラミック粒子間の平均自由距離がセラミック粒子サイズの半分以下となるように設計される。

このような複合材料の表面がセラミック１００％でない場合、硬化された層のさらなる利点を得るために、一種のプラズマ若しくはイオン注入プロセスを用いた、窒素、酸素、炭素、若しくはこれらの任意の組み合わせの拡散を許容することでさらに硬化させることが可能である。構成要素の摩耗を低減する硬化された層のさらなる利点を得るために、ホウ素、炭素、窒素、及び酸素などの反応種の拡散を許容することで複合材料はさらに硬化される。拡散プロセスは、反応種の従来の高温拡散プロセス、又はイオン注入、若しくはプラズマを使ったプロセスを伴ってよい。このような複合材料の拡散硬化された深さは、約１ミクロンから約１０００ミクロンの範囲であってよい。

幾つかの実施形態において、セラミック複合材料は、金属イオンの放出を低減するのに炭化物（ＴｉＣ、ＺｒＣ、ＴａＣなど）、又は窒化物（ＴｉＮ、ＺｒＮ、ＣｒＮなど）、又は酸化物（Ａｌ_２Ｏ３、ＺｒＯ_２）、又はホウ化物、又はダイヤモンド状炭素、若しくは多結晶−ナノ微結晶のダイヤモンド被覆などの硬い被膜によってさらに被覆される。これらの被覆は、物理蒸着法若しくは化学蒸着法を用いて適用することができる。一例として、被膜された大腿骨頭が被膜された、若しくは被膜されていないライナに対して連接されてよい。或いは、被膜されたライナが被膜された、若しくは被膜されていない大腿骨頭に対して連接されてもよい。

関節接合において仕上げ面が最大限の潤滑効果を成すように、大腿骨頭１４及び／又はライナ１６の表面粗度が特定され得る。さらに、関節接合において仕上げ面が最大限の潤滑効果を成すように、大腿骨頭１４とライナ１６との間の径方向の間隙が特定され得る。

本発明の三つの具体例及び限定されない実施形態を以下に述べる。これらは本発明の全範囲を表すものではないことを理解されたい。当業者によって理解される種々の改良も同様に本発明の一部分である。これには、各層の異なる組成特性の他に、さらなる物質からなる層を用いることも含まれる。

本発明の限定されない第一の実施形態において、均質セラミック材料の表面層２４を備えた整形外科インプラント構成要素２０（横断面）が図２に示される。この表面層２４は、例えばアルミナ１００％であってよい。或いは、表面層２４は、例えば体積百分率でアルミナが８０％及びジルコニアが２０％であるセラミック類の混合物であってもよい。しかしながら、当業者に知られたその他の可能な均質セラミック材料も同様に使用することが可能である。幾つかの例として、窒化ケイ素と炭化ケイ素との混合物、及び炭化クロムと炭化チタンとの混合物が含まれる。一般的に、このような様々なセラミック粒子の組み合わせを生成することは可能である。このセラミックから成る表面層２３は約２５μｍであることが好ましいが、他の厚さを用いることも可能である。セラミック層の厚さは、セラミック粒子の相互への、及び界面における基質への付着によって決まる。セラミック層が表面から離層されないような厚さであるべきである。均質なセラミック層の下方に、金属とセラミックとの段階的構造２８を備えるセラミック／金属混合物が存在する。第二の層にセラミック材料としてアルミナを使用する具体例において、アルミナは表面からの深さが増すにつれて単調に減少する初期濃度を有する。初期濃度が体積百分率で９５％から９９％であることが好ましいが、体積百分率で１００％若しくは９５％以下のレベルであって、それから単調に減少してもよい。この層の下には、均質な金属層３２が存在する。一つの例として、第二の層２８は（第一の均質セラミック層の真下において）体積百分率でセラミック９５％及び金属５％の初期濃度を有し、体積百分率でセラミック１０％及び金属９０％の週末濃度までセラミックの含量が減少され得る。次いで、体積百分率で金属１００％であってよい第三の層３２が現れる。個々の層の厚さは５ミクロンから５００ミクロンの範囲であってよく、セラミックの体積分率はステップ関数（step function）（突然の変化）低下、若しくは直線的に低下され得る。セラミック／金属混合物を含有する層は、セラミック粒子の平均サイズの半分以下である前記セラミック粒子間の平均自由距離に特徴付けられてよい。しかしながら、このセラミック粒子間の平均自由距離は多層組成物に必要とされない。

本発明に係る第二の限定されない実施形態が図３に示される。この実施形態は、第二の段階層４８がセラミック／金属のある定常値に低減されるという点において第一の実施形態と異なる。第二の段階層４８は、均質なセラミック組成物の表面層２４の下に存在する。好適な実施形態において、定常レベルは主として金属（例えば、体積百分率でセラミック１０％及び金属９０％）を含有する。しかしながら、ここでは主としてセラミックであってもよい。この実施形態において、離散した第三の層は存在せず、最終的な定常状態の組成物は材料の基質を形成する。従って、図３において、均質なセラミック層２４及びセラミック／金属から成る段階層４８を有する構造４０が示される。層４８のある深さにおいて、セラミック及び金属の定常状態の組成物へ達し、次いで基質の残りが形成される。セラミック／金属混合物を含有する層は、セラミック粒子の平均サイズの半分以下である前記セラミック粒子間の平均自由距離に特徴付けられてよい。しかしながら、このセラミック粒子間の平均自由距離は多層組成物に必要とされない。

図４に示される本発明に係る第三の限定されない実施形態において、構成要素５０は全体にわたって均質であり、単独層５４はセラミック及び金属のある混合物を含有する。この混合物はセラミックが１％から２５％の間どこでも、金属が９９％から７５％の間のどこであってもよい。この実施形態において、セラミック／金属混合物を含有する層は、セラミック粒子の平均サイズの半分以下である前記セラミック粒子間の平均自由距離に特徴付けられる。

描写された実施形態が股関節インプラントにおけるセラミック−金属複合材料の使用を説明するものの、セラミック−金属複合材料は、ポリエチレン又は他の種類のポリマーに対して連接する修復される膝継ぎ手、とりわけ大腿骨膝継ぎ手にて実施することが同様に可能である。ここで記載される本発明は一般的な整形外科インプラントに適用でき、好適な実施形態が股関節インプラント及び膝インプラントであるとはいえ、当業者になじみのある、例えば肩、脊椎、及び他の整形外科インプラントなどにも同様に適用可能である。

本発明の特許請求の範囲に逸脱することなく、対応する具体例を参照して上述したように例示的実施形態において様々な変更を加えることが出来るように、前述の説明に含まれ、且つ添付の図面に示されるすべての内容が制限するものではなく、単に例示的で典型な例と理解されるべきものである。従って、本発明の広さ及び範囲は、上述の典型的な実施形態のいずれによっても制限されるべきではなく、請求項及び請求項と同等のものに基づいてのみ定義されるべきである。

本発明の一実施形態による人工股関節を示す図である。 本発明に係る多層型構造の一実施形態例の断面図である。 本発明に係る多層型構造の一実施形態例の断面図である。 金属種と、セラミックを含有する二次相とを備えた均質組成物を有する一実施形態例の断面図である。

符号の説明

１０ 人工股関節
１２ 幹
１４ 大腿骨頭
１６ ライナ
１８ 曲面部
２０ インプラント構成要素
２４ 均質なセラミック層
２８，４８，５４ 複合材料
３２ 均質な金属層

Claims (28)

1. 金属種及び二次相を備えた均質組成物であって、前記二次相はセラミックを含有し、セラミック粒子間の平均自由距離が前記セラミック粒子の平均サイズより小さい均質組成物、又は、
   多層組成物であって、一つ以上の層がセラミック、金属種、若しくはセラミックと金属種との組み合わせを備えた多層組成物、
   を備えることを特徴とする整形外科インプラント構成要素。
2. 前記セラミックが、アルミナ、ジルコニア、炭化クロム、窒化クロム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、窒化ジルコニウム、炭化タンタル、炭化タングステン、及びこれらの任意の組み合わせで構成される群より選択されることを特徴とする請求項１に記載のインプラント構成要素。
3. 前記金属種が、コバルト−クロム、チタン−アルミニウム−バナジウム、ジルコニウム−ニオビウム及びタンタラム、ならびにこれらの任意の組み合わせで構成される合金群より選択されることを特徴とする請求項１に記載のインプラント構成要素。
4. 前記多層組成物は均質なセラミックの表面層と、金属種及び二次相を備える表面下層とを有し、前記二次相は前記表面層の真下にセラミックを含有し、前記表面層と境界面を形成することを特徴とする請求項１に記載のインプラント構成要素。
5. 前記均質なセラミックの前記表面層が約２５μｍの厚さを有することを特徴とする請求項４に記載のインプラント構成要素。
6. 前記表面層がアルミナ１００％であることを特徴とする請求項４に記載のインプラント構成要素。
7. 前記表面層が、体積百分率でアルミナ８０％であり、ジルコニア２０％であることを特徴とする請求項４に記載のインプラント構成要素。
8. 金属種と、セラミックを含有する二次相とを備える表面下層が、前記表層面との境界面における初期濃度から、前記表層面との前記境界面からさらに深部へとセラミックの濃度が低下する段階層であることを特徴とする請求項４に記載のインプラント構成要素。
9. 前記段階層の真下に均質な金属基質層をさらに備えることを特徴とする請求項８に記載のインプラント構成要素。
10. 前記金属基質層が均質なコバルト−クロム合金であることを特徴とする請求項９に記載のインプラント構成要素。
11. 前記表面下層における前記セラミックの前記境界面の前記濃度が体積百分率で９８％であることを特徴とする請求項４に記載のインプラント構成要素。
12. 前記多層組成物を備え、一つの層はセラミック及び金属種の組み合わせを含有し、前記インプラント構成要素の表面を形成し、且つ前記一つの層は段階層であって、前記表面における初期濃度から前記表面からさらに深部へとセラミックの濃度が減少することを特徴とする請求項１に記載のインプラント構成要素。
13. 前記セラミックの前記表面の前記濃度が体積百分率で９８％であることを特徴とする請求項１２に記載のインプラント構成要素。
14. 金属種及び二次相を含有する均質組成物を備え、前記二次相はセラミックを含有し、前記セラミックがアルミナを含有することを特徴とする請求項１に記載のインプラント構成要素。
15. 前記セラミックがアルミナとジルコニアとの混合物であることを特徴とする請求項１４に記載のインプラント構成要素。
16. 前記インプラント構成要素が股関節インプラントを備えることを特徴とする請求項１に記載のインプラント構成要素。
17. 前記インプラント構成要素が膝関節インプラントを備えることを特徴とする請求項１に記載のインプラント構成要素。
18. 金属種及び二次相を含有する均質組成物を備え、前記二次相はセラミックを含有し、セラミック粒子間の平均自由距離が前記セラミック粒子の平均サイズの半分以下であることを特徴とする請求項１に記載のインプラント構成要素。
19. 多層組成物を備え、一つ以上の層がセラミック及び金属種の組み合わせを含有し、セラミック粒子間の平均自由距離が前記セラミック粒子の平均サイズより小さいことを特徴とする請求項１に記載のインプラント構成要素。
20. 多層組成物を備え、一つ以上の層がセラミック及び金属種の組み合わせを含有し、セラミック粒子間の平均自由距離は前記セラミック粒子の平均サイズの半分以下であることを特徴とする請求項１に記載のインプラント構成要素。
21. 段階的組成物を有する整形外科インプラント構成要素を形成する方法であって、
    セラミック成分及び金属成分の粉末を望ましい比率で混合し、第一の混合物を形成するステップと、
    セラミック成分及び金属成分を望ましい比率で混合し、第二の混合物を形成するステップと、
    前記第一の混合物を前記第二の混合物の上に敷設し、第一の層状混合物を形成するステップと、
    随意に粉末を混合し一つ以上の付加的な混合物を形成し、前記一つ以上の付加的な混合物を前記第一の層状混合物の上に敷設するステップと、
    前記第一の層状混合物、又は前記第一の層状混合物と前記一つ以上の付加的な混合物との組み合わせを焼結するステップと、
    を備えることを特徴とする方法。
22. 少なくとも一つの混合するステップがボールミル粉砕プロセスを使用する混合するステップを備えることを特徴とする請求項２１に記載の方法。
23. 少なくとも一つの混合するステップが従来の高温焼結を備えることを特徴とする請求項２１に記載の方法。
24. 少なくとも一つの混合するステップが電界装置を使った焼結を備えることを特徴とする請求項２１に記載の方法。
25. 少なくとも一つの混合するステップが放電プラズマ焼結を備えることを特徴とする請求項２１に記載の方法。
26. 前記金属成分が約６０ＧＰａから約１５０ＧＰａの範囲のヤング率を有することを特徴とする請求項２１に記載の方法。
27. 前記セラミック粒子間の平均自由距離が前記セラミック粒子のサイズより小さくなるように、セラミック／金属混合物におけるセラミック粒子のサイズ及び体積分率を変えるステップをさらに備えることを特徴とする請求項２１に記載の方法。
28. 前記セラミック粒子間の平均自由距離が前記セラミック粒子のサイズより小さくなるように、前記セラミック／金属混合物における前記セラミック粒子のサイズ及び体積分率を変えるステップが、セラミック粒子の平均自由距離が前記セラミック粒子のサイズの半分以下となるようサイズ及び体積分率を変えるステップを備えることを特徴とする請求項２７に記載の方法。

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